「 東大医学部論文不正疑惑 」 一覧

no image

次期(第31代)東大総長は藤井輝夫理事・副学長(財務、社会連携・産学官協創担当)~予備選挙トップ候補者が第2次候補リストから消えていた謎~

  次期(第31代)東大総長は藤井輝夫理事・副学長(財務、社会連携・産学官協創担当)に決まりました。 2020年10月2日、東京大学は五神真総長の任期満了に伴う次期総長予定者選考のための総長選考会議を開催し、次期総長予定者として藤井輝夫理事・副学長を選出しました。(次期総長予定者の藤井輝夫理事・副学長が会見 東京大学 本部広報課 2020年10月2日) 【速報・東大総長選考】次期総長が藤井理事・副学長に事実上決定(2020年10月2日 東大新聞オンライン) 現在の東大の役員・監事 現在の理事・副学長が昇進するのですね。下は、役職、任期、氏名、略歴の一部です。 総長 (H27.04.01 ~R03.03.31)五神 真  S55.03 東京大学理学部卒業 S60.04 理学博士(東京大学) H10.08 東京大学大学院工学系研究科教授 理事・ 副学長 (R02.04.01 ~R03.03.31) 福田 裕穂 担当:総務、入試・高大接続、評価 S52.03 東京大学理学部卒業 S57.03 理学博士(東京大学) H06.05 東北大学理学部教授 H07.10 東京大学理学部附属植物園教授 理事・ 副学長 (R02.04.01 ~R03.03.31)宮園 浩平 担当:研究、懲戒 S56.03 東京大学医学部卒業 H01.12 医学博士(東京大学) H12.08 東京大学大学院医学系研究科教授 理事・ 副学長 (R02.04.01 ~R03.03.31)藤井 輝夫 担当:財務、社会連携・産学官協創 S63.03 東京大学工学部卒業 H05.03 博士(工学)(東京大学) H19.02 国立大学法人東京大学生産技術研究所教授 理事・ 副学長 …

東京大学が医学部研究不正疑惑論文に関する調査報告書を国民に開示しないのは違法

2016年の8月にOrdinary_Researchersが告発した東大の論文不正疑惑では、エラーバーを棒グラフの内部に押し込むなど同じような手口が、医学系、理学系のラボからの論文で見られました。 関連記事 ⇒ Ordinary_researchersの告発2通め11論文 グラフが手作業で適当にでっちあげられているのを見て、自分はゾッとしました。見てはいけない犯行現場を目撃してしまったような嫌な気分にさせられたのです。これ以上の不正の証拠はないだろうと思いました。 関連記事 ⇒ 告発内容を画像編集フリーソフトで確認する方法 ところが非常に驚いたことに、理学系では研究不正が認定されラボがお取り潰しになったのに対して、医学系に関しては不正無しの一言で片づけられてしまいました。それどころか、このような論文作成作法が「通常」だと東大がのたまったのです(22報論文調査報告 17~21ページ)。それが本当なら、東大医学部から出る論文は誰からも信用されなくなりますから、東大執行部によるこのようなステートメントは、東大の評判を落とし、東大の名誉を著しく傷つけると思います。 関連記事 ⇒ 医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大   東大医学部の不正疑惑論文に関しては、本当にすべての図に関して実験がなされていたのでしょうか?エラーバーを棒グラフの裏に手作業で押し込んでいた論文の図に該当する生データで、有意差は出るのでしょうか?東大にはそれを納税者や研究コミュニティに対して説明する義務があります。もちろん、すべての図に関して個別に! 分生研の不正だけやけに詳細に報告し、医学部のほうは情報がほぼなかったので医学部のほうは調査すらしなかったのかなと当初思いました。しかし、答申にある文書名から察する限り、医学部でも調査は行われていたようです。外部の研究者が調査委員として加わり、科学者としての良心と常識に基づいて調査したのでしょうから、第三者が研究不正の有無を判断する上で十分な情報量が調査資料にあるのではないかと思われます。 「22報論文に関する調査報告書」および、医学部保有の「調査班会議資料」、「部局調査結果報告書」、「個別の論文説明資料(1214頁)」、「ヒアリング反訳資料(291頁)」を公表して、科学コミュニティの判断を仰ぐのは東大執行部の責務でしょう。そもそも国民の知る権利は法的に保障されており、公開しない理由がないのです。 関連記事 ⇒ 東大医論文疑惑 知る権利を蹂躙する東大 東大では生データと発表データが食い違うのがほとんどらしいので(22報論文報告書 14ページ)、調査の生データともいうべき「個別の論文説明資料(1214頁)」と「ヒアリング反訳資料(291頁)」を吟味する必要がありそうです。みなさん、是非、東大に資料の開示請求をしてみてください。 外部リンク ⇒ 法人文書の情報公開について(東京大学)   さて、東大がなぜ調査内容を国民や研究者コミュニティに対して公開できないのかが謎なのですが、東京大学理事の中には科学者だけでなく弁護士もいますから、調査報告書を隠すことの違法性を承知しているはずです。法を犯してまで隠さなければいけないことって一体何なのでしょう?まさかとは思いますが、デタラメな論文業績(註:東大の報告書いわく、ほとんどの場合において、オリジナルデータすなわち実験で得られた測定値≠論文のグラフが表す数値)に基づいてAMEDや文科省から何十億円もの研究助成を受け取っている現状を現東大理事たちが積極的に守ろうとしているのだとすれば、かなりたちが悪いと言わざるを得ません。文科省やAMED、厚労省がこれを黙認しているのも、国民に対する裏切り行為だと思います。 関連記事 ⇒ 東大医 異常な論文図表作成でも不正なし アメリカでは研究不正を隠蔽した大学が訴えられたというケースもあります。 関連記事 ⇒ デューク大学、研究不正隠しで損害賠償請求訴訟 医学部の研究室では棒グラフのエラーバーを手でいじるのが「通常」だとしたら、そんな環境にあって、まともに実験して結果を出そうと努力している多くの研究者や大学院生がハラスメントの被害に合う危険が大きいのではないですか? 情報を隠蔽することにより、研究や教育に極めて不適切な環境を積極的に維持しようと努めている(ように自分には見える)現東大執行部の責任は重大だと考えます。 東大医学部といえば、日本全国から最高の学力を備えた高校生たちが入ってきて、トップでないと気がすまない子供たちがさぞ夢と期待を抱いて学んでいるはずなんだが、その行き着く先が捏造が常態化した研究室になるとしたら、シュールすぎる。と書いたてみたがホラー映画より恐ろしい現実に気が滅入る。 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) August 2, 2017   …

