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学力テスト「万年最下位でいいと思うなよ」吉村洋文大阪市長

全国学力テストの結果が政令指定都市の中で最下位の大阪市の吉村洋文市長が、成績向上のための大胆な施策を発表し、大きな反響を呼んでいます。 2018年8月2日(木) 吉村洋文市長 定例会見 吉村洋文市長が2018年8月2日の行なった記者会見の書き起こしの一部を紹介します(一部のみ紹介。太字強調は当サイト)。 全国学テ(「全国学力テスト」の略称。以下同じ)の結果と、それを受けた対応についてです。全国学テの結果ですけれども、ちょっとこの後、一定程度詳細にご報告もしますが、私自身は非常に危機感を感じています。全国と近づいて、少し改善の傾向が見られるということですけども、政令市でいえば最下位、ずっとべったを続けてるというような状況、ずっと最下位の状況が続いてるというような状況であります。この状況は、いい訳はなくてですね、これを変えていかなきゃいけないと思っています。これまでも、課題校に対する集中的な対策というのはとってます。これはこれからも引き続きとっていきますが、やはり抜本的な学校大改革ぐらいのことをしないと、このべったというのは抜け出せないし、意識改革をしなきゃいけないというふうに思っています。 … 特に大阪市については、課題のある70校というのをピックアップしてですね、選択と集中というのを開始しました。まだ開始して1年ですから、そんなすぐに成果が出るとは思ってませんが、課題のある70校をピックアップして、そこで学校力UP(支援)事業ということで教員の授業力をアップするために、学校にですね、さらに人員を派遣して、いわゆる指導力の強化というのをしているところであります。あとは、校長に裁量を認める施策を打ったり、あるいは、子どもの貧困対策ということで、学校外の、いわゆる勉強できる環境というのを整えているところです。これについては、引き続きですね、地道な努力ということをやっていきます。が、あわせて、やはり今の制度というのを大胆に変えてですね、意識というのを変えないと、僕はこの20位というのはずっと抜け出せないと思っています。当然、学校ではお勉強以外のことも学びますけども、学力の向上というのが非常に大きな求められる要素でありますし、その学力向上させるという意識をですね、学校現場、教育委員会がもっと強烈に持たなきゃいけないと思っています。そのために、意識をみんなで変えましょう、エイエイオーと言ったところで変わりませんから、制度自体を僕は変える必要があるというふうに思っています。そのために、じゃ、どういったことをするのかということですが、やはり、まずは結果というのをやっぱり重視し、結果に対して責任を負う制度に変えていくべきだというふうに思っています。… 大きく三つです。まず一つ目ですけども、全国学テの目標数値というのを定めます。全国学テの目標の数値を定めて、それぞれの学校に具体的な数値として、正答率を何パーセント上げるという目標設定をします。これは学校に独自に任せるとやらないという形になりますから、教育委員会で決めて、そしてこれは学校にきちんと割り当てもして、学校ごとに何パーセント上げるというのを、具体的な目標設定をします。その目標の達成、それから未達成というのを来年度はかります。で、目標の達成してる学校についてはきちんと評価し、そして目標を達成しない学校については校長先生も教員も、これはマイナスの評価をします。 … ここで例えばですけども、中学校の平均正答率の合計を0.03ポイント向上させるというのを、これを全部の中学校、小学校に数値設定をします。その上で達成できたとこについては、人事評価に反映させていくと。例えばですけども、勤勉手当を増額したり、あるいは校長戦略予算を増額したり。これは総合教育会議の中で議論していきます。業績未達成のところについては、逆に勤勉手当を減額したり、校長戦略予算を減額するという具体的な措置をとっていきます。これ、総合教育会議で議論したいと思います。ただ、この方向性で僕は考えてます。あと、中身の、じゃあ、どれにするの、勤勉手当にするの、そのあたりは詳細というか、総合教育会議で議論したいと思いますが、要は、きちんと具体的な数値を設定し、それを来年度達成するか、していないかをきちっと見ていきます。達成してないところについては減額し、達成したとこについてはプラスにする。そういった結果に対して責任を負う制度に変えていきます。 … 数字が物語ってるじゃないですか。ずっとべったのままで推移してる訳だから、この結果をね、僕は良しとしないということなんです。目標数値も、急に20番の大阪市に1番になれっていうふうに僕も言ってる訳じゃなくて、やっぱりまずは最下位の脱出。万年最下位でいいと思うなよということです。最下位の脱出をして、できれば目標数値、15位ぐらいであれば、僕は学校の先生の意識を変えてね、やるだけで十分、僕は達成するんじゃないかと思ってます。(平成30年8月2日 大阪市長会見全文 大阪市 2018年8月6日)   大反対の声があがることは吉村市長も想定内だったようです。 先生自身も、これはちゃんと目標立てて、ちゃんとやれば達成するし、ちゃんと目標達成できなかったら、これは自分はマイナスで評価されるんだっていうその緊張感っていうのがいるんじゃないかな。これは嫌だと思いますよ、先生からしたら。また吉村があほなこと言い出したってなると思いますけども、ただ、でもこの学力、この万年べったっていうのをどうやって改善するか。僕、今までいろんな課題校のとかやってますけど、それも当然、地道なこと、ずっとやってますけどね。それだけじゃなくて、現場の先生が、これは絶対上げたるねんっていう気持ち。そして、それは気持ちだけじゃなくて、それが直接、やっぱり反映されるっていうのは必要だと思うんですけどね。まあ、大反対を食らうでしょうね。(平成30年8月2日 大阪市長会見全文 大阪市 2018年8月6日)   参考 吉村洋文大阪市長の「聖域なき教育改革」から迸る「ダメ上司あるある」感 (HARBOR BUSINESS Online 2018/8/9) 学テ結果を「給与に反映」吉村市長発言に現役教師やOBが「即刻撤回」を求め抗議文 (8カンテレ YAHOO!JAPAN ニュース 2018/8/7(火) 20:03配信) 塾代月1万円が無料で36万円お得に!塾や家庭教師だけでなく、音楽・ダンス・水泳等の習い事にも使えます!(大阪維新の会 子育て・教育応援 2018.7月現在)

