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2017年10月16日学振の結果が通知される

学術振興会特別研究員(学振)の審査結果が今日発表されました。面接試験免除での合格、不合格、面接試験へ進む、の3つに分かれたようです。 日本の研究の「今」を垣間見ることができるツイッターをいくつか紹介します(随時追加削除入れ替える可能性あり)。 本日発表 そうか、今日は学振の発表か。 From: ZoZomiK0222 at: 2017/10/16 18:36:24 JST Re 公式RT 今日は学振発表デーだったのね。From: SSeiya60260 at: 2017/10/16 14:32:58 JST Re 公式RT うああ..学振の日だったのね ううううう From: yokonozo at: 2017/10/16 15:14:47 JST Re 公式RT 学振の結果が出たらしくて重い空気が広がってる From: suzutomo1020 at: 2017/10/16 15:38:26 JST Re 公式RT 結果を知ることに対する恐れについて 学振結果発表でメール来てるけど怖くて開けられない From: rarudosiori at: …

平成29年度戦略的創造研究推進事業(CREST) 新規採択課題が発表される

  2017/09/19    研究助成, 科学行政

平成29年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)の新規研究課題がJST CRESTのウェブサイトにて発表されました。 研究領域 実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新 研究総括:細野 秀雄(東京工業大学 科学技術創成研究院 教授) 計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用 研究総括:雨宮 慶幸(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授) 量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出 研究総括:荒川 泰彦 (東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長) 新たな光機能や光物性の発現・利活用を基軸とする次世代フォトニクスの基盤技術 研究総括:北山 研一 (光産業創成大学院大学 特任教授) 多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術 研究総括:上田 渉(神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授) 細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出 研究総括:馬場 嘉信(名古屋大学 大学院工学研究科 教授) 光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用 研究総括:影山 龍一郎(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授) 環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出 研究総括:田畑 哲之(かずさDNA研究所 所長・副理事長) 人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開 研究総括:間瀬 健二(名古屋大学 大学院情報学研究科 教授) イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化 研究総括:栄藤 …

2017年採択新学術領域研究テーマと領域代表

  2017/07/04    科学行政

2017年に新規で採択された新学術領域研究(研究領域提案型) (研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2022-03-31)が公表されました。 光合成分子機構の学理解明と時空間制御による革新的光ー物質変換系の創製 領域代表者  沈 建仁 岡山大学 教授 脳情報動態を規定する多領野連関と並列処理 領域代表者  尾藤 晴彦 東京大学 医学(系)研究科(研究院) 教授 細胞社会ダイバーシティーの統合的解明と制御  領域代表者  藤田 直也 公益財団法人がん研究会 共創的コミュニケーションのための言語進化学 領域代表者 岡ノ谷 一夫 東京大学 総合文化研究科 教授 熱ー水ー物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床 領域代表者  川村 賢二 国立極地研究所 准教授 予防を科学する炎症細胞社会学 領域代表者 松島 綱治 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 性スペクトラム - 連続する表現型としての雌雄 領域代表者 立花 …

国際学会出席のための海外出張の保険料 科研費から支出できる?