no image

”アディポネクチン受容体”の機能 AdipoR1 and AdipoR2 maintain membrane fluidity in most human cell types and independently of adiponectin

トップジャーナルに出た日本の研究成果がことごとく再現されていないということを指摘した論文を紹介します。 学会などで研究者同士はたいてい知り合いになるので、他の研究者の実験結果が自分の手で再現されなかったとしても、そうそう露骨に論文内でそれを指摘することはなく、せいぜい、実験条件の微妙な違いかもとか、手技の違いかもとか、使った実験動物の系統の差かもしれないなどと言ってお茶を濁すものだと思っていました。 この論文の著者らはイントロにおいて、再現性がないアディポネクチン受容体(AdipoR1, AdipR2)の実験結果を、分野外の人間にも理解できるくらい明解に整理してくれています。   論文サイト(オープンアクセス、著作権CC-BY)→http://www.jlr.org/content/60/5/995.full 論文タイトル:AdipoR1 and AdipoR2 maintain membrane fluidity in most human cell types and independently of adiponectin 論文著者:Mario Ruiz, Marcus Ståhlman, Jan Borén, Marc Pilon.   著者の所属大学:Department of Chemistry and Molecular Biology;* University of Gothenburg, Gothenburg, Sweden, Department of Molecular and …

医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大

日本の科学研究史上最悪の研究不正 サイエンス記事では、弘前大の研究不正事件を史上最大級の一つとしていますが、私は個人的には東京大学医学部のデータ捏造論文(=オリジナルデータと論文データがことごとく異なる)を東大の現執行部が隠蔽(=本調査の報告書すら非公表)していることも、日本の科学研究の歴史における最大最悪の不正の一つだと思っています。 なにしろ、「論文のグラフが手描きで作られていて(=つまり、デタラメ)、オリジナルデータと論文データがことごとく異なるもの(=つまり、全部がデタラメ)」を、日本でトップの研究大学である東京大学の総長や理事ら現執行部が「研究不正とはみなさない」と公式に宣言したのです。これにより、日本の科学研究の世界において「研究倫理」という言葉は、その意味を完全に失ったように感じます。 Ordinary_Researchersが同時に告発した理学系論文の方はクロをクロとして厳正に対処した一方で、医学系論文に関してはクロをクロと呼ばずにシロと呼ぶことにして、シロなのでハイおしまい、こんな屁理屈で重大な論文不正疑惑にフタをしようとする東大の破廉恥ぶりには驚き呆れます。 私はOrdinary_Researchersの告発文書を見て、いくらなんでもここまでデータ捏造の証拠を突きつけられたら誰も言い逃れはできないだろうと思っていました。 東大医学部の疑惑論文、エラーバーすら使い回しって。。これで不正と認定されない可能性って0.0何パーセントくらいあるんだろうか? https://t.co/bhYH3q0wbr pic.twitter.com/I5vNyFNHD9 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年6月21日 なので、まさか、科学者や弁護士という立派な経歴を持つ東大執行部の大人たちが、こんな幼稚なことを真顔で言って医学部の不正疑惑の幕引きを謀ろうとするなどとは、自分は夢にも思いませんでした。 背中にナイフが刺さった状態でうつ伏せに倒れて路上で死んでいる人を誰かが見つけて通報したところ、それは自然死なので事件性はないと現在の日本の警察が発表したくらいの計り知れない衝撃を感じたニュース 東大が医学系5研究室に不正はないと結論 https://t.co/q7qzJ4PhSf — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年8月1日 医学系論文の一部に関してはオネストエラーあるいは雑誌社編集過程でのミスだったと説明されましたが、説明が一切なされなかった論文に関しては、デタラメな論文(=論文の図のどのグラフも実験値を表していない)にもかかわらず不正認定を免れて立派な”研究業績”として生きているため、現在も、国民の税金が原資である科学研究費が何億円という規模でこれらの”研究者”のもとに流れ込んでいます。 もしもデータ捏造の事実があり、東大理事や監督省庁(文科省)、研究資金配分機関(文科省、厚生省、経産省、AMED)の官僚らがそれを知りつつ隠蔽しているのだとしたら、彼らのやっていることは公金の横領となんら変わらない重大な犯罪行為だと思う。https://t.co/ceD9nWEu17 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2018年2月20日 日本の科学研究において、そして、東大において、一刻も早く正義が回復することを願ってやみません。マスメディアも、東大が不正なしと発表したから「不正なし」と報道するのではなく、「東大が不正なしとした」ことの意味を報道し、ジャーナリストとしての使命を果たすべきです。 東大医学部といえば、日本全国から最高の学力を備えた高校生たちが入ってきて、トップでないと気がすまない子供たちがさぞ夢と期待を抱いて学んでいるはずなんだが、その行き着く先が捏造が常態化した研究室になるとしたら、シュールすぎる。と書いたてみたがホラー映画より恐ろしい現実に気が滅入る。 — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年8月2日 昨今、日本の研究力が低下したことを危惧する論説が増えていますが、研究不正を研究大学のトップが公認しているという異常さに異議を唱えずに、他の原因ばかり考えるのはおかしいと思います。