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早稲田大学理工学部におけるコピペ教育

早稲田大学出身の小保方博士らの論文で画像データや本文の中に、他の論文からのコピーアンドペーストが数多く見つかったことは大きな驚きでした。しかも、そのような事実が露呈した時の小保方・理研研究ユニットリーダーのセリフが、「こんなことで研究そのものまで疑われるのは悔しい」というものでしたのでさらにびっくりしました。しかし、これは驚くべきことではないという驚くべき告白がはてな匿名ダイアリーに投稿されています。

これを読むと小保方晴子博士のSTAP細胞作製NATURE論文捏造事件は早稲田大学の杜撰な教育システムが遠因であるという見方もできそうです。一部を抜粋して紹介すると、

… 早稲田の理工に入ると、1年生の実験が始まる。週1回の実験で、レポートや試問が課され、それをまとめる必要がある。また、2年生になると学科別の専門的な実験が始まり、レポートの量も増え、求められるものも増える。レポートはダメなところがあると再提出になる。ひとつでもレポートが提出期限を守れていないと即留年である。規則は厳しい。

そこで、そのとてつもない量のレポートを量産するため、学生たちは必死にコピペを行う。先輩たちから大量に受け継がれてきた「過去レポ」をもらい、それを切り貼りして組み合わせるのである。切り貼りする手間がないときは、一字一句同じレポートが作られる。写経である。…

教授陣はコピペを容認している。学生がコピペを多用するのを知っていているため、私のいたときはレポートはすべて手書きでないと認められなかった。つまり、こういうことだ。どうせ殆どの学生はコピペをするのだから、それをパソコン上でやっては何も身につかないので、せめてコピペをして書いて覚えさせよう、と。実際に何人かの先生たちはそれを公に口にしていた。写経ならまだ意味があると。…

先ほどの1年生や2年生のレポートも、教授が見るには多すぎるので、ほとんどは修士課程の学生が採点を行う。そのため、かつて自分たちが行ってきたコピペを批判するケースはない。コピペでも必ずレポートは通過する。

1年生,2年生,3年生と学年が上がるにつれてひたすらコピペを繰り返してきた学生は、卒業論文でもひたすらコピペを行って卒業する。…ほとんどの人は先輩の修論や卒論をコピペする。…

そうやってコピペされてできあがった卒論や修論は、教授には見てもらえない。できあがった卒論や修論を一番読むのは、それをコピペする次の学生である。そして、一番の問題は、こうやって育っていった学生は、こう思うことだ。「レポートとは、コピペをすることであり、それは普通の方法である」と。学生にとって論文を書くこととコピペは表裏一体なのだ。博士課程にいったからといって、それがいきなり変わるかというと難しいと思う。

このように、早稲田の理系はコピペで成り立っているといっても過言ではない。そのため、今回話題になっていることも、早稲田出身から言わせれば、なんら違和感はないのではないだろうか。

この匿名の投稿記事の内容が真実であれば、今回の論文データ捏造事件には「悪意はなかった」と言えるかもしれません。しかし、悪意のない間違いは不正とはみなさないという理化学研究所の規則を拡大解釈するのはやはりおかしいでしょう。悪意があろうがなかろうが、無知のせいであろうが、意図的なデータ操作は研究不正そのものです。

ちなみに私立大学にも税金が投入されており、平成24年度の私立大学等経常費補助金(日本私立学校振興・共済事業団ウェブサイトPDFリンク)を見ると早稲田大学の場合、95億2828万8千円という数字です。早稲田大学がこのような教育をよしとしているのであれば、税金を使うべきではありません。

小保方氏はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対して問題となっている博士論文は「下書き」であるなどと荒唐無稽な言い訳をしていたことが3月14日に明らかになりましたが、15日の報道によれば一転して、博士論文を自ら取り下げる決意をしたようです。

参考

  1. 早稲田大学の理工系におけるコピペ文化について(はてな匿名ダイアリー)
  2. 早稲田大学の博士論文のコピペ発覚リスト  (2014年3月21日 計21名 ):常田聡 研究室, 西出宏之 研究室, 武岡真司 研究室, 逢坂哲彌 研究室, 平田彰 研究室, 黒田一幸 研究室
  3. 科学研究上の不正行為の防止等に関する規程(平成24年9月13日規程第61号)(PDFリンク)第2条2 この規程において「研究不正」とは、研究者等が研究活動を行う場合における次の各号に掲げる行為をいう。ただし、悪意のない間違いおよび意見の相違は含まないものとする。(1)捏造 データや研究結果を作り上げ、これを記録または報告すること。(2)改ざん 研究資料、試料、機器、過程に操作を加え、データや研究結果の変更や省略により、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。(3)盗用 他人の考え、作業内容、研究結果や文章を、適切な引用表記をせずに使用すること。
  4. 小保方さん論文コピペ問題 「早稲田の理系はコピペで成り立っている」はてな匿名ダイアリーの記事が話題に(ガジェット通信2014.03.15 09:30)
  5. いけないという認識なし…画像加工で小保方さん(読売新聞2014年3月14日23時44分):理化学研究所調査委員会の石井俊輔委員長らによると、小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)はこれまで、2月20日、同28日、3月1日の計3回、聞き取り調査に応じた。遺伝子解析の画像の加工については「やってはいけないという認識はなかった。申し訳ありません」と謝罪したという。
  6. 小保方さん、博士論文撤回を早大に申し出 (ニッカンスポーツ2014年3月15日11時12分):新たな万能細胞「STAP細胞」の論文を発表した理化学研究所(理研)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が、早稲田大時代に博士号を得るために提出した3年前の博士論文を取り下げる意向があることが14日、大学関係者への取材で分かった。
  7. 「下書きで使った物が残っている」―小保方氏、博士論文巡る疑惑で (ウォール・ストリート・ジャーナル2014年 3月 14日 13:44 JST):小保方氏は14日朝にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)宛てに電子メールを送り、2011年に博士号を取るため早稲田大学に提出した博士論文の無断引用疑惑について回答した。…小保方氏は電子メールで「現在、マスコミに流れている博士論文は審査に合格したものではなく下書き段階の物が製本され残ってしまっている」と説明。さらに、下書き段階で参考のために転載した文章や図表が引用も訂正もなく、そのまま残っていると述べた。大学側には、小保方氏が下書きだとしているこの論文の撤回を要請したという。早稲田大学の広報担当者は、そのような要請は認識しておらず、別版の博士論文についても知らないと述べた。
  8. 早稲田大学の理工系の非コピペ文化について/電気・情報生命工学科の学生から
  9. 小保方氏「博士論文」、早大が本格調査へ (TBS NEWS 最終更新:2014年3月26日(水) 12時9分):新たな万能細胞として「STAP細胞」を発表した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、3年前に早稲田大学に提出した博士論文について、早稲田大学は近く、本格的な調査委員会を設置することを決めました。