平成30年(2018)度小学校・中学校「学力テスト」の結果と各都道府県の順位

  2018/08/07    学校教育

平成30年度(2018年度)全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果が公表されました。   全国学力テスト正答率 [ 2018年第一位 石川県 ]https://todo-ran.com/t/kiji/12090   競争心を煽る目的はないはずですが、地方新聞(地方版)の記事の見出しや、一部の知事の反応を見ると、煽られている感がありありです。 文部科学省が31日に公表した全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果は例年同様、基礎的な知識を問うA問題と応用力をみるB問題で平均正答率に大きな差が出た。今年度から小中学校で先行実施されている新学習指導要領には、B問題に反映される「思考力・判断力・表現力」の育成が盛り込まれ、2020年度の大学入試改革でも同じ要素を重視する方針が決まっている。(全国学力テスト 小中、応用力なお課題 正答率「基礎」と大差 指導法は未確立 毎日新聞 2018年8月1日) 国立教育政策研究所は2018年7月31日、2018年度(平成30年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。都道府県別にみると、小中学校ともに秋田県と石川県、福井県の好成績が目立った。(【全国学力テスト】H30年度、小中ともに秋田・石川・福井が好成績 ReseMom リセマム 2018.8.1 Wed 17:15)   学力テストの歴史 全国学力テストとは、小学6年・中学3年を対象にした「全国学力・学習状況調査」のことです。2007年度から全員参加式のテストとして始まり、民主党政権下で3割抽出方式に変更されましたが、2013年には4年ぶりに全員参加式に戻っています。(「全国学力テスト」成績公表、何が問題になってるの? THE PAGE 2013.10.31 12:08)   学力テストの問題点 テストというのは学力がついたかどうかを測定する目的で存在するのですが、それがひっくりかえって、テストで良い点を得るために勉強することが目的だと勘違いする子供が出てきます。テストを受ける子供だけでなく、テストを受けさせる大人までもが、そのような考え方に染まってしまうのが問題です。 競争心を煽られた地方自治体が、学校教育の本来の目的を忘れて学力テストで良い点を取るための「教育」に走った例がいくつもあります。今回も学力テストの結果が芳しくなかった大阪市の市長が学力テストの結果を個々の学校の先生の評価に反映させると宣言し、歴史が既に証明している愚行を大阪で再現しようとしています。 もう一度年代を整理すると、まず日本自身が1960年代に失敗していました。そして、イギリスが1980年代後半から1990年代にかけて失敗しました。そして、足立区が2000年代に失敗しました。そして、また大阪市が同じことを繰り返そうとしているのです。その結果は目に見えていると言わざるをえません。(大阪市長「学力テスト発言」が危険である根拠 日本は過去何度も同じ失敗を繰り返してきた 親野 智可等 : 教育評論家  東洋経済ONLINE 2018/08/15 6:00 ) …