研究不正の蔓延が、研究力低下の大きな要因の一つであることは論をまたないでしょう。   医学系論文に関する報告がまだ済んでいない東大 東大は「22報論文に関する調査報告」の本体を非公表、「骨子」のみ東京大学ウェブサイト上で公開しており、そこには医学部系に関しはわずか19文字からなる一文しかありません。ところが、この19文字だけでもすでに大きなゴマカシがあることに気付きます。Ordinary_Researchersが告発したのは、あくまでも、図が怪しい「論文について」でした。この調査報告書もタイトルが示すとおり、「論文に関する」報告です。分子細胞生物学研究所関係の結論も、 論文(図) 5報(16図)について不正行為があったと認められた と記述されており、「論文に関して」不正があったかなかったかの結論を述べています。ところが、非常におかしなことに、医学系研究科関係に関しては、 (結論)申立のあった5名について不正行為はない としか言っておらず、実は、論文に関する報告をしていないのです。5名の医学系教授に不正があったかどうかの話にすり替えています。Ordinary_Researchersの告発文書を読めば明らかですが、誰も医学系教授5名を告発などしていません。告発の対象はあくまで、これらの教授の研究室から出た数々の論文です。いずれも複数の著者からなる論文であり、研究不正を働いた人間が著者の中の誰なのかは、告発者にはわからないわけですから、当然のことです。医学部の論文に関して、「(結論)申立のあった○○報(□□図)について不正行為はなかった」と書けなかった理由は何でしょうか?調査委員らも東大執行部も研究不正の自覚が十分にあり、「論文について不正行為はなかった」と言い切ることにはさすがに心理的な抵抗があったために、こんな誤魔化した日本語になったのだろうと私は想像しています。開示された調査書本体の墨塗りでない部分を読むだけでもこのような痛々しいゴマカシがさらに数多く見つかりますから、調査報告書本体を東大がウェブ公開できない心情はよく理解できますが、許されることではありません。 実際、東大が報告書や調査資料の公開を正当な理由なく拒否するのは違法であるという判断が、総務省の審査部会によって出されています。 …

no image

第115回日本内科学会理事選に異議あり!

第115回日本内科学会総会が、2018年4月13日(金)~15日(日)の日程で京都で開催されました。内科学会理事の選出の際にハプニングがあったようなので、ネット上の噂をまとめておきます 現場を目撃した人の証言 674名無しゲノムのクローンさん2018/04/16(月) 02:02:27.12ID:SZp399Cyx 某医療コミュニティサイトより いやはや、驚きました! 通常は学会の定時総会など〇〇先生を理事にします。〇〇先生を評議員にします。賛成の方は拍手を・・・という感じでまったりと進んで行くのですが・・・ 今年の内科学会は会場が一つしかなく他に行くところもなく居眠りしようと会場に入った途端、女性の声で「小M先生を理事にするのはおかしい。これほどグレーな先生を理事にするのは理解できない!」という内容の罵声が耳に入り、演台の門W先生がたじたじになっていました。 小M先生の事は全く知りませんでしたのでネットで検索すると、ディオバン論文の責任者の方の様で、それならグレーじゃなくてブラックじゃない!と思ってしましました。 会場の中には女性の方の発現に「そうだ!」という賛同の声をあげる方や、「会をぶち壊しにするな!」という否定的な声をあげる方もいました。 私は個人的には疑問を感じたことに自分の考えを述べるのは間違ってはいないと思いますし、言われている事も正しいと思いました。 ネットでさらに検索すると小M先生と門W先生は同門なのですね。それと両方とも論文不正の問題を抱えていることも共通してるなと思って見ていました。今日の内科学会の一番の見どころでしたね。 (一部割愛及び複数の投稿を取り纏め 引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/ )   反響 755名無しゲノムのクローンさん2018/04/19(木) 03:33:21.15ID:LL1qvnoox >>753 国内では、権威を振りかざす、三内なんて今まで逆らえなかった まして面と向かって物申す!なんて、内科学会のジャンヌダルクの降臨だったわ  でもね、よく考えたら、MDとしてちゃんとやってけば、捏造してまで権威を振るうような人達に遠慮する事も無いわね 捏造告発の道すじを作ってきた、11jigen,ordinary researchers や匿名の貢献は大きいと思う (引用元:http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1520931117/)   発言者本人の弁 医師の世界では、エムスリーという会社に医師用の掲示板があり。そちらで書かれているのでご存知の方も多くなっているのですが。… 会場で小室先生の理事就任を認めるか、と当時の理事長の門脇先生が言うので異議あり!とすくっと立ち上がりました。… 小室先生は黒ではないが、白でもなくグレーです。そのような理事をお迎えしてなぜ運営しなければなりませんか。こんなことをやれば日本はまた海外から失笑される。日本の研究の国際的信用が失墜している中、グレーな人をお迎えして運営するのだ、と示せばまた信用が落ちる。容認できません。これに対して門脇先生は、手続きの適正性を盾に否決するのを拒みました。しかし。わたしの質問は、なぜあまた白い人がいる中グレーな人を幹部に迎えねばならないのかというものであり議論がかみ合っていません。… (【内科学会総会】ディオバン問題:総会を荒らしてしまいました【NIPT】Posted on 2018年4月22日 by minerva-clinic 医術と戦術の女神ミネルバ 仲田洋美 オフィシャルブログ)   参考 第115回日本内科学会総会・講演会 テーマ:『 明治維新150年目の内科学 ~難治性疾患への挑戦~』主宰会長 …

