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大阪大学が物理入試出題ミスの検証結果を公表

追記20180411 問1について 物理の問題では問4,5が話題になっていましたが、問1についても正答が選択肢に無いという指摘がありますので紹介しておきます。 2017年物理の出題ミスで話題になった問題〔3〕Aの問4について解 説を書きました。 なお,この問題には,問1も出題ミスではないかという疑惑があります。問1については,大阪大学へ問い合わせをし回答を得ていて,それを掲載しています。問1の大阪大学による検証結果は,まさかこんな回答をするとはというびっくりする内容でした。(引用元:記事 大阪大学2017年物理出題ミス問題の解説と,さらなる出題ミスの疑惑  乱数と暗号の部屋(暗号工房)) 弁明「問1は選択肢に正解がない」 に対する抗議にお答えします 。2018/3/11 脱帽 これは 苦しい! 問1は、いったい何を試したかったのでしょうか? (引用元:冨田 博之 京都大学名誉教授のウェブサイト)   2017年2月25日に実施された大阪大学入学試験前期「物理」の問題で出題ミスがあり、1年近くも経った2018年1月6日に30名もの追加合格者が出ました(⇒記事)。ところが、ある意味、それ以上に世間を驚かせたのは、阪大が2018年1月12日に公表した言い訳でした。阪大は、はじめに正答とした解答が誤答だったとは決して認めず、それを本来の答えとした上で別の解も正答として認めるというのです。(⇒記事)。物理を捻じ曲げ、大学入試の出題のルールをも投げ捨てたこの説明は、物理の専門家や教育者をはじめとして世の中の多くの人を憤激させました。当然、検証委員会がこれを正すのだろうと思っていたのですが、期待は見事に裏切られました。また、出題ミスに組織として対応する体制が作られていなかったわけですから、組織としての責任が厳しく問われるべきです。しかしながら、2018年3月23日公開の報告書において、検証委員会は責任を全て問題作成者と通報を受けた現場の人間に押し付け、阪大執行部には高評価を与えました。 ○ 被処分者等 ① 大学院理学研究科教授(50歳代)平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における科目責任者…訓告 ② 大学院理学研究科教授(50歳代)平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における副責任者…訓告 ③ 教育・学生支援部長(50歳代) …厳重注意 ④ 教育・学生支援部入試課長(40歳代) …厳重注意 ⑤ 教育・学生支援部入試課課長補佐(50歳代) …厳重注意 ⑥ 教育・学生支援部入試課係長(40歳代) …訓告 (引用元:処分の公表について) 入試問題に関する誤り判明後の対応について 入試担当理事に第一報が入って以降、総長のリーダーシップのもと、大学としての対応は迅速であると同時に、合否判定に必要な手続きを慎重に踏んでおり、特段の問題点や課題はなかった。(引用元:検証報告書) 阪大のこのような体質に対する批判的なコメントがいくつか目に留まったので紹介します。 3月23日付で大阪大学の「事案検証委員会」の検証結果が公表されました。いったい何を検証されたのか、すでに報じられている事実経過を羅列しただけで、1月12日のふざけた 「 …

