Category Archives: 研究者のキャリアパス

利根川進博士のぶっちゃけ話:研究者として成功できた理由および成功戦略

利根川進博士がマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生に対して研究者のキャリアに関してざっくばらんに話をし、学生からの質問に答えている動画がYOUTUBEにありました(2008年7月15日開催の会)。

自分がどうして研究者として成功できたのかという話と、どうすれば研究の世界で成功できるのか(大きなインパクトを残せるのかという要件と戦略にについての非常に興味深いアドバイスが聴けます。

大学院進学を考えている野心的な学部学生、ポスドク先をどこにしようか悩んでいる博士号取得予定の大学院生、セカンドポスドクのラボ選びを考えている研究者、もう一花咲かせたいPIの人などに是非見て欲しい動画です。

「精神と物質」(利根川進、立花隆)でも研究キャリアの話がかなり詳細に書かれていて自分は研究キャリア形成の素晴らしい教科書だと思っていますが、このMITでの対談の場では、くだけた雰囲気の中でいろいろなことが赤裸々に語られていて、本の印象とはまた違った面白さがあります。

A Conversation with Susumu Tonegawa
MIT Department of Biology

挨拶

(13:13~)はい。このプログラムは素晴らしいと思います。まあ、どうなるかはこれからですが。冗談めかして言うんですが、生物学科もずいぶん人間味が出てきたというか、文化的になってきたなと思っていて、これもその流れの一環なんでしょうね。ここに来られてとても嬉しいです。正直なところ、自分が何をすればいいのかよく分かっていないんです。これまでの回には一度も参加する機会がなかったので。[聞き取り不能]なので、手探りでやっています。時間は45分ほどあって、質疑応答の時間を残しておくのがいいと理解しています。対話の場ということですよね? いずれにせよ、話のきっかけになるようなことを少しお話しします。

(13:13~)OK. So I find that this program is great. OK, I mean, we’ll see how it goes. But I think, I joke, but I think the department of biology is really getting humanized and culturalized and this is the part of that direction and I’m very pleased to be here. I don’t exactly know what I’m supposed to do but I have never had the chance to attend the previous ones. [INAUDIBLE] So I am guessing. We have about 45 minutes and my understanding is it will good if we save some time for questions and answers because it’s supposed to be a conversation, right? In any case I give you a little bit of a sort of a lead for conversations.

生い立ち&京都大学の学部学生のときの決断:分子生物学者になる

(14:10~)まず最初に、皆さんのほとんどが生まれるずっと前、ハーマン・アイゼンは別ですが[笑い]、私は京都大学の学生でした。日本の京都です。専攻は化学でした。でも4年間の学部生活が終わりに近づいた頃、このまま化学の分野に残りたいのかどうか、確信が持てなくなっていました。もちろん化学は今でもとても刺激的な分野だと分かっていますが、当時の私はそれを十分に理解していなかったんです。それで大学院では何か新しいことをやりたいと思って探していました。そんなとき、ある人が教えてくれたんです。1962年のことですから、ずいぶん昔の話です。アメリカ、主に合衆国で、一部はヨーロッパでも、新しい生物学が生まれつつあって、それは分子生物学と呼ばれているのだと。私はそれが何なのかまったく知りませんでしたが、その人が読むようにと何本かの論文を勧めてくれました。それがパスツール研究所のジャコブとモノーの論文で、生物学の学生なら名前を知っていると思いますが。それで私は、当時でいえば今の『Cell』のような存在だった『Journal of Molecular Biology』という雑誌に載ったそれらの論文をすべて読みました。長い論文でした。オペロン説についての論文で、私はものすごく感銘を受けました。そしてすぐに、その場で、分子生物学者としての訓練を受けようと決めたんです。

※文字起こしの「adored paper」「It opened on theory」は、文脈からそれぞれ「operon paper(オペロンの論文)」「It’s the operon theory(オペロン説)」の聞き間違いと判断して訳しています。

(14:10~) First of all, many years before most of you were born except Herman Eisen, [LAUGHING] I was a student at University of Kyoto, you know, Kyoto in Japan. I was in chemistry major. But toward the end of the four year schooling, I wasn’t sure whether I want to stay in the field of chemistry. And of course, chemistry turned out to be it’s still very exciting field but I did not know enough of it.  And I was looking for something new to do for graduate school. And someone told me that– this is 1962. So many, many years ago. Someone told me that the new biology emerging in America, primarily in the United States and partly in Europe, that it’s called the molecular biology. And I had no idea what it was but he introduced me to a couple of papers he recommended to me to read. And those adored paper were by Jacob and Monod, from Pasteur institute, and I hope biology student know these names. And so I read all those papers in the Journal called Journal of Molecular Biology, which was the cell of today at that time. And a long paper.  It opened on theory, and I was so impressed by this. And I immediately, instantaneously decided I’m going to be trained as a molecular biologist.

大学院:UCSDでの博士研究

でも日本には分子生物学の研究室がまったくありませんでした。指導教授が親切にも留学の手配をしてくださって、私はアメリカで最も美しい町のひとつ、ラホヤにたどり着きました。UCSDはちょうど始まったばかりで、大学院には私より上の学年がひとつしかありませんでした。UCSDの歴史の中で2年目だったんです。当時は学部生もいませんでした。つまり大学院大学として始まったわけです。私はそこで分子遺伝学者として、分子生物学、分子遺伝学の訓練を受けました。当時は今と違って、分子生物学の主な流れは真核生物の系ではなく原核生物の系でした。細菌と、細菌に感染するウイルス、つまりファージです。分子遺伝学ですね。博士論文では、λファージの転写制御について、遺伝学的な要素も少し取り入れて研究しました。それはそれで悪くはないのですが、特に誇れるようなものではありません。

※「viruses which infect the phages」は文脈上「viruses which infect bacteria, the phages(細菌に感染するウイルス、つまりファージ)」の意と判断して訳しています。

But in Japan there was no molecular biology lab at all. My professor was kind enough to arrange me to study abroad and I ended up one of the most beautiful town in the United States, which is the La Jolla, UCSD was just starting. They had only one more year above me in a graduate school at UCSD. The second year in the history of the UCSD. There were no undergraduate student at the time. So it started as a graduate school university. I was trained as a molecular geneticist, molecular biology, molecular genetics. At that time unlike now, major thrust in molecular biology was not in eukaryotic systems but in the prokaryotic system. Bacteria and viruses which infect the phages. Molecular Genetics  I worked on phage lambda, transcriptional control  with some genetic components into it at my PhD thesis. This is all OK, but not something I’m particularly proud of.

研究者としてのキャリアを見据えたときに、ポスドク先で何を研究テーマにすべきか

その後、60年代、60年代の終わり、1968年に、私はポスドクに行くことになっていました。さて、当時、仲間の学生たちの間では、分子生物学の将来について不安がありました。分子生物学や分子遺伝学の根本的な大問題が、すべて解かれてしまったように見えたからです。遺伝暗号、タンパク質合成、メッセンジャーRNA、そういったものはすべて発見されていて、数年間のポスドク修行を終えて独立したとき、自分たちに未来はあるのだろうかと考えていたわけです。私たちの間では、というか私の身近な仲間たちは、もっと複雑な系に進むべきだと考えていました。動物細胞や植物、そういったもので発生を研究する。分化、細胞増殖、その制御、といったことです。でも当時は、原核生物の系で行われていたような厳密な研究をするための、本当に優れた技術がありませんでした。ですから、ポスドクにどこへ行くかは難しい決断でした。

※「it was down in prokaryotic system」は「as was done in prokaryotic system(原核生物の系で行われていたような)」の聞き間違いと判断して訳しています。

Then in the ’60, late ’60s 1968, I was going to go do postdoc. Now, among at that time, among the students, my fellow students there was some concern about the future when molecular biology because it looked like the major fundamental problem in molecular biology, molecular genetics all being solved. Genetic code, protein synthesis, messenger RNA, all of those things were discovered and we are wondering  is there a future for us when we become independent after several years of postdoc training. Among us, I mean, my close surrounding thought we should go to a more complex system. So the animal cells or plants, something like that,  to study at development. Differentiation, cell growth, control, and things like that. But at that time there was no really good technology to do that in order to do rigorous research, and it was down in prokaryotic system. It was a difficult decision to make as to where to go for the postdoc.

1stポスドク:ダルベッコの研究室での20カ月

それで私は、ソーク研究所という研究所のことを聞きました。UCSDからノース・トーリー・パインズ・ロードを挟んだちょうど向かい側にあって、そこにレナート・ダルベッコという人が率いる研究室がありました。さて、驚くべきことに、ここにいる若い人たちの中で、ダルベッコが誰か知っている人は何パーセントくらいいるでしょうか。知っている人は手を挙げてください。ほら、年配の人だけですね[笑い]。組織培養でダルベッコ培地って使いますよね、今でも使っています。培地が彼にちなんで名付けられたことは知られていますが、それは彼の研究上の主な貢献ではありません。彼は実はウイルス学者なんです。でも彼は、カリフォルニア工科大学やほかのいくつかの場所で始まった、分子遺伝学、分子生物学の古い学派の出身です。[聞き取り不能]がリーダーで、ダルベッコはすでにそこにいた若手教員でした。彼は医師で、ウイルス学者でしたが、当時分子生物学と呼ばれていたものにすでに触れていました。彼は大きな研究室を持っていて、主な関心は腫瘍ウイルス学、つまり腫瘍形成におけるウイルスの役割を研究することでした。そこでは動物細胞の組織培養を使い、そこにウイルスがあります。当時彼らは、ゲノムの小さいウイルス、シミアンウイルス40やポリオーマウイルスに焦点を当てていました。遺伝子は4つか5つしかなく、DNA、つまりウイルスゲノムを精製できて、それを培養細胞に感染させられる。溶解サイクル、つまり宿主細胞が死ぬ条件でもいいし、別の種類の細胞でやれば、細胞をいわば形質転換させて、増殖の制御を失わせることができる。ですから私には、これは私たちが慣れ親しんだ原核生物の分子遺伝学と、同時に動物細胞について、動物細胞の調節について何かを学べるものとの、いわばハイブリッドのように思えたんです。私はそこに応募することにして、幸いレナートが受け入れてくれました。後で分かったのですが、私と同じ頃に研究室に入ったポスドクの何人かは、まったく同じことを考えていました。彼らも自分の将来を心配していて、真核生物の系で研究したいけれども、純粋な動物の系や植物などではないものを、と考えていたんです。こうして私は真核生物の系に触れることになりました。その研究室ではたくさんのことを学びました。いたのはたった20か月でしたが。なぜ20か月しかいなかったのかは、後ほどお話しします。でも研究室は素晴らしかった。とても優秀なポスドク、シニアのポスドクがいました。30人くらいの大きな研究室です。そしてレナートは、行っても何をしろとは言わないんです。「まあ、いろんな人と話してみて、自分にとって面白いことを見つけてみたらどうかな」と言うんです。そして、プロジェクトのアイデアを持ってきたら喜んで議論すると。でも何をしろとは言わない。私はそこのポスドクたちからたくさん学びました。とても優秀な人たちで、[聞き取り不能]、後にとても優れたシニアの科学者になった人たちです。ともかく、私はそこでいろいろ学びましたが、さっきも言ったように比較的短く、20か月足らずでした。

※文字起こしの誤りと思われる箇所は、文脈に沿って次のように解釈しています。「I had of」→「I heard of(聞いた)」、「We don’t use Dulbecco medium anymore」→「Don’t we use…(使いますよね)」、「load of viruses」→「role of viruses(ウイルスの役割)」、「make actual control for growth」→「lose control(制御を失わせる)」、「But he will tell you what to do」→「won’t(言わない)」。また、文中に挿入されている「Tumor Biology」「Postdocs」「Trade Practical Training」は話の一部ではなく見出し的な挿入と判断し、訳から省いています。カルテクの[聞き取り不能]部分は、時代と文脈からマックス・デルブリュックの可能性が高いと思います。

And I had of this institute called the Salk Institute, which is right across the street from North Torrey Pine road from UCSD and there was a lab which is run by someone called Renato Dulbecco. Now, amazing thing is among younger people here I don’t know how many percent of you know who Dulbecco is. Those who know please raise hands. You see it’s only older people. [LAUGHING] We don’t use Dulbecco medium anymore in tissue culture, we still use that. People know by the medium was named after him  but that’s not his major contribution to research science. And he is a virologist actually. But he comes from this old School of molecular genetics– molecular biology, which was started in Caltech and a few other places.  [INAUDIBLE] was a leader and Dulbecco was already there and a younger faculty member. He was the M.D. He was a virologist, but he was already exposed to what used to be called the molecular biology. He had a big lab and he’s main interest was tumor virology, to study load of viruses in tumorigenesis. Tumor Biology There you use the tissue culture from animal cells, and then you have a virus. They were at that time focusing on small genome virus, simian 40 virus, polyoma virus. They had no more than four or five genes in there, you can purify DNA, viral genome, and then you can infect in a culture in a condition where– lytic cycle where the cell host will die or you’ve done in a different type of cell that you can sort of transform them to make actual control for growth. So it sounded to me these are sort of a hybrid between the molecular genetics of prokaryotic system which we are used to, and at the same time you can learn something about the animal cell, the regulation in animal cells. I chose to apply that place and fortunately Renato took me and afterwards I found out several of the postdoc who joined the lab around the time I joined they had exactly the same consideration. They worried about their future and they wanted to have– they wanted [INAUDIBLE] work on the eukaryotic system but not purely animal system or plants or something like that. Postdocs That’s how I was exposed to the eukaryotic system, same eukaryotic system. And I also learned a lot in that lab although I was there only 20 months. And I tell you why I was there only 20 months in a minute. But lab was fantastic. They were very good postdocs, senior postdoc. The big lab, like 30 people. And Renato doesn’t, when you go there Renato doesn’t tell you what to do. He will say, oh, why don’t you just talk to people and try to find something interesting to you. And then he said he is happy to discuss it if I bring up some project ideas. But he will tell you what to do. And I learned a lot from these postdoctoral people, very good people, [INAUDIBLE]. And those people who later became very good senior scientist. Anyway, so I learned something there Trade Practical Training but it was relatively short as I said, less than 20 months.

J1ビザによる滞在年数の制限

20か月足らずだった理由は、私がJ1ビザ、つまり交流訪問者ビザという種類のビザでUCSDに来ていたからです。今はある程度抜け道もあるのですが、当時はとても厳しかった。実際、博士号を取ってから18か月、この期間は実務研修と呼ばれていますが、それが過ぎたら国を出なければならないんです。母国に帰る必要はないのですが、少なくとも2年間はアメリカ国外に出ていなければならず、そうしないと戻ってこられない。私はアメリカを出なければなりませんでした。レナートの研究室でのことにはとても満足していましたが、出なければならなかったんです。レナートは心配してくれて、私にとても親切にしてくれました。カナダの何人かに話をつけてくれたんです。カナダはアメリカに近いですからね。それで、そこに2、3年いれば、また戻ってこられるかもしれないと[笑い]。いや、笑うかもしれませんが、当時はそうした人がたくさんいたんですよ。

※「trade practical training」は「practical training(実務研修)」、「if I stay at the shelter they are for a few years」は「if I stay there for a few years(そこに2、3年いれば)」の聞き間違いと判断して訳しています。

And the reason why it was less than 20 months is because I came to UCSD with a visa called  J1 visa, exchange visitor visa. And nowadays there is some way to get around a little bit but at that time it was very strict. So actually 18 months after you finished PhD, which is called– this period it’s called trade practical training, you have to leave the country. You don’t have to go back to your native country but you have to go out of United States for at least two years, two years to come back. I had to leave the US. Leaving the US I was very happy with what was going on in Renato’s lab but I had to leave. Renato was concerned, very nice to me and he talked to some people in Canada, but Canada is close to US. And then if I stay at the shelter they are for a few years I may be able to come back. [LAUGHING] No, you may laugh this but a lot of people did that at that time.

カナダでのアシスタントプロフェッサー職

でも、私のポスドクでの研究はそれほど目覚ましいものではありませんでした。ですから一流のポジションは期待できなかったのですが、結局、モントリオールから東へ2、3時間ほどの小さな町、シャーブルックという町で、助教授のオファーをもらいました。大きな病院のある小さな町です。そこにいくつか研究部門がありました。オファーをもらって、グラント、MRCグラント、カナダのMRCのグラントを書いて、それが採択されました。

※「Shellbrook」は、モントリオールの東という位置関係から、シャーブルック大学のあるシャーブルック(Sherbrooke)と判断しています。「best [INAUDIBLE] petitions」は「best positions(一流のポジション)」と解釈し、途中の「Offer Assistant Professor」は見出し的な挿入として訳から省いています。

But my postdoc work was not so spectacular. So I could not expect to have best [INAUDIBLE] petitions Offer Assistant Professor but I ended up having offer assistant professorship in a small town about two or three hours east of Montreal in a town called Shellbrook. It’s a small town with a large hospital. And there were some research division there. I got an offer, I wrote a grant, MRC grant, Canadian MRC grant, and I got it.

ダルベッコからの手紙

手紙では1968年と言いかけて1969年と訂正していますので、そのまま訳しています。

あと3か月ほどで向こうに行くことになっていたとき、レナートから短い手紙を受け取りました。彼は旅行中だったんです。イタリア系アメリカ人なので、よくヨーロッパに行くんですね。ヨーロッパを旅行していて、その手紙は今も持っています。コピーを持ってくればよかったんですが、持ってきませんでした[笑い]。ローマのとても有名なホテル、ホテル・ハスラーのロゴが入った小さな便箋に書かれていました。ホテル・ハスラーはスペイン階段のすぐ上にあって、今もあります。彼はこの手書きの手紙を私にくれたんです。小さな便箋でたった1枚半でした。そこにはこんなことが書いてありました。「私の研究室を出た後にどこへ行くか、君がどう決めたのかは知らない。でも、まだ完全に決めていないなら、別の選択肢を提案したい」と。そして彼は、こんなふうに考えていると書いていました。1968年、いや1969年のことですが、良い分子生物学の訓練を受けた若い科学者が免疫学に進む機は熟していると思う、と。そして、もし興味があるなら、所長の[聞き取り不能]宛てに手紙を書きなさい、住所は487[聞き取り不能]、CH-4058[聞き取り不能]、スイス、と[笑い]。その手紙を見て、私はそれを持ってソーク研究所の下の階に行きました。そこには[聞き取り不能]がいて、ご存じのとおり[聞き取り不能]は免疫学者ということになっていますが、分子生物学の出身でもあります。そこへ行って、ジム・ワトソンという名前のポスドクにこの手紙を見せました。皆さんがご存じのあの人ではなく、別の人です[笑い]。彼とは知り合いで、分子生物学の出身だったので、親近感があったんです。それで彼に、免疫学で私にできることで、何か意味のあることはあるだろうかと聞いてみました。さっき言ったように、彼には分子生物学のバックグラウンドがありました。彼は即座に「いや、何もないよ」と言いました。私は戻って、その手紙を引き出しにしまい、忘れてしまいました。

※聞き取り不能の住所部分は、文脈から、当時ニールス・イェルネが所長を務めていたバーゼル免疫学研究所(Grenzacherstrasse 487, CH-4058 Basel)を指していると考えられます。ソーク研究所の免疫学者の[聞き取り不能]は、モノーの研究室出身でソークにいたメルヴィン・コーンの可能性がありますが、確証はありません。「when I saw that email」は直後に「letter」と言い直しているので「手紙」と訳し、途中の「Jim Watson」は見出し的な挿入として省いています。

And I was supposed to go in about three months when I received a letter, short letter from Renato who was traveling– he’s Italian-American, so he often goes to Europe. He was traveling in Europe and I still have that letter, I could have brought the copy, but I didn’t do it. [LAUGHING] It’s written in a small stationery with the logo of a very famous hotel in Rome, it’s called the hotel Hassler. Hotel Hassler is just above Spanish steps, it’s still there. He wrote this handwritten letter and to me, only 1 and 1/2 pages, small ones. And he said something like I don’t know what you decided about the place you have to go after you leave my lab. But if you have not completely decided here’s I want to suggest an alternative, that’s what he said. And he said something like, he believes. This is 1968. No, 1969 he said, he believes time is ripe for young scientists with good molecular biology training to go into immunology, that’s what he said. And if you are interested, he said, right to doctor– director [INAUDIBLE] 487 [INAUDIBLE] C84058 [INAUDIBLE],, Switzerland. [LAUGHING] And when I saw that email– Jim Watson the letter I took it downstairs in the Salk Institute, where  [INAUDIBLE],, you know [INAUDIBLE] is supposed to be an immunologist,  but also come from molecular biology. I went there and I showed this letter  to a postdoc whose name was Jim Watson. But not the one you know but another one. [LAUGHING] And because I knew him and he come from molecular biology, so I had some affinity to him. So I asked him, is there anything I can do in immunology which could be significant. And as I said he had some molecular biology background. He said, immediately said, no, they had nothing. I went back and put it in my– the letter in my drawer and I forgot it.

ダルベッコの直言

「ススム、これは本当に面白い方向だから、真剣に考えたほうがいいよ。」

それから1か月ほど経って、自発的に出国しなければ国外退去になる期限まで、あと2か月ほどという頃でした。レナートが戻ってきて、私のところに来て、[聞き取り不能]に手紙を書いたかと聞きました。私は書いていないと説明して、免疫学のことは何も知らないし、バーゼルがどこにあるのかも知らないし、[聞き取り不能]が誰なのかも知らなかったと言いました。良い考えだとは思わない、と彼に言ったんです。でもここで、ひとつ大事なことをお話ししたいと思います。レナートは、さっき言ったように、普段は何をしろとは言わない人です。何かを強く勧めることさえしない。でもこのときはなぜか違っていて、それが印象に残ったんです。彼は私に「ススム、これは本当に面白い方向性だから、ちゃんと考えてみるべきだよ」というようなことを言ったんです。その10日ほど後、私はモントリオールを訪れました。12月の終わりでした[笑い]。着任は4月の予定だったのですが、まあ、とにかく恐ろしく寒かった[笑い]。戻ってきて、気持ちがひっくり返ってしまいました。よし、レナートを信じよう、バーゼルに行こう、と決めたんです。

※[聞き取り不能]の人物は、前の段落と同じくバーゼル免疫学研究所の所長ニールス・イェルネと考えられます。「but this case some way and it struck me」は「でもこのときはなぜか違っていて、それが印象に残った」と文脈から補って訳しています。途中の「Montreal」は見出し的な挿入として省いています。

And then about a month later, and it was almost two months before I was supposed to be deported unless I voluntarily leave. Renato came back and he came to tell me– he asked me whether I wrote the letter to [INAUDIBLE].. I explained to him that I did not, and I told him I don’t know anything about immunology, and I don’t even know Basel is, I didn’t know who [INAUDIBLE] is. I didn’t think that this is a good idea I told him. But now, I want to tell you something, it is really important. Renato as I told you doesn’t tell you what to do usually. Even do not recommend strongly to do anything but this case some way and it struck me because he said to me Susumu, this is really interesting direction you should really think about it or something like that. Montreal Then about 10 days later I visited Montreal which was the end of December.  [LAUGHING] And I was supposed to start in April but, I mean, and it was damn cold. [LAUGHING] I came back and I just–my mind flipped. I said, OK, I’m going to trust Renato  and I’m going to go to Basel.

バーゼル免疫学研究所に到着

「お前の研究は免疫学となんか関係あるのか?」「いや、なんの関係もないと思う。」

「T細胞とB細胞の違いを知ってるか?」「いや、知らない」

実際には2月に出国して、バーゼルに行きました。私のつもりとしては、ここでも2年間だけそこにいて、研究を続けるということでした。当時、私はポリオーマウイルスの変異株、温度感受性変異株を作っていて、それは形質転換、つまり細胞の形質転換ができない変異株なんですが、その研究を続けたいと思っていました。幸い、[聞き取り不能]はそれを許してくれました。ただ、私が着いて1週間後に会ったとき、彼は、それが免疫学と何か関係があるのかと聞いてきました。私は「いいえ、何の関係も思いつきません」と答えました。2つ目に彼が聞いたのは、T細胞とB細胞の違いを知っているかということでしたが、私はそんな言葉を聞いたこともなかった。それで「いいえ」と答えました。でも彼は私をクビにはせず、好きにやらせてくれたんです。

※[聞き取り不能]は所長のニールス・イェルネと考えられます。冒頭の「Basel」は見出し的な挿入として省いています。

Basel Actually in February I left and went to Basel. And my intention was again, just stay there for two years  and continue to work– I was making some polyoma virus mutant, temperature sensitive mutants, which will be defective in transformation, cellular transformation. I wanted to continue that research. Fortunately, [INAUDIBLE] allowed me to do that although when he saw me a week after I arrived he asked me whether this had anything to do with immunology. So I said no, I can’t think of any connection. And the second thing he asked me is do I know the difference between T cell and B cells, and I had never heard of that. So I said no. And but he did not fire me, he let me do.

バーゼル免疫学研究所のフラットな体制:博士研究者はみな独立

バーゼル研究所には、いわゆる「水平構造」というものがありました。つまり、博士号かそれに相当するものを持っていれば、それで独立した研究者になれるということです。ポスドクの経験があるかどうかは関係ありません。誰とでも共同研究ができますし、テクニシャンが1人、部屋が半分、つまり研究室が半分と、オフィスが半分与えられて、好きなことをやっていいんです。本来は免疫学に関係のあることをやるべきだったんですが、私はそれを無視していました[笑い]。

※「corroborate」は「collaborate(共同研究する)」の聞き間違いと判断しています。冒頭の「Horizontal Structure」と末尾の「Cellular Cellular Immunology」は見出し的な挿入として省いています。

Horizontal Structure And in Basel institute actually they had this what is called horizontal structure, which means if you have a PhD or a PhD equivalent you’re independent. It doesn’t matter whether you haven’t had any postdoc period or not. And you can corroborate that with anybody but you are given one technician and a half of a room, half of a lab, and a half of a office, and you can do whatever you want to. And you are supposed to do something relevant for immunology but I was ignoring that. [LAUGHING] Cellular Cellular Immunology

心境の変化:免疫学の世界へ

でも2年ほどの間、私は実際かなり苦しみました。みんなが何の話をしているのか分からなかったからです。セミナーがたくさんありました。どうやらとても優秀な免疫学者たちがそこに集まっていたようなのですが、分子生物学者や生化学者といった人はいませんでした。純粋な免疫学です。当時、免疫学で主流だった分野、主流のアプローチは、いわゆる細胞性免疫学でした。セミナーがあって、まあ、出るようにはしていたんですが、本当には理解できていませんでした。でもそのうち、私の考え方が少しずつ変わっていきました。どうやらとても優秀な免疫学者たちに囲まれてここにいるのなら、免疫学を少しは学ぶべきだし、彼らが興味を持つような研究をしてみるべきだと思ったんです。そうしないと、彼らと科学の話をする機会がないですから。

※途中の「Research」は見出し的な挿入として省いています。

But in about two years I suffered actually, because I didn’t understand what they are talking about. There were a lot of seminars. Apparently there were very good immunologists who assemble there but there was no molecular biologist  or biochemist or anything like that. It’s pure immunology. At that time dominant area, dominant approach of immunology well it’s called cellular immunology. There are seminars and I mean, I try Research to go but I didn’t really understand. But then gradually my thinking sort of changed. I thought if I’m going to stay here surrounded by apparently very good immunologist I should learn something in immunology and I should try to do some research which interest them. Otherwise I don’t have opportunity to talk with them science.

免疫学における重要課題:抗体の多様性を生み出す遺伝学的なしくみ

あれこれ探っているうちに、抗体多様性の遺伝的起源という問題に行き当たりました。この問題に初めて触れたとき、正直に言うと、なぜみんな抗体分子そのものではなく抗体遺伝子を研究しないのか理解できませんでした。というのも、当時みんながやっていたのは、リサが言ったように、ほかにも[聞き取り不能]などたくさんの人たちが[聞き取り不能]、ミエローマタンパク質、つまりモノクローナルな免疫グロブリンタンパク質の配列を決めることだけだったんです。十分な数の配列を決めれば、そのパターンから抗体多様性の遺伝的起源に答えられるかもしれないと期待していたわけです。私はこれはどうかしていると思いました。だって、遺伝子を見て、遺伝子とタンパク質を比べなければならないのに、片側だけを見ても問題は解けないでしょう。幸い、バーゼルにいたとき、いや、レナートの研究室にいたときに、私はすでに制限酵素のことを知っていましたし、遺伝子クローニングもほぼ、もうすぐ実現しそうなところまで来ていました。それがレナートの研究室の素晴らしいところでした。レナートの研究室は腫瘍生物学の分野のメッカだったんです。ですから、多くの人が実際にプレプリントをレナートの研究室に送ってきていました。意見をもらうためか何かだったんでしょう。私はすでに知っていたんです、たしか1968年だったと思いますが、スミスと、もう一人は誰でしたっけ? 制限酵素を応用した最初の論文で——

聴衆:ダン・ネイサンズ。

利根川進:そうそう、ネイサンズ。スミスとネイサンズです。それで、それを聞いたとき、私はすぐに、後に実行することになるアイデアを思いついたんです。

※「Unfortunately」は文脈から「Fortunately(幸い)」、「Radar the idea」は「of the idea(そのアイデアを)」と判断して訳しています。冒頭付近の「Antibody Diversity」は見出し的な挿入として省いています。なお、スミスとネイサンズの制限酵素の論文は実際には1970〜71年頃のもので、講演者の「1968年」は記憶違いの可能性があります。

I fished around and I ran into this problem of genetic origin Antibody Diversity of antibody diversity. When I was exposed to this problem. I actually honestly speaking I didn’t understand why they don’t study antibody genes rather than antibody molecules themselves because the only thing that people are doing at that time, as Lisa said but a lot of other people like [INAUDIBLE] and other people are [INAUDIBLE].. They were sequencing myeloma proteins which is monoclonal immunoglobin proteins. And they are hoping that if you sequence enough of them from that pattern you may be able to answer the genetic origin of antibody diversity and I thought that this is crazy. I mean, how can you do that when you have to look at the gene and compare the genes with the proteins, not just on one side it’s not going to solve the problem. Unfortunately, when I was in Basel– I mean Renato’s lab I already knew about restriction enzyme and also almost gene cloning, it almost becoming coming. That was the great thing about Renat’s lab. Renato’s in tumor biology was the Meca in tumor biology field. So a lot of people actually sent pre-prints to Renato’s lab to I guess to get some opinions or something like that. I already knew they are this in I think 1968, first paper with Smith and what is the other guy? Restriction enzyme applied to– AUDIENCE: Dan Nathan. SUSUMU TONEGAWA: Yeah, Nathan. Smith and Nathan. So I thought– when I heard that I immediately thought Radar the idea that I executed later.

抗体の多様性がDNAの組換えで生じているかを検証するアイデア(サザンブロット法以前の時代に)

つまり、抗体を産生している細胞の遺伝子と、抗体を産生していない細胞の遺伝子を、ゲノムごと切断してみる。もし何らかのDNA再編成があれば、切断して、ちなみにハイブリダイゼーション用のプローブがあればですが、ゲルで泳動してプローブで検出されるパターンを見る。基本的にはサザンブロットですが、当時サザンブロットはまだ存在していませんでした。ですから、存在しないサザンブロットに相当することをどうやるかという技術的な問題がありました。でも理論的には、そういうことができれば、遺伝子が再編成しているかどうかはおのずと分かるはずです。私はまずミエローマ細胞株を手に入れて培養するところから始めましたが[聞き取り不能]、同時に、制限酵素で切断したゲノムDNAをどうやって展開するかをずっと考えていました。そして、あまりエレガントではないやり方をしました。サザンブロットはとてもエレガントですからね。血清中のタンパク質を分離する研究をしている人たちは電気泳動を使っていました。水平式の電気泳動です。彼らは分取用のものを使っていて、それがとても大きくて、長さ50センチ、幅40センチくらいだったでしょうか。ゲルがとても大きいので、長時間泳動しなければなりません。免疫学者たちが低温室でそれを使っているのを見て、これを使って、制限酵素で切ったDNAを入れて電気泳動で展開できるかもしれないと思ったんです。試行錯誤はたくさんありましたが、結局、とてもゆっくり泳動しなければならないことが分かりました。急ぐと[聞き取り不能]バンドが詰まって歪んでしまうんです。泳動には3日半ほどかかります。そして、それを切り分けて、各画分、60画分くらいからDNAを抽出する。サザンブロットではありません。それからプローブ、免疫グロブリン遺伝子のプローブとハイブリダイゼーションさせるわけですが、そのプローブ自体、当時はcDNAがありませんでした。私たちがやったのは、ミエローマ細胞株から特定の免疫グロブリン軽鎖のmRNAをできる限り精製することでした。精製を何段階も重ねても、純度は97%か98%を超えなかったと思います。でもそれをヨウ素化する。標識するためにヨウ素で標識して、それをプローブとして使ったんです。そうやって進めました。細かいことを全部はお話ししませんが。

でも残り時間が20分しかないので、ここでやめておいたほうがいいでしょう。若い人たちに伝えたいメッセージはひとつだけです。私はもちろん、ダルベッコにとても感謝しています。彼は、意図的な計画などなしに、最も洗練された指導者だったと思います。私の見るところ、彼にはビジョンがありました。科学がどこへ向かっているのか、5年後、10年後、もしかしたら30年後に、どこで面白いことが展開するのかという。彼は免疫学者ではありませんでしたが、どういうわけか、野心のある若い学生やポスドクに挑戦を勧められるだけのことは分かっていたんです。実はもう少しお話ししておくと、彼はあの手紙の中で、さっきは省略しましたが、とても具体的なことを提案していたんです。「イミューンRNA」と呼ばれるものです。

※文字起こしの誤りと思われる箇所は次のように解釈しています。「probe patent」→「pattern(パターン)」、「lichen mRNA」→「light chain mRNA(軽鎖のmRNA)」、「We owned the preparative thing」→「they used the preparative…(分取用のものを使っていた)」、「constricted and distorted」→ バンドが詰まって歪む意と判断。途中の「Restriction」「Electrophoresis」「Iodine」「Immune RNA」は見出し的な挿入として省いています。

That if you cut up genomic genes antibody producing gene versus no antibody producing genes, if there is any DNA rearrangement, if we cut them up, and if we have a probe by the way, hybridization probe, run the gel and the probe patent. Basically Southern blot, but Southern blot didn’t exist at that time. So that was a technical issue of how to do Southern blot equivalent because it didn’t exist. But theoretically, if you can do something like that one should be able to tell whether gene is rearranging or not automatically. Restriction I started by getting my myeloma cell line to grow them [INAUDIBLE] but at the same time I was always thinking about how to spread out restricted the genomic DNA. And we did something really not elegant because Southern blot it’s very elegant. But we run– people who works on the serum on the separate Electrophoresis proteins in the serum they use electrophoresis, horizontal electro– other electrophoresis. And we owned the preparative thing, they used very large one like 50 centimeter long and maybe 40 centimeter wide, or something like that. You have to run long time because it is a very large gel. And I saw that in the cold room the immunologist were using, so I thought, oh, maybe I can use this one put the DNA, restricted DNA and develop it electrophoretically. And there were a lot of trial and error but it turned out you have to do it very slowly because otherwise if you rush [INAUDIBLE] get constricted and distorted. It takes about 3 and 1/2 days to run. But and then you cut it up, and then extract DNA from each fraction, like 60 fractions. It’s not the Southern blot. And then they do the hybridization with probe, immunoglobulin gene probe, which itself there were no cDNA then. What we did is we purified as much as possible from myeloma cell line, the specific immunoglobulin lichen mRNA. I don’t think it went any more than 97%, 98% pure even if we did the many steps of purification. But then you iodinate. To label you iodinate and then use that as the probe. Iodine That’s how it went. I don’t tell you all of the detail.

