「 論文投稿 」 一覧

論文を出す力 ~ リジェクトの受け止めかた

  2017/02/26    研究力強化, 論文投稿

研究者には論文を書く能力が必要ですが、それだけでなく、論文を世に出す(=アクセプトに漕ぎ着ける)力も必要です。両者は重なる部分もありますが、質的に全く異なります。論文を書くうえで重要なのは知性ですが、論文を出すときに重要なのはリジェクトされたときの落胆、怒り、失望、疑念などの感情をコントロールする力、揺るぎない信念、状況を見極める客観性や判断力です。 リジェクトに対する心構えが出来ているだけで、受けるダメージ及び回復力が変わってくると思いますので、これから論文を出す人の参考になりそうな記事を紹介しようと思い立ちました。また、結果だけを見ると、みんな順調に論文を通しているように思えるかもしれませんが、実際には、他人には想像がつかないような苦労の末になんとかアクセプトまで漕ぎ着けたという場合がほとんどです。そんな論文出版の苦労を分かち合える記事を、以下に紹介します。 折れない心 何年もかけてやってきたプロジェクトの成果が、辛辣なコメントともにリジェクトとなった場合は、自分の研究者としての能力を否定された気分になり、相当なダメージを受けるが、折れないタフな心をもってアクセプトになるまで戦い続けるしかない。 … 散々追加実験を頑張った上での再投稿にも関わらず、やはりリジェクトとなった場合は時間的にも精神的にも相当ダメージは大きく、また半年〜1年前にもどって別のジャーナルにいちから投稿し直しとなる、、、 (有名ジャーナルに論文が掲載される意義 IMAYOSHI LAB 2013年11月22日) 最近、友人の一人の論文が、Natureにacceptされたのですが、それが実にすさまじい闘いだったのです。彼が最初の論文を書き上げたのが、3年ほど前。まず、Natureに送りました。Editorial kickにはならず、レビューに回りましたが(トップジャーナルでは、レビューに回るだけでも凄いのです)、rejectされました。レビューアーからのコメントがあったため、追加実験を行って全てのコメントに答えた上で再投稿した。しかし、結果はやはりreject。そこで、彼はScienceに投稿しました。Scienceでもレビューに回りましたがreject。これだけでも凄すぎるのに、これからが彼の凄いところでした。Scienceで得たコメントで指摘された点を改善し、なんと再びNatureへ投稿。再びレビューに回るも、reject。再実験を重ねた上、レビューアーのコメントに答えて、Editorへ抗議。その後、結局、acceptされたのです。(Never give up! Alltid Leende April 22nd, 2013) まず青い方からこの表をみる。サイエンスの689というのは、最初の投稿先がサイエンスでそのままサイエンスに採用された論文が689報あるということである。サイエンスに蹴られてnatureに採用されたのが82報あるということ。しかしcell誌にはサイエンスリジェクト論文は一つも載らなかった(natureリジェクト論文も載っていない)。(サイエンスに蹴られた論文がネイチャーに載る・・・ がんの分子腫瘍学・遺伝学 2012年10月22日)   批判を受け止める力 Coping with publication rejection is a key skill for any academic. It can require emotional fortitude, an ability to profit …

研究者のための「10個のシンプルな原則」集

Ten Simple Rules(10のシンプルな原則)は、プロの研究者を目指す人が遭遇する数々のチャレンジを乗り越えるためのコツを教えるガイド集です。PLOS Computational Biology誌のヒット企画。 博士号をとるために 研究者になるためには、大学院を受験して研究室に所属し、数年間、研究のトレーニングを受けることになります。指導教官とは師弟関係としての付き合いが一生続くことになるので、研究室選び、指導教官選びは親を選ぶのと同じくらいに重要です。研究者としての運命を決定付けてしまうラボ選びで失敗しない方法は?理想的な大学院生のあり方は? Ten Simple Rules for Graduate Students 「大学院生のための10個のシンプルな原則」 Ten Simple Rules for Finishing Your PhD 「学位取得のための10個のシンプルな原則」 学会発表に必要なスキル 研究者にとって、発表能力を磨くことはとても大切。良いポスターの作り方や学会での口演をうまくこなすコツは? Ten Simple Rules for a Good Poster Presentation 「ポスター発表を成功させるための10個のシンプルな原則」 Ten Simple Rules for Making Good Oral Presentations 「学会発表を成功させるための10個のシンプルな原則」 論文の書き方と通し方 論文はどうやって書けばいいのでしょうか?研究者として生きていくための最重要スキルにもかかわらず、誰もちゃんと教えてくれないという落とし穴にはまらないように。 …

