「 東大分生研論文不正事件 」 一覧

NHKスペシャル『追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~』のネット上での反響

2017年12月10日(日)午後9時00分~9時49分に、NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~ が放送されました。NHKの番組説明を読むと、研究不正問題の背景となる日本の科学政策の問題点に関して批判的なメッセージを伝えることが一番の狙いのようです。 激化する国際競争の中で変容してきた科学研究費の配分を巡って、翻弄される科学者の姿。そして、科学技術立国を掲げ、研究成果を国の発展につなげようという施策が、皮肉にも、科学を停滞させかねないという現実。(NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~)   視聴者は、この番組をどのように見て、メッセージをどのように受け取ったのでしょうか?番組に関するツイートをいくつか紹介します。 激化する研究費獲得競争が研究不正の要因なのか? 流し見での感想だけど、 1.民間では競争は余りにも普通で、大きな受注を逃して待遇が悪化したり、無能力等を理由とした解雇もあり得るのに、何故、研究者は競争をしない方が良い結果が得られると確信しているのか? nhk 追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~ https://t.co/oH9DG0Lrpd — a.o.kitty 🐾 (@anger_of_kitty) 2017年12月10日 研究費獲得が競争的になったから研究不正が起こったというNHKスペシャルの内容だけど、それまで競争が少なくて国からお金もらえたというのがおかしくて、競争があって当然でしょう。世間では知られてないだけで、教授は資金集めが最も重要な仕事。 — 肥和野 佳子 (@lalahearttwit) 2017年12月11日 研究費がなくても不正をしない研究者は大勢いる。というか、それが大多数。ここで不正を報じられたり、これまでに不正をしたと世間で知られた研究者は殆どが数億単位の研究費を持っていた極めて特殊な研究者です。研究費獲得競争の激化にだけ不正の原因を求めるのはどうにも得心しない。#東大研究不正 — Koichi Kawakami (@koichi_kawakami) 2017年12月10日 研究費獲得のために不正するなら、他の多くのラボでも不正が見つかるだろ?でもそうじゃないってことは、仮定が間違ってるんだよ。不正するやつはするし、しないやつはしない — takanzai (@takanzai) 2017年12月10日 昨夜のNHKスペシャルを見て、指導教員が常々言っていた「不正をするやつは辞めろ」を思い出した(実際はもっと過激なワードですが)。私は綺麗事をそのまま受け入れていられる修士の段階で止めておいて幸せだったのかもしれない。(悠)#東大研究不正 — …

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論文不正に関与した教員らは懲戒処分(相当) 東京大学分子細胞生物学研究所(旧)加藤茂明研究室の研究不正問題

2017年(平成29年)3月3日に東京大学が発表したところによれば、東京大学分子細胞生物学研究所(旧)加藤茂明研究室で起きた論文不正に関与した教員らは懲戒処分に相当するという判断が下されました。当時の教授、准教授、助教授、特任講師の4人は懲戒解雇相当、助教が論旨解雇相当という判断です。   参考 懲戒処分(相当)の公表について 平成29年3月3日 東京大学 東京大学は、「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(第一次)」(平成26年8月1日公表)および「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(最終)」(平成26年12月26日公表)の裁定に関連し、当該関係者が本学在職中に行った不正行為について、仮に在職者であったとする場合に懲戒事由に該当する不正行為であったのかを調査した結果、東京大学教職員就業規則(平成16年4月1日東大規則第11号)第39条に規定する懲戒処分に相当するものと判断し、2月17日付けで、下記の通り懲戒処分相当を決定し通知した。元教授 加藤 茂明 懲戒解雇相当 元助教授 栁澤 純 懲戒解雇相当 元准教授 武山 健一 懲戒解雇相当 元特任講師 北川 浩史 懲戒解雇相当 元助教 高田 伊知郎 諭旨解雇相当 Forty-Three University of Tokyo Papers Are Tainted, Says Japanese News Report (By Dennis Normile Science News Jul. 25, 2013 , …

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研究不正が認定された加藤茂明研究室6人の博士号取得者のうち不正の度合いが大きい3人の学位を東京大学が取り消し

