「 論文データ捏造 」 一覧

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次期(第31代)東大総長は藤井輝夫理事・副学長(財務、社会連携・産学官協創担当)~予備選挙トップ候補者が第2次候補リストから消えていた謎~

  次期(第31代)東大総長は藤井輝夫理事・副学長(財務、社会連携・産学官協創担当)に決まりました。 2020年10月2日、東京大学は五神真総長の任期満了に伴う次期総長予定者選考のための総長選考会議を開催し、次期総長予定者として藤井輝夫理事・副学長を選出しました。(次期総長予定者の藤井輝夫理事・副学長が会見 東京大学 本部広報課 2020年10月2日) 【速報・東大総長選考】次期総長が藤井理事・副学長に事実上決定(2020年10月2日 東大新聞オンライン) 現在の東大の役員・監事 現在の理事・副学長が昇進するのですね。下は、役職、任期、氏名、略歴の一部です。 総長 (H27.04.01 ~R03.03.31)五神 真  S55.03 東京大学理学部卒業 S60.04 理学博士(東京大学) H10.08 東京大学大学院工学系研究科教授 理事・ 副学長 (R02.04.01 ~R03.03.31) 福田 裕穂 担当:総務、入試・高大接続、評価 S52.03 東京大学理学部卒業 S57.03 理学博士(東京大学) H06.05 東北大学理学部教授 H07.10 東京大学理学部附属植物園教授 理事・ 副学長 (R02.04.01 ~R03.03.31)宮園 浩平 担当:研究、懲戒 S56.03 東京大学医学部卒業 H01.12 医学博士(東京大学) H12.08 東京大学大学院医学系研究科教授 理事・ 副学長 (R02.04.01 ~R03.03.31)藤井 輝夫 担当:財務、社会連携・産学官協創 S63.03 東京大学工学部卒業 H05.03 博士(工学)(東京大学) H19.02 国立大学法人東京大学生産技術研究所教授 理事・ 副学長 …

東京大学が医学部研究不正疑惑論文に関する調査報告書を国民に開示しないのは違法

2016年の8月にOrdinary_Researchersが告発した東大の論文不正疑惑では、エラーバーを棒グラフの内部に押し込むなど同じような手口が、医学系、理学系のラボからの論文で見られました。 関連記事 ⇒ Ordinary_researchersの告発2通め11論文 グラフが手作業で適当にでっちあげられているのを見て、自分はゾッとしました。見てはいけない犯行現場を目撃してしまったような嫌な気分にさせられたのです。これ以上の不正の証拠はないだろうと思いました。 関連記事 ⇒ 告発内容を画像編集フリーソフトで確認する方法 ところが非常に驚いたことに、理学系では研究不正が認定されラボがお取り潰しになったのに対して、医学系に関しては不正無しの一言で片づけられてしまいました。それどころか、このような論文作成作法が「通常」だと東大がのたまったのです(22報論文調査報告 17~21ページ)。それが本当なら、東大医学部から出る論文は誰からも信用されなくなりますから、東大執行部によるこのようなステートメントは、東大の評判を落とし、東大の名誉を著しく傷つけると思います。 関連記事 ⇒ 医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大   東大医学部の不正疑惑論文に関しては、本当にすべての図に関して実験がなされていたのでしょうか?エラーバーを棒グラフの裏に手作業で押し込んでいた論文の図に該当する生データで、有意差は出るのでしょうか?東大にはそれを納税者や研究コミュニティに対して説明する義務があります。もちろん、すべての図に関して個別に! 分生研の不正だけやけに詳細に報告し、医学部のほうは情報がほぼなかったので医学部のほうは調査すらしなかったのかなと当初思いました。しかし、答申にある文書名から察する限り、医学部でも調査は行われていたようです。外部の研究者が調査委員として加わり、科学者としての良心と常識に基づいて調査したのでしょうから、第三者が研究不正の有無を判断する上で十分な情報量が調査資料にあるのではないかと思われます。 「22報論文に関する調査報告書」および、医学部保有の「調査班会議資料」、「部局調査結果報告書」、「個別の論文説明資料(1214頁)」、「ヒアリング反訳資料(291頁)」を公表して、科学コミュニティの判断を仰ぐのは東大執行部の責務でしょう。そもそも国民の知る権利は法的に保障されており、公開しない理由がないのです。 関連記事 ⇒ 東大医論文疑惑 知る権利を蹂躙する東大 東大では生データと発表データが食い違うのがほとんどらしいので(22報論文報告書 14ページ)、調査の生データともいうべき「個別の論文説明資料(1214頁)」と「ヒアリング反訳資料(291頁)」を吟味する必要がありそうです。みなさん、是非、東大に資料の開示請求をしてみてください。 外部リンク ⇒ 法人文書の情報公開について(東京大学)   さて、東大がなぜ調査内容を国民や研究者コミュニティに対して公開できないのかが謎なのですが、東京大学理事の中には科学者だけでなく弁護士もいますから、調査報告書を隠すことの違法性を承知しているはずです。法を犯してまで隠さなければいけないことって一体何なのでしょう?まさかとは思いますが、デタラメな論文業績(註:東大の報告書いわく、ほとんどの場合において、オリジナルデータすなわち実験で得られた測定値≠論文のグラフが表す数値)に基づいてAMEDや文科省から何十億円もの研究助成を受け取っている現状を現東大理事たちが積極的に守ろうとしているのだとすれば、かなりたちが悪いと言わざるを得ません。文科省やAMED、厚労省がこれを黙認しているのも、国民に対する裏切り行為だと思います。 関連記事 ⇒ 東大医 異常な論文図表作成でも不正なし アメリカでは研究不正を隠蔽した大学が訴えられたというケースもあります。 関連記事 ⇒ デューク大学、研究不正隠しで損害賠償請求訴訟 医学部の研究室では棒グラフのエラーバーを手でいじるのが「通常」だとしたら、そんな環境にあって、まともに実験して結果を出そうと努力している多くの研究者や大学院生がハラスメントの被害に合う危険が大きいのではないですか? 情報を隠蔽することにより、研究や教育に極めて不適切な環境を積極的に維持しようと努めている(ように自分には見える)現東大執行部の責任は重大だと考えます。 東大医学部といえば、日本全国から最高の学力を備えた高校生たちが入ってきて、トップでないと気がすまない子供たちがさぞ夢と期待を抱いて学んでいるはずなんだが、その行き着く先が捏造が常態化した研究室になるとしたら、シュールすぎる。と書いたてみたがホラー映画より恐ろしい現実に気が滅入る。 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) August 2, 2017   …

