「 研究力強化 」 一覧

「10個のシンプルな原則」集 ~プロフェッショナルな科学研究者になるためのキャリア形成ガイド~

Ten Simple Rules(10のシンプルな原則)は、プロの研究者を目指す人が遭遇する数々のチャレンジを乗り越えるためのコツを教えるガイド集です。PLOS Computational Biology誌のヒット企画。 博士号をとるために 研究者になるためには、大学院を受験して研究室に所属し、数年間、研究のトレーニングを受けることになります。指導教官とは師弟関係としての付き合いが一生続くことになるので、研究室選び、指導教官選びは親を選ぶのと同じくらいに重要です。研究者としての運命を決定付けてしまうラボ選びで失敗しない方法は?理想的な大学院生のあり方は? Ten Simple Rules for Graduate Students 「大学院生のための10個のシンプルな原則」 Ten Simple Rules for Finishing Your PhD 「学位取得のための10個のシンプルな原則」 学会発表に必要なスキル 研究者にとって、発表能力を磨くことはとても大切。良いポスターの作り方や学会での口演をうまくこなすコツは? Ten Simple Rules for a Good Poster Presentation 「ポスター発表を成功させるための10個のシンプルな原則」 Ten Simple Rules for Making Good Oral Presentations 「学会発表を成功させるための10個のシンプルな原則」 論文の書き方と通し方 論文はどうやって書けばいいのでしょうか?研究者として生きていくための最重要スキルにもかかわらず、誰もちゃんと教えてくれないという落とし穴にはまらないように。 …

論文を出すための10個のシンプルな原則

あなたがこの世を去って長い年月が経ったとき、あなたの科学的遺産は、主として、あなたがこの世に書き残した論文とそれらの論文が放つインパクトです。(When you are long gone, your scientific legacy is, in large part, the literature you left behind and the impact it represents.) - フィリップ・E・ボーン データを取り終え、論文を書き上げ、学術雑誌に投稿してアクセプト(受理)されてようやく仕事が一つ完結します。しかし、投稿してすぐアクセプトされることなど滅多になく、多くの場合最初にリジェクト(却下)を食らいます。何年間も心血を注いだ仕事が却下されれば、誰でもへこむもの。そこからアクセプトに持っていくところで、研究者としての力量やタフさが問われます。 では、この「論文を出す力」はどうすれば身につくのでしょうか? 若い研究者向けに行われた講演の内容に加筆してまとめた、「論文を出すためのシンプルな10原則」という記事が、以前、PLoS Computational Biology誌に掲載されました。一番大事なことは、自分の仕事をどれだけ客観的に見ることができるか。その記事Bourne PE (2005) Ten Simple Rules for Getting Published. PLoS Comput Biol 1(5): e57. …

