Category Archives: 科研費

不採択になる科研費計画調書を書くためのポイント10個

必ず採択される科研費申請書を作成するのは難しいと思います。やはりライバルが強い審査分野だと、完璧な申請書であっても論文業績で勝てなかったりして不採択になる可能性があります。しかし、こう書いたら必ず落とされるだろうという申請書があります。そんな、採択されない科研費計画調書の書き方を考えてみます。

 

1.計画調書のページが空白だらけで中身がスカスカ

法令の遵守に関するページは、実験方法によってはほとんど書くことがないかもしれませんが、研究目的や計画のページがスカスカで半ページ以上も空白があったりしたら、やる気がないものとみなされて即落とされると思います。そんな申請書を出す人がいるのか?と不思議に思うかもしれませんが、最初から通るつもりがないのに出すだけ出す人がいるそうです。大学に出すことを義務付けられていたり、出せばとりあえず大学からの評価が上がるような場合に、こういう馬鹿げたことが起きます。採択されたいという気持ちがない人は申請するのは止めましょう。審査委員の方には申し訳ないですし、大学の恥になるだけです。

 

2.指示に従わずに書く

いまどきの科研費の計画調書は、この欄にはこれこれを書きなさいとという指示が至れり尽くせりの細かさです。それは審査委員が評点をつけやすいようにという配慮があるのだと思います。ですから、その指示を無視して、書くべきことを書くべきセクションに書いていないと、評点をつけにくくなるので、結果として評価が下がるでしょう。

正直言って、現在の科研費計画調書のセクション分けが良いとも思えないのですが(内容のダブり、順序の点で)、審査の手引きなどを参照し、評点の付けられ方を意識しながらうまく書くしかありません。

 

3.論理が破綻している

論理の破綻は、計画調書の中でいろいろな形で現れます。例えば、学術的な問いに答えるための研究目的なのに、全然問いに答える目的が設定されていない。あるいは、研究目的を達成するための研究計画なのに、その研究計画に則って実験して仮に成果を得たとしても、研究目的を達成することにはならない、つまり目的と計画にズレがあるといった具合です。

「相関関係」と「因果関係」の区別が全くついていない人も即、不採択になることでしょう。因果関係を明らかにするのが研究目的だといいつつ、相関関係しかわからないような研究計画だと、採択のしようがありません。

 

4.日本語が破綻している

日本人だから正しい日本語が書けると思ったら大間違い。人間は思い込みの動物ですから、うっかりヘンな日本語を書いていても自分ではなかなか気づけないのです。「本研究の目的は~する。」といった文を平気で書いていると、研究能力を疑われます。「本研究の目的は、~することである。」などと、主語と述語はきちんと対応させないといけません。誤字脱字も論外です。自分が書いた文章を見直しもせずに、忙しい審査委員に読ませる気だとしたら、そうとう傲慢な態度ですからバッサリ切り捨てられても文句をいえないでしょう。

 

5.計画が単純すぎる

研究目的を達成するために何をするのか、を研究計画の欄に書くわけですが、実験のアイデアが一つしかないとそれがポシャったらお終いです。実験なんてほとんどが期待通りにいかないわけですから、アプローチが一つしか書かれていないと目的を達成するのは無理だろうと思われます。やはり、いろいろな実験的アプローチを用意して、どれかがダメでもどれかが上手くいって、結果として設定した研究目的は達成できるということを審査委員に納得させなければなりません。

 

6.不要なものが存在する

どんなに思い入れのある過去の研究成果だったとしても、今回の研究計画に無関係なのであれば紹介する必要はありません。無駄なものを書くと、きれいなストーリーにならないので、計画調書の説得力が落ちます。

図も要注意です。その図を載せることで何を伝えたいのか?この質問に答えられないのなら、その図は不要です。不要な図を載せていると、空白を埋めるための安易な行動だとみなされるか、論理的にモノを考えられない人だと思われるのがおちです。

 

7.予備実験データを見せない

科研費の審査では、研究計画の実現可能性があるかないかが問われます。いくら素晴らしい研究計画であってもその実現可能性を裏付けるような予備実験データがないことには、信じようがありません。世の中には口だけ達者な人がいくらでもいますから、根拠を示さないとダメでしょう

 

8.業績欄に業績を書かない

2018年度科研費までは「業績欄」というものがありました。ところが、2019年度から名前が変わり、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」となっています。このセクションの呼び方がぼんやりしてしまったので、2019年度以降の様式しか見たことがない研究者は、業績欄と言われてもピンとこないかもしれません。

研究計画の実現可能性を測るために、審査委員は研究業績(パブリケーション)が申請者にどれくらいあるかを非常に気にします。計画調書を頭から読まずに、真っ先に業績欄をチェックする審査委員も少なくありません。それほど重要な業績欄なのですが、科研費申請の初心者の人で、業績欄に業績を書いていない人がいます。ファーストオーサーの英文査読付き論文が一番重要ですが、共著でもいいし、学会発表でも、なんでも書きましょう。空白にしておくのが一番まずいです。何も研究をやっていない人とみなされます。もちろん、論文業績がたくさんある人は、学会発表を書くスペースがなくなるでしょうから書く必要はありません。

 

9.審査のポイントを知らずに書いている

審査員には「審査の手引き」があり、そこには、評点の付け方が示されています。申請書を書く側からすれば、これを利用しない手はありません。おのおののポイントを落とさないような書き方をすれば良いのです。

審査の手引(平成31(2019)年度)(JSPS)

基盤研究(B・C)(一般)、若手研究(PDF)

 

10.学術用語を正しく使えていない

人間は使う言葉で判断されます。研究者の世界では学術用語が正しく使えていない人は、研究者ではないと判断されるでしょう。

 

こちらの記事もどうぞ ⇒採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

令和2年度(2020年度)科研費公募要項が発表、計画調書のダウンロードも始まる

9月と言えば科研費公募開始の時期です。9月1日付けで公募要項が発表されました。

令和2(2020) 年度科学研究費助成事業-科研費-の公募について (JSPS)

計画調書のダウンロードは可能になりましたが、科研費電子申請システム上で記入できるようになるのは、9月13日(金)からの予定です(参考PDF)。

 

科研費の締切日

科研費の最後の最後の締め切りは11月7日16:30ですが、研究者が個人的に送信するのでなく、所属する大学の事務が送信を行いますので大学が設定した締め切りを厳守する必要があります。どこの大学でもこの最終締め切りよりも1週間くらい前が大学としての最終締め切りになっていることと思います。

応募書類の提出(送信)期限・提出先 特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究 令和元(2019) 年11月7日(木)午後4時30分(厳守) ※上記期限までに本会電子申請システムにより送信すること。https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/02_koubo/index.html

 

公募要領・研究計画調書等のダウンロード

令和2年度の科研費の公募要項と計画著書のダウンロードサイトはこちらです。

公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ(JSPS)

 

今年度の主な変更点

「応募者の研究遂行能力及び研究環境」というセクションは、かつての「業績欄」に相当しますが、昨年度はここの書き方で悩んだ人も多かったようです。そのため、今年はかなり具体的な指示が示されています。下の留意事項の2番目ですが、業績が同定できるように書きなさいという指示が加わりました。雑誌名やページ数を書くかどうかで研究者によってかなり記載方法がバラついていましたが、やはりページ数まで書いて同定可能にしたほうが良いようです。審査委員によっては、論文が本当に出ているかどうか、研究計画に本当に関連した内容の論文かどうかを厳しくチェックしますから、詳細情報がなくて調べがつかない場合には信憑性に問題が生じます。

※留意事項
1. 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、
本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記
載すること。
2. 研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。
例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、
著書の場合はその書誌情報、など。
3. 論文は、既に掲載されているもの又は掲載が確定しているものに限って記載すること。
4. 本留意事項(斜体の文書)は、研究計画調書の作成時には削除すること。

(引用元:https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/data/r02/zentai_kiban_c.pdf) 太字強調は当サイト

 

researchmapについて

業績欄が無くなったことに対応して、”リサーチマップを審査委員が参照してもよい”ということになりました。原則として計画調書で審査されることになってはいますが、審査委員がリサーチマップを参照したときにどのような心証を与えるかで、採択のボーダーラインを越えられるかどうかが変わってこないとも限りません。せっかくですから、業績欄を見やすくしたり、その人となり、研究の興味が分かりやすく伝わるようにしておきたいものです。登録方法や業績のインポート方法などについては、下のガイドをご覧ください。

researchmapについて(JSPS)

 

科研費計画調書の書き方に関する関連記事は、こちら:

令和2年度(2020年度) 採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

令和2(2020)年度科研費公募の変更点のお知らせがJSPSウェブサイトに掲載される

令和2(2020)年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る制度改善等について」という文書が、2019年8月9日にJSPSウェブサイトに掲載されました。これを読むと、2020年度科研費(2019年9月1日公募開始)の変更点がわかります。

業績欄には業績を書く

平成31(2019)年度公募では、「研究業績」欄が「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更されたため、どう書けばいいの?と多くの研究者に戸惑いを与えました。それを受けて、研究計画調書における研究業績の記載方法に関する、より具体的な指示が今回付け加えられました。もともと「業績欄」だった「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄には、研究業績を書いていいという、当たり前のことの確認です。

1. 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記載すること。

2.研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、著書の場合はその書誌情報、など。

(太字強調は当サイト)

計画調書において引用文献を示すときに(だれそれ、XXXX年)のような曖昧な書き方をすると、どの論文を指すのかが同定できません。雑誌名まで書いても、同姓の人がいるのでやはり曖昧です。今回、頁数まで書くなどして「同定するに十分な情報を記載すること」という指示が加わったのは、どれくらい詳しく文献を書けばよいのか?というみんなの疑問を解消する、良い指示だと思います。

 

新学術領域の廃止とそれに代わる制度の創設

「新学術領域研究(研究領域提案型)」の新規の研究領域については、令和2(2020)年度は公募が行われないことになりました。新規の立ち上げはなくなりますが、継続の研究領域(平成29(2017)年度及び令和元(2019)年度採択領域)の公募は、今年も行われます。

新学術の廃止は大きな変化ですが、後継の制度として、「学術変革領域研究」が創設されます。これは、以前、すでに公表されていました。「学術変革領域研究」の公募開始時期は、令和2(2020)年1月以降を予定とのこと。

創設されるのは、助成金額や研究期間等に応じて、「学術変革領域研究(A)」と「学術変革領域研究(B)」の2つ。「学術変革領域研究(A)」は、新学術領域研究(研究領域提案型)の後継です。新たに設けられる「学術変革領域研究(B)」は、より挑戦的かつ萌芽的な研究に小規模・少人数で短期的に取り組み、将来の「学術変革領域研究(A)」への展開が期待されるものとされています。

「学術変革領域研究」の重複制限

○「学術変革領域研究(A)」の重複制限は、従来の「新学術領域研究(研究領域提案型)」における重複制限と同様。
○「学術変革領域研究(B)」の重複制限は、従来の「新学術領域研究(研究領域提案型)」における重複制限を基本としつつ、研究種目の趣旨等を踏まえ、区分(A)と比較して次のとおり重複制限を緩和。

【重複応募・受給を認めるもの】
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者と「基盤研究(S)」の研究代表者
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者及び計画研究代表者と「挑戦的研究(開拓)」の研究代表者
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者と「特別推進研究」の研究分担者

 

さらなる若手研究者優遇政策

若手優遇の傾向が、今回の制度変更にも見られます。若手研究者の挑戦機会の拡大のために重複制限の緩和が行われるとのこと。

「若手研究(2回目)(※)」と「基盤研究(S・A・B)」との重複応募制限の緩和

(※)令和2(2020)年度公募においては、「若手研究(1回目)」を受給中で本年度が研究計画の最終年度の者、又は過去(平成30(2018)年度以前)に1度「若手研究」を受給し終わった者のうち、「若手研究」の応募資格を満たす者が応募する「若手研究」。なお、「若手研究」には、「若手研究(S・A・B)」を含む。

(注)「若手研究(2回目)」と「基盤研究(S・A・B)」との重複受給はできません(両方採択された場合は「基盤研究(S・A・B)」を優先。)。

 

研究活動スタート支援の重複受給制限緩和

・令和元(2019)年度以前に「研究活動スタート支援」に採択され、令和2(2020)年度も当該研究課題が継続する者が、令和2(2020)年度公募において基盤研究等に応募し採択された場合、重複して受給が可能です。

 

重複制限の緩和

他にも、一部の重複制限が緩められました。

・従来、「基盤研究(B)」と「挑戦的研究」との重複応募については、「挑戦的研究(萌芽)」のみが認められていたところ、令和2(2020)年度公募からは「挑戦的研究(開拓)」との重複応募、重複受給も可能です。
・あわせて、「挑戦的研究(開拓)」については、令和2(2020)年度から基金化することを予定しています。

 

参考

 

 

 

平成31年度(2019年度)科研費申請書の変更点まとめ

研究計画調書変更の衝撃

平成31年度(2019年度)の科研費(2018年の秋に申請、2019年春に採択通知、交付)では、研究計画調書の様式が劇的に変わりました。一番大きな変化は、「論文業績欄」のための欄が消えて、「研究者の遂行能力」を示す欄にとって代わられたことです。論文業績といえば、審査の際に最重要視される部分ですから、このセクションが突然変更されたっために一体何をどう書くのが正解なのかと思い悩んだ人が数多かったようです。また、概要を10行程度で書けという指示もなくなったため、何行くらいで書けばよいのか?と悩んだ人もいたはずです。

 

研究計画調書変更はいつ知らされるのか?