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阪大が2017年入試物理出題ミスを解説

阪大2017年入試「物理」出題ミスを2018年1月6日に公表した大阪大学が、正答が3つあるという主張に関して1月12日に追加説明を公表しました。模範解答および採点にあたっての考え方が、非常に詳細に述べられています。 しかし、”問題Aの前文に、音叉は常に決まった振動数の音を発することが明示されているため、問題の前提条件としてはどちらかのモードのみで振動していると考える。”と言いつつ、”A-I. では逆位相振動モードを設定していた。A-III. の問4では振動モードを特定していなかった。”という説明自体、ロジックが完全に破綻しています。 矛盾した説明しかできないということは、つまりは、この説明は苦し紛れでつくっただけで、本当のことを伝えていないということでしょう 音叉とは、軸についている二本の腕が振動することにより、ある特定の振動数をもつ音波を発生する装置である。音叉の腕の振動の様子(モード) にはさまざまなタイプがあり、主に、二本の腕が互いに逆向きに振動するモード(以下、「逆位相振動モード」と呼ぶ、A-I. で設定した振動モード) と二本の腕が同じ向きに振動するモード(以下、「同位相振動モード」と呼ぶ) がある。音叉の基本的な振動モードは一般に逆位相振動モードであり、逆位相振動モードの方が実験的に観測されやすいと思われる。ただ音叉の振動を実験的に観測した著者による参考文献Russell, D. A. (2000). \On the sound eld radiated by a tuning fork.” American Journal ofPhysics, 68(12), 1139-1145. https://doi.org/10.1119/1.1286661 および同著者によるWeb ページhttp://www.acs.psu.edu/drussell/Demos/TuningFork/fork-modes.html によると、同位相振動モードで振動している様子も実際に観測されている。音叉を一つ定めたとき、同位相振動モードおよび逆位相振動モードはどちらもその音叉に対して可能な振動モードであるが、一般にそれぞれ異なる振動数の音波を発生する(前述の参考文献)。問題Aの前文に、音叉は常に決まった振動数の音を発することが明示されているため、問題の前提条件としてはどちらかのモードのみで振動していると考える。 A-I. では逆位相振動モードを設定していた。A-III. の問4では振動モードを特定していなかった。しかし、問5においては同位相振動モードで振動していることを前提として問題が作られていた。 理科問題(物理) 〔3〕Aの解説(1月12日追記)(大阪大学) (一部を抜粋。太字強調は当サイト) 阪大がこのよう模範解答を公表したことは、非常に歓迎すべきで、高校生、受験生の物理の勉強にも有益でしょう。しかし、出題ミスの釈明部分に関して言えば、全くなんの正当化にもなっていません。 〔3〕Aの問題文中には、、音叉に複数の振動モード(同位相または逆位相)が存在するという記述はありません。この物理の問題は、音叉がどのように振動して音を出すのかという予備知識を受験生に要求しておらず、むしろ、A-Iで受験生を誘導するような形で、逆位相振動モードによって音が発生する様子を図で丁寧に説明していたわけです。音叉の振動モードの可能性を複数考えると答えが一つに定まらないため、出題者の意図として、この段階で問題の条件設定をそのように絞ったということのはずです。ですから、受験生にしてみれば、A-Iでの誘導に則って、A-III問4も音叉が「逆位相振動モード」で音を発生させているという前提で解くのが当然でしょう。 A-Iの中で音叉が「逆位相振動モード」で音を出すことを丁寧に説明して受験生を誘導しておきながら、突然、A-IIIでは「同位相振動モード」で考えた答えのほうが「正答」で、「逆位相振動モード」で考えた答えも追加で正答とする阪大の態度は、矛盾しています。当然、外部からの最初の2回の指摘を却下した理由として、「同位相振動モード」で考えた答え2d=(n-1/2)λが正答だからというロジックは成り立ちません。 この追加説明は、物理の説明に関する部分は納得のいくものですが、出題ミスに関する釈明としては全く説得力がないと思います。大問のなかで分かれている小問ごとに、実は問題設定はバラバラなんですよというのは、これまでの入試の出題方法の常識を否定するような主張です。 …