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”アディポネクチン受容体”の機能 AdipoR1 and AdipoR2 maintain membrane fluidity in most human cell types and independently of adiponectin

トップジャーナルに出た日本の研究成果がことごとく再現されていないということを指摘した論文を紹介します。 学会などで研究者同士はたいてい知り合いになるので、他の研究者の実験結果が自分の手で再現されなかったとしても、そうそう露骨に論文内でそれを指摘することはなく、せいぜい、実験条件の微妙な違いかもとか、手技の違いかもとか、使った実験動物の系統の差かもしれないなどと言ってお茶を濁すものだと思っていました。 この論文の著者らはイントロにおいて、再現性がないアディポネクチン受容体(AdipoR1, AdipR2)の実験結果を、分野外の人間にも理解できるくらい明解に整理してくれています。   論文サイト(オープンアクセス、著作権CC-BY)→http://www.jlr.org/content/60/5/995.full 論文タイトル:AdipoR1 and AdipoR2 maintain membrane fluidity in most human cell types and independently of adiponectin 論文著者:Mario Ruiz, Marcus Ståhlman, Jan Borén, Marc Pilon.   著者の所属大学:Department of Chemistry and Molecular Biology;* University of Gothenburg, Gothenburg, Sweden, Department of Molecular and …

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STAP細胞事件の真相 小保方晴子氏の頭の中にあったもの