But we have only 20 minutes left so maybe I should stop here. And only message I will give to young people is I’m so– of course, I’m so grateful to Dulbecco. And I think that he is a most sophisticated mentor without any intentional planning. He had this, in my view, he had this vision, where the science is going, where the exciting things are going to develop in five years 10 years, maybe 30 years. Immune RNA And he was not immunologist but someway he knew enough to suggest to I guess ambitious young student postdoc, to try. And I think as a matter of fact I’ll tell you a little bit more because he actually in the letter– I abbreviated– but he suggested something very specific it’s called immune RNA.

免疫RNA(でっちあげられた話)

さて、ちょうどその少し前に、ある主張がなされていました。ハーバードのあるグループと、NYUだったかのあるグループが、それぞれ独立に報告したものです。ウサギを抗原で免疫して、その後で脾臓からRNAを抽出し、そのRNAを未感作のウサギに注射すると、そのウサギがその抗原に対して免疫を獲得する、というもので、そのRNAがイミューンRNAと呼ばれていました。でもこれはとても大雑把な話です。RNAを取り出して注射するだけですからね。そういう論文が2本ありました。レナートはたまたまその論文を目にしていて、彼が考えていたことのひとつがそれだったんです。もっと慎重にこれを研究して、RNAの性質を明らかにし、何が起きているのかを突き止めるべきかもしれない、と考えていた。それでおそらく、あの小さな手紙の中で、私がやってみてもいいことの一例としてそれを挙げたのでしょう。結局、その2本の論文は捏造だったことが分かりました。ですから間違いだったわけです。ハーバードのその教授が誰か、ご存じの方もいるかもしれません。いずれにせよ、すでにかなり有名な若手教授でしたが、その大部分は間違い、いや捏造でした。でっち上げだったんです。

※「spring」は「spleen(脾臓)」、「in this small letter I was wrong」は「in this small letter he wrote(彼が書いたあの小さな手紙の中で)」の聞き間違いと判断して訳しています。途中の「Two papers」は見出し的な挿入として省いています。

Now, there was a claim was made around that, just before that one group in Harvard and one group in NYU or something. Independent. If you take a rabbit immunize with antigen Two papers and then afterwards extract RNA from spring, and they inject that RNA to a naive rabbit, that rabbit to become immune to that antigen and that RNA is called immune RNA. But it’s very crude. I mean you just take RNA and inject it. And there was a paper, there were two papers. And Renato happened to see those papers and he was– one thing he was thinking about is that. He was thinking, well, maybe one should study this more carefully and tried to characterize RNA and find out what’s going on. And that probably he mentioned that in this small letter I was wrong as an example of what I might consider doing. It turned out those two papers are fraud, so it was wrong. And some of you may know who the professor at Harvard. But in any case, it is already quite well-known, young professor and most of them are wrong– fraud. They’re made up.

メンターとしてのダルベッコ

具体的に何かを提案したという点では、彼はまったく間違っていました。でも、大きな絵、全体的な方向性を示したという点では正しかったんです。そしてこれは、指導者が心に留めておくべきとても大切なことだと思います。指導者は単なるコーチであってはいけない。指導者は[聞き取り不能]を与える人であるべきです。私はそう感じています。ほかにもお話ししたいことはたくさんありますが、ここでやめて、皆さんからの質問を受けたいと思います。

※[聞き取り不能]の部分は、直前の文脈から「方向性」や「ビジョン」を与える人、という趣旨と考えられます。

He was completely wrong when he suggested something very specific to me but he was right in suggesting big picture, general direction. And I think this is a very important thing mentors should keep in mind. Mentor should not be just a coach, mentor should be a some [INAUDIBLE] giving person. This is the way I feel and– There are a lot of other things but I’ll stop stopped hereand then I’ll let you ask questions.

質疑応答 質問1:アメリカ留学後に京大に戻らなくても大丈夫だったの?

聴衆:京都の先生があなたをアメリカに送り出したとき、先生はあなたが戻ってくることを期待していたのではありませんか?

利根川進:ええ。ビザが切れそうになったとき、もちろん先生には手紙を書きました。でも、先生は私にとって魅力的なポジションを用意することができなかったんです。それで、ああ、つまり、私には戻る道義的な義務があったかということですか?[笑い]いいえ。そう感じたことは一度もありません[笑い]。いや、先生は私が戻らなかったことを不満に思ってはいませんでしたよ。不満には思っていなかった。それで問題なかったんです。皆さんに伝えたいメッセージのひとつは、若い人は海外に行くべきだということです。つまり、世界を見て、いろいろな人と交流して、彼らから学ぶ。私は記憶、脳を研究しています。脳は環境によってとても簡単に形づくられます。人は頭の中にある情報でしか考えられません。新しい場所に行って、新しい人たちと交流し、新しいことを探求することで、それを広げなければならないんです。まあ、ともかく。

AUDIENCE: So when your professor from Kyoto sent you to US, didn’t he expect you to go back? SUSUMU TONEGAWA: Yeah. So when my visa is going to expire I did write to him of course. But I could not– he could not come up with attractive position for me. So oh, you mean, do I have a moral obligation to go back? [LAUGHING] No. I never feel that way. [LAUGHING] No, he was not unhappy that I didn’t come back. He was not unhappy. It was OK. People, one of the message I have is young people should go abroad. I mean, see the world and interact with the different people, and learn from them. I study memory, brain. Brain is so easily shaped by environment. You only think about with information you have in the head. You have to expand it by going to a new place interacting, with new people and exploring new things. But anyway so.

質疑応答 質問2:ダルベッコ研究室の人々について

(43:04~)

聴衆:レナートの研究室からは、ほかにもたくさんの人が出ていますよね。その人たちは——

利根川進:レナートの研究室ね、そうです。

聴衆:[聞き取り不能]

利根川進:ええ、ええ、すごいですよね。[聞き取り不能]

聴衆:[聞き取り不能]もいますよね?

利根川進:[聞き取り不能]はすごいです、ええ。

じゃあ、皆さんに手伝ってもらって、また少し話をしましょう。レナートの研究室ですが、レナート自身がノーベル賞受賞者で、ご存じのとおりです。そして彼の師もノーベル賞受賞者で、サルバドール・ルリアです。そして、レナートのポスドク時代と重なっていたサルバドール・ルリアの大学院生が[聞き取り不能]です。それからレナートの研究室では、デビッド・ボルティモア、ハワード・テミン、リー・ハートウェル、そして私。時期はそれぞれ違いますけどね。リー・ハートウェルは、彼(レナート)がカルテクの教授だった頃の大学院生でした。彼の研究室から4人のノーベル賞受賞者が出ているんです。

聴衆:それに、ポール・バーグもいたと記憶していますが。

利根川進:そうです。ポール・バーグがタンパク質合成、分子遺伝学から真核生物の系に転向したとき、それが後に組換えDNA技術につながるわけですが、彼はサバティカルで1年間レナートの研究室で過ごしたんです。ですから彼はレナートの研究室で真核生物の系に触れたわけです。これは本当にすごいことです。どうやったんでしょうね。つまり、私たちは彼に「どうやっているんですか?」と聞きました。でももちろん、彼は答えない。答えを持っていないんです。ただそうなっただけだ、と言うんです。

ひとつ言えるのは、彼は自分の研究、自分の実験をやっていたということです。彼が何をしているのか、私たちにはまったく分かりませんでした。そして6か月に1回くらい、研究室で話をするというお知らせを出すんです。メールじゃないですよ、当時メールはありませんでしたから。それで彼が話をするんですが、彼があまりにも先を行っているので、何の話をしているのか私たちには分からない。だって1960年、いや60年代の終わりに、彼はすでに細胞の増殖因子、細胞の増殖を調節する因子について考え、話していたんです。そして、特定の増殖因子に対する受容体が細胞表面にあって、それがシグナル伝達を行い、転写や複製の状態を変える、という仮説のもとで研究していました。彼はそういうことを考えていたんです。でもこれはほかの誰にとっても、あまりにも先を行き過ぎていた。それで私たちは、うーん、これは……どうなんだろう、ちゃんとした科学には見えないな、と思っていました。でも後になって、彼はただ、ほかの誰よりもはるかに先を行っていただけなんだと気づいたんです。

※途中のタイムスタンプは省略しています。ルリアの大学院生でダルベッコのポスドク時代と重なっていた[聞き取り不能]の人物は、時期から見てジェームズ・ワトソン(DNA二重らせんの発見者)と考えられます。「Lee Hartwell was when he was a Cal Tech professor graduate student」は、「ダルベッコがカルテクの教授だったときの大学院生」の意と解釈しています。

43:04 AUDIENCE: Renato’s lab produced many other people. Where people– SUSUMU TONEGAWA: Renato’s lab, yes. AUDIENCE: [INAUDIBLE] SUSUMU TONEGAWA: Yeah, yeah, it’s amazing. [INAUDIBLE] AUDIENCE: [INAUDIBLE] is out there, right? SUSUMU TONEGAWA: [INAUDIBLE] is amazing, OK. 43:17 Now, you help me to tell you a little story again. You know Renato’s lab, Renato himself is a Nobel laureate 43:25 and you know. And his mentor is a Nobel laureate who is Salvador Luria. 43:31 And Salvador Luria graduate student who overlapped with Renato’s postdoc period [INAUDIBLE].. 43:39 And then in Renato’s lab. So David Baltimore, Howard Temin, Lee Hartwell, 43:45 and myself. I mean at a different time. Lee Hartwell was when he was a Cal Tech professor graduate 43:52 student. He had four Nobel laureate from his lab. AUDIENCE: And I think I remember Paul Berg. 43:59 SUSUMU TONEGAWA: Yes, Paul Berg when he changed from protein synthesis, molecular genetics 44:07 to eukaryotic system, which led to this recombinant DNA 44:12 technology he spend the one year in Renato’s lab for a sabbatical. 44:18 So he was exposed to eukaryotic system in Renato’s lab. This is quite amazing. How did he do it 44:24 I mean, we asked him how you do it? How he does it? And of course, he doesn’t answer. 44:31 He doesn’t have any answer. That it just happened, he says. 44:38 The only thing is he does his own research, his own experiments. We had no idea what he was doing. And it was every six months or so, he send out notice– not the email. No email then— that he’s going to give a talk in the lab. So he gives a talk, and we don’t understand what he’s talking about when he is so far ahead. You know, 1960– just in the late ’60s, he was already thinking, talking about growth factor in a cell, which would regulate the growth of cells. And he was working under the assumption there was a receptor for the specific growth factor on the cell surface and then did a signal transduction for changing a transcriptional or replicational state. And he was thinking about that. But this is very ahead for everybody else. So we thought, oh, this is– I don’t know. This doesn’t look like hard science. 45:53 But later, we realized that he was just very ahead of everybody else, I think.

質疑応答 質問3:ノーベル賞の連絡があったときの状況

聴衆:スウェーデンからかかってきた電話のことを話していただけますか? どこにいらっしゃったんですか?

利根川進:ベッドの中でした。早朝でしたから。ボストン時間ではかなりの早朝なんです。なので寝ていました。でも実は、電話はストックホルムからではありませんでした。東京からだったんです。記者がストックホルムより先に電話してきたものですから。

まあ、ともかく。はい、どうぞ。

Telephone call

AUDIENCE: Can you describe the telephone call you got from Sweden? I mean, where you were?

SUSUMU TONEGAWA: I was in bed. It’s early morning. So Boston time is a very early morning. So I was sleeping. But also, call was not from Stockholm. Call was from Tokyo because a reporter called earlier than Stockholm.

Anyway, yes, please?

質疑応答 質問4:脳科学で発展性のある分野は?

聴衆:では、もしご自身の学生やポスドクに何か提案するとしたら、面白い分野はどこでしょうか——

利根川進:将来についてですか?

聴衆:5年後、10年後とか[聞き取り不能]。

利根川進:脳ですね、脳です。まあ、知っておいてほしいのは、誰もが——客観的な先見性などというものは存在しないということです。それぞれの人が持っているものは、実は頭の中にある記憶と、いわゆる「好み」に基づいているんです。そのうえで言えば、私は脳には途方もない未来があると考えています。脳研究はいろいろなやり方でできます。完全に学際的な研究です。生物学的にもできるし、生理学的にもできるし、行動からもできる。それに新しい技術もたくさん必要です。もっと技術を発明しなければならない。特に、最終的に動物ではなくヒトの脳を研究したいのであれば、そうです。ヒトの脳の中で何が起きているかを見るための非侵襲的な技術に、本当の革命が必要です。それはまだこれからです。MRIは今は優れていますが、人間の心を本当に理解するには十分ではありません。ですから、工学は間違いなく関わってきます。私に言えるのはそれくらいですね。

つまり、多くの人が同じことを言っていますが、脳研究に深く関われば関わるほど、私はそう確信するようになっています。そして大事なのは、脳研究のその学際性をしっかり意識することです。ですから、ひとつのレベルの解析だけでなく、少なくとも2つ、できれば3つ、複数のレベルで学ぶ、訓練を受けるようにすべきです。そうすれば、異なる複雑さのレベル、つまり細胞、細胞間相互作用、生理学、行動などで起きているプロセスや事象を結びつけることができます。それと、ここは生物学科ですから言っておくと、分子生物学は強力な手段であり、今後も強力であり続けます。それは間違いありません。皆さんご存じですよね? 分子生物学は生命科学のどの分野にも応用できます。ですから、ちなみに、若いうちに優れた分子生物学者としての訓練を受けておくのは良いことです。でもそのうえで、新しい問題を探求することを考えてほしいんです。

※途中のタイムスタンプと、「Future of brain research」「Interdisciplinarity」などの見出し的な挿入は省いています。

AUDIENCE: So if you had to make a suggestion Future of brain research to your student or the postdoc, what would be some exciting area– 46:47 SUSUMU TONEGAWA: For the future? AUDIENCE: Five, 10 years or [INAUDIBLE].. 46:53

SUSUMU TONEGAWA: Brain, brain. Well, you should know that everybody– there’s no such a thing as objective visionary. 47:05 So each one has their– is based on their– actually, based on the memory they have in their head 47:13 and what is called a taste. And well, I consider brain is a tremendous future. 47:24 And brain research can be done in many different ways. It’s totally interdisciplinary research. 47:30 You can do biologically. You can do physiologically. You can do behaviors. And a lot of new technology is needed, also. 47:38 More technology has to be invented, particularly if eventually, if we want to study human brain, rather than animals. 47:45 We need a real revolution in a non-invasive technology 47:50 to look at what’s going on in the human brain. So this is yet to come. 47:56 MRI– it’s good now, but it’s not good enough 48:03 for real understanding of human mind. So engineering is definitely there. 48:09 And I think that that’s all I can say. Interdisciplinarity I mean, a lot of people say the same thing. But the more I get involved in brain research, 48:24 the more I’m convinced. And important thing is you are very aware of that interdisciplinarity of brain research. So one should try to learn– train– trained in not in one level of analysis, 48:50 but at least two, maybe three levels, multiple levels, so that you can make a connection between processes, events happening in the different level of complexity– cellular, cellular interactions and physiology behavior, 49:05 and so on. But I also say that since this is a biology department, molecular biology will be powerful– continue to be powerful. There’s no doubt about it. You know this, right? Molecular biology is applicable for any area of life science. So it’s good to be trained as a good molecular biologist, by the way, when you are young. But then, you want to think about exploring new problems.

質疑応答 質問5:なぜ科学研究者に?

聴衆:科学の道に進むうえで、人生の早い時期に影響を受けたことについてお話しいただけますか? たとえば、ご家族に科学者がいたとか。化学実験セットを持っていたとか。地下室であれこれいじっていたとか。

利根川進:そうですね、これもさっき言ったことの確認になりますが、人間の脳は環境によって簡単に形づくられます。ですから、医者の子どもはよく医者になるし、弁護士の子どもはよく弁護士になる。科学者や技術者の子どもはよく科学者や技術者になる、といった具合です。私もその例外ではありません。親戚、おじや祖父は、ほとんどが科学か工学の分野にいました。父も兄もそうです。兄は物理学者になりましたし。ですから、若い頃、10代の頃に私が知っていた世界はそれだけでした。何らかの科学の道に進むのは、私にとってごく自然なことだったんです。では、なぜ化学だったのか。それは難しい質問です。たぶん高校で化学の成績が良かったからでしょう。それで、自分には化学の才能があるかもしれないと思ったんです。でもそれは——まあ、ただ[聞き取り不能]だったというだけです。

※途中のタイムスタンプと、末尾の「How to become a scientist」は見出し的な挿入として省いています。

AUDIENCE: Can you say something about early influences in your life going into the scientific direction? I mean, did you have family members? Did you have a chemistry set? Did you tinker around in the basement?

SUSUMU TONEGAWA: Well, just again, I’m confirming what I already said. Human brain is easily shaped by environment. So the doctors’ children often become a doctor. Lawyers’ children often become a lawyer. Scientists’ or engineers’ children often become scientists or engineers, and so on. So I am not an exception to that. So in my bigger family, and the uncles, grandfather, they are mostly in science or engineering, including my father and my brother. My elder brother became a physicist, and so on. So that’s only world I knew when I was younger– you know, 50:39 teenagers. And it was very natural for me to go into some kind of science. 50:46 Then why chemistry? That’s a difficult question. I guess in high school, my grade in chemistry was good. So that’s why I thought I may have some talent in there. 51:00 But that’s not– yeah, they was just [INAUDIBLE].. How to become a scientist 51:06

質疑応答 質問6:免疫学から神経科学への転向について

聴衆:神経生物学への転向と、そのためにどう準備されたかについて、少しお話しいただけますか?

利根川進:どのように? 移行ですか? 転向?

聴衆:〜からの転向です——

利根川進:ええ、転向ね。これもまたよく聞かれる質問です。あなたは若いけれど、そこまで若くはないですね。私はもっと若い人たちに向けて話しています。そこはご容赦ください。

科学者として、もし科学者になりたいのであれば、いちばん大事なのは、おっしゃるとおり、好奇心や興味、科学的な興味だと思います。ある分野で研究をしていると、もちろんそこにはほかにも面白いことがあります。そして本当の意味で終わらせることは決してできません。問題は、それが本当に自分にとって面白いのかどうかです。つまり、人は常に、数週間ごとに、自分は本当に——今ここでやっていること、研究は、ほかのことと比べて本当にやる価値があるのか、と考えるべきだと思うんです。言い換えれば、いわゆる「重要性」を常に評価すべきです。それもまた非常に主観的な判断ですが、それでいいんです。この世のことはすべて主観的ですから。ですから、自分が本当に見ているもの、追い求めているものが、自分にとって本当に「重要」と言えるものなのかどうかを評価すべきです。それで、免疫学では、私はいわゆる免疫学の研究をしていました。ちなみに、私は自分が免疫学者だと感じたことは一度もないんですよ。いつも自分は分子生物学者だと感じていました。ただ分子生物学を使って免疫学の問題を研究していただけです。それを、15年くらいでしょうか、やっていました。もう少し長いかもしれません。もちろん問題はまだたくさん残っています。でも私は、何か本当に新しいことを探求したいと感じ始めたんです。新しいことを探求したい、と。そしてこれについては、もっと微妙な考えもあります。

※途中のタイムスタンプは省略しています。「I really explore something new」は「I really want to explore something new(本当に新しいことを探求したい)」の意と判断して訳しています。

AUDIENCE: Can you say a few words about your transition to neurobiology and how you prepared for it? SUSUMU TONEGAWA: How? 51:12 Transfer? Transition? AUDIENCE: Transition from– SUSUMU TONEGAWA: Yeah, transition– so that’s another thing. 51:17 That question is often asked. 51:24 You are young, but not so young. And I’m talking to younger people. You’ll excuse me for that. 51:35 You know, I think as a scientist, if we want to become a scientist, 51:41 I think the most important thing is your, as you say, 51:46 curiosity or your interest, scientific interest. 51:52 So as you do some research in some areas, of course, 52:00 there are other interesting things there. And you can never really finish it. 52:06 The question is, is it really interesting for you? 52:13 I mean, I think people should always think about, every few weeks, am I really doing– what I’m doing here, research, is it really worthwhile doing it compared to something else? And in other words, you should always assess what is called “importance,” which is also very subjective judgment. But that’s OK. Everything is subjective in this world. So you should assess whether you’re really looking at, seeking, something really– what is called “important” for you, important. So in immunology, I worked in so-called immunology. By the way, I never felt I’d been an immunologist, OK? I always felt that I’m a molecular biologist. I just use the molecular biology to study immunological problems. So I did that for, what, 15 years or so? 53:14 Maybe a bit more. And of course, there are still a lot of problems. But I started feeling I really explore something new. 53:24 I said explore something new. And there’s more subtle thinking on this.

サイエンスで成功するために必要なこと(53:32)

ひとつは、強い興味。

もう一つは、その研究領域の重要な問題にアプローチするための、自分だけの方法論を持っていること。

科学では、ご存じのとおり、自分が取り組んでいる分野に本当にインパクトを与えたいなら、いくつか必要なものがあると思います。ひとつは強い興味です。そして2つ目は、何らかのアプローチ、専門性、技術、そういったもので、自分が好きで、かなり得意だと思えるけれど、その分野のある問題を研究するのにほかの人たちが使っていないものです。ですから、いわゆる学際的アプローチに近いものですね。そうでなければ、後から参入した者がその分野に大きく貢献するのは不可能だと思います。分かりますか? だって、何千人、もしかしたら何万人もの優秀な人たちが、何年も何年もその問題について考えてきたわけです。そこに突然、自分が入っていく。そこで彼らと同じアプローチを使ったり、同じ考え方を当てはめたりしても、貢献できる見込みはとても小さいと思います。ですから、誰もやったことのないものに行き当たらなければならないんです。

私が免疫学研究所に行ったとき、核酸の分子生物学をやっている人は誰もいませんでした。免疫学の問題に関心を持つ人で、それをやっている人は世界中に誰もいなかったんです。そして私はたまたま、ほかの分野でその訓練を受けていた。私がやったことといえば、その問題と自分の持っていたアプローチを組み合わせただけです。幸い、ほかに誰もやっていませんでした。ちなみに、後になって競争相手は現れました。セーサル・ミルスタインや[聞き取り不能]も参入してきたんです。

※途中のタイムスタンプと、紛れ込んだ数字(「5」)は省いています。

In science, as you know, if we want to have a really impact to that field that you are working on, I think you need a few things. One is keen interest. And the second thing is some kind of approaches, expertise, or techniques, or something, which you like, and that you think that you are pretty good at, but other people are not using to study certain problems in the field. So it’s almost like what is called interdisciplinary approach. Otherwise, I think it’s impossible to be able to contribute significantly to a field as a latecomer. You understand that? Because there are thousands of, maybe tens of thousands of bright people who have been thinking about the problems for many, many years. And then all of a sudden, you go in there. 5And if you use the same approach as they are using, or their same thought, applying the same thoughts, I think the chances are very small that you can contribute. So you have to run into something that nobody has done. 55:05 So when I went to Immunology Institute, nobody was doing the molecular biology of nucleic acids. Nobody in the world interested in the immunological problem was doing that. And I happened to be trained in that field in other areas. And all I did is combine the problem with the approach I had. Now, fortunately, nobody else was doing. And I did have competition later, by the way. César Milstein, [INAUDIBLE],, they also came into that.

免疫学の研究から離れた理由

いずれにせよ、免疫学でも同じことで、免疫学は、医学的な訓練、つまり医学と博士課程の両方の訓練を受けた人たちのほうが、免疫学に残っている問題、たとえば免疫寛容や免疫そのものといった問題の研究を続けるのに、より向いている、より楽しめる段階に来ていると感じたんです。私には医学の訓練がまったくありませんし、それに——何と言えばいいでしょうか。そういったことを全部研究すべきなのは自分ではない、と感じたんです。

But in any case, so the same thing in immunology, so I felt immunology is coming to the point where the people who have more medical training, medical, as well as PhD training, will probably have a better– more fun– to continue to study some of the remaining problem in the immunology, like tolerance and so on, or the immunity, or things like that. And I don’t have any medical training, and I didn’t want to let– how do I say? I didn’t feel that I’m the one who should be studying all those things.

神経科学領域への転身:分子生物学を脳研究に持ち込む

そこで私は何か新しいことをやりたいと思いました。つまり、押し出す力と引き寄せる力があったんです。押し出す力は今言ったことです。引き寄せる力は、脳に興味があったこと。心に興味があったことです。でも何年もの間、どうやって研究すればいいのか分かりませんでした。言い換えれば、自分や自分の研究室に独自の、あるいは「ほぼ独自の」アプローチを持っていなかったんです。でも幸い、免疫学研究の終わりの頃、私たちはトランスジェニックや遺伝子ノックアウトの系を使って、免疫系をシステムとして研究していました。そしてある日、[聞き取り不能]、今はUCLAの教授ですが、彼がポスドクとしてやってきました。彼と話しているうちに、マウスの行動の基盤にあるメカニズムを研究するのに、トランスジェニックやノックアウトマウスの技術を応用した人はまだ誰もいないことに気づいたんです。ショウジョウバエの研究者たちはすでにそれをやっていました。その数年前から研究していたんです。でも今やマウスでもできるようになっていたのに、誰もやっていなかった。まだ誰も始めていなかったんです。それで私は、これはもしかしたら、と思いました。そしてそれが、私が、私たちが入っていく突破口になりました。免疫学を段階的に終わらせて神経科学に移るのに、7年ほどかかりました。でも、とても良い転換でした。私の学生やポスドクたちの多くも一緒に転向して、みんなで一緒に学んだからです。そして中には私より詳しい人もいました。たとえばMDのポスドクは、すでに脳の解剖学を知っているわけです。私にとっては聞き慣れない名前をいろいろ教えてくれる。私は彼らから学びました。解剖学だけでなく、いろいろなことをね。ですから、問題ありませんでした。本当に、私が幸運だったのは、ハワード・ヒューズの支援を受けていたことです。だから安定した資金があった。でも実は、マックス・コーエン——私はハワード・ヒューズの免疫学プログラムに入っていたんです。それで、私が転向すると聞いたマックス・コーエンは、どうしたんだったか、手紙をくれたのか電話をくれたのか、私の転向に不満を表明しました。「おい、ススム、君は免疫学プログラムに入っているんだぞ」と。

聴衆:彼が何と言ったか、お話しできますよ。

利根川進:え?

聴衆:彼が何と言ったか、お話しできます。というのも——

利根川進:で、彼は何と言ったんです?

聴衆:ええ、あなたが転向しようとしていた当時、私はがんセンターの所長だったんです。それで、あなたは電気生理学の実験をするための部屋を欲しがっていた。覚えていらっしゃるかもしれませんが、私が1部屋用意しました。するとマックスから電話がかかってきて、「その部屋の費用はうちでは払わない」と言うんです。[聞き取り不能]しようとしたんですが。それで[聞き取り不能]に1部屋確保して。

利根川進:そうそう、そうでした。

聴衆:それで私は「費用を誰が払うかなんてどうでもいい。彼には部屋があるんだし、彼は神経生物学をやるんだ」と言いました。

利根川進:よかった。

聴衆:そして後になって、彼も考えを改めました。

利根川進:後になってね。ええ、考えを改めてくれました。最初の論文が出た途端に、転向を認めてくれて、「いや、素晴らしいじゃないか」と言ってくれました。そういう意味で、ハワード・ヒューズの人たちはとても良くしてくれました。

※途中のタイムスタンプは省略しています。「マックス・コーエン」は、当時HHMI(ハワード・ヒューズ医学研究所)の科学部門の責任者だったW・マクスウェル・コーワン(Max Cowan)を指していると考えられますが、訳では発言どおりの表記にしています。UCLAの教授になった[聞き取り不能]のポスドクは、利根川研でαCaMKIIノックアウトマウスの研究をしたアルシーノ・シルバの可能性が高いと思います。聴衆の「Cancer Center Electrophysiology」の「Electrophysiology」は見出し的な挿入と判断しました。また、「my students are now postdocs」は「my students and postdocs(学生やポスドク)」の意と解釈しています。

So I wanted to have something new. So there is a push and a pull. The push is what I just said. Pull is I was interested in the brain. I was interested in mind. 56:44 But I didn’t know for several years, I didn’t know how to study. In other words, I didn’t have this approach, which is unique, 56:51 or “almost unique,” to me or to my lab. But fortunately, toward the end of immunological research, we are using this transgenic gene knockout system to study immune system as a system. And then one day, [INAUDIBLE],, who is now professor at UCLA, came as a postdoc. When I was talking with him, we realized nobody has applied the transgenic or knockout mouse technology to study the mechanism underlying mouse behavior. Now, there are Drosophila people are already doing that– 57:38 been the study of that several years before that. But it was now possible also to do with mouse, but nobody was doing that. Never had anybody is starting doing that. So I thought this may be– 57:56 and that was a break with which I went in. We went in. It took about seven years to phase out immunology and go up 58:05 neuroscience. But it was a great change because my students are now postdocs. 58:11 Many of them also switched, and we learned together. 58:16 And then some of them know better than me. You know, like an MD postdoc, they know the anatomy of the brain already. 58:23 They tell me all these foreign names to me. And I learn from them. 58:31 And they’re not just anatomy, but many things. So it was OK. Really, I had– the luck I had is had Howard Hughes. 58:41 So we had stable funding. But actually, Max Cohen– I was on Howard Hughes’s own immunology program. 58:49 So when Max Cohen heard that I’m switching, he– 58:55 I don’t know what he did. He wrote to me or he called me, and he expressed his displeasure for my changing it. 59:04 He goes, hey, Susumu, you are in the immunology program. AUDIENCE: I can tell you what he said. 59:10 SUSUMU TONEGAWA: Huh? AUDIENCE: I can tell you what he said because– SUSUMU TONEGAWA: Well, what did he say? AUDIENCE: Yeah, because I was director of the Cancer Center Electrophysiology 59:15 at the time when you were making the switch. And you wanted a room to do electrophysiology. 59:21 And if you remember, I gave you one. And Max called me up and said, we’re not paying for that room. 59:30 We tried [INAUDIBLE]. And we got one to [INAUDIBLE]. SUSUMU TONEGAWA: Right, right. AUDIENCE: And I said, well, I don’t care what we pay for it. 59:38 He’s got the room, and he’s going to do neurobiology. SUSUMU TONEGAWA: Good. AUDIENCE: And he came around later. SUSUMU TONEGAWA: Later. 59:43 Yeah, came around. He came around. As soon the first paper was coming out, we agreed– change. 59:51 And he said, oh, it’s great. 59:58 So in that sense, Howard Hughes people are very good, very nice to us.

質疑応答 質問7:科学研究の最高峰に上り詰めてもなお自分を研究に駆り立てるものは何か?人生を楽しむため

生きている限り、何か面白いことをやらなきゃね。でないと死ぬほど退屈でしょ。

はい、どうぞ。

聴衆:何がモチベーションになっているんでしょうか? つまり——

利根川進:聞こえません。

聴衆:今やっている研究を続けるモチベーションは何ですか? やっていることへの興味だけなんでしょうか? つまり、科学の世界で前に進み続ける、走り続けるモチベーションは何なのか。というのも、あなたはもう科学的業績の頂点に到達したと言う人もいるかもしれませんよね。その先も続けていける原動力は何なんでしょうか?

※途中のタイムスタンプは省略しています。

Yes, please? 1:00:04 AUDIENCE: What keeps you motivated? I mean– SUSUMU TONEGAWA: I can’t hear you. AUDIENCE: What keeps you motivated to continue 1:00:09 the work that you’re doing? Is it just the interest in what you’re doing? I mean, just what keeps you motivated to keep 1:00:16 going, to keep pushing forward in science? Because some people might have said that you have attained the peak of scientific achievement. So what keeps you going beyond that point?

利根川進:自分が頂点にいると思ったことは一度もありませんよ。どういう意味です? まだ生きていかなきゃならないんですから。だったら、何か面白いことをしたいでしょう? 生きている限り、人生を楽しみたい。だから、自分がわくわくできる何かを見つけなきゃいけないんです。そうでしょう?

SUSUMU TONEGAWA: I never thought that I was at the peak. What do you mean? You still have to live. 1:00:39 So you want to do something interesting, right? You want to have fun in your life, as long as you are living. So you have to find something which you get excited about. Right?

素早く学ぶためには耳から情報を入れる

ですから、私のように遅く、遅い時期に分野を変えるのはとてもいいことなんです。また戻れるからです。学生になるんです。学生に戻る。だから、たくさんのことをものすごい速さで学ぶ。授業で勉強したり、本や教科書を読んだりするのとは違います。[聞き取り不能]分野を変えるときには、それでは遅すぎるんです。だって、明日には、とても有名な神経科学者と共同研究の話をしなければならない。だから明日までに、話す内容の基本を知っておかなければならない。それで、周りの人たちにとにかく聞いて回って、耳から学ぶんです。まあ、このやり方だと情報はおそらくあまり正確ではないでしょう。でも少なくとも、だいたいの感じはつかめる。科学はそういうふうにやるべきだと私は思っています。まあ、科学のやり方は、それぞれ次第ですけどね。

※「It’s a lot like studying in a class」は、直後の「that’s too slow(それでは遅すぎる)」とのつながりから、「It’s not like…(〜とは違う)」の意と判断して訳しています。「you get the sound」は「だいたいの感じ(sense)がつかめる」と解釈しています。

So it’s great if you change your field late, late, like I did, because you go back. You become student. You become a student. So you learn a lot of things very fast. It’s a lot like studying in a class and reading a book, textbooks, or things like that.  [INAUDIBLE] that’s too slow if we are changing a field. Because tomorrow, I have to talk to a very well-known neuroscientist for collaboration. So by tomorrow, I have to know the basics of what we are going to talk about. So I just ask around, the people, and by ears we learn things. I mean, it’s probably information is not very accurate this way. But at least you get the sound. That’s the way I think the sciences should be done. I mean, the science– it’s up to you.