no image

東大H26行動規範委員会資料不開示問題の答申

匿名A氏が指摘した類似画像を含む84報のうち東大の医学系研究者が著者であった12報に関して東大が予備調査の結果不正無しと結論したことに関して情報の開示請求がありましたが、東大が一部不開示の決定をしたため、それを不服とする開示請求者が審査請求を行い、それを受けて審査会が審査を行い、その結果を答申として公開していました。以下、その内容です。東大が不開示としたのは違法であると結論しています。 以下、http://www.soumu.go.jp/main_content/000506048.pdf の内容の転載。太字強調は当サイト。   諮問庁:国立大学法人東京大学 諮問日:平成29年6月8日(平成29年(独情)諮問第31号) 答申日:平成29年9月6日(平成29年度(独情)答申第24号) 事件名:平成26年度科学研究行動規範委員会資料等の一部開示決定に関する件 答 申 書 第1 審査会の結論 別紙に掲げる文書1ないし文書5(以下「本件対象文書」という。)につき,その一部を不開示とした決定については,理由の提示に不備がある 違法なものであり,取り消すべきである。 第2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,平成29年2月8日付け第2 016-45号により国立大学法人東京大学(以下「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,原処分を取り消し,出席者を除く不開示部分(以下「本件不開示部分」という。)の開示を求める。 2 審査請求の理由 (1)審査請求書 ア 不開示とされた各議事などについて,調査・事案処理の方法・方針,委員の発言内容に係る記載は,調査委員会での審議が適切に行われたか知る上で必要な情報である。開示された各議事はほぼ全てが黒塗りされており,ひとつひとつの論文について十分に審議されたか否かが,現状の開示資料では推測することすら困難である。これでは審議内容が適切か否かを判断することができず,かえって疑念を抱かせる原因となる。「東京大学の科学研究における行動規範」にあるように研究不正は,「科学研究の本質そのものを否定し,その基盤を脅かす,人類に対する重大な背信行為」である。奇しくも ,現在,同じ研究者に対する研究不正の告発が行われており,過去の調査が適切に行われたかどうかを示すことは,研究不正に貴大学がどのような姿勢で臨んできたのかを示すことにもつながる。同じ行動規範には,「科学者コミュニティの一員として,研究活動について透明性と説明性を自律的に保証することに,高い倫理観をもって努めることは当然である」と明記され,それに続く総長声明では「この行動規範を大学自ら担保するための委員会制度を規則として定めることにした」と委員会の位置づけを説明している。こうした規範や総長声明の理念を守り,調査の審議過程及び内容の適切さを担保するためにも,貴大学には当該資料を開示して調査が適正に行われたことを示す責務がある。 イ 発言者の特定をしなければ,審議内容を情報開示することにより,特定の者に不当に利益を与え,または不利益を及ぼすとは到底考えられない。また,個人が特定されなければ,人事に支障を及ぼすおそれもない。仮に,社会の公器としての貴大学が,原則として開示すべき資料を,例外的に不開示とするためにこのような主張を行うならば,具体的な根拠を示して主張する必要がある。そうでなければ,この主張自体が極めて不合理であり,世間から疑惑の目で見られることを,自ら容認することになろう。そのような姿勢は上記行動規範に反するものである。貴大学として,発言者が特定されないとしても,将来予定される審議において委員の意見等が公表されることを前提にすると,委員が部外の評価等を意識して素直な意見を述べることを控えるなど,意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるおそれがあると主張されるかもしれない。しかし,発言者が特定されないのであれば,委員の意見等が公表されたとしても素直な意見を控えるとは到底考えられない。もし意思決定の中立性や独立性が不当に損なわれるなどと主張するのであれば,発言者が特定されないにもかかわらず,素直な意見を述べることができないような調査委員を選任することを前提としており,専門家としての各調査委員を愚弄するのみならず,調査委員会の適正さそのものに疑義を生じさせる主張と言わざるを得ない。一連の資料の開示を拒むことは,研究不正を真摯に取り扱おうとする姿勢に真っ向から反するものである。さらに審議が終わった研究不正調査に関する議事の公開は,将来他の研究不正事案を審議する場合の参考となりうるものであり,貴大学の対応は,社会的に評価されるものではあれ,非難されることはありえない。なお,調査対象者については対象となった論文が公開されていることから,少なくとも責任著者と筆頭著者については対象となることが明らかなため,ヒアリングなどの議事録を含め公開すべきと考える。その他の調査対象者について個人名などは不開示でも構わない。 ウ 既に審議が終わり調査の結論は貴大学のホームページでも公開されている。そのため,議事内容が公開されることで本件の事務や事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれはない。また,同じ理由から,たとえ,審議のある時点で生じた,未成熟な情報や事実関係の確認が不十分な情報を公にしたとしても,その後,結論に至った過程を合わせて公開すれば新たに混乱を生じさせるおそれもない。加えて,結論が「不正なし」というものであるため,公開することで当該研究者の今後の研究活動にも影響を与えるおそれもない。 エ 将来に行われる類似の審議・検討・協議に係る意思決定に不当に影響を与えるおそれについては,研究不正事案というものは,事案ごとにその内容や性質が異なるものである。それぞれ個別に審議されるものであり,その都度適切に審議されることで問題は生じない。これは,本件と同じ研究者が対象となり,現在行われている研究不正調査への影響についても同様である。また,審議,検討の内容を公にすることにより,調査にあたっての考え方,主張等が明らかになり,今後の同種の調査にあたり,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は不当な行為を容易にするおそれがあるという主張についても,同様に事案ごとに内容や性質が異なるため懸念は当たらない。逆に「何が不正に当たるのか」といった考え方などはむしろ公開することで不正の防止につながる情報で,これらを不開示の理由とすることは調査の正当性に疑念を抱かせるだけでなく,研究機関として不正に真撃に対応できているのか,その姿勢を問われかねない事態にもつながると考える。 オ 独立行政法人は,原則として保有する情報を公開しなければならず,不開示はあくまで例外規定である。個別具体的な事情なく漫然と不開示とするのであれば,世間に対し,情報公開をする気がない大学であることを表明するに等しい。また,調査方針・手法自体は,調査委員会の判断の公正さを担保するために開示は必須であると考えられるのみならず,開示を拒むことは,逆に調査委員会の判断に対する疑義を生じさせるものであり,不開示とすることによりあたかも不正があったかのように流布されるおそれもある。現実に,一部マスコミ報道やインターネット上では本件論文の研究者に対する記事が多数掲載されており,研究者個人のみならず大学にとっても不利益が生じる事態につながっている。なお,調査過程の開示は,例えば貴大学の「分子細胞生物学研究所・旧特定研究室における論文不正に関する調査報告書(第一次)」の資料「不正な図の例」においても行われている。特定URL調査が適正に行われていることが示されており,こうした開示によって他の不正調査に悪影響が出る問題も生じていない。 カ 貴大学として,不正がなかったと認定されたにもかかわらず,議事内容が公表されることで,再び,当該調査事案が注目され,公表された一部の情報だけをもって新たに誹誘中傷が行われる可能性があるとの主張を行う可能性もある。しかしながら,そもそも本件調査事案は,同じ研究者が新たに告発を受けたことで ,現在,非常に注目されており,過去の調査内容が公表されたからといって「再び」注目されるという状況にはない。加えて,新たに誹誘中傷が繰り広げられるというのも,憶測の域を出ず,研究不正を厳に取り締まる立場にある貴大学が,法的に公表が原則となっている情報を不開示にする理由としては著しく正義に反するものである。 キ 以上,アからカで述べた通り,貴大学が示した見解は,いずれも資料の中の個人名以外を不開示とする理由には該当しない。各議事は不正行為か否かの判定が適切に行われたかどうかを知る上で必要な情報である。議事などの資料を公開して当該委員会が研究不正事案に真摯に取り組んだ事を示し,結論に対する信頼を得ることは,上記行動規範や規則を制定した貴大学の責務である。発言者の個人が特定できる氏名等は伏せて,資料を公開すべきである。 (2)意見書 …

