香港のリー博士が「酸処理なし・機械刺激のみ」の条件でSTAP細胞作製再現に成功??【否定】

      2016/06/23




【注意】当初ポジティブに報道された李博士のこのSTAP細胞に関する実験結果ですが、李博士自身否定的な見解に落ち着いたようです。

 

香港中文大学(The Chinese University of Hong Kong)のケニース・リー(Kenneth Ka-Ho Lee)博士が、ヴァカンティ教授が発表したプロトコールの一部を変更した方法によりSTAP細胞作製に成功したかもしれないという実験結果をリサーチゲート(researchgate.net)に投稿しました。

多能性獲得の分子マーカーOCT4などの遺伝子発現が、機械刺激後培養3日目で検出されたという実験結果です。

KennethLee_qPCR_20140401

LEE博士の実験結果によれば、酸処理はむしろ逆効果で、破砕処理(TRITURATON)の機械的刺激のみのほうが条件として良いといえます。

LEE博士は、現段階での実験結果にはいろいろな解釈があり得るので、STAP細胞ができたとは言わない、と慎重なコメントを出しています。

“Potentially, expression of these pluripotent markers could be the bi-product of un-regulated gene expression by the dying or stressed cells. I agree 100% with Paul Knoepfler’s comments.

I am not claiming that “STAP” cells exsist  – only presenting the results of our research as it is – which is open to interpretation.  Please, don’t Hype up this data!” (Kenneth Ka-Ho Lee

またStem Cell Blogを運営するノフラー博士はリー博士のこの実験結果に対して懐疑的な態度を示しています。

Let’s see how this develops, but I remain skeptical that this is a specific induced pluripotency-related event related to trituration and that what you are seeing here is STAP cells. I hope I’m wrong and it is something real on the STAP front, but I doubt it. Thanks again, Ken, for all the hard work that your lab is doing! Paul (Paul Knoepfler · University of California, Davis)

JCASTニュースによれば、

3日放送のテレビ朝日系「モーニングバード」とフジテレビ系「とくダネ!」はリー教授に直接電話で話を聞いた。リー教授は、STAP細胞の生成に成功したとか存在しているとか言ったことはない、と完全否定し、

「実験結果を報告しただけで、それがSTAP細胞だと勘違いされてしまった。STAP細胞に関しては、実験を始めて3日後に細胞は死んでしまい失敗してしまいました。できた細胞はSTAP細胞の特質すらありませんでした」

と語っていた。

とのこと。

さらに新しい朝日新聞の報道によると、李博士は

李教授は「本当にSTAP細胞ならマーカーの値は数百倍程度に上がるはず。誤解を与える伝え方をして反省している」と話した。

とのことです。結局、李博士はSTAP細胞の再現実験の試みは止めるそうです。

参考

  1. ResearchGate.net Review of article: Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency.Haruko Obokata, Teruhiko Wakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato, Charles A
  2. 香港中文大学、STAP細胞作製の再現に成功か(WIRED.JP 2014.4.2 WED 修正版4.3):李氏は、自分の実験結果(現在公開されている手法ではSTAP細胞は作製されないとするもの)を『Nature』に提出し、3月24日に同誌から掲載を拒否されていたが、同氏はその後、ヴァカンティ氏の手法の応用に取りかかった。李氏は自らのすべての実験プロセスを、オープンソース・プラットフォーム「ResearchGate」において、リアルタイムで公開…「わたしはSTAP細胞が存在していると主張しているわけではない。わたしがResearchGateに掲載した実験結果は、非常に初期のものだからだ。わたしはヴァカンティ氏のプロトコルを追試した。それは、小保方氏のプロトコルとは大きく異なるものだ」「わたしが提供した情報は、酸に浸す処理というよりは物理的な研和処理が幹細胞を誘発するかどうかについて、ほかの研究所が追試するときに助けになると確信している」
  3. Prof LEE Ka Ho Kenneth 李嘉豪(香港中文大学 生物医学学院 The Chinese University of Hong Kong, School of Biomedical Scinces)
  4. Blogger Reports STAP Success(The Scientist April 1, 2014):Lee now claims he has succeeded at reproducing STAP using Vacanti’s protocol—well, sort of.
  5. 関由行 ‏@yoshiyuki_seki 12時間 @TJO_datasci @yulimekko 8倍程度ですからねー。ESだと数百倍は発現しているので、8倍程度では発現しているとはみなせないと思いますよ。
  6. 香港の大学でSTAP細胞の作成に成功?? ネットで「理研は小保方に謝れ!」騒ぎになったが誤報だった (JCASTニュース 2014/4/ 3 17:43)
  7. 「STAP細胞が存在する証拠ない。エイプリルフールのジョークというべきだった」香港の李教授が自ら否定 (The Huffington Post 2014年04月03日 10時14分 JST):STAP細胞生成の再現に香港中文大学の李嘉豪教授が成功したと報道された件について、李教授は4月2日、自らのTwitterでこれを否定した。…「小保方さんの実験方法ではSTAP細胞は再現できませんでした。他の人がやっても時間の無駄です。STAP細胞は存在しないと思います」…
  8. STAP細胞再現、一転訂正 香港の研究者(朝日新聞デジタル 2014年4月3日22時00分):STAP細胞とみられる多能性幹細胞の培養に成功した可能性がある、と公表していた香港中文大の李嘉豪教授が3日、朝日新聞の取材に、できたのはSTAP細胞ではない可能性が高いことを明らかにした。再現実験もやめるという。

 - 理研STAP細胞NATURE論文捏造事件