生成AI花盛りの今日この頃ですが、科研費の申請書作成においても生成AIを活用した人が多かったのではないでしょうか。科研費の研究計画調書を生成AIに丸投げしたときに、どれくらいまともな申請書を作ってくれるのか試してみたいと思います。
依頼内容:トリプルネガティブ乳がんの新しい表面分子マーカー標的の探索という研究テーマで、科研費の申請書を書いてください。
生成AIといえばChatGPTしか知りませんでしたが、知人が、「ChatGPTよりも、PerplexityとかClaudeのほうがいいよ」というので、まずはPerplexity無料版から試してみます。
以下、Perplexityが数秒で返してくれた回答がわりとあっさりしていたので、内容をもう少し具体的にして分量を増やすようにお願いしたほか、学術的な問いもしっかり書くようにお願いしてみました。自分は分量などの指示をしただけで、実験方法や計画に関しては、最初のテーマ(上記)の指示以外は、何の指示もしていません。引用文献も適宜いれてくれるように指示しました。
Perplexity(無料版)で書いた科研費研究計画書
研究課題名: トリプルネガティブ乳がん新規表面マーカー探索
概要
本研究は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の新規表面分子マーカーを同定し、診断・治療標的としての有用性を検証することを目的とする。最新のプロテオミクス技術と機械学習を組み合わせ、TNBC特異的な表面タンパク質を網羅的に探索する。同定されたマーカー候補の機能解析と臨床検体での検証を行い、TNBCの早期診断や個別化治療に貢献する新規標的分子の発見を目指す。本研究では、(1)プロテオミクス解析によるTNBC特異的表面タンパク質の同定、(2)機械学習を用いた候補分子の絞り込み、(3)候補分子の機能解析、(4)臨床検体での検証、(5)診断・治療標的としての有用性評価を行う。これにより、TNBCの分子病態の理解を深め、新たな診断マーカーや治療標的の開発につながる知見を得ることが期待される。
(1)本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、HER2のいずれも発現していない乳がんサブタイプであり、他の乳がんサブタイプと比較して予後不良であることが知られている(Schmid et al., 2024, Breast Cancer Res Treat 12(3):345)。TNBCに対する治療法は限られており、新たな診断・治療標的の同定が急務となっている。近年、がん細胞表面に発現する分子が、診断マーカーや治療標的として注目されている。特に、抗体薬物複合体(ADC)の開発により、がん細胞特異的な表面タンパク質を標的とした精密な治療法が可能になりつつある(Ohto et al., 2023, Nat Biotechnol 41(8):1023)。しかし、TNBCにおいては特異的な表面マーカーの同定が遅れており、その探索が重要な課題となっている。本研究の着想に至った経緯として、最新のプロテオミクス技術と機械学習の発展が挙げられる。これらの技術を組み合わせることで、網羅的かつ効率的なタンパク質解析が可能になった(Inoue et al., 2023, Cancer Res 83(15):2789)。さらに、クライオ電子顕微鏡技術の進歩により、タンパク質複合体の詳細な立体構造解析が可能になり、抗体と標的分子の相互作用を原子レベルで理解できるようになった。これらの背景を踏まえ、本研究では以下の学術的「問い」を設定する:
- TNBCに特異的な新規表面分子マーカーは存在するか?
- 同定された新規マーカーは、TNBCの診断・治療標的として有用か?
- 新規マーカーとそれに対する抗体の相互作用メカニズムは、どのような構造的特徴を持つか?
これらの問いに答えることで、TNBCの分子病態の理解を深め、新たな診断法や治療法の開発につながる重要な知見が得られると考えられる。
(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性
本研究の目的は、TNBCの新規表面分子マーカーを同定し、その診断・治療標的としての有用性を検証することである。
本研究の学術的独自性と創造性は、最新のプロテオミクス技術と機械学習を組み合わせた網羅的探索アプローチを用いてTNBC特異的な表面タンパク質を同定し、その機能解析を行うとともに、臨床検体を用いた新規マーカーの検証と臨床応用可能性の評価を一貫して行う点にあり、これにより従来のアプローチでは見出せなかった新たな診断・治療標的の発見が期待される。
(3)関連分野の研究動向と本研究の位置づけ
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)研究の分野では、近年、新規バイオマーカーの同定と治療標的の探索が精力的に進められている。TNBCは他の乳がんサブタイプと比較して予後不良であり、効果的な治療法が限られているため、新たな診断・治療標的の同定が急務となっている(Schmid et al., 2024, Breast Cancer Res Treat 12(3):345)。最近の研究では、TNBCにおけるIL-34の高発現が予後不良と相関することが報告され、新たな治療標的として注目されている(Kiyono et al., 2020, Breast Cancer 27(4):518)。また、プロテオミクス技術と機械学習を組み合わせたアプローチにより、TNBC特異的な表面タンパク質の網羅的探索が進められている(Inoue et al., 2023, Cancer Res 83(15):2789)。さらに、抗体薬物複合体(ADC)を用いた新規治療法の開発も活発に行われており、TNBCに対する治療効果が期待されている(Ohto et al., 2023, Nat Biotechnol 41(8):1023)。本研究は、最新のプロテオミクス技術と機械学習を組み合わせた網羅的探索アプローチを用いて、TNBC特異的な新規表面分子マーカーの同定を目指す。さらに、同定されたマーカーの機能解析と臨床検体での検証を通じて、TNBCの早期診断や個別化治療に貢献する新規標的分子の発見を目指す。このアプローチは、既存の研究手法を統合し、さらに発展させたものであり、TNBCの分子病態の理解を深め、新たな診断マーカーや治療標的の開発につながる重要な知見をもたらすことが期待される。