ブラック企業の構造と研究者の雇用不安

先日、京大の山中伸弥教授が、「京大iPS細胞研究所は、これが民間企業ならすごいブラック企業」という表現をしたそうです(記事)。しかし、これは決して京都大学のiPS細胞研究所に限った話ではありません。研究者の雇用不安は、現在の日本の科学研究全体を覆う非常に深刻な問題です。 ブラック企業とは、定義にもよりますが、労働者を劣悪な労働条件で酷使し、峻烈な選別を行い、非情に使い捨て、組織だけが成長するような会社のことです(参照:コトバンク)、これはそっくりそのまま今の研究の世界にも当てはます。 研究室では、任期付きの研究者は少しでも早く成果を出さないといけないので必然的に長時間労働を強いられます。ポスドクの報酬は年齢や学歴からは一般の人が想像できないくらいに低く、時給換算したら国が法で定める最低賃金並みになります。ポストの数があまりにも少ないため、ある程度の成果を挙げたとして もそう簡単に定職は見つかりません。任期が切れたり財源が途切れれば、ボスが温情を施したくても研究者はラボを去らざるをえません。しかし買い手市場のおかげで研究室はまた新たな労働力を調達して存続し発展できます。現在の日本の科学研究において、研究室というのは構造的にブラック企業そのものなのです。 ブラック企業の場合は経営者の人格や経営姿勢が問われるところですが、研究室の場合は教授の人柄が良く部下思いであったとしても、現在の研究制度が抱えるこの構造的問題をどうすることもできません。 日本の科学技術政策に関する提言の中では、「至高の科学力で世界に先んじる」とか、 「世界的な卓越した教育研究拠点の形成」などと非常に耳当たりの良いフレーズが飛び交っていますが、人生設計もままならずに不安に苛まされているポスドクや任期付き教員ばかりという暗澹たる研究の現場で、そのような崇高な目標が本当に実現し得るのでしょうか? ”ポスドク等の約40%の年収は400 万円以下である。また半数以上が退職金や住宅手当の支給を受けられない。” ”任期制であることが結婚、子どもを持つこと、住宅購入などに影響すると考えている人の割合は70%もしくはそれ以上” “1週間の労働時間は平均54.8 時間、40%以上が60 時間を超え、100 時間を超える人もいる” ”13%程度が自身もしくは配偶者の実家から経済的援助をうけている。年齢別では41 歳以上の人、また子どもの有無別では子どもがいる人が実家から援助を受けている率が高く、…” “給与の財源は文部科学省研究費助成金( 26% )、その他の競争的資金(22%)、戦略的創造研究推進事業とグローバルCOE プログラム(それぞれ8%)が多く、上司の研究費による雇用が中心である” “78%の人が次の職を探している。…大学や研究所での求人が少ないこと、公募していても形式的で内部昇格が多いことを危惧している。” (引用元:生命系における博士研究員(ポスドク)ならびに任期制助教及び任期制助手等の現状と課題 平成23年 日本学術会議題) 「世界最高水準の卓越した研究」の担い手の多くが、1年契約で年収が300万円台のポスドク(博士研究員)や時給1000円程度のラボテクニシャン(技術員) だったりするのが実際のところです(人件費の財源や機関にもよる)。しかも、彼らは成果を挙げても、どれほど優れた実験技術を持っていても、何歳になっても報酬は増えず生活の保証もありませ ん。せめて、能力や成果に応じてパーマネントの職を得る機会や、昇給の機会を与えるような人事制度へ早急に変えない限り、日本の科学研究は国際的な競争力を失っていくでしょう。 “ポスドクを複数回繰り返す35 才以上のポスドク(シニアポスドク)が2012 年の調査で全体の37.1%に達しています” (引用元:生科連からの<重要なお願い> 生物科学学会連合 ポスドク問題検討委員会) 「酷使」や「使い捨て」というのは認識の問題もありますが、日夜研究に勤しんで、(少なくともボスがその地位に安泰で居られる程度の)論文成果(インパクトファクター5~10)を挙げ、ラボに対してもサイエンスにおいても貢献した研究者が、研究を辞めて教育職や研究事務に転向したり、研究や教育とは全く無関係な職に転じたり、最悪の場合完全に失業するしかないというのが、日本の科学研究の現状です。成果が出ない人間を切り捨てるブラック企業。成果が出ている人間をも切り捨てる研究所。現在の日本の研究社会は、ある意味、ブラック企業よりも更にブラックかもしれません。 ”「お前が研究者をやめてくれて心底ほっとした」 母親もそんな言葉で大卒初任給ほどの待遇で居場所を探してきた息子の転身を心から喜んでくれ、…” (ポスドクからポスドクへ 円城塔 日本物理学会誌 Vol.263, No.7, 2008  PDF) 参考 提言 生命系における博士研究員(ポスドク)ならびに任期制助教及び任期制助手等の現状と課題 平成23年(2011年)9月29日 日本学術会議 基礎医学委員会 (PDF55ページ) 生科連からの<重要なお願い> 生物科学学会連合より行政(国、地方)、企業、大学・研究機関、および研究者コミュニティーに対するお願い今、次世代を担う若手研究者が窮地に陥っています。ポスドク(任期付博士研究員)の雇用促進と研究者育成に是非ご協力ください。平成27 年4 …