STAP細胞は結局あったのか無かったのか、何だったのか?という疑問をいまだに持っている人も多いかと思います。 STAP細胞事件 STAP細胞事件で炙り出されたのは、日本の生命科学研究がいかに杜撰に行われていたかということでした。2014年1月30日付けのNATURE誌に掲載された2報のSTAP細胞論文の内容を伝えた最初のニュースに接して、凄い研究者が出現したものだと自分も思い、このウェブサイトでも記事にしましたが、今から考えるとマヌケだったと思います。研究者も変わったなあ、こんな見た目の人がこんなすごいことをやってのけるんだ?と当時はびっくりしました。 記者会見&報道を鵜呑みにした、当時のマヌケな記事↓信じられないくらい簡単に体細胞を万能細胞に転換させる方法を日本人女性研究者(30)が発見!   STAP細胞とは STAP細胞とは、Stimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP)という現象を示す細胞ことで、STAP細胞を日本語でいえば刺激惹起性多能性獲得細胞(しげきじゃっきせいたのうせいかくとくさいぼう)となります。2014年に小保方晴子研究員らを中心とする研究グループによりNATURE誌に論文報告されましたが、現在ではそんなものは存在しなかったことになっています。 STAP現象を発見したと宣伝する理研のプレスリリース↓。 マウスのリンパ球などの体細胞を⽤いて、こうした体細胞の分化型を保持している制御メカニズムが、強い細胞ストレス下では解除されることを⾒いだしました。さらに、この解除により、体細胞は「初期化」され多能性細胞へと変化することを発⾒しました。この多能性細胞は胎盤組織に分化する能⼒をも有し、ごく初期の受精胚に⾒られるような「全能性[5]」に近い性質を持つ可能性が⽰唆されました。この初期化現象は、遺伝⼦導⼊によるiPS細胞(⼈⼯多能性幹細胞)の樹⽴とは全く異質のものです。共同研究グループは、この初期化現象を刺激惹起性多能性獲得(STAP)、初期化された細胞をSTAP細胞と名付けました。(2014年1⽉29⽇ 理化学研究所 報道発表資料 PDF)   STAP細胞とiPS細胞との違い STAP細胞はひとりの人間の妄想の産物およびその妄想が共同研究者の脳にも宿った結果、論文報告という意味において現実化したものですが、実在はしません。それに対して、iPS細胞は実際に存在する細胞です。   「STAP細胞はあります」 小保方晴子氏が記者会見で記者からの「STAP細胞はあるんでしょうか?ないんでしょうか?」という質問に答えた「STAP細胞はあります」という発言は、2014年の流行語大賞にノミネートされるほど社会的なインパクトがありました。 「STAP細胞はあります!」 4月9日反論会見 小保方氏本人と守護霊が激白!!【ザ・ファクト REPORT #3】   流行語大賞はどれ? 「STAP細胞はあります」「ありのままで」など50語ノミネート (2014.11.19 16:25 産経ニュース)今年話題となった言葉に贈られる「2014ユーキャン新語・流行語大賞」の候補が19日、「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社から発表された。今年は、小保方晴子氏の「STAP(スタップ)細胞はあります」やアニメ映画「アナと雪の女王」の「ありのままで」、お笑いコンビ「日本エレキテル連合」の「ダメよ~ダメダメ」など50語がノミネート。大賞とトップ10は12月1日に発表される。 こっちが流行語大賞? 小保方さんの「レシピある」発言はすごい(2014.12.18 11:30 AERAdot.) やく:私は一貫して、小保方さんを擁護しています。かみさんには「あなたはインテリ女に弱い」と言われるんですが、まことにそのとおり。疑惑に答えるため4月に開いた会見で発した、「STAP細胞はあります」という言葉が新語・流行語大賞の候補になりましたが、私はそれより、「STAP細胞は200回以上作製に成功した」という言葉に重きを置きたい。検証実験の結果はまだ公表されていませんが、201回目の成功を待てばいいだけです。 ぺリー:小保方さんの「レシピのようなものはある」という発言はすごいと思いました。科学者は、レシピとは言わないでしょ。かっぽう着でレシピですからね。   STAP細胞の真実 結局、STAP細胞は存在しなかったと思います。あったとすれば小保方さんの頭の中にだけあったのでしょう。そして、周囲の研究者は、すくなくとも当初は、それを信じたのです。研究の過程で、アーチファクトをうっかり大発見と見間違うことはありがちです。思い込みが激しければ、死にゆく細胞の自家蛍光をGFPの蛍光と見間違った可能性は大きかったと思います。   関連書籍(アマゾンへのリンク) 小保方 晴子『あの日』 講談社 2016年1月29日 小保方 晴子『小保方晴子日記』 …

