2016年にこのウェブサイトでは
という記事をまとめたのですが、それから10年近く経っても、状況は何も良くなっていないように思います。
↓ PIになったはいいけど任期付きで、上手くいかずにその後悲惨な人生の人たちの話を聞いた。留学中にCNSに出したのに、なぜか帰国して実家で無職の日々とか、そういう人も。生き残るには、成功に成功を重ねるか、失敗せずに次のポジションを確保するか。失敗して動いても、選択肢が極端に狭まる。
— muffmuff (@muffmuff5) October 18, 2021
若手の任期付きもヤバいけど、もっと上の層で優秀な人でも任期付きなの見ると国としてヤバいと思う。
その分野を代表して国際的な会合とかに出る人が「来年から無職かも」みたいなの、インフラとしての科学という面でも安全保障上も国として絶対に良くないやろ。— 汚ディーン@山岳環境研究者 (@gl_odean) May 21, 2023
高い評価を得ていた研究者の人が、有期雇用のためこのままでは無職になると転職して研究支援職になったが、お給料は以前より2割アップしたって話、国の研究所のお給料が安すぎなのでは❓優秀な若手はどんどん海外に流出しちゃいそう。国には危機感ないの❓https://t.co/uex1cl2OUh
— ふぃとん (@trecitta1) May 15, 2023
私にタンパク質の精製方法、生化学、SOP、安定性試験、品質管理を教えてくれた院の時のグループリーダーがアカデミアを引退され無職になられたことを聞いて驚いている。
この方、修士でCNS筆頭2本、博士を短期修了、特別にできた助手のポストに即採用と超エリートだったのに— THE-O (@Paptimus_PMX003) March 23, 2025
文科省がまた博士号取得者倍増キャンペーンみたいなことを始めようとしていますが、以前ポスドク1万人計画を実施して、博士研究者を大量に産み出してその受け皿を用意しなかったためにアカデミアでの就職状況が大変なことになっていました。研究者のほとんどの人があれは失敗だったと認識していると思いますが、キャンペーン第2弾をやるということは、文科省はそうは思っていないのでしょうか。
文部省の博士3倍計画
東大京大卒の若手研究者でさえ任期付きの年収2-300万の超不安定雇用に追い込み
民間も博士採用インセンティブが働かない現状で
マニュアルとお願いのみで3倍にしたら
更に無職博士が増え
優秀人材が研究者でなく医師を目指す流れが加速し、日本の競争力が更に落ちるだけ https://t.co/78pPv8VBmp
— 高野あつし(日本維新の会・奈良県第1選挙区支部長) (@takano_nara) March 27, 2024
目次
博士課程とは
博士課程の博って博打の博なのね…
— あはは (@cadheringo) February 23, 2025
博士課程に進んだ人の相当数が、大学で職を得たいと思うのではないかと思いますが、アカデミアで生き残ることは容易ではありません。ネットにあふれる過酷な状況をまとめておきたいと思います。こういった話が気にならないような神経の持ち主でないと、この世界には入らない方がいいんじゃないかと個人的には思います。もちろん最初からアカデミアの外に出るつもりで博士を取るのであれば、大きな問題にはならないでしょう。
「使い捨て」という言葉は非常にドギツイのであまり使いたくないのですが、そんな強烈な言葉でないとこの現実を正しく表せないのではないかと思うくらいに、今の研究者がおかれた状況は過酷過ぎると思います。
研究業績が挙げられなかった人が、職が見つからないということであればそれは当然だろうと思いますが、今の状況を見ていると、研究成果を挙げている人達が、任期のために研究が続けられなくなってしまう、研究者の職を失うということが普通に起きていて、それが日本の研究業界における大問題で、日本の科学技術政策の失敗なのではないか思います。これはもう個人でどうすることもできないレベルの話です。
研究者になる道は、ぶっちゃけめっちゃ大変だよ。大学で博士号を取るまで頑張っても、その先のポストがほとんどないのが現実。ポスドク(博士研究員)になっても、安定した仕事にありつける人はほんの一握りで、多くの人は何年も非正規の不安定なポジションを転々とする羽目になる。データで見ても、
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
日本の大学や研究機関の常勤ポジションは年々減っていて、競争率は半端じゃない。優秀でも運が悪ければ、30代後半になっても「次どこ行こう…」って焦ることになるよ。
お金のこと考えても、正直キツイ。研究に打ち込むってことは、生活を犠牲にする覚悟が必要。博士課程の間は奨学金やバイトで
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
食いつなぐ人も多いけど、返済に追われたり、友達がバリバリ稼いでるのを見ると心が折れそうになる瞬間もあると思う。研究職に就けたとしても、給料は民間企業の半分以下なんてザラだし、40歳過ぎても貯金ゼロなんて人も珍しくない。
それに、研究って孤独だよ。好きなテーマに没頭できるのは楽しい
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
けど、成果が出ないとメンタルやられるし、周りからのプレッシャーも半端ない。教授や上司との人間関係で苦労したり、自分の研究が認められなくて自信なくしたり…。ぶっちゃけ、心身ともにタフじゃないと続けられない。日本の研究環境は予算も少ないし、海外と比べると設備やサポートもイマイチなとこ
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
多いから、頑張っても報われない可能性が高いんだよね。
でさ、もし今研究者に憧れてるとしても、一回冷静に考えてみて。民間企業なら、20代でスキル磨いて30代でキャリア築けるチャンスがある。研究者はそれが40代、50代までズレ込むか、もしくは永遠に来ないかもしれない。やりがい感じたいなら、
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
企業でも面白い仕事見つけられる可能性はあるし、安定した生活基盤があって趣味で研究っぽいことする方が賢い選択かもよ。
