「 論文投稿 」 一覧

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英文校正業者の選び方と英文校正の利用の仕方

論文を出すことを生業としている研究者にとって、悩ましい問題の一つが、英文校正の業者選びです。価格設定は英文校正の会社によってピンキリですし、高いサービスが必ず良いという保証もありません(実体験)。 「どこかいいとこ知らない?」、「どこ使ってる?」といった会話は研究者の間で日常的ですが、残念ながらココがお勧めといえる会社を自分は知りません。英語を直してくれるのは会社ではなくて、「人」なので、自分の論文原稿を直してくれるったった1人の良い人が見つかる会社がいい会社なのでしょう。 以下、英文校正に関して思うことを書き記します。   そもそも英文校正に出すべきか 日本人の研究者(PI,教授)の中には自分の英語力に絶対的な自信を持っているのか、英文校正のサービスへの信頼がないのか、科学的に内容が良ければ通ると思っているのか、英文校正に出さずに論文投稿してしまう研究者もいます。確かに、レビューアーが非常に好意的だった場合には、レビューアーが英語を直してくるというケースもなくはないです。しかし、それはレビューアーが実は論文著者の友人だったとか、かなり特殊なケースなのではないでしょうか。最初からそれをアテにするのは、論文がリジェクトされる可能性を増やすだけなのでやめたほうが良いと思います。 今までに,英語論文作成などにあたって他者に添削を依頼したことがありますか。 ある 289 ない 30 出典 報告書(アンケート調査)日本の研究者と英語の必要性 平成24年9月28日 PDF   査読者が記入するフォームの中には、その論文原稿の英語がそのまま出版できるレベルか、英文校正(Editing)が必要な状態かを評価するようになっている学術誌も多いので、論文の価値の有無と英文のひどさは、査読の過程で切り分けられているかもしれません。しかし、英語が悪いと言いたいことが伝わらなかったり読者に誤解させることになるので、やはり、「後から直せばいいや」と思わずに、最初の投稿時に英語を完全にしておきたいものです。 英語が悪くても、わざわざ直すほどのことでもない場合、結局だれも直してくれなくて悪文がそのまま出版されることになります。それを後で読み直すとかなり恥ずかしい思いをします。   誰が英文校正をしているのか 英文校正会社の売り文句を見る限り、校正をしてくれる人たちが現役の研究者であったり、引退した研究者であったりするところもあるようです。しかし、自分がこれまでに利用した「業界大手」の会社の場合、あきらかに論文を書いた経験がない、高等教育においては英語が公用語かもしれないが非英語圏の国の学生さん?みたいな人が多かった印象があります。学会のブースに出店していたその会社にこの質問を直接ぶつけてみたことがありますが、そんなことはない、みたいな回答でした。 誰が見てくれるのかわからない大きい会社よりも、一人でやっている小さな会社のほうが、英文校正者の経歴が明らかで良いかもしれません。一度利用してみてもしその人の直しかたが満足できるものであれば、その後も一定の品質が期待できます。