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海馬から大脳皮質への記憶転送の学説が覆る

記憶は海馬でまず短期的に形成され、後に大脳皮質に記憶情報が転送されて長期的に固定化されると考えられてきました。しかし、MITの利根川研究室が2017年4月7日のサイエンス誌に発表した論文によれば、記憶痕跡細胞は海馬だけでなく最初から大脳皮質でも形成されます。しかし、大脳皮質の記憶痕跡細胞は、最初はいわばサイレントな状態で存在し、その後活動するようになります。

「学習時の記憶情報は前頭前皮質にもすでに存在したのです。この実験結果は、記憶が徐々に転送されるという従来の学説に反するものです。」と北村博士は述べた。(原文:“Already the prefrontal cortex contained the specific memory information,” Kitamura says. “This is contrary to the standard theory of memory consolidation, which says that you gradually transfer the memories. The memory is already there.”)(参考:MITニュース

 

(

(出典:http://www.riken.jp/en/pr/press/2017/20170407_1/)

プレスリリース

  1. Neuroscientists identify brain circuit necessary for memory formation New findings challenge standard model of memory consolidation. ( MIT News April 6, 2017 Anne Trafton):”When we visit a friend or go to the beach, our brain stores a short-term memory of the experience in a part of the brain called the hippocampus. Those memories are later “consolidated” — that is, transferred to another part of the brain for longer-term storage.”
  2. Ingredients for lasting memories (RIKEN April 7, 2017):”Published in Science magazine, the study proves the existence of long-lasting engram cells in the frontal part of the brain and shows how connections with other brain regions allow these cells to mature as new memories become permanent. “
  3. 海馬から大脳皮質への記憶の転送の新しい仕組みの発見 -記憶痕跡(エングラム)がサイレントからアクティブな状態またはその逆に移行することが重要- (理化学研究所 2017年4月7日 ):”理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター理研-MIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進センター長と北村貴司研究員、小川幸恵研究員、ディーラジ・ロイ大学院生らの研究チームは、日常の出来事の記憶(エピソード記憶)が、マウスの脳の中で時間経過とともに、どのようにして海馬から大脳新皮質へ転送され、固定化されるのかに関する神経回路メカニズムを発見しました。”

 

報道(海外)

  1. Rules of memory ‘beautifully’ rewritten (BBC 7 April 2017 By James Gallagher):”The US and Japanese team found that the brain “doubles up” by simultaneously making two memories of events. One is for the here-and-now and the other for a lifetime, they found. It had been thought that all memories start as a short-term memory and are then slowly converted into a long-term one.”

 

報道(日本)

  1. 脳内で記憶の固定化、過程を解明…利根川教授ら (読売新聞 YOMIURI ONLINE 2017年04月07日 07時04分):”【ワシントン=三井誠】脳内で短期的な記憶が長期的な記憶に変わって固定化される過程を明らかにしたと、米マサチューセッツ工科大(MIT)の利根川進教授と北村貴司研究員らが7日付の米科学誌サイエンスに発表する。”

研究活動の公正性の確保及び適正な研究費の使用について確認・誓約すべき事項

ウェブ上で科研費の交付申請書を作成するにあたり、研究倫理規定を確認し誓約することが義務化されています。クリックだけして先へ進まず、しっかりと読んでいただきたい、非常に良く書かれた文章です。

 

研究活動の公正性の確保及び適正な研究費の使用について確認・誓約すべき事項

科研費で研究活動を行うに当たっては、科研費が国民の貴重な税金で賄われていることを十分認識し、科研費を適正かつ効率的に使用するとともに、研究において不正行為を行わないことが求められています。
ついては、下記の内容を十分に確認し、遵守する場合には確認した事項にチェックを入れてください。全ての事項にチェックを入れなければ、交付申請書・交付請求書(支払請求書)の作成画面に進むことができません。
また、本内容は日本学術振興会ホームページ(URL:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/15_hand/index.html)にも掲載されています。研究代表者の責務として、本内容を研究分担者、連携研究者等にも必ず周知し、研究活動の公正性の確保や適正な研究費の使用について理解してもらうよう努めてください。

科学研究における不正行為は、科学を冒涜し、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであって、本来あってはならないものである。また、未来への先行投資として、国費による研究費支援が増加する中、国費の効果的活用の意味でも研究の公正性の確保がより一層求められる。

研究活動とは、先人達が行った研究の諸業績を踏まえた上で、観察や実験等による事実、データを素材としつつ、自分自身の省察・発想・アイディア等に基づく新たな知見を創造し、知の体系を構築していく行為である。研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、研究者コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けることである。不正行為とは、研究者倫理に背馳し、研究活動や研究成果の発表の本質ないし本来の趣旨を歪め、研究者コミュニティの正常な科学的コミュニケーションを妨げる行為に他ならない。

不正行為は、科学そのものに対する背信行為であり、研究費の多寡や出所の如何を問わず絶対に許されない。これらのことを個々の研究者はもとより、研究者コミュニティや大学・研究機関、研究費の配分機関は理解して、不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない。また、不正行為の問題は、知の生産活動である研究活動における「知の品質管理」の問題として捉えることができる。公表した研究成果に不正行為が関わっていたことに気づいたら、直ちに研究者コミュニティに公表し、取り下げることが必要である。

不正行為に対する対応は、その防止とあわせ、まずは研究者自らの規律、ならびに研究者コミュニティ、大学・研究機関の自律に基づく自浄作用としてなされなければならず、あらゆるレベルにおいて重要な課題として認識されなければならない。その際、若い研究者を育てる指導者自身が、自律・自己規律ということを理解し、若手研究者や学生にきちんと教育していくことが重要である。

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日:文部科学大臣決定)では以下の行為を特定不正行為としている。
(1) 捏 造: 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。
(2) 改ざん: 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
(3) 盗 用: 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること。

競争的資金等には研究機関に交付されるものと個々の研究者の研究遂行のためのものがあるが、個人への補助の性格を有するものであっても、その原資が国民の税金である以上、国民の信頼に応えるため、競争的資金等の管理は大学・研究機関の責任において行われている。

競争的資金等の管理を委ねられた機関の責任者は、研究費の不正な使用が行われる可能性が常にあるという前提の下で、不正を誘発する要因を除去し、抑止機能のあるような環境・体制の構築を図ることが求められている。

研究費の使用に当たっては、その管理が委ねられている大学・研究機関のルールに従って適正に執行する必要がある。

研究費の不正使用とは、故意若しくは重大な過失による研究費の他の用途への使用または交付の決定の内容若しくはこれに付した条件に違反した使用をいう。

研究費の不正使用の事例は、虚偽の請求によって資金を引き出して、他の目的に流用したり、プールするなどであり、物品購入費、謝金・給与、旅費に関するものに大別される。その際、私的流用はもとより、目的外の使用や書類の捏造による支出は、研究資金として使用された場合でも不正使用となる。
(1) 物品購入費に係る不正使用の例
  業者と物品購入に係る架空の取引により、納品書や請求書等を捏造、改ざんすることなどによって、大学・研究機関から支払われた代金を業者に「預け金」として管理させ、適宜異なる研究用物品の納品を受けていた。
(2) 謝金・給与に係る不正使用の例
  出勤表等を捏造、改ざんすることなどによって、謝金の水増しや架空の雇用者の給与の請求を行い、大学・研究機関から支払われた謝金、給与を研究者に還流させ、研究室等でプールし、適宜研究のための消耗品等の購入や大学院生等の学会等への旅費に使用するなどしていた。
(3) 旅費に係る不正使用の例
  旅費の支払いに係る書類を捏造、改ざんすることによって日程の水増しや架空の出張に係る旅費の請求を行い、大学・研究機関から支払われた旅費を研究者に還流させ、研究室等でプールし、適宜研究のための消耗品等の購入や大学院生等の学会等への旅費に使用していた。

論文等において不正行為が行われたと認定された場合や研究費の不正使用が認定された場合は、競争的資金等の返還に加えて、認定された年度の翌年度から最長10年間、競争的資金等への申請が制限される。
(注)研究費の不正使用が認定された場合の措置の見直しがなされました。(平成25年度4月より)

捏造、改ざん、盗用の特定不正が認定されたときの措置の対象者は以下の者が該当する。
(1) 不正行為に関与したと認定された者(2~10年)
(2) 不正行為に関与したとまでは認定されないものの、不正行為があったと認定された研究に係る論文等の内容について責任を負う者として認定された著者(1~3年)
研究費の不正使用が認定されたときの措置の対象者は以下の者が該当する。
(1) 不正使用を行った研究者及びそれに共謀した研究者(1~10年)
(2) 偽りその他不正の手段により研究費の交付を受けていた研究者及びそれに共謀した研究者(5年)
(3) 不正使用に直接関与していないが、善良なる管理者の注意をもって事業を行うべき義務に違反した研究者(1~2年)

日本学術振興会及び文部科学省のみならず、他府省の所管の競争的資金を活用した研究活動において不正行為や不正使用があったと認定された者について、当該認定に伴う申請等資格制限が一斉適用される。

科研費により研究を遂行するにあたり、補助条件(交付条件)を理解しこれを遵守します。また、学術研究に対する国民の負託を受けていること、及び科研費が国民の貴重な税金で賄われていることを十分認識し、科研費を適正かつ効率的に使用するとともに、研究において不正行為を行わないことを約束します。

採択?不採択? 2018年度科研費交付内定が通知される

 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

関連記事 ⇒ 2020年度(令和2年度)科研費交付内定が通知

関連記事 ⇒ 2019年4月1日科研費の採択が通知される

 

毎年4月の初日は科研費当落の通知があるため(種目によっては6月)、研究者はハラハラドキドキさせられたあげく、歓喜、または、残念さのどちらかを味わうことになります。科研費に纏わるツイートをいくつか紹介します。

科研費が採択されたかどうかの判別法

科研費が通ったかどうか、いつもわかりにくいです。特に、落ちている場合。

基盤Aの話題

 

基盤Cの話題

若手A廃止の話題

 基盤S通知の時期

科研費全般の話題


 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

 

追記


 

20170704追記 関連記事 2017年に新しく採択された20件の新学術領域研究(研究領域提案型) のテーマと領域代表者氏名

 

20170702追記
日本学術振興会のウェブサイトによれば、挑戦的研究(萌芽)挑戦的研究(開拓)および新学術領域研究(研究領域提案型)の新規研究領域の交付内定が2017年6月30日にありました。

従来の「挑戦的萌芽研究」にかわって、「挑戦的研究(萌芽)」および「挑戦的研究(開拓)」が新設されたことに伴い、”挑戦的研究”が基盤研究等とは全く異なる性格の研究助成であることが、制度導入の際にしきりに強調されていました。審査においても同様で、単に優れた研究であるだけでなく、”これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画”かどうかは、採択、不採択を分ける一つの重要なポイントになったようです。

 

659Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:09:44.18
今回はほんとに充足率100%なんだな
661Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:50:01.44
俺も500万で申請して満額認められたわ
712Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 00:41:59.34
萌芽もう結果出てるんだ
ダメだったんだな
713Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 06:18:49.63
これで海外の研究会には行かれなくなった。
論文の投稿先も変えることになった。
残念。
729Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 23:02:18.69
基盤通らず萌芽しか通らない万年助教です。
見たら絶望的萌芽通ってた。充足率すげー。

 

児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

 参考

  1. 日本学術振興会 NEWS 2017年6月30日
  2. 科研費総合スレ Part 3 (https://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/rikei/1493614598/)
  3. 新学術 南極の海と氷床 南大洋・南極氷床から地球の未来を探る 熱-水-物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床
  4. 新学術領域研究(研究領域提案型)リンク集(各領域において運営されているホームページ)(日本学術振興会)
  5. 平成29年度 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域計画書 応募情報(Web 入力項目)作成・入力要領 (PDF) (MEXT)
  6. 挑戦的研究(開拓・萌芽)の応募に当たっての留意事項(1)(PDF) 挑戦的な研究課題を支援する観点から、応募額を最大限尊重した配分(特に(萌芽)については、応募額の100%を基本とした配分)を行う予定です。
  7. <平成29年度における主な変更点等>(PDF)① 挑戦的萌芽研究を見直し、新たな種目「挑戦的研究(開拓・萌芽)」を設けました。(挑戦的萌芽研究の公募は行いません。)
  8. 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について 平成28年12月20日 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について 概要  (PDF:812KB) PDF
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(本文)  (PDF:840KB) PDF :”挑戦的な研究が減退しているという傾向が今後も継続するとすれば、我が国の学術研究がその本来的な役割を果たすことができなくなることが危惧される。(page 2) ..  ・現行の科研費は「基盤研究」種目群を基幹として、全ての学術研究を通じて「挑戦性」を求めてきているが、学術の昨今の動向に即してより一層挑戦的な研究への支援を強化するに当たり、次のとおり、それぞれの種目群の役割・関係性を見直し、明確にする必要がある。◆「基盤研究」種目群:「基盤研究(S・A・B・C)」 ・これまでの蓄積に基づいた学問分野の深化・発展を目指す研究を支援し、学術研究の足場を固めていく種目群。 ◆「学術変革研究」種目群:「新学術領域研究」「挑戦的研究(開拓・萌芽)」(後述) ・斬新な発想に基づく研究を支援し、学術の体系や方向の変革・転換、新領域の開拓を先導する潜在性を有する種目群。 ◆「若手研究」種目群:「若手研究」「研究活動スタート支援」 ・若手研究者に独立して研究する機会を与え、研究者としての成長を支援し、「基盤研究」種目群等へ円滑にステップアップするための種目群。 ◆「特別推進研究」 ・新しい学術を切りひらく真に優れた独自性のある研究を支援する種目。「基盤研究」種目群、「学術変革研究」種目群双方の性質を併せ持つ。(pages 5-6) .. (2)「挑戦的萌芽研究」の見直し ①「挑戦的萌芽研究」の現状・課題、発展的見直しの必要性 ・現行の科研費において挑戦的な研究を促している「挑戦的萌芽研究」は、平成2年度に導入された「一般研究(C)」等における萌芽的研究への支援を端緒とし、平成8年度に「萌芽的研究」、平成14 年度に「萌芽研究」として見直された後、平成21 年度に現行の形となった。その最大の特徴は、論文などの実績を一切求めず、研究課題における斬新なアイディアやチャレンジ性を特に評価することにより、小規模(500 万円以下)の助成を行うことにある。平成28 年度助成においては、継続課題を含め、8,821 件に対して約100 億円(直接経費)の助成を行っている。その受給者は、若手からベテランまで幅広い年齢層に分布している。(page 8) .. ・「挑戦的研究」においては、NSF におけるTFR の考え方を踏まえ、例えば、「新しい原理や学理の発見・追求」、「学術の概念や体系の見直し」、「研究のブレークスルーをもたらすような、大きな発想の転換や斬新な方法論の導入」など、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画を支援するものとする。 .. こうした「挑戦性」の扱いをめぐる「基盤研究」種目群との違いについて応募者・審査委員に対して明確に示し、共通の理解を得る必要がある。・「挑戦的研究」においては、より大規模の挑戦的な研究への支援の必要性と、現行の「挑戦的萌芽研究」が果たしてきた役割を踏まえ、「基盤研究(B)」相当の「挑戦的研究(開拓)」(英名:Challenging Research(Pioneering))、「基盤研究(C)」相当の「挑戦的研究(萌芽)」(英名:Challenging Research(Exploratory))の2つの区分を設ける。.. 「挑戦的研究」においては、種目の趣旨を踏まえた真に挑戦的な研究課題を支援する観点から、採択率の考え方等審査の進め方に関して「基盤研究」種目群と明確に異なる取扱いを行う。具体的には、制度の趣旨に沿った質の高い研究課題を選び抜くため、科研費の全体目標である採択率30%の目標にとらわれず、採択件数を一定数に絞る。(page 10)” (太字強調は当サイト)
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(参考資料)  (PDF:1007KB) PDF
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(関連データ集)(その1)  (PDF:2204KB) PDF
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(関連データ集)(その2)  (PDF:1874KB) PDF

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本学術振興会ウェブサイトによると、平成29年度の科学研究費補助金(科研費)の交付内定の通知が2017年4月1日に行われました。内定通知があった研究種目は、特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援です。ちなみに、挑戦的研究(開拓)と挑戦的研究(萌芽)の交付内定の時期は、7月です(参考:公募から交付決定までのスケジュール)。

 

参考

  1. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援)の交付内定について
  2. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究(C)、若手研究(B))の交付内定について
  3. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究(B)及び若手研究(A))(平成24年度から平成26年度採択の研究課題)の交付内定について
  4. 成29年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援)の交付内定について 別紙1:平成29年度科学研究費助成事業の交付内定・交付決定の日程(予定)(PDF)
  5. L-Rad(エルラド)は、未活用の研究申請書をキーとした、研究者と企業とのマッチングサービス。 科研費などの公的資金、民間助成金につぐ、第三の研究者資金獲得手法として、各方面から注目されているサービスです。
  6. 科研費不採択研究にフロンティアあり 不採択申請書のDB「L-RAD」への登録研究者が500人を突破 (日経バイオテク 2016.09.07 00:00 小崎丈太郎):”科研費(科学研究助成金/学術研究助成基金助成金)に申請しても採択されなかった不採択申請書をデータベース(DB)に登録、一定のルールに従って企業が閲覧し、産学連携を推進するシステムL-RAD(https://l-rad.net/)に参加した研究者の数が、9月1日までに502人(200大学・研究機関)に達した。”

 

科研費に纏わるつぶやき(TWEETS)

 

データサイエンスが学べる大学と学部

ビッグデータを活用できるデータサイエンティストの育成が社会的な要請となり、社会人向けのプログラミングスクールが百花繚乱状態です。

関連記事 ⇒ オンライン講座・プログラミング教室一覧

また、データサイエンスを学べる専門のコースを設置する大学が増えています。データサイエンスという言葉はかなり曖昧で広義の意味で使われることが多く、ビッグデータの解析、人工知能、機械学習、統計モデルなど互いに関係しあう複数の領域をまとめた用語になっています。

大学の学部や学科の名称には時代の流行を取り入れたファンシーなカタカナ言葉が使われて、それによって高校生を引き付けようとしますが、本当のところその大学で何が学べるのか、大学を卒業して何になれるのかを知るためには、カリキュラムをよく検討する必要があります。

また、データサイエンスという名称の学科や学部はなくても、文系の学生も理系の学生も大学でデータサイエンスを学べるように全学を対象とした履修科目を提供する大学もあるので、併せて紹介します。なお、大学院のみでデータサイエンス教育が提供されているところがありますが、それも併せて紹介します。

 

データサイエンスが学べる学部、学科、コースが最近設置された(される予定の)大学

南山大学 理工学部 データサイエンス学科

【新・理工学部】データサイエンス学科 2020/09/24 NanzanUniversityTV

  1. 南山大学 理工学部 データサイエンス学科 2021年4月新設

中央大学ビジネスデータサイエンス学科

理工学部 経営システム工学科は、2021年4月にビジネスデータサイエンス学科へ名称変更いたします。(中央大学

  1. 中央大学が全学部生を対象としたAI・データサイエンスの教育プログラムを2021年4月より開始 中央大学 (2020/12/3 11:00 中央大学プレスリリース PR WIRE)
  2. 文系理系を問わず、全学部生を対象にした「AIとデータサイエンスの学習プログラム」を2021年4月から開始 中央大学(atmarkit.co.jp 2020年12月04日 08時00分) 

 

立正大学

  1. 立正大学データサイエンス学部 (熊谷キャンパス データサイエンス学部2021年4月開設) データサイエンス学部2021年度入学試験日程・概要
  2. 「データサイエンス学部」2021年4月開設 2020/10/23キャリアにつながるデータサイエンス—価値創造に貢献する人材を育成する— (立正大学プレスリリース)

 

大阪工業大学

そのとき数字には、温度がある。デートサイエンス【受験勉強編】(フルバージョン)2020/07/09 OITPublicity

 

  1. 情報科学部 データサイエンス学科(2021年4月開設)
  2. 2019年度 大阪工業大学「教員対象入試説明会」

 

阪南大学

2020年度 経営情報学部が数理・データサイエンス・AI教育プログラムを開始

近畿地区の人文・社会科学系私立大学で初となる「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」を経営情報学部が開講。授業科目は、基礎数学、経営数学、数理統計学、多変量解析、経営統計学、プログラミング、システム開発論、データベース論、マルチメディア論、ネットワーク論、コンピュータ構成論、ビジネスデータ分析、AIプログラミングなど。

  1. 阪南大学経営情報学部経営情報学科 経営情報学部オリジナルサイト
  2. 阪南大学入試サイト 入試要項その他
  3. 経営情報学部で2020年度より「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」開始 (2019.12.24  経営情報学部 経営情報学科)
  4. 阪南大学ウェブサイト(キャンパス:大阪府松原市)

 

立教大学

2020年4月 大学院 人工知能科学研究科 開設 AIに特化

立教大学社会情報教育線センター データサイエンス教育・研究推進 現代社会では、ビッグデータや大規模調査データをはじめ、多種多様なデータが氾濫しており、その中に潜む情報を正しく読み解くスキルが求められています。本学におけるデータサイエンス教育・研究の中枢を担う社会情報教育研究センター(CSI)では、調査(Research)・情報(Infomation)・統計(Statistics)という3つのスキルを活用した教育研究活動を行い、「データサイエンス力の高い人材育成」と「データリテラシー高度化支援」を全学的に展開しております。 立教大学入学試験要項

  1. 人工知能科学研究科/池袋キャンパス 人工知能科学専攻[昼夜開講制]
  2. 日本初! AIに特化した大学院 人工知能科学研究科を2020年4月に開設(2019/01/21 (MON)立教大学プレスリリース)設置時期:2020年4月 募集定員:63名 所属キャンパス:池袋キャンパス 学位:修士(人工知能科学) 教員数:9名 機械学習・ディープラーニングの本格的な学習 「社会科学×AI」による革新的な研究と人材育成 産学連携による「社会実装」プログラムの充実 昼夜開講形式で、社会人も学びやすい環境

 

東京工科大学

2020年4月新設 コンピュータサイエンス学部 人工知能専攻

人工知能専門演習Ⅰ・Ⅱ 機械学習の技術を学ぶ演習。AI開発の主流言語である「Python」を用いて深層学習(ディープラーニング)のプログラムを作成し、画像認識や言語処理も経験します。
人工知能プロジェクト実習Ⅰ・Ⅱ AIを利用して、実際の「モノ」に「知性」を与えるロボティクスを体験。センサーを搭載した自律型ロボットを、クラウド上のAIプログラムで制御する技術を学びます。(コンピュータサイエンス学部 人工知能専攻

価値は、技術者が決めるのではありません。技術者がつくったモノを、多くの人が対価を払ってでもほしいと評価して初めてそれは価値ある技術と呼ばれます。そういうことを理解してもらうために、色々なカリキュラムを整えました。  例えば、1年生の「価値創造演習」では、より良いアイデアをどう生み出し、どうつくり上げていくのかをグループワークで学んでいきます。(コンピュータサイエンス学部 田胡 和哉 教授

 

  1. コンピュータサイエンス学部 人工知能専攻

静岡工科大学

  1. 静岡理工大学情報学部コンピュータシステム学科データサイエンス専攻 2020年4月開設 入試情報

成城大学

2019年4月 データサイエンス教育研究センターを開設

データサイエンス教育研究センター ”データサイエンスに特化した科目群全学生の共通科目として設置しています、本プログラムは、「概論」「入門Ⅰ・Ⅱ」「応用」など段階的に学べる6科目からなり、基礎から応用まで、学生それぞれの学習段階に合わせた授業を展開しています。”

■授業紹介(抜粋)
 データサイエンス概論 ビッグデータの分析技術や実際の適用事例を学びます。ビッグデータには、数値データだけでなく、テキストや映像、写真、音声といった、従来はデータ分析の対象になっていなかったものも含まれます。アプリケーションの作成も体験します。
 データサイエンス入門Ⅰ、Ⅱ ビッグデータの利用やその解析手法の基礎学びます。データサイエンスの基礎的な知識・技法を理解することで、問題や課題を見つけ出す方法と、その解決策を考える力を身に付けます。
 データサイエンス応用 R や Python などのプログラミングを通して、自然言語処理や時系列解析、ネットワーク分析といった高度な分析手法を学びます。データサイエンティストとして、社会のニーズに応えられる技術力を身に付けることが目標です。

(引用元:成城大学が、2019年4月にデータサイエンス教育研究センターを開設)

  1. 成城大学が、2019年4月にデータサイエンス教育研究センターを開設 文系大学から理数系教育を積極的に行う大学へ(成城大学 2019年4月1日 プレスリリースPDF)
  2. 成城学園「理数系教育」の取り組み

教育の方向としては、文系の大学・学部でデータサイエンスの理解を深めるか、理系の情報系学部で社会的な知見を養うのか、いずれかが基本になるだろう。そこで文系の成城大学では、AIやIoT、データサイエンスなどの話題との接触機会をカリキュラムのなかで担保するという方向で進めている。(学研・進学情報: 2017年3月号学研進学情報編集部 編集)

日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所との包括的な連携協定に基づき、2015 年に全国の文系大学の中でもいち早くデータサイエンスの授業(データサイエンス科目群)を開講しました。(引用元:成城大学が、2019年4月にデータサイエンス教育研究センターを開設)

  1. オススメ商品のからくり。ビジネスはデータで攻略する時代!(2019.04.01 成城大学 進路のミカタ)

 

北海道大学

数理・データサイエンス教育プログラム 2019年度~

学部プログラム構成 2019年度入学生からスタートします。
数理・データサイエンス教育プログラム 文系理系を問わずすべての学生が、数理・データサイエンスに関する基本的な素養を身につけ、モチベーションを見出すことが最初の一歩です。次に、それぞれの分野に応じたデータ関連の知識や実践を学びます。

