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現代ラボ用語の基礎知識 厳選155語

  2017/12/19    研究生活

ラボでは当たり前に使われている言葉でも、一般の人には新鮮に響くことがあるようです。そんな、ラボ特有の言い回しをまとめてみました。(生物系のラボ。随時追加、変更あり) あ アクセプト【accept】投稿した論文が受理(掲載許可)されること。「リバイスに1年もかかったけど、やっとアクセプトされたよ!」「おめでとう!」 アクティビティ【activity】いい論文をコンスタントに出している状態。「あのラボはアクティビティが高いね。」 あてうま【当て馬】採用される人が予め決まっている公募の面接に呼ばれる他の候補者のこと。「東○大に面接に呼ばれたんだって?」「どうせ当て馬だと思うけど、しっかり準備して行くよ。」 あとがない【後が無い】①研究職の任期が切れる寸前だが、次の職がまだ決まっていない状態。「この論文、絶対通ってくれないと。俺、後が無いから。」 ②出すジャーナルを下げすぎて、もうこれ以上下げられない状態。 「サイレポにも蹴られて、もう後が無いよ。」「大丈夫、ジャーナルなんて、ほかにいくらでもあるから。」「いや、俺もう、後がないから。」 あれ、どうなった?【あれ、どうなった?】何も考えていないボスが、学生に進捗状況を聞くときに使う、いい加減な言葉。「おい、あれ、どうなった?」「今、実験している最中です。」「おお、そうか!」 「あれ、どうなった?」「あれってなんですか?」「あれだよ、あれ、ほら、その‥。」 い いいしごと【いい仕事】雑誌のインパクトファクターが、その雑誌の個々の論文の価値を示すものではないという批判は常に存在するが、現実的なこととして、インパクトファクターの高いジャーナルに出た論文や人を高く評価する傾向が多くの人に見られる。そのため、「いい仕事=いい論文」と、同義語のように用いられることが多い。「これはきっといい仕事になると思うよ。」「彼は凄くいい仕事をしていてね。」 いいとこねらう【いいとこ狙う】トップジャーナルへの掲載を目指すこと。「これなら、いいとこ狙えるんじゃない?」 イエローチップ【yellow tip】ピペットマンで200マイクロリットルまでを測りとるためのチップ。もともと純正のものは黄色だったことから。他社製品であろうと、色が何色であろうと、イエローチップと言えばこのサイズのチップのことを意味する。「昔は、貧乏なラボでは、イエローチップを洗って再利用していたんだぞ。」「昔は、ラボに新しく入って最初の仕事は、イエローチップを(ラックに)詰めることだったんだよ。ラック入りは高いから。」「いつの時代だよ?」 いきのこる【生き残る】アカデミアにおいて大学教員などのパーマネントの研究職を得ること。あるいは、任期付きであっても順調に次の職を得るか任期更新が行われ、コンスタントに仕事ができている状態。サバイブする、と同義。「なんとか生き残ることができた。」 「もう自分は生き残れないと思う。」 「今の時代、生き残るだけでも大変だね。」 いちゃもん【イチャモン】投稿論文に対する差読者のコメントの中で、差読者が、実行不可能な実験などを著者に要求してくること。「(査読コメントに目を通した後、)こんなの、イチャモンだよ!(怒)」 いっぱつアクセプト【一発アクセプト】リバイスを経ることなく速やかに投稿論文が受理されること。「ジャーナル下げたら、一発アクセプトだった。」 