Category Archives: 研究助成

2019年度の科研費新規採択率が発表される~若手40.0%、基盤(B)29.2%の記録的高さ~

2019年度の科研費採択率が発表されています。若手研究は以前はAとBがありましたが、今はAがなくなり、Bに相当するものが「若手研究」として残っています。若手研究の採択率が今年度40.0%(前年度は30.7%)という高さなのが目を引きます。これは「若手研究」に予算が増額された措置によるものだそうです。また、基盤研究(B)も前年度の25.6%から今年度29.2%と大幅にアップしています。これも同様の措置がが取られたということのようです。

 

2019年度の科研費新規採択率

科研費審査結果一覧(令和元年度 新規採択分 速報値 5月現在)

()内は、前年度2018年度の数値です。

研究種目 応募件数 採択件数 採択率(%)
特別推進研究 106 (105) 12 (12) 11.3(11.4)
新学術 3522 (4422) 809 (857) 23.0 (19.4)
基盤研究(A) 2412 (2454) 605 (605) 25.1 (24.7)
基盤研究(B) 11396 (11577) 3327 (2965) 29.2 (25.6)
基盤研究(C) 45758 (43587) 12918 (12175) 28.2 (27.9)
若手研究 19590 (20369) 7831 (6256) 40.0 (30.7)

(出典:2019年5月22日 研究費部会 配布資料2-1)

 

科研費採択率に関するツイッター上の声

科研費採択率はどれくらいが適切なのかは論議の的になっています。


 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

参考

  1. 第10期研究費部会(文部科学省)

 

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【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

現在、文科省の研究費部会では科研費「新学術領域研究」を見直すための議論が行われています。2019年(令和元年)5月22日に文部科学省において第10期研究費部会(第2回)が開催され、現時点での構想が明らかにされました。新学術はだいぶ制度が変わるようです。

仮称ですが、「学術変革領域研究」と変更され、助成金額や研究機関などの規模の違いで(A)と(B)の2つに分かれます。(A)はこれまでの新学術領域研究に近い内容ですが、(B)は若手向けに新設されたもので、「公募研究」は無く、研究グループ数も3~4つ、応募金額上限が5000万円という規模で、研究成果をあげて(A)へステップアップすることが期待されています。

学術変革領域研究(A)は従来の新学術領域研究を踏襲しているように思えますが、審査区分から「複合領域」が廃止されました。また”真に必要な場合”には、従来の応募金額の上限を超えるものも認めるとしています。最も大きな変更点は、年齢制限を加えたことでしょう。若手研究者を支援するためという意図をかなり全面に押し出した制度変更のようです。

 

新学術領域研究の主な変更

  これまでの新学術領域研究 学術変革領域研究(A) 学術変革領域研究(B)
規模     3~4研究グループ。将来(A)への展開が期待される研究
応募金額 1000万円~3億円程度 現行の新学術領域研究を踏まえて措置 5000万円まで
公募研究 有り 有り 無し
審査区分 4系(人文・社会系、理工系、生物系、複合領域) 3系(人文・社会系、理工系、生物系) 3系(人文・社会系、理工系、生物系)
計画研究の年齢の条件   若手から中堅の研究者(45 歳以下の研究者を想定)を研究代表者とする計画研究が、少なくとも複数含まれる領域構成とする 若手から中堅の研究者(45 歳以下の研究者を想定)
公募研究の年齢の条件   総採択件数の半数程度が若手研究者(博士の学位を取得後8年未満又は39 歳以下の博士の学位を未取得の研究者を想定)  

(配布資料3 「新学術領域研究(研究領域提案型)の見直しについて(作業部会における検討状況の経過報告」(PDF)を参考にして一部の情報のみ抜粋して表を再構成)

 

学術変革領域研究の狙いは何?

新制度の名称に「変革」という言葉が入り、実際に、「目的」にもそれが明記されています。目的の部分を比較してみると、新しい制度で何を変えたいのかがわかります。新学術では走っているプロジェクトを見てみると、新学術が新しい学問分野の創造を意図していることが明らかだと思いますが、「学術変革領域研究」では、それが明示的に示されました。また、若手育成ということも全面に出ています。

多様な研究者の共創と融合により提案された研究領域において、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを先導するとともに、我が国の学術水準の向上・強化や若手研究者の育成につながる研究領域の創成を目指し、共同研究や設備の共用化等の取組を通じて提案研究領域を発展させる研究。(学術領域変革研究A 目的)

多様な研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成、設備の共用化等の取組を通じて発展させる。(新学術領域研究(研究領域提案型)目的)

(太字強調は当サイト)

 

ツイッターでみる世間の反応

新学術に手が加えられる、特に、若手重視の方針が打ちされたことに衝撃を受けた研究者がかなりいたようです。どこのラボでも話題になった模様。ツイッター上の声をいくつか拾って紹介します。

 

 

参考

  1. 第10期研究費部会(文部科学省)当日配布資料

 

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    私立大学研究ブランディング事業選定校と事業名(研究テーマ)、成果、論文業績

    私立大学研究ブランディング事業は、各大学の取り組みを特設ウェブサイト上で見ることができます。ウェブサイトを眺めていると、各大学の特徴が出ていおり、大学研究としても大変面白いです。志望大学を選べずに迷っている高校生にも、アピールするのではないでしょうか?そんな私立大学研究ブランディング事業ですが、オトナの事情で期間短縮や制度廃止などになってしまったのがとても残念です。

    関連記事 ⇒ 文科省の汚職事件の余波 私立大学研究ブランディング事業の制度廃止・現行事業の期間短縮

    2016年度から始まった。16年度(予算額72・5億円)に40校、17年度(同79億円)に60校、18年度(同56億円)にも20校を採択。(私大への支援事業、計画途中で打ち切りへ 大学側は反発 2019/04/09 05:00 朝日新聞DIGITAL

    1. 平成28年度私立大学研究ブランディング事業選定校一覧  (PDF 文科省)
    2. 平成29年度私立大学研究ブランディング事業選定校一覧  (PDF 文科省)
    3. 平成30年度私立大学研究ブランディング事業選定校一覧  (PDF 文科省)

     

    平成28年度(2016年)私立大学研究ブランディング事業選定40校

    以下、大学名は、私立大学研究ブランディング事業学内特設サイトまたは事業を担う学内センターへのリンク

    1. 東北学院大学 東北における神学・人文学の研究拠点の整備事業
    2. 石巻専修大学 震災復興から地域資源の新結合による産業創出へ -草葉起源による内水面養殖業の創出-
    3. 千葉科学大学 「フィッシュ・ファクトリー」システムの開発及び「大学発ブランド水産種」の生産
    4. 工学院大学 巨大都市・複合災害に対する建築・情報学融合によるエリア防災活動支援技
      術の開発と社会実装
    5. 女子美術大学 染織文化資源研究拠点の形成 染織文化資源研究所
    6. 金沢工業大学 ICT・IoT・AIの先端技術を活用した地方創生
    7. 金沢医科大学 北陸における細胞治療イノベーションの戦略的展開 論文発表等
    8. 北陸大学 北陸地方の生薬研究と食文化を基盤とした健康と創薬イノベーション
    9. 福井工業大学 『宇宙』事業推進のために地域と協働する“ふくいPHOENIXプロジェクト”
    10. 愛知文教女子短期大学 「食物アレルギーの子どもを守る」大学へ―保育所における職種間連携を含む食物アレルギー教育推進事業―
    11. 関西看護医療大学 セラピーアイランド淡路島の構築を基盤とした地域活性化と看護教育カリキュラム開発に向けた研究拠点の創設
    12. 高野山大学高野山アーカイブ」の構築と世界遺産高野山の生成・発展・継承に関する密教学的研究
    13. 安田女子大学 小学校での英語教育を実質化する教員養成・研修システムの研究開発と展開
    14. 広島文化学園大学 地域共生のための対人援助システムの構築と効果に関する検証
    15. 西九州大学 認知症予防推進プログラム~サクセスフル・エイジング プロジェクト in さが(SAPS)~
    16. 別府大学 九州における文化遺産保護研究の拠点形成のための基盤整備事業
    17. 沖縄大学 沖縄型福祉社会の共創-ユイマールを社会的包摂へ
    18. 青山学院大学 次世代ウェルビーイング~個別適合をめざした統合的人間計測・モデル化技術の構築~
    19. 学習院大学 超高齢社会への新たなチャレンジ-文理連携型<生命社会学>によるアプローチ 外部評価報告書
    20. 慶應義塾大学 地球社会の持続性を高める研究大学としてのブランド確立
    21. 國學院大學 「古事記学」の推進拠点形成―世界と次世代に語り継ぐ『古事記』の先端的研究・教育・発信―
    22. 駒澤大学 『禅と心』研究の学際的国際的拠点づくりとブランド化事業
    23. 順天堂大学 脳の機能と構造を視る:多次元イメージングセンター 研究ブランディング事業成果報告(業績)(PDF)
    24. 昭和大学 医系総合大学の実績を基盤とした生体内レドックス制御機構解明と臨床応用:健康長寿に貢献する大学創成 H29年度研究業績一覧 H28年度研究業績一覧
    25. 上智大学 持続可能な地域社会の発展を目指した「河川域」をモデルとした学融合型国際共同研究 進捗状況報告書
    26. 成城大学 持続可能な相互包摂型社会の実現に向けた世界的グローカル研究拠点の確立と推進
    27. 中央大学 アジア太平洋地域における法秩序多様性の把握と法の支配確立へ向けたコンバージェンスの研究
    28. 東京工芸大学 「色」で明日を創る・未来を学ぶ・世界を繋ぐ KOUGEI カラーサイエンス&アート
    29. 東京理科大学 材料表面・界面における水の学際研究拠点の形成
    30. 東邦大学 上皮バリア機構の不全により生じる疾患の克服を目指したブランディング事業 業績一覧
    31. 明治大学 Math Everywhere:数理科学する明治大学-モデリングによる現象の解明−
    32. 立教大学 インクルーシブ・アカデミクス―生き物とこころの「健やかさと多様性」に関する包摂的研究
    33. 東海大学 災害・環境変動監視を目的としたグローカル・モニタリング・システムの構築による安全・安心な社会への貢献
    34. 麻布大学 動物共生科学の創生による,ヒト健康社会の実現
    35. 名城大学 青色LEDを起点とした新規光デバイス開発による名城大ブランド構築プログラム
    36. 立命館大学 立命館ライフサポート科学で切り拓く高齢化日本の持続的発展モデルの構築
    37. 龍谷大学 新時代の犯罪学創生プロジェクト~犯罪をめぐる「知」の融合とその体系化~
    38. 関西大学 「人に届く」関大メディカルポリマーによる未来医療の創出 メンバー
    39. 近畿大学 世界のエネルギー資源の礎となる近大バイオコークスのネットワークを活かしたブランディング
    40. 岡山理科大学 恐竜研究の国際的な拠点形成―モンゴル科学アカデミーとの協定に基づくブランディング―

     

    平成29年度(2017年度)私立大学研究ブランディング事業選定60校

    1. 北海道科学大学 北国生活環境科学拠点~積雪寒冷地域における医社工連携をとおした超高齢社会対応のための技術展開と普及~
    2. 八戸工業大学 北東北の人口減少社会における自律的課題解決に向けたハブ機能構築と社会的資本の維持開発研究事業
    3. 岩手医科大学 医歯薬連携による全身疾患としての血管病の地域還元型学際的研究拠点
    4. 東北公益文科大学 日本遺産を誇る山形県庄内地方を基盤とした地域文化とIT技術の融合による伝承環境研究の展開
    5. 東京慈恵会医科大学 働く人の疲労とストレスに対するレジリエンスを強化するEvidence-based Methodsの開発
    6. 多摩大学 大都市郊外型高齢化へ立ち向かう実践的研究 -アクティブ・シニア活用への経営情報学的手法の適用-
    7. 新潟薬科大学 健康を支援する地域産物のブランド化のコアとなる大学
    8. 新潟工科大学 高度シミュレーション技術による地域の「風」の課題解決と人材育成
    9. 新潟医療福祉大学 リハビリテーション科学とスポーツ科学の融合による先端的研究拠点Sports & Health for all in Niigata-
    10. 金沢工業大学 これからの科学技術者倫理研究 ~社会が必要とする課題への取り組み~
    11. 松本大学 健康づくりを核に自治体・企業・医療機関と連携して進める元気な地域づくり
    12. 佐久大学 健康長寿〈佐久〉を牽引する「足育(あしいく)」研究プロジェクト
    13. 岐阜女子大学 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備事業
    14. 名古屋商科大学 地域経済の持続発展を担うアントレプレナーに関する研究拠点整備事業
    15. 岡崎女子短期大学 「子ども好適空間」研究拠点整備事業
    16. 長浜バイオ大学 フレキシブル植物工場システムと先端バイオ技術を基盤とした新たなグリーンイノベーション
    17. 京都造形芸術大学 京都における伝統文化のイノベーションサイクルを高度化させる拠点の形成
    18. 大阪医科大学 オミックス医療に向けた口腔内細菌叢研究とライフコース疫学研究融合による少子高齢中核市活性化モデル創出
    19. 大阪工業大学 モノづくり大阪に躍動感を-地域産業支援プラットフォーム(大阪工業大学)の挑戦
    20. 神戸常盤大学 地域子育てプラットホームの構築を通したAll-Winプラン
    21. 帝塚山大学 「帝塚山プラットフォーム」の構築による学際的「奈良学」研究の推進
    22. 岡山商科大学 『寄り添い型研究』による地域価値の向上
    23. 吉備国際大学 エコ農業ブランディングによる発展的地域創成モデルの形成
    24. 福山大学 瀬戸内海 しまなみ沿岸生態系に眠る多面的機能の解明と産業支援・教育
    25. 徳山大学 「健幸(ウェルネス)都市しゅうなん」構築に向けた研究・活動拠点の創設
    26. 四国大学 「阿波藍」の新たな価値創造を目指した文化的・科学的研究及びその魅力発信・人材育成拠点の構築
    27. 徳島文理大学 藻類成長因子を用いた海藻栽培技術イノベーション
    28. 久留米大学 すこやかな「次代」と「人」を創る研究拠点大学へ ~先端がん治療・研究による挑戦~
    29. 福岡歯科大学 高齢者ヘルスプロモーションと地域包括ケアへの口腔医学の展開~要介護化阻止と誤嚥性肺炎ゼロを目指して~
    30. 福岡医療短期大学 口腔機能向上でイキイキ長寿社会の実現-話そう・食べよう・いつまでも
    31. 西九州大学短期大学部 発達障害児の二次障害予防の支援研究~二次障害を予防し関係者の負担軽減を目指すために~
    32. 佐賀女子短期大学 短期大学におけるダブルディグリープログラムを推進する韓日語併記学習教材の開発と韓国文化研究拠点の構築
    33. 鹿児島女子短期大学 鹿児島の食文化の継承と発展のための拠点形成~「鹿女短 食育ステーション」構築事業~
    34. 自治医科大学 実践的抗加齢医学の開発と普及:健康寿命の延長を目指して
    35. 日本工業大学 次世代動力源としての全固体電池技術の開発と応用
    36. 北里大学 農医連携研究拠点の創出:食を介した腸内環境制御による健康社会構築
    37. 東京都市大学 都市研究の都市大:魅力ある未来都市創生に貢献するエイジングシティ研究および実用化の国際フロンティア
    38. 順天堂大学 スポーツ科学による「Health Creation」:代謝科学研究を基軸に世界展開するブランディング事業
    39. 上智大学 「人間の安全保障」実現に取り組む国際的研究拠点大学としてのブランド形成
    40. 成蹊大学 学融合的アプローチによる地域共生社会の実装スキームの確立と社会実践
    41. 創価大学 途上国における持続可能な循環型社会の構築に向けた適正技術の研究開発と新たな地域産業基盤の形成
    42. 中央大学 超スマート社会の実現に向けた沿岸都市における防災プラットフォームの開発
    43. 帝京大学 グローバルな視点からの危機管理3カテゴリー(事故、災害、テロ)の学際的エビデンス構築
    44. 東京医科大学 先制医療による健康長寿社会の実現を目指した低侵襲医療の世界的拠点形成
    45. 東京歯科大学 顎骨疾患の集学的研究拠点形成:包括的な顎口腔機能回復によるサステナブルな健康長寿社会の実現
    46. 東京電機大学 グローバルIoT時代におけるセキュアかつ高度な生体医工学拠点の形成
    47. 東京理科大学 スペース・コロニー研究拠点の形成 ~宇宙滞在技術の高度化と社会実装の促進~
    48. 東京薬科大学 健康社会の実現に向けた創薬化学の展開と人財育成
    49. 東洋大学 多階層的研究によるアスリートサポートから高齢者ヘルスサポート技術への展開
    50. 日本大学 スポーツ日大によるアンチ・ドーピング教育研究拠点確立とポストオリンピックへの展開
    51. 法政大学 江戸東京研究の先端的・学際的拠点形成
    52. 立正大学 立正大学ウズベキスタン学術交流プロジェクト
    53. 早稲田大学 多様な全世代が参画する社会へのデザイン−医理工社連携による新知と実践—
    54. 関東学院大学 命を守り希望を繋ぐ-新しい「防災・減災・復興学」の構築と研究拠点形成-
    55. 藤田保健衛生大学 高ストレス社会を克服する「精神神経疾患の最先端研究開発拠点大学」としてのブランド確立
    56. 名城大学 新規ナノ材料の開拓と創製による名城大ブランド構築プログラム
    57. 京都産業大学 “生命活動の根幹”をなすタンパク質研究の世界的拠点の形成と推進
    58. 大谷大学 仏教を基軸とする国際的研究拠点の形成と〈人間学〉の推進
    59. 関西大学 オープン・プラットフォームが開く関大の東アジア文化研究
    60. 福岡大学 ライフタイムにおける活力形成による健康な時間の創造~福奏プロジェクト~

     

    平成30年度(2018年度)私立大学研究ブランディング事業選定20」校

    1. 北海道情報大学 食の保健機能研究を基盤にした健康情報科学と情報通信技術の融合による健康長寿社会の創生
    2. 仙台大学 プロ球団とのアカデミックパートナーシップに基づく地域創生型スポーツ社会モデル形成事業
    3. 宮城学院女子大学 東日本大震災を契機とする〈地域子ども学〉の構築~子どもの視点に立ったコミュニティ研究の拠点形成~
    4. 流通経済大学 高度なロジスティクス実現に向けての研究拠点形成と人材育成-ロジスティクス・イノベーション・PJ
    5. 実践女子大学 源氏物語研究の学際的・国際的拠点形成
    6. 芝浦工業大学 アーバン・エコ・モビリティ研究拠点の形成~都市の交流・物流・環境をエンジニアリング技術で支える~
    7. 大東文化大学 漢学・書道の学際的研究拠点の形成による「東洋人の”道”」 研究教育の推進
    8. 津田塾大学 「変革を担う女性」の持続的育成を目指した「インクルーシブ・リーダーシップ研究」拠点の形成
    9. 神奈川工科大学 神奈川県の先進工科教育研究拠点:全国のモデルとなる先進高齢者支援システムの開発と地域社会への展開
    10. 仁愛女子短期大学 保育者育成のためのキャリア・ルーブリックの開発~シームレスな高校・短大・保育現場の繋がりを目指して~
    11. 愛知大学 「越境地域マネジメント研究」を通じて縮減する社会に持続性を生み出す大学
    12. 名古屋学院大学 ストック・シェアリングを通じた地域価値の編集による新世代型コミュニティの実現に向けた多層的研究
    13. 愛知医科大学 健康維持・増進を支える次世代先制地域医療:炎症評価コホート研究
    14. 京都薬科大学 受容体特異的画像化技術を基盤とするがん放射線内用療法(radio-theranostics)研究拠点の形成
    15. 同志社大学 宇宙生体医工学を利用した健康寿命の延伸を目指す統合的研究基盤と国際的連携拠点の形成
    16. 立命館アジア太平洋大学 インクルーシブ・リーダーシップの研究・育成・実践拠点としてのグローバルブランド確立
    17. 京都精華大学 持続可能な社会に向けた伝統文化の「表現」研究
    18. 関西医科大学 難治性免疫・アレルギー疾患の最先端研究拠点大学としてのブランド形成
    19. 天理大学 「天理大学スポーツブランドを活かした地域のスポーツ・健康づくり研究拠点の形成」
    20. 久留米工業大学 先進モビリティ技術で多様な人々が能力を発揮できる、Society 5.0に基づく「いきいき地域づくり」

    2019年4月1日科研費の採択が通知される

    2019年4月1日、科研費の採択が通知されました。科研費採択・不採択に纏わる悲喜こもごものツイートをいくつか紹介します。

    科研費採択・不採択の見分け方

    科研費に採択されるということ

    児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社

    科研費 採択される3要素 第2版
    いかにして研究費を獲得するか

    初めての科研費

    科研費をとりつづけるということ

     

    科研費申請に必要な気概について

    科研費で気を病む人々

     

    科研費の生存者バイアスについて

     

    科研費:若手研究に採択されるということ

    科研費が取れたことのおめでたさについて

     

    科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版
    科研費 採択される3要素 第2版
    いかにして研究費を獲得するか

    科研費:基盤(C)に採択されるということ

    科研費:基盤(B)に通るということ

    科研費はみずもの

    科研費に落ちるということについて


    科研費の申請は秋でその結果がわかるのは翌年4月です。採択されるかされないかで、その年度で何が研究できるのかが大きく変わってしまうので、4月1日を迎えるまでは研究者はそわそわする季節と言えます。

    さて、2019年4月1日にはどんなドラマがあるのでしょうか?ツイッターで科研費に纏わるツイートをいくつか拾って紹介したいと思います。

    2019年の科学研究費の予算

    基礎研究の重要性について

    現政権の考え方は、どうも応用思考のようですが、応用というのは基礎があってこそという当たり前のことが現政権や官僚にはあまり理解されていないようです。サイエンスの本質を理解できている人間が政治の中枢にはあまりいないということなのでしょうか?イノベーションを生み出すものは応用研究だとしても、応用研究というのは基礎研究の成果が前提として必要なわけで、基礎研究を軽視する現在の日本の科学行政の風潮は本当にお先真っ暗としかいいようがありません。

    「目の前の100人を治療する医師も重要だが、将来の100万人の治療に役立つ基礎研究も重要である。」 (京都大学ウイルス研究所 増殖制御学分野 影山研究室影山教授からのメッセージ)

    関連記事⇒ 沼研の伝説的なエピソード (沼正作1929-92)

    平成31年度科研費採択を目指し計画書を書く(ง •̀_•́)ง‼

    さて今年も科研費申請の季節がやってきました。まずは、平成31年度公募要領・計画調書要領・研究計画調書等のダウンロードページに行って、平成31年度科学研究費助成事業「科研費」公募要領(PDF)を読みます。今年は去年までと違って何がどう変更されたのか、PDF4ページめからの<平成31年度公募における主な変更点等>は要チェックです。話題に上っていましたが、研究業績のリストを書く欄がなくなったというのはかなり大きな変更ですね。

    (1)科研費の研究計画調書について、「研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄を「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更する等、様式の見直しを行いました。(31頁参照)研究計画調書の作成に当たっては、公募要領別冊「応募書類の様式・記入要領」を十分確認してください。

    (4)審査の際に審査委員が、researchmap 及び科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を必要に応じて参照することとしまし
    た(93頁参照)

    PDF 4ページ)

    業績リストを書く欄がなくなったことに対応してか、リサーチマップを参考にしますよという注意書きが添えられています。リサーチマップの業績欄をしっかりと作っておく必要がありそうです。

    さて、どの種目の出すかを決める必要がありますが、種目ごとに研究期間と金額が異なりますので身の丈にあった(=研究計画に見合った)種目を選ぶ必要があります。

     

    種目の選択

    新学術領域研究 (研究領域提案型)多様な研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成、設備の共用化等の取組を通じて発展させる(期間5年、1領域単年度当たり 1,000万円~3億円程度を原則とする)