文理を問わず全学生がこのプログラムに参加可能です。データサイエンスは、統計学・情報学・数学が基礎となりますので、全学教育(主に1年次)の開講科目から、以下の科目をプログラムの構成科目とします。(北海道大学 数理・データサイエンス教育プログラム

工学部 情報エレクトロニクス学科 情報理工学コース 3年次コース専門科目●人工知能 ●データマイニングと機械学習 ●データベースとWebインテリジェンス ●プログラム理論と言語 ●メディアコンテンツ工学 ●人工生命と進化型計算 ●情報代数とオートマトン ●データサイエンス ●メディア処理工学 ●アルゴリズムとデータ構造 ●数値の表現と計算 ●情報理工学実験I・II ●ロボットとインタラクティブシステム ●情報セキュリティ ●ソフトウェア工学 ●計算理論 海道大学入試情報

 

九州情報大学

平成31年度 情報ネットワーク学科にデータサイエンスコースを設置

  1. 2019年度開設 データサイエンスコース 今からのビジネスとITには引く手あまた?データサイエンスとは?(九州情報大学)
  2. 情報ネットワーク学科 所属教員

 

武蔵野大学

武蔵野大学は2021年にはなんと日本発となるアントレプレナー学部なるものを開設するそうです。やることが、ぶっとんでいますね。

武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 2021年春開設予告動画 「アントレプレナーシップ篇」 2020/05/20 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部
 

 

データサイエンス学部 データサイエンス学科(2019年4月新設)(資料請求サイト)学科の特長 学科紹介 カリキュラム  オープンキャンパス日程

現代では、コンピューターやインターネットの発達により、デジタル化されたあらゆるデータがネットワークに蓄積・共有されています。ネット検索やSNSのつぶやき、写真投稿、動画視聴、改札やコンビニでの電子マネーの利用などもそのデータの一つ。人工知能(AI)を駆使することで、社会で日々収集される膨大なデータ(ビッグデータ)から価値を創造し、”カタチ”にするのが、データサイエンティストです。本学科では、AIに関するスキルを身に付け、データを読み解く分析力、データから新しい価値を生み出す創造力、イノベーション(革新)を起こすビジネス力を持った人材を育成します。(武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科 学科紹介

武蔵野大学が育成するのはデータサイエンスにかかわる広範な人材です。データの特性や分析・統計手法はもちろんのこと、Pythonによるプログラミング法を修得し、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)の知識とその活用方法を徹底的に学びます。学びを社会に結びつけるために、学外での実践の場を多く用意しているのが本学の特長です。(武蔵野大学で学ぶデータサイエンス

志願者増ランキングで私立大トップになった武蔵野大も今年、DS学部を創設。定員70人に対し志願者1767人と25倍超の高倍率となった。 (中略) 武蔵野大データサイエンス学部長の上林憲行(かみばやしのりゆき)教授は「従来の統計学をベースにしたデータサイエンティスト像を打破したい」と意気込む。「学生には、『データサイエンティストになるには数学ができないとダメ』という思い込みで、諦めてほしくない。だから門戸を広くしています」(上林教授)(大学選びに異変あり データサイエンス3大学「MUSYC」人気急騰!AERA 2019年5月13日号より抜粋 石臥薫子2019.5.8 08:00  AERAdot. )

  1. 特集 データサイエンスと教育 武蔵野大学データサイエンス学部(開設予定)の挑戦:スマートクリエイティブなデータサイエンティストの育成 上林 憲行(武蔵野大学 データサイエンス学部学部長(就任予定者))(大学教育と情報 2018年度 No.2(通巻163号))
  2. AIで新規プロジェクトを成功に導く!社会人向けデータサイエンス講座全5 2018.11/16, 11/23, 11/30, 12/7, 12/14 武蔵野大学とインプレスは、同大学の「データサイエンス学部」(2019年4月開校)新設を記念して、共催で5回シリーズのリレー講座『AIで新規プロジェクトを成功に導く!社会人向けデータサイエンス講座」を東京・江東区の「有明キャンパス』で開講します。
  3. 2019年4月、武蔵野大学がデータサイエンス学部データサイエンス学科を開設 — 私立大学初(大学プレスセンター u-presscenter.jp 2018.05.18
  4. 横浜市立大学など17大学の学部設置、文部科学省が受理 (大学ジャーナルオンライン編集部 2018年7月4日) 武蔵野大学は経済学部の経営学科、会計ガバナンス学科を廃止するなどしてデータサイエンス学部を設ける。

 

武蔵野大学 工学部 数理工学科 数理工学の専門能力を身に付け、持続可能な社会の構築に主体的に参加できる人材の育成が、数理工学科の目的です。例えば、自然現象・社会現象をモデル化し、それをシステム設計に応用することができる人材、ビッグデータから問題の本質を見抜くデータサイエンティストなど。(学科紹介)武蔵野大学入試情報

 

東京都市大学

知能情報工学科 Intelligent Systems ※2019年4月、経営システム工学科より名称変更。

知能情報工学科3つの特徴

  • コンピュータスキルを広く修得
    充実したコンピュータ環境を活用した講義や演習・実験を実施。いろいろな知能の実現と活用するスキルを身につけます。

  • 社会課題を扱う共同研究が豊富
    多くの企業と共同研究に取り組んでおり、実社会の問題を扱いながら実践的な問題解決能力を培い、磨いていきます。

  • 豊富な体験型カリキュラム
    座学だけでなく、演習・実験、企業見学・実習、インターンシップなどの体験も行いながら、さまざまな知能とデータ分析、そしてその活用法を理解していきます。

    (引用元:東京都市大学 知能情報工学科2019年度カリキュラム表PDF

 

広島大学

広島大学 工学部 情報科学部 (2018年4月新設)広島大学入試情報

広島大学情報科学部データサイエンスコース 平成30年(2018年) 新たに設置(申請中) 統計学をベースとしたデータ解析に重きを置き、高次元かつ大量のデータを的確に分析する能力を持つ情報データアナリストを育成

  1. 広島大学が情報科学部 来春新設 解析の専門家育成 (日本経済新聞 2017/3/25 6:01):”工学部の情報工学課程を再編し、情報科学部にする。学部長は他大学から招く。統計学を駆使し、大量のデータを的確に分析する「データサイエンスコース」と、情報学全般を幅広く統合して知識や技術を身につける「インフォマティクスコース」に3年から分かれる。”

京都産業大学

京都産業大学情報理工学科データサイエンスコース 平成30年(2018年)4月情報理工学科新設予定 世界中の人々の行動や発言、株価や気象など、さまざまな情報がデータ化される「ビッグデータ」には、人や社会を理解して変えていくヒントがいっぱい。これらの活用や人工知能技術の進化に挑みます。京都産業大学入試情報サイト

 

横浜市立大学

横浜市立大学 データサイエンス学部 2018年4月開設  横浜市立大学 学部募集要項

入学前は、プログラミングができる学生だけがDS学部に入ってくるのかなと思っていたのですが、実際はそうではなく、僕のような“プログラミング初心者”の学生も多いことがわかり、ほっとしました(笑)。1年次は、思っていたよりもプログラミングの授業は少なく、数学の授業が多いですね。(DS学生のホンネが聞きたい! データサイエンス学部1年生インタビュー YCUヨコ知り!

横浜市立大が数学の素養を重視するのは、「理系をベースに文系の知識を身につけるほうが、その逆よりスムーズ」との考えからだ。(大学選びに異変あり データサイエンス3大学「MUSYC」人気急騰!AERA 2019年5月13日号より抜粋 石臥薫子2019.5.8 08:00  AERAdot. )

  1. 横浜市立大学データサイエンス学部紹介動画~未来はデータで見えてくる~(YOUTUBE)
  2. データサイエンス学部について 3760 (安全・安心の横浜へ!公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)  2017年 2月 21日):”また、横浜市立大学中期計画案についても報告があり、データサイエンス学部(仮称)の新設についても報告がありました。同学部は、ビッグデータ活用やネットセキュリティ等々の課題解決を目指し、超スマート社会において高度な専門知識と高い職能技能を持ち、医療、経済、情報等分野に展開できる基礎能力を保持したデータサイエンス人材の育成を目標にしています。”
  3. 横浜市大、ビッグデータ解析・活用の新学部 18年4月開設へ(日本経済新聞 2016/12/1 7:00):”横浜市立大学は2018年4月にビッグデータの解析・活用を専門的に学ぶ新学部を設立する方針を固めた。名称は「データサイエンス学部」とする方向で調整している。”

 

滋賀大学

データサイエンス学部 平成29年(2017年)新設 滋賀大学データサイエンス学部受験案内

データを管理、加工、処理、分析をするためのスキルは情報や統計のスキルなので理系的ですが、分析結果を価値創造に生かすためには、データの背景を十分に知る必要があり、多くの場合、文系的素養が必要となります。本学部のカリキュラムでは、情報、統計関連科目ばかりではなく、経済、経営等の文系の授業も開講されます。また、ビジネス分野の第一線で活躍をしている方々の話を多く聞くことができる授業もあり、幅広いスキルを身につけることができます。(カリキュラムの特徴

  1. 「データサイエンティストは“料理人”であれ」データ時代に求められる人材の必須条件とは (MarkeZine 2018/12/10 07:00) データサイエンティストの第一人者である滋賀大学データサイエンス学部教授の河本薫氏と、博報堂プロダクツの大木真吾氏に、データサイエンティスト育成に関わる二人に話を聞いた。
  2. AI時代におけるデータサイエンスの根付かせ方、生かし方 (2018年10月03日 wisdom.nec.com) 今春、データサイエンス界がざわついた。2013年の初代「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出された河本 薫氏が、在籍していた大阪ガスを退社するというのだ。データ活用の先進企業といわれる大阪ガスを辞し、新天地として選んだのは滋賀大学。2017年4月に日本初の「データサイエンス学部」を新設した同大学の教授として、データサイエンティストの育成に心血をそそぐ道を選んだ。企業での実務経験者が教育に携わる意義は、大きい。というのも、データサイエンス、AIは机上で終わらせる学問ではなく、ビジネスで使ってこそ意味がある。
  3. 真のデータ・サイエンティスト養成めざす滋賀大学データサイエンス学部の教育内容とは?【番外編】竹村彰通教授(滋賀大学データサイエンス教育研究推進室室長)インタビュー (ダイヤモンド社書籍オンライン 2015年10月1日):”統計学といえば日本では長らく、経済学部や工学部の一部(学科ですらない!)という位置づけにありました。しかし遂に日本で初めて、独立した“統計学部”が登場します。その名も「データサイエンス学部」。… 滋賀大学に2017年度から設置予定です。同学部設立に向けてデータサイエンス教育研究推進室室長として陣頭指揮をとる竹村彰通教授(現在、東京大学大学院情報理工学系研究科と両学に在籍)に、統計学の面白さや従来の統計学教育の問題点、新学部における教育内容のほか目指す人材像などについて聞きました。”
  4. 大学は職業訓練校になるべきか?文科省がいう「真の学力」とは何なのかを追求し賀大学がデータサイエンス学部を新設する理由 佐和隆光氏×坪井賢一対談(後編)ダイヤモンド社書籍オンライン 【第10回】 2015年9月18日 坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

 

立命館大学

2017年学科・コース再編

立命館大学 情報理工学部 先端社会デザインコース 本コースでは未来のICT社会やシステムの創造のキーとなる、データサイエンス・システムデザイン・インタラクションに関する技術を学び、実践的に活用する能力を身につけます。Webページ、ソーシャルネットワークを流れるデータ、さらには色々な所に置かれるセンサーから生み出されるデータなど、現代の社会は大量のデータであふれています。未来のICT社会を創造するには大量のデータを活用することが重要になります。ここでは、膨大なデータを分析し、モデル化するデータサイエンス技術を学びます。 立命館大学入試情報サイト

  1. 情報理工学部を1学科7コース制に 英語のみでICT学ぶコースも(2016年7月22日 16時16分 毎日新聞)立命館大学情報理工学部は来年度、4学科を1学科に統合し、新たに7コースを設ける改革を実施する。(中略)来年度からは4学科を「情報理工学科」に統合し、コース制を導入。情報システムの建築家(アーキテクト)を育成する「システムアーキテクト」▽さまざまな攻撃から情報を守る技術を体系的に習得する「セキュリティ・ネットワーク」▽人間とICTが共生する社会・システムをデザインする「先端社会デザイン」▽実世界とコンピューターをつなぐ技術を学ぶ「実世界情報」▽多様なメディアデータの活用技術を学ぶ「画像・音メディア」▽知能情報システムを工学的に実現する能力を習得する「知能情報」▽PBL(課題解決型学習)を通じ世界で活躍する人材を育成する「情報システムグローバル」の7コースを設ける。

 

琉球大学

琉球大学 工学部 工学科 知能情報コース (2017年、情報工学科を改組して誕生)

1年次からコンピュータの利用技術を実践的に学ぶ従来の特色はそのままに、新分野として、人工知能、データサイエンス、ネットワークセキュリティ、システム開発といった先端技術を身につける講義、演習、実験が新たに設けられました。(知能情報コース

 

東京電機大学

東京電機大学システムデザイン工学部 平成29年(2017年)4月新設 情報システム工学科 コンピュータとネットワークに関する先進的な知識と高度なプログラミング技術を修得し、あらゆるものがネットに接続されるIoT (Internet of Things)社会で重要視されるビッグデータの生成、クラウドサービスなどによる伝達・蓄積、分析・解析(マイニング)のための高度情報システムを構築できる人材を養成。 受験生・高校生の方

津田塾大学

総合政策学部 総合政策学科 平成29年(2017年)4月新設 学習の土台となる基礎科目群として、「英語」「ソーシャル・サイエンス」「データ・サイエンス」の3つを必修とします。学芸学部 情報科学科 教員紹介  津田塾大学入試情報(学部)

 

山形大学

山形大学 理学部理学科 データサイエンスコース 平成29年(2017年)改組 山形大学入試案内

理学科 数学コース 物理学コース 化学コース 生物学コース 地球科学コース データサイエンスコース※
※データの概念、理論、特性や数理モデルに基づくシミュレーション等の技法を学ぶ新しい専門分野。

  1. 山形大学学部・研究科改組の構想について(山形大学 平成28年4月19日)平成29年4月に,5学部(人文学部・地域教育文化学部・理学部・工学部・農学部)及び2研究科(理工学研究科(理学系)・医学系研究科)において,改組を行うことを構想しています。 新 理学部(案)◆新コース・データ解析からイノベーションを創出する 「データサイエンスコース」

 

武蔵大学

武蔵大学社会学部グローバル・データサイエンス(GDS)コース 平成29年(2017年度)新設 特に広義のデータサイエンス(多彩な情報を取り扱う多様な社会科学的方法論)としての社会調査の方法論や情報の活用スキルに習熟し、さらに狭義のデータサイエンス(ビックデータの科学的取り扱い)にも対応できる人材を育成します。「グローバル・データサイエンスコース」デジタルパンフレット 受験生の皆様 武蔵の入試

  1. 週刊東洋経済2016年11月19日号 “ビッグデータが注目される中で、喫緊の課題となっている「データサイエンス・スキル」の習得を目指す。”

東京大学

学部横断型プログラム「数理・データサイエンス教育プログラム」(学部3,4年生)本プログラムでは、理系・文系にまたがる体系化された数理・データサイエンスに関する講義科目を提供

東京大学数理・情報教育研究センター 平成29年(2017年)2月1日設置 東京大学入学案内

  1. 東京大学 数理・情報教育研究センターを設置 (東京大学2017/02/02):”本センターは、情報理工学系研究科(研究科長:石川正俊)が責任部局となり、総合文化研究科、理学系研究科、工学系研究科、数理科学研究科、情報学環の連携を得て、「連携研究機構」として設置いたします。”
  2. 東大がデータサイエンス育成を強化、社会人も対象 (日経テクノロジー 三宅 常之 2017/02/02):”データサイエンスの基礎となる数学、専門性を高めた数理情報、これらを応用するための実践的な知識を習得させる。応用には、コンピューター、データサーバー、インターネット、IoT(Internet of Things)、センサーネットワークなどの基盤技術の知識に加え、価値創造を通した新たな事業を展開できるスキルの体系的な獲得を含む。 “

東京理科大学

経営学部 ビジネスエコノミクス学科 平成28年(2016年)4月新設  統計・データサイエンス 膨大な量、かつ多種多様なデータを整理・分析し、共通性や特殊性を発見してビジネスでの活用法を開発する学問。数学や統計学の知識に加え、直感やひらめきも求められます。 東京理科大学入試情報

  1. 5分のアニメでわかるビジネスエコノミクス学科 東京理科大学 / Tokyo University of Science (*削除)

 

工学院大学

情報学部 システム数理学科 工学院大学入試サイト 受験生の方へ

工学院大学システム数理学科 平成28年(2016年)新設 ビックデータを扱う実践的なデータ科学を修得し、経営戦略、マーケティング、企業情報戦略で組織をリードできる技術者を養成

  1. 分析するだけの“データサイエンティスト”はもういらない (1/2) 不足しているといわれるデータサイエンティストを育成しようと、企業や大学が活発に動いている。工学院大学が、2016年度からデータサイエンティスト向けの学科を新設すると発表した。同大学が目指す“次世代の”データサイエンティスト人材とはどのようなものなのだろうか。[ITmediaエンタープライズ 2015年06月15日 08時00分 更新 池田憲弘]

 

データサイエンスが学べる(可能性のある)その他の大学、学部、学科

注意:学部、学科により教育内容は多様です。学科の名称と実際の教育内容にズレがあることも多々あります。データサイエンスと一言で言っても、その中身は数理科学、コンピュータサイエンス、経営学などが含まれており多種多様です。入学後の志望学科の変更が認められないところがありますので、最新の大学案内や入試情報をご確認のうえ、志望する学部・学科をご自分の責任で判断してくださるようお願いいたします。このウェブページの情報に基づいて不利益を被ったとしても当サイトでは責任は一切負いかねます。以下のリストは主観的かつ非網羅的です(適宜追加・変更します)。 

 

九州工業大学

国立大学法人 九州工業大学 情報工学部 知能情報工学科 データ科学コース “数理統計や人工知能などに基づいた、さまざまなデータから規則や知識を抽出するための手法を開発し、それらを効率化、高精度化、汎用化する能力を養い、データ科学に総合的に取り組む人材を育成します。将来はビッグデータの解析・活用などデータの意味や質を扱うデータサイエンティストやシステムエンジニアとして、幅広い産業分野での活躍が期待されます。”

名古屋大学

情報学部 コンピュータ科学科 “コンピュータやネットワーク、応用人工知能や音声画像処理等の情報科学技術を専門的に学びつつ、社会や自然に対する理解力も併せ持つことで、情報技術を活用した新しい社会基盤・サービス等の創出や、課題解決に貢献できる人材を育成します。”

東北大学

工学部 電気情報物理工学科 (2015年4月に情報知能システム総合学科から名称変更)東北大学学パンフレット(大学案内・入学者選抜要項) 学部パンフレット 学科パンフレット 大学院情報科学研究科

大阪大学

大阪大学 基礎工学部 情報科学科 計算機科学コース:計算理論、情報理論など計算機科学の基盤となる理論体系や、VLSI等のディジタル回路設計、コンピュータのアーキテクチャ、生物情報処理、計算機ネットワーク、マルチメディア情報システムなど情報処理システムの構成・開発 ソフトウェア科学コース:プログラム理論、アルゴリズムなどのソフトウェア基礎論、プログラミング言語および処理系、データベースシステム、オペレーティングシステム、ソフトウェア設計開発法、ヒューマンインタフェース、知能・パターン情報処理、数理科学コース:微分方程式、応用解析、統計解析、データ科学、統計的推測決定、確率モデル、確率・数理ファイナンス 大阪大学数理・データ科学教育研究センター(MMDS) 金融・保険数理や数理モデル,データ科学を体系的に習得できる,学際的な文理融合型教育プログラムを開発・実施する組織です。 教員紹介 MMDSで学ぶことに関心をお持ちの社会人や大学生の方々に入学方法などをご案内(MMDSで学ぶ3つの方法)。大阪大学 入学情報 学部学科入試

 

中央大学

理工学部 情報工学科 卒業研究時に選択する研究室のリスト 中央大学学部入試 理工学部 受験の知識

東京理科大学

工学部 情報工学科2016年4月に誕生) データサイエンス系 東京理科大学大学入試情報

明治大学

総合数理学部 2013年4月に、東京副都心に位置する「中野」にキャンパスを開校し、数理科学とコンピュータをカリキュラムの中心に据えた「総合数理学部」を開設 (学部長メッセージ)。2017年5月27日、明治大学中野キャンパスにて、特別講演会「統計科学のフロンティア」を開催しました。この講演会は、総合数理学部と先端数理科学インスティテュート(MIMS)の共催によるもので、米国・シカゴ大学統計学部教授・学部長のDan Nicolae先生と、明治大学MIMS所員、統計数理研究所および総合研究大学院大学・名誉教授の北川源四郎先生を招いて、ビッグデータ時代における統計科学・データサイエンスの展望について講演いただきました。(ニュース一覧明治大学ガイドブック 理系学部紹介(理工・農・総合数理学部)

 

静岡大学

情報学部行動情報学科 情報サービスを創造的に設計する力や、ビッグデータ(大量のデータ)やリッチデータ(複雑で多様なデータ)などを分析するデータサイエンスを活用する能力を身につけ、企業などの組織において経営戦略を策定し、生活に密着した情報サービスを企画・推進・構築することのできる人材を育成します。静岡大学学部入試案内

近畿大学

近畿大学産業理工学部(福岡キャンパス)情報学科データサイエンスコース 膨大なデータから有用な情報を発掘する能力を持ったデータサイエンティストを養成します。データを適切に集め、整理し、最大限に活用できるように、データサイエンスの理論的基礎と分析ソフトウェアを扱う専門知識を身につけ、データを社会に役立たせる生きた情報にするノウハウを学びます。 近畿大学入試情報サイト

 

同志社大学

文化情報学部  これから始まる新しい学問「データサイエンス」ってなに?文化情報学部では情報(データ)を適切な方法で収集、解析を行うことによって、今まで気づかなかった新しい事実を浮かび上がらせる新しい研究手法「データサイエンス」を学ぶことが出来ます。 データ科学基盤コース あらゆる課題をデータサイエンスの手法を用いて解決するための、数理科学、情報科学、統計科学の基盤的知識および技能を習得します。 同志社大学学部入試情報

京都大学

工学部情報学科 数理光学コース 計算機科学コース 研究室・教員 京都大学 学生募集案内・入試情報

電気通信大学

電気通信大学 I類(情報系)コンピュータサイエンス 次世代情報化社会の創出を目指し、コンピュータとその利用に関する幅広い基幹技術と理論を学びます。カリキュラムには、コンピュータとネットワークのアーキテクチャ(設計の基本)や、ソフトウェアの解析・設計・制御手法などを学ぶ科目を配置しています。 電気通信大学入試案内

東洋大学

東洋大学情報連携学部 東洋大学入試情報サイト

上智大学

上智大学グローバル教育センターデータサイエンスプログラム グローバル社会で必須な素養であるデータ分析や情報を活用できる力を養うため、株式会社三菱総合研究所(MRI)との連携により開講するプログラムです。 上智大学受験生の方

神戸大学

【全学部生対象】総合科目Ⅱ「データサイエンス入門1」・「データサイエンス入門2」の開講について(神戸大学 2017年09月25日)データサイエンスは、この10年間で飛躍的に成長している分野です。検索エンジンの入力ワードからインフルエンザの流行を予測したり、購買物のデータから個人的な嗜好を分析して広告を掲示するなど、現在、データサイエンスを必要としていない業界はないといっても過言ではありません。そこで、データとは何なのか、データを活用するとはどういうことなのかについて学べる講義を開講します。 神戸大学受験生の方

  1. 神戸大学におけるデータサイエンス教育 Data Science Education in Kobe University 大川 剛直(神戸大学 システム情報学研究科 教授)神戸大学 大学教育推進機構 『大学教育研究』 第 27 号 2019 年 3 月 ”神戸大学では、平成 30 年度から、国際人間科学部、経済学部、経営学部、理学部、工学部、農学部、海事科学部の 7 学部の学生を対象に、「数理・データサイエンス標準カリキュラムコース」を開設し、文系・理系を問わず、数理・データサイエンス教育を実施している。”

 

南山大学

理工学部(2015年度より名古屋キャンパスに移転)名古屋キャンパス理工学部 システム数理学科 ”統計学やオペレーションズ・リサーチなどデータサイエンスに関する専門分野を深く学び、成果を卒業論文としてまとめることで、数学や統計学、オペレーションズ・リサーチに関する知識を深化させ、それらを問題解決に利用する能力を高めます。研究を遂行する中で、個別の問題の本質をとらえ、数理モデルとして抽象化する能力を涵養します。”(カリキュラムポリシー) 教員一覧 南山大学受験生の皆様

慶應義塾大学

理工学部 情報工学科 研究室紹介  慶應大学データビジネス創造・ラボ ビックデータを扱うアーキテクトの研究とシステムもわかる情報戦略を実働できるデータサイエンティストの育成に繋げるべくIT、アナリティクス、デザインの融合方法の研究を行います。 慶応義塾大学学部入学案内・入試制度

早稲田大学

早稲田大学データサイエンス研究所 基幹理工学部 情報理工学科 [主な専門選択科目] 情報系の生命学、高性能計算、生命情報処理とICT、情報系の電磁気学、プロジェクト研究A・B、量子情報入門、ソフトウェア工学B、オペレーティングシステムB、計算知能論、情報社会論、IT経営プロジェクト基礎、システム開発プロジェクト基礎、コンピュータグラフィクス、自然言語処理、情報セキュリティ基礎、分散組込み・リアルタイム処理、データマイニング 早稲田大学学部入試情報

 