いわれたことだけ【言われたことだけ】①最近の若者が、言われたことだけしかやらないこと。②論文投稿中の研究者が、リバイスの際に、差読者に言われたことだけしかやらないこと。「原稿の修正や追加実験は、言われたことだけにしといたほうがいいよ。突っ込まれるポイントを増やすとソンだから。」 インパクトファクター【impact factor】雑誌のランキングを決める数値指標で毎年算出される。「PLOS ONEのインパクトファクターって今いくつくらいだっけ?」 う うえから【上から】少しでもインパクトファクターの高いジャーナルに論文を出すことを目的として、駄目もとでトップジャーナルからから順番に投稿を試みること。最初にネイチャーやセル、サイエンスのどれかに投稿し、リジェクトされた場合には、同じ出版社の姉妹紙でもう少し通りやすいところや、あるいはインパクトファクターなどを考慮して他の出版社の学術誌に、ランキングを下げながら順にトライしていくこと。 「(この仕事、)どこに出すの?」「上からトライしてみようかな、と。」 うつくしい【美しい】研究者が用いる場合には、美しい女性でも、美しい絵画でもなく、美しい「ストーリー」を持った研究成果を指すことが多い。「今週のネイチャーのあの論文、美しいストーリーだね。」”Beautiful work! Congratulations!” うぷす【Oops!】オッと。アメリカ帰りの研究者が、何かちょっとした失敗をしたときに思わず発してしまう言葉。英語がさほどしゃべれるようになっていなくても、感情を表す言葉だけは、なぜか口をついて出てくる。ただし、発音は日本語化している。「うっぷす。(試薬を)入れる量、間違えた!」 え えいぶんこうせい【英文校正】論文原稿の中に、ネイティブに意味が取れない箇所がないかチェックすること。「違う意味に直されちゃったよ。」「誤解される表現だったんじゃない?」 エディターキック【editor kick】査読にまわされずに、編集者や編集部の判断で蹴られること。「だめもとでネイチャーに出したら、あっさりエディターキックを食らった。」 エネルギー【energy】研究を行なうために必要な情熱やエネルギーのこと。「ボスと話をすると、エネルギーを吸い取られちゃうなあ。」 エラーバー【error bar】平均値を表す棒グラフなどにおいて、標準誤差や標準偏差などを示した線分のこと。通常は、統計処理ソフトで自動的に計算・描画が行なわれる。例外的に、東京大学医学部においてはエラーバーの作成は手作業で行なわれるのが通常である(出典)。「エラーバー、もっと短くならないの?」 えぬ【n】実験サンプルの例数。「nを増やせば、有意差出るかも。」 エタチン【エタ沈】エタノール沈殿の略。DNAの精製過程で、塩とエタノールの混合液中でDNAを沈殿させるステップ。「行こうよ。エタ沈で止めておけばいいじゃん。」 エッペン【Eppendorf tube】エッペンドルフチューブの略。生物系のラボで最も多用される1.5mlチューブのこと。本来はエッペンドルフ社の製品を指すが、高価なため安価な他社製品を使うラボが多い。しかし、どの会社の製品であっても1.5mlチューブのことをエッペンと呼ぶことが通常になっている。「エッペンちょっと分けてもらっていい?」「エッペンなくなりかけているから、次、注文しておいて。」「このラボ、エッペン、エッペンドルフのを使ってるんだ?金持ちだね。」 お おかね【お金】研究費のこと。「あのラボはお金がないから、(そこに進学するのは)やめといたほうがいいよ。」 「今年はお金があまりない。」 「金持ちのラボ」 …