面白いと思ったことをやる以外ない

つまり、興味があるならやる。それ以外に選択肢はないんです。そうでなければ、退屈で死んでしまいますよ。お役に立てたならいいのですが。どうでしょうね。大丈夫でしたか? 未来は脳、神経科学にあるとはいえ、分子生物学が大切だということは強調しておきたいと思います。

I mean, if you’re interested, you do it. We have no other choice. Otherwise, you are bored to death– die. I hope it’s useful. I’m not sure. It’s OK? I want to emphasize molecular biology is important, although future is in brain neuroscience.

質疑応答 質問8(1:02:25)ヒトの脳をロボットで実現する日はいつ?

聴衆:ひとつ質問があります。ロボットで実際にヒトの脳をモデル化できるようになるまで、どれくらいかかると思われますか?

利根川進:おっと。どれくらいかかるか? その質問はきっとほかの人にしたほうが、もっと良い答えが返ってきますよ。でも難しいですね。人間のように振る舞い、考えるロボットの話ですよね。それは、そんなにすぐには実現しないと思いますよ。

聴衆:実現するかもしれませんよ。

利根川進:いや、実はね、それをやるのはかなり危険なんです。もしロボットがあなたのことを気に入らなかったら、ロボットのほうがずっと大きな力、桁違いの力を持ちうるわけですから。攻撃してくるかもしれない。ですから私たちは——その意味では、ロボットが人間のようになることはないと思います。人間がそれを許さないでしょうから。でも問題は、ロボットが、ソフトウェアを与えられなくても、この機械が自発的に、刺激に反応するだけでなく、思考を持てるかどうか。行動を計画できるかどうか。それはまだ達成されていないと思います。ですから、進歩はするでしょう。そういう技術は進歩していく[聞き取り不能]。でも、どこまでできるのか、私には分かりません。それにいつなのか。どんなロボットの話をしているのか、どの段階のロボットなのかにもよります。たとえば、ロボットは今では患者の世話ができますよね。決まった時間に薬を渡して、患者に何か気持ちが和らぐような言葉をかける。でもそれは全部ソフトウェアがあるからです。つまり、人間がそうするように指示を与えているわけです。ですから、ロボットは自分自身の——つまり、ヒトの脳を見てみると、ヒトの脳のハードウェアは環境に応じて変化するんです。ハードウェア、つまりネットワークそのものが、環境に適応するように変わる。私たちは環境から情報を取り込んでいる。環境と完全に相互作用する機械なんです。ですから、MITの人工知能の研究者に聞いてみてください。実はとても面白いんですよ。本格的に思考する機械を考えている人たち、それにロボット工学を考えている人たち、そして同時に神経科学者とでは、見方がまったく違うんです。

※途中のタイムスタンプは省略しています。冒頭の質問は聴衆によるものとして表記しました。「I don’t think people have agreed to do that」は「achieved(達成した)」の聞き間違いと判断し、末尾の「they are viewed completely different」は「見方がまったく違う」と解釈して訳しています。

I have one question. How long do you think it’s going to take to actually model 1:02:32 the human brain with robots? SUSUMU TONEGAWA: Oh. 1:02:38 How long it’s going to take? I’m sure you can ask that question to somebody else. 1:02:45 You will get a better answer. But it’s tough. 1:02:51 You’re talking about a robot who behave, think, like human beings. That– I don’t think it will happen very soon, OK? 1:03:05 AUDIENCE: It could. SUSUMU TONEGAWA: I mean, actually– actually, it’s quite dangerous to do that because if a robot doesn’t like you, they could have much more power than you have, and a different order of magnitude of power. So they may attack you. So we have to– I don’t think– in that way, I don’t  think a robot will be ever be like a human being because human being will not allow that, right? But the question is, can robot– without given software– can this machine proactively not only respond to the stimulation, but have a thought? Planning of the behavior? I don’t think people have agreed to do that. So I think it will advance. Technology like that will advance [INAUDIBLE].. But to what extent we can do that, I don’t know. And when? It depends on what robot you’re talking about, what stage of robot. I mean, robot can now take care of patients, for instance– give the pills in the right time and say something soothing to you, to the patients. But that’s all software is there.  I mean, the human is giving them to do that. So they have to create their own– I mean, if you look at the human brain, the human brain’s hardware changes in response to environment. Hardware– it’s a network itself– changes to adapt to the environment. We incorporate information from environment. It’s a totally interactive machine with environment. So please ask someone in the– artificial intelligence people at MIT. You know, it’s very interesting because people who are really hardcore thinking-machine people, plus it’s people who are think about robotics, but also at the same time, a neuroscientist, they are viewed completely different.

テレンス・セジノウスキー

それで思い出しました——そうだ、ひとつだけちょっとした話をして、それで終わりにしますね。テリー・セイノウスキーは、ソーク研究所のとても優秀で尊敬されている神経科学者で、生物学からロボット工学、計算論まで、あらゆることに幅広い理解を持っている人です。私は彼をとても尊敬しています。その彼が先日、こんな話をしてくれました。何年も前、MITの「思考する機械」の研究者たちが、まさに生産性の絶頂にあった頃、彼はセミナーに招かれました。講義室に向かう途中、ホスト役の教授から、うちのロボットやコンピュータ、スーパーコンピュータを批判しないでくれと釘を刺されたそうです。それで彼は考えた。そして、ちょうど講演を始めようとしたとき、ハエが、小さなハエがここに飛んできたんです。彼はとっさにこう考えた。「皆さん、今このハエがここに飛んでくるのを見ましたよね。この小さなやつは、どこに食べ物があるかを見つけ出せる。そこへどうやってたどり着くかも知っている。それを蓄えておく方法まで知っている。自分で繁殖することさえできる。一方、私は昨日ここの地下で、あの巨大なスーパーコンピュータを見ました。動くことすらできない。もちろん自分で繁殖することもできない」。これは、さっき言ったように、何年も、10年くらい前の話です。それが、小さくて単純な、比較的単純な脳と、巨大なスーパーコンピュータとの違いなんです。以上です[拍手]。ありがとうございました。

So I remember someone– yes, I tell you one little thing. I’m going to finish it, OK? Terry Sejnowski is a very good, respected neuroscientist at the Salk Institute who has a very broad understanding– biology to robotics to computational– everything. I really respect him. So he was telling me the other day that some years ago, when the thinking machine at MIT– people who are at the height of productivity– he was invited to give a seminar. And on the way to the lecture room, the host professor warned him not to criticize their robotics or their computers, supercomputers. So he thought about it. And then he said he started– just about he was try to start the lecture, fly, little fly, flew here. And immediately, he thought, you know, you just saw this fly flying here. You know, this little guy can find out where the food is. He knows how to reach there. He knows how to even store it. He can even reproduce himself. Now, I just saw this huge supercomputer in the basement yesterday in here. They can’t even move. They certainly cannot reproduce by themselves. So this was, as I said, many years, 10 years ago. So that’s the difference of a little, simple, relatively simple brain and a huge supercomputer. OK? [APPLAUSE] Thank you.

参考

マイケル・ファラデー(1791-1867)

マイケル・ファラデー(Michael Faraday 1791.9.22-1867.8.25)は、高校の物理で勉強する「ファラデーの電磁誘導の法則」や高校の化学で勉強する「ファラデーの電気分解の法則」でおなじみの科学者です。

 

【物理】電磁気【第23講】ファラデーの電磁誘導の法則とレンツの法則 2021/09/24 「ただよび」ベーシック理系

 

スタディサプリ高校講座 【化学】90秒でわかる!特別講義 坂田講師 2016/02/29 スタディサプリ

 

ファラデーが発見した電磁誘導は、電気回路のそばで磁石を動かすと、その回路に電流が発生するというもので、力学的なエネルギーが電気エネルギーに変換できるということを示した大発見です。つまりこれは発電所で電気が作られている原理そのものであり、今私たちが自由に電気を使えているのはファラデーの発見のおかげというわけです。

  1. エネルギー偉人館 偉人 File – No.7 マイケル・ファラデー 電気がある暮らしを可能にした ファラデーの発見「電磁誘導の法則」(マイ大阪ガス)

ファラデーは、普通の科学者なら一生かかってこれ一つ発見できれば十分、偉大な科学者の仲間入りというような大きな発見を一人でいくつも成し遂げとげているのが凄いところですが、科学者としてのキャリアパスはかなり異色です。

ファラデーのキャリアパス

貧しい鍛冶屋の4人の子供のうちの一人であったマイケルは小学校までしか行っておらず、14歳のときから製本所で働き始めました。製本所で科学関係の本を読み、科学に興味を持ち独学したようです。21歳のときにイギリス王立研究所の化学者ハンフリー・デービーの市民向け講演を聴いて科学者を志し、22歳になってようやく念願かなってデービーの実験助手・雑用係になったのが科学研究の道に入るきっかけで、その後、才覚を表して科学的な偉業を次々と成し遂げていったのです。このように中等教育、高等教育を受けることなく独学し、高名な化学者に手紙を書いて弟子入りし、研究の世界に飛び込んで数々の業績を挙げたその生き方は、強烈だと思います。

ファラデーの実験ノート

彼は実験ノート(実験日誌)を非常にきちんとつけていて、それが全部残っており本として出版されて誰でも読めるようになっているのも素晴らしいことです。この日記のおかげで、電流が磁場を発生するというエルステッドの発見の追試を始めたのが1821年9月3日で、逆に電気回路(コイル)を貫く磁場の変化が電流を発生させるという電磁誘導の現象を見つけたのが1831年8月29日だったということまでわかるそうです(参照:アマゾンレビュー)。ファラデーが苦労して電磁誘導の法則に辿り着くまでの10年間の思考錯誤を読者が追体験できるは素晴らしいことだと思います。

 

ろうそくの科学

ファラデーの名前は「ろうそくの科学」の著者としても広く知られていますが、一般市民向けに科学の真髄をわかりやすく伝える活動をしていたほか、科学者として社会に貢献する活動をそれ以外にも数多く行っていました。

  1. ノーベル化学賞受賞者・吉野彰、出版界に『ロウソクの科学』ブームを起こすきっかけを作った著者がその魅力を語りつくす。NHK出版 2020年10月12日 12時30分 PRTIMES 彼の生きている時代にノーベル賞があったなら、都合6回は受賞していただろうと言われるほどの19世紀を代表する化学者・物理学者です。最先端の研究を生涯続けただけでなく、科学を一般の人たち、とくに子どもたちに広く理解してもらうことに尽力した人物でもあります。‥ 吉野彰氏が『ロウソクの科学』に出合ったのは、小学校4年生の時。「子どもに対して科学のおもしろさを伝えようとしたファラデーの思惑は、私に対しては見事に成功したわけだ」と本書『読書の学校』で語っています。

 

ファラデーが1831年に発見した電磁誘導の法則は、その後、1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェル(James Clerk Maxwell、1831-1879)がまとめた電磁気学の根本原理マクスウェルの方程式(4つの式のセット)の一つを成しています。

ファラデーが科学者として成功した秘訣

ファラデーは、科学者としての成功の秘訣を質問されたときに、

Work, Finish, Publish.

と答えたそうです。「仕事をし、仕事を完結させ、論文発表しなさい」というわけです。

参考

  1. マイケル・ファラデー (ウィキペディア)
  2. ファラデーの電磁誘導の法則(ウィキペディア)

大学教員を目指す公募戦士の戦い方、デキ公募という難敵の回避方法など

大学教員を目指す全ての人にとっての最大の壁は、採用する人間がいるのに公募する、いわゆるデキ公募です。公募の大部分は出来公募と言われても、わずかにでも可能性があるのなら出さざるをえません。自分も任期切れ目前までひたすら公募に出しつづけて、その数は軽く100を超えました。

ポスドクや有期付きの助教が、期間の定めのない大学教員を目指す場合、JREC-INなどの公募情報を見てアプライすることが多いと思いますが、どうすれば採用内定を勝ち取れるのか、ネットの上の参考になりそうなものを紹介します。

出来公募は存在する

公募の何割が出来レースなのかは自分にはわかりませんが、「この公募は俺が採用されるためのだから、出しても無駄だから出すなよ。」と親切に教えてもらったことがありますので、世の中に出来公募があることは間違いありません。


どの公募がガチなのかは誰にもわからないため、どうせ出来レースかなと思いつつも、応募書類作成には一切手が抜けないので、莫大な時間を取られます。

”公募”という罪なやつ

あなたは出来公募には勝てない

当て馬が勝って生じる不測の事態

内部昇進を偽装公募する背景

出来公募には当て馬が必要

自分は採用側になったことがないのでわかりませんが、内部昇進だろうが出来レースだろうが、おそらく、面接には複数の候補を呼んでちゃんと決めましたという形を整える必要があるのでしょう。誰のために?

応募を続けると家計が逼迫する

応募書類を簡易書留で送るだけでも600~700円くらいしますし、地方の大学で面接に呼ばれようものなら、交通費と宿泊費で何万円もかかります。自分も地の果ての大学に面接に行ったことがありますが、事務員に案内されて部屋に入ってしゃべっておしまい、教員と話す機会はゼロ、聴きに来た先生たちもずんだれた服装でシラーっとした雰囲気でやる気無しみたいなことを経験しました。まあわかりませんが、これは当て馬に呼ばれただけだったのかなと思いました。人を馬鹿にするにもほどがあると思います。

出来公募は研究者の心を壊す

出来公募でない公募も存在する

公募要領を読み解く必要性について

下のツイートとそれに対するレスポンスは、非常に参考になると思いました。各大学の事情がよくわかります。


 

ガチ公募の場合はその旨を発信すること

揺らぐJREC-INの存在意義

JREC-INへの要望:出来レースはみんなでチェック

出来レースには目印を

出来公募の特徴

古き良き時代への回帰を

 

関連記事 ⇒ 大学教員公募が必ずしも公募でない理由

 

面接に臨む心構え

書類選考を突破して面接に呼ばれる。とても嬉しいことですが、期待と不安、落胆いろいろ感情が大きく揺り動かされるイベントです。自分が経験した面接は、正直、自分は当て馬だったんじゃないかと思えるくらい最初から反応が薄い面接ばかりでした。しかし、書類選考で数人に絞りこんだあとの面接試験は、ガチだよというシニアの先生の言葉を聞いたこともあります。結局、大学にもよるし、そのたびごとにも状況は異なるのではないでしょうか。

  1. 大学教員公募戦士:面接に呼ばれるということの意味 退役軍人会 2022年9月30日 11:23 ¥100
  2. 大学教員公募戦士:面接で聞かれたこと 退役軍人会 2022年7月25日 21:35 ¥100
  3. 公募戦士の忘備録 ~自身のラボを立ち上げるまで 2022-03-12(blog.goo.ne.jp/radiologist-soma-tohoku)

模擬授業対策の方法

研究しかしてこなかった人間にとって、模擬授業をやらされるのはかなりツライのですが、今から振り返って考えると、模擬授業で学生(選考委員の先生たち!)を巻き込んだ魅力的な授業を実演してみせることは、非常に大事だったんだなと思います。ただそれも研究志向の大学か、教育重視の大学かによるでしょう。

  1. 【大学教員への道】 模擬授業 2014年10月13日 宮本園 ”一つの事例として捉えて頂きたい.また,結果的には不採用”
  2. 公募戦士 のための 『 大学教員公募 大全 』(面接・模擬授業対策) @applebenz2021 (公募への応募46件、うち、面接に呼ばれた回数大学7校、高専1校、専門学校1校 だそうです。非常に高い数字ですね。)

 

日本以外の選択


日本に職がないから欧米でというのは、実際のところどうなんでしょうか。もちろん選択肢を広くしたほうが機会は増えると思いますが、アメリカも競争が厳しくてアメリカ人のポスドクもアメリカで職が獲れずにヨーロッパのどこかの国とか、オーストラリアとかアメリカにこだわらずに職探しをしていました。

 

企業からアカデミアへ

大学教員の経歴を見ていると、企業勤めの研究者だった人がいきなりメジャーな大学の教授になっている例を見かけます。自分には全く見えない道筋なのですが、アカデミアからアカデミアを探すよりも、インダストリーに一度出てからアカデミアを目指すほうがひょっとして可能性が高いのか?と思ったこともあるくらいです。

  1. 大学教員への道、詰みました 2020-09-30 実務家教員、人生の岐路で生きる事に挫折した

 

参考

  1. 新・教員公募星取り表78 教員公募は「負けに不思議の負けあり、勝ちに不思議の勝ちなし」の世界。日々の研究・プレゼン能力・教育指導・実務経験の全てが問われる、真剣勝負の世界へようこそ。

任期付き研究者・任期付き大学教員問題が再燃!

ツイッターを見ていたら最近、大学教員や博士研究員(ポスドク)の任期に関する意見が飛び交っていました。研究者の切実な声、貴重な意見を纏めます。

 

研究職の任期制に対する肯定的な意見

日米の流動性の違い、任期の制度上の違いについて

 

制度設計の不備について

 

 

理想的な制度設計


 

 

 

 

他国の事例

 

 

任期に関する議論における生存者バイアス・強者の理論について

上の意見にも同感で、科学の進展は、職を保証してくれるようなきらびやかな論文によってだけ進んでいるわけではありません。

任期付きであることが生み出す不安感について

 

 

研究者は任期制によって人間としての生存権が常に脅かされていることについて

任期付きに対する世間の見方

任期制が研究力の低下をもたらしていることについて

雇用側と被雇用側との立場の違いについて

任期制を肯定する意見に対する反対意見

結局は任期付を肯定してる人はそれまでに何人の犠牲と屍が横たわっているかを考慮せずに自己陶酔に陥っているだけなんですよ Ken(犬)究者@任期付研究員(求職中)@tanuki_ken

上の意見に自分も同感で、日本で名の通ったラボにいて、教授のもとでそれなりの(その分野では十分に一目置かれるだけの)成果を挙げている人が、結局パーマネント職に就けずに路頭に迷う危機に瀕しているというのが、今の日本の現状だと思います。研究者として十分に成功していても、職がないのです。大ボスであっても、多大な貢献をしてくれた部下の職の世話ができないくらいに、アカデミアのパーマネントポジションは限られているのです。研究者としてスーパーサクセスフルな人だけがかろうじて生き残れる、そんな業界に足を踏み入れたいという若者がどれだけいるのでしょうか。

 

任期付きという現実


 

 

ちなみに私は任期切れで研究を辞めました。

関連記事 ⇒ 末は博士か大臣か? ― アライさんなのだ

 

任期付き教員・研究者に関する議論再燃

いつまでたっても全然解決の見通しが立たない問題なので、ときおりこうやって議論が燃えさかります。たしか、8か月くらい前にもツイッターがにぎわっていました。

 

任期付き大学教員・任期付き研究者に関する義路の結論

教育の罠(teaching trap)に嵌らずに研究のアクティビティを維持させる戦略について

研究者の就職

業績がある研究者でも、研究環境に恵まれた大学で定職を得ることは至難の業です。トップジャーナルに論文を出してきた、バリバリに研究指向の人であっても、教育メインの大学であってもパーマネントジョブが取れるだけましという現実があります。

かなりの数(数十~数百のオーダー)の応募書類を書き,ほぼ全ての大学から不採用を告げられ,いくつかの大学から面接に呼ばれ,そのうちの一つの大学からオファーをもらえば,例えその大学が何処のどのような大学であろうと御の字と考えなければならないのが現状である.(【大学教員への道】有益な書籍・サイト akt37 2013年9月7日)

 

教育大学で職を得たその先にあるもの

私立大学の場合卒研生や修士の学生ら数十人に囲まれることになります。戦力には到底ならない彼らの面倒を見ながら研究のアクティビティを維持できるものなのか、自分には想像ができません。

多くの教員は業績があって採用されて、その後成果を上げられなくなっていっています。特に最近は。なぜか?まず週に講義を5-6コマ担当し、入試・教務・学生委員会など委員に選ばれれば必ず出る必要のあるさぼれない委員会や会議が週平均1.5回くらいあります。校費は昔は100万以上あったのが今は10-40万です。大手の大学と違って、卒業研究の指導も教授自ら真剣に手取り足取りやる必要があります。そのうちちょっとデキの良い学生は大手の大学の大学院に行ってしまい、自分のところには誰も来ないか、来ても2年間バイトにあけくれるモラトリアム組です。そして、論文も急速に出なくなり、着任当時は当たっていた科研費も次第に当たらなくなります。(ポスドクから見たダメ教員 5号館のつぶやき 2007年 10月 28日)

 

教育の罠(teaching trap)とは

I’m remembering what it felt like to spend so much time on teaching because I’ve been inundated the past two weeks by new faculty who are frustrated about how much time, energy and effort they are spending on teaching and service and how little is “left over” for research and writing. (The Teaching Trap. Armando Bengochea March 15, 2010)

Teaching Trapの定義:

The trap is when new tenure-track faculty spend the vast majority of their time on teaching at the expense of their research and writing and then find that their limited research productivity endangers their ability to be promoted at their current institution, or move to another one. (The Teaching Trap. Armando Bengochea March 15, 2010)

 

教育の罠(teaching trap)に嵌らない方法

テニュアが取れるかどうかがかかっている状況であれば、教育よりも研究業績を上げることに集中するしかありません。いい教育者になるのは、パーマネント職についてからで十分です。まあ、テニュアトラック制度を敷いているということからして、これはある程度いい大学(研究環境に恵まれている大学)の場合の話でしょうが。

Concentrate on your research. If your research is good, no one will care if you can teach. After all, when was the last time someone got tenure for being a good teacher? (Academic Scientists at Work: To Teach or Not to Teach? By Jeremy M. Boss, Susan H. EckertMay. 9, 2003 , 8:00 AM sciencemag.org)

Put research and publishing ahead of the needs of your students. You can be a good teacher after you get tenure.

Once you have established your classes, do not reinvent the wheel every
semester. Make small tweaks to improve classes, do not overhaul unless directed to from the outside. (Getting Started on the Tenure Track: Challenges and Strategies for Success Article in Schole · January 2019 DOI: 10.1080/1937156X.2019.1589804)

参考

  1. Tribal, proletarian and entrepreneurial career stories: junior academics as a case in point November 2015Studies in Higher Education 42(7):1-17 DOI:10.1080/03075079.2015.1092129 Authors: Oili-Helena Ylijoki Lea Henriksson 無料要旨 Drawing upon a narrative approach, five career stories are constructed: the Novice of the Academic Elite, the Victim of the Teaching Trap, the Academic Worker, the Research Group Member and the Academic Freelancer.

任期付き大学教員・研究者の苦悩と任期無し教員の考えとのギャップについて

搾取される若手研究者

10年後、20年後に業界にいられるかも分からない状況にある若手に対して、若手から搾取している立場の者が、その搾取の構図を変えようと動くこともせず「10年後、20年後に業界の中核を担う若手」という表現を使うことは無責任以外の何ものでもない。(2021.04.10「シニア世代」が「若者世代」を搾取する…研究業界に見る日本社会の危機 中川 まろみ)

 

 

上のFRAUの記事は、搾取される若手研究者に関して、競争的資金の獲得においてシニアが有利な構図があるということと絡めていて、この議論に自分は必ずしも賛成するわけではないのですが、搾取の構図があるという点に関してはそう思います。

若手研究者がラボに貢献する(そこそこの)業績を上げてもパーマネントの職はなく、ラボヘッドだけが生き残っていく社会になってしまっているという点において『搾取」ではないかと思うのです。昔なら助手⇒助教授⇒教授になっていたであろう人間でも、今の時代だと任期付きのせいで、ポスドク⇒ポスドク⇒ポスドク⇒‥ とか、助教⇒ポスドクに逆戻り⇒ポスドク⇒研究人生終了とか、助教⇒研究人生終了になる可能性が大きいと思います。

 

噛み合わない議論

 

 

 

 

 

 

パーマネントvs任期付きの根源的問題

 

いちばん問題だったのは、業績のない教員でも、そのまま定年まで在籍することが多々あることだった。いわゆる「万年助手」というキャリアパスだ。任期制導入の裏には、我が国のアカデミア全体での人材循環もさることながら、こういう万年助手の方に任期を理由に辞職して頂くことができれば、という目論見があった。(任期付ポジションについて考える 2012年 04月 26日 大隅典子の仙台通信)

 

 

歴史的背景

 

アカデミアのポジションの数に関して

 

 

任期付きポジションの良し悪しに関する議論

 

 

 

任期付きポジションの短所について

 

 

数年の任期でできること

 

任期付きポジションのあるべき姿について

 

現在の任期付きポジションの不条理さについて

 

 

 

任期付き研究職の設計の誤りについて

 

 

 

任期無しポジションの有難み

 

任期付き研究者というポジションの見られ方

 

 

パーマネント職の数の絶望的な少なさについて

 

 

パーマネント職にいるシニア研究者と若手世代との間のギャップについて

 

 

 

 

パーマネント職が少ない理由

 

 

任期付き職から抜け出すためのアドバイス

 

大学教授とは?大学教授の年収、責任、性格、権限などについて

大学教授とは

大学教授とは?ついては、学校教育法という法律の第92条⑥で説明されています。いわく、

教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。

ちなみに、教授と准教授と助教の説明はたいして変わりません。

教授: 特に優れた知識、能力及び実績を有する者
准教授:  優れた知識、能力及び実績を有する者
助教:     知識及び能力    を有する者
法律の条文的には違いはわずかですが、教授とそれ以外では実際には大きく異なります。教授はラボの主宰者でPrincipal Investigator(PI)です。准教授の立ち位置は大学やラボで異なり、上に教授がいない独立准教授の場合は准教授はPIという意味において教授と変わりません。
とにかくPIがラボを運営する責任と権限を持っているので、その下に位置する人間はPIに従うことが当然とされます。つまりラボの中においてはPIである教授が(独立准教授の場合にはPIである准教授が)絶対的な決定権を持つ「王様」としてラボ内で君臨しています。王様の命令に背く人間には居場所はありません。まあ、言うことを聞かない人間はそもそも雇い入れないと思います。そんなわけですから、大学院生やポスドクは、PIのことを、本人がいないところで話題にするときに、「ボス」と呼ぶことが多いです。

教授のラボ運営のスタイル

一口に教授と言っても、その人の信条や性格によってラボの運営の仕方や部下への接し方は全く異なります。

完全放置型のボス

教授が「売れっ子」の場合、国際学会に呼ばれたり学会のシンポジウムなどの世話役で忙しかったりして、ラボにそもそもあまりいない場合があります。ラボにいても教授室にこもって論文や研究助成の申請書を書いてたり、雑務をこなしたり、大学の運営に関わる各種委員会の会議に出たり、学部学生の授業をしたりして、大学院生やポスドクの研究の面倒を全く見る暇がないということがあります。

ポスドクは自立して研究を進めるトレーニングを受けてきているので、放置型のボスをむしろ歓迎する人もいます。しかし、大学院生の場合には、このような放置型のボスのもとでは十分なトレーニングが受けられない恐れがあります。教授が大学院生に無関心でも、教授の下にいる准教授や助教の先生が面倒を見てくれる体制があれば、問題なくラボは回ります。多数の学生をそれぞれ准教授や助教といった割り振って、あぶれた学生をボスが直接面倒を見るということになると、放置型の教授についた学生は学ぶ機会が少なくて恵まれない学生生活になりがちです。

 

管理型のボス

教授によっては部下の実験の進捗状況を完全に把握しておきたいという人もいます。沼研のエピソードを見ると、沼先生はこちらのタイプだったようです。

ほぼ毎日夜10時ころ沼先生が研究室へおりてこられ,
「きょうの実験は如何でしたか?」
と質問され,わたしがデータを説明すると,
「では明日はどこそこまで進みますね。」,
なにかミスがあると,
「なぜすぐやり直さないのですか。」
といった調子でした。 (医 化 学 教 室 と 私)

 

中間型・複合型のボス

上の2つは両極端で、実際にはその中間が多いようです。例えば、普段は忙しいのであまりディスカッションはしないが定期的なラボミーティングではしっかりと実験データを確認して研究の方向性がズレていないかを確認するという教授が一番多いのではないでしょうか。

ボスがまだ若くてテニュアトラック准教授になったばかりなのか、あるいは、国際的にその分野で認められているスター教授なのか、といった教授(あるいは准教授のPI)が研究者としてキャリアのどの段階にいるかでも、ラボの運営スタイルは変わってくるかもしれません。

 

教授の能力について

そのラボに集まってくる人たちは、いい研究をしたくて入ったきたわけですが、研究のアクティビティの天井はどうやって決まるのでしょうか。野村監督の言葉に、

組織はリーダーの力量以上には伸びない。(野村克也 名言集)

というものがあります。特に管理型のボスの場合は、研究のアクティビティはボスの力量以上にはならないと言えます。部下がいくら優秀で素晴らしい研究のアイデアを持っていても、それがボスの想像力を超えていた場合には、どうせ無理だからやめておけという反応をしてしまうからです。

部下に自由に研究をさせてみて、実験結果の解釈を一緒に考えて楽しめるようなボスの態度が、ラボのアクティビティを最大化する秘訣ではないかと思われます。

Jenniferはラボメンバーに対して怒ったり理不尽なプレッシャーをかけたりすることはあまりなく、とてものびのびとやらせていたと思います。研究の進め方の議論で何かを提案する時も、「これこれやってくれ」とか言うことはまれで、「これこれやってみたら」とか「これこれやってみようか」とか、あくまでメンバー自身に主体的に取り組ませるような議論の進め方だったように思います。(Jennifer Doudna研究室でのポスドク経験 投稿者 福永 流也 (Johns Hopkins University School of Medicine) 日本RNA学会)

ボスの仮説に合わない実験データを部下が出したときに、ボスがそれを捨ててしまって元の仮説に固執するのも、研究の限界をボスが作っている典型例です。

 

ボスとの相性について

教授は世間的には尊敬の対象かもしれませんが、いざラボの中に入ってみると子供っぽい振る舞い、大人げない言動、傍若無人の振る舞い、非論理的で感情的な判断など、聖人君子とはとても言えない部分が見えてくるかもしれません(想像)。ラボの中の人(学部学生、大学院生、ポスドク、助教、講師、准教授、教授秘書)は、そんなボスであってもうまく折り合いをつけて研究を推し進める必要があります。人間的に合う、理解できる人であれば問題ないのですが、人間的に合うあわないというものはどうしても出てくると思います。

ある人にとっては極悪非道に思えるボスであっても、別の人はその部分が全く気にならずにとても良いボスでしかない、ということは十分あり得ます。ですから、どのラボに入るかを決めるときには、教授との相性というものが非常に大事です。

 

ボスの教育者としての責任

大学教授は学問的な業績でその地位についていることが多いので、必ずしも教育的な人とは限りません。部下のプロモーションに必ずしも積極的ではない場合もあります。

大学院生やポスドクがラボを選ぶ場合には、そのラボからどんな人が巣立っているかをしっかりと見極めたほうがよいでしょう。入学した大学院生がほとんど博士号を取得できずに辞めてしまっているラボ、ポスドクが誰も次にステップアップできていないラボは、要注意です。ラボが機能不全に陥っている可能性があります。

 

大学教授の年収

自分は知らないので、ネットの情報を。

  1. 職業別年収ランキング第3位は「大学教授」! 平均年収は1,000万をどのくらい超えてる? (ベネッセ 教育情報サイト 2/3(水) 20:14 YAHOO!JAPAN) 年収ランキング第3位の「大学教授」の年収は1,100万円! 研究に加えて学生への講義や大学運営にも携わるなど、仕事内容は多岐にわたるため、高い水準の給与が設定されているようです。 ただし、上記の年収はあくまでも平均値。

大学の講師、助教、准教授、非常勤講師の違い

大学の講師とは?

大学には研究と教育を職務とするものとして、教授以下、准教授、講師、助教という職位があります。大学の講師は、准教授と助教の間に位置しています。しかし講師だけ呼び名に一貫性が無いため、助教とどっちが上なの?という疑問を持つ人もいるかと思います。曖昧さをなくすには、日本の「学校教育法」がどう定めているかを見るのが早道です。

学校教育法が定める大学講師の位置付

第九十二条 大学には学長、教授、准教授、助教、助手及び事務職員を置かなければならない。ただし、教育研究上の組織編制として適切と認められる場合には、准教授、助教又は助手を置かないことができる。

② 大学には、前項のほか、副学長、学部長、講師、技術職員その他必要な職員を置くことができる。

(中略)

⑩ 講師は、教授又は准教授に準ずる職務に従事する。

(e-gov 学校教育法 第九章 大学  *太字強調は当サイト)

上の法律の条文に、講師は教授、准教授に準ずるとありますので、准教授の下だということがわかります。にも拘わらず、なぜ混乱することがあるのかというと、一つには欧米のシステムの違いにあります。

講師の英語表記と欧米のシステムとの違いによる誤解と混乱

アメリカの大学のシステムでは、

  • 教授(Full Professor)
  • 准教授(Associate Professor)
  • 助教授(Assistant Professor)

という順番ですが、講師(Lecturer)が准教授と助教授の間には来ません。アメリカの大学のシステムではLecturerは教育職で授業を行うのが役目であり、研究職の職位のシステムには組み込まれていないのです。しかし、日本の講師(Lecturer)は教授や准教授と同様に教育だけでなく研究を行います。助教だった人が昇格して講師になり、さらに昇格して准教授、教授となっていくので、日米で同じ呼称を用いていても、やることが全然違います。

  1. EDUCATION REPORT Assistant Professor, Associate Professor, Lecturer… What’s the Difference?(April 20, 2005. learningenglish.voanews.com)Another position is that of lecturer. Lecturers teach classes, but they may or may not have a doctorate.

