英語プレゼントレーニング「遺伝研メソッド」の普及 出張講義サービスも

      2019/04/16




大学院における英語教育の実情

平成24年の報告書ですが、日本の大学院では研究者になるために必要な実践的な英語教育がほとんど行われていないという実態が明らかにされています。

大学院レベルで,英語が使える研究者を養成する教育プログラムを提供されたことがありますか。
ない:274(86%)
ある:46(14%)

(参考 ⇒ 報告書(アンケート調査)日本の研究者と英語の必要性:日本の高等教育研究機関における英語サポートプログラム構築のために 平成24年9月28日 﨑村耕二 深田智 河野亘 PDF)

そのため、実験で忙しくしている大学院生やポスドクは、学会発表、セミナー、論文執筆に必要な英語力を系統だてて効率よく学ぶチャンスがありません。

 

大学院における英語教育の取り組みの実例

最近、大学院生や研究者のための英語プレゼン技法「遺伝研メソッド」なるものを紹介するセミナーが全国各地の大学等で開催されているのをネットで見かけるようになりました。「遺伝研メソッド」のベースとなっているのは、遺伝研(国立遺伝学研究所)の大学院生向けの実践的な講義内容であり、それを書籍化したものも販売されています。

遺伝研メソッドで学ぶ科学英語プレゼンテーション[動画・音声付き]
感じる力、考える力、討論する力を育てる
著者 平田 たつみ (著者) タジ・ ゴルマン (著者) 広海 健 (著者)
発売日 2016/01/28 価格 3600円(税別)  発行:dZERO → 出版社商品紹介サイト

 

遺伝研メソッドを読んで

自分もこの書籍を読んでみました。英語やプレゼンテーションの本は探してみると既にたくさん出版されていますが、この本が他書と違うところは、プレゼンにとどまらずに研究の進め方を考えさせられる点でしょう。研究成果のプレゼンの内容は、自分の研究における思考過程そのものですから、当然そうなるわけで、両者は切り離して考えることなんてできないのです。良いプレゼンとは何かを悩み始めれば、必然的に、本来なら良い研究をどのように進めてくるべきだったのかという反省を強いられます。いかにして研究を進めるべきか、そのへんの脳を強く刺激してくれる本でした。放置型のラボにいる大学院生がこの本を手にすれば、強力な指導教官を手に入れたも同然というと言い過ぎでしょうか。まあ、本の内容をどれだけ取り出せるかは、結局、読み手、使い手の意欲・能力次第でしょう。よっぽど優秀な人は別として、多くの大学院生にとっては一読して消化吸収するにはあまりに大変な内容なので、実際に学会発表やセミナーを多少経験した若手研究者あたりが、一番得るものが多い本だと思いました。

 

英語プレゼン実践の出張講義サービス

日本の多くの大学院では、科学英語教育がほとんどカリキュラムに組まれていません。これは、適任の講師がいなかったりカリキュラムが開発されていないせいでしょう。そのようなニーズにこたえるべく、遺伝研メソッドの著者らは、科学英語プレゼンテーションの講義を全国の大学や研究教育機関へ「出前」するサービスを提供しているようです。2日間コースが基本で、実践練習などが含まれているみたいです。どうしても2日間で開催できない場合には、1日に濃縮したコースもあるそう(下記リンク参照)。独自のカリキュラムは持っていないが、大学院生や若手研究者の英語力アップを真剣に考える大学関係者の方は、このようなサービスの利用を検討されてみてはいかがでしょうか?

  1. 「遺伝研メソッド」科学英語プレゼンテーションの出前研修 ご案内PDF
  2. 高エネルギー加速器研究機構 英語プレゼンテーション短期コース 講演者 Dr. Todd Gorman

(*イメージ図です)

 

遺伝研メソッドの普及を目指して、執筆者自身によるセミナーも開催されています。

 

過去に開催された遺伝研メソッドのセミナー

  1. 東京大学
  2. 東邦大学
  3. 筑波大学
  4. 静岡大学
  5. 京都大学
  6. 大阪大学
  7. 神戸大学
  8. 広島大学
  9. 熊本大学
  10. 長崎大学
  11. 情報システム
  12. 統計数理研究所
  13. 第57回⽣命科学夏の学校
  14. 第3回学術英語学会研究大会
  15. その他、国内外多数

 


 - 研究力強化, 研究プレゼンテーションのやりかた