「 研究力強化 」 一覧

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英文プレスリリースで研究成果を世界に発信することの重要性について

論文はせっかく出版しても意外と読んでもらえないものです。ですから、自分の論文がめでたく受理されたら、論文掲載のタイミングに合わせてできるだけ世の中に向けて宣伝する必要があります。新聞等などのメディアに記事としてとりあげてもらうために報道記者に提供する資料が、プレスリリースです。日本のメディア向けには日本語でプレスリリースを書きますが、海外の新聞や雑誌に記事にしてもらうためには、英語で書く必要があります。 まだまだ世界に発信されていない日本の研究成果 さて、日本の研究成果を世界に発信するためには絶対に必要な英語のプレスリリースですが、これを出していない大学や研究機関が多いようです。また、英文プレスリリースを出している大学であっても、日本語での本数に比べると圧倒的に少ないようです。 毎日大量に発表される英文のリリースを読んでは、どれを日本語にするかを決めているわけですが、その中で気づいたことがあります。日本の大学・研究機関の英文プレスリリースが少ない。 日本の大学・研究機関から、インパクトファクターが大きいジャーナルへの発表は、それこそ毎日のようにあるのに、英文リリースが無いのが残念でなりません。わが国の科学レベルを分かってもらえない、というのも悔しいですし、成果を出した研究者を売り込めないのももったいないことです。(日本の研究成果を世界に発信するには【日経バイオテクONLINE Vol.1909】2013.07.17 19:00 増田智子) 2014年度の研究成果に関する和文配信件数:235件     2014年度の研究成果に関する英文配信件数:     9件 (出典:2015/5/29  第3回大学研究力強化ネットワークカンファレンス「EurekAlert!を例とした国際科学広報の効果的なあり方について」 英語による研究成果の発信:東京大学の事例紹介 東京大学本部広報室(Public Relations Office, University of Tokyo)髙祖歩美、Euan McKay)   国際研究広報の取り組みの広がり 英文プレスリリースを出す大学が増え始めています。 2014年 事態が好転し始めたのは,国際広報に関心をもった国内の学術研究機関の実務者や関係者が学び,互いに議論し,情報を交換できる場が増えて,海外の報道機関とのつながりがなくとも報道関係者に研究成果が届けられるプレスリリース配信サービスを国内の学術研究機関が一斉に利用し始めた2014年末辺りからである。… 2014年末には国内の13の学術研究機関がそろってEurekAlert!(https://www.eurekalert.org/)という米国発のプレスリリース配信サービスを利用し始めた注1)。(日英米の比較からみる研究成果の国際情報発信 高祖 歩美 017 年 60 巻 6 号 p. 420-428 PDF) 2015年 2015年3月には,沖縄科学技術大学院大学(OIST)で国際科学広報に関するワークショップ20153)が開かれた。研究成果の英語による情報発信に関心をもった関係者およそ100名が一堂に会して各機関の現状が紹介されて,英米の報道機関や広報関係者と国際科学広報を取り巻く状況について情報交換がなされた。2015年8月には英国の報道関係者から英文プレスリリースの書き方を学ぶ講習会がOISTで開かれた。(日英米の比較からみる研究成果の国際情報発信 …