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2020年新入試英語はマーク式と民間の両試験

2020年度から大学入試制度が激変します。知識偏重の入試から、思考力や判断力を問う入試へと変革させることが狙いだそうですが、出題内容だけでなく受験の形式も大きく変わるため、過渡期に大学を受験する生徒にとっては、試験準備のための精神的な負担が非常に大きくなりそうです。1日も早く、最終的な試験の形式が確定してほしいものです。 これまでの「大学入試センター試験」は、2020年度からは「大学入学共通テスト」に取って代わられます。大学入学共通テストの英語は、2024年度からは民間の資格・検定試験が使われます。2020~2023年度の過渡期は、民間の資格・検定試験と現行のマーク式が併用され、大学がどちらかを選べるというものでした。しかしながら、今回のニュースによれば、2017年10月12日に行われた国立大学協会の理事会で、全国立大が足並みをそろえて両試験を課すべきだという結論になったようです。 出題傾向の異なる2つの試験の受験を課するとなると、2020~2023年度の受験生には大きな負担を強いることになりそうです。 共通テストの英語に、民間の試験を活用するとして8つほど候補が挙げられていますが、実際にどの試験が採用されるのかすらまだ明らかになっていません。 英語はコミュニケーション能力を重視し、「読む・聞く」の2技能だけを測っていた試験を廃止し、4技能を測るため英検やTOEICなどの民間試験を使うことになる。どの団体の試験を認めるかは、今年度中にも決める。(朝日新聞DIGITAL 2017年7月10日23時27分 センター試験後継テストの英語、完全民間移行は24年度 ) 実施に当たっては、英検やTOEICなどの資格・検定試験のうち、必要な水準や要件を満たす試験をセンターが認定。(時事ドットコムニュース 2017/07/10-15:04民間試験・マーク式併存=センター後継、英語で4年間-文科省) 大学入試センター試験に代えて2020年度に始まる「大学入学共通テスト」の英語について、国立大学協会の理事会は12日、従来型のマークシート式と実用英語技能検定(英検)などの民間試験の両方を全国立大82校の受験生に課す方針を決めた。(読売新聞 YOMIURI ONLINE 2017年10月13日 06時00分国立大英語「マーク式と民間」必須…新大学入試 ) 共通テストの英語は24年度から民間の資格・検定試験に全面移行する。実用英語技能検定(英検)やTOEICなどの採用が検討されている。(日本経済新聞 2017/10/13 11:07マーク式と民間試験が必須に 国立大入試の英語 20~23年度 ) 共通テストの英語は4技能(読む・聞く・話す・書く)を総合的に測るため、英検やTOEFLなどの民間試験を活用し、高校3年の4~12月に受ける。(2017年10月13日 23時07分 毎日新聞/ @niftyニュース新テスト:国立大、英語2試験「負担大」 高校側の反発も ) 英語については、これまでの「読む・聞く」に加え「話す・書く」をあわせた4技能を評価することを目的とし、実用英語技能検定(英検)やTOEIC、TOEFLなど英語能力をはかる10種類の民間試験の中から、大学入試センターが「認定試験」として選定。(日本経済新聞 第321回 2017/5/20 6:00 大学入試、民間試験活用に賛成ですか )   文科省のウェブサイトを見ると、平成29年度英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会(第1回)配付資料 の中で、主な英語の資格・検定試験として、英検など以下の8つが紹介されています。 Cambridge English(ケンブリッジ大学英語検定機構) 英検(公益財団法人日本英語検定協会) GTEC(ベネッセコーポレーション Berlitz International ELS Educational Services ※CBT:一般財団法人進学基準研究機構(CEES)と共催) IELTS(ブリティッシュ・カウンシル 公益財団法人日本英語検定協会等) TEAP /TEAPCBT (公益財団法人日本英語検定協会) TOEFL iBT (テスト作成: ETS 日本事務局: 国際教育交換協議会(CIEE)) TOEIC L&R (テスト作成: ETS 日本事務局: 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)) TOEIC S&W (テスト作成: ETS 日本事務局: 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)) …

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大学入学センター試験は廃止、大学入学試験制度を抜本的に改革