科研費の公募は通常9月の始めなので、2019年9月になってから申請書の様式を見て驚いた人が多いと思いますが、このような大きな変更はいつ周知されたのでしょうか?ネットで見ると実は8月の上旬にお知らせがなされていたことがわかります。

事務連絡

平成30年8月9日

科学研究費助成事業研究機関担当者殿

文部科学省研究振興局学術研究助成課

独立行政法人日本学術振興会研究事業部

平成31年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る変更等について

(今回予定している研究計画調書の変更)
○ 研究計画調書における「研究代表者および研究分担者の研究業績」欄について、評定要素に合わせ、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更する。

(引用元:2018年08月09日平成31年度科学研究費助成事業の研究計画調書について

その年にどんな変更があるかは8月上旬に日本学術振興会(JSPS)のホームページのお知らせ欄チェックしておくのが大事なようです。自分でチェックしなくても研究機関の事務担当者宛にこのお知らせは送付されているので、事務の科研費担当者から学内に周知されたはずですが。

 

研究計画調書変更はどう伝わるのか?

世の中には前年度の様式をうっかり使ってしまう研究者もいるくらい、研究者は様式など事務的なことに弱いようです。そんな研究者に大事なことはどう伝わっていくものなのでしょうか?今時、ツイッターは情報拡散ツールとして大きな社会的役割を果たしていると思います。

 

後はやはり研究者間での口コミでしょう。研究者同士の雑談は情報伝達の重要な手段です。

書籍の出版は、科研費制度の変更になかな追いつかないのですが、科研費関連書籍のウェブサイトでは最新情報が逐次アップデートされるので、頼りになります。

科研費獲得の方法とコツ 速報科研費獲得応援ページ 羊土社

 

平成31年度科研費研究計画調書の変更点などのまとめ

  1. 研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄が、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更
  2. 研究分担者の承諾書面での承諾から、科研費電子申請システム上で承諾を行うことに変更
  3. 審査の際には、必要に応じて審査委員が、researchmap 及び科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を参照することに

(参考:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/__icsFiles/afieldfile/2018/08/31/1408714_01.pdf

 

令和2年度(2020年度)の科研費

さて、令和2年の科研費ではどんな変更があるのでしょうか?新学術に関して劇的に制度が変更されることは、すでに公表されています

⇒ 【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

 

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表される

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表されました。

研究期間 (年度) は、2019-06-28 – 2024-03-31です。

研究課題名 研究代表者
超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 高谷 直樹 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授
人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域代表者 石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 岡田 康志 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授
「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究 津本 浩平 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 太田 順 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授
高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用 岩田 想 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 教授
多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授
全能性プログラム:デコーディングからデザインへ 小倉 淳郎 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他
マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 小松 雅明 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学 入山 恭寿 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学 田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 教授
地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 井上 邦雄 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授
水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 加藤 隆史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
機能コアの材料科学 松永 克志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot 野中 正見 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, その他
量子液晶の物性科学 芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授
出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 松本 直子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授

(出典:KAKEN)

平成22年度(2010年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

研究期間が平成22年度(2010年度)~平成26年度(2014年度)年度の新学術領域(研究提案型)のまとめ。中間報告書作成&中間審査が平成24年度(2012年度)、最終報告書作成&最終審査が平成27年度(2015年度)に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-など。

平成22年度科学研究費補助金「新学術領域研究(研究領域提案型)」新規採択研究領域一覧(36領域)

*とりあえず生命科学系だけPDFリンクを。他はKAKENデータベース参照のこと。

審査希望区分 研究領域名 領域代表者 研究機関・所属・職 領域番号 研究期間 ニュースレター 中間評価報告書 事後評価報告書
人文・社会系 ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 赤澤 威 高知工科大学・総合研究所・教授

1201

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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理工系 バルクナノメタル -常識を覆す新しい構造材料の科学 辻 伸泰 京都大学・大学院工学研究科・教授

2201

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象 前野 悦輝 京都大学・大学院理学研究科・教授

2202

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス 押山 淳 東京大学・大学院工学系研究科・教授

2203

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発 茶谷 直人 大阪大学・大学院工学研究科・教授

2204

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 中村 尚 東京大学・大学院理学系研究科・准教授

2205

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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融合マテリアル:分子制御による材料創成と機能開拓 加藤 隆史 東京大学・大学院工学系研究科・教授

2206

22~26年度

 

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生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 及川 英秋 北海道大学・大学院理学研究院・教授

2207

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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電磁メタマテリアル 萩行 正憲 大阪大学・レーザーエネルギー学研究センター・教授

2208

22~26年度

 

KAKENデータベース検索

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生物系 シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成 (KAKEN) 岡澤 均 東京医科歯科大学・難治疾患研究所・教授

3201

22~26年度

 

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成 (KAKEN) 宮田 卓樹 名古屋大学・大学院医学系研究科・教授

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がん微小環境ネットワークの統合的研究 (KAKEN) 宮園 浩平 東京大学・大学院医学系研究科・教授

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細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング (KAKEN) 松田 道行 京都大学・大学院生命科学研究科・教授

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感染・炎症が加速する発がんスパイラルとその遮断に向けた制がんベクトル変換 (KAKEN) 畠山 昌則 東京大学・大学院医学系研究科・教授

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メゾスコピック神経回路から探る脳の情報処理基盤 (KAKEN) 能瀬 聡直 東京大学・大学院新領域創成科学研究科・教授

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生命応答を制御する脂質マシナリー (KAKEN) 横溝 岳彦 九州大学・大学院医学研究院・教授

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翻訳後修飾によるシグナル伝達制御の分子基盤と疾患発症におけるその破綻 (KAKEN) 井上 純一郎 東京大学・医科学研究所・教授

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多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明 (KAKEN) 北村 俊雄 東京大学・医科学研究所・教授

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大地環境変動に対する植物の生存・成長突破力の分子的統合解析 (KAKEN) 馬 建鋒 岡山大学・資源植物科学研究所・教授

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植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで (KAKEN) 長谷 あきら 京都大学・大学院理学研究科・教授

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細胞シグナリング複合体によるシグナル検知・伝達・応答の構造的基礎 (KAKEN) 箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学研究科・教授

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血管-神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構 (KAKEN) 高橋 淑子 奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス科・教授

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神経細胞の多様性と大脳新皮質の構築 (KAKEN) 山森 哲雄 基礎生物学研究所・脳生物学研究部門・教授

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3次元構造を再構築する再生原理の解明 (KAKEN) 阿形 清和 京都大学・理学研究科・教授

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ゲノムアダプテーションのシステム的理解 (KAKEN) 篠原 彰 大阪大学・蛋白質研究所・教授

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22~26年度

 

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食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明 (KAKEN) 寒川 賢治 国立循環器病研究センター・研究所・研究所長

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ミクロからマクロへ階層を超える秩序形成のロジック (KAKEN) 武田 洋幸 東京大学・大学院理学系研究科・教授

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複合適応形質進化の遺伝子基盤解明 (KAKEN) 長谷部 光泰 自然科学研究機構・基礎生物学研究所・教授

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パーソナルゲノム情報に基づく脳疾患メカニズムの解明 (KAKEN) 辻 省次 東京大学・医学部附属病院・教授

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癌幹細胞を標的とする腫瘍根絶技術の新構築 (KAKEN) 赤司 浩一 九州大学・医学研究院・教授

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ゲノム複製・修復・転写のカップリングと普遍的なクロマチン構造変換機構 (KAKEN) 花岡 文雄 学習院大学・理学部・教授

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22~26年度

 

 

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性差構築の分子基盤 (KAKEN) 諸橋 憲一郎 九州大学・大学院医学研究院・教授

3223

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先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究 (KAKEN) 笹月 健彦 九州大学・高等研究院・特別主幹教授

3224

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複合領域 システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発 (KAKEN) 宮野 悟 東京大学・医科学研究所・教授

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質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 (KAKEN) 小松 英彦 自然科学研究機構・生理学研究所・教授

4202

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統合的多階層生体機能学領域の確立とその応用 (KAKEN) 倉智 嘉久 大阪大学・大学院医学系研究科・教授

4203

22~26年度

 

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参考

  1. 平成27年度「新学術領域研究(研究領域提案型)」に係る審査概況とその検証結果

 

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    平成23年度(2011年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

    研究期間が平成23年度(2011年度)~平成27年度(2015年度)年度の新学術領域(研究提案型)のまとめ。中間報告書作成&中間審査が平成25年度(2013年度)、最終報告書作成&最終審査が平成28年度(2016年度)に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-など。

    「平成28年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベース上の「報告書」欄に掲載されています。

    審査希望区分 研究領域名 領域代表者 所属機関・所属・職 領域番号 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
    人文・社会系 法と人間科学 仲 真紀子 北海道大学・文学研究科・教授

    1301

     

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    理工系 天然物ケミカルバイオロジー:分子標的と活性制御 上田 実 東北大学・大学院理学研究科・教授

    2301

     

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    太陽系外惑星の新機軸:地球型惑星へ 林 正彦 東京大学・大学院理学系研究科・教授

    2302

     

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    先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学~真空と時空への新たな挑戦 浅井 祥仁 東京大学・大学院理学系研究科・准教授

    2303

     

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    有機分子触媒による未来型分子変換 寺田 眞浩 東北大学・大学院理学研究科・教授

    2304

     

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    超高速バイオアセンブラ 新井 健生 大阪大学・基礎工学研究科・教授

    2305

     

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    ナノメディシン分子科学 石原 一彦 東京大学・大学院工学系研究科・教授

    2306

     

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    超低速ミュオン顕微鏡が拓く物質・生命・素粒子科学のフロンティア 鳥養 映子 山梨大学・医学工学総合研究部・教授

    2307

     

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    シンクロ型LPSO構造の材料科学ー次世代軽量構造材料への革新的展開ー 河村 能人 熊本大学・自然科学研究科・教授

    2308

     

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    生物系 統合的神経機能の制御を標的とした糖鎖の作動原理解明 門松 健治 名古屋大学・大学院医学系研究科・教授

    3301

     

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    脳内環境:恒常性維持機構とその破綻 高橋 良輔 京都大学・医学研究科・教授

    3302

     

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    上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 菊池 章 大阪大学・大学院医学系研究科・教授

    3303

     

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    ゲノム・遺伝子相関:新しい遺伝学分野の創成 高山 誠司 奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス研究科・教授

    3304

     

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    ゲノムを支える非コードDNA領域の機能 小林 武彦 国立遺伝学研究所・細胞遺伝研究系・教授

    3305

     

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    少数性生物学ー個と多数の狭間が織りなす生命現象の探求ー 永井 健治 北海道大学・電子科学研究所・教授

    3306

     

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    生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御 深水 昭吉 筑波大学・生命環境科学研究科・教授

