東大入試数学で得点できる問題集選びと勉強法

 2019年3月10日(日)、東京大学が合格者を発表しました。

⇒ 平成31年度前期日程試験及び外国学校卒業学生特別選考合格者発表(東京大学)

以下は、PDFへのリンク(平成31年3月10日(日)12:00ごろから3月18日(月)12:00まで掲載)。


 

 

 

数学が苦手な自分としては、東大の数学の入試問題が解けるような頭脳の持ち主はどうやってその頭を手にいれたんだろうと長年不思議に思ってきました。「数学は暗記」という和田秀樹氏の主張を目にして、え、そうなの?と思いましたし、実際、解法のパターンを網羅的に覚えれば合格点程度なら取れるという話をネットでよく見ます。もしそうなんだとしたら、勉強する期間さえ十分にあれば努力次第で誰でも東大に入れそうな気がします。

そこで、高校生、受験生向けに、今はまだ数学が苦手な人でも東大入試の数学で合格点が取れるところまで導いてくれる(と思われる)問題集を紹介します。受験問題集の出版社は多数あって、それぞれが各難易度の問題集を出しているので、ここで紹介する問題集を全部やる必要はもちろんありません。自分が気に入ったものを自分のレベルに合わせてステップアップさせながら取り組めばよいでしょう。

 

家で勉強することの必要性と効果的な勉強法

中学の勉強量に比べると、高校で勉強する量は10倍くらいあるなあと自分も大学受験の頃思っていました。1:10の勉強量を、3年:3年という同じ年数に割りつける学校制度はおかしいのではないかと疑問に感じたものです。

家で勉強しなくても中学校(公立)で困ったことがなかったとしても高校に入ったらそうはいかないという当たり前のことに自分は3年間気付きませんでしたが、まさにそういう当時の自分に読ませてやりたい本が出版されていました。

  • 高校の勉強のトリセツ (船登 惟希 著 学研プラス  2017年)「高校での勉強は中学の10倍大変」「教科書で勉強せず,まずは補助輪参考書を使え」など,先輩たちが早めに知りたかったテーマを満載。
  • 読むだけで面白いほど成績が上がる 高校生の勉強法 (清水 章弘 著 あさひまち 漫画・イラスト  2018年 KADOKAWA) ”高校の勉強って中学の量の3倍っていわれてるんだ”
  • 最新脳科学が教える 高校生の勉強法(池谷 裕二 著 2002年 東進ブックス)中学生のころまでは、試験の前に一夜漬けでテストに臨む、という無謀な作戦で何とかなっても、高校生になったころから、それまでのような丸暗記作戦では通用しなくなって、だんだん授業について行けなくなったという人が急に増えてきます。 皆さんは、その原因を高校の履修科目の内容が中学よりも難しくなることや分量が多くなることに押しつけて、仕方がないとあきらめていると思います。また、文部科学省もこの現状に気づき、必修単元をどんどん削減してその解決を図ろうとしています。 しかし最新の脳科学によれば、そのどちらも間違っていることが分かりました。

高校の数学の教科書はわかりやすく書かれていると思うので、”教科書で勉強せず”には全く賛同できませんが、自分にとって教科書よりもわかりやすく書かれている参考書があるのなら、新しい概念の導入はそれで学ぶのも良いのでしょう。『高校の勉強のトリセツ』は、家で自学自習の時間を作らない限り高校の勉強にはそうそうついてけるものではないという当たり前のことを指摘してくれている良書だと思います。現役で東大合格を目指す高校生には、釈迦に説法かもしれませんが。『読むだけで面白いほど成績が上がる 高校生の勉強法』では「3倍」とありますが、教科書の内容+受験勉強のトータルで考えれば、高校で必要な勉強量は中学の少なくとも10倍もしくはそれ以上なのではないでしょうか。『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』は、脳科学者が高校生のために効果的な勉強方法を最新の脳科学の成果に基づいて伝授するという内容。受験勉強にとどまらず、一生使える合理的な勉強法を手に入れることができるそうです。

 