志望大学合格後の燃え尽き症候群 入学後に伸びる学生と伸びない学生の違い

燃え尽き症候群とは The idea of burnout was formed by Herbert Freudenberger in 1974 as wearing down or draining out of energy (Freudenberger & North, 1985). In addition, Freudenberger (1974), state that burnout “is not a situation that gets better by being …

フィンランドの学校教育制度がベストな秘密をマイケル・ムーアが暴く

学校教育制度のお手本として真っ先に挙げられる国が、フィンランドです。 教育改革を成功させた国、フィンランド 国際的に標準化されたテストの結果において、1960年代にはアメリカと同様に低迷していたフィンランドですが、教育改革を断行したおかげで2000年代には教育レベルは世界一になりました。 フィンランドの学校教育の秘密を探るべく、マイケル・ムーアがフィンランドに赴きます。下のYOUTUBE動画は、マイケル・ムーアが監督したドキュメンタリー映画、『Where to Invade Next』 (2015年)の中のフィンランドの教育に関する部分。 Why Finland has the Best Education by Michael Moore(『Where to Invade Next』 2015年より) このドキュメンタリーを観ると、フィンランドの教育ポリシーの真髄がよくわかります。   教育レベルNo.1フィンランドの秘密:宿題は出さない! 日本では、学校が宿題をたくさん出すことにより、子供が家で自主的に学習する習慣を身につけさせることができるという主張をよく見かけます。しかし、フィンランドの教育が成功している要因のひとつは、その真逆で、宿題を出さないことなのです。学校に強制された宿題をやることは、「自主性」に矛盾しますからね。 子供たちに宿題はありません。宿題に時間を費やすよりも、子供らしく過ごして、生活を楽しむことにより多くの時間を使うべきだからです。 They do not have homework. They should have more time to be kids, to be …

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Sir ケン・ロビンソンのTEDトーク。公教育の真の目的は生まれ持った創造性を子供から奪わないこと

  2018/07/19    学校教育

サー・ケン・ロビンソン(Sir Ken Robinson)の2006年のTEDトーク、「学校教育は創造性を殺してしまっている」。   以下、日本語書き起こしの転載。見出し、太字下線強調は当サイト   挨拶 おはようございます。気分はいかがですか?素晴らしいですね、ここは すべてが驚嘆の連続です だからそろそろ帰ろうかと思って(笑) カンファレンスを通して、これまで私たちは 3つのテーマを取り上げてきました どれも私が話したいことに関わっています 1つ目は人間の創造性について ここにいるすべての人が持っている 様々な形で表れる私たちの創造性と その幅の広さです。2つ目は 創造性は未来に一体何が起こるのかを 予測不可能にしてしまいます 次に何が起こるかなんてさっぱりわからない 予測不可能な未来のための教育の必要性 私は教育に関心があります 実際誰もが教育に関心があるんです あるでしょう?私はとっても興味がある 例えばディナーパーティーの席で あなたが教育関係の仕事をしてると言ったとします まあ実のところ、教育関係で働いている人はあまりディナーパーティーに行ったりしません そんなに誘われませんよね まったく誘われない。どうしてでしょうね でも招待されて、誰かと話すとします 「お仕事は?」と聞かれ 「教育関連の仕事です」と答えると 彼らの顔から血の気が引くんです。きっと心の中で 「なんてこった!なんで私の隣に?せっかくのパーティーなのに!」なんて思ってる でもあなたが彼らの受けた教育について聞いたら 彼らは熱心に話し出すでしょう。教育というのは 深い問題ですからね。そうでしょ? 宗教やお金のことみたいに 私は教育に非常に関心があります。私たちは皆 教育に大きな関心があると思います …