  2017/07/03    研究生活, 科学行政

海外出張のときの保険料は高額で、かなり懐が痛みます。ですから、学会発表や研究目的で行くのになぜそこは自腹を切らないといけないのか?という疑問、不満を持つ薄給の研究者は多いと思います。 ツイッターの議論をみると、海外出張に際して科研費による保険料の支出を認める大学や研究機関が結構あります。個人的なことなので科研費は使えませんという事務方の主張は、ローカルルールかもしれません。 ちゃんと確認したら、勤務校では、科研費を含め、いずれの予算でも旅行保険の加入を認めない運用してるとの回答を会計課から得たので、はてさてどうしたものか考えてるところ。 https://t.co/VJ8JVjuRnt — 吉田光男, Ph.D.; bot (@ceekz) 2017年7月15日 科研費で国際学会行く時の保険払えたのか…これまでずっと自腹切ってた… https://t.co/4ifLIHh0nG — Kensuke Nakata (@cyclosa_sp) 2017年6月14日 海外の学会に参加するのに、「旅行保険は科研費の対象外」と事務から言われたのだが、納得できない。普通なのか? — Kazuaki (@KazuakiKuwahata) 2017年6月30日 そういえば、早稲田の研究者が海外に出張する場合、早稲田指定の保険に入るなら科研費で支払えると聞いた。大学の事務に直接確認したわけではないが、これが本当なら、妥当な線だろう。 — Hiroki MORI (森 裕紀) (@HirokiMori) 2017年6月17日 科研費で保険料が払えるみたいでよかった。 ただ、文科省のいう高額になりすぎないように適正にはなかなか微妙。 各研究機関で基準作っててきとうにやってね、ということでいいのかな。 夫にきいたら「科研費がもらえる人の贅沢な悩みかもしれないよ」と。 そりゃない人はそもそも全部自腹…。 — じゃん姉 (@rosysea22) 2017年6月15日 科研費の直接経費は研究者につくお金で、直接経費の管理等のために研究機関側につくお金が間接経費。研究者の保険等は直接経費から支出するのに(間接経費からの場合は交渉があるかな)、なぜ研究機関側が出し渋るのだろうか…。不正使用を防ぐためなら、御門違いであるし… …

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CREST募集締切平成29年6月6日   さきがけ・ACT-I募集締切平成29年5月30日

  2017/04/30    研究助成, 科学行政

戦略的創造研究推進事業CREST・さきがけ・ACT-I の研究提案が募集中です。これらは、国家戦略に基づいて分野や方向性が定められた、いわゆるトップダウン型の研究助成であり、研究領域の趣旨に合致し、戦略目標の達成に貢献することが要件になっています。募集の締め切りは、さきがけとACT-Iは、平成29年5月30日(火)正午。CRESTは平成29年6月6日(火)正午。 CREST 研究領域 研究総括 戦略目標 発足年度 細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出 馬場 嘉信 (名古屋大学 大学院工学研究科 教授) 細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御(説明会PDF) 平成 29年度 ナノスケール・サーマルマネージメント基盤技術の創出 粟野 祐二(研究室) (慶應義塾大学 理工学部 教授) ナノスケール熱動態の理解と制御技術による革新的材料・デバイス技術の開発 実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新(募集案内PDF) 細野 秀雄(研究室案内) (東京工業大学 科学技術創成研究院 教授) 実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発手法の構築 人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開 間瀬 健二(研究室) (名古屋大学 大学院情報学研究科 教授) ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化 光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用 影山 龍一郎 (京都大学 …