    3307

     

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    マトリョーシカ型進化原理 野崎 智義 国立感染症研究所・寄生動物部・部長

    3308

     

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    複合領域 精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学 笠井 清登 東京大学・医学部附属病院・教授

    4301

     

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    動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 岡本 正宏 九州大学・農学研究院・教授

    4302

     

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    予測と意思決定の脳内計算機構の解明による人間理解と応用 (KAKEN) 銅谷 賢治 独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構・神経計算ユニット・代表研究者

    4303

     

     

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      平成25年度(2013年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

      研究期間が平成25年度(2013年度)~平成29年度(2017年度)年度の新学術領域(研究提案型)のまとめ。中間報告書作成&中間審査が平成27年度(2015年度)、最終報告書作成&最終審査結果が平成30年度(2018年度)に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-など。

      「平成30年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベース上の「報告書」欄に掲載されています。

      領域番号 審査希望区分 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
       1501  人文・社会系 新興国の政治と経済発展の相互作用パターンの解明  園部 哲史  政策研究大学院大学・政策研究科・教授   KAKEN 
       2501  理工系 生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現  加藤 晃一  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)・岡崎統合バイオサイエンスセンター・教授 HTML KAKEN 
       2502  理工系 ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立成果報告書PDF一覧 佐野 雅己  東京大学・大学院理学系研究科・教授 HTML KAKEN
       2503  理工系 理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学 田原 太平  独立行政法人理化学研究所・田原分子分光研究室・主任研究員 HTML KAKEN
      2504  理工系 ニュートリノフロンティアの融合と進化  中家 剛  京都大学・大学院理学研究科・教授   35頁PDF33頁PDF

      KAKEN

       2505  理工系 ナノ構造情報のフロンティア開拓-材料科学の新展開  田中 功  京都大学・大学院工学研究科・教授   KAKEN
       2506  理工系 原子層科学 齋藤 理一郎  東北大学・大学院理学研究科・教授 HTML 37頁PDF

      KAKEN

       2507  理工系 宇宙における分子進化:星間雲から原始惑星系へ  香内 晃  北海道大学・低温科学研究所・教授   KAKEN
       2508  理工系 3次元半導体検出器で切り拓く新たな量子イメージングの展開  新井 康夫  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・教授   KAKEN
       2509  理工系 分子アーキテクトニクス:単一分子の組織化と新機能創成  夛田 博一  大阪大学・大学院基礎工学研究科・教授 HTML KAKEN
       3501  生物系 オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで  水島 昇  東京大学・大学院医学系研究科・教授   KAKEN
       3502  生物系 生殖細胞のエピゲノムダイナミクスとその制御  篠原 隆司  京都大学・大学院医学研究科・教授   KAKEN
       3503  生物系 植物発生ロジックの多元的開拓  塚谷 裕一  東京大学・大学院理学系研究科・教授   KAKEN
       3504  生物系 動物における配偶子産生システムの制御  小林 悟  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)・岡崎統合バイオサイエンスセンター・教授   KAKEN
       3505  生物系 多様性から明らかにする記憶ダイナミズムの共通原理  齊藤 実  公益財団法人東京都医学総合研究所・運動・感覚システム研究分野・参事研究員 HTML KAKEN
       3506  生物系 動的クロマチン構造と機能  胡桃坂 仁志  早稲田大学・理工学術院・教授   KAKEN
       3507  生物系 グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態  池中 一裕  生理学研究所・分子生理研究系・教授   KAKEN
       4501  複合領域 共感性の進化・神経基盤  長谷川 壽一  東京大学・大学院総合文化研究科・教授   KAKEN
       4502  複合領域 こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて―  北澤 茂  大阪大学・大学院生命機能研究科・教授   KAKEN
       4503  複合領域 スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成  岡田 真人  東京大学・大学院新領域創成科学研究科・教授 HTML KAKEN

       

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        平成24年度(2012年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

        研究期間が平成24年度~平成28年度の新学術領域(研究提案型)のまとめです。中間報告書作成&中間審査が平成26年度、最終報告書作成&最終審査結果が平成29年度に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-などとつけられるようです。

        「平成29年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベースの「報告書」欄にありました。

        新学術領域のウェブサイトはすでに閉鎖されてしまっているところもあり、学術的にも広報的にも価値が高いのに、非常にもったいないと思います。永続的に閲覧可能にしてほしいものです。

         

         【人文・社会系委員会審査分】

        領域番号 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
        1401 現代文明の基層としての古代西アジア文明―文明の衝突論を克服するために― 常木 晃 筑波大学・人文社会科学研究科(系)・教授 KAKEN

         【理工系委員会審査分】

        領域番号 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
        2401 元素ブロック高分子材料の創出(文部科学省 中條 善樹 京都大学・工学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
        2402 重力波天体の多様な観測による宇宙物理学の新展開 中村 卓史 京都大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
        2403 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 萩谷 昌己 東京大学・情報理工学(系)研究科・教授 KAKEN
        2404 実験と観測で解き明かす中性子星の核物質 田村 裕和 東北大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
        2405 多面的アプローチの統合による計算限界の解明 渡辺 治 東京工業大学・情報理工学(系)研究科・教授 KAKEN
        2406 人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換:実用化に向けての異分野融合 井上 晴夫 首都大学東京・都市環境科学研究科・教授 KAKEN
        2407 プラズマ医療科学の創成 堀 勝 名古屋大学・工学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
        2408 感応性化学種が拓く新物質科学 山本 陽介 広島大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
        2409 福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究 恩田 裕一 筑波大学・生命環境科学研究科(系)・教授 KAKEN

         【生物系委員会審査分】

         領域番号  研究領域名 領域代表者  所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
         3401  免疫四次元空間ダイナミクス 高濱 洋介  徳島大学・疾患ゲノム研究センター・教授 KAKEN
         3402 ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム (archive.is) 岩井 一宏  京都大学・医学(系)研究科(研究院)・教授 PDF

        KAKEN

         3403 シリア・中心体系による生体情報フローの制御(文部科学省 濱田 博司  大阪大学・生命機能研究科・教授 PDF

        KAKEN

         3404 植物細胞壁の情報処理システム 西谷 和彦  東北大学・生命科学研究科・教授 KAKEN
         3405 ウイルス感染現象における宿主細胞コンピテンシーの分子基盤 永田 恭介  筑波大学・医学医療系・教授 リンク KAKEN
         3406 マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出 喜田 聡  東京農業大学・応用生物科学部・教授 リンク PDFPDF KAKEN
         3407 運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性動画 宮田 真人  大阪市立大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
         3408 高精細アプローチで迫る転写サイクル機構の統一的理解 山口 雄輝  東京工業大学・生命理工学研究科・准教授 KAKEN

        【複合領域委員会審査分】

         領域番号  研究領域名 領域代表者  所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
         4401 構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解- 國吉 康夫  東京大学・情報理工学(系)研究科・教授 KAKEN
         4402  生物多様性を規範とする革新的材料技術(文部科学省 下村 政嗣  東北大学・原子分子材料科学高等研究機構・教授 KAKEN
         4403 新海洋像:その機能と持続的利用 古谷 研  東京大学・農学生命科学研究科・教授 KAKEN

         

         

         

         

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          2019年度の科研費新規採択率が発表される~若手40.0%、基盤(B)29.2%の記録的高さ~

          2019年度の科研費採択率が発表されています。若手研究は以前はAとBがありましたが、今はAがなくなり、Bに相当するものが「若手研究」として残っています。若手研究の採択率が今年度40.0%(前年度は30.7%)という高さなのが目を引きます。これは「若手研究」に予算が増額された措置によるものだそうです。また、基盤研究(B)も前年度の25.6%から今年度29.2%と大幅にアップしています。これも同様の措置がが取られたということのようです。

           

          2019年度の科研費新規採択率

          科研費審査結果一覧(令和元年度 新規採択分 速報値 5月現在)

          ()内は、前年度2018年度の数値です。

          研究種目 応募件数 採択件数 採択率(%)
          特別推進研究 106 (105) 12 (12) 11.3(11.4)
          新学術 3522 (4422) 809 (857) 23.0 (19.4)
          基盤研究(A) 2412 (2454) 605 (605) 25.1 (24.7)
          基盤研究(B) 11396 (11577) 3327 (2965) 29.2 (25.6)
          基盤研究(C) 45758 (43587) 12918 (12175) 28.2 (27.9)
          若手研究 19590 (20369) 7831 (6256) 40.0 (30.7)

          (出典:2019年5月22日 研究費部会 配布資料2-1)

           

          科研費採択率に関するツイッター上の声

          科研費採択率はどれくらいが適切なのかは論議の的になっています。


           

          科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
          科研費 採択される3要素 第2版
          いかにして研究費を獲得するか

          参考

          1. 第10期研究費部会(文部科学省)

           

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          【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

          現在、文科省の研究費部会では科研費「新学術領域研究」を見直すための議論が行われています。2019年(令和元年)5月22日に文部科学省において第10期研究費部会(第2回)が開催され、現時点での構想が明らかにされました。新学術はだいぶ制度が変わるようです。

          仮称ですが、「学術変革領域研究」と変更され、助成金額や研究機関などの規模の違いで(A)と(B)の2つに分かれます。(A)はこれまでの新学術領域研究に近い内容ですが、(B)は若手向けに新設されたもので、「公募研究」は無く、研究グループ数も3~4つ、応募金額上限が5000万円という規模で、研究成果をあげて(A)へステップアップすることが期待されています。

          学術変革領域研究(A)は従来の新学術領域研究を踏襲しているように思えますが、審査区分から「複合領域」が廃止されました。また”真に必要な場合”には、従来の応募金額の上限を超えるものも認めるとしています。最も大きな変更点は、年齢制限を加えたことでしょう。若手研究者を支援するためという意図をかなり全面に押し出した制度変更のようです。

           

          新学術領域研究の主な変更

            これまでの新学術領域研究 学術変革領域研究(A) 学術変革領域研究(B)
          規模     3~4研究グループ。将来(A)への展開が期待される研究
          応募金額 1000万円~3億円程度 現行の新学術領域研究を踏まえて措置 5000万円まで
          公募研究 有り 有り 無し
          審査区分 4系(人文・社会系、理工系、生物系、複合領域) 3系(人文・社会系、理工系、生物系) 3系(人文・社会系、理工系、生物系)
          計画研究の年齢の条件   若手から中堅の研究者(45 歳以下の研究者を想定)を研究代表者とする計画研究が、少なくとも複数含まれる領域構成とする 若手から中堅の研究者(45 歳以下の研究者を想定)
          公募研究の年齢の条件   総採択件数の半数程度が若手研究者(博士の学位を取得後8年未満又は39 歳以下の博士の学位を未取得の研究者を想定)  

          (配布資料3 「新学術領域研究(研究領域提案型)の見直しについて(作業部会における検討状況の経過報告」(PDF)を参考にして一部の情報のみ抜粋して表を再構成)

           

          学術変革領域研究の狙いは何?

