ピアレビューの査読レポートを書くときに使える英語表現

関連記事:誰も教えてくれなかった査読(ピアレビュー)のやり方、査読レポートの書き方   レビューアーとしてレポートを書くときに使えそうな典型的な英語表現を、実例から拾ってまとめました。査読レポートの頻出単語、頻出表現を押さえておけば、自分で書くときにかなり書きやすくなります。 公開されている査読レポートから、英語表現をばらばらにして取り出して、項目ごとにまとめています。論理的に流れるレポートを自分で書くには、実際の査読レポートを通して読むことも必要です。 査読レポートと著者からの反論(リバッタル レター;Rebuttal letter)を公開しているジャーナル 注:差読者が公開を望まなかった場合は非公開 eLife: 論文のウェブページにある右横のリストのDecision Letterを選択。 EMBO Journal: 論文のウェブページで、Transparent Processのタブを選び、Review Process Fileをクリック。PDFで閲覧 Nature Communications : 2016年1月以降に投稿された論文で、Supplementary information の欄に、Peer Review Fileがある場合には、査読レポートが公開されている。しかし、割合はあまり多くないようです。   査読レポートの書き方は、基本的には自由だと思いますが、最初のパラグラフで研究内容を要約し、次のパラグラフで講評を述べ(General comments)、その後、具体的な箇所に関して(Specific comments)重要性の高いもの(Major comments;Major issues;Major points;Major criticisms)、重要性の低いもの(Minor comments;Minor issues;Minor points;Minor criticisms)を列挙するということが多いようです。 研究内容の要約 冒頭部分 In “論文タイトル”, (筆頭著者)and colleagues define the molecular mechanism by which (注目した分子の生理的役割). [embj.201696127 #3] In “論文タイトル,” (筆頭著者) and […]

誰も教えてくれなかった査読(ピアレビュー)のやり方、査読レポートの書き方

関連記事:ピアレビューの査読レポートを書くときに使える英語表現   一つの研究分野でいくつか論文を出していると、ある日突然、査読依頼のメールを受け取ることになります。サイエンスの世界は、ピアレビュー、すなわち研究者同士で互いの論文を審査するシステムになっているからです。ボスが大学院生やポスドクに査読の下書きをさせるというのはよく聞く話で(本来Confidentialであるべきですが)、そういうラボにいた人は既にやり方をわかってるかもしれません。しかし、多くの場合、査読の依頼を初めて受けたときに、十分なトレーニングを受けていない状態だと思います。そこで、査読をすることになった人の役立ちそうなサイトを紹介します。   公開されている差読者のコメント ありがたいことに、差読者のコメントを公開している雑誌があります。これは、査読の方法を学ぶためのお手本の宝庫です。もっと言えば、査読コメントやエディターに対する著者からの反論(リバッタル レター;Rebuttal letter)も公開されているので、論文を通す戦いの成功事例が学べます。ちなみに、STAP幹細胞論文がサイエンス誌から却下されたときの3人の差読者のコメント (Retraction Watch)も読み応えがあります。 注:差読者が公開を望まなかった場合は非公開。 eLife: 論文のウェブページの右横のリストでDecision Letterをクリックするとエディターや差読者のコメントをウェブ上で読むことができます。 EMBO Journal: 論文のウェブページで、Transparent Processのタブを選び、Review Process Fileをクリックすると、差読者のコメントおよび著者とのやりとりをPDFで読むことができます。 Nature Communications : 2016年1月以降に投稿された論文で、Supplementary information の欄に、Peer Review Fileがある場合には、査読レポートが公開されているが割合はあまり多くない。   査読コメントに書くべき内容 査読で原稿を読むときに、どんなことを考えながら読み進めればよいのかを、いくつかの雑誌の査読ガイドを引用することによりまとめました。査読コメントを書くときにこれらの英語表現が参考になりますので、意味が重複する場合でも、複数を引用します。 研究は厳密に行われているか? 必要な対照実験が行なわれているか、アーチファクトの可能性はないか、研究不正の疑いはないかなどに注意。 Is the paper technically sound? srep 論文に厳密さがあるか? The data is technically sound. ncomms  データが厳密であること Is the statistical analysis of the data sound? srep  ncomms  データの統計学的な解析方法は正しいか? the […]