    基盤研究 (S)1人又は比較的少人数の研究者が行う独創的・先駆的な研究(期間 原則5年、1課題 5,000万円以上 2億円以下)
    (A)(B)(C)1人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究
    (A) 3~5年間 2,000万円以上 5,000万円以下
    (B) 3~5年間 500万円以上 2,000万円以下
    (C) 3~5年間 500万円以下 ※応募総額によりA・B・Cに区分

    挑戦的萌芽研究【平成28年度公募分まで】1人又は複数の研究者で組織する研究計画であって、独創的な発想に基づく、挑戦的で高い目標設定を掲げた芽生え期の研究(期間1~3年、1課題 500万円以下)
    挑戦的研究 (開拓)(萌芽)1人又は複数の研究者で組織する研究計画であって、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究 なお、(萌芽)については、探索的性質の強い、あるいは芽生え期の研究も対象とする
    (開拓) 3~6年間 500万円以上 2,000万円以下
    (萌芽) 2~3年間 500万円以下

    若手研究 【平成29年度公募分まで】
    (A)(B)39歳以下の研究者が1人で行う研究
    (A) 2~4年間 500万円以上 3,000万円以下
    (B) 2~4年間 500万円以下 ※応募総額によりA・Bに区分
    【平成30年度公募以降】博士の学位取得後8年未満の研究者(※)が一人で行う研究 なお、経過措置として39歳以下の博士の学位を未取得の研究者が1人で行う研究も対象(※)博士の学位を取得見込みの者及び博士の学位を取得後に取得した産前・産後の休暇、育児休業の期間を除くと博士の学位取得後8年未満となる者を含む (期間2~4年、1課題 500万円以下)

    PDF 9ページ)

    そういえば研究計画調書って「枠」がなくなってたんですね、これは以前ネットでも話題になっていましたが、なんだか枠がないのは落ち着きません。

     

    重複制限

    府省共通研究開発管理システム(以下、「e-Rad」という。)を活用し、「不合理な重複又は過度の
    集中」(5頁注参照)の排除を行うために必要な範囲で、応募内容の一部に関する情報を、他府省を含む他の競争的資金担当課(独立行政法人等である配分機関を含む。)間で共有することとしています。そのため、複数の競争的資金に応募する場合(科研費における複数の研究種目に応募する場合を含む。)等には、研究課題名についても不合理な重複に該当しないことがわかるように記入するなど、研究計画調書の作成に当たっては十分留意してください。(PDF 12ページ)

    国が不合理な重複又は過度の集中の排除を謳うわりには、富める研究者がますます富み、貧富の差が拡大しているように思います。地方大学の教授でも基盤研究費が雀の涙ほどの額(10万円台)でしかなく、しかも競争的外部資金が取れなくて苦労しているという新聞記事がある一方で、中央のメジャーな研究機関や大学では莫大な研究費に恵まれて湯水のごとき使い方をしている印象があったりもします。理研のPIが科研費ももらっているのを見ると、この不公平感は何だろうとモヤモヤします。

    この指針において「過度の集中」とは、同一の研究者又は研究グループ(以下「研究者等」という。)に当該年度に配分される研究費全体が、効果的、効率的に使用できる限度を超え、その研究期間内で使い切れないほどの状態であって、次のいずれかに該当する場合をいう。
    ○研究者等の能力や研究方法等に照らして、過大な研究費が配分されている場合
    ○当該研究課題に配分されるエフォート(研究者の全仕事時間に対する当該研究の実施に必要とする時間の配分割合(%))に比べ、過大な研究費が配分されている場合
    ○不必要に高額な研究設備の購入等を行う場合
    ○その他これらに準ずる場合

     (PDF 13ページ)

    募集要項には研究費の不正使用に関する注意事項も述べられています。研究不正疑惑がもみ消されて、訂正もされずに宙ぶらりんになっている論文でも、グラントの審査において業績として認めらてしまってよいのでしょうか?審査委員は常識的な判断に基づいて厳正に審査してもらいたいものです。愚痴はそれくらいにして、申請時の重複制限に関する早見表PDF30ページから掲載されています。受給制限の理解も大事です。

     

    科研費申請の締切日

    締め切りを知らないと計画書を書くペースがつかめません。締めきりは、PDF10ページに11月7日(水)
    午後4時30分提出期限(厳守)とあります。もちろん各大学で「所内締め切り」それよりずっと早い日時に設定されているので、所内提出日は研究者の所属機関にによりまちまちです。

     

    審査区分

    PDF47ページから、審査区分の説明があります。どの区分に出すかによって誰に審査されるかが決まるわけですから、この審査区分の選定は非常に重要だと思います。自分や自分の研究を高く評価してくれる人たちがたくさんいる分野に出すほうが、科研費採択の可能性が高まるはずです。

     

    最終年度前年度応募

    下手に少額の研究費を数年間にわたってもらってしまって、重複制限によって新たな申請が出せなくなるのは困るわけですが、最終年度前年度応募という制度が用意されている種目もあります。

    継続中の研究課題で、当初の研究期間が4年以上の特別推進研究、基盤研究(基盤研究(B・C)応募区分「特設分野研究」を除く。)又は若手研究の研究課題のうち研究期間が3年以上のものである場合には、研究計画最終年度前年度に新たな研究課題の応募ができます。(応募全般についての質問【Q2108】 現在、来年度も継続する研究課題がありますが、この研究をより発展させるために、別の研究課題を新たに応募したいと考えていますが可能でしょうか。【A】文科省) 太字強調は当サイト

     

    学術振興会と文科省との関係

    科研費の申請の準備をしていると、検索結果で学術振興会のウェブサイトに行ったり、文科省のウェブサイトに飛ばされたり、一体どっちが何なのかわけがわかりませんが、募集要領に説明がありました。これで気持ちすっきり。

     

    新学術領域公募

    ところで今年は、新学術領域はどのプロジェクトが公募を行っているのでしょうか?文科省のサイト、

    平成31年度科学研究費助成事業‐科研費‐(新学術領域研究・特別研究促進費)の公募 公募要領・計画調書のダウンロード

    のPDF(全158ページ)、

    平成31年度科学研究費助成事業-科研費-公募要領(新学術領域研究・特別研究促進費)  (PDF:4439KB) 

    の24ページ~に公募を行う学術領域の一覧があります。以下、領域名、領域設定期間、公募期間を抜粋しました。

    別表1  新学術領域研究(研究領域提案型)のうち「公募研究」を募集する研究領域一覧(39研究
    領域)

    注)各研究領域の概要については、「別表5 新学術領域研究(研究領域提案型)の研究概要」(54頁~73頁)を確認してください。

    1. グローバル秩序の溶解と新しい危機を超えて:関係性中心の融合型人文社会科学の確立
      グローバル関係学 平成28年度~平成32年度2年間
    2. パレオアジア文化史学ーアジア新人文化形成プロセスの総合的研究 パレオアジア 平成28年度~平成32年度2年間
    3. 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 西アジア都市 平成30年度~平成34年度2年間
    4. 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス 特異構造の科学 平成28年度~平成32年度2年間
    5. 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 配位アシンメトリ 平成28年度~平成32年度2年間
    6. ヒッグス粒子発見後の素粒子物理学の新展開~LHCによる真空と時空構造の解明~ 真空と時空 平成28年度~平成32年度2年間
    7. スロー地震学 スロー地震学 平成28年度~平成32年度2年間
    8. 生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学 生合成リデザイン 平成28年度~平成32年度2年間30 300万円以内
    9. 光圧によるナノ物質操作と秩序の創生 光圧ナノ物質操作 平成28年度~平成32年度2年間
    10. 複合アニオン化合物の創製と新機能 複合アニオン 平成28年度~平成32年度2年間
    11. ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成 ハイドロジェノム 平成30年度~平成34年度2年間
    12. 新しい星形成論によるパラダイムシフト:銀河系におけるハビタブル惑星系の開拓史解明 星惑星形成 平成30年度~平成34年度2年間
    13. ニュートリノで拓く素粒子と宇宙 ニュートリノ 平成30年度~平成34年度2年間
    14. ミルフィーユ構造の材料科学-新強化原理に基づく次世代構造材料の創製- MFS材料科学 平成30年度~平成34年度2年間
    15. 量子クラスターで読み解く物質の階層構造 クラスター階層 平成30年度~平成34年度2年間
    16. ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理 ハイエントロピー 平成30年度~平成34年度2年間
    17. 宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。 量子ビーム応用 平成30年度~平成34年度2年間
    18. 新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化 新光合成 平成28年度~平成32年度2年間
    19. スクラップ&ビルドによる脳機能の動的制御 スクラップビルド 平成28年度~平成32年度2年間
    20. 脳構築における発生時計と場の連携 脳構築の時計と場 平成28年度~平成32年度2年間
    21. ネオ・セルフの生成・機能・構造 ネオ・セルフ 平成28年度~平成32年度2年間
    22. ネオウイルス学:生命源流から超個体、そしてエコ・スフィアーへ ネオウイルス学 平成28年度~平成32年度2年間
    23. 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― 植物新種誕生原理 平成28年度~平成32年度2年間
    24. マルチスケール精神病態の構成的理解 マルチスケール脳 平成30年度~平成34年度2年間
    25. 配偶子インテグリティの構築 配偶子構築 平成30年度~平成34年度2年間
    26. 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル クロマチン潜在能 平成30年度~平成34年度2年間
    27. 脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学 思春期主体価値平成 28年度~平成32年度2年間
    28. 多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解「個性」 創発脳 平成28年度~平成32年度2年間
    29. 生物ナビゲーションのシステム科学 生物移動情報学 平成28年度~平成32年度2年間
    30. 解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解 数理シグナル 平成28年度~平成32年度2年間
    31. 人工知能と脳科学の対照と融合 人工知能と脳科学 平成28年度~平成32年度2年間
    32. 意志動力学(ウィルダイナミクス)の創成と推進 意志動力学 平成28年度~平成32年度2年間
    33. ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア ケモユビキチン 平成30年度~平成34年度2年間
    34. 時間生成学―時を生み出すこころの仕組み 時間生成学 平成30年度~平成34年度2年間
    35. ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合 ロボット学 平成30年度~平成34年度2年間
    36. ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明 ヤポネシアゲノム 平成30年度~平成34年度2年間
    37. 植物の力学的最適化戦略に基づくサステナブル構造システムの基盤創成 植物構造オプト 平成30年度~平成34年度2年間
    38. 発動分子科学:エネルギー変換が拓く自律的機能の設計 発動分子科学 平成30年度~平成34年度2年間
    39. シンギュラリティ生物学 シンギュラリティ 平成30年度~平成34年度2年間

    参照:PDF24~25ページ

     


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    児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社
    科研費 採択される3要素 第2版
    いかにして研究費を獲得するか


     

     

    参考サイト

    1. 平成31年度公募要領・計画調書 公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ 平成31年度科学研究費助成事業 特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究(日本学術振興会
    2. 平成31年度科学研究費助成事業‐科研費‐(新学術領域研究・特別研究促進費)の公募 公募要領・計画調書のダウンロードページ文科省
    3. 「平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会」資料及び動画文科省

    “量子コンピューター”開発成功のイムパクト

    ImPACT(内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム)のプレスリリースおよび報道によると、初めての国産量子コンピューターの開発に成功したとのことです。

    内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の山本 喜久 プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として、日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 鵜浦 博夫 以下、NTT)NTT物性科学基礎研究所 量子光制御研究グループの武居 弘樹 上席特別研究員、本庄 利守 主任研究員らのグループ、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(東京都千代田区、所長 喜連川 優 以下、NII)情報学プリンシプル研究系の河原林 健一 教授、加古 敏 特任准教授らのグループ、および東京大学(東京都文京区、総長 五神 真)生産技術研究所 合原 一幸 教授、神山 恭平 特任助教らのグループは、光の量子的な性質を用いた新しい計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」をクラウド上で体験できるシステムを開発し、2017年11月27日より公開いたします。

     

    量子コンピュータを実現するハードウェアとしては、ゲート型、アニール型、ニューラルネットワーク型の異なる3つのアプローチがあります。インターネットを介して実機を体験できるクラウドウェブサイトとしては、IBMがゲート型15ビットマシンを、D-WAVEがアニール型2000ビット、12000結合マシンを今年に入って次々と公開しています。また、Googleも来年春にはゲート型49ビットマシンを公開する予定です。今回、日本から公開されるニューラルネットワーク型2000ビット、400万結合マシンは、世界最大規模の量子コンピュータであり、これまでの限界を30倍以上拡大した2000ビットまでの組み合わせ最適化問題が解けます。(山本 喜久 ImPACTプログラム・マネージャーのコメント 量子ニューラルネットワークをクラウドで体験 ~量子を用いた新しい計算機が使えます~JST 平成29年11月20日

    スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される次世代のコンピューター、「量子コンピューター」の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表しました。(初の国産量子コンピューター 無料公開 NHK NEWS WEB 11月20日 19時14分

     

    しかしながら今回の成果を「量子コンピューター」と呼ぶことに関して、インターネット上で異論が湧き起こっています。

    研究者としては「量子コンピュータ」とは呼べないものを研究者が「世界最大規模の量子コンピュータを開発した」と言って大大的に広報したということ。報道が勝手に書いたとかなら、またマスゴミが、で済むんですが、研究領域が大切にしている言葉の定義を研究者自身が広報のために歪めて使うというのは、研究倫理の問題にもなるんじゃないかと思います。‥(中略)‥

    ビッグデータ、人工知能、IoT・・・。量子コンピュータもそのうちのひとつのバブリワードなわけで、バブリワードを使ってプレスしたほうがPR効果が大きいという判断なんでしょうね。‥(中略)‥

    なんだかアホらしい話ですが、最近の大学や研究機関のプレスリリースは研究者としての誠実さよりも、バズること、世の中にウケることが最優先になっています。(内閣府ImPACTの誇大広告広報と量子コンピュータの話 人間とテクノロジー 2017-11-21)

     

    追記20171010

    ついに、この研究成果の共同研究者もこれは量子コンピュータではないと認めていることが、毎日新聞により報道されました。

    チームのメンバーの西森秀稔・東京工業大教授は毎日新聞の取材に「計算の一番本質のところで量子効果を使っていない」と話す。
    共同研究者に名を連ねる井上恭・大阪大教授も「『これは量子コンピューターと違う』と言う人がいたら反論できない」と話した。
    (「スパコン超え」国産コンピューター 「量子」命名に異論 集積回路、従来のまま (毎日新聞 2017年12月10日 東京朝刊))

    2018年10月12日(金)学振採用者発表 審査結果が通知される

     

    最新関連記事 ⇒ 2021年9月27日(火)学振採用者発表 審査結果が通知される

     

    2018年10月12日(金)学振の審査結果が通知される

    学振採用通知日に思うこと

    しかし学振の特にDC、あれだけ手間かけて申請して審査して得られる待遇が生活保護レベルなのは正気の沙汰ではない。院生向けベーシックインカム制度とミックスして初めて意義がある制度だと思う。 0:22 – 2018年10月12日

    学振DCの年俸240万円っていうのは,年間所定労働日数を255日として一日8時間労働で計算すると時給1176円. 東京都の最低賃金985円を下回るとかそんなことは流石にないのだけれど,学振は副業禁止・有給なし・社会保険料自腹(・大学によっては学費免除なし)となるので……. 0:53 – 2018年10月12日

    学振10連敗は悔しいし、その3年があればどれだけ研究進められただろうかとか思うけど、学振採択されて任期中に立派な業績詰んだ優秀な若手研究者たちも未だにテニュアトラックでさえない任期付きをウロウロして渡り歩いてるのが現状だから退くも地獄進むも地獄って感じで救いがないよな。 5:06 – 2018年10月12日

    学振落ちた人は世の中へ出るといいよ。世の中には君たちにお金を払ってくれる人がいっぱい居るから。そしてお金を貰ったら高級な焼肉か高級な寿司を食べるといい。色々とバカらしくなってくるから。  1:17 – 2018年10月12日

    学振受かっても受からなくても、やることは変わらない。1:20 – 2018年10月12日

    2018年10月12日付けで学術振興会特別研究員(学振)の採用の通知がありました。

    平成31年度採用分特別研究員(PD,DC2,DC1)の第一次選考(書類選考)結果について(2018年10月12日)

    • 第一次選考(書類選考)の結果を平成30年10月12日付で、電子申請システム上にて開示しました。申請者は、自身の電子申請システムログイン用ID・パスワードで電子申請システムにアクセスし、選考結果を確認してください。
      ※申請者の電子申請システムログイン用ID・パスワードは本会では再発行できません。申請機関へお問い合わせください。
      電子申請システム:http://www-shinsei.jsps.go.jp/index2.html
    • 募集要項に記載のとおり、結果について郵送による通知は行っておりません。<面接候補の方>
      平成30年10月19日(金曜日)15時までに、電子申請システムにて面接の出欠についてご回答ください。(欠席する場合も必ずご回答ください。)
      なお、上記日時までに回答がない場合には、選考辞退として取り扱います。

    (引用元:日本学術振興会

    学振で今年から変わったこと

    学振の審査結果発表を間近に控えた心境

    学術振興会特別研究員(学振)採用者決定の通知が毎年10月中旬にありますが、待つ身にはつらいようです。

    1. 今年の学振DC/PDの結果発表はおそらく2018/10/15(月)。 ちなみに昨年は2017/10/16(月)、一昨年は2016/10/14(金)でした。 ?  19:19 – 2018年10月6日
    2. そろそろ学振の結果発表ですね。うちのボス曰く、「半年かけてつくった申請書とやっつけでつくった申請書はすぐわかる」。 7:59 – 2018年10月11日

    2017年10月16日学振の結果が通知される

    学術振興会特別研究員(学振)の審査結果が今日発表されました。面接試験免除での合格、不合格、面接試験へ進む、の3つに分かれたようです。

    日本の研究の「今」を垣間見ることができるツイッターをいくつか紹介します(随時追加削除入れ替える可能性あり)。

    本日発表

    1. そうか、今日は学振の発表か。 From: ZoZomiK0222 at: 2017/10/16 18:36:24 JST Re 公式RT
    2. 今日は学振発表デーだったのね。From: SSeiya60260 at: 2017/10/16 14:32:58 JST Re 公式RT
    3. うああ..学振の日だったのね ううううう From: yokonozo at: 2017/10/16 15:14:47 JST Re 公式RT
    4. 学振の結果が出たらしくて重い空気が広がってる From: suzutomo1020 at: 2017/10/16 15:38:26 JST Re 公式RT

    結果を知ることに対する恐れについて

    1. 学振結果発表でメール来てるけど怖くて開けられない From: rarudosiori at: 2017/10/16 14:32:35 JST Re 公式RT
    2. 学振の結果出てるのか (確認するの怖い) From: usage_based at: 2017/10/16 16:08:42 JST Re 公式RT
    3. RT @m43net: 学振の 結果開示を 見たくない From: Holyithylene at: 2017/10/16 16:18:11 JST Re 公式RT
    4. 学振の結果発表メール来てて学振(ガクブル)してる From: raru_psychology at: 2017/10/16 14:53:08 JST Re 公式RT

    学振のキーワードがトレンドランキング上位に

    ヤフーリアルタイム検索では、一時、「学振」がランキング3位にまで上昇しました。

    1. RT @yusuke_kaimori: 学振がリアルタイム検索にランクインしててつらい。 pic.twitter.com/g852xgDYba From: TTAGGGn at: 2017/10/16 14:16:38 JST Re 公式RT

     

    喜び・安堵

    1. 学振通った…よかった… From: migidoh_honten at: 2017/10/16 15:56:17 JST Re 公式RT
    2. 一年越しで学振に通ったやったー!!!!! From: ponytailkicker at: 2017/10/16 15:53:17 JST Re 公式RT
    3. 学振通ったああああああああああ pic.twitter.com/rzdDWfyqYk From: Se3pEpp1 at: 2017/10/16 15:29:49 JST Re 公式RT
    4. おかげさまで学振通りました。もろもろお世話になった方、ありがとうございます。 From: leo_metoro at: 2017/10/16 15:18:23 JST Re 公式RT
    5. 学振通りました~! From: ChiffonHimeyuri at: 2017/10/16 14:44:12 JST Re 公式RT
    6. 学振PD採用内定きたぁああああああ!!!!!! やったーーーーーーー!!!!! From: ONODA_in_Onodac at: 2017/10/16 14:29:51 JST Re 公式RT
    7. 学振受かったぁぁぁあーーーー!!! 死ぬほど嬉しい!!! From: wednesday0814 at: 2017/10/16 14:16:47 JST Re 公式RT

    学振に通るということ

    1. ラボで学振通った人いてすげーってなってる!😃 From: 1catcherNo at: 2017/10/16 19:33:01 JST Re 公式RT
    2. 可愛い子におめでとうって言ってもらえたから、 学振通って良かったと思います。
    3. 彼女さんがうちよりも学振採択喜んでくれていて幸せなう 
    4. ♥️先輩♥️、学振通ってた♥️ From: 4Ag_O2 at: 2017/10/18 12:20:01 JST Re 公式RT

    落胆・口惜しさ・辛さ

    1. はーーーーー 学振落ちたーーー From: eggnist at: 2017/10/16 16:16:18 JST Re 公式RT
    2. 学振落ちた!!!!!涙 From: fuguindy at: 2017/10/16 15:01:55 JST Re 公式RT
    3. 学振落ちた。ぐやじい From: PenguinPotato at: 2017/10/16 14:32:37 JST Re 公式RT
    4. 学振ダメだったンゴ From: Mentyu at: 2017/10/16 14:23:11 JST Re 公式RT
    5. 学振ダメでした From: maru9_tkb at: 2017/10/16 14:16:24 JST Re 公式RT
    6. はー…学振…(まだ凹んでる) とりあえずご飯食べようそうしよう From: mymh8389 at: 2017/10/16 23:07:44 JST  Re 公式RT

    気持ちの切り替え・これから

    1. 学振を落としたのでない。私が飛翔したのだ。 From: tdualdir at: 2017/10/16 18:13:45 JST Re 公式RT
    2. RT @tdualdir: 学振が取れなかったのではない。学振が俺を捕まえきれなかったのだ。 From: stenoritama at: 2017/10/16 19:54:48 JST Re 公式RT
    3. 今年も学振おちたりもしたけれど、私はげんきです。 From: pocute_physics at: 2017/10/16 16:13:39 JST Re 公式RT
    4. RT @Mentyu: われわれはもはや蹉跌と敗北の学振申請書を閉じねばならない。戸外では秋はすでに深まり、院生室には修論執筆の焦燥が訪れて来たのである。 From: Dr_Raugust at: 2017/10/16 15:10:35 JST Re 公式RT
    5. 学振厳しいなー。来年までに成果出して、DC2でやり返さねば。ある意味、研究意欲が湧かされたね笑 From: aki_hiro1003 at: 2017/10/16 15:07:58 JST Re 公式RT
    6. 学振は今年もダメでした、がDC1申請時より評価はあがったので日本語力は多少あがったのかなと。しょうもない比較だがまずはポジティブに考えることにする。 From: KalynKwmt at: 2017/10/16 14:26:10 JST Re 公式RT
    7. アカデミック志向だからといって学振に通るとはもちろん限らないわけだが、それで落ちて腹立たしければ、そのエネルギーで死ぬほど研究がんばるしかないんだろうなと。 From: tkmpkm1 at: 2017/10/16 19:33:45 JST Re 公式RT

    指導者の喜び

    1. うおーがくせーが学振通った! From: tatary at: 2017/10/16 14:20:05 JST Re 公式RT
    2. 学生くん無事に学振DC2採択、良かった! From: maplesyrup100 at: 2017/10/16 14:32:19 JST Re 公式RT
    3. うちのラボで学部から指導させてもらっている大学院生の一期生が,学振DC1に採択していただいたとの連絡.色々感慨深くて涙出た. From: neuromusiker at: 2017/10/16 14:21:37 JST Re 公式RT
    4. ラボのメンバーが学振通った。嬉しい! From: koichi_kawakami at: 2017/10/16 14:34:22 JST Re 公式RT