no image

東大医論文疑惑 知る権利を蹂躙する東大

東大医学部のフェイク論文が不正とされない謎  国民の知る権利を蹂躙する東大 日本は民主主義の国家であり、主権は国民に存在します(日本国憲法)。国民主権を保証するための一つとして、表現の自由が憲法で保障されています(日本国憲法第二十一条)。表現の自由は、情報を得たり、共有したり、発信したりする自由が含まれると解釈されます。つまり、必要な情報を得る権利、「知る権利」が国民にはあるわけです。国民の知る権利を保障するのが、それと表裏一体の関係にあるの行政側の説明責任です。説明責任が果たされないと、国民の知る権利が侵害されます。 大学での科学研究を可能にしているのは研究費であり、その原資は税金です。大学で研究する以上、その研究成果は国民に直接、または間接的に国民に還元される必要がありますし、研究費が公正に使われていることを国民がチェックする体制が保証されていなければ、民主主義が成り立ちません。研究不正は、税金が正しく使われなかった状態ですから、研究不正の調査報告は、納税者である国民に対してなされるべきものです。納税者には知る権利があり、大学には説明責任があります。 東大が1年間に使う研究費の総額はどれくらいでしょうか?少なくとも1000億円は軽く超えるはずです。もちろん、国民の税金がその原資です。東京大学から出た科学論文に不正があるという告発がなされ(⇒記事)、東大は調査委員会を立ち上げて調査を行いましたが、その報告書はなぜか公開されませんでした。これでは、説明責任を全く果たしていません(⇒記事)。不正が無い場合には説明しないという時代錯誤なふざけたガイドラインにすがっているようですが(⇒ヤフー記事)、不正なしとした根拠を示さない限り、第三者には本当に不正がなかったのかどうかのチェックができません。実際、告発された論文を見ると、専門家から見て、不正がなかったと考えることが極めて困難なものです(⇒記事)。このような事例に関して、不正なし、だからそれ以上の説明はしないというのは、不正の隠蔽を強く疑わせる行為であり、決して許されません。 国民の知る権利を実効性のあるものにするための法律として、情報公開法があります。その第五条によれば、情報は公開が原則であり、情報を開示しなくてよい例外的な場合が列挙されています。東大はこの例外の解釈を不当に広くとることにより、情報の開示を拒んでいます。しかし、東大のこのようなやり方は違法であるという答申が、以前、匿名A氏が指摘した84報のうちの東大医学系論文12報に関する研究不正疑惑予備調査結果の隠蔽の際に出ています(⇒記事、東大の発表、総務省の答申)。東大は違法性を認識しつつ同じやり方を繰り返しているのですから、国民の知る権利を蹂躙しているといわざるを得ません。東大の科学研究の行動規範を遵守しないどころか、「東大医学部のデータ捏造の有無の判断材料となるような何がしかの情報」を隠すためであれば法をも犯すというのは、大変な暴挙です。科学研究の在り方以前の話として、法や民主主義を真っ向から否定しています。 東京大学というのは、大勢の優れた才能の集まりであって、誰か個人の所有物ではありません。東大の現執行部の一部の人間が東大を私物化し、身勝手な法解釈をすることによって医学部の中の誰かの不正を隠蔽するような行為は、東京大学の科学研究の高潔さ(Research Integrity)を貶めています。法を遵守し科学研究行動規範を実践するという当たり前のことができない人間は、東大の運営にかかわるべきではないでしょう。   同じカテゴリーの記事一覧

no image

東大医論文 行動なき言葉は無益である

東大医学部不正調査報告の懐疑点 行動なき言葉は無益である 「東京大学の科学研究における行動規範」(PDF)には、 「研究活動について透明性と説明性を自律的に保証することに、高い倫理観をもって努めることは当然である。」 「広く社会や科学者コミュニティによる評価と批判を可能とするために、その科学的根拠を透明にしなければならない」 「十分な説明責任を果たすことにより研究成果の客観性や実証性を保証していくことは、研究活動の当然の前提であり … その責任を果たすことによってこそ、東京大学において科学研究に携わる者としての基本的な資格を備えることができる。」 とあります。東京大学が不正調査報告書を公開しないのは自身の行動規範から逸脱しているのではないでしょうか?説明責任を果たさない奴は科学研究に携わる資格なしと自分で言っているわけですから。 