2016年06月07日追記:  岡山大学医学部の論文不正を告発した森山芳則・榎本秀一両教授を森田潔学長が解雇したのは解雇権の乱用 岡山地方裁判所が給与支払いを命じる仮処分の決定

2016年1月11日追記:

岡山大学からの処分は不当であるとして裁判で戦っている森山教授の記者会見が、2016年1月12日午前10時頃よりJR岡山駅の記者クラブで行われるそうです(参考:https://twitter.com/ryotaiino/status/686453773430992896)。また、2016年1月12日午後1時からは、岡山大学が森山教授らの解雇についての記者会見を行うそうです(参考:https://twitter.com/kumikokatase/status/686510116422565888)。もしも、研究不正を告発した教員に対して大学側が懲戒的な解雇処分を行うということがまかり通る世の中になれば、日本から研究不正がなくなることは決してないでしょう。岡山大学が疑惑論文をシロとした予備調査結果の内容がインターネット上で公開されており、それを見ると岡山大学の対応は公正さを欠くものであった可能性があります(参考:毎日新聞2016年1月3日記事)。一人でも多くの人に、今、岡山大学で起きていることに関心を寄せていただけたらと思います。

2015年12月11日追記:

研究不正を告発した教授らを大学が報復的に解雇しようとしているのであれば、非常に憂慮すべき事態です。(参考サイト:今、岡山大学で何が起きているのか?

学長のリーダーシップによる全学一体の改革を行っており、評価できる。文部科学省 岡山大学 平成26年度に係る業務の実績に関する評価結果

最も高い「特筆すべき進捗(しんちょく)状況にある」とされたのは帯広畜産(北海道)、福島、岡山、山口、高知の5大学。群馬・旭川医科・秋田の3大学に最低評価 文部科学省 朝日新聞DIGITAL 2015年11月6日

文部科学省からは大学改革に関して極めて高い評価を受けている大学で、現実にはこのような事態が生じているというのは、にわかには信じ難いものがあります。

岡山大学で「論文不正問題」を内部告発した教授が、大学側から解雇されようとしている。…大学の教育研究評議会は15年10月26日付で2教授を解雇する審査結果を出した。2教授は12月7日、岡山地裁に「解雇権の乱用で無効であることは明らか」などとして、解雇停止の仮処分を申し立てた。岡山大が「内部告発」教授への「報復」? 「論文不正」指摘後の「停職」「解雇」裁判騒動 J-CASTニュース 2015/12/10

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岡山大学の研究不正問題は、不正を告発した教授らが逆に大学から処分を受けるという異常な展開になり、裁判で争われる泥沼の事態に陥っています。以下、事実関係を知る上で役立つと思われるウェブサイトを紹介します。

岡山大学薬学部をすばらしい環境に変革させることは、とりもなおさず学生の利益であり、国民、社会への還元であると考えましたので、自信を持って改革に取 り組んできました。一方で、改革の過程で、既得権益を失った、あるいはこれから失う可能性のある複数の教員に対して、改善を促す努力をしてきたものの、既得権益を死守したい教員からは強い反発を受けることになりました。さらには、予算の不正執行、研究論文のねつ造、博士論文の剽窃など、驚くべき事態が次々 に見つかり、それらを一つ一つ丁寧に調査し、改善に奔走してきたわけです。
 私たちは森田潔学長らの大学執行部も賛同し、応援してくれるものと信じて疑いませんでしたが、実際にこれらの不正行為について報告、告発を行うと、隠蔽や不当な妨害、圧力をかけるという信じがたい対応を受けることとなりました。さらに、この妨害の果てに、私たちの行ってきた改革に反対する薬学部教員が、私たちの改革をハラスメントと訴え、大学執行部と結託し、このような懲戒処分に至っています。森山・榎本両教授への特別インタビュー 今、岡山大学で何が起きているのか?2014年11月01日

研究不正の疑義が呈された論文であっても、学内の予備調査でシロとされてしまうと本当に不正がなかったのかどうかは外部の人間には全くわかりません。「warblerの日記」では情報開示請求により予備調査結果を入手し、その内容を検討した結果を公開しています。

岡山大学で調査された論文不正疑義http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id4424.htmlに関して、岡山大学に情報開示請求をして、調査報告書(予備調査・本調査)と画像解析を依頼した業者の報告書、専門委員会(本調査委員会の下に設置)の報告書などを入手しました。(岡山大学医学部不正調査の問題点 warblerの日記 2015-09-01)

本調査の対象となった論文は以下の5報です。
Cancer Research 2008;68:8333-8341
International Journal of Oncology 2012;41:559-564
Circulation 2008;118:2146-2155
Endocrinology 2006;147(5):2681-2689
Oncology Reports 2011;15(4):989-995
(http://d.hatena.ne.jp/warbler/20150901/1441033645)

平成25年12月10日及び平成26年3月26日、本学学長に対し、合計31本の論文について、流用、ねつ造及び改ざんした疑いのあるデータが用いられている、又は重複投稿が行われているとの告発があった。…予備調査の結果、重複投稿については、重複投稿に当たらない若しくは調査対象とはしないものと判断した。画像の流用、ねつ造及び改ざんについては、計5本の論文については告発書における指摘事項の合理性の有無について判断ができず、本調査を実施して確認する必要があると判断した。…調査対象とした5本の論文のうち、4本については、告発書における指摘は合理的ではないと判断した。1本については、掲載画像の幾つかについて実験結果と異なる画像が論文に掲載されていたが、これらは著者が本来掲載しようとしていた実験結果の画像と異なる画像を誤って掲載したものであり、故意によるものではないことから不正行為は認定しない。研究活動に係る不正行為に関する調査結果について 岡山大学 15.03.27