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東大が雇い止めを撤廃

【速報】東京大学、雇用上限5年撤廃! pic.twitter.com/skdvdIeR2H — 東京大学教職員組合 (@tousyoku_org) 2017年12月12日     東大が5年雇い止め規定撤廃へ 来年4月、無期に転換可能 東京大が、有期契約の教職員の雇用を最長でも5年までとする規定を、来年4月に撤廃する方針を固めたことが15日、関係者への取材で分かった。改正労働契約法で来年4月以降、5年を超えて働けば無期契約への転換を申請できる「無期転換ルール」が始まるが、東大では規定で5年を超えることができず、労働組合などが「無期転換逃れだ」と廃止を求めていた。 東大教職員組合や首都圏大学非常勤講師組合によると、東大の有期雇用職員はパートタイムで約5千人、フルタイムで約3千人いる。12日に開かれた幹部会議で規定を削除する方針が示されたという。(共同通信 2017/12/15 12:12)   東大の雇い止めに関する報道・分析記事 東京大学がついに「雇い止め撤回」を決めた、二つの事情 (田中 圭太郎 ジャーナリスト 現代ビジネス 2017.12.14) 「東大、お前もか」大学で進まぬ有期雇用の「無期転換」 対応しなくても適法? (弁護士ドットコム 2017年10月04日):”労働条件が「不当」であるが「適法」な場合、労働法が保障した闘い方は、労働者が団結して労働組合として交渉し、数の力の労働運動で「不当」な労働条件をあらためさせることです。実際に、日本郵政グループ労働組合などは、有期雇用社員が積極的に労働組合に加入し、会社と交渉することにより、無期転換制度の法定前に8万人もの無期転換を実現しています。本来、無期転換ルールは、使用者にとっても業務に習熟した人材を確保するメリットがあります。雇用が安定した良い労働環境の職場には、優秀な人材が集まります。労働者を使い捨てるようないわゆる「ブラック企業」は、淘汰されなければなりません。労働組合を中心に結集し職場環境を改善することが求められます。” 東大雇い止め許せない 吉良議員、非常勤職員と懇談 (しんぶん赤旗 2017年9月29日):”東大は、2013年に改正された労働契約法の「無期転換ルール」から逃れるために、非常勤職員に対し、5年以上の契約更新をせず雇い止めにしたり、6カ月の空白をおいて新たに有期契約をするなど、違法・脱法行為を行っています。東大教職員組合(東職)、首都圏大学非常勤講師組合の両組合は、東京大学に対し、契約を更新し、希望者全員を無期転換するよう求めています。” 東大、職員4800人雇い止めで失職も…組合と大学側が全面対決、国の働き方改革に逆行 (深笛義也/ライター Business Journal 2017.09.28) 東京大学が非常勤職員8000人大半の雇い止めを強行か (週刊金曜日ニュース 2017年9月5日):”東京大学で働く約8000人の非常勤教職員の大半が、来年4月以降雇い止めされる可能性が高くなった。8月7日に開かれた東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉で、大学側が明確にした。” 「東京大学のやり方は大問題」非常勤雇用ルール巡って労組が緊急会見 最大数万人に影響…? (田中 圭太郎 現代ビジネス …

NHKスペシャル『追跡 東大研究不正』

2017年12月10日(日)午後9時00分~9時49分に、NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~ が放送されました。NHKの番組説明を読むと、研究不正問題の背景となる日本の科学政策の問題点に関して批判的なメッセージを伝えることが一番の狙いのようです。 激化する国際競争の中で変容してきた科学研究費の配分を巡って、翻弄される科学者の姿。そして、科学技術立国を掲げ、研究成果を国の発展につなげようという施策が、皮肉にも、科学を停滞させかねないという現実。(NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~)   視聴者は、この番組をどのように見て、メッセージをどのように受け取ったのでしょうか?番組に関するツイートをいくつか紹介します。 激化する研究費獲得競争が研究不正の要因なのか? 流し見での感想だけど、 1.民間では競争は余りにも普通で、大きな受注を逃して待遇が悪化したり、無能力等を理由とした解雇もあり得るのに、何故、研究者は競争をしない方が良い結果が得られると確信しているのか? nhk 追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~ https://t.co/oH9DG0Lrpd — a.o.kitty 🐾 (@anger_of_kitty) 2017年12月10日 研究費獲得が競争的になったから研究不正が起こったというNHKスペシャルの内容だけど、それまで競争が少なくて国からお金もらえたというのがおかしくて、競争があって当然でしょう。世間では知られてないだけで、教授は資金集めが最も重要な仕事。 — 肥和野 佳子 (@lalahearttwit) 2017年12月11日 研究費がなくても不正をしない研究者は大勢いる。というか、それが大多数。ここで不正を報じられたり、これまでに不正をしたと世間で知られた研究者は殆どが数億単位の研究費を持っていた極めて特殊な研究者です。研究費獲得競争の激化にだけ不正の原因を求めるのはどうにも得心しない。#東大研究不正 — Koichi Kawakami (@koichi_kawakami) 2017年12月10日 研究費獲得のために不正するなら、他の多くのラボでも不正が見つかるだろ?でもそうじゃないってことは、仮定が間違ってるんだよ。不正するやつはするし、しないやつはしない — takanzai (@takanzai) 2017年12月10日 昨夜のNHKスペシャルを見て、指導教員が常々言っていた「不正をするやつは辞めろ」を思い出した(実際はもっと過激なワードですが)。私は綺麗事をそのまま受け入れていられる修士の段階で止めておいて幸せだったのかもしれない。(悠)#東大研究不正 — …

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子宮頸がんワクチンに関して啓蒙活動を行う日本人医療ジャーナリストに2017年度ジョン・マドックス賞