理研CDBのPIらが声明を発表

疑惑のSTAP細胞のNATURE論文を発表した小保方博士らは理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)の所属ですが、理研CDBへの信頼が著しく損なわれてしまった現在の状況を憂慮した他のPI(Principal investigators;研究室主宰者)らが声明を発表しました。

2014年3月14日
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターの研究室主宰者による声明
今回 Nature誌に掲載されたSTAP論文に関連して生じている様々な問題に対し、下記に名を連ねる者は、同じ理研CDBの研究室主宰者として大変深刻に受 け止め、憂慮しております。わたしたちは同じ研究者として科学の公正性を回復、担保するためのあらゆる努力を払う所存です。また、理化学研究所における研 究活動が社会の信頼無くしては成り立たないことを十分に自覚しております。我々は、社会及び研究者コミュニティーに対して最大限誠実な行動を取ることをお 約束すると共に、高い規範の下に研究活動に励み、その成果を社会に還元すべく不断の努力を続けることをここに表明いたします。
戎家美紀
永樂元次
榎本秀樹
藤原裕展
古田泰秀
花嶋かりな
平谷伊智朗
今井猛
猪股秀彦
北島智也
清成寛
清末優子
倉永英里奈
Raj Ladher
森本充
森下喜弘
西村隆史
Guojun Sheng
柴田達夫
高橋政代
上田泰己
Yu-Chiun Wang

http://www.cdb.riken.jp/jp/index_stap_140314.html

理研がSTAP論文不正に関する中間報告

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)の小保方晴子研究ユニットリーダーらがNATURE誌に発表したSTAP細胞の論文に疑義が生じている問題ですが、理化学研究所が設置した調査委員会(委員長:石井俊輔理研上席研究員)らは2014年3月14日の午後に東京都内で記者会見し、中間報告を発表する予定です。

論文不正を理化学研究所が公式に認めるのかどうか、認めた場合責任の所在をどこまで認定するのか、興味が持たれます。論文に不正があったことはインターネット上で十分な証拠が呈示されており疑問の余地はないでしょう。筆頭著者である小保方氏の責任が重大であるのは当然としても、不正行為をある時点で知っていたにも関わらずその後隠蔽工作とも受け取れる行動を取っていた他の著者らの責任をどこまで問うのかが注目されます。

失墜した理研の信用を回復するためには、責任の所在を明らかにし万人が納得するような事後処理をすることです。

  1. 論文不正の認定焦点=理研、14日に中間報告-「STAP細胞」真偽は別問題(時事ドットコム 2014/03/13-17:40)

ハーバード大学バカンティ教授「論文を取り下げる理由はない。」

決定的なデータ捏造の証拠がインターネット上に呈示されて、STAP細胞のNATURE論文は取り下げの方向に動きだしました。しかし共著者のハーバード大学のバカンティ教授はバカンティ教授は論文を取り下げるつもりはないとアメリカの記者の取材に応じて答えました。また、これまで沈黙を守り続けている小保方博士とも3月10日に話をしたそうで、小保方博士もバカンティ教授と同じ考えなのだそうです。

参考

  1. Co-Author of Stem-Cell Paper Asks for Retraction(WSJ)

STAP細胞NATURE論文を取り下げへ「何より私自身、真実が知りたい」

STAP細胞に関するNATURE論文の共著者の一人、山梨大学教授若山博士は、研究データに重大な問題が見つかった結果、STAP細胞が存在するという確信がなくなったとして、他の共著者に論文取り下げを呼びかけたことを2014年3月10日のNHKのインタビューで明らかにしました。若山教授は、自分が担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった、と述べています。

また、若山教授は山梨大学のウェブサイト上でも声明を発表しました。

STAP細胞の論文の問題について 2014年3月10日      
関係各位
山梨大学生命環境学部生命工学科      
 教   授  若山 照 彦      
STAP細胞の論文の問題について
   今年1月30日にNature誌に発表したSTAP細胞に関する論文について、現在、多くの問題が指摘されております。私が担当した部分(共著者より提供された細胞からのキメラマウスの作製、及び幹細胞の樹立)については、自信を持って適正に実験がなされたと言い切れますし、共著者の結果についても信頼してきました。
   しかし本論文に関して様々な疑問点が指摘されている今日、私はSTAP細胞について科学的真実を知りたいと考えております。そこで私は、先に共著者より提供され、キメラマウスの作製実験に用いたSTAP幹細胞を所有していますので、この細胞を公的第三者研究機関に提供し、詳細な生化学的分析を依頼する事を決断しました。

   分析結果は速やかに公表致します。

http://www.yamanashi.ac.jp/modules/information/index.php?page=article&storyid=768

理化学研究所は平成17年に「科学研究における不正行為とその防止に関する声明」を出しており、その中で「研究論文の著者は、その論文の正しさを客観的にいつでも誰にでも説明する責任がある。」と述べています。若山教授はこのSTAP論文の著者の中ではただ一人、マスコミの取材に答えて持ち上がった疑義に関しても自分の考えを説明してきました。今回の声明の内容も合わせて考えると、これまでの言動は首尾一貫しており、少なくとも論文著者として一定の説明責任は果たしています。

参考

  1. STAP細胞 確信なくなった(NHK NEWSWEB 3月10日 19時06分)
  2. STAP細胞の論文の問題について (山梨大学 2014年3月10日)

産経ニュースが「小保方博士がSTAP細胞作製の再現に成功」と報道

産経ニュースが、NATURE論文発表後としては初めて小保方博士がSTAP細胞作製の再現に成功したと報じています。理化学研究所は2014年3月5日に「STAP細胞作製に関する実験手技解説の発表について」という声明をウェブサイト上で発表していますが、小保方博士がSTAP細胞作製の再現に成功したという記述は見当たりません。

STAP細胞 小保方さん、再現実験に成功 論文発表後初めて
2014.3.6 08:59 [先端技術]
理研は5日、小保方晴子研究ユニットリーダーが1月末の論文発表後、初めてSTAP細胞の再現実験に成功したことを明らかにした。実験の客観的な証明には第三者による再現が必要だが、成果の正しさを一定程度裏付けた形だ。

理研によると、小保方氏は理研発生・再生科学総合研究センターで先月、再現実験を開始。論文通りの手法でマウスの体細胞を弱酸性溶液で刺激し、あらゆる細胞に分化できるSTAP細胞を作製することに成功した。細かい実験手順も含め同センターとして正しさを再確認したとしている。
(http://sankei.jp.msn.com/science/news/140306/scn14030609000001-n1.htm)

日本報道検証機構@Watchdog_Japan 2 時間

【調査結果】産経新聞3月6日付朝刊31面(電子版:http://sankei.jp.msn.com/science/news/140306/scn14030609000001-n1.htm …)が、理研発生・再生科学総合研究センターがSTAP細胞の再現実験に論文発表後初めて成功したと報道。他紙が報じていないことから調査した結果、理研広報室より事実であるとの回答を得ました。

 

何の証拠も示さずにSTAP細胞作製の再現に成功したと言ったところで、一体誰が信じるのでしょうか?