    学振の面接

    今日の通知では、面接試験免除で学振採用が確定した人と、次に面接試験に進むことが決まった人とに分かれました。

    1. 学振の面接5分で何を言うんや… From: GrClown at: 2017/10/16 17:49:36 JST Re 公式RT
    2. ちなみに学振は面接候補でした。4分間の発表と6分の質疑応答。あまり情報がないのですが、やれるだけやってみます。私の領域では約570の応募者、採択101名、面接候補28名なのですが、割合的に面接候補の方がレアじゃないですか?採択者より選ばれてる感出てません?? From: ayas2ayaaaa at: 2017/10/16 15:51:11 JST Re 公式RT
    3. 学振の結果出ました。 「面接候補」 戦いは続く。 From: ryuta_ut at: 2017/10/16 15:38:36 JST Re 公式RT
    4. 振DC2、面接回った。 理解されないかもと思ったが、尖った内容だったから拾われたのかなぁ。 もう少し頑張ります。 From: _yavailable_ at: 2017/10/16 15:00:22 JST Re 公式RT
    5. 学振の面接いやぁ….. From: MrBoilingFrog at: 2017/10/16 14:33:57 JST Re 公式RT
    6. 学振面接候補かあ、、、、、、 From: watanabeckeiich at: 2017/10/16 14:24:27 JST Re 公式RT
    7. RT @TechPcho: おお、学振TLですね。 喜びと悲しみな間に揺れるTLの中、わずかながら、ひっそりと面接試験となった人たちもいると思います。 秒速4万円以上の価値がある面接となると思います、万全を期して頑張ってください! From: takeshi8931 at: 2017/10/16 14:21:20 JST Re 公式RT

    学振の制度の意義について

    1. 情報系では学振なんていらないだろうけど、理学・文学系には死活問題なんやで From: termoshtt at: 2017/10/16 15:41:37 JST Re 公式RT
    2. 生きる上で学振には大変お世話になりました(人╹ω╹ ) From: e_ekami at: 2017/10/16 14:32:36 JST Re 公式RT
    3. 学振が仕分け対象にされたときの評価書がこれか… なかなか香ばしい zoology.or.jp/news/img/f_use… 「博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策」 「実社会から逃避して、大学に留まる人をいたずらに増やしてしまう」 「博士取得者のセーフティネット事業」From: tackson5 at: 2017/10/17 16:29:31 JST  Re 公式RT
    4. このような厳しい審査を勝ち抜いた学振PDは、とある政党では生活保護みたいなシステムで働いてる人たちって言われてしまうらしい。はぁ、、 twitter.com/tonets/status/…

    ●博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策。博士養成に関する見直しが必要。テニュア・トラック制については存続。
    ●過去の政策のつけであるから少しずつ減らしていくしかない。毎年5%ずつカット。
    ●目的が重複しており、施策の整理統合が必要。その上で効果の明らかな事業に絞り込んでいくべき。
    ●教員免許をポスドクに付与する政策を検討すべき。実社会から逃避して、大学に留まる人をいたずらに増やしてしまう側面も否定できない。大学そのものが過剰であり、この適切な統廃合も必要。
    ●大学の教員制度の見直し必要。
    ●ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸。(本来なら別の道があったはず)。
    ●若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を若手にこだわらず再構築。
    ●若手研究者の問題は政治の問題でもあるので、十分な見直しが必要。
    ●競争的資金と合わせて再考すべき。省をまたがった&シンプルな研究者支援を先端技術研究と合わせて考えるべき。
    ●研究費ベースの事業をますます複雑化している。研究費配分として整理すべき。PD対策は、キャリア支援、TA/RAとしての採用枠など学術振興会枠はシンプルに。
    ●博士取得者のセーフティネット事業と理解しているが、民間企業を出口にする政策が不可欠である。民間企業から国費の不足分を補う政策を期待する。
    ●雇用対策のようなものになっているのではないか。その為の統合的な対応が必要でないか。将来的な雇用対策につなげることが必要ではないか。
    ●大学→大学院→キャリアのプランがないことは問題だが、むしろキャリア計画教育の問題。高等教育全体にキャリア教育が不足している点と関係がある。

    (出典:行政刷新会議「事業仕分け」第3WG 評価コメント 評価者のコメント(評価シートに記載されたコメント)事業番号3-21 競争的資金(若手研究育成)①科学技術振興調整費(若手研究者養成システム改革)②科学研究費補助金(若手研究(S)(A)(B)、特別研究員奨励費)③特別研究員事業)

    学振採用通知のタイミングについて

    1. RT @msmt9: 学振の採用内定予定は貰えたけど博士進学内定は決まってないんだなこれが(マクロ再再履修マン) From: Voca_Espoir at: 2017/10/16 14:25:09 JST Re 公式RT
    2. 学振、お金がもらえるかどうか決まるのが博士課程の入試後とかいうのシステムの欠陥すぎると思う From: Bluepost125 at: 2017/10/16 15:23:59 JST Re 公式RT
    3. “”実験核物理の””学振DC1 通りました。残念ながら学振提出直後に進路を情報科学に変えたので、手続き次第では辞退します twitter.com/mikskw/status/…
    4. 学振PD採用内定もらいました。 がテンモンダイが受入じゃないので、、これは話し合いをしないと。。。 From: 730kou_haya at: 2017/10/16 15:00:41 JST Re 公式RT

    学振制度の問題点

    1. RT @YOSIX_: @N_Y_Big_Apple 学振取れたら副業禁止なのに、副業がなければ生活が底辺というおぞましさ。しかも期限付き。日本が大事とか言ってるわりに、日本の科学者資源はないがしろにする。最後はこの国、科学に泣くと思う。 From: YuzukaMinaduki at: 2017/10/16 20:36:54 JST Re 公式RT
    2. 学振、研究に専念しなくちゃならないというのがなあ。もっと額増やして欲しいとみんな思っているんだろうけど昨今の学問に関する予算感を見ると希望もなさそうです。 From: salut_copain at: 2017/10/16 14:46:47 JST Re 公式RT
    3. 学振通ったら学費半額免除、落ちたら学費全額免除のジレンマ From: exotilium at: 2017/10/16 15:35:29 JST Re 公式RT
    4. RT @kida_yusuke: 学振、取ってしまうとアルバイトやめなきゃいけないので、採用期間終了後が大変。私の場合、学振DC2終わったあとは専業非常勤で食いつないだけど、あの2年間は本当にカツカツでした。
    5. 前回の学会で海外の先生に誘ってもらってて、学振に通ったのでお金の心配なくいけると連絡し日程等を相談してたんですけど、金額(月20万,副業不可)を伝えたら、これビザとるのにギリギリな額で、かなり厳しい生活になるっぽいし、為替相場によっては僕留学いけないっぽい(ウケる(ウケない)) 
    6. タイムラインに学振の結果発表がでてるけど、自分が知ってる限り額がこの20年は額が変わってないぽい。。デフレのせいといえばそうだけど、流石に最近のインフレ分ぐらいは反映してもよいのではないだろうか… From: hamayou at: 2017/10/16 23:06:32 JST  Re 公式RT
    7. いずれにしても、うちの大学の事務は「海外出張禁止」にこだわっているので、ぼくは今年は応募できない。大学側が知らないふりして応募しても学振側は特に気にしない、ということが過去に何度もあったというのに(自分が聞いただけでも数件あるので、実際はその数十倍の数では?)。From: goeland_argente at: 2017/10/18 20:20:46 JST Re 公式RT
    8. 科研費も学振も、採用者も不採用者も点数だけでなくコメントを見せてほしい。関係者に要望したら、検討しているとは聞きましたが。 From: esumii at: 2017/10/18 10:56:16 JST Re 公式RT

    日本の大学院生・ポスドク支援制度の問題点

    1. RT @ronbunwokaku: 学振に通ったのだけど、日本での博士課程学生の扱いがどんなものなのかを採用率から分からされて、めでたい気持ちにならない。 From: bananataisi at: 2017/10/16 18:16:54 JST Re 公式RT
    2. 学振や科研費、大学の予算配分の問題を考える時いつも思うのは当事者である研究者や院生やポスドクはそういうアドボカシーに割く余力が無いんだよね。 ブラック企業と同じで、それに立ち向かう力を潜在的に最も持つのは当事者なんだけど、それが出来る状態ではなかったり視野の外にある。 From: salut_copain at: 2017/10/16 18:07:02 JST Re 公式RT
    3. RT @yoh2: 学振なんて縁がなかったから(出してはいたけど)博士んときは深夜バイト(23-5時)で食いつないでた。丈夫で健康なわがままボディに感謝したい。 From: saiteejin at: 2017/10/16 20:23:04 JST Re 公式RT
    4. RT @Uncopolymer: 学振の当落を高みから観察するパーマネント勢 From: tjmlab at: 2017/10/16 20:22:49 JST Re 公式RT
    5. バイト先は院に入るときに(大学の)先輩から受け継ぎ、学振を取ってまた後輩に受け継ぐというのをもう20年近くやっており、今年も1人学振に通り、辞める事になった。 自分がここに勤めてから3人目だ。 From: yudai_TNB at: 2017/10/16 20:28:39 JST Re 公式RT
    6. 「学振というのは院生間に格差と妬みを生じさせる非常に不公平な制度なので、全ての博士課程の学生を対象にした給付型奨学金の拡充を図るべきである」(半分冗談半分本気) 

    学振を取ったことにより生ずる変化

    1. 学振受かった。これで本屋で三時間迷ったあげく、震える手で本を書棚に戻し、絶望感に浸りながら帰路に着くことがなくなる。 54分前
    2. 学振を担保に結婚する人多いよな 
    3. 学振もらった後の大学内待遇はいくつかあって,某大学では学振取ったら学費免除+学内表彰で報奨金出すことにより,学振富豪が誕生することもある. From: m_morise at: 2017/10/16 18:01:53 JST Re 公式RT
    4. RT @tkmpkm1: そういえばかなりの地方の人たちが「学振通ると、学振太りする人が出てくる」とか言ってたが、そうなのか・・。 From: Ag_smith at: 2017/10/16 18:35:19 JST Re 公式RT
    5. 学振がいかに少なくて悲惨かという話をする人が多数なんだけど、学振富豪なり学振太りなりいろんな方もいるようです。すべてはどこに住んでいるかに依存。 From: tkmpkm1 at: 2017/10/16 18:12:19 JST Re 公式RT

    博士課程教育リーディングプログラムやその他の制度と学振の制度について

    1. RT @namicha_1: 東大工学系研究科の場合、学振と金銭的に同等の奨学金やらRAやらの募集が毎週のようにあるのが進学してから分かってとても驚いた。しかもほとんどが学振持ちの人は応募できないから競争率も低そうだし、単純に金銭的な問題でいえば学振に落ちてもそんなに困らなそう… From: kyama0321 at: 2017/10/16 18:00:28 JST Re 公式RT
    2. @takanzai 噂ではリーディングだけならうちの学費全額免除が通るけれど、学振に通ると半額免除までしかいかない、とか、後リーディングはバイト可能かどうかとか……。 From: Ag_smith at: 2017/10/16 17:44:03 JST Re 公式RT
    3. 学振+リーディング大学院で月40万にならないと言っていましたがどういう計算になるのですか? — 多分リーディング大学院のお金は停止されて、学振の月20だけになるんだと思います。 l.ask.fm/igoto/45DKECN7…
    4. RT @tomatoha831: 学振DC1(月20万)+リーディング大学院(月20万)≠(月40万)が成立しないアカデミックの闇 From: ray_yut at: 2017/10/16 15:09:34 JST Re 公式RT
    5. リーディングの人が学振とっても、どちらかの枠や支給金がふえるでもないし、結局金を宙に浮かせているだけなのでは、という反省を誰かして、どうぞ。 From: N_Soma_ at: 2017/10/16 14:53:55 JST Re 公式RT

    学振制度とポスドクの雇用

    1. 学振PD、この時期に決まるんですね。受け入れラボになってて申請した人が落ちちゃったとしたらみんなどうしてるんですかね?普通にポスドクで雇えるラボはそんなに多くないですよね…。 From: kuzukz801 at: 2017/10/16 14:32:50 JST Re 公式RT

    学振の競争率について

    1. 学振、狭き門だなあ From: kdxu at: 2017/10/16 14:29:22 JST Re 公式RT
    2. むしろ同期で学振通った人誰なんだ From: PhiEle at: 2017/10/16 14:48:51 JST Re 公式RT
    3. RT @__1GO__: 学振採択率30%くらいなんだから、博士課程進学者を今の30%にして全員学振研究員にして、ポスドク問題も解決 From: sasa_tsuki_ at: 2017/10/16 18:46:39 JST Re 公式RT
    4. RT @autotaker1984: 学振PDの採択率が40/230位らしいと聞いてやはり狭い門だなあというのと、全国で230人くらいしか申請しないのかという驚き。 From: wanimaru47 at: 2017/10/16 14:28:17 JST Re 公式RT
    5. 学振PD、今年の申請者数は2223人でした。jsps.go.jp/j-pd/pd_sinsei… 実際に申請した人は分野内の採用/面接/分野全人数が分かりますが、それによれば今年の1次採用は15〜16%、面接候補は10〜11%のようです… twitter.com/i/web/status/9…

    学振の通りやすさについて

    1. やっぱうちは学振強いな From: yves_twit at: 2017/10/16 14:27:33 JST Re 公式RT
    2. T研初の学振落ちマンにならずに済んだ From: _TomoyoSakagami at: 2017/10/16 15:46:54 JST Re 公式RT
    3. 学振なんて取れなくて普通とかいいますけど、知り合いのD進勢は取っている方が多いような気さえするのですが、、、 From: PAM1934 at: 2017/10/18 02:15:34 JST Re 公式RT
    4. 私も出身ラボの先輩後輩に学振マンいない。 From: MarunouchiPanda at: 2017/10/17 23:59:19 JST Re 公式RT
    5. @salut_copain それはある程度存在するかと。やはり学振合格者の多い研究室だと合格率は高いと感じます。 From: ilya_une_trace at: 2017/10/16 17:47:12 JST Re 公式RT
    6. これ、やっぱりでかいと思うRT 学振のノウハウは強い研究室に蓄積されていって、過去とった人が一人もいない研究室と年々差がついていく
    7. うちの大学でも死に物狂いで頑張れば、学振のDC1とPDにストレートで採択されるってことを証明できたぞ! ただ、本当の意味で何回か死にかけるぞ! #学振 #学術振興会 #特別研究員
    8. 学振についてこんなに微妙な気持ちなの私だけだろうな。でも、・研究分野が修士博士で異なっても採用され得る・主語に「私」を使っても大丈夫。が証明された。From: givemesalary at: 2017/10/16 14:15:51 JST Re 公式RT

    学振の審査基準について

    1. 学振落ちた。業績点が低かったので、まず論文通るように頑張る。他の項目は思ったより点数が高かった。そこはボスと同期による絶大なる添削のおかげだと思う。 From: keipon33 at: 2017/10/16 19:25:47 JST Re 公式RT
    2. 開示結果によると研究計画が足を引っ張っていた様子。他は半数の審査員が4以上を点けていたようだ。もう学振pdには出せないはずだけど、次からは他の書類にこの反省を生かそう。。 From: Milchspeise at: 2017/10/16 18:45:35 JST Re 公式RT
    3. 論文1本くらいじゃもはや学振は無理ゲーじゃのう… From: drk0311 at: 2017/10/16 15:17:13 JST Re 公式RT
    4. 「成果が全て」というのをつよく思い知らされた1週間だったと言えそうです。 得点としては 能力、将来性 3.83 実績 2.83 計画 4.00 総合 3.17 で不採用Bでした。 実績がなければ、授業料免除も通らないし学振も通らないな、と。正直、きついです。 From: ATS31tuat at: 2017/10/16 14:59:23 JST Re 公式RT
    5. 知り合いらの学振結果全然predictできなかった。 From: takeuchi_fr at: 2017/10/16 14:58:30 JST Re 公式RT
    6. 学振DC1で論文がないと厳しいとか…、意味が分からんけど現実なのよね。 確かに私の時代じゃ学会発表があれば十分戦えたね。 twitter.com/kuzukz801/stat… From: kuzukz801 at: 2017/10/16 14:47:41 JST Re 公式RT
    7. 学振については「不思議の採択なし、不思議の不採択あり」なので、まあどっちにころんでもがんばれ。 From: kosukesa at: 2017/10/16 14:45:03 JST Re 公式RT
    8. 周りの人見てると優秀っぽい人でも学振落ちてたりするのである一定ライン超えたらガチャっぽいな From: kdxu at: 2017/10/16 14:36:17 JST Re 公式RT
    9. 学振の落選ハガキ5回くらいはもらってる。応募できる学年の時には必ず応募した。でも審査員やってる先生にどんなに面白い研究でも論文が少ないと通らないよと教えてもらって、PDになったら論文を書く/添削する能力が足りなくて、研究者は無理だなと思った。方針転換して会社員になってよかった。 From: kotokotora at: 2017/10/18 10:17:04 JST Re 公式RT

    学振総合スレ Part74 http://ai.2ch.sc/test/read.cgi/rikei/1507873146/

    結果:(面接/面接免除/不採用A~C)
    資格:(DC1/DC2/PD/SPD/その他)
    系別:
    分科と細目:
    業績:
    学位の有無(PD以上):(満退/博士見込み/博士)
    出身大学:
    受入先:(出身研究室/他研究室/他大学・機関)
    指導教員の知名度(出身):
    指導教員の知名度(受入):
    出願回数:
    コメント:

    学振制度との距離感

    1. 学振、存在すら知らずに博士進学してた。 From: Reseaercherwat1 at: 2017/10/16 15:23:25 JST Re 公式RT
    2. 論文出ないだろうからDC2も無理だろうなーって思うと、来年また学振書くモチベが皆無 From: Ryokuhu at: 2017/10/16 15:17:02 JST Re 公式RT
    3. 学振PDに至っては出してすらない(業績的にまず無理) From: nayutime at: 2017/10/16 14:57:58 JST Re 公式RT
    4. 学振に落ちたものはまだ幸いである。修士・博士課程の中で学振の話を一切聞かなかったものに比べれば。 From: ponilong at: 2017/10/16 14:42:35 JST Re 公式RT
    5. Fラン私大から出てきた私は当然学振なんて言葉知らなかったなぁ。 twitter.com/KazuSamejima/s…
    6. なんなら学振という制度をM2のときに知った。さらに研究者は学会に出て論文を書く義務(?)があることもM2のときに知った。偏差値の低い大学にいたから、そういう文化も知らずにギャップに苦しんだ。本当に浅学だった。GPAさえあればいいと思ってた。
    7. 学振の存在すら明らかにしてくれない地方無名私大です。掲示板にでてもいません。来年…応募しても落ちるけどやってみるか…。私を置いて指導教員は一年海外に行ってしまいますが。生きる術をください From: mo00onmoon at: 2017/10/17 11:48:02 JST Re 公式RT

    学振が全てではないことについて

    1. 私は学振通ってないが、なんとかなっている。 From: borylation at: 2017/10/16 19:32:24 JST Re 公式RT
    2. ちなみに僕は学振応募したものすべて落ちて今がありますから(笑) From: mohzeki222 at: 2017/10/16 14:55:01 JST Re 公式RT
    3. D3のとき学振PDに落ちたので、台湾でポスドクをさせてもらい、そのまま落ち着いてしまった。もし採用されていたら、台湾に来ていなかったかもしれない。 From: TheorEcoLab at: 2017/10/16 15:47:32 JST Re 公式RT
    4. 学振に通らなかったからアメリカに行かざるを得なかったし、それで良かった。で、その結果今に繋がってる。何が幸いするか、災いするか分からない。 twitter.com/borylation/sta… From: TakaraLab at: 2017/10/16 21:46:28 JST Re 公式RT
    5. 今日は学振の結果発表の日なのか。自分は学振は全て不採択だったので心の深いところが痛む日だ。でもなんとか研究者として生き残っている。不採択だった人は今日は残念会ということでまた明日から頑張ろう。それにしても研究アピール能力ばっかりが重視される時代になったな。そして論文数は減少傾向だ From: silver_plasmon1 at: 2017/10/16 14:28:07 JST Re 公式RT
    6. 甲子園で活躍できないからってプロ野球で通用しないってことじゃないんだから 学振落ちたからって才能ないかも…とかで研究辞めるってことないといいな From: statistic_fox at: 2017/10/16 14:17:07 JST Re 公式RT
    7. 私の周辺では学振なし、アルバイトでコースを乗り切った博士が何人もいるが、すべてアカポス(テニュア)か企業の主研についている。精神的強靭さが職場でも役に立っていると思う。 twitter.com/ibarakistan/st…
    8. 「学振に落ちてもオレ生きてる」系の励ましツイートを見て、学振に全く縁がなかった身としてそれはそうだと感じつつ、学振の結果とかどうでもいいから論文をたくさん書かないとよっぽど後悔するということはぜひ伝えたい。しばしば後悔しているから。

    「学振に落ちたからもう自分はダメ」

    「学振に受かったから自分は研究者に適性がある」

    本当にそうでしょうか?これまでの過去の風潮、業界の風習に縛られてはいませんか?