ジョン・マドックス賞は、学術誌Natureの名物編集長であったジョン・マドックス氏(1925~2009)を記念して創設された賞で、困難や逆風に遭いながらも公共の利益のために科学的な根拠を世に広めることに貢献した人に授与されます。 The John Maddox Prize recognises the work of individuals who promote sound science and evidence on a matter of public interest, facing difficulty or hostility in doing so. (The John Maddox Prize, Sense about science) 2017年度のジョン・マドックス賞は、子宮頸がんワクチンの危険性に関して科学的なエビデンスが無いことを指摘し、子宮頸がん予防ワクチン接種の重要性を訴えてきた医師・ジャーナリストの村中璃子氏が受賞しました。 Great to see …

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滋賀県彦根市立病院脳神経外科が脳動脈瘤脳を下垂体腫瘍と誤診 手術中に大量出血で死亡

  2017/11/28    医療事故

報道によると、滋賀県彦根市立病院脳神経外科で、脳動脈瘤を下垂体腫瘍と誤診して手術が行われ、手術中に大量に出血して患者が亡くなるという事故が起きていたことがわかりました。 コンピューター断層撮影(CT)などの画像から、外部を含めた脳神経外科の専門医4人が下垂体腫瘍と診断し、切除のための手術を行った。手術中に動脈瘤が破裂して出血、翌日に死亡したという。(誤診原因で手術女性死亡 滋賀・彦根市立病院 京都新聞 2017年11月27日) 医療事故調査・支援センターは、「放射線科医師による画像診断を受けていれば脳動脈瘤と分かり、事故が回避できた」としています。 オペ前にMRI.MRAの撮影はしなかったのかな? アンギオ、MRA CTAでわからんレベルなのか、そもそもしてなかったのか ウチの病院の脳外科も放射線科に読影させないで、自前で読影しちゃうんですよね…  他にMRIやMRAとか行われなかったんでしょうか 脳外科医ですがちょっとありえない誤診。下垂体腺腫に脳動脈瘤を合併することはよく知られているので術前MRIなどで血管チェックするのは常識。術前CTだけで手術しちゃったんだろうか? 自分も脳外科主の病院で働いていて下垂体腫瘍と脳動脈瘤の手術を見てきてるけど 脳動脈瘤と下垂体腫瘍なんてどうやったら間違えるのか…… CTAはおろかMRAすらやってないってことだよね。基本を押さえていないようじゃ救いようがない。 CT.MRIで造影剤使用で撮影しておれば誤診は無いだろう。こんな馬鹿げた誤診が何故起きる (YAHOO!JAPANニュース コメント欄より 一部を紹介)   参考 彦根市立病院 脳神経外科/診療科・部署のご案内 医師の紹介  