トップジャーナルに通る論文の作り方

トップジャーナルにとっての新規性とは、その分野の本質的な問題、すなわち一般人が疑問に思うようなクエスチョンに答える明確なメッセージがあるものであり、学術的意義のみならず社会的意義もあるものなのである。トップジャーナルに限らず、論文を書くときに大事なのは、前面にだすメッセージ性はなにかといつも問いかけることである。次に論文作成に必要なのは、ロジックの強いストーリーを構築することである。論文構築は、絵を描いたり彫刻を造ったりするようなものである。まず、図を作って大まかな流れをデッサンすることからはじまって、結果の細部を描く過程で、おさえておかなくてはいけない実験や、結論をサポートする多角的アプローチからの実験を塗り重ねていく。そして、間違った解釈をせずに良いディスカッションをするためには、次にやるべき実験の結果がでているとよい。そして、最後に、英文校閲にだし、英語独特のロジックと文体を補強し色づけを鮮やかにする。作品のメッセージ、ストーリー性、そこから湧き上がるロジックをだすために、いつも美意識を忘れないようにすることである。美しい自然の摂理を描くのだから。(「化学」2009年5月号コラム 美しい論文は必ず通る 東原和成)   Drawing on his experience, Yokoyama focused on the perspective of journal editors and how their decision-making on high impact science affects ongoing research. Editors evaluate the potential impact of individual papers by judging their conceptual advance, that is, whether a study advances a field in a large leap, rather than an […]

研究成果を新聞・テレビ・雑誌に取り上げてもらうためのプレスリリースの書き方

研究成果を社会に還元する一つの方法は、マスメディアを通じて世間に研究成果を知らしめることです。そのためには、論文発表のタイミングに合わせて、新聞、テレビ、雑誌、ウェブメディアなどに記事として取り上げてもらう必要があります。それを実現させるためには、報道記者に興味と関心を持ってもらえるようなプレスリリースを書く必要があります。大学の広報やURAがプレスリリース作成のサポートをする場合でも、最初の原稿は研究者が作ることになるでしょう。 そこで、プレスリリースを書く上で参考になりそうなウェブサイトを紹介します。 プレスリリースに対する考え方、文章を作成するにあたっての具体的な注意事項など、細やかな情報が得られるのが、生理学研究所・広報展開推進室の「科学者から国民への情報発信の意義と方法」。 プレスリリースは、たしかにメディアの目に触れ、そこでいったん解釈され、読者に仲介されはするが、あくまでその情報の最終的な受け手は、国民であることを忘れてはならない。プレスリリースの文章を書くときには、それを手にする国民一般、小中高校生からお年寄りまでを目に浮かべ、彼らに語りかけるように正確で分かりやすい記述にこころがけることが重要である。(科学者から国民への情報発信の意義と方法 生理学研究所・広報展開推進室) プレスリリースとはそもそも何か?プレスリリースの具体的なプロセス、プレスリリースの文章の構造、その他、記者との対応方法まで、教科書的にまとまっているのが、京大「虎の巻」。   (スライド13) 研究成果発表「虎の巻」 – 京都大学 (PDF) これらを参考にして、あとは実際の例を見ながら自分の文章を書いてみると良いでしょう。 プレスリリースの例 サイエンスポータル ニュース・プレスリリース 北海道大学プレスリリース(研究発表)の記事一覧 (PDF) 金沢大学研究トピック 参考 科学者から国民への情報発信の意義と方法 生理学研究所・広報展開推進室 / 小泉 周 科学者から国民への情報発信の意義と方法 (化学と生物 Vol. 49 (2011) No. 7 p. 503-508)(J-STAGE) 研究成果発表「虎の巻」 – 京都大学 (PDF) 研究者のための科学広報入門(基礎生物学研究所 広報国際連携室) 大阪大学企画部広報課報道係が支援するプレスリリース発信 プレスリリース競争が研究者の仕事なのか インターネットで変わる高等教育の形 (日経ビジネスONLINE 田中 深一郎 2013年1月25日):”大学も予算が年々厳しくなっているから、毎年、文部科学省に『今年は新聞掲載が何件、テレビの放映が何件あった』と、具体的な数字を報告しないといけない”