東京大学は2015年(平成27年)3月27日に記者会見を行い、研究不正を認定した学位取得者6人のうち、不正行為が学位研究の結論に重大な影響を及ぼす3人に関して学位を取り消すと発表しました。 参考 「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する学位請求論文の調査報告」(平成27年3月27日 東京大学):学位授与取消しの措置の概要(PDFリンク) 東大、3人の博士号取り消し 論文の捏造や改ざん認定(朝日新聞DIGITAL 2015年3月27日):” 取り消されたのは、加藤元教授の研究室で2005~07年に博士号を取得した元大学院生の金美善、藤木亮次の両氏と、企業研究者の古谷崇氏。…博士論文に不正が認定された元大学院生らはほかに3人いたが、不正の程度や分量、論旨への影響などを踏まえ、取り消し基準に該当しないと判断した。。” 東大不正論文:3人の博士号を取り消し(毎日新聞 2015年03月27日):”東大によると、大学から博士号を取り消されたのは、当時大学院生だった藤木亮次元助教ら3人で、「捏造や改ざんをしたと認定された図が博士論文の結論に重要な影響を与える」と判断し、取り消しを決めた。…残り3人は「不正の程度が軽く、論文の結論に影響しない」などとして取り消さないという。” 3人の博士号取り消し=東大の論文不正で(アメーバニュース/時事通信  2015年03月27日):”東大は、3人は自ら改ざんを行っており、論文で画像が果たした役割も大きかったと認定し、学位を取り消した。他の3人については不正の程度が軽いなどと判断した。”

分生研・加藤研に関する論文不正調査報告書 を東京大学が発表

分子細胞生物学研究所・加藤茂明研究室における 論文不正に関する最終調査報告を東京大学が発表しました。この最終報告書では、史上稀にみる論文捏造の連鎖がどのように生じたのか、研究室内の人間模様にまで踏み込んだ記述があります。 6.発生要因等 (1)本件事案においては、研究室の相当数の者により、不正行為や貼り間違い等の不適切な行為が多数発生している。これほど多くの不正行為等が発生した要因・背景としては、旧加藤研究室において、加藤氏の主導の下、国際的に著名な学術雑誌への論文掲載を過度に重視し、そのためのストーリーに合った実験結果を求める姿勢に甚だしい行き過ぎが生じたことが挙げられる。そうした加藤氏の研究室運営を同研究室において中心的な役割を担っていた栁澤氏、北川氏及び武山氏が助長することにより、特定の研究グループにおいて、杜撰なデータ確認、実験データの取扱い等に関する不適切な指導、画像の「仮置き」をはじめとする特異な作業慣行、実施困難なスケジュールの設定、学生等への強圧的な指示・指導が長期にわたって常態化していた。このような特異な研究慣行が、不正行為の発生要因を形成したものであると判断する。 旧加藤研究室には当時、大きく3つの研究グループが存在し、上述の栁澤氏が率いた(後に北川氏が引き継いだ)コファクターチーム、武山氏が率いたショウジョウバエ解析チームのほか、学外から旧加藤研究室に参画した研究者が率いたノックアウトマウス作製チームがあった。これら関係教員のうち、最初に助教として採用された栁澤氏の初期の論文に不正行為が確認され、その影響を大きく受けた北川氏がその後の多くの不正論文に関与したと考えられる。したがって、今回の不正行為には、栁澤氏と北川氏が極めて大きな影響を及ぼしており、不正行為に関与した者は両氏の指導下にあった者が大半である。事実、北川氏の転出後は不正論文が激減している。また、不正行為に関わった者の多くは、大学院学生の頃から加藤氏が指導してきた者たちで、加藤氏に従順であり、過大な要求や期待に対し、それを拒否するどころか、無理をしても応えるしかないといった意識を持つような環境が存在していたといえる。 (2)ショウジョウバエ解析チームの中核的役割を担っていた武山氏は研究室の最古のメンバーであり、学生の頃から加藤氏の指導を受け、加藤氏とともに本学にて研究室設立に従事し、栁澤氏に次いで助教となった。武山氏は加藤氏の信頼に応えるべく結果を出すことに腐心し、不正行為に関わったと思われる。栁澤氏又は北川氏と関わりの無いノックアウトマウス作製チームのメンバーの中には不正行為を行った者はいない。また、研究者としてある程度自立(キャリアを積んだ)した段階で旧加藤研究室に参加したメンバーも不正行為に関わってはいない。 (3)以上から、不正行為を行ったのは、栁澤氏、北川氏に直接指導を受け、また加藤氏の大きな影響力の下にあったメンバーであることが明らかになる。これに対し、同じ研究室に所属していた他のメンバーには不正行為とは関わりのない者もいる。それゆえ、本件は研究室全体(又はチーム全体)にわたる不正行為であるとまではいえないと判断できる。(最終調査報告4-5ページ) この報告書に拠れば、加藤茂明(元)教授が捏造を部下に指示していたわけではなく、グループリーダー的な役割を担っていた二人が中心になって捏造を主導し、その研究グループに属する学生らがそれに従わざるを得なかった、もしくは上の期待に応えようとして捏造に励んだようです。加藤教授は部下に過大な期待・要求をしてこのような不正を生じさせるような特異な環境を作り出したこと、および不正の露呈を防ごうとしたことに関して責任を問われています。 この調査委員会の決定に関して加藤茂明・元教授は、論文の作製過程で研究員に対して強制的な態度や過度の要求をしたことも、そのような意図を持って発言したこともなく、不正行為が発生する環境を作り上げたとの認定には承服できない、と反論しています(NHKの報道など)。   東大 論文不正に元教授ら11人関与と発表 平成24年1月10日、本学に対し、加藤茂明東京大学分子細胞生物学研究所教授(当時)の主宰する研究室の関係者が発表した論文について、不正行為が存在する旨の申立てがあった。これを受け、本学においては、分子細胞生物学研究所における予備調査を経て、科学研究行動規範委員会において調査・審議を行い、論文の不正行為を認定した。このたび、本事案の調査が終了しその結果をまとめたので、公表する。 記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における 論文不正に関する調査報告( 最終 )」の実施について 日 時:平成26年12月26日(金)9:30~11:00 場 所:東京大学総合図書館3階会議室 出席者: 濱田 純一 東京大学総長 相原 博昭 東京大学理事・副学長(科学研究行動規範担当) 原田  昇 東京大学副学長 科学研究行動規範委員会委員長 鈴木 真二 東京大学広報室長 配付資料一覧(すべてPDFファイル): 1)理事声明 2)分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(最終) 3)分子細胞生物学研究所研究不正再発防止取り組み検証委員会結果報告 4)研究倫理アクションプランに係る取組状況等について 5)東京大学の科学研究における行動規範 …