     

    個人的には、科研費や学振でのパイの奪い合いをやるよりも、自分で稼ぐ力を付けて 他の研究者や学生で学振が必要な人が取ればいいやという考えになっています。

    (学振に落ちた君へ 異端者からのメッセージ ちらのネットビジネスラボラトリー 更新日:2017年10月17日)

    学振経験者のキャリアパス

    1. そういえば今気が付いたが、俺の先輩後輩で学振DC1/2の受給者のうち、少なくとも半分は、博士卒で民間か、それともポスドクの後民間に行ってる。まさしく時代を反映しているようだ。

    研究者という人生

    1. 日本のアカデミアを目指すってことは,学振相当の門を毎年数回は叩く生活になるんで,そういうことでメンタルが消耗する人には向いていないような気がします(研究者以外でも同じような世界な気はするけど,ストレスの多寡は比較できません). From: m_morise at: 2017/10/16 18:39:26 JST Re 公式RT
    2. RT @StockAndScience: 要するに、学振受かったら、純粋におめでとう。 一方で、学振落ちたとしても、落ちたことをエネルギーにできない人間はアカデミアはもちろん、どこにいっても通用しないから、エネルギーと思って頑張れということ。 From: SSeiya60260 at: 2017/10/16 14:31:10 JST Re 公式RT

    研究者の過酷な状況

    1. 学振通るほど有能な大学院生に月20万しか出せない(保険・年金は自腹、雇用保険も無し)っての見ると力抜けてくな From: km1n_st3 at: 2017/10/18 00:01:33 JST Re 公式RT
    2. 日本の博士課程は学振とって月20万(副業は基本禁止)ー学費55万・税金やぞ From: sterblichmaiden at: 2017/10/17 08:24:09 JST Re 公式RT
    3. あーあー学振受かったら歯を直そうと思ったのに。 From: hpo11043 at: 2017/10/18 04:47:41 JST Re 公式RT
    4. 学振通ったのでバイトできません!すいません!ってバイト辞めたかった…来年また頑張る From: mgk0 at: 2017/10/16 14:28:51 JST Re 公式RT
    5. RT @Hori_alpaca: 親に博士行くなら学振取らないとなと圧をかけられつつもなんとかDCをとって交わしたと思いきや,研究で生きて行くなら早くパーマネントを取らないとなとまた圧をかけられる人生だった. From: Life_Gackt at: 2017/10/16 17:52:22 JST Re 公式RT
    6. 学振とかいうやみ From: ossangairu at: 2017/10/16 15:28:41 JST Re 公式RT
    7. RT @toritorix: 考えてみると,学振とれない方が生活は安定している気がするし,学振とれた方が将来活躍できるという定量的評価を見たことがない. From: kida_yusuke at: 2017/10/16 14:54:41 JST Re 公式RT
    8. 学振採用おめでとうなんてとても言えね… From: FaLiP_lvsg at: 2017/10/16 14:40:03 JST Re 公式RT
    9. 学振より安心が欲しい。 学振あっても仕事がないんじゃね… From: _yavailable_ at: 2017/10/17 23:39:55 JST Re 公式RT

    学振の想い出

    1. 学振の結果が入った私宛の封筒が師匠のメールボックスに来たとき、師匠は待ちきれず「開けても良いか」と電話がかかってきたのは良い思い出です。あの頃はキラキラしていたけど、今は何だかなぁ..From: h_oyakata at: 2017/10/18 16:42:16 JST Re 公式RT
    2. 学振の発表あったのかー思い出がいっぱいで胃が痛い From: azitukemoyashi at: 2017/10/16 18:14:05 JST Re 公式RT
    3. RT @kosukesa: 学振といえば、面接のために上京してせっかくだからと翌日のゼミをサボって都内にしかない珍しいパチンコ台打って帰ったんだけど、面接官が師匠の知人で「面接日程を伝え聞いたけど早々に終わってたらしいじゃない、なにしてたの」と詰められたって話があってですね From: riet911 at: 2017/10/16 17:50:36 JST Re 公式RT
    4. ここだけの話をしますが学振はDC1, DC2ともに応募すらしたことありません。無理だと思っていたし言われてもいたしで。なのでそれに応募して採用されなかった人がこの世の終わり的なリアクションをしたり全否定されたかのような反応をしたりするのは自分には異世界の話のよう From: uger_san at: 2017/10/16 14:58:58 JST Re 公式RT
    5. そういえば、今の学振の発表ってWebで行われるんでしたっけ?私の頃は、郵送されてきたんですよ..葉書だと不採用、厚い封筒だと面接(面接の詳細が付いてくる)、薄い封筒だと面接せずに採用だったので、封筒を見るまでもなく結果が分かりました。 From: h_oyakata at: 2017/10/18 16:35:53 JST Re 公式RT

    学振不採用の結果、岐路に立たされることについて

    1. 改めて、学振落ちました。 来年からどうするかはこれから考えます。 From: nyann_kichi at: 2017/10/16 17:40:10 JST Re 公式RT
    2. 学振。妥当な結果だったけど、「落ちたんで仕事ください」って言ったら、「すぐ履歴書送って」って返事がきたから、なんか食ってける気がする\(^o^)/ From: Spr0utlings at: 2017/10/16 16:14:38 JST Re 公式RT
    3. 学振落ちたけど、さてどうしたものかな From: Lbfuvab at: 2017/10/16 15:10:52 JST Re 公式RT
    4. 学振落ちてスタートアップに貢献してオキュウリョウもらって圧倒的成長するのもありと思いませんか From: CeleuC at: 2017/10/16 14:44:12 JST Re 公式RT
    5. 学振通ったら内定蹴ります勢は今もしかしたら絶賛内定辞退電話中なのかも知れない From: roger_titech at: 2017/10/16 14:43:50 JST Re 公式RT
    6. 学振落ちて就活する勢 From: wxy40 at: 2017/10/16 14:26:37 JST Re 公式RT

    大学院生・ポスドクが経済的に困難な状況に置かれていることに対する揶揄

    1. 朝からずっとどうして学振落ちると航空会社に行く流れができているんだろうと思ったけど調べてみたらそうじゃなかった。。。 From: marineozz at: 2017/10/16 20:01:13 JST Re 公式RT
    2. 「学振落ちたら体を売ろう(意訳)」ってあまりにも激ヤバすぎでは From: __Nyaka at: 2017/10/16 14:43:15 JST Re 公式RT
    3. 学振落ちたら風俗落ちの世界ヤバすぎでは? From: ma_ttsu_n at: 2017/10/16 14:16:23 JST Re 公式RT
    4. RT @m43net: 学振に 落ちたらVanillaで 高収入 From: lhipelal at: 2017/10/16 14:16:09 JST Re 公式RT
    5. RT @Uncopolymer: バーニラ!バニラ!バーニラ!学振♡♡ バーニラ!バニラ!収入~⤴︎⤴︎ From: al_qrantz at: 2017/10/16 14:16:08 JST Re 公式RT

    学振焼肉について

    1. RT @groebner_basis: 「学振が採れた」と君が言ったから 10日16日は焼肉記念日 From: j_u_pd at: 2017/10/16 17:45:10 JST Re 公式RT
    2. 学振焼肉ってツイッタランドでしか見聞きしたことがない From: airslave_of_cat at: 2017/10/16 16:09:47 JST Re 公式RT
    3. まさか勘違いしている人がいるとは思わなけど、念のために言っておくと、学振焼肉とは「学振受かった人、学振に挑戦したけどダメだった人に、何はともあれおつかれ」という気持ちを込めて周りの人が焼肉を奢ることですよ? From: m_ishihata at: 2017/10/16 14:39:43 JST Re 公式RT
    4. 私の周辺にはそういう神話はなかったようで、先輩後輩が学振DCPDとったときも、私自身がDCとったときも、焼肉をごちそうされたりしたりはしませんでした。が、全員アカポスについているので反例を4つ提出しておきますね。 From: keigomi29 at: 2017/10/16 14:33:11 JST Re 公式RT
    5. RT @Schwarzeon: 学振を全額焼肉をおごるのに使った博士学生は今や一流大学のエースとして教授職に就いているし、学振で焼肉をおごるとアカデミック職が手に入るかもしれないですよ From: Yatu_Walker at: 2017/10/16 14:28:11 JST Re 公式RT
    6. RT @qqyyyaaa: 学振PD、面接免除で採用されました!(:D でも焼肉はきらい…。 From: SendaiHisCafe at: 2017/10/16 14:26:58 JST Re 公式RT
    7. 学振通ったらおごるという伝統はあるらしい・・・・ twitter.com/gin_chaku/stat…
    8. RT @Fm7: (学振を取った皆さん…今皆さんの頭の中に直接語りかけています… 焼肉です…焼肉を周囲に振舞うのです… 学振に採用されたにも関わらず論文が出せず消えていった先人は焼肉を振舞うことを怠ったのです… そのような目に逢いたくなければお世話になった人全員に焼肉を振舞… From: tamio0524 at: 2017/10/16 14:15:41 JST Re 公式RT

    祝福

    1. 後輩「おめでとうございます!!!ところで学振って何すか??」
    2. 学振通った人おめでと〜〜 From: tjmlab at: 2017/10/16 18:59:11 JST Re 公式RT
    3. 学振に通った方々,おめでとうございます。 From: FUJIKIDaisuke at: 2017/10/16 15:16:14 JST Re 公式RT
    4. ともあれ、学振に通った学生諸君はおめでとう。 From: tkmpkm1 at: 2017/10/16 14:37:24 JST Re 公式RT

     

    参考

    1. twitter ツイッター検索 (t-proj.org) “学振”
    2. 「学振」のYahoo!検索(リアルタイム)
    3. 学振焼肉2015 (togetter)
    4. 学振焼肉 (togetter 2014年10月16日)

     

    学振関連記事

      平成29年度CREST 新規採択課題が発表される

      平成29年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)の新規研究課題がJST CRESTのウェブサイトにて発表されました。

      研究領域

      閲覧の便宜を図るため、PDFをHTML化して、以下に転載します。

      戦略目標:「実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発手法の構築」 研究領域:「実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新」
      研究総括:細野 秀雄(東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)

             氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      宇佐美 徳隆

      名古屋大学 大学院工学研究科

      教授

      多結晶材料情報学による一般粒界物性理論の 確立とスマートシリコンインゴットの創製

      大場 史康

      東京工業大学 科学技術創成研究院

      教授

      データ駆動型材料探索に立脚した新規半導 体・誘電体の加速的開拓

      清水 研一

      北海道大学 触媒科学研究所

      教授

      触媒インフォマティクスの創成のための実 験・理論・データ科学研究

      中嶋 健

      東京工業大学 物質理工学院

      教授

      熱可塑性エラストマーにおける動的ネットワ ークのトポロジー制御

      水上 成美

      東北大学 材料科学高等研究所

      教授

      計算科学を用いた磁気抵抗スイッチ素子基盤 材料の創出

      <総評> 研究総括:細野 秀雄(東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)
      日本の強い製造業を支えてきた材料研究の強さが失われつつあります。また、米国で始まったMaterials Genomeに代表される新しい研究手法が欧米や中国で急速に進展しています。本研究領域では、 これらを背景に強い実験とデータ科学や物性理論や数学などを横串として駆使した、日本らしい新しい材料研 究の手法の確立を図るのが目標です。具体的には、世界に勝てる新しい材料研究のやり方を、重要性の高い材 料の開発に挑戦することで、ケーススタディとして社会に提示することを目指しています。

      本研究領域は今年度の発足で、公募情報公開から締切までの準備期間が限られていたにもかかわらず、幅広 い材料・物質分野から60件の応募を頂きました。
      選考にあたっては、公募要領や説明会で示した次の5つの観点に注目し、提案の評価を行いました。
      1.これまでに無い新しい材料開発手法の提案となっているか
      2.研究のアウトプットである、重要な「材料」が具体的に明記されているか
      3.物性理論の裏付けのある革新的な計算科学的手法やデータ科学的手法を用いた提案となっているか
      4.チーム体制の独自性と強みについて(特に実験研究者)、明記されているか
      5.研究代表者が次世代の材料開発を担う人材として適切であるか

      選考は12名の領域アドバイザーの協力を得ながら、厳正かつ公平に進め、12件を面接選考の対象とし、 その中から革新的な材料開発手法の構築が期待される5件の提案を採択しました。今回の選考では、分野別に 件数を決めずにより優れた提案を採択するという方針を採りました。その結果、採択されたテーマはスピント ロニクス、半導体・誘電体、触媒、結晶成長、高分子に分類されます。

      選考を終えた印象としては、第一に気鋭の研究者からの従来の材料研究とは大いに異なるチーム編成での提 案が多数に及んだことです。採択に至らなかった提案の中にも、これまでの材料開発研究では殆どみられなか ったチーム編成での興味深い研究提案が数多くあり、今年度提示された戦略目標の重要性をあらためて認識し ました。一方で、学術的には重要で興味深いものの、基礎的なレベルの物質研究にとどまっている提案は、本 研究領域の趣旨に合致しないので、残念ながら不採択としました。第二に、初年度であったためかデータ科学 や物性理論などとの連携が形式的で、有機的に連携しブレークスルーを狙うという具体的な提案が少なかった ことです。すなわち、データ科学などで分析した結果を実験にフィードバックし、独自のアプローチを行うこ とで材料研究者の本来の腕を試したい、という強い意欲が伝わってくる提案がもっと欲しかったということです。 本研究領域は平成30年度、31年度も公募を予定しているので、リスキーであっても成功すれば、世界をリードできる材料創製をターゲットとした意欲的な提案を期待します。

      戦略目標:「材料研究をはじめとする最先端研究における計測技術と高度情報処理の融合 研究領域:「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」 研究総括:雨宮 慶幸(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
      副研究総括:北川 源四郎(明治大学 先端数理科学インスティチュート 所員)

             氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      岡田 真人

      東京大学 大学院新領域創成科学研究科

      教授

      ベイズ推論とスパースモデリングによる計測 と情報の融合

      高田 彰二

      京都大学 大学院理学研究科

      教授

      高速原子間力顕微鏡 1 分子計測のデータ同化に よる生体分子 4 次元構造解析法の開発

      平田 直

      東京大学 地震研究所

      教授

      次世代地震計測と最先端ベイズ統計学との融 合によるインテリジェント地震波動解析

      向川 康博

      奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科

      教授

      多元光情報の符号化計測と高次元化処理の協 調設計

      矢代 航

      東北大学 多元物質科学研究所

      准教授

      超圧縮センシングによるミリ秒 X 線トモグラフ ィ法の開発

      <総評> 研究総括:雨宮 慶幸(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
      本研究領域は、計測・解析技術の深化による新たな科学の開拓や社会的課題の解決のために、多様な計測・ 解析技術に最先端の情報科学・統計数理の研究を高度に融合させることによって、インテリジェント計測・解 析手法の開発とその応用を目指します。

      本研究領域は平成28年度に発足し、今回は第2回目となる募集でした。応募説明会 では、「これまでの計測 技術の高度化・高分解能化だけでは超えることが困難な計測限界(課題)を、高度情報処理(情報科学・統計 数理)との融合により突破(問題の解決)して、新たな物理量・物理状態・潜在要因を検出することを可能に し、物質・材料をはじめ、生命・医療・創薬、資源・エネルギー、地球・宇宙の広い分野にわたる出口で、イ ンパクトのある研究成果に繋がるテーマを期待している」ことを説明しました。本研究領域の情報は下記のU RLに掲載しています。
      http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah28-3.html

      書類選考および面接選考では、下記の観点で評価を実施しました。
      ① 新たに捉えようとする計測対象が具体的であり、具体的にどのような計測限界を突破しようとしている のか。また、それにより、どのようなインパクトのある研究成果が生まれるのか。
      ② 計測技術と情報科学の研究者が、各々高いレベルで緊密な協力関係を築いて融合研究を進める状況が整 っているか。

      そして、総計67件の応募について、14名の領域アドバイザーと4名の外部評価委員の協力を得ながら厳 正かつ公平に書類選考を行い15件の面接課題を選び、その中から意欲的な提案を5件(融合アプローチ3件、 情報アプローチ2件)採択することができました。採択課題は昨年の6件と併せて11件になります。その分 野は材料、生命、医療、地球物理など広範であり、これだけ幅の広い課題の採択は学際的な本研究領域ならで はであり、計測と情報の融合を中心軸において、更には、さきがけの研究課題との情報交換もより密にして、 本複合領域全体の研究を推進して行きたいと思います。

      書類選考や面接選考に至らなかった研究提案の中にも、研究レベルが高く、挑戦的な提案が数多くありま した。研究のビジョン(具体的な計測限界の突破)や融合の度合いを深化させて、再挑戦されることを期待し ています。

      戦略目標:「量子状態の高度制御による新たな物性・情報科学フロンティアの開拓」 研究領域:「量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出」
      研究総括:荒川 泰彦 (東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      青木 隆朗

      早稲田大学 理工学術院

      教授

      スケーラブルな光学的量子計算に向けた超 低損失ナノファイバー共振器 QED 系の開発

      神成 文彦

      慶應義塾大学 理工学部

      教授

      波長分割多重プログラマブル大規模量子シ ミュレータの研究

      小坂 英男

      横浜国立大学 大学院工学研究科

      教授

      ダイヤモンド量子セキュリティ

      齊藤 志郎

      日本電信電話(株)

      NTT 物性科学基礎研究所

      主幹研究員・特 別研究員

      超伝導量子ビットを用いた極限量子センシ

      ング

      仙場 浩一

      情報通信研究機構

      未来 ICT 研究所

      上席研究員

      超伝導量子メタマテリアルの創成と制御

      田中 歌子

      大阪大学 大学院基礎工学研究科

      講師

      オンチップ・イオントラップによる量子シ ステム集積化

      田中 雅明

      東京大学 大学院工学系研究科

      教授

      強磁性量子ヘテロ構造による物性機能の創 出と不揮発・低消費電力スピンデバイスへ の応用

      <総評> 研究総括:荒川 泰彦(東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長) 本領域は、量子状態制御の物理と機能の探究、新たな量子情報処理、ならびに従来性能を凌駕する量子素子・
      システム機能の実現を目指し、このたび2年目の研究課題の募集と採択を実施しました。募集は、昨年同様、 本領域の2本柱である“量子状態制御の物理の探究とその新しい源流の創出を計る「新しい源流の創出」”と、 “将来の社会・産業イノベーションを牽引する量子技術の実装に向けた「革新的システム機能の創成」”を基本 的な枠組として行いました。特に、本年度は、これまでの研究分野(量子計算、量子通信、量子計測)に加え、 それらの枠を超えた量子技術の開拓とその応用展開を目指す「新量子技術」の提案も期待しました。

      本年度の募集では、光子、原子・分子、半導体、磁性体、超伝導体、生体分子など、実に様々な系の量子状 態制御・システムに関する提案が29件ありました。10人の領域アドバイザーの先生方と厳正なる書類なら びに面接選考を実施し、計7件の提案を採択しました。採択にあたっては、提案内容の学術的価値のみならず、 研究の独創性と提案者の熱意、ならびに提案が量子技術として将来的に社会的に実装できるかどうかについて も評価しました。結果として、量子計算、量子通信、量子計測、新量子技術の各分野の課題をバランス良く採 択することができました。研究対象となる量子系も、イオン、NV センター、超伝導体、光量子、磁性体など多 様であり、昨年度採択した課題と合わせて、領域全体として分野バランスと物理的多様性を兼ね備えた研究ポ ートフォリオを構築することができました。今回採択した課題が量子状態の制御の科学に新風を吹き込み、本 領域を学術的に豊かで技術的革新性にも富み、社会的に意義深いものとすることを期待します。

      今回採択に至らなかった提案にも優れたものが数多くありました。量子状態制御の科学は新しい分野であり、その研究はこれまでに採択された課題の分野・内容に限定されるものではありません。今年度ご応募頂いて残 念ながら採択されなかった方々、そして今年度応募いただかなかった方々も来年度はふるって優れた研究提案 を本領域にいただければ幸いです。

      量子状態制御の科学は日々進展する分野であり、今後科学技術・社会に大きなインパクトを与える可能性を 秘めています。量子状態制御の新しい物理の探求と量子技術の実装に向けた革新的システム機能の創成を通じ て、科学技術と社会の発展に貢献できるよう本研究領域を運営して行く所存です。

      戦略目標:「新たな光機能や光物性の発現・利活用による次世代フォトニクスの開拓」 研究領域:「新たな光機能や光物性の発現・利活用を基軸とする次世代フォトニクスの基盤技術」
      研究総括:北山 研一 (光産業創成大学院大学 特任教授)

                氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      石田 康博

      理化学研究所 創発物性科学研究センター

      チームリ ーダー

      殆どが水よりなる動的フォトニック結晶の開発 と応用

      成瀬 誠

      情報通信研究機構 経営企画部

      プランニ ングマネ ージャー

      ナノ光学と光カオスを用いた超高速意思決定メ カニズムの創成

      野田 進

      京都大学 大学院工学研究科

      教授

      変調フォトニック結晶レーザーによる 2 次元ビ ーム走査技術の開発

      福田 大治

      産業技術総合研究所 計量標準総合センター

      研究グル ープ長

      単一光子スペクトル計測によるイメージング技 術開発と細胞機能ヴィジュアライザの創成

      藤 貴夫

      自然科学研究機構 分子科学研究所

      准教授

      超短赤外光パルス光源を用いた顕微イメージン グ装置の開発と生命科学への応用

      <総評> 研究総括:北山 研一 (光産業創成大学院大学 特任教授)
      本研究領域では、応募される提案は次世代フォトニクスに関わる基礎的な学理の創造だけではなく、成果が 将来の社会・産業ニーズに応える「破壊的イノベーション」の創造に貢献できるものでなければならないこと を強調し、募集説明会において説明して参りました。また本研究領域が、ナノスケール領域における微細光加 工・計測技術開発、有機物や未知の半導体等の新物質・機能創成、バイオフォトニクス分野のセンシング・イ メージング手法の高度化、プラズモンなどの電子状態の観察手法やそのデバイス応用、アト秒領域の時空間計 測・制御技術、レーザ冷却、コヒーレント光通信におけるシャノン限界の実現など多岐にわたることを示し、 領域の趣旨に合致する提案を募りました。

      さて最終回(3回目)となるH29年度の公募では、昨年度よりも多い57件の応募をいただきました。11名の領域アドバイザーとともに公平かつ厳正に書類選考し、13件の面接課題に絞り込み、最終的に単一光 子分光素子開発、赤外超短パルス光源開発、レーザー光の高速ビームステアリング技術開発、新たなフォトニ ック結晶材料、超高速意思決定に関する5件を採択しました。結果として競争率は3年連続して10倍(H27年度は16倍超)を越える難関となりました。選考に当たっては新規性や独創性、チーム編成、成果が近い 将来もたらす社会的インパクトを勘案し、さらには基礎研究と実用化の間に横たわる「死の谷」を越える道筋 と覚悟が示されている提案を厳選しました。

      採択されなかった提案の中にも、目標が達成されれば環境問題、バイオ・医療などの身近な問題の解決につ ながる実用上重要な提案もありました。しかしながら、既存技術に対する優位性が明確ではない、期待される 社会へのインパクトが描き切れていないなどの理由により採択には至りませんでした。 今年度採択した5課題を含む16件の研究課題により、他の研究領域との連携を推進すると共に、世界の第一 線の研究グループとの交流を通じ、世界をリードする国際的共同研究体制の構築を目指します。これらの活動 は順次ホームページ等で報告していきますので、引き続き関心を持っていただければ幸いです。

      戦略目標:「多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製」 研究領域:「多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術」
      研究総括:上田 渉(神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      片田 直伸

      鳥取大学 大学院工学研究科

      教授

      メタンによる直接メチル化触媒技術の創出

      高橋 啓介

      物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門

      研究員

      実験・計算・データ科学の統合によるメタン変 換触媒の探索・発見と反応機構の解明・制御

      松村 晶

      九州大学 大学院工学研究院

      教授

      原子分解能その場観察解析に基づく触媒機能 の原理解明と革新的触媒創製

      山下 誠

      名古屋大学 大学院工学研究科

      教授

      超臨界メタンを基質兼媒質とした均一系・不均 一系触媒プロセスの開発

      <総評> 研究総括:上田 渉(神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授)
      本研究領域は、多様な天然炭素資源をバランスよく活用できる将来の産業基盤の確立を目標に、その根幹をなすメタンをはじめとするアルカンガス資源を従来にない形で有用な化成品・エネルギーに変換するための革 新的触媒の創出を目的にしています。この目的のもと、2チームによる酵素系触媒研究、1チームによる錯体 系触媒研究、そして4チームによる固体系触媒研究、1チームによる計算化学の視点から本研究領域とさきが け領域にまたがり、各研究チームを支援する研究がすでに進行しており、革新的な触媒創出をめざした研究が 活発になされ、組織展開を期した体制を敷いています。

      本年度にあたっては、本領域課題であるメタン利用触媒研究の拡充をさらに図りつつも、触媒機能あるいは 触媒物質自体の創出方法論の開発を指向した研究、特異なメタン反応場を与える新規な反応システム研究、ま たマテリアルズインフォマティクスを展開するなどして触媒インフォマティクスを構築し、新規触媒物質を創 出する研究、さらに環境 TEM や放射光などを用いたその場観察計測をベースにして、実触媒に近い環境下での 触媒機能のダイナミズムを理解、高度解析・予測することを主題にした革新的触媒を連携研究的に創出する研 究などを推進する方針のもと、研究提案を募集しました。このような中、本年度は28件の応募があり、いず れもメタン利用触媒技術開発への研究提案者の強い熱意と情熱を基盤にし、様々な角度からの飛躍的発想と挑 戦的創造を示したすばらしい研究提案がありました。応募された皆様に感謝いたします。

      触媒分野を中心とした領域アドバイザー12名の協力を得て、これらの応募課題の選考を厳正かつ公正に進 め、4件の研究提案を採択しました。1つは固体系触媒研究で、ゼオライト物質に革新をもたらす物質研究と メタン活性化研究を実施するもので、メタン利用の化学を考える中で欠くことのできないゼオライト物質の新 展開を期すものです。物質研究のターゲットを限定した上記提案とは対極に、ハイスループット式触媒反応の ビッグデータ収集からなる触媒インフォマティクス構築により新規メタン選択酸化触媒を生み出す取り組み も採択しました。さらに、メタン超臨界というメタンが反応基質でもあり溶媒でもある特殊場を利用した反応 システムの応用基盤を構築する課題、および実触媒反応環境下での固体触媒の作用現場をみるオペランド分析 システムを構築・実施する課題を採択しました。特に後半2件はこれまで採択した課題すべてと連携し、研究 の新展開を図ることができるものと期待しています。