理研は今後の規範となるような適切な対応を!

研究不正を疑われている人たちが自らを調査をして、研究不正の疑いを晴らすことは可能でしょうか?

もしも研究不正の事実が一切なければ、それは可能でしょう。実験ノートや生データ、サンプルをすべて公開し、論文で示された実験結果が確かに実際に行われていたことを証明すればよいからです。しかし、もし不正が本当に行われていたのだとしたら、自分で自分の不正を調査、検証できるはずがありません。保身に走るのが人間の自然な行動だからです。組織なら、自らの組織を守るように行動します。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)の最有力メンバーが今回のNATURE論文の責任著者であるため、今回の事件でもし研究不正があったとしたら理研CDBが総力を挙げて組織を守る方向に動くことは自明です。

何の証拠も示さずに小保方博士が実験結果の再現に成功したと言ったりNATURE論文の主張を変更するようなプロトコールを後出ししてみせたりするのは、理研CDBに公正な調査を期待していいのかどうか不安にさせるような行為です。

外部の人間を交えた調査委員会を立ち上げたといっても、有力メンバーの知り合いだとしたら無意味です。理研CDBが調査委員会を設置するのではなく、理研CDBを監督する権限のある機関が理研CDBのメンバーを外した調査委員会を立ち上げて、理研CDBそのものを調査対象とするべきでしょう。実験ノートに記録がないのに論文の図が出来上がってくることは、あり得ません。「実験ノートが提出できない=実験していない」とみなすべきです。

日本分子生物学会は、STAP細胞に関する論文疑惑に関して、理化学研究所が迅速な対応をするよう促す声明文を出しました。

2014 年3 月3 日理事長声明『STAP 細胞論文等への対応について』特定非営利活動法人 日本分子生物学会理事長 大隅 典子

本年1月に理化学研究所からNature 誌に発表されたSTAP 細胞樹立にかかわる論文2報の著者には、本学会員が含まれますが、これらの論文および第一著者の以前の論文に関する生データ(画像)の取扱いや実験方法記述について、各種報道やWEB 上において多くの問題点が指摘されていることを、本学会としては大変憂慮しています。日本の科学をリードする研究機関の一つである理化学研究所が、可能な限り迅速に状況の正確な報告について公表されるとともに、今後の規範となるような適切な対応を取って下さることを本学会は期待します。(PDF link)

参考ウェブサイト

  1. kahoの日記: STAP細胞の非実在について#2 私は件の論文に直接関わる立場ではないのですが,研究所の外から見れば「中の人」になります.…科学的な事実を争う立場としては私は間違っていないという自信がありますが,政治的に勝利できるかどうかは全く分かりません.
  2. kahoの日記: STAP細胞の非実在について#3 残念ながら政治的には勝てそうにありません.
    しかしここを読んだ人に誤解していただきたくないのは,私が孤独な戦いをしているというわけではないということです.むしろ話をした方々は全て私に賛同し応援してもらっており,数の上では私の方が圧倒的なマジョリティだと思っています.
  3. Robert Geller ‏@rjgeller  不正行為が発覚した場合、キチンと対応しないことはまじめな若手の落胆を誘発します。何よりも質・倫理観が高い雰囲気を保つことは若手を励ます。
  4. 科学的事実は政治的事実に勝る。所長に直訴奨励:コレスポンディングオーサーの一人である笹井氏は4月から所長になることが内定していると聞きます。

 

理研STAP細胞NATURE論文中に剽窃行為が発覚

理化学研究所(野依良治理事長)のSTAP細胞NATURE論文に、他人の論文からの文章の無断使用が見つかる

理研の小保方博士らがネイチャー誌に発表したSTAP細胞の論文でさまざまな不自然さが指摘されていますが、一部の文章が他の研究者の論文からの「借用」であったことが指摘されました(詳細はstapcells.blogspot.jpを参照)。

ほぼ同一の文章が使われていたのは、Obokata et al., Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency. Nature 505:641–647の論文の中のMethodsのセクションの中の、

Karyotype analysis was performed by Multicolor FISH analysis (M-FISH). Subconfluent STAP stem cells were arrested in metaphase by colcemid (final concentration 0.270 µg ml−1) to the culture medium for 2.5 h at 37 °C in 5% CO2. Cells were washed with PBS, treated with trypsin and EDTA (EDTA), re-suspended into cell medium and centrifuged for 5 min at 1,200 r.p.m. To the cell pellet in 3 ml of PBS, 7 ml of a pre-warmed hypotonic 0.0375 M KC1 solution was added. Cells were incubated for 20 min at 37 °C. Cells were centrifuged for 5 min at 1,200 r.p.m. and the pellet was re-suspended in 3–5 ml of 0.0375 M KC1 solution. The cells were fixed with methanol/acetic acid (3:1; vol/vol) by gently pipetting. Fixation was performed four times before spreading the cells on glass slides. For the FISH procedure, mouse chromosome-specific painting probes were combinatorially labelled using seven different fluorochromes and hybridized as previously described41. For each cell line, 9–15 metaphase spreads were acquired by using a Leica DM RXA RF8 epifluorescence microscope (Leica Mikrosysteme GmbH) equipped with a Sensys CCD camera (Photometrics). Camera and microscope were controlled by the Leica Q-FISH software (Leica Microsystems). Metaphase spreads were processed on the basis of the Leica MCK software and presented as multicolour karyograms.

という記述です。この部分とほぼ同一の文章が、

Guo et al., Multicolor karyotype analyses of mouse embryonic stem cells. In Vitro Cellular & Developmental Biology SEPTEMBER and OCTOBER 2005, Volume 41, Issue 8-9, pp 278-283

の論文の279ページ左段中ほどに見られます。

Chromosome preparation. Metaphase spreads of the ES cells were performed
as follows. Subconfluent ES cells were arrested in metaphase by adding
colcemid (final concentration 0.270 Ixg/ml) to the culture medium for
2.5 h at 37 ~ C in 5% CO2. Cells were washed with PBS, treated with trypsinethylenediaminetetraacetic
acid (EDTA), resuspended into cell medium and
centrifuged for 5 min at 1200 rpm. To the cell pellet in 3 ml of PBS, 7 ml
of a prewarmed hypotonic 0.0375 M KC1 solution was added. Cells were
incubated for 20 min at 37 ~ C. Cells were centrifuged for 5 min at 1200 rpm
and the pellet was resuspended in 3-5 ml of 0.0375 M KC1 solution. The
cells were fixed with methanol/acetic acid (3:1, vohvol) by gently pipetting.
Fixation was performed four times prior to spreading the cells on glass slides.
Multicolor FISH analysis (M-FISH). For M-FISH analysis mouse chromosome-
specific painting probes were combinatorially labeled using seven
different fluorochromes and hybridized as previously described (Jentsch et
al., 2003). For each cell line 9-15 metaphase spreads were acquired by using
a Leica DM RXA RF8 epifluorescence microscope (Leica Mikrosysteme
GmbH, Bensheim, Germany) equipped with a Sensys CCD camera (Photometrics,
Tucson, AZ). Camera and microscope were controlled by the Leica
Q-FISH software (Leica Microsystems hnaging solutions, Cambridge, United
Kingdom). Metaphase spreads were processed on the basis of the Leica MCK
software and presented as multicolor karyograms.