関西大学

関西大学データサイエンス研究センター 平成26年7月新設

多摩大学大学院

多摩大学大学院 ビジネスデータサイエンスコース

関西学院大学

数理科学研究センター

筑波大学

筑波大学大学院ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻/企業科学専攻システムズ・マネジメントコース 革新的教育プログラム(大学院)

 

奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)

*大学院のみ

データサイエンスプログラム ”情報科学、バイオサイエンス、物質科学に関わるデータ駆動型科学、AI 駆動型科学の最先端の幅広い知識と高度な専門性を備え、蓄積された膨大なデータの処理、可視化、分析を通じてその奥に隠れた「真理」や「価値」を引き出して、次代の科学・技術の進歩や社会の発展に貢献できる人材を育成します。”

 

総合研究大学院大学(SOKENDAI)

総合研究大学院大学 複合科学研究科 統計科学専攻、情報学専攻 (大学院のみ)

もちろん、データサイエンスの基になる統計学、機械学習、コンピュータサイエンス、プログラミングなどは情報系の既存の学科でも学べますので、データサイエンティストになるのにここで紹介した大学以外の選択肢がないというわけでは決してありません。

 

 

データサイエンティスト募集情報の例

 

  1. 楽天市場データサイエンティスト(プロダクトカタログ) プロダクトカタログ部は2015年11月に新設されました。楽天市場の持つ2億を超える商品情報、3万以上に及ぶ商品カテゴリー、国内外のデータソースから包括的に収集された商品マスター情報を統括し、新たな顧客体験を具現化していきます。【 職務内容】・プロダクトデータ関連KPIのマネージメント・プロダクトデータ戦略立案/意思決定のためのデータ分析/インサイト抽出・競合・マーケット/トレンドの調査/分析 他【 必須条件】 [歓迎条件] ・コンサルティングファーム、マーケティング/リサーチ会社等での消費者動向リサーチ ・販売需要予測/施策効果試算等の高度な統計解析 ・データベース(RDBMS/No-SQL)に関する技術的な知見 ・ビッグデータ収集/加工/視覚化に必要なコーディング 他
  2. 楽天 データインテリジェンス統括部 データサイエンティスト (ビヘイビアインサイトストラテジー) テクニカルスキル・データ活用分野での3年以上の分析実務経験 ・SQL, R, pythonなど分析テクノロジーの実務利用経験 3年以上・Linuxの知識、Webサービスシステムの知識 ・機械学習、統計、自然言語処理、最適化、計量経済学などのデータサイエンステクノロジーの実務利用経験 2年以上

 

参考

  1. 数理及びデータサイエンスに係る教育強化」拠点大学選定校(文部科学省 平成28年12月21日) 北海道大学 数理的データ活用能力育成特別教育プログラム データサイエンスセンター(仮称)、東京大学 数理・情報教育研究センター、滋賀大学、京都大学 データ科学イノベーション教育研究センター、大阪大学 数理・データ科学の教育拠点形成、九州大学 数理・データサイエンス教育研究センター(仮称)
  2. ようこそ柴田研究室へ
  3. データサイエンス研究室 Welcome to Mingzhe Jin’s Home Page (同志社大学)
  4. 阪大基礎工で統計学・統計科学を研究しませんか / 大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 数理科学領域 / 大阪大学 基礎工学部 情報科学科 数理科学コース データ科学研究室 Kano-Hamada Laboratory
  5. ヘルスケア・データサイエンス研究所
  6. ga014: 統計学Ⅰ:データ分析の基礎 「通常コース(無料)」「対面学習コース(有料)」(gacco..org)
  7. POSTD プログラミングするエンジニアに向けたトレンドメディア Produced by RECTUIT
  8. データサイエンティストの理想と現実
  9. データサイエンティストとは、どのような職業なのか? どうすればなれるのか? (ライフハッカー 2015.03.27 08:00 pm, How to Become a Data Scientist,Dann Albright原文/訳:コニャック):”データサイエンティストの仕事は、統計学、コンピュータサイエンス、データ分析を駆使して、膨大なデータを構造化しながら整理して、企業がデータを活用したアクションを起こすために必要な情報となるように、解析結果を導き出すというものです。… また、データサイエンティストは、発見した情報の意味を適切な表現で他人に伝える必要があります。… 要するに、データサイエンティストは、大量のデータを分析し、それらのデータを実行可能な事業戦略に変換するのが仕事です。””
  10. 文系こそ統計を学べ 第4次産業革命の主役に (日経College Cafe 2016.11.09 skill up-自己成長 日経電子版 2016年10月24日付 編集委員 滝順一):”日本の統計教育はこれまでどんな変遷をたどり、これからどうかわるのか。この分野の第一人者の一人、渡辺美智子・慶応義塾大学大学院教授に聞いた。”
  11. 政府機関地方移転「期待と違う」落胆 統計局移転で知事 /和歌山 (会員限定有料記事 毎日新聞2016年3月23日 地方版):”仁坂吉伸知事は同日の定例会見で「期待したところまで踏み込んでくれなかった。全体での哲学(考え方)が期待とは違った」と落胆を示した。”
  12. 「移転してもマイナスにはならない」和歌山県知事、総務省統計局など国機関の地方移転アピール (産経WEST 2016.1.20 14:38更新):”県は昨年8月、総務省統計局(東京都新宿区)と独立行政法人「統計センター」(同)、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」(川崎市)の移転を政府に提案。このうちNEDOは昨年末の段階で事実上断念となったが、統計局と統計センターは3月末までに方針が示される予定となっている。”
  13. 総務省統計局・独立行政法人統計センター(和歌山県提案)(PDF):”和歌山大学では、システム工学部へのデータサイエンス部門の新設や、インターンシップを活用した統計学への興味付けに取り組む”
  14. 文部科学省委託事業「データサイエンティスト育成ネットワークの形成」平成27年度事業報告書 平成28年3月 情報・システム研究機構統計数理研究所【再委託先】東京大学大学院情報理工学系研究科 事業期間平成25年7月8日~火異性28年3月31日 (65ページPDF)
  15. 提言 ビッグデータ時代に対応する人材の育成 平成26年(2014年)9月11日 日 本 学 術 会 議 情報学委員会 E-サイエンス・データ中心科学分科会 (PDF)
  16. ビッグデータビジネスとデータサイエンティスト人材の状況 (PDF) (サムライクラウドサポーター. 国際大学GLOCOM 客員研究員 林 雅之 2014年2月7日)

 

参考(商品・サービス紹介)

  1. 転職スキル習得に役立つお勧めのプログラミングスクール

 

 

 

日本初のデータサイエンス学部 滋賀大学で始動 ~データサイエンティストになろう~

平成29年(2017年)4月から、滋賀大学データサイエンス学部が開講します。社会の要請に応じてデータサイエンティストを育成する、日本で初めての専門の学部です。

文部科学省は,「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」の拠点校として6大学を選んでおり、滋賀大学はそのうちのひとつに入っています。

数理及びデータサイエンスに係る教育強化」拠点大学選定校一覧(大学名および事業名)(文部科学省 平成28年12月21日 数理及びデータサイエンス教育の強化に関する懇談会)

  1. 北海道大学 数理的データ活用能力育成特別教育プログラム ~データサイエンスセンター(仮称)の設置~
  2. 東京大学 数理・情報教育研究センターの設立
  3. 滋賀大学 データサイエンス教育の全学・全国への展開 -データリテラシーを備えた人材の育成に向けたカリキュラム・教材の開発-
  4. 京都大学 データ科学イノベーション教育研究センター構想 -21世紀のイノベーションを支える人材育成-
  5. 大阪大学 数理・データ科学の教育拠点形成
  6. 九州大学 九州大学「数理・データサイエンス教育研究センター(仮称)」構想

 

データサイエンスとは (滋賀大学データサイエンス学部)

 

滋賀大学データサイエンス学部は、統計学、情報学のスキルを社会の多様なビッグデータに応用し価値創造をできるデータサイエンティストを育成することを目標にしています。データアナリス(統計学)、データエンジニアリング(情報学)、だけでなく、価値創造まで教えるところに特色があります。プログラミング、データベース、AI、モバイル、データマイニング、などの情報学、多変量解析、回帰分析、機械学習などの統計学、コミュニケーション、情報倫理、プレゼンテーション、経営学などの応用がカリキュラムに含まれており、実データを用いた実践的な演習、企業等と共同プロジェクトを行うことで価値創造を学びます。文理融合型の人材を社会に送り出す、日本で初めてのデータサイエンスを専門とする学部です。(参考:YOUTUBE動画 学部紹介(下))

学部紹介 (滋賀大学データサイエンス学部)

他大学でも相次いで、データサイエンスを学べる学科の設置が予定されています。

参考

  1. 滋賀大学データサイエンス学部

 

参考(商品・サービス紹介)

  1. 転職スキル習得に役立つお勧めのプログラミングスクール

鳥取大教授が推薦書出さず就職取消し

2017年03月31日に鳥取大学が公表したところによると、鳥取大学工学研究科の40代の男性教授が、指導する男子学生の就職希望企業への推薦書を書かず、学生が企業に入社できなかったことがわかりました。また、この男性教授は、感情的になり、恐怖感を与えるような激しい口調でこの学生を指導したり、この学生の就職に関する情報を他にもらすなどの行為があったことも明らかになりました。鳥取大学は、これらの行為がアカデミック・ハラスメントであることを認め、平成29年3月29日付けでこの教授を停職1か月の懲戒処分にしました。

 

参考

  1. 鳥取大学からのお知らせ 職員の懲戒処分について 2017年03月31日)

報道

  1. アカハラで鳥取大教授停職 企業への推薦書拒否 (産経WEST 2017.3.31 16:42更新):”教授は「研究者向きで大学院に進ませようと思った。配慮に欠けた」とアカハラ行為を認めた。昨年3月、学生が卒業前に大学の窓口に相談して発覚。現在は他の企業に就職している。”
  2. 教授をアカハラで懲戒=就活の推薦書書かず-鳥取大 (時事ドットコムニュース 2017/03/31-16:28):”教授は、この学生の進路指導に関する情報をメールで他の学生に送ったり、感情的になり激しい口調で指導したりしたこともあったという”

 

参考(推薦書に纏わるハラスメント)

  1. 教授推薦書 (教えて!goo 質問者:noname#24093 質問日時:2007/01/29 23:35):”学校からの推薦をもらうために、教授推薦書が必要になりました。そこで教授に頼みに行ったのですが、なかなか書いてくれなさそうです…もう期限がなく本当に困ってしまいました。期限内に推薦書を書いてもらわないと折角もらった学校の推薦を辞退しなくてはいけません…”
  2. 研究室の教授の横暴ではないでしょうか。(OKWAVE 2007-01-24 22:41:57):”推薦書を書かないと就職、そして一人の人間の生活源を断つことになると思います。それはたとえ教授であっても一人の人間の人生を左右して良いとは思えません。”
  3. 就職問題です。大学院の教授との関係のトラブルです (OKWAVE 2015-09-09 09:54:04):”しかし、その後教授から、推薦を辞退したので、修士論文は通さない、留年させるという話をされました。そちらの企業に就職することは許さない、ともいわれました。自分にとって修士論文は最後に残った卒業単位であり、これが通らない=留年確定=就職できないという大変重要なものです。”
  4. 理系学生は要注意!オワハラの上を行く推薦状ハラスメントの実態 (UNISTYLEINC.COM 2015年11月24日):”ここでは内定後に教授の推薦状を提出することを求められることを推薦状ハラスメントと定義します。私の場合、内定連絡の電話の一週間後に来たメールに6月下旬の内定者懇親会までに教授の推薦状を企業に郵送するよう書かれていました。これは私が理系だから課されたというわけではないようで、文系の方も含め内定者全員に課されていたものでした。私自身、推薦状といっても何枚書いても減るものではないし教授にとりあえず書いてもらおうという気持ちでいました。しかし、教授に尋ねると「教授としての信頼問題に関わるので、一度しか書かないし推薦状を提出した段階でその会社の内定は学生側からは絶対に辞退できない」と言われました。”

岡山大不正告発解雇無効仮処分を高裁が取消し

研究不正の告発をした教授を岡山大学学長が解雇した事件で、岡山地裁の解雇無効仮処分決定を広島高裁岡山支部が取り消しました。

 

本学に関する裁判の結果について

本学が普通解雇した大学院医歯薬学総合研究科の元教授2名が、本学に対して労働契約上の仮地位の確認及び賃金相当額の仮払いを求める仮処分申立てを行い、岡山地方裁判所が賃金の仮払いを認める仮処分決定を行ったことに関する保全抗告決定が平成29年3月30日にあり、広島高等裁判所岡山支部は上記仮処分決定を取り消し、仮処分申立てを却下する旨の決定を行いました。
この保全抗告は、平成28年6月6日、岡山地方裁判所が元教授2名への賃金仮払いを認める仮処分決定を行い、同年10月18日に同裁判所が同仮処分決定を認可する旨の保全異議決定を行ったことに対して、本学が保全異議決定を不服として、申し立てていたものです。この保全抗告では、元教授2名について解雇事由が認められると判断され、仮処分決定を取り消す旨の決定がなされました。

この決定に対する学長からのコメントは以下のとおりです。

本学の主張の正当性が認められ、安堵しております。係属中の訴訟等においても、引き続き、本学の正当性を主張していく所存です。

【本件問い合わせ先】
総務・企画部法務・コンプライアンス対策室
TEL:086-251-7146

(17.03.30)(引用元:岡山大学ウェブサイト

報道

  1. 高裁は岡大の解雇権乱用は認めず (NHK NEWS WEB 岡山 NEWS WEB 03月31日 19時41分):”岡山大学薬学部の元教授2人が医学部の論文に不正があるとして告発したことなどを理由に大学から解雇されたことについて広島高等裁判所岡山支部は解雇権の乱用だとして大学側に給与の支払いを命じた地裁の仮処分の決定を取り消しました。 … これについて広島高等裁判所岡山支部は30日、「不正と確定されていない論文を外部に公表し岡大の権威や研究への信用性を大きく揺るがしたことなどを踏まえると解雇の理由は認められる」として地裁の出した仮処分の決定を取り消しました。森山元教授は「最高裁判所に抗告するかは弁護士と相談して決めたい」と話していました。”

 

関連記事

このファイルは読み取り専用であるか、 他の‥

ウインドウズPCでの話しですが、論文をPDFで読みながら気付いたことをメモし、上書き保存しようとすると、

「このファイルは読み取り専用であるか、他のユーザーが開いている可能性があります。文書を別の名前で保存するか、別のフォルダー内に保存してください。」

というエラーが、いつからか出るようになってしまいました。毎回名前を変えて保存させられるのは非常に大きなストレスです。アドビのフォーラムを見ると、

Windowsのプレビューウィンドウをオフにして頂く事で解消される可能性がございます。プレビューウィンドウが有効時、ファイル形式に限らず読み取り専用となる場合がございますので、スタート>コンピューター 画面右上のプレビューウィンドウを閉じ、事象が解消されるかお試し頂ければと存じます。

という回答がありました。しかし、この説明では何のことかさっぱりわかりません。

散々悩んだ末にわかったこと:

論文PDFを格納しているフォルダを見ると、PDFのプレビューが表示されています(上図左)。フォルダのウインドウの右上角のアイコンをクリックするとプレビューが消え(上図右)、上書き保存が再びできるようになりました。

これに気付くまでの数ヶ月間、ストレスが蓄積していましたが、今日、ようやくそれを発散できました。

 

参考

  1. 「文書を保存できません・・このファイルは読み取り専用であるか・・別のフォルダ内に保存してください。」と出る (FLAT FLAP 2015/02/16 18:41  Acrobatコミュニティフォーラム (Japan) でのその他のディスカッション ):”実に2年以上これに苦しめられていたのは何だったのかと、あっけにとられてしまいました。”
  2. ファイルのプレビュー機能 (Windows 7 の基本操作 情報処理教材):” [プレビューウィンドウを表示する]ボタンをクリックします。選択したファイルの内容がプレビュー表示されるようになります”

 

 

 

 

 

論文査読レポートで使える英語表現

関連記事:誰も教えてくれなかった査読(ピアレビュー)のやり方、査読レポートの書き方

レビューアーとしてレポートを書くときに使えそうな典型的な英語表現を、実例から拾ってまとめました。査読レポートの頻出単語、頻出表現を押さえておけば、自分で書くときにかなり書きやすくなります。

公開されている査読レポートから、英語表現をばらばらにして取り出して、項目ごとにまとめています。論理的に流れるレポートを自分で書くには、実際の査読レポートを通して読むことも必要です。

査読レポートと著者からの反論(リバッタル レター;Rebuttal letter)を公開しているジャーナル

注:差読者が公開を望まなかった場合は非公開

  1. eLife: 論文のウェブページにある右横のリストのDecision Letterを選択。
  2. EMBO Journal: 論文のウェブページで、Transparent Processのタブを選び、Review Process Fileをクリック。PDFで閲覧
  3. Nature Communications : 2016年1月以降に投稿された論文で、Supplementary information の欄に、Peer Review Fileがある場合には、査読レポートが公開されている。しかし、割合はあまり多くないようです。

 

査読レポートの書き方は、基本的には自由だと思いますが、最初のパラグラフで研究内容を要約し、次のパラグラフで講評を述べ(General comments)、その後、具体的な箇所に関して(Specific comments)重要性の高いもの(Major comments;Major issues;Major points;Major criticisms)、重要性の低いもの(Minor comments;Minor issues;Minor points;Minor criticisms)を列挙するということが多いようです。

研究内容の要約

冒頭部分

In “論文タイトル”, (筆頭著者)and colleagues define the molecular mechanism by which (注目した分子の生理的役割). [embj.201696127 #3]

In “論文タイトル,” (筆頭著者) and colleagues describe a mechanism for (現象). [embj.201695861 #2]

In this paper, the authors study the (研究内容), focusing on the roles of (分子名) as possible mechanisms that (メカニズムが働く対象). Introducing an improvement in the (アッセイの名称)assay, they provide the first evidence that (発見した内容). [eLife.20832 #1]

The manuscript “論文タイトル” by (筆頭著者名) and colleagues presents a breakthrough in our current understanding of (現象).  [eLife.24125 #1]

The manuscript has two distinct parts, the first to study the (現象), the second to present (タンパク質複合体の構造). [eLife.20832 #2]

In this manuscript, by combination of (測定手段), (測定手段) and mathematical modeling, the authors show that (現象とそのメカニズムに関する主張). [eLife.24125 #3]

In this study, (筆頭著者) and colleagues examined (観察対象). They found that (実験結果). (実験結果). (実験結果). The authors further found that (発見内容). The authors conclude that (結論). [eLife.21895 #3]

This paper presents a study of the (事象). [ncomms14881 #1]

 

好意的な書き方

This manuscript presented for the first time a detailed mechanistic study on (タンパク質名), (そのタンパク質に関するこれまでの研究の経緯). [embj.201696127 #2]

In this very complete and carefully-prepared manuscript, (筆頭著者) et al. report that (結果), thus providing the first example of (意義). [embj.201696127 #1]

The authors present a study of (研究トピック), in which they convincingly demonstrate (実験から得られた結論). [ncomms14881 #2]

 

論文の内容の説明

The authors demonstrate that (実験結果). [embj.201695861 #2]

The authors show that (実験結果), thus demonstrating that (結論).[eLife.21895 #1]

The authors also show that (実験結果) and, very interestingly, (実験結果). [eLife.21895 #1]

Additionally, the authors found that (現象). [eLife.24125 #1]

Additionally, they also show that (現象、メカニズム). [eLife.24125 #3]

Furthermore, they indicate that (観察した事象), whereas (観察した事象), suggesting that (解釈、機能、役割). [eLife.24125 #3]

The authors further conducted experiments examining the (事象), a process that has been suggested to play roles in (事象). [eLife.21895 #1]

Thus, in this study, authors reveal that (研究対象) act as central players in (事象), which will adds to the regulatory mechanism of (事象). [eLife.24125 #3]

Given the (前提となる条件), the most likely explanation is that (メカニズムに関する推察). [eLife.21895 #2]

While (観察結果), they found that (観察結果・発見), and that (観察結果・発見). [embj.201695861 #2]

 

好意的な書き方

Interestingly, (観察された実験結果), suggesting (結論). [embj.201695861 #2]

They use (方法) methods to reveal the (示された内容). They also demonstrate that (結論). To further define the role of (タンパク質名), they perform (実験手法) to identify its targets. (実験結果). (解析手法) are used to define the (事項). Finally, the authors examine the functional role of (タンパク質名), showing that (そのタンパク質の役割). Notably, while (実験で得られた観察事実), the authors convincingly show that (結論).[embj.201696127 #3]

 

研究が厳密、厳格に行われたかどうか

好意的な書き方

In this manuscript the authors provide a wealth of elegant experimental data to help define the process of (現象). [eLife.24125 #2]

In this report, the authors presented series of well done experiments both in vivo and in vitro and showed the following data:(結果を箇条書き)[embj.201696127 #2]

By combining (測定手法) and (測定用のプローブ) the authors convincingly define the (現象). [eLife.24125 #2]

The experiments are well designed and well conducted in large. [eLife.21895 #1]

For the most part, the data presented is clear and of high quality. [eLife.21895 #2]

The experiments were carried out in a logical fashion and the data quality is high. The evidence clearly establishes that (結論、主張). The data support current model of (トピック) and reveal the involvement of (要素) in the process. [eLife.21895 #3]

例数・実験回数・サンプル数

I am a little concerned that the data on protein movement is only from 3 proteins, one of which, GFP, is freely mobile, and another, SEOR, is involved in making aggregates, and the third is a foreign protein (aequeorin). There are plenty of native plant fusions available, how would they behave? [eLife.24125 #3]

How did the authors quantify protein levels assessed by western blot? How many experiments have been carried out to confirm the findings? Please indicate. [embj.201695642 #2]

Although some conclusions are validated by a quantitative analysis of phenotype (i.e., Fig. 4D, Fig. 7 E) there is, often an overreliance on a single microscopic images to support an important conclusion (especially Fig. 3F). We have absolutely no idea what the variation is, from plant to plant, let alone from treatment to treatment, in the number of dead cells. (データへの言及). These nonquantitative experiments don’t justify the page of text devoted to their discussion. [embj.201694571 #1]

図・データの不明瞭さ

How was the quantification done here? Also, what does Figure 2D tried to show? Is it the response to the (刺激)? (データの表現方法) may not be appropriate. [eLife.21895 #1]

The (著者が見せたい事象、現象) is not clear to me, and only shown for GFP in video 3. [eLife.24125 #3]

 

Throughout the text and figure legends, please be more clear about whether (実験条件) or (実験条件). [embj.201695861 #2]

In general, the authors provide many graphs to support their conclusions, but not enough representative images of these data. To feel confident in their conclusions, representative images for the following experiments should be displayed. If space limitations are a problem, some of the images could be included as supplemental figures. (以下、該当する図を列挙) [embj.201695861 #2]

– please provide more information in Table S1 (e.g. p-values, primers used for all genes) and in the methods regarding their qPCR conditions, standardizations and results, which should follow MIQE guidelines (PMID 19246619) [embj.201695861 #2]

The Western blot data showing FcR in figure 1 protein levels is not very compelling. The reported changes are in expression are small, and interpretation of the data is complicated by high background levels. Are these changes consistent? As this change in expression is a major focus of the paper, the authors should provide additional more compelling data. The authors should graph the average change in protein abundance from at least three experiments, and include appropriate statistical analysis to demonstrate significant change. [embj.201695642 #3]

The issue with non-specific antibody binding similarly complicates the flow cytometry analysis in Figure 1C. [embj.201695642 #3]

統計処理、データ処理

Whenever presenting data, please include +/- SD or SEM. [embj.201695861 #2]

Data significance appears overestimated in some of the graph shown (e.g. Fig.1e, Fig.2b,e,Fig.3c,e…), based on the visual inspection of the images. However, it is very difficult to make a proper evaluation because no information is provided on the number of (被験者の数) or of experiment replicates performed (in case of 実験条件), nor it is indicated whether data shown represent mean or median of different experiments and whether SD or SE was used. In Fig.3a-e, data from single donors are presented, but the graphs still show SD or SE. Do they represent different replicates of a single experiment or different experiments performed at different times with (サンプル) isolated from the same donor? These information should be provided. Furthermore, the use of the unpaired t test, in place of the more appropriate paired t test, should be justified. It is possible that this is the reason why data significance seems overestimated. A paragraph reporting the statistical analyses used to determine data significance is missing and should be included in the Materials and Methods section. [embj.201695642 #2]

Because (解析条件), the (数値データ) may skew the actual (真の値). The (数値データ) should be normalized against (正規化するための対照), to show (知りたい数値). [eLife.21895 #3]

実験方法の不備、実験結果の曖昧さ、図の中に見出された矛盾点

For the PICT results, it’s sometimes not clear how the individual cell panels illustrate the numbers shown in the bar graphs. For example, in Figure 1, why is the δ 43 heterozygote nearly WT on the bar graph, while the homozygote is zero? The pictures make it look like it should be the other way around. Please clarify exactly what the bar graphs are showing: simple overlap of peaks in two dimensions, or some 3D measurement? Perhaps more pictures would help.[eLife.20832 #3]

Figure (XX) – The estimates of (数) seem surprisingly high based on the (図に示された内容) shown in the figure. Providing quantitation of these data might strengthen the case. Can the authors check the quantification or tell us how they arrived at their conclusions? [embj.201696127 #3]

Already from Figure 1 I found it very difficult convince myself that there was (結果) and hence (結論). [eLife.20832 #2]

Why (実験の結果) is not discussed, and since (実験の不備) it is also very unclear what is being observed. [eLife.20832 #2]

Given this, not only is the quantification of the (シグナル) highly questionable, but it would be essential to demonstrate the degree to which the (シグナルのレベル、信頼性). [eLife.20832 #2]

The same problems occur in Figure 2, and again here the lack of (測定) suggest yet a further complication that each image represents (著者が想定しない事象). [eLife.20832 #2]

The images shown in Figures 1 and 2 do not convince me that it is possible to estimate in any reliable way the degree of (定量・測定したい項目) and in Figure 2A even the authors’ quantitations for (定量する対象) are well within the estimated errors. [eLife.20832 #2]

But the images do not convincingly show a (事象), and here again the (実験の不備) makes quantitation very uncertain. [eLife.20832 #2]

The time course data in Figure 4 is potentially interesting, but again is based on a techniques and quantitation regime that are wholly inadequate. [eLife.20832 #2]

However, because (事実), it’s a little surprising that (論文に示されたデータの内容). Perhaps due to the particular image that was selected? It would be nice if confocal images were provided for some additional key experiments throughout the paper. [embj.201695861 #3]

対照実験の不備

Also, the authors provide no quantitation of (効果), nor a control to demonstrate that (著者が生じていないと主張する現象) in their experiment as they claim. [eLife.20832 #2]

Why did the authors use βactin for protein data normalization in Fig.4f and 5c instead of Lamp-1 that was used in the other blots? This molecule is a known hypoxia target and it would be preferable not using it for data normalization. Confirmation of findings using Lamp-1 is recommended. [embj.201695642 #2]

 

論文内の実験データ間での矛盾

Further, the (図で示された実験の内容) (Figure 3C) and is not consistent with the (論文内の別の実験結果).[eLife.20832 #2]

Figure 7C seems to indicate that (図で示された実験結果からの結論). However, the data as shown
in Figure 2B looks different. It is also intriguing that (実験結果). The authors should briefly comment on that. [embj.201696127 #2]

Basal expression of (遺伝子名) appears quite variable among different figures. These differences should be explained.  [embj.201695642 #2]

(実験結果). (実験結果). How do the authors reconcile the fact that (実験結果)? [embj.201695861 #3]

 

実験デザインの不味さにより解釈が不能

Even if we accept that the data do in fact reflect (変化), we have no idea what the (シグナル) mean in terms of the (仮定する条件). [eLife.20832 #2]

アーチファクトの可能性

It is strange that (図で示された実験結果). I would like to be sure that (事象) resulted from (事象) and not from an artifact due to the (事象). [embj.201696127 #2]

Figure 4C – The evidence that (実験結果の解釈に基づく主張) is difficult to interpret as (理由:図に示された実験結果). It is possible this is an artifact of the image, but if that is the case, a quantitative measurement would be better. [embj.201696127 #3]

図作製のミスの可能性

Figure 4C – I wonder if the labeling of the figure panels was accidently exchanged? In both Fig EV4 and Fig 6B, (矛盾する図の内容). Is there a labeling mistake? If not, the authors need to explain these data. [embj.201696127 #3]

 

著者の主張は実験結果によって裏付けられているか?