平成30年(2018年) 雇い止め が日本の科学研究を崩壊させるのか

平成25年(2013年)4月の労働契約法改正から5年というリミットの最終年度となった今、大学や研究機関では、研究支援を行ってきた有期雇用事務職員、研究室秘書、研究補佐員(ラボテクニシャン)の雇止め問題が深刻化しています。 今起きている問題は全て2013年の時点で予想されていたことですが、残念ながら、有効な手が打たれないまま今に至ってしまいました。下記の榎木英介氏の記事(2013年)では、この法律が日本の科学研究に及ぼす影響に関して、議論されています。 労働契約法改正は科学者コミュニティにどのような影響をあたえるか … 一つは、たとえ望んだとしても、常勤雇用の研究者や研究補助者を増やせないという現状がある。… 二つ目は、この法改正の解釈が専門家間で異なっていることである。… 三点目にあげたいのが、「無期契約」の意味である。…  (労働契約法改正は朗報か  近畿大学医学部講師 サイエンス・サポート・アソシエーション代表 榎木英介 BioMedサーカス.com 2013年11月7日更新)   教授から厚い信頼を寄せられ、大学院生にも慕われて、専門的な職務を遂行する高い能力を持った人たちの雇用が継続できない、現在の日本の研究システムは本当に矛盾しています。 今までの大学の説明会で、これだけの人が出席したことがあっただろうかという、物凄い大盛況の会場の模様で、空いた席も無い状況だった。… 研究室秘書さんからは、怒涛のごとく質問が飛び交い、中には泣き出してしまう人もいた位で、とても可哀想だった。そもそも、改正労働契約法の趣旨が、雇用期間が5年を超えて働き続ける場合、無期転換しなくてはならないという、雇用の安定を図る制度のはずが、むしろ雇い止めを助長する制度になってしまったという皮肉な結果になっているのが問題なのだ。 (無期支援員(仮称)制度についての説明会が突然に開催されました 国立大学職員の趣味日記 2017年02月18日)   安定した雇用自体が一部を除いて望めなくなっていて、さらに研究環境を悪化する方向に追い詰めています。とりわけ技術職員の皆さんの技術が継承できない、質が保てないというのはとても大きな問題です。スキルアップしてやっとこれからというところでやめなければならない。賽の河原の石積みのような状況で、中で働いている職員の方々も職業に誇りを持てないというのを感じました。  また、正規職員と非正規職員との間の身分の違いみたいなものによる差別や分断が研究職場をより荒んだものにしているように思います。.. 誰も得する人がいないのに、荒んだ研究環境が続いているというところに絶望感を感じます。私はこういう状況を何とかしなければと言い続けて15年以上になりますが、なかなか明るい兆しが見えないというのが正直なところです。(KOKKO 2015年11月号 特集 疲弊する研究現場のリアル)   有期雇用といってもひとそれぞれ雇用形態や職種が多様ですし、大学や研究機関によっても対応にばらつきがあるため、この法律の影響を受ける有期雇用職員本人であっても非常にわかりにくいケースが多いようです。なお、無期転換申込権発生までの期間は原則5年ですが、大学等及び研究開発法人の研究者、教員等については特例としてそれが10年になっています。 大学等及び研究開発法人の研究者、教員等に対する労働契約法の特例について 研究開発能力の強化及び教育研究の活性化等の観点から「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、大学等及び研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換申込権発生までの期間(原則)5年を10年とする特例が設けられました(平成26年4月1日から施行)。(労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~ 厚生労働省)   労働契約法改正により、平成25年4月から「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる」ことになりました。… 【誤解1】 5年のカウント時期 … 通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約からが対象です。平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算契約期間に含めません。 … 【誤解2】 5年直前の雇止め  … 【誤解3】 無期契約=正社員 最後は、無期契約化=正社員という誤解です。 … あくまで有期契約が無期契約になるだけです。… (『無期雇用化』の誤解と対応策 山口 俊一労政時報の人事ポータル jin-Jour 2015.09.01 ) 多くの大学では、非常勤職員や非常勤講師を5年で雇い止めにする方針を撤回し始めている。象徴的なのは、早稲田大学だ。 早大は東北大と同じように、雇い止めをするための就業規則改正を行う際に、過半数代表選挙を正しい形で行わなかったため、非常勤講師らに刑事告訴されて大騒動になった。 その結果、早大当局は当初の方針を撤回し、膨大な数の職員が実質的にクビになりそうだったところが、18年には約3000人の非常勤講師らが、希望すれば無期契約に転換できることになった。 この“早稲田ショック”は全国に波及し、日本大学、法政大学、中央大学、千葉大学などが、次々に雇用期間5年上限を撤回していった。また、早大の問題解決に先立って、全国大学高専教職員組合の取り組みにより、信州大学、徳島大学、国立高等専門学校(51校)などで、非正規職員の無期転換が約束されている。(Buisiness …