(PDFファイルからコピーペーストしたため一部文字化けしているようです。原文は発行元ウェブサイトのPDFファイルをご参照ください)。

ちなみに理化学研究所の野依良治理事長は、Noyori, R. and Richmond, J. P. (2013), Ethical Conduct in Chemical Research and Publishing. Adv. Synth. Catal., 355: 3–9という論説文の中で研究不正に関する分析を行っており、研究者にとって何が許されない行為であるのかを明確に述べています。この野依良治理事長の論説文を解説した日本語の記事から引用すると、

研究・出版における不正行為には、明白なデータねつ造だけでなく、別の実験で得たスペクトルデータを偽って載せる、反応収率を過大に表現するなど細かいも のもあります。また、論文の剽窃(plagiarism)にもさまざまな形態があり、参考にした文献を故意に引用しない、他の著者の論文から表現の一部を 借りながら自分のものとして発表するなども含まれます。特に後者は、論文のintroductionで化合物や反応の重要性を述べるなど誰が書いても似た ような内容になるときに起こりやすく、また英語を母国語としない研究者が他の著者のうまい表現を借りたくなる気持ちは分かるが、あくまで許されることでは ないと指摘します。(http://www.wiley.co.jp/blog/pse/?p=14657

小保方博士らが先行論文の実験方法に従って実験したのであれば、実験操作に関する記述も当然同じような文章になってしまうことでしょう。英語を母国語としない日本人なら他の著者の論文から文章を借りてしまいたくなるのも共感できます。しかしパラグラフを丸ごとカットアンドペーストしてしまう行為はあまりにもレベルが低すぎます。

参考

  1. なぜポンコツ器具で…「STAP細胞」ついに実験にも疑問の声(日刊ゲンダイ2014年3月4日):今度はその論文中に「あり得ない記述がある」と大騒ぎになっている。「小保方論文では、実験にライカ社製の蛍光顕微鏡とフォトメトリクス社のCCDカメラを使った、と記されています。これらは90年代後半の器具で、今は現場でほとんど見られないといいます。そのため『小保方さんらは本当に実験したのか』との声が出ているのです」(科学ジャーナリスト)…小保方さんのグループだけが10年以上も前のポンコツ器具を使わされたとは考えにくい。となると、最新器具を使ったと考えるのが自然だが、そうすると今度は「論文通りの手順で実験していたのか」という新たな疑問が湧く。

 

京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)で遺伝子組み換えマウスが管理区域外に

遺伝子組み換え動物を扱う研究所は、組み換え動物が外へ逃げ出して生態系に影響を与えないように厳重に管理する必要があります。新聞報道によると京都大学iPS細胞研究所で組み替えマウスが管理区域外である洗浄室で見つかる例が何回もあったとして文部科学省が厳重注意していたことが明らかになりました。飼育ケースを洗浄するために飼育室から運び出す際に、飼育ケース内の床敷(とこじき)の中に紛れているマウスを見逃してしまっていた可能性が考えられています。

 

参考記事&参考サイト

  1. 京大iPS研:組み換えマウス、飼育室外に 文科省、厳重注意  (毎日新聞 東京夕刊 2014年03月01日):京都大によると、マウスは研究所2階にある飼育室と実験を行う処置室で管理されるが、2011年以降で10回以上、1階の洗浄室で見つかった。正確な数は不明だが、死骸を含めて20匹前後とみられ、生きた遺伝子組み換えマウスもいたという。
  2. 日本エスエルシーの実験動物用床敷(チップ)
  3. 道央理化産業 とこじき:マウス・ラット飼育用床敷です。全国の大学動物実験施設、衛生研究所、製薬メーカーに納入実績があります。特殊なフレーク状カットにより吸水性が非常によく、3段階のふるいに掛けており微粉末が少なくなっています。

 

 

北大教授が研究費1600万円以上を着服

⇒ 北海道大学が最終報告:公的研究費の不正使用5億3500万円

北海道大学の発表によると、西村孝司北海道大学遺伝子病制御研究所教授(平成25年7月4日付けで退職)が1600万円以上もの公的研究費を私的に流用し、マイカーのタイヤ購入代金や車検費用、高級腕時計など日用品の購入に充てていたことが明らかになりました。

参考

  1. 公的研究費等の不適切な経理処理にかかる刑事告訴について (北海道大学 平成25年12月27日):”このたびの本学における公的研究費等の不適切な経理処理にかかる調査の過程で、元本学遺伝子病制御研究所教授 西村孝司氏(平成25年7月4日付けで退職)が公的研究費等を私的な目的で流用していた事実が判明したために、本年6月14日付けで同氏及び関販テクノ株式会社代表取締役ほか2名を、北海道警察札幌方面北警察署へ刑事告訴しました。…”
  2. 公的研究費等の不適切な経理処理の概要(北海道大学2013年12月27日):公的研究費における不正経理処理が明らかになった北海道大学の教授ら44名の処分内容と概要
  3. 北大:元教授「預け金」1600万円流用 腕時計など購入(毎日新聞 2013年12月28日 00時30分(最終更新 12月28日 03時07分)

分生研 加藤研論文不正問題 東大が中間発報告

2014年8月1日の記事も合わせて御覧ください ⇒ 東大分生研加藤茂明研究室の論文不正問題で加藤(元)教授が実験ノート捏造を指示:東京大学科学研究行動規範委員会が結論

 

加藤茂明研究室の論文不正問題に関して東大がようやく中間発報告を公表しました。不正に関する申立てを東京大学が受けたのが去年の1月10日ということですから、中間報告の公表に至るまでに、実に丸2年もの年月がかかったことになります。東京大学が公式にデータ捏造を認めたという意味は大きいですが、それ以上目新しいことは何もありません。申立てを行った方のウェブサイトに、”捏造の疑い”が誰の目にも明らかな形で詳細に示されていたのですから。

 

誰がどのような動機でどういう状況下でこのような不正に手を染めたのか、どうしてファーストオーサーが異なる論文でもこのような「捏造工場」が長期間にわたって機能しえたのか、研究室運営の構造上の問題点を明らかにしてほしいところですが、最終的な報告にはまだ時間がかかりそうです。