ややこしいことに、イギリスにおけるLecturerはアメリカのLecturerとは異なるようです。下のリンク(Quora)の説明によれば、イギリスにはAssistant Professorという職位はもともと無くて、アメリカのAssistant Professorに相当するのがイギリスのLectuerなんだそう。ということは、日本の講師は、イギリスのLecturerに近いですね。

  1. Which is higher, a lecturer or an assistant professor? (Quora)
  2. Academic ranks in the United States (Wikipedia)

 

講師と非常勤講師との違い

さらにややこしいのは、「非常勤講師」にも「講師」という言葉が含まれていることです。非常勤講師は単年度契約で文字通り「非常勤」の雇用ですが、「講師」は常勤です(任期がつくのが普通かどうかは自分は知りません)。大学の非常勤講師は授業を教えるのが職務であり、研究に携わることはありません。大学の講師は、教授や准教授に準ずる扱いなので、講義を持つこともありますが、研究することおよび研究成果が求められます。

 

ケビン「『講師』は、主に授業のみを担当シマス。」(「准教授」と「助教」の違い 暮らし・学び・医療 学び・教育・入試 雇用・就職・働き方 2017年3月7日 09時52分(最終更新 3月7日 09時52分) コトバ解説 毎日新聞)

上の毎日新聞の解説は、海外の講師あるいは日本の非常勤講師と混同しているようです。全く正しくないので、要注意。毎日新聞が間違えるくらいに、講師という職位はマイナーな存在なんでしょう。

 

講師と助教との違い

繰り返しになりますが、講師が助教よりも職位が上なので、助教から昇進して講師になります。英語表記だとAssistant ProfessorからLecturerになるので、全然昇進したように感じられないかもしれません。対外的には非常に誤解を招く呼称だと思います。

一般用語としての講師からくる混乱

講師という言葉は、学校教育法が定める大学の職位でもあり、通常のありふれた日本語でもあります。人前で物を教える人はみな「講師」なので、よけいに混乱する人はするのでしょう。

ポスドクとは?年収、結婚、任期の問題

ポスドクは研究者にとって当たり前過ぎる言葉ですが、一般の人にはよくわからない職種だと思います。withNewsに、その理解のズレを示した小話が紹介されていました。

ポスドクは任期があります。だいたいポスドクを雇用する財源に依存するので数年程度で、ボスが研究費を獲得できればもう少し伸びるというのが実際のところです。数年といっても実際の雇用契約は1年ごとの更新が多く、基本的にボスから使えないやつと思われたら翌年の職はなくなる恐れがあるという、なんとも恐ろしい状態です。ボスから気に入られていたとしても、ボスがポスドクを雇えるだけの研究費を獲りそこなうとやはりクビになる恐れが大です。まあこれはラボのボスが雇用する場合で、もし大学が財源を持っていて大学のお金で雇用する場合には、もう少し経済的、気分的な安定が見込まれます。

さて、そもそもポスドクとは何かについて、自分も長いことポスドクをやって「高齢ポスドク」まで行ったので、自分の経験を踏まえてまとめておきたいと思います。人それぞれ置かれた状況によって、多少事情が異なるかもしれません。

ポスドクとは

ポスドク(Postdoc)は、英語のポストドクトラルフェロー(postdoctoral fellow)の略で、大学院で博士号を取得した後、大学教員の職を得る前の、通常数年程度の一時的な研究職のことです。次に大学教員として就職するために必要な研究者としての実績を積むための数年間という位置づけです。このポスドクの時期に、しっかりと研究して成果を挙げ、いい論文にまとめないと、次にステップアップできません。東大や京大、阪大、ハーバードやスタンフォードなど一流の大学にポスドクから教員の職を獲った人の業績を見てみると、ほぼ例外なくポスドクの時期にトップジャーナル(セル、ネイチャー、サイエンス、およびそれらの姉妹紙の最上位のジャーナル)に論文を複数出しています。別にこのようなメジャーな大学でなくても、今のご時世はもっと普通の大学であってもやはりこれらのレベルのジャーナルに論文を出したことがある人しか、研究ができるような大学の教員にはなれていないように思います。研究者の業績をどう評価するかは大学の考え方次第なので、100%そうとまでは言いませんが。

ポストドクトラルトレーニング

日本では博士号を取得したら一人前の研究者と見なされるべきだという風潮を感じますが、アメリカに行って驚いたのはポスドクは、postdoctral trainingという言葉があるくらいで、PIになる前のトレーニング期間という位置づけでした。別に半人前に扱われるわけではないのですが。実際には自分で学ぶしかありませんが、建前としてはアメリカは非常に教育的な国だと思います。

最近、日本でもこのポスドクという名前が知られるようになって来たが、博士号取得者の就職困難という負の文脈で用いられることが多く、誤解を与えているようだ。(誤解されていないか、ポスドクという職業 須藤靖 東京大学教授(宇宙物理学) 2012年05月05日 論座RONZA)

ポスドクの期間

ポスドクは博士をとった人間が、大学教員の職をゲットするための機関なので、早い人だと2年くらい、望ましくは3年くらいで終わらせるものだったはずです。なかなか良い論文が出せずに5年くらいかかってというのもあり。しかし、これは理想的な話であって、近年のいわゆる「ポスドク問題」という言葉が示すように、大学に空きポジションがあまりにも少ないために多少の業績がある人でも教員職にありつけず、ズルズルとポスドクを続けて高齢化していきますます就職に不利になってしまうという状況が頻繁に見られます。

自分の経験を言うと、日本で博士号を取得して数年間ポスドクをやってから、さらにアメリカに行ってポスドクをやりましたが、アメリカのボスが自分に会うなり最初に言った言葉が、「なんでお前はこんなに長くポスドクをやってるんだ?」というものでした。ポスドクを数年やったら、さっさと次にステップアップするのが通常なので、自分の行動はすでにキャリアパスから足を踏み外していたのかもしれません。自分はそれから職探し(=大学の教員のポジション探し)を始めましたがどうにもこうにも見つからず、結局ズルズルと10年以上もポスドクをやってしまいました。研究者のキャリアパスとしては、最悪のパターンです。

ポスドクの仕事は誰のもの?

生命科学の業界では、ラボの仕事は全部ラボヘッドの仕事と見なされます。ポスドクがファーストオーサー(筆頭著者)として論文を書いても、外からみるとそれはラボの教授(あるいはPI)の仕事でしかありません。それが証拠に、せっかく良い研究テーマを当てたとしても、ラボを出るときにその研究テーマを持って出られるとは限りません。

テーマののれん分けは、ボスの考え方次第ですので、テーマを持ち出して競合相手になることを気にしないボスもいれば、テーマの持ち出しを絶対に許さないボスもいますし、うまくテーマを住み分けて協調するボスもいます。

 

ポスドクの給料・年収

ポスドクは何年やっても普通の会社のような昇給はありません。何歳であっても考慮されません。30歳のポスドクも40歳のポスドクも50歳のポスドクも給与に差はつきません。差が出るとしたらそのポスドクを雇用する制度が異なる場合だけです。ボスが科研費で雇うのか、大学が雇うのか、日本学術振興会特別研究員 (PD)(通称、学振)での雇用なのか、CRESTなどのプロジェクトでの雇用なのかで差はあると思います。ボスが科研費で雇用する場合は、たいていかつかつなので最低金額しかもらえないでしょう。高齢ポスドクでも、企業の新入社員なみの低さです。ポスドクは常勤職ではないのでボーナスはありません。

ポスドクの年収に関してネイチャーに記事がありました。国や研究分野、および個人によって大きな差があるようです。

  • 年間の収入が5万ドル以上8万ドル未満(約515万円以上825万円未満)になると報告した人は半数以下(42%)
  • 米国立衛生研究所(NIH)の所内研究訓練奨学金(Intramural Research Training Awards:IRTA)を受けている新しいポスドクは、少なくとも年間5万2850ドル(約545万円)
  • 回答者の38%が年収3万ドル以上5万ドル未満(約310万円以上515万円未満)
  • 15%が年収3万ドル未満と答えている。
  • 欧州では、欧州ポスドク協会ネットワーク(European Network of Postdoctoral Associations;ポルトガル・コインブラ)が2019年に実施した調査の結果、ポスドクの収入には大きな格差があり、中央値が約3万8000ドル(約390万円)と示されたことと一致している。
  • 生物医学分野では、過半数をわずかに上回る人(51%)が、年間5万ドル以上の収入があると回答している。

(学術界のプレカリアート、ポスドク Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2021.210226)

ポスドクの貧困度合い

ポスドクの給与、特に科研費雇委の場合はボスにも余裕がないので、ボスがケチだからというわけではなく、非常に低い金額しか期待できません。自分の経験を語るなら、毎日、缶コーヒー一本が買えず、一番安い野菜、一番安い果物、一番安いお肉を買って同じような食事を食べ続ける毎日で、生活の余裕は全くなくただ生きながらえているだけのような状態でした。こんな生活を何年も続けていると、精神的にやられます。

 

ポスドクの恋愛・結婚

ポスドクは大学で職を獲るまでの修行期間なのでたいていの人は研究に100%の労力をつぎ込んでいます。なので恋愛する余裕はあまりないのではないでしょうか。しかし学生時代からつきあっている人がいたりした場合には、結婚をどうするのかという問題も生じます。男性の心理としては、自分の職がどうなるかわからない状態ではとても結婚などできないと思う人がほとんどでしょう。必然的に女性は待たされることになります。しかし、ポスドク問題が示す通り、いつまでたっても職にありつけないで高齢化するポスドクが大量に生まれている状況ですので、いつまで待っても結婚のタイミングは来ないと思ったほうがよいです。結婚するならする、しないならしない。次の職が取れたらと考えても無意味ではないでしょうか。

ポスドクの人生

本来はほんの数年で次にステップアップしなければならないポスドクなのですが、ポスドクから抜け出せなくなる人が多いです。

高齢化するポスドクの人生を描写した「白木屋コピペ」を読んだときに、ポスドクを長くやっていた自分は本当に惨めな気分になりました。実際にはもっと悪い状況で、友達関係も全部途切れて、向こうからすれば音信不通になった奴状態だったので、安い居酒屋で飲む機会すらありませんでしたが、それでもこのストーリーはリアリティがあって身に応えます。

なあ、お前と飲むときはいつも白木屋だな。
一番最初、お前と飲んだときからそうだったよな。 俺もお前も理学部の学生だったとき、一緒に飲みに行ったのも白木屋だったな。

「俺はいつか生命科学者になってCNSで一報取ってアカポスに付くんだ」

お前はそういって笑ってたっけな。

(中略)

あれから十年たって今、こうして、たまにお前と飲むときもやっぱり白木屋だ。
ここ何年か、こういう安い居酒屋に行くのはお前と一緒のときだけだ。
別に安い店が悪いというわけじゃないが、ここの酒は色付の汚水みたいなもんだ。

(中略)

お前が前の研究室のポスドク任期切れになったの聞いたよ。奨学金の返済も国民年金も払えないのも聞いたよ。
新しく入った技術者派遣で、一回りも歳の違う、20代の若い専門卒や主婦の中に混じって、使えない粗大ゴミ扱いされて、それでも必死に卑屈になってテクニシャン続ているのもわかってる。

だけど、もういいだろ。
十年前と同じ白木屋で、十年前と同じ、努力もしない夢を語らないでくれ。

(以下略)

(出典:白木屋コピペ アカポス編)

  1. 白木屋コピペ(ニコニコ大百科)

ポスドクの末路

ポスドクをやって華々しい成果を挙げた人は、テニュアトラック助教、テニュアトラック准教授といったPI職を得るチャンスが出てきます。あまり成果が得られなかった場合でも、どこかの助教になれる可能性はあります(人との繋がりが必要)。成果が出ず、ボスがもうこれ以上雇いきれなくなると、辞めざるを得ませんが次に行く場所もないので、アカデミアを去る決断が必要になります。しかし年齢がいっていると、民間に行く選択肢はありません。自分がこのパターンでした。人材登録会社に相談しましたが、まともな職は紹介してもらえず、結局、アカデミアでさらにがんばる以外の選択肢がありませんでした。高齢ポスドクのさらなる高齢ポスドク化です。

  1. 悲惨なポスドク…東大博士号でも非正規、40代で就職活動、夢は中国で研究者 (奥田壮/清談社 2019.07.01 07:00 Business Journal)

ポスドクのキャリア

もちろん一部のポスドクは順調にステップアップしていきますが、ポスドクの期間で思わしい論文業績を作れなかった場合には、アカデミア以外のキャリアパスのオプションを考えたほうがよいかもしれません。

  1. 理学博士KOTORAのキャリア相談室〜博士・ポスドクから企業への転職:年収は?年齢は?〜(2020.08.25 リケラボ)
  2. ポスドク街道11年の果てで進退窮ま……らなかった話〈アカデミアを離れてみたら〉(2020.04.22 岩波書店のWEBマガジン「たねをまく」)

 

ポスドクという非常勤職を長く続けてチャンスを伺うよりも、なにはともあれ若いうちに助教などの常勤職でどこかに潜り込んでそこでステップアップしたほうが確実性が高く、経済的にも安定した人生になるような気がします。いくらポスドクで業績があったとしても、内部昇進する人が決まっているポジションの”公募”で勝つことはできません。助教も任期付きがほとんどですが、一部の大学では定年制の場合があります。

ラボは何時間労働?ボスからの手紙

沼研には正月休みが1日しかなかったそうですが、そこまでとはいわなくてもボスはやはりポスドクにはできるだけ長時間働いて欲しいみたいです。似たような話があったので紹介。

下の記事によれば、カルテックや他のエリート大学ではこの程度の労働時間は通常だそう。

Note that in this missive, Carreira does not impose his own rules on Guido, but those of Caltech. In fact, sources assured me that such work practices were and still are perfectly standard at Caltech. Working in the lab late and on weekends was normal, everyone had to do it, as the sources said. Caltech used to be infamous for people working ungodly hours. Sometimes, lights were on in the labs even at 2 AM on a Saturday morning. Other US elite universities were not really much better, or same. (New JACS EiC Erick Carreira: “correct your work-ethic immediately” SEPTEMBER 6, 2020 For Better Science)

ちなみにこのエリック・カレイラさんは、この手紙がネットに出回り、時折話が蒸し返されることを非常に不快に思い実際かなり迷惑しているみたいですが、事態を収拾するためなのか、その後、この手紙に関して反省文のような声明を出しています。

  1. New JACS EiC Erick Carreira: “correct your work-ethic immediately” SEPTEMBER 6, 2020 For Better Science
     

大学院生やポスドクは何時間働けば良いのか

自分が大学4年生のときの隣のラボのボスは、「1日12時間も働けばクタクタになるよ」と言っていました。それを聞いて、このボスの期待は1日12時間くらいということなのかなと思いました。実際、こんをつめて12時間働くとクタクタになります。途中で息抜きをしながらだと12時間以上働くことは可能です。

自分が大学院のときは、朝8時半始まりで夜は特にルールはなかったのですが、みな終電(24時前頃)まで実験していました。一番早く帰る人が21時くらいに帰っていたと思います。それを見て、結果を出している人は21時に帰っても誰も文句を言わないんだなと思っていました。

自分がアメリカにポスドクで行ったときのラボは、朝は9時~10時の間にみな来ていました。夜は早く帰る人が18時半~19時頃。一番遅く帰る大学院生が21時頃。研究所の日本人のポスドクだけは夜中近くまでいることもあったようです。ただし、夜中に帰るのは安全上の問題があるため、”足”(車)があるかどうかで22時~24時の間に帰っていたのではないかと思います。土日は大学院生も既婚者のポスドクも、あまり来ていませんでした。自分がいたラボには、週末には日本人のポスドクとボスしかいなくて、ボスは「俺が大学院生の時は土曜も実験してたのになぁ。」とぼやいていました。しかし、夜遅くまで実験しろとか、朝早く来いとか、週末も来いなどと強要することは全くありませんでした。

日本の大学院生に比べればアメリカの自分のいたラボの大学院生は圧倒的に少ない労働時間だったと思いますが、セル、サイエンス、ネイチャー、それらの姉妹紙に大学院生が論文を出すようなアクティビティの高いラボでした。この違いは一体なんなんだろうとずっと不思議でした。正直言って今でもはっきりとはわかりません。ただ思うのは、やはりテーマ選びが一番大事なのだろうということです。面白くない仮説を検証しても良い論文にはなりません。だからといって当初のアイデア通りに事が運ぶことなどそうそうなくて、ボスが提示した研究テーマや実験がみなうまくいくということなど決してありませんでした。みな試行錯誤、暗中模索する部分は当然あって、その点に関しては、日本で研究していたときとなんら変わりませんでした。どこで違いが出てくるのかわからないのですが、どうやって良いストーリーにしていくかを実験データを見ながら柔軟に対応していたのかもしれません。あるいは、良いストーリーにならないようなテーマは見切りを付けたり、ストーリーを作るために最低限必要な実験(=必要性、十分性を示す実験)が実現可能なテーマだけに手を出すようにするなどの工夫があったかもしれません。少なくとも、ラボのボスが、手持ちのデータから最大限の知見を引き出す能力に長けていて、ストーリー性のある論文を書く能力が高かったのだろうとは思います。もちろん、エディターキックを回避して、査読にまわしてもらい、査読者の要求にひとつずつ答えていくという忍耐力や覚悟がどれくらいあるかも大事です。

結局のところ、論文を書くのに不必要な実験を何か月もやって無駄にする人もいますので、労働時間と生産性は必ず比例するというものでもありません。長時間労働してしまう学生の中には、実験を失敗したり、論文に必要ない実験をやってしまったりということに原因がある場合もあります。自分を振り返ってみたとき、がむしゃらに馬車馬のように働いたのにぜんぜん結果が出せない期間もありましたが、仕事量が結構落ちてるにも関わらずなぜか研究は順調に進んだ時期もありました。ただし、ストーリーが見えてきて論文が行けるとなったら、集中してアクセプトに漕ぎ着けるまで全速力でやるしかありません。

関連記事 ⇒ イシューからはじめよ【書評】

関連記事 ⇒ 研究テーマの選び方 21のポイント 

関連記事 ⇒ ネイチャー(Nature)に論文を出す方法 

 

 

参考

  1. 研究室メンバーに向けて書かれた恐ろしい手紙 2016年1月23日 アレ待チ
  2. エリック・カレイラ Erick M. Carreira ケムステ
  3. Something Deeply Wrong With Chemistry

マル合とは?大学教授職に必要な論文数

マル合という言葉は自分は全く聞いたこともなかったのですが、ジョブをゲットした先生と雑談していたら、そんなことは知ってて当然で、知らないとお話にならないよ、という口ぶりでした。そんなふうに言われたので、「え?そうなの?やば。」と思いました。教員になった人にとっては常識みたいです。教員の職に縁がなかった人にとっては、知らずじまいの言葉です。大学教員の職を得ようとしている人は、絶対に押さえておくべき事項のようです(たぶん)。私が大学教員のジョブをゲットできなかったのは、マル合という教員公募における雇用側の常識を知らなかったからなのかもしれません。マル合を知らずして、大学教員に応募するなかれ。

 

知る人ぞ知るマル合

大学院生に対して学位指導ができる教員は、「研究指導教員」(マル合)と呼ばれるのだそうです。

  • 教員以外にはあまり知られていませんが、日本の大学院教員資格にはDマル合、D合、D可、Mマル合、M合、M可の6種類あって、博士を出すにはDマル合教員にならないといけないんですよね。@drinami 2017年6月9日
  • 大学用語の基礎知識として、「マル合(まるごう)」は必須だろう。そして、やはり、大学関係者以外は、まったく知らない言葉だろう。(教授のホンネ・ホンネの教授)

 

公募要項の中に潜むマル合

大学教員の募集要項に、大学院生を指導できることと書かれているのを見て、「そりゃ、研究を長くやってきたから当然できるよ」と思っていたのは、大きな間違いでした。これは、マル合の要件を満たすかという意味だったのです(多分)。

関連記事 ⇒ 大学教員公募が必ずしも公募でない理由

公募要項には「研究指導教員」(マル合)の要件(必要な論文数など)の詳細は通常書かれていません。大学がマル合の規定(必要な論文数など)を示してくれていないと、論文数が全然足りない人でも大学教授や准教授の職に応募してしまいそうです。

完成年度を超えた平成31年度以降は、特任教授を任用する予定はないため、平成31年度には、「マル合」相当教員6名以上、「合」相当教員6名以上の教育体制が取れるよう、また、それ以降も安定的に後継の専任教員体制が取れるよう、以下の対応を行っている。
①「マル合」または「合」相当の業績を持つ教授または准教授を1名募集中である。(島根大学大学院 医学系研究科 看護学専攻 博士後期課程  【意見伺い】設置に係る設置計画履行状況報告書 国立大学法人 島根大学 平成29年5月1日現在 PDF)

 

Dマル合とは?

大学院の修士課程および博士課程の担当教員は、講義および学位論文の指導が担当できる「マル合教員」か、講義および学位論文指導の補助が担当できる「合教員」、講義のみが担当できる「可教員」としての資格審査を受けねばならない。大学院で学位論文の指導が担当できる教員は、マル合(〇の中に合)教員と呼ばれ、修士論文の指導ができるMマル合教員、博士論文の指導ができるDマル合教員がある。マル合教員の資格基準は、「修士課程」および「前期2年の博士課程」の場合で論文著書30件程度、「後期3年の博士課程」「前期2年、後期3年の区分を設けない博士課程」の場合は40件程度といわれている(基準は大学によって異なる)。(引用元:大学教員 Weblio)

Dマル合:博士後期課程で学位論文の指導ができる。
D合:博士後期課程で学位論文指導の補助ができる。
D可:博士後期課程で授業を担当することができる。
Mマル合:博士前期課程で学位論文の指導ができる。
M合:博士前期課程で学位論文指導の補助ができる。
M可:博士前期課程で授業を担当することができる。
「D」とは博士Doctorの略、「M」とは修士 Masterの略。「マル合(まるごう)」という呼称は正式書類では「合」の字を○で囲った文字を使うことに由来するらしい。(引用元:マル合? 2005年11月26日 今どきの大学 )

四 教員組織
(一) 教員組織の判定については、次の記号を用いることとする。なお、「研究指導教員」とは、告示第一七五号に定める研究指導教員をいい、「研究指導補助教員」とは、同告示に定める研究指導補助教員をいう。

D(合) 博士課程の研究指導教員(研究指導及び講義担当適格者)
D合 博士課程の研究指導補助教員(研究指導の補助並びに講義(及び実験)担当適格者)
M(合) 修士課程の研究指導教員(研究指導及び講義担当適格者)
M合 修士課程の研究指導補助教員(研究指導の補助並びに講義(及び実験)担当適格者)
不 担当不適格者

(引用元:文部科学省 > 政策・審議会 > 告示・通達 > 大学の設置等の認可に係る審査関係規程の改正について  13文科高第七号 平成一三年三月三〇日)

6 (2) 大学院(専門職大学院を除く)の申請の場合は,「判定」欄を「講義科目等」と「研究指導」に分け,「講義科目等」欄には「可・不可・保留」を,「研究指導」欄には「まる付き合・合・不可・保留」それぞれの授業科目ごとに該当する欄に「M」もしくは「D」とともに記載し,該当しない欄は斜線を引いてください。(引用元:文部科学省 > 大学設置認可 > 専門委員会の構成及び判定カードの記載要領について > 判定カード作成要領)

  1. 大学の人事とスケジュール(5・完) (おおやにき 2012年11月18日 01:19)
  2. マル合の下僕 (ボクが手にした本の話 abcbooks.exblog.jp)「マル合」というのは、大学院で論文指導のできる教員のことです。

 

大学院設置基準第9条第1号

大学院設置基準を読む限り、あまり具体的な基準は示されていません。各大学が独自の基準を設定しているようです。

第九条 大学院には、前条第一項に規定する教員のうち次の各号に掲げる資格を有する教員を、専攻ごと(工学を専攻する研究科以外の基本組織にあつては、当該研究科以外の基本組織)に、文部科学大臣が別に定める数置くものとする。

一 修士課程を担当する教員にあつては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し高度の教育研究上の指導能力があると認められる者

イ 博士の学位を有し、研究上の業績を有する者

ロ 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者

ハ 芸術、体育等特定の専門分野について高度の技術・技能を有する者

ニ 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者

二 博士課程を担当する教員にあつては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し、極めて高度の教育研究上の指導能力があると認められる者

イ 博士の学位を有し、研究上の顕著な業績を有する者

ロ 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者

ハ 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者

引用元:http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000950.html#e000000365

 

マル合であることを明示した公募要項の例

応募資格 2.教授は、専門または関連分野における大学教員として准教授歴5年以上の者(教授の場合は、大学院の研究指導教員の任を担うことができる者が望ましい)(千里金蘭大学 成人看護学分野(主に急性期) 教授または准教授の公募 JREC-IN)

応募資格 3.上記1に係る領域において、大学院修士課程の「研究指導教員」として認められる者(九州看護福祉大学 教授の公募(社会福祉学科-精神保健福祉士) JRECーIN)

応募資格 (2)大学院修士課程において税法の研究指導教員を務めることができること(大阪経済法科大学 任期付専任教員(税法) JREC-IN)

  1. 求人にみる「Dマル合資格(文科省教員組織審査の研究指導)」とは何か (とある社会福祉士・精神保健福祉士のぼやき 2016-07-19)
  2. 高学歴ワーキングプア(水月昭道)4=「ムダ」とはなにか20(タカマサのきまぐれ時評 2007年11月10日09:45)
  3. 大学教授(教員)のマル合に関して質問させてください. (OKWAVE 2010/01/10 22:39 質問No.5583372) 新たに学部をつくってから,そのうち連続する大学院もつくる計画があるときは,最初からマル合教員を集める(公募する)ことがあります。

 

「マル合」教員の条件

上で紹介したWeblioの解説だと、マル合教員の条件は論文40報が目安とありますが、実際には大学によって、あるいは文系理系、分野によってマル合の要件となる論文数はかなり異なるようです。

赴任後5年ほど経って地方大学の牧歌的な雰囲気が一変してしまった。教育学部に大学院が設置されることになり,文部省(当時は文科省ではなかった)の大学院の設置基準委員会によって担当教員の業績が審査されることになったのである。審査に通るためには,講義および学位論文の指導が担当できる「マル合教員」か,講義および学位論文指導の補助が担当できる「合教員」になる必要があり,マル合になるためには論文数が 30 ~ 40 本程度が必要という情報が流れ,それから必死になって論文を増やす努力をしたのである。(記憶の糸をたどりつつ−ベビーブーマーとしての大学教育− PDF)

○判定基準を説明します。一例として,学校教育方法連合講座の判定基準を用いますが,Dのマル合の教官になるためには, A条件かB条件を選択しなければなりません。 A条件の場合には,研究著書,学会誌の合計数は20編以上持ってください。ただし,そのうち最近5年間に5編以上発表していなければいけません。 B条件の場合には,著書,論文の総数は40編(A条件の論文を10編以上含む)持ってください。ただし, 40編のうち10編(A条件の論文を3編以上含む)は5年以内に発表されたものになります。また,Dの合の教官の判定基準は,大体半分になるようにしてあります。

A系列というのは,全国学会誌レベルの論文が20編ありました ら,それでいいということです。 B系列は,ほかの論文,例えば  「紀要」などの論文も入れて,総数を40にしましょうと。ただし10 編くらいは持ってくださいというので,その場合の10編は全国学会誌レベルの論文が条件になります。つまり, A系列では申請ができないけれども,全体的には40編ある。その中で10編は全国レベルの論文があるというような場合には, B系列で申請ができるというのが, A系列とB系列というものです。

理系で申しますと,インパクト係数と かサイテーション・インデックスとか,そういったものを前面に出 してこなければ話にならないという考えが強いと思います。文系の場合には,「ちり紙でも印刷してあれば論文」というような (笑),言葉は悪いですが,そういった人もいます。

(引用元:兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科外部評価委員会 議事録PDF)

マル合の要件を公開している大学の例を紹介します。

電気通信大学

学術論文の業績は、原則として以下の基準により判定する。

博士後期課程
研究指導担当教員(D○合 )総論文数20 最近5年の論文数5
研究副指導担当教員(D合) 総論文数10 最近5年の論文数3
講義担当教員(D可) ―

博士前期課程
研究指導担当教員(M○合 ) 総論文数10 最近5年の論文数3
研究副指導担当教員(M合) 総論文数5 最近5年の論文数2
講義担当教員(M可) ―

(引用元:電気通信大学大学院情報理工学研究科担当教員資格審査における教育研究業績判定基準等の申合せ PDF)

 

東京農工大学

第3条 連合農学研究科教員の資格判定に当たっては、人格、指導能力、教育業績、研究業績、学会並びに社会における活動等を勘案し、次のとおり判定する。
(1) 主指導教員資格 主指導教員として学生の論文指導並びに研究指導に当る資格を有する教授、准教授、講師、客員教授又は客員准教授。
(2) 副指導教員資格 副指導教員として主指導教員を補佐して学生の研究指導に当る資格を有する教授、准教授、講師、助教、客員教授又は客員准教授。
2 前項に規定する資格判定の研究実績については、原則として学術誌に掲載された次の各号に掲げる論文数を基準とする。
(1) 主指導教員資格は、過去20編、最近5年5編とする。
(2) 指導教員資格は、過去10編、最近5年3編とする。

佐賀大学規定集

規定の中の一部のみ紹介します。

1 研究指導教員(以下、「マル合教員」という。)の判定は、次の①、②、③、④、⑤項によって行う。
① 教職経験年数は、10年以上を原則とする。ただし、研究業績あるいは実技関係の業績の優秀な者については、教職経験がない者もマル合教員と判定することがある。
② 著書・論文等    文系、理系は、著書・論文等(共著を含む。以下同じ。)合わせて20編以上とする。このうちに、レフリー付き又は指名依頼による学術論文を必ず含み、かつ、最近5ケ年間に学術論文を有すること。
  1. 大学院の主指導教員(論文指導等科目責任者)になるために必要な資格や規定はあるのでしょうか。:質問者は医療職とありますので、好例として、薬剤部長、医療情報部長は全国の医学部では教員扱いになっています。当然に大学院教員を兼任してます(大学院大学では大学院教授が主で学部が兼任の構図です)。放射線部長・検査部長は昔から医師である学部/大学院教授が努めています。(YAHOO!知恵袋2013/5/2408:58:35)
  2. Mマル合について(BIGLOBEなんでも相談室2006-09-28 10:37:03)

 

鹿児島大学

(論文発表数)学会誌又はこれに準ずる権威あるものに投稿した論文発表数20以上で、特に最近5年間の研究活動が活発であること。ただし、分野によっては、若干の相違がある。(鹿児島大学大学院連合農学研究科主指導教員の資格等備えるべき条件の基準 教員資格審査)

大分大学は教員採用の論文数の基準を公開しています。

第3条 本研究科における教員の選考に必要な研究業績及び経験年数の基準は,法人規程別表に定めるもののほか,原則として,次のとおりとする。
教 授 著書・学術論文20編程度(数学分野は,10編程度)
准教授 同 10編程度(数学分野は,5編程度)
講 師 同 5編程度
助 教 同 1編程度
(引用元:大分大学大学院教育学研究科教員選考規程 一部のみ紹介)

 

マル合情報の公開

どの教員がマル合かの情報まできちんと大学教員データベースで公開している大学もあります。

基本情報

職位 准教授
M合区分 M◯合
D合区分 D◯合

(参考:芝浦工業大学教員データベース 本学の専任教員の教育・研究活動、大学運営・社会貢献に関する情報等を公表しております。)

  1. 芝浦工業大学はオンラインの教員データベースでDマル合・Mマル合かどうかも分かるようになっている!! @nipox25 2019年5月11日

 

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なぜあなたは論文が書けないのか?

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか

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キーワード:主指導教員 副指導教員 研究指導教員 マル合

 

本記事を執筆した動機

同じ轍を踏まないでくださいな。

 

関連記事 ⇒ まだアカデミアで消耗してるの?【博士の転職】

 

デキ公募:若手研究者からエネルギーを奪い日本の科学研究を衰退させる悪習

公募の結果発表

4月は新しい季節の始まり。大学に新たに着任された先生方の顔ぶれがウェブサイトで確認できます。自分が出して落ちた去年のあの公募で一体誰が採用されたのかなと見てみると、なんと内部昇格している例ばかり。特に、地方国公立大学でその傾向が顕著に見えます。一部のメジャーな大学もそうですが。

 

応募の労力

別に内部昇進した人になんの恨みもありませんが、だったら大学は公募しないでほしかったなあと思います。応募書類を書いて、送って、面接に呼ばれて準備するのには莫大な労力がかかります。何十か所も応募していると送料だってバカになりませんし、面接のときの旅費や宿泊費だって、非常に家計を逼迫するのです。

 

募集要項から読み取るデキ公募

募集期間が10日間と異常に短かったり、専門分野が恐ろしく絞り込まれていて該当者がそのラボの中の人しかありえんだろうという募集要項を出してくれれば、それを「これはデキ公募ですよ」というメッセージとして受け止めて、応募を控えるという選択ができます。

 

お祈り通知から読み取るデキ公募

ひとくちに「お祈り通知」と言っても、そこには非常に大きな違いがあります。選考委員長の先生が、いかに苦労して候補者を選んだかが自分の言葉でしっかりと語られているような大学・学部もいくつかありました。応募者総数や面接に呼んだ数なども記載して、選考過程を多少なりとも教えてくれる大学も結構あります。

そんな誠意を感じさせる大学・学科がある一方で、ありがちなのが、100%定型の書面でしかないような大学。貴殿の益々のご発展をお祈りいたしますってやつですね。少なくとも、デキ公募だったところは、こういう定型文を使うしかないだろうなと思います。ちなみに、定型お祈りメールにもいくつか異なる印象があって、定型なのに誠意を感じさせる言葉遣いというものがあり、日本語の豊かさを再認識しました。

さて、定型お祈り通知を送ってくる多数の大学の中でもひときわ目立っていたのが、首都圏にある日本有数の国立の研究大学。業績欄の論文全部にインパクトファクターまで付記させておいて、「お、ここは研究能力重視で選ぶのか」と思いきや、毎回、フタを開けてみりゃ内部昇進が当たり前。インパクトファクターをわざわざ全部書かせるのなら、採用した人間の論文業績のインパクトファクターの合計と、応募者たちのインパクトファクターの合計の分布でも示してもらいたいものです。この大学は、人間の名前がどこにも書かれていない機械的・事務的な通知を送ってきてお終い。多数ある定型お祈り通知の中でも、異様に非人間的な印象を受けました。応募者を何だと思っているのだろう。

 

公募制度の矛盾

応募期間を2カ月と十分に長くて、研究領域も漠然とした募集要項の場合、自分にも可能性があると期待する人は何百人にも上るでしょう。彼らの労力を無駄にするのは止めるべきではないですか?論文業績がはるかに上の人たちが多数応募したはずなのに、蓋をあけてみたら内部の、業績的にも芳しくない人がしっかりとパーマネント職に昇進している現実。そういう人たちだけが生き残って、まともに研究成果を上げてきた人が任期切れで行き場を失って研究を辞めざる得ない今の日本の科学研究業界は狂っているのではないでしょうか?