岡山大学にまたも激震。大学当局が薬学部長の森山芳則教授と副学部長の榎本秀一教授が他の教員にハラスメント行為をしたとして、9月25日付で両氏を停職9カ月の懲戒処分としたのだ。森山氏らは12年1月、薬学部の論文に不正の疑いがあるとして大学に告発した当事者。内部告発者の「懲戒」で言論統制強める岡山大の「窮状」 集中CONFIDENTIAL 2014年11月21日

9月25日に岡山大学が学長名で2名の教授に対して9か月の停職処分を発令した。処分を受けたのは、薬学部教授の森山芳則氏と榎本秀一氏。…両教授への処分理由は「複数の職員に対するハラスメント」と発表されたが、記者会見に詰めかけた記者の質問は、「論文不正問題を内部告発した両氏に対する報復ではないのか」という点に集中した。大学側と両教授は「論文不正問題」をきっかけに対立関係にあった。複数の大学院生の博士論文に剽窃やデータ改ざんなどの不正があることを発見した両教授は、やがてその背後に潜む利権構造に気付いた。岡山大医学部と製薬会社の癒着を告発した2教授が停職処分に NEWSポストセブン 2014.10.21

学外から新しい人材が多く参入してきた。多くは若い世代。彼らは教授職に就任する。「新しく来た教授たちは外の空気を吸っている。『世界標準』を知っていました。彼らが一様に『おかしい』と声を上げ始めた」学長・病院長が「鎮火」に躍起の岡山大研究不正 集中CONFIDENTIAL 2014年9月10日

院生たちの論文は既出の論文をコピーしてつぎはぎしただけの代物だった。さらに問題がある。不正論文には水先案内人とも呼べる人物がいた。あろうことか、それは担当教授だったのだ。森山氏は学長に訴える。学長の反応は意外なものだった。「この件については騒がないでもらいたい」「こんなこと(不正の公表)をしたら、うちの大学は大変なことになってしまう」「不正論文は山のよう」岡山大医学部の風土と限界 集中CONFIDENTIAL 2014年7月14日

大学院生の博士論文に疑問を感じ、調べたところ、実験も研究もろくに行わず、他人の論文を張り合わせただけの「論文」と呼ぶに値しないものであることが判明した。しかも、そう指導したのは担当教授だった。データ改ざん、不正論文が次々発覚!製薬業界と大学「癒着の構造」に切り込んだ2人の岡山大教授の闘い 現代ビジネス 伊藤博敏「ニュースの深層」2014年2月13日

この数年の論文を調べただけで、出るわ出るわ……あまりの多さに声を失いました。当たり前のように研究データの改竄が行なわれ、それをもとに論文が作成されていた。学生の論文というレベルではなく、医学部を代表する著名教授の研究室でも、当然のように不正が行なわれていた。製薬会社と医学部の癒着 現役国立大学教授が実名で現状告発 NEWSポストセブン 2014.02.10

参考

  1. 岡山大学による報告「研究活動に係る不正行為に関する調査結果について」に関する意見:”本件は、研究者コミュニティにおける自浄作用が踏みにじられた実例である。本件を看過、容認することは我が国における科学研究に取り返しのつかない傷跡を 残すことだろう。医学部と近いところにいない基礎研究者の方にはなかなか理解が難しいことではあるが、大阪大学や東京大学、そして岡山大学で起こっている ことは、医学部におけるヒエラルキーを維持するのか、あるいは科学研究を死に追いやるのかの二択を迫るものといえる。”
  2. 森山・榎本両教授への特別インタビュー 今、岡山大学で何が起きているのか?2014年11月01日
  3. 岡山大学医学部不正調査の問題点 warblerの日記 2015-09-01
  4. 研究不正を告発した教授らを岡山大学が解雇処分に(togetterまとめ):はてなブックマーク人気コメント
  5. 未使用の科研費 返還できず (NHK NEWSWEB 10月26日):”岡山大学薬学部の元学部長の森山芳則教授は、神経細胞とグルタミン酸の関係に関する研究で、国の科学研究費を交付する日本学術振興会から 昨年度の研究費としておよそ1400万円の助成を受けました。しかし大学が去年9月、森山教授にハラスメント行為があったとして停職9か月の懲戒処分にし 研究費の使用を凍結した結果、関係者によりますとおよそ560万円が研究年度をまたいで大学が管理する口座に残ったままになっているということで す。…一方、森山教授は「懲戒処分が違法という判断が司法で出ているのだから、研究活動を行える状態にないというのはおかしい。大学が一方的に凍結し たことが問題だ」と話しています。”
  6. 岡山大病院長らの論文5本、研究不正ないか「本調査」実施へ (RISFAX 2014年7月1日):”岡山大学が、同大医学部附属病院の院長や副院長の研究論文計5本について、不正がなかったか本調査を実施することがわかった。 ”