だからさ、研究者の道はロマンはあるけど、現実は超厳しい。自分を追い込む前に、他の選択肢もちゃんと見てみてほしい。夢追いかけるのもいいけど、人生一度きりなんだから、
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
無理して苦しむ必要はないと思うよ。 BY https://t.co/WA70Im4kGi
— 博士(理学) (@scitechjp) February 25, 2025
ポスドクの給料
- 現役ポスドクが語る! ポスドクの闇 22 ポス山毒太郎 ポス山毒太郎 2023年12月23日 06:17 note.com https://note.com/posudokutaro/n/n0778cbc5d255
上のノート記事によれば、申請者の上位約15-20%程が採用される学振PDの給料は月額36万2千円、年額434万円。これは額面で手取りは300万円台。交通費や住宅の補助、ボーナスなどはなし。これがポスドクの中でも上位20%のエリートの給料なのだそうです。大学を卒業してすぐ企業に入った同期の友人は、入社5年でいったいどれくらいの年収になっているのでしょうか。
ポスドク
「賽(さい)の河原に石を積んでは3年ごとに鬼に壊される生活だった」
「自分の人生は失敗だった」 国に翻弄された元高齢ポスドクの半生 毎日新聞 2024/9/18 06:30(最終更新 10/2 10:25) 有料記事 https://mainichi.jp/articles/20240917/k00/00m/040/076000c
北海道大学特任准教授の雇止め
科研費の基盤研究(B)をコンスタントに採択される人は、研究者としてはかなり順調な人だと思います。メジャーな大学の教授レベルじゃないでしょうか。そういう人が大学から大事にされてポストを用意されるどころか雇止めにあってしまう、それが今の日本の研究の世界です。おそらく能力や業績に応じて無期雇用のポストを用意するという人事システムが存在しないのが一番の原因じゃないかと思います。「特任」のような職位の場合、北大に限らず日本全国どこの大学でも同じことが起きているのではないかと推測します。もちろん「特任」が付いていない職位であっても、「任期制」で契約していれば同じことです。
科研費基盤Bをコンスタントに獲っている研究者が任期無しのポストに就けない今の日本の科学研究業界は狂ってるでしょ。この状況に知らん顔して、どうして文科省は学部学生に対して「博士人材活躍プラン~博士をとろう~」って言えるの?それって、欺瞞だよね。ぜひ文部科学大臣の見解を聞いてみたい。 https://t.co/LPxPDPnTNx
— 博士(理学) (@scitechjp) February 17, 2025
東京大学助教の雇止め
- 東京大学の生命科学系講座の助教だった50代の男性 辞令「令和5年3月31日限り任期満了退職」
- 「自分の研究は、大学にはいらなかったんだな。これって、使い捨てされたのと一緒じゃないか」
- 有期雇用が通算10年を超える直前に契約を打ち切られる「雇い止め」の通告
- この1年間、研究のかたわら、死にものぐるいで研究職への応募を続けてきた。
研究者を「使い捨て」にする国記事 第1回 「私は使い捨て」雇い止めの東大助教 50代で直面した研究界の現実 有料記事 竹野内崇宏2023年5月8日 11時50分 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASR5143L1R4TULBH001.html
理研のチームリーダーでも10年で雇止め
- 40代で捨てた研究とやりがい 「背に腹は…」雇い止め前に選んだ道 5月 21, 2023 全国国公私立大学の事件情報 https://www.jinken-net.org/jiken/?p=1963
上記の事例では、研究ユニットのリーダー(1年契約の有期雇用で一定の評価が得られれば翌年も契約が更新、毎回、高い評価をもらってい人)が、13年度を起点に通算10年を超える研究者とは契約をしないという2016年に理研が設けた新たな就業規則によって、雇止めにあったそうです。
- 60代チームリーダー 有期雇用の契約が通算10年を超えることを理由に雇い止め
- 「雇い止めは不当だ」裁判を起こした後、理事長特例により「上級研究員」として2年間、契約が延長
研究室にひとりぼっち 「使い捨て」させない、雇い止めと闘う60代 5月 21, 2023 全国国公私立大学の事件情報 https://www.jinken-net.org/jiken/?p=1968
首都圏の私立大学准教授
慶応義塾大湘南藤沢キャンパス(SFC)で准教授として働いていた40代のユリさん(仮名)は、2023年3月、わずか3年でその肩書を失った。博士課程に進み、海外留学もして、手に入れた職にもかかわらず。
「300時間残業も突然クビ」 無期転換期待した元慶大教員の反撃 社会 暮らし・学び・医療 学び・教育・入試 速報 毎日新聞 2024/10/2 06:30(最終更新 10/2 10:28) 有料記事 https://mainichi.jp/articles/20240927/k00/00m/040/202000c
地方私立大学の教員
- 地方私立大学募集「3年の任期を終了したのち、学部長の推薦があれば65歳定年の専任教員への切り替えをおこないます」
- 1年目から大量の仕事 時間割を組む教務委員 事務職員がおこなうような雑務 学生指導の主任 オープンキャンパスの運営役 新入生研修合宿責任者 新入生ガイダンス準備担当
- 2年目 通知 専任教員への切り替えをしないという知らせ
- 男性はことし3月、3年間働いた大学を去った。
ポスドク「使い捨て」、終身雇用もかなわず「大学」を去った若手講師の「孤独な戦い」 猪谷千香 猪谷千香 2021年07月10日 09時37分 弁護士ドットコムニュース https://www.bengo4.com/c_18/n_13273/
10年後の雇止め
- 「10年目になるので契約は最後」現実化した研究者の大量雇い止め 訴訟発展も 2023/5/9 19:34 産経新聞 https://www.sankei.com/article/20230509-R6MGFLDPMNIIFNCHKFZ2A2JLZY/