アクティブ・ラーニング (Active Learning)とは何か?

  2018/07/14    学校教育

最近は、教育改革の話題の中でアクティブ・ラーニングという言葉を頻繁に見聞きします。しかし、カタカタでいわれてもいまひとつピンと来ません。アクティブ・ラーニングとはいった何のことでしょうか?   アクティブ・ラーニングの定義 【アクティブ・ラーニング】 伝統的な教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり,学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学習者が能動的に学ぶことによって,後で学んだ情報を思い出しやすい,あるいは異なる文脈でもその情報を使いこなしやすいという理由から用いられる教授法。発見学習,問題解決学習,経験学習,調査学習などが含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループ・ワークなどを行うことでも取り入れられる。(第4期中央教育審議会 大学分科会 制度・教育部会 学士課程教育の在り方に関する小委員会(第6回)議事録・配付資料 資料8-2 学士課程教育の再構築に向けて(審議経過報告)(案)用語解説(案)) (リンク) この説明からすると、特定の教授法というよりも、実践的な教育方法のひとつの考え方であり、そのような考え方に基づく教授法をまとめた呼称のようです。 アクティブ・ラーニングの学術的な定義では、『一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う』(*2)とされています。(*2 溝上慎一「アクティブラーニング論から見たディープ・アクティブラーニング」(松下佳代編著『ディープ・アクティブラーニング』勁草書房、2015年、p.32)より)(アクティブ・ラーニングをどう評価すべきか〜西岡加名恵氏に聞く eduview)   アクティブ・ラーニングに対応する日本語は何か 文科省の資料を見ると、 「主体的・ 対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ ラーニング」の視点)(幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)平成28年12月21日 中央教育審議会 )(PDF) 「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の視点からの道徳科の指導改善について (考える道徳への転換に向けたワーキングループ(第3回) 主にご検討いただきたい論点について)(HTML LINK) 言葉の使い方が曖昧なのですが、事実上、「アクティブ・ラーニング」=「主体的・ 対話的で深い学び」という英語と日本語の言い換えをしているようです。   アクティブ・ラーニングという言葉遣いの歴史的な経緯 どうにもわかりにくいアクティブ・ラーニングという言葉ですが、なぜわかりにくい状況になってしまったのかをわかりやすく解説したサイトあったので紹介します(一部割愛、太字強調は当サイト)。 近年ずっと教育業界では「アクティブ・ラーニング」という用語が一人歩きしてきました。このアクティブ・ラーニングについて、起源を辿ると2012年8月に中教審に取りまとめられた「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」に遡ります。 本文には「従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である」という表現が出てきています。… つまり、アクティブ・ラーニングとは、当初は大学教育のあり方を考える際に使用された言葉だったのです。… こういった発想が、なぜか高等学校・中学校・小学校にまで下ってきたというのが現状です。(2020年、次期学習指導要領~消えた「アクティブ・ラーニング」Posted on 2017-04-10 by 夏目 凛 edutmrrw.jp) アクティブ・ラーニングがなぜ、「主体的・ 対話的で深い学び」という日本語に落ち着いたのか、その経緯は、以下のサイトでかなり詳しく解説されています(一部割愛、太字強調は当サイト)。 …