 

デキ公募廃止の提言

公募する気がないのなら、最初からしなきゃいいと思います。デキ公募をJREC-INに出して多くの優秀な研究者の時間と労力を奪うことはやめて欲しいものです。数多くの真面目な研究者たちがエネルギーを奪われて、疲弊しています。そもそも、研究業績の無い人間を教授や准教授に昇進させる大学では、大学院生は研究者になるためのトレーニングを積むことはできないのではないですか?無垢な大学生が、研究とはそんなものだと誤解して研究に憧れでもしたら可哀そうな話です。


 

以下に、デキ公募に関するツイートを紹介します。ガチ公募とデキ公募の境目が明確でないことには注意を要しますが、研究室に在籍していたポスドクがそのまま助教になっていたり、助教が准教授に昇進していたのならば、それはデキ公募だったと考えるのが妥当でしょう。過去に在籍していた人がしばらく外に出てファカルティとして元ラボに呼び戻される形もしばしば目にします。

デキ公募に関するツイート


 


 

参考(ブログ記事)

  1. ポスドクから見たダメ教員(2007年 10月 28日 5号館を出て)”「公募」と称した募集の中には、公募という形にしなければ文科省に叱られるからという理由で形だけ公募の形態をとったいわゆる「やらせ公募」が横行していることも、なかば公然の秘密です。”
  2. デキ公募(2006-09-05 00:21:55  ケミストの日常) ”公募の形式を取っていても実態は適任者が内定しているというケース、いわゆるデキ公募が無視できないほどにある”

 

同じカテゴリー内の記事一覧

    大学教員・職員の定年、定年延長に関する議論の纏め

    各大学の教員、事務職員の定年、再雇用の状況、企業の定年延長、公務員の定年延長などに関するウェブ記事、報道等のまとめ。

     

    大学教員の定年の年齢と大学職員の定年の年齢

    おなじ国立大学でも大学によって定年の年齢が異なるようです。また、教員と職員では定年する年齢に差が設けられているところが多いようです。

    1. 国立大学法人北海道大学職員就業規則 第19条 前条第1項第1号に規定する職員の定年は,次の各号のとおりとする。(1) 教員(次号に掲げる者を除く。)の定年は,満63歳とする。(2) 年俸制教員(満59歳に達する日の属する年度の4月1日以前から年俸制教員となった者に限る。)の定年は,満65歳とする。(3) 前2号以外の職員の定年は,満60歳とする。
    2. 国立大学法人筑波大学本部等職員就業規則(PDF) 第10章 定年、退職及び解雇 第1節 定年 (定年) 第68条 職員が、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日に退職する。ただし、第5条の規定により期間を定めて採用された職員を除く。2 前項の定年は、次の各号に定めるとおりとする。(1)大学教員及び研究職員 満65歳 (2)労務職員(炊婦) 満63歳 (3)前2号以外の職員 満60歳
    3. 国立大学法人東北大学職員就業規則  第22条 職員の定年は、次のとおりとする。一 教員の定年は、満65歳とする。ただし、歯学部附属歯科技工士学校の教員の定年は満60歳とする。また、職務の特殊性等を考慮し、総長が特に必要があると認めた者については、この限りではない。二 前号以外の職員の定年は、満60歳とする。ただし、庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員の定年は、満63歳とする。
    4.  大学 事務職員の人事処遇制度に関するアンケート結果概要  2008 年 7 月 10 日 大学経営支援セミナー資料(PDF) 事務職員の定年年齢(2008 年 4 月 1 日現在)。60 歳が 10 校と最も多いが、65 歳という大学も 7 校。
    5. なぜ?定年に差?職員 60 歳 教員 65 歳【労働基準法、第3条違反であり認められない!】(PDF) かわら2版 東京大学職員組合発行

     

    私立大学教員の定年

    早慶となにかと並べられる早稲田大学と慶應義塾大学ですが、定年の年齢に関しては早稲田大学が70歳、慶應義塾大学は65歳と、大きな違いがありました。

    早稲田大学

    昔は早稲田大学に定年はなかったようだが、私の学生時代には既に70歳定年制が決まっていた。その後今から20年くらい前に選択定年制が施行されて自分の定年は何歳くらいが妥当であるか自分で考えるようになった。… 早稲田大学の先生は国立大学の先生と較べて定年は高齢であり、しかも、現職時の担当講義時間は多く、指導しなければならない大学院の学生数も多いことから、定年まで勤めることは並大抵のことでないと感じていた。(退職年齢は何歳くらいが妥当か? tc-pmt)

     

    慶應義塾大学

    1. 慶應義塾大学法学部政治学科教員公募(慶應義塾大学)1.職名及び人数:准教授または専任講師、いずれか1名 2.採用予定日:2020年4月1日 (2)定年:満65歳になる年度の末をもって定年となる
    2. 専任教員年齢構成表 
    3. 65歳まで永久パスポート(MY NEWS JAPAN)

     

    明治大学

    1. 専任教職員40氏が退職 70歳 

     

    大学教員の職階によって定年が異なる大学

    同じ大学教員であっても教授と准教授とでは定年する年齢に差が設けられている大学もあるようです。


     

     

    参考

    1. 私立大学における職員と教員との関係に関する一考察(PDF)

     

     

    大学の教職員と事務職員との間では定年に差が設けられている大学が多いようですが、最近現れたURAの職に関してはどうなっているのでしょうか?

    URA(リサーチアドミニストレータ)の定年

    1. 国立大学法人福島大学 特任専門員/URA業務(研究振興課)(ハローワーク求人情報)定年 あり 一律 60歳

    2. 国立大学法人北海道大学文学研究科 URA職(正規職員)の募集について 募集人 員 :2名(60 歳未満 ※定年年齢が 60 歳のため)
    3. 名古屋大学 リサーチ・アドミニストレーター(URA)募集要項 平成 29 年 1 月 27 日 定年は60歳です(なお、知識・経験等を勘案し、65歳を定年とする場合があります)。
    4. 大阪大学経営企画オフィスにおける URAのスキルアップ・キャリアアップ(大阪大学) 平成27年4月から「学術政策研究員*」という職を新たに設置。(*:期間の定めのない評価連動型年俸制(定年65歳)の新たな職種で、裁量労働制の適用)

     

     

    高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

    第九条 定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。
    一 当該定年の引上げ
    二 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入
    三 当該定年の定めの廃止 (引用元:elaws.e-gov.go.jp)
    1. 高年齢者の雇用(厚生労働省)
     

    再雇用後の給与待遇

    1. 北海道大学の定年退職後の再雇用状況について (PDF)【教 員】定年年齢:63歳 再雇用後の身分 特任教員(退職時と同等の職種) 再雇用後の年間平均給与額(平成23年度) : 約690万円 【事務・技術職員等】定年年齢:60歳 再雇用後の身分 嘱託職員 再雇用後の年間平均給与額(平成23年度) : 約280万円

     

    大学教員の定年引き下げ

    1. 関西大学が教授の定年延長制度を5年から2年に短縮 2008-06-03 Clear Consideration(大学職員の教育分析)

     

    大学教員の定年引き下げに関する訴訟

    1. 事業環境の悪化を受け、定年年齢を70歳から65歳へ引き下げた。※本事例は、判例等をもとに脚色して作成しています。(参考判例) 芝浦工業大学(定年引下げ)事件(社会保険労務士事務所HMパートナーズ)
    2. 大阪経済法律学園事件 【大阪地判 2014/02/15】(労務管理センター)【請求内容】定年を70歳から67歳に引き下げた就業規則変更は無効として、70歳までの地位確認と、賃金・退職金を請求した。

     

    国家公務員の定年引き上げ

    1. 定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出のポイント(PDF) 平成30年8月 人事院

     

    企業における定年延長の動き

    ジョイフルが定年制そのものを廃止しました。製造業ではホンダや日本ガイシなどが17年度から定年を65歳にしました。今後は明治安田生命保険が19年度から定年を65歳に延ばすほか、日本生命保険も21年度に65歳定年に移行(定年延長、どうなる? 世代交代や給与体系課題に  2018/5/28 NIKKEI STYLE)

    1. 定年延長が企業にもたらした効果と課題 導入企業に聞いた(2018年10月25日 ニュースイッチ 日刊工業新聞)明治安田生命保険 ホンダ 日本ガイシ 前沢工業 OSG 定年延長は引き抜き防止策にもなる。

     

    まだアカデミアで消耗してるの?【博士の転職】

     

    参考(報道など)

    1. 政府が70歳定年へ効果試算、75歳も視野 にじむ年金改革の思惑(2019年2月8日12時41分 朝日新聞DIGITAL)
    2. 公務員の定年65歳に 給与は5年連続上げ 人事院勧告(2018/8/10 10:18 日本経済新聞)政府は21年度から3年ごとに定年を1歳ずつ上げ、33年度に定年を65歳にする方向で検討する。
    3. 「定年65歳以上」の企業は約18% 10年で3倍に、人手不足など背景(2018.5.13 08:30 産経新聞)近年は、景気回復に伴って若年層の採用が難しくなっていることもあり、安定した雇用条件を用意することで優秀なシニア人材を活用しようとする企業は今後も増える見通しだ。
    4. 公務員定年、65歳に 19年度から段階的に延長  政府検討、総人件費抑制策も(2017/9/1付 日本経済新聞)政府は現在60歳の国家公務員と地方公務員の定年を65歳に延長する検討に入った。2019年度から段階的に引き上げる案を軸に調整する。… 定年延長には、民間への影響も計算する。高齢者雇用安定法は企業に65歳までの雇用確保を見据え企業に定年廃止、定年延長、再雇用の3つの選択肢を求めている。現時点では再雇用を選択する企業が大半。厚生労働省の調査によると、定年を65歳以上としているのは16%、定年制を廃止しているのは2.7%にとどまっていた。

     

    参考(その他)

    1. 公務員65歳定年制の導入は「若者の賃金搾取」と「解雇規制緩和」の序章だ (1/5)(2018年11月29日 08時30分 溝上憲文,ITmedia #SHIFT)
    2. 定年退職が65歳になるのはいつから?60歳との違いは年金や制度!(フェルトン村)
    3. 定年退職の年齢は60歳から65歳へ!引き上げの理由と法律の改正(2018.11.04 フェルトン村)
    4. 国家公務員65歳定年制が実施されると国立大学法人職員は一体どうなるのか?(2017年09月12日19:53 国立大学職員の趣味日記)
    5. 各大学の教員定年年齢 

    大学の助教とは?年収、仕事、キャリアパス

    大学教員と聞くと一般の人は、教授?くらいしか思いつきませんが、日本の大学の研究教職員には教授、准教授、講師、助教という職があります。以前は助手という職種があったのですが、2007年に研究をする助手が助教になり、教育専門の助手が助手と分けられました。しかし「助教」という職は、一般の人にはほとんど知られていません。

     

    助教とは

    大学教員の職名に「助教」というものがあります。英語でいうと助教はAssistant Professorと訳されるので、むしろ昔の助教授のようなポジションかとも思う人がいるかもしれませんが、実際には、昔の助教授は今の准教授に対応していると思います。つまり英語名と日本語名で、職名が意味するものが異なっているという、わけのわからない状態になっていると個人的には感じています。なぜならアメリカでAssistant Professorというと、通常はラボを主宰するPrinsicpal Investigatorだからです。その上に教授がいるわけではありません。テニュアトラックのAssistant Professorは業績が認められればAssociate Professorとしてパーマネント職に移行します。日本の”Assistant Professor”(助教)はほとんどの場合、任期付きであり業績をあげても任期が切れると終わりになります。

    (補足:上は、国立大学の場合。私立大学の場合、定年制のこともあれば、逆に任期が非常に短く3年程度のこともあるなど大学によって大きな違いがある。)

    関連記事 ⇒ 桝 太一(ます たいち)アナが日テレを退社し同志社大ハリス理化学研究所の助教に着任

    日本の助教は上にいる教授がどう扱うかでかなり状況が異なりますが、研究や生活の自由度が高いとはいえないでしょう。

     

    助教という中途半端な職名についての雑感

    助教という職の中途半端さは、本人がそう思っているくらいですから世間から見たら全く理解できない代物です。英語でいうとAssistant Professorですが、英語をあまり気にしない一般の人にはProfessorの部分しか目に入らないため、中学の同窓会に行くと「お前、大学教授になったんだ、すごいなぁ。」と間違って持ち上げられたりします。「いやいや、そうじゃなくて助教っていう職なんだよ、むかしでいう助手ってやつ。しかもどんだけ成果を上げても所詮任期付きで、俺、今職探し中なんだ。」と、現実を解説し始めると自分が惨めになるだけなので、中途半端な笑いを浮かべてその場をやり過ごすことになります。

     

    ウィキペディアによる助教の説明の大間違いについて

    ウィキペディアによれば、助教が以下のように説明されています。

    2007年4月1日以降、旧来の助手は、教授候補の研究者として位置づけられ、単独で研究室と講義を持つことのできる助教と、研究や実験の補助や事務などを専ら担う助手とに分かれることになった。(助教 ウィキペディア)

    この解説はあまり的確ではありません。そもそも助教は教授候補ではありません。もちろん今はまだ助教でも将来、業績を挙げて教授になる人はいますがごく一部の人に限られます。助教のことを「教授候補」とみる人などどこにもいません。大昔は、助手⇒助教授⇒教授という内部昇進のキャリアパスが日本に存在していたので、その名残がこのウィキペディアの記述に残っているでしょうか?ウィキペディアは自分も百科事典としてよく利用しますが、このように、完全に誤った情報も掲載されていることがあるので要注意ですね。

    また、助教が「単独で研究室を持つ」ことはありえません。そもそも助教の人事は建前は別として現実的には教授が100%決定権を握っていると思います。公にそういうと語弊があるので誰もおおっぴらにそうは言いませんが。教授の一存で雇用された助教に研究の自由があるはずもないのです。一部の理解のある教授は助教に最大限の自由を与えてひとつの研究グループを任せることはあります。

     

    テニュアトラック助教とは

    近年は、テニュアトラック助教という制度を導入している大学もあるため、その場合には助教が研究室を主宰するケースがあります。そのあたりは大学によって、あるいはその人事によってかなり事情が違ってきます。テニュアトラック助教であっても、メンターとなる教授がいて、事実上その教授の支配下に入ることも多いのではないかと思います。教授の下にいる「助教」と、「テニュアトラック助教」は別ものと考えるべきです。

    講義に関しても、実験や演習を持たされることはあっても、通常の講義は助教は持たないのが普通だと思います。そんなわけで、上記のウィキペディアの説明は、助教の現実からはかけ離れています。

     

    研究代表者としての助教

    人事制度的にも助教は教授の完全な支配下にあると考えられますが、教授が上にいても、「研究代表者」として科研費などの外部資金を獲得すれば、助教も自分独自の研究ができます。ただしここでも教授との関係で状況が変わってきます。助教が研究資金をとってきても研究室全体で使うことになる場合、100%の自由はないかもしれません。教授が学位指導教官になっている大学院生の実験や研究指導を助教が任されている場合には、線引きが曖昧になるため、これをおかしいと目くじらを立てるわけにもいきません。

     

    助教の研究成果は誰のもの?

    科研費などの外部資金は助教の身分でも獲得できますので(獲得できればの話ですが)、研究はできます。しかしいざ論文発表の段階になると、教授がラストオーサーかつコレスポンディングディングオーサー(責任著者)を要求してくることも一般によくあることでしょう。ここで助教の身分でありながら、自分(一人)が責任著者だなどと言い出すと教授との人間関係は壊れ、職探しに必要な推薦書を書いてもらえなくなり、研究者としてのキャリアが閉ざされることになると思われます(試したことはありませんが)。つまり、研究の自由はあるが、研究成果のクレジットや名誉はボスである教授が持っていってしまうということが、頻繁に起こるのです。これは、教授が悪いという単純な話でもありません。仮に教授が助教にコレスポンディングディングオーサーを渡したとしても、研究成果が新聞記事に取り上げられるときには「○○大学の××教授の研究グループが」というタイトルになりがちですから。

    助教という身分でいる限り、自分の研究成果であることを世に認めさせることは困難なのです。それが不満なら、早く教授になるしかありません。

    • 助教のキャリアパス この助教は、制度上、将来、准教授、教授へつながるキャリアパスの一段階に位置付けられるものであり、助教に就く者としては、例えば、大学院博士課程修了後、ポストドクター(PD)等を経た者などが想定される。(引用元:文科省 > 中央教育審議会 > 大学分科会 > 大学の教員組織の在り方について<審議のまとめ> > 2.大学教員の職の在り方について)

     

    助教の任期

    大学の助教が任期付きであることを一般の人に話すと、一様に驚かれます(なぜか、他大学の教授にも驚かれることが多い)。コンスタントに論文を出して研究者として十分な業績があったとしても最長10年間の任期が延長されることはありません。なぜなら10年を超えると法律によって無期転換する義務が生じるため、大学側は雇用財源が確保できないことを理由に絶対にそうしないからです。まあ、このへんの取り扱いは、最近は、大学によって大きな差があります。”進んでいる”大学の場合、実際にはラボ付き(=教授がラボヘッドで、部下としての助教を雇う場合)の助教であっても、あえてテニュアトラック制度を活用してパーマネント職につなげようと努力している公募もJRECINなどを見ているとちらほら見受けられます。私立大学の場合には両極端で、任期が3年程度と短い募集を見かける一方で、定年制の常勤職としての助教のポジションがある大学もあります。

    関連記事 ⇒ 任期付き大学教員の任期について

    業績が出ているのなら、次の職が得られるのでは?と誰しも思うでしょうが、PIの職は非常に少ないため業績があるのに職が得られない状態の人がたくさん出てきています。研究を続けたければ、再び任期付きの研究員などに戻るしかありません。

    こうしてみると、研究者という職業は独身者にはいいのかもしれませんが、今の日本で、結婚して家族を持ってまで続けられる職とは到底思えません。

    関連記事 ⇒ 研究者の結婚、研究者との結婚

    いまどきの助教は任期付きが当たりまえですが、「任期付き」の制度が導入される以前にすでに助教だった人は、定年まで助教としての地位が保証されるようです。このへんの事情は自分は詳しくないですが、10年以上助教をやっている人がどこの大学にも見受けられるので、そうなのでしょう。助教に限らず、任期導入前に雇用された准教授、講師なども、パーマネントだと思います。上の教授が定年退官してしまうと、他所から別の人が教授になったときに、お荷物扱いされて辛い立場に追い込まれるでしょうが、最低限の雇用が保証されていて、「生きていていい」というだけでも素晴らしいことです。教授退官後に外から教授をとらずに、研究室の准教授が内部昇進して教授になるパターンも、JRECINなどを見ているとありそうで(=デキ公募)、外から見ると「なんだよ!」と思いますが、中の人にとっては研究者としてのポジションが保証されていて良い話です。昔はこちらが普通だったわけで、この時代は研究者にとってはいい時代だった(=研究者が職業として成り立っていた)と思います。

    助教の年収

    助教の年収がいくらなのかは、年齢や国立・私立の違いなどで変わってくるので一概には言えませんが、ネット上の情報をまとめておきます。学生数が多いマンモス大学の私学なら国立よりも給与水準は高いでしょうし、そうでない私立大学なら国立大学よりも低いのではないでしょうか。教授もそうですが、日本では大学からもらう給料の額は、研究能力とは全く関係がありません。ノーベル賞をとるような研究をしていようが、論文も書かずにのらりくらりしていようが、給与に差はないのです。

    https://twitter.com/takash4/status/951659502117400576

    1. 助教の年収と経済事情 2016-08 Bioresearcher.net
    2. 東北大学 の役職員の報酬・給与等について(PDF) 助教 501人 平均年齢41.4歳 平均年間給与額6611千円 最高8228千円~最低5115千円 (東北大学 役職員の報酬・給与等の公表)
    3. 東京大学 年収事例:35歳助教650万円 (Vorkers.com) 
    4. 大阪大学 年収事例:助教、650万円 (vorkers.com)
    5. いまどきの国立大学教員の給与 2017/05/03 00:40 (JST) http://ymatz.net

     
    http://oxon.hatenablog.com/entry/2018/03/17/073043

    助教と特任助教との違い

    助教といえばさらに、「特任助教」という職名もあります。これは期間限定のプロジェクトを財源として雇われるものです。「特任」と聞くと一般の人は、通常の助教よりもエライの?と思うでしょうが実際には、通常の助教よりもさらに不安定な雇用形態です。「特任」の意味は、雇用の財源が一時的な研究費によるものということです。例えば5年間のプロジェクト資金が得られたらそのプロジェクトの期間だけ雇われる「特任助教」が出現するのです。プロジェクトが終了したらその職はなくなります。つい最近、私立大学研究ブランディング事業で問題が生じましたが、当初5年の予定が3年に短縮された場合に、この事業のために雇用された特任助教の任期が5年でなく3年にいきなり短くされるという恐ろしいことが起こり得ます(個々の大学がこの問題にどう対応するのか自分は知りません)。特任助教の実態はむしろ普通のポスドクに近いのではないかと思います。

    助教、テニュアトラック助教、特任助教の3つは、別モノと考えるのが適当です。最近は研究支援職であるリサーチアドミニストレータ(URA)にも「特任助教」などの職名を与える大学があるため、さらにややこしさを増しています。URAに与えられる特任助教の特任の意味は、想像するに、普通の研究職としての助教と区別したいからか、定年制ではなく1年契約で更新していく職(あるいはその両方)ということでしょう。URA特任助教は、あくまでURAの業務が仕事で、公募要項などによれば、実験して研究することは許されていません。

    1. 特任助教とは?助教やポスドクとの違い(元助教が解説)(2016-12 Bioresearcher.net)

     

    助教の任期が切れたあとはどうなるのか

    任期が切れた後の助教が、その後どんな職に就いているのかは、国に是非、追跡調査をしてもらいたいものです。

    関連記事 ⇒ 任期が切れた助教はどこへ行くのか?

    関連記事⇒ まだアカデミアで消耗してるの?【博士の転職】

    [JRECIN] 日本語なみに英語が使えて研究実績・実務経験もある東大の博士研究員の時給が驚愕の1700円~!!

    ツイッターで知ったのですが、JRECINに出ていたこの募集内容には驚きました。日本の博士の価値って本当に低いんですね。

    東京大学 大学総合教育研究センター(教育課程・方法開発部門)特任研究員の公募

    [仕事内容(業務内容、担当科目等)]
    (1) 当センター事業として推進するProfessional and Global Educators’ Community(PAGE)プロジェクトなどのオンライン教育開発、ワークショップの企画・制作、プロジェクトの運営、ウェブサイト更新等の管理業務を行う。
    (2)英語で授業を教えるスキルを磨くためのオンライン教育、ワークショップ技法の研究開発を行う。

    職種:研究員・ポスドク相当

    応募資格:

    1)博士課程を修了していること(教育学・応用言語学分野の研究業績があることが望ましい)。
    2)英語での教育経験、オンライン教育の運営経験を持つこと(英語で授業を教える(English Medium Instruction)教育方法についての専門知識があることが望ましい)。
    3)高い日本語及び英語能力を有し、両言語で実務ができること。

    [給与] 東京大学短時間勤務有期雇用教職員就業規則による(時給:1,700円~、資格、経験、能力に応じて決定)。

    募集期間: 2019年01月25日 必着

    https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=3&id=D119010114 *募集要項の一部のみ転載。太字強調は当サイト。

    英語と日本語を同じ程度に使いこなせて、教育に関して研究実績や実務経験のある博士号研究者で、英語で教える経験もあって、それで時給1700円というのは、あんまりではないかと思います。

     

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      研究者にのしかかる奨学金返済の重圧

      「奨学金 返し切らずに 任期切れ 」(詠み人知らず)

      「研究者 辞めても残る 奨学金 定職なくとも 206,879円」(詠み人知らず)

      家庭が裕福でないが大学に行きたい、大学院に行きたいという場合に、奨学金は夢を叶えてくれる非常に有効な手段です。しかし、「奨学金」とは名ばかりで実際には借金なので返済の義務があります。自分の場合、大学院の修士課程の2年間、博士課程の3年間、奨学金のお世話になりました。無利息の第1種奨学金ですが、大学院修了時に約650万円もの借金を抱えることになりました。

      3.大学院
      【修士課程相当(*1)の場合】月額50,000円または88,000円
      【博士課程相当(*2)の場合】月額80,000円または122,000円
      (*1)修士課程、博士前期課程、専門職学位課程(専門職大学院)、一貫制博士課程前期相当分
      (*2)博士課程(博士医・歯・薬(6年制学部卒)・獣医学課程を含む)、博士後期課程、一貫制博士課程後期相当分
      (転載元:平成30年度以降入学者の貸与月額 日本学生支援機構)

      この金額は今もあまり変わらないようです(88,000円x24カ月+122,000円x36カ月=総額6,504,000円)。めでたく博士号を取得しても650万円の借金を背負った状態で薄給のポスドク生活をスタートさせるのは大変です。

       

      月々の返済金額

      ポスドクの給料は財源にもよりますが、科研費で雇用される場合、月給は20万円程度で、どんなに歳をとってもやはり20万円台でしょう。パーマネントのアカデミアの職にありつける人はほとんどいないので、もし民間への就職をせずにアカデミアで実績を積んで頑張ろうとすると、毎月の奨学金の返済は非常に大きな重荷になります。修士に借りた分と博士で借りた分の返済が、大学院卒業後すぐに始まるので、月々の返済金額は、「大学院 ・ 返還例(日本学生支援機構)」 を参考にすると、修士の貸与額を14年で、博士の貸与額を20年で返済するプランの場合、月々の支払は12,571+18,300=30871円となります。20万円そこそこの月給から3万円の返済額を出すのは経済的にかなりきついです。

      参考

      1. 研究者(ポスドク)の平均給料・給与 22万円(給料BANK)

      学部学生の時代から借りると奨学金の総額もかなりのものになります。

      1000万円を超えることもある奨学金の総額とその返済の大変さ

      私は大学を一度中退して再受験しているのですが、奨学金の内訳としては3種類に分かれます。
      一つ目の大学で2年間で借りた、JASSO第二種奨学金:2,800,000円
      二つ目の大学で6年間で借りた、JASSO第一種奨学金:3,672,000円
      二つ目の大学で6年間で借りた、JASSO第二種奨学金:8,640,000円
      合計15,112,000円です。… 普通に返していくと、完済にどうやら20年かかるらしいです。JASSOによると、月々7万円くらいを240回(20年)払い。奨学金で学んだ結果、死にそう。(奨学金1500万プレイヤー阪大生のブログ)

      ちなみに上のブログの方は、奨学金の返済額が1万5千円程度なんだったらブログで賄えば?と奨学生がブログを始めることを提案されています。

      28歳女性です。… 私は私学大学・大学院まで卒業しましたが、奨学金を借りていました。… 日本学生支援機構の第一種、第二種ともに満額借りており、当時は毎月約24万借りていました。… 大学院まで卒業した時点で私の返済額は利子込み1310万円。卒業時にまた、日本学生支援機構の成績優秀者の減額制度で110万円減は勝ち取れたので、1200万円の返済を抱えて社会人スタートです。毎月の返済額は約53000円で、数十年先までです。私の月の手取りは約15万円。(奨学金返済と結婚・入籍について 2017/3/2210:47:50 YAHOO!JAPAN知恵袋)

       

       

      奨学金が1500万円という例も。

      四年制大学から大学院まであわせて1500万円を育英会に借りてます。(有利子2%くらい1000万、無利子500万)※在学中は無利子だから今は無利子  父からは学部入学金と初年度の学費のみ支払ってもらったきりで、後は「できの悪い私に払うお金はない」と言われました。父の年収が高いので退職するまで無利子は借りれませんでした。(育英会から1500万円借りて寝れなくなって猛勉強!1000万貯めて資産運用してます。20180801 わたしは複利の女  そう金利で増えてく女なの)

       

       

      結婚の障害になりうる奨学金という名の借金

      本人は「奨学金」と思っていても、世間から見れば「借金」です。ポスドクのように1年契約でその先も不確かなうえに月々の給料が20万円程度、将来、パーマネントの職に就ける可能性も高くない上に、何百万円もの借金を抱えている人を結婚相手に選びたいという人が世の中にどれくらい存在するのでしょうか?研究者どころか、普通の企業に就職できた人であっても、結婚相手に大きな不安を抱かせる場合が多いようです。

      仮に結婚しても毎月の奨学金の返済のことを考えてしまい、結婚する前から一千万も返済しないといけないと分かってる人と結婚するのかと、別れて私の夢を今すぐ叶えてくれる人を探すか悩んでおります。彼は我儘な私などには勿体ないいい人です。愛していますが厭な女ですが奨学金のことでこのまま彼との結婚を待ってもよいのかと悩んで毎日苦しいです。(優くて完璧な彼、でも‥ 2012年4月22日 15:35 発言小町)

      彼女は現在23歳。(今年24歳になります)大学1年の時から付き合っている同級生の彼と結婚話が出ているそうです。親に結婚話をしたら、猛反対をされたと。学生の時からオープンに付き合っていて親にも公認なのになぜ?と思ったら…。彼は、奨学金を借りていて、まだ返済中。(就職2年目です)「そんな借金のある男との結婚なんて許せない。ちゃんと全額返済してから結婚の話でしょう」と親に言われたとのこと。(奨学金返済のあるパートナーとの結婚 賛成できますか? 2018/07/02 16:57 WOMEN’S PARK)

      その矢先に旦那の奨学金の返済が100万円程残っていることを知りました。奨学金のことは知っていたのですが、「結婚までに借金はなくしてほしい」とお願いしていたので、もう完済しているだろうと思っていました。(きちんと確認しなかったことを反省しています。)奨学金の返済よりも、結婚式を優先する旦那の感覚が理解できません。(夫婦の金銭感覚 奨学金と結婚式 2018/07/23 22:40 教えて!goo)

      いま付き合って約一年になる彼氏がいます。彼29歳、私30歳です。彼とは結婚の話もしていますが、一つ大きな問題があります。それは彼が学生時代に借りた奨学金700万が未返済だということです。彼の返済プランは来年から3か月で10万×30年かけて返済していくというものでした。(奨学金700万の返済についてアドバイスをお願いします。2013/4/1910:42:08 YAHOO!JAPAN知恵袋)

      私も奨学金借りてましたが、借金のある男とは結婚しないと言われ、一括返済しました(今、大学生の約50%が奨学金という名のローンを借りています。 2017/7/1603:29:03 YAHOO!JAPAN知恵袋)

      30歳目前の時点で数百万の残債がありました。社会人になってからの生活も1人暮らしだったわけですが、貯金に励み数百万を貯めることができました。 しかし、借金した状態で結婚したくないので、思い切ってその貯金を取り崩し、全額残債一括返済をしたそうです。(奨学金返済で結婚資金のすべてを失った話 2017-08-25 たぱぞうの米国株投資)

       

      自分の娘、息子が連れてきた結婚相手が奨学生だったときの親のショック

      今博士3年で来年からは大手企業(製薬系・研究職)で働くことが内定しています。彼は学部1年から修士修了までは奨学金(1種・2種併用)を利用しており、修士での1種免除を考慮してもその総額は1000万円を超えます。… 私の両親と彼は何度も顔を合わせており、借金1000万を伝えるまでは「娘(私)にはもったいない」「礼儀正しく素晴らしい子」と言っていました。お金の話をした今では「もう20代後半だから時間がない、早く別れて次に行け」と言ってきます。(借金1000万超の彼との結婚 2016年8月12日 12:38 発言小町)

      息子が結婚を前提に付き合っていると彼女を連れてきました。とても明るくいい子で嬉しかったのですが、話の中で大学は奨学金で行って300万借りていると言いました。… お相手の奨学金を返す可能性があると知ってショックでした。息子を持つ親って本当やりきれないです。(奨学金300万借りている彼女を連れてきた息子 2016年3月2日 15:26 発言小町)

       

      奨学金の重圧が結婚に影響しているということは調査でも統計的な数字として出ています。

      奨学金の返還が生活設計に影響を及ぼしているかどうかをライフイベントごとにたずねた結果、<影響している>の比率は、[結婚]が 31.6%で最も高く、[持家取得](27.1%)と[仕事や就職先の選択](25.2%)、[子育て](23.9%)、[出産](21.0%)も 2 割台となっている。このうち、[結婚]に注目して借入総額別でみると、正規労働者では 500 万円以上、非正規労働者では 200 万円以上の借入れがあると<影響している>が約半数を占めるようになる。(2016/2/29 奨学金に関するアンケート調査結果(概略版) 中央労福協 PDF)

      参考

      1. 「彼氏が奨学金の返済を抱えているから結婚できない」→事実すぎてため息が出る togetter  2015年8月27日
      2. 「奨学金のせいで結婚が出来ない」という勘違いについて。 2016年04月06日 06:34 中嶋よしふみ
      3. 変えよう!奨学金 奨学金制度についてあなたの声を聞かせてください! 中央労福協
      4. 奨学金の返済苦から「結婚・出産・子育て」を諦める若者が急増中 「再生産不可能社会」のリアル 大内 裕和中京大学教授 奨学金問題対策全国会議共代表 2018.04.03 gendai.ismedia.jp

       

      奨学金という名の借金であぶり出される結婚する二人の間の経済観念のズレ

      結婚前に借金を完済してから結婚したいと考える人も多いようですが、自分の場合は、650万円という”借金”があることを話さないまま結婚してしまい、結婚後に相手にブチ切れられました。事前に話していたら破談になったかもしれませんが、結婚後にバレても信頼関係が損なわれて結婚が破綻する恐れがありますので、どうせなら結婚する前に相手に伝えておくほうが良かったと個人的には反省しています。経済観念がズレた人とはどうせ結婚生活はうまくいきませんから、お金に関する考え方が一致しているかどうかをお互いに見極めることは結婚相手選びにおいて非常に重要です。

      主人は40まで毎月2万円の返済があります。結婚してから知りました。結婚当初、言ってくれればよかったのにと言うと、えっなんで。えっ言ったら結婚しなかったの。と、ちょっと逆ギレされ (奨学金返済ある人と結婚 18/06/25 08:43 mama sta)

      奨学金のことを考えると結婚が憂鬱です。… なんで結婚してから、2人の共有資産で彼氏の借金を払わなければならないのか。うちの親は必死に頑張ってくれたのに、それなら私も奨学金を借りて進学して結婚して払えばよかった、うちの親に申し訳ない気持ちでいっぱいです。(奨学金がある彼との結婚について。 2017/9/2915:22:33 YAHOO!JAPAN知恵袋)

      お金に対する価値観のズレは、結婚したら大きな問題になりますよ。貴女が彼の言動に不信を抱いてるのが、目を背けてはならない事実です。彼の親がお金にシビアではなかったように、彼もそうなのです。お金の使い方は、貧しい家庭で育った人の方がいい加減なものなのです。(彼氏の奨学金のことで悩んでいます。2015/8/1920:12:36 YAHOO!JAPAN知恵袋)

      半年ほど交際し、最近になって結婚の話が出始めた人に奨学金が残っていることが判明しました。… 本人に軽く聞いたのですが、自分で返済できるから問題無いよと答えてくれませんでした。奨学金って37歳(今年38歳)になっても、返済できないものなのでしょうか??