論文を出す力 リジェクトの受け止めかた

  2017/02/26    研究力強化, 論文投稿

研究者には論文を書く能力が必要ですが、それだけでなく、論文を世に出す(=アクセプトに漕ぎ着ける)力も必要です。両者は重なる部分もありますが、質的に全く異なります。論文を書くうえで重要なのは知性ですが、論文を出すときに重要なのはリジェクトされたときの落胆、怒り、失望、疑念などの感情をコントロールする力、揺るぎない信念、状況を見極める客観性や判断力です。 リジェクトに対する心構えが出来ているだけで、受けるダメージ及び回復力が変わってくると思いますので、これから論文を出す人の参考になりそうな記事を紹介しようと思い立ちました。また、結果だけを見ると、みんな順調に論文を通しているように思えるかもしれませんが、実際には、他人には想像がつかないような苦労の末になんとかアクセプトまで漕ぎ着けたという場合がほとんどです。そんな論文出版の苦労を分かち合える記事を、以下に紹介します。 折れない心 何年もかけてやってきたプロジェクトの成果が、辛辣なコメントともにリジェクトとなった場合は、自分の研究者としての能力を否定された気分になり、相当なダメージを受けるが、折れないタフな心をもってアクセプトになるまで戦い続けるしかない。 … 散々追加実験を頑張った上での再投稿にも関わらず、やはりリジェクトとなった場合は時間的にも精神的にも相当ダメージは大きく、また半年〜1年前にもどって別のジャーナルにいちから投稿し直しとなる、、、 (有名ジャーナルに論文が掲載される意義 IMAYOSHI LAB 2013年11月22日) 最近、友人の一人の論文が、Natureにacceptされたのですが、それが実にすさまじい闘いだったのです。彼が最初の論文を書き上げたのが、3年ほど前。まず、Natureに送りました。Editorial kickにはならず、レビューに回りましたが(トップジャーナルでは、レビューに回るだけでも凄いのです)、rejectされました。レビューアーからのコメントがあったため、追加実験を行って全てのコメントに答えた上で再投稿した。しかし、結果はやはりreject。そこで、彼はScienceに投稿しました。Scienceでもレビューに回りましたがreject。これだけでも凄すぎるのに、これからが彼の凄いところでした。Scienceで得たコメントで指摘された点を改善し、なんと再びNatureへ投稿。再びレビューに回るも、reject。再実験を重ねた上、レビューアーのコメントに答えて、Editorへ抗議。その後、結局、acceptされたのです。(Never give up! Alltid Leende April 22nd, 2013) まず青い方からこの表をみる。サイエンスの689というのは、最初の投稿先がサイエンスでそのままサイエンスに採用された論文が689報あるということである。サイエンスに蹴られてnatureに採用されたのが82報あるということ。しかしcell誌にはサイエンスリジェクト論文は一つも載らなかった(natureリジェクト論文も載っていない)。(サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載る・・・ がんの分子腫瘍学・遺伝学 2012年10月22日)   批判を受け止める力 Coping with publication rejection is a key skill for any academic. It can require emotional fortitude, an ability to profit …

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冠詞はaかtheか無しか?可算・不可算の謎を解く、パケット英語用法百科II

日本人が英語で論文を書くときの壁のひとつが、正しい冠詞を選べないことです。辞書で可算名詞か不可算名詞か調べても、まったく解決しません。抽象名詞が文脈によって可算名詞として使われたり、修飾語句によって冠詞の選択が変わる可能性があるからです。「なぜここではこの冠詞なのか」とアメリカ人の研究者に聞いても、「なんとなく」という答えしか返ってこなくて、もやもやが残るだけです。冠詞の選択を誤ると文の意味が変わってしまうことが多く、論理が一貫しない読みにくい原稿になります。しかし、そんな日本人の冠詞の悩みを解決する、福音書とでもいうべき教科書がついに刊行されました。 グレン・パケット氏が『科学論文の英語用法百科 第1編 よく誤用される単語と表現』を世に送り出したのが2004年。それから実に12年もの歳月を経て、2016年に「科学論文の英語用法百科」待望の第2編が刊行されました(全5編の予定)。第2編「冠詞用法」は、書籍タイトル通り、一冊まるまる300ページが冠詞の選び方の説明に費やされています。 ネイティブなら自然に身につけてしまう正しい冠詞の選び方のルールを徹底的な理論的考察により炙り出し、悩める日本人研究者にそれを伝授するという、実に野心的かつ教育的な本です。 冠詞用法は、正式な指導を受けるとしても僅かなものにすぎないのに、ネイティブ・スピーカーはどうにかほとんど全ての人が完璧な直感的な理解を得る。… 上述のように冠詞の特殊性を認識した結果として、冠詞用法の理論を科学的理論と同様に構築することができるということに気付いた。…当然、英語における冠詞用法を説明する理論は他にも組み立てられ、異なった個人的観点から築かれた理論はどれも内容に多少の差異があるものとなるだろう。しかし、慎重に組み立てられたものであれば、そのいずれの理論でも、ネイティブ・スピーカーに共有される同一の直感的な理解に基づくため、冠詞用法についての帰結が必ず一致するという意味で同等のものでなければならない。…英語の場合は、冠詞があるため、日本語では普段示されない情報が各名詞に対して必ず示される。冠詞により名詞の意味するものがことごとく一定の形を持つかどうか、また特定、唯一、包括的などであるかどうかについて明確な情報が伝えられる。…原文を日本語として読むときは内容について何の違和感も感じないが、英語に訳そうとすると、初めて文章中に(英語から見れば)意味が曖昧な名詞があることに気付く、ということがしばしばある。その名詞が特定のものを意味しているのか、任意のものを意味しているのか、ある種類やある範囲内の全てのもの、あるいはその一部のみを意味しているのかなど、ということが判断できないわけである。また、その情報が文脈からでも分かり得ないことは少なくない。その多くの場合、訳文での冠詞用法を誤らないためには文献を調べる必要がある。…冠詞用法の基礎となるロジックをしっかり学習した上で、たくさんの用例を対象にそのロジックを熟考すると、冠詞の正しい使い方は徐々に直感的に理解できるようになる。本書が提供する指導はまさにそういった学び方を可能にするものである。 (前書きより)   参考 『科学論文の英語用法百科』とは(京都大学学術出版会) パケット道場~初級アカデミック英語講座~  (エナゴ学術英語アカデミー):パケット道場記事一覧 Paquette道場(phpBB掲示板)