(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
- プロテオミクス解析と機械学習による候補分子の同定:
最新の質量分析技術(LC-MS/MS)を用いて、複数のTNBC細胞株と非TNBC細胞株の細胞表面タンパク質を網羅的に解析する。得られたデータに対して、機械学習アルゴリズム(ランダムフォレストやサポートベクターマシンなど)を適用し、TNBC特異的な発現パターンを示す分子を効率的に同定する。さらに、公共データベース(TCGA、GEOなど)の遺伝子発現データを統合解析し、同定された候補分子の妥当性を検証する。最終的に、3-5個の有望な新規表面マーカー候補を選定する。
- 候補分子の機能解析:
同定された候補分子に対して、CRISPR-Cas9システムを用いたノックアウト細胞株とレンチウイルスベクターを用いた過剰発現細胞株を樹立する。これらの細胞株を用いて、細胞増殖アッセイ(MTTアッセイ、BrdUアッセイ)、浸潤アッセイ(マトリゲル浸潤アッセイ)、遊走アッセイ(ウーンドヒーリングアッセイ)を行い、各候補分子のTNBCの悪性度への寄与を評価する。さらに、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析を行い、各候補分子の下流シグナル経路を同定する。
- 臨床検体での検証:
TNBC患者サンプル(少なくとも100例)と非TNBC乳癌患者サンプル(対照群として100例)を用いて、免疫組織化学染色法により同定された候補分子の発現を解析する。発現レベルと臨床病理学的因子(腫瘍サイズ、リンパ節転移、病期など)との相関を評価する。また、カプランマイヤー解析とCox比例ハザードモデルを用いて、各候補分子の発現レベルと患者の無再発生存期間および全生存期間との相関を解析する。
- 診断・治療標的としての有用性検証:
同定された候補分子に対するモノクローナル抗体を作製し、抗体医薬としての可能性を評価する。また、ファージディスプレイ法を用いて、候補分子に特異的に結合するペプチドを同定し、低分子化合物のリード化合物として活用する。これらの抗体や低分子化合物を用いて、in vitroでの細胞増殖抑制効果やアポトーシス誘導能を評価する。さらに、TNBC細胞株を用いたマウス異種移植モデルを作製し、in vivoでの抗腫瘍効果を検証する。
- 個別化医療の基盤構築:
同定された新規マーカーを用いて、TNBCの分子サブタイプ分類システムを構築する。機械学習アルゴリズム(クラスタリング解析など)を用いて、マーカー発現パターンに基づくTNBCの新たな分類法を提案する。さらに、各サブタイプと既存の治療法(化学療法、免疫チェックポイント阻害剤など)の感受性との相関を解析し、治療選択のための予測モデルを構築する。最後に、液体生検(血中循環腫瘍細胞や血中遊離DNA)を用いた非侵襲的な診断・モニタリング法の開発に着手し、個別化医療実現への基盤を確立する。
(5)本研究の目的を達成するための準備状況
まず、TNBC細胞株および非TNBC細胞株のコレクションを確立し、研究に必要な細胞材料を整えた。次に、表面タンパク質解析のためのプロテオミクスプラットフォームの最適化を行い、高精度な網羅的解析が可能な状態にある。また、機械学習アルゴリズムの開発と予備的なデータ解析を実施し、TNBC特異的な表面タンパク質の効率的な同定に向けた準備が整っている。臨床検体の収集と使用に関しては、倫理委員会の承認を取得済みであり、患者サンプルを用いた検証実験を速やかに開始できる体制が整っている。さらに、候補分子の機能解析のための分子生物学的手法を確立しており、同定された新規マーカーの機能的重要性を迅速に評価できる準備が整っている。これらの準備状況により、本研究を効率的かつ効果的に進めることが可能となっている。
(6)本研究がどのような国際性を有するか
本研究で同定される新規マーカーは、TNBCの診断・治療に新たな展開をもたらし、国際的な乳がん研究の方向性に影響を与える可能性を持つ。同定されたマーカーの検証や機能解析において、海外の研究機関との共同研究を積極的に推進し、国際的な協力体制を構築する。また、日本人TNBC患者の特性を考慮したマーカー探索を行うことで、人種間での差異を明らかにし、個別化医療の発展に貢献する。研究成果は国際学会や高インパクトファクターの学術誌で発表し、世界的な認知度を高めるとともに、同定された新規マーカーや関連技術について国際特許の出願を目指す。これらの取り組みを通じて、本研究は世界の研究をけん引し、国際協同を通じて世界の研究の発展に貢献するとともに、我が国独自の研究としての高い価値を創出することが期待される。
引用文献
- Schmid, P., et al. (2024). “Recent advances in triple-negative breast cancer treatment.” Breast Cancer Research and Treatment, 12(3), 345.
DOI: Not provided
- Ohto, U., et al. (2023). “Novel antibody-drug conjugates for targeted cancer therapy.” Nature Biotechnology, 41(8), 1023.
DOI: Not provided
- Inoue, K., et al. (2023). “Integrative proteomics and machine learning approach for identification of novel surface markers in triple-negative breast cancer.” Cancer Research, 83(15), 2789.
DOI: Not provided
- Kiyono, M., et al. (2020). “High expression of interleukin-34 is associated with poor prognosis in triple-negative breast cancer patients.” Breast Cancer, 27(4), 518.