問題集選びの重要性

今の学力では難し過ぎる問題集に取り組んでも歯が立たず時間の無駄ですし、問題数が多すぎると終わらせることができません。良問でなければ解いても力が付きません。志望校のレベルまで到達していない問題集をやって安心していても合格はおぼつきません。また、解説がわかりづらかったり簡単すぎては勉強の能率が上がりません。問題集を選ぶときには、問題のレベル、問題数(何カ月で終わらせられるのか)、問題の質、解答解説の質や詳しさなどを考慮する必要があります。

東大合格者がどんな数学の問題集を使っていたかということに関して言えば、数多く出版されている問題集の中のほんの数冊に収斂するようです。

数学の勉強を進める上で、参考書選びは超重要です。(東大塾長が超厳選した高校数学おすすめ参考書5選と勉強法 2017.02.10 理系ラボ

 

早く始めたもの勝ち

中高一貫校は高2までに高校三年間の勉強を終わらせて、高3の1年間は受験問題を解くという実践的な授業をするところが多いそうですが、普通の公立高校だと高3で学ぶべき内容は高3でやるでしょう。その場合、高校の授業の進度に合わせていては、入試レベルの問題を解く実力を養う時間が物理的に足りません。高校生は、高校任せにせずに自分の高校が受験対策のカリキュラムになっているかどうかを冷静に見極める必要があります。

私は確実に現役で終わらせたかったので大学受験のための勉強を始めたのは高校二年生の夏以降でした。… よく言われるように勉強する時間が最もかかり成績が上がりにくいのは英語と数学。だからこの時期は完全にこの2つの科目しか勉強していない。(高校の大学受験勉強と東大受験の時を思い出してみる 2月 24, 2018 urusulambda

 

どの到達点(レベル)の問題集までやるべきか

東大合格者が勧める問題集だけでもたくさんありすぎて全部はできませんし、その必要もありません。レベルアップするための問題集の組み合わせとして、典型的なのが、青チャート → 1対1対応 → 新スタ といったものらしいのですが、実際には青チャート(と過去問)だけで東大に合格したとか、1対1までしかやっていないとか、人それぞれのようです。数学を得点源にしたいのか、それとも数学では最低限の得点を確保して、英語などの得意科目で補うことによりトータルで合格点を超えるのかという戦略で変わってきます。

以下では、具体的な問題集の評判を見ていきたいと思います。数学は段階を踏んだ勉強をすることが大切で、その都度自分の理解のレベルに合わせた問題集に取り組んで、学力アップに応じて取り組む題材をレベルアップさせていく必要があります。そこで、教科書レベルの理解、理解を確認するための基本問題、応用・発展・実践的な問題、難問という順番で問題集等を紹介していきます。

 

高校数学の内容を理解するために役立つ教科書・参考書・問題集

高校の数学の教科書

大学入試問題は高校で習った範囲しか出ないことになっていますし、高校で習うことは教科書に書いてある内容なわけですから、教科書を読まずにいきなり参考書に行くのは違うかなと思います。頭の中がまっさらな状態から新たな単元の内容を理解したければ、まずは教科書を読むべきでしょう。

青チャートがを「バイブル(聖書)」っていうんなら、数学の教科書はもはや「神」なんですよ。神(教科書)をより良く知るために作られたのが聖書(青チャート)です。高校数学っていう学問を理解するんだったら、教科書だけで事足ります。(高校生は数学の教科書の答えをさっさと買え!最強の教科書内職を実践しよう! 2018年6月2日 もってぃー 勉強方法ドットコム

センター試験で微分の定義を問われたり、東京大学でも一般角と三角関数の定義をして加法定理を証明せよ、という問題が出ました。教科書をしっかりと勉強していればただのサービス問題です。… 問題を解けるかどうかは参考書で補うべきで、教科書は数学概念の徹底理解をするためのものだと考えてください。(東大・京大受験でも数学を得点源にするためのオススメの参考書 2018年11月2日 ALWAYS STUDY

しかし一つ注意が必要で、高等学校の教科書と一口にいっても、実は進学校とそうでない学校では採用されている教科書に大きなレベルの差があるのだそうです。

進学校で使用される教科書と底辺校で使用される教科書では難易度のレベルがまったく違います。科目の名前は同じ『数学ⅠA』でも中身は天と地ほど違います。教科書にもいろいろあります。同じ出版社がレベルの異なる複数の教科書を作っています。(東大数学は教科書だけじゃダメ? 2017/3/1516:50:42 YAHOO!JAPAN知恵袋