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研究プレゼンテーションの極意

大学院生や研究者が必ずやらなければならないこと、その一つが研究成果の口頭発表です。ちゃんとカリキュラムを組んでプレゼンテーションのやり方を教えている大学院は少ないため、博士号を取ったあとでも自分のプレゼンに自信が持てずに悩む人が多いのではないでしょうか? そこで、プレゼンをどう組み立てるか、どうしゃべるかということに関して参考になるネットの記事などを紹介します。英語での発表にはそれなりの難しさが伴いますが、トークをいかに組み立てるかということに関して言えば、英語と日本語による違いはありません。 学会発表やセミナーでのトークにはある程度決まった型というものがあります。挨拶、背景の説明、仮説やキークエスチョンの提示、実験方法の説明、実験結果、結論、まとめ、将来展望といったことです。しかし、これらを順序良く無難にこなせばプレゼンが成功するかというと、そうとも限りません。では、研究者のプレゼンにおいてもっともっと大事なことは何でしょうか? 日本でプレゼンの達人といえばこの人、ジャパネットたかたの(元)社長の高田さんのプレゼンが非常に参考になるそうです。 ジャパネットたかた社長に学ぶ学会発表の極意(こんどうしげるの生命科学の明日はどっちだ!?) 内容を簡単に紹介すると、 極意1:対話による共感の成立:学会の聴衆や査読者が疑問を感じそうなところで、自分で突っ込みを入れて、それに答える。 極意2:研究に対する信頼を得る。そのためには適切なコントロール実験の結果をわかりやすく呈示する。 極意3:演者が推定した仮説を伝え、それを証明する実験を提示し、仮説が正しい場合の結果の予測を提示する。それから、結果を見せる。このようにして、そのデータが出た時の演者の感動を伝え、感動を共有する ということになります。これとは多少違った観点からプレゼンの極意を具体的に語っている山中伸弥氏の記事も必読です。 山中伸弥教授の「人生を変えるプレゼン術」〜とにかくココを意識せよ (現代ビジネス) 簡単にまとめると、 プレゼンの重要性を認識すること。実験して結果を出すのは研究者の仕事の半分に過ぎない。重要な残り半分は、研究成果を人に伝えること。 自分のプレゼンをビデオに録画して、客観的に見直すトレーニングがお勧め。 スライドに書いたことはしゃべる。しゃべらないことは書かない。 スライドとスライドの間にはつながりが必要。つながり、流れを意識したしゃべりを。 論理的な流れを意識してスライドをつくり、プレゼンを準備する。それは普段の研究の進め方の改善にも役立つ。 ということでしょうか?是非、本記事を熟読してプレゼンの極意をマスターしてください。もう一つの記事「山中伸弥教授を「1億円プレーヤー」に変えた人生最大のプレゼン」もお勧め。こちらの記事では、聴衆が誰なのかを考えてプレゼンを用意することの重要さが語られています。 もう少し具体的な組み立てに関するチュートリアルも紹介しましょう。 イントロダクションの構成のしかた A 10-15 minute scientific presentation, Part 1: Introduction まず、受け入れられている事実(Context)を話し、次に、問題点(Complication)を話し、クエスチョン(Question)を設定し、仮説(Hypothesis)を立ててそれを紹介するという流れ。   英語のプレゼンテーションのやり方に関しては多数の書籍が刊行されています。なかでも、トークをどう組み立てるかに関して基本的な考え方を示してくれる興味深い本として「遺伝研メソッドで学ぶ科学英語プレゼンテーション[動画・音声付き]」(出版社:dZERO)があります。 プレゼンの最初の部分はイントロダクションです。イントロダクションの目的は何でしょうか?この遺伝研メソッドによれば、それは、「聴衆をキークエスチョンに導くこと」です。ちなみにキークエスチョンというのは、トークの結論を「答え」としたときの、それに対応する「質問」です。キークエスチョンがトーク全体を貫く背骨になるように話を組み立てれば、聴衆は最後までついてきてくれるというわけです。 サイエンス誌のウェブサイトにも役に立つ記事があります。 Mastering Your Ph.D.: Giving a Great Presentation By …