2018年11月19日ディオバン論文不正事件の控訴審判決

アンジオテンシンII受容体拮抗系高血圧治療薬・ディオバン(一般名:バルサルタン)を巡る医師主導の臨床研究でデータを改ざんしたとして、薬事法(現・医薬品医療機器法)の第66条に基づく誇大記述・広告違反に問われたノバルティスファーマの元社員・白橋伸雄被告と同法両罰規定により起訴された法人としてのノバルティスファーマに対する控訴審判決で、東京高裁は11月19日午後、一審の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 同裁判は、日本人の高リスク高血圧患者を対象にノバルティスのディオバンの上乗せによる心血管イベント発症抑制効果を比較検討した「Kyoto Heart Study(KHS、主任研究者:松原弘明・京都府立医科大学循環器内科教授)」の2つのサブ解析論文での不正について問われたもの。(一審の無罪判決を支持。「66条1項での対応は無理があり、新たな立法措置が必要」 2018年11月19日 PM04:38 医療NEWS QLifePro) 「ディオバン」データ改ざん、2審も無罪判決 (2018年11月19日 21時34分 読売新聞 YOMIURI ONLINE) 高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データを改ざんしたとして薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(誇大記述・広告)に問われた製薬大手「ノバルティスファーマ」の元社員・白橋伸雄被告(67)と法人としての同社の控訴審判決で、東京高裁は19日、無罪とした1審・東京地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 芦沢政治裁判長は、「たとえ白橋被告が虚偽のデータを提供し、それを基に虚偽の論文を学術雑誌に掲載させたとしても、薬事法が禁じる誇大記述・広告にはあたらない」と述べた。 薬事法違反を巡る裁判で一審を支持 ディオバン論文不正事件で判決、二審も無罪 (2018/11/19 満武 里奈=日経メディカル) 降圧薬バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床研究論文不正事件で医薬品医療機器等法(旧薬事法)違反の罪に問われ、一審で無罪を言い渡されたノバルティスファーマ元社員の白橋伸雄被告とノバルティスファーマの控訴審判決が11月19日、東京高裁であった。東京高裁は一審の判決を支持し、検察側の主張を棄却した。論文を掲載した行為は、旧薬事法第66条第1項の「虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」には抵触せず、違法性はないと判断した。     ノバルティスファーマ社の降圧薬バルサルタン(商品名:ディオバン)の論文不正で、ノバ社の元社員と同社が薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)の罪に問われた事件の控訴審初公判が12日に東京高等裁判所で開かれ、即日結審した。判決は11月19日。元社員と同社に対して無罪とした東京地裁の判決を不服として、東京地検が控訴していた。… 昨年3月の判決で東京地裁は、元社員がディオバン群に有利にするために意図的にデータを改竄したとの検察の主張を認めたものの、学術雑誌の論文掲載に購入意欲を喚起する性質があるとはいえず、薬事法が規制する虚偽広告には当たらないと判断し、無罪判決を言い渡した。(NEWS ディオバン論文不正事件の控訴審判決は11月19日  2018-09-14 日本医事新報社) ノバルティスファーマ社の降圧剤(一般名バルサルタン:商品名ディオバン)を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件の控訴審が9月13日、東京高裁(芦澤政治裁判長)で開かれ、即日結審した。開廷時間は3分程度で、裁判所は事実関係については一審判決を踏襲し、学術論文を作成する行為が薬事法66条1項の虚偽広告に当たるかどうかを改めて判断すると見られる。(ディオバン裁判、高裁は即日結審、11月に判決 学術論文を作成する行為が薬事法違反かどうかが争点レポート 2018年9月13日 (木)高橋直純 m3.com編集部) 白橋被告らは、薬事法で禁じられている「虚偽記述・広告」をしたとして起訴された。一審・東京地裁は白橋被告が臨床データを改ざんしたと認定しつつ、「論文は広告にあたらない」と判断し、無罪とした。検察側はこの日、「誇大な事柄を広く知らしめれば、法律に違反する」と主張した。(「一審は法解釈を誤った」ノバルティス論文不正で検察側 2018年9月14日14時00分 APITAL 朝日新聞DIGITAL) 一審は17年3月、データ改ざんを認定したが、データに基づく論文投稿は「購入意欲を喚起させる手段と言えず、誇大広告に当たらない」として無罪を言い渡した。(2018/09/13-16:48) 一審は17年3月、データ改ざんを認定したが、データに基づく論文投稿は「購入意欲を喚起させる手段と言えず、誇大広告に当たらない」として無罪を言い渡した。(二審判決は11月19日=ノバルティス論文改ざん-東京高裁 2018/09/13-16:48  JIJI.COM)   【タブー】ディオバン事件は一部マスコミ関係者の地道な追及で、大学教授、製薬会社員の犯罪の事実関係を解明。だが、捏造が明らかでも、裁判所が無罪に、関係教授が学会理事長に。日頃、社会保障の金がかかりすぎると騒ぐ提灯マスコミは、健康保険にたかる詐欺企業の控訴審の存在すら国民に伝えない。 — 金子勝 (@masaru_kaneko) 2018年11月18日   参考 金子勝の「天下の逆襲」 これは深い病だ…文書やデータの改竄に社会が驚かない異常 2018/05/30 06:00 日刊ゲンダイDIGITAL 意外な無罪判決で検察に衝撃 ディオバン事件の経過と今後 前田恒彦 | …

