調査委員会最終報告で小保方氏の不正を認定

      2018/04/28




2014年4月1日に理化学研究所のSTAP細胞NATURE論文調査委員会が最終報告となる記者会見を行い、小保方氏のデータ捏造・改竄の研究不正を認定する結論を下しました。DNAの電気泳動ゲルの写真のレーンの切り貼りを改竄と認定し、また、博士論文の図をNATURE誌の論文の図に流用した行為を捏造と判断しました。研究論文の疑義に関する調査報告書は3月31日付けの書類として公表されています。

中間報告書のスライドでゲルの写真に「修正」が加えられていたことに関しては質疑応答のときに記者から質問が出ましたが、石井調査委員長は未発表データなので削って欲しいと著者らの申し出があったために削ったと説明しました。

小保方氏はこの最終報告を受けて、「驚きと憤りの気持ちでいっぱいです。」「とても承服できません。」「到底容認できません。」という声明を出しました。

調査委員会の調査報告書(3月31日付け)を受け取りました。驚きと憤りの気持ちでいっぱ
いです。特に,研究不正と認定された2点については,理化学研究所の規程で「研究不正」の対
象外となる「悪意のない間違い」であるにもかかわらず,改ざん,ねつ造と決めつけられたこと
は,とても承服できません。近日中に,理化学研究所に不服申立をします。
このままでは,あたかもSTAP細胞の発見自体がねつ造であると誤解されかねず,到底容認
できません。小 保 方 晴 子(http://www3.riken.jp/stap/j/p9document8.pdf

理化学研究所が研究不正の定義を極度に狭く解釈するのを逆手に取って、小保方氏が反撃に転じた格好です。理研と小保方氏の間の泥仕合に発展する様相を呈してきました。本日の記者会見での竹市センター長のコメントによれば理化学研究所は小保方氏をユニットリーダーとして迎えるにあったって研究室のセットアップ費用を1500万円をかけているそうです。それに加えて小保方晴子ユニットリーダーに割り当てられた研究費が年間1千万円、部下を雇うための人件費として1千万円、そして週刊誌などの情報によれば年俸が800万円~1千万円程度だそうです。これらが全て税金で賄われていることを考えると、データ捏造・改竄を全く悪いことと認識できない倫理観の人間を研究リーダーとして雇い入れた理化学研究所の責任は非常に重いものがあります。

今回の最終報告でも結局のところ本当に実験がなされていたのかが曖昧なままでした。テラトーマ形成の実験の図に対応するHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色のプレパラートは調査委員が確認したそうです。しかしそのスライドガラスには日付や実験条件のラベルがなく、また実験ノートも杜撰でまともに日付や実験条件が書き込まれておらず、そのプレパラートが本当にその実験を行ったときのものかどうかを実験ノートをもとに追跡、検証できなかったというのですから、「実験は行われていたと思う」と調査委員がコメントするのはお人良し過ぎます。どんな実験条件のプレパラートかわからない以上、その実験が行われた証拠は見つからなかったと言うべきです。

小保方氏の実験ノートの現物を調査委員会が入手したのが中間報告を行った3月14日よりも後だったというのも、本気で調査がなされていなかったことを物語っています。書き換え、廃棄、付け足しなどを許さないように実験ノートやデータの入ったPCは直ちに調査委員会の管理下に置くべきだったでしょう。

小保方氏は論文の図を作製する根拠となった実験が正しく行われたことを立証する責任があります。第三者が客観的に検証可能な実験ノートの記載がないのであれば、その実験は行われなかった可能性が高いとみなすのが、通常の研究者の研究不正に対するスタンスでしょう。悪意があったかとかミスかどうかという議論以前に、コピペで博士論文を作成し、実験ノートをまともに付けない人を研究者として雇っていることがおかしいのです。

HuffPost Japanの記事「小保方晴子さんが単独で『STAP細胞論文を捏造・改ざん』理研が最終報告書」に対して多数寄せられたフェイスブック上のコメントはほとんどが、理化学研究所は小保方晴子氏一人に全部の責任を擦り付けて、トカゲの尻尾きりをしたに過ぎない、小保方氏はかわいそう、がんばれ!小保方さん、という論調ばかりです(https://www.facebook.com/HuffPostJapan)。今回の研究不正に対して早い段階から毅然とした取り組みを行なわなかったせいで理研は研究者社会からの信用を失い、データ捏造を行なった小保方氏に世間の同情が集まるというおかしな事態になっています。