          新制度の名称に「変革」という言葉が入り、実際に、「目的」にもそれが明記されています。目的の部分を比較してみると、新しい制度で何を変えたいのかがわかります。新学術では走っているプロジェクトを見てみると、新学術が新しい学問分野の創造を意図していることが明らかだと思いますが、「学術変革領域研究」では、それが明示的に示されました。また、若手育成ということも全面に出ています。

          多様な研究者の共創と融合により提案された研究領域において、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを先導するとともに、我が国の学術水準の向上・強化や若手研究者の育成につながる研究領域の創成を目指し、共同研究や設備の共用化等の取組を通じて提案研究領域を発展させる研究。(学術領域変革研究A 目的)

          多様な研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成、設備の共用化等の取組を通じて発展させる。(新学術領域研究(研究領域提案型)目的)

          (太字強調は当サイト)

           

          ツイッターでみる世間の反応

          新学術に手が加えられる、特に、若手重視の方針が打ちされたことに衝撃を受けた研究者がかなりいたようです。どこのラボでも話題になった模様。ツイッター上の声をいくつか拾って紹介します。

           

           

          参考

          1. 第10期研究費部会(文部科学省)当日配布資料

           

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            2019年4月1日科研費の採択が通知される

            2019年4月1日、科研費の採択が通知されました。科研費採択・不採択に纏わる悲喜こもごものツイートをいくつか紹介します。

            科研費採択・不採択の見分け方

            科研費に採択されるということ

            児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社

            科研費 採択される3要素 第2版
            いかにして研究費を獲得するか

            初めての科研費

            科研費をとりつづけるということ

             

            科研費申請に必要な気概について

            科研費で気を病む人々

             

            科研費の生存者バイアスについて

             

            科研費:若手研究に採択されるということ

            科研費が取れたことのおめでたさについて

             

            科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版
            科研費 採択される3要素 第2版
            いかにして研究費を獲得するか

            科研費:基盤(C)に採択されるということ

            科研費:基盤(B)に通るということ

            科研費はみずもの

            科研費に落ちるということについて


            科研費の申請は秋でその結果がわかるのは翌年4月です。採択されるかされないかで、その年度で何が研究できるのかが大きく変わってしまうので、4月1日を迎えるまでは研究者はそわそわする季節と言えます。

            さて、2019年4月1日にはどんなドラマがあるのでしょうか?ツイッターで科研費に纏わるツイートをいくつか拾って紹介したいと思います。

            2019年の科学研究費の予算

            基礎研究の重要性について

            現政権の考え方は、どうも応用思考のようですが、応用というのは基礎があってこそという当たり前のことが現政権や官僚にはあまり理解されていないようです。サイエンスの本質を理解できている人間が政治の中枢にはあまりいないということなのでしょうか?イノベーションを生み出すものは応用研究だとしても、応用研究というのは基礎研究の成果が前提として必要なわけで、基礎研究を軽視する現在の日本の科学行政の風潮は本当にお先真っ暗としかいいようがありません。

            「目の前の100人を治療する医師も重要だが、将来の100万人の治療に役立つ基礎研究も重要である。」 (京都大学ウイルス研究所 増殖制御学分野 影山研究室影山教授からのメッセージ)

            関連記事⇒ 沼研の伝説的なエピソード (沼正作1929-92)

            平成31年度科研費採択を目指し計画書を書く(ง •̀_•́)ง‼

            さて今年も科研費申請の季節がやってきました。まずは、平成31年度公募要領・計画調書要領・研究計画調書等のダウンロードページに行って、平成31年度科学研究費助成事業「科研費」公募要領(PDF)を読みます。今年は去年までと違って何がどう変更されたのか、PDF4ページめからの<平成31年度公募における主な変更点等>は要チェックです。話題に上っていましたが、研究業績のリストを書く欄がなくなったというのはかなり大きな変更ですね。

            (1)科研費の研究計画調書について、「研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄を「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更する等、様式の見直しを行いました。(31頁参照)研究計画調書の作成に当たっては、公募要領別冊「応募書類の様式・記入要領」を十分確認してください。

            (4)審査の際に審査委員が、researchmap 及び科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を必要に応じて参照することとしまし
            た(93頁参照)

            PDF 4ページ)

            業績リストを書く欄がなくなったことに対応してか、リサーチマップを参考にしますよという注意書きが添えられています。リサーチマップの業績欄をしっかりと作っておく必要がありそうです。

            さて、どの種目の出すかを決める必要がありますが、種目ごとに研究期間と金額が異なりますので身の丈にあった(=研究計画に見合った)種目を選ぶ必要があります。

             

            種目の選択

            新学術領域研究 (研究領域提案型)多様な研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成、設備の共用化等の取組を通じて発展させる(期間5年、1領域単年度当たり 1,000万円~3億円程度を原則とする)

            基盤研究 (S)1人又は比較的少人数の研究者が行う独創的・先駆的な研究(期間 原則5年、1課題 5,000万円以上 2億円以下)
            (A)(B)(C)1人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究
            (A) 3~5年間 2,000万円以上 5,000万円以下
            (B) 3~5年間 500万円以上 2,000万円以下
            (C) 3~5年間 500万円以下 ※応募総額によりA・B・Cに区分

            挑戦的萌芽研究【平成28年度公募分まで】1人又は複数の研究者で組織する研究計画であって、独創的な発想に基づく、挑戦的で高い目標設定を掲げた芽生え期の研究(期間1~3年、1課題 500万円以下)
            挑戦的研究 (開拓)(萌芽)1人又は複数の研究者で組織する研究計画であって、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究 なお、(萌芽)については、探索的性質の強い、あるいは芽生え期の研究も対象とする
            (開拓) 3~6年間 500万円以上 2,000万円以下
            (萌芽) 2~3年間 500万円以下

            若手研究 【平成29年度公募分まで】
            (A)(B)39歳以下の研究者が1人で行う研究
            (A) 2~4年間 500万円以上 3,000万円以下
            (B) 2~4年間 500万円以下 ※応募総額によりA・Bに区分
            【平成30年度公募以降】博士の学位取得後8年未満の研究者(※)が一人で行う研究 なお、経過措置として39歳以下の博士の学位を未取得の研究者が1人で行う研究も対象(※)博士の学位を取得見込みの者及び博士の学位を取得後に取得した産前・産後の休暇、育児休業の期間を除くと博士の学位取得後8年未満となる者を含む (期間2~4年、1課題 500万円以下)

            PDF 9ページ)

            そういえば研究計画調書って「枠」がなくなってたんですね、これは以前ネットでも話題になっていましたが、なんだか枠がないのは落ち着きません。

             

            重複制限

            府省共通研究開発管理システム(以下、「e-Rad」という。)を活用し、「不合理な重複又は過度の
            集中」(5頁注参照)の排除を行うために必要な範囲で、応募内容の一部に関する情報を、他府省を含む他の競争的資金担当課(独立行政法人等である配分機関を含む。)間で共有することとしています。そのため、複数の競争的資金に応募する場合(科研費における複数の研究種目に応募する場合を含む。)等には、研究課題名についても不合理な重複に該当しないことがわかるように記入するなど、研究計画調書の作成に当たっては十分留意してください。(PDF 12ページ)

            国が不合理な重複又は過度の集中の排除を謳うわりには、富める研究者がますます富み、貧富の差が拡大しているように思います。地方大学の教授でも基盤研究費が雀の涙ほどの額(10万円台)でしかなく、しかも競争的外部資金が取れなくて苦労しているという新聞記事がある一方で、中央のメジャーな研究機関や大学では莫大な研究費に恵まれて湯水のごとき使い方をしている印象があったりもします。理研のPIが科研費ももらっているのを見ると、この不公平感は何だろうとモヤモヤします。

            この指針において「過度の集中」とは、同一の研究者又は研究グループ(以下「研究者等」という。)に当該年度に配分される研究費全体が、効果的、効率的に使用できる限度を超え、その研究期間内で使い切れないほどの状態であって、次のいずれかに該当する場合をいう。
            ○研究者等の能力や研究方法等に照らして、過大な研究費が配分されている場合
            ○当該研究課題に配分されるエフォート(研究者の全仕事時間に対する当該研究の実施に必要とする時間の配分割合(%))に比べ、過大な研究費が配分されている場合
            ○不必要に高額な研究設備の購入等を行う場合
            ○その他これらに準ずる場合

             (PDF 13ページ)

            募集要項には研究費の不正使用に関する注意事項も述べられています。研究不正疑惑がもみ消されて、訂正もされずに宙ぶらりんになっている論文でも、グラントの審査において業績として認めらてしまってよいのでしょうか?審査委員は常識的な判断に基づいて厳正に審査してもらいたいものです。愚痴はそれくらいにして、申請時の重複制限に関する早見表PDF30ページから掲載されています。受給制限の理解も大事です。

             

            科研費申請の締切日

            締め切りを知らないと計画書を書くペースがつかめません。締めきりは、PDF10ページに11月7日(水)
            午後4時30分提出期限(厳守)とあります。もちろん各大学で「所内締め切り」それよりずっと早い日時に設定されているので、所内提出日は研究者の所属機関にによりまちまちです。

             

            審査区分

            PDF47ページから、審査区分の説明があります。どの区分に出すかによって誰に審査されるかが決まるわけですから、この審査区分の選定は非常に重要だと思います。自分や自分の研究を高く評価してくれる人たちがたくさんいる分野に出すほうが、科研費採択の可能性が高まるはずです。

             

            最終年度前年度応募

            下手に少額の研究費を数年間にわたってもらってしまって、重複制限によって新たな申請が出せなくなるのは困るわけですが、最終年度前年度応募という制度が用意されている種目もあります。

            継続中の研究課題で、当初の研究期間が4年以上の特別推進研究、基盤研究(基盤研究(B・C)応募区分「特設分野研究」を除く。)又は若手研究の研究課題のうち研究期間が3年以上のものである場合には、研究計画最終年度前年度に新たな研究課題の応募ができます。(応募全般についての質問【Q2108】 現在、来年度も継続する研究課題がありますが、この研究をより発展させるために、別の研究課題を新たに応募したいと考えていますが可能でしょうか。【A】文科省) 太字強調は当サイト

             

            学術振興会と文科省との関係

            科研費の申請の準備をしていると、検索結果で学術振興会のウェブサイトに行ったり、文科省のウェブサイトに飛ばされたり、一体どっちが何なのかわけがわかりませんが、募集要領に説明がありました。これで気持ちすっきり。

             

            新学術領域公募

            ところで今年は、新学術領域はどのプロジェクトが公募を行っているのでしょうか?文科省のサイト、

            平成31年度科学研究費助成事業‐科研費‐(新学術領域研究・特別研究促進費)の公募 公募要領・計画調書のダウンロード

            のPDF(全158ページ)、

            平成31年度科学研究費助成事業-科研費-公募要領(新学術領域研究・特別研究促進費)  (PDF:4439KB) 

            の24ページ~に公募を行う学術領域の一覧があります。以下、領域名、領域設定期間、公募期間を抜粋しました。

            別表1  新学術領域研究(研究領域提案型)のうち「公募研究」を募集する研究領域一覧(39研究
            領域)

            注)各研究領域の概要については、「別表5 新学術領域研究(研究領域提案型)の研究概要」(54頁~73頁)を確認してください。

            1. グローバル秩序の溶解と新しい危機を超えて:関係性中心の融合型人文社会科学の確立
              グローバル関係学 平成28年度~平成32年度2年間
            2. パレオアジア文化史学ーアジア新人文化形成プロセスの総合的研究 パレオアジア 平成28年度~平成32年度2年間
            3. 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 西アジア都市 平成30年度~平成34年度2年間
            4. 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス 特異構造の科学 平成28年度~平成32年度2年間
            5. 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 配位アシンメトリ 平成28年度~平成32年度2年間
            6. ヒッグス粒子発見後の素粒子物理学の新展開~LHCによる真空と時空構造の解明~ 真空と時空 平成28年度~平成32年度2年間
            7. スロー地震学 スロー地震学 平成28年度~平成32年度2年間
            8. 生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学 生合成リデザイン 平成28年度~平成32年度2年間30 300万円以内
            9. 光圧によるナノ物質操作と秩序の創生 光圧ナノ物質操作 平成28年度~平成32年度2年間
            10. 複合アニオン化合物の創製と新機能 複合アニオン 平成28年度~平成32年度2年間
            11. ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成 ハイドロジェノム 平成30年度~平成34年度2年間
            12. 新しい星形成論によるパラダイムシフト:銀河系におけるハビタブル惑星系の開拓史解明 星惑星形成 平成30年度~平成34年度2年間
            13. ニュートリノで拓く素粒子と宇宙 ニュートリノ 平成30年度~平成34年度2年間
            14. ミルフィーユ構造の材料科学-新強化原理に基づく次世代構造材料の創製- MFS材料科学 平成30年度~平成34年度2年間
            15. 量子クラスターで読み解く物質の階層構造 クラスター階層 平成30年度~平成34年度2年間
            16. ハイエントロピー合金:元素の多様性と不均一性に基づく新しい材料の学理 ハイエントロピー 平成30年度~平成34年度2年間
            17. 宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。 量子ビーム応用 平成30年度~平成34年度2年間
            18. 新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化 新光合成 平成28年度~平成32年度2年間
            19. スクラップ&ビルドによる脳機能の動的制御 スクラップビルド 平成28年度~平成32年度2年間
            20. 脳構築における発生時計と場の連携 脳構築の時計と場 平成28年度~平成32年度2年間
            21. ネオ・セルフの生成・機能・構造 ネオ・セルフ 平成28年度~平成32年度2年間
            22. ネオウイルス学:生命源流から超個体、そしてエコ・スフィアーへ ネオウイルス学 平成28年度~平成32年度2年間
            23. 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― 植物新種誕生原理 平成28年度~平成32年度2年間
            24. マルチスケール精神病態の構成的理解 マルチスケール脳 平成30年度~平成34年度2年間
            25. 配偶子インテグリティの構築 配偶子構築 平成30年度~平成34年度2年間
            26. 遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル クロマチン潜在能 平成30年度~平成34年度2年間
            27. 脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学 思春期主体価値平成 28年度~平成32年度2年間
            28. 多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解「個性」 創発脳 平成28年度~平成32年度2年間
            29. 生物ナビゲーションのシステム科学 生物移動情報学 平成28年度~平成32年度2年間
            30. 解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解 数理シグナル 平成28年度~平成32年度2年間
            31. 人工知能と脳科学の対照と融合 人工知能と脳科学 平成28年度~平成32年度2年間
            32. 意志動力学(ウィルダイナミクス)の創成と推進 意志動力学 平成28年度~平成32年度2年間
            33. ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア ケモユビキチン 平成30年度~平成34年度2年間
            34. 時間生成学―時を生み出すこころの仕組み 時間生成学 平成30年度~平成34年度2年間
            35. ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合 ロボット学 平成30年度~平成34年度2年間
            36. ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明 ヤポネシアゲノム 平成30年度~平成34年度2年間
            37. 植物の力学的最適化戦略に基づくサステナブル構造システムの基盤創成 植物構造オプト 平成30年度~平成34年度2年間
            38. 発動分子科学:エネルギー変換が拓く自律的機能の設計 発動分子科学 平成30年度~平成34年度2年間
            39. シンギュラリティ生物学 シンギュラリティ 平成30年度~平成34年度2年間