文部科学省の中央教育審議会は、平成26年12月22日に「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜 の一体的改革について」という答申を取りまとめました。、現行の大学入試センター試験を廃止して、新たな試験制度を導入するなど非常に大きな転換を図ろう とするものです。 教育改革を行う場合、そもそもどのような人材を育てたいのかを明確にする必要があります。 高等学校教育、大学教育を通じて育むべき「生きる力」を、それを構成する「豊かな人間性」「健康・体力」「確かな学力」それぞれについて捉え直すと、以下のように考えることができる。 ① 豊かな人間性 高等学校教育を通じて、国家及び社会の責任ある形成者として必要な教養と行動規範 を身に付けること。大学においては、それを更に発展・向上させるとともに、国、地域 社会、国際社会等においてそれぞれの立場で主体的に活動する力を鍛錬すること。 ② 健康・体力 高等学校教育を通じて、社会で自立して活動するために必要な健康・体力を養うととも に、自己管理等の方法を身に付けること。大学においては、それを更に発展・向上させ るとともに、社会的役割を果たすために必要な肉体的、精神的能力を鍛錬すること。 ③ 確かな学力 学力の三要素を、社会で自立して活動していくために必要な力という観点から捉え直 し、高等学校教育を通じて(ⅰ)これからの時代に社会で生きていくために必要な、「主体 性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」を養うこと、(ⅱ) その基盤となる「知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に向けて探究し、成 果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」を育むこと、(ⅲ)さらに その基礎となる「知識・技能」を習得させること。大学においては、それを更に発展・向上させるとともに、これらを総合した学力を鍛錬すること。 本答申における「学力」とは、上記の三要素から構成される「確かな学力」のことを指す。なお、特に「多様性」については、生徒、学生に、多様性を受容し尊重する力を 育んでいく必要があるが、そのためには、高等学校や大学の側において、多様な生徒、学生が多様な環境の中でともに学ぶことのできる場を用意する必要がある。 (中略) また、グローバル化の進展の中で、言語や文化が異なる人々と主体的に協働していくためには、国際共通語である英語の能力を、真に使える形で身に付けることが必要であり、単に受け身で「読むこと」「聞くこと」ができるというだけではなく、積極的に英語の技能を活用し、主体的に考えを表現することができるよう、「書くこと」「話すこと」も含めた四技能を総合的に育成・評価することが重要である。また、英語のみならず、我が国の伝統文化に関する深い理解、異文化への理解や躊躇交流する態度などが求められることにも留意が必要である。(答申6-7ページ) ここで示された人間像はまさに科学者になるために必要なものです。現行の高校教育、大学入試、大学教育をくぐってきた研究者は、非常に恵まれない環境で育ってきたということでしょうか? 現行の高校教育、大学教育、大学入試制度の何が問題なのでしょうか?一口に高校、大学、と言っても生徒や学生の学力には非常に大きな幅があるため、答申では「選抜性が高い大学」と「選抜性が中程度の大学」といった表現を用いて、個々のケースを分析しています。 学校の教育方針が選抜性の高い大学への入学者数を競うことに偏っている場合には、高等学校教育が、受験のための教育や学校内に閉じられた同質性の高い教育に終始することになり、多様な個性の伸長や幅広い視野の獲得といった、多様性の観点からは不十分なものとなりがちである。こうした教育では、大学入試に必要な知識・技能やそれらを与えられた課題に当てはめて活用する力は向上させられたとしても、自ら課題を発見し解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力や、主体性を持って、多様な人々と協働しながら学んだ経験を生徒に持たせることはほとんどできない。そうした生徒がそのまま選抜性の高い大学に入学した場合、一定の知的な能力を持っていたとしても、主体性を持って他者を説得し、多様な人々と協働して新しいことをゼロから立ち上げることのできる、社会の現場を先導するイノベーションの力を、大学において身に付けることは難しい。(答申4ページ) ペーパーテストで測れるのが人間の能力のごくごく一部であることは間違いないでしょう。 大 学入学者選抜については、前述のように、知識の記憶力などの測定しやすい一部の能力や、選抜の一時点で有している能力の評価に留まっていたり、丁寧な評価 よりも学生確保が優先されるなど、高等学校教育で培ってきた力や、これからの大学教育で学ぶために必要な力を評価するものとなっていない。そうした背景に は、年齢、性別、国籍、文化、障害の有無、地域の違い、家庭環境等の多様な背景を持つ高校生一人ひとりが、高等学校までに積み上げてきた多様な経験や能力 を度外視し、18歳頃における一度限りの一斉受験という画一化された条件において、知識の再生を一点刻みで問う問題を用いた試験の点数による客観性の確保 を過度に重視し、そうした点数のみに依拠した選抜を行うことが「公平」であるという、従来型の「公平性」の観念が社会に根付いていることがあると考えられ る。(5ページ) しかし大学入試に要求される公平性を考えたときに、ペーパーテストほど公平なものはありません。人間が人間を選ぶ面接試験でどれだけ公平性が確保できるのでしょうか?実は、人生における最初で最後の、全ての人にとって最も公平な機会が大学入学試験(ペーパーテスト)だったという見方もできます。 ペーパーテストは知識の記憶力を測定しているとか、受験テクニックがないとだめとかまことしやかに言われますが、それはテストそのものよりもむしろ勉強のやり方に問題があります。同じ問題を解くにしても、暗記や(ありもしない)「受験テクニック」に頼るより、その場で問題に向き合って、自分の頭で考えて解くような学習を普段から心がけたほうが楽ですし、そうしている生徒のほうが結果的に良い成績を収めるものです。 …