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ディオバン臨床研究不正事件まとめ

(不完全なまとめ 随時変更あり) ディオバン事件の概要 今回の問題は、ノ社の依頼で臨床研究をした大学の研究者が、降圧剤としての効能自体ではなく、高血圧以外の疾病、例えば、心疾患などに対しても効能があるとする論文を発表し、それが、医学専門誌等での広告宣伝に使われたことで、他社の同種薬より優れている、との認識を医療関係者に持たせた。ところが、その根拠となった臨床試験のデータが不正に作られていたことが判明し、論文が撤回された、というものです。(高血圧薬ディオバン問題、難航する真相解明 検察、公取委の出方は?Asahi Judiciary 2013/08/26)   ノバルティス社の関与 ノバルティスの薬ディオバンの効果を調べる5つの臨床研究で、ノバルティスの社員がデータの統計処理を一手に引き受けていました。 ノバルティスの三谷元社長は、臨床試験や論文執筆への会社としての関与を否定していた。 しかし、3月28日に毎日新聞が、京都府立医大が実施した臨床試験の統計解析に、ノバルティスの元社員(既に退職)が関与していたことをすっぱ抜く。 この元社員は、臨床試験データの統計処理のプロで、大阪市立大学などの非常勤講師の肩書も持っていた。ノバルティス社員の立場を表に出さず、京都府立医大のほか、東京慈恵会医科大、千葉大、滋賀医科大、名古屋大で、ディオバンの論文作業にかかわっていたという。 (製薬業界の資金提供に疑惑の目 医学論文捏造疑惑、「ディオバン事件」の罪深さ 経済界 2013年7月2日) ノバルティス社の報告書の中に、元社員が市大の非常勤講師の身分を使えば許されると思い込んでいたとか、会社も同様に解釈していたと書かれていました。大きな製薬企業の報告書として、そのような恥ずかしいことが堂々と書かれていること自体に問題の深刻さを感じました。(山口委員 2014年4月17日 第1回 臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会 議事録 厚生労働省) 当該元社員は、当時、ある学術機関(大阪市立大学)の非常勤講師でもありました。このため、当該元社員は、臨床研究に関わる活動と弊社の業務とを区別しておけば、臨床研究に深く携わることができると理解していました。つまり、学術機関における立場により、臨床研究への関与が正当化されると考えていたのです。また、当該元社員だけでなく、当時の上司や他の社員、研究者も同様の考えをもっていました。(バルサルタンを用いた5つの医師主導臨床研究におけるノバルティスファーマ株式会社の関与に関する報告書  ノバルティスファーマ株式会社 2013年7月29日 PDF) ノバルティスの報告書には臨床研究への関与は一個人でなく会社の業務と認めたような記述があります。厚生労働省の報告書では、ノバルティス社が臨床研究に会社として関与したと断定しています。 当該元社員らの上司とノバルティスファーマの経営陣の一部の者は、当該元社員の研究への関与の程度について認識していた、ないしは認識して然るべきであったといえます。一方、経営陣のうちの上層部の者は 当該元社員の日々の業務については把握していなかった と考えられます。(バルサルタンを用いた5つの医師主導臨床研究におけるノバルティスファーマ株式会社の関与に関する報告書  ノバルティスファーマ株式会社 2013年7月29日 PDF 6ページ) これらを総合的に判断すると、当該元社員が今回の事案に深く関与していた実態がノバルティス社にとって最近になって判明したものとは言い難い。また、当該元社員の関与のみならずその上司及び一部の経営陣による認識などの人的状況、並びに当該元社員にかかる必要経費の会社負担及び会社の意図及び期待等を伴った奨学寄附金の提供などの金銭的状況などから、今回の事案は、当該元社員一個人が関与していたというよりは、実態としてはノバルティス社として今回の事案に関与していたと判断すべきものである。(高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた 対応及び再発防止策について (報告書) 平成26年4月11日 高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する 検討委員会 参考資料1 PDF)   何が問題なのか ノバルティスの社員が論文の上で身分を隠して関与し、しかもデータの統計処理の段階で不正に操作していたことを問題視する報道が多いですが、仮に、この社員が論文上で身分を明かしており、統計処理でも不正を働いていなかったとしたら、問題はなかったと言えるのでしょうか? 実は、データ取得時に不適切なデータの取り扱いを行っていた医師が存在した可能性を追及する報道があります。 当時の医局員の雰囲気では「これは慈恵 HEART Study」ではなく「望月 HEART Study」と揶揄する声もあり、皆きちんと報告していた。望月氏の症例だけで一次エンドポイントの症例に80件の差が付いている。バルサルタンが心血管系イベントの発生を抑制したという論文の結果は、ほぼ望月氏の症例だけから出されている。(「JHSから手を引いたわけ」元慈恵医大医師の供述調書 m3.com …