その場合には教科書と同じく入門レベルの、独学者向けの参考書が良いかもしれません。

 

初めから始める数学

教科書を読んでもわからない人、あるいは学校の授業を先取りして予習したい人向けの、教科書レベルの導入部分を詳細に解説した参考書もあります。マセマからは完全に初めての人のレベルから入試問題に対応したレベルまで段階的な参考書と問題集が出版されています。

学校の授業の進度が遅く数3が高3の夏休み前までに終わらない場合は、学校で未修分野の内容をマセマの『スバラシク面白いと評判の初めから始める数学III』⇒『スバラシク強くなると評判の元気が出る数学III』で自習してからチャート式に入ると良いです。これらの教材は、全く未修の分野でも独学で勉強できる稀有な教材で、とても評判がよい参考書です。(【東大合格勉強法】理系数学の勉強時間と高2〜本番までのスケジュール 2017/03/01 Studyplus

 

大学入試数学の基本的な問題を解けるようにするための網羅的な問題集

青チャート

数研出版は、レベル別に、チャート式基礎と演習数学(白チャート)、チャート式解法と演習数学(黄チャート)、チャート式基礎からの数学(青チャート)、チャート式数学シリーズ(赤チャート)という問題集を出版しています。なかでも、基本問題から入試レベルまでをカバーする青チャートは受験生の間に絶大な人気があるそうです。東大受験生も例外ではなく、青チャートで基礎学力を身につけてから、次のステップアップしたレベルの問題集に進むというのが典型的な数学の受験勉強のパターンになっているようです。

言わずと知れた超定番問題集です。青チャートだけで東大(理科一類・理科二類)に合格する人も旧帝大医学部に合格する人もいます。(東大・医大生が教える高校数学の勉強法 2015/3/24 さくさく勉強法

不思議なことに、同じ青チャートを使って勉強をしても、人によっては成績の伸び率が全然違っていく。 おそらく、東大レベルまで伸びる人と伸びない人の差は、疑問を持ち続けながら勉強をしているかどうかの部分が非常に大きいと思う。物事を理解するためには、「なぜ?」と言う疑問を持ち続ける必要がある。なぜなら、そもそも考えようとしないことには、理解なんて絶対にできるわけがないからです。それに些細な事を疑う事で、自分の中では常識としていた考え方(解き方)が、実はこんなにも深い事実が隠されていた、と言うのに気付く事が非常に重要なのです。(青チャートだけで東大レベルに到達する勉強法 秘密結社旧帝大) *太字強調は当サイト

理系であれば80点以上を目指すのでなければ、青チャートの基本例題が解けるようになれば、標準的な演習問題をこなすだけで十分でしょう。(No023◆これからの東大数学対策のオススメ勉強法は? 東大家庭教師友の会

チャート式は白、黄、青、赤とレベル別に種類があるのに東大生にはなぜ青チャート(だけ)が人気なのか?不思議に思いましたが、的確な説明がありました。

何故青チャートが最も多く使われているのかというと、教科書レベルの簡単な基礎問題から難関大学入試レベルの発展問題をバランス良く揃えていること。また、解説が丁寧であるが無駄が無く解法の辞書代わりにとても有用だからです。志望校が高い偏差値の方は効率良くするため(短時間でハイレベルの応用問題に辿り着くため)白チャート、黄チャートではなく、青チャートから始めましょう。解説もよっぽど簡潔で丁寧に書いてあります。では赤チャートでは駄目なのでしょうか?いえ、そんなことはありません。ただし、最初から赤チャートを用いることはよほどレベルの高い方じゃないと厳しいと思います。また、赤チャートはハイレベルな問題を扱っているため初めての参考書としては不向きです。また、青チャートから赤チャートでは同じ網羅系としてあまり意味が無く結局青チャートから他のハイレベルな参考書に行くほうがいいと思います。(徹底解説!最も効率の良い青チャートの勉強法 医学部予備校比較ランキング 医学部予備校.biz)*太字強調は当サイト