今後、研究不正の事実認定に基づいて誰にどう責任を問うのか、東京大学の判断が注目されます。

記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における
論文不正に関する調査(中間報告)」の実施について

日 時:平成25年12月26日(木)14:00~15:00
場 所:東京大学医学図書館3階会議室
出席者:大和 裕幸 東京大学理事・副学長(コンプライアンス担当)
科学研究行動規範委員会委員長
秋山 徹 東京大学分子細胞生物学研究所長
吉村 忍 東京大学広報室長
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_251226_j.html

平成24年1月10日、本学に対し、加藤茂明東京大学分子細胞生物学研究所教授(当時)の主宰する研究室の関係者が発表した論文24報について、不 正行為が存在する旨の申立てがあった。 これを受け、本学においては、分子細胞生物学研究所において予備調査を実施するとともに、科学研究行動規範委員会 において調査・審議を行い、今回これまでの調査の経過を取りまとめ、中間報告として公表するものである。今後、同委員会において引き続き調査を行い、最終 的な調査の結果を取りまとめる。

配付資料一覧:
1)記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正に関する調査(中間報告)」の実施について
2)研究倫理をめぐる問題事案について―中間報告の公表に当たって― (総長)
3)分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査(中間報告)の概要
4-1)分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査(中間報告)
4-2)【別添資料1】分子細胞生物学研究所旧加藤研究室における論文不正の疑いに関する調査状況
4-3)【別添資料2】科学的な適切性を欠いた画像データの態様の例
4-4)参考資料
1.高い研究倫理を東京大学の精神風土に(平成25年10月8日 総長)
2.東京大学の科学研究における行動規範
3.東京大学科学研究行動規範委員会規則

(英語版資料[一部抜粋]):
Summary of the Interim Report
A High Standard of Research Ethics as the Ethos of the University of Tokyo(President’s message)

参考サイト

 

2013年分子生物学会年会は研究不正問題にどう向かい合ったのか?

画像をカットアンドぺーストするなどして安易な方法でデータを捏造し、トップジャーナルに論文を量産している(た?)人たちがいます。数十億円の研究予算を配分されるような分子生物学会の重鎮であった複数の研究室でそのようなことが行われていたことが明らかになり、日本分子生物学会としてどのような防止策を打ち出すのかが注目されていました。2013年の日本分子生物学会年会は様々な新しい企画がてんこ盛りで成功裏に終わったと言えますが、肝心の論文不正の問題に対して日本分子生物学会がどう向き合ったのかは、まだ明らかにはなっていません。ちゃんとそこを取り上げるマスメディアも多くはなく、唯一毎日新聞が記事にしているようです。

研究不正:自浄期待は「理想論」 日本分子生物学会が防止策を議論
毎日新聞 2013年12月12日 東京朝刊

生命科学の研究不正疑惑が後を絶たない。日本分子生物学会(会員数約1万5000人)は今月、3日間にわたるフォーラムを神戸市で開き、防止策などを議論した。だが、延べ10時間近い議論は紛糾、「性善説」に基づく対策の限界も明らかになった。

●不安定な倫理基盤
研究者にとって論文は業績の指標。競争が激しい生命科学分野では、データの改ざんや画像の使い回しといった不正がたびたび起きてきた。画像の加工が簡単にできるソフトの普及が、不正を招きやすくしているとの指摘もある。
「特殊な一部の人の問題ではなく、我々が抱える内部構造の欠陥が背景にある。生命科学研究は急速に進展 したために倫理基盤が不安定だったのかもしれない。自らを律し、不正への対応を現場から考えたい」。同学会研究倫理委員の篠原彰・大阪大教授は、フォーラ ムを企画した意図を説明する。
きっかけは、東京大の加藤茂明・元教授のグループによる不正。加藤氏は総額20億円に上る国の大型研究プロジェクトを主導しており、同学会でも若手向けの教育責任者だった。このことも関係者を驚かせた。

●10%が「目撃、経験」
議論の前半は「不正をどう防ぐか」が中心。学会の全会員に実施したアンケート結果をめぐって意見を交わ した。この調査は回答者の10・1%が「所属する研究室内で、捏造(ねつぞう)や改ざんなどの不正行為を目撃、経験した」という内容で、事実なら不正の常 態化を示す深刻な状況だ。
「回答率(7・9%)が低い。数字が独り歩きするのは危険」という懐疑的な意見の一方で、「皮膚感覚ではもっと多い」という指摘もあった。倫理教育の充実を、という意見には異論がなかったものの、規制や罰則の強化で抑止できるとの提案には賛否両論の意見が出た。
高橋淑子・京都大教授は「基礎研究がビジネスのように過度に競争的になっている。日常から成果を開示 し、互いに議論する努力が不幸な事例を防ぐ」と、自浄作用に期待を込めた。論文を掲載する英科学誌ネイチャーの編集者も、論文の審査体制を強化したことを 報告しながら「出版の原則は(研究者への)『信頼』だ」と強調した。
だが会場からは、これらを「理想論」と断じ、厳罰化を求める意見が出た。発言者は「不正な論文で得をする人の後ろには、競争的資金やポストを逃す人がいる」と訴えた。

●「身内」調査に限界
不正疑惑が浮上した後の対応について議論した後半では、研究者の所属組織に調査を委ねる現行システムの 「限界」も指摘された。加藤元教授のケースでは、東京大が学外の告発を受けて昨年1月に調査を始めたが、2年近くが経過した今も結果は公表されていない。 降圧剤バルサルタンを巡る不正疑惑では、責任者が所属していた京都府立医大は最初「不正はない」との内部調査結果をまとめたが、関係学会の要請で再調査し た結果、データ操作が判明。こうした「身内」による調査は公正性を疑われかねず、米政府が設置している研究公正局(ORI)のような公的組織を設置すべき だとの意見もある。
学会研究倫理委員長の小原雄治・国立遺伝学研究所特任教授は「一定の確率で出る(不正)事案には共通の 基準で対応すべきだ。その場合は第三者機関が必要」と提案。中山敬一・九州大教授も「日本版ORIに調査を主導する専門官を置き、裁判員裁判のように調査 員を委嘱すればいい」と賛同した。
これに対し、学会理事長の大隅典子・東北大教授は「取り締まる第三者機関があるのは末期的だと思う。できればそこに至る前に食い止めたいというのが個人的な意見」と話した。学会は今回の議論を倫理教育に反映させるほか、ホームページで議事録を公開し、科学界以外にも広く議論を呼びかけたいとしている。【八田浩輔】

このように、唯一、毎日新聞社が問題意識を持って記事にとりあげてくれたようです。iPS細胞の臨床応用など華やかな側面だけでなく、このような陰の部分に関してもマスメディアはきちんと事実を世間に伝えるべきです。

データ捏造のようなことは、衆人環視の下では起きえないはずです。全てがガラス張りの世界をつくることが研究不正の抑止力の一つになるのではないでしょうか。データ捏造やアカデミックハラスメントは閉ざされたドアの向こうの見えない場所で起きます。

研究不正は日本の研究競争力を低下させる大きな要因です。見て見ぬ振りすることなく、その根本的な問題点をあぶり出す必要があります。昨日まで自分の同僚や友人であった人の研究不正の告発や不正行為の実証などといった非生産的なことを好んで行いたい人などいません。こんなことを議論していれば、誰だって暗い嫌な気持ちになります。研究者にしてみればそんなことに自分の貴重な時間を費やしたくないのです。論文不正を監視する第三者による公的機関を設置するべきときが来ているのではないのでしょうか?