沼研の伝説的なエピソード (沼正作1929-92)

  2016/04/22    研究の進め方

沼正作博士は、神経伝達物質の受容体やイオンチャネル等の一次構造を次々と決定していき、脳内で働くさまざまな神経機能素子の分子的実体や構造機能相関を明らかにすることにおいて多大な貢献をした科学者です。あの怒涛の業績を産み出した沼研では、どのように研究が進められていたのでしょうか?当時、京都大学医化学教室(医化学第二講座) 沼 研究室で活躍された研究者の方々が語るエピソードには、非常に興味深いものがあります。   研究に対する厳しさ 大学院に入って数日後に 「君,もう大学院をやめなさ い」 と言われました。当時私の研究していた酵素は室温で数秒で失活する酵素で,私が不安定を言い訳の材料にしたことに沼先生は激怒しました。  (医 化 学 教 室 と 私) フラコレが夜中にとまって活性画分を失ったとき: 「何でや。」 「フラコレがとまっておりました。」 「君なんでみとらんのや。フラコレなんて故障するにきまっとる。夜中じゅう起きてチェックするのが当然で私はいつもそうしてますよ。」 (医 化 学 教 室 と 私) 「コンピューターに間違いはつきもの。ヌクレオチドシークエンスをアミノ酸に読み替えるのは,目で全部チェックしないとコンピューター間違えますからね。今までずっとそうしてきましたから。そのおかげで,これまでの論文1つも間違いがありませんわ。」 (医 化 学 教 室 と 私) 沼 先生が風邪を引いたヒトに向かってよく言っていたことですが, 「緊張感が足りないと風邪を引きます。緊張感を保って ACTH を分泌するようにしておけば風邪は引きませんよ。従って私は風邪を引いたことがない。」 …

