任期付き大学教員の任期について

      2018/03/10




大学の教員の多くは任期付きであり、どれだけ研究業績があろうが任期が終了するとその大学を去らざるを得ません。任期制の導入には、本来は研究者の流動性を高めるというポジティブな意義が想定されていたわけですが、現実としては、求職者の数に比べて大学におけるポジションの数が極めて少ないため、次のポジションを見つけることは非常に困難になっています。そのため、多くの人にとって、研究者がもはや職業として成り立たない状況です。

任期付き大学教員の雇用に関する話題をいくつか紹介します。

注意:雇止めや無期転換に関しては訴訟がいくつも起きている現状ですので、この記事執筆者(当ウェブサイト管理人)自身、法律の解釈等に関して何が正しいのかを把握しきれていません。また、法の改正も頻繁であり、記事の内容が古くなっている可能性もあります。ここで紹介した内容は鵜呑みにせずに、あくまで参考に留めてください。

雇用継続への合理的な期待

有期雇用については期限が来たら原則として契約は終了しますが、更新が繰り返されるなど、労働者に更新に対する合理的期待が認められる場合には期間満了による雇止めは無効とされます。本件の原告は大学の助教で3年間の期間雇用とされていましたが、過去2回更新されており、また、今回、助教で再任を希望した33人のうち、原告を含む3名が雇止めされたが、33名中原告を含む16名が基準を満たしていなかったことなども考えると、継続的な雇用が前提とされていたとして、更新に対する合理的期待はあったものとされました。(大学の任期付助教に対する能力不足を理由とする雇止めの有効性が争われた事案  労働判例1105号 東京地裁平成26年7月29日判決 弁護士江木大輔のブログ 2015年03月16日
)

東京医科歯科大学事件 助教に対する研究業績不足を理由とする雇止めの効力が争われた事案 事件番号 平成25年(ワ)11039号 労働判例1105号49頁 労働経済判例速報2227号28頁 本件大学の大学院医歯学総合研究科(歯学系)においては平成25年3月に任期が終了する3年任期の助教で再任を希望した33名のうち30名が再任されたことからすれば、任期のある助教も継続した雇用が前提とされているものと認められる。そして、(中略)X自身、過去2回の再任を経ていることからすれば、Xには、更新の合理的期待が認められる。 (zenkiren.com)

Xは、Y法人が設置する大学の助教に3年の期間を定めて採用され、これまで2回契約を更新された。 本件大学においては、「教員の任期に関する規則」が定められており、再任の可否を決定するに際して、研究業績等の事項について業績審査を行うものとされ、このうち研究業績評価については、インパクトファクター2.0以上の雑誌に2報以上発表する(以下「基準1」という。)ほか、その他の論文を2報以上発表する(以下「基準2」という。)こととしていた。なお、特別な事情で条件を満たすことができなかった場合は、本人及び本人が所属する分野の責任者(以下「分野長」という。)の理由書を提出することを再任の基準としていた。(平成25(ワ)11039号 地位確認等請求事件 東京地裁 平成26年7月29日判決 福島県労働委員会事務局 労働判例の紹介

龍谷大学助手雇い止め事件 係属機関・判決日 京都地方裁判所 平成23年12月22日 訴訟内容 3年の期限付きで龍谷大学(京都市)で経済学部助手を務めていた原告が、1回目の契約更新時に雇い止めを通告されたことに対し、少なくとも1回は更新されるはずであったと主張し、同大学を相手取り、労働契約上の地位確認及び雇い止め以降の未払い賃金を請求した事件。‥ 近年、多くの大学で「高学歴ワーキングプア」と呼ばれる任期付や非常勤の採用が増加し、研究者の雇い止めによる退職も増加しているという実態があるが、そのほとんどが次の再就職を案じて雇い止めを容認しているという。(机・加藤 社会保険労務士法人)

 

任期付き大学教員に関して

Q:有期契約で大学教員をしています。任期5年で1回更新可能、という契約です。現在1回更新を済ませ、2期目の3年目になります。大学でのポジションはキャリア・センターの専任教員(教授職)ですが、キャリア指導にあたるだけではなく、他の専門科目、一般科目、大学院学生の指導も担当しています。‥ 後2年半で私の契約は、打ち切られ、雇い止めを受けることとなるのでしょうか?