大手の場合には、一度やってもらって良かった人を再度指名できる制度があるなら、それを利用すると良いでしょう。   高いサービスが良いとは限らない 単に英語の文法の間違いを直すだけでなく、論文の構成にまで踏み込んだアドバイスをしますという高い料金設定のサービスを提供しているところもあります。自分の数少ない経験では、単に論文の構成がぐちゃぐちゃにされただけで何もいいことがありませんでした。校正者が、何かを直さねばと力んでしまったせいかなと思いました。 論理的な構成をどのようにするかは、やはり研究者としての能力の見せ場であって、それを英文校正の人に委ねるのは(その人が自分よりも優秀な研究者でない限り)賢明だとは思いません。 言語表現能力は、学生か研究者かの違いよりも個人の違いのほうが大きいと思います。ですから、大手の英文校正サービスの会社で仮に学生のバイトが多かったとしても、いい人に当たる可能性はあります。自分は低価格設定のコースを選んで、学会要旨程度の短い英文でいろいろな人を試しておいて、良さげな人がいればその人に論文原稿を頼むという戦略が良いと思いました。   英文校正に何を期待するのか 英文校正をやってくれる人は、研究経験が浅いかあるいはあったとしても分野外の人でしょう。ですから、自分の英語が悪いとそもそも意味を誤解されて、著者の意図とは異なる内容の、正しい英文に直されることがしばしば起こります。ですから、英文校正が施されて戻ってきた原稿は、意味が変わっていないかどうかを注意深くチェックする必要があります。間違っても、そのまま鵜呑みにして投稿してはいけません。 文法や語法の間違いを直してもらえのは当然としても、英文校正を利用する一番の効果は実は、部外者が読んで理解できる英文を自分が書けていたかがわかることではないかと個人的には思っています。 自分の考えを裏付ける内容が、英語校正の「エナゴ」のQ&Aにありました。 校正者が作業するときに最も困難と感じるのは、「筆者の言いたいことが分からず、意図を推測するしかない」ときだそうです。弊社で実施した校正者に対するアンケート調査において、71名の校正者のうち87%がその点を「最も困難」と回答しました。つまり、お客様の言いたいことが校正者に伝わらないケースは、常に起こる危険があるということです。(Q 日本語ネイティブの翻訳者が関わらずに、どうして内容を理解し校正が可能なのか? よくあるご質問(FAQ) 英文校正・校閲エナゴ)*太字強調は当サイト   サービスの使いやすさ 完全を求めないのであれば、英文校正サービスの利用のしやすさも重要なポイントです。自分は大手を使うことが多いのですが、文字数から料金が直ちにわかって、日数が選べて(速いほど高価)、これまでの校正記録が保存できて、土日祝日無関係で、原稿の送付が簡単でといった利便性も重要だと思いました。特に、締め切りがあるものの英文校正を頼む場合には、迅速さと確実性は大きなポイントです。   関連記事 科学英語論文の英文校正サービスを行う会社一覧   参考 報告書(アンケート調査)日本の研究者と英語の必要性:日本の高等教育研究機関における英語サポートプログラム構築のために(平成24年9月28日 﨑村耕二 深田智 河野亘 PDF)  