The paper proposes that (主張). This is a very novel proposal; indeed an extraordinary proposal and as such extraordinary evidence is required to support it. At present I am not sure this is the case and I will set our the questions that I feel need to be resolved. [ncomms14881 #1]

好意的な書き方

The evidence that (現象) is firm  [eLife.20832 #1]

The evidence for an (事象) in Figure 3 is much more convincing. [eLife.20832 #2]

I found the conclusions developed by the authors compelling and well supported by the data. [eLife.24125 #2]

Strong evidence is presented using (測定用プローブ) and (測定手法) that (現象・解釈・主張). [eLife.24125 #2]

The results of these experiments support a role of (遺伝子名) in (現象). [eLife.21895 #1]

All of the author’s data appears to be consistent with (結論). [eLife.21895 #2]

This manuscript is of very high quality. The work is logical, the writing is clear, and the data are excellent. All of the claims made are extensively backed up by convincing data. The arguments the authors make are persuasive. [embj.201696127 #3]

 

データとストーリーとの一貫性

The result in Figure 4D is interesting, where the (実験結果の内容), even though they are both (実験条件). How would this result fit to the authors’ model? [eLife.21895 #1]

(実験結果). (実験結果) is completely ignored in the manuscript. It is proper to at least clearly mention (論文で言及されていなかった事象) in the Results and discuss how this (論文で言及されていなかった事象)may relate to the (研究対象としている分子の機能). [eLife.21895 #1]

データの解釈と言葉遣い

The authors need to be a little more careful about wording with respect to three issues:
–The authors should be more cautious about their conclusion that (主張 exclusively 条件). (差読者による図の読み取り). In addition, recent results from (著者) et al. (雑誌名号:頁), suggest that (知見).
–In several figures such as Figures 4B and 6B, it appears that (図から読み取れる結果)
(as the authors also note). Thus, it might be better to use the term (言葉) when referring to the
(対象).
–It is quite difficult to completely delineate the effects of (事象A) versus(事象B). For examine, in Figure 7A, (図から読みとれる観察結果). The authors are encouraged to be more guarded in how they describe these
findings. [embj.201696127 #1]

ネガティブな書き方

The major concern regarding the manuscript centers on the authors interpretation of the data to infer a direct, active role of the (タンパク質名) in (事象). [eLife.21895 #2]

This said, I found the data inadequate to support the key claims that (著者の主張). [eLife.20832 #2]

The title of this section “結果のセクションタイトル” is clearly not supported by the data. [eLife.20832 #2]

For these reasons, it is my opinion that the data do not convincingly demonstrate (著者の主張する事象(名詞)) or that (著者の主張する事象(名詞節)).[eLife.20832 #2]

In short, the questions are interesting, the technique fascinating, but the data do not support the claims and interpretations.[eLife.20832 #2]

Unfortunately, however, there is no direct evidence establishing its importance in (現象). [eLife.20832 #1]

However, the relevant figure (Figure 5C) does not make a convincing case for the(現象名), and the accompanying text (本文の場所) did not help much to convince me. [eLife.20832 #1]

Thus, the (実験何用) should have been examined. [eLife.20832 #1]

But even more importantly, the authors should have used the (本来用いるべきだった実験手法とその実験内容). [eLife.20832 #1]

別の解釈の可能性

The fact that (実験結果) is quite unexpected. The data presented here cannot rule out that (実験結果を説明するための別の解釈). [embj.201696127 #2]

However, the Western in Figure 1—figure supplement 2 shows (図に示されている内容), which would lead to a different and less interesting interpretation of the (データ名) data, with no evidence for a (著者らが主張する現象). [eLife.20832 #1]

In addition, it seems possible that the (実験結果の差読者による別の解釈). [eLife.20832 #1]

It is even possible that the (実験結果の差読者による別の解釈).[eLife.20832 #1]

The experiments showing that (実験内容と結果) are valuable, but they have not ruled out the possibility that (実験結果の別の解釈の可能性). [eLife.20832 #1]

The evidence for (現象) is interesting and valuable but it is unclear that it constitutes an important means of (現象) rather than being a byproduct of the (現象、別解釈). [eLife.20832 #1]

As is, the data provided suggest that the (実験結果) is not due either to(事象) or (事象).[eLife.20832 #2]

The authors state that (主張), despite (観察事実), and conclude that “結論を述べた本文”. However, it appears from the results presented in Figure 4g that (図で表された観察結果), suggesting (結論). Evaluation of the effects of (差読者が新たに提案する実験) would help substantiating or refuting the authors’ conclusion. [embj.201695642 #2]

The (事象) may be due to (事象), rather than a role in (事象). These (事象) might also be the cause of the (事象). I like to see data on (実験対象と実験条件). [embj.201694571 #1]

My main concern is conceptual. Although it is manifest as population frequency of expression in the OE, (主張). For this study, the authors appear to have conflated the two. It is not clear to what extent the (観察結果の解釈). There are two potential mechanisms that can result in the (観察される事象). First, (仮説), by (仮説、メカニズム). (推論). In this scenario, the (帰結). Therefore,(観察される事象の説明、解釈). Alternatively, (仮説), resulting in the (帰結). In this scenario,  (解釈). The authors clearly favor the former as they conclude as such, when it is equally possible that the second mechanism can completely or partially account for the observations. It is likely that both mechanisms are at play. The authors should discuss these possibilities and clarify their position. [eLife.21895 #3]

 

主張を強めるための追加実験の提案

What is needed in my view is (実験内容), and to show that (現象), thereby showing that (実証したい仮説の内容). [eLife.20832 #1]

Thus, (実験アプローチ名) would be needed to achieve this important goal. [eLife.20832 #1]

It is widely accepted that (事実). I suggest the author to perform (実験). According to the author’s model, it is expected that (予測される実験結果). [eLife.21895 #3]

The analyses were all performed in (実験動物の週齢の条件). No developmental changes were captured. The authors should perform (実験) in early postnatal and adolescent mice. If (仮説), it would be expected that at early developmental stages (予測) whereas at later stages (予測). [eLife.21895 #3]

The authors state that (主張).However, no data are presented demonstrating that (主張). Experiments in which (差読者が提案する新たな実験及び実験条件) would help clarifying this point. Furthermore, assessment of (提案する実験内容) could be useful to confirm that the observed (著者の主張). [embj.201695642 #2]

Demonstrating (the effect of … 提案実験実験) would further strengthen the authors’ conclusions that (著者の主張). [embj.201695642 #3]

The most interesting result presented here is (実験結果). The authors need to show that (確認のためのレスキュー実験), or that (別の方法で同じ結果を得られるような実験). [embj.201694571 #1]

 

論文の体裁

好意的な書き方

Overall I found this manuscript to be a fascinating read that describes a study that is rich with significant new insights, observations and testable hypothesis. [eLife.24125 #2]

図、データの見せ方

Results shown in Figures XX would be better presented as a regular than a supplementary figure, because it reports critical data. [embj.201695642 #2]

More explanation needs to be provided for a few figures:
–Figure 1B: The conditions and observations for the (図の一部) should be mentioned somewhere.
–Figure 4C: It would be nice if the authors could provide quantitation for the fluorescence.
–Figure 6: The authors should provide a key for the graph in panel B (ideally in the figure), given
that colors of the labels in the top panel and the colors of the bars do not match precisely (especially
for the yellow bar). They should also provide an explanation for why (図から読み取れる観察事実).  [embj.201696127 #1]

Some Figure Legends are not fully informative and should be expanded [embj.201695642 #2]

言葉遣い(学術用語の適切な使用)

In the second paragraph of the subsection “サブセクションタイトル”, the authors wrote, “本文の記述”. It may be better to use the term “言葉” to describe this (事象). [eLife.21895 #1]

I guess the authors are erroneously using the term RBR1 refer to the mutant? [embj.201694571 #1]

– authors should not use the term ‘astrocytes’ unless cell identity is confirmed with an astrocytemarker

However, use of the word “holoenzyme” in the pol II system has been very messy and I would avoid it. To my mind, a holoenzyme should have all the activities needed for promoter recognition and transcription initiation. There were some early papers proposing a pre-assembled holoenzyme of pol II with all the general transcription factors, but those models haven’t held up. Later papers started misusing holoenzyme to mean the Mediator – pol II complex. For similar reasons, I don’t think Rrn3-pol I would qualify as a holoenzyme. I would avoid the word altogether so as not to distract from the concept that factor interactions with the stalk and surrounding regions might help bring RNA polymerases to the promoter.[eLife.20832 #3]

言葉遣い(どれくらい断定的に書くか)

The wording in the discussion is at times too strong based on the data the authors provide. For example, on page 17, the authors intimate that (主張). Although the data that they provide shows that (実験結果から得られる結論), these data do not preclude that (別の可能性) and that (別の解釈).  [embj.201695861 #2]

The authors state that “著者の主張”, but I don’t believe this is true. For example, (文献) describe (先行研究の内容). [embj.201695861 #3]

言葉遣い(国語の問題)

Some sentences are confusing and should be edited for clarification:(8箇所の指摘)[embj.201696127 #1]

図作製ミス

Fig 4C and D are incorrectly labeled “(ラベル)”. [embj.201695861 #3]

曖昧さ

I’m assuming the experiment shown in Supplemental Figure 1E was done in (実験条件)? It doesn’t explicitly say that in the Results or Figure/Figure legend. [embj.201695861 #3]

 

研究の意義、新規性、その研究分野の進展への貢献の度合い

研究の位置づけに関する説明的な内容

The authors’ group previously identified (遺伝子名), which are (発現パターン) (文献). The authors now address the function of (遺伝子名) in vivo by using (遺伝子名) double knockout mice. [eLife.21895 #1]

Previously, the authors discovered (発見した内容). In this manuscript, they first define the (今回の発見の内容).[embj.201696127 #3]

The authors have previously demonstrated a role for the (タンパク質名) in the (現象). This evidence, combined by the (事象), suggest that a similar important role exists in vivo. Previous evidence from several laboratories, including the author, suggest that (タンパク質名) are required for, or contribute significantly to, the (事象). [eLife.21895 #2]

 

好意的な書き方

The technical approach is interesting and still novel. [eLife.20832 #2]

It’s been known for quite a while that the (これまでにわかっていたこと). Several very recent papers, including this one, have shown that the (最近の知見). This report goes beyond to the recent (雑誌名) papers from (著者名) in providing in vivo evidence for this model of regulation. [eLife.20832 #3]

This manuscript addresses (and answers) a major question that arose from a previous manuscript of this (now extended) consortium which was published in eLife last year: how is (リサーチクエスチョン). [eLife.24125 #1]

This is the first study that provides data on the anatomy and (sub)cellular organization of the (部位) which led to the discovery of a new type of (事象).[eLife.24125 #1]

This is an exciting discovery. [eLife.24125 #2]

This is a significant study addressing questions not only fundamental to the (分野名) field, but also important to (研究トピック) , (研究トピック) and (研究トピック) in general. [eLife.21895 #1]

Although many more experiments need to be done to fully address the relationship between (役者たち), the current work stands as a significant progress toward this goal. [eLife.21895 #1]

This manuscript highlights the complexity of intricate interactions between (役者A) and (役者B) for specific and efficient regulation. Even more interestingly is the hypothesis presented in the discussion suggesting that (仮説). [embj.201696127 #2]

ネガティブな書き方

The (データ) are valuable, but a (実験名) was already published. [eLife.20832 #1]

The result that (実験内容と実験結果) is the most interesting finding, but the molecular mechanism is not obvious from the (データ). [eLife.20832 #1]

 

先行研究との整合性、適切な論文の引用

好意的な書き方

Previous work on (研究対象となった分子名) has shown that (働き). This paper uses the (アッセイ名)assay to provide convincing evidence that (研究対象となった分子の働き) [eLife.20832 #1]

ネガティブな内容

かなりキツイ物言い

P 3, line 14. Does the absence of references to other described mechanisms of (現象) mean the authors reject or simply choose to ignore them? 1,2 [embj.201695642 #1] (注:文の後の数字は差読者が附した文献の番号)

ディスカッション

The authors should discuss the possible physiological consequences of (事象1)
but not (事象2) as (条件). [embj.201696127 #1]

The references are often very old and recent refs on p(トピック) are not mentionedthe discussion should be more balanced on this and avoid strong opinions on things not investigated in the manuscript, eg: “本文の引用” [eLife.24125 #3]

 

差読者の判断:受理か却下か

ポジティブな表現

Overall, I think this is an interesting and important paper that would be appropriate for eLife. [eLife.20832 #3]

Taken together, I believe this paper contains many exciting findings that can be published pretty much without major changes. [eLife.24125 #1]

ネガティブな表現

Taken together, the paper is not a strong candidate for eLife, even if the authors can address all of the shortcomings in the experiments and interpretations mentioned above or below.  [eLife.20832 #1]

While it is an interesting report in this area, and is of likely interest to the readers of more specialist journals in the field of (特定の研究分野名), I do not believe the work represents a significant new step forward that justifies publication in Nature Communications. [ncomms14881 #2]

 

まとめのパラグラフ

In summary, the paper represents a collection of three different lines of work joined by the theme of (現象名). [eLife.20832 #1]

In summary, this paper provides data that both further substantiates RBR1 role in genome maintenance and presents data supporting the more conceptually novel idea that that RBR1 plays a direct role in repair by facilitating the formation of RAD51 foci. [embj.201694571 #1]

 

具体的な個々のコメントに入るためのつなぎの文

I have several comments for the authors to consider, mostly concerning technical and/or interpretational issues. [eLife.21895 #1]

I have some minor suggestions for improvement:  [embj.201696127 #3]

Overall, the data that the authors present is clear, and the importance of the work is quite high. The authors should be commended for the depth of their analysis. Yet there are several important changes/additions necessary before it is suitable for publication in EMBO J. [embj.201695861 #2]

 

査読レポートの構成

最初のパラグラフで、論文の内容を客観的な口調で要約します。これは差読者がちゃんと論文を読んで理解したことをエディターや著者らに示す意味があります。受理を勧める場合には、好意的な言葉を散りばめる人もいます。2つ目のパラグラフで、おおまかな評価を与えます。その後、メジャーコンサーン、マイナーコンサーンを具体的に述べるのが一つの典型的な書き方です。しかし絶対的な決まりがあるわけでもないので、かなり自由なスタイルで書く人もいます。

This study investigates the effects of (実験内容). The authors demonstrate that (実験結果・発見・結論). Furthermore, they report that (実験結果・発見・結論).
General comments:
Overall, the work tackles an interesting topic and sheds new light on (研究トピック). The scientific rationale for the investigation is sound and the authors present a few novel and important observations that provide a logical extension of previous work from this team on (研究トピック). The manuscript is well organized and carried out. However, some information are missing and should be provided to clarify a few issues, and additional experiments are needed to strengthen the study and further support the authors’ conclusions.
The following points should be addressed:

Major Criticisms:
Minor Criticisms:  [embj.201695642 #2]

 

2つ目のパラグラフ(講評)の例

辛口の例

The (論文で示された内容) is certainly interesting, due to the known similarities and differences between DDR in plants and animals. The study is of high quality but in my opinion remains short in providing a sufficiently deep set of results fully supporting the major authors’ claims. One major question is how is RBR targeted to DNA damaged sites. There are a number of specific points that are listed below. [embj.201694571 #2]

 

要約と全体評価を一つのパラグラフにまとめて書く人もいます。

研究内容の要約と全般的な評価を一つのパラグラフにまとめた例

The paper by (筆頭著者) et al is a well written study describing an important issue in (研究領域) biology, namely the (研究トピック). In general the results are interesting and compelling, and will be of interest to (研究領域) researchers. However a few issues should be addressed to strengthen the several of the conclusions. (以下、Major pointsMinor pointsを列挙) [embj.201695642 #3]

This paper by (筆頭著者) and colleagues describes (発見した内容). (論文で示された内容). (論文で示された内容).This provides the first description of (現象を説明するメカニズム). These results are novel and very exciting and will provide important new insight into (研究トピック), which will be of broad interest to many in the field of (研究領域) biology. Overall, the manuscript is well written and the conclusions largely supported. Some thoughts and comments to improve the paper are provided below: (以下、Major pointsとMinor points)[embj.201695861 #2]

(論文のトピックに関する既知の事実). Here the authors present convincing evidence for a second role in some aspect of (細胞内の現象). This observation has not been previously published in other eukaryotes, making it especially valuable. The most important results are (論文で述べられた発見). (発見された内容) is especially important, as one would predict just the opposite effect if (仮定の内容). The data on the (トピック) is less surprising or novel (conceptually- the experiments themselves are new). I have a few issues with the paper, some related to problems in the writing, but in other cases an experiment needs to be either improved or dropped. [embj.201694571 #1]

 

査読の参考に、水島 昇『科学を育む 査読の技法〜+リアルな例文765』2021/6/23 羊土社

参照した論文

  1. ncomms14881
  2. eLife.24125 eLife.21895 eLife.20832
  3. embj.201696127 embj.201695642 embj.201694571

 

参考(査読レポートで頻出する英語表現をまとめたウェブサイト)

  1. 英語論文の査読表現集:”1つは自分が今後査読をする際の参考にするため、もう1つは同じ悩みを抱えている研究者のために、ささやかではありますが、ここ10年くらいの間に自分が受けた査読結果を中心に、英語論文を査読するときに役に立つ表現集を作ることにしました 。”

 

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研究論文の査読レポートの書き方

一つの研究分野でいくつか論文を出していると、ある日突然、査読依頼のメールを受け取ることになります。サイエンスの世界は、ピアレビュー、すなわち研究者同士で互いの論文を審査するシステムになっているからです。ボスが大学院生やポスドクに査読の下書きをさせるというのはよく聞く話で(本来Confidentialであるべきですが)、そういうラボにいた人は既にやり方をわかってるかもしれません。しかし、多くの場合、査読の依頼を初めて受けたときに、十分なトレーニングを受けていない状態だと思います。そこで、査読をすることになった人の役立ちそうなサイトを紹介します。

 

公開されている差読者のコメント

ありがたいことに、差読者のコメントを公開している雑誌があります。これは、査読の方法を学ぶためのお手本の宝庫です。もっと言えば、査読コメントやエディターに対する著者からの反論(リバッタル レター;Rebuttal letter)も公開されているので、論文を通す戦いの成功事例が学べます。ちなみに、STAP幹細胞論文がサイエンス誌から却下されたときの3人の差読者のコメント (Retraction Watch)も読み応えがあります。

注:差読者が公開を望まなかった場合は非公開。

  1. eLife: 論文のウェブページの右横のリストでDecision Letterをクリックするとエディターや差読者のコメントをウェブ上で読むことができます。
  2. EMBO Journal: 論文のウェブページで、Transparent Processのタブを選び、Review Process Fileをクリックすると、差読者のコメントおよび著者とのやりとりをPDFで読むことができます。
  3. Nature Communications : 2016年1月以降に投稿された論文で、Supplementary information の欄に、Peer Review Fileがある場合には、査読レポートが公開されているが割合はあまり多くない。

 

査読コメントに書くべき内容

査読で原稿を読むときに、どんなことを考えながら読み進めればよいのかを、いくつかの雑誌の査読ガイドを引用することによりまとめました。査読コメントを書くときにこれらの英語表現が参考になりますので、意味が重複する場合でも、複数を引用します。

研究は厳密に行われているか?

必要な対照実験が行なわれているか、アーチファクトの可能性はないか、研究不正の疑いはないかなどに注意。

  1. Is the paper technically sound? srep 論文に厳密さがあるか?
  2. The data is technically sound. ncomms  データが厳密であること
  3. Is the statistical analysis of the data sound? srep  ncomms  データの統計学的な解析方法は正しいか?
  4. the quality and presentation of the figures as well as the validity of the statistical methods used to interpret them  cell.com  データを解釈する際に用いられた統計学的手法の妥当性および図のクオリティと表現方法に関するコメント
  5. Does the paper offer enough details of its methodology that its experiments could be reproduced? 論文は、実験の再現が可能なくらい十分詳細に方法を記述しているか?plosbiology
  6. Have they provided sufficient methodological detail that the experiments could be reproduced?  ncomms
  7. Should the authors be asked to provide further data or methodological information to help others replicate their work? (Such data might include source code for modelling studies, detailed protocols or mathematical derivations).  ncomms

 

著者の主張は実験結果によって裏付けられているか?

実験結果から結論を導く過程が、論理的かどうかは重要なポイント。

  1. Are the claims convincing? If not, what further evidence is needed? srep  ncomms
  2. Are the claims fully supported by the experimental data? srep
  3. Do the data support the claims? If not, what other evidence is required? データは、主張を裏付けるものになっているか?もしそうでないなら、他にどんな証拠が必要か?plosbiology
  4. The paper provides strong evidence for its conclusions ncomms  結論を支持する強い証拠を示せていること
  5. alternative hypotheses that are consistent with the available data  cell.com   得られた実験データと整合性のあるような別の仮説
  6. Have the authors provided adequate proof for their claims without overselling them? 著者らは十分な証拠に基づいて主張しており、過大な主張をしていないか?plosbiology
  7. Have the authors done themselves justice without overselling their claims?  ncomms

 

論文の体裁

  1. Is the manuscript clearly written? If not, how could it be made more accessible? srep  ncomms
  2. Is the manuscript clearly enough written so that it is understandable to non-specialists? If not, how could it be improved? (Please concentrate on matters of organization and content and not on grammatical or spelling errors that will be corrected by our copyeditor after acceptance.) 原稿は十分明瞭に書かれていて非専門家にも理解できるか?もしそうでないなら、どのように改善すべきか?(構成や内容に関してのみ考慮してください。文法や綴りの間違いは、受理後に原稿編集者が行います。)plosbiology
  3. Could the manuscript be shortened to aid communication of the most important findings? ncomms

 

研究の意義、新規性、その研究分野の進展への貢献の度合いは?