日本学術振興会特別研究員(学振 )申請書の書き方のポイントと面接の対策

学振関連記事 ネットで公開されている学振(日本学術振興会特別研究員)申請書の書き方ガイド・面接対策まとめ 心の準備 学術振興会特別研究員の審査方針に、「学術の将来を担う優れた研究者となることが十分期待できること」とあります。ですから、「私は、学術の将来を担う優れた研究者になります。」と公言する覚悟をまず持ちましょう。この公約を表現したものが学振申請書になります。 採用申請は、たかが10ページ程度の文章ですが、 書く精神的、肉体的負担は大きく、私も胃痛を生まれて初めて経験しました 「私は、誰よりも優秀なので、お金をもらうべきである」ぐらいの不遜さで書いた方が、個人的に採用されやすいと思っています( ω ) (めざせ学振!! かんたん特別研究員DC1採用申請の書き方 (文系院生向けです。) オニテンの読書会 2017-02-08) トップレベルの大学や研究所で研究職を取ろうと思ったら、大学院での目標を単に修士号の取得、博士号の取得に設定していてはだめです。 修士のうちにジャーナルに査読論文を出版して早めに学振をとり、博士課程では自力で論文を最低でも数本は出版するぐらいの心構えでなくてはそういうポジションは狙えません。 博士号などは、研究者にとって自動車免許程度のものであり、博士合格基準をはるかに上回る成果を挙げて博士号など「おまけ」でもらう、というレベルでないと厳しいでしょう。…学振になるべく早く採用されることが研究者として生き残っていく上で重要なポイントです。 (戸谷研 学生心得) 不採用になったのは、君の存在性が否定されたからではないよ。(クマムシさんからの学振アドバイス) 学振に落ちる人のほとんどは、トップを目指す覚悟が足りません。… 『うちの大学からの採用者なんてほとんど居ない』と嘆くあなたは、東大の、MITの院生にも負けない自信を持っていますか?(学振DC1を本気で狙うためにすべき4つのこと はてな匿名ダイアリー 2009-01-20)) 【学振・都市伝説】特に学振DC1について、投稿論文業績、指導教員の知名度、大学のレベルが、採用の基準に関わるという噂を聞く。これは明らかに嘘で、投稿論文なし、知名度の低い指導教員、東大京大ではないが、DC1で採択された人を沢山知っている。そんなM2の皆さんは、悲観する必要はない。(@Markchloroさんによる学振書類書き方 まとめ)   学振申請書の書き方 心構えから具体的な細かい書き方まで、網羅的でバランスの良いアドバイス集がネット上に多数あります。 学振特別研究員になるために~2018年度申請版  東京工業大学で開催された 日本学術振興会特別研究員 公募にかかる学内説明会 (2017年3月9日) での講演資料 (講師は『学振申請書の書き方とコツ DC/PD獲得を目指す若者へ』(講談社 2016年)の著者) 学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・前編] 日本最大の化学ポータルサイト Chem-Station 2013/5/8 一般的な話題, 化学者のつぶやき 学振, …

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論文から学ぶ研究の進め方 ~仮説駆動型の研究 (Hypothesis-driven research)