      本研究領域の募集は今年度で終了となりますが、触媒革新への着実な道筋として必要な物質科学、生体化学、 物質情報科学、高度計算分析化学の参画が成立し、メタン反応のための触媒化学の学術と技術に革新をもたらす本格的な研究・連携体制ができたと考えています。これよりメタン利用革新的触媒創出を導く戦略的かつ挑 戦的な研究が本格スタートしますので、社会基盤の発展に貢献していけるようこの研究領域を運営していく所 存です。

      戦略目標:「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」 研究領域:「細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出」 研究総括:馬場 嘉信(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      秋田 英万

      千葉大学 大学院薬学研究院

      教授

      リンパシステム内ナノ粒子動態・コミュニケー ションの包括的制御と創薬基盤開発

      秋吉 一成

      京都大学 大学院工学研究科

      教授

      糖鎖を基軸とするエクソソームの多様性解析と 生体応答・制御のための基盤研究

      澤田 誠

      名古屋大学 環境医学研究所

      教授

      シグナルペプチド:細胞外微粒子機能の新規マ ーカー

      福田 光則

      東北大学 大学院生命科学研究科

      教授

      細胞外小胞の形成・分泌とその異質性を生み出 す分子機構の解明 ~人工細胞外小胞への展開

      山下 潤

      京都大学 iPS 細胞研究所

      教授

      分化再生と生体恒常性を制御するエクソソーム の新しい細胞同調機能の解明とナノ粒子による 生体機能制御への応用

      吉森 保

      大阪大学 大学院生命機能研究科

      教授

      オートファジーによる細胞外微粒子応答と形成

      <総評> 研究総括:馬場 嘉信(名古屋大学 大学院工学研究科 教授) 本研究領域は、細胞外微粒子を対象として、それに起因する生命現象の解明及びその制御に向けた基盤技術の創出を目指し本年度より発足しました。細胞外微粒子は、環境中から生体内に取り込まれる外因性微粒子と 生体内由来の内因性微粒子に大別されますが、本研究領域は双方の微粒子研究のコミュニティの融合を特色の 一つとして掲げています。これは、お互いの知見の持ち寄りや課題を共有することで両者のシナジー効果を高めるとともに、これまでにない分野融合的・集学的な研究領域に発展させることで、新たな生命現象の解明や 革新的な技術開発の創出につなげていくことを狙いとするものです。具体的には、本研究領域の柱として、
      「(1)細胞外微粒子の生体・細胞への取り込み、体内動態の理解に基づく生体応答機序解明」、「(2)細胞外 微粒子の検出・分離・計測・解析に係る基盤技術の創出及び高度化」、「(3)細胞外微粒子の体内動態制御に 向けた基盤技術創出への展開」の3つを据えて研究開発を推進します。

      本年度は、上記3つの柱のうち少なくとも2つは取り込んだチーム構成での提案募集を行い、総計79件の 応募がありました。今回のCRESTで募集を行った研究領域の中では最多の応募数であり、本研究領域への 注目度の高さが伺えました。選考では、「内因性と外因性の融合との親和性や本研究領域への波及効果の面か ら戦略目標の達成にどのように貢献できるか」、「新たな『微粒子研究』の突破口となるポテンシャルを有して いるか(従来の研究の延長に留まっていないか)」、「チャレンジングなテーマについては、予備データの提示 等その実現可能性についても考慮する」といった観点を重視しました。そして、12名の領域アドバイザーの 協力を得て、厳正かつ公平に選考を進めた結果、12件の研究提案に対して面接選考を行い、多くの優れた提 案の中から外因性微粒子研究と内因性微粒子研究の融合に大きく貢献するブレークスルーをもたらすと期待 される意欲的な研究提案を6件採択いたしました。

      一方で、厳しい競争下での選考において、残念ながら不採択となった提案の中には、社会的にも意義のある重要なテーマに取り組んでおり、ポテンシャルの感じられる意欲的な研究提案も多くありました。このうち、 外因性微粒子を対象とした提案には、優れた基盤技術を有するものの、生体応答解析の観点で踏み込みが今一 歩不足しているといった提案もありましたので、研究提案内容やチーム編成も含めて今一度ご検討いただき、 是非、来年度の再提案を期待しています。また、来年度は、外因性微粒子・内因性微粒子の研究を融合したチ ーム構成による研究提案を歓迎いたします。細胞外微粒子の研究領域は、非常に幅広い分野の研究者の方々が 関わっており大変競争の厳しい分野ではありますが、今年度残念ながら採択されたかった方々、さらに今年度 応募いただかなかった方々も来年度ふるって本研究領域に応募いただければ幸いです。

      戦略目標:「生命科学分野における光操作技術の開発とそれを用いた生命機能メカニズムの解明」 研究領域:「光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用」
      研究総括:影山 龍一郎(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      礒村 宜和

      玉川大学 脳科学研究所

      教授

      シナプス光遺伝学を用いた脳領域間シグナル伝 播機構の解明

      小澤 岳昌

      東京大学 大学院理学系研究科

      教授

      定量的光操作と計測技術を基軸とする生体深部 の細胞応答ダイナミクスの解析

      神取 秀樹

      名古屋工業大学 大学院工学研究科

      教授

      細胞内二次メッセンジャーの光操作開発と応用

      野田 昌晴

      自然科学研究機構 基礎生物学研究所

      教授

      オプトバイオロジーの開発による体液恒常性と 血圧調節を司る脳内機構の解明

      和氣 弘明

      神戸大学 大学院医学研究科

      教授

      ホログラム光刺激による神経回路再編の人為的

      創出

      渡邉 大

      京都大学 大学院医学研究科

      教授

      自由行動下での神経情報操作・解読技術の開発 と意思決定の神経基盤解明への応用

      <総評> 研究総括:影山 龍一郎(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授) 本研究領域は、光操作技術の開発および応用による生命機能の高度理解と制御を目的として昨年度に発足しました。光操作技術の開発を推進することで、生体に対する侵襲性および操作と観察範囲の局所性といった課題を克服し、これらの技術開発をもとに複雑な生体システムの理解と制御を目指します。 研究提案募集の2年目となる今回は28件の応募があり、いずれもレベルの高い内容であったことから、研究課題を選考するにあたって非常に苦労いたしました。提案内容の多くは、新規技術開発から光操作技術と観 察技術との連携構想、複雑で巧妙な生命原理の理解と制御など、領域の目標に合致するものでした。

      これら28件の応募に対し、生命科学、イメージング、光操作などを専門とする11名の領域アドバイザー の協力を得て選考を進めました。各研究提案に比較的近い分野を専門とする領域アドバイザー5名が提案書類 の査読をし、それらの書面評価に基づいた討議を通じて、12 件の面接選考対象課題を選定しました。面接 選考では、領域アドバイザーの意見を踏まえ、最終的に6件の研究提案を採択しました。選考の全過程を通し て、JSTの規則に基づき、利害関係にある評価者の関与を避けた厳正な評価を行いました。

      選考にあたっては昨年同様、領域の趣旨に合致している提案の中で、選考方針である以下の視点を取り込ん だ提案を特に重視しました。
      ・提案した観察技術あるいは光操作技術でしか解明できない生命機能を含むこと。
      ・既存技術ではなく新しい技術を開発し活用していること。
      ・最適な研究実施体制であり、研究構想の実現に必要な手掛かりが得られていること。 採択に至らなかった提案の中にも、重要な生命現象を取り上げたもの、独自性の高いアイデアに基づくもの
      など、優れた提案が多くありました。しかしながら、そのような提案であっても、新規技術開発の要素が不十分と思われるもの、予備データ等が不足し実現可能性が不明確なもの、あるいは生命機能の解明に焦点が合っていないものは不採択としました。残念ながら不採択となった研究提案者におかれましては、今回の不採択理由を踏まえて研究提案を再考され、是非来年度に再応募していただきたいと思います。

      今年度は、光操作技術があまり浸透していない生命現象へ応用する提案もありました。最終回となる来年度の募集では、引き続き既存技術では解析できなかった生命現象の理解と制御につながるような革新的な提案を期待しています。特に、様々な分野に応用できる汎用性の高い技術を含み、領域内外の研究との連携に意欲的 な提案を期待します。

      戦略目標:「気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築」 研究領域:「環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出」
      研究総括:田畑 哲之((公財)かずさDNA研究所 所長・副理事長)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      宇賀 優作

      農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター

      上級研究員

      ROOTomics を利用した環境レジリエント作物 の創出

      杉山 暁史

      京都大学 生存圏研究所

      准教授

      根圏ケミカルワールドの解明と作物頑健性制 御への応用

      中川 博視

      農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター

      ユニット長

      ハイブリッドモデリングによる環境変動適応 型品種設計法の開発

      <総評> 研究総括:田畑 哲之((公財)かずさDNA研究所 所長・副理事長)
      本研究領域は、フィールドにおける植物の環境応答機構を包括的に理解し、これに基づいて実用植物を分子 レベルから設計する技術の確立に資する研究を推進することを目的として平成27年度に発足しました。主と して実用植物を対象として、環境変動にロバストに応答する植物の特性を定量的に把握し、生長や機能の人為 的な制御を可能とする新技術の確立を目指しています。本領域では、各種Omics解析を含むゲノム生物学、 植物分子遺伝学、統計学、情報学、農学、工学など幅広い学問分野が対象となりますが、これらが有機的に連 携・融合することによって、単なる従来分野の発展や既存技術の改良に留まらない新たな展開が生まれること を期待しています。

      募集にあたっては、①植物の環境応答機構に関する高精度定量解析に関する研究、②植物の環境応答機構に 関するモデルの構築、③遺伝子群の人為的再構築によって生じる植物の形質評価、の3本の柱を立てて、本領域の目標を達成するための道筋を明示しました。さらに、先端性に優れた高精度オミクス解析法、高精度形質 評価法や高精度オミクスデータと高精度表現型データの連関解析技術の独自性が高い改良や新規開発、新規性が高いモデル化技術の開発、また、ナス科、アブラナ科、マメ科やイネ科等の実用植物に重点を置いた提案や、 幅広い植物種に適用可能な汎用性が高いモデル構築や技術開発を含むチャレンジングな提案を求めているこ とを周知しました。その結果、本年度は39件の応募がありました。

      選考においては、「新規植物創出のための基盤技術の開発」を強く意識していることに加えて、斬新な発想 に基づく先端性が高い研究開発、世界に誇れるような革新的な技術開発や異分野融合による新たな研究領域な ど、チャレンジ性が高い提案に特に着目しました。
      選考は、本領域に関連するさまざまな研究分野からの9名の領域アドバイザーと12名の外部専門家による 審査の結果8件を面接対象とし、最終的に3件を採択しました。

      今年度に採択の3課題は、根の高解像度フェノタイピング等に基づく環境変動頑健性に優れた作物の創出、 根圏環境のミネラルや代謝物の高精度計測等による頑健性バイオマーカーの同定、作物生育モデルと環境応答モデルを融合した新たな生育モデルの開発に関するもので、環境変動に対する頑健性を有する実用植物の設計 に資する新規技術の開発に向けて、今後の成果が期待されます。

      今回の選考の結果、本研究領域の12課題が確定しました。全体として当初に設定した3本の柱を広くカバ ーしており、充実したポートフォリオを構築することができました。今後の領域運営にあたっては、各課題で 実施されている研究開発の競争力を高めること、各課題の進捗度評価をもとに重点化を図り領域全体としての先進性、革新性を確保すること、課題間の情報共有や連携を強化しシナジー効果を創出することに注力し、領 域目標の達成に努めるとともに、戦略目標の達成にもつなげていきたいと思います。

      戦 略 目 標:「ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化」 研 究 領 域:「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」
      研 究 総 括:間瀬 健二(名古屋大学 大学院情報学研究科 教授)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      五十嵐 健夫

      東京大学 大学院情報理工学系研究科

      教授

      データ駆動型知的情報システムの理解・制 御のためのインタラクション

      神田 崇行

      (株)国際電気通信基礎技術研

      究所 知能ロボティクス研究所

      室長

      街角環境で共生するロボットのインタラ クション基盤技術

      小池 英樹

      東京工業大学 情報理工学院

      教授

      技能獲得メカニズムの原理解明および獲 得支援システムへの展開

      津田 一郎

      中部大学 創発学術院

      教授

      脳領域/個体/集団間のインタラクショ ン創発原理の解明と適用

      中澤 篤志

      京都大学 大学院情報学研究科

      准教授

      「優しい介護」インタラクションの計算 的・脳科学的解明

      <総評> 研究総括:間瀬 健二(名古屋大学 大学院情報学研究科 教授)
      本研究領域は、人間・機械・情報環境からなる共生社会におけるインタラクションに関する理解を深め、人 間同士から環境全体まで多様な形態でのインタラクションを高度に支援する情報基盤技術の創出と展開を目 指して、平成29年度に発足し、今回が初回の募集でした。

      本募集に対して、ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)、機械学習、ロボティックス、認知 科学、脳科学、データ科学、エージェント工学など様々な分野の技術を基礎にして、医療・介護・健康、教育・ 学習、スポーツ、発想支援、コミュニケーション支援、芸術、流通、社会システム、ゲーム・エンタテイメン トなど多岐にわたる共生インタラクションの実現を目指す研究提案の応募が73件ありました。

      選考に当たっては、情報科学、ロボティックス、HCI、インタラクションデザイン、コンピュータグラフ ィクス、機械学習、人工知能、セキュリティ等に関わる研究者や産業界の有識者を中心に、法律の専門家も加 えた9名の領域アドバイザーの協力を得て、公平かつ厳正に実施し、書類選考での評価が優れていた12件の 研究提案を面接選考し、特に優れた提案5件を採択しました。

      書類選考、面接選考では、以下の観点を重視して評価を実施しました。
      ・ 成果が活用される分野
      ・ 研究課題の社会ニーズ、成果の社会インパクト
      ・ コア技術または概念の独創性と新規性
      ・ 挑戦的で国際的に通用するテーマ
      ・ 分野のベストメンバーのチーム
      ・ ELSI 課題の将来解決へのアイデア 今回採択されなかった提案の中にも、教育・学習におけるインタラクションなど重要な社会課題に取り組もうとする意欲的な提案や学術的意義の高いものが多くありました。しかしながら、戦略目標である「ネットワ ークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化」や、研究領域の趣旨である「革新的な情報基盤技術と共生インタラクション技術の研究開発」などに合致しないものや、前述の評価の観点において不十分な要 素があるもの、提案内容が十分練られていないものなどについては不採択としました。また、社会実装を意識 するあまり、研究開発要素が弱い提案も見受けられました。戦略的な基礎研究を推進するCRESTの趣旨を 勘案し、研究成果の社会的インパクト等を意識しつつも、コア技術の独創性や新規性について十分アピールし た多彩な提案が集まることを期待しています。今回採択とならなかった提案につきましても、不採択理由を踏 まえて研究提案を再検討され、是非来年度に再応募していただきたいと思います。

      戦 略 目 標:「急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする 統合化技術の創出」
      研 究 領 域:「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」
      研 究 総 括:栄藤 稔(大阪大学 先導的学際研究機構 教授)

              氏名

      所属機関

      役職

      課題名

      落合 陽一

      筑波大学 図書館情報メディア系

      助教

      計算機によって多様性を実現する社会に 向けた超 AI 基盤に基づく空間視聴触覚技 術の社会実装

      角田 篤泰

      中央大学 研究開発機構

      機構教授

      AI 技術を用いた法的文書作成支援

      関谷 勇司

      東京大学 情報基盤センター

      准教授

      サイバー脅威ビッグデータの解析による リアルタイム攻撃検知と予測

      田中 聡久

      東京農工大学 大学院工学研究院

      准教授

      脳波の機械判読によるてんかん診断・治療

      支援 AI の構築

      松谷 宏紀

      慶應義塾大学 理工学部

      准教授

      リアルタイム性と全データ性を両立する エッジ学習基盤

      諸岡 健一

      九州大学 大学院システム情報 科学研究院

      准教授

      3D 画像認識 AI による革新的癌診断支援シ ステムの構築

      <総評> 研究総括:栄藤 稔(大阪大学 先導的学際研究機構 教授)
      本研究領域は、実社会の膨大なデータを知的・統合的かつセキュアに収集・処理・学習・制御するための人 工知能基盤技術と、その成果を組み合わせることにより社会問題の解決と産業の自動化・最適化に貢献するイ ノベーション創発に資する技術の確立を目指して平成 28 年度に発足し、今回が 2 回目の募集でした。

      本募集に対して、産業応用に資する汎用的機能の実現を目指す基盤研究実証型の提案が 11 件、医療・農業・ インフラ・観光等の多岐にわたる社会課題を取り上げたイノベーション創出型の提案が 21 件、合計 32 件の応 募がありました。社会実装を見据えて企業等との連携体制を構築した研究提案も多く見られました。

      選考は、機械学習、画像処理、ロボティクス、データベース、セキュリティなどの研究者に、産業界で社会 イノベーション創出や新規事業立ち上げに携わる有識者も加えた 10 名の領域アドバイザーと、医学分野の 1 名の外部評価委員の協力を得て公平かつ厳正に実施しました。書類選考での評価が優れていた 13 件の研究提 案を対象に面接選考を行い、特に優れた提案 6 件を採択しました。

      選考にあたっては、以下の点を考慮して評価を実施しました。
      ・イノベーションに向けたシナリオが明確か。2 年 6 ヶ月後/5 年 6 ヶ月後に得られる成果が想像できるか。 その成果に向けた熱意が感じられるか。
      ・チーム内の役割分担が明確で、必要不可欠な研究体制になっているか。
      ・機械学習をベースとした提案の場合、データが準備されているか。あるいはデータが準備される具体的な予定があるか。
      ・社会実装を目指す提案の場合、システムを実装運用することが考慮された研究体制になっているか。
      ・適切な規模および範囲で、解決すれば有用な問題設定を行い、焦点の定まった研究提案となっているか。
      – 複数の社会問題の一部分のみを切り出して集めたテーマ設定ではなく、小さくても役に立つ、ある社会問題を的確に捉えたテーマ設定となっているか。
      ・研究には、その技術課題が達成できないかもしれないというリスクがある。それが明確に意識されている か。スモールフェーズ採択チームのうち 1/2~1/3 が加速フェーズに進むという本領域の枠組みを鑑みて、 挑戦的な目標が設定されている提案を歓迎する。

      今回採択されなかった提案の中にも、重要な社会課題に取り組もうとするもの、学術的意義の高いものが多くありました。しかしながら、上記の観点において不十分な要素のあるものや、提案内容の新規性・独自性について説明が不足しているもの、また、「人工知能基盤技術の創出と統合化」という領域の趣旨に合致しない ものなどについては不採択としました。今回採択とならなかった提案につきましても、不採択理由を踏まえて 研究提案を再検討され、是非来年度に再応募していただきたいと思います。

       

      参考

      1. 平成29年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)の新規研究課題及び評価者について(JST)

      さきがけ・ACT-I募集締切平成29年5月30日

      CREST募集締切平成29年6月6日   さきがけ・ACT-I募集締切平成29年5月30日

      戦略的創造研究推進事業CREST・さきがけ・ACT-I の研究提案が募集中です。これらは、国家戦略に基づいて分野や方向性が定められた、いわゆるトップダウン型の研究助成であり、研究領域の趣旨に合致し、戦略目標の達成に貢献することが要件になっています。募集の締め切りは、さきがけとACT-Iは、平成29年5月30日(火)正午。CRESTは平成29年6月6日(火)正午。

      CREST

      研究領域 研究総括 戦略目標 発足年度
      細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出 馬場 嘉信
      (名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
      細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御(説明会PDF) 平成
      29年度
      ナノスケール・サーマルマネージメント基盤技術の創出 粟野 祐二(研究室
      (慶應義塾大学 理工学部 教授)
      ナノスケール熱動態の理解と制御技術による革新的材料・デバイス技術の開発
      実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新(募集案内PDF) 細野 秀雄(研究室案内
      (東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)
      実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発手法の構築
      人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開 間瀬 健二(研究室
      (名古屋大学 大学院情報学研究科 教授)
      ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化
      光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用 影山 龍一郎
      (京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授)
      生命科学分野における光操作技術の開発とそれを用いた生命機能メカニズムの解明

      (平成28年度採択分:伊佐 正 河西 春郎 佐藤 守俊 松田 道行 柳沢 正史 山中 章弘

      平成
      28年度
      計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用 雨宮 慶幸 (CREST担当)
      (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任教授)
      北川 源四郎(副研究総括:さきがけ担当)
      (明治大学 先端数理科学インスティチュート 所員)
      材料研究をはじめとする最先端研究における計測技術と高度情報処理の融合

      (平成28年度採択分:岡本 博 小松崎 民樹 佐藤 薫 村上 恭和 吉川 元起 鷲尾 隆

      量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出 荒川 泰彦
      (東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長)
      量子状態の高度制御による新たな物性・情報科学フロンティアの開拓 (平成28年度採択分:井元 信之 北川 勝浩 高橋 義朗 竹内 繁樹 樽茶 清悟 蔡 兆申
      イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化 栄藤 稔
      (株式会社NTTドコモ 執行役員 イノベーション統括部長)
      急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 (平成28年度採択分:飯山 将晃 大川 剛直 加藤 真平 岸本 泰士郎 佐藤 克文 佐藤 真一 篠田 浩一 花岡 悟一郎 浜本 隆二 盛合 志帆
      新たな光機能や光物性の発現・利活用を基軸とする次世代フォトニクスの基盤技術 北山 研一
      (光産業創成大学院大学 特任教授)
      新たな光機能や光物性の発現・利活用による次世代フォトニクスの開拓

      (平成27年度採択分:石川 顕一 大岩 顕 永井 健治 納富 雅也 古澤 明 水本 哲弥 平成28年度採択分:岩坂 正和 岩谷 素顕 金光 義彦 上妻 幹旺 矢花 一浩

      平成
      27年度
      多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術 上田 渉
      (神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授)
      多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製

      (平成27年度採択分:阿部 英樹 阪井 康能 荘司 長三 山中 一郎 吉澤 一成 平成28年度採択分:伊東 忍 大山 茂生 村松 淳司)

      環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出 田畑 哲之
      (かずさDNA研究所 所長・副理事長)
      気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築 (平成27年度採択分:工藤 洋 永野 惇 三宅 親弘 三宅 亮 柳澤 修一 平成28年度採択分:明石 良 岩田 洋佳 清水 健太郎 平山 隆志)