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東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論

⇒ 東京大学が分子細胞生物学研究所・加藤茂明研究室における 論文不正に関する最終調査報告を発表(2014年12月26日) *残念ながら最終報告では不正を認定された人の数が拡大しています。 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明(元)教授の研究室で生じた極めて大規模な研究不正に関して、東京大学の科学研究行動規範委員会がようやく結論をまとめ2014年8月1日に公表しました。報道によると、当時の研究室内の研究グループのリーダー3人(柳沢純助教授、北川浩史特任講師、武山健一准教授)のうち柳沢助教授および北川特任講師の二人がデータ捏造を主導していました。加藤元教授は、論文撤回を免れようとしてこの3人に指示して、実験ノートを捏造・改竄させており、東京大学はこの4人が研究不正に関与したと認定しています。 参考 分子細胞生物学研究所・旧加藤室における論文不正関する調査報告 (第一次)(PDFリンク)(2014年8月1日 東京大学科学研究行動規範委員会) 東大論文不正:元教授強圧的指導 調査委「懲戒処分相当」(毎日新聞 2014年08月01日):”東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、同大科学研究行動規範委員会は1日、「論文5本について捏造(ねつぞう)や改ざんの不正があった」と認定したうえで、加藤氏が部下に強圧的な態度で不適切な指示や指導を繰り返したことが不正の背景にあったとする調査結果を発表した。加藤氏が論文撤回を回避するため、不正の証拠となる画像や実験ノートの改ざんを部下に指示したことも認定した。…” 研究論文で不正、東大が4人の関与を認定(読売オンライン2014年08月01日):”…加藤元教授については、画像の捏造(ねつぞう)や 改ざんを行った事実は確認できなかったが、研究室内で「強圧的な態度で不適切な指示・指導を日常的に行った」とし、不正行為を大きく促したと認定。論文の 撤回を回避するために実験ノートなどに手を加えるよう指示し、委員会の調査で、虚偽と考えざるを得ない証言をしたという。” 東大元教授が実験ノート捏造指示 (2014年8月1日 スポーツ報知):”…柳沢氏と北川氏は、複数の画像を合成するなど論文の画像の捏造、改ざんに直接関与し、武山氏は実験ノートの捏造、改ざんに協力した。…” 「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正に関する調査(中間報告)」東京大学平成25年12月26日(木)記者会見報道資料  筑波大教授らが研究論文で不正(日本経済新聞2014/3/31 21:06)筑波大は31日、生命環境系の柳沢純教授(50)と村山明子元講師(44)らが発表した3本の論文に不正が見つかったと発表した。柳沢氏は同日付で依願退職したが、筑波大は近く懲戒審査委員会を立ち上げてどう処分するか審議する。柳沢氏らは東京大分子細胞生物学研究所に在職していたときに発表した論文でも改ざんが見つかっている。 本学生命環境系教授及び元講師論文に関する調査結果について(筑波大学研究推進部研究企画課2014/03/31):本学生命環境系柳澤純教授及び村山明子元講師が本学在籍時に発表した論文に,データの不正がある旨の指摘を受け,本学では,調査委員会を設置し調査を行ってきました。その結果,研究不正行為を認定しましたので公表します。 群馬大学生体調節研究所核内情報制御分野ウェブサイト(北川浩史教授) 東大論文不正:北川教授、捏造や改ざん 群大が研究活動精査へ /群馬 毎日新聞 (2014年08月02日):”東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、中核メンバーだった北川浩史(ひろちか)・群馬大教授が論文の捏造(ねつぞう)や改ざんをしていたと認定された。群馬大は1日、調査委員会を設置し、北川教授の研究活動を精査する方針を決めた。…”    