      • 育った環境が違い過ぎる結婚は上手くいかない可能性が高いです。
      • 相手や家族の借金(奨学金は借金)を知らずに、結婚する人は浅はかです。結婚したら、生活費の一部が借金返済に使われるのです。

      私と彼は、結婚相談所で出会いました。… ローン無しになっていましたが、奨学金はローンには含まれないのでしょうね。

      • その彼の今があるのはその奨学金のおかげでもあるんだよ。気に入らないんだったら結婚やめな。
      • 何か違うと感じたら、結婚はストップですよ。その金銭感覚の彼は今後変わりません。
      • それだけ豪遊しているのに奨学金を返済していない事が私なら許せないですね。

      (結婚を考えていた人に奨学金があった 2014年5月29日 20:16 発言小町)

       

      奨学金という名の借金に対する世間の厳しい見方

      研究者の中には、奨学金をいわゆる借金と同一視して認識している人は少数派だと思います。しかし、大学院や研究のことをよく知らない世間一般の人からすれば、借金以外の何物でもありません。

      借金が残っている男が結婚したいなどとよくも言えたものだと呆れます。(来年結婚を考えている彼氏がいるのですが、彼氏に奨学金があります。2014/11/2300:22:57 YAHOO!JAPAN知恵袋)

       

      子供に奨学金という名の借金を負わせる親に対する世間の見方

      子供の大学、大学院の費用を親が出すべきかどうかというのは、家庭ごとに考え方が異なると思うので他人がとやかく言うことではないと思うのですが、経済的に余裕があるのなら子供の学費は親が面倒を見るべきという考え方も根強くあるようです。

      小町で見聞する奨学金に対する皆さんの考え方が私どもと違うので、自分たちは間違っていたのかと思って、ご意見をお聞きしたくなりました。… 小町では、親があまりにも批判されるので驚いています。これなら、親も娘も奨学金を利用したことは周囲には伏せて、一括返済するべきでしょうか?(奨学金 周囲には内緒にして一括返済した方がいいですか? 2016年7月10日 9:39 発言小町)

       

      奨学金返済不能のもたらす悲劇

      奨学金を借りるときには保証人と連帯保証人を立てる必要があります。本人が返済できない場合には、その責任は連帯保証人や保証人が負うことになります。私事ですが、自分の場合、パーマネント職に就けていないため任期付きの職が切れて再就職できないと奨学金の返済が危ぶまれることになりかねません。かといって年老いた親に連帯保証人の責務を全うできるだけの経済力があるとも思えません。すると保証人になってくれている兄弟に迷惑がかかることになります。奨学金が返済不能で破産という悲劇が社会問題化していますが、まったく他人事だとは思えません。自分の場合、年ばかり食って、結果的にパーマネントの研究職が得られずに任期切れで完全に失業する危機に立たされているのに、奨学金の借金だけはまだまだ完済できておらず、あと数十万円も残っているという恐ろしい現実があります。

      仙台で保育士をしている美香さん(仮名・29歳)。今年、奨学金600万円(高校・大学)を返す目処が立たなくなり、破産申告を行った。「まさか奨学金で破産するなんて思いもしませんでした。」… 不幸はこれで終わりではなかった。美香さんが破産をすると、奨学金の連帯保証人となっている父親に、奨学金の支払いを求める請求が移るのだ。… しかし、それでも終わりにはならない―。父親が破産すれば、いずれ、保証人をしている親戚の叔父へ、請求が届くことになるのだ。(“奨学金破産”の連鎖で一家破産!? NHKクローズアップ現代No.26)

      1. 奨学金600万円を抱え困窮する22歳女性 「親が自己破産してバイト漬けで鬱に、婚約も破棄されるかも」 BLOGOS キャリコネニュース2017年06月04日 10:00

       

      貸与型奨学金を返さなくてい良いケース

      1. 特に優れた業績による返還免除 平成16年度に、大学院で第一種奨学金の貸与を受けた者の3割を上限として、在学中に特に優れた業績を挙げた者を対象に、貸与期間終了時に奨学金の全部又は一部の返還を免除することができる「特に優れた業績による返還免除制度」を導入しました。https://www.jasso.go.jp/shogakukin/taiyochu/gyosekimenjyo/index.html
      1. 2015-07-08大学院の奨学金返済を免除してもらう方法~理系編~ http://syadmi.hatenablog.com/entry/2015/07/08/223738
      2. https://www.shougakukin-hensai.site/hensaimenzyo/2/
      3. 大学院第一種奨学金の貸与を受けた学生を対象とする「返還特別免除制度」は、平成15年度採用者をもって廃止になりました。平成16年度から、大学院第一種奨学金の貸与を受けた学生で、本年度中に貸与が終了する学生を対象に「特に優れた業績による返還免除制度」が実施されています。 https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/students/welfare/h02_01_03.html

       

      免除職の廃止

      かつては、博士号取得後、一定期間以内に教育職に就いた場合には奨学金の返済が免除される制度がありました。

      1. 免除職について この制度は、日本育英会法の廃止に伴い現在は廃止されております。https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/menjo/tokubetu_menjo/tebiki_menjyo/about.html
      2. この制度があった最後の年度(2003年度)に修士課程に入った学生は、順調に行けば2023年3月で必要な在職期間に達します。オーバードクターや留学などで中断期間があった人はさらに数年遅くなります。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12157743062
      3. 平成10年には、対象を大学院で受けた奨学金のみと改正がされ、さらに、この免除を規定していた日本育英会奨学金返還免除規程を含む、日本育英会法が平成15年に廃止となり、この制度も廃止となりました。 https://www.kitaten.tokyo/2018/04/syougakukinmenjo.html

       

      返済の猶予

      1. 外国の研究機関で研究していて、低収入のため返還困難な方。 収入・所得条件 年間収入金額(税込) 300万円以下  https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/ippan/gaikoku_kenkyu.html

       

      種々の奨学金関連のウェブサイト

      1. http://www2.he.tohoku.ac.jp/shogaku/files/23zisseki3.pdf

       

      参考

      1. 奨学金問題対策全国会議

      大学教員公募における模擬授業のやり方

      研究ばかりやってきて授業を受け持ったことがない人がいきなり大学の教員公募で模擬授業をやらされるのは、かなりハードルが高いと思います。自分も、あまりピンとこないまま準備して一方通行の講義をしてしまい、終了後の手応えゼロであっさり撃沈した経験があります。公募を勝ち抜くような人がどのような模擬授業をやっているのかというと、聞いたところでは、どんどん”学生”(選考委員を務める教授たち!)に当てて答えさせたりして、もっともっと双方向の面白い授業をしてみせていたようです。あの場所でそんな度胸は自分には無かったなあと反省しましたが後の祭りです。

      高等学校の教育でも新指導要領に移行しますし、今後よりいっそう、先生が一方的に話す授業ではなく、アクティブラーニングといった生徒主体の授業形態が望まれるようになります。そんな中で、学生を巻き込む面白い授業を模擬授業の場で実践してみせることができれば、かなりポイントが高いはずです。

      模擬授業をどうやればいいのか?ネットを見渡しても情報が少ないのですが、文系理系問わず役立ちそうなウェブサイトを紹介します。

       

      模擬授業とは?どうやるの?

      もち時間は20分です。この場合,1回の授業内容を20分にコンパクトに縮めてしまって,20分たったら「今日はこれで終わります」と言って,自分で授業を終えるものでしょうか。それとも,本来の授業時間を想定して講義していき,進行の方が「はい,20分たちました,やめ」といって終了させるのでしょうか。 (短大教員採用試験の模擬試験 2012/12/2110:10:51 ヤフージャパン知恵袋)

      発表時間が一部を切り取った20分であっても、授業時間が90分なのであれば90分間分の授業内容の準備をしておくのが良いと思います。同じ20分であっても、その場で湧き出てくるものが自ずと違ってくるでしょう。90分間のスライドのハンドアウトを人数分用意して配布したりすれば、全ての授業の準備していることが伝わって良いのではないかと思います。自分は過去の面接ではそうしました(落ちましたけど)。

       

      模擬授業の重要性

      書類審査を突破したら、次に行われる面接と模擬講義ですべてが決まると言っても過言ではない。特に、模擬講義は重要である。… 学生が飽きないように、学生との質疑応答の時間を少し入れて、工夫した。模擬講義の練習を事前に3回行い、後輩に聞いてもらった。わかりにくい部分を指摘してもらい、時間配分を調整した。繰り返し練習したため、当日は余裕をもって、臨むことができた。(「面接と模擬授業」恵泉女学園大学専任講師:李泳采)

      模擬授業の重要性は、その大学の教育と研究とのバランスにもよるかと思います。そもそも国立の理系の研究大学の場合、模擬授業を課していないことも多いですし。しかし、その場合でも、研究セミナーのうまさ、わかりやすさ等で教育能力は測られているはずです。

       

      模擬授業は演技・パフォーマンスと心得るべし

      テーマが先方から指定されることが多いが、学会発表などと混同してはいけない。扱われている内容について、先生たちを相手にしているのではなく、はじめてそれを学ぶ学生に向かって授業しているように「演技」することが必要。(模擬授業について 2017年1月30日月曜日 文系大学教員公募)

      普段から学会発表でボソボソとしゃべっているだけだと、いざというときに非常に困ります。いきなりやれと言われると大変ですので、普段の学会発表やセミナーでも聴衆に理解させる意識をかなり高く持って臨む必要があるでしょう。

      模擬授業は、原稿を読み上げるだけのものにしてはいけません。面接担当者は観客だと思って、相手を魅了するような「演技」をしなければなりません。当日、面接担当者は複数の候補者の模擬授業を受けます。当然、疲れます。ならば、その疲れを忘れさせるような、退屈させない授業にしなければなりません。そのためには、学術的に適正でありながらも、面白さをあちこちに潜ませる必要があるでしょう。(面接時の模擬授業について(2) 2015年01月12日16:30  それでも人文系大学院にいくんですか?)

       

      模擬授業の準備、練習、慣れの重要性

      『これが物理学だ!』の著者であるウォルター・ルーウィン元マサチューセッツ工科大学 (MIT) 教授は白熱授業で有名ですが、彼のような授業の名人ですら(?)毎回入念に授業のリハーサルを複数回行ってから本番の授業に臨んでいたそうです。ましてや人生で初めて授業を行う場合、それも自分の人生を決定づける重要な面接試験で行う場合には、それなりの準備が必要なことは言うまでもありません。

      模擬授業はだいたい20分で教科書を指定してくることが多かった。学部の授業で習った以来の復習だったので、苦労した。やはり博士論文を作りながら準備をしていたので、準備不足となることが多かった。少なくとも1周間は練習を見て、模擬授業の模擬授業を3回程度やるとだいぶ慣れてきました。(■新卒博士のアカポス公募記録 2017-03-12 はてな匿名ダイアリー)

       

      模擬授業が課される理由


       

      模擬授業では授業を行うこと

      さて,問題の模擬授業の内容だが,物理教員としての採用だったので,理工学の一般教養として教える機会の多い「力学」の中からトピックが5つほど与えられ,そのうち一つを選択し「もしそのトピックを中心として90分の授業を行うなら,どのように授業を組み立てるか」を20分で話すというものだった.(そういう意味では「授業の内容を説明する」というもので,本来の意味での模擬授業とは違う性格のものだ.)(【大学教員への道】 模擬授業 2014年10月13日月曜日 akt37)

      上の公募では授業のやり方を説明することが要求されていたようですが、募集要項で模擬授業をやれと言われている場合には、本当に面接の場で面接官を相手に、「授業」をやらないと零点になると思います。念のため。

       

      参考

      1. 大学教員の採用人事を知る3―面接・模擬授業編 (2016/06/29 03:04 ダイガク享受):有料ノート。心構え等、参考になることがいろいろと書いてある。内容からして著者は文系の教員みたい。
      2. 私の公募に対する心構えメモ (geocities.jp/ryannmaryu16)
      3. 教員公募について考える 2016-08-08 大学教員として生きる道
      4. 大学教員への道2 採用試験 2006.05.17 児玉昌己研究室

      成功するジョブトーク(面接セミナー)のやり方

      大学教員の選考過程は、書類選考があり、候補者を絞り込んだあとに面接試験でセミナーをやるのが一般的です。大学によっては模擬授業をやらせるところもあります。教育を重視する私立大学では模擬授業をやらせることが一般的のようですが、研究志向の大学で模擬授業を課しているのはあまり見かけません。さて、書類選考にめでたくとおって面接に呼ばれたときに、どのようなプレゼンテーションを行えばよいのでしょうか?日本と欧米とでは多少異なるのかもしれませんが、国内外の区別をあまりせずに、ジョブトーク(研究セミナー)を行う際の中事項など、いろいろなアドバイスをまとめます。

       

      面接試験の準備の重要性

      ジョブ・トークは通常のプレゼンと全く違うということをまず認識すべきだ。時折全く練習せずにぶっつけ本番で臨む方や、論文に使われた図をそっくりそのままを使う方を見かけるが、自殺行為である。せっかく高倍率をくぐり抜けて面接まで辿り着いているのだから、万全の準備で臨みたい。ポイントは「研究の価値と将来性を専門家以外にもわかるように宣伝する」ことであり、私が当時受けたアドバイスは、「スライドを見ずにしゃべって、ピッタリ 45 分くらいで終われるようになるまで練習しろ」というものであった。 … ジョブ・トークもチョーク・トークも、その出来が結果に大きく影響することは間違いない。が、意外に侮れないのが個々のミーティングだ。英語でいうinter-personal skill(日本語では対人能力、雑談力とでも訳せばいいのだろうか)が問われる。私が受けたアドバイスは、個人面談が予定されている相手の研究内容は前もって概要を理解しておけ、可能であれば論文を読め、会話の途中で話題に事欠き両者揃って沈黙する時間を生み出さないようにせよ、というものであった。 … 心理的にヒトは自分に興味を持ってくれる相手には好感を持ちやすいからで、特に採用側の人間は全員、この先何十年と一緒に仕事をするかもしれない相手として、自分と会話をしていることを肝に銘じたい。(徒然独立日記 〜黎明編〜 小島 志保子 Department of Biological Sciences, Biocomplexity Institute, Virginia Tech PDF)*太字下線強調は当サイト

       

      ジョブトークを成功させるためのヒント

      特に重要だと思われるポイントを主観的に選んで、ごく一部をかいつまんで紹介します(訳は当サイト)。全文は長いのでリンク先をご覧ください。

      ジョブトークを成功させるためのヒント

      Tips for a Successful Job Talk  By Stephen J. Aguilar  January 10, 2018

      聞き手が誰なのかを知りなさい。あなたのトークは誰が聞いても理解できるものでなければならないが、同時に、同様の手法を用いている同分野の研究者を印象付けられるくらいに方法論的に堅固なものでなければならない。

      Know your audience.  … Your talk should be accessible to everyone while still having enough methodological rigor to impress peers who use similar methods.

      自分のデータをよく理解していなさい。自分のデータを、方法論の細かい部分に至るまで深く理解し、同時に、より広い研究領域における議論と結び付けられるように幅広く理解しておきなさい。

      Know your data. …  you should know your data well, and know it in a way that is both deep (i.e., you can get into the nitty-gritty of the methods), and broad (i.e., you can tie your methods and findings to the broader conversations the field is having about your topic).

      補足スライドを用意しておきなさい。 聴衆からの質問に答えるためのスライドを予め準備しておくことは、質問した人と同じことを考えていたことをアピールすることになります。

      Make supplementary slides. it shows that you had similar thoughts as the person who asked the question.

      練習しなさい。まず一人で、次に家族を相手に、それから同僚を相手に、さらには指導教官らに聞いてもらって、練習をしなさい。

      Practice it. Practice it alone, practice it with your family, practice it with your peers, practice it with your adviser(s). 

      結果の意義を述べなさい。意義のセクションは、自分のアイデアやアプローチや発見の新しさや重要性をアピールする部分です。この部分では文字通り研究成果を売り込んで良いのです。あなたの研究はXを行った最初の研究なのですか?だったらちゃんとそう言いなさい。

      Discuss implications. The implications section is the part of the presentation where you have to sell your ideas, approach or findings as novel and/or important. It is fine to really sell it here. Is the study the first that did X? Make sure to say so. 

      将来の研究についても話しなさい。

      Discuss future work. 

      聞かれたことに答えなさい。質問のひとつひとつがあなたに能力があることを証明する機会、もしくは証明し損なう機会であることを、覚えておきなさい。あなたが質問にどう答えるかによって、あなたがその問題について深く考えていたかどうか、不慣れな領域でも思慮深く対応する能力があるかどうかが露呈するのです。

      Answer the question that was asked. Remember, every question is an opportunity to demonstrate — or fail to demonstrate — competence. The way that you answer a question reveals if you have thought about your topic deeply or are capable of engaging with unfamiliar territory in a thoughtful way. Take the opportunity to communicate that you understood the reason the question was asked.

       

      面接試験とジョブトークで際立つ方法

      面接に関する他のアドバイス記事を紹介します。たくさんの項目があるので、ごく一部だけを紹介。ほかにもたくさんのヒントが書かれているのでリンク先で本文をご覧ください。

      面接とジョブトークでいかに際立つか 心理学科長ら選考を行う側の人たちからの重要なアドバイス

      How to stand out in your interview and job talk Vital advice from psychology chairs and others who make hiring decisions By Heather Stringer October 2017, Vol 48, No. 9

      質問を持って来なさい。 ファカルティや選考委員会のメンバーに会うときは、学科の強みと弱み、ジュニアファカルティに何を期待しているのか、学科を将来的にどう変えたいと考えているのかについて質問しなさい。

      Come with questions. … For faculty and search committee members, ask about the department’s strengths and weaknesses, what they are looking for in junior faculty and any changes they anticipate in the department in the future. 

      聴衆が誰かを知りなさい。誰が聴き手になるのかを知り、その人たちに合わたプレゼンテーションにしなさい。

      Know your audience. Find out who will be attending your talk and tailor the presentation accordingly.

      ラポールを形成しなさい。「くつろいだ、話しかけられやすい態度で聴衆とかかわる必要があります。また、ユーモア、小話、イラストなどを使って聴衆と直接つながることが必要です。そして、プレゼンテーションの時間全体を通して、あるいは最後に確保しておいた時間などに、会話のキャッチボールが成立するようにしなければなりません。」

      つまりは、あなたの目的は聴衆をちゃんと楽しませることなのです。とNeimeyer氏は言う。もし聴き手の人たちが笑って、しゃべって、質問をして、あるいは興味を示して一生けん命聞いてくれていれば、彼らはあなたとあなたの仕事を好意的に見てくれていると考えて間違いありません。

      Build a rapport. “You need to communicate in a comfortable, accessible way, make direct connection with your audience through the use of humor, anecdotes or illustrations, and invite back-and-forth conversation, either throughout the talk or during special time reserved at the end.”

      In the end, your objective is to make sure your audience enjoys themselves, Neimeyer says. “If they are laughing, talking, asking questions, or otherwise showing interest and involvement, then you can be sure they are viewing you and your work favorably.”

      練習、練習、また練習。ジョブトークの練習を同僚、指導教官、他の教官に聞いてもらい、率直なフィードバックを求めなさい。こうすることによりあなたはジョブトークのときの質疑応答で聞かれるであろうさまざまな種類の質問に答える準備をすることができます。

      Practice, practice and practice. … Practice giving the job talk to colleagues, an advisor and other faculty, and ask for candid feedback. This will also allow you to prepare for the types of questions people will ask during the Q&A at the end of the talk. 

       

      ジョブトークを際立たせる要素とは何か?

      ジョブトークが伝えるべき内容は何なのかを論じた記事を紹介します。大切なことは、問題を解決するパッション!

      もしも、成功するジョブトークの要素の中にトークを際立たせる成分がひとつあるとしたら、それはプレゼンを行った人が問題を解決する人間だという印象を聴衆に与えることができるかどうかです。

      If there’s any one element of a successful job talk that stands out, it’s whether the presenter comes across as a problem solver. 

      あなたが解決しようとしていた問題が何であり、その問題を解決するためのあなたのアプローチが何であったのかを、聴衆の人たちがきちんと理解できるようにしなさい

      make sure the audience members understand the issues you were tackling and what your approaches were to solving those problems

      あなたのジョブトークに欠かせないもう一つの重要な成分は自分の研究対象へのパッションです。… 同じように完璧なプレゼンをした二人の候補者のうちの一方が採用されたその違いは何だったのでしょうか?おそらくそれは、笑顔、聴衆とより多くアイコンタクトをとったこと、または、問題とその解決を述べたときのより多くの熱意だったのでしょう。

      Another must-have element of your job talk is the passion that you demonstrate for your subject matter, …

      What was different? Perhaps it was a smile, better eye contact with the audience, or a bit more enthusiasm about describing problems and solutions.

      (引用元:To ace your job talk, you need to know your audience. sciencemag.org)

       

      素晴らしいジョブトークを行うための非常に良いアドバイスはインターネット上に多数公開されています。もう少し紹介を続けます。

      人生を決める1時間

      Philip Guo氏が自分のジョブハントの経験の一部始終を詳細に解説していますが(18ページPDF)、その中のジョブトークに関する部分(HTML)。

      How to deliver a great academic job talk by Philip Guo 

      あなたのジョブトークは、教授という役を勝ち取るための1時間のオーディションなのです。音楽や演劇のオーディションだと思ってみてください。今の場合、教授たちが審査員になるわけですが。舞台での1時間の演技の後には、聴衆の中の教授たちが、これまでのあなたの研究に熱狂し、あなたの将来の研究の展望に刺激され、あなたのパフォーマンスを見て活気付けられた結果、あなたを同僚として迎えることを誇らしく感じさせるようにする必要があります。

      Your job talk is your one-hour audition for the role of a professor. Think of it like a music or acting audition, except here professors are your judges. By the end of your hour on stage, you need to get the professors in the audience so excited about the research you’ve done, so inspired by your future research vision, and so energized by watching your performance that they will be proud to call you a colleague.

       

      ジョブトークのやり方 ~通常の研究セミナーとジョブトークとの違い~

      通常のセミナーとジョブトークとの違いを指摘しながら、ジョブトークを行うコツが解説されている動画。企業への就職を目指す人にも配慮して、アカデミアのセッティングにおけるジョブトークだけでなく企業でのジョブトークに関しても説明があります。

      12/5/2013 “How To Give a Job Talk, and Why It’s Not the Same as a Research Talk” DukePostdocServices 2014/01/08 

      5:27 [SLIDE] The Job Search Committee 
      Most of the search committee don’t have a clue about your field
      – Few know your boss
      – Fe know your techniques
      – None know your jargon
      They have defined criteria to meet
      – What technology you will anchor
      – What project(s) you will serve on to start
      – Waht headcount (人員) you will inherit
      – What scientific resources you will need
      – Whose former lab space you are getting

      9:10 Did you think up the idea or you were just told to do it?
      9:16 Did you collaborate?

      9:44 As projects become bigger and more complicated, they need  collaboration with people amongst other people with a lot of different skill sets. So, you need to demonstrate during the couse of your talk that you collaborated with other people to get the work done.
      10:37 Are you a good thinker? 

      11:30 Before you go, you need to practice what you are going to do.

      12:13 The talk that you are going to give for the job need to be needs to be understandable by a reasonablly well-educated scientist, not just the specialist.

      12:55 Practice your delivery. 

      15:14 Preparing slides. 
      15:55 You want to spoon-feed this in a linear intelectually relevant squence.

      19:55 [SLIDE] Before You Go Reviewing the Data You’ll Present

      27:20 [SLIDE] The Job Seminar: Organization and Grammar First 10 MINUTES MIDDLE 30 MINUTES LAST 5 MINUTES

      36:10 [SLIDE] The Search Committee will be asking themselves “Can this person….”

      • Complete in science in your chosens field
      • Anchor a key technology and/or run a core facility
      • Teach a required course
      • Write/think/plan/self-promote well enough to become fully funded from external sources within a couple of years and stay that way?

      56:38 [SLIDE] Do’s and Don’t

      アカデミアでジョブを得るためのアドバイスから、重要なポイントを紹介(訳は当サイト)。

      「あなたの書類があなたに面接をもたらした。あなたのジョブトークがあなたに職をもたらしてくれる。」

      あなたのジョブトークがこれまでにあなたが行ったどのトークとも異なる点:

      • 聴衆はあなたのトーク内容を理解しなければならない
      • 聴衆はあなたのトークに感動しなければならない
      • 聴衆があなたのことを気に入って一緒にいたいと思わせなければならない

      “Your packet got you the interview. Your job talk gets you the job.” 

      Your job talk is unlike any talk you have given so far:

      • The audience must understand it.
      • The audience must be excited by it.
      • The audience must like you enough to want you to hang around for at least six years afterward.

       (引用元:A good academic job talk http://matt.might.net/articles/advice-for-academic-job-hunt/)

       

      参考

      1. The Academic Job Search and the Campus Visit (YOUTUBE 25:22)EducationatIowa 2012/04/20 に公開 Dr. Will Ming Liu talks with Will Coghill-Behrends about the campus visit and the campus interview.
      2. Ace the Academic Job Talk (Office of Graduate Studies GRADUATE CONNECTIONS, University of NEbraska-Lincoln)
      3. Keys to a Successful Job Talk. Guy A. Boysen, Ciara Jones, Rachel Kaltwasser, May 30, 2018 Teaching of Psychology https://doi.org/10.1177/0098628318779277 (要旨閲覧無料)”However, significant differences between institutions showed that baccalaureate institutions emphasize teaching skills during job talks and doctoral institutions emphasize research skills.”

      博士研究者から高校教員へのキャリアパス

      アカデミックな世界では教員のポストにほとんど空きがありません。博士号取得後に研究を続けてきた人であっても、キャリアパスの変更を考える必要に迫られることが多いことでしょう。民間企業へ転職する人、URAのような研究者をサポートする事務方にまわる人が多いですが、一つのオプションとして、研究者から高校の先生へのキャリアチェンジも考えられると思います。

      【注意!】教員免状を持たない人を対象とした社会人枠の選考は県によって制度が大きく異なりますし(年齢制限、担当科目、受験科目、願書締切日、試験実施形態など)、毎年変更もあります(実施したり、廃止したり)。受験を希望する県の教育委員会のウェブサイトで最新年度の募集要項を必ずご確認ください。当記事は最新ではありません。

       

      博士号取得者の人材活用に関する提言

      仮に大学の研究職に就任する運のなかった人でも、そうした才能を一番生かせるのは高校教師という仕事ではないかと思うのです。博士号保持者なり、単位取得退学で職がなくて困っている人が大量に発生しているのであれば、これは社会全体にとって人材の無駄です。そうした人材の活用法として、高校教師として若い人の指導に当たってもらうのは非常に意味があると思うのです。 (「高学歴ワープア」から高校教師というキャリアパスはどうか? 冷泉彰彦 2013年03月22日(金)16時21分 NEWSWEEK ニューズウィーク日本版)

      現状のポスドク対策として有効と思われるのは、初等中等教育に携わる教員の博士号取得者を増やすことである。しかも、これは、科学技術立国を謳う我が国のポリシーに合致している。(「博士号取得者3%採用ルール」という可能性 大隅典子の仙台通信 2012年 06月 03日)

       

      研究者がすぐに教育者になれるのか?

      研究経験があるからといって必ずしも教育者としての能力があるとは言えないのではないかと疑問を感じる人もいると思いますが‥。

      確かに彼らは教科専門教養のある部分には優れた点を保持しているであろうが、教職のスタート時点で、子どもの発達や教え方の基本、教科の構造などの教職教養をまったく身に付けないままで、子どもの指導を十全に行えるとは考えにくいことである。(宇佐見忠雄 教員採用のニューウェーブ考 実践女子大学文学部紀要第51集 PDF)

      Q.マニアックな専門家が生徒指導などできるのか?
      A.県教委による選考(教諭としての資質能力)を経て採用されており、問題はない。生徒、教員集団に溶け込み、今すぐクラス担任を任せてもよい状況である。

      Q.最先端知識だろうと授業の雑談のネタ以上の用途はないのでは?
      A.幅広い土台を持ち、同じ内容でも違った切り口から指導できるなど、優れた教科指導力を持っている。また、児童生徒の科学的探究心を刺激し育み、未来のイノベーションを担う人材育成にも貢献している。 (引用元:博士号教員採用をめぐるQ&A 文科省)

      つまり、教員免許とかどうでもよくて、単純に先生の頭がよい(学歴が高い)かどうかで、成績を上げる能力が変わるってことです。なんのための教員免許なの?マジで。… これは教職課程をとってきた僕自身の感想ですが、優秀な人ほど、教員免許を取って新卒で教員になる選択肢を取らなくなるような気がします。… 逆に、「こいつには絶対に教員にはなってほしくないな」という人が先生になっていくのです。… 前者のような卒業生が、あとから教員になるっていうならいいのですが、非常に難しいです。もし、教員免許を学部中にとらなかったら、よっぽどお金に余裕がない限り、教員になることは不可能です。通信教育を使いながら、教員免許を取得するための単位をとることはなんとかできますが、働きながら教育実習に3週間いき、さらに介護等体験に2週間はいくことはほぼ不可能です。… くそみたいな免許は持ってるけど能力ありませんみたいな教師ばかりが先生になってしまう流れを変えなければなりません。教員免許取得の壁を低くして、もっと高学歴優秀層がちょちょっと教員に転職できるような環境を作らないと、やばいです。… 教員免許の規制緩和して、もっと別の枠組みを用意してくれないかと思います。(教員免許の必要性を全く感じない件について Review of My Life  2017-01-24)

      科学教育の根本は知識を授けるよりもむしろそういう科学魂の鼓吹にあると思われる。しかしこれを鼓吹するには何よりも教育者自身が科学者である事が必要である。先生自身が自然探究に対する熱愛をもっていれば、それは自然に生徒に伝染しないはずはない。実例の力はあらゆる言詞より強いからである。
       すべての小学校、中学校の先生が皆立派な科学者でなければならないという事を望むのは無理である。実行不可能である。しかしそんな必要は少しもない。ただ先生自身が本当に自然研究に対する熱があって、そうして誤魔化さない正直な態度で、生徒と共に根気よく自然と取込み合うという気があれば十分である。先生の知識は必ずしもそれほど広い必要はない。いわゆる頭の良い必要はない。(寺田寅彦『雑感』より抜粋 転載元:青空文庫)

       

      博士号教員のススメ

      実験設備がいらない数学者にとって,高校教員は就職後も研究が続けられる,数少ない職場のひとつである.生徒指導・特別活動・クラブ活動と duty は多いが,最近の大学の状況を見る限り,仕事量は大差ないのではと感じている.待遇もそれほど悪くない.それにも増して,現場には研究経験のある人材が求められている.先入観を持たずにぜひ教育の世界に飛び込んできてほしい.(秋田県の博士号教員について 秋田県立横手清陵学院 高等学校教諭 瀬々将吏 PDF)

      1. 理工系のキャリアパスとしての高校教員 瀬々 将吏(秋田県立横手清陵学院高等学校)秋田県の「博士号教員」を例として 平成29年5月16日 秋田大学理工学部 数理・電気電子情報学科 数理科学コース 1年生対象 初年次ゼミ「数理科学の世界」(PDF)

      やる気のある生徒たちからは、とても期待されます。生徒は教科書だけからの知識を与えられるのではなく、最新の研究成果などの「生きた」研究成果や、教科書には載っていない、様々な理科の知識を求めています。授業での教材と最新の知見を結びつけ、積極的に科学を「語った」ことは、博士課程での研究活動が役に立った一面であると思います。そんな生徒の声に応えるためにも、博士号を取得した教員は、常に最新の知識を吸収し、自身を高める必要がある(本来の教員とはそのようなものであると思いますが)と強く思います。(教師・その本来の意義 名前:柳下貢雄さん 所属:元・公立高校教員 hakasenoikikata.com)

      「博士号保有者特別選考」を過去に導入したが中止した県もあります。近年、あるいは次回の募集に関しては最新情報をご確認ください。

       

      いい高校の先生とは

      私が教えを受けた高校や大学の先生の中で,今でも記憶に残っているのは,やはり,その科目や専門分野を先生自身が面白くまた大好きだと思っているような先生方である.そのような先生方の授業には,情熱があったし,そのことに刺激や感銘を受けたものであった.教育において最も大事なのは,そのような情熱ではないだろうか.博士号を取るまでに至った人は,皆このような情熱を持っている.博士号を取るためには,何年にもわたって身も心も研究に捧げ尽くすことが必要であり,それは情熱なくしてはできないからだ.だからこそ,そういう人はいい教師になれると思うのである.(博士号取得者が高校教師になるということ A Day in the Life 2013/03/27 09:29 )

       

      特別免許状制度

      特別免許状制度について Ⅰ.制度の目的・概要 教員免許状を持っていないが優れた知識経験等を有する社会人等を教員として迎え入れることにより、学校教育の多様化への対応や、その活性化を図るため、授与権者(都道府県教育委員会)の行う教育職員検定により学校種及び教科ごとに授与する「教諭」の免許状。(昭和63年に創設)(文部科学省)

      特別免許状の授与状況 (引用元:文科省 PDF)

      平成27年度授与の内訳 高等学校 件数153 中学校 件数52
      教科種別(主なもの)
      教科:理科 件数12 授与者の主な職歴:大学教員、民間企業研究員
      教科:英語 件数97 授与者の主な職歴:ALT,大学教員、英会話学校講師
      教科:数学 件数11 授与者の主な職歴:保険数理士

       

      教員免許なしの出願

      特別免許状制度を活用することにより、教員免許のない博士や専門家に対し高校教諭になるチャンスを与える都道府県があります。

      和歌山県教育委員会は公立学校教員採用候補者選考検査において、平成28年度に「博士号取得者特別選考」を新設。これまでは、高等学校の数学、理科、農業または工業に限られていたが、平成31年度公立学校教員採用候補者選考検査では高等学校の募集を行うすべての教科が対象となる。… ほかにも、静岡県では「高等学校スペシャリスト選考」において高等学校の理科(物理・化学・生物・地学)志願者、長野県では「特別選考」において中学校(数学・理科)志願者を対象に博士号取得者を対象とした選考を実施している。(博士号取得者、高校教員全教科へ出願OK…和歌山・教員採用試験 2018.5.15 Tue 20:15 ReseMom リセマム)

      京都府では教員免許を持たないが、必要なスキルのある50才未満の社会人を対象に「特別免許」を発行し、多様な人材の確保に努める。「民間企業に勤めて実績のあるかたや英語がネイティブのかた、国際競技会に日本代表で出場されたかたなどに、教員として働ける特別免許を発行しています」(京都府教育庁管理部教職員人事課)(教師確保競争激化、特別免許や他自治体からの引き抜き等 2018/10/14(日) 16:00配信 YAHOO!JAPAN NEWSポストセブン)

       

      博士教員の競争倍率

      大学教員のポジションの倍率に比べれば、高校の教員になる際の倍率のほうが一桁小さいようです。

      採用年

      志願者

      1次
      合格

      2次
      受験

      最終
      合格

      備考

      平成20年

      57

      18

      18

      6

      1名は非常勤

      平成21年

      12

      3

      3

      2

      1名は辞退

      (出典:博士号教員の活用について 平成21年5月18日 秋田県教育委員会 文科省)

       

      博士号取得者が高校教諭に転職したときの給与

      採用後の待遇については、「博士号取得による加算給などはなく、公務員の号数に応じる。号数は、院卒という学歴や年齢、それまでの経験によって決まるので、22歳の新規学卒者と同じ待遇にはならない」と言う。(博士号あれば受験可に 和歌山県の高校教員採用試験で今年から「待遇は22歳新規学卒者と同じにはならない」キャリコネ 2018年5月11日 17時47分 エキサイトニュース)

       

      年齢制限

      教員採用制度は細かくみると都道府県により出願条件や選考過程が異なります。

      1. 平成30年度教師の採用等の改善に係る取組事例 平成30年2月21日 公表 受験年齢制限(PDF) 文科省がまとめた都道府県別一覧表

       

      専門科目の試験の難易度と合格点の目安

      専門科目の問題はどれくらいの難易度で、どの程度解ければ合格するのでしょうか?博士号保持者に期待される学力は一般選考を受ける大学新卒者よりもはるかに高いのではないかと個人的には想像していますが、情報がないため、ネット上の一般選考の場合の議論を参考として紹介しておきます。

      専門教養ですが、5教科に限って言えば大学のセンターレベルです。… 教職教養、専門教養の足切りラインはあくまで噂ですが、平均点×0.6 と言われています。(社会人のための東京都教員採用試験~一般受験か経験者受験か~ 2016-01-27 試験やトラブルなんてぶっとばせ!)