自分が研究に向いているかどうかを知る24の質問 ~プロの研究者になるために必要な素養とは?進路に迷っている人のための条件チェックリスト~

  2016/04/18    研究の進め方

  なぜあなたの研究は進まないのか? なぜあなたは論文が書けないのか? 考える力、やり抜く力 私の方法   高校や大学時代の学業成績の良し悪しと、研究者としての向き不向きとはあまり関係がありません。なぜなら、学校のテストでは、必ず正解がある問題が他人から与えられ、数十分間のうちに自分の頭だけを使ってそれを解いて解答用紙に書き記すことができるかどうかが試されるのに対して、研究においては、正解があるかどうかすらわからない問題を自分で考えついて、数か月から数年間にもわたる他の研究者と協同した取り組みによりそれを明らかにし、さらに論文として発表する能力が求められるからです。両者では、頭の使い方が全く違うため、学校の勉強ができた人が研究もできるとは限らないのです。もちろん、ある程度の基礎学力があることは前提となります。専門分野の知識に加えて、論文を書くための英語運用能力も必要です。 大学院博士課程進学などの進路を決めるにあたって、自分は研究者になれるだろうか?研究者に向いているだろうか?と悩む人は多いと思います。 プロの研究者になるために絶対に必要な素養とは、何でしょうか?どういう人が研究者として生き残るのでしょうか? 進路を迷っている人向けに、参考になりそうなアドバイスをまとめました(ここで想定しているのは、数学や理論物理ではなく実験科学です)。 と、その前に。 今の日本では、研究に向いている人でも研究者として生き残れる人はごくわずかしかいないという現実を直視したほうがよいので、お勧めの関連記事をまず紹介しておきます。 若者は現状を見切り無謀な挑戦の回避を アカデミア研究者雇用状況の過酷な現実 任期が切れた助教はどこへ行くのか? 職を獲れる研究者になるための20のポイント アカデミックポジションの倍率 大学院やポスドク先の研究室の選び方 さて、それでは本題へ。 長くなるので、はじめに一覧(目次)を示しておきます。 1.運がいいか 2.褒められるのが嬉しいからという理由で道を選ぼうとしてはいないか? 3.大学までの勉強と、大学院における研究との違いを理解できているか? 4.良いメンター(師匠)を見つけられるか? 5.人一倍強い好奇心があるか? 6.自分の頭を使ってものを考えているか? 7.コミュニケーションの大切さを理解しているか? 人と関わることの重要性を認識し、実践できるか? 8.競争に勝つマインド(心構え)があるか? 9.頑張ってしまわないか? 10.研究に没入し、解決すべき問題に集中し続けることができるか? 11.職業選択に迷いはないか? 12.正念場で頑張れるだけの体力、気力、忍耐力、意志の強さはあるか? 13.素直さがあるか? 14.野心はあるか? 15.緻密な論理的思考能力があるか? 16.楽天的か? 17.孤独に耐えて、自分の価値を信じ切れるか? 18.人間力があるか? 19.一生スキルアップが必要と心得ているか? 20. …

研究テーマの選び方 21のポイント

  2016/04/10    研究の進め方

いざ大学院生として研究室に配属されたり、ポスドクとして新しいラボで働き始めたときの最初の悩みは、研究テーマとして何を選ぶかということです。フェローシップをとるために半年前に書いた研究計画があったとしても、実際にラボに来てみるとラボの状況やボスの考えが変わっていて、研究テーマを一から考え直すことになるのは珍しくありません。 大学院生活が5年経過したとき、手元にあるものが「複数の、脈絡ない研究課題の、小さな成果の寄せ集め」 https://t.co/pVETi1pf3R という人は多いと思います。研究テーマ選び、研究の進め方を指導しない教授も多いです(いわゆる放置)。研究テーマの選び方 18のポイント https://t.co/PO9ultkzSO — 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2018年1月20日   それでは、どのような点に注意して研究テーマを決めればよいのでしょうか?自分が興味を持てるトピックを選ぶことや、与えられた年数で答えが出る(=論文が出せる)程度の大きさのクエスチョンを設定するといったことは当然のことですが、他にもいろいろ考えるべきポイントがあります。 ポイント21個一覧 1.研究テーマはボスから与えられるもの? [責任の所在] 2.研究テーマ選びの落とし穴 [研究の意義] 3.研究テーマ選びの落とし穴  [手段と目的] 4.ホームランだけを狙いに行かないこと [リスク管理] 5.研究テーマ選びに際して論文を数多く読み、よく考えることの重要性 [研究動向の把握] 6.論文を読んでわかった気にならないこと、批判的に論文を読むこと [批判的精神] 7.論文を出発点にするのでなく自分が観察した現象から出発すること [独創性] 8.再現実験・追試から入ること [巨人の肩に乗る] 9.夢中になれる研究テーマを選ぶこと [研究にのめり込めるか?] 10.タイムリーであること 11.研究テーマ選びでボスと意見が合わないとき 12.研究テーマ選びでラボ内のほかのメンバーと競合したとき 13.そのラボのアドバンテージを研究テーマに反映させること 14.ラボの中心的テーマをやるか、主流から外れたテーマを選ぶか 15.ラボの体制と研究テーマ選び 16.前任者の実験結果が追試できないとき 17.誰もやりたがらない研究テーマしか残っていないとき 18.裏実験・裏テーマの勧め [独立心の涵養] 19.絶対に失敗しないテーマ 20.それで職が獲れるのか? 21.できることでなく、知りたいことをやる それでは、順番に見ていきましょう!   1.研究テーマはボスから与えられるもの? [責任の所在] そもそも、研究テーマは誰が決めるべきものなのでしょうか?やってほしいテーマをボスが提示することも、学生やポスドクの自主性に任せられることも、どちらのケースもあります。その中間として、漠然とした方向性や大きな枠組みだけが与えられる場合も多いでしょう。教授の教育ポリシーや、研究助成を受けている課題、ラボ全体の研究の進展状況なども関係するので、ボスとよく話し合うことが大切です。また、ボスが与えてくれた研究テーマが当たる保証は全くありません。むしろうまくいかないことのほうが多いでしょう。そのときにどうやって研究の軌道修正をするかは、研究している本人の力量にかかっています。 誰かの助力が欲しければ、その人のところに行きなさい。その人からあなたのところに来てくれることは決してない。(Stephen …