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加藤茂明 元東大教授がフライデー誌に真情を吐露

2014年8月1日の記事も合わせて御覧ください ⇒ 東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論   一体どうすればこんな大規模な研究不正が起こり得るのか?みなが首をかしげる事件ですが、加藤茂明東京大学・分子細胞生物学研究所元教授が論文捏造の真実を「フライデー」9月6日号で語っていました。 「私の管理が甘かったので、研究室の一部のメンバーが暴走してしまった。言い 訳がましいかもしれませんが、私はずっと性善説で生きてきました。部下の一部が論文データを改ざん、ねつ造しているなんて思いも寄らず、チェック機能が まったく働いていませんでした。私自身がアナログ人間なので、画像処理でデータが操作できるなんて想像もできなかった。すべての責任は私にあります。」 「けっして研究室ぐるみで不正をしていたのではない。真面目に研究をしているメンバーが大半だったんです。」 研究室には50人ほどのメンバーがいたが、不正に手を染めていたのはそのうちの一つのグループであり、13人ほどのメンバーだという。 参考 論文ねつ造で辞めた東大教授「福島で(反省)ボランティアの日々」

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加藤茂明研究室から出された51報の「不適切」な論文リスト

2014年8月1日の記事も合わせて御覧ください ⇒ 東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論   科学研究行動規範委員会の調査において、「科学的な適切性を欠いた画像が掲載されていた」とした51報の論文(http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/20131226_04-2_appendix1_jp.pdf)。筆頭著者が異なる捏造論文がこれほど大量に出たということは、たまたま血迷った人がいたということではなく、研究室内での組織的な論文捏造と思われます。 Genes Dev. 2010 Jan 15;24(2):159-70. doi: 10.1101/gad.1857410. Epub 2009 Dec 29. A histone chaperone, DEK, transcriptionally coactivates a nuclear receptor. Sawatsubashi S, Murata T, Lim J, Fujiki R, Ito S, Suzuki E, Tanabe M, Zhao Y, Kimura …

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加藤茂明研究室の論文不正問題に関して東大がようやく中間発報告を公表