英文プレスリリースの書き方~日本の研究成果を世界に発信するために

論文はせっかく出版しても意外と読んでもらえないものです。ですから、自分の論文がめでたく受理されたら、論文掲載のタイミングに合わせてできるだけ世の中に向けて宣伝する必要があります。新聞等などのメディアに記事としてとりあげてもらうために報道記者に提供する資料が、プレスリリースです。日本のメディア向けには日本語でプレスリリースを書きますが、海外の新聞や雑誌に記事にしてもらうためには、英語で書く必要があります。 まだまだ世界に発信されていない日本の研究成果 さて、日本の研究成果を世界に発信するためには絶対に必要な英語のプレスリリースですが、これを出していない大学や研究機関が多いようです。また、英文プレスリリースを出している大学であっても、日本語での本数に比べると圧倒的に少ないようです。 毎日大量に発表される英文のリリースを読んでは、どれを日本語にするかを決めているわけですが、その中で気づいたことがあります。日本の大学・研究機関の英文プレスリリースが少ない。 日本の大学・研究機関から、インパクトファクターが大きいジャーナルへの発表は、それこそ毎日のようにあるのに、英文リリースが無いのが残念でなりません。わが国の科学レベルを分かってもらえない、というのも悔しいですし、成果を出した研究者を売り込めないのももったいないことです。(日本の研究成果を世界に発信するには【日経バイオテクONLINE Vol.1909】2013.07.17 19:00 増田智子) 2014年度の研究成果に関する和文配信件数:235件     2014年度の研究成果に関する英文配信件数:     9件 (出典:2015/5/29  第3回大学研究力強化ネットワークカンファレンス「EurekAlert!を例とした国際科学広報の効果的なあり方について」 英語による研究成果の発信:東京大学の事例紹介 東京大学本部広報室(Public Relations Office, University of Tokyo)髙祖歩美、Euan McKay) 記者の目に留まる英語のプレスリリースの書き方 英文のプレスリリースが少ない理由は、サイエンスが理解できて、英語がネイティブで、しかも一般読者にとって読みやすい英語の文章を書ける人やチームが日本の大学や研究機関の広報部門にほとんど存在しないことが要因でしょう。大学のサポートを受けられない研究者は、自分で書くしかありません。そこで、英文のプレスリリースの書き方を紹介したサイトを紹介します。EurekAlert!のリリースをいくつか見るとすぐに気付きますが、日本語でよく見るプレスリリースと、英文のプレスリリースとでは書き方のスタイルが大きく異なります。日本のプレスリリースは研究内容の解説が中心ですが、英文のプレスリリースは「人」が中心です。そのため、日本語のリリースをそのまま英語に翻訳しただけでは記者の心に引っ掛からない可能性があります。 海外の記者は社会部の記者が主で、科学ジャーナリストはまだ多くありません。このため、記事を特にわかりやすい言葉、わかりやすい文章で書く必要があります。大事なことから先に!研究成果の社会的意義(社会貢献や影響)など、大事なことから先に書きます。逆ピラミッド型の文章構造です。社会貢献や影響、研究成果、研究の背景、詳細、最後に研究機関や研究者情報の詳しい情報の順番です。文章の最初の部分で興味を引きつけないと、記事自体を読んでもらえません。タイトル(headline)や要約(intro)はトップページやヘッドラインに掲載されるため、最も重要です。インパクトのあるわかりやすい簡潔なタイトルを付けましょう。タイトルは6~8words (90 characters maximum)程度に収める必要があります。(熊本大学URA推進室 研究成果の海外国際広報 EurekAlert! を使用した海外国際広報について) レスター大学(University of Leicester)の広報(Press Office)がプレスリリースの書き方(How to Write a Press Release)を詳細に説明しており文章のスタイルを学ぶのに非常に役立ちます。 Journalists are looking for a hook which will form the main focus of their story. They like […]