  1. The results are novel ncomms  結果に新規性があること
  2. Are the claims novel? If not, please identify the major papers that compromise novelty ncomms   論文の結論に新規性はあるか?もし無いのなら、新規性を損なわせている主要な論文を示してください
  3. Are these claims sufficiently novel? If not, please specify papers that weaken the claims to the originality of this one. 論文の主張には、十分な新規性があるか?もし無いなら、この論文の新規性を弱めるような論文を挙げてください。plosbiology
  4. balanced referencing of the pre-existing literature. In particular, when previously published work has undercut the novelty of the present findings, it is extremely helpful to include in the body of the review detailed citation of the relevant articles and data.  cell.com  すでに存在する文献の適切な引用。特に、先行研究が今回の発見の新規性を下げるようなものである場合には、関連する論文とデータの詳細な引用
  5. What are the main claims of the paper and how significant are they? この論文の主要な主張は何か、どれくらい意義深いのか?plosbiology
  6. What are the major claims of the paper? ncomms
  7. an outline of the conceptual advance over previously published work cell.com これまで発表された研究に比べたときの、概念的な進展の概要(を査読レポートに書く)
  8. Is this paper outstanding in its discipline? If yes, what makes it outstanding? If not, why not? この論文は、この研究分野においてどれくらい際立っているか?もしそうなら、何が理由でそうなのか?もしそうでないなら、なぜか?plosbiology
  9. Will the paper be of interest to others in the field?  ncomms   この論文は、この研究領域の他の研究者の興味をひくものか?
  10. the paper’s potential audience (i.e., the relevant fields within the readership of the journal)  cell.com その論文の潜在的な読者(すなわち、雑誌が対象とする読者層の中でも関係がある領域)
  11. Will the paper influence thinking in the field? ncomms   この論文は、この研究領域の考え方に影響を与えるものか?
  12. The manuscript is important to scientists in the specific field ncomms  その分野の科学者にとって重要性があること
  13. In general, to be acceptable, a paper should represent an advance in understanding likely to influence thinking in the field. ncomms  その研究分野の考え方に影響を与える得るだけの理解の進歩を示す論文であること
  14. If the manuscript is unacceptable in its present form, does the study seem sufficiently promising that the authors should be encouraged to consider a resubmission in the future? srep
  15. Would any other experiments/data/analyses improve the paper? How much better would the paper be if these were performed, and how difficult would they be to do? 他にどんな実験/データ/解析があれば、この論文がより良いものになるか?それらを実現できたら、どれくらい論文が良いものになるか?また、それらを実現することはどれくらい困難か?plosbiology
  16. Are there other experiments that would strengthen the paper further? How much would they improve it, and how difficult are they likely to be? ncomms
  17. Who would find this paper of interest? Why? どんな読者がこの論文を面白いと思うか?それはなぜか?plosbiology
  18. If the paper is considered unsuitable for publication in its present form, does the study itself show sufficient potential that the authors should be encouraged to resubmit a revised version? もしこの論文が現在の原稿のままでは掲載に不適と判断される場合、改訂版の再投稿を著者らに勧めるほどの潜在的価値がこの研究自体にはあるか?plosbiology
  19. If the manuscript is unacceptable in its present form, does the study seem sufficiently promising that the authors should be encouraged to consider a resubmission in the future? ncomms

 

先行研究との整合性があるか?

Discussionのセクションで、研究の位置づけが議論されているかに注意します。

  1. Are the claims appropriately discussed in the context of previous literature? srep
  2. Are the claims properly placed in the context of the previous literature? 著者らの主張は、これまでの文献の文脈の中に適切に位置づけられているか?plosbiology
  3. Are the claims appropriately discussed in the context of previous literature?  ncomms
  4. Have the authors treated the previous literature fairly? 先行研究を公正に扱っているか?plosbiology
  5. Have they been fair in their treatment of previous literature?  ncomms

 

差読者の判断:受理か却下か

  1. a specific recommendation, the reasons for that recommendation  cell.com  具体的な勧告とその理由

 

その他

  1. Does the availability of data adhere to the expected standards of your research community? srep
  2. Are they any special ethical concerns arising from the use of animals or human subjects? srep  ncomms
  3. PLOS Biology encourages authors to publish detailed protocols as supplementary information online. Do any particular methods used in the manuscript warrant such a protocol? PLOS Biologyは著者らが詳細なプロトコールを補足情報としてオンラインで公開することを奨励している。原稿の中で用いられた方法のうち、公開すべきプロトコールはあるか?plosbiology

 

さて、実際に査読レポートを書く場合には、受理したいか、却下したいかにあわせて、良い悪いをバランスよく盛り込むようにします。

The core of any review is an objective assessment of both the technical rigor and the novelty of the presented work. (Cell Press Information for Reviewers) 論文にまとめられた仕事が、厳密に遂行されたものか、また、新規性があるかどうかの両方に関する客観的な評価が、査読レポートの核心になります。

上記で引用したジャーナル

  1. Cell Press Information for Reviewers
  2. Nature Communications Guide to referees
  3. PLOS BIOLOGY Reviewer Guidelines
  4. Scientific Reports Guide to referees

 

査読の実際的な手順

査読するときに論文をどのように読むかは人それぞれのやり方があると思いますが、WILEYが説明はステップバイステップになっていて、初心者には役立ちそうです。

WILEY Step by step guide to reviewing a manuscript

 

出版社や雑誌社による査読ガイド

査読のやり方にはある程度決まったスタイルがありますが、雑誌ごとに異なる部分もあります。自分に査読を依頼してきた雑誌社が示している査読の指針を、よく読みましょう。以下の雑誌社や出版社の査読ガイドは、一般的な査読方法を学ぶうえで非常に役立ちます。

  1. WILEY Step by step guide to reviewing a manuscript 査読する際に何を考えながらどのように読む進めるのが良いのか、査読コメントの構成の仕方と各パラグラフ、セクションに何を書くべきか、等。ステップバイステップの詳細な手引き。

  2. ELSEVIER How to conduct a review :レビューアーが返すコメントに何を書けばいいのかが具体的に述べられていて参考になる。
  3. Taylor & Francis Writing a review: a step-by-step guide 何を考えながら原稿を読むべきかが具体的に述べられている。
  4. Cell Press Information for Reviewers 差読者がレポートに書くべき事柄が述べられている。
  5. PeerJ How To Become Good At Peer-Review
  6. PLOS BIOLOGY Writing the Review
  7. PLOS ONE Writing the Review 
  8. DEVELOPMENT  Guidelines for Reviewing Research Articles and Reports

 

研究の意義・重要性

学術雑誌はピンキリなので、そのジャーナルが求める研究意義の大きさとの兼ね合いで、差読者はその論文が受理されるべきか判断します。その雑誌のことを良く知らないのであれば判断ができませんので、まずは、雑誌のウェブサイトに行き、Aims and Scopeを読んだうえで、どんな論文が掲載されているかをみておく必要があります。トップジャーナルが論文をリジェクトするときに、conceptual advanceが不十分であり、incremental advanceに過ぎないという表現をよくしますが、専門誌になればなるほど、incrementalでも内容がしっかりしていればOKになります。(参考記事:ネイチャー(Nature)に論文を出す方法

他方、論文の重要性の評価には関与しないというスタンスの雑誌も増えてきました。PLOS ONE (2006 Dec-)は、研究の意義・重要性の判断は掲載後に読者に委ねるという新しい方針を打ち出した画期的なジャーナルです。

PLOS ONE accepts scientifically rigorous research, regardless of novelty. PLOS ONE’s broad scope provides a platform to publish primary research, including interdisciplinary and replication studies as well as negative results. … PLOS ONE will rigorously peer-review your submissions and publish all papers that are judged to be technically sound.(PLOS ONE Jounral Information)

Scientific Reports (2011 June-)も、研究の意義や新たな概念の提唱ではなく、研究の確かさに基づいて掲載の可否を判断することを明言しています。

Referees and Editorial Board Members will determine whether a paper is scientifically valid, rather than making judgements on significance or whether the submission represents a conceptual advance. (Scientific Reports Aims & scope)

 

査読ガイド動画

 

査読の参考に、水島 昇『科学を育む 査読の技法〜+リアルな例文765』2021/6/23 羊土社

 

参考

  1. Peer Review at Science Publications 
  2. 2.3 Reviewer Roles and Responsibilities (Council of Science Editors)
  3. Guidelines for Reviewers of ASM Journals
  4. ELSEVIER Reviewer policy statement
  5. ELSEVIER How to review manuscripts — your ultimate checklist (By Hannah Foreman Posted on 28 August 2015) 査読のやり方とチェックリスト 1ページまとめ
  6. ELSEVIER 10 tips for reviewing scientific manuscripts – and 5 red flags (By Joseph Alpert, MD Posted on 5 December 2012)
  7. PNAS Peer Reviewer Instructions
  8. Ten Simple Rules for Reviewers
  9. Transparent peer review at Nature Communications Authors of papers submitted from January 2016 will be given the option to publish the peer review history of their paper
  10. STAP幹細胞論文がサイエンス誌から却下されたときの3人の差読者のコメント (Retraction Watch)
  11. How to review a scientific manuscript? (ResearchGate ディスカッションフォーラム Jan 9, 2013)
  12. Nicholas, K. A. and W. S. Gordon (2011), A quick guide to writing a solid peer review, Eos Trans. AGU, 92(28), 233, doi:10.1029/2011EO280001.
  13. The Joy of Peer Review or My Favorite Comments from Editors and Reviewers
  14. How to Write a Peer Review for an Academic Journal: Six Steps from Start to Finish by Tanya Golash-Boza PhD2PUblished May 9, 2012

参考(リジェクトする理由)

  1. ELSEVIER ‘Eight reasons I rejected your article’ By Peter Thrower, PhD     Posted on 12 September 2012

参考(査読システムに纏わるエトセトラ)

  1. 査読 システムに限界、基準劣化のおそれ (enago academy エナゴ学術英語アカデミー ライター紹介:粥川準二 投稿日: 2017年1月6日 ):”活動的な」査読者は毎年平均5件の論文を査読していることもわかりました。もちろん、年間何十件もの論文を査読する者もいれば、たったの1件という者もいます。また彼らの計算では、査読の需要に応じるために、2015年には180万人の査読者が必要とされたといいます。前述の通り、査読をできる研究者の数は常に査読の需要を上回っているといいます。しかし問題は、労働の配分がきわめて不平等であることです。全体のうち5%の査読者が、全査読時間の30%近くを担っている、ということが今回の研究でわかったのです。”
  2. Why high-profile journals have more retractions (Nature News 17 September 2014):”the higher the impact factor, the higher the retraction index.”
  3. high-profile ジャーナル?(たおやかな生活を希望して 2008年08月26日):”現在の論文出版における問題としてhigh-impactなジャーナルに与えられている圧倒的なステータスである。キャリアーアップには何を発表したのかというよりもどこに発表したのかを問われる。”

 

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誰も教えてくれない「トップジャーナルにアクセプトされる論文の書き方」

研究者ならだれでもインパクトファクターが高いトップジャーナルに論文を掲載させたいものです。しかし、論文の構成に関してIMRaDといった表面的なことを教えてもらえることはあっても、実際にいいジャーナルにアクセプトされる論文の書き方とリジェクトされる論文の書き方の違いを明確に示してもらえる大学院生はほとんどいないと思います。なぜなら、トップジャーナルにコンスタントに論文を出せるラボ(PI)が少ないからです。そういうラボに在籍してボスから指導を受ける、もしくはボスのやり方を盗み取るといった経験をしない限り、優れた論文を執筆するためのノウハウは得られません。

そんな、普通なら開示されることがなかったトップジャーナルに通すために秘訣が、情報がネットで流通する今の時代は、誰でも手に入るようになりました。そこで、なるほどと思える教えをまとめておこうと思います。

利根川先生から、もっとも影響を受けたことは何でしょう。

 論文執筆の巧みさにも多くを学びました。内容書き方だけでなく、全体を見事な球形に仕上げるんです。角のある尖った論旨は、必ず査読者に突っ込まれる。先にどのような質問が来るかまで見越して角を削り、論文の一語一語をていねいに洗練させていき、球を磨き上げていくような論文の書き方をします。
研究の組み立ても見事です。研究で一番悩むのは、結論を導く最適な道筋をどう選ぶかということです。先生の答えは「論文タイトルの文字数が少ない方が正解だ」。つまり、内容を的確かつ簡潔に表すタイトルで、どれだけ強いメッセージを出せるかが重要だということ。‥ このメッセージを出すために、実験の構成、手法や順番まで考えるんです。(https://www.terumozaidan.or.jp/labo/interview/83/05.html(強調は当サイト)

トップジャーナルにとっての新規性とは、その分野の本質的な問題、すなわち一般人が疑問に思うようなクエスチョンに答える明確なメッセージがあるものであり、学術的意義のみならず社会的意義もあるものなのである。トップジャーナルに限らず、論文を書くときに大事なのは、前面にだすメッセージ性はなにかといつも問いかけることである。次に論文作成に必要なのは、ロジックの強いストーリーを構築することである。論文構築は、絵を描いたり彫刻を造ったりするようなものである。まず、図を作って大まかな流れをデッサンすることからはじまって、結果の細部を描く過程で、おさえておかなくてはいけない実験や、結論をサポートする多角的アプローチからの実験を塗り重ねていく。そして、間違った解釈をせずに良いディスカッションをするためには、次にやるべき実験の結果がでているとよい。そして、最後に、英文校閲にだし、英語独特のロジックと文体を補強し色づけを鮮やかにする。作品のメッセージ、ストーリー性、そこから湧き上がるロジックをだすために、いつも美意識を忘れないようにすることである。美しい自然の摂理を描くのだから。(「化学」2009年5月号コラム 美しい論文は必ず通る 東原和成)

Drawing on his experience, Yokoyama focused on the perspective of journal editors and how their decision-making on high impact science affects ongoing research. Editors evaluate the potential impact of individual papers by judging their conceptual advance, that is, whether a study advances a field in a large leap, rather than an incremental step. Yokoyama emphasized that the challenge for researchers who aim to publish in high impact journals is to collect strong data that is both grounded in existing knowledge but linked to a new idea or model. “Data alone provide the foundation for an advance but without communicating how the results fit or refute an existing model they fail to provide a conceptual advance.  Communication is essential for scientific impact,” said Yokoyama. (PDFA event explores the path towards creating high impact science RIKEN BSI) (強調は当サイト)

Chalesは「良い論文を書くための準備は、研究構想を練るところからすでに始まっている」と言います。方向性が悪ければ、どうやってもいわゆるhigh-impact journalに論文を出すことは難しい。そこで何が最も大事かといえば、「Conceptual Advance」に尽きるとのこと。ただこれまでの研究を発展させた、では駄目で、根本的に重要で、今までに解かれていない問題は何か、その問題を解くのに最善の(多くの場合には、もっとも最先端の)手法を用いているか……、そういう、実験を開始する前のコンセプトが大事であり、なんとなく実験を初めて、集まったデータからストーリーを考えるのではなく、きちんと最初にストーリーを考えるべし、ということなのだと思います。(何が為に科学するか Conceptual Advance 東北大発生発達神経科学分野 2015年10月16日)(太字強調は当サイト)

参考

  1. 自己と他者の認識と記憶のメカニズムを解き明かす 東京大学 定量生命科学研究所 行動神経科学研究分野 准教授 奥山輝大「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」  第83回 中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室 公益財団法人テルモ生命科学振興財団財団
  2. How to get published in high-impact journals: Big research and better writing (Naturejobs Blog 03 Nov 2014 Posted by Julie Gould)
  3. PDFA event explores the path towards creating high impact science RIKEN BSI
  4. 「化学」2009年5月号コラム 美しい論文は必ず通る 東原和成

 

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失速する日本の科学 Nature Index 2017

日本の科学研究の失速ぶりを、ネイチャーインデックスニュースやネイチャーインデックス2017日本版が伝えています。

While the total number of articles in Scopus increased by about 80% between 2005 and 2015, Japan’s output grew by a mere 14%. (The slow decline of Japanese research in 5 charts natureINDEX 23 March 2017 Nicky Phillips)

 


Nature Index 2017 Japan Vol. 543 No. 7646 ppS1-S40

研究ランキング

ネイチャーインデックスは、いろいろなカテゴリーごとにランキングを発表していますが、アジア勢では中国に大きく水をあけられています。

2016年1月1日~2016年12月の期間での、Weighted fractional count (WFC)という指標を用いた場合の国別ランキングは、
1位 米国  WFC=16164.15
2位 中国 WFC=6508.29
3位 ドイツ WFC=3834.73
4位 イギリス WFC=32383.48
5位 日本 WFC=2764.79

日本の大学・研究所のランキング100位 2016年(WFCスコアによる)

1 位    東京大学 The University of Tokyo WFC=379.04
2位     京都大学 Kyoto University WFC=228.53
3位     大阪大学 Osaka University WFC=172.95
4位    東北大学Tohoku University WFC=157.37
5 位    理化学研究所 RIKEN WFC=138.30
6 位    東京工業大学  Tokyo Institute of Technology WFC=121.40
7 位     名古屋大学 Nagoya University WFC=107.90
8位     九州大学 Kyushu University WFC=97.69
9位     北海道大学 Hokkaido University WFC=92.34
10位     物質・材料研究機構 National Institute for Materials Science WFC=69.18

ネイチャーインデックス(Nature Index)は、論文出版や世界の研究動向を明らかにするために、研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベースで、選ばれたジャーナル68誌の発表論文に基づいています(参考:Nature Indexについて)。Weighted Fractional Count(WFC)というのは、ジャーナル総数が少ない宇宙物理科学にのみ重み付けを行うことで標準化されたFractional Count(FC)で、FCとは、共著者の割合に応じて国や機関に論文数を割り振る計算方法です。ちなみに、Article Count(AC)は、共著機関または共著国全てに対して1論文を1と数える計算方法です(参考:Nature Indexの論文カウント方法)。

 

ネイチャーインデックスの高品質科学論文雑誌

現時点で、ネイチャーインデックスが「高品質科学論文」を出版する雑誌社としてネイチャーインデックスの算出の対象にしている68誌(参照:FAQ NATURE INDEX)。

  1. Advanced Materials (1066 articles)
  2. American Journal of Human Genetics (228 articles)
  3. Analytical Chemistry (1523 articles)
  4. Angewandte Chemie International Edition (2468 articles)
  5. Applied Physics Letters (3014 articles)
  6. Astronomy & Astrophysics (1833 articles)
  7. Cancer Cell (113 articles)
  8. Cell (387 articles)
  9. Cell Host & Microbe (114 articles)
  10. Cell Metabolism (126 articles)
  11. Cell Stem Cell (107 articles)
  12. Chemical Communications (2788 articles)
  13. Chemical Science (926 articles)
  14. Current Biology (417 articles)
  15. Developmental Cell (156 articles)
  16. Earth and Planetary Science Letters (631 articles)
  17. Ecology (379 articles)
  18. Ecology Letters (129 articles)
  19. European Physical Journal C (708 articles)
  20. Genes & Development (170 articles)
  21. Genome Research (184 articles)
  22. Geology (253 articles)
  23. Immunity (169 articles)
  24. Inorganic Chemistry (1441 articles)
  25. Journal of Biological Chemistry (2308 articles)
  26. Journal of Cell Biology (195 articles)
  27. Journal of Clinical Investigation (280 articles)
  28. Journal of Geophysical Research: Atmospheres (862 articles)
  29. Journal of Geophysical Research: Oceans (479 articles)
  30. Journal of Geophysical Research: Solid Earth (475 articles)
  31. Journal of High Energy Physics (2132 articles)
  32. Journal of Neuroscience (1041 articles)
  33. Journal of the American Chemical Society (2233 articles)
  34. Molecular Cell (265 articles)
  35. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (3557 articles)
  36. Nano Letters (1200 articles)
  37. Nature (827 articles)
  38. Nature Biotechnology (87 articles)
  39. Nature Cell Biology (94 articles)
  40. Nature Chemical Biology (165 articles)
  41. Nature Chemistry (165 articles)
  42. Nature Communications (3428 articles)
  43. Nature Genetics (171 articles)
  44. Nature Geoscience (133 articles)
  45. Nature Immunology (121 articles)
  46. Nature Materials (159 articles)
  47. Nature Medicine (141 articles)
  48. Nature Methods (111 articles)
  49. Nature Nanotechnology (134 articles)
  50. Nature Neuroscience (152 articles)
  51. Nature Photonics (109 articles)
  52. Nature Physics (163 articles)
  53. Nature Structural & Molecular Biology (121 articles)
  54. Neuron (321 articles)
  55. Organic Letters (1657 articles)
  56. PLOS Biology (167 articles)
  57. Physical Review A (256 articles)
  58. Physical Review B (854 articles)
  59. Physical Review D (155 articles)
  60. Physical Review Letters (2309 articles)
  61. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (2981 articles)
  62. Proceedings of the Royal Society B (725 articles)
  63. Science (734 articles)
  64. The Astrophysical Journal (2999 articles)
  65. The Astrophysical Journal Letters (572 articles)
  66. The Astrophysical Journal Supplement (182 articles)
  67. The EMBO Journal (134 articles)
  68. The Journal of Physical Chemistry Letters (753 articles)

 

参考

  1. 世界トップクラスの研究成果を示す新たな指標:Nature Index
  2. 日本の科学研究はこの10年間で失速していることが、Nature Index 2017日本版から明らかに (Nature Index 2017年3月23日 シュプリンガー・ネイチャー / PR Wire 共同通信PRワイヤー):”Nature Indexによると、日本の科学成果の発表の水準は低下しており、ここ10年間で他の科学先進国に後れを取っていることが明らかになりました。”
  3. Nature Index Japan 2017
  4. Nature Index Japan 2016
  5. Nature Index Japan  Nature 519,S56–S57 (26 March 2015) doi:10.1038/519S56a Published online 25 March 2015

NIH予算18%削減 トランプ政権の予算案

トランプ大統領の意向を反映したアメリカの2018年度の予算案概要が2017年3月16日に発表されました。軍事費が増強された一方で、環境保護庁(EPA)の予算が大幅に削減(31.5%)され、NIH(National Institutes of Health;国立衛生研究所)の予算も18%削減されています。科学に対するトランプ大統領の無知、無理解ぶりは大統領選のときから危惧されていましたが、ついに、恐れていたことが現実になってしまいました。この予算概要を記した文書の、NIHを管轄する保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)に関するページを見て見ると、

The President’s 2018 Budget requests $69.0 billion for HHS, a $15.1 billion or 17.9 percent decrease from the 2017 annualized CR level.

HHSの予算が全体として17.9%減となっています。その中で、NIHに関する記述を見ると、

Reduces the National Institutes of Health’s (NIH) spending relative to the 2017 annualized CR level by $5.8 billion to $25.9 billion. The Budget includes a major reorganization of NIH’s Institutes and Centers to help focus resources on the highest priority research and training activities, including: eliminating the Fogarty International Center; consolidating the Agency for Healthcare Research and Quality within NIH; and other consolidations and structural changes across NIH organizations and activities. The Budget also reduces administrative costs and rebalance Federal contributions to research funding.

58億ドル(6537億円)が削減されて(-18%)、予算259億ドル(2兆9189億円)になっています。医科学分野を対象するNIHに対して、その他の科学分野で年間70億ドルもの研究予算を配分しているNational Science Foundation (NSF;アメリカ国立科学財団)については、今回の予算概要の文書内に記述がありません。

The blueprint does not mention the National Science Foundation, which provides more than $7 billion annually in grants. That may fall under the category of “other agencies,” which are not detailed but which the blueprint puts down for a 9.8 percent cut. (Trump’s budget calls for seismic disruption in medical and science research The Washington Post By Joel Achenbach, March 16)

トランプ政権が発表した2018年度の予算案概要は、科学者にとってかなり深刻な内容です。これらの案が、実際に予算を編成する議会においてどの程度実現するのかは不明です。

報道

  1. トランプ政権の予算案、「勝者と敗者」明暗くっきり (The Huffington Post | 執筆者: Zach Carter , Arthur Delaney , Sam Stein 投稿日: 2017年03月17日 16時26分 JST) :”アメリカのトランプ政権は3月15日、2018年会計年度(2017年10月-18年9月)予算案の概要を発表した。”
  2. トランプ大統領、環境・外交予算の大幅減提案 国防強化で (AFP BB NEWS 2017年03月17日 05:38):”ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、2018会計年度の予算方針を発表した。国防に重点を置き、芸術や科学、海外援助や環境保護予算では大幅減を提案する内容で、既に議会の強い反発を呼んでいる。”
  3. 米予算、調整難航へ(時事ドットコムニュース 2017/03/17-00:32):”米政府が議会に提出した2018会計年度予算教書の骨格は、「米国を強くする」ため国防費を増やす一方で、規制撤廃を念頭に環境保護局(EPA)の予算を大胆に削減した。”
  4. Trump’s Revealing Budget So much political drama over such a small part of the federal fisc. (THE WALL STREET JOURNAL Updated March 16, 2017 9:55 p.m. ET)(動画Opinion Journal Video視聴可。本文は購読者のみ閲覧可)
  5. US science agencies face deep cuts in Trump budget The Environmental Protection Agency and the National Institutes of Health are big losers — but planetary science at NASA stands to gain.(Nature News Sara Reardon, Jeff Tollefson, Alexandra Witze & Erin Ross 16 March 2017):”When it comes to science, there are few winners in US President Donald Trump’s first budget proposal. The plan, released on 16 March, calls for double-digit cuts for the Environmental Protection Agency (EPA) and the National Institutes of Health (NIH).”
  6. President’s Budget Plan Would Cripple Science and Technology, AAAS Says (AAAS 16 March 2017 Anne Q. Hoy):”President Donald Trump’s discretionary budget proposal would “cripple” the leading role the United States plays in advancing science and technology and blunt the economic benefits the nation reaps from such innovations, said Rush Holt, CEO of the American Association for the Advancement of Science.”
  7. Trump’s budget calls for seismic disruption in medical and science research (The Washington Post By Joel Achenbach, March 16)
  8. Read the full White House budget blueprint By ABC NEWS Mar 16, 2017, 9:26 AM ET: Watch OMB director discusses Trump’s new budget proposal. OMB Director Mick Mulvaney told reporters Wednesday, “We wrote it using the president’s own words. We went through his speeches, we went through articles that have been written about his policies … and we turned those policies into numbers.”