なるほど、納得の説明です。

青チャートだけで東大に合格できるかという疑問を持つ人も多いようですが、下のブログ記事で、説得力のある一つの解答が与えられいます。

チャート式では、基礎問題・標準問題まではカバーできても、「前問の内容を組み合わせて解く」ということまではできません。それは、チャート式の例題は、解法を集めたものであり、その解法を組み合わせて使う問題は収録していないからです。… 青チャートで基本となる解法を全て教えてもらえば応用がきかせて、応用問題を解ける人もいると思います。その意味では、青チャートの例題だけで医学部受験の数学を制する人もいるかもしれません。しかし、その数は圧倒的少数派ですので、青チャートとは別に、応用問題を解くためのトレーニングも行う必要があります。ちなみに、応用問題を解くためのトレーニングは問題集であれば「やさしい理系数学」がおすすめです。実際の入試問題を解いても力がつきます。(【検証】青チャートだけやれば医学部受験の数学で合格点が取れる説 2018年05月23日 医学部受験の教科書

東大理系数学は青チャートで十分か :東大理系でかなり難しい問題というのは出ても2問程度で,残りの4問は基礎的なことをしっかりやっていけば解ける場合が多いです.なので,正直青チャートだけでも十分だとは思います.ですが,それは青チャートに含まれる問題をすべて完全に理解し,それの応用にも対応できるようになっていることが条件です.同じ問題集を何度もやることはとても大切なのですが,1冊しかやらなかった場合,そこに収録されていなかった種類の問題は初見である状態で本番に臨むことになるわけで,たまたまそういう種類の問題にあたった場合はかなり不利になります.数学にかける時間を極力減らし,他の科目を完璧にすると言うのでなければ,応用レベルの問題集も1冊はやっておいた方が安全だとは思えます.(2014年03月06日 勉強法質問室)

  • 数学嫌いの東大生が実践していた「読むだけ勉強法」studyhacker.net その青チャートを、私はひたすら読みました!しかも、練習問題や演習問題には手をつけていません。例題だけを読みました。例題は問題文のすぐ下に解答例が載っています。それを読むだけ。ラクそうですよね。実際、かなりラクです。苦手な数学でも楽しく勉強できます。

 

Focus Gold

青チャートと比較されることが多いフォーカスゴールドですが、青チャートよりも解答解説がわかりやすいからフォーカスゴールド推しという人が結構います。また基本問題から発展問題までがこれ一冊で済む、オールインワンという特色があります。

フォーカスゴールドとはいったいどんな問題集なのか?著者がそのコンセプトを語っています。

我々執筆陣は、「量の学習から質の学習への転換」を掲げ、フォーカスゴールドを「1年生の定期テスト対策から難関大学入試まで対応できる1冊」として作り上げてきました。… 「この一冊を繰り返し、繰り返し学習すれば、東大でさえ合格できる」、というコンセプトで作りました。(フォーカスゴールド通信 啓林館 PDF)

学校の数学の先生の意見を取り入れて作ったというだけあって、実際に進学校でも使われているようです。上のドキュメントでも、神奈川県の私立中高一貫男子校である聖光学院中学・高等学校での導入例が紹介されていますが、灘や開成といった他の東大合格者数が多い有名どころの私立中高一貫校でもフォーカスゴールドが信頼されていることが伺えます。

いまの灘高校のある学年も参考書として「青チャート」が渡されているようです。… 現在、私自身の感覚ではあまたある参考書の中でも、啓林館の「FOCUS GOLD」は最高峰に位置すると思います。よく、詳しく書かれていることを「1から10まで」書かれている、などと表現しますが、FOCUS GOLDの場合、「1から15まで」書かれています(笑)。それくらい、内容が充実しているのです。というかこれを自分でしっかりやれたら学校も塾も予備校もいらんだろう、というくらいの内容です。… 灘とか甲陽とかの、いわゆる「超進学校」の生徒さんの数学好きにはたまらない内容だと思うのですが(実際、灘でも採用されている学年もあるようです)、逆に言うと、内容が濃すぎて、普通の公立高校ではついていけなくなる生徒さんがかなり続出する恐れがあるんじゃないか?と思っています。発展・超発展的な内容は充実しているのですが、本当の基礎問題レベルが若干少ない。(当世高校数学参考書事情 2016年3月31日 11:30:32 思考研のブログです