もともと記載的な学問である解剖学などは別として、サイエンスの世界ではまず仮説を立ててそれを検証するという仮説駆動型研究が”作法”であり、今後もそうそう変わらないでしょう。ビッグデータの時代といわれている現在は、最初にデータありきの「データ駆動型」研究もあるとは思いますが、解析方法を選ぶ際に、そこになんらかの仮説が存在しているはずです。 研究費の申請書を書くにしても、論文を書くにしても、プレゼンテーションをするにしても、検証すべき仮説が中心に据えられます。にもかかわらず、仮説駆動型の研究姿勢が日本で十分に教育されてきたかといえば、不思議なことに全くそうはみえません。いいジャーナルに論文を出すことに困難を感じる日本人が多いとすれば、それは仮説駆動型の研究を行うための教育がほとんどなされていこなかったせいではないかと思います。 研究のやり方の違いにもびっくりしました。日本では、針でも突っ込んで何が出てくるか見てみようという調子だけれど、エックルス先生は、予想を頭の中で組み立て、計画的に実験する。(未知に挑戦する私の脳  伊藤 正男  JT生命誌研究館 サイエンティスト・ライブラリー)   研究室における仮説不在の教育の実態は、実験科学に限らないようです。広中平祐 著『生きること 学ぶこと』にも同様のことが指摘されています。  この「仮説」ということについては欧米人と日本人では、考え方がかなり違う。欧米人はまず仮説をたててから演繹するという考え方が強い。 私はよく、米国の学生に向かって、 「君たちは今どういうことを研究しているのか」  と質問することがある。そうすると、彼らは、まず自分のもっている仮説を説明する。 ところが、日本の学生に同じような質問をすると、大抵、 「私は代数を勉強しています」 「幾何を勉強しています」  という答えが返ってくる。  要するに、米国の学生はまず仮説を立てて、それからいろいろ演繹してみて、ダメだったらその仮説を変えればいいという考え方をするが、日本の学生は、とにかく何かを勉強してみて、それを足場にして論文を書いてみようと考える。そして、それがつまらなくなってきたら方向を変えて何か新しい方向を決めればいい、それまでのやり方を改良していけばいい、こういう研究態度が非常に多いのである。  仮説を立てるということは、ある意味で勇気のいることである。というのは、数学の分野でも物理の分野でも、初めに立てた仮説は大抵ダメだというジンクスがあるからだ。  しかし、仮説を立てて一生懸命研究しているうちに意外な発見が生まれるのである。だから私は、初めに立てた仮説はダメなものでも、やはり仮説は立てなければならないと思う。  そういう意味で、若い読者諸君が今後、創造的な仕事をしていこうとするならば、この仮説を立てて演繹するという考え方をもっと採り入れるべきだと思うのである。 (広中平祐 著『生きること 学ぶこと』集英社文庫1984年 114~115ページ)   大学院生が仮説不在のまま5年間なんとなく実験を続けて何かしら実験結果を得たとしても、完全に手遅れであり、それらのデータをもとに良いストーリーをつくることは困難です。 研究を始める時、計画を立てるとき、実験をするときには、必ず自分なりの仮説を構築してから始める癖をつけてください。そうすることが、結局はゴールへの最短で最善の道になるのです。仮説も無しに、やってみなければ分からない、やってみたらできるかもしれないと力任せに実験をするような愚かな真似を決してしないでください。そんな事をしてもサイエンスとしては何の意味も 無く、ただの博打でしかないのですから。(必ず仮説を定義する 総合技術コンサルティング&人材育成 ジャパン・リサーチ・ラボ) 一つの研究はその成果を論文にまとめることにより一区切りつくわけですが、良いストーリーがないと良い論文にはなりません。また、仮説が書かれていない研究提案書で研究費を申請しても、通る可能性は低いでしょう。「仮説」と聞くと仰々しく感じる人がいるかもしれませんが、そもそも研究の場で使われる仮説とは何でしょうか?  「まず実験をしてみてそれから考えよう」ということは多くの研究者がとっている姿勢で、一見これには仮説がないように思えるが、本当は違うと思う。例えば、変異体の遺伝学的スクリーニングは、関与している遺伝子の存在を仮定してそれを検証する実験であるし、あるタンパク質の細胞内局在を見る実験は、それが特定のオルガネラや領域に局在しているのではないかという仮説の検証である。ただ、仮説をどれだけ意識するか、どれだけ深い仮説をもつかには研究者によって大きな違いがあると思う。グラント申請レベルのプロジェクトに仮説があるのは当然であるが、どんなに些細な実験にも仮説は存在するはずである。仮説がなければ検証不可能で、そのような実験は目的を失っている。…(【細胞生物,Vol 15, No. 1 (2004)巻頭言より転載】東京大学大学院医学系研究科 水島研究室 分子生物学分野) 仮説とは、簡単にいえば、「合理性のある提案」だとDavid Lindsay氏は著書の中で説明しています。ただし仮説は2つの特徴を備えていなければなりません。一つは「これまでの知見と矛盾しない」こと。もう一つは「検証可能である」ことです。 There are many texts …