 

STAP細胞:記者質問【全】4/1理研調査委

参考

  1. 研究論文の疑義に関する調査報告書(研究論文の疑義に関する調査委員会 委員長 石井 俊輔、委員 岩間 厚志、古関 明彦、眞貝 洋一、田賀 哲也、渡部 惇 平成26 年3 月31 日)(PDFファイル):(1-2)論文1:Figure 1i の電気泳動像においてレーン3 が挿入されているように見える点。 調査結果 小保方氏と笹井氏の連名により提出されたFigure 1i の元になったゲルの写真の電子ファイルと実験ノート類及び同図の作成経緯と方法の書面による説明、並びに両氏からの個別の聴取内容を精査した結果、Figure 1i の図は2 つのパルスフィールド電気泳動ゲルを撮影した2枚の写真に由来する加工画像であることを確認した。同電気泳動においては、合計29 のサンプルを、サンプル1 から14 をゲル1 に、サンプル15 から29 をゲル2 に電気泳動したこと、Figure 1i のレーン1, 2, 4, 5 がゲル1 の左から1, 2, 4, 5 番目のレーン(標準DNA サイズマーカーをレーン0 として左から番記)に相当し、レーン3 がゲル2 のレーン1(同)に相当することを、各ゲルに写った写真情報から確認した。なお、ゲル1 のレーン3とゲル2 のレーン1 はともにT 細胞受容体遺伝子再構成を示すポジティブコントロールであり、それぞれ脾臓のCD45+血液細胞とCD45+CD3+ T リンパ球由来のDNA のPCR 産物を泳動したものである。画像の加工については、ゲル1 のレーン1, 2, 3, 4, 5 の写真において本来レーン3 が存在していた場所にゲル2 のレーン1 の写真が単純に挿入されたものではなく、前者のゲルにおける標準DNA サイズマーカーレーンの泳動距離が後者のそれに比して約0.63 倍であり、Figure 1i の作成時に前者を縦方向に約1.6 倍に引き伸ばす加工をした上で後者が挿入されたことを、前者に写った埃類の位置関係の縦方向への歪み等から確認した。また後者については写真に淡く写ったスメアが消失して挿入されていることからコントラストの調整も行われていたと判断した。そこで小保方氏に説明を求めたところ、T 細胞受容体遺伝子の再構成のポジティブコントロールを明瞭に示すためにはゲル2 のレーン1 が適しており、ゲル1とゲル2 のそれぞれの標準DNA サイズマーカーの泳動について双方のゲルにおいて、標準DNA サイズマーカーの対数値と泳動距離が良好な直線性を保っている関係にあることを目視で確認した上で、ゲル1 の写真を縦方向に引き伸ばし、標準DNA サイズマーカーの位置情報に基づいてレーン3 の写真の挿入位置を決定したとの説明があった。検証の結果、ゲル1 とゲル2 の間には、標準DNA サ
    イズマーカーの対数値と泳動距離について直線性の保持は見られず、説明どおりに標準DNA サイズマーカーの位置情報に基づいてレーン3 を配置することが無理であること、仮にFigure 1i のレーン3 に見られるT 細胞受容体遺伝子再構成バンド群の位置に近い標準DNA サイズマーカー群に絞ってそれらの位置情報に基づいてレーン3 の画像を配置するとFigure 1i のレーン3 に見られるT 細胞受容体遺伝子再構成バンドとは異なる位置にT 細胞受容体遺伝子再構成バンドが来ることから、説明を裏付けることはできなかった。説明とは逆に、Figure 1i のレーン3 に見られるT 細胞受容体遺伝子再構成バンド群の位置に合わせる形でレーン3 の画像を配置すると、ゲル1 とゲル2 の標準DNA サイズマーカーバンドの位置にずれが生じることから、Figure 1i の画像加工時には、標準DNA サイズマーカーを基準にしていたのではなく、T 細胞受容体遺伝子再構成バンド群の位置を隣接するレーン4 のそれらに合わせる形で図の挿入が行われたことが示唆された。電気泳動されたサンプルについては、実験ノート類などの記載やサンプルチューブのラベルなど小保方氏から提供された各種の情報は、Figure 1i のレーン1, 2,4, 5 は論文のとおりであること、論文で「Lymphocytes」とラベルされたレーン3はCD45+CD3+ T リンパ球であることを示していた。 