      さきがけ

      研究領域 研究総括 戦略目標 発足年度
      量子技術を適用した生命科学基盤の創出(募集案内PDF) 瀬藤 光利
      (浜松医科大学 医学部 教授)
      量子技術の適用による生体センシングの革新と生体分子の動態及び相互作用の解明 平成
      29年度
      生体における微粒子の機能と制御 中野 明彦
      (東京大学 大学院理学系研究科 教授)
      細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御 (説明会PDF)
      熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御(概要、選考方針PDF) 花村 克悟
      (東京工業大学 工学院 教授)
      ナノスケール熱動態の理解と制御技術による革新的材料・デバイス技術の開発
      人とインタラクションの未来(募集方針PDF) 暦本 純一(研究室
      (東京大学 大学院情報学環 教授 / 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 副所長 )
      ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化
      生命機能メカニズム解明のための光操作技術 七田 芳則
      (立命館大学 総合科学技術研究機構 客員教授 / 京都大学 名誉教授)
      生命科学分野における光操作技術の開発とそれを用いた生命機能メカニズムの解明(28年度1期生:五十嵐 啓  伊藤 博  井上 謙一  大川 宜昭  川上 隆史  河野 恵子  高山 和雄  角田 聡  徳田 崇  野間 健太郎  野村 雄高  丸山 剛  山下 貴之  ) 平成
      28年度
      計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用 雨宮 慶幸 (CREST担当)
      (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任教授)
      北川 源四郎 (副研究総括:さきがけ担当)
      (明治大学 先端数理科学インスティチュート 所員)
      材料研究をはじめとする最先端研究における計測技術と高度情報処理の融合(28年度1期生:安藤 正浩  小川 絋樹  小野 峻佑  葛西 卓磨  片山 建二  桑谷 立  中村 友哉  野々村 拓  松永 康佑  渡辺 義浩
      量子の状態制御と機能化 伊藤 公平
      (慶應義塾大学 理工学部 教授)
      量子状態の高度制御による新たな物性・情報科学フロンティアの開拓(28年度1期生:相川 清隆  加藤 真也  桐谷 乃輔  素川 靖司  田中 宗  根来 誠  野口 篤史  藤井 啓祐  山下 太郎  山本 直樹  )
      新しい社会システムデザインに向けた情報基盤技術の創出 黒橋 禎夫
      (京都大学大学院 情報学研究科 知能情報学専攻 教授)
      急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出(28年度1期生:荒川 豊  石原 尚  金子 知適  河添 悦昌  高村 大也  田中 雄一  戸田 智基  福嶋 政期  松原 靖子  山田 誠  吉野 幸一郎  )
      光の極限制御・積極利用と新分野開拓 植田 憲一
      (電気通信大学 名誉教授)
      新たな光機能や光物性の発現・利活用による次世代フォトニクスの開拓 (27年度1期生:磯村 彰宏  井上 圭一  小笠原 慎治  岡本 亮  小川 美香子  沖野 友哉  久保 結丸  小澤 祐市  坂本 高秀  田中 嘉人  時田 茂樹  松本 伸之  余語 覚文  28年度2期生:秋田 総理  岩崎 孝之  植竹 智  上村 直  貴田 祐一郎  齊藤 尚平  種村 拓夫  田原 樹  西内 満美子  松永 隆佑  向山 敬 平成
      27年度
      微小エネルギーを利用した革新的な環境発電技術の創出 谷口 研二
      (大阪大学 名誉教授)
      秋永 広幸 (副研究総括)
      (産業技術総合研究所 総括研究主幹)
      微小エネルギーの高効率変換・高度利用に資する革新的なエネルギー変換機能の原理解明、新物質・新デバイスの創製等の基盤技術の創出 (27年度1期生:黒崎 健  黒澤 昌志  鈴木 孝明  野村 政宏  藤岡 淳  藤ヶ谷 剛彦  松野 丈夫  湯浅 裕美(福澤裕美)  吉田 秀人  28年度2期生:片瀬 貴義  酒井 英明  高橋 竜太  中嶋 宇史  中村 優男  野々口 斐之  村田 理尚  柳谷 隆彦  山田 智明
      革新的触媒の科学と創製 北川 宏
      (京都大学 大学院理学研究科 教授)
      多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製 (27年度1期生:天野 史章  大洞 光司  鎌田 慶吾  楠本 周平  田村 正純  船津 麻美  邨次 智  横井 俊之  28年度2期生:石塚 智也  稲垣 怜史  浦川 篤  小河 脩平  菊川 雄司  熊谷 崇  杉本 敏樹  中山 哲  藤枝 伸宇  松本 剛
      理論・実験・計算科学とデータ科学が連携・融合した先進的マテリアルズインフォマティクスのための基盤技術の構築 常行 真司
      (東京大学 大学院理学系研究科 教授)
      多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製 / 情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創製(H25)/ 分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化(H25)/ 環境・エネルギー材料や電子材料、健康・医療用材料に革新をもたらす分子の自在設計「分子技術」の構築(H24)(27年度1期生:大久保 勇男  烏山 昌幸  小林 正人  小原 真司  是常 隆  佐伯 昭紀  世古 敦人  袖山 慶太郎  瀧川 一学  Dam Hieu Chi  塚田 祐貴  中島 千尋  中村 壮伸  畑中 美穂  山地 洋平  28年度2期生:池野 豪一  緒明 佑哉  大塚 朋廣  熊谷 悠  坂上 貴洋  志賀 元紀  辻 直人  原渕 祐  Randy Jalem  本郷 研太  溝口 照康  森 寛敏
      フィールドにおける植物の生命現象の制御に向けた次世代基盤技術の創出 岡田 清孝
      (龍谷大学 農学部 教授)
      気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築 (27年度1期生:赤木 剛士  市橋 泰範  犬飼 義明  大西 孝幸  岡本 昌憲  菅野 茂夫  田野井 慶太朗  寺田 愛花  萩原 伸也  水多 陽子  山口 暢俊  吉田 健太郎  28年度2期生:泉 正範  井上 晴彦  神谷 岳洋  高岡 洋輔  田中 佑  東樹 宏和  晝間 敬  藤井 壮太  山本 英司  横井 彩子
      情報科学との協働による革新的な農産物栽培手法を実現するための技術基盤の創出 二宮 正士
      (東京大学 大学院農学生命科学研究科 特任教授)
      気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築 / 社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築(H26) (27年度1期生:伊勢 武史  杉浦 綾  野田口 理孝  福田 弘和  峰野 博史  矢 志央理  28年度2期生:浅井 秀太  潮 雅之  辰己 賢一  西内 俊策  野下 浩司  松井 秀俊

      ACT-I

      研究領域 研究総括 戦略目標 発足年度
      情報と未来 後藤 真孝
      (産業技術総合研究所 情報技術研究部門 首席研究員)
      急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 / 人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発 / 分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 (28年度1期生:青木 裕一  荒瀬 由紀  飯塚 里志  石黒 祥生  井上 中順  今倉 暁  内山 彰  浦西 友樹  小田 昌宏  久保 勇貴  黒木 菜保子  小林 亮太  シモセラ エドガー  鈴木 久美子  曽我部 舞奈  高木 信二  千葉 直也  鄭 銀強  寺山 慧  中島 一崇  馬場 雪乃  原 祐子  舟洞 佑記  松井 勇佑  森前 智行  矢内 直人  山口 勇太郎  山本 和彦  米谷 竜  若宮 翔子 平成
      28年度

      参考

      1. CREST・さきがけ・ACT-I平成29年度研究提案募集のご案内

      採択?不採択? 2018年度科研費交付内定が通知される

       

      科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
      科研費 採択される3要素 第2版
      いかにして研究費を獲得するか

      関連記事 ⇒ 2020年度(令和2年度)科研費交付内定が通知

      関連記事 ⇒ 2019年4月1日科研費の採択が通知される

       

      毎年4月の初日は科研費当落の通知があるため(種目によっては6月)、研究者はハラハラドキドキさせられたあげく、歓喜、または、残念さのどちらかを味わうことになります。科研費に纏わるツイートをいくつか紹介します。

      科研費が採択されたかどうかの判別法

      科研費が通ったかどうか、いつもわかりにくいです。特に、落ちている場合。

      基盤Aの話題

       

      基盤Cの話題

      若手A廃止の話題

       基盤S通知の時期

      科研費全般の話題


       

      科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版
      科研費 採択される3要素 第2版
      いかにして研究費を獲得するか

       

      追記


       

      20170704追記 関連記事 2017年に新しく採択された20件の新学術領域研究(研究領域提案型) のテーマと領域代表者氏名

       

      20170702追記
      日本学術振興会のウェブサイトによれば、挑戦的研究(萌芽)挑戦的研究(開拓)および新学術領域研究(研究領域提案型)の新規研究領域の交付内定が2017年6月30日にありました。

      従来の「挑戦的萌芽研究」にかわって、「挑戦的研究(萌芽)」および「挑戦的研究(開拓)」が新設されたことに伴い、”挑戦的研究”が基盤研究等とは全く異なる性格の研究助成であることが、制度導入の際にしきりに強調されていました。審査においても同様で、単に優れた研究であるだけでなく、”これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画”かどうかは、採択、不採択を分ける一つの重要なポイントになったようです。

       

      659Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:09:44.18
      今回はほんとに充足率100%なんだな
      661Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:50:01.44
      俺も500万で申請して満額認められたわ
      712Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 00:41:59.34
      萌芽もう結果出てるんだ
      ダメだったんだな
      713Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 06:18:49.63
      これで海外の研究会には行かれなくなった。
      論文の投稿先も変えることになった。
      残念。
      729Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 23:02:18.69
      基盤通らず萌芽しか通らない万年助教です。
      見たら絶望的萌芽通ってた。充足率すげー。

       

      児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社
      科研費 採択される3要素 第2版
      いかにして研究費を獲得するか

       参考

      1. 日本学術振興会 NEWS 2017年6月30日
      2. 科研費総合スレ Part 3 (https://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/rikei/1493614598/)
      3. 新学術 南極の海と氷床 南大洋・南極氷床から地球の未来を探る 熱-水-物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床
      4. 新学術領域研究(研究領域提案型)リンク集(各領域において運営されているホームページ)(日本学術振興会)
      5. 平成29年度 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域計画書 応募情報(Web 入力項目)作成・入力要領 (PDF) (MEXT)
      6. 挑戦的研究(開拓・萌芽)の応募に当たっての留意事項(1)(PDF) 挑戦的な研究課題を支援する観点から、応募額を最大限尊重した配分(特に(萌芽)については、応募額の100%を基本とした配分)を行う予定です。
      7. <平成29年度における主な変更点等>(PDF)① 挑戦的萌芽研究を見直し、新たな種目「挑戦的研究(開拓・萌芽)」を設けました。(挑戦的萌芽研究の公募は行いません。)
      8. 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について 平成28年12月20日 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会
        • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について 概要  (PDF:812KB) PDF
        • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(本文)  (PDF:840KB) PDF :”挑戦的な研究が減退しているという傾向が今後も継続するとすれば、我が国の学術研究がその本来的な役割を果たすことができなくなることが危惧される。(page 2) ..  ・現行の科研費は「基盤研究」種目群を基幹として、全ての学術研究を通じて「挑戦性」を求めてきているが、学術の昨今の動向に即してより一層挑戦的な研究への支援を強化するに当たり、次のとおり、それぞれの種目群の役割・関係性を見直し、明確にする必要がある。◆「基盤研究」種目群:「基盤研究(S・A・B・C)」 ・これまでの蓄積に基づいた学問分野の深化・発展を目指す研究を支援し、学術研究の足場を固めていく種目群。 ◆「学術変革研究」種目群:「新学術領域研究」「挑戦的研究(開拓・萌芽)」(後述) ・斬新な発想に基づく研究を支援し、学術の体系や方向の変革・転換、新領域の開拓を先導する潜在性を有する種目群。 ◆「若手研究」種目群:「若手研究」「研究活動スタート支援」 ・若手研究者に独立して研究する機会を与え、研究者としての成長を支援し、「基盤研究」種目群等へ円滑にステップアップするための種目群。 ◆「特別推進研究」 ・新しい学術を切りひらく真に優れた独自性のある研究を支援する種目。「基盤研究」種目群、「学術変革研究」種目群双方の性質を併せ持つ。(pages 5-6) .. (2)「挑戦的萌芽研究」の見直し ①「挑戦的萌芽研究」の現状・課題、発展的見直しの必要性 ・現行の科研費において挑戦的な研究を促している「挑戦的萌芽研究」は、平成2年度に導入された「一般研究(C)」等における萌芽的研究への支援を端緒とし、平成8年度に「萌芽的研究」、平成14 年度に「萌芽研究」として見直された後、平成21 年度に現行の形となった。その最大の特徴は、論文などの実績を一切求めず、研究課題における斬新なアイディアやチャレンジ性を特に評価することにより、小規模(500 万円以下)の助成を行うことにある。平成28 年度助成においては、継続課題を含め、8,821 件に対して約100 億円(直接経費)の助成を行っている。その受給者は、若手からベテランまで幅広い年齢層に分布している。(page 8) .. ・「挑戦的研究」においては、NSF におけるTFR の考え方を踏まえ、例えば、「新しい原理や学理の発見・追求」、「学術の概念や体系の見直し」、「研究のブレークスルーをもたらすような、大きな発想の転換や斬新な方法論の導入」など、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画を支援するものとする。 .. こうした「挑戦性」の扱いをめぐる「基盤研究」種目群との違いについて応募者・審査委員に対して明確に示し、共通の理解を得る必要がある。・「挑戦的研究」においては、より大規模の挑戦的な研究への支援の必要性と、現行の「挑戦的萌芽研究」が果たしてきた役割を踏まえ、「基盤研究(B)」相当の「挑戦的研究(開拓)」(英名:Challenging Research(Pioneering))、「基盤研究(C)」相当の「挑戦的研究(萌芽)」(英名:Challenging Research(Exploratory))の2つの区分を設ける。.. 「挑戦的研究」においては、種目の趣旨を踏まえた真に挑戦的な研究課題を支援する観点から、採択率の考え方等審査の進め方に関して「基盤研究」種目群と明確に異なる取扱いを行う。具体的には、制度の趣旨に沿った質の高い研究課題を選び抜くため、科研費の全体目標である採択率30%の目標にとらわれず、採択件数を一定数に絞る。(page 10)” (太字強調は当サイト)
        • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(参考資料)  (PDF:1007KB) PDF
        • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(関連データ集)(その1)  (PDF:2204KB) PDF
        • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(関連データ集)(その2)  (PDF:1874KB) PDF

       

      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
      日本学術振興会ウェブサイトによると、平成29年度の科学研究費補助金(科研費)の交付内定の通知が2017年4月1日に行われました。内定通知があった研究種目は、特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援です。ちなみに、挑戦的研究(開拓)と挑戦的研究(萌芽)の交付内定の時期は、7月です(参考:公募から交付決定までのスケジュール)。

       

      参考

      1. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援)の交付内定について
      2. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究(C)、若手研究(B))の交付内定について
      3. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究(B)及び若手研究(A))(平成24年度から平成26年度採択の研究課題)の交付内定について
      4. 成29年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援)の交付内定について 別紙1:平成29年度科学研究費助成事業の交付内定・交付決定の日程(予定)(PDF)
      5. L-Rad(エルラド)は、未活用の研究申請書をキーとした、研究者と企業とのマッチングサービス。 科研費などの公的資金、民間助成金につぐ、第三の研究者資金獲得手法として、各方面から注目されているサービスです。
      6. 科研費不採択研究にフロンティアあり 不採択申請書のDB「L-RAD」への登録研究者が500人を突破 (日経バイオテク 2016.09.07 00:00 小崎丈太郎):”科研費(科学研究助成金/学術研究助成基金助成金)に申請しても採択されなかった不採択申請書をデータベース(DB)に登録、一定のルールに従って企業が閲覧し、産学連携を推進するシステムL-RAD(https://l-rad.net/)に参加した研究者の数が、9月1日までに502人(200大学・研究機関)に達した。”

       

      科研費に纏わるつぶやき(TWEETS)

       

      科研費申請書を書いたら審査員の目で読み返す

      科研費の審査基準や採点方法は明確に定められており、文書化されて一般に公開されています。

      shinsa

      研究目的や計画の欄をどう書いたらいいのかわからない人は、逆に、その欄に何がどのように書いてあれば評点が高くなるのかを知れば、通りやすい申請書が書けるかもしれません。

      既に申請書を書き上げた人も、審査の手引きの採点項目・採点基準をみながら自分が審査員になったつもりで再度チェックしてみてはいかがでしょうか?

      参考

      1. 誰も教えてくれなかった”通る”科研費申請書の書き方
      2. はじめての科研費申請に役立つウェブサイト

      学振 申請書の書き方と面接対策

      学振関連記事

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        ネットで公開されている学振(日本学術振興会特別研究員)申請書の書き方ガイド・面接対策まとめ

        心の準備

        学術振興会特別研究員の審査方針に、「学術の将来を担う優れた研究者となることが十分期待できること」とあります。ですから、「私は、学術の将来を担う優れた研究者になります。」と公言する覚悟をまず持ちましょう。この公約を表現したものが学振申請書になります。

        採用申請は、たかが10ページ程度の文章ですが、 書く精神的、肉体的負担は大きく、私も胃痛を生まれて初めて経験しました 「私は、誰よりも優秀なので、お金をもらうべきである」ぐらいの不遜さで書いた方が、個人的に採用されやすいと思っています( ω ) (めざせ学振!! かんたん特別研究員DC1採用申請の書き方 (文系院生向けです。) オニテンの読書会 2017-02-08

        トップレベルの大学や研究所で研究職を取ろうと思ったら、大学院での目標を単に修士号の取得、博士号の取得に設定していてはだめです。 修士のうちにジャーナルに査読論文を出版して早めに学振をとり、博士課程では自力で論文を最低でも数本は出版するぐらいの心構えでなくてはそういうポジションは狙えません。 博士号などは、研究者にとって自動車免許程度のものであり、博士合格基準をはるかに上回る成果を挙げて博士号など「おまけ」でもらう、というレベルでないと厳しいでしょう。…学振になるべく早く採用されることが研究者として生き残っていく上で重要なポイントです。戸谷研 学生心得

        不採用になったのは、君の存在性が否定されたからではないよ。(クマムシさんからの学振アドバイス

        学振に落ちる人のほとんどは、トップを目指す覚悟が足りません。… 『うちの大学からの採用者なんてほとんど居ない』と嘆くあなたは、東大の、MITの院生にも負けない自信を持っていますか?(学振DC1を本気で狙うためにすべき4つのこと はてな匿名ダイアリー 2009-01-20)

        【学振・都市伝説】特に学振DC1について、投稿論文業績、指導教員の知名度、大学のレベルが、採用の基準に関わるという噂を聞く。これは明らかに嘘で、投稿論文なし、知名度の低い指導教員、東大京大ではないが、DC1で採択された人を沢山知っている。そんなM2の皆さんは、悲観する必要はない。(@Markchloroさんによる学振書類書き方 まとめ

         

        学振申請書の書き方

        心構えから具体的な細かい書き方まで、網羅的でバランスの良いアドバイス集がネット上に多数あります。

        学振特別研究員になるために~2018年度申請版  東京工業大学で開催された 日本学術振興会特別研究員 公募にかかる学内説明会 (2017年3月9日) での講演資料 (講師は『学振申請書の書き方とコツ DC/PD獲得を目指す若者へ』(講談社 2016年)の著者)

        学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・前編] 日本最大の化学ポータルサイト Chem-Station 2013/5/8 一般的な話題, 化学者のつぶやき 学振, 申請書, 科研費 投稿者: cosine

        学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・後編] 日本最大の化学ポータルサイト Chem-Station 2013/5/9 一般的な話題, 化学者のつぶやき 学振, 申請書, 科研費 投稿者: cosine

        採択される申請書は申請者の抑えきれない情熱が文字に置き換えられたものである。もし申請書にイージーなミスが発見されたとすれば、申請者は書類を読み返す手間さえ惜しんだのだと、その程度の情熱しかなかったのだと冷徹な評価が下されてしまうだろう。学振に通るための5つのポイント 日本バイオロギング研究会の会報に寄稿した大学院生向けの文章 2013年5月2日

        日本学術振興会 特別研究員(PD)に採用されるための申請書の書き方とその考察 Published on Mar 12, 2016 2016年3月12日に若手の会で発表した時に用いたスライド

        博士課程で特別研究員(学振)として活躍するために U-runner’s View April 23 [Mon], 2012, 23:59

         

        どう審査されるかの理解

        採点基準と採点方法がわかると、どう書いたらいいかわからないという悩みが解消します。採点のポイントに即して書けば良いのですから。

        日本学術振興会特別研究員申請対策説明会「審査について」京都大学 研究推進部研究推進課研究助成掛 平成29年3月22日(PDF) K.U.RESEARCH 京都大学研究支援 日本学術振興会特別研究員(DC・PD・RPD・海外特別研究員

         

        一貫性を持たせること

        「現在までの研究状況」と、「これからの研究計画」が統一的な学理の中で、一貫した流れになると良いです。(あしたからがんばる ―椀屋本舗 December 24, 2012 学振に2回落ちて3回目で通った話

        最初から最後までぶれずに一本の筋を通すこと(PDF 申請書類作成にあたり注意した点 2013/4/5 2014年度(平成26年度)日本学術振興会特別研究員応募に関する説明会

        書類はひとつの物語になっていなければならない。物語が「自分語り」でも「研究分野史」でもなく、自分の研究が後世から見たときにちゃんと歴史的物語になることを想定して、その筋道をすっと通してあれば、読み手はおもしろく読めるはずだ。【理想論】(@rhetoricoさんによる【学振書類】の書き方  togetter >人文 2013年4月20日

         

        読める日本語で書くこと

        日本語が危ういレベルの人は、これを良い機会と捉えて、国語力をもっと上げましょう。作文技術を習得するための本が多数出版されています。

        ひとりの審査員が何人分もの申請書をみるので、審査員によっては誤字脱字、常体敬体、その他文章の体裁に乱れがあるもの、一言でいうと読みにくいものは中身を確認することなく切り捨てられる可能性がある。企画書などでも同じだと思うが、人に読んでもらうレベルに達していない文章はアカン、ということです。(学振とかの申請書の書き方について書いてみる Beyond the Silence Sound of Science 2016-03-21)

         

        人に見せてもらうこと

        百聞は一見に如かず。実例を見ると、「そう書けばいいのか!」ということが簡単にわかります。

        同じ研究室ですでに学振を もらっている人がいたら、その人の研究計画書は絶対に勉強になるので、参考にするにせよしないにせよ、もらって見てみましょう。(学振取るまで(NAIST 版)

        自分の申請書を書き上げる前にやるべきことがあります。… 一度書き上げてしまった申請書は、質が悪くても、自分の目には良い申請書に映ってしまいます。1. 学振に採用された人の申請書を集める(先輩から) 2. 学振に採用された人の申請書を集める(Webから) 3. 集めた申請書を採点する (学振特別研究員 申請書(DC1/DC2/PD)の書き方:審査員視点を忘れるな Sizzleがはしる 2016-03-24 )

        この申請書,決してひとりで書くものではないんですね.… どんなに意気込んで「自分だけで!」なんて思っても,先生・先輩方の書く科研等の申請書に勝てるはずがありません.研究のアピール方法,書類の見易さ,図の使い方などなど...これは実際に聞いてみないと分かりません.近くにいる先生,学会などでお世話になっている先輩等,様々な人から情報を集めてください.(MINEHIROの日本学術振興会特別研究員DC1への道 ~申請書作成編~ 帯広畜産大学 環境微生物学研究室 2014/2/14

        過去の申請書資料を学内者限定で閲覧できる大学もあるようです(京大)。

         

        人に読んでもらうこと

        自分で何回読み返しても、誤字脱字、論理のギャップや矛盾、説明の過不足、冗長さや無駄な語句、読みにくさ、レイアウトの悪さ、その他細かい点、根本的な考え違いなどになかなか気づけないものです。

        指導教官とのやりとりだけだと、どうしても視野が狭くなって専門性が強くなりがちなので、それ以外の人に読んでもらうのも大事だと思います。(学振の申請書を書く時に気をつけたこと

        私の場合は、初めて他の人(ラボ出身の先輩)に申請書を読んでもらいました。自分では見落としていた思いがけないポイントを多数指摘してもらって、わかりやすい申請書になったと思います。今回通ったのはこれが一番でかかったのでは、と個人的には思っています。(学振の申請書を書く時に気をつけたこと 酵母研究者の長くて短い一日 2011年3月 3日

        申請書を交換できる友人を持とう(一番重要)◦ひとりよがりで書き上げてうまくいく人は少ない。◦恥ずかしがらずに人に見せる(学振&科研費申請書で気をつけたこと EVERNOTE更新日 2017/05/01

        【学振申請書・大前提】学振に採用された経験のある人と、知り合いになれるかどうかが、採用の為の最大の秘訣である。そして、いろいろアドバイスをもらい、コメントしてもらう事が大切。(@Markchloro さんによる学振書類書き方のまとめ togetter 2013年5月7日

        自分の周りには読んでくれそうな人がいないからといって諦めないでください。真剣さと覚悟を持って頼めば、いままでほとんど話したことがなかった先輩、先生も喜んで手助けしてくれるはずです。

         

        わかりやすく書くこと

        わかりやすい申請書を書ける人は、肝心なことが何かをよく考え抜いていて、論理もよく整理できていることが多い。([学振]申請書と論文の違い

        何も知らない人に研究内容を説明する文章を作ります。(学振DCを取る方法(僕の場合) http://www.oishi.info.waseda.ac.jp/~takayasu/dc.html)

        “研究目的が明快でない申請書はその時点で×”ともおっしゃっていた.申請書全文を読んで,審査員自ら研究目的を悟ってくれることはない.(審査員経験者から申請書の書き方について聞いてみた ちゃらんぽらんな新米漁師のブログ 2010年5月12日

        最初に「これまでの研究」って書くじゃないですか。いきなり「研究」を書きすぎなんです。いきなり専門的すぎるんです。やっぱり読む側は申請書を書く人間にも、そのテーマにも興味をもっていくれるわけじゃないんですから、読む側にも納得できそうな問題提起を明示して、そこから「これまでの研究」と「現在の状況」をつなげていくのがいいんじゃないかな、って。(■絶対に受かるとは思わない学振申請書の書き方  はてな匿名ダイアリー 2016-03-28

         

        申請書の具体例

        生物学、医学、化学、コンピュータサイエンス、人文社会科学など分野は違っていても、良い申請書には論理的な流れ、熱意、ビジョンが見えるという共通点があり、実例から多くのことが学べます。

        学振・海外学振の書き方  学振申請書の具体例 http://科研費.com/how-to-write-gakushin/

        学振取るまで(NAIST 版)

        2008年度にPDに通ったときの書類を置いておきます。 (http://jj57010.web.fc2.com/gakushin.html):社会科学・法哲学の内容 申請者の注釈付き

        学振PDに提出した計画書をアップします 「人文学」の「外国語教育」枠で応募 2012年「不採用」 2013年「採用」 (こにしき(言葉、日本社会、教育)  April 09, 2014)

         

         

        面接の対策

        せっかく知らない人にアピールする場なので、この研究は面白そうだなと思ってもらいたいでしょう。面接官を楽しませるのが目標です。(学振DCを取る方法(僕の場合)

        それよりも、予め用意してきたスピーチを、重要な点や研究の特長は特に強調しつつ、4分間流れるように披露するのが結局一番良いのである。(学振研究員面接審査について:スピーチ編

        それでも想定外の質問はくるものだけど,これ以上ない!!ってくらいに準備しておくとなんとかそこで自信を保った回答ができます.(学振 面接 感想戦

        業績がほとんどない中で採用になったのは、提案した研究のおもしろさ(わくわく感ときっちり感)を共感してもらえたからだと思います。(学振面接に行く (本番編)

         

        【注意】申請書、面接の様式は変更されている部分があります。最新情報を公式サイトでご確認下さい。

         

        参考

        1. 日本学術振興会特別研究員

         

        更新:20170513 新たな検索結果を追加

        学振申請書の書き方とコツ
        論理トレーニング101題
        理科系の作文技術
        日本語の作文技術

        CREST・さきがけ 応募締め切り迫る!