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初の国産”量子コンピューター”開発成功のイムパクト

ImPACT(内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム)のプレスリリースおよび報道によると、初めての国産量子コンピューターの開発に成功したとのことです。 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の山本 喜久 プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として、日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 鵜浦 博夫 以下、NTT)NTT物性科学基礎研究所 量子光制御研究グループの武居 弘樹 上席特別研究員、本庄 利守 主任研究員らのグループ、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(東京都千代田区、所長 喜連川 優 以下、NII)情報学プリンシプル研究系の河原林 健一 教授、加古 敏 特任准教授らのグループ、および東京大学(東京都文京区、総長 五神 真)生産技術研究所 合原 一幸 教授、神山 恭平 特任助教らのグループは、光の量子的な性質を用いた新しい計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」をクラウド上で体験できるシステムを開発し、2017年11月27日より公開いたします。   量子コンピュータを実現するハードウェアとしては、ゲート型、アニール型、ニューラルネットワーク型の異なる3つのアプローチがあります。インターネットを介して実機を体験できるクラウドウェブサイトとしては、IBMがゲート型15ビットマシンを、D-WAVEがアニール型2000ビット、12000結合マシンを今年に入って次々と公開しています。また、Googleも来年春にはゲート型49ビットマシンを公開する予定です。今回、日本から公開されるニューラルネットワーク型2000ビット、400万結合マシンは、世界最大規模の量子コンピュータであり、これまでの限界を30倍以上拡大した2000ビットまでの組み合わせ最適化問題が解けます。(山本 喜久 ImPACTプログラム・マネージャーのコメント 量子ニューラルネットワークをクラウドで体験 ~量子を用いた新しい計算機が使えます~JST 平成29年11月20日) スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される次世代のコンピューター、「量子コンピューター」の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表しました。(初の国産量子コンピューター 無料公開 NHK NEWS WEB 11月20日 19時14分)   しかしながら今回の成果を「量子コンピューター」と呼ぶことに関して、インターネット上で異論が湧き起こっています。 これを量子コンピューターだと思っているのは地球上で数人(つまり当事者のみ)だけですから、ランダムに数人の別の研究者に問い合わせれば高い確率で問題に気づいたと思うのですが、今回、マスコミの方は、当事者の言葉をそのまま垂れ流しただけで、まったく検証していないということでしょうか。 https://t.co/LkE4BDkIX0 — Tomoyuki Morimae (@TomoyukiMorimae) 2017年11月21日 研究者としては「量子コンピュータ」とは呼べないものを研究者が「世界最大規模の量子コンピュータを開発した」と言って大大的に広報したということ。報道が勝手に書いたとかなら、またマスゴミが、で済むんですが、研究領域が大切にしている言葉の定義を研究者自身が広報のために歪めて使うというのは、研究倫理の問題にもなるんじゃないかと思います。‥(中略)‥ ビッグデータ、人工知能、IoT・・・。量子コンピュータもそのうちのひとつのバブリワードなわけで、バブリワードを使ってプレスしたほうがPR効果が大きいという判断なんでしょうね。‥(中略)‥ なんだかアホらしい話ですが、最近の大学や研究機関のプレスリリースは研究者としての誠実さよりも、バズること、世の中にウケることが最優先になっています。(内閣府ImPACTの誇大広告広報と量子コンピュータの話 人間とテクノロジー 2017-11-21) NTTの量子コンピュータのやつ改めて読んだけど、思ったより全然量子コンピュータじゃなくてびっくりしてる …

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東京学芸大教育学部の40代の准教授がセクハラ行為で停職3カ月の懲戒処分