解説、オピニオン動画(YOUTUBE)

  1. Trump’s Budget Explained (vlogbrothers, YOUTUBE 2017/03/17 ) トランプ大統領の予算案概要を5分で説明した動画
  2. Digging Into Trump’s First Budget (Bloomberg 2017/03/17) Bloomberg’s Ramy Inocencio reports on President Trump’s budget proposals.
  3. Trump Rolls Out MONSTROUS New Budget (The Young Turks, YOUTUBE 2017/03/16) “Trump has unveiled his new budget. It’s great for rich people and horrible for everyone else. “

参考

  1. America First: A Budget Blueprint to Make America Great Again (Office of Management and Budget)(https://www.whitehouse.gov/sites/whitehouse.gov/files/omb/budget/fy2018/2018_blueprint.pdf
  2. Historical Trends in Federal R&D (AAAS) : National Institutes of Health Budget, 1998-2017
  3. Fogarty International Center
  4. 米国における研究助成体制について  参考資料3_諸外国における研究助成体制について (文部科学省) アメリカ連邦政府には、大学制度や大学自体を所管する行政機関はなく、また連邦政府の行政機関には我が国の各省庁のような厳密な所掌事務の分担がないことから、大学で行われる研究に対する助成も多数の省庁が競合的に実施している。このうち主なものは、1.国立衛生研究所(NIH)、2.国立科学財団(NSF)、3.エネルギー省(DOE)、4.航空宇宙局(NASA)、5.農務省(USDA)、6.国防総省(DOD)であり、これらの6機関により、連邦政府による基礎研究支出の97%を占めている(FY2009)。
  5. ホーキング博士など375人の科学者、”トランプ大統領”に反対「気候変動への取り組みに深刻な影響」 (The Huffington Post  |  執筆者: Chris D’Angelo 投稿日: 2016年09月23日 16時14分 JST):”トランプ氏は5月に「地球温暖化は「中国によって中国のためにでっち上げられた」デマだと主張”

平成29年度 卓越研究員ポストが公開される

平成29年度 卓越研究員を受け入れる大学、研究所、企業が提示したポストのリストが公開されました。日本全国の国公立大学、私立大学のほか、日立製作所、出光興産、パナソニック、住友電気工業、富士通、日本電気、キリン、日本電子、第一三共、ソニーコンピュータサイエンス、その他の企業が受け入れを表明しています。ジョブタイトルは、助教、講師、准教授、教授、グループリーダー、主任研究員、その他となっており、エクセルファイルの一覧を見ると全部で204件あります。

エクセルファイル、分野別PDFで閲覧可能 ⇒ 平成29年度 卓越研究員事業 公開ポスト一覧 (日本学術振興会)

JREC-INのサイトでも、卓越研究員の求人を検索できます。⇒ JREC-IN(検索:「卓越研究員」

 

卓越研究員の年齢制限について

卓越研究員事業の英語名はLeading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER)で、「若手」対象であることが明言されており、実際、卓越研究員応募条件には平成30年4月1日の時点で40歳未満であることという年齢制限があります。2012年のデータですが、ポスドク14171人のうち40歳以上は16.4%(2324人の計算)、35歳以上と合わせれば37.2%(5272人の計算)にもなります。それから5年近く経ちポスドク高齢化が一層進んでいること、ポスドクとは別に、任期付き助教も相当数存在することを考えると、年齢がネックで卓越研究員に応募すらできない人は、かなりの数にのぼりそうです。

平成28 年度からの5年間の科学技術政策の方向性を定める第5期科学技術基本計画においては、「40 歳未満の大学本務教員の数を1割増加」、「我が国の企業、大学、公的研究機関のセクター間の研究者移動数を2割増加」させることが目標値として掲げられています。本事業においては、この2つの目標値の達成にも資するため、新たな研究領域に挑戦するような若手研究者が安定かつ自立して研究を推進できるような環境を実現するとともに、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍し得る若手研究者の新たなキャリアパスを提示することを目指しています。(Q 卓越研究員事業の狙いは何か。)

Q 「②平成30 年4月1日現在、40 歳未満(ただし、臨床研修を課された医学系分野においては43 歳未満)の者」とあるが、例えば、病気休暇等で研究を中断した場合など、個別の事情がある場合、例外的に申請することはできるのか。
A 申請者(研究者)の要件について、出産又は育児により、子供1人につき、合計3カ月以上の間、研究を中断した場合を除き、個別の事情を考慮せず、一律に判断させていただきます

Q 「②平成30 年4月1日現在、40 歳未満(ただし、臨床研修を課された医学系分野においては43 歳未満)の者」とあるが、雇用対策法との関係はどうなるのか。
A 雇用対策法の改正により、平成19 年10 月1日から、労働者の募集及び採用に当たって、年齢の制限を設けることができなくなっています(雇用対策法第10 条)。一方、本事業は、若手研究者の安定的な雇用の促進を目的とする国の施策であることから、雇用対策法施行規則第1条の3第1項第3号ニに該当するため、雇用対策法第10条の適用除外となります。平成29年度卓越研究員事業公募に係るQ&A 平成29年2月6日 文部科学省 科学技術・学術政策局

 

中でも深刻なのは発展著しい生命科学の分野で、日本分子生物学会の最新のアンケート調査(2015年、会員のみ対象)では、ポスドクの59%が35歳以上となっている。(ポスドク問題と人材の流動化―日本のサイエンスを救うために―サイエンスポータル 2016年12月6日)

 

近藤:20年前に大学院の重点化を進めたことで、現在40歳前後のPDがたくさんおり、非常に厳しい就職難になっています。この年齢層に対する何らかのケアは可能でしょうか?
生田:難しいと思います。財政当局の視点からすると、その年齢層の研究者に対して、大学院重点化を通じて高額の投資を したという解釈になっており、その人達をケアするための別途の予算措置は理解を得られないのではないでしょうか。本来であれば、産業界が、その人材を吸収 するはずだったのですが、産業界と大学とのミスコミュニケーション、さらには90年代からの不況がそれを不可能にしたのではないでしょうか?日本の科学を考える ガチ議論 2015.10.24)(当ウェブサイトの記事:新たに創設される「卓越研究員」制度(2016年公募開始)は、博士研究員(ポスドク)や任期付大学教員の雇用不安の改善に貢献できるのか?)

平成28年度の卓越研究員について

卓越研究員候補者リスト 開始初年度(平成28年度)は、849名の申請者(研究者)の内176名が卓越研究員候補者として認定されましたが、各研究機関との雇用調整が完了し、安定した研究環境を得た卓越研究員は83名に留まりました(平成28年10月末現在、下記のサイトより引用)。残りの93名については、今もなお来年度以降の職を得るために雇用調整を続けている状態ですが、未だ状況は不透明です。文部科学省発表によれば、平成29年度にも再度新たな形で各研究機関からポストを募り、雇用調整を行う事が可能とされています。しかし、卓越研究員候補者達が一体どのような研究を行っているのか、どのような人物達なのかについての一般向けの情報提供が行われていないため、各研究機関側としてもポストを提供するための検討材料に乏しいのが現実です。そのため、我々卓越研究員候補者リスト 発起人一同は、研究分野の垣根を越えて協議しながら、まずは卓越研究員候補者自身の氏名・採択課題名等をリスト化して一般公表する事に致しました。

参考

  1. 平成29年度卓越研究員事業の公募説明会(申請者(若手研究者)向け) (日本学術振興会)日時:平成29年3月29日(水)  13:00~14:00 場所:一橋大学 一橋講堂(東京都千代田区) 平成29年度の本事業において、一覧化公開されたポストを提示した研究機関により、個別のポスト等について説明
  2. 平成29年度科学技術人材育成費補助事業「卓越研究員事業」公募説明会(申請者(若手研究者)向け)の開催について(文部科学省 お知らせ平成29年3月6日)日時:平成29年3月29日(水曜日)13時00分~14時00分 説明会終了後、平成29年度の本事業において一覧化公開されたポストを提示した研究機関により、個別のポスト等について説明する場を設けます。場所:一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)
  3. 卓越研究員事業(Leading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER) ) 文部科学省 お知らせ 平成29年3月6日  平成29年度卓越研究員事業ポストの一覧化公開について、掲載しました。
  4.  

報道

  1. 文科省の若手研究者仲介、JFEなど21社が名乗り(日本経済新聞 電子版2017/3/5 23:34):”文部科学省が2016年度から始めた若手研究者を企業や大学に仲介する「卓越研究員」制度で、17年度の受け入れ先に住友電気工業やJFEスチール、パナソニックなど21社が名乗りを上げたことがわかった。大学や公的研究機関を合わせると72機関、約200人の求人となる。”

ネットの反応(TWITTER)

  1. 今年度も年齢制限が明記されているシニアポスドク排除の公募「卓越研究員制度」が始まった。年齢制限ふざけるな。(@tetsujister 20:37 – 2017年3月7日)
  2. 卓越研究員事業の募集を見ると、非卓越研究員の人々は絶望する気がする( ・ิϖ・ิ)この事業は、非卓越研究員のヤル気を削ぎ落とす、気がする。(@y2o1012 19:29 – 2017年3月6日)
  3. 卓越研究員。去年も思ったけど、なんで年齢制限するんだろ。若手救済の意味はわかるけど、老齢ポスドクは競争に参加することも許されないわけ?(@sato_dehanai 17:28 – 2017年3月6日)
  4. 40過ぎてもテニュアにつけないヤツなんかどうなろうと知るかって感じ?今の30前半の若手を実際に指導したのは、この世代なんだけどね。ポスドク増、任期制増、テニュアポスト減の中、研究も雑用も学生の面倒もって頑張ったのに報われない人たちいるよね。。(@sato_dehanai 17:35 – 2017年3月6日)
  5. 卓越研究員オーバーエイジ枠(@ritzberry15:35 – 2017年3月6日)
  6. 春の季語 卓越研究員募集 (@detsup 3月6日)

ポスドク問題

  1. ポスドク問題と人材の流動化―日本のサイエンスを救うために―(サイエンスポータル 掲載日:2016年12月6日 東京大学分子細胞生物学研究所教授(生物科学学会連合・ポスドク問題検討委員会委員長) 小林武彦 氏):”… ところがこの状況が一変するのは、まさにその頃から始まった大学院重点化政策、つまり大学院生を増やす政策である。1997年には大学院博士課程の修了者数が9,860人、2013年には16,446人と急激に増加した(図1)。…2000年代に入ると目標の1万人をはるかに上回り、2007年には17,945人、それから若干減少したものの2012年の調査でも依然16,000人をこえるポスドクがいる(図2)。…2013年の調査では37.1%(約6千人)が35歳以上の「シニアポスドク」となっている。中でも深刻なのは発展著しい生命科学の分野で、日本分子生物学会の最新のアンケート調査(2015年、会員のみ対象)では、ポスドクの59%が35歳以上となっている。”
  2. 生物科学学会連合 生科連からの<重要なお願い> 平成27 年4 月(第二版)(PDF) 生物科学学会連合より行政(国、地方)、企業、大学・研究機関、および研究者コミュニティーに対するお願い 今、次世代を担う若手研究者が窮地に陥っています。ポスドク(任期付博士研究員)の雇用促進と研究者育成に是非ご協力ください。平成27 年4 月(第二版) 生物科学学会連合 ポスドク問題検討委員会
  3. 国立大学で若手研究者が減少、「40代でも先見えないのが普通」の声 (THE PAGE 2016.10.27 12:08):”40歳代になっても任期付き教員の職すら得られず、かといって年齢もあり民間企業へも行けない、そういった人たちが増えているという。博士課程に進む後輩も減っているという。「出身研究室(トップ層国立大)では、学部からの内部進学が減り、中堅私大からの進学が増えている。トップの学生は研究の道へ入るのを避け始めているのかも」と憂う。”
  4. 悪化する研究環境とポスドク若手研究者の無権利 月刊誌『KOKKO』2015年11月号(第3号)座談会:”研究環境が悪化し続けていて希望が見えない、光が見えてこないというのが正直なところで、現場の研究者や職員の心が荒んできているのではないかと心配に思いました。アンケートの中で、精神的な不安を訴える方も多いですし、うつ病が増えている状況もあります。非正規雇用の研究者や職員を使い捨てる研究現場で、人間として尊厳が破壊されるような現状が広がっているので、医者としてものすごく心配です。”
  5. ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2015年度実績)の実施について 科学技術・学術政策研究所 2016年11月11日 「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2015年度実績)」は、平成27年度内(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に、日本の大学、研究開発を行っている独立行政法人、公的研究機関で研究活動に従事しているポストドクター等の雇用状況およびその後の進路(平成28年4月1日時点)を調査いたします。提出期限 平成29年1月20日(金)
  6. 「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査 -大学・公的研究機関への全数調査(2012年度実績)-」 調査資料-232の結果公表について 科学技術・学術政策研究所 2014年12月22日 

科学政策

  1. 2016.5.10内閣委「特定国立研究開発法人促進特措法案」理研のSTAP細胞不正事件の総括、まだですよね?! (参議院議員 山本太郎 国会活動 2016年05月11日)”… そうなんですよね、40歳ぐらいの方々、40歳未満の方々ということですよね。手を差し伸べられやすい状況が若手の中にはあるんですけれども、全体の37.1%を占める35歳以上のシニアポスドクと言われる方々がかなり厳しい状況に置かれていると。大学の博士課程修了の任期付き研究者、いわゆるポスドク、シニアポスドク問題について少し触れさせてください。…さらに、シニアポスドク、より年上の人たちになると次のポジションを見付けにくい。正規のような昇級、昇進なども少ないため自身の将来像が見えない。特に熟練した研究者であるシニアポスドクに対する雇用の促進、健全な研究者社会を維持するためには急務だとこの方々がおっしゃっている。…要は、この方々に対する手厚いといいますか、高給じゃなくてもいい、でも安定した先が見通せるような働き方が提案されなければ非常に厳しいと思うんですよ。日本の科学というものは終わってしまうかもしれない。そこを何とか大臣に検討していただきたいんですけど、いかがでしょうか。
    国務大臣(島尻安伊子君) おっしゃるとおり、やはり若手研究者をどう育てていくかというのは、将来の科学技術の発展にもうこれは欠かせないところでございますので、そこもしっかり対応させていただきたいと思います。
  2. 安倍政権「一億総活躍」の意味が、ようやく分かった ~なるほど、進次郎に逃げられたのも納得 (鈴木哲夫 現代ビジネス 2015.11.05):”安倍政権にも通じている経産省OBが、「一億総活躍社会」という第三次安倍改造内閣のキャッチフレーズについてこんな説明をしてくれた。「発足以来の安倍政権を船に見立てれば、いまの内閣の問題がよく分かります。船長も船員スタッフも同じ、向かっている方向も同じ、船の大きさも同じ、スピードも同じ。ただ、船の名前や外側の色を変えているだけです。船長は安倍首相、スタッフは経産省を中心にした側近たち。方向は長期政権維持や憲法改正、財界と連携した経済政策など。船の名前はこの前までは統一地方選挙を見据えた『地方創生号』でしたが、今は参院選へ向かって『一億総活躍社会号』と名前を変えただけです」…事実、10月19日には加藤勝信・一億総活躍担当相と、石破茂・地方創生担当相との間で初の政策のすり合わせが行われたが「そこで行われたのは、新しいものを考え出すのではなく、これまでにある地方創生政策のどれを一億総活躍に移動させどれを残すか、といったすみ分けに過ぎなかった」(自民党政調幹部)という。…「中身がないないとあなたは言うが、そもそもそれは当然、まったく不思議じゃない。だってこの一億総活躍社会は、官邸が『政策』ではなく、『国民運動』として考えたみたいだからね」”

研究成果が新聞掲載されるプレスリリース書法

研究成果を社会に還元する一つの方法は、マスメディアを通じて世間に研究成果を知らしめることです。そのためには、論文発表のタイミングに合わせて、新聞、テレビ、雑誌、ウェブメディアなどに記事として取り上げてもらう必要があります。それを実現させるためには、報道記者に興味と関心を持ってもらえるようなプレスリリースを書く必要があります。大学の広報やURAがプレスリリース作成のサポートをする場合でも、最初の原稿は研究者が作ることになるでしょう。

そこで、プレスリリースを書く上で参考になりそうなウェブサイトを紹介します。

プレスリリースに対する考え方、文章を作成するにあたっての具体的な注意事項など、細やかな情報が得られるのが、生理学研究所・広報展開推進室の「科学者から国民への情報発信の意義と方法」。

プレスリリースは、たしかにメディアの目に触れ、そこでいったん解釈され、読者に仲介されはするが、あくまでその情報の最終的な受け手は、国民であることを忘れてはならない。プレスリリースの文章を書くときには、それを手にする国民一般、小中高校生からお年寄りまでを目に浮かべ、彼らに語りかけるように正確で分かりやすい記述にこころがけることが重要である。科学者から国民への情報発信の意義と方法 生理学研究所・広報展開推進室

プレスリリースとはそもそも何か?プレスリリースの具体的なプロセス、プレスリリースの文章の構造、その他、記者との対応方法まで、教科書的にまとまっているのが、京大「虎の巻」。

 

(スライド13)

研究成果発表「虎の巻」 – 京都大学 (PDF) *学内限定にアクセス権が変更されてました(残念)。

 

プレスリリースの例

  1. サイエンスポータル ニュース・プレスリリース
  2. 北海道大学プレスリリース(研究発表)の記事一覧 (PDF)
  3. 金沢大学研究トピック

 

参考

  1. 科学者から国民への情報発信の意義と方法 生理学研究所・広報展開推進室 / 小泉 周 科学者から国民への情報発信の意義と方法 (化学と生物 Vol. 49 (2011) No. 7 p. 503-508)(J-STAGE)
  2. 研究成果発表「虎の巻」 – 京都大学 (PDF)
  3. 研究者のための科学広報入門(基礎生物学研究所 広報国際連携室)
  4. 大阪大学企画部広報課報道係が支援するプレスリリース発信
  5. プレスリリース競争が研究者の仕事なのか インターネットで変わる高等教育の形 (日経ビジネスONLINE 田中 深一郎 2013年1月25日):”大学も予算が年々厳しくなっているから、毎年、文部科学省に『今年は新聞掲載が何件、テレビの放映が何件あった』と、具体的な数字を報告しないといけない”

 

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英文プレスリリースで研究成果を世界に発信することの重要性について

論文はせっかく出版しても意外と読んでもらえないものです。ですから、自分の論文がめでたく受理されたら、論文掲載のタイミングに合わせてできるだけ世の中に向けて宣伝する必要があります。新聞等などのメディアに記事としてとりあげてもらうために報道記者に提供する資料が、プレスリリースです。日本のメディア向けには日本語でプレスリリースを書きますが、海外の新聞や雑誌に記事にしてもらうためには、英語で書く必要があります。

まだまだ世界に発信されていない日本の研究成果

さて、日本の研究成果を世界に発信するためには絶対に必要な英語のプレスリリースですが、これを出していない大学や研究機関が多いようです。また、英文プレスリリースを出している大学であっても、日本語での本数に比べると圧倒的に少ないようです。

毎日大量に発表される英文のリリースを読んでは、どれを日本語にするかを決めているわけですが、その中で気づいたことがあります。日本の大学・研究機関の英文プレスリリースが少ない。 日本の大学・研究機関から、インパクトファクターが大きいジャーナルへの発表は、それこそ毎日のようにあるのに、英文リリースが無いのが残念でなりません。わが国の科学レベルを分かってもらえない、というのも悔しいですし、成果を出した研究者を売り込めないのももったいないことです。(日本の研究成果を世界に発信するには【日経バイオテクONLINE Vol.1909】2013.07.17 19:00 増田智子)

2014年度の研究成果に関する和文配信件数:235件    
2014年度の研究成果に関する英文配信件数:     9件
(出典:2015/5/29  第3回大学研究力強化ネットワークカンファレンス「EurekAlert!を例とした国際科学広報の効果的なあり方について」 英語による研究成果の発信:東京大学の事例紹介 東京大学本部広報室(Public Relations Office, University of Tokyo)髙祖歩美、Euan McKay)

 

国際研究広報の取り組みの広がり

英文プレスリリースを出す大学が増え始めています。

2014年

事態が好転し始めたのは,国際広報に関心をもった国内の学術研究機関の実務者や関係者が学び,互いに議論し,情報を交換できる場が増えて,海外の報道機関とのつながりがなくとも報道関係者に研究成果が届けられるプレスリリース配信サービスを国内の学術研究機関が一斉に利用し始めた2014年末辺りからである。… 2014年末には国内の13の学術研究機関がそろってEurekAlert!(https://www.eurekalert.org/)という米国発のプレスリリース配信サービスを利用し始めた注1)。(日英米の比較からみる研究成果の国際情報発信 高祖 歩美 017 年 60 巻 6 号 p. 420-428 PDF

2015年

2015年3月には,沖縄科学技術大学院大学(OIST)で国際科学広報に関するワークショップ20153)が開かれた。研究成果の英語による情報発信に関心をもった関係者およそ100名が一堂に会して各機関の現状が紹介されて,英米の報道機関や広報関係者と国際科学広報を取り巻く状況について情報交換がなされた。2015年8月には英国の報道関係者から英文プレスリリースの書き方を学ぶ講習会がOISTで開かれた。(日英米の比較からみる研究成果の国際情報発信 高祖 歩美 017 年 60 巻 6 号 p. 420-428 PDF

  1. 国際科学広報に関するワークショップ 2015報告書(OIST 87頁PDF)
  2. 集会報告 国際科学広報に関するワークショップ2015 (岡田 小枝子, 名取 薫, 小泉 周 著者情報 ジャーナル フリー HTML 2015 年 58 巻 3 号 p. 224-227)国際科学広報に関するワークショップ2015が,沖 縄科学技術大学院大学(Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University: OIST)と科学技 術広報研究会(Japan Association of Communication for Science and Technology: JACST)が主催,大学研 究力強化ネットワーク(Research University Network of Japan: RUN)が協力という形で,2015年3月19 ~ 20日に,沖縄科学技術大学院大学(沖縄県国頭郡恩納村谷茶1919-1)OISTメインキャンパスにて開催され た。
  3. 日本の科学を世界に発信するためのサマースクール開催(OISTニュース 2015-08-18)沖縄科学技術大学院大学は(OIST)は、8月15~16日の2日間、科学技術広報研究会(JACST)との共催で、国際科学広報に関する実践形式のサマーコースを実施しました。講師として英科学週刊誌「ニューサイエンティスト」編集長のローワン・フーパー氏、同誌エディトリアル・コンテンツ・ディレクターのヴァレリー・ジェイミーソン氏を迎えた同コースには、…

実務者同士が情報を交換し,国際的な 情報発信を実践する場やコミュニティーが徐々に形成 されていった(表1)。その主要な場として,自然科学 研究機構が国内の15の学術研究機関とともに立ち上 げた「大学研究力強化ネットワーク」注2)や科学広報 の関係者が集まる「科学技術広報研究会」(Japan Association of Communication for Science and Technology: JACST)4)が挙げられる。(日英米の比較からみる研究成果の国際情報発信 高祖 歩美 2017 年 60 巻 6 号 p. 420-428 PDF))

最近は(2019年)、大学によってはかなりアクティブにEurekAlert!で英文プレスリリースを出している大学があります。そんな大学を以下の記事で纏めました。

⇒ EurekAlert!英文プレスリリース発信数 大学・研究機関ランキング

 

記者の目に留まる英語のプレスリリースの書き方

英文のプレスリリースが少ない理由は、サイエンスが理解できて、英語がネイティブで、しかも一般読者にとって読みやすい英語の文章を書ける人やチームが日本の大学や研究機関の広報部門にほとんど存在しないことが要因でしょう。大学のサポートを受けられない研究者は、自分で書くしかありません。そこで、英文のプレスリリースの書き方を紹介したサイトを紹介します。EurekAlert!のリリースをいくつか見るとすぐに気付きますが、日本語でよく見るプレスリリースと、英文のプレスリリースとでは書き方のスタイルが大きく異なります。日本のプレスリリースは研究内容の解説が中心ですが、英文のプレスリリースは「人」が中心です。そのため、日本語のリリースをそのまま英語に翻訳しただけでは記者の心に引っ掛からない可能性があります。

海外の記者は社会部の記者が主で、科学ジャーナリストはまだ多くありません。このため、記事を特にわかりやすい言葉、わかりやすい文章で書く必要があります。大事なことから先に!研究成果の社会的意義(社会貢献や影響)など、大事なことから先に書きます。逆ピラミッド型の文章構造です。社会貢献や影響、研究成果、研究の背景、詳細、最後に研究機関や研究者情報の詳しい情報の順番です。文章の最初の部分で興味を引きつけないと、記事自体を読んでもらえません。タイトル(headline)や要約(intro)はトップページやヘッドラインに掲載されるため、最も重要です。インパクトのあるわかりやすい簡潔なタイトルを付けましょう。タイトルは6~8words (90 characters maximum)程度に収める必要があります。熊本大学URA推進室 研究成果の海外国際広報 EurekAlert! を使用した海外国際広報について

レスター大学(University of Leicester)の広報(Press Office)がプレスリリースの書き方(How to Write a Press Release)を詳細に説明しており文章のスタイルを学ぶのに非常に役立ちます。

Journalists are looking for a hook which will form the main focus of their story. They like to know outcomes of research and they prefer a human angle to ensure the story has a public interest. (How to Write a Press Release)

また、英文プレスリリースの書き方の指針、具体例を交えた解説が、「研究成果を世界へ配信:なぜ、どうやって、そして誰が」の発表スライドにまとめられており、自分で英文を書く際に非常に参考になります。例えば下のスライドで説明されている英語プレスリリース(右側)の例では、まず「応用」可能性を真っ先に出して強調し、「組織、関係者紹介」や「成果・背景」をその後に登場させており、日本語のプレスリリース(左側)とは構成が異なっています。

(スライド14 一部改変 出典:研究成果を世界へ配信:なぜ、どうやって、そして誰が)

 

科学記者はプレスリリースをどう見ているのか

プレスリリースは記者の目にとまる必要があります。科学記者のプレスリリースに対する考え方を知っておくことは、記事に採用されるプレスリリースを書くうえで役立ちそうです。

Journalists Comment on Science Press Releases (COMPASSBLOGS):Alan Boyle, Bryn Nelson, Chris Joyce, Ed Yong, Erik Vance, Hillary Rosner, Mark Fischetti, Susan Moran

 

良く書けたプレスリリースから学ぶ

英文プレスリリースの書き方を学ぶ最良の方法は、EurekAlert!や大学のウェブサイトのプレスリリースを実際にいくつも読んでみて、良くかけていると思われるものをピックアップし、書き出し、情報を出す順番、文体、構成などを研究することです。気に入ったものが見つかれば、それをテンプレートにして、自分の研究内容を当てはめてみると書き方の勉強になります。自分の研究に近い論文のプレスリリースを見てみたり、今ニュースメディアで話題になっている研究成果のプレスリリースを探して読んでみるのもよいでしょう。

例えば、こんな感じ。線虫を用いた研究ですが、ヒトに関する話から始めて、スムーズに研究内容につないでいます。

 

プレスリリースサイト

  1. EurekAlert! is an online, global news service operated by AAAS, the science society. EurekAlert! provides a central place through which universities, medical centers, journals, government agencies, corporations and other organizations engaged in research can bring their news to the media. EurekAlert! also offers its news and resources to the public. EurekAlert! features news and resources focused on all areas of science, medicine and technology
  2. EurekAlert!日本語版
  3. AlphaGalileo is a trusted independent business to business service for the research and media communities. Our Service is based on three fundamentals: the widest range of research topics, many types of news material, and a multilingual friendly service that delivers the services demanded by our users. As well as science, medicine and technology we cover social science, humanities, arts and high-tech business
  4. ResearchSEA is Asia’s first research news portal, a one-stop centre where journalists and the public can access news and local experts from the research world in Asia. Since 2004, ResearchSEA has been helping research institutions and connecting research in Asia with the global community. We can turn complex research papers into compelling press releases, distribute them to journalists, monitor your news coverage, train and inform researchers on the media, and more.
  5. Newswise  is where journalists choose, connect,and use smart news. A free newswire for journalists.  A press release distribution service for public relations professionals.