 

 

大学教育の公開~MOOC

大学の授業を受けるためには、その大学に入学しなければならない、というのは当然のことでした。以前は。今やその常識が崩れてきています。

大学の授業動画をウェブで公開する大学が増えたおかげで、今では世界中の誰もが世界の名門大学の講義を視聴できるのです。例えばスタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校(webcast.berkeley.edu)やマサチューセッツ工科大学(MIT)(MIT Open Courseware)では非常に多くの授業を公開しています

スタンフォード大学物理学講義動画「アインシュタインの一般相対性理論」
Einstein’s General Theory of Relativity | Lecture 1

大学がインターネットで流す講義ビデオを受け身で視聴するのにとどまらず、最近では視聴者が積極的に講義に参加して、大学側は受講者に対して正式な修了証を発行するというシステムが出現しています。MOOC (Massive open online course 大規模公開オンラインコース)と呼ばれるプロジェクトです。この流れにあるものは、コーセラ(無料)やエデックス(無料)。

Bioinformatic Methods I with Nicholas James Provart

(コーセラの、バイオインフォマティクスの講義紹介ビデオ)

この世の流れに日本の大学も乗ろうとしており、東京大学がコーセラに、京都大学にエデックスへの参加を表明しています。なお、有料のサービスとしてユーダシティというものもあります。

大学には行かなかったけれども大学レベルの勉強をしたい人、大学で昔受けた授業内容を学び直したい人、今の仕事に必要な知識を得たい人、自分の専門の周辺分野の知識を学びたい人、さまざまな需要が世の中にはあることでしょう。これらの期待に応えるのがMOOC(Massive open online course 大規模公開オンライン講座)です。

大学がMOOCに参加するメリットとしては、良い授業を提供することによりその大学の存在感を世間に示すことができます。

参考

  1. コーセラ(Coursera): Take the world’s best courses, online, for free. Classes offered on Coursera are designed to help you master the material. When you take one of our classes, you will watch lectures taught by world-class professors, learn at your own pace, test your knowledge, and reinforce concepts through interactive exercises. When you join one of our classes, you’ll also join a global community of thousands of students learning alongside you.
  2. エデックス(edX):Take great online courses from the world’s best universities.
  3. ユーダシティ(Udacity): Udacity is the future of online higher education. We offer accessible, affordable, engaging classes that anyone can take, anytime. For courses that you pre-enroll in, you will be billed on the day the course starts and billed monthly thereafter.
  4. 日本で最初にedXのコンソーシアムに参加しました。(京都大学 2013年5月21日):本学は日本の大学として初めてedXに参加し、授業提供を開始します。
  5. MOOCs(大規模公開オンライン授業) -あなたも「東大生」になれる (プレジデントオンライン 2013年05月15日08時15分)
  6. 東京大学とコーセラ(米国)が大規模公開オンライン講座(MOOC)
    配信に関する協定を締結
    (東京大学 平成25年2月22日):東大は、国境を越え世界に最先端の知を届ける方法のひとつとして、コーセラのプラットフォームを利用して、大規模公開オンライン講座を配信する実証実験を 行います。これは日本で初めての試みになります。2013年秋をめどに、英語による講義として、政策ビジョン研究センター安全保障研究ユニット長・大学院 法学政治学研究科 教授 藤原帰一による「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」と、カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長・特任教授 村山斉による「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」を配信します。
  7. 誰でも無料で一流大学の講義が受けられる!?オンライン授業「コーセラ」は教育で社会変革を起こせるか (ダイアモンドオンライン 2012年7月19日)
  8. 無料オンライン講座、ユーダシティ、に挑戦!  (tropicalseaweed.blogspot.jp 2012年4月9日):私の質問には、ユーダシティの雇われチューター(個人教師)が、質問サイトとメールですごく分かりやすく答えてくれるんで感激。わからないことが確実に理 解できるので、嬉しくなり、たいへんな励みになります。
  9. 米MIT、10年をかけてすべての授業をインターネットで無料公開 (インプレスインターネットウォッチ 2001/4/5) 米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)は4日、今後10年間かけてほとんどすべての授業をインターネットで無料公開するプロジェクト「MIT OpenCourseWare」を明らかにした。公開されるものの中には講義録、参考文献、宿題や試験問題などが含まれる。また、現在一部の授業の動画が公開されていることから、こうしたものが含まれる可能性もある。MITでは建築、工学、科学、人文科学、芸術、社会科学、ビジネスなどの分野で2,000以上の講義が行なわれており、これらがすべて無料で公開されることになる。

分子生物学会年会にみる科学と芸術の融合

今回の分子生物学会は、「幹事役」の年会長をあの近藤滋氏が担当したことにより、非常に革新的なものになりました。まずなによりも非常に芸術的な年会のウェブサイトのデザインが、今年度のテーマが「科学と芸術の融合」であることを強烈に伝えています。

そして通常の学会では有り得ないような企画が目白押し。学会会場の端では研究者らによるジャズの生演奏が流れ、年会企画「生命科学研究を考えるガチ議論」がUSTREAMでインターネット中継され、学会の口演の会場では、合い間に「生物学xアニメーション」という気の利いたアニメーション(モデル動物のファッションショーが特にCOOL!)や、「ガチ議論」を宣伝するための過激なPVが映し出されたり。また分子生物学の御大たちの顔に落書きするコーナーがあったり、

高校生の発表の場を設けられていたり、TEDスタイルの市民向け一般講演会も企画されるなど、学会をエキサイティングな「お祭り」にするということに関して徹底的な努力が伺えました。

分子生物学会の運営をする人たちが映像やアートの専門家らとうまくタイアップして、学会にエンターテインメント性を持たせることに成功したと言えます。

 

京都大学薬学研究科元教授に懲役3年を求刑

⇒ 業者と癒着した辻本豪三(つじもとごうぞう)京都大学大学院薬学研究科元教授に対して東京地裁が懲役2年の実刑判決 2014年2月17日

高額研究機器の納入業者を選定する慣行上の職務権限があることを認識した上で業者側に購入予定を告げるなどして便宜供与し、収賄罪に問われていた辻本豪三(つじもとごうぞう)京都大学大学院薬学研究科元教授に対して、検察側は懲役3年を求刑しました。