生活を犠牲にせず論文をたくさん書く方法 ポール.J・シルヴィア博士

  2015/05/20    出版, 研究力強化, 論文投稿

「できる研究者の論文生産術 どうすれば『たくさん』書けるのか」の著者ポール.J・シルヴィア氏が2012年4月27日に行った講演の動画があります。しかしこの講演ではとりとめもなく延々とフリートークが続くので、ポイントを掴むには彼の著書を読むほうが早いです。 たくさんの論文が書けるのは生まれつきの才能ではなくスキルです。だから、そのやり方を学ぶことができます。(前書きより) この本には非常に実践的な教えが書かれています。原稿が書きかけのままで憂鬱な気分になっている教授から出てくる典型的な言い訳が、「書く時間が見つからない」というものです。しかし、講義の時間がみつからないと言い訳する教授はいません。予定された授業の時間がきたら、授業をするしかないからです。論文を書くのも全く同じで、何曜日の何時から何時までは論文を執筆する時間と決めて、その時間には他の予定は一切入れずに論文の執筆に専念するということを習慣化しなさいと説いています。科学者はプロのライターなのですから、講義の時間に必ず講義をするのと同様、書くと決めた時間に必ず書きなさいとシルヴィアさんは言います。 ちなみにポール・シルヴィアさんが自分で決めた執筆の時間帯は、平日の朝8時から10時までだそうです。朝起きたら、着替えもせずシャワーも浴びず、Eメールのチェックもせず、珈琲を淹れてすぐに机に向かうとのこと。 論文を書けない理由は実はまだまだあります。現実的なところでは、書く前にデータの解析をしなければいけないとか、論文を書き始める前に参考文献を読まなければいけない、などなど。しかし、大丈夫です。シルヴィアさんは、これらもみな「ライティング」とみなします。論文の書き方の本を読むことまでも「ライティング」に含めます。これでもう書かない理由はほとんど潰されてしまいました。 論文を書く環境が悪い、椅子の座り心地が良くない、机が悪いと言って悪あがきする人がいるかもしれません。そういう人達のために、シルヴィアさんはこの本の執筆に使った机と椅子の写真を見せています。インターネットがつながらない部屋、引き出しもない机、質素な椅子。ウインドウズOSすら載っていないPC,DOS上で動くワープロソフト。書くためにはそれで十分だったとシルヴィアさんは言います。 それでもまだ、書く気が起こらない、インスピレーションが湧いてこない、どうしても書けない(Writer’s block)という人がいます。そんな人たちへの最も効果的な処方箋がまさに「決めた時間に書くことの習慣化」なのです。 論文をたくさん書かなければいけない研究者のためのライフハックツールとでも言うべき本。 How to Write a Lot – Paul J Sylvia (http://exordio.qfb.umich.mx/archivos%20pdf%20de%20trabajo%20umsnh/Leer%20escribir%20PDF%202014/Escritura%202014/How%20to%20Write%20a%20Lot%20-%20Paul%20J%20Sylvia.pdf)(73ページPDFへのリンク) Paul Silvia, PhD – How to Publish a Lot and Still Have a Life Pt 1 (1時間1分31秒) Paul Silvia, PhD …

良い論文を能率よくラボから出すために ~ 学生・ポスドクがボスとやるべき協同作業

  2015/05/05    研究の進め方

大学院に進学した学生や新しいポスドクが、新しいラボでしばらくの間研究テーマを模索し、やがて面白そうでしかも自分にできそうなことを見つけて研究を始める。ボスもそれを認めて、やりたいようにやらせる。数年後、ラッキーなことにそれなりに実験データが溜まってきて、論文を書き始める。しかし、いざ書くとなると、なかなか筆が思うように進まない。それはなぜかというと、せっかく得られた実験結果から導き出せる結論があまりにも弱いから。こうなってしまうと、良い論文を出すことは困難です。 研究プロジェクトを一度始めてしまうと、研究分野にもよりますが数ヶ月、あるいは数年間、その研究を続けることになります。その努力が良い論文として結実しないことには、本人の研究者としてのキャリアが危ぶまれますし、ラボも停滞します。最終的なアウトプットの段階でこのような後悔をしないためには、どうすればいいのでしょうか? 良い科学研究論文を能率よくラボから出すための指針を、ハーバード大学の化学者、ホワイトサイズ教授が短いエッセイにまとめています。この文章はかなり有名で、既にいろいろなところで紹介されています。 これを書いたジョージ・ホワイトサイズ教授は、これまで950本以上の論文を書いており、1981年から1997年の間でもっともよく引用された 1,000人の科学者のうち、5位にランキングされている人であり、さらに2011年12月の時点で、現存する科学者の中で一番h指標が高い研究者なので す。ハーバード大学でMITを取り、同大学で教授になって、300人を超える学生と学者を指導してきました。(http://www.editage.jp/insights/a-3-page-guide-to-scientific-writing) 以下のサイトでは、日本語訳も紹介されています。 今回紹介する文献“Whitesides’ Group: Writing a Paper”では、世界一線級の化学者であるGeorge M. Whitesides教授が自ら、優れた論文執筆法を解説しています。具体的には『アウトライン法』――すなわち、始めに論文の枠組み(アウトライン)を作り、研究データの蓄積と同時並行して何度も修正を加えてゆく、実験データはその時々で補完、図表重視のアピールを心がけ、テキストを書くのは一番最後、という論文作成法――の提唱を通じ、研究のプロダクティビティ・時間効率の向上に効果的たる仕事術にも触れています。(http://www.chem-station.com/blog/2009/12/whitesides_group_writing_a_pa.html) もともとAdvanced Materialsという学術誌に2004年に掲載されたものですが、このジャーナルのアクセスランキングでいまでも上位に入るほどの人気エッセイです。 英語の原文はこちら:Whitesides’ Group: Writing a Paper, Whitesides, G.M., Advanced Materials, 2004, 16, 1375-1377. (ラボのウェブサイト上のPDFリンク)。 ホワイトサイズ教授が論文執筆について語るインタビュー動画 Publishing Your Research 101 – Episode 1: How to Write a …