DOI: Not provided
いかがでしょうか?ほんの15分くらいで、自分の専門外のトピックでこれだけの研究計画調書が書けてしまいました。分量的にはこれで3ページちょっとなので、適当な図も入れてほしかったのですが、Perplexityは図を描く能力は無いみたいです。
さて、ChatGPTのほうはどうでしょうか。自分はChatGPTはサブスクを購入しているのですが、ChatGPT 4o 以外に、ChatGPT o1-preview という目新しいものが登場してiいたのを見つけ、それに書いてもらいました。以下が、ChatGPTが作った申請書です。以下は、ChatGPTが書いてくれた科研費の申請書です。
ChatGPTで書いた科研費研究計画書
表題: トリプルネガティブ乳がん新規表面分子マーカーの探索
概要
本研究は、予後不良で治療法が限られるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に焦点を当て、新たな表面分子マーカーを探索することを目的とする。最新のプロテオミクス技術を活用し、TNBC細胞の表面タンパク質を網羅的に解析することで、TNBCに特異的な分子を同定する。さらに、同定した分子の機能解析を行い、細胞増殖や転移への関与を明らかにする。臨床検体を用いた検証により、これらの分子が診断や治療標的として有用であるかを評価する。最終的に、TNBC患者の予後改善に寄与する新規治療法の開発基盤を築くことを目指す。
本文
(1) 本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」:
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2が陰性である乳がんの一種であり、全乳がんの15–20%を占める(Foulkes et al., 2010, N Engl J Med 363(20):1938)。TNBCは高い増殖能と転移性を特徴とし、他のサブタイプと比較して予後が悪い。さらに、ホルモン療法やHER2標的療法が適用できないため、化学療法が主な治療手段となっている。しかし、化学療法に対する抵抗性や副作用の問題から、新たな治療戦略の開発が喫緊の課題である。
近年、がん細胞の表面分子を標的とした治療法が注目を集めている。特に、抗体療法やCAR-T細胞療法は、特異的な表面抗原を持つがん細胞を選択的に攻撃することが可能である(Shimizu et al., 2018, Nat Rev Clin Oncol 15(12):731)。しかし、TNBCにおいては、広く適用可能な表面分子マーカーが限られているため、この分野での進展が妨げられている。
本研究の着想は、プロテオミクス技術の進歩により、細胞表面のタンパク質群を網羅的に解析できるようになったことに基づく。これにより、従来の遺伝子発現解析では見つからなかった新規の表面分子を同定できる可能性がある。本研究の核心をなす学術的「問い」は、「TNBCに特異的な新規表面分子マーカーを同定し、それが診断および治療の新たな標的となり得るか」である。
(3) 関連分野の研究動向と本研究の位置づけ:
現在、TNBCの分子特性を解明するために、遺伝子発現プロファイリングが盛んに行われており、複数の分子サブタイプが提唱されている(Lehmann et al., 2011, J Clin Invest 121(7):2750)。これにより、各サブタイプに適した治療法の開発が期待されている。しかし、遺伝子レベルでの解析は必ずしもタンパク質の発現や機能を反映しないため、タンパク質レベルでの解析が重要となっている。
一方、表面プロテオミクスによりがん細胞の表面タンパク質を網羅的に解析する研究が進んでいるが、TNBCに特化した研究は限定的である。特に、TNBCの細胞表面に存在するタンパク質を網羅的に解析し、機能的な役割を解明する研究はほとんど行われていない。
本研究は、最新のプロテオミクス技術を用いてTNBCの表面タンパク質を網羅的に解析し、新規の分子マーカーを同定する点で独創的である。また、同定した分子の機能解析や臨床検体での検証を行うことで、実際の診断・治療への応用可能性を示すことができる。本研究は、タンパク質レベルでの新たな知見を提供し、TNBC研究の新たな方向性を示すものである。
(4) 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか:
- 表面プロテオームの解析: TNBC細胞株(複数種)と非TNBC細胞株を用いて、細胞表面のタンパク質をビオチン化試薬で標識し、アフィニティ精製と質量分析を組み合わせて同定する。これにより、TNBC特異的に発現する表面タンパク質のリストを作成する。
- 候補分子の選定と機能解析: 同定したタンパク質の中から、発現レベルや既存のデータベース情報を基に、有望な候補分子を数種類選定する。これらの分子について、RNA干渉(siRNA)やCRISPR-Cas9システムを用いて発現を抑制し、細胞増殖、アポトーシス、遊走能などの細胞機能への影響を評価する。
- シグナル伝達経路の解明: 候補分子が関与するシグナル伝達経路を、ウエスタンブロットや免疫沈降法を用いて解析する。これにより、分子機構を明らかにし、治療標的としての有用性を検証する。
- 臨床検体での評価: 患者由来のTNBC組織および正常乳腺組織を用いて、免疫組織化学染色やRT-PCRにより候補分子の発現パターンを検討する。さらに、臨床病理学的データと照合し、予後との関連性を解析する。
- 動物モデルでの検証: ヌードマウスを用いた腫瘍形成実験や転移モデルを作成し、候補分子の発現抑制が腫瘍の増殖や転移に与える影響を評価する。
(5) 本研究の目的を達成するための準備状況:
本研究を遂行するための技術的および人的な準備は整っている。質量分析装置(LC-MS/MS)やデータ解析用のソフトウェアは既に導入済みであり、プロテオミクス解析のための実験手技についても十分な経験がある。さらに、TNBC細胞株および非TNBC細胞株は研究室内で培養可能であり、倫理委員会の承認を得て患者由来の臨床検体も入手可能である。研究チームは、分子生物学、プロテオミクス、病理学の専門家から構成されており、各分野での豊富な研究経験を持つメンバーが揃っている。これらの準備により、研究開始後すぐに実験に着手できる体制が整っている。
(6) 本研究がどのような国際性を有するか:
本研究は、世界的に解決が求められているTNBCの治療戦略に新たな知見を提供するものである。得られた成果は国際的な学術雑誌に投稿し、主要な国際学会での発表を予定している。また、同分野で活躍する海外の研究者との共同研究を推進し、情報交換や技術交流を行う計画である。日本独自の高い技術力と独創的な研究手法を活かし、世界のTNBC研究を牽引する役割を果たすことを目指している。これにより、国際的な研究コミュニティにおける日本のプレゼンスを高め、TNBC患者の予後改善に貢献することが期待される。
引用文献リスト:
- Foulkes WD, Smith IE, Reis-Filho JS.
タイトル: Triple-Negative Breast Cancer
雑誌名: New England Journal of Medicine
巻(号): 363(20):1938-1948, 2010
DOI: 10.1056/NEJMra1001389
- Lehmann BD, Bauer JA, Chen X, Sanders ME, Chakravarthy AB, Shyr Y, Pietenpol JA.
タイトル: Identification of human triple-negative breast cancer subtypes and preclinical models for selection of targeted therapies
雑誌名: Journal of Clinical Investigation
巻(号): 121(7):2750-2767, 2011
DOI: 10.1172/JCI45014
- Shimizu K, et al.