            参照:PDF24~25ページ

             


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            いかにして研究費を獲得するか


             

             

            参考サイト

            1. 平成31年度公募要領・計画調書 公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ 平成31年度科学研究費助成事業 特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究(日本学術振興会
            2. 平成31年度科学研究費助成事業‐科研費‐(新学術領域研究・特別研究促進費)の公募 公募要領・計画調書のダウンロードページ文科省
            3. 「平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会」資料及び動画文科省

            科研費申請書を書いたら審査員の目で読み返す

            科研費の審査基準や採点方法は明確に定められており、文書化されて一般に公開されています。

            shinsa

            研究目的や計画の欄をどう書いたらいいのかわからない人は、逆に、その欄に何がどのように書いてあれば評点が高くなるのかを知れば、通りやすい申請書が書けるかもしれません。

            既に申請書を書き上げた人も、審査の手引きの採点項目・採点基準をみながら自分が審査員になったつもりで再度チェックしてみてはいかがでしょうか?

            参考

            1. 誰も教えてくれなかった”通る”科研費申請書の書き方
            2. はじめての科研費申請に役立つウェブサイト

            学振 申請書の書き方と面接対策

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              ネットで公開されている学振(日本学術振興会特別研究員)申請書の書き方ガイド・面接対策まとめ

              心の準備

              学術振興会特別研究員の審査方針に、「学術の将来を担う優れた研究者となることが十分期待できること」とあります。ですから、「私は、学術の将来を担う優れた研究者になります。」と公言する覚悟をまず持ちましょう。この公約を表現したものが学振申請書になります。

              採用申請は、たかが10ページ程度の文章ですが、 書く精神的、肉体的負担は大きく、私も胃痛を生まれて初めて経験しました 「私は、誰よりも優秀なので、お金をもらうべきである」ぐらいの不遜さで書いた方が、個人的に採用されやすいと思っています( ω ) (めざせ学振!! かんたん特別研究員DC1採用申請の書き方 (文系院生向けです。) オニテンの読書会 2017-02-08

              トップレベルの大学や研究所で研究職を取ろうと思ったら、大学院での目標を単に修士号の取得、博士号の取得に設定していてはだめです。 修士のうちにジャーナルに査読論文を出版して早めに学振をとり、博士課程では自力で論文を最低でも数本は出版するぐらいの心構えでなくてはそういうポジションは狙えません。 博士号などは、研究者にとって自動車免許程度のものであり、博士合格基準をはるかに上回る成果を挙げて博士号など「おまけ」でもらう、というレベルでないと厳しいでしょう。…学振になるべく早く採用されることが研究者として生き残っていく上で重要なポイントです。戸谷研 学生心得

              不採用になったのは、君の存在性が否定されたからではないよ。(クマムシさんからの学振アドバイス

              学振に落ちる人のほとんどは、トップを目指す覚悟が足りません。… 『うちの大学からの採用者なんてほとんど居ない』と嘆くあなたは、東大の、MITの院生にも負けない自信を持っていますか?(学振DC1を本気で狙うためにすべき4つのこと はてな匿名ダイアリー 2009-01-20)

              【学振・都市伝説】特に学振DC1について、投稿論文業績、指導教員の知名度、大学のレベルが、採用の基準に関わるという噂を聞く。これは明らかに嘘で、投稿論文なし、知名度の低い指導教員、東大京大ではないが、DC1で採択された人を沢山知っている。そんなM2の皆さんは、悲観する必要はない。(@Markchloroさんによる学振書類書き方 まとめ

               

              学振申請書の書き方

              心構えから具体的な細かい書き方まで、網羅的でバランスの良いアドバイス集がネット上に多数あります。

              学振特別研究員になるために~2018年度申請版  東京工業大学で開催された 日本学術振興会特別研究員 公募にかかる学内説明会 (2017年3月9日) での講演資料 (講師は『学振申請書の書き方とコツ DC/PD獲得を目指す若者へ』(講談社 2016年)の著者)

              学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・前編] 日本最大の化学ポータルサイト Chem-Station 2013/5/8 一般的な話題, 化学者のつぶやき 学振, 申請書, 科研費 投稿者: cosine

              学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・後編] 日本最大の化学ポータルサイト Chem-Station 2013/5/9 一般的な話題, 化学者のつぶやき 学振, 申請書, 科研費 投稿者: cosine

              採択される申請書は申請者の抑えきれない情熱が文字に置き換えられたものである。もし申請書にイージーなミスが発見されたとすれば、申請者は書類を読み返す手間さえ惜しんだのだと、その程度の情熱しかなかったのだと冷徹な評価が下されてしまうだろう。学振に通るための5つのポイント 日本バイオロギング研究会の会報に寄稿した大学院生向けの文章 2013年5月2日

              日本学術振興会 特別研究員(PD)に採用されるための申請書の書き方とその考察 Published on Mar 12, 2016 2016年3月12日に若手の会で発表した時に用いたスライド

              博士課程で特別研究員(学振)として活躍するために U-runner’s View April 23 [Mon], 2012, 23:59

               

              どう審査されるかの理解

              採点基準と採点方法がわかると、どう書いたらいいかわからないという悩みが解消します。採点のポイントに即して書けば良いのですから。

              日本学術振興会特別研究員申請対策説明会「審査について」京都大学 研究推進部研究推進課研究助成掛 平成29年3月22日(PDF) K.U.RESEARCH 京都大学研究支援 日本学術振興会特別研究員(DC・PD・RPD・海外特別研究員

               

              一貫性を持たせること

              「現在までの研究状況」と、「これからの研究計画」が統一的な学理の中で、一貫した流れになると良いです。(あしたからがんばる ―椀屋本舗 December 24, 2012 学振に2回落ちて3回目で通った話

              最初から最後までぶれずに一本の筋を通すこと(PDF 申請書類作成にあたり注意した点 2013/4/5 2014年度(平成26年度)日本学術振興会特別研究員応募に関する説明会

              書類はひとつの物語になっていなければならない。物語が「自分語り」でも「研究分野史」でもなく、自分の研究が後世から見たときにちゃんと歴史的物語になることを想定して、その筋道をすっと通してあれば、読み手はおもしろく読めるはずだ。【理想論】(@rhetoricoさんによる【学振書類】の書き方  togetter >人文 2013年4月20日

               

              読める日本語で書くこと

              日本語が危ういレベルの人は、これを良い機会と捉えて、国語力をもっと上げましょう。作文技術を習得するための本が多数出版されています。

              ひとりの審査員が何人分もの申請書をみるので、審査員によっては誤字脱字、常体敬体、その他文章の体裁に乱れがあるもの、一言でいうと読みにくいものは中身を確認することなく切り捨てられる可能性がある。企画書などでも同じだと思うが、人に読んでもらうレベルに達していない文章はアカン、ということです。(学振とかの申請書の書き方について書いてみる Beyond the Silence Sound of Science 2016-03-21)

               

              人に見せてもらうこと

              百聞は一見に如かず。実例を見ると、「そう書けばいいのか!」ということが簡単にわかります。

              同じ研究室ですでに学振を もらっている人がいたら、その人の研究計画書は絶対に勉強になるので、参考にするにせよしないにせよ、もらって見てみましょう。(学振取るまで(NAIST 版)

              自分の申請書を書き上げる前にやるべきことがあります。… 一度書き上げてしまった申請書は、質が悪くても、自分の目には良い申請書に映ってしまいます。1. 学振に採用された人の申請書を集める(先輩から) 2. 学振に採用された人の申請書を集める(Webから) 3. 集めた申請書を採点する (学振特別研究員 申請書(DC1/DC2/PD)の書き方:審査員視点を忘れるな Sizzleがはしる 2016-03-24 )

              この申請書,決してひとりで書くものではないんですね.… どんなに意気込んで「自分だけで!」なんて思っても,先生・先輩方の書く科研等の申請書に勝てるはずがありません.研究のアピール方法,書類の見易さ,図の使い方などなど...これは実際に聞いてみないと分かりません.近くにいる先生,学会などでお世話になっている先輩等,様々な人から情報を集めてください.(MINEHIROの日本学術振興会特別研究員DC1への道 ~申請書作成編~ 帯広畜産大学 環境微生物学研究室 2014/2/14

              過去の申請書資料を学内者限定で閲覧できる大学もあるようです(京大)。

               

              人に読んでもらうこと

              自分で何回読み返しても、誤字脱字、論理のギャップや矛盾、説明の過不足、冗長さや無駄な語句、読みにくさ、レイアウトの悪さ、その他細かい点、根本的な考え違いなどになかなか気づけないものです。

              指導教官とのやりとりだけだと、どうしても視野が狭くなって専門性が強くなりがちなので、それ以外の人に読んでもらうのも大事だと思います。(学振の申請書を書く時に気をつけたこと

              私の場合は、初めて他の人(ラボ出身の先輩)に申請書を読んでもらいました。自分では見落としていた思いがけないポイントを多数指摘してもらって、わかりやすい申請書になったと思います。今回通ったのはこれが一番でかかったのでは、と個人的には思っています。(学振の申請書を書く時に気をつけたこと 酵母研究者の長くて短い一日 2011年3月 3日

              申請書を交換できる友人を持とう(一番重要)◦ひとりよがりで書き上げてうまくいく人は少ない。◦恥ずかしがらずに人に見せる(学振&科研費申請書で気をつけたこと EVERNOTE更新日 2017/05/01

              【学振申請書・大前提】学振に採用された経験のある人と、知り合いになれるかどうかが、採用の為の最大の秘訣である。そして、いろいろアドバイスをもらい、コメントしてもらう事が大切。(@Markchloro さんによる学振書類書き方のまとめ togetter 2013年5月7日

              自分の周りには読んでくれそうな人がいないからといって諦めないでください。真剣さと覚悟を持って頼めば、いままでほとんど話したことがなかった先輩、先生も喜んで手助けしてくれるはずです。

               

              わかりやすく書くこと

              わかりやすい申請書を書ける人は、肝心なことが何かをよく考え抜いていて、論理もよく整理できていることが多い。([学振]申請書と論文の違い

              何も知らない人に研究内容を説明する文章を作ります。(学振DCを取る方法(僕の場合) http://www.oishi.info.waseda.ac.jp/~takayasu/dc.html)