医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大

日本の科学研究史上最悪の研究不正 サイエンス記事では、弘前大の研究不正事件を史上最大級の一つとしていますが、私は個人的には東京大学医学部のデータ捏造論文(=オリジナルデータと論文データがことごとく異なる)を東大の現執行部が隠蔽(=本調査の報告書すら非公表)していることも、日本の科学研究の歴史における最大最悪の不正の一つだと思っています。 なにしろ、「論文のグラフが手描きで作られていて(=つまり、デタラメ)、オリジナルデータと論文データがことごとく異なるもの(=つまり、全部がデタラメ)」を、日本でトップの研究大学である東京大学の総長や理事ら現執行部が「研究不正とはみなさない」と公式に宣言したのです。これにより、日本の科学研究の世界において「研究倫理」という言葉は、その意味を完全に失ったように感じます。 Ordinary_Researchersが同時に告発した理学系論文の方はクロをクロとして厳正に対処した一方で、医学系論文に関してはクロをクロと呼ばずにシロと呼ぶことにして、シロなのでハイおしまい、こんな屁理屈で重大な論文不正疑惑にフタをしようとする東大の破廉恥ぶりには驚き呆れます。 私はOrdinary_Researchersの告発文書を見て、いくらなんでもここまでデータ捏造の証拠を突きつけられたら誰も言い逃れはできないだろうと思っていました。 東大医学部の疑惑論文、エラーバーすら使い回しって。。これで不正と認定されない可能性って0.0何パーセントくらいあるんだろうか? https://t.co/bhYH3q0wbr pic.twitter.com/I5vNyFNHD9 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年6月21日 なので、まさか、科学者や弁護士という立派な経歴を持つ東大執行部の大人たちが、こんな幼稚なことを真顔で言って医学部の不正疑惑の幕引きを謀ろうとするなどとは、自分は夢にも思いませんでした。 背中にナイフが刺さった状態でうつ伏せに倒れて路上で死んでいる人を誰かが見つけて通報したところ、それは自然死なので事件性はないと現在の日本の警察が発表したくらいの計り知れない衝撃を感じたニュース 東大が医学系5研究室に不正はないと結論 https://t.co/q7qzJ4PhSf — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年8月1日 医学系論文の一部に関してはオネストエラーあるいは雑誌社編集過程でのミスだったと説明されましたが、説明が一切なされなかった論文に関しては、デタラメな論文(=論文の図のどのグラフも実験値を表していない)にもかかわらず不正認定を免れて立派な”研究業績”として生きているため、現在も、国民の税金が原資である科学研究費が何億円という規模でこれらの”研究者”のもとに流れ込んでいます。 もしもデータ捏造の事実があり、東大理事や監督省庁(文科省)、研究資金配分機関(文科省、厚生省、経産省、AMED)の官僚らがそれを知りつつ隠蔽しているのだとしたら、彼らのやっていることは公金の横領となんら変わらない重大な犯罪行為だと思う。https://t.co/ceD9nWEu17 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2018年2月20日 日本の科学研究において、そして、東大において、一刻も早く正義が回復することを願ってやみません。マスメディアも、東大が不正なしと発表したから「不正なし」と報道するのではなく、「東大が不正なしとした」ことの意味を報道し、ジャーナリストとしての使命を果たすべきです。 東大医学部といえば、日本全国から最高の学力を備えた高校生たちが入ってきて、トップでないと気がすまない子供たちがさぞ夢と期待を抱いて学んでいるはずなんだが、その行き着く先が捏造が常態化した研究室になるとしたら、シュールすぎる。と書いたてみたがホラー映画より恐ろしい現実に気が滅入る。 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年8月2日 昨今、日本の研究力が低下したことを危惧する論説が増えていますが、研究不正を研究大学のトップが公認しているという異常さに異議を唱えずに、他の原因ばかり考えるのはおかしいと思います。研究不正の蔓延が、研究力低下の大きな要因の一つであることは論をまたないでしょう。   医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大 東大は「22報論文に関する調査報告」の本体を非公表、「骨子」のみ東京大学ウェブサイト上で公開しており、そこには医学部系に関しはわずか19文字からなる一文しかありません。ところが、この19文字だけでもすでに大きなゴマカシがあることに気付きます。Ordinary_Researchersが告発したのは、あくまでも、図が怪しい「論文について」でした。この調査報告書もタイトルが示すとおり、「論文に関する」報告です。分子細胞生物学研究所関係の結論も、 論文(図) 5報(16図)について不正行為があったと認められた と記述されており、「論文に関して」不正があったかなかったかの結論を述べています。ところが、非常におかしなことに、医学系研究科関係に関しては、 (結論)申立のあった5名について不正行為はない としか言っておらず、実は、論文に関する報告をしていないのです。5名の医学系教授に不正があったかどうかの話にすり替えています。Ordinary_Researchersの告発文書を読めば明らかですが、誰も医学系教授5名を告発などしていません。告発の対象はあくまで、これらの教授の研究室から出た数々の論文です。いずれも複数の著者からなる論文であり、研究不正を働いた人間が著者の中の誰なのかは、告発者にはわからないわけですから、当然のことです。医学部の論文に関して、「(結論)申立のあった○○報(□□図)について不正行為はなかった」と書けなかった理由は何でしょうか?調査委員らも東大執行部も研究不正の自覚が十分にあり、「論文について不正行為はなかった」と言い切ることにはさすがに心理的な抵抗があったために、こんな誤魔化した日本語になったのだろうと私は想像しています。開示された調査書本体の墨塗りでない部分を読むだけでもこのような痛々しいゴマカシがさらに数多く見つかりますから、調査報告書本体を東大がウェブ公開できない心情はよく理解できますが、許されることではありません。 実際、東大が報告書や調査資料の公開を正当な理由なく拒否するのは違法であるという判断が、総務省の審査部会によって出されています。 …

サイエンス誌が弘前大学の故 佐藤能啓氏の論文不正に関する詳細な解説記事を掲載

サイエンス誌が、弘前大学の故 佐藤能啓氏の論文不正を取り上げています。不正調査に関わった研究者の1人は、これを「史上最大級の研究不正の一つ」と位置づけています。 Researcher at the center of an epic fraud remains an enigma to those who exposed him (By Kai KupferschmidtAug. 17, 2018 , 9:15 AM sciencemag.org) Sato’s fraud was one of the biggest in scientific history. The impact of his …