タイトル: 申し訳ありませんが、”Shimizu et al., 2018, Nat Rev Clin Oncol 15(12):731″ に該当する論文を特定できませんでした。正確な文献情報をご提供いただけますと幸いです。
以上は、ChatGPTが書いてくれた科研費の申請書でした。文献を引用してくれるのはいいのですが、その文献そもそも存在するの?ということも起こるので要注意です
さて、Claudeも試してみましょう。以下は、Claudeが書いてくれた科研費の申請書になります。
Claude(無料版)で書いた科研費研究計画書
トリプルネガティブ乳がん新規表面分子標的の探索
研究概要
本研究は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の新規表面分子マーカーを同定し、治療標的としての有用性を評価することを目的とする。TNBCは予後不良であり、効果的な治療法の開発が急務となっている。本研究では、最新のプロテオミクス技術と機械学習を組み合わせた革新的アプローチにより、TNBCに特異的な表面タンパク質を網羅的に探索する。同定された候補分子について、in vitroおよびin vivo実験によりその機能と治療標的としての可能性を詳細に検証する。さらに、同定された分子の発現パターンと臨床病理学的特徴との関連を解析し、バイオマーカーとしての可能性も評価する。本研究により得られる知見は、TNBCの分子病態の理解を深めるとともに、新規診断法や治療法の開発につながることが期待される。最終的に、本研究はTNBC患者の予後改善に貢献し、乳がん治療の新たな展開をもたらす可能性を秘めている。
1. 本研究の学術的背景、着想に至った経緯、および学術的「問い」
乳がんは女性の悪性腫瘍の中で最も頻度が高く、その中でもトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は特に予後不良であることが知られている(Foulkes et al., 2010, N Engl J Med 363(20):1938-1948)。TNBCは、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2受容体が陰性であり、これらを標的とした従来の治療法が効果を示さない(Bianchini et al., 2016, Nat Rev Clin Oncol 13(11):674-690)。そのため、TNBCに対する新規治療法の開発は喫緊の課題となっている。
近年、がん細胞表面に発現する分子を標的とした治療法が注目を集めている。例えば、HER2陽性乳がんに対するトラスツズマブや、PD-L1を標的とした免疫チェックポイント阻害剤などが臨床で成功を収めている(Emens, 2018, Cancer 124(10):2086-2103)。しかし、TNBCに特異的な表面分子マーカーは依然として限られており、有効な標的治療法の開発が遅れている状況にある。
最近の研究により、TNBCの不均一性が明らかになってきた(Lehmann et al., 2011, J Clin Invest 121(7):2750-2767)。この不均一性は、TNBCの治療抵抗性の一因となっていると考えられる。したがって、TNBCのサブタイプに共通する、あるいは特異的な表面分子マーカーを同定することが、新規治療法開発の鍵となる可能性がある。
プロテオミクス技術の進歩により、細胞表面タンパク質を網羅的に解析することが可能になってきた(Bausch-Fluck et al., 2018, Proteomics 18(21-22):e1800200)。さらに、機械学習技術の発展により、大規模なデータセットから有意義な情報を抽出する能力が飛躍的に向上している(Zou et al., 2019, Nat Rev Genet 20(6):311-322)。
これらの背景を踏まえ、本研究では以下の学術的「問い」を設定する:
- TNBCに特異的な新規表面分子マーカーは存在するか?
- 同定された表面分子マーカーは、TNBCの病態にどのように関与しているか?
- これらの表面分子マーカーは、TNBCの新規治療標的となり得るか?
2. 本研究の目的および学術的独自性と創造性
本研究の主な目的は、TNBCに特異的な新規表面分子マーカーを同定し、その機能解析を通じて治療標的としての可能性を評価することである。この目的を達成するため、最新のプロテオミクス技術と機械学習を統合した新規アプローチを採用する。この方法により、従来の手法では見落とされていた微妙な発現パターンの違いを検出し、新規マーカーの同定につなげることが可能となる。さらに、本研究ではTNBCの不均一性を考慮した解析を行う。これにより、TNBCのサブタイプ間の違いを考慮に入れたよりきめ細かな治療標的の同定を目指す。同定された候補分子については、in vitroおよびin vivo実験を通じて多角的に機能を解析する。この包括的なアプローチにより、候補分子の生物学的意義と治療標的としての可能性を総合的に評価することが可能となる。このように、本研究は最新技術の統合、TNBCの不均一性への注目、多角的な機能解析という独自の視点と方法論を組み合わせることで、TNBCの新規治療法開発に向けた革新的な知見をもたらすことが期待される。
3. 関連分野の研究動向と本研究の位置づけ
TNBC研究の分野では、新規バイオマーカーや治療標的の探索が精力的に行われている。近年、アンドロゲン受容体(AR)やPoly(ADP-ribose) polymerase (PARP)などが注目を集めており、これらを標的とした治療法の開発が進められている。また、免疫チェックポイント阻害剤の登場により、TNBCに対する免疫療法の可能性が開かれつつある。しかし、これらの治療法の有効性は限定的であり、より効果的な治療法の開発が求められている。
既存の研究が特定の分子や経路に焦点を当てているのに対し、本研究ではプロテオミクスと機械学習を用いた網羅的なアプローチを採用する。これにより、これまで見落とされていた新規標的を発見する可能性を高める。さらに、表面タンパク質の発現パターン、臨床病理学的特徴、機能解析のデータを統合的に解析することで、より包括的な理解を目指す。また、同定された分子について、治療標的としての可能性を直接評価することで、基礎研究から臨床応用への橋渡しを目指す。このように、本研究は網羅的、統合的、そして臨床応用を見据えたアプローチを採用することで、TNBC研究の新たな展開をもたらすことが期待される。
4. 本研究で明らかにしようとする内容
本研究では、以下の点を明らかにすることを目指す:
- TNBCに特異的な新規表面分子マーカーの同定: プロテオミクス解析と機械学習を用いて、TNBCに特異的に発現する表面タンパク質を網羅的に同定する。具体的には、TNBC患者の腫瘍サンプルと正常乳腺組織から膜タンパク質を抽出し、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS)を用いて網羅的に解析する。得られたデータに対して、機械学習アルゴリズム(例:ランダムフォレスト、サポートベクターマシン)を適用し、TNBCに特異的な表面タンパク質を同定する。この手法は、Pozniak et al. (2016, Nature Methods 13(5):441-449) の方法を参考にしつつ、TNBCの特性に合わせて最適化を行う。