2014年8月1日の記事も合わせて御覧ください ⇒ 東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論   加藤茂明研究室の論文不正問題に関して東大がようやく中間発報告を公表しました。不正に関する申立てを東京大学が受けたのが去年の1月10日ということですから、中間報告の公表に至るまでに、実に丸2年もの年月がかかったことになります。東京大学が公式にデータ捏造を認めたという意味は大きいですが、それ以上目新しいことは何もありません。申立てを行った方のウェブサイトに、”捏造の疑い”が誰の目にも明らかな形で詳細に示されていたのですから。   誰がどのような動機でどういう状況下でこのような不正に手を染めたのか、どうしてファーストオーサーが異なる論文でもこのような「捏造工場」が長期間にわたって機能しえたのか、研究室運営の構造上の問題点を明らかにしてほしいところですが、最終的な報告にはまだ時間がかかりそうです。 今後、研究不正の事実認定に基づいて誰にどう責任を問うのか、東京大学の判断が注目されます。 記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における 論文不正に関する調査(中間報告)」の実施について 日 時:平成25年12月26日(木)14:00~15:00 場 所:東京大学医学図書館3階会議室 出席者:大和 裕幸 東京大学理事・副学長(コンプライアンス担当) 科学研究行動規範委員会委員長 秋山 徹 東京大学分子細胞生物学研究所長 吉村 忍 東京大学広報室長 (http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_251226_j.html) 平成24年1月10日、本学に対し、加藤茂明東京大学分子細胞生物学研究所教授(当時)の主宰する研究室の関係者が発表した論文24報について、不 正行為が存在する旨の申立てがあった。 これを受け、本学においては、分子細胞生物学研究所において予備調査を実施するとともに、科学研究行動規範委員会 において調査・審議を行い、今回これまでの調査の経過を取りまとめ、中間報告として公表するものである。今後、同委員会において引き続き調査を行い、最終 的な調査の結果を取りまとめる。 配付資料一覧: 1)記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正に関する調査(中間報告)」の実施について 2)研究倫理をめぐる問題事案について―中間報告の公表に当たって― (総長) 3)分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査(中間報告)の概要 4-1)分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査(中間報告) 4-2)【別添資料1】分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査状況 4-3)【別添資料2】科学的な適切性を欠いた画像データの態様の例 4-4)参考資料 1.高い研究倫理を東京大学の精神風土に(平成25年10月8日 総長) 2.東京大学の科学研究における行動規範 3.東京大学科学研究行動規範委員会規則 (英語版資料[一部抜粋]): ・Summary of the Interim …