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医学系の学術雑誌インパクトファクター 2018ランキング

生命科学全般はコチラ ⇒ インパクト・ファクター(IF)2017学術誌ランキング(2018年発表)   基礎医学および臨床医学の主要な学術誌のインパクトファクターを纏めます。 臨床医学・基礎医学総合誌 NEJM (New England Journal of Medicine) ニューイングランドジャーナルオブメディシン IF=79.258 (bioxbio.com) “Our mission is to bring physicians the best research and information at the intersection of biomedical science and clinical practice” (About)  THE LANCET (ランセット) IF=53.254 (bioxbio.com) JAMA (The Journal …

論文を出す力 リジェクトの受け止めかた

  2017/02/26    研究力強化, 論文投稿

研究者には論文を書く能力が必要ですが、それだけでなく、論文を世に出す(=アクセプトに漕ぎ着ける)力も必要です。両者は重なる部分もありますが、質的に全く異なります。論文を書くうえで重要なのは知性ですが、論文を出すときに重要なのはリジェクトされたときの落胆、怒り、失望、疑念などの感情をコントロールする力、揺るぎない信念、状況を見極める客観性や判断力です。 リジェクトに対する心構えが出来ているだけで、受けるダメージ及び回復力が変わってくると思いますので、これから論文を出す人の参考になりそうな記事を紹介しようと思い立ちました。また、結果だけを見ると、みんな順調に論文を通しているように思えるかもしれませんが、実際には、他人には想像がつかないような苦労の末になんとかアクセプトまで漕ぎ着けたという場合がほとんどです。そんな論文出版の苦労を分かち合える記事を、以下に紹介します。 折れない心 何年もかけてやってきたプロジェクトの成果が、辛辣なコメントともにリジェクトとなった場合は、自分の研究者としての能力を否定された気分になり、相当なダメージを受けるが、折れないタフな心をもってアクセプトになるまで戦い続けるしかない。 … 散々追加実験を頑張った上での再投稿にも関わらず、やはりリジェクトとなった場合は時間的にも精神的にも相当ダメージは大きく、また半年〜1年前にもどって別のジャーナルにいちから投稿し直しとなる、、、 (有名ジャーナルに論文が掲載される意義 IMAYOSHI LAB 2013年11月22日) 最近、友人の一人の論文が、Natureにacceptされたのですが、それが実にすさまじい闘いだったのです。彼が最初の論文を書き上げたのが、3年ほど前。まず、Natureに送りました。Editorial kickにはならず、レビューに回りましたが(トップジャーナルでは、レビューに回るだけでも凄いのです)、rejectされました。レビューアーからのコメントがあったため、追加実験を行って全てのコメントに答えた上で再投稿した。しかし、結果はやはりreject。そこで、彼はScienceに投稿しました。Scienceでもレビューに回りましたがreject。これだけでも凄すぎるのに、これからが彼の凄いところでした。Scienceで得たコメントで指摘された点を改善し、なんと再びNatureへ投稿。再びレビューに回るも、reject。再実験を重ねた上、レビューアーのコメントに答えて、Editorへ抗議。その後、結局、acceptされたのです。(Never give up! Alltid Leende April 22nd, 2013) まず青い方からこの表をみる。サイエンスの689というのは、最初の投稿先がサイエンスでそのままサイエンスに採用された論文が689報あるということである。サイエンスに蹴られてnatureに採用されたのが82報あるということ。しかしcell誌にはサイエンスリジェクト論文は一つも載らなかった(natureリジェクト論文も載っていない)。(サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載る・・・ がんの分子腫瘍学・遺伝学 2012年10月22日)   批判を受け止める力 Coping with publication rejection is a key skill for any academic. It can require emotional fortitude, an ability to profit …

研究者のための”10個のシンプルな原則”集

Ten Simple Rules(10のシンプルな原則)は、プロの研究者を目指す人が遭遇する数々のチャレンジを乗り越えるためのコツを教えるガイド集です。PLOS Computational Biology誌のヒット企画。 博士号をとるために 研究者になるためには、大学院を受験して研究室に所属し、数年間、研究のトレーニングを受けることになります。指導教官とは師弟関係としての付き合いが一生続くことになるので、研究室選び、指導教官選びは親を選ぶのと同じくらいに重要です。研究者としての運命を決定付けてしまうラボ選びで失敗しない方法は?理想的な大学院生のあり方は? Ten Simple Rules for Graduate Students 「大学院生のための10個のシンプルな原則」 Ten Simple Rules for Finishing Your PhD 「学位取得のための10個のシンプルな原則」 学会発表に必要なスキル 研究者にとって、発表能力を磨くことはとても大切。良いポスターの作り方や学会での口演をうまくこなすコツは? Ten Simple Rules for a Good Poster Presentation 「ポスター発表を成功させるための10個のシンプルな原則」 Ten Simple Rules for Making Good Oral Presentations 「学会発表を成功させるための10個のシンプルな原則」 論文の書き方と通し方 論文はどうやって書けばいいのでしょうか?研究者として生きていくための最重要スキルにもかかわらず、誰もちゃんと教えてくれないという落とし穴にはまらないように。 …