 

EurekAlert!(ユーレックアラート)で英文および日本語のプレスリリースを投稿

別の記事にまとめました

⇒ EurekAlert!(ユーレックアラート)の利用方法とよくある誤解について

 

主要な大学・研究機関の英語プレスリリース・研究ニュースサイト

  1. Caltech research news
  2. MIT News
  3. Japan Science and Technology Agency (JST) Press Rleases
  4. 高エネルギー加速器研究機構(KEK)プレスリリース(英語)
  5. 沖縄科学技術大学院大学(OIST)プレスリリース(英語)
  6. 大阪大学研究ニュースResOU(英語)
  7. 東京大学研究ニュース(英語)
  8. 京都大学研究ニュース(英語)
  9. 理研プレスリリース(英語)

 

英文プレスリリースに必要なネイティブチェックをどうするか

RIKENやOISTのように外国人の比重が大きい研究機関は英語のネイティブが多いのかもしれませんが、普通の大学の場合、プレスリリースの英文校正が頼めるようなネイティブが学内に存在しません。これが、英文リリース発信のハードルを上げているのではないかと思います。もちろんお金を払えば英文校正サービスは多数あります。

英文校正エナゴでは、お客様の研究成果を世に広め論文の引用(サイテーション)を飛躍的に増やす、コンテンツ編集パッケージサービスをご用意しています。プレスリリースやコンテンツライティングの経験豊富なエナゴのスタッフが、研究成果にふさわしい評価を得るお手伝いをさせていただくサービスです。サイテーションブースターでは3つのサービスをご用意しています。プレスリリース作成、簡潔なアブストラクト作成、ツイッター投稿文作成です。

納期 7営業日 料金 44,000円

サイテーション(被引用数)ブースター Enago enago.jp)

 機関の研究成果を国際的にアピールできる英文プレスリリースを作成します。同じ分野の研究者だけにとどまらず、広く一般の人々の関心を惹きつける内容を意識し、制作いたします。 プレスリリースに含まれる内容 タイトル サブタイトル プレスリリース本文(内容に応じ、200~400ワード程度で作成)料金 1本 50,000円(税別)(エダンズの英語版プレスリリース作成サービス)

研究費が潤沢にあるラボならこういうサービスが利用できますが、多くの研究室にとってこのような費用の捻出は困難でしょう。ラボに負担させず、大学が研究支援のための英語ネイティブスピーカーを雇用する制度が整備することが望まれます。

 

参考

  1. Working with Public Information Officers Dennis Meredith, North Carolina: Glyphus, 2010| 広報とのつきあい方 デニス・メレディス 著(2010) 飯島由多加 訳、岡田小枝子 編(2014)
  2. 熊本大学URA推進室 研究成果の海外国際広報 EurekAlert! を使用した海外国際広報について 研究成果が出たら、いち早く世界に向けて発信しませんか? 支援したプレスリリース一覧
  3. 研究成果を世界へ配信:なぜ、どうやって、そして誰が  RA協議会第1回年次大会・2015.9.2 今羽右左 デイヴィッド 甫(KURA)、小泉 周(NINS)、倉田 智子(NIBB)スライド60枚  http://slideshowjp.com))
  4. ISCWサマースクール2015 国境を越えて:効果的な国際科学広報発信とは 沖縄科学技術大学院大学(OIST)・科学技術広報研究会(JACST) 2015年8月15日(土)・16日(日)
  5. 平成27年度第1回大学研究力強化ネットワーク・カンファレンスを開催(2015/5/29開催)
    EurekAlert!の概要説明(AAAS EurekAlert!担当マネジャーBrian Lin) 資料
    EurekAlert!事例紹介 東京大学 特任研究員 高祖歩美、特任研究員 Euan McKay 資料
    事例紹介2 OIST コミュニケーション・広報ディビジョン・メディアセクションマネージャー 名取薫 資料
    事例紹介3 広島大学 シニアURA 三代川 典史資料
    国際科学広報ワークショップ2015報告 沖縄科学技術大学院大学 准副学長 森田洋平資料
    ResearchSEA 日本特派員 角林元子資料
    「英文ブレスリリース解剖劇場:更なる深層」 京大 国際・広報担当 シニアURA David H Kornhauser)資料
    英文プレスリリース作成のための学内個別アンケートのフォーマット 東京大学 資料
  6. 岡田 小枝子, 名取 薫, 小泉 周  国際科学広報に関するワークショップ2015 情報管理 Vol. 58 (2015) No. 3 p. 224-227 (J-STAGE)
  7. AAAS広報担当者とEurekAlert! の活用に関する意見交換会を開催(2015/2/15):”英文プレスリリースに関しては、日本語プレスリリースの単なる翻訳ではなく、英語文章表現に適した構成で書かれた方が効果が高い”
  8. How to Write a Press Release(レスター大学University of Leicester)
  9. How to write a press release (America nSociety for Biochemistry and Molecular Biology, ASBMB)
  10. “Extra! Extra! Read all about it!”: Science writing for press releases
  11. Press release guidelines for scientists (spacetelescope.org)
  12. Guest Post: Writing a press release – a guide for researchers Published 03/09/2009
  13. 研究成果の「誇張」は、プレスリリースにもある(ライター:粥川準二  エナゴ学術英語アカデミー):”ニュースが誇張されていたり、センセーショナルだったり、警告的だったりすることで、メディアやジャーナリストを非難することがよくあるが、われわれの知見の核心は、調査で見つかった誇張のほとんどは最初からメディアで生じたわけではなく、研究者や彼らが所属する研究機関が作成したプレスリリースの文章にすでに存在していた、ということである。”
  14. The perils of Science by press release: ‘overly exaggerated presentation of research findings’ Anthony Watts / June 8, 2014
  15. Exaggerations and Caveats in Press Releases and Health-Related Science News (PLOS ONE)
  16. Science Press Releases: Good, Bad or Zombies? Friday, January 18, 2013
  17. Taming Beastly Press Releases 11 September, 2012 by Liz Neeley
  18. Communicating Science: Press Releases at EHP

 

その他

  1. サイエンスポータル ニュース・プレスリリース
  2. 研究者のための科学広報入門(基礎生物学研究所 広報国際連携室)

 

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リジェクトへの怒り・落胆【論文を出す力】

研究者には論文を書く能力が必要ですが、それだけでなく、論文を世に出す(=アクセプトに漕ぎ着ける)力も必要です。両者は重なる部分もありますが、質的に全く異なります。論文を書くうえで重要なのは知性ですが、論文を出すときに重要なのはリジェクトされたときの落胆、怒り、失望、疑念などの感情をコントロールする力、揺るぎない信念、状況を見極める客観性や判断力です。

リジェクトに対する心構えが出来ているだけで、受けるダメージ及び回復力が変わってくると思いますので、これから論文を出す人の参考になりそうな記事を紹介しようと思い立ちました。また、結果だけを見ると、みんな順調に論文を通しているように思えるかもしれませんが、実際には、他人には想像がつかないような苦労の末になんとかアクセプトまで漕ぎ着けたという場合がほとんどです。そんな論文出版の苦労を分かち合える記事を、以下に紹介します。

折れない心

何年もかけてやってきたプロジェクトの成果が、辛辣なコメントともにリジェクトとなった場合は、自分の研究者としての能力を否定された気分になり、相当なダメージを受けるが、折れないタフな心をもってアクセプトになるまで戦い続けるしかない。 …

散々追加実験を頑張った上での再投稿にも関わらず、やはりリジェクトとなった場合は時間的にも精神的にも相当ダメージは大きく、また半年〜1年前にもどって別のジャーナルにいちから投稿し直しとなる、、、 (有名ジャーナルに論文が掲載される意義 IMAYOSHI LAB 2013年11月22日)

最近、友人の一人の論文が、Natureにacceptされたのですが、それが実にすさまじい闘いだったのです。彼が最初の論文を書き上げたのが、3年ほど前。まず、Natureに送りました。Editorial kickにはならず、レビューに回りましたが(トップジャーナルでは、レビューに回るだけでも凄いのです)、rejectされました。レビューアーからのコメントがあったため、追加実験を行って全てのコメントに答えた上で再投稿した。しかし、結果はやはりreject。そこで、彼はScienceに投稿しました。Scienceでもレビューに回りましたがreject。これだけでも凄すぎるのに、これからが彼の凄いところでした。Scienceで得たコメントで指摘された点を改善し、なんと再びNatureへ投稿。再びレビューに回るも、reject。再実験を重ねた上、レビューアーのコメントに答えて、Editorへ抗議。その後、結局、acceptされたのです。(Never give up! Alltid Leende April 22nd, 2013

まず青い方からこの表をみる。サイエンスの689というのは、最初の投稿先がサイエンスでそのままサイエンスに採用された論文が689報あるということである。サイエンスに蹴られてnatureに採用されたのが82報あるということ。しかしcell誌にはサイエンスリジェクト論文は一つも載らなかった(natureリジェクト論文も載っていない)。(サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載る・・・ がんの分子腫瘍学・遺伝学 2012年10月22日)

 

批判を受け止める力

Coping with publication rejection is a key skill for any academic. It can require emotional fortitude, an ability to profit from criticism, and, sometimes, negotiating skills. Many papers in the scientific literature were initially rejected, often sparking vigorous scientific discussions before their eventual publication, whether in the same journal or a different one. (Riding Out Rejection By Kate Yandell The Scientist March 1, 2015)

 

リジェクトされた時にやるべきこと

一度リジェクトされただけであきらめてしまうのは、マラソンを走りながら、ゴールのわずか数センチ手前であきらめてしまうようなものだ。もし著者が掲載に強い意志を持っているならば、次に取るべきステップは、リジェクトのレターにあるコメントすべてを正確に理解することである。 (原稿がリジェクトされた時の対処法 根拠と経験に基づく見解 Karen L. Woolley, PhD; and J. Patrick Barron, BA. CHEST 2009; 135:573-577. Ronbun.jp 大鵬薬品工業株式会社)

論文を書き上げることとそれをアクセプトさせることには、恋愛と結婚ほどの違いがある。論文を書き続ける限りリジェクトとのつきあいは切れないと 思った方がよい。私の場合、二本目の論文がリジェクトされて、それはそのままお蔵入りとなった。思えばその時、それから合計 33 回もリジェクトされるようになるとはちょっと想像していなかった。最初のリジェクトの時には、自分の人格が否定されたようでずいぶん落ち込んだ。もちろん 今でも、リジェクトされたときのショックは大きい(とくに、一週間に二度リジェクトの手紙をもらったときなど)。しかしものは考えようで、リジェクトされたとは思わないようにしている。つまり、どこかの大先生に論文を読んでもらったのだと思うことである。たいていの場合、その論文のどこがいけないのか指摘 が付いてくる。それらを参考にして論文を改訂し、別の雑誌に投稿すればいいだけの話だ。(これから論文を書く若者のために 改訂第二版 1999.1.21. ver. 2.1 酒井 聡樹 )

 

リジェクトという名の授業料

論文に限らず、拒絶されるのは自分を見直す良い機会だと思います。

研究者、とくにチームのリーダーは、人から学ぶ機会が少なくなるものである。レビューアーのコメントの中には、書いた本人が気づかなかったような議論がなされていることがある。そして、論理の展開に落とし穴があることが指摘されている。そのような議論をクリアするために、追加実験を行い、実験結果を見直すと、新しい発見が生まれてきたことを経験している。また、確実な論拠を得て、論理の展開がしっかりしたものとなり、論文の価値が高まっていくのを実感することがある。レビューアーの中には、ここまで結果を出せば論文になるよと、到達目標を提示してくるケースがある。このような到達目標の多くは、研究者にとり、難度の高いものである場合が多い。「それができれば苦労しない」というわけである。しかし、ここで一念奮起をしてみると、目標を絞っているものなので、意外と短期間にブレークスルーしてしまうことがある。そうなるとレビューアーさまさまである。このような「良い」レビューアーは、まさに教師である。リジェクトという高い授業料を払う価値があるものでもある。査読に関する理想と現実

 

15回リジェクトされた論文

Lynn Margulis (1938-2011)

Her ground breaking endosymbiotic theory paper, which suggested that eukaryotic organelles have evolved from the symbiosis between multiple prokaryotic organisms, has been rejected by no less than 15 journals, until it was finally accepted by the Journal of Theoretical Biology. Prof. Margulis kept submitting her revolutionary paper again and again because she knew she’s right and believed in her hypothesis. (“I am sorry to inform you” or how to deal with paper rejection. labguru.com December 03, 2012 By Chen Guttman)

 

リジェクト:苦難の始まり

最初の投稿から、すでに8ヶ月が経っていた。その後、別の雑誌に投稿し直してレビューされている最中に、ほんの少しだけ僕たちの仕事に似た論文が別の雑誌に出た。僕はその論文にはすぐに気がついたが、内容は一見似ていたが完全に違っていたので、全く影響はないだろうと思っていた。しかし、それは甘かった。(苦労の論文 2005年12月01日 ハエが星見た maplefly.exblog.jp)

 

アクセプトまでの苦難の道のり

それはもうここでは語り尽くせないほどの苫難の道のりでした。先ほどのCCS と油田の 研究は最初Natureに投稿しましたが,案の定, 3 日後にEditor reject されました。 … このEditor rejectを教訓にcover letterを徹底的に改定した後,次に投稿したのが Scienceでした。… 3 名のReviewer に回った結果のrejectでした。… わずか1 週間程度で必死に論文の改定と原稿よりも分厚いrebuttal 文書を作成してEditorに送り付けた結果, 再審査が 認められました。… Editor からの 返答は追加3名計5 名!のReviewerによる審査の結果, ポジティブが2 名,ネガティブが2 名, 超ネガティブが1名でのrejectでした。Reviewerが5人というところも驚きでしたが,超ネガティブなReviewerのコメントにはさらに驚かされ,A4 紙5枚に渡るコメントを頂き,最後に「まだまだ言いたいことは沢山あるが, もう疲れた」と書き添えられていました。… 半年間にも及んだScieneとの戦いもここで幕切れとなりました。 その後,仕方がないので次はPNASに出すかという気持ちが完全に間違いでした。原稿に「Scienceでいい所まで行ったんだぞ」といううぬぼれが出ていたのだと思います。あっさりとEditor rejectされました。… それからは気を入れなおしてNature Geoscienceを経由してNature Communicationsに投稿し,最終的に掲載が決定したのはNatureに投稿してから1 年半が経過していました。実のところ Natureにreject された時にNature Communicationsへの投稿を推薦されたのですが, この時に投稿してもアクセプトされなかったと思います。Scienceとの戦いで論文のクオリティ ーが上がったことは間違いなく,そう思うとあの時の戦いは無駄ではなかったと思っています。(CiNii地圏微生物学のおはなし〜論文投稿の厳しさと優しさ〜 Japanese Society of Microbial Ecology 微生態和文誌30巻1号)

 

2年にわたるNatureとの戦い

そこで、満を持して再投稿。今回はいけるんとちゃうか、という強い期待。そして……。平成26年1月16日、ドキドキしながらNatureからのメールを開けたところ、ああ3回目のreject。机の上に倒れ臥した。しばらく起き上がれなかった。… ほぼ倒れそうになりながらも、追加実験を行い、再投稿してみたが、「Yasu、もうリバイスももう4回目だし、Natureとしてもこれ以上この論文を扱うことはできない」とEditorから最終通告。再度、翻意を促すメールを送ってみたが、残念ながらゲームセット。2014年3月14日、2年にわたるNatureとの闘いが終わった。正直言って、Reviewerに恵まれなかったのが痛かった。… 3回目のリバイスの時に、laser ablation実験データについて、異なる記載をしていたらReviewer 3は追加実験を求めなかったのではないか。そもそも、最初の投稿時に、もっとデータを付けてから投稿するべきではなかったのか。色々な思いが胸をよぎる。YASUの呟き No. 10 激闘の果てに

 

論文投稿の苦しみ

論文投稿の苦しみ   2003年の冬頃だったと思いますが、ずっと研究してきた成果として、Natureに投稿しました。… 私の論文は、投稿から1週間以内にリジェクトされました。… 私の論文は、2-3週間かけて文面を書き換えて、Scienceに投稿しました。残念ながら、こちらも1週間でリジェクトされました。次は、順番通りCellです。Cellはフルペーパーなので、Figureの数量を増やしたり、章立てを見なおしたりといった大改訂が必要となり、投稿準備に数週間を要しました。この時点で既に季節は春を迎えていました。Cellへの投稿は、査読され、ネガティブコメントは多かったもののリバイズの機会まで辿り着きました。… この結果が来たのは既に初夏になっていました。そこから何としても論文を通したいと、追加実験を行うものの、狙ったデータが思い通りに出ません。… 苦し紛れに論点を変え、結論をやや弱くして再提出しました。残念ながらCellへの再提出もリジェクトとなりました。Cellに投稿した日から半年、Natureに出してからは1年の時がかかっています。当時の私は、研究の本質は何も進歩しないにも関わらず、1年経っても論文が通らないという日々に葛藤していました。「もうブランドジャーナルでなくて良いから論文として終わりにしたい」気を抜くとそんな弱音が出てしまう状態でした。しかし、私の上司が選んだ次の投稿先は、Natureの姉妹誌、Nature Cell Biol.(NCB)でした。… NCBの査読結果はCellと同様に、ネガティブなリバイズ。数ヶ月の追加実験をして、再提出したもののリジェクトでした。(medister Dr’sブログ 学術論文事業を始めたきっかけ ~オープン・アクセス学術誌立ち上げ記 ゼネラルヘルスケア 竹澤慎一郎 )

 

努力と結果

博士課程1年のとき、それまでの研究をまとめて『Cell』に投稿した。結果はエディターによるリジェクト。学位の取得を優先して論文のランクを下げたいと思ったが、武藤教授は実験を追加してもう1回『Cell』に出そうと言う。1年間努力し、コメントに応えるデータを出して再度投稿したが、またリジェクトされた。リジェクトを繰り返す中、上田泰己氏や木村暁氏のような優秀な人たちの活躍を論文などで知り、「自分なんかがこの世界で生きていくのはとても無理だ」という思いがあった。転機となったのは、2回目のリジェクトの後のことだ。次にどうするかについて、武藤教授は迷われていた。そこで青木さんは、いろいろな雑誌を見て、『Nature Genetics』に出しましょうと提案した。それほど下がっていないハードルに、厳しいのではないかとも言われたが、さらに実験を追加して博士課程3年の6月に投稿。すると、予想もしていなかったほどスムーズに、10月には受理されたのだ。「最初に『Cell』に蹴られた後、1年間必死に実験を行ったことが論文掲載というかたちで認められて、研究を続けてもいいんじゃないかという気持ちを少しもてるようになりました」。(制がんを目指して、真摯に研究に取り組み続ける (1)福井大学 医学部医学科 教授 青木 耕史さん jst.go.jp 科学者としての働き方。

 

Shooting for the moon

Nature reject → Science reject → Nature Chemical Biology reject → Nature Communications 2 vs 0でアクセプト,という経緯を辿りました.実験できるドクターが3人もこの研究に関わっていたし,内容が内容なのでNatureは当たり前,何か良からぬ事が起きてダメだったとしてもNature姉妹誌が下限レベルだと思っていました.結局その滑り止めの一つであるNature Communicationsに落ち着いたんですが,嬉しいというよりむしろ残念な結果となりました.(12 生きた細胞内の温度分布測定 詳細  内山聖一 研究内容)

初稿にあたる論文は、Natureとその姉妹紙、Science、そしてCellとエディターにリジェクトされ続けました。まあ、これはある程度想定の範囲内です。そして、ようやくMolecular CellというSopko2006が掲載された科学誌で、レビュー(審査員による査読)に回りました。カバーレターで、Sopkoらの論文を引き合いに出して「彼等の結果を覆す」と主張したおかげかもしれません。しかし、帰ってきたコメントはよいものではなく、エディターによってリジェクトという結論が下されました。

リジェクトしてきた審査員の1人は、どうもトロントのグループに近い人だったようで、「この仕事はSopkoらの仕事を否定するものではなく、補完的なものである」というコメントがありました。そう、私たちの戦略は見事に失敗したのです。自分の学会発表がそうであったように、私はこれまで闘いを挑むような論文を書いたことはありません。今回は御大にそそのかされて(?)、自分に出来ないことをやってしまったようです。そこで、論文の主旨を1から作り直しました。

真面目にSopkoらの仕事も引用し、比べ、私たちとの研究の違いを書きました。すると、実際にSopkoらの仕事が私たちの仕事と補完的な仕事であることが、私にも分かってきたのです。トップジャーナルに載せようとするばかりに見るべきところが見えていなかった、初稿の論文はいろんな意味で不完全でした。私の論文執筆能力が十分でないからなのかもしれませんが、これまでたいていの場合、初稿で書いた論文がリジェクトされて、繰り直し書き直して満足のいく論文になります。すんなり通ってしまったら不完全なものが発表されてしまう、それよりはいいのかもしれません。

さて、書き直した論文は、Genome Research誌に投稿しました。これは、ゲノム研究ではトップのジャーナルです。科学誌はしばしば、「インパクトファクター」と呼ばれる、どれだけその科学誌に掲載された論文がその先に引用されているかという指標をもとに評価されます。この指標には賛否両々論あるものの、やはりそれなりに、それぞれの科学誌に掲載される難しさ、要求するスタンダードの高さを反映しています。

今回の論文については、私はインパクトファクター10以上の科学誌に絶対に掲載するつもりでした。泥臭い話ですが、たくさんの研究費や人材をつぎ込んでもらったし、結果もしっかりとしたものが得られている。あとは私ががんばるしかない。この論文が「よい科学誌」とよばれるものに掲載されないのだとしたら、私の責任以外のなにものでもない。そういう意味では、インパクトファクター13以上のGenome Research誌は、次の候補としては適切だと思われました。(第4章:gTOW6000を世にはなつ HM’s webpage 2013-01-22)

 

味方を得てアクセプト

いよいよ、Nature に投稿されて……。古寺氏: はい。2009年10月のことです。でも、すぐには載らなかったのです。インパクトのある成果だし、推敲も重ねたし、論文には自信がありました。しかし、いきなりエディターリジェクト。紋切り型のお断り文章をもらって、かなりがっかりしました。どうしていいかわかりませんでしたね。… 仕方なく、次にScience にも投稿してみたのですが、これもエディターリジェクトでした。そこで、時間をかけてもう一度論文を推敲し直しました。どうしたらインパクトのある論文に仕上げることができるのだろうかと、文字通り昼も夜も考えながら。そしてその成果を、もう一度Nature に投稿したのです。2010年5月に、Letterとして。しかし、それでもまた、エディターリジェクトでした。

もうダメだと思ったのですが、安藤教授が、ミオシン研究の世界的な権威の研究者に見てもらおうと、論文を送ってくださったのです。筋肉の研究で有名な方と、ミオシンVの研究で有名な方です。そうしたら、その2人とも大絶賛してくれて。そのうえ、Nature のエディターに推薦の手紙を書いてくれたのです。… とうとうエディターから、「考え直したら、確かにすごい内容です」という連絡が来て、論文をレフリーに回してくれることになりました。そこからは、とんとん拍子でした。(動くミオシンの撮影に成功! 古寺 哲幸氏 Nature著者インタビュー2010年11月4日)

 

自身を客観的に見る

何回かリジェクト食らってたみたいですが、ストーリーを変えて、本人も納得した形になって投稿したら、好意的なコメントが来て、追加実験をいくつか加えたら、それなりにいいジャーナルに驚くほどあっさりと受理されたようです。ストーリーがやっぱり大事ですね。データをいっぱい出したい気持ちや、本当のいきさつをさておいて、読者が読んですんなり納得できる、無理のないストーリーにまとめるのが大事です。結局Reviewerも主張が裏付けられているかどうかを判断するだけで、筋が通っていたらそれ以上の批判は難しいものです。(研究雑話(1)Wunderbarな日々 2017-03-13)

 

私はリジェクトが好きだ

諸君 私はリジェクトが好きだ
諸君 私はリジェクトが好きだ
諸君 私はリジェクトが大好きだ

瑣末な批判が好きだ
追試要求が好きだ
データ追加が好きだ
検定やり直しが好きだ
大幅改訂が好きだ
文献追加が好きだ
図表削除が好きだ

Natureで、Scienceで
Cellで、PNASで
EmBioで、C.B.で
科研費で、学振で

この地上で行われるありとあらゆるリジェクト行動が大好きだ

文献をならべたレビューの一斉発射を無意味として査読無しでリジェクトするのが好きだ
再投稿された論文をリジェクトさせた時など心がおどる

(風流記 2007年10月5日 参考:「諸君 私は戦争が好きだ」)

 

リジェクトするときに使える英語表現

  • We regret to say that ~
  • We regret to inform you that ~
  • We regret that we are unable to publish it in XXXX.
  • We regret to say that we will not be able to accept this manuscript for publication in XXXX.