採択?不採択? 科研費交付内定が通知される

  2017/04/02    科学研究助成, 科学行政

20170704追記 関連記事 2017年に新しく採択された20件の新学術領域研究(研究領域提案型) のテーマと領域代表者氏名   20170702追記 日本学術振興会のウェブサイトによれば、挑戦的研究(萌芽)、挑戦的研究(開拓)および新学術領域研究(研究領域提案型)の新規研究領域の交付内定が2017年6月30日にありました。 従来の「挑戦的萌芽研究」にかわって、「挑戦的研究(萌芽)」および「挑戦的研究(開拓)」が新設されたことに伴い、”挑戦的研究”が基盤研究等とは全く異なる性格の研究助成であることが、制度導入の際にしきりに強調されていました。審査においても同様で、単に優れた研究であるだけでなく、”これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画”かどうかは、採択、不採択を分ける一つの重要なポイントになったようです。   はい,というわけで,以前より応募していた新学術領域, この度めでたく採択されました!(PIは岡ノ谷一夫さん) いやー,ここまで長い道程だったなぁ(遠い目 公募研究の説明会を京大と東大でやります 正式のアナウンスそのうち出しますので,関心のある方は是非! — Koji Fujita (@biolingjp) 2017年7月1日 挑戦的萌芽の採択通知なう。ほぼ満額。がんばります! — yuko Y (@yukoyy) 2017年6月30日 萌芽が採択されたので、交付申請完了。 満額でした。よかったとホッと一息。 — Kotaro Mizuta (@MizutaKotaro) 2017年6月30日 659Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:09:44.18 今回はほんとに充足率100%なんだな 661Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:50:01.44 俺も500万で申請して満額認められたわ 712Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 00:41:59.34 萌芽もう結果出てるんだ …

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もはや手遅れ?失速する日本の科学研究 ネイチャーインデックスで特集「Nature Index 2017 Japan」

  2017/03/23    科学行政

日本の科学研究の失速ぶりを、ネイチャーインデックスニュースやネイチャーインデックス2017日本版が伝えています。 While the total number of articles in Scopus increased by about 80% between 2005 and 2015, Japan’s output grew by a mere 14%. (The slow decline of Japanese research in 5 charts natureINDEX 23 March 2017 Nicky Phillips)   …

平成29年度 卓越研究員ポストが公開される

平成29年度 卓越研究員を受け入れる大学、研究所、企業が提示したポストのリストが公開されました。日本全国の国公立大学、私立大学のほか、日立製作所、出光興産、パナソニック、住友電気工業、富士通、日本電気、キリン、日本電子、第一三共、ソニーコンピュータサイエンス、その他の企業が受け入れを表明しています。ジョブタイトルは、助教、講師、准教授、教授、グループリーダー、主任研究員、その他となっており、エクセルファイルの一覧を見ると全部で204件あります。 エクセルファイル、分野別PDFで閲覧可能 ⇒ 平成29年度 卓越研究員事業 公開ポスト一覧 (日本学術振興会) JREC-INのサイトでも、卓越研究員の求人を検索できます。⇒ JREC-IN(検索:「卓越研究員」)   卓越研究員の年齢制限について 卓越研究員事業の英語名はLeading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER)で、「若手」対象であることが明言されており、実際、卓越研究員応募条件には平成30年4月1日の時点で40歳未満であることという年齢制限があります。2012年のデータですが、ポスドク14171人のうち40歳以上は16.4%(2324人の計算)、35歳以上と合わせれば37.2%(5272人の計算)にもなります。それから5年近く経ちポスドク高齢化が一層進んでいること、ポスドクとは別に、任期付き助教も相当数存在することを考えると、年齢がネックで卓越研究員に応募すらできない人は、かなりの数にのぼりそうです。 平成28 年度からの5年間の科学技術政策の方向性を定める第5期科学技術基本計画においては、「40 歳未満の大学本務教員の数を1割増加」、「我が国の企業、大学、公的研究機関のセクター間の研究者移動数を2割増加」させることが目標値として掲げられています。本事業においては、この2つの目標値の達成にも資するため、新たな研究領域に挑戦するような若手研究者が安定かつ自立して研究を推進できるような環境を実現するとともに、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍し得る若手研究者の新たなキャリアパスを提示することを目指しています。(Q 卓越研究員事業の狙いは何か。) Q 「②平成30 年4月1日現在、40 歳未満(ただし、臨床研修を課された医学系分野においては43 歳未満)の者」とあるが、例えば、病気休暇等で研究を中断した場合など、個別の事情がある場合、例外的に申請することはできるのか。 A 申請者(研究者)の要件について、出産又は育児により、子供1人につき、合計3カ月以上の間、研究を中断した場合を除き、個別の事情を考慮せず、一律に判断させていただきます Q 「②平成30 年4月1日現在、40 歳未満(ただし、臨床研修を課された医学系分野においては43 歳未満)の者」とあるが、雇用対策法との関係はどうなるのか。 A 雇用対策法の改正により、平成19 年10 月1日から、労働者の募集及び採用に当たって、年齢の制限を設けることができなくなっています(雇用対策法第10 条)。一方、本事業は、若手研究者の安定的な雇用の促進を目的とする国の施策であることから、雇用対策法施行規則第1条の3第1項第3号ニに該当するため、雇用対策法第10条の適用除外となります。(平成29年度卓越研究員事業公募に係るQ&A 平成29年2月6日 文部科学省 科学技術・学術政策局   中でも深刻なのは発展著しい生命科学の分野で、日本分子生物学会の最新のアンケート調査(2015年、会員のみ対象)では、ポスドクの59%が35歳以上となっている。(ポスドク問題と人材の流動化―日本のサイエンスを救うために―サイエンスポータル 2016年12月6日)   近藤:20年前に大学院の重点化を進めたことで、現在40歳前後のPDがたくさんおり、非常に厳しい就職難になっています。この年齢層に対する何らかのケアは可能でしょうか? 生田:難しいと思います。財政当局の視点からすると、その年齢層の研究者に対して、大学院重点化を通じて高額の投資を …