加藤茂明元東大教授、研究不正の背景を語る

昨年の春に発覚した、東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授(2012年3月退職)の研究室による前代未聞の大規模な論文データ捏造事件に関して、ようやく東京大学の調査結果が公表されました。毎日新聞の記事によると、加藤研究室が東大在職中に発表した全論文の4分の1にあたる43本の論文が「撤回することが妥当」だと判断されたそうです。東京大学分子細胞生物学研究所加藤茂明グループの論文不正を告発するサイトでは、24本の論文に関してデータ捏造の手口を指摘していましたが、そこで露見したよりももっと大きな規模で論文の捏造が行われていたようです。どうしてこのような組織ぐるみとしか考えられない大規模な不正が起きたのか、誰が先導したのか、なぜ誰も不正を止められなかったのかが一番知りたいところですが、それに関して、ついに、加藤茂明元教授が語りました。毎日新聞のインタビューです。 「私が主導して研究室ぐるみでやったことではない。」 「コンピューターが苦手なので図の作成はメンバーに任せた。」 「(不正を指示したことは)全くない。既に教授になっていたし(不正をする)理由がない。」 と、教授が全く知らないところでデータの捏造が行われていたと説明しています。(参考記事:毎日新聞 2013年07月26日 00時20分)。 東京新聞(2013年7月25日 夕刊)によると、今回東京大学が行った調査の対象となったのは、1996年から2011年の間の加藤元教授が関与した論文165本です。加藤元教授は2004年~2009年の間に約18億円もの公的助成を受けた大型研究プロジェクトを率いていたとのことです。加藤元教授は、 「当方が無能だったため、間違いを犯していた者を見抜けなかった。すべて当方の責任。(研究室には)常時四十人以上が在籍しており、研究グループもいくつか に分かれ、不正は一つのグループに集中していた。悪質な不正を繰り返していた者は少ない。今回問題になっている不正箇所の多くは、図表を良く見せるための お化粧と理解している。」 とコメントしています。 加藤研究室から発表された論文で行われたデータ捏造の手法をJuuichiJigen氏が推察した動画。 東京大学 分生研 不正論文疑惑(コピペ画像掲載の論文捏造疑惑) 今回の東大の報告書は、論文不正を追及しているJuuichiJigen氏の申立てに対しする回答として出されたもののようです。 東大分生研第52号 平成25年7月5日 (申立者)様  国立大学法人東京大学分子細胞生物学研究所所長秋山徹 加藤茂明分子細胞生物学研究所(元)教授に係る論文の不正行為に関する予備調査の結果について(通知) 貴殿より平成24年1月10日付けで申立のあった件については、東京大学科学研究行動規範委員会委員長からの要請を受け、分子細胞生物学研究所で予備調査を実施してきたところです。  この度、別紙のとおり予備調査結果をまとめましたので、東京大学分子細胞生物学研究所における東京大学科学研究行動規範委員会規則第8条に定める予備調査に関する規則第7条第2項に基づき、通知いたします。 JuuichiJigen氏のウェブサイト(http://blog.goo.ne.jp/bnsikato)で、別紙にまとめられた各論文に対する調査委員会の判断の部分が閲覧できます。 対照実験のデータであっても、データを捏造すること自体がそもそも「悪質な」行為なのであって、「悪質な不正を繰り返していた者は少ない」とか、「不正箇所の多くは、図表を良く見せるための お化粧」という加藤元教授の考え方は、論文不正をはびこらせる一因だったのではないかと思われます。 加藤元教授は不正に対する自身の関与を否定して、「既に教授になっていたし(不正をする)理由がない。」と述べていますが。この言葉は裏を返せば、研究社会が熾烈な競争社会であり教授になるためには不正をするくらいのことがあってもおかしくないことを物語っています。正直者が馬鹿をみる世界にならないように、今回のような不正に対しては研究費返還、学位取り消し、解職などを含めた厳正な処分が下されるべきでしょう。捏造したもの勝ちという風潮をはびこらせることになれば、永久に研究不正はなくなりません。 NHKニュースWEB(7月25日 14時18分)によると、加藤茂明教授は、文部科学省など国の機関からおよそ30億円の研究費を受け取っていたということです。人の財布から100円でも盗んだら逮捕されるというのに、国民から30億円受け取って、それで組織ぐるみで論文捏造を続けてきて誰も何の責任を問われないのだとしたらおかしな話です。東京大学大学院で長年にわたってこのような不正が行われてきたということは、東京大学の大学院生たちは長年にわたってこのような不正行為を働くことを強いられてきたはずで、教育機関としてあるまじきことです。研究室という場所は上に逆らったら絶対に生きていけない社会なので、普通の正義感や倫理観を持って入学してきた学生にしてみたらいきなり監獄にぶち込まれたような気持だったのではないでしょうか。教授が知らなかったで済む話ではありません。まともな学生の人生を破壊して、まともでない人間たちを出世させるシステムを作り上げていたということです。先導した中ボスだけの責任でなく、ラボヘッドだけの責任でもなく、研究所や東京大学が責任を取るべきレベルの犯罪的行為と言えるでしょう。 朝日新聞は社説で、 こうした不正は、治療や後続の研究を誤らせかねない。研究によっては多額の税金が投入されている。社会全体に対する背信として、厳しく対処しなければならない。背景には、不正を犯す誘惑が強まっているなか、それを防ぐ仕組みが伴っていないという事情がある。例えば、若手研究者はまず期限のある研究職に就き、任期中にあげた業績によって次の職場を探すことが一般的だ。一流誌に論文を発表することは、安定した職と多額の研究費を得ることにつながる。成果を求める教授や研究リーダーのプレッシャーも大きい。一方、論文は通常、身内の研究グループ内部と学術誌側でチェックされるだけだ。「研究者は不正はしない」という前提から、日本は欧米と違って研究倫理に関する教育も貧弱だ。こうした性善説ではもはや立ち行かないことは明らかだ。米国では90年代に政府に研究公正局をつくり、不正行為を調査、公表している。日本でもこうした機関の設置や、不正を告発できる仕組みの導入を検討すべきではないか。不正にかかわった本人だけでなく、研究の中核となった教授や所属研究機関の責任も厳しく問わねばなるまい。 と、不正を調査する機関の設置を提言しています。   東京大学分子細胞生物学研究所加藤茂明研究室における論文不正問題関連記事 東京大学分子細胞生物学研究所(旧)加藤茂明研究室における論文不正に関与した教員らは懲戒処分(相当) (2017年3月3日) 研究不正が認定された加藤茂明研究室6人の博士号取得者のうち不正の度合いが大きい3人の学位を東京大学が取り消し(2015年3月27日) 東京大学が分子細胞生物学研究所・加藤茂明研究室における 論文不正に関する最終調査報告を発表 (2014年12月26日) 東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論 (2014年8月1日) 2008年12月 …