科学研究費補助金(科研費)がボトムアップ型なのに対して、「CREST」や「さきがけ」は日本が国の政策として研究の方向性を予め決めて行う、いわゆるトップダウン型の研究助成です。
「CREST」は、科学技術イノベーションに大きく寄与する卓越した成果を創出するネットワーク型研究(チーム型)で、研究期間は5年半以内、研 究 費は総額1.5 ~ 5 億円/ チーム。平成27年度第1期CREST研究提案募集に対する応募の締め切りが5/19( 火) 正午。
「さきがけ」は科学技術イノベーションの源泉となる成果を世界に先駆けて創出するネットワーク型研究(個人型)で、研究期間は3年半以内、研 究 費が総額3 ~ 4 千万円。平成27年度第1期さきがけ研究提案募集応募締め切りが5/12( 火) 正午。
CRESTやさきがけに応募するにあたっては、トップダウン型という特質を理解したうえで申請書を書く必要があります。
JSTグラントの申請書のポイント
•戦略目標にそって研究総括が定めた「領域のねらい」、「募集に当たって」などが公表されます。
•いくら基礎的にすぐれた研究でも、「領域のねらい」に合致しないと採用されません。
•研究論文ではありません。あくまで研究課題の提案を書いて下さい。専門外の方も審査に加わります。わかりやすく、図をまじえて書いて下さい。
•これまでの研究成果もすべて書くのではなく、当課題の提案の根拠になるものにとどめて下さい。
申請書の審査ポイント
•オリジナリティがあるか。
•個人(CRESTの場合研究代表者のチーム)の貢献がどの程度あるか。
•期間内にどこまでしようとしているのか。
•計画は申請金額に見合っているか。
•基礎となる予備研究があるか。
•パブリケーションの能力があるか。
(引用元:JST CREST,さきがけの特徴と申請のポイント http://home.sato-gallery.com/research/Grant-Proposal-JSTkobe2014.pdf)
CREST
研究領域
(研究領域ウェブサイトへのリンク) |
研究総括 | 戦略目標 | 発足年度 |
---|---|---|---|
現代の数理科学と連携するモデリング手法の構築 | 坪井 俊 (東京大学 大学院数理科学研究科 教授) 平成27年4月6日 坪井 俊 研究総括による研究領域趣旨説明 |
社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築 | 平成 26年度 |
人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築 | 萩田 紀博 (国際電気通信基礎技術研究所取締役/社会メディア総合研究所所長) 平成27年4月6日萩田紀博研究総括による研究領域趣旨説明 |
人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発 | |
統合1細胞解析のための革新的技術基盤 | 菅野 純夫 (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授) |
生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出 | |
二次元機能性原子・分子薄膜の創製と利用に資する基盤技術の創出 | 黒部 篤 (株式会社東芝 研究開発センター 理事) |
二次元機能性原子・分子薄膜による革新的部素材・デバイスの創製と応用展開 | |
再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出 | 江口 浩一 (京都大学 大学院工学研究科 教授) |
再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出 | 平成 25年度 |
素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成 | 桜井 貴康 (東京大学 生産技術研究所 教授) 横山 直樹(副研究総括) (株式会社富士通研究所 フェロー) 平成27年4月7日 桜井貴康研究総括より説明 |
情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成 | |
超空間制御に基づく高度な特性を有する革新的機能素材等の創製 | 瀬戸山 亨 (三菱化学株式会社 フェロー・執行役員/株式会社三菱化学科学技術研究センター 瀬戸山研究室長) 平成25年4月26日 H25年度公募説明会 瀬戸山 亨 研究総括 |
選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙構造制御技術による新機能材料の創製 | |
科学的発見・社会的課題解決に向けた各分野のビッグデータ利活用推進のための次世代アプリケーション技術の創出・高度化 | 田中 譲 (北海道大学 大学院情報科学研究科 特任教授) 平成27年4月6日 田中 譲 研究総括による研究領域趣旨説明 |
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 | |
ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化 | 喜連川 優 (国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授) 平成27年4月6日 喜連川 優 研究総括による研究領域趣旨説明 |
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 |
さきがけ
研究領域(研究領域ウェブサイトへのリンク) | 研究総括 | 戦略目標 | 発足年度 |
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社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働 | 國府 寛司 (京都大学 大学院理学研究科 教授) H26年度さきがけ「数学協働」領域(研究総括:國府寛司)募集説明会 |
社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築/分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 | 平成 26年度 |
社会と調和した情報基盤技術の構築 | 安浦 寛人 (九州大学 理事・副学長) 2015年4月2日さきがけ「社会情報基盤」領域(研究総括:安浦 寛人)募集説明会) |
人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発/分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 | |
統合1細胞解析のための革新的技術基盤 | 浜地 格 (京都大学 大学院工学研究科 教授) |
生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出 | |
再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出 | 江口 浩一 (京都大学 大学院工学研究科 教授) |
再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出 | 平成 25年度 |
素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成 | 桜井 貴康 (東京大学 生産技術研究所 教授) 横山 直樹(副研究総括) (株式会社富士通研究所 フェロー) 平成27年度募集さきがけ選考方針 横山直樹副研究総括 |
情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成 | |
疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく革新的医療基盤技術の創出 | 小田 吉哉 (エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ バイオマーカー&パーソナライズド・メディスン機能ユニット プレジデント) H25年度 CREST及びさきがけ募集説明会 「疾患代謝産物」領域(2) さきがけ研究領域「疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく 革新的医療基盤技術の創出」(小田吉哉研究総括) |
疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出 | |
超空間制御と革新的機能創成 | 黒田 一幸 (早稲田大学 理工学術院 教授) H25年度 さきがけ公募説明会「超空間制御」領域 黒田研究総括 |
選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙構造制御技術による新機能材料の創製 | |
ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化 | 喜連川 優 (国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授) 平成27年4月6日 喜連川 優 研究総括による研究領域趣旨説明 |
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 |
(引用元:JST 科学技術振興機構 研究提案を募集する研究領域(第1期)、およびYOUTUBEより関連動画をピックアップ)
参考
- 研究提案を募集する研究領域(第1期)(JST 科学技術振興機構)
- 平成27年度 第1期 CREST・さきがけ 研究提案募集リーフレット(PDF)(JST 科学技術振興機構)