論文を出すための10個のシンプルな原則

あなたがこの世を去って長い年月が経ったとき、あなたの科学的遺産は、主として、あなたがこの世に書き残した論文とそれらの論文が放つインパクトです。(When you are long gone, your scientific legacy is, in large part, the literature you left behind and the impact it represents.) - フィリップ・E・ボーン データを取り終え、論文を書き上げ、学術雑誌に投稿してアクセプト(受理)されてようやく仕事が一つ完結します。しかし、投稿してすぐアクセプトされることなど滅多になく、多くの場合最初にリジェクト(却下)を食らいます。何年間も心血を注いだ仕事が却下されれば、誰でもへこむもの。そこからアクセプトに持っていくところで、研究者としての力量やタフさが問われます。 では、この「論文を出す力」はどうすれば身につくのでしょうか? 若い研究者向けに行われた講演の内容に加筆してまとめた、「論文を出すためのシンプルな10原則」という記事が、以前、PLoS Computational Biology誌に掲載されました。一番大事なことは、自分の仕事をどれだけ客観的に見ることができるか。その記事Bourne PE (2005) Ten Simple Rules for Getting Published. PLoS Comput Biol 1(5): e57. …

Silvia博士 生活を犠牲にしない論文量産術

  2015/05/20    出版, 研究力強化, 論文投稿

「できる研究者の論文生産術 どうすれば『たくさん』書けるのか」の著者ポール.J・シルヴィア氏が2012年4月27日に行った講演の動画があります。しかしこの講演ではとりとめもなく延々とフリートークが続くので、ポイントを掴むには彼の著書を読むほうが早いです。 たくさんの論文が書けるのは生まれつきの才能ではなくスキルです。だから、そのやり方を学ぶことができます。(前書きより) この本には非常に実践的な教えが書かれています。原稿が書きかけのままで憂鬱な気分になっている教授から出てくる典型的な言い訳が、「書く時間が見つからない」というものです。しかし、講義の時間がみつからないと言い訳する教授はいません。予定された授業の時間がきたら、授業をするしかないからです。論文を書くのも全く同じで、何曜日の何時から何時までは論文を執筆する時間と決めて、その時間には他の予定は一切入れずに論文の執筆に専念するということを習慣化しなさいと説いています。科学者はプロのライターなのですから、講義の時間に必ず講義をするのと同様、書くと決めた時間に必ず書きなさいとシルヴィアさんは言います。 ちなみにポール・シルヴィアさんが自分で決めた執筆の時間帯は、平日の朝8時から10時までだそうです。朝起きたら、着替えもせずシャワーも浴びず、Eメールのチェックもせず、珈琲を淹れてすぐに机に向かうとのこと。 論文を書けない理由は実はまだまだあります。現実的なところでは、書く前にデータの解析をしなければいけないとか、論文を書き始める前に参考文献を読まなければいけない、などなど。しかし、大丈夫です。シルヴィアさんは、これらもみな「ライティング」とみなします。論文の書き方の本を読むことまでも「ライティング」に含めます。これでもう書かない理由はほとんど潰されてしまいました。 論文を書く環境が悪い、椅子の座り心地が良くない、机が悪いと言って悪あがきする人がいるかもしれません。そういう人達のために、シルヴィアさんはこの本の執筆に使った机と椅子の写真を見せています。インターネットがつながらない部屋、引き出しもない机、質素な椅子。ウインドウズOSすら載っていないPC,DOS上で動くワープロソフト。書くためにはそれで十分だったとシルヴィアさんは言います。 それでもまだ、書く気が起こらない、インスピレーションが湧いてこない、どうしても書けない(Writer’s block)という人がいます。そんな人たちへの最も効果的な処方箋がまさに「決めた時間に書くことの習慣化」なのです。 論文をたくさん書かなければいけない研究者のためのライフハックツールとでも言うべき本。 How to Write a Lot – Paul J Sylvia (http://exordio.qfb.umich.mx/archivos%20pdf%20de%20trabajo%20umsnh/Leer%20escribir%20PDF%202014/Escritura%202014/How%20to%20Write%20a%20Lot%20-%20Paul%20J%20Sylvia.pdf)(73ページPDFへのリンク) Paul Silvia, PhD – How to Publish a Lot and Still Have a Life Pt 1 (1時間1分31秒) Paul Silvia, PhD …