      合格ラインは自分の受験する校種・科目の倍率がひとつの目安となります。… 倍率が10倍以上の校種・科目は70点以上が目安 … 神奈川県でも難関教科のひとつである高校社会。昨年の最低合格点は140点(200点満点)。(教員採用試験は難しい?合格ラインは?|教職教養の攻略が合格への秘訣 3月 30, 2018 kyosai365.online)

      教職教養・専門教養・小論文それぞれに合格最低点が設定されていて、それを超えないといけません。(→教職教養で満点でも、専門教養で合格最低点を超えなければ不合格)私は、本番で70〜75%が取れるよう日頃から80〜85%を目指して過去問を解いていました。(東京都教員採用試験 〜一次試験④(合格ライン)〜 2017年01月14日 東京ティーチャー物語)

      専門科目 埼玉県の場合、60 分のマークシート方式で物理 5、化学 7、生物 6、地学 6 の筆頭試験があります。さらに埼玉県は 2 次試験でも専門科目の試験があります。ほかの都道府県の場合は 1 次試験の専門科目は自分の選考する科目の試験の場合が多いみたいですね。(転載元PDF)

       

      理科志望者の理科の試験科目

      理科の試験科目に関しては注意を要します。理科の場合は4教科(物理、化学、生物、地学)の受験が課されている都道府県の場合は、専門外の科目をゼロから勉強する必要があるのでかなり大変でしょう。

      自治体によって異なりますが、概ね、大学センター試験レベルの共通問題(物、化、生、地)と大学2次試験~大学1年レベルの選択問題(物理)を解かせるところが多いですね。(tok********さん)

      理科は免許としては一つの科目ですので,合格すると物理だけでなく,化学・生物・地学を教えなければならない場合も多いですよ。ですから,物理だけの試験ではない場合が多いです。(tra********さん)   (教員採用試験(高校物理)2010/5/2400:43:56 YAHOO!JAPAN知恵袋)

      Q:私は高校理科(物理)を志望しているのですが、採用試験では化学や生物、地学なども試験内容に含まれるのでしょうか?… 会社員からの転職を考えており、卒業してからかなり時間が経過したため専攻した物理以外は自信がありません。 A:受験する自治体によると思いますが、理科で一括採用されていると思います。試験でも、共通問題(物化生地、指導要領など)と選択問題(自分の専攻分野を選ぶ。)の組み合わせになっていると思います。詳しくは要項を見てください。ちなみに、私の住んでいる愛知県では、1次試験で共通問題(マーク式)、2次試験で記述試験(共通+選択)でした。(YAHOO!JAPAN知恵袋 2008/3/1001:51:00)

      博士号保持者特別選考の場合、都道府県によってはる理科の受験科目数が異なる場合があるので、要項を確認する必要があります。

       

      ブラックな教員の世界

      昼夜もなく働いて研究成果を出してもアカデミアでパーマネントの職が取れるチャンスは非常に低いという点で研究職は恐ろしくブラックな業界ですが、中学高校の教員の世界も違う意味でやはり制度的にかなりブラックです。ヤフーのニュース記事へのコメント1689個の多くが現職教師や教職経験者からのようですので、教師の仕事が大変さがわかる生々しい声をいくつかピックアップして紹介します。

      1. 特別免許? 教員免許は更新制なのに?
      2. 特別免許って何??今年、自腹で休日返上で教員免許更新したのに、民間の人には実績ないのにそんな簡単に免許あげるって、悲しいです。
      3. 特別免許で簡単に学校外から変な人が入ってきたら、その対応はまた教師の負担になるでしょう。
      4. 公立校は、基本的に教員の善意を悪用する仕組みになってるからね。… 今どきこんな職業を志望するのは物好きだけ。
      5. 校長は、自身の勤務評価を気にして、新しい仕事を常に持ってくる。
      6. 教師は学問を教えるプロであればそれで充分。しつけやマナー、モラルを教えるのは親の責任だし、部活はプロ、とまではいわなくとも、その競技で何らかの実績がある人物をそれぞれに雇用して指導してもらえばいい
      7. 拘束時間は長い、休みはない、給料も少ない … いらないところに時間をとられやるべきところへの時間が削られていく
      8. 体も心もすり減らす職種です。
      9. 若者に、上の学年、運動部、学年会計など手間のかかる業務を押し付ける現状があります。
      10. なにより親への対応が大変です。先生方の勤務状況をみたら 本当に凄まじくブラック企業。 タイムカードないとかありえないし。
      11. 以前はそういった場合でも、病休代や産休代の講師がすぐに見つかったが、今はなかなか見つからないため(教育委員会が見つけられないため)学校内でやりくりしないといけなくなっている。
      12. もう、情熱だけでは教員はやっていけないと思います。何でも学校に任せればいいという風潮を無くし、地域や家庭でやるべきことを当たり前にするようにならないと、変わらないと思います(特に部活動)。
      13. それまで教師をした経験が無かったのですが、いきなり高校3年生の英語の授業を担当させられたのを覚えています。教科書だけ渡されてこれやってと言われ、どのように進めて行くか授業のノウハウを聞いても年配の方々は好きにやってくれたらいいという事で、途方にくれたのを覚えています。右も左も分からぬまま、高校3年生の受験の大事な時期を生徒と共に過ごしましたが、普通新任を高校3年生の9月から英語の授業持たすでしょうか。。。進学校でした。
      14. とにかく仕事が多すぎて子どもに向き合う時間など作れない。… とにかく異常な職場です。昔は憧れの職業でしたけど。今は、なってはいけない職業。
      15. 民間で優秀な経歴を有する人材が、わざわざ教師になるとは思えないね。仮に優秀な人材を採用できても、システムが狂っていればどうしようもない。
      16. 地域連携をいいことに、教員にお祭りパトロールやイベントボランティアをさせる。管理職も学校の評価を上げたくてホイホイ引き受ける。一部の保護者も要求し放題。教員は不死身とでも思ってるのか。教育委員会は「文科省様、うちの県はやってますよ〜」の姿勢を示すために提出書類をいたずらにややこしくしてる。本来良い授業をするのが仕事のはず。文科省の方針に会わせた流行りの授業をしたり、書類の形を整えるのが立派な教員ではない。
      17. 教員の待遇悪すぎです。 新指導要領への対応やモンペ対応,休日返上の部活指導に意味の無い報告書等々,仕事量ばかりがどんどん増加し心身を病む教員の何と多いことか。仕事にまじめに向き合い,手を抜かない人ほど潰れていく現状を多くの人に知って欲しい。
      18. 教師は教養があるのが当たり前で、少なくとも30年前までは、それで教養のある父兄から尊敬されました。今は学校側が教養のない類の父兄の教員評価に反応し迎合しているので、良心がある教師はやっていられなくなり、辞めます。いやその前に干され、専任になる前なら首になります。

      (転載元:教師確保競争激化、特別免許や他自治体からの引き抜き等 NEWS ポストセブン 10/14(日) 16:00配信 YAHOO!MAPAN コメント1692個の中から)*太字強調は当サイト

       

      公立高等学校教員採用試験(理科)で博士号取得者特別選考がある都道府県のリスト

      博士号取得者のキャリアパスとして高等学校の教員という可能性がありますが、日本の都道府県の中で博士号取得者に対して特別な選考制度を設けているところはどの県でしょうか?教職免許を持っていなくても、博士号を取得していれば教員試験を受験できる各都道府県の情報をまとめてみたいと思います。なお「平成31年度」という言葉遣いは、「平成31年度から採用」の意味であり、「選考の実施は平成30年」ということです。

      自分がみた限り、高校理科に関して、教職免許がなくても学位や専門分野での経験を条件に社会人枠を設けているのは、茨城県、福井県、静岡県、和歌山県、山口県、滋賀県、京都府、奈良県の8県です。ただし50歳といった年齢制限を課している県が多いです。ちなみに、工業系の教科に関してみてみると、上記よりももっと多くの県が社会人枠を設けています。注意すべきは、その教科全体の定員中に特別な人数として確保されているわけではないということです。あくまで、選考過程が「一般」とは別というだけです。

      また、博士号取得者や専門職に従事してきた人を対象とする社会人枠を、前面にアピールしてはいないけれども、募集要項をよく読むと「特別免許状制度」を活用している県もあります。個別にご確認ください。

      特別選考について
      Q 教員免許を取得していないのですが、民間企業等で勤務経験があるので、特別選考Ⅰ①で出願することは可能でしょうか?
      A 民間企業等での勤務経験の内容が、出願資格を満たしているかどうか検討する必要があります。特別選考Ⅰ①での出願を希望される場合には、できるだけ事前にご相談ください。・連絡先 香川県教育委員会事務局 義務教育課 電話:087-832-3743(直通) 高校教育課 電話:087-832-3751(直通)(香川県)

      【注意】博士号取得者を対象とする特別選考を導入してニュースなどで話題になった県でも、その後廃止したところがいくつかあります。ご興味をお持ちの県の最新情報は必ずご自分でご確認ください。

       

      1. 【茨城県】教職員採用情報平成31年度採用茨城県公立学校教員選考試験(平成30年実施)のご案内平成31年度採用 茨城県効率学校教員選考試験実施要綱 茨城県教育委員会 PDF
      2. 【福井県】平成31年度福井県公立学校教員採用選考試験について 平成30年度福井県公立学校教員採用選考試験の概要(PDF) (2)特別選考(すべて一般選考の採用予定者数に含める)4教育エキスパート特別選考・専門教育分野【中高数学、中高理科、高校農業、高校工業、高校商業、高校福祉】(民間企業等での3年以上の実務経験または博士の学位を有する者)若干名 3受験資格・学校教育法第9条および地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない者・相当する普通免許状を所有する者または取得見込みの者(教育エキスパート選考を除く)・平成30年4月1日現在60歳未満の者
      3. 【静岡県】平成31年度静岡県公立学校教員採用選考試験日について(平成30年実施) 詳細については、平成30年4月2日(月曜日)から配布予定の選考試験要項を御覧ください。 第1次選考試験日 高等学校教員 平成30年7月7日(土曜日)、8日(日曜日) 第2次選考試験日 高等学校教員 平成30年8月20日(月曜日)、21日(火曜日)、22日(水曜日) 平成31年度の変更点(PDF)  4  高等学校スペシャリスト選考を実施します。【高等学校教員】 これまで実施してきた「博士号を取得した者を対象とした選考」「民間企業等での勤務経験を有する者を対象とした選考」「医療機関等での勤務経験を有する者を対象とした選考」に、新たに実施する「英語のネイティブスピーカーを対象とした選考」を加え、教員免許状がなくても受験可能な特別選考試験を「高等学校スペシャリスト選考」として実施します。(要項P.2の内容を確認してください。※  「博士号を取得した者を対象とした選考」「民間企業等での勤務経験を有する者を対象とした選考」「医療機関等での勤務経験を有する者を対象とした選考」の実施方法及び内容については、従来から変更ありません。
      4. 【滋賀県】平成31年度滋賀県公立学校教員採用選考試験の概要 平成30 年度(2018年度) 滋賀県公立学校教員採用選考試験実施要項滋 賀 県 教 育 委 員 会  4.理学・農学・工学系の大学院修士課程以上を修了し、民間企業、研究機関等で常勤の実務経験が3年以上ある人に対しては、教員免許状をもたなくても受験できる社会人特別選考を実施します。(参照6ページ) 今年度の主な変更点(詳細は要項の各ページで確認してください。) 4 出 願 資 格(1)全校種・職種とも、昭和43 年4月2日以降に生まれた者 (PDF)
      5. 【京都府】京都府教員採用試験概要、実施要項など採用試験関連情報ウェブサイト平成31年度京都府公立学校教員採用選考試験について PDF

        スペシャリスト特別選考 特定分野に秀でた能力を有する方や社会での豊富な経験を有する方を対象とした特別選考を実施します。高等学校の英語では、AETなど英語を母語とする方を引き続き募集します <高等学校> 理科、保健体育、英語、情報 (引用元:PDF)

      6. 【奈良県】 奈良県教職員課平成31年度奈良県・大和高田市公立学校 教 員 採 用 候 補 者 選 考 試 験 受 験 案 内 (PDF)平成31年度奈良県・大和高田市公立学校教員採用候補者選考試験を次のとおり実施
        します。平成30年5月11日 奈良県教育委員会教育長吉田育弘 (PDF)

        オ 社会人を対象とした特別選考
        (1) 募集する校種等、教科等 高等学校 数学、理科(物理、化学及び生物)、農業、工業(電気・情報)、商業 特別支援学校 自立活動(肢体不自由教育)
        (2) 受験資格
        次に掲げる要件の全てに該当すること。
        ① 学校教育法第9条各号及び地方公務員法第16条各号のいずれにも該当しない人
        ② 平成31年4月1日現在、年齢が50歳(生年月日:昭和43年4月2日以降)までの人
        ③ 数学及び理科(物理、化学及び生物)を受験する場合は、大学を卒業又は大学院を修了しており、研究施設、民間企業(教育事業を除きます。)、官公庁等(公立学校を除きます。)に現に正規職員として3年以上の勤務経験を有する人
        ④ 農業、工業(電気・情報)、商業を受験する場合は、受験する教科に関わる3年以上の実務経験を有する人
        ⑤ 特別支援学校の自立活動(肢体不自由教育)を受験する場合は、看護師の免許を取得後、3年以上の実務経験を有する人
        ※ ③、④、⑤の勤務経験又は実務経験は、平成30年3月31日までの常勤のものとします。
        ⑥ 受験する校種及び教科の教諭普通免許状の有無は問いません。ただし、次のア及びイに掲げる条件に該当することが必要です。
        ア 担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する人
        イ 教員の職務を行うのに必要な熱意と識見をもっている人
        なお、相当の教諭普通免許状を所有しない場合は、合格後に特別免許状申請の手続が必要となります。 (引用元:PDF)

      7. 【和歌山県】和歌山県教育委員会の教員採用候補者選考検査に関するホームページ平成31年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考検査実施要項(PDF) 本年度の主な変更点 ◎博士号取得者特別選考について、高等学校のすべての教科を対象とします。
      8. 【山口県】 教育庁 教職員課 平成31年度(2019年度)山口県公立学校教員採用候補者選考試験の実施について(HTML) 平成31年度(2019年度)山口県公立学校教員採用候補者選考試験実施大綱(PDF) カ 博士号取得者特別選考 博士号を有し、高度の専門的な知識又は技能を高等学校理科教育の推進に生かす意欲のある者

       

      都道府県別の教員募集要項サイト情報

      北海道 平成30年度北海道・札幌市公立学校教員採用候補者選考検査について

      青森県

      青森県公立学校教員採用候補者選考試験について 平成30年度青森県公立学校教員採用候補者選考試験の実施について 3. 社会人特別選考 ア 出願時に民間企業等(私立学校教員や専門学校講師などとして教育に関連する事業等に従事する者を除く。)に、正職員として、平成29年5月31日までに5年間以上の勤務経験を有する者 イ 出願時に以下の資格等を有する者 実用英語技能検定試験1級、TOEIC 860点以上、TOEFL PBT 600点以上(CBT 250点以上、iBT 100点以上)のいずれか ウ 受験する教科(科目)に相当する高等学校教諭普通免許状を有しない場合は、上記ア、イに加え、出願時に以下の要件を満たす者 5年間以上英語に関連する業務又は英語を使用する業務の実務経験を有すること

      岩手県 平成30年度岩手県公立学校教員採用候補者 選 考 試 験 実 施 要 項 岩手県教育委員会  (PDF) 平成29年 選考試験実施

      宮城県 平成30年度宮城県公立学校教員採用候補者選考

      秋田県

      「大学の研究者を諦めてこの仕事に就いたはずなのに、結果として大学の先生と同じように研究費を集めて生徒の研究環境を整備し、研究を通して生徒の能力を伸ばすということをやっています。人生とは不思議なものです」(遠藤氏)

      東大推薦合格や入賞を果たす生徒も、秋田県採用「博士号教員」の探究指導が凄い県内の小学生から高校生まで探究をサポート 2024/11/10 東洋経済education × ICT編集部

      平成31年度秋田県公立学校教諭等採用候補者選考試験実施要項

      今年度のおもな変更点 4 高等学校教諭等について、社会人特別選考(工業)を実施することにしました。受験年齢は59歳以下です。第一次選考試験は書類審査のみとなります。(引用元:今年の変更点(Q&A))

      秋田県は過去には理科の教科で博士号取得者の特別選考を行なったことがあるようです。

      秋田県は、平成20年度の採用試験で、「博士号保有者特別選考」を初めて実施した。知的世界に触れる機会を提供して児童・生徒の意欲や関心を高めるとともに、学力が上位レベルの子どもたちを刺激したいという趣旨からであった。博士号の対象分野は理学、農学、心理学を含む教育学と幅広い。応募年齢は39歳までで、教員免許状の所持は不問とされた。採用状況についてみると、57人の応募者があって、そのうち5人が県立高校教員に、また1人は非常勤講師として採用された。このうち2人は普通免許状を保有しておらず、特別免許状の交付を受けた。今回はほぼ10倍の倍率があったことになり、想定外の好結果に関係者は大喜びであったという。(宇佐見忠雄 教員採用のニューウェーブ考 実践女子大学文学部紀要第51集 PDF)

      山形県 山形県公立学校教員の採用について 平成31年度採用山形県公立学校教員選考試験(平成30年度実施)

      福島県 平成30年度福島県公立学校教員採用候補者選考試験のご案内

      茨城県

      教職員採用情報

      平成31年度採用茨城県公立学校教員選考試験(平成30年実施)のご案内

      平成31年度採用 茨城県効率学校教員選考試験実施要綱 茨城県教育委員会 PDF

      平成30年度採用茨城県公立学校教員選考試験実施要項・志願書等  平成30年度採用 茨城県公立学校教員選考試験実施要項(PDF) 【7】 社会人特別選考(高等学校教諭のみ) 1 実施する校種・教科・科目 高等学校理科(物理・化学・生物・地学),高等学校英語,高等学校農業,高等学校工業,高等学校水産,高等学校看護 2 受験資格 1ページ「【4】一般選考1受験資格」の「年齢」,「欠格条項」の要件を満たし,さらに次の要件を満たす方 高等学校理科(物理・化学・生物・地学),高等学校農業,高等学校工業 ①教育職員免許状を有していない方で,②正規職員としての民間企業や官公庁で継続して3年以上の勤務があり,③出願する教科に関して大学卒業程度以上の高度な専門的知識又は技能(博士号,一級建築士等)を勤務経験等を通して身に付けた方で,④特別免許状の授与条件を満たす方(注1)【4】 一般選考1 受験資格(次の要件を全て満たす方)年齢 昭和48年4月2日以降に出生した方

      栃木県 平成30年度栃木県公立学校新規採用教員選考試験要項等のダウンロード

      群馬県 平成30年度採用群馬県公立学校教員募集要項

      埼玉県 平成31年度埼玉県公立学校教員採用選考試験(30年度実施)

      千葉県 平成31年度(30年度実施)千葉県・千葉市公立学校教員採用候補者選考

      東京都 平成30年度東京都公立学校教員採用候補者選考(31年度採用)の変更について

      神奈川県 平成30年度実施 神奈川県公立学校教員採用候補者選考試験について

      新潟県 平成30年度 新潟県公立学校教員採用選考検査実 施 要 項 新潟県教育委員会(PDF)

      富山県 富山県公立学校教員採用選考検査について

      石川県 平成30年度石川県公立学校教員採用についてのお知らせ  以下の場所で配布します。

      福井県

      平成31年度福井県公立学校教員採用選考試験について  平成30年度福井県公立学校教員採用選考試験の概要(PDF) (2)特別選考(すべて一般選考の採用予定者数に含める)4教育エキスパート特別選考・専門教育分野【中高数学、中高理科、高校農業、高校工業、高校商業、高校福祉】(民間企業等での3年以上の実務経験または博士の学位を有する者)若干名 3受験資格・学校教育法第9条および地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当しない者・相当する普通免許状を所有する者または取得見込みの者(教育エキスパート選考を除く)・平成30年4月1日現在60歳未満の者

      山梨県 平成30年度採用期間採用教員等の募集について

      長野県

      平成31年度公立学校教員採用選考情報:長野県教育委員会

      ⑥博士号取得者を対象とした選考  (転載元URL)

      採用する教員の種別

      中学校教諭(数学、理科)

      受験者の条件

      数学分野又は理科分野における博士の学位を有し、教員の職務を行うのに必要な熱意と見識をもち、理数好きの生徒を育てる意欲のある者。

      所属長等の推薦書を添付すること。

      選考方法 上記「一般選考」又は「社会人を対象とした選考」のどちらかを選択

      平成30年度公立学校教員採用選考情報:長野県教育委員会 平成30年度採用選考の主な改善点 4 次の点を休止、取り止めとします。    高等学校教諭の、特別選考「博士号取得者を対象とした選考」は、6年間実施し、当初の目的を一定程度達成したため、当面休止します。(高等学校教諭)

      岐阜県 岐阜県公立学校教員採用選考試験について 【平成30年度採用の主な変更点】理工系特別選考の廃止

      静岡県

      平成31年度静岡県公立学校教員採用選考試験日について(平成30年実施) 第1次選考試験日 高等学校教員 平成30年7月7日(土曜日)、8日(日曜日) 第2次選考試験日 高等学校教員 平成30年8月20日(月曜日)、21日(火曜日)、22日(水曜日) 静岡県は平成30年度も、平成31年度も博士号取得者の特別枠があります。平成31年度の変更点(PDF)

      4 高等学校スペシャリスト選考を実施します。【高等学校教員】
      これまで実施してきた「博士号を取得した者を対象とした選考」「民間企業等での勤務経験を有する者を対象とした選考」「医療機関等での勤務経験を有する者を対象とした選考」に、新たに実施する「英語のネイティブスピーカーを対象とした選考」を加え、教員免許状がなくても受験可能な特別選考試験を「高等学校スペシャリスト選考」として実施します。(要項P.2の内容を確認してください。)
      高等学校スペシャリスト選考(教員免許状がなくても受験可能な特別選考)
      NEW 英 語ネイティブスピーカー
      理 科 博士号取得者
      工 業 民間企業等経験者
      福 祉 医療機関等経験者
      ※ 「博士号を取得した者を対象とした選考」「民間企業等での勤務経験を有する者を対象とした選考」「医療機関等での勤務経験を有する者を対象とした選考」の実施方法及び内容については、従来から変更ありません。(参考PDF)

      愛知県 愛知県公立学校教員採用選考試験について

      三重県 平成31年度教員採用選考試験(平成30年実施)の日程及び特別選考等の概要について

      滋賀県

      平成31年度滋賀県公立学校教員採用選考試験の概要

      平成30 年度(2018年度)滋賀県公立学校教員採用選考試験実施要項滋 賀 県 教 育 委 員 会  4.理学・農学・工学系の大学院修士課程以上を修了し、民間企業、研究機関等で常勤の実務経験が3年以上ある人に対しては、教員免許状をもたなくても受験できる社会人特別選考を実施します。(参照6ページ) 今年度の主な変更点(詳細は要項の各ページで確認してください。) 4 出 願 資 格(1)全校種・職種とも、昭和43 年4月2日以降に生まれた者 (PDF)

      京都府

      京都府教員採用試験概要、実施要項など採用試験関連情報ウェブサイト

      平成31年度京都府公立学校教員採用選考試験について PDF

      スペシャリスト特別選考 特定分野に秀でた能力を有する方や社会での豊富な経験を有する方を対象とした特別選考を実施します。高等学校の英語では、AETなど英語を母語とする方を引き続き募集します <高等学校> 理科、保健体育、英語、情報 (引用元:PDF)

      平成30年度京都府公立学校教員採用選考試験実施要項 京都府教育委員会 (PDF) (3)スペシャリスト特別選考 共通の受験資格に加え、次に掲げる事項のすべてに該当する方1 民間企業、大学又は研究機関等における勤務経験が通算して5年以上ある方(国・公・私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校における勤務経験を除く。)で、その勤務経験により、受験教科の分野における高度な専門的知識・経験又は技能を有する方2 特別免許状(注1)の授与条件を満たす方(該当教科の普通免許状を有する方又は平成30年3月31日までに取得見込みの方を除く。)※名簿登載された場合に在職証明書等を提出していただきます。※実績報告書に勤務経験(勤務実績)、研究実績等について記入し、実績の詳細をまとめたもの等実績の確認できる書類を添付し(できるだけA4サイズで)提出してください。 共通の受験資格 一般選考の受験資格イからカに掲げる事項のすべてに該当する方 イ 昭和43年4月2日以降に生まれた方(平成30年4月1日現在の年齢が50歳未満の方)

      京都府は、平成19年度の採用試験で、教員免許状を保有していなくても受験できる「スペシャリスト特別選考」を初めて実施した。そして36人の志願者から3人が合格し、彼らには特別免許状を授与して府立高校教員として採用した。民間企業のシステムエンジニアを情報科、フィルム用ポリエステルを開発した民間企業研究員を理科(化学)、南極などの調査研究歴のある大学院研究員を理科(生物)の教員にそれぞれ採用したのである。(宇佐見忠雄 教員採用のニューウェーブ考 実践女子大学文学部紀要第51集 PDF)

      大阪府 大阪府公立学校教員採用選考テスト

      兵庫県 平成31年度兵庫県公立学校教員採用候補者選考試験情報

      奈良県

      奈良県教職員課

      平成31年度奈良県・大和高田市公立学校 教 員 採 用 候 補 者 選 考 試 験 受 験 案 内 (PDF)

      平成31年度奈良県・大和高田市公立学校教員採用候補者選考試験を次のとおり実施
      します。平成30年5月11日 奈良県教育委員会教育長吉田育弘 (PDF)

      オ 社会人を対象とした特別選考
      (1) 募集する校種等、教科等 高等学校 数学、理科(物理、化学及び生物)、農業、工業(電気・情報)、商業 特別支援学校 自立活動(肢体不自由教育)
      (2) 受験資格
      次に掲げる要件の全てに該当すること。
      ① 学校教育法第9条各号及び地方公務員法第16条各号のいずれにも該当しない人
      ② 平成31年4月1日現在、年齢が50歳(生年月日:昭和43年4月2日以降)までの人
      ③ 数学及び理科(物理、化学及び生物)を受験する場合は、大学を卒業又は大学院を修了しており、研究施設、民間企業(教育事業を除きます。)、官公庁等(公立学校を除きます。)に現に正規職員として3年以上の勤務経験を有する人
      ④ 農業、工業(電気・情報)、商業を受験する場合は、受験する教科に関わる3年以上の実務経験を有する人
      ⑤ 特別支援学校の自立活動(肢体不自由教育)を受験する場合は、看護師の免許を取得後、3年以上の実務経験を有する人
      ※ ③、④、⑤の勤務経験又は実務経験は、平成30年3月31日までの常勤のものとします。
      ⑥ 受験する校種及び教科の教諭普通免許状の有無は問いません。ただし、次のア及びイに掲げる条件に該当することが必要です。
      ア 担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する人
      イ 教員の職務を行うのに必要な熱意と識見をもっている人
      なお、相当の教諭普通免許状を所有しない場合は、合格後に特別免許状申請の手続が必要となります。 (引用元:PDF)

      平成30年度奈良県公立学校教員採用候補者選考試験について

      平 成 3 0 年 度 奈 良 県 公 立 学 校教員採用候補者選考試験受験案内(PDF) 《5》社会人を対象とした特別選考(社会人特別選考)1 募集する校種等、教科等校 種教 科高 等 学 校  数学、理科(物理、化学、生物)、農業、工業(機械)、商業2 受験資格次の各号に掲げる要件の全てに該当する人であること(1) 学校教育法第9条及び地方公務員法第16条の欠格事項のいずれにも該当しない人(2) 平成30年4月1日現在、年齢が50歳(生年月日:昭和42年4月2日以降)までの人(3)数学、理科(物理、化学、生物)を受験する場合は、大学を卒業又は大学院を修了しており、研究施設、民間企業(教育事業を除く)、官公庁等(公立学校を除く)に、現に正規職員として3年以上の勤務経験を有する人農業、工業(機械)、商業を受験する場合は、受験する教科に関わる3年以上の実務経験を有する人※勤務・実務経験は、平成29年3月31日までの常勤のものとします。(4) 受験する校種、教科の教諭普通免許状の有無は問いません。ただし、相当の教諭普通免許状を所有しない場合は、次の要件①及び②に該当することが必要です。① 担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する人② 教員の職務を行うのに必要な熱意と識見をもっている人なお、この場合、合格後に特別免許状申請の手続きが必要となります。

      和歌山県

      和歌山県教育委員会の教員採用候補者選考検査に関するホームページ

      平成31年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考検査実施要項(PDF) 本年度の主な変更点 ◎博士号取得者特別選考について、高等学校のすべての教科を対象とします。

      博士号を持っている場合は特別選考に該当。教員免許がなくても受けられ、検定に合格すれば県内で通用する特別免許状が与えられる。こうした優遇制度は、これまでは数学や理科など理系教科に限られていたが、文系を含め募集するすべての教科に拡大する。県教委は「スペシャリストを広範囲で確保したい」と話す。(和歌山 教員試験で専門分野優遇を拡大 英語免許で加点 2018年5月8日03時00分 土井恵里奈 朝日新聞DIGITAL)

      平成30年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考検査実施要項(PDF) 3選考区分 特別選考博士号 高等学校(数学、理科、農業又は工業に限る。)の志願者で、上記2の博士号取得者の資格要件を満たし、教員に必要な熱意と識見を持ち、将来の科学技術や地域産業を担う、科学的なものの見方ができる生徒を育てる熱意がある人 

      鳥取県 教員採用試験関係   平成30年度鳥取県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項  高等学校教諭  10人程度     国語数学芸術(美術)芸術(書道)英語家庭農業工業(電気・電子)商業

      島根県 教員採用候補者選考試験情報 平成30年度島根県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項

      岡山県 平成31年度岡山県公立学校教員採用候補者選考試験の実施について グローバル人材 用英語技能検定準1級以上合格者、TOEFL(iBT)80点以上、TOEIC730点以上の者 高(数・理) という特別選考はありますが、「願する校種・職種、教科等の教諭普通免許状所有者」という条件があります。

      広島県 【平成31年度教員採用試験(平成30年度実施)】 平成31年度教員採用試験の日程,説明会案内,志願状況,選考結果等について,随時,掲載します。

      山口県

      教育庁 教職員課

      平成31年度(2019年度)山口県公立学校教員採用候補者選考試験の実施について(HTML)

      平成31年度(2019年度)山口県公立学校教員採用候補者選考試験実施大綱(PDF) カ 博士号取得者特別選考博士号を有し、高度の専門的な知識又は技能を高等学校理科教育の推進に生かす意欲のある者

      平成30年度山口県公立学校教員採用候補者選考試験実施大綱 (PDF : 206KB) 博 士 号 取 得 者 特 別 選 考 高等学校の理科  2)受験年齢について昭和43年4月2日以降に生まれた者  カ 博士号取得者特別選考   博士号を有し、高度の専門的な知識又は技能を高等学校理科教育の推進に生かす意欲のある者

       

      香川県

      香川県教育委員会 教職員募集・採用

      平成31年度香川県公立学校教員採用選考試験実施要項 香川県教育委員会 高松市教育委員(PDF)

      特別選考について
      Q 教員免許を取得していないのですが、民間企業等で勤務経験があるので、特別選考Ⅰ①で出願することは可能でしょうか?
      A 民間企業等での勤務経験の内容が、出願資格を満たしているかどうか検討する必要があります。特別選考Ⅰ①での出願を希望される場合には、できるだけ事前にご相談ください。・連絡先 香川県教育委員会事務局 義務教育課 電話:087-832-3743(直通) 高校教育課 電話:087-832-3751(直通)(香川県)

      愛媛県 平成31年度愛媛県公立学校教員採用選考試験総合案内

      徳島県 平成31年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査について(平成30年実施)

      ②特別免許状授与を前提とした社会人選考(以下「特別選考②」という) 教員免許状を有しない者であって,①に該当し,高等学校教諭「家庭」「農業」「工業」「商業」「水産」「看護」又は「福祉」に出願を希望する者のうち,特別免許状の取得条件(下記参照)を満たす者。該当者は,第1次審査の筆記審査(教養)を免除する。(引用元:平成31年度徳島県公立学校教員採用候補者選考審査要綱 PDF)

      高知県 平成31年度(平成30年度実施)高知県公立学校教員採用候補者選考審査募集要項等

      福岡県 平成31年度福岡県公立学校教員採用候補者選考試験について

      佐賀県 平成31年度佐賀県公立学校教員採用選考試験に関する総合情報

      長崎県 平成31年度長崎県公立学校教員採用選考試験 実施要項PDF

      熊本県 平成31年度熊本県公立学校教員採用選考考査の実施について

      大分県 平成31年度大分県公立学校教員採用選考試験(平成30年度実施)

      宮崎県 平成31年度(平成30年度実施)宮崎県公立学校教員採用選考試験の案内

      鹿児島県 平成31年度鹿児島県公立学校教員採用選考試験

      沖縄県 平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験

       

       

      参考

      1. 博士号取得者(教員免許なし)を学校教員に採用する話の個人的まとめ 仲見満月の研究室 2018-05-15
      2. My second life as a high school teacher By William H. WallerJan. 11, 2018 , 2:00 PM ScienceMag.org
      3. How I Became a High School Science Teacher and Found My Calling (Will Hooper. By All Star Staff. Mar 6, 2018 | Careers, Interviews alleducationschools.com)
      4. エビデンスに基づく教育政策 2016年4月14日 永井俊哉ドットコム
      5. 教員免許を持たない博士号取得者を高校教員として採用する例 (Colorless Green Ideas 2013.2.10)
      6. From research to science teaching (Nature Blog 19 Jun 2012 | 16:03 BST | Posted by Rachel Bowden)
      7. 参考資料 10.平成14年度教員採用選考試験における社会人特別選考等 (PDF)(今後の教員免許制度の在り方について(答申)2002年2月21日 中央教育審議会 文部科学省ウェブサイト)
      8. 教員採用試験まるわかりQ&A Q.「特別選考」にはどんなものがある?(sho.jp)A.教員採用試験における「特別選考枠」とは、特に秀でた技能や実績、豊富な経験などを有する人材を教員として採用するために、一般の試験とは別枠で実施される選考のこと。一般選考に比べて試験内容が軽減されるケースが多い。特別選考の種類は自治体によって異なるが、教職経験者を対象とする「経験者選考」や、一定以上の英語資格をもつ者を対象とする「英語の資格による選考」、スポーツや芸術に秀でた技能や実績をもつ者を対象とする「スポーツ・芸術選考」、民間企業や官公庁での社会人経験を有する者を対象とする「社会人選考」などが一般的。現在ではほとんどの自治体の教員採用試験で特別選考が導入されている

      参考(教員採用試験全般)

      1. 社会人のための東京都教員採用試験~一般受験か経験者受験か~ 2016-01-27 試験やトラブルなんてぶっとばせ!