以下、報道内容のまとめです。 ハラスメント行為を働いた人 東京学芸大 教育学部の40代の准教授 ハラスメント被害者 准教授の研究室に所属していた複数の学生。最大4人(男子2、女子2) セクシャルハラスメント行為の内容 研究室にいた学生を退出させ、室内で女子職員の体に触った 海外出張時に女子学生に同じ飛行機やホテルを取るよう勧め、女子学生が別のホテルを取ると、その部屋までついていった 海外出張の際、女子学生に自分のホテルの部屋に荷物を置くよう指示し、夜間に荷物を取りに来させた 学生に対し、土日を含めて毎日のようにメールなどを送り「交際相手がいるのか」などプライベートに関することを聞いた アカデミックハラスメント行為の内容 深夜や早朝に通信機器を使って研究指導を行った 自分の研究プロジェクトの管理業務を、無報酬で学生にさせた ハラスメント行為発覚の経緯 学生から16年9月に大学側に訴え 大学の准教授に対する処分 停職3カ月の懲戒処分(平成29年11月21日付け) 准教授のコメント 「アカデミックハラスメント(研究・教育で地位が上の人が行う嫌がらせ)やセクハラと受け止められてもやむを得ない行為だった。学生を傷つけ、失望させてしまったことを深く反省している」 ハラスメント行為があったと認定された期間 2014年7月~16年8月   報道 <東京学芸大>准教授を懲戒処分 学生にアカハラ・セクハラ (YAHOO!JAPANニュース 毎日新聞 11/22(水) 8:48配信):”東京学芸大は21日、教育学部の40代の准教授が研究室に所属していた複数の学生にハラスメント行為を繰り返したとして、22日から停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。” 女子学生のホテルまでついていき…セクハラで准教授停職(朝日新聞DIGITAL 2017年11月22日06時59分):”セクシュアルハラスメントやアカデミックハラスメントがあったとして東京学芸大学(東京都小金井市)は21日、教育学部の40代の男性准教授を停職3カ月の懲戒処分にし、発表した。” 大学の公式発表 大学教員の懲戒処分について  このたび、本学の大学教員が、平成26年7月から平成28年8月までの間、指導学生らに対し、学習・研究活動を阻害し当該学生らの尊厳ないしこれに関わる人権を侵害したアカデミック・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントまたはこれに類する人権侵害に該当する行為を行っていたことが判明しました。 このことを受け、役員会で事実確認を行い、平成29年11月21日付けで当該大学教員を懲戒処分として停職3月といたしました。 また、本件に関わる管理監督責任者である当時の学系長及び現学系長に対し、文書による厳重注意の処分を行いました。教育に携わる本学の大学教員がこのような行為をしたことは誠に遺憾であり、被害学生及び関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。 今後、このような行為が再び繰り返されることのないよう、服務規律の一層の徹底を図り、再発防止と信頼の回復に努めて参る所存です。平成29年11月21日 国立大学法人東京学芸大学長 出 口  利 定 http://www.u-gakugei.ac.jp/pickup-news/win/2017/11/post-330.html 東京学芸大学におけるその他のハラスメント報道・ブログ記事 東京学芸大教授、アカハラで諭旨解雇 就職活動の妨害も(朝日新聞DIGITAL 2017年9月12日23時07分):”東京学芸大は12日、教育学部の50代男性教授が複数の学生に、不適切で悪質な言動をするアカデミック・ハラスメントをしていたと発表した。一部の学生は精神疾患で通院していたという。同大は諭旨解雇の懲戒処分とし、男性教授は11日付で辞職した。” 東京学芸大学執行部への公開質問状~~中○○○氏のセクハラ疑惑について(修正版)(仮称・未定稿) (東京学芸大学人文社会科学系教授  関谷一郎 関谷ゼミブログ 2012-09-25):”法の論理の上に胡坐をかいて学内で起きたハラスメントを<見ぬフリ>し、逆にセクハラ問題を取り上げようとしない執行部を「批判」し、その背中を問題解決に向けて押し続けた者を腹いせのように「処分」しようとしているのだから、学大も地に落ちたものである。”