A:「任期5年で更新1回」という労働条件に合意したうえでの就労ですので、難しい部分はありますが、‥ まず雇止めの問題に、評価の低い教員との比較は全く関係がありません。他の教員の評価が低いから、それよりも評価の高い有期労働者を雇止めしてはいけない、という根拠はないからです。‥ 厚生労働省の重要通達(昭27.2.2基収503号)では、以下のように定められております。「形式的には契約期間の定めがあっても、この契約を反復継続し、相当長期間にわたって労働契約が継続しており、実質的には期間の定めがない労働契約と認められる場合は、契約期間の満了によって労働契約を終了させる場合であっても、解雇と同様に取り扱われ、法20条(労働基準法20条)の解雇の予告を必要とする。」つまり期間満了であっても、契約が反復継続し相当長期間にわたって労働契約が継続していれば、期間満了による労働契約の終了をする場合でも、それは解雇の扱いである、ということを定めています。‥ (justanswer.jp)

上の質問者のように、5年の任期付きの教員が更新して5年を越えた場合に、無期転換できるのか?という疑問が湧きます。安西著『雇用法改正』(日本経済新聞出版社 2013/2/16)の53~55ページに、③大学の講師等5年任期制等(特殊契約)の再契約は というセクションがあり、そこでは「大学の教員等の任期に関する法律」の解説とともに、結論として、

 そして、「教育研究の必要に応じて職ごとに異なる任期とすることが可能であること。」とされ、職とは、「教授、助教授、講師、助手」をいうとされています。

これらの職は学校教育上のものであり、労働者の雇用上の権利といったものではないため、5年を超えて再任用されたからといって、任期を定めた任用は、職ごとに行うものとされているので無期転換できるものでありません。

したがって、単純に労契法第18条第1項にいう、「2以上の有期契約を通算した期間」に該当することにはならず、任期及び再任用ごとに別契約であり、通算に該当しないと解されます。これは、同じような任期制が適用される研究機関や同種のほかのケースについても同様と解してよいと思われます。(『雇用法改正』日本経済新聞出版社 2013年 54~55ページ)

と記述されています。

 

文科省による説明

オ.再任の取扱い等

大学の判断により、任期満了者の再任を妨げない運用も、逆に再任を認めない運用も可能とする。
任期制を導入するに当たっては、再任を妨げないものであるか否か(再任を妨げない場合には、必要に応じて再任後の任期の期間)をあらかじめ決定しておくこととするのが適切である。

その際、任期制は、教員の流動性を高めることにより、教育研究の活性化を図ることを目的とするものであることから、他大学や研究機関、企業等との交流をできるだけ促す方向で、制度が運用されることが望ましい。
また、再任を妨げない場合、個々の教員について再任の可否を判断するに当たっては、再任とは再びその職に採用するということであることから、通常の採用手続に基づき、選考を行うことになる(国公立大学の場合、教員の選考は教授会の議に基づき学長が行う。)ので、採用時にこの旨本人に明示しておくことが求められる。再任審査の時期等については、当該教員の円滑な異動という観点にも十分配慮した上で定める必要がある。

(引用元:大学教員の任期制 文部科学省)

 

関連する法律等

大学の教員等の任期に関する法律 (平成九年法律第八十二号)施行日: 平成二十八年四月一日 最終更新: 平成二十七年五月二十七日公布(平成二十七年法律第二十七号)改正

第四条 任命権者は、前条第一項の教員の任期に関する規則が定められている大学について、教育公務員特例法第十条第一項の規定に基づきその教員を任用する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、任期を定めることができる。
 先端的、学際的又は総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性に鑑み、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき。
助教の職に就けるとき。
 大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき。

2 任命権者は、前項の規定により任期を定めて教員を任用する場合には、当該任用される者の同意を得なければならない。
(国立大学、公立大学法人の設置する大学又は私立大学の教員の任期)

第五条 国立大学法人、公立大学法人又は学校法人は、当該国立大学法人、公立大学法人又は学校法人の設置する大学の教員について、前条第一項各号のいずれかに該当するときは、労働契約において任期を定めることができる
 国立大学法人、公立大学法人又は学校法人は、前項の規定により教員との労働契約において任期を定めようとするときは、あらかじめ、当該大学に係る教員の任期に関する規則を定めておかなければならない。
(出典:大学の教員等の任期に関する法律 e-gov.go.jp 太字強調は当サイト)
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)施行日: 平成二十八年四月一日 最終更新: 平成二十七年五月二十九日公布(平成二十七年法律第三十一号)改正
(契約期間等)
第十四条 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年)を超える期間について締結してはならない。
 専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
二 満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)
(時間外及び休日の労働)
第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。
○2 厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
○3 第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
○4 行政官庁は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
(作成の手続) 
第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
○2 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。(出典:労働基準法 e-gov.go.jp 太字強調は当サイト)
労働基準法第十四条第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成十五年厚生労働省告示第三百五十六号) 労働基準法第十四条第一項第一号に規定する専門的知識等であって高度のものは、次の各号のいずれかに該当する者が有する専門的な知識、技術又は経験とする。
一 博士の学位(外国において授与されたこれに該当する学位を含む。)を有する者
二 次に掲げるいずれかの資格を有する者  イ 公認会計士 ロ 医師 ハ 歯科医師 ニ 獣医師 ホ 弁護士 ヘ 一級建築士 ト 税理士 チ 薬剤師 リ 社会保険労務士 ヌ 不動産鑑定士 ル 技術士 ヲ 弁理士
三  ‥ (出典:mhlw.go.jp 0000036407.pdf 太字強調は当サイト)
  1. 「労働基準法第14条第1号及び第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準を定める件の一部を改正する告示」及び「労働基準法施行規則第24条の2の2第2項第6号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する業務を定める件の一部を改正する告示」について 厚生労働省発表 平成14年2月13日