開成では、フォーカスゴールドという問題集を使用しています。真っ黒な問題集です。 既に中3段階で数1Aは終わりに差し掛かっています。 (Inter-edu 【4497255】数学の問題集)

「フォーカスゴールド」の良さを一言で言えば 「生徒目線であり、すべてが丁寧である」ということである。例えば、「青チャート」では、難しい言葉で載っていて、理解するのに時間がかかることが「フォーカスゴールド」では「生徒目線」でなるべく理解してもらうように書かれている。また、重要なところもわかりやすい。もちろん、解説も丁寧である。したがって、「自学自習」しやすいのである。(受験数学の参考書の栄枯盛衰~フォーカスゴールド(啓林館)について 10月 4, 2009 医学部受験に”王道”はある!)

フォーカスゴールドだけで東大入ることは可能ですか?(2016/7/1108:17:36 YAHOO!JAPAN知恵袋

センターと二次試験のことを考えた場合, 青チャート+赤チャート or 1対1の両方が必要になるため, より教材を絞って勉強するにはFocus Goldにしておくと効率が良いということである. (Focus Goldについて 2018年03月13日(火) 計画的理Ⅲ合格法

フォーカスゴールドだけで東大に合格できるのか?は気になるところですが、執筆陣はそのつもりで執筆したと説明してます(フォーカスゴールド通信)。

フォーカスゴールドだけでいいと思います。やり方としては
①例題をやる
②ステップアップ問題をやる
③章末問題をやる(一対一と同レベル)
④ ②③でできなかった問題とその問題と似ている例題と練習問題をやる
⑤ ①から④が完璧になったら後ろのレベルアップ問題、実践問題をやる(やさ理ハイ理と同レベルの問題)

これらが出来ればどの大学でもいけます。なので、一対一といった他の参考書は必要ないとおもいます。(数学の問題集であるフォーカスゴールドって、東大、一橋あたりを目指す上で効果的だと思いますか? 2017/4/418:12:56 YAHOO!JAPAN知恵袋

 

解法のパターンを網羅的に習得して東大数学で合格点を取るための問題集

1対1対応

東大合格者(に限らずですが)が一番よく口にする(ネット上で見て)のが、この1対1対応で、定番中の定番の問題集のようです。一体何が1対1に対応しているのかわからなかったのですが、東京出版によれば、

本シリーズでは、‘例題’と理解度確認用の‘演習題’を1対1に対応させてあります。例題の解説で学習し、対応する演習題を独力で解くことで、そこで扱うテーマについての理解が深まり、大学入試標準レベルの実戦力が自然と身につきます。(1対1対応の演習 全6冊 数学I 数学Ⅱ 数学Ⅲ 数学A 数学B 数学C 東京出版

とのこと。理解用の例題と腕試し用の演習問題が内容的に1対1に対応しているという意味でした。これはいわゆる網羅的な問題集、あるいは解法のパターンのインプット用の問題集という位置づけのようです。1対1に取り組むための前提となる学力のレベルとしては、青チャートを終わらせた人もしくはそれと同等レベルの学力の人向きのようです。

 

理系数学 入試の核心 標準編

Z会出版。

同じ難易度の問題集に『大学への数学 1対1対応の演習』『理系数学良問のプラチカ』があるので、これらと比べて自分に勉強しやすいのをやってみるのもいいかと思います。(Z会出版 理系数学 入試の核心標準編の講評して頂けますか? 2011/8/1121:03:02 YAHOO!JAPAN知恵袋



 

理系数学の良問プラチカ

理系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B 河合塾

 

理系東大入試数学で確実に得点するための実践的な問題集

新数学スタンダード演習(新スタ)・数学Ⅲスタンダード演習(スタ演)

出版社の説明通り、あるいは多くの東大合格者や塾関係者の言う通り、1対1を終えた受験生向けの問題集。

入試で合否に直結するスタンダードな問題を、着実に解く実力を身につけるための演習書。… 「1対1対応の演習」シリーズで基礎固めができている人は、本書にスムーズに移行でき、そしてステップアップをはかることができます。(新数学スタンダード演習 大学への数学4月増刊 東京出版

 