評価(見解) 論文に掲載された画像が、2枚の別々に電気泳動されたゲルの写真から作成された合成画像であることは、画像の詳細な解析から間違いない。この論文で重要な役割を持つFACS-Sorted Oct4-GFP 陽性細胞群2 つに由来するサンプルが泳動された2 つのレーンを含む複数のレーンの画像を、意図的に且つ軽微とは言いがたい約1.6 倍の倍率で縦方向に引き伸ばした画像に、ポジティブコントロールの役割を持つ1 つのレーンをコントラスト調整して配置することで合成している。加えて、当該1 レーンの貼り付け操作において、科学的な考察と手順を踏まないでT 細胞受容体遺伝子再構成バンドを目視で配置していることなどは、2枚の異
    なるゲルのデータをあたかも1枚のゲルで流したかのように錯覚させるだけでなく、データの誤った解釈を誘導する危険性を生じさせる行為である。当時の小保方氏には、このような行為が禁止されているという認識が十分になかった、また、このようなデータをその真正さを損なうことなく提示する方法についてNature 誌が指定していることを認知していなかったともうかがえる点がある。研究者を錯覚させるだけでなく、データの誤った解釈へ誘導することを、直接の目的として行ったものではないとしても、そのような危険性について認識しながらなされた行為であると評価せざるを得ない。T 細胞受容体遺伝子再構成バンドを綺麗に見せる図を作成したいという目的性をもって行われたデータの加工であり、その手法が科学的な考察と手順を踏まないものであることは明白である。よって、改ざんに当たる研究不正と判断した。改ざんされた画像は、小保方氏が行った実験データを元に、同氏が作成したものであり、笹井、若山、丹羽の三氏は、この実験及び画像データ作成に関与していない。三氏は、小保方氏から、論文投稿前に、すでに改ざんされた画像をその事実を知らされないまま示されており、この改ざんは容易に見抜くことができるものではなかったことなどから、三氏については、研究不正はなかったと判断さ
    れる。(1-5)笹井、小保方両氏から、以下の修正すべき点が見つかったとの申し出を受け、この点についても調査した。論文1:Figure 2d, 2e において画像の取り違えがあった点。また、これらの画像が小保方氏の学位論文に掲載された画像と酷似する点。 調査結果 2 月20 日に笹井氏と小保方氏より、修正すべき点についての申し出とこれに関する資料の提出を受けた。申し出の内容は、論文1の脾臓の造血系細胞から作製したSTAP 細胞からの分化細胞並びにテラトーマの免疫染色データ画像の一部(Figure 2d 下段中央の1枚とFigure 2e 下段の3枚)が、実際には骨髄の造血系
    細胞から作製したSTAP 細胞を用いた画像であること、正しい画像に訂正することを考えているという2点であり、提出された資料はこれらの画像のファイルであった。小保方氏から、それぞれの実験の過程で、脾臓及び骨髄に由来する血液細胞のサンプルに対し、いずれもhemato(hematopoietic:血液系の意味)というラベルを用いていたため混乱が生じ、同氏において画像の取り違えをしてしまったとの説明を受けた。その後、論文1の画像は、小保方氏の早稲田大学における学位論文に掲載された画像と酷似することが判明した。上記の申し出の際、これらの図が小保方氏の学位論文に掲載されたデータから得られたものであるとの言及はなかった。笹井氏と小保方氏の両氏より、学位論文のデータは、学術雑誌への投稿論文に使用することが可能と理解していたため言及する必要はないと考えていたとの説明を受けた。論文1では生後1週齢のマウス脾臓由来細胞を酸処理することにより得られた
    STAP細胞が用いられているが、他方、学位論文では生後3ないし4週齢の骨髄由来細胞を細いピペットを通過させる機械的ストレスをかけることにより得られたsphere細胞(球状細胞塊形成細胞)が用いられており、実験条件が異なる。小保方氏は、この条件の違いを十分に認識しておらず、単純に間違えて使用してしまったと説明した。論文1の画像を解析すると学位論文と似た配置の図から画像を