              “研究目的が明快でない申請書はその時点で×”ともおっしゃっていた.申請書全文を読んで,審査員自ら研究目的を悟ってくれることはない.(審査員経験者から申請書の書き方について聞いてみた ちゃらんぽらんな新米漁師のブログ 2010年5月12日

              最初に「これまでの研究」って書くじゃないですか。いきなり「研究」を書きすぎなんです。いきなり専門的すぎるんです。やっぱり読む側は申請書を書く人間にも、そのテーマにも興味をもっていくれるわけじゃないんですから、読む側にも納得できそうな問題提起を明示して、そこから「これまでの研究」と「現在の状況」をつなげていくのがいいんじゃないかな、って。(■絶対に受かるとは思わない学振申請書の書き方  はてな匿名ダイアリー 2016-03-28

               

              申請書の具体例

              生物学、医学、化学、コンピュータサイエンス、人文社会科学など分野は違っていても、良い申請書には論理的な流れ、熱意、ビジョンが見えるという共通点があり、実例から多くのことが学べます。

              学振・海外学振の書き方  学振申請書の具体例 http://科研費.com/how-to-write-gakushin/

              学振取るまで(NAIST 版)

              2008年度にPDに通ったときの書類を置いておきます。 (http://jj57010.web.fc2.com/gakushin.html):社会科学・法哲学の内容 申請者の注釈付き

              学振PDに提出した計画書をアップします 「人文学」の「外国語教育」枠で応募 2012年「不採用」 2013年「採用」 (こにしき(言葉、日本社会、教育)  April 09, 2014)

               

               

              面接の対策

              せっかく知らない人にアピールする場なので、この研究は面白そうだなと思ってもらいたいでしょう。面接官を楽しませるのが目標です。(学振DCを取る方法(僕の場合)

              それよりも、予め用意してきたスピーチを、重要な点や研究の特長は特に強調しつつ、4分間流れるように披露するのが結局一番良いのである。(学振研究員面接審査について:スピーチ編

              それでも想定外の質問はくるものだけど,これ以上ない!!ってくらいに準備しておくとなんとかそこで自信を保った回答ができます.(学振 面接 感想戦

              業績がほとんどない中で採用になったのは、提案した研究のおもしろさ(わくわく感ときっちり感)を共感してもらえたからだと思います。(学振面接に行く (本番編)

               

              【注意】申請書、面接の様式は変更されている部分があります。最新情報を公式サイトでご確認下さい。

               

              参考

              1. 日本学術振興会特別研究員

               

              更新:20170513 新たな検索結果を追加

              学振申請書の書き方とコツ
              論理トレーニング101題
              理科系の作文技術
              日本語の作文技術

              採択される科研費申請書の書き方22のヒント

              関連記事

              1. 科研費研究計画調書の書き方 セクションごとの具体的、実践的な書き方のアドバイス

              【注意】科研費の申請書は研究者が個人的にJSPSにに提出するものではありません。所属機関・大学を通じた提出になります。したがって、研究者は、JSPSのウェブサイトにある締切り日時ではなく、所属大学・機関の締切り日時を守る必要があります。

              文部科学省の科学研究費補助金(科研費)は、研究テーマの自由度が最も高く、全ての研究者にとって非常に重要な外部資金です。研究領域や研究テーマが予め指定されているトップダウンの研究費とは異なり、誰にでも研究資金獲得のチャンスがあります。

              そこで、初めて科研費を出す人、まだ一度も科研費が当たったことがない人に向けたアドバイスを、自分の経験とネット上の情報を纏めて書きました。「基盤(C)」や「若手」といった少額の研究種目を想定しています。

              採択される申請書の条件:研究目的を明確に伝える~作業仮説を示す~

              科学は「仮説の検証」の繰り返しで作り上げられていくものです。研究の提案は、「仮説の検証」の形をとるのが典型的なやり方です。ところが、日本の科学教育ではあまり仮説をもつことの重要性が強調されてこなかったように思います。研究目的に書くべき事柄は、「申請者はどんな仮説を立ててそれをどうやって検証するのか」です。これを明確に伝えられない場合、何がやりたいのか不明瞭な申請書になる可能性が高いでしょう。

              中学校の教科書で教えている仮説駆動型研究が、なぜか、実際に研究を始める大学院ではほとんど教えられていないという日本の現状は憂うべきものです。

              1. 中学理科の教科書が教える仮説駆動型研究
              2. 科学における仮説とは何か
              3. 論文から学ぶHypothesis-driven research

              仮説駆動型でないタイプの研究も勿論ありえますが、何か興味深い生命現象のメカニズムを探ることを科研費研究として行いたいのであれば、仮説が書かれていない申請書というのは考えにくいと思います。

              作業仮説は図にして、見せましょう。本文を読まなくても図を見ただけでどんな作業仮説なのかがわかることが大事です。そして、その作業仮説の図を中心に文章を書いていくのがお勧め。審査委員が本文を読んでいてわかりにくいと思ったときに仮説の図があると理解を助けますし、迷子にならなくて済みます。

              自分が何を研究したいのかが明確になっていない段階だと、仮説の図は描けないはずです。逆に、仮説の図を作り上げる過程で自分のアイデアが明確になっていきます。

              関連記事 ⇒ 仮説を書かない科研費申請書なんて…

              採択されるための早道:書いたものを他人に見せる

              科研費に採択されるための最良の方法は,「書き上げた申請書を誰かに見せて添削してもらうこと」だと思う.見てもらう人が採択経験豊富な人ならなおよい.そういった人に申請書を見てもらって何度も何度も直すのが一番よい方法だ.(小噺その10:科研費に採択されるための最良の方法 Smart Lab Life 羊土社)

              今回初めて科研費を申請する人や、毎年出し続けているのに採択されない人は、ひとりよがりな申請書を書いてしまっている可能性が(極めて)大です。研究内容以前の話として、申請書の書き方がなっていないというだけの理由であっさりと不採択になっている人がかなりの数に上ると推測されます。業績もある程度あり、研究のアイデアや熱意もあるのに、それが全く計画調書に表現されていないだけで不採択を食らっているのに、本人はそのことに全く気付けていない、といのは実にもったいない話です。

              落ちる申請書には理由があった!京都大学で採択・不採択になった科研費申請書を網羅的に分析すると、明らかな差があることに気付いた。「科研費申請書の教科書」学外非公開)

              だから、一番のおすすめは、自分の書いた申請書を人に読んでもらい、ダメ出しをしてもらうことです。研究者はみな忙しいので、なかなかこれが実際にはできないものです。そんな場合は、大学でURA(リサーチアドミニストレーター)が研究支援活動を行っていれば、そのサポートを活用することをお勧めします。

              計画調書を読んでもらう人は科研費採択経験者であればベストですが、必ずしも研究者でなくても、得るものはあります。自分の親兄弟、配偶者などの家族、親しい友人、とにかく国語力のある人に読んでもらうことができれば、自分で気づけない点が見えてくるはずです。

              身近に読んでくれる人がいない場合には、添削サービスを利用するという手もあります。

              1. coconala での科研費添削サービスの検索結果(68件)

              科研費を採択されるための王道:情熱を示す

              自分の研究に賭ける情熱、想いを科研費計画調書に凝縮して落とし込むことです。

              「本当に真剣に考えた申請書は、読む人を感動させるものになります。そういうものが、いい申請書だといえるでしょう」(JREC-IN Portal 研究人材のための5分間キャリアップ読本 インタビュー記事)

              ページ下部に余白を1行足りともつくらないというのは、情熱のひとつの表れです。(見やすくするために、項目タイトルの上に空行を入れるのはOK)

              科研費採択の条件:研究の意義を伝える

              科研費の『審査の手引き』に書かれていますが、「学術的な意義」があるかが審査の一つのポイントになっています。お金をもらうのですから当たり前の話で、やる価値がないことにお金はあげられません。

              ところが、やる内容、目的までは書いているのに、研究の意義についてまでは計画調書で触れていない人が結構います。「言わなくてもわかるでしょ」というつもりなのかもしれませんが、言わなきゃわかりません。どうして自分の研究はやる意義があるのか、お金をもらってまでやる価値があるのか、うまくいけばどれくらい学術的な波及効果や社会へのインパクトがあるのかをアピールすることは、非常に重要です。

               

              科研費採択の条件:研究計画は具体的に書く

              研究課題の意義がいくら大きくても、研究計画に具体性が欠けると説得力がありません。まだ行っていない実験のことを細かく書きようがないではないかと思う初心者も多いでしょうが、だからこそ予備実験を行いある程度実験を進めておくことが必要なのです。ただ単に「解析する」と書いても、何をどう解析するのかが書かれていなければ、審査委員を説得できません。具体的にといっても、実験のプロトコールを書けという意味ではありません。適度な具体性が必要だということです。具体性に欠ける計画調書は、いくら立派なことを言っていても、実現可能性がないと判断されて不採択になります。

               

              採択される科研費計画調書とは:神は細部に宿る

              研究計画のアイデアが十分に湧いてきていない状態だと、申請書の空欄が広大に見えてしまい、どう埋めればいいのかと途方にくれるかもしれません。全部埋める必要はあるのでしょうか?

              無駄な余白は(一行たりとも)あってはいけない
              2008.3.21 第1.01版私大研究者のための「採択率を上げる研究費申請書」の書き方、七つの基礎早稲田大学先進理工学部 竹内淳(PDFファイル 2ページ)

              だからといって、やみくもに文字でびっしりと埋めればいいというものではありません。通る申請書は内容だけでなく、見た目も自ずと良いものになるのです。

              用いる文字や図表の位置、大きさ、形、色などには全て必然性がなければならない、なぜそこで使うのかを説明できなければいけない。
              研究資金獲得のためのガイド 2011年7月 立命館大学博士キャリアパス推進室 (PDFファイル 96ページ)

              割り当てられた多量の科研費の申請書を読まなければならない審査員の負担を想像できるかどうかも、勝敗を分ける要因になりそうです。

              文字でびっしり埋められていると、「読む気がしなくなる」研究にかける熱量を短い言葉に凝縮し、申請書に落とし込む JREC-IN Portal 研究人材のための5分間キャリアップ読本>2. 研究資金を獲得する>#06 東京都総合医学研究所 所長 田中 啓二氏)

              とにかくギリギリまで何度も読み返して、少しでも読みやすいものを提出しましょう。

              できるだけ頭を空っぽにして.先入観をなるべく捨てて私は音読する.私は誤字脱字などの自分の書いた文章を校正するのが非常に不得意(間違っていないと無意識に思ってしまう)ので,音読するようにしてる.そうすると,一言一句間違えずに読み上げることになるので,案外間違いに気づいたりする.(博士課程(女)の記録)

              気持ちのこもった申請書であれば、誤字脱字などあるはずもなく、スカスカに空いたスペースもなく、かといってぎっちり文字だけが詰まっているわけでもなく、遠目にみてもレイアウトが素晴らしく、中身をじっくり読んでもウーンと唸らされるような寸分の隙もないものに仕上がっているはずです。

               

              評点を落とさないためのノウハウ:指示に従う

              これまでに科研費を申請したことがない研究者にとっては、非常に気が重くなることかもしれません。しかし、科研費の研究計画調書には何をどうかけばいいのかが細かく指示されていますので、全く気に病む必要はありません。むしろ、”指示された通りに書く”ことこそが最重要なのです。

              研究者にとって、これほど書きやすい応募書類はない
              科学研究費(科研費)研究計画調書の書き方説明会 2013年9月20日(金)吉田地区URA室 (PDFファイル スライド25枚)

              計画調書には、この欄にはこれこれについて書きなさいと具体的な指示があり、それに従って書けばよいだけの話なのですが、初心者の人はそれが全く出来ていないことが多いのです。

              なぜそんな細かい指示があるのでしょうか?それは、申請者が書きやすいように、また、審査員が審査しやすいようにそうなっているのです(多分)。あなたの研究の独自性をアピールしてくださいという場所であなたが何も書かないでいると、評点をつけようがないので、良い評価は得られないでしょう。仮に、ほかの部分にそれらしいことが書いてあったとしても、審査委員がそれに気付かなければ評価されません。