書くことは、書き直すこと (Writing is rewriting)

  2016/02/20    論文の書き方

文豪ヘミングウェイも、 「書くという行為には、書き直すという行為の一種類しかない(The only kind of writing is rewriting)」と言っています。 論文の原稿であれ何であれ、最初の草稿が一通り出来上がってから、ようやく書くという行為が始まります。どんな風に書き直すと良い文章になるのか、サイエンティフィックライティングにおける推敲の例を見てみましょう。伝えたいことが伝わる文章を書く際には、 Clarity(明晰), Concision(簡潔), Coherence(首尾一貫), Connection(つながり), Flow(流れ), Logic(論理)などがポイントになります。 How To Make Your Writing Flow 以下の動画は、スタンフォード大学のKristin Sainani博士によるサイエンティフィック・ライティングの講義。推敲のケーススタディ。 SciWrite Demo Edit 1 SciWrite Demo Edit 2 SciWrite Demo Edit 3 SciWrite Demo Edit 4 SciWrite Demo …

論文書法:タイトル 要旨 序論 方法 結果 考察

  2016/02/20    論文の書き方

科学論文は、タイトル、要旨、序論、材料と方法(ジャーナルによっては最後)、結果、そして考察から構成されています。頭文字をとって、IMRaD (Introduction、Method、Result and Discussion)と呼ばれることもあります。順序だけでなく、各々のセクションをどう書くべきかはある程度決まっており、その原則から外れた書き方をすると、科学論文としての体をなさなくなります。以下、論文の書き方を各セクションごとに説明したYOUTUBE動画やネット上の記事を紹介します。ちなみに、研究者が論文の原稿を書くときにこの順で書き進めるというわけではありません。 論文タイトル Title 論文タイトルは、論文の内容を簡潔に示したものになります。 論文要旨 Abstract 要旨には、限られた文字数の中で背景、目的、方法、重要な結果、結論、意義を含めるようにします。 Titles and abstracts イントロダクション Introduction The Introduction to a research paper needs to convince the reader that your work is important and relevant, frame the questions being addressed, and provide …

科研費申請書を書いたら審査員の目で読み返す

科研費の審査基準や採点方法は明確に定められており、文書化されて一般に公開されています。 研究目的や計画の欄をどう書いたらいいのかわからない人は、逆に、その欄に何がどのように書いてあれば評点が高くなるのかを知れば、通りやすい申請書が書けるかもしれません。 既に申請書を書き上げた人も、審査の手引きの採点項目・採点基準をみながら自分が審査員になったつもりで再度チェックしてみてはいかがでしょうか? 日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業 審査・評価について 審査の手引き : 第1段審査の手引(平成26年度) 基盤研究( S )基盤研究(A・B・C)(審査区分「一般」)若手研究( A ・B )挑戦的萌芽研究 第2段審査の手引(平成26年度) 基盤研究(A・B・C)(審査区分「一般」)若手研究( A ・B )挑戦的萌芽研究 基盤研究「海外学術調査」書面審査の手引(平成26年度) 基盤研究(B・C)「特設分野研究」審査の手引(平成26年度) 「奨励研究」書面審査の手引(平成26年度) 「研究成果公開促進費(研究成果公開発表・学術図書・データベース)」書面審査の手引(平成26年度) 「研究成果公開促進費(国際情報発信強化)」書面審査の手引(平成26年度) 「研究活動スタート支援」書面審査の手引(平成26年度) 科学研究費補助金「新学術領域研究」の審査要綱 平成27年 8月10日一部改正 (mext.go.jp) 参考 誰も教えてくれなかった”通る”科研費申請書の書き方 はじめての科研費申請に役立つウェブサイト