労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)

(就業規則による労働契約の内容の変更)
第九条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。

第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。

(就業規則の変更に係る手続)
第十一条 就業規則の変更の手続に関しては、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第八十九条及び第九十条の定めるところによる。

(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
第十八条 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。
 当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合にあっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。

(有期労働契約の更新等)
第十九条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

(出典:労働契約法 e-gov.go.jp 太字強調は当サイト)

  1. 労働契約法改正のあらまし 厚生労働省
  2. 改正労働契約法を踏まえた労働契約に当たっての留意点について 労働契約法の一部を改正する法律(平成24年法律第56号)が平成24年8月10日に公布され 「無期労働契約への転換」、 「『雇止め法理』の法定化 」、「不合理な労働条件の禁止」といった有期労働契約に関するルールが定められ、平成25年4月1日から全面施行される。任期付教員を含め多くの有期労働契約を結ぶ大学について、本改正を踏まえて、紛争を極力未然に防止し、円滑な運用を行うためには、以下のことに留意する必要がある。‥ (文科省 /2013/05/30/1335482_3.pdf
  3. 2012.12.19版 「労働契約法改正への対応と留意点」セミナーに寄せられた質問事項とそれに対する参考コメント(NPO 学校経理研究 PDF)

 

スポンサーリンク

任期付き教員の雇用に関する大学の規定

大学の規定の例をいくつか紹介します。

静岡県公立大学法人教員の任期等に関する規程 平成19年4月1日規程第1号改正平成20年4月1日、平成20年4月2日、平成21年10月1日平成24年4月1日、平成26年4月1日

(目的)

第1条この規程は、大学の教員等の任期に関する法律(平成9年法律第82号。以下「法」という。)第5条第2項及び労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「労基法」という。)第14条第1項の規定に基づき、静岡県公立大学法人(以下「法人」という。)において採用、昇任又は配置換(教育研究組織間を異動する場合に限る。)により任用する教員の任期について必要な事項を定めるものとする。(任期を定める組織等)

第2条 任期を定めて任用する教員の教育研究組織等は、別表のとおりとする。(同意)

第3条 任用に際しては、「同意書(様式第1号)」により任用される者の同意を得なければならない。

(出典:静岡県公立大学法人教員の任期等に関する規程 PDF 太字強調は当サイト)

  1. 国立大学法人熊本大学職員の任期に関する規則
  2. 広島大学のテニュア・トラック制に関する規則
  3. 国立大学法人京都工芸繊維大学教員の任期に関する規則
  4. 麻布大学特任教員に関する規則 平成20年5月29日制定

 