「行動を伴わない言葉は無益である」 とギリシャ時代から言われてきましたが、まさにこのことかと思います。 文科省も、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」の中で、 「研究者間相互の吟味・批判によって成り立つチェックシステムが不可欠である。」 と言っています。大学の監督省庁としての責任はないのでしょうか? 日本学術振興会の「研究活動の公正性の確保及び適正な研究費の使用について確認・誓約すべき事項」でも、 「国費による研究費支援が増加する中、国費の効果的活用の意味でも研究の公正性の確保がより一層求められる。」 とか、 「研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、研究者コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けることである。」 などとあります。実に良く練られた力強い文章で、研究者であれば、読んでるだけで身が引き締まる思いがするはずです。 学術誌に掲載された論文には、著者名や所属が明記されており、報告書で墨塗りする必要がある個人情報とは言えないでしょう。発表論文の実験結果や実験方法に関して読者が疑問を持てば、論文著者らに対して気軽に質問し回答を得るというのは、研究者コミュニティにおいては当たり前のことです。不正が疑われた図表の作成がどのように行なわれたのかは、研究者みんなが知りたいことですし、その調査結果は隠すような種類のものではありません。調査報告書を公開することは、研究者コミュニティ内の通常のコミュニケーションとなんらかわりません。また、調査内容が公表されたからといって、論文著者や所属機関が不利益を被ることないでしょう。もし不利益が生じるとすれば、それは、データ捏造が露呈するケースくらいではないでしょうか? 不正が認定されないときには調査内容を公表しなくていいというなら、研究機関が組織的に隠蔽した場合にはデータ捏造がやりたい放題になってしまいます。NATURE等の一流誌に論文を掲載して、その業績により何億円もの研究費を獲得するという、悪魔のような循環が断ち切れなくなるわけです。これでは日本の科学研究の進展が著しく阻害されます。性善説を捨てようという議論がありますが、研究者だけでなく、大学の執行部だって不正を働く可能性があるという観点で制度をつくっておかないと、大変なことになります。岡山大学で研究不正を告発した教授二人が大学の学長によって解雇されるというとんでもない事件が起きてるのが、いい例です。大学執行部の公正さを前提とする制度は、欠陥があるのです。 公開するのが当然の最終報告書を東大が公開できない理由があるとしたら、それは、やっぱり研究不正があったからではないか?と考えるのは自然なことでしょう。東大医学部の不正が隠蔽されているということを仮説として採用すれば、報告書の開示された部分の日本語の支離滅裂さとか、そのほか、あらゆる矛盾した状況を、矛盾なく説明できてしまいます。 2016年8月に告発されたというのに、その後、論文著者らが反論も訂正も論文撤回もせずに2年近く経過しています。単なる図表の取り扱いミスだったら、普通何らかのアクションがあるのが当然でしょう。昔STAP細胞騒ぎで世の中がひっくり返ったときは、疑われた調査委員長のラボは実験ノートを翌日には公開して、実験がきちんと行なわれていたことを研究者コミュニティに示しました。あれは模範的な行動だったと思います。論文の図が示す値はデタラメですと東大が自分で認めた以上、最低限、速やかな訂正か撤回がないのはおかしいのではないでしょうか? ネイチャーなどの雑誌社も、データが正しくないと大学が認めた論文をいつまで放置するのでしょう?論文著者が説明責任を果たさないのであれば、編集部で撤回するのが、筋でしょう。 万が一、現在の東大の執行部の人たちが東大医学部の不正行為を知りつつ隠し、疑惑論文の論文業績で新たに研究費を獲得しているのならば、それは詐欺行為というべきでしょう。実際、海の向こうの話ですが、研究不正を隠蔽したデューク大学は捏造研究者とともに訴えられていて、6億ドル(~600億円)以上の支払いを求められる訴訟になっています(参考:bna.com)。大学首脳陣が研究不正を隠蔽した場合、大学が窮地に陥りますから、東大の現執行部の責任は重大です。   同じカテゴリーの記事一覧  