- 同定された分子の臨床的意義: 同定された分子の発現パターンと患者の予後や治療反応性との関連を解析し、バイオマーカーとしての可能性を評価する。具体的には、免疫組織化学染色法を用いて、大規模な患者コホート(n > 200)における候補分子の発現を解析する。発現レベルと臨床病理学的因子(腫瘍サイズ、グレード、リンパ節転移の有無など)および予後との関連を統計学的に解析する。この解析手法は、Curtis et al. (2012, Nature 486(7403):346-352) の方法を参考にする。
- 候補分子の機能解析: 選択された候補分子について、in vitroおよびin vivo実験系を用いてその機能を解明する。in vitro実験では、候補分子の過剰発現株およびノックアウト株を作製し、細胞増殖(MTTアッセイ)、浸潤(Boyden chamberアッセイ)、薬剤耐性(各種抗がん剤に対するIC50の測定)などの表現型を解析する。in vivo実験では、候補分子を操作した細胞株を用いて異種移植モデルを作製し、腫瘍増殖速度や転移能を評価する。これらの実験手法は、Lehmann et al. (2011, J Clin Invest 121(7):2750-2767) の研究を参考にしつつ、本研究の目的に合わせて最適化する。
- 治療標的としての可能性: 候補分子を標的とした阻害実験や中和抗体を用いた実験を行い、治療標的としての可能性を評価する。具体的には、候補分子に対する小分子阻害剤や中和抗体を設計・作製し、in vitroおよびin vivo実験系でその効果を検証する。特に、既存の化学療法剤との併用効果や、免疫チェックポイント阻害剤との相乗効果について詳細に解析する。この評価方法は、Schmid et al. (2018, N Engl J Med 379(22):2108-2121) の臨床試験デザインを参考にしつつ、前臨床段階での評価に適合させる。
- 分子メカニズムの解明: 候補分子がTNBCの病態にどのように関与しているのか、そのシグナル伝達経路や下流の分子メカニズムを明らかにする。具体的には、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析、リン酸化プロテオーム解析、タンパク質間相互作用解析(免疫沈降-質量分析法)などを組み合わせて、候補分子の下流シグナルを包括的に解析する。これらの解析手法は、Mertins et al. (2016, Nature 534(7605):55-62) の統合オミクス解析アプローチを参考に、本研究の目的に合わせて最適化する。
5. 本研究の目的を達成するための準備状況
本研究を遂行するための準備は十分に整っている。当研究室では、これまでに100例以上のTNBC患者の腫瘍サンプルと臨床情報を収集しており、さらに複数の医療機関との共同研究体制を構築していることから、追加サンプルの収集も可能である。プロテオミクス解析に関しては、最新の質量分析装置(Q Exactive HF-X)を導入済みであり、高感度かつ網羅的な解析が可能な体制を整えている。データ解析のための計算機環境も整備されており、経験豊富なバイオインフォマティシャンとの協力体制も確立している。細胞実験に関しては、TNBC細胞株(MDA-MB-231, BT-549など)および正常乳腺上皮細胞株を保有しており、in vitro実験のための準備が整っている。動物実験についても、マウス異種移植モデルの作製および解析の経験があり、必要な設備・体制が整っている。さらに、同定された分子に対する抗体作製のため、抗体作製会社との協力体制を構築している。これらの準備状況により、本研究計画を迅速かつ効率的に遂行することが可能である。
6. 本研究の国際性
本研究は高い国際性を有している。TNBCは世界中で問題となっているがんタイプであり、本研究で同定される新規標的分子は、国際的な乳がん研究コミュニティに大きなインパクトを与える可能性がある。研究の進捗に応じて、AACR(American Association for Cancer Research)やESMO(European Society for Medical Oncology)などの国際学会で積極的に成果を発表し、世界の研究者とのディスカッションを通じて研究の質を高める予定である。また、本研究で得られた知見を基に、海外の研究機関との共同研究を積極的に推進する。特に、同定された分子の機能解析や治療標的としての評価において、各国の専門家との協力を進める計画である。本研究は、日本の強みであるプロテオミクス技術と機械学習を組み合わせた独自のアプローチを採用しており、日本発の革新的な研究として国際的に高い評価を得ることが期待される。研究成果は Nature、Science、Cancer Cell などの国際的に評価の高い学術誌に投稿し、世界中の研究者に向けて発信する。最終的に、本研究の成果はTNBCの診断・治療法の開発につながる可能性があり、世界中の患者の予後改善に寄与することが期待される。これらの取り組みを通じて、本研究は日本の乳がん研究の国際的プレゼンスを高め、世界の研究の発展に貢献することを目指す。
引用文献リスト
- Foulkes, W. D., Smith, I. E., & Reis-Filho, J. S. (2010). Triple-negative breast cancer. New England Journal of Medicine, 363(20), 1938-1948. DOI: 10.1056/NEJMra1001389
- Bianchini, G., Balko, J. M., Mayer, I. A., Sanders, M. E., & Gianni, L. (2016). Triple-negative breast cancer: challenges and opportunities of a heterogeneous disease. Nature Reviews Clinical Oncology, 13(11), 674-690. DOI: 10.1038/nrclinonc.2016.66
- Emens, L. A. (2018). Breast cancer immunotherapy: facts and hopes. Clinical Cancer Research, 24(3), 511-520. DOI: 10.1158/1078-0432.CCR-16-3001
- Lehmann, B. D., Bauer, J. A., Chen, X., Sanders, M. E., Chakravarthy, A. B., Shyr, Y., & Pietenpol, J. A. (2011). Identification of human triple-negative breast cancer subtypes and preclinical models for selection of targeted therapies. The Journal of Clinical Investigation, 121(7), 2750-2767. DOI: 10.1172/JCI45014
- Bausch-Fluck, D., Goldmann, U., Müller, S., van Oostrum, M., Müller, M., Schubert, O. T., & Wollscheid, B. (2018). The in silico human surfaceome. Proceedings of the National Academy of Sciences, 115(46), E10988-E10997. DOI: 10.1073/pnas.1808790115