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間違った医学論文・捏造論文で取得した博士号を徳島大学が取り消し

  2018/07/28    論文データ捏造, 研究倫理

徳島大学大学院医歯薬学研究部50歳代男性教授が停職6月 2020年5月13日の徳島大学の発表によれば、教授には停職6か月の処分が下されたそうです。徳島新聞のニュース記事によれば、大学院生は3月に博士号を取り消されているとのことなので(令和2年4月20日の徳島大の発表では、令和2年3月13日に学位の授与を取り消し)、このニュースは新しい話ではなくて、下で記事にした学位取り消し事件に関して、まだ処分が定まっていなかった教授に関する処分内容の発表ということのようです。 徳島大論文ねつ造 男性教授停職6カ月 (2020/5/14(木) 15:16 徳島新聞 YAHOO!JAPAN)   教授がストーリーを強要、大学院生がデータ捏造 徳島大学でまた学位取り消しがありました。下の記事とは別件です。捏造の動機が、二人の言葉からうかがい知れます。 院生「教授からのプレッシャーがあり、教授の求める実験データを得ようとした」 教授「厳しい言い方をし過ぎたかもしれない」 つまり、教授が描いたストーリーに合う実験データを出せずにいた大学院生が、学位取得の締め切りが迫ってきたこともあり、教授の要求するデータを捏造して教授に渡し、教授が自分のストーリーで論文を執筆したというものです。今まで全然期待したデータが取れていなかった大学院生が急に都合の良いデータばかりもってきたときに、教授が信憑性をチェックしなかったのは重大な過失だと認定しています 産経WESTとNHKの記事をもとに時系列を整理すると、 2020年(令和2年)4月20日 徳島大学が研究不正を公表 2020年(令和2年)3月 博士号を取り消し 2019年 捏造論文の取り下げ 2018年(平成30年)3月 匿名のメールによる不正告発 2014年(平成26年)学術誌に捏造論文掲載 SDGsの課題解決とデータの捏造とがどう関係するのか、さっぱりわかりませんが徳島大学がお詫びの声明を出していました。 独創的研究及びSDGsの課題解決に向けた研究や教育に本学の教員全体が取り組む中で、このような研究不正行為があったことは、誠に遺憾であり深くお詫び申し上げます。 加えて、… 学長 野地 澄晴 具体的な捏造箇所の説明はありませんが、どのようにして捏造に至ったのかの説明は、大学が公表していました。一部を掲載します。これを読むと、このデータ捏造を実行したのは大学院生ですが、自分の描いたストーリーを大学院生に押し付け、捏造データを受け取って吟味することなくそのまま論文を書いた教授にもかなりの責任があると思います。 3 調査結果 調査の結果、告発対象論文1報について、次のとおり認定した。 (1)不正行為の具体的な手法・内容 ① 特定不正行為 ・ねつ造:出所不明データの付け足し ・改ざん:実験データの不正な方法による解析 ② 特定不正行為以外の不正行為(研究活動上の不適切な行為) ・不適切なオーサーシップ (2)不正行為に係る研究者 ・A教授 「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる,ねつ造,改ざん」及び「研究活動上の不適切な行為であって,科学者の行動規範及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱の甚だしい行為(不適切なオーサーシップ)」に関与した者と認定した。 ・B元大学院生 …

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第115回日本内科学会理事選に異議あり!