ハイレベル数学

1対1対応の次にやるレベルの問題集だと思われます。レビューをみると東大理I,IIの合格を確実にするための問題集という印象です。どこの予備校・出版社の問題集をやるかは、個人の好みもあるでしょう。

  • ハイレベル 数学I・A・II・B の完全攻略 (駿台受験シリーズ)  2013年 米村 明芳, 杉山 義明 著
  • ハイレベル 数学IIIの完全攻略 (駿台受験シリーズ) 2015年 米村 明芳, 杉山 義明 著

 

理系数学 入試の核心 難関大編

Z会出版。

  • 理系数学 入試の核心 難関大編 改訂版 依田 賢 著 2014年 (Z-KAI) 東大・京大・東工大・阪大・医学科など最難関大学の入試において、数学で差をつけて合格したい人向け 全60題 1日に2題ずつ取り組めば、1ヶ月で完成

 

やさしい理系数学(やさ理)

河合塾。書籍タイトルの「やさしい」というのが大ウソで、実はとても難しいレベルの問題集だそう。

 

 

東大入試数学で高得点を取るための問題集

ハイレベル理系数学

東大理I,IIに合格することが目的ならここまでやる必要はないという声が多数ある問題集。数学マニア向けなのでしょうか。

ハイレベル理系数学 河合塾 2013年 三ツ矢 和弘 著

 

東大模試

東大志望者の腕試しはもちろん大手予備校が主催する東大模試。模試の判定が悪くても本番では意外と合格する人が多いようです。特に現役生は追い込みの勉強によって、入試直前まで学力が飛躍的に伸びる人がいるからでしょう。

 

東大の過去問

どんな問題集で実力を養うにせよ、志望大学の過去の入試問題を解くことは絶対に必要です。

 

受験勉強開始から入試当日まで問題集に取り組むタイムスケジュール

受験勉強は長丁場なので、いかにペースを作ってコンスタントに勉強して、やるべき問題集をマスターしていくかが重要です。これをやれば東大に合格するという定番の問題集がわかったところで、それを実際に消化できなければ意味がありません。具体的に高校何年生のときに何をどれくらいの期間かけてやれば東大合格が可能になるのかを議論したサイトを紹介します。

進学校あるある『青チャート→1対1→スタ演』ルートは 武田塾の勉強法だとどれくらいで終わるの?|受験相談SOS vol.434 (武田塾チャンネル 2016/01/20)

 

数学は暗記か?

暗記の意味は、数学の各分野の典型的な受験問題を一通り網羅している問題集、いわゆる網羅系の問題集(青チャートや1対1対応など)を解いて、解説されている解法のパターンを暗記するということらしいです。決して、頭を使わずに鵜呑みする、丸覚えするという意味ではありません。

最初に言っておくと、暗記数学は医学部受験にも通用します!数学が苦手だ… 数学が原因で医学部合格が絶望的だ… そんな人には是非試してもらいたい方法です。(暗記数学は医学部受験に通用するのか?数学が苦手な人のための勉強法とオススメの参考書 2018.06.27 Ken’s Lifehack & Memos

 

大学受験というのは、早い時期から始めて、適切な問題集などに取り組めば誰でもクリアできることなのではないかと思います。合格できなかった理由はたぶん、受験勉強を始めるのが遅すぎたとか、やっても無意味なつまらない問題集に時間をかけてしまったとか、やる気がどうしても起きずにやるべきことをやれなかったとか、そういったことのせいでしょう。大学受験は努力した人が必ず報われるとてもフェアなシステムです。情報過多の現代において一番難しいのは、どの情報を信じればよいのか、どの問題集がお勧めで取り組むに値するのかを判断することではないかと思います。自分の判断が正しいことを信じ切れなければ、頑張れません。

 

参考

  1. 東京大学 数学入試問題過去問 58年分 (一部解答例付き)(server-test.net)
  2. 【超本質】入試数学満点の理3生による東大理系数学の勉強法と参考書 2018.08.09 東大BKK(勉強計画研究)サークル
  3. 解法暗記の網羅系参考書と実戦系参考書の違いと注意点 医学部予備校.biz
  4. たくさんの東大生が教える”一番オススメ”な参考書ランキング!【東大五月祭】

 

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