no image

現代ラボ用語の基礎知識

ラボでは当たり前に使われている言葉でも、一般の人には新鮮に響くことがあるようです。そんな、ラボ特有の言い回しをまとめてみました。(生物系のラボ。随時追加、変更あり) あ アクセプト【accept】投稿した論文が受理(掲載許可)されること。「リバイスに1年もかかったけど、やっとアクセプトされたよ!」「おめでとう!」 アクティビティ【activity】いい論文をコンスタントに出している状態。「あのラボはアクティビティが高いね。」 あてうま【当て馬】採用される人が予め決まっている公募の面接に呼ばれる他の候補者のこと。「東○大に面接に呼ばれたんだって?」「どうせ当て馬だと思うけど、しっかり準備して行くよ。」 あとがない【後が無い】①研究職の任期が切れる寸前だが、次の職がまだ決まっていない状態。「この論文、絶対通ってくれないと。俺、後が無いから。」 ②出すジャーナルを下げすぎて、もうこれ以上下げられない状態。 「サイレポにも蹴られて、もう後が無いよ。」「大丈夫、ジャーナルなんて、ほかにいくらでもあるから。」「いや、俺もう、後がないから。」 あれ、どうなった?【あれ、どうなった?】何も考えていないボスが、学生に進捗状況を聞くときに使う、いい加減な言葉。「おい、あれ、どうなった?」「今、実験している最中です。」「おお、そうか!」 「あれ、どうなった?」「あれってなんですか?」「あれだよ、あれ、ほら、その‥。」 い いいしごと【いい仕事】雑誌のインパクトファクターが、その雑誌の個々の論文の価値を示すものではないという批判は常に存在するが、現実的なこととして、インパクトファクターの高いジャーナルに出た論文や人を高く評価する傾向が多くの人に見られる。そのため、「いい仕事=いい論文」と、同義語のように用いられることが多い。「これはきっといい仕事になると思うよ。」「彼は凄くいい仕事をしていてね。」 いいとこねらう【いいとこ狙う】トップジャーナルへの掲載を目指すこと。「これなら、いいとこ狙えるんじゃない?」 イエローチップ【yellow tip】ピペットマンで200マイクロリットルまでを測りとるためのチップ。もともと純正のものは黄色だったことから。他社製品であろうと、色が何色であろうと、イエローチップと言えばこのサイズのチップのことを意味する。「昔は、貧乏なラボでは、イエローチップを洗って再利用していたんだぞ。」「昔は、ラボに新しく入って最初の仕事は、イエローチップを(ラックに)詰めることだったんだよ。」「いつの時代だよ?」 いきのこる【生き残る】アカデミアにおいて大学教員などのパーマネントの研究職を得ること。あるいは、任期付きであっても順調に次の職を得るか任期更新が行われ、コンスタントに仕事ができている状態。サバイブする、と同義。「なんとか生き残ることができた。」 「もう自分は生き残れないと思う。」 「今の時代、生き残るだけでも大変だね。」 いちゃもん【イチャモン】投稿論文に対する差読者のコメントの中で、差読者が、実行不可能な実験などを著者に要求してくること。「(査読コメントに目を通した後、)こんなの、イチャモンだよ!(怒)」 いっぱつアクセプト【一発アクセプト】リバイスを経ることなく速やかに投稿論文が受理されること。「ジャーナル下げたら、一発アクセプトだった。」 いわれたことだけ【言われたことだけ】①最近の若者が、言われたことだけしかやらないこと。②論文投稿中の研究者が、リバイスの際に、差読者に言われたことだけしかやらないこと。「原稿の修正や追加実験は、言われたことだけにしといたほうがいいよ。」 インパクトファクター【impact factor】雑誌のランキングを決める数値指標で毎年算出される。「PLOS ONEのインパクトファクターって今いくつくらいだっけ?」 う うえから【上から】少しでもインパクトファクターの高いジャーナルに論文を出すことを目的として、駄目もとでトップジャーナルからから順番に投稿を試みること。最初にネイチャーやセル、サイエンスのどれかに投稿し、リジェクトされた場合には、同じ出版社の姉妹紙でもう少し通りやすいところや、あるいはインパクトファクターなどを考慮して他の出版社の学術誌に、ランキングを下げながら順にトライしていくこと。 「(この仕事、)どこに出すの?」「上からトライしてみようかな、と。」 うつくしい【美しい】研究者が用いる場合には、美しい女性でも、美しい絵画でもなく、美しい「ストーリー」を持った研究成果を指すことが多い。「今週のネイチャーのあの論文、美しいストーリーだね。」”Beautiful work! Congratulations!” うぷす【Oops!】オッと。アメリカ帰りの研究者が、何かちょっとした失敗をしたときに思わず発してしまう言葉。英語がさほどしゃべれるようになっていなくても、感情を表す言葉だけは、なぜか口をついて出てくる。ただし、発音は日本語化している。「うっぷす。(試薬を)入れる量、間違えた!」 え えいぶんこうせい【英文校正】論文原稿の中に、ネイティブに意味が取れない箇所がないかチェックすること。「違う意味に直されちゃったよ。」「誤解される表現だったんじゃない?」 エディターキック【editor kick】査読にまわされずに、編集者や編集部の判断で蹴られること。「だめもとでネイチャーに出したら、あっさりエディターキックを食らった。」 エネルギー【energy】研究を行なうために必要な情熱やエネルギーのこと。「ボスと話をすると、エネルギーを吸い取られちゃうなあ。」 エラーバー【error bar】平均値を表す棒グラフなどにおいて、標準誤差や標準偏差などを示した線分のこと。通常は、統計処理ソフトで自動的に計算・描画が行なわれる。例外的に、東京大学医学部においてはエラーバーの作成は手作業で行なわれるのが通常である(出典)。「エラーバー、もっと短くならないの?」 えぬ【n】実験サンプルの例数。「nを増やせば、有意差出るかも。」 エタチン【エタ沈】エタノール沈殿の略。DNAの精製過程で、塩とエタノールの混合液中でDNAを沈殿させるステップ。「行こうよ。エタ沈で止めておけばいいじゃん。」 エッペン【Eppendorf tube】エッペンドルフチューブの略。生物系のラボで最も多用される1.5mlチューブのこと。本来はエッペンドルフ社の製品を指すが、高価なため安価な他社製品を使うラボが多い。しかし、どの会社の製品であっても1.5mlチューブのことをエッペンと呼ぶことが通常になっている。「エッペンちょっと分けてもらっていい?」「エッペンなくなりかけているから、次、注文しておいて。」「このラボ、エッペン、エッペンドルフのを使ってるんだ?金持ちだね。」 お おかね【お金】研究費のこと。「あのラボはお金がないから、(そこに進学するのは)やめといたほうがいいよ。」 「今年はお金があまりない。」 「金持ちのラボ」 …