第115回日本内科学会総会が、2018年4月13日(金)~15日(日)の日程で京都で開催されました。内科学会理事の選出の際にハプニングがあったようなので、ネット上の噂をまとめておきます 現場を目撃した人の証言 674名無しゲノムのクローンさん2018/04/16(月) 02:02:27.12ID:SZp399Cyx 某医療コミュニティサイトより いやはや、驚きました! 通常は学会の定時総会など〇〇先生を理事にします。〇〇先生を評議員にします。賛成の方は拍手を・・・という感じでまったりと進んで行くのですが・・・ 今年の内科学会は会場が一つしかなく他に行くところもなく居眠りしようと会場に入った途端、女性の声で「小M先生を理事にするのはおかしい。これほどグレーな先生を理事にするのは理解できない!」という内容の罵声が耳に入り、演台の門W先生がたじたじになっていました。 小M先生の事は全く知りませんでしたのでネットで検索すると、ディオバン論文の責任者の方の様で、それならグレーじゃなくてブラックじゃない!と思ってしましました。 会場の中には女性の方の発現に「そうだ!」という賛同の声をあげる方や、「会をぶち壊しにするな!」という否定的な声をあげる方もいました。 私は個人的には疑問を感じたことに自分の考えを述べるのは間違ってはいないと思いますし、言われている事も正しいと思いました。 ネットでさらに検索すると小M先生と門W先生は同門なのですね。それと両方とも論文不正の問題を抱えていることも共通してるなと思って見ていました。今日の内科学会の一番の見どころでしたね。 (一部割愛及び複数の投稿を取り纏め 引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/ )   反響 755名無しゲノムのクローンさん2018/04/19(木) 03:33:21.15ID:LL1qvnoox >>753 国内では、権威を振りかざす、三内なんて今まで逆らえなかった まして面と向かって物申す!なんて、内科学会のジャンヌダルクの降臨だったわ  でもね、よく考えたら、MDとしてちゃんとやってけば、捏造してまで権威を振るうような人達に遠慮する事も無いわね 捏造告発の道すじを作ってきた、11jigen,ordinary researchers や匿名の貢献は大きいと思う (引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/)   発言者本人の弁 医師の世界では、エムスリーという会社に医師用の掲示板があり。そちらで書かれているのでご存知の方も多くなっているのですが。… 会場で小室先生の理事就任を認めるか、と当時の理事長の門脇先生が言うので異議あり!とすくっと立ち上がりました。… 小室先生は黒ではないが、白でもなくグレーです。そのような理事をお迎えしてなぜ運営しなければなりませんか。こんなことをやれば日本はまた海外から失笑される。日本の研究の国際的信用が失墜している中、グレーな人をお迎えして運営するのだ、と示せばまた信用が落ちる。容認できません。これに対して門脇先生は、手続きの適正性を盾に否決するのを拒みました。しかし。わたしの質問は、なぜあまた白い人がいる中グレーな人を幹部に迎えねばならないのかというものであり議論がかみ合っていません。… (【内科学会総会】ディオバン問題:総会を荒らしてしまいました【NIPT】Posted on 2018年4月22日 by minerva-clinic 医術と戦術の女神ミネルバ 仲田洋美 オフィシャルブログ)   参考 第115回日本内科学会総会・講演会 テーマ:『 明治維新150年目の内科学 ~難治性疾患への挑戦~』主宰会長 …