論文を出すための10個のシンプルな原則

あなたがこの世を去って長い年月が経ったとき、あなたの科学的遺産は、主として、あなたがこの世に書き残した論文とそれらの論文が放つインパクトです。(When you are long gone, your scientific legacy is, in large part, the literature you left behind and the impact it represents.) - フィリップ・E・ボーン データを取り終え、論文を書き上げ、学術雑誌に投稿してアクセプト(受理)されてようやく仕事が一つ完結します。しかし、投稿してすぐアクセプトされることなど滅多になく、多くの場合最初にリジェクト(却下)を食らいます。何年間も心血を注いだ仕事が却下されれば、誰でもへこむもの。そこからアクセプトに持っていくところで、研究者としての力量やタフさが問われます。 では、この「論文を出す力」はどうすれば身につくのでしょうか? 若い研究者向けに行われた講演の内容に加筆してまとめた、「論文を出すためのシンプルな10原則」という記事が、以前、PLoS Computational Biology誌に掲載されました。一番大事なことは、自分の仕事をどれだけ客観的に見ることができるか。その記事Bourne PE (2005) Ten Simple Rules for Getting Published. PLoS Comput Biol 1(5): e57. …

Silvia博士の、生活を犠牲にしない論文量産術

  2015/05/20    出版, 研究力強化, 論文投稿

「できる研究者の論文生産術 どうすれば『たくさん』書けるのか」の著者ポール.J・シルヴィア氏が2012年4月27日に行った講演の動画があります。しかしこの講演ではとりとめもなく延々とフリートークが続くので、ポイントを掴むには彼の著書を読むほうが早いです。 たくさんの論文が書けるのは生まれつきの才能ではなくスキルです。だから、そのやり方を学ぶことができます。(前書きより) この本には非常に実践的な教えが書かれています。原稿が書きかけのままで憂鬱な気分になっている教授から出てくる典型的な言い訳が、「書く時間が見つからない」というものです。しかし、講義の時間がみつからないと言い訳する教授はいません。予定された授業の時間がきたら、授業をするしかないからです。論文を書くのも全く同じで、何曜日の何時から何時までは論文を執筆する時間と決めて、その時間には他の予定は一切入れずに論文の執筆に専念するということを習慣化しなさいと説いています。科学者はプロのライターなのですから、講義の時間に必ず講義をするのと同様、書くと決めた時間に必ず書きなさいとシルヴィアさんは言います。 ちなみにポール・シルヴィアさんが自分で決めた執筆の時間帯は、平日の朝8時から10時までだそうです。朝起きたら、着替えもせずシャワーも浴びず、Eメールのチェックもせず、珈琲を淹れてすぐに机に向かうとのこと。 論文を書けない理由は実はまだまだあります。現実的なところでは、書く前にデータの解析をしなければいけないとか、論文を書き始める前に参考文献を読まなければいけない、などなど。しかし、大丈夫です。シルヴィアさんは、これらもみな「ライティング」とみなします。論文の書き方の本を読むことまでも「ライティング」に含めます。これでもう書かない理由はほとんど潰されてしまいました。 論文を書く環境が悪い、椅子の座り心地が良くない、机が悪いと言って悪あがきする人がいるかもしれません。そういう人達のために、シルヴィアさんはこの本の執筆に使った机と椅子の写真を見せています。インターネットがつながらない部屋、引き出しもない机、質素な椅子。ウインドウズOSすら載っていないPC,DOS上で動くワープロソフト。書くためにはそれで十分だったとシルヴィアさんは言います。 それでもまだ、書く気が起こらない、インスピレーションが湧いてこない、どうしても書けない(Writer’s block)という人がいます。そんな人たちへの最も効果的な処方箋がまさに「決めた時間に書くことの習慣化」なのです。 論文をたくさん書かなければいけない研究者のためのライフハックツールとでも言うべき本。 How to Write a Lot – Paul J Sylvia (http://exordio.qfb.umich.mx/archivos%20pdf%20de%20trabajo%20umsnh/Leer%20escribir%20PDF%202014/Escritura%202014/How%20to%20Write%20a%20Lot%20-%20Paul%20J%20Sylvia.pdf)(73ページPDFへのリンク) Paul Silvia, PhD – How to Publish a Lot and Still Have a Life Pt 1 (1時間1分31秒) Paul Silvia, PhD …