      参考(大学院生、博士号取得者に教員免許状を取得させる試み)

      高度理系教員養成プログラム(旧名称:高度専門型理系教育指導者養成プログラム)

      【略称:aSTEP(advanced Science Teacher Education Program)】

       人類は、今、環境・エネルギー・食料・人口など地球規模の課題に直面し、国家・地域レベルでさまざまな取組みが進行しています。
      そういった中、次代を担う理系人材の育成を目的として、「教育大学」「教育委員会」「研究重点大学院」の三者が連携し、学校教育の充実と人材育成に熱意のある理系の博士学位取得者(又は博士後期課程に在籍する学位取得予定者)が、正規の学校(主に高等学校)教員として理数教育に指導的役割を果たし得る人材養成プログラムを試行しています。
      わが国初の本取組みを通じて、学校教育における理数教育の充実に加え、優れた人材が社会のより多くの分野で活躍できるキャリアパスの拡大をも期待するものです。(大阪教育大学)

      参考(科学教育)

      1. 科学をどう教えるか: アメリカにおける新しい物理教育の実践  2012/6/27 日本物理教育学会 (監修, 翻訳) 原書:Edward F. Redish. Teaching Physics with the Physics Suite
      2. Teaching science: we’re doing it wrong | Danny Doucette | TEDxRiga .

       

      大学院やポスドク先の研究室の選び方

      高校生の中には大学を「偏差値」で選ぶ人がいますが、大学院を「大学の偏差値」で選んではいけません。なぜなら、アカデミアで研究者を目指す場合には、大学院の名前よりも、実際に出した論文業績で評価されるからです。どこの大学であろうが、科学者になるための十分なトレーニングがちゃんと受けられて、そのうえで、研究成果をしっかり挙げられるいいラボを選ぶ必要があります。

      博士号取得後のポスドク先選びも、これからの数年間をどの研究室で過ごすかで研究者のキャリアが決定付けられるので大変重要です。しかし、ラボ選びは、難しいものです。

      ラボ選びが正しい選択だったかどうかは、結果論になるでしょう。将来アカデミアで研究者を目指す人が、大学院やポスドク先の研究室を選ぶときに気をつけるべきポイントを考えてみたいと思います。

       

      研究テーマを自分で選ぶラボかテーマが上から与えられるラボか

      研究室の主宰者(PI,教授)の方針によって、学生がどのように研究を進めていくかは大きく異なります。両極端を言えば、自分でやりたいことがわからないままラボに入ってしまった学生が完全に放置されてしまラボ、その逆で、自由度ゼロで与えられたテーマをやらないとボスとの関係が損なわれて半ば奴隷のように働かされるラボ。どちらも存在します。

      • この研究室は 大学院生は先生にテーマをもらって、その下で働くといったタイプのところではありません。
      • 自分で『こういうことを考えたい、わかりたい、やりたい』という 強い研究動機、目的を持っていることが期待されます。
      • 「知識の蓄積、修得」 を主目的にしている方は当研究室には向いていません。
      • うまく難しい問題を解けるという方よりも、新しい問題を作るといった方に向いています。

      (引用元:大学院金子研究室志望者への注意)

      理論系か実験系かで大きくかわると思いますが、生物系・実験系の分野のラボであっても両極端が存在します。大抵の場合はその中間のどこかのスタンスではないかと思いますが、そのあたりの見極めは非常に大事です。ひどい場合には、入る前と後でボスの言うことが変わっていることすらあります。

      関連記事 ⇒ 研究テーマの選び方 22のポイント

      テーマの与えられ方に関しては、立場(学部学生の卒研か、大学院修士課程の学生か、博士課程か、ポスドクか)の違いで、ボスがテーマを配慮することもあります。博士課程であれば筆頭著者論文が必要なので、それなりの大きいテーマになりますし、卒業研究や修士の学生の場合は、努力賞で卒業させてしまえるので、リスキーなテーマを与えたり、逆に先輩のお手伝い仕事的なテーマだったりと、いろいろなパターンがあり得ます。

      表面的にはボスがテーマを提案してくれたとしても、実は全くモノにならないしょうもないことでしかないということもあります。その場合には、自分でモノになるテーマにスイッチするか、モノになるところまで持って行くかといった自主性が求められるので、上の言うことをただ聞くだけの人にはかなりのハードルの高さだと思います。

       

      違う大学(院)に行くか同じ大学・学科に進学するか

      学部学生であれば卒業研究で配属されたラボにそのまま大学院も行くのか、それともこれを機会に他大学や他学科に行くかという選択があります。修士課程の学生も、博士課程進学を機に他に移るかどうかという選択があります。快く送り出してくれない教授もいるので、余計に、悩むところでしょう。しかし、自分の人生なのですから自分の研究者としてのキャリアにもっとも望ましい選択が何かという観点で選ぶのがよいと思います。

      正論を言うなら、自分が興味を持っている研究分野を牽引する一番のラボを選ぶべきです。それが海外の大学にあるのなら、海外の大学院も視野に入れるべきでしょう。

      自分が大学院を選んだときは、自分のいた学科の大学院にはあまり活気を感じなかったのと行きたいラボが見当たらなかったため、他大学の大学院に目が行きました。だからといって、他大学の大学院にどんな先生がいるのか自力で調べる能力もなかったので、話しをしやすかった先生に聞いてどこの大学ならどの人が研究を活発にやっているのか、何人か挙げてもらいました。

       

      研究室ウェブサイトの情報を鵜呑みにしないこと

      ラボのホームページには教育的なことがたくさん書いてあるのに、なぜかそのラボからは研究者がほとんど巣立っていないというラボもあります。批判的な態度でウェブサイトをチェックするのがよいでしょう。

      ラボの運営方針

      ラボの教育方針、指導方針がつらつらと書かれていてとても参考になる場合がありますが、「その教授が当然のこととして期待する学生像」と「あなた」との間にズレがある場合には、ウェブサイトの言葉をそのまま受け取っても誤解が生じる恐れがあります。ウェブは、情報収集のひとつの手段と考えるにとどめ、いろいろな人にラボの評判を聞いたり、実際にそのラボを訪問したりして、実際に見聞きして感じた自分の感覚を信頼しましょう。

      研究の興味

      研究の興味の項目に、面白い内容が書かれていたとしても、実際のそのラボにその研究テーマを遂行するだけの力や実験ノウハウ、研究費、人間がそろっていないこともあります。研究の興味に沿った論文実績が実際にあるのかどうかは重要なチェックポイントです。

      論文業績

      論文業績がもっとも客観的な指標ですが、そのラボで行なわれた仕事かどうか(筆頭著者の所属がそのラボか)、誰がやった仕事か(筆頭著者は大学院生か、ポスドクか、ファカルティか)、どのような研究体制共同研究者がいる場合、コレスポンディングオーサーが誰か)かなどに注意を払う必要があります。

      過去の一連の論文業績を見る場合には、そのラボがその研究分野をどのように切り開いてきたのか、今後どの方向に向かうのかを考えながら見る(読む)ことも大事です。分野を変える場合には結構大変かもしれませんが、そのラボから出ているめぼしい論文を一通り読んで、そのラボやその研究分野の数年後(=自分の姿)を予測することが必要でしょう。

       

      研究室を訪問してから決めること

      メールのやり取りだけで決めてしまわずに、遠かろうが海外であろうが必ず現地を訪れて教授(PI)に会い、ラボメンバーにも会って、話をしてから決めることをお勧めします。ポスドク先の場合には、オフィシャルな場所でのトークを要求されたり(旅費を出す都合などもあると思う)、アンオフィシャルなセミナーをラボ内でやったりするのが普通だと思います。ラボのメンバーには、ラボの運営体制

      • 院生とポスドクがそれぞれ何人いるか、
      • 中ボスがいる場合の研究グループの体制がどうなっているのか、
      • 研究テーマをどうやって決めているか、
      • ボスと研究の相談をどれくらいの頻度でしているか、
      • 論文は誰が執筆しているのか、
      • 何時から何時まで働いているか、

      などを聞いて、自分が本当に納得して研究ができるラボかどうかを判断しましょう。見学のときにはとても歓迎されたのに、いざラボに入ってみるとそうでもないということは起こりえると思います。仕事の厳しさを考えれば当然のことなのかもしれませんし、釣った魚に餌をやらないということかもしれません。やっぱりできないやつという判断を一瞬で下されてしまったのかもしれませんし、ラボメンバーが競争心を抱いているのかもしれません。様子見をされているのかもしれません。そのような違和感を後で覚えなくて済むように、また、自分の新しい研究生活がイメージできるように、いろいろと話を聞きましょう。

      ラボのメンバーが多くて、ラボの研究の興味が狭い場合には、研究テーマが他のポスドクや大学院生と競合する恐れがあります。他のメンバーが現在どんな研究をしていて今後どんな研究の構想を持っているのかも聞き、ボスとよく話をして、自分がどのような研究テーマをやれそうかを明確にする必要があります。

       

      そのラボの研究費獲得状況は?

      科学研究費助成事業データベースや、NIHのサイトでは誰がどれだけの研究費をどの期間獲得しているかが調べられます。これは、ポスドクを雇用するお金があるラボかどうかの判断材料にもなりますし、そのラボが今後数年間の間にどんな研究をやりたいのかもわかるため、非常に重要な情報です。ただし、一般的に、そのラボの財源全てを部外者が把握するのは無理だとは思いますが。ポスドクの人件費はボスの研究費以外にも、研究所や大学、国の制度によるもの、民間の奨学金によるものなど、いくつかの可能性が考えられるので、そのような機会を逃さないことも大事です。こういったことは、直接PIとコンタクトを取って、聞くのが一番です。

      ボスの研究費の財源でポスドクとして雇用される場合には、研究費がとぎれるとクビになる恐れが強いので、できるだけフェローショップや国、研究所・大学からの財源で雇用される方法を考えたほうがよいでしょう。フェローシップを自分で取れたらラボに来てもいいよというボスがいた場合、それはボスがケチだからではなく、本人のためにもなっているのです。

       

      ポスドクを募集しているか?

      ポスドクにアプライするのに、ポスドクの募集が現在かかっているかを考える必要は必ずしもありません。わざわざ募集をかけなくても年中希望者が殺到している人気ラボでは、ポスドクの公募を出していないことがあります。本気で考えているのであれば、できるだけ早い段階で直接PIとコンタクトをとって、ポスドクのジョブの機会が(いつ)あるかどうか質問してみるのがよいでしょう。

       

      自分のやりたいことができるラボか?

      これまでの研究テーマにはとらわれずに、ポスドクで外に出ようと決めたときに悩むのは、どういう基準で行き先のラボを決めればよいのかということです。自分が当時知り合ったPIにこの質問をぶつけてみたときに返ってきた答えは、

      「自分のやりたいことができるラボに行く」

      という言葉でした。言われてみれば当たり前ですが、現実的には、そう簡単でもありません。どこのラボに行けば本当に自分のやりたいことができるかなんて、そうたやすくはわからにのです。

      まずは、自分は一体何をやりたいのか?を明らかにしないと、行きたいラボを絞れません。研究分野を変えようというときは、360度どっちの方向にでも行けるわけですから、自由度が大きすぎて悩みます。本当に心から面白いと思えるクエスチョンは何なのか?悩みどころです。

      仮に自分の興味とラボの興味が一致するようなラボが見つかったとしても、実際に自分がその研究テーマをやらせてもらえるか、わかりません。自分の能力で実現可能かという問題もあります。特殊な実験手技が要求される場合には、事前にどこかのラボでその技術を習得しておくという準備がポスドクにアプライする前に必要かもしれません。

       

      教授(またはPI)の人柄は良いか?

      大学院選びは、親を選ぶようなものです。研究の世界で生きていく限り、関係を切ることが難しいのです。

      成功している研究者は概して外面が非常に良いので、学生が教授の真の人格を見抜くのは難しいでしょう。それでもとにかく会って話しをしてみることです。表面的な調子の良さに騙されずに、その人の性格や考え方を理解する必要があります。尊敬できない、感覚的に合わないと感じるのなら、自分の直感を信じましょう。

      教授は聖人君子だから教授になったわけではなく、多くの場合、好き勝手に研究をして業績を挙げた結果その地位についています。ですから、人のことをケアする感覚が欠如した子供みたいな性格のままで大人になってしまったようにしかみえない人も一定数存在します。

      「毒親」の本で紹介されているようなパターンは、教授にも見られます。

      過干渉タイプの教授:部下や院生が今どんな実験をやっていてどんな結果が出たかを逐一把握しないと気が済まないタイプ。もちろん最初はそのほうが良いと思いますが、1人で実験ができるくらいに習熟したのにいつまでもこうやって進捗状況を管理されると、ストレスに感じる学生もいるはずです。

      支配型の教授:自分が一番偉いということを常に確認しないと気が済まない、BOSSYな性格。ちょっとでも自分の指示とは異なることをやろうものなら、臍を曲げるのが特徴。研究テーマに関しても一切自由がなかったり、結果的に、学生やポスドクの自立心を妨げます。

      放置する教授:ラボ見学のときは満面の笑みで迎えてくれて話を聞いてくれたのに、いざ引越しをして研究室で仕事を始めたら、なぜか完全に無関心で放置する教授。もともと忙しすぎて下の面倒を見る時間がとれないのか、そもそも教育に興味がないのでしょうか。

      どれかのパターンが良い悪いというよりも、学生やポスドクの成長に合わせて対応の仕方を変えていくのが理想的だと思います。

       

      ボスは尊敬できる人か?科学者としても、人間としても尊敬できる人であれば理想的です。

      ボスは付き合いやすい人か?ボスと仲良く付き合えること、良い関係を築くことは自分のキャリアを考えたときに重要な要素です。

      人間的にも素晴らしくて、なおかつ研究のアクティビティも高い人というのは非常に少ないのではないかと思います。学部学生がそういう判断をするのはほぼ不可能でしょう。信頼できる先生に聞きまくるしかないのではないかと思います。

       

      SUPPORTIVEなボスか?

      ボスが自分が雇った部下をサポートするのは当然のような気がしますが、現実として、性格のせいなのかなんなのか、ラボに入ってきた学生やポスドクに対して無関心だったり、意地悪だったり、いろいろな人がいるようです。ラボ見学に行ったときには、本人と話すだけでなくラボメンバーとも良く話しをして、給与、研究費、人員配置、研究テーマ、研究の進め方、論文作成、次のジョブハントなどにおいてどれくらい手助けしてくれる人なのかを見極める必要があります。

       

      人で選ぶか研究テーマで選ぶか?

      全ての条件を満たす理想的なラボはなかなかありません。研究テーマや業績を優先するか、ボスの人柄を優先して決めるべきかで悩むことがあるかもしれません。

      ボスに放置されても、必要なことはラボメンバーに聞いて自分で何でもできるタイプの人は、業績重視のラボ選びでいいかもしれませんし、精神的なサポートを重要視する人は、ボスの人柄を最優先したほうがいいでしょう。コミュニケーション能力の高さでカバーできる部分もあるため、正解は人によって異なると思います。

      決断する際の基準は、研究テーマにするかメンターにするかという選択肢があります。自分は後者を強く勧めます。良い科学者は興味深く重要なテーマに関して研究するので、良いメンターはテーマに関する条件はすでに満たしています。大学院生としてのあなたの目的は、科学的手法を使いこなせるようになることであり、それはどんなプロジェクトを遂行することによってでも成し遂げることが可能だからです。(訳:当サイト)

      The decision can be based either on the topic of research or on the mentor. I would strongly recommend the latter (BOX 1). Good scientists work on interesting and important topics, so a good mentor has this covered. Your goal as a graduate student is to become an expert in wielding the scientific method, and this can be achieved pursuing any project. (How to succeed in science: a concise guide for young biomedical scientists. Part I: taking the plunge. Nat Rev Mol Cell Biol. Jonathan W. Yewdell Author manuscript; available in PMC 2009 May 21.)

       

      教授(またはPI)と自分との相性は良いか?

      同じラボに所属していながら、ハラスメント行為を受けて人生をめちゃくちゃにされた人がいる一方、別の人は、優遇されて順調にキャリアを積んでいくということは、めずらしくありません。他人にとっての正解が自分にとっての正解とは限らないし、他人にとっての不正解が自分にとっての不正解とも限らないのです。相性が良いと思えるかどうかを自分で判断するしかありません。

      学会やラボ見学などでほんの数時間しか会ったことがない人を判断するのは実際にはほとんど不可能で、残念ながら、博打的な要素はどうしても残ります。

       

      その教授にはそもそも研究能力があるのか?

      学生が指導教官を評価するのは不遜な態度かもしれませんが、ラボ選びの際には必要なことです。自分が研究者としてのキャリアを築いていきたいのであれば、研究者として優れた人間の下で研鑽を積まないことには始まりません。一流誌にコンスタントに論文を出しているラボのボスの経歴を見ると、若いときに筆頭著者として一流誌の論文が数報出ているのが普通です。自分で一流誌に論文を出した経験が皆無の人が大学院生を指導してそのような大きな仕事をさせられるとは考えにくいと思います。自分のボスとなるかもしれない人が、どんな論文をこれまでに書いてきたのかを知ることは、その人の研究者としての生き様を客観的に見ることができます。

      教授「非常に残念ではあるが、今の日本の大学の教授職に就いてる奴の中には、きちんと論文を書き上げられるだけの能力のない奴が一定数いる。そんな奴の下にいたら、いくら原稿を書いても論文にはならんよ」(教授だって人間さ 教授と僕の研究人生相談所 第71回 BioMedサーカス.com 2017年3月27日)

      下で紹介する柳田先生のブログによれば、ラボの研究業績が立派なものであっても、それがボスの能力を必ずしも反映しないようです。

      その研究室を訪問して、ボスも含めてメンバーとしゃべれば誰が真の牽引者であるかははっきりわかります。でも、それはあまり公に大声では言えないのですね。中間的なポスドクや助手、助教授、室長クラスが頑張っている場合が多い。さらには大学院生クラスにすごいのがいたりすることがあります。学部の卒業研究生や修士院生なんかが一番頑張っている国立大学なんかは日本に沢山あるのです。ボスは名ばかりで、論文すらも書けない人達だったりします。(無能なボスでも 2006年 08月 04日 生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ mitsuhiro.exblog.jp)

      PIが出してきた論文を辿ってみること。新しい研究室だと、まだ論文業績があまり出ていないかもしれませんが、研究室主宰者(PI)には論文業績があるはずです、とケンブリッジ大学の分子生物学者Michael Imbeault氏は言う。彼が勧めるのは、PIの過去の論文業績をチェックし、そのPIがアイデアを論文にする力があるかどうかを見極めることだ。(和訳、太字強調は当サイト)

      Follow the paper trail. A new lab might not have much of a track record, but the principal investigator (PI) will, says Michael Imbeault, a molecular biologist at the University of Cambridge, UK. He recommends checking the PI’s publication history to make sure they can turn ideas into papers.
      (Why a new lab can be a valuable destination for postdocs and graduate students nature.com 11 JUNE 2018)

       

      最近その研究室から論文が順調に出ているか?

      その研究分野のパイオニアの人だけれども、定年が近いためかラボのアクティビティが落ちていて、どれだけ研究環境が良いのかわからないということもあります。また、ボスが仕事に厳しいかわりに論文業績が順調に出ているラボもあれば、雰囲気は楽しそうだけれども業績が低迷しているラボもあります。ひどい場合、中の人は馬車馬のように働いているのに、なぜか業績が全然出ていないラボもあります。

      研究室のホームページを見たときに、学生やポスドクがたくさんいるのに、その人数に見合う数の論文が順調に出ていなければ要注意です。PIが若くてラボを立ち上げたばかりの場合はまだそのラボからの論文はないでしょうから、そのボスの過去の業績を参考にします。名選手が名監督になるとは限りませんから、「賭け」になりますが、これから発展するラボなら良いテーマに恵まれて、濃密なトレーニングが受けられる可能性が多いにあります。

       

      その研究室の中の誰が論文を出しているのか?

      毎年、学生が筆頭著者となる論文がよい雑誌に出ているのなら、大学院生がちゃんと教育されている客観的な証拠といえます。学生が筆頭著者になっている論文がほとんどなくて、助教やシニアポスドクなど中間管理職的な(グループリーダー)が筆頭著者の論文が多い場合は、学生が労働力としてのみ使われていてその対価(=論文に対するクレジット)を受け取っていないという可能性もあります。いつも同じ人が論文を書いているラボよりも、毎回異なる人が筆頭著者になっているラボのほうが、ラボがうまく機能しているといえます。

       

      そのラボを出た人はステップアップしているか?

      そのラボで学位を得た人が、さらに良いラボでポスドクをやっているかどうか、そのラボでポスドクとして仕事をした人が良いジョブ(PIの職)を手にいれているかは非常に重要なポイントです。ラボの卒業生がキャリアアップしていないのは、下の人間を育てる意識が教授に欠如しているからかもしれません。学位取得者や論文を出した人の人数が極端に少ない場合には、研究室がトレーニングの場としてまったく機能していないことが考えられます。

      ポスドクをやったあと、テニュアトラックなどの職を得て、独立してラボを持ちたいと考えているのであれば、それを支援してくれるだけの力と熱意があるボスを選ぶ必要があります。できればそのラボの卒業生にコンタクトをとって、就職のときにどれくらい力になってくれたのかを聞いてみるとよいでしょう。

      ボスが部下に対してサポーティブなことは決して当たり前ではありません。厳しい競争にさらされて研究の世界で生き残ってきたボスに人格者であることを求めるのはあまりにもナイーブすぎます。下のブログで紹介されているようなボスは、普通にいると思います。ラボを出る人が研究テーマを持って出られるかどうかは、ボスの一存で決まるものであって、研究業界にルールや倫理があるわけではありません。

      ボスはポスドクが独立していくのを、嬉しくは思わないようです。反対に、レイバーが失われるので嫌なようです。パパがえるが、快く送り出せばいいものを、と同僚がポジションを取ったときに言っていました。(パパがえるが研究室を去りたい理由 2006-08-30 04:59  かえるの子育て kokaeru.exblog.jp)

      ポスドク先を選ぶときに,そのラボの出身者がどういうキャリアを築いているかを参考にするといいかと思います.(海外ポスドクから現地企業研究者への道 生物工学会誌第94巻第1号 PDF)

       

      志望するラボのPIは今、研究者人生のどのステージにいて、研究室の体制はどうなっているのか?

      人間に人生のステージがあるように、研究室にもステージがあります。独立したての若い准教授がPIとしてラボを主宰しており、まだ学生も研究員も少ないラボ、業績が出始めて、人気ラボになり入るのにも競争が生じるラボ、研究が安定していてあるていど大所帯になり中ボスが中を仕切っているラボ、ボスが定年間近でアクティビティが落ちてきているラボなどなど。若いPIが数年後にもっと研究環境の良い大学に移動するということは頻繁に起こるため、そういうPIを選んだ場合には自分が入ったあとでラボの引っ越しに巻き込まれる可能性も頭の片隅に入れておいたほうがいいでしょう。

      そのラボの”年齢”は、大学院生がどのような扱いを受けるかに大きく影響します。例えば、PIがテニュアトラックをとりたてのラボで、あなたがはじめての大学院生だった場合、そのボスが自分の命運を賭けた一番面白い研究テーマをやらせてもらえるかもしれません。そのかわり、そのボスも生き残りを賭けているのでしっかりと働くことが期待されるでしょう。大所帯のラボだと、教授は直接学生の指導をしておらず、助教などの中間管理職の先生があなたの直接の指導教官になってトレーニングを行うことになります。研究テーマや研究の進め方も、自分がついたその中ボスの意向で決まります。あるいは、修士で入った学生は、博士課程の学生の下につけられて、お手伝い仕事から入ることになるかもれません。大きなラボで先輩の学生に配属された場合、結局はその中の小さな人間関係の中に囚われる可能性もあります。こういったことは予測不能で、飛び込んでみないとわからないリスクがあります。

      大ボスのところに留学したつもりが、気がついたら小ボスのラボのポスドクになっていたということは珍しくないですから。小ボスが優秀なら問題ないんですけど、小ボスの研究能力が低くて論文が出ないなんてことはよく聞きます。(ポスドク座談会 2011年6月15日 BioMedサーカス.com)

      研究室で最後まで存在し続けるのは教授だけです。その下で働いている准教授、講師、助教の先生は、どんなに優秀で教育的で、この人のもとで研究をやりたいと思ったとしても、半年後や1年後にあなたがいざ大学院に入学したりポスドクとしてラボに来たときに、まだそこにいるとは限りません。ですから、中間管理職の立場の人の研究内容や人間的な魅力をラボ選びの基準として考えるのはやめたほうが無難です。あくまでも最終決定権を持つ教授と自分との関係性を考慮して決めるべきです。

      ボスがラボをひたすら拡大したいタイプなのか、あくまでも自分が直接面倒をみられるように、目が行き届くていどの人数に抑えてたいと考える人なのかという違いもあります。ひたすら拡大路線をたどるラボだと、放置される可能性もあるでしょう。

      定年間近の教授だと引退してしまって自分のキャリアアップを助けてくれる存在にならないかもしれません。強力な推薦状が得られなくて、就職活動のときに困る可能性があります。

       

      その研究分野の中心的なラボか?

      その分野のトップのラボ、その分野を牽引しているようなラボで仕事をしたほうが、同じ努力の量ではるかに高いところまで行くことができます。実験結果が出たあと論文を発表するときにも有利に働くことでしょう。

       

      ラボの雰囲気が自分に合うか?

      ボスがとんでもない人だと、ラボの雰囲気は悪かったり、白けたかんじになっているかもしれません。逆にダメなボスをフォローするために下の人間が一致団結して頑張っていて、むしろ良い雰囲気に見えるかもしれません。ボスが部下に同じ研究テーマを与えて競争させているようなラボなら、険悪なムードが漂っていることでしょう。ラボの雰囲気は、そのときの在籍メンバーでもかわってきますが、ボスがきちんと人間を見て部下を選んでいるのであれば、たとえ人が入れ替わってもある程度はラボのカラーというものが存在すると思います。

       

      ラボ内での共著論文が出ているか?

      これはラボの研究の進め方にもよりますが、ポスドクとボスの二人しか著者がいない論文を出し続けるラボもあれば、多くのラボメンバーが共著になる進め方をするラボもあります。自分がファーストで書く以外にも、共著論文が自然に生まれるような、協力的な仕事の進め方をするラボのほうが、業績を挙げるためには大事でしょう。

       

      自分の自由に研究を進められるか?

      望まないテーマを強制されたり、自分の研究成果を中ボスや上の立場の人に奪われたりすると、良い研究ができません。

       

      その大学や研究所は研究の世界でメジャーな場所か?

      田舎の大学に非常にいいラボがある例もあるので絶対ではないのですが、概して、良い大学・研究所に良い研究者が集まります。良い研究機関ほど設備が充実していたり、研究コミュニティの活動が活発だったりするので、研究者としての修行を積む上ではプラスに働くことが多いでしょう。著名な科学者がひっきりなしに訪れてセミナーをしているのが聴けるのも、メジャーな場所ならではのアドバンテージです。

      海外のメジャーな場所には日本人ポスドクも多数集まるので、現地において日本人同士の気楽な付き合いが得られたり、その後の末永く続く人間関係が得られるというメリットもあります。

       

      技術、方法を学びに行くか、研究テーマで選ぶか

      テクノロジーが日進月歩なので、新しい技術を学べるラボという観点で選んでしまうと、その技術が数年後には新しい別の技術に取って代わられている可能性があります。最新のテクノロジーが学べるラボよりも、普遍的な、良いサイエンスのやり方(=トップジャーナルに通る論文の書き方や出し方)が学べるラボのほうが良いのではないかと思います。

       

      研究不正が行われてはいないか?

      捏造ラボかどうかを事前に見分けるのは不可能です。しかし、捏造するラボは捏造を繰り返す傾向があること、捏造を指摘されてごまかすために、出版後に論文を「訂正」することが多いことは手がかりになります。PubPeerなどで論文データの疑義が指摘されているのに、釈明もせずに黙殺しているラボがあれば、関わらないのが賢明です。データ捏造が行なわれているラボで研究者になるための良いトレーニングが行なわれているとは考えにくいです。ハラスメントが横行している可能性が高いと思われます。

      ある若手研究者が教授との共同研究を論文に発表する際、教授から「グラフのゆがみをならしてシンプルにするように」 と要求された。若手研究者が拒否したことで関係が悪化し、結局、この人は科学の世界から去ることになったという。(研究室のボスによる部下への不正強要、パワハラなどについて
      2013-08-12 02:17:30 世界変動展望)

      インターネットで研究不正の可能性が指摘されているにもかかわらず黙殺しているようなラボは、まったくお勧めしませんが、自分で情報を集めて適切な判断をしてください。

       

      自分が業績を挙げられる場所か

      ポスドクをやる一番の目的は、次に独立できるだけの業績を挙げることです。自分がそのラボでポスドクをやったときに、トップジャーナルに論文を出せるのか?と自問自答する必要があります。良い論文にまとめあげる過程は、ボスの論文執筆能力に依るところが大きいため、そのラボからコンスタントにトップジャーナルに論文が出ているのかどうか、ここの論文は誰が執筆したのか(さいしょの原稿をポスドクが書いて、それをボスが手直ししたり、ボスが最初から全部書いたり、いろいろなパターンがあると思います)、などに注意を向けるといいでしょう。良い問いの立て方、データから良いストーリーを作るやり方、具体的な論文の書き方など、一流の仕事をしているボスからは学ぶことが多いと思います。

       

      自分にあっているか?

      軍隊のような規律をもってスパルタ式で学生を訓練する教官、完全放任主義で学生の自主性に任せる教官、学生とのコミュニケーションを重視する教官など、教官の指導方法は千差万別です。それぞれの研究室のスタイルもまた、理論を 主体とする研究、実験を主体とする研究、数値シミュレーションを主体とする研究、現地観 測を主体とする研究等々、千差万別です。… ここで重要なことは、できる限り情報を収集し、自分の頭で考えて判断し、自分に あった研究室を選ぶということです。研究室のスタイルや方向性に共感できるかどうかはとても重要です。 (海洋環境研究グループ(内山研)への所属を考えている学生さんへ )

       

      参考(ツイッター)

      下のツイートは、クリックすると一連のツイートが表示されますが、ラボ選びの観点が多数紹介されていました。

       

      参考

      1. Choosing a Lab and Applying Successfuly. Compiled by Maya Schuldiner, Senior Scientist and Tslil Ast, First year Masters student. Dept. Molecular Genetics, Weizmann Institute of Science PDF
      2. Ten types of PhD supervisor relationships – which is yours? (theconversation.com January 12, 2016 6.20am AEDT)
      3. 大学院教育 その恐るべき実態 ~ 私の体験談 ~ :”大学院重点化が叫ばれる中で、その教育環境の不備による悲劇はあまり省みられていません。私もその被害者の一人でしたが、これまでは悪夢を忘れたいと思い、できるだけ避けようとしていました。同じ様な体験された人も、殆どは泣き寝入り状態なのです。しかし病んだ大学院教育の中で、人権すら踏みにじられ悲惨な目に遭う学生が沢山いることを知るにつけ、これは傍観できない問題だと感じました。”
      4. https://abetterscientist.wordpress.com/2013/11/26/11-things-you-should-look-for-in-a-postdoc-position/
      5. https://www.ascb.org/compass/compass-points/oh-the-places-you-will-go-tips-for-choosing-a-postdoc-lab/
      6. https://bitesizebio.com/35706/great-postdoc-position/
      7. http://blogs.nature.com/naturejobs/2015/04/07/the-postdoc-series-finding-the-right-lab/
      8. ポスドクが考える研究室選びのコツその2 (生物・実験系・学位取得を目指すひと向け) つなぽんのブログ 2016-03-03