誰も教えてくれなかった日々の実験ノートのつけ方 ~毎日の行いの小さな差が、数年後には大きな差に~

日々実験を行っている大学院生やポスドクなどの研究者は、毎日必ず実験ノートを付けているわけですが、当たり前のように毎日やっているそのやり方の僅かな差が、数年後には大きな差となって、もしかしたらそれが研究者として成功できるかどうかを決める違いとなってしまうかもしれません。そこで、実験ノートの書き方に関するアドバイスをいくつか紹介します(詳細は、引用元の記事をご覧ください)。   世の中にはトンデモナイ人間も存在するので、一応、当たり前のことの確認から。 実験ノートは実験者が実際にその実験を行ったことを示す唯一の物的証拠 実験したのであれば、実験ノートが存在する。実験ノートが存在しないのであれば、実験していなかったとみなされる。普通の研究者にとって、何の問題もないことです。 実験ノートは実験者が実際にその実験を行ったことを示す唯一の物的証拠(実験ノートには何を記録するのか? Life + Chemistry 2017-04-29) 実験ノートとは、あなたがその実験を実際に行ったことを示す唯一の物的証拠です(信州大学図書館 PDF) 「(ノートを)出さない人は不正をしているとみなします」(国会で山中教授「ノートのチェック徹底を」14/04/04)   では、実験ノートのつけ方に関するアドバイスの記事を2つ紹介(太字強調は当サイト)。独立した2つの記事ですが、これを見ると、成功するノウハウというものは、一つの形に収斂するようです。 ノートは、毎日論文を書いているようなもの ノートの構成は論文と同じようになっていて、「タイトル」、「日付」、「目的」、「方法」、「結果」、「考察」などの事項が箇条書きで示されています。‥‥ 目的に加え、研究の「背景」や「基礎情報」も書いてありますので、自分がどうしてこの実験をしなければならないのかをすぐにつかむことができます。さらには、「操作成功の基準」、「実験成功の基準」、「実験成功の場合の次の実験」、「結果の予想と対策」といった一般的なノートには見慣れない事項も記録されています。「ノートには実験の条件やサンプルのロットなど細かい情報を記録しますが、さらに実験の基準や対照を詳細に書く点が特徴です。記録する事項が非常に多くて大変だし、時間がかかると思われるかもしれません。でも、ノートを書くことでデータを得るために必要な条件が絞られるので、結果的には無駄な実験をしなくてすみます。実験のトータルの時間は変わりませんよ」と木村先生は話します。‥‥ ノートは実験を記録するのではなく、考えることと結び付けられるようになっていて、研究力に不可欠な科学的な思考の訓練や論文の書き方の練習になります。ノートには実験記録と研究力の向上というふたつの目的があります。(研究ノートの意義を考える① 総合研究大学院大学額融合推進センター)   ノートを”プチ論文”化 実験ノートを「プチ論文」にするのです。必要な構成は次のとおり。(1)タイトル(2)日付(3)実験目的(4)材料・方法(5)実際におこなった手技(6)結果(7)考察 ほとんどの学生は指導しないと、ノートには(5)実際におこなった手技、だけをちょこっとメモ程度に書くだけしかしません。しかし大切だけど意外に難しいのは、(1)タイトルと、(3)実験目的ですね。(中略)実験ノートをプチ論文化すると、日々の実験が楽しくなってきます。 目的を明らかにして、しっかりと結果を記載し、それに対していろいろと考察をしてみる。これは論理性や科学的思考の訓練になるだけでなく、実際に論文を執筆するときにとても役に立つはずです。(小保方リーダー&若手研究者必読!今さら人に聞けない「正しい実験ノート」の書き方 中山敬一 [日本分子生物学会副理事長、九州大学教授] DIAMOND ONLINE 2014.4.23)   ノートの付け方以前の話として、ノートの中身となる部分、つまり実験をそもそもどうやるかということも重要です。 「3ない実験」をするな 僕らの研究スタイルというブログで紹介されていたのですが、この「山中教授の『3ない実験』の戒め」は、耳が痛い人も多いはず! 「3つのことが抜けてる実験をしたら俺は叱るぞ」(by 山中教授) ①目的がない実験 目的のはっきりしない実験。実験することそのものが目的となっているような実験。 ②コントロールがない実験 実験をしている人なら説明不要ですね。例えば細胞に薬品Aを与えて、その10時間後の変化を見るといった実験の際は、コントロールとして何も与えていないグループを作成し、比較対象とします。 ‥‥ 意外とパイロット実験でコントロールを行なってない人がいたりしますね。 ③後片付けがない 実験ノートの記録なども含め、実験器具など後片付けのない実験。‥‥ また最近の試みとして、実験結果をこまめにFigure化しています。これで後片付けのない実験を防いでいます。(引用元:山中教授に学ぶ3ないルール 僕らの研究スタイル;出典:「賢く生きるより辛抱強いバカになれ」山中教授・稲盛和夫 共著) 研究者にとって実験ノートとは 研究者にとって、日々の実験結果や思考の過程を記している実験ノートは、「人生そのもの」だと思います。この感覚は、研究者であれば皆が共有しているものでしょう。 世界でただ一つのデータが書かれているラボノートは、命の次に大事なものだよ(伏見先生 研究ノートの意義を考える③) 研究者にとって実験ノートは「命の次に大事なもの」(若山教授 弁護士ドットコムNEWS 2014年06月16日) …

人類史上初めての、体の中の細胞が持つ遺伝情報を直接書き換える試み

人間の体の構造や機能の設計図となるのが遺伝子配列です。この配列の一部が通常と異なると、正常に機能するたんぱく質が作られなくて遺伝的な病気になることがあります。アリゾナ州出身のブライアン・マデュー(Brian Madeux)さん(44)は、イズロン酸-2-スルファターゼ (iduronate–2-sulfatase)という酵素の遺伝子にそうした異常があり、ハンター(Hunter)症候群と呼ばれる遺伝性代謝異常症に悩まされてきました。症状が広範囲にわたるため、2年に一回はなにかしらの手術を受けなければならないような生活をおくってきたそうです。 MPS II (Hunter syndrome) is a progressive disorder that primarily affects males and is caused by mutations in the gene encoding the iduronate-2-sulfatase (IDS) enzyme which is also required for the degradation of GAGs. Children with MPS …