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東大H26行動規範委員会資料不開示問題の答申

匿名A氏が指摘した類似画像を含む84報のうち東大の医学系研究者が著者であった12報に関して東大が予備調査の結果不正無しと結論したことに関して情報の開示請求がありましたが、東大が一部不開示の決定をしたため、それを不服とする開示請求者が審査請求を行い、それを受けて審査会が審査を行い、その結果を答申として公開していました。以下、その内容です。東大が不開示としたのは違法であると結論しています。 以下、http://www.soumu.go.jp/main_content/000506048.pdf の内容の転載。太字強調は当サイト。   諮問庁:国立大学法人東京大学 諮問日:平成29年6月8日(平成29年(独情)諮問第31号) 答申日:平成29年9月6日(平成29年度(独情)答申第24号) 事件名:平成26年度科学研究行動規範委員会資料等の一部開示決定に関する件 答 申 書 第1 審査会の結論 別紙に掲げる文書1ないし文書5(以下「本件対象文書」という。)につき,その一部を不開示とした決定については,理由の提示に不備がある 違法なものであり,取り消すべきである。 第2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,平成29年2月8日付け第2 016-45号により国立大学法人東京大学(以下「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,原処分を取り消し,出席者を除く不開示部分(以下「本件不開示部分」という。)の開示を求める。 2 審査請求の理由 (1)審査請求書 ア 不開示とされた各議事などについて,調査・事案処理の方法・方針,委員の発言内容に係る記載は,調査委員会での審議が適切に行われたか知る上で必要な情報である。開示された各議事はほぼ全てが黒塗りされており,ひとつひとつの論文について十分に審議されたか否かが,現状の開示資料では推測することすら困難である。これでは審議内容が適切か否かを判断することができず,かえって疑念を抱かせる原因となる。「東京大学の科学研究における行動規範」にあるように研究不正は,「科学研究の本質そのものを否定し,その基盤を脅かす,人類に対する重大な背信行為」である。奇しくも ,現在,同じ研究者に対する研究不正の告発が行われており,過去の調査が適切に行われたかどうかを示すことは,研究不正に貴大学がどのような姿勢で臨んできたのかを示すことにもつながる。同じ行動規範には,「科学者コミュニティの一員として,研究活動について透明性と説明性を自律的に保証することに,高い倫理観をもって努めることは当然である」と明記され,それに続く総長声明では「この行動規範を大学自ら担保するための委員会制度を規則として定めることにした」と委員会の位置づけを説明している。こうした規範や総長声明の理念を守り,調査の審議過程及び内容の適切さを担保するためにも,貴大学には当該資料を開示して調査が適正に行われたことを示す責務がある。 イ 発言者の特定をしなければ,審議内容を情報開示することにより,特定の者に不当に利益を与え,または不利益を及ぼすとは到底考えられない。また,個人が特定されなければ,人事に支障を及ぼすおそれもない。仮に,社会の公器としての貴大学が,原則として開示すべき資料を,例外的に不開示とするためにこのような主張を行うならば,具体的な根拠を示して主張する必要がある。そうでなければ,この主張自体が極めて不合理であり,世間から疑惑の目で見られることを,自ら容認することになろう。そのような姿勢は上記行動規範に反するものである。貴大学として,発言者が特定されないとしても,将来予定される審議において委員の意見等が公表されることを前提にすると,委員が部外の評価等を意識して素直な意見を述べることを控えるなど,意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるおそれがあると主張されるかもしれない。しかし,発言者が特定されないのであれば,委員の意見等が公表されたとしても素直な意見を控えるとは到底考えられない。もし意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるなどと主張するのであれば,発言者が特定されないにもかかわらず,素直な意見を述べることができないような調査委員を選任することを前提としており,専門家としての各調査委員を愚弄するのみならず,調査委員会の適正さそのものに疑義を生じさせる主張と言わざるを得ない。一連の資料の開示を拒むことは,研究不正を真摯に取り扱おうとする姿勢に真っ向から反するものである。さらに審議が終わった研究不正調査に関する議事の公開は,将来他の研究不正事案を審議する場合の参考となりうるものであり,貴大学の対応は,社会的に評価されるものではあれ,非難されることはありえない。なお,調査対象者については対象となった論文が公開されていることから,少なくとも責任著者と筆頭著者については対象となることが明らかなため,ヒアリングなどの議事録を含め公開すべきと考える。その他の調査対象者について個人名などは不開示でも構わない。 ウ 既に審議が終わり調査の結論は貴大学のホームページでも公開されている。そのため,議事内容が公開されることで本件の事務や事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれはない。また,同じ理由から,たとえ,審議のある時点で生じた,未成熟な情報や事実関係の確認が不十分な情報を公にしたとしても,その後,結論に至った過程を合わせて公開すれば新たに混乱を生じさせるおそれもない。加えて,結論が「不正なし」というものであるため,公開することで当該研究者の今後の研究活動にも影響を与えるおそれもない。 エ 将来に行われる類似の審議・検討・協議に係る意思決定に不当に影響を与えるおそれについては,研究不正事案というものは,事案ごとにその内容や性質が異なるものである。それぞれ個別に審議されるものであり,その都度適切に審議されることで問題は生じない。これは,本件と同じ研究者が対象となり,現在行われている研究不正調査への影響についても同様である。また,審議,検討の内容を公にすることにより,調査にあたっての考え方,主張等が明らかになり,今後の同種の調査にあたり,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は不当な行為を容易にするおそれがあるという主張についても,同様に事案ごとに内容や性質が異なるため懸念は当たらない。逆に「何が不正に当たるのか」といった考え方などはむしろ公開することで不正の防止につながる情報で,これらを不開示の理由とすることは調査の正当性に疑念を抱かせるだけでなく,研究機関として不正に真撃に対応できているのか,その姿勢を問われかねない事態にもつながると考える。 オ 独立行政法人は,原則として保有する情報を公開しなければならず,不開示はあくまで例外規定である。個別具体的な事情なく漫然と不開示とするのであれば,世間に対し,情報公開をする気がない大学であることを表明するに等しい。また,調査方針・手法自体は,調査委員会の判断の公正さを担保するために開示は必須であると考えられるのみならず,開示を拒むことは,逆に調査委員会の判断に対する疑義を生じさせるものであり,不開示とすることによりあたかも不正があったかのように流布されるおそれもある。現実に,一部マスコミ報道やインターネット上では本件論文の研究者に対する記事が多数掲載されており,研究者個人のみならず大学にとっても不利益が生じる事態につながっている。なお,調査過程の開示は,例えば貴大学の「分子細胞生物学研究所・旧特定研究室における論文不正に関する調査報告書(第一次)」の資料「不正な図の例」においても行われている。特定URL調査が適正に行われていることが示されており,こうした開示によって他の不正調査に悪影響が出る問題も生じていない。 カ 貴大学として,不正がなかったと認定されたにもかかわらず,議事内容が公表されることで,再び,当該調査事案が注目され,公表された一部の情報だけをもって新たに誹誘中傷が行われる可能性があるとの主張を行う可能性もある。しかしながら,そもそも本件調査事案は,同じ研究者が新たに告発を受けたことで ,現在,非常に注目されており,過去の調査内容が公表されたからといって「再び」注目されるという状況にはない。加えて,新たに誹誘中傷が繰り広げられるというのも,憶測の域を出ず,研究不正を厳に取り締まる立場にある貴大学が,法的に公表が原則となっている情報を不開示にする理由としては著しく正義に反するものである。 キ 以上,アからカで述べた通り,貴大学が示した見解は,いずれも資料の中の個人名以外を不開示とする理由には該当しない。各議事は不正行為か否かの判定が適切に行われたかどうかを知る上で必要な情報である。議事などの資料を公開して当該委員会が研究不正事案に真摯に取り組んだ事を示し,結論に対する信頼を得ることは,上記行動規範や規則を制定した貴大学の責務である。発言者の個人が特定できる氏名等は伏せて,資料を公開すべきである。 (2)意見書 …