              不採択となる調書は、研究計画や内容は素晴らしいのに、その素晴らしさがまったく伝わってこないようなものが多いと思います。

               

              採択される申請書であるための絶対条件:論理的な日本語で書く

              日本人だから日本語が書けるかというと、そうでもありません。忌憚のない意見を言ってくれる人に、自分が書いた文章を読んでもらいましょう。文章を書くことの難しさをちゃんと自覚して、自分の至らなさに気づくことが、科研費採択への第一歩です。日本語の文章を書くことが仕事の一部である以上、研究者は一度徹底的に自分の日本語作成能力を鍛え直す必要があります。

              良い申請書を仕上げるコツ以前に重要なのは、読んだ人に内容が理解できて、言いたいことががちゃんと伝わるような、まともな日本語の文章を書くということです。

              論理力のない科学者に税金をあげようと思う方は多分いないです
              論理力があるかどうかは、5行読めば分かってしまいます
              研究計画調書を見比べて想うこと 日本大学文理学部物理生命システム科学科 松下祥子 (PDFファイル スライド30枚)

              論理的な文章を書く技術は、誰でも学ぶことができます。

              パラグラフライティングを徹底する!これは日本の教育システムで教える機会がほとんどなく、大半の人が身についていません。論理的文章を書くための黄金律なのですがね・・・。
              学振申請書を磨き上げる11のポイント [文章編・前編] chem-station.com

              不採択となる計画調書にありがちな日本語のマズさを、いくつか挙げておきます。

              1. 主語と述語の呼応がおかしい。
              2. 複数の節からなる文の場合、1つめの節と2つめの節とで主語が変わっていて読みにくい。
              3. 文と、次の文とのつながりがない。
              4. 論理的なつながりを表す接続詞が使われているのに(したがって、それゆえ、しかしながら、等)、その論理が実際には存在しない。
              5. 文章に、結論に向かう流れがない。方向性が見えない。
              6. 一つのパラグラフの中で、主題が変化していて、何について書きたいパラグラフなのかがわからない。
              7. ところどころ話し言葉が混じる。
              8. 略語が説明抜きで使われている。
              9. その専門分野の人にしか理解できないテクニカルタームが説明抜きで使われている。
              10. 言葉足らずで、ギャップを読者に埋めさせようとしている。(専門外の読者にはそのギャップを埋められない、もしくは、労力を要するので、読みにくい日本語になる)

              読みやすい 文章というのは、重力にまかせて上から下に流れていくだけできちんと意味のとれる、読み手にストレスを与えない文章である。学振に通るための5つのポイント 2013年5月2日 渡辺佑基 日本バイオロギング研究会の会報への寄稿)

              科学的な文章の書き方に関しては、いくつか定番といえる本があります。45年前に書かれたロングセラーが『理科系の作文技術 』です。研究者でこの本を知らない人はおそらくいないでしょう。

              木下 是雄 理科系の作文技術 (アマゾン)

              木下 是雄 まんがでわかる 理科系の作文技術  2018/1/19 久間月 慧太郎 (イラスト)(アマゾン)

              福地 健太郎, 園山 隆輔 増補改訂版 図解でわかる!理工系のためのよい文章の書き方 論文・レポートを自力で書けるようになる方法 (アマゾン)

               

              科学的な文章以前に、自分の国語力に自信がない人は、基本から身につけるほうが早道です。フクシマ式が速習に向いていてオススメ。下の本は1時間くらいで読めますが、効果は抜群です。

              福嶋隆史 (著) 言葉を自在に操るための論理思考トレーニング 考えていることが正しく伝わる、シンプルで確実な方法 「ビジネスマンの国語力」が身につく本(アマゾン)

              上の本によれば国語力とは突き詰めれば「3つの力」にまとめられるということですが、その1番目の「言いかえる力」(具体→抽象、抽象→具体の言い換え)に話題を絞って書かれた本もあります。

              細谷 功(著) 具体と抽象 (アマゾン)

              文章を書いている時、多くの場合、具体と抽象を行き来しています。上の本を読んでおけば、それを意識しながら書くことができますので、書いた文章が慢然とならず、非常に明解でシャープなものになります。上記の本は2冊とも、普通の文学作品のように文字がぎっちり詰まったものではなく、非常に読みやすいので、1時間くらいで読めます。国語力アップに1時間を投資するだけで、異次元の科研費申請書作成能力(前後比較)が身につくのですから、こんなコスパの高い努力はめったにありません。

               

              科研費採択のための絶対条件:計画調書の中に矛盾をつくらない

              概要と本文が対応していなかったり、研究計画と経費の項目がつじつまが合っていなかったり、不採択だった計画調書はいろいろと矛盾を含んでいることが多いのです。目的を達成できそうにない実験計画というのも、致命的な矛盾です。申請書を書いている当人の頭の中ではなんとなく繋がっていて、実は辻褄があっていないのに気付けないということが多いのです。数多くの調書を読みなれている審査委員は直ちにその矛盾に気付き、不採択のほうへ振り分けてしまうことでしょう。

              私が確認を頼まれた後輩の申請書や、ギリギリ評価点が足りずに落ちてしまった方の申請書にはほぼ必ず論理的におかしいと思う部分があります。つまり、論理性を保った申請書を書くだけでも差別化に繋がるということになります。(論文ゼロでも学振DC1に面接経由で採用された申請書の書き方のコツと面接対策ポイント minoblog

              1. 児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第8版(2022年7月14日新発売)
              2. 郡 健二郎『科研費 採択される3要素 第2版』(臨床医学系)

               

              科研費採択への道:採択された計画調書を見せてもらう

              何をどう書けば良いのかわからない人は、まずは、実際に採択された人の申請書を見せてもらい、採択のためのスタンダードの高さを知ること。また、他人の申請書を読めば、どんな文章表現を使うと効果的なのかがわかり、具体的な言葉遣いを学べるというメリットもあります。

              ①~である.しかしながら,Aに関しては未だ不明な点も多く,その解明には既存の手法ではなく,新しい視点からのアプローチが必要である.②申請者らは,近年Aの生理学的意義が注目されている~に着目し,Bを明らかにした.③本研究では,AにおけるBの意義・役割について明らかにする. (①現状の問題提起,②申請者らの研究成果,③研究目的)(若手研究者向け科研費セミナー ー採択されやすい計画調書の書き方ー URA室倉石泰平成27年8月4日 東京医科歯科大学 PDF 19ページ)

               

              大学によっては、採択された科研費計画調書を学内で見せたりしているところも結構あるようです。採択された、他人の計画調書を見る機会がない人も多いと思いますので、ネット上で公開されている調書を紹介します。様式が変わっても、良い申請書の本質的なことは普遍的です。

              基盤研究(A)

              下の申請書は、自分には馴染みがない研究分野ですが、読んだときにその迫力に圧倒されました。きっと多くの人に役立つと思うので紹介させていただきます。

              ① 研究の全体構想・具体的な目的・何をどこまで明らかにしようとするのか?
              動物媒の花の著しい多様性は、送粉動物への適応を通じて進化したと考えられている。しかし、送粉動物による花形質への淘汰を実測しようとした研究は、必ずしも成功していない。その理由として、花形質の集団内変異が小さいことが指摘されている。本研究では、種間雑種を作り、さまざまな花形質を分離させることによってこの障害を克服し、異なる送粉動物への適応進化の過程を実証的に調べる。研究材料として、ユウスゲ属の 2 種をとりあげる。2 種は、‥

              (基盤研究(A)計画調書PDFリンク http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~ecology/yahara/KibanA.pdf

               

              学振DC2

              下のリンク先で学振の申請書が公開されていますが、計画調書作成の戦略まで細かく解説されています。異なる分野の人にも絶対に役立つであろう内容です。

              ■研究背景
              申請者は”薬剤の効かない難治性てんかん患者”をターゲットに、生体冷却を用いた代替治療総日の開発(図1)を行ってきた。てんかんとは、‥

              (引用元:面接免除になった学振DC2の書類を公開と工夫した点について 更新日:2019-05-04 公開日:2018-09-20 そうだ研究しよう

               

              採択されるためのヒント:審査の手引きを読む

              科研費計画調書の審査は、公正を期するために審査基準が明確に定められておりそれは「審査における評定基準等」や「審査の手引き」という文書として公開されています。

              審査委員のための「審査の手引き」は、実は申請者にこそ必読の書です。公開されている「審査の手引き」に目を通しておけば、自分の研究計画がどのように採点されるのかの具体的なイメー ジが湧きます。すると、科研費申請書をどう書けばいいのかのアイデアが、自然にいろいろ浮かびます。申請書を書き上げたあと、自分が審査員になったつもりで自分の申請書を採点してみると、ちゃんと書けているのかどうかのチェックになります。

              基盤研究、萌芽、新学術などの種目ごとに存在意義が異なるため、当然のことならがら審査される際の観点も異なります。その種目が助成した研究はどのような種類の研究なのかをきちんと理解しておくことは、申請書を書く以前の問題です。

              審査の手引きを読めば点数が付けられるさいの審査のポイントがわかりますから、逆に、そのポイントを押さえた調書を仕上がることが可能になります。大学受験で採点基準を意識して解答すれば減点されにくい答案が書けるのと同じ理屈です。

              1. 審査における評定基準等(平成31年度)基盤研究(B・C)、若手研究(PDF)
              2. 審査における評定基準等(平成31年度)挑戦的研究(開拓・萌芽)(PDF)
              3. 科学研究費助成事業 審査・評価について(JSPS )

               

              採択されるための戦略:敵を知る

              誰が自分の科研費の審査をしたのかは、公開されています。自分が出す分野の審査委員の顔ぶれを知っておくことは非常に重要です。出す分野を決める際の参考にもなります。

              また、審査委員がどのような気持ちで申請書を読んでいるのか、その心理を理解しておくことも大事です。科研費の取り方に関する教科書などでも紹介されていることですが、一人の審査委員に100近くもの計画調書が送られてきて、審査委員は忙しい業務の合間を縫ってその調書の評価をしなければならないため、一つの調書あたりにかけられる時間は申請者が想像するよりもはるかに短いようです。本では言葉を濁していますが、科研費審査経験者が説明会に引っ張り出されて話ているのを総合すると、おそらく10分~20分程度ではないでしょうか。この程度の時間しか割けないとなると、隅から隅まで一字一句漏らさずに読むという読み方は到底できないはずで、緩急を付けながらサッサと読んでいっているはずです。日本語が読みにくかったり、説明がわかりにくいものは当然、良さが伝わりにくいので低評価を受けることでしょう。

              また、採択率から考えると、ほとんどの調書(~7割)を「不採択」のほうに振り分ける必要があるため、ダメなところが見つかり次第「不採択」の方に分けていくことになるでしょう。ですから、明らかにダメな部分を作らないということが、一つの重要な戦略になると思います。振るい落とされるような隙を作らない、ソツのない計画調書に仕上げることが、採択のための最低条件といえそうです。

               

              採択されるための戦略:敵を味方に

              どんな大学であっても、科研費審査を経験された先生がいらっしゃるはずです。過去の審査経験者は公開されているわけですから、自分の大学に所属する審査経験のある先生を見つけて審査のポイントを聞きに行くということも可能なのではないかと思います。みんながやると先生の時間が奪われてしまうでしょうが。その場合、大学のURAがそういう情報を学内に還元するのが良いのではないでしょうか。

               

              科研費採択のための戦略:勝てる場所を選ぶ

              科研費を申請するときには、審査区分を選ぶ必要があります。それぞれの審査区分ではその分野の研究者が審査委員を務めるわけです。自分の研究内容がどの審査区分にマッチするかをじっくりと考える必要があります。さらに、自分の研究計画が複数の審査区分で出せそうなときには、どこに出せばライバルが弱くて自分の勝つチャンスが増やせるかを考えましょう。それというのも、科研費の審査は「区分ごとの相対評価」だからです。これに関しては、審査の手引きなどを熟読して、自分の申請書がどのようなプロセスを経て合否の判断が下るのかを理解しておく必要があります。