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日本の科学を考えるガチ議論(scienceinjapan.org)が閉鎖?リニューアル?「研究は、結局、最後は人である」再掲

  2017/01/30    科学行政

日本の科学研究に関する問題提起などを行っていた「日本の科学を考えるガチ議論(scienceinjapan.org)」にアクセスできなくなりました。一時的なものなのか不明です。このウェブサイトの中で自分が一番共感を覚えた記事が、「研究は、結局、最後は人である」(キャッシュ)でした。この記事が失われるのは惜しいので、キャッシュの内容をここに転載します。研究力の要となるのは「人」であり、有能なポスドクらが使い捨てにされる今の研究システムを改善しない限り、日本の競争力は低下の一途を辿るだけでしょう。博士課程への進学を回避する大学生の神経は極めてまっとうであり、ポスドク使い捨てシステムを改善せずに、理系離れ解消、リケジョ増加などの政策を進めるのは無責任だと思います。以下、転載。   2015.11.05  pickup 研究は、結局、最後は人である 質問1 – 現在の日本のサイエンスにおける問題は何だと思いますか。 日本のサイエンスと言ってもよく分かりませんが、平均的な研究者の一人としては、問題はキャリアパスが崩壊していることではないかと思います。それが研究自体にも大きな影響を与えています。キャリアパスとは、それを職業として自分や家族が安定した生活を送る未来が描けるかどうかということですが、それが非常に厳しくなっています。私は自分の子供には研究者を職業として勧められません。 学問としての自然科学において、発想の自由さ、多様性は本質的に重要です。複数の著名な生物学者と潤沢な資金を誇る某機関を巻き込んだ昨年の騒動の後に大村智さんが今年の医学生理学賞を受賞されたことも、私の目には象徴的に映ります。何が本質的に大切であり守らなければならないことであるかを、改めて指し示していると思うからです。 結局、最後は人です。人に投資すべきなのに、それを減らして消耗品を買わせているのが現状だと思います。間違っています。 質問2 – その原因は何だと思いますか。 競争させるべきではない局面(≒本来運営交付金とすべきところ)まで競争させるようになったことではないかと思います。 なぜそうなったかと言うと、ビジョンが無かったからです。何でもかんでも競争させておけばいいというのは、ビジョンでも何でもなく、国の科学研究施策を考える立場の人間としては責任の放棄です。 研究には自由な発想と自由な資金が必要です。しかも、その資金は特に若手にはそんなに多く額の資金は必要ありません。現状は、若手に限らず自由な発想と言うより如何に短期に確実に論文に出来るか、目立つか、という方向に流れているように思います。多くの研究者にとって、なかなか学問と向き合って悠長にやってる時間はなくなって来ています。 なぜそうなるかと言うと、それが評価されるからです。即ち、問題の本質は評価法に行き着きます。 様々な研究領域があり、様々なアプローチがあり、様々な研究者が居る、その多様性の全てをサポートすることは出来ませんが、ある程度のバランスが必要なんだと思います。