良い科学研究論文を能率よく書くために ~ 実際に書くときに実践すべき7つの重要な事柄

  2015/05/02    論文の書き方

研究分野が違えば、論文のフォーマットは大きく異なります。以下の動画はコンピュータサイエンスの分野でConference paperをどうやって能率よく仕上げるかについてのサイモン・ペイトン・ジョーンズ(Simon Peyton Jones)氏によるセミナーです。研究の進め方や論文を書くことに関しては普遍的な部分があるため、実験科学など他の分野の研究者にとっても非常に示唆に富む内容です。 Professor Simon Peyton Jones (Computer Scientist) How to Write a Great Research Paper(34分間の動画) 00:20  #1 Don’t wait: write 04:13  #2 Identify your key idea 07:18  #3 Tell a story 09:34  #4 Nail your contributions 16:44  #5 …

サイエンス(Science)に論文を出す方法

  2015/01/31    論文の書き方

ネイチャー(Nature)に論文を出す方法があるからには当然サイエンス(Science)に論文を出す方法もあります。サイエンスのエディターらが日本を含め世界各国のさまざまな大学でセミナーを行っており、そのスライドなどがインターネット上で閲覧できます。 ネイチャーとサイエンスの名前はどちらも最も権威のある学術誌としてよく並べて挙げられますが、サイエンスへの掲載に当たっては、著者らが高名な学者かどうか、権威のある研究所に属しているかどうかなどは一切関係がないことが明言されており、自分の研究分野の第一人者との議論や共同研究を論文掲載のための戦略の一つとして勧めているネイチャーとは若干異なるスタンスであるように思われます。 (PUblishing in Science: Outliers, Closers, & Leaders by Pamela J. Hines, Senior Editor, SCIENCE, AAAS http://www.docin.com/p-345432859.html) Hines noted that Science publishes research articles that “shine with quality”, stand out from the pack (i.e. are not similar to already published …

ネイチャー(Nature)に論文を出す方法

  2015/01/24    論文の書き方

論文が掲載された雑誌のインパクトファクターの高さと、その論文自体の価値の高さは必ずしも一致しません。そのため、雑誌のインパクトファクターにとらわれずに論文の内容そのものを評価すべきだという議論がよくなされます。しかしながら、分野外の論文の価値を評価するのは非常に難しいため、雑誌のネームバリューで論文業績が評価されるということは避けられません。 そんなこともあって、いまどき、ネイチャー(Nature)、サイエンス(Science)、セル(Cell)(生命科学分野の場合)、あるいはそれらの姉妹紙などにファーストオーサーの論文を出していないと、アカデミックな世界でジョブマーケットに出て行くことが難しいという現実があります。テニュアトラック制度に乗っているPI(Principal Investigator)も、自分のラボからこのようなトップジャーナルに論文を出さないとテニュア獲得の可能性が下がるでしょう。 それでは一体、Natureなどのハイプロファイルジャーナル(High-profile journals)に論文を出すための秘訣や戦略のようなものは存在するのでしょうか? 日本のラボで仕事をする日本人ポスドクよりも、海外のラボに留学した日本人ポスドクの方が一流誌に論文が出やすいということはよく言われます。なぜそうなるのかといえば、海外のトップラボのボスは良い論文を書く方法論を身につけているからです。そのため、せっかく同じような実験データを得ていながら、かたやネイチャー、かたやインパクトファクターの低い雑誌という結果にもなります。 Natureに論文を出すための方法論はどこでどう身につければよいのでしょうか?もちろん、良いボスがいる一流のラボで仕事をして直接学ぶのがベストの方法ですが、実は、良い論文を書くためのワークショップをNature自身が多数開催しています。また、インターネット上で、それらの内容が公開されています。 (参照:ネイチャーライティングワークショップ http://www.jbr-pub.org/UploadFile/Nature%20Writing%20Workshop.pdf 30ページ) 良い論文というのは、我々の自然に対する理解を深めるような研究報告です。つまりConceptual Advanceがなければいけません。Conceptual Advanceがどのようなもので、それが論文掲載の決定にどう関わってくるかに関しては、 Novelty and conceptual advance • Anything that has not been published before is novel, but not all novel findings are considered interesting, or of sufficient conceptual advance, for a …