間違った医学論文で取得した博士号を徳島大学が取り消し

   




学位取り消し

徳島大学では,元大学院学生(徳島大学大学院医科学教育部医学専攻博士課程(平成29年3月23日修了))の学位論文「A significant causal association between C-reactive protein levels and schizophrenia」(甲医第 1318 号・博士(医学))に関して,下記のとおり「学位を授与された者が,その名誉を汚辱する行為をしたとき」と判断し,学位授与の取り消しを決定し,学位記の返還を命じた。(徳島大学 平成30年7月6日)

 

論文の間違いが発覚した経緯

学位授与の根拠となった論文に関連し,外国人研究者が同じ公開データを使用した同じテーマの論文が,結果が逆の内容で別学術雑誌に掲載された。今回対象の論文を掲載している学術雑誌の編集者から,研究内容を確認して回答するよう要請があった。著者らは,要請を受けて再確認し,計算自体に間違いがなかったが,当初の公開データの取り間違いがあったことに気づき,論文の根幹に係る主張の間違いだと言うことで,論文撤回(H30.2.21)という結果になった。(徳島大学 平成30年7月6日)

 

研究不正の有無

特に公開データの場合は,誰もが同じことを直ぐにでも試みることができるので,データを故意に間違えて計算するという蓋然性は低く,この論文撤回に関して不正はなかったと判断した。(徳島大学 平成30年7月6日)

 

学位を取り消す根拠

  1. 学位授与の前提となる論文が事実上なくなった
  2. 研究者として当然持っているべき基本的な慎重さが欠け,主張が間違った論文を学位論文として申請した (徳島大学 平成30年7月6日)

 

スポンサーリンク

徳島大学学長のコメント

このたびの事態によって損なわれた徳島大学の学位に対する社会的信頼を回復するため、大学院生に対する研究者倫理教育の醸成を図ることはもちろんのこと、論文の作成段階及び学位の申請段階において、教育・研究の達成を見る上でも、実験内容を適切に記録していることを確認させるとともに、論文審査体制を一層厳格化することにより、学位審査体制の充実、透明性、客観性の確保を図り、学位の質保証に結びつけてまいります。(学長 野地澄晴)(学位授与の取消しについて 徳島大学 2018年7月6日)

 

参考

  1. 学位授与の取消しについて(概要) 平成30年7月6日 徳島大学
  2. Retraction: A significant causal association between C-reactive protein levels and schizophrenia (Published: 21 February 2018, Scientific Reports)
  3. A significant causal association between C-reactive protein levels and schizophrenia. Scientific Reports volume 6, Article number: 26105 (2016). Published: 19 May 2016
  4. 徳島大 医学博士号取り消し 元院生の論文に誤り /徳島 (毎日新聞2018年7月7日 地方版) 論文は16年5月、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載。男性は17年3月に博士号を取得した。だが同誌は今年2月、公開データの取り違えで結論などが誤っていたとの撤回記事を出した。
  5. 徳島大、元院生の博士学位取り消し 論文データに誤り、論文掲載誌から指摘 (産経WEST 2018.7.6 13:49)
  6. A university is revoking a student’s PhD — but not because of misconduct (Retraction Watch)
  7. 捏造、不正論文、総合スレネオ47(5ch) 82名無しゲノムのクローンさん2018/07/27(金) 22:11:37.93 https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1532266799/

 


 - 論文データ捏造, 研究倫理