- Zou, J., Huss, M., Abid, A., Mohammadi, P., Torkamani, A., & Telenti, A. (2019). A primer on deep learning in genomics. Nature Genetics, 51(1), 12-18. DOI: 10.1038/s41588-018-0295-5
- Traina, T. A., Miller, K., Yardley, D. A., Eakle, J., Schwartzberg, L. S., O’Shaughnessy, J., Gradishar, W., Schmid, P., Winer, E., Kelly, C., Nanda, R., Gucalp, A., Awada, A., Garcia-Estevez, L., Trudeau, M. E., Steinberg, J., Uppal, H., Tudor, I. C., Peterson, A., & Cortes, J. (2018). Enzalutamide for the treatment of androgen receptor-expressing triple-negative breast cancer. Journal of Clinical Oncology, 36(9), 884-890. DOI: 10.1200/JCO.2016.71.3495
- Robson, M., Im, S. A., Senkus, E., Xu, B., Domchek, S. M., Masuda, N., Delaloge, S., Li, W., Tung, N., Armstrong, A., Wu, W., Goessl, C., Runswick, S., & Conte, P. (2017). Olaparib for metastatic breast cancer in patients with a germline BRCA mutation. New England Journal of Medicine, 377(6), 523-533. DOI: 10.1056/NEJMoa1706450
- Schmid, P., Adams, S., Rugo, H. S., Schneeweiss, A., Barrios, C. H., Iwata, H., Diéras, V., Hegg, R., Im, S. A., Shaw Wright, G., Henschel, V., Molinero, L., Chui, S. Y., Funke, R., Husain, A., Winer, E. P., Loi, S., & Emens, L. A. (2018). Atezolizumab and nab-paclitaxel in advanced triple-negative breast cancer. New England Journal of Medicine, 379(22), 2108-2121. DOI: 10.1056/NEJMoa1809615
- Pozniak, Y., Balint-Lahat, N., Rudolph, J. D., Lindskog, C., Katzir, R., Avivi, C., Pontén, F., Ruppin, E., Barshack, I., & Geiger, T. (2016). System-wide clinical proteomics of breast cancer reveals global remodeling of tissue homeostasis. Cell Systems, 2(3), 172-184. DOI: 10.1016/j.cels.2016.02.001
- Curtis, C., Shah, S. P., Chin, S. F., Turashvili, G., Rueda, O. M., Dunning, M. J., Speed, D., Lynch, A. G., Samarajiwa, S., Yuan, Y., Gräf, S., Ha, G., Haffari, G., Bashashati, A., Russell, R., McKinney, S., METABRIC Group, Langerød, A., Green, A., … Aparicio, S. (2012). The genomic and transcriptomic architecture of 2,000 breast tumours reveals novel subgroups. Nature, 486(7403), 346-352. DOI: 10.1038/nature10983
- Mertins, P., Mani, D. R., Ruggles, K. V., Gillette, M. A., Clauser, K. R., Wang, P., Wang, X., Qiao, J. W., Cao, S., Petralia, F., Kawaler, E., Mundt, F., Krug, K., Tu, Z., Lei, J. T., Gatza, M. L., Wilkerson, M., Perou, C. M., Yellapantula, V.,
以上はClaudeが作ってくれたものです。明らかに不要な文などを削除するなど、微修正はしましたが、吐き出された文章そのままです。
GEMINI (GOOGLE)で書いた科研費研究計画書
GEMINIに頼んだら、アウトラインを箇条書きにしてくれるのですがなかなか申請書っぽい文章にしてくれません。代筆させられるのをいやがっているかのようです。「上記はあくまで一例です。ご自身の研究内容に合わせて、より詳細な情報を加えてください。」とやたらと念を押してきます。それでもごり押しして、書いてもらいました。
表題案
- トリプルネガティブ乳がんの新規表面マーカー探索と標的療法開発
- TNBCの新規表面分子マーカー探索による治療戦略開発
- AI駆動型新規マーカー探索によるTNBC克服
- TNBC克服に向けた新規分子マーカー探索と標的療法
概要
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、既存の治療法が限られ、予後不良な悪性腫瘍である。本研究は、この難治性のTNBCに対して、全く新しい治療戦略を確立することを目的とする。具体的には、最新のAI技術とオミクス解析を融合し、TNBC細胞表面に特異的に発現する新規分子マーカーを網羅的に探索する。同定したマーカーを標的とすることで、従来の治療法では効果が得られなかったTNBC患者に対して、効果的な治療が可能となることが期待される。本研究を通じて、TNBCの分子メカニズムを深堀りし、新規治療薬の開発へと繋げ、最終的にはTNBC患者の生存率向上に貢献する。本研究は、AIと生命科学の融合による革新的ながん研究であり、国際的な学術界において注目を集める。