辻本豪三元教授は、京都大学が物品を調達する際に業者選定で医療機器販売会社「メド城取」に有利な取り計らいをし、謝礼として約943万円相当の賄賂を受けたとされています。

判決は来年2014年2月17日に予定されています。

辻本豪三元京大教授は、脂肪センサーとして働くたんぱく質GPR120の欠損が、肥満の原因になるという発見などで知られており、ゲノム創薬の第一人者でした。

以下の動画は、東京地方裁判所で初公判が開かれた当時のニュース。検察側は冒頭陳述で「辻本被告は京大教授になる前から飲食接待などを受けていて、その結果メド城取は独占的に研究機器などを受注していた」と指摘。辻本被告は「金を受け取っていたことは間違いないが賄賂という認識も、便宜を図ったという認識もなかった」と起訴事実を否認。

京都大学 元教授 贈収賄事件 元教授ら、起訴事実を否認(YOUTUBE)

⇒ 業者と癒着した辻本豪三(つじもとごうぞう)京都大学大学院薬学研究科元教授に対して東京地裁が懲役2年の実刑判決 2014年2月17日

参考

  1. 元京大教授に3年求刑 物品購入汚職事件で地検(日本経済新聞 2013/11/15 21:26)
  2. Ichimura et al. Dysfunction of lipid sensor GPR120 leads to obesity in both mouse and human. Nature 483, 350–354 (15 March 2012) | doi:10.1038/nature10798

  3. 脂肪センサーGPR120が食事性肥満の原因遺伝子であることの発見(京都大学 2012年2月20日)
  4. 辻本豪三(ウィキペディア)

北大20教授らが研究費不正4億8千万円

⇒ 北海道大学が最終報告:公的研究費の不正使用5億3500万円

平成25 年11月13日の北海道大学の発表「公的研究費等の不適切な経理処理について」によると、研究費等の不適切な経理処理があり、教授20人を含む教員44名が関与していたことが明らかになりました。不正の内容は、いわゆる「預け金」と呼ばれるものです。また教員1名に関しては私的流用も発覚しました。

預け金の経理不正を成り立たせるためには、研究者と業者が結託し、大学事務がそれを見逃すという3者の協同が不可欠であり、各々の責任が問われるべきです。

北大は改善策として管理体制等の強化等の取り組みを示しています。

  1. 納品物品の事後抽出確認(平成23年10月から実施)
  2. 納品先までの職員の同行(平成23年10月から実施)
  3. 宅配便など、納品受付センター未経由納品物等の第三者確認(平成25年3月から実施)
  4. 反復使用を防止するため、納品受付センター経由物品のマーキング対応(平成25年3月から実施)
  5. 資産管理対象納品物品のシリアル番号の届出義務化(平成25年3月から実施)
  6. 納品後の随時確認(平成25年4月から実施)
  7. 教員と業者との直接接触を極力回避するための電子購買システムの導入(平成26年度から実施予定)

不正経理の手口

「預け金」とは、業者と架空取引を行い、契約した物品が納入されていないの
に納入されたなどとして代金を支払い、その支払金を当該業者に管理させるも
の。業者に対して、適時の支払いができないことを知りながら物品を納入させ
るなどした後に、業者に架空取引を指示して代金を支払い、先に納入させた物
品などに対する代金の支払いに充てることを含むものである。

「品名替え」とは、業者から実際に納品を受ける物品に対する支払いのために、
業者に指示してその物品とは別の物品が納入されたなどとして代金の請求をさ
せて、その支払いをなしているものである。

参考ウェブサイト

  1. 公的研究費等の不適切な経理処理についてPDF) 平成25年11月13日 国立大学法人北海道大学総長 山口 佳三
  2. 平成24年12月21日 国立大学法人北海道大学 公的研究費等の不適切な経理処理にかかる調査結果について(中間報告)(PDF)
  3. 2013年7月22日改訂 国立大学法人北海道大学 研究費不正使用防止計画 (PDF)
  4. 2007-04-27 北海道大学研究戦略室コラム「不正経理の徹底排除を」:誠に残念ながら、本学においても教員による不正経理事件が発生してしまった。新聞各紙などですでに報じられており詳細は控えるものの、カラ発注によるキックバックや、カラ出張、カラ謝金といった、非常に稚拙だが、関係者間で口裏を合わせ書類を整備すれば発見しにくくなる、悪質な手法である。

アディポネクチン受容体アゴニストを発見

東大病院 アディポネクチン受容体アゴニストを発見

A small-molecule AdipoR agonist for type 2 diabetes and short life in obesity (Nature doi:10.1038/nature12656 Published online 30 October 2013

アディポネクチン受容体を活性化して健康長寿を実現する内服薬の種を発見東京大学プレスリリース 2013 年10 月29 日 東京大学医学部附属病院

東大、運動/食事制限なしでメタボ/糖尿病の治療ができる薬の候補物質を発見マイナビニュース2013/11/01
東京大学は10月29日、脂肪細胞から分泌される抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を有する善玉ホルモンの「アディポネクチン」の代わりに「アディポネクチン受容体」を活性化することができる内服薬(低分子化合物)の種を、マウスを用いた実験により発見することに成功したと発表した。

善玉ホルモンの代替物質=糖尿病、メタボ新薬期待-マウスで効果・東大時事ドットコム2013/10/31-03:12
肥満になると減ってしまう善玉ホルモンと同じ働きをする化合物を発見し、糖尿病のマウスに飲ませると血糖値が下がったと、東京大医学部付属病院の門脇孝教授や山内敏正講師らが30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

東大グループがAdipoRonを同定,アディポネクチン薬開発へ 5年以内に臨床第Ⅰ相試験目指す(MT PRO 2013年10月31日)
10月29日,東京大学病院糖尿病・代謝内科教授の門脇孝氏,同科講師の山内敏正氏らは記者会見を開き,同氏らの研究グループが発見した,アディポネクチン受容体を活性化させる低分子化合物に関する研究成果について発表した。

東大、生活習慣病防ぐ薬剤開発 肥満マウスの寿命を延ばす共同通信2013/10/31 03:00
糖尿病やメタボリック症候群などの生活習慣病を防ぐ薬剤を開発し、短命な肥満マウスの寿命を延ばすことに成功したと、東京大などのチームが30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

肥満での生活習慣病防ぐ飲み薬の候補物質、東大が発見日本経済新聞2013/10/31 3:00
東京大学の門脇孝教授と山内敏正講師らは、肥満が原因となる糖尿病やメタボリック(内臓脂肪)症候群などの生活習慣病を防ぐ飲み薬の候補物質を発見した。