NHKスペシャル『追跡 東大研究不正』

2017年12月10日(日)午後9時00分~9時49分に、NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~ が放送されました。NHKの番組説明を読むと、研究不正問題の背景となる日本の科学政策の問題点に関して批判的なメッセージを伝えることが一番の狙いのようです。 激化する国際競争の中で変容してきた科学研究費の配分を巡って、翻弄される科学者の姿。そして、科学技術立国を掲げ、研究成果を国の発展につなげようという施策が、皮肉にも、科学を停滞させかねないという現実。(NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~)   視聴者は、この番組をどのように見て、メッセージをどのように受け取ったのでしょうか?番組に関するツイートをいくつか紹介します。 激化する研究費獲得競争が研究不正の要因なのか? 流し見での感想だけど、 1.民間では競争は余りにも普通で、大きな受注を逃して待遇が悪化したり、無能力等を理由とした解雇もあり得るのに、何故、研究者は競争をしない方が良い結果が得られると確信しているのか? nhk 追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~ https://t.co/oH9DG0Lrpd — a.o.kitty 🐾 (@anger_of_kitty) 2017年12月10日 研究費獲得が競争的になったから研究不正が起こったというNHKスペシャルの内容だけど、それまで競争が少なくて国からお金もらえたというのがおかしくて、競争があって当然でしょう。世間では知られてないだけで、教授は資金集めが最も重要な仕事。 — 肥和野 佳子 (@lalahearttwit) 2017年12月11日 研究費がなくても不正をしない研究者は大勢いる。というか、それが大多数。ここで不正を報じられたり、これまでに不正をしたと世間で知られた研究者は殆どが数億単位の研究費を持っていた極めて特殊な研究者です。研究費獲得競争の激化にだけ不正の原因を求めるのはどうにも得心しない。#東大研究不正 — Koichi Kawakami (@koichi_kawakami) 2017年12月10日 研究費獲得のために不正するなら、他の多くのラボでも不正が見つかるだろ?でもそうじゃないってことは、仮定が間違ってるんだよ。不正するやつはするし、しないやつはしない — takanzai (@takanzai) 2017年12月10日 昨夜のNHKスペシャルを見て、指導教員が常々言っていた「不正をするやつは辞めろ」を思い出した(実際はもっと過激なワードですが)。私は綺麗事をそのまま受け入れていられる修士の段階で止めておいて幸せだったのかもしれない。(悠)#東大研究不正 — …