        科学研究費補助金(科研費)がボトムアップ型なのに対して、「CREST」や「さきがけ」は日本が国の政策として研究の方向性を予め決めて行う、いわゆるトップダウン型の研究助成です。

        「CREST」は、科学技術イノベーションに大きく寄与する卓越した成果を創出するネットワーク型研究(チーム型)で、研究期間は5年半以内、研 究 費は総額1.5 ~ 5 億円/ チーム。平成27年度第1期CREST研究提案募集に対する応募の締め切りが5/19( 火) 正午。

        「さきがけ」は科学技術イノベーションの源泉となる成果を世界に先駆けて創出するネットワーク型研究(個人型)で、研究期間は3年半以内、研 究 費が総額3 ~ 4 千万円。平成27年度第1期さきがけ研究提案募集応募締め切りが5/12( 火) 正午。

        CRESTやさきがけに応募するにあたっては、トップダウン型という特質を理解したうえで申請書を書く必要があります。

        JSTグラントの申請書のポイント
        •戦略目標にそって研究総括が定めた「領域のねらい」、「募集に当たって」などが公表されます。
        •いくら基礎的にすぐれた研究でも、「領域のねらい」に合致しないと採用されません。
        •研究論文ではありません。あくまで研究課題の提案を書いて下さい。専門外の方も審査に加わります。わかりやすく、図をまじえて書いて下さい。
        •これまでの研究成果もすべて書くのではなく、当課題の提案の根拠になるものにとどめて下さい。

        申請書の審査ポイント
        •オリジナリティがあるか。
        •個人(CRESTの場合研究代表者のチーム)の貢献がどの程度あるか。
        •期間内にどこまでしようとしているのか。
        •計画は申請金額に見合っているか。
        •基礎となる予備研究があるか。
        •パブリケーションの能力があるか。
        (引用元:JST CREST,さきがけの特徴と申請のポイント http://home.sato-gallery.com/research/Grant-Proposal-JSTkobe2014.pdf

        CREST

        研究領域

        (研究領域ウェブサイトへのリンク)

        研究総括 戦略目標 発足年度
        現代の数理科学と連携するモデリング手法の構築 坪井 俊
        (東京大学 大学院数理科学研究科 教授)
        平成27年4月6日 坪井 俊 研究総括による研究領域趣旨説明
        社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築 平成
        26年度
        人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築 萩田 紀博
        (国際電気通信基礎技術研究所取締役/社会メディア総合研究所所長)
        平成27年4月6日萩田紀博研究総括による研究領域趣旨説明
        人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発
        統合1細胞解析のための革新的技術基盤 菅野 純夫
        (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
        生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出
        二次元機能性原子・分子薄膜の創製と利用に資する基盤技術の創出 黒部 篤
        (株式会社東芝 研究開発センター 理事)
        二次元機能性原子・分子薄膜による革新的部素材・デバイスの創製と応用展開
        再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出 江口 浩一
        (京都大学 大学院工学研究科 教授)
        再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出 平成
        25年度
        素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成 桜井 貴康
        (東京大学 生産技術研究所 教授)
        横山 直樹(副研究総括)
        (株式会社富士通研究所 フェロー)

        平成27年4月7日 桜井貴康研究総括より説明
        情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成
        超空間制御に基づく高度な特性を有する革新的機能素材等の創製 瀬戸山 亨
        (三菱化学株式会社 フェロー・執行役員/株式会社三菱化学科学技術研究センター 瀬戸山研究室長)
        平成25年4月26日 H25年度公­募説明会 瀬戸山 亨 研究総括
        選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙構造制御技術による新機能材料の創製
        科学的発見・社会的課題解決に向けた各分野のビッグデータ利活用推進のための次世代アプリケーション技術の創出・高度化 田中 譲
        (北海道大学 大学院情報科学研究科 特任教授)

        平成27年4月6日 田中 譲 研究総括による研究領域趣旨説明
        分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化
        ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化 喜連川 優
        (国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授)

        平成27年4月6日 喜連川 優 研究総括による研究領域趣旨説明
        分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化

        さきがけ

        研究領域(研究領域ウェブサイトへのリンク) 研究総括 戦略目標 発足年度
        社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働 國府 寛司
        (京都大学 大学院理学研究科 教授)
        H26年度さきがけ「数学協働」領域(研究総括:國府寛司)募集説明会
        社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築/分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 平成
        26年度
        社会と調和した情報基盤技術の構築 安浦 寛人
        (九州大学 理事・副学長)
        2015年4月2日さきがけ「社会情報基盤」領域(研究総括:安浦 寛人)募集説明会)
        人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発/分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化
        統合1細胞解析のための革新的技術基盤 浜地 格
        (京都大学 大学院工学研究科 教授)
        生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出
        再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出 江口 浩一
        (京都大学 大学院工学研究科 教授)
        再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出 平成
        25年度
        素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成 桜井 貴康
        (東京大学 生産技術研究所 教授)
        横山 直樹(副研究総括)
        (株式会社富士通研究所 フェロー)
        平成27年度募集さきが­け選考方針 横山直樹副研究総括
        情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成
        疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく革新的医療基盤技術の創出 小田 吉哉
        (エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ バイオマーカー&パーソナライズド・メディスン機能ユニット プレジデント)
        H25年度 CREST及びさきがけ募集説明会 「疾患代謝産物」領域(2) さきがけ研究領域「疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく 革新的医療基盤技術の創出」(小田吉哉研究総括)
        疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出
        超空間制御と革新的機能創成 黒田 一幸
        (早稲田大学 理工学術院 教授)
        H25年度 さきがけ公募説明会「超空間制御」領域 黒田研究総括
        選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙構造制御技術による新機能材料の創製
        ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化 喜連川 優
        (国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授)
        平成27年4月6日 喜連川 優 研究総括による研究領域趣旨説明
        分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化

        (引用元:JST 科学技術振興機構 研究提案を募集する研究領域(第1期)、およびYOUTUBEより関連動画をピックアップ)

        参考

        1. 研究提案を募集する研究領域(第1期)(JST 科学技術振興機構)
        2. 平成27年度 第1期 CREST・さきがけ 研究提案募集リーフレット(PDF)(JST 科学技術振興機構)

        採択される科研費申請書の書き方22のヒント

        関連記事

        1. 科研費研究計画調書の書き方 セクションごとの具体的、実践的な書き方のアドバイス

        【注意】科研費の申請書は研究者が個人的にJSPSにに提出するものではありません。所属機関・大学を通じた提出になります。したがって、研究者は、JSPSのウェブサイトにある締切り日時ではなく、所属大学・機関の締切り日時を守る必要があります。

        文部科学省の科学研究費補助金(科研費)は、研究テーマの自由度が最も高く、全ての研究者にとって非常に重要な外部資金です。研究領域や研究テーマが予め指定されているトップダウンの研究費とは異なり、誰にでも研究資金獲得のチャンスがあります。

        そこで、初めて科研費を出す人、まだ一度も科研費が当たったことがない人に向けたアドバイスを、自分の経験とネット上の情報を纏めて書きました。「基盤(C)」や「若手」といった少額の研究種目を想定しています。

        採択される申請書の条件:研究目的を明確に伝える~作業仮説を示す~

        科学は「仮説の検証」の繰り返しで作り上げられていくものです。研究の提案は、「仮説の検証」の形をとるのが典型的なやり方です。ところが、日本の科学教育ではあまり仮説をもつことの重要性が強調されてこなかったように思います。研究目的に書くべき事柄は、「申請者はどんな仮説を立ててそれをどうやって検証するのか」です。これを明確に伝えられない場合、何がやりたいのか不明瞭な申請書になる可能性が高いでしょう。

        中学校の教科書で教えている仮説駆動型研究が、なぜか、実際に研究を始める大学院ではほとんど教えられていないという日本の現状は憂うべきものです。

        1. 中学理科の教科書が教える仮説駆動型研究
        2. 科学における仮説とは何か
        3. 論文から学ぶHypothesis-driven research

        仮説駆動型でないタイプの研究も勿論ありえますが、何か興味深い生命現象のメカニズムを探ることを科研費研究として行いたいのであれば、仮説が書かれていない申請書というのは考えにくいと思います。

        作業仮説は図にして、見せましょう。本文を読まなくても図を見ただけでどんな作業仮説なのかがわかることが大事です。そして、その作業仮説の図を中心に文章を書いていくのがお勧め。審査委員が本文を読んでいてわかりにくいと思ったときに仮説の図があると理解を助けますし、迷子にならなくて済みます。

        自分が何を研究したいのかが明確になっていない段階だと、仮説の図は描けないはずです。逆に、仮説の図を作り上げる過程で自分のアイデアが明確になっていきます。

        関連記事 ⇒ 仮説を書かない科研費申請書なんて…

        採択されるための早道:書いたものを他人に見せる

        科研費に採択されるための最良の方法は,「書き上げた申請書を誰かに見せて添削してもらうこと」だと思う.見てもらう人が採択経験豊富な人ならなおよい.そういった人に申請書を見てもらって何度も何度も直すのが一番よい方法だ.(小噺その10:科研費に採択されるための最良の方法 Smart Lab Life 羊土社)

        今回初めて科研費を申請する人や、毎年出し続けているのに採択されない人は、ひとりよがりな申請書を書いてしまっている可能性が(極めて)大です。研究内容以前の話として、申請書の書き方がなっていないというだけの理由であっさりと不採択になっている人がかなりの数に上ると推測されます。業績もある程度あり、研究のアイデアや熱意もあるのに、それが全く計画調書に表現されていないだけで不採択を食らっているのに、本人はそのことに全く気付けていない、といのは実にもったいない話です。

        落ちる申請書には理由があった!京都大学で採択・不採択になった科研費申請書を網羅的に分析すると、明らかな差があることに気付いた。「科研費申請書の教科書」学外非公開)

        だから、一番のおすすめは、自分の書いた申請書を人に読んでもらい、ダメ出しをしてもらうことです。研究者はみな忙しいので、なかなかこれが実際にはできないものです。そんな場合は、大学でURA(リサーチアドミニストレーター)が研究支援活動を行っていれば、そのサポートを活用することをお勧めします。

        計画調書を読んでもらう人は科研費採択経験者であればベストですが、必ずしも研究者でなくても、得るものはあります。自分の親兄弟、配偶者などの家族、親しい友人、とにかく国語力のある人に読んでもらうことができれば、自分で気づけない点が見えてくるはずです。

        身近に読んでくれる人がいない場合には、添削サービスを利用するという手もあります。

        1. coconala での科研費添削サービスの検索結果(68件)

        科研費を採択されるための王道:情熱を示す

        自分の研究に賭ける情熱、想いを科研費計画調書に凝縮して落とし込むことです。

        「本当に真剣に考えた申請書は、読む人を感動させるものになります。そういうものが、いい申請書だといえるでしょう」(JREC-IN Portal 研究人材のための5分間キャリアップ読本 インタビュー記事)

        ページ下部に余白を1行足りともつくらないというのは、情熱のひとつの表れです。(見やすくするために、項目タイトルの上に空行を入れるのはOK)

        科研費採択の条件:研究の意義を伝える

        科研費の『審査の手引き』に書かれていますが、「学術的な意義」があるかが審査の一つのポイントになっています。お金をもらうのですから当たり前の話で、やる価値がないことにお金はあげられません。

        ところが、やる内容、目的までは書いているのに、研究の意義についてまでは計画調書で触れていない人が結構います。「言わなくてもわかるでしょ」というつもりなのかもしれませんが、言わなきゃわかりません。どうして自分の研究はやる意義があるのか、お金をもらってまでやる価値があるのか、うまくいけばどれくらい学術的な波及効果や社会へのインパクトがあるのかをアピールすることは、非常に重要です。

         

        科研費採択の条件:研究計画は具体的に書く

        研究課題の意義がいくら大きくても、研究計画に具体性が欠けると説得力がありません。まだ行っていない実験のことを細かく書きようがないではないかと思う初心者も多いでしょうが、だからこそ予備実験を行いある程度実験を進めておくことが必要なのです。ただ単に「解析する」と書いても、何をどう解析するのかが書かれていなければ、審査委員を説得できません。具体的にといっても、実験のプロトコールを書けという意味ではありません。適度な具体性が必要だということです。具体性に欠ける計画調書は、いくら立派なことを言っていても、実現可能性がないと判断されて不採択になります。

         

        採択される科研費計画調書とは:神は細部に宿る

        研究計画のアイデアが十分に湧いてきていない状態だと、申請書の空欄が広大に見えてしまい、どう埋めればいいのかと途方にくれるかもしれません。全部埋める必要はあるのでしょうか?

        無駄な余白は(一行たりとも)あってはいけない
        2008.3.21 第1.01版私大研究者のための「採択率を上げる研究費申請書」の書き方、七つの基礎早稲田大学先進理工学部 竹内淳(PDFファイル 2ページ)

        だからといって、やみくもに文字でびっしりと埋めればいいというものではありません。通る申請書は内容だけでなく、見た目も自ずと良いものになるのです。

        用いる文字や図表の位置、大きさ、形、色などには全て必然性がなければならない、なぜそこで使うのかを説明できなければいけない。
        研究資金獲得のためのガイド 2011年7月 立命館大学博士キャリアパス推進室 (PDFファイル 96ページ)

        割り当てられた多量の科研費の申請書を読まなければならない審査員の負担を想像できるかどうかも、勝敗を分ける要因になりそうです。

        文字でびっしり埋められていると、「読む気がしなくなる」研究にかける熱量を短い言葉に凝縮し、申請書に落とし込む JREC-IN Portal 研究人材のための5分間キャリアップ読本>2. 研究資金を獲得する>#06 東京都総合医学研究所 所長 田中 啓二氏)

        とにかくギリギリまで何度も読み返して、少しでも読みやすいものを提出しましょう。

        できるだけ頭を空っぽにして.先入観をなるべく捨てて私は音読する.私は誤字脱字などの自分の書いた文章を校正するのが非常に不得意(間違っていないと無意識に思ってしまう)ので,音読するようにしてる.そうすると,一言一句間違えずに読み上げることになるので,案外間違いに気づいたりする.(博士課程(女)の記録)

        気持ちのこもった申請書であれば、誤字脱字などあるはずもなく、スカスカに空いたスペースもなく、かといってぎっちり文字だけが詰まっているわけでもなく、遠目にみてもレイアウトが素晴らしく、中身をじっくり読んでもウーンと唸らされるような寸分の隙もないものに仕上がっているはずです。

         

        評点を落とさないためのノウハウ:指示に従う

        これまでに科研費を申請したことがない研究者にとっては、非常に気が重くなることかもしれません。しかし、科研費の研究計画調書には何をどうかけばいいのかが細かく指示されていますので、全く気に病む必要はありません。むしろ、”指示された通りに書く”ことこそが最重要なのです。

        研究者にとって、これほど書きやすい応募書類はない
        科学研究費(科研費)研究計画調書の書き方説明会 2013年9月20日(金)吉田地区URA室 (PDFファイル スライド25枚)

        計画調書には、この欄にはこれこれについて書きなさいと具体的な指示があり、それに従って書けばよいだけの話なのですが、初心者の人はそれが全く出来ていないことが多いのです。

        なぜそんな細かい指示があるのでしょうか?それは、申請者が書きやすいように、また、審査員が審査しやすいようにそうなっているのです(多分)。あなたの研究の独自性をアピールしてくださいという場所であなたが何も書かないでいると、評点をつけようがないので、良い評価は得られないでしょう。仮に、ほかの部分にそれらしいことが書いてあったとしても、審査委員がそれに気付かなければ評価されません。

        不採択となる調書は、研究計画や内容は素晴らしいのに、その素晴らしさがまったく伝わってこないようなものが多いと思います。

         

        採択される申請書であるための絶対条件:論理的な日本語で書く

        日本人だから日本語が書けるかというと、そうでもありません。忌憚のない意見を言ってくれる人に、自分が書いた文章を読んでもらいましょう。文章を書くことの難しさをちゃんと自覚して、自分の至らなさに気づくことが、科研費採択への第一歩です。日本語の文章を書くことが仕事の一部である以上、研究者は一度徹底的に自分の日本語作成能力を鍛え直す必要があります。

        良い申請書を仕上げるコツ以前に重要なのは、読んだ人に内容が理解できて、言いたいことががちゃんと伝わるような、まともな日本語の文章を書くということです。

        論理力のない科学者に税金をあげようと思う方は多分いないです
        論理力があるかどうかは、5行読めば分かってしまいます
        研究計画調書を見比べて想うこと 日本大学文理学部物理生命システム科学科 松下祥子 (PDFファイル スライド30枚)

        論理的な文章を書く技術は、誰でも学ぶことができます。

        パラグラフライティングを徹底する!これは日本の教育システムで教える機会がほとんどなく、大半の人が身についていません。論理的文章を書くための黄金律なのですがね・・・。
        学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・前編] chem-station.com

        不採択となる計画調書にありがちな日本語のマズさを、いくつか挙げておきます。

        1. 主語と述語の呼応がおかしい。
        2. 複数の節からなる文の場合、1つめの節と2つめの節とで主語が変わっていて読みにくい。
        3. 文と、次の文とのつながりがない。
        4. 論理的なつながりを表す接続詞が使われているのに(したがって、それゆえ、しかしながら、等)、その論理が実際には存在しない。
        5. 文章に、結論に向かう流れがない。方向性が見えない。
        6. 一つのパラグラフの中で、主題が変化していて、何について書きたいパラグラフなのかがわからない。
        7. ところどころ話し言葉が混じる。
        8. 略語が説明抜きで使われている。
        9. その専門分野の人にしか理解できないテクニカルタームが説明抜きで使われている。
        10. 言葉足らずで、ギャップを読者に埋めさせようとしている。(専門外の読者にはそのギャップを埋められない、もしくは、労力を要するので、読みにくい日本語になる)

        読みやすい 文章というのは、重力にまかせて上から下に流れていくだけできちんと意味のとれる、読み手にストレスを与えない文章である。学振に通るための5つのポイント 2013年5月2日 渡辺佑基 日本バイオロギング研究会の会報への寄稿)

        科学的な文章の書き方に関しては、いくつか定番といえる本があります。45年前に書かれたロングセラーが『理科系の作文技術 』です。研究者でこの本を知らない人はおそらくいないでしょう。

        木下 是雄 理科系の作文技術 (アマゾン)

        木下 是雄 まんがでわかる 理科系の作文技術  2018/1/19 久間月 慧太郎 (イラスト)(アマゾン)

        福地 健太郎, 園山 隆輔 増補改訂版 図解でわかる!理工系のためのよい文章の書き方 論文・レポートを自力で書けるようになる方法 (アマゾン)

         

        科学的な文章以前に、自分の国語力に自信がない人は、基本から身につけるほうが早道です。フクシマ式が速習に向いていてオススメ。下の本は1時間くらいで読めますが、効果は抜群です。

        福嶋隆史 (著) 言葉を自在に操るための論理思考トレーニング 考えていることが正しく伝わる、シンプルで確実な方法 「ビジネスマンの国語力」が身につく本(アマゾン)

        上の本によれば国語力とは突き詰めれば「3つの力」にまとめられるということですが、その1番目の「言いかえる力」(具体→抽象、抽象→具体の言い換え)に話題を絞って書かれた本もあります。

        細谷 功(著) 具体と抽象 (アマゾン)

        文章を書いている時、多くの場合、具体と抽象を行き来しています。上の本を読んでおけば、それを意識しながら書くことができますので、書いた文章が慢然とならず、非常に明解でシャープなものになります。上記の本は2冊とも、普通の文学作品のように文字がぎっちり詰まったものではなく、非常に読みやすいので、1時間くらいで読めます。国語力アップに1時間を投資するだけで、異次元の科研費申請書作成能力(前後比較)が身につくのですから、こんなコスパの高い努力はめったにありません。

         

        科研費採択のための絶対条件:計画調書の中に矛盾をつくらない

        概要と本文が対応していなかったり、研究計画と経費の項目がつじつまが合っていなかったり、不採択だった計画調書はいろいろと矛盾を含んでいることが多いのです。目的を達成できそうにない実験計画というのも、致命的な矛盾です。申請書を書いている当人の頭の中ではなんとなく繋がっていて、実は辻褄があっていないのに気付けないということが多いのです。数多くの調書を読みなれている審査委員は直ちにその矛盾に気付き、不採択のほうへ振り分けてしまうことでしょう。

