One Response to “理研CDBの丹羽仁史氏らがSTAP細胞検証実験の中間報告”

  1. Nekogu says:

    「理研のSTAP細胞検証実験の中間報告」から学び、考えたこと

     そもそも検証実験は改革委員会の「提言書」に基づくものであって、STAP細胞の存在を示すために行なわれているのではありません。ですから、分子生物学会の副理事長さんや、東大医科研の先生が「無意味だ」と思うのは自由ですが、正当な理由もなく「中止を求める」とか「止めろ」というのは、理研の検証実験に対する妨害行為である、と私は思います。学会の然るべき地位にある方が、独立機関の運営に対して、このような不規則発言を繰り返すことは「我が国の科学研究全体に「悪影響」を与える状況を生み出すことに」なるのではないでしょうか。「再現できなかったのだから、止めろ」というのは、今回の検証実験の意味を全く理解していないことを示すだけでなく、研究者・科学者にとしての資質をも疑わせる発言である、と私は思います。また、経費を「税金の無駄」という声もありますが、理研CDB運営の必要経費としての許容範囲内であり、何ら問題はないと思います。

     さて、今回の中間報告は、図らずも実験の現場に関わる研究者と一般市民との緊張感のある意見交換が行われた点で、貴重な交流の場になったのではないでしょうか。昨今「研究者と市民との対話」ということが言われますが、深まりのない表面的な交流になることが少なくありません。丹羽氏の過不足のない言葉でもって、実施された実験の概要と、得られた結果の意味・成果と今後の課題について、ご自身の研究者としての内面の吐露も含めて、聞くことができたことは、「STAP細胞の科学」に関心のある多くの人にとって、貴重な経験だったのではなかったか、と私は思います。聴衆の多くが素人で、やや追求不足であったのは否めませんが。

     実験結果は、予想された通り(私にとっては)、STAP細胞に迫ることにはなりませんでしたが、論文だけでは分からなかったことも示されました。論文の手順通りでは、細胞処理溶液のpHが論文に示された値にはならず、以外と微妙な/手強い手法であることが窺えました。

     頻度や割合はともかく、Oct3/4-GFPが蛍光発色する細胞は出現しました。しかし同時に、赤色蛍光も重なるため、純粋な「GFP発光」はではなく「死細胞固有」の現象が疑われました。実験として示されたのはここまででした。

     ここで、私の疑問点を2つだけ挙げて置きます。

     ①対照実験として、GFP遺伝子を持たない同系マウス由来の細胞では、緑色蛍光はなかったと思いますが、併行して酸処理等をした場合、赤色蛍光はなかったのかどうか。また、常時GFPを発現する細胞を、併行して酸処理等をした場合、赤色蛍光はどうだったか調べられたのかどうか。私が聞き逃したかも知れませんが。

     ②また、酸処理で生じたGFPを発色する細胞塊の中で、生細胞の割合はどの程度なのか。そもそも生細胞はなあったのか、なかったのか。素人目には、トリパンブルー排除試験で簡単に分かることだ思われるのですが。

     たとい「STAP細胞」があったとしても、細胞塊のごく一部に限られる可能性が高く、この段階で、増殖性のない「STAP細胞」の検出・検証実験を進めても、失敗する確率が極めて高いと考えられます。ここで立ち止まるのではなく、ここを通過点にして「STAP幹細胞」の樹立と検証に向かう実験(進行中かもしれませんが)も、他の計画実験と併行してすべきではないか、と私は思います。

     というのは、iPS細胞でも、まず「STAP幹細胞」に対応する細胞が得られた訳で、「STAP細胞」に対応する「原始iPS細胞」は、まだ研究が殆ど進んでいません。それだけ困難だからだろう、と思われます。「STAP細胞」を経て「STAP幹細胞」が生じる訳ですから、理屈の上では、まず「STAP細胞の検証実験」、次いで「STAP幹細胞」となりますが、おそらくその考えが、STAP細胞研究の「落とし穴」なのではないか、とも考えるのです。

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