糖尿病・メタボ改善物質を発見 東大など、治療薬に期待朝日新聞デジタル2013年10月31日03時02分
メタボリックシンドロームや糖尿病を防ぐホルモンの働きを活発にする物質を、東京大の門脇孝教授(糖尿病・代謝内科)らの研究チームがマウスの実験で発見した。

食事制限・運動なしでメタボ治療…マウスで効果読売新聞2013年10月31日03時03分
肥満が原因で発症する糖尿病やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を治療する薬の候補物質を見つけたと、東京大の門脇孝教授(糖尿病・代謝内科学)らの研究チームが発表した。

The K Computer 理研一般公開2013.10.19

日本の最先端の科学研究を担う理研(理化学研究所)。理研に属する研究所は日本のいくつかの場所に分かれて存在しますが、2013年10月19日(土)は神戸地区の理研で一般公開が行われます。普段は見ることができない研究所の中に入って実験施設を見学し、研究者と話をする絶好の機会です。

開催日 2013年10月19日(土)
時間 10:00-16:00(入場受付は15:30まで)
対象 一般
場所 理研神戸地区
兵庫県神戸市中央区港島南町2-2-3 (第1会場)
兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-26 (第2会場)
詳細 神戸地区一般公開ホームページ

神戸理研公開

国際画像機器展2013年12月4日(水)~6日(金)於パシフィコ横浜

工業用カメラ、照明装置、画像解析装置などマシンビジョン関連の新製品が一同に会する国際画像機器展が開催されます。

セミナー&特別講演

1. Time-of-Flight and Depth Sensing CMOS Image Sensors
2. Avalanche Photodiodes and Photon Counting CMOS Sensors
3. High Speed CMOS Sensors AnaFocus Founder and Chairman/Speaker: Angel Rodriguez Vazquez PhD.

JIIA統計報告とマシンビジョンにおける国際規格動向 統計分科会主査 児玉潮兒((株)ファースト)
FSF運営専門委員会委員長 佐久間恒雄(キリンテクノシステム(株))

ものづくり日本のメーカーによるHOTARUインターフェース開発の紹介 HOTARUインターフェース開発委員会

3年目の実績が示すPoint Grey社製 USB3カメラの実利用 (株)ビュープラス 中村心哉

①テレダイン・ダルサ製品最新動向
・CMOSカラー/モノクロ 高速ラインスキャンカメラ
・次世代カメラリンクフレームグラバー
②FLIR社 OEM向けTau2 サーマルカメラ Version2.4 の導入メリット (株)エーディーエステック ①太田将樹②石倉祐三

マシンビジョンの未来を拓くコンピュテーショナルフォトグラフィ技術 広島市立大学 大学院情報科学研究科教授 日浦慎作

マシンビジョンの過去、現在、これから 蝶理イメージング(株) 代表取締役社長 高岡 豊

画像処理におけるCUDA・GPUの活用と性能向上実現へのポイント エヌビディア 森野慎也

画像処理市場の潮流を読む:
~変化する画像処理の応用市場とコンポーネント技術の革新を解説~
新規応用市場:「工場の外へ」
(小売店、コードリーダー、OCR、医療、バイオ、…)
技術革新:USB3、画像センサー、三次元計測、分類法、… (株)リンクス 村上 慶

マシンビジョン照明規格の国際的動向とセンサー性能表示規格EMVA1288の最新情報 照明分科会主査 増村茂樹(シーシーエス(株))
カメラ仕様分科会主査 杉森健司((株)シムコ)

世界初プロフェッショナル液体レンズ ~高速・省電力・堅牢・高画質~ クロニクス(株) Frederic LAUNE

CoaXpress-meeting the challenge for faster frame grabber interface
-Euresys- フレームグラバーボード最新情報 EURESYS s.a./ Mr.Marc Damhaut・Mr.keith Russel

非接触検査技法としてのアクティブ・サーモグラフィ
及び3D計測 ・FLIR社 赤外線サーモグラフィカメラ
・Automation Technology社 アクティブ・サーモグラフィ
・LMI社 3Dラインプロファイラー (株)エーディーエステック/楯 裕一郎、酒井洋幸

「レンズ拡散板:LSD」による画像処理用照明の品質向上/「照明シミュレーター」による開発期間短縮 (株)オプティカルソリューションズ 関 雅也

マシンビジョンを支えるデジタルカメララインナップと用途事例 東芝テリー(株) 岩田利明

CMOSIS high technology of CMOS camera sensors and future
(CMOSIS 超高性能CMOSカメラセンサとその将来) CMOSIS Mr. Lou Hermans

History and future prospect on 4k TV and 4k digital cinema
(4kディジタルシネマ開発の歴史と展望) former member of NTT Mr. Sadayasu Ono

海外市場が求める最適品質の作り方~目視検査の限界を考える~ (株)オービット 山田宏和

Learning Based Image Enhancement(学習型画質改善技術) College of Information Science and Engineering,Ritsumeikan University Prof.Yen-Wei Chen

画像処理市場の潮流を読む:
~変化する画像処理の応用市場とコンポーネント技術の革新を解説~
新規応用市場:「工場の外へ」
(小売店、コードリーダー、OCR、医療、バイオ、…)
技術革新:USB3、画像センサー、三次元計測、分類法、… (株)リンクス 村上 慶

CoaXPress規格の最新情報および、カメラ制御の新標準IIDC2の概要と最新動向 CoaXPress分科会主査 渡邉雅仁 (アディメック・エレクトロニック・イメージング(株))
IIDC2分科会主査 鳥居貞文 (浜松ホトニクス(株))

イメージセンサー技術とインタフェース技術を基にした最適なカメラの選び方 Point Grey Research(株) 吉田里志

最適なカメラ選定に必要な基礎知識 3
センサー/インターフェースの特徴と機器選定
~ CCD,CMOS / CoaXPress,USB3.0,CameraLink,GigE… ~ (株)アプロリンク 水見暢志

Robot & Remote-Controlled Machine Technology for Response against Accident of Nuclear Power Plants toward Decommission
(廃炉に向けた原子力発電所事故対応のためのロボットおよび遠隔操作機器技術) University of Tokyo Prof. Hajime Asama

⇒ 国際画像機器展2013ウェブサイト

論文捏造の元教授が退職金を返納

松原弘明京都府立医大元教授(56)は2013年2月に退職していましたが、府立医大在職中に発表した5論文でデータ捏造があり、懲戒免職相当と判断されていました。

参考サイト

  1. バルサルタン:臨床試験疑惑 論文捏造の元教授、退職金返納 京都府立医大が学長ら処分(毎日新聞 2013年10月12日
  2. 京都府立医科大学循環器内科、関西医科大学第二内科の松原弘明氏の論文での研究不正疑惑について(http://blog.goo.ne.jp/matsubaralaboratory