 

リジェクトの味

参考

  1. “Inside Nature” ―Nature誌編集の舞台裏(?) (かたつむりは電子図書館の夢をみるか 2008-06-21) 去る6/19、筑波大学若手イニシアティブセミナーとして行われたNature ジャパンのエグゼクティブディレクター、中村康一氏の講演会に行ってきました。… 「どんなに質がいい論文でもNatureとして興味持てなかったら落とす」とのことで、過去にはこの段階で後にノーベル賞を受賞する論文を落としてしまったこともあるそうだけど、未だにそのスタイルは崩していない、と。… ただ、ここでも他の学術出版と違うのは、査読者はあくまでコメントを求められるだけで、最終的な掲載の可否は全部編集者が決める、とのこと。
  2. サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載る・・・ (がんの分子腫瘍学・遺伝学 2012年10月22日) サイエンスの689というのは、最初の投稿先がサイエンスでそのままサイエンスに採用された論文が689報あるということである。サイエンスに蹴られてnatureに採用されたのが82報あるということ。しかしcell誌にはサイエンスリジェクト論文は一つも載らなかった(natureリジェクト論文も載っていない)。
  3. Nature Geoscienceからリジェクト、その反省と分析 (黒猫の旅 2013年9月18日)
  4. 論文がRejectされた時。~戦うべきか、否か、それが問題だ~ YASUの呟き No. 15
  5. 論文が却下されました – どうしたらよいでしょうか? (Ben Mudrak, PhD American Journal Experts):”3つめのオプションが最も一般的です。査定者から受け取ったコメントを慎重に考慮して、論文を修正して、別の雑誌に論文を投稿します。”
  6. 8 Scientific Papers That Were Rejected Before Going on to Win a Nobel Prize (Science Alert FIONA MACDONALD 19 AUG 2016)
  7. 論文リジェクトの種類 (むしのみち 2010-05-08):”リジェクトは研究者にとっての試練のようなものですが*1、どんな種類があるのか、自身の研究をもとにまとめておきたいと思います*2。”
  8. regectされた時のモチベーションの高め方というものを教えてください。(論文がregectになりました 教えて!goo 質問者:cueda 2005/08/05)

 

 

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研究生活ハック(1) 挨拶をすることのススメ

理系の研究者はコミュニケーション能力が低いとよく言われますが、実際には、成功している研究者のコミュニケーション能力は、むしろかなり高いと思います。なぜなら、コミュニケーション能力が高くないと研究成果を挙げることが難しいからです。大学院生やポスドクにとって、ボスとのコミュニケーションは非常に大事ですが、同僚と仲良くやっていく能力も欠かせません。特に、一つの論文を書くのにさまざまな実験データを要求されるようになった現代においては、同僚の協力なしに良い論文を仕上げるのはほとんど不可能です。日頃のコミュニケーションが良くとれていれば、実験方法を教えたり、相手のために実験してあげてデータを渡したりといったことが、お互いに気持ちよくできます。自分の実験がどつぼにハマッた場合にも、一人で抱え込まずに気軽に周りの人に相談してみると、問題があっさり解決することがあります。

研究で成功するためには、常日頃からラボ内でみなと仲良くしておき、集合的な頭脳でもって研究のゴールに立ち向かうほうがよいのです。

さて、コミュニケーションの基本が、挨拶です。

研究室における挨拶

日本のラボでは、朝や帰りの挨拶をしなくてもよいという雰囲気の研究室が多数あります。新入生は、挨拶がないことが当たり前の研究室には戸惑いを覚えるようです。

B4のときの研究室はなぜかあいさつのない研究室だった…4月ごろには居室に入るときに「こんにちは」とか言っていたのだがD3やD2から「うるさい」というような目つきで睨まれて怖くて挨拶ができなくなった (おはよう】挨拶すらしない学生【こんちは】 26 : Nanashi_et_al.[sage] 投稿日:03/08/13 09:23)

配属予定の研究室に通い始めているのですが、挨拶がないことに戸惑っています。来たときも帰るときも、部屋の中で声を出して挨拶する人はいません。私も、最近は周りに合わせて挨拶をしなくなってしまいました。(研究室での挨拶 tri_mod_36 教えて!goo質問日時:2014/03/26)

挨拶に関しては個人の考え方や性格の差が大きくて、研究室でもきちんと挨拶する人はいますし、挨拶がないことを気に留めない人もいれば、内心快く思わない人もいます。挨拶が出来ない人は誤解されやすくなり、状況に応じた挨拶ができる人は、認められやすくなります。

俺もb4だけど、研究室での自分の立場を考えてとりあえず朝きたら挨拶はしてるよ。 でも、「お先に失礼します」は言わないな。 早く帰るのがばれちゃうからw (おはよう】挨拶すらしない学生【こんちは】 57 : Nanashi_et_al.[] 投稿日:03/09/23 10:04)

理工系M2の者です。最近、同じ研究室に居ながら来ても挨拶すらしない学生がいるんですが、研究室の雰囲気も悪くなるし困ってます。常にこちらからしているのですが、たまにこっちが気づかないと黙って机に向かってます。 (【おはよう】挨拶すらしない学生【こんちは】1 :Nanashi_et_al.:03/08/07 12:57)

挨拶をしない理由はひとそれぞれです。

大学の研究室のメンバーに挨拶をしない人がいます。その人は挨拶もしないで、こっそりと研究室に来て、こっそりと帰っていきます。… この人は先輩と自分の仲の良い友達だけには挨拶をするのは聞こえるのですが、私のような話をしたこともない人には全く挨拶もしないし、無視するようです。(hazhkiさん YAHOO!JAPAN 2011/6/20)

「挨拶運動」をしている。ここへ来てから4年目だが、ず〜っとやっている。学内ですれ違う学生のほとんどに挨拶するというもの。…しかし、こちらから挨拶して返してくれる学生は、おおよそ3割。自ら進んで挨拶する学生は、ほぼゼロ。…まずは、挨拶をできるようになること。これなしには、何も始まらない。以前学生に聞いたことがある。君達はなぜ挨拶しないのかと?すると、教員や職員が挨拶しないからと返事が返ってきた。tr.yamagata-u.ac.jp

ある学生が、これ以上ないというほど簡潔に理由をまとめてくれた。「恥ずかしいから。」「相手にあまり興味がないから。」「警戒しているから。」「面倒くさいから。」 (挨拶しない子供 学生の回答から考える 2004.07.15)

大学ではどうであろうか。以前に勤めていた上智大学(千代田区)では、学生から学外はもちろん学内でも、挨拶されることはほとんどなかった(ゼミの学生でも、教室外で知らん顔されたことがある。それだけ都会化している)。今勤めている「敬愛大学」(千葉市稲毛区にある)の学生から、ゼミの学生以外でもよく挨拶される(「小中高でそのようにしてきたの?」と聞くと、「そうです」という答えが返ってきた。「家の近くでも近所で知らない人に会ったら挨拶するの?」と聞いたら、「知らない人はいません。皆顔見知りです」という答えが返ってきた。)アメリカ人が、エレベーターに乗り合わせたり、行き違う人に笑顔でよく挨拶するのは、フレンドリーであるのではなく、「私はあなたに危害を加える人間ではありませんよ」というメッセージを発している為、という解釈を読んだことがある(藤原新也『アメリカ』だったと思う)(挨拶について takeuchi 2013年10月10日)

こちらが挨拶をしたのに相手から挨拶が返ってこないと残念ですが、実は、こちらの声やアクションが小さすぎて相手が気付かなかった可能性もあります。咄嗟に返せなくて、向こうはむこうで気まずい気分を味わっているかもしれません。あるいは、本人的には挨拶を返したつもりなのだが、そのリアクションがあまりにも小さすぎて、こちらが気付けなかったのかもしれません。何か他の事で頭が一杯で、周りのことが何も目にも耳にも入らない状況なのかもしれません。単に、他人への関心が一切無い人なのかもしれません。

挨拶って難しいですね。個人的な意見だけど、挨拶はするけど見返りは求めないが私のスタイルです。世の中にはいろんな人がいて、いろんな空間で生きている人がいると思うので、挨拶をしても体調や気分が優れなかったり、考え事があり返せないときもあるだろうし、自分を嫌いで返さないこともあるだろうし、挨拶を知らない人もいるだろうと思っています。不快に思うかは思わないかには個人差があると思いますが。私自身の考え方がズレていることは重々承知していますが、ちっぽけな人生経験の中で体験してきて、老若男女問わず挨拶をしても返さない人がどれほど多いことか。最初は心を病むくらいに悩みましたが、相手はそれほど気にしていない様子で。そのうち気にするのが馬鹿らしくなり、挨拶はするけど見返りは求めないようになりました。笑顔で挨拶していればそのうち良いことがあると思 います。 (おはよう】挨拶すらしない学生【こんちは】 157 : Nanashi_et_al[] 投稿日:2007/10/12(金) 22:36:08 )

なぜ挨拶をすべきなのか、挨拶を場合としない場合の心理の分析により得られた理由が、下の投稿にうまくまとめられています。

挨拶とは
人間は挨拶をしていないのにいきなり親しげに話されると、その人を図々しく感じるものだ。
人間は挨拶をしないと関係がなんかギクシャクし、ストレスがたまり、だんだん距離が離れていくものだ。 そのギクシャクがなんともいえず不快だ。自分が気持ちよく過ごすために挨拶は必要だ。 人間関係というのは挨拶をすべき距離にいるのにほっとくと、次に会ったときは必ず前回より関係がギクシャクしている。
挨拶というのは別に相手に好かれるためにするのではなく、 自然と離れていってしまう人間関係をつなぎとめるというだけにするものなのだ。
それに挨拶をすることによって自分の居場所がそこに形成され、過ごしやすくなる。 挨拶というのは別にその人と友達になるというわけや、 下手に出てご機嫌を伺うとかではなく、自分という者を周りの人間に知らしめ、自分の居場所をそこに作るためにするものなのだ。
挨拶というのはその人に対し私は敵意がありませんよということを伝えているのだ。 挨拶をしないと相手は俺が敵なのか味方なのか分からなく、心理的に不安になる。 挨拶をすれば相手はリラックスし、自分もリラックスする。人間リラックスしていないと良い人間関係は築けない。 また挨拶をしない人というのは誤解されやすく、つらい生き方をする羽目になる。
挨拶をすると気が楽になる、挨拶は人生の基本だ。 これからはめんどくさがらずに挨拶をしよう。 (おはよう】挨拶すらしない学生【こんちは】 91 : Nanashi_et_al.[] 投稿日:04/05/27 00:55 )

いっそ、挨拶をラボのルールにして明文化してしまえば、シャイな人にも挨拶してもらえそうです。

残念ながら本学でも、朝の挨拶すらまともにできない大学生が増えています。無言のまま着席し、夕方頃にまると無言のままスーッと実験室から出ていく(帰宅)。その様子はまるで幽霊です。大学生以前に、人間としてどうかという問題です。両研究室では挨拶は必修科目ですので、これができない方は配属を希望しないでください。(山口大学農学部 土壌・環境微生物研究室)

具体的な挨拶の言葉を学びましょう。

あいさつはとっても大事です。声を出すと元気が出ます。騙されたと思ってやってみましょう。研究室きたら、”おはようございます”、”こんにちは”。帰る時は、”お先に失礼します”です。(研究室マニュアル)

廊下ですれちがう近所の研究室の方にも、”おはようございます” ”お疲れ様です”と、声に出していうことは重要です。よい成果をだしている研究室の人は必ずできているように思います。研究室内でも、朝きたとき、帰るときに”おはようございます””お先に失礼します”と、いうことは重要です。(研究室での生きるすべ 女性教授奮闘記 from Toyama 2010.12.26)

  • 研究室に登校してきたとき「おはようございます。」
  • 研究室から帰宅するとき「お先に失礼いたします。」
  • 他の人が登校してきたときに「おはようございます」と言って来たら「おはようございます。」
  • 他の人が帰宅するときに「お先に失礼します」「お先です」と言って来たら「お疲れ様です。」
  • 研究室外ですれ違ったときは会釈。(防御的研究室生活の手引き 2010-02-07 発声練習)

ちなみに大学の研究室だけでなく、コンピュータープログラマー、SEの業界にも、挨拶をあまりしない傾向がみられるようです。

SEさんって、あいさつしないんですよね。朝イチ、「おはようございます。」と挨拶すると無言で通り過ぎて無言で席に着いてしまいます。普段から無口で無愛想な人というわけでもなく、ただ挨拶しないんですよね。どうしてなんでしょう? …私の見る限りでは、新人の頃はみな元気よく挨拶していますが、だんだん挨拶しなくなっていきますね。だんだん挨拶しなくなってしまうのは、誰からも反応もなかったり(といっても、扉を開けて全体に向って挨拶みたいな形だと誰に対してというのでもなく挨拶する感じなので、誰が返すべきなのかを迷うのでリアクションない場合もあるのは仕方ないと思いますが)、無闇に元気よく挨拶して周囲の邪魔をして煙たがられて空気を感じてだったり、まぁいろいろだと思います。(どうしてSEやPGはあいさつしない人が多いの? @IT 2008-08-20)

毎日の挨拶も大事ですが、初めてラボに入るときの挨拶もまた大切です。大学院生として研究室に新たに配属されるとき、ポスドクとして新しいラボに入るとき、あるいは実験を学ぶために短期間、よそのラボに派遣されるとき、最初の挨拶をきちんとできるかどうかで、ラボの人たちに快く受け入れられるかどうか、その後の本人の居心地の良さが変わってきます。ラボに新しく来る人のことを教授がラボメンバーに伝えていなかったために、ある日突然見知らぬ人がラボにいて机に座っているという光景があります。自己紹介をしないでいると、非常にぎこちない状況になってしまいます。教授が自分をラボの人に紹介してくれるのを待たず、積極的に、自分からラボの人たちに挨拶をして回りましょう。

プロとアマの違いその1 プロは挨拶がすべて アマは挨拶の重要性を解かっていない 解説 挨拶といってもただの挨拶ではありません。本当の挨拶とは、相手の眼をしっかり見て、なぜ挨拶するのかを実感して言葉にすることです。人と人とのコミュニケーションの基本です。芸能の世界はこの「本当の挨拶」が出来なかったら一発アウト。「挨拶できない人 = 仕事が成立しない人」だからです。御礼や感謝の言葉も含めて、本当の挨拶をまず身に付けて下さい。 (劇団四季で学んだプロフェッショナルとアマチュアのほんの僅かな違い~生き残る人・消える人~11のポイント)

挨拶は人間関係を良好にし、意思疎通を円滑にする基本です。ところが、挨拶は従業員の性格、特に対人コミュニケーションの得意・不得意によって影響されるという面をもっているため、挨拶の仕方にも従業員間で差が出てきます。 しかし、不得意・苦手だからといって挨拶をしなくてよいということでは決してありません。‥ ただし、業種によって求められる挨拶のレベルは異なり、たとえば、製造現場で働く従業員には百貨店の案内係のような挨拶までは必要ありません。‥ それぞれの業種や職種に適した挨拶のあり方を明確にし、そのレベルに適した挨拶をさせることが求められます。( 鷹取 敏昭,‎ 福間 みゆき 著『職場のルールブック作り方と活用法-規律の乱れを見逃さない!-』日本法令 2009年)

ラボ内恋愛 (love in the lab)

大学院生は24時間ラボに入り浸って実験しているような人も多く、日常の人間関係は極めて限られたものになります。ラボの外での出会いは、何か趣味などの活動でもしていない限りそうそうありません。そのため、ラボ内での成婚率はかなり高く、ある程度人数のいるラボなら複数のカップルがゴールインすることは珍しくありません。結婚に至らなかったもの、人に知られぬまま破局したものも合わせれば、ラボ内恋愛の頻度はかなり高いと思われます。

 

ラボ内恋愛の頻度

そもそも研究者なんて四六時中ラボに籠もりっきりなんだ。そんな環境で男女がいれば恋愛ごとも発生するだろう (研究室内に男女がいたらカップルが出来てもおかしくない 教授と僕の研究人生相談所 第47回 BioMedサーカス.com 2015年6月22日)

私の所属する研究室は、いわゆるブラック研究室というもので毎日夜遅く(12時は普通に超える)まで皆研究室にいます。そこで、ずっと一緒にいるせいなのか研究室内での恋愛が頻繁に起こっています。私の居室では、7名中2組(4人)カップルができています(内1人は昨年度までカップルでしたが、現在片方が他の研究室にいます。よって7名中5名が研究室恋愛です)。カップルが成立したものは、研究室の居室内で仲良く話しています。(tairamoku3241さん YAHOO!JAPAN知恵袋 2013/12/11)

研究室という世界は非常に狭いコミュニティです。あれだけ狭いコミュニティに引きこもって毎日毎日実験ばかりでは…その狭いコミュニティゆえ、出会いなど、滅多にありません。限られたメンバーで恋愛が展開していくと、非常に厄介な話です。… うちの研究室はなんと!カップル率80%(笑)すごいでしょ?(理系女子の実情 木蘭 2009.12.06)

 

ラボ内のさまざまな恋愛模様

現在大学4回生(女)で卒業研究をしているのですが、同じ研究室のM2の院生(Aさん)を好きになってしまいました。…学部生が告白とか、ひきますか?(yu-tom 教えて!goo 2007/10/15)

わたしがどんなにアプローチしても恋愛対称にはなりえないでしょうか?彼は積極的な女性が苦手で女性にぐいぐい来られると逃げてしまうようです。女性とお付き合いしたことも一度もないっぽいです。(shioyoichi26さん YAHOO!JAPAN知恵袋 2012/6/5)

私の好きな人は大学の理系研究室の先輩で、その方に私の実験を見てもらっています。… 直属の後輩だからだと分かっていても日頃のちょっとしたことがすごく嬉しいんです。話していて笑ってくれるときゅんきゅんします。どうしたら異性として見てもらえますか?(miya_my1041さん YAHOO!JAPAN知恵袋  2012/1/4)

化学系の研究室の修士2年の男です。私が指導担当している学部4年の女子に好意をもっていることを最近実感しました。以前から好感はもっていましたが、指導する立場であること、研究室の雰囲気などを考え、あまり異性として意識しないようにしてきました。しかし、最近その後輩が研究室の同期の男子といい雰囲気になっているのを見て、自分の本当の気持ちに気づきました。正直辛いです。(m8838567933さん YAHOO!JAPAN知恵袋 2013/2/9)

大学4年生女子です。研究室の先輩(ポスドク、30代前半)について小町で聞きたいことがあります。…今のところ会話ができるだけで十分嬉しいのですが、これが恋愛感情なのかわかりません。…レスをくださった方々、ありがとうございます。先輩に対しては最近嫌な面が見え始めたというか、勝手に冷め気味です。研究室のただの先輩・後輩として接していこうと思いました。(研究室の先輩を恋愛として好きなのかよくわかりません メカ子 発言小町 2013年9月3日)

僕と同じ研究室に、最近よく連絡をとったり遊びに行ったりする2個上の先輩がいます。率直に言うと、最近になってその人のことが好き・・というか女性として気になる存在となってしまいました。…僕が車を出して二人で出かけることが多いのですが、帰りに先輩の家まで送るときに近くの暗い道に停めて普通にお話したり、お互いの恋愛の話をしたりするのですがいつもそれだけで終わってしまいます。(寂しがり屋さん(匿名) 掲示板ミクル 14/08/18)

現在私は約10歳年上の先生(独身)について頂き研究していますが、その先生に恋しています。最初は憧れだけだったのですが、最近それが恋に変ってきました。ただ今後も研究の道に残ることを考えると、ここでとてもお世話になっている先生と気まずくなりたくないという思いが先立ち、告白をするなど一歩前に進むことがためらわれます。(いるか 発言小町 2005年11月26日)

僕は修士課程で、彼女は同じ研究室で4つ年上の博士課程の学生です。彼女とは、僕が学部時代に研究会に入った時から知り合ってかれこれ4年経つ関係です。女性として意識し始めたのは去年の秋くらいからで、つい先月僕から告白して付き合うことになりました。(chipmunk8192さん YAHOO!JAPAN知恵袋 2015/9/20)

これが完全な片思いなら「似合わないことはやめて研究に集中する」のが正解だと思うのですが、(私の思い込みもあると思いますが)彼もそれなりに女子として扱ってくれたり、二人でご飯のついでにデートスポットを散歩したり、会話にしても「この話題は脈があるのか?」とつい舞い上がってしまいます。…・恋愛感情とは常時相手のことを考えてしまうほどリソースを食うものなのでしょうか。私が年齢に対し未熟なだけで世間の方々はうまくこなされているのでしょうか。・恋愛感情をうまく抑える方法はないでしょうか。同じ研究室だと何かと難しいような話も聞きますし、彼のことは友人としても大切なので気まずくはなりたくないです。(ivery

 

研究室内恋愛禁止ラボ

ご結婚されました。おめでとう。でも、研究室内恋愛禁止だったはずなんだけど… (情報認識学研究室

私がいた研究室は「研究室内恋愛禁止」という張り紙がありましたよ。基本、どこでも建前上は禁止なんではないでしょうか。とはいえ、実際は守られてもいないですが(笑)(アカリク仮面座談会 Season2 Vol.2)

「小椋研三大方針のひとつにラボ内恋愛禁止が挙げられています。きっと私たちより前の世代で色々あったんでしょう、とコメントされていますが、問題があったという事実はなく、あまりに安直かつ狭い範囲で人生の重大選択をしないようにという教訓の一環として、ラボ内の恋愛を(一応)禁止しています。(小椋研の研究室紹介

私が学部の1年の時にちょっと出入りしていた研究室(臨床心理系っちゃあ臨床心理系…なのかな?臨床は臨床ですな)には、この「研究室内恋愛禁止」という掟がありました…いや…「ありました」って断言しちゃった後になんですが、あったらしいです。その当時院生の方がそうおっしゃっておりました。 (ロテ職人の臨床心理学的Blog 2006/06/26)

 


 

 

参考

  1. Love in the lab? It’s part of science (By Ottoline Leyser The World University Rankings June 12, 2015)
  2. Love in the lab: Close collaborators (By Kerri Smith Nature 25 June 2014) Romance often sparks between colleagues, and scientists are no different. Nature profiles four super-couples who have combined love and the lab. Yuh-Nung and Lily Jan in their shared office in the early 1980s
    Copyright © 2014, Rights Managed by Nature Publishing Group
  3. Love in the Lab (By Vivienne Raper Science Feb. 8, 2013)
  4. 研究室恋愛の別れと出会い:読者の反応 (2007年8月17日 Gene Russo Naturejobs editor Nature 448, 723 (8 August 2007) | 10.1038/nj7154-723a)
  5. Lab loves lost and found: readers respond. Gene Russo Published in Nature 448, 723 (8 August 2007) | 10.1038/nj7154-723a
  6. Intra-lab relationships (aka labcest) (self.labrats)
  7. 大学生・院生のための研究室内恋愛を成功させる5つのポイント (Campus Magazine 2014月10月15日)
  8. Love in the Lab  (By Bob Calandra The Scientist December 15, 2003)

 

研究生活カテゴリーの記事一覧

ハチの脳には他者を見て学ぶ柔軟性 Science誌

ハチの自然な行動のレパートリーの範疇に入らないような課題であったとしても、ハチは柔軟にそれを学ぶことができ、しかも第三者は既に学んだハチの行動を見ることによりそれを学ぶことができることがわかりました。2017年2月24日号のサイエンス誌が伝えています。下の動画は、ボールを決められた地点まで運ぶと褒美がもらえるということを学習したハチの行動。この研究グループは過去の研究でハチが紐をひっぱって報酬を手に入れる作業を学ぶことができることを発見していましたが、紐を引っ張るような行動はハチの本来の行動に近いものです。それに対して、今回の研究では、ボールを転がして運ぶ行動を学ばせることに成功しています。このように、自然なハチの行動パターンとはいえないような新しい行動を学べるだけの柔軟さをハチの脳が備えている、ということを示した点に、今回の研究の意義があります。

参考

  1. Olli J. Loukola, Clint J. Perry, Louie Coscos, Lars Chittka. Bumblebees show cognitive flexibility by improving on an observed complex behavior. Science  24 Feb 2017:Vol. 355, Issue 6327, pp. 833-836 DOI: 10.1126/science.aag2360
  2. Bumble bees are surprisingly innovative (Science News By Virginia MorellFeb. 23, 2017 , 2:00 PM)
  3. Ball-rolling bees reveal complex learning (EurekAlert! Public Release: 23-Feb-2017 Queen Mary University of London) Bumblebees can be trained to score goals using a mini-ball, revealing unprecedented learning abilities, according to scientists at Queen Mary University of London (QMUL). Their study, published in the journal Science, suggests that species whose lifestyle demands advanced learning abilities could learn entirely new behaviours if there is ecological pressure. Project supervisor and co-author Professor Lars Chittka from QMUL’s School of Biological and Chemical Sciences, said: “Our study puts the final nail in the coffin of the idea that small brains constrain insects to have limited behavioural flexibility and only simple learning abilities.” Previous research has shown that bumblebees could solve a range of cognitive tasks, but these have so far resembled tasks similar to the bees’ natural foraging routines, such as pulling strings to obtain food. This study examines bees’ behavioral flexibility to carry out tasks that are not naturally encountered by the insects.

同じ研究グループの過去の研究

  1. Bumblebees show social learning October 19, 2016 – 06:20