今はそれが極端に偏っていて、その弊害が論文数という形で誰の目にも明らかに生産性に反映されるまで深刻化してしまった、ということだと思います。 質問3 – 改善するためには、まず誰が・何をするべきだと思いますか。 私の理想に近い形は、ポストは終身個人に与えられて、条件が合えばそれをどこにでも持って行けるというフランスのシステムに似たものです。終身雇用と人材の固着は、実は切り離すことができます。終身雇用への転換に伴う財源に関する批判に対して、現状でも出処が違うだけで支払われているという指摘もあります。また、「安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラック制度」では、最低限の給与を公的機関(国)が保証し、自ら獲得した研究費の間接経費からも加算する方法が提案されています。これは現在の仕組みを変えて行く具体的な方法の一つであると思いますが、私自身は公的機関の研究職は国家公務員資格と同等なものとして扱う仕組みがあればいいと思っています。 また、現在科研費の採択率は25%前後だと思いますが、本来優劣などつけられない研究に順位をつけるなど思い上がりも甚だしいといつも思っています。一定の基準を満たしていれば全て採択し、SとかAとか一部に集中する予算を減らすのが良いです(バランスですが)。研究費の持続性については、これまでにも提案されているような評価によってゆるやかに額が変動する安定した基盤的研究費は良いアイデアだと思います。 しかし、そんな考えは、現状発言力を持ち予算を取っている一部の人たちからすれば都合がよろしいはずがありません。では、誰が? 昨年の騒動で、日本分子生物学会は規模も大きく領域も近かったこともあり、積極的な役割を果たせたと思います。前会長の功績です。他に中立的な立場で科学政策に対する意見が言えそうだと思った日本学術会議は、全く役立たずでした。今後、日本の科学研究施策を少しでも研究者のアイデアの多様性を確保するという方向に動かすために、大多数の研究者の声を文科省の役人に分からせる仕組みが必要だと思います。現在発言力を持つ人たちではなく大多数の研究者の声を反映させること、が肝要です。分生のような組織が母体になって日本研究者会議のようなものが役人を教育する、という感じになって欲しいです。教授だけではなく、准教授、講師、助教がそれぞれの比率に応じた発言権を持つような組織です。 今は国の無計画なポストドク施策のために需要と供給のバランスが狂っていますが、本来なら民間を含めポストの数に応じた学生を育てるか、或いは学生の数に応じたキャリアパスを責任をもって用意すべきでした。そういう責任を直接的に負っていたのは誰かと言うと、国ということになるのでしょうか。しかし、数年ごとに交代する事務次官や政治家では、学問にとって何が大事なことなのか理解出来ない、そういう何も分からない人たちを相手にしているということを深く考えるべきかと。 国立大学准教授(任期制のため匿名希望) ーー以上、日本の科学を考えるガチ議論(scienceinjapan.jp)「研究は、結局、最後は人である」(キャッシュ)からの転載ーー 関連記事 日本の科学研究の問題点~ブラック企業のような構造と研究者が抱える雇用不安~   更新 20170202 日本の科学を考えるガチ議論のURLを訂正(正しいURLはhttp://scienceinjapan.org/)