(1)本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、乳がんの中でも特に悪性度が高く、治療が困難なタイプとして知られている。乳がんは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2と呼ばれる3つの受容体によって、その性質が大きく異なる。TNBCは、この3つの受容体すべてが陰性であるため、ホルモン療法やHER2を標的とした治療が効きにくく、治療選択肢が限られている。
TNBCは、乳がん全体の約15~20%を占め、その予後不良性から、新たな治療標的の探索が急務である。これまでの研究により、TNBCは遺伝子変異やエピジェネティックな変化が非常に多様であり、その分子機序は複雑であることが明らかになっている。Lehmannらの研究(2011)は、TNBCがBL1とBL2という2つの主要なサブタイプに分類されることを示し、TNBCの分子多様性の深さを浮き彫りにした。さらに、Liuらの研究(2016)は、TNBCが腫瘍微小環境との複雑な相互作用を通じて進展することを示唆し、TNBCの治療標的探索の難しさを際立たせている。
このようなTNBCの多様性に対応するためには、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2が陰性であるTNBCに対して効果的な従来のホルモン療法や分子標的療法とは異なり、新規の表面分子マーカーを探索し、それらを標的とする新たな治療法の開発が不可欠である。従来の研究では、既知の癌遺伝子や腫瘍抑制遺伝子に焦点を当てられてきたが、TNBCの多様性から考えると、これらの既知の遺伝子だけでは、全てのTNBC患者をカバーできない可能性がある。そこで本研究では、AI技術を活用した網羅的なオミクス解析により、従来の解析手法では見つけることができなかった、TNBCに特異的な分子シグネチャーを同定し、「TNBCの多様な分子背景において、共通して発現が変動し、かつ治療標的となりうる新規表面分子マーカーは存在するか?」という学術的な問いに対する答えを見つけることを目指す。AI技術の進歩により、膨大なオミクスデータを解析し、TNBCの分子メカニズムのより深い理解を目指し、最終的には、TNBC患者の予後改善に貢献したい。
(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性
本研究の目的は、以下の3点です。
- 新規表面分子マーカーの同定: AI技術を用いた深層学習により、TNBC細胞表面に特異的に発現する新規分子マーカーを予測する。
- マーカーの機能検証: 同定されたマーカーの機能をin vitroおよびin vivoで検証し、その腫瘍形成における役割を明らかにする。
- 標的療法開発への応用: 同定されたマーカーを標的とする新規治療法の開発に向けた基礎研究を行う。
本研究は、TNBCの分子メカニズムの解明を深め、新規治療標的の同定を可能にし、最終的にTNBC患者の予後改善に繋がることを目指す。
学術的独自性と創造性
本研究は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の新規治療標的探索において、AI技術とオミクス解析を融合するという、極めて革新的なアプローチを採用する。従来のTNBC研究は、特定の遺伝子や経路に焦点を当てた探索が主流であったが、本研究では、AIの力を借りて、膨大なオミクスデータを網羅的に解析し、未知の分子マーカーを探索する。
具体的には、深層学習などのAI技術を活用し、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームなど、多層のオミクスデータを統合的に解析することで、TNBCに特異的な分子シグネチャーを効率的に抽出する。これにより、従来の手法では見つけられなかった、より精度の高いマーカーの同定が期待できる。
本研究の学術的な独自性は、単に既存の手法を組み合わせるのではなく、AIという新たなツールを導入することで、TNBC研究の新たな地平を開拓しようとする点にある。また、多層オミクスデータを統合的に解析するという点も、本研究の大きな特徴である。これらの独創的なアプローチにより、TNBCの分子メカニズムの解明を深め、最終的には、TNBC患者の生存率向上につながる新たな治療法の開発に貢献することが期待される。
さらに、本研究で得られた成果は、TNBCだけでなく、他の種類の癌の研究にも応用できる可能性があり、広範なインパクトを与えることが期待される。AI技術と生命科学の融合という学際的なアプローチを通じて、従来の枠組みを超えた新たな知見を創出し、がん研究に革新をもたらす可能性を秘めている。
(3)関連分野の研究動向と本研究の位置づけ
近年、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の分子標的療法開発に向けた研究が活発化しており、特にオミクス解析技術の進歩により、TNBCの分子多様性が明らかになってきた。従来の研究では、特定の遺伝子変異や経路に焦点を当てた探索が主流であったが、TNBCの多様性に対応するため、より網羅的な解析手法が求められてきた。本研究は、こうした研究動向を踏まえ、AI技術と多層オミクス解析を融合することで、TNBCの新規表面分子マーカーを探索するという、極めて革新的なアプローチを採用する。AI技術の進歩により、膨大なオミクスデータを解析し、複雑な生物学的ネットワークから、TNBCに特異的な分子シグネチャーを抽出することが可能になった。本研究の独自性は、AI駆動型マーカー探索、多層オミクスデータの統合解析、新規治療標的の開拓という3点に集約される。AI技術を活用することで、従来の手法では見つけられなかった、より精度の高いマーカーの同定が期待できるだけでなく、多層オミクスデータを統合的に解析することで、より包括的な分子プロファイルを構築し、TNBCの分子メカニズムの解明を深めることができる。最終的には、これらの成果を基に、TNBCに対する新しい治療法の開発に繋げ、患者生存率の向上に貢献することを目指す。本研究は、オミクス解析とAI技術を融合することで、TNBC研究の分野において、より網羅的で精度の高い分子標的探索を可能にするという点で、学術的な貢献が期待される。
(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
本研究では、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の新規治療標的の探索を目的とし、以下のステップで研究を進める。
まず、トリプルネガティブ乳がん患者から手術で切除された腫瘍組織および対応する正常組織を収集し、RNA、タンパク質、代謝産物を抽出し、それぞれRNA-seq、質量分析、メタボローム解析を行う。これら高スループットなオミクス解析により、膨大な量の分子データを生成する。
次に、得られたトランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームデータを統合し、多変量解析を行うことで、TNBC特異的な分子シグネチャーを同定する。このシグネチャーから、TNBCと正常組織を識別できる特徴的な遺伝子、タンパク質、代謝産物を抽出する。
抽出された特徴量を用いて、深層学習などの機械学習モデルを構築し、TNBCと正常組織を分類するモデルを構築する。構築したモデルを用いて、TNBC細胞表面に特異的に発現している可能性のある新規分子マーカーを予測する。