参考

  1. 理研の無期雇用枠拡大は日本のアカデミアを救うのか?(21世紀の人生戦略 更新日:2017年8月15日)
  2. 労働契約の終了 (山川靖樹の社労士予備校 http://yamakawa-sr.net) 一定の期間又は一定の事業の完了に必要な期間までを契約期間とする労働契約は、他に特段の事情がない限り、契約期間の満了とともに終了し、解雇の問題は生じない。  形式的には契約期間の定めがあっても、この契約を反復更新し、相当長期間にわたって労働契約が継続されており、実質的には期間の定めがない労働契約と認められる場合は、契約期間の満了によって労働契約を終了させる場合であっても、解雇と同様に取り扱われ、法20条の解雇の予告を必要とする(昭27.2.2基収503号)。
  3. 労働者が自由な意志に基づいて、その契約内容に合意していたのであれば、特に問題はなく、契約の有効性を問われることはないでしょう。‥ 従って、使用者が、有期労働契約に更新回数の上限を設定する場合には、雇用継続に関する期待が生じないように、少なくとも当初の契約締結段階において労働者に更新回数の上限について十分に説明を行い、合意を得ておくことや、その後の更新時における手続きについても形骸化しないよう、これを厳格に行なっていくことなどが、後日、雇止めをめぐって紛争が生じた際に、その正当性を主張・立証する上で重要となるといえるでしょう。(3 page PDF jrs.ne.jp)
  4. アルカディア学報(教育学術新聞掲載コラム)No.547 有期労働契約者への人事政策 研究者・URAの特例の活用 上杉 道世(慶應義塾大学信濃町キャンパス事務長) 有期雇用契約者への人事政策は今後の大学経営の基本的課題の一つ ‥ 平成24年8月に改正労働契約法が公布され、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換することとなり、平成25年4月1日から施行された。 ‥  大学等の研究者の間から、有期労働契約の研究者等について、事実上5年が雇用の限度となることは研究の遂行に支障を生じるとの指摘があり、平成25年12月に議員立法により法改正が行なわれ、平成26年4月から施行されることとなった。 これは、「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化および研究開発等の効率的推進等に関する法律」の一部改正の中に、労働契約法の特例を盛り込むもので、無期転換のための通算契約期間が5年を越えることが必要とされていることについて、10年を超えることが必要であるとの特例を定めた。その対象となるのは、「科学技術に関する研究者または技術者」および「研究開発等に係る企画立案の業務(専門的な知識および能力を必要とするものに限る)に従事する者」である。後者について法文上は「…企画立案、資金の確保、知的財産の取得および活用、成果の普及、実用化に係る運営および管理にかかる業務」が列挙されており、URAのことである。 また「大学の教員の任期に関する法律」も合わせて一部改正され、大学の教員等が無期転換するために同じく特例を定め、10年を超えることが必要であるとされた。これにより大学の教員は常勤・非常勤にかかわらず特例の対象となる。 また、大学に在学している間に有期労働契約を大学と締結した者については、当該大学に在学している期間は、通算契約期間に参入しないこととした。TA、RAの特例である。
  5. 2014年全国カトリック学校校長・教頭合同研修会レジュメ労働関係法改正への対応~私学の人事労務施策~日時:2014年6月27日(金)10時30分より於:アルカディア市ヶ谷横浜第一社会保険労務士事務所代表社会保険労務士田中崇司(8ページPDF)
  6. 特集●研究者のキャリアと処遇 若手の教育・研究者をめぐる労働法上の問題 浜村 彰 法政大学教授 2015年 11ページPDF
  7. 先ほどの労基法の問題については大変重要な点を含んでいると思います。そして、先ほどの労働省の見解がそのままだとすれば、これは日本社会全体が相当ひっくり返るぐらいのことがこの先起こっても不思議ではないというぐらいの問題 https://gurits.exblog.jp/3488477/
  8. 一方、新規に雇用契約を結ぶ際に「更新上限は○回まで」と書かれている書類に、労働者が納得してサインした場合には、無期転換ルールが適用されない。菅弁護士は「入り口規制の問題は残っている」と指摘し、契約書に納得できない場合はサインしないようアドバイスしている。(2018年問題/3 「無期転換」目前 雇い止めも 毎日新聞 2018年2月26日 東京朝刊)
  9. 任期付き大学教員の雇い止めの問題 弁護士ドットコム
  10. 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について (12ページPDF mhlw.go.jp)
  11. 任期付任用公務員の更新打切りに対する救済方法――近年の裁判例を踏まえた「出口規制」に係る法理のあり方の検討――川 田 鞜之 筑波ロー・ジャーナル3号(2008:3)99(62ページPDF)
  12. 大学等及び研究開発法人の研究者、教員等に対する労働契約法の特例について 労働契約法の改正により、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し労働者の雇用の安定を図ることを目的とした「無期転換ルール」が平成25年4月から導入されていますが、研究開発能力の強化及び教育研究の活性化等の観点から「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律」(平成25年法律第99 号)が平成25年12 月13 日に公布され、大学等及び研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換申込権発生までの期間(原則)5年を10年とする特例が設けられました(平成26年4月1日施行)http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000043387.pdf
  13. 研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律の公布について(通知)25文科科第399号平成25年12月13日 このたび、第185回国会(臨時会)において成立した「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律」(平成25年法律第99号。以下「改正法」という。)が、平成25年12月13日に公布され、労働契約法の特例、労働契約法の特例に関する経過措置及び研究開発法人の出資等の業務に係る規定については平成26年4月1日から、その他の規定については公布の日から、それぞれ施行されることとなりました。http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1344854.htm

 - 研究者の雇用問題, 研究者の雇用問題・労働問題