        私が確認を頼まれた後輩の申請書や、ギリギリ評価点が足りずに落ちてしまった方の申請書にはほぼ必ず論理的におかしいと思う部分があります。つまり、論理性を保った申請書を書くだけでも差別化に繋がるということになります。(論文ゼロでも学振DC1に面接経由で採用された申請書の書き方のコツと面接対策ポイント minoblog

        1. 児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第8版(2022年7月14日新発売)
        2. 郡 健二郎『科研費 採択される3要素 第2版』(臨床医学系)

         

        科研費採択への道:採択された計画調書を見せてもらう

        何をどう書けば良いのかわからない人は、まずは、実際に採択された人の申請書を見せてもらい、採択のためのスタンダードの高さを知ること。また、他人の申請書を読めば、どんな文章表現を使うと効果的なのかがわかり、具体的な言葉遣いを学べるというメリットもあります。

        ①~である.しかしながら,Aに関しては未だ不明な点も多く,その解明には既存の手法ではなく,新しい視点からのアプローチが必要である.②申請者らは,近年Aの生理学的意義が注目されている~に着目し,Bを明らかにした.③本研究では,AにおけるBの意義・役割について明らかにする. (①現状の問題提起,②申請者らの研究成果,③研究目的)(若手研究者向け科研費セミナー ー採択されやすい計画調書の書き方ー URA室倉石泰平成27年8月4日 東京医科歯科大学 PDF 19ページ)

         

        大学によっては、採択された科研費計画調書を学内で見せたりしているところも結構あるようです。採択された、他人の計画調書を見る機会がない人も多いと思いますので、ネット上で公開されている調書を紹介します。様式が変わっても、良い申請書の本質的なことは普遍的です。

        基盤研究(A)

        下の申請書は、自分には馴染みがない研究分野ですが、読んだときにその迫力に圧倒されました。きっと多くの人に役立つと思うので紹介させていただきます。

        ① 研究の全体構想・具体的な目的・何をどこまで明らかにしようとするのか?
        動物媒の花の著しい多様性は、送粉動物への適応を通じて進化したと考えられている。しかし、送粉動物による花形質への淘汰を実測しようとした研究は、必ずしも成功していない。その理由として、花形質の集団内変異が小さいことが指摘されている。本研究では、種間雑種を作り、さまざまな花形質を分離させることによってこの障害を克服し、異なる送粉動物への適応進化の過程を実証的に調べる。研究材料として、ユウスゲ属の 2 種をとりあげる。2 種は、‥

        (基盤研究(A)計画調書PDFリンク http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~ecology/yahara/KibanA.pdf

         

        学振DC2

        下のリンク先で学振の申請書が公開されていますが、計画調書作成の戦略まで細かく解説されています。異なる分野の人にも絶対に役立つであろう内容です。

        ■研究背景
        申請者は”薬剤の効かない難治性てんかん患者”をターゲットに、生体冷却を用いた代替治療総日の開発(図1)を行ってきた。てんかんとは、‥

        (引用元:面接免除になった学振DC2の書類を公開と工夫した点について 更新日:2019-05-04 公開日:2018-09-20 そうだ研究しよう

         

        採択されるためのヒント:審査の手引きを読む

        科研費計画調書の審査は、公正を期するために審査基準が明確に定められておりそれは「審査における評定基準等」や「審査の手引き」という文書として公開されています。

        審査委員のための「審査の手引き」は、実は申請者にこそ必読の書です。公開されている「審査の手引き」に目を通しておけば、自分の研究計画がどのように採点されるのかの具体的なイメー ジが湧きます。すると、科研費申請書をどう書けばいいのかのアイデアが、自然にいろいろ浮かびます。申請書を書き上げたあと、自分が審査員になったつもりで自分の申請書を採点してみると、ちゃんと書けているのかどうかのチェックになります。

        基盤研究、萌芽、新学術などの種目ごとに存在意義が異なるため、当然のことならがら審査される際の観点も異なります。その種目が助成した研究はどのような種類の研究なのかをきちんと理解しておくことは、申請書を書く以前の問題です。

        審査の手引きを読めば点数が付けられるさいの審査のポイントがわかりますから、逆に、そのポイントを押さえた調書を仕上がることが可能になります。大学受験で採点基準を意識して解答すれば減点されにくい答案が書けるのと同じ理屈です。

        1. 審査における評定基準等(平成31年度)基盤研究(B・C)、若手研究(PDF)
        2. 審査における評定基準等(平成31年度)挑戦的研究(開拓・萌芽)(PDF)
        3. 科学研究費助成事業 審査・評価について(JSPS )

         

        採択されるための戦略:敵を知る

        誰が自分の科研費の審査をしたのかは、公開されています。自分が出す分野の審査委員の顔ぶれを知っておくことは非常に重要です。出す分野を決める際の参考にもなります。

        また、審査委員がどのような気持ちで申請書を読んでいるのか、その心理を理解しておくことも大事です。科研費の取り方に関する教科書などでも紹介されていることですが、一人の審査委員に100近くもの計画調書が送られてきて、審査委員は忙しい業務の合間を縫ってその調書の評価をしなければならないため、一つの調書あたりにかけられる時間は申請者が想像するよりもはるかに短いようです。本では言葉を濁していますが、科研費審査経験者が説明会に引っ張り出されて話ているのを総合すると、おそらく10分~20分程度ではないでしょうか。この程度の時間しか割けないとなると、隅から隅まで一字一句漏らさずに読むという読み方は到底できないはずで、緩急を付けながらサッサと読んでいっているはずです。日本語が読みにくかったり、説明がわかりにくいものは当然、良さが伝わりにくいので低評価を受けることでしょう。

        また、採択率から考えると、ほとんどの調書(~7割)を「不採択」のほうに振り分ける必要があるため、ダメなところが見つかり次第「不採択」の方に分けていくことになるでしょう。ですから、明らかにダメな部分を作らないということが、一つの重要な戦略になると思います。振るい落とされるような隙を作らない、ソツのない計画調書に仕上げることが、採択のための最低条件といえそうです。

         

        採択されるための戦略:敵を味方に

        どんな大学であっても、科研費審査を経験された先生がいらっしゃるはずです。過去の審査経験者は公開されているわけですから、自分の大学に所属する審査経験のある先生を見つけて審査のポイントを聞きに行くということも可能なのではないかと思います。みんながやると先生の時間が奪われてしまうでしょうが。その場合、大学のURAがそういう情報を学内に還元するのが良いのではないでしょうか。

         

        科研費採択のための戦略:勝てる場所を選ぶ

        科研費を申請するときには、審査区分を選ぶ必要があります。それぞれの審査区分ではその分野の研究者が審査委員を務めるわけです。自分の研究内容がどの審査区分にマッチするかをじっくりと考える必要があります。さらに、自分の研究計画が複数の審査区分で出せそうなときには、どこに出せばライバルが弱くて自分の勝つチャンスが増やせるかを考えましょう。それというのも、科研費の審査は「区分ごとの相対評価」だからです。これに関しては、審査の手引きなどを熟読して、自分の申請書がどのようなプロセスを経て合否の判断が下るのかを理解しておく必要があります。

        KAKENデータベースをみれば、どの程度の論文業績の人がどの審査区分においてどのような研究プロジェクトで採択されたかを知ることができます(過去に、審査委員の先生が誰だったかも)。過去に採択された人たちの研究と自分がこれからだそうとしている研究計画とを比べたときに、ここで戦って自分は勝てそうか?と考えて、勝てそうな場所(=審査区分)を選ぶことも非常に重要な戦略です。

         

        採択の条件:他者との差別化をはかる

        何を究明したいのか問題意識を明確にし、どのような手法でそれを実現するのかを具体的に立案。…例えば、分野の空白を埋める研究なのか、学問・科学の発展の流れを把握し、切り開いていく研究なのか、全く新しい発想による研究なのかなど「特色」を明らかにして「他の人との違い」を積極的にアピール。
        科研費応募の手引き 平成21年8月20日 小山和義 原子力GCOE (PDFファイル スライド47枚)

         

        評点を稼ぐノウハウ:採点されやすい調書に仕上げる

        審査委員はみな大学の研究者ですから、超多忙の合間を縫って科研費の申請書を読んで採点しています。一つ一つの申請書を全部同じようにじっくり読む時間はないはず。「当確」な調書と「論外」な調書は時間をかけずに判断されると思います。問題は、当落線上の調書でしょう。少しでも採択の可能性を上げたければ、審査委員の心証を良くする必要があると思います。それは結局、審査委員の負担を軽くする、つまり、読みやすく採点しやすい調書に仕上げればよいのです。

        極意1 審査員に読ませない、まとめさせないK3茶論 第15回 科研費申請書作成のポイント 高等教育コンソーシアム信州 加藤鉱三 スライド+ウェブキャスト)

        審査員は、一度に短い時間で多くの調書を読まなければならないことを十分意識して書く。そのため斜め読みでも、重要な要点がきちんと伝わるように書く。
        科学研究費助成事業(科研費)研究計画調書作成のポイント集 産学公連携センター (PDF スライド22枚)

         

        科研費採択のための必要条件:予備実験データを見せる

        どんな立派な研究計画であっても、その実現可能性が低そうだと思われると採択されません。実現可能性の高さをアピールする最善の方法は、予備実験を行ってその結果を図にして示すことです。

        * 実際のデータを入れる。(具体性、実現可能性をアピールできる)
        * 自分のデータを入れる。あと一歩で金さえあればできると言外に示す。
        * 何らかの予備データ(レターペーパーでもいいので既に発表済み)があってその課題で結果が得られる可能性が高いことをアピール … 既に結果のある人、つまり結果を出せる能力 があると客観的に証明できないとなかなか取れない
        Bio TEchnicalフォーラム No.882-TOPIC – 2008/03/27 (木) 21:29:37 – 申請書の書き方でアクセプトされやすいコツなどがあれば何でも構わないので教えてください。)

        「科研費に申請を出すために予備実験を行う」というよりも、日常的に研究をしているわけですから、「次に論文が出そうな内容で科研費を出す」ほうが現実的かもしれません。つまり、既に結果が出ている内容で、研究費の申請を行うのです。

        研究計画の実現可能性を研究費を獲得したら、きちんと論文を出すことが必要ですが、研究者として確実に生き残るための絶対に失敗しない方法は、すでに結果が出ている内容で研究費を獲ることです。

        「申請を出す研究は80%程度完成していて,残りの20%を達成するために科研費を申請するぐらいが丁度良い.」
        (文部科学省科学研究費若手B を獲得するための5 つのポイント 勝平 純司 国際医療福祉大学学会誌  第18巻2号 2013)

        論文を書き上げて投稿を済ませたものを申請書に書いてもいいくらいです。

        論文投稿後に研究費が獲得できたら、そのお金はリバイス実験に当てるくらいの感覚です。こうやって、先取りしながら論文とお金を回していければ、追われる生活にならなくてすみます。

         

        採択される計画調書の条件:実現可能性をアピールする

        科研費申請書には、「これまでの研究について」書く欄や、「研究環境」について書く欄があります。ここを漫然と書いている人が結構多いのですが、申請書の目的は、研究の意義と研究計画の実現可能性をアピールすることであることを思い出せば、「これまでの研究について」や「研究環境」は、研究計画の実現可能性をアピールするための場所であることは明らかです。これらのセクションを書くときも、研究計画につなげて書く工夫をしたほうがよいでしょう。そうすれば、自分がこの研究をやることが相応しい人間であり、それが可能であるということが伝わります。

         

        採択への早道:科研費の教科書を読む

        こんなウェブ記事を自分で書いていて言うのもなんですが、定評のある科研費の教科書を読めば、必要なこと全てが書いてあります。 羊土社から出版されている児島 将康の著作『科研費獲得の方法とコツ』は、最新の科研費制度の変更に合わせて改訂されており特におすすめ。この本の読者と、読んだことがない科研費初心者は、例えていうなら、オトナと赤ちゃんくらいの違いがありますから、科研費採択を賭けた土俵に出たときに全く勝負にならないでしょう。

        これらの本を読めば、申請書の各セクションで、何をどう書くべきか、ポイントの押さえ方がわかります。公式の記入要領に目を通しても初心者には思い及ばないことばかりです。豊富な実例、徹底的な解説、そして著者の情熱に触れながら自分の申請書を書くと、モチベーションも上がります。教科書に数千円投資して、科研費採択で数百万円以上を手にするのですから、費用対効果は抜群です。こういった書籍を読んだ人と読まずに書く人との差は今後ますます開いていくのではないかと思います。

        自分は、世の中で売られている科研費関連本にはすべて目を通しています。応募歴・採択歴がある程度あるが、こう書けば必ず採択されるといったノウハウまで体得できているという自信がない人には、審査員の心情を暴露してくれている『狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方』が、一番オススメです。この申請書を読む審査委員は、どう感じるのか?が分かれば対処すべきことが自ずとわかります。初心者にはオーソドックスで網羅的に書かれた書籍が良いかもしれません。

        1. 中嶋 亮太狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方  2022/8/20
        2. 児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第8版(2022年7月14日新発売)
        3. 郡 健二郎『科研費 採択される3要素 第2版』(臨床医学系)

        関連記事 ⇒ 科研費申請書の書き方の教科書 厳選5冊

        医学書院から出ている郡 健二郎著『科研費 採択される3要素』は、医学部の先生が書かれているので、文例が医学関連なので医学部の研究者には親和性が高いと思います。ただし、これら2冊は分野を超えて普遍的な原則が解説されていますので、解説のスタイルに関して自分の好みで選べばよいと思います。

         

        採択へのまわり道:日本語の文章力を上げること

        急がば回れといいますが、採択されるためには読み易い日本語の文章を書くことも大事です。毎年不採択という人の申請書を見せてもらうと、そもそも読みにくい日本語を書いていることが多いように思います。

        『こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド』を読み通せば、日本語の文章力が一段確実に上がります。

        こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド』(アマゾン)

         

        科研費採択への早道:学内の支援制度を利用する

        いまどき、多くの大学で研究推進のためにURAが設置されています。京大などはURAが科研費採択の教科書を作成して学内で配布するなど、科研費採択率アップのために活発に活動しているようです。このような研究支援制度が学内で利用できるのであれば、使わない手はありません。

        東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室(UTRA)が科研費獲得の方法や申請書の書き方を教える文書を公開しています。

        電子書籍 「研究生活とキャリアパス -はじめての競争的資金獲得をめざして-」 iTunesにて無償公開  (ダウンロードサイト)
         第1分冊-科研費獲得を目指す「若い君たち」へ 勝木元也
         第2分冊-研究生活と競争的資金、研究計画書の書き方
         東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室(UTRA)

        科研費採択への早道:商業サービスを利用する

        1. ジーラント株式会社(代表取締役 児島 将康)科研費申請書の添削サービス(個人向け) 科研費獲得総合プラン(研究機関向け)
        2. ココナラ(科研費に特化した添削サービスを提供している個人)

        採択のために:制度の趣旨を理解する

        科研費にはいろいろな研究種目があり、それぞれに存在する理由があります。萌芽であれば文字通り萌芽的な研究テーマが期待されているわけで、「これ、別に基盤(C)でいいんじゃね?」と思われるような常識内に収まるテーマだと、高い評価を受けないようです。

        新学術領域の公募の場合は、当然、その領域の趣旨に完全に合っていないといけません。どんなに優秀な研究者であっても、領域の趣旨から外れた研究テーマで申請すれば採択される可能性は低いでしょう。

        平成30年度から審査体制がだいぶ変更されたことも無視できません。審査区分が大きくなった研究種目の場合には、審査委員になる先生の研究分野が相当ばらけている可能性があり、制度変更前までと同じような書き方をしていると、せっかくの研究の意義も伝わらない恐れがあります。

         

        科研費採択のノウハウのまとめ

        押さえるべきポイントを押さえるかどうかで、申請書の出来に天と地ほどの差がでます。科研費申請書を書く上で重要なのは、(1)審査員の気持を理解し、(2)審査員が自分の申請書をどのように評価、採点するのかその具体的なプロセスを把握したうえで、(3)自分の研究のアイデアと目標達成能力をしっかりとアピールしつつ、(4)自分が研究期間内に実現したいことを明確に述べ、(5)非常に読みやすくかつ審査しやすい計画書を作り上げることです。そして、(6)「コイツにお金をあげたい」と審査員に思わせるのです。もちろん、未来の計画実現可能性をアピールするためには、過去の論文実績が重要です。科研費申請の締め切りまでに今の仕事の論文がアクセプトされるよう、全力を尽くしましょう。

        関連記事

        1. 科研費研究計画調書の書き方 セクションごとの具体的、実践的な書き方のアドバイス

        科研費制度の変化

        平成30年度(平成29年申請)から科研費の制度が大きく変わりました。主な変更点やその対策に関しては、以下のサイトをチェック!

        この速報では,「科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版」では詳しく触れられなかった来年度からの新しい申請書への対応について解説していく.【速報】平成30年度公募の要点と申請書の書き方(児島将康/羊土社)

        科研費不採択の受け止め方

        万が一、不採択の結果に終わったとしても、研究計画を真剣に練って文章化するという作業は、自分のやりたいことを整理し、研究意欲を高め、自分の研究に対する信念を強固にしてくれるものです。

        無鉄砲に挑戦し続けた科研費が私の研究を伸ばしてくれたと感謝している。
        「科研費-伸びる研究」(私と科研費(2014年2月号))伊藤 早苗

         

        参考

        申請するたびに必ず通る先生がいました。その先生は研究者として特定の分野で有名人なわけでもありません。しかし、研究種目を変えても、審査区分を変えてもやっぱり通るのです。どのように計画調書を組み立てるのかを伺うと、目から鱗が落ちたものです。 ‥

        そのような経験を事務方と教員全体で共有していった結果、10年間で科研費の獲得件数は実に25倍になりました。

        科研費申請書類の書き方のコツ (大学で研究助成金獲得業務に携わった「もとじむ」さんのサイト)

        1. 研究者コミュニティへの影響大 30年ぶりの科研費改革 (Science Portal サイエンスポータル 2015年10月27日):”一見するとただ分野融合を進めるだけの見直しにも見えるが、実は日本の研究者コミュニティに大きな影響を与える改革である。現在の科研費の各分野における配分額は、分化細目ごとの応募数によって決まっている。つまり、ある分野の研究者が多くなり、科研費の申請が増えれば、自然とその分野への研究費の配分額も増えてくる。学問の進展に柔軟に対応していくシステムといえる。しかし、逆に言えば、特定の研究者コミュニティが一定の研究費を継続的に確保し続けるため、その分野のボス支配が強まるシステムであるといえる。”
        2. 科研費改革説明会(「科研費審査システム改革2018」について)(動画時間44:02)
          講演者:文部科学省研究振興曲学術研究助成課課長 鈴木 俊之 氏
          平成29年6月8日於東京大学本郷キャンパス安田講堂
        3. 平成30年度科学研究費助成事業-科研費-公募内容の変更点(動画時間1:25:02)
          講演者:日本学術振興会研究事業部研究助成第一課課長 吉田正男氏
          平成29年9月6日 東京大学本郷キャンパス安田講堂

         

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          トップ22大学の研究強化に年間2億~4億円

          近年の科学研究における日本の国際競争力低下を受けて、文部科学省は新たな研究支援を行うことを決め、支援対象となる大学・研究機関名を発表しました。まず、各大学・研究機関の研究力を評価するための指標を定め、それに基づいて算出されたランキング上位の研究機関の研究力の増強を図る戦略です。支援期間は10年間が予定されています。

          今回のこの支援で特徴的なのは、研究そのものというよりも研究支援体制を整えることにお金を使ってもらうことが主たる目的だという点です。

          支援対象として選ばれた大学・研究機関と平成25年度の支援額は

          1. 東京大学 4億円
          2. 京都大学 4億円
          3. 東北大学 4億円
          4. 名古屋大学 4億円
          5. 大阪大学 3億円
          6. 早稲田大学 3億円
          7. 東京工業大学 3億円
          8. 筑波大学 3億円
          9. 東京医科歯科大学 3億円
          10. 奈良先端科学技術大学院大学 3億円
          11. 広島大学 3億円
          12. 電気通信大学 3億円
          13. 九州大学 3億円
          14. 自然科学研究機構 3億円
          15. 高エネルギー加速器研究機構 3億円
          16. 情報・システム研究機構 3億円
          17. 慶應義塾大学2億円
          18. 北海道大学 2億円
          19. 豊橋技術科学大学 2億円
          20. 神戸大学 2億円
          21. 岡山大学 2億円
          22. 熊本大学 2億円

          私立大学からは2校、早稲田大学と慶應義塾大学が選ばれました。

          文科省が想定する取り組みの例としては、

          1. 研究戦略、知財管理等を担う研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーター)の設置
          2. 世界トップレベルの研究者の結集による国際競争力のある研究の加速
          3. 若手研究者の研究奨励、既存組織を超えた先駆的な分野
          4. 横断的研究の推進
          5. 国際事務サポート体制の構築・充実等

          参考資料

          1. 研究大学強化促進費~世界水準の研究大学群の増強~
          2. 平成25年度「研究大学強化促進事業」支援対象機関及び配分予定額

          データ捏造など悪質な論文不正を行った研究者は研究費返還を

          研究不正を防ぐには、倫理的な教育も大事でしょうが、一番効果的なのは罰則の強化でしょう。データ捏造を行うことが割に合わない行為だとわかれば、不正を行う人は減ると思われます。 平成25年7月26日(金)に行われた下村博文文部科学大臣の定例記者会見で、大臣は質疑応答で、「不正行為との関係が認められた研究費については、返還を求めるとともに、応募資格の制限等の措置を取ることにしております。」とかなり踏み込んだ発言をしています。この言葉通りに厳格に実行されれば、研究不正の状況は劇的に改善するでしょう。

          ――平成25年7月26日(金)に行われた下村博文文部科学大臣の定例記者会見より――
          記者:「同じく東大の話ですけれども、論文の改ざんの問題が昨日報道されておりますが、それ以降、文科省の方にも何か報告等があれば教えていただけますか。」

          大臣:「東大における論文不正行為の事実関係については、現在、東大において、不正の事実関係も含めて調査中であるという報告を受けている段階であります。東大に対しては、ガイドラインにのっとった厳正かつ速やかな調査を行い、その結果を取りまとめて報告するよう指示しております。文部科学省としては、調査報告の内容を精査し、不正行為との関係が認められた研究費については、返還を求めるとともに、応募資格の制限等の措置を取ることにしております。また、研究活動等の不正については、競争的資金に係る研究活動のガイドラインを策定し、大学に対して厳格な運用を求めているところでありますけれども、更に倫理教育の強化等を含めた、新たな研究不正防止のための取組についても検討していきたいと考えております。」

          記者:「東大の問題ですけれども、論文の不正の方ですが、告発から1年半たっても、その状況が明らかにされていないということと、まさしく、昨日の現職の教授が逮捕された案件もあると。国民の目から見れば、国のお金を使って研究をしっかりしているはずの機関が何をやっているんだと、そんなことに使っているのかというふうなことで、疑問の目が向けられると思うのですが、文部科学省として、更に指導を厳しくするとか、どのようなお考えをお持ちでしょうか。」

          大臣:「そうですね。今まで、やはり大学の先生というのは立派な先生方だからという、性善説が前提で物事が行われてきた部分があったというふうに思います。しかし、ルールとか、また私的流用したら、これはもう明らかな犯罪ですから、それは、東大の先生というか大学の先生では起こり得ないという、今まで前提条件があったのかもしれませんが、今後、どんなポストであろうが誰であろうが、やはり不正は不正として事前にチェックできるような仕組みというのも、改めて考えていかなければならない時期に、残念ながら来ているのかなと。そういう前提の中で、今回、この東大の2件の問題等、詳細な報告を受けた後、文部科学省として、改めてチェック機能の強化、二度とそういう不正が行われないような仕組みをどうつくるかと、これは、倫理教育の強化を改めてするということも当然いたしますが、そういうことも含めて検討していく必要があると思います。」