予測されたマーカーの検証として、免疫組織化学染色やウェスタンブロッティングを用いて、腫瘍組織および正常組織におけるマーカーのタンパク質発現を評価する。さらに、ノックダウンや過剰発現実験を行い、マーカーの細胞増殖、浸潤、転移など、腫瘍形成における役割を評価する。
最終的には、予測されたマーカーを標的とする抗体医薬やペプチド医薬を設計し、in vitroでの評価を行う。また、独立した臨床検体を用いて、同定されたマーカーの臨床的有用性を検証し、バイオマーカーとしての活用可能性も検討する。
これらの実験を通じて、TNBCの新規表面分子マーカーを同定し、その機能を解明することで、最終的にはTNBCに対する新しい治療法の開発に繋げ、患者生存率の向上に貢献することを目指す。
(5)本研究の目的を達成するための準備状況
本研究は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の新規治療標的の探索を目的とする。この目的を達成するため、以下の準備を進めた。
まず、複数の医療機関と連携し、トリプルネガティブ乳がん患者の貴重な腫瘍組織および対応する正常組織の収集体制を確立した。これらの臨床サンプルは、本研究の基盤となる重要なデータである。次に、RNA-seq、質量分析、メタボローム解析といった大規模なオミクス解析を行うための設備とノウハウを有する研究機関との連携も進めている。これらの解析手法により、膨大な量の分子データを生成し、TNBCの複雑な分子メカニズムを解明するための基盤を築く。
さらに、深層学習をはじめとする最先端のAI技術を用いた解析パイプラインの構築を完了した。このパイプラインにより、膨大なオミクスデータを効率的に解析し、TNBCに特異的な分子シグネチャーを抽出することが可能になる。また、オミクス解析、AI、腫瘍学などの各分野の専門家と連携することで、より高度な解析と議論を行う体制を整えている。
これらの準備により、本研究は計画通りに進展し、トリプルネガティブ乳がんの新規治療標的発見に貢献できると確信する。具体的には、臨床サンプルの確保、高性能な解析機器の利用、最先端の解析ソフトウェアの導入、そして各分野の専門家との連携という4つの柱が、本研究の成功を支える基盤となっている。
(6)本研究がどのような国際性を有するか
本研究は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)という国際的な課題である疾患を対象とし、その成果は世界中の患者に貢献する可能性を秘める。
具体的には、世界各地の研究機関と連携し、多様な遺伝的背景を持つ患者サンプルを収集・解析することで、より普遍的な知見を得る。また、国際的な学会で研究成果を発表し、世界の研究者との議論を通じて、研究の質を高める。さらに、RNA-seq、質量分析、メタボローム解析など、国際的に標準化された解析手法を採用することで、研究成果の再現性と信頼性を高め、世界の研究コミュニティとの連携を強化する。
研究で得られた膨大なデータを、国際的なデータベースに登録することで、世界の研究者が自由にアクセスし、共同研究を促進する。これにより、TNBC研究の加速化に貢献し、世界的な医療の発展に寄与する。また、NatureやCellといった国際的な学術誌への論文投稿を目指し、研究成果を世界に発信する。これにより、本研究のインパクトを最大化し、世界のTNBC研究をリードする。
最終的に、本研究で同定された新規バイオマーカーや治療標的は、将来的に国際的な臨床試験に展開され、世界中のTNBC患者に新たな治療選択肢を提供する可能性がある。
このように、本研究は、国際的な共同研究、標準プロトコルの採用、データベースへの貢献、学術誌への発表、そして国際的な医療への貢献という多角的な側面から、高い国際性を有する。
GEMINIは、なんだか素直に言うことを聞いてくれなくて使いにくかったです。研究倫理の倫理観がかなり強めなのかもしれません。
生成AIで科研費申請書を作ってみた感想
生成AIがここまでやってくれるのだとしたら、自分の申請書作成のブラッシュアップに活かさない手はないでしょう。2025年の科研費の採否は、どの生成AIを使った人が勝つのでしょうか。
生成AIの弱点としては、大量の文書を読み込んでそれに基づいて出力していることから明らかなように、本当にオリジナリティの高いアイデアは提供してくれないはずです。そのため、生成AIを使ってかかれた科研費申請書は、どれも似たような物になる可能性が高いと思います。実際上の4つは、シンプルな依頼にも関わらず、研究の戦略はほとんど同じようなものになりました。もしみんなが生成AIを使って書いていたのだとしたら、今年、科研費を審査する人は、どれもそつなく書かれているけど尖ったところがないなという印象を持つのではないでしょうか。
そうはいっても、人間が考える場合でも世の中の潮流の影響を受けて新しい研究を着想するわけですから、人間が書いたからといってどれくらいオリジナリティがあるのかわかりません。生成AIのほうに分がないとも言えないでしょう。
日本語の文章の読みやすさに関しては、生成AIが圧倒的に有利だと思います。人間が書いた文章のように、文の始まりと文の終わりで呼応関係がうっかりズレたといった、しょうもないミスはまずしません。
文章の流れが十分論理的かというと、PerplexityもChatGPTもClaudeも情報を羅列気味であり、必ずしも論理的な流れがハッキリはしていません。人間が書いたほうが接続語などを効果的に使ってもっと論理的な流れがはっきりした文章が作れるだろうと思います。
なんの知識もない人間が一切労力もかけずに、この程度の申請書を書けてしまうのですから、今年度に応募者みんなが生成AIを使っていたならば、これらの文章がこれからの科研費応募書類の最低レベルということになるでしょう。
一個試しただけだと、たまたまということもあるので、別の研究テーマでも試してみました。こちらもご覧ください。
- 生成AIで科研費の申請書を書くことは可能か?生成AI利用の落とし穴 「全身エリテマトーデスに対する新規治療戦略に関して研究助成申請書作成のためのたたき台をつくってくれない?」
【豆知識】大学からJSPSへの送信後の原稿の差し替えは可能か?
【Q2207】 研究機関の担当者が研究計画調書の応募情報を電子申請システムで承認し日本学術振興会に送信した後に、研究者から研究計画調書の一部に誤りがあったとの連絡がありました。差し替えを行いたいのですが、どうすればよいでしょうか。
【A】 日本学術振興会が定めた研究計画調書等の提出(送信)期限(以下「学振受付期限」という。)より前であれば、日本学術振興会への提出(送信)後に研究機関担当者※により研究計画調書等(応募書類)を引き戻し、必要に応じた訂正、再提出を行うことができます。ただし、学振受付期限後に、研究計画調書等の引き戻し、再提出を行うことはできませんので、提出いただく前に十分確認をお願いします。なお、引き戻しを行った場合、一度提出した研究計画調書等であっても、最終的に電子申請システム上の応募状況が「学振受付中」となるまで日本学術振興会に提出されたことにはなりませんので、十分に留意してください。また、アクセスが集中して期限までに再提出が完了できない場合があるため、学振受付期限当日は引き戻しを行わないようにしてください。
※個人管理の研究種目の場合は、提出した研究者本人による引き戻しが可能です。https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_faq/kakenhi_faq.pdf
科研費の締め切り日時