【実録】「生命科学研究を考えるガチ議論」シンポジウム

2013年12月5日(木)の夜、第36回日本分子生物学学会年会企画として行なわれた「生命科学研究を考えるガチ議論」。近藤 滋氏(大阪大学大学院 教授, 年会大会長, ガチ議論代表)、宮川 剛氏(藤田保健衛生大学 教授, ガチ議論スタッフ)らが企画し、宮野 公樹氏(京都大学学際融合教育研究推進センター准教授・総長学事補佐)がファシリテーター役を務めて、川上 伸昭氏(文部科学省政策評価審議官)、斉藤 卓也氏(文部科学省タスクフォース戦略室長)、鈴木 寛氏(元文部科学副大臣)、原山 優子氏(内閣府総合科学技術会議常任議員)、安宅 和人氏(ヤフー株式会社・CSO)らをパネリストに迎えてのこの集まり。神戸国際会議場1階メインホールを埋め尽くした研究者らとともに何が議論されどのような結論が導かれたのでしょうか?

日本の科学を考える(http://scienceinjapan.org)ウェブサイトで、シンポ・テープ起こしが順次公表されています。

トピック1【諸悪の根源、単年度予算制度】 単年度予算制度によって、年度末駆け込みによる無駄な使用、残券ゼロ化の無駄な努力、そし て預かり金という不正、などの諸問題が発生。全ての公的研究費の複数年度予算化をお願いしたいという提案。アンケートでは「研究費の基金化を全ての種目について進めるべきだと思いますか?」に対して「はい」が88%。約9割が基金化を希望しているという結果。

トピック2【研究者の雑用が多すぎ】

トピック3【研究者のポスト問題】 ポスドク1万人計画後、ポスト競争が加熱。競争過多で研究にマイナス。常勤と非常勤の待遇の差が大きすぎ。5年、あるいは10年の雇い止めも大問題。提案:安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラックのようなものができないか。身分そのものは安定させるけれども、基本報酬は低く抑え、競争的なアドオン給与をつける。よほどのことがない限りテニュアが取得できるように。「このようなテニュアトラック制度、導入してほしいですか?」約9割が導入を希望。

トピック4【ギャンブル性が高すぎる競争的研究費】当たるか外れるかのall or none。安定した基盤的研究費の導入を提案。研究者の過去の実績の評価に主に基づき、研究費の額が緩やかに変動。突然ゼロになったり極端に増えるということはなし。アンケートでは、9割以上がこのような研究費の導入を希望。

などのトピックをはじめ、さまざまな話題に関して議論が行なわれたようです。

リンク:第36回日本分子生物学学会年会企画「生命科学研究を考えるガチ議論」シンポジウム書き起こし

 


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