    コピーして使用したことが認められた。また論文1の画像は、2012年4月にNature誌に投稿したものの採択されなかった論文にすでに使用されており、その論文においては、学位論文に掲載されている機械的ストレスによって得られたsphere細胞からの分化細胞の免疫染色画像3枚と、テラトーマのヘマトキシリン・エオジン染色画像3枚、並びに免疫染色データ画像3枚に酷似した画像が使用されていたことを確認した。小保方氏は、その後Nature誌に再投稿するにあたり、酸処理により得られたSTAP細胞を用いた画像に一部差し替えを行っているが、その際にも、この画像の取り違えに気付かなかったと説明した。委員会では、実験ノートの記述や電子記録等から、上記各画像データの由来の追跡を試みたが、3年間の実験ノートとして2冊しか存在しておらず、その詳細とは言いがたい記述や実験条件とリンクし難い電子記録等からこれらの画像データの由来を科学的に追跡することは不可能であった。笹井氏は、2月20日の委員会のヒアリングの数日前に小保方氏から画像の取り違え等について知らされ、論文を訂正するための正しいデータを至急取り直すことを小保方氏に指示したと説明した。実際に、訂正のために提出されたテラトーマに関する画像の作成日の表示は2014年2月19日であった。笹井氏から、学位論文は投稿論文に使用できると認識していた、正しいと思われるデータが得られたことから、学位論文の画像が使用されていた件については委員会のヒアリングでは言及しなかったが、この点については深く反省しているとの説明を受けた。評価(見解) 小保方氏が学位論文の画像に酷似するものを論文1に使用したものと判断した。データの管理が極めてずさんに行われていたことがうかがえ、由来の不確実なデータを科学的な検証と追跡ができない状態のまま投稿論文に使用した可能性もある。しかしながら、この2つの論文では実験条件が異なる。酸処理という極めて汎用性の高い方法を開発したという主張がこの論文1の中核的なメッセージであり、図の作成にあたり、この実験条件の違いを小保方氏が認識していなかったとは考えがたい。また、論文1の画像には、学位論文と似た配置の図から切り取った跡が見えることから、この明らかな実験条件の違いを認識せずに切り貼り操作を経て論文1の図を作成したとの小保方氏の説明に納得することは困難である。このデータはSTAP 細胞の多能性を示す極めて重要なデータであり、小保方氏によってなされた行為はデータの信頼性を根本から壊すものであり、その危険性を認識しながらなされたものであると言わざるを得ない。よって、捏造に当たる研究不正と判断した。小保方氏は、客員研究員として若山研在籍時、またその後もチームリーダーとしてテラトーマ作製の実験を行っており、若山氏は、所属する研究室の主宰者として、またこのような実験を指導する立場でともに研究を行っていた者として、これらのデータの正当性、正確性、管理について注意を払うことが求められていた。笹井氏についても、本論文執筆を実質的に指導する立場にあり、データの正当性と正確性を自ら確認することが求められていた。もとより、両氏は、捏造に関与したものではなく、データの正当性等について注意を払わなかったという過失によりこのような捏造を許すこととなったものであるが、置かれた立場からし
    ても、研究不正という事態を招いたことの責任は重大であると考える。丹羽氏は、論文作成の遅い段階でこの研究に参加したものであり、画像データの抽出等には関与しておらず、不正は認められなかった。なお、上述のとおり、画像の取り違えに関する笹井氏らの当初の説明には、不十分なものがあった。このような行為は委員会の調査に支障をきたす恐れがあり、真摯な対応が求められるところである。
  2. 調査報告書に対するコメント」(小 保 方 晴 子 平成26年4月1日)(理研ウェブサイト上のPDFファイル):
  3. 調査委員会報告の概要を受けてのコメント(理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
    笹井 芳樹 2014 年4 月1日)(理研ウェブサイト上のPDFファイル)

 

 


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