              KAKENデータベースをみれば、どの程度の論文業績の人がどの審査区分においてどのような研究プロジェクトで採択されたかを知ることができます(過去に、審査委員の先生が誰だったかも)。過去に採択された人たちの研究と自分がこれからだそうとしている研究計画とを比べたときに、ここで戦って自分は勝てそうか?と考えて、勝てそうな場所(=審査区分)を選ぶことも非常に重要な戦略です。

               

              採択の条件:他者との差別化をはかる

              何を究明したいのか問題意識を明確にし、どのような手法でそれを実現するのかを具体的に立案。…例えば、分野の空白を埋める研究なのか、学問・科学の発展の流れを把握し、切り開いていく研究なのか、全く新しい発想による研究なのかなど「特色」を明らかにして「他の人との違い」を積極的にアピール。
              科研費応募の手引き 平成21年8月20日 小山和義 原子力GCOE (PDFファイル スライド47枚)

               

              評点を稼ぐノウハウ:採点されやすい調書に仕上げる

              審査委員はみな大学の研究者ですから、超多忙の合間を縫って科研費の申請書を読んで採点しています。一つ一つの申請書を全部同じようにじっくり読む時間はないはず。「当確」な調書と「論外」な調書は時間をかけずに判断されると思います。問題は、当落線上の調書でしょう。少しでも採択の可能性を上げたければ、審査委員の心証を良くする必要があると思います。それは結局、審査委員の負担を軽くする、つまり、読みやすく採点しやすい調書に仕上げればよいのです。

              極意1 審査員に読ませない、まとめさせないK3茶論 第15回 科研費申請書作成のポイント 高等教育コンソーシアム信州 加藤鉱三 スライド+ウェブキャスト)

              審査員は、一度に短い時間で多くの調書を読まなければならないことを十分意識して書く。そのため斜め読みでも、重要な要点がきちんと伝わるように書く。
              科学研究費助成事業(科研費)研究計画調書作成のポイント集 産学公連携センター (PDF スライド22枚)

               

              科研費採択のための必要条件:予備実験データを見せる

              どんな立派な研究計画であっても、その実現可能性が低そうだと思われると採択されません。実現可能性の高さをアピールする最善の方法は、予備実験を行ってその結果を図にして示すことです。

              * 実際のデータを入れる。(具体性、実現可能性をアピールできる)
              * 自分のデータを入れる。あと一歩で金さえあればできると言外に示す。
              * 何らかの予備データ(レターペーパーでもいいので既に発表済み)があってその課題で結果が得られる可能性が高いことをアピール … 既に結果のある人、つまり結果を出せる能力 があると客観的に証明できないとなかなか取れない
              Bio TEchnicalフォーラム No.882-TOPIC – 2008/03/27 (木) 21:29:37 – 申請書の書き方でアクセプトされやすいコツなどがあれば何でも構わないので教えてください。)

              「科研費に申請を出すために予備実験を行う」というよりも、日常的に研究をしているわけですから、「次に論文が出そうな内容で科研費を出す」ほうが現実的かもしれません。つまり、既に結果が出ている内容で、研究費の申請を行うのです。

              研究計画の実現可能性を研究費を獲得したら、きちんと論文を出すことが必要ですが、研究者として確実に生き残るための絶対に失敗しない方法は、すでに結果が出ている内容で研究費を獲ることです。

              「申請を出す研究は80%程度完成していて,残りの20%を達成するために科研費を申請するぐらいが丁度良い.」
              (文部科学省科学研究費若手B を獲得するための5 つのポイント 勝平 純司 国際医療福祉大学学会誌  第18巻2号 2013)

              論文を書き上げて投稿を済ませたものを申請書に書いてもいいくらいです。

              論文投稿後に研究費が獲得できたら、そのお金はリバイス実験に当てるくらいの感覚です。こうやって、先取りしながら論文とお金を回していければ、追われる生活にならなくてすみます。

               

              採択される計画調書の条件:実現可能性をアピールする

              科研費申請書には、「これまでの研究について」書く欄や、「研究環境」について書く欄があります。ここを漫然と書いている人が結構多いのですが、申請書の目的は、研究の意義と研究計画の実現可能性をアピールすることであることを思い出せば、「これまでの研究について」や「研究環境」は、研究計画の実現可能性をアピールするための場所であることは明らかです。これらのセクションを書くときも、研究計画につなげて書く工夫をしたほうがよいでしょう。そうすれば、自分がこの研究をやることが相応しい人間であり、それが可能であるということが伝わります。

               

              採択への早道:科研費の教科書を読む

              こんなウェブ記事を自分で書いていて言うのもなんですが、定評のある科研費の教科書を読めば、必要なこと全てが書いてあります。 羊土社から出版されている児島 将康の著作『科研費獲得の方法とコツ』は、最新の科研費制度の変更に合わせて改訂されており特におすすめ。この本の読者と、読んだことがない科研費初心者は、例えていうなら、オトナと赤ちゃんくらいの違いがありますから、科研費採択を賭けた土俵に出たときに全く勝負にならないでしょう。

              これらの本を読めば、申請書の各セクションで、何をどう書くべきか、ポイントの押さえ方がわかります。公式の記入要領に目を通しても初心者には思い及ばないことばかりです。豊富な実例、徹底的な解説、そして著者の情熱に触れながら自分の申請書を書くと、モチベーションも上がります。教科書に数千円投資して、科研費採択で数百万円以上を手にするのですから、費用対効果は抜群です。こういった書籍を読んだ人と読まずに書く人との差は今後ますます開いていくのではないかと思います。

              自分は、世の中で売られている科研費関連本にはすべて目を通しています。応募歴・採択歴がある程度あるが、こう書けば必ず採択されるといったノウハウまで体得できているという自信がない人には、審査員の心情を暴露してくれている『狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方』が、一番オススメです。この申請書を読む審査委員は、どう感じるのか?が分かれば対処すべきことが自ずとわかります。初心者にはオーソドックスで網羅的に書かれた書籍が良いかもしれません。

              1. 中嶋 亮太狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方  2022/8/20
              2. 児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第8版(2022年7月14日新発売)
              3. 郡 健二郎『科研費 採択される3要素 第2版』(臨床医学系)

              関連記事 ⇒ 科研費申請書の書き方の教科書 厳選5冊

              医学書院から出ている郡 健二郎著『科研費 採択される3要素』は、医学部の先生が書かれているので、文例が医学関連なので医学部の研究者には親和性が高いと思います。ただし、これら2冊は分野を超えて普遍的な原則が解説されていますので、解説のスタイルに関して自分の好みで選べばよいと思います。

               

              採択へのまわり道:日本語の文章力を上げること

              急がば回れといいますが、採択されるためには読み易い日本語の文章を書くことも大事です。毎年不採択という人の申請書を見せてもらうと、そもそも読みにくい日本語を書いていることが多いように思います。

              『こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド』を読み通せば、日本語の文章力が一段確実に上がります。

              こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド』(アマゾン)

               

              科研費採択への早道:学内の支援制度を利用する

              いまどき、多くの大学で研究推進のためにURAが設置されています。京大などはURAが科研費採択の教科書を作成して学内で配布するなど、科研費採択率アップのために活発に活動しているようです。このような研究支援制度が学内で利用できるのであれば、使わない手はありません。

              東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室(UTRA)が科研費獲得の方法や申請書の書き方を教える文書を公開しています。

              電子書籍 「研究生活とキャリアパス -はじめての競争的資金獲得をめざして-」 iTunesにて無償公開  (ダウンロードサイト)
               第1分冊-科研費獲得を目指す「若い君たち」へ 勝木元也
               第2分冊-研究生活と競争的資金、研究計画書の書き方
               東京大学リサーチ・アドミニストレーター推進室(UTRA)

              科研費採択への早道:商業サービスを利用する

              1. ジーラント株式会社(代表取締役 児島 将康)科研費申請書の添削サービス(個人向け) 科研費獲得総合プラン(研究機関向け)
              2. ココナラ(科研費に特化した添削サービスを提供している個人)

              採択のために:制度の趣旨を理解する

              科研費にはいろいろな研究種目があり、それぞれに存在する理由があります。萌芽であれば文字通り萌芽的な研究テーマが期待されているわけで、「これ、別に基盤(C)でいいんじゃね?」と思われるような常識内に収まるテーマだと、高い評価を受けないようです。

              新学術領域の公募の場合は、当然、その領域の趣旨に完全に合っていないといけません。どんなに優秀な研究者であっても、領域の趣旨から外れた研究テーマで申請すれば採択される可能性は低いでしょう。

              平成30年度から審査体制がだいぶ変更されたことも無視できません。審査区分が大きくなった研究種目の場合には、審査委員になる先生の研究分野が相当ばらけている可能性があり、制度変更前までと同じような書き方をしていると、せっかくの研究の意義も伝わらない恐れがあります。

               

              科研費採択のノウハウのまとめ

              押さえるべきポイントを押さえるかどうかで、申請書の出来に天と地ほどの差がでます。科研費申請書を書く上で重要なのは、(1)審査員の気持を理解し、(2)審査員が自分の申請書をどのように評価、採点するのかその具体的なプロセスを把握したうえで、(3)自分の研究のアイデアと目標達成能力をしっかりとアピールしつつ、(4)自分が研究期間内に実現したいことを明確に述べ、(5)非常に読みやすくかつ審査しやすい計画書を作り上げることです。そして、(6)「コイツにお金をあげたい」と審査員に思わせるのです。もちろん、未来の計画実現可能性をアピールするためには、過去の論文実績が重要です。科研費申請の締め切りまでに今の仕事の論文がアクセプトされるよう、全力を尽くしましょう。

              関連記事

              1. 科研費研究計画調書の書き方 セクションごとの具体的、実践的な書き方のアドバイス

              科研費制度の変化

              平成30年度(平成29年申請)から科研費の制度が大きく変わりました。主な変更点やその対策に関しては、以下のサイトをチェック!

              この速報では,「科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版」では詳しく触れられなかった来年度からの新しい申請書への対応について解説していく.【速報】平成30年度公募の要点と申請書の書き方(児島将康/羊土社)

              科研費不採択の受け止め方

              万が一、不採択の結果に終わったとしても、研究計画を真剣に練って文章化するという作業は、自分のやりたいことを整理し、研究意欲を高め、自分の研究に対する信念を強固にしてくれるものです。

              無鉄砲に挑戦し続けた科研費が私の研究を伸ばしてくれたと感謝している。
              「科研費-伸びる研究」(私と科研費(2014年2月号))伊藤 早苗

               

              参考

              申請するたびに必ず通る先生がいました。その先生は研究者として特定の分野で有名人なわけでもありません。しかし、研究種目を変えても、審査区分を変えてもやっぱり通るのです。どのように計画調書を組み立てるのかを伺うと、目から鱗が落ちたものです。 ‥

              そのような経験を事務方と教員全体で共有していった結果、10年間で科研費の獲得件数は実に25倍になりました。

              科研費申請書類の書き方のコツ (大学で研究助成金獲得業務に携わった「もとじむ」さんのサイト)

              1. 研究者コミュニティへの影響大 30年ぶりの科研費改革 (Science Portal サイエンスポータル 2015年10月27日):”一見するとただ分野融合を進めるだけの見直しにも見えるが、実は日本の研究者コミュニティに大きな影響を与える改革である。現在の科研費の各分野における配分額は、分化細目ごとの応募数によって決まっている。つまり、ある分野の研究者が多くなり、科研費の申請が増えれば、自然とその分野への研究費の配分額も増えてくる。学問の進展に柔軟に対応していくシステムといえる。しかし、逆に言えば、特定の研究者コミュニティが一定の研究費を継続的に確保し続けるため、その分野のボス支配が強まるシステムであるといえる。”
              2. 科研費改革説明会(「科研費審査システム改革2018」について)(動画時間44:02)
                講演者:文部科学省研究振興曲学術研究助成課課長 鈴木 俊之 氏
                平成29年6月8日於東京大学本郷キャンパス安田講堂
              3. 平成30年度科学研究費助成事業-科研費-公募内容の変更点(動画時間1:25:02)
                講演者:日本学術振興会研究事業部研究助成第一課課長 吉田正男氏
                平成29年9月6日 東京大学本郷キャンパス安田講堂

               

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