2014年8月1日の記事も合わせて御覧ください ⇒ 東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論
加藤茂明研究室の論文不正問題に関して東大がようやく中間発報告を公表しました。不正に関する申立てを東京大学が受けたのが去年の1月10日ということですから、中間報告の公表に至るまでに、実に丸2年もの年月がかかったことになります。東京大学が公式にデータ捏造を認めたという意味は大きいですが、それ以上目新しいことは何もありません。申立てを行った方のウェブサイトに、”捏造の疑い”が誰の目にも明らかな形で詳細に示されていたのですから。
誰がどのような動機でどういう状況下でこのような不正に手を染めたのか、どうしてファーストオーサーが異なる論文でもこのような「捏造工場」が長期間にわたって機能しえたのか、研究室運営の構造上の問題点を明らかにしてほしいところですが、最終的な報告にはまだ時間がかかりそうです。
今後、研究不正の事実認定に基づいて誰にどう責任を問うのか、東京大学の判断が注目されます。
記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における
論文不正に関する調査(中間報告)」の実施について
日 時:平成25年12月26日(木)14:00~15:00
場 所:東京大学医学図書館3階会議室
出席者:大和 裕幸 東京大学理事・副学長(コンプライアンス担当)
科学研究行動規範委員会委員長
秋山 徹 東京大学分子細胞生物学研究所長
吉村 忍 東京大学広報室長
(http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_251226_j.html)
平成24年1月10日、本学に対し、加藤茂明東京大学分子細胞生物学研究所教授(当時)の主宰する研究室の関係者が発表した論文24報について、不 正行為が存在する旨の申立てがあった。 これを受け、本学においては、分子細胞生物学研究所において予備調査を実施するとともに、科学研究行動規範委員会 において調査・審議を行い、今回これまでの調査の経過を取りまとめ、中間報告として公表するものである。今後、同委員会において引き続き調査を行い、最終 的な調査の結果を取りまとめる。
配付資料一覧:
1)記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正に関する調査(中間報告)」の実施について
2)研究倫理をめぐる問題事案について―中間報告の公表に当たって― (総長)
3)分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査(中間報告)の概要
4-1)分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査(中間報告)
4-2)【別添資料1】分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査状況
4-3)【別添資料2】科学的な適切性を欠いた画像データの態様の例
4-4)参考資料
1.高い研究倫理を東京大学の精神風土に(平成25年10月8日 総長)
2.東京大学の科学研究における行動規範
3.東京大学科学研究行動規範委員会規則
(英語版資料[一部抜粋]):
・Summary of the Interim Report
・A High Standard of Research Ethics as the Ethos of the University of Tokyo(President’s message)
参考サイト
- 東京大学 分子細胞生物学研究所 加藤茂明グループの論文捏造、研究不正 東京大学 分生研 加藤茂明教授の研究室による類似画像掲載論文について (うっかりミスか?偶然か?研究不正か?)