2019年日本でもヒト受精卵のゲノム編集実験を解禁

研究で使う受精卵は、不妊治療で使われなかった受精卵(余剰胚)だけで、遺伝子改変した受精卵を人や動物の胎内に戻すことは認めない。(受精卵「ゲノム編集」来年4月にも解禁へ…基礎研究に限定 2018年09月24日 18時46分 読売新聞 YOMIURI ONLINE)

 

参考

  1. 受精卵「ゲノム編集」来年4月にも解禁へ…基礎研究に限定(2018年9月24日 18時46分 読売新聞 YOMIURI ONLINE)遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」を人の受精卵に行う基礎研究が、日本でも来春、解禁される見通しとなった。文部科学省と厚生労働省は28日に開かれる有識者会議で、研究に関する指針案を示す。
  2. 「ヒト受精卵をゲノム編集」で続く危険性論争 病気の遺伝子は修復できたか……見方は分かれ、再現実験も困難(WEBRONZA 粥川準二 サイエンスライター 2018年09月03日) 昨年8月、「『ヒト受精卵にゲノム編集』で何が起きたのか」で伝えたように、米オレゴン健康科学大学のショウクラット・ミタリポフらはヒト受精卵にゲノム編集を行い、ある病気の原因となる変異遺伝子を正常な遺伝子に置き換えることに成功した、と『ネイチャー』で報告した。しかし米コロンビア大学のディエター・エグリなど複数の専門家から、遺伝子を置き換えたのではなく削除しただけではないか、と批判された。 エグリらの批判は、論文になる前のプレプリント(原稿)として示された。ミタリポフは「数週間以内に返答する」と述べていた。ようやく今年8月、エグリらのものを含めて、ミタリポフらの主張を批判する記事2件が『ネイチャー』に掲載され、ミタリポフらによる反論も同時に掲載された。
  3. ヒト受精卵の「ゲノム編集医療」で中国が独走状態にある理由(規制に縛られる日米欧の科学者たち 小林 雅一 2018.08.30 現代ビジネス
  4. ヒト受精胚へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議  (第 2 回) 議事録 平成 30 年 7 月 11 日(水曜日)10 時 00 分~12 時 00 分  40 page PDF
  5. ヒト受精胚を用いたゲノム編集利用研究について ヒト受精胚へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(第1回) 国立成育医療研究センター研究所 生殖医療研究部 阿久津 英憲 2018年5月30日 PDF30ページ
  6. 内閣府専門調査会 受精卵のゲノム編集で報告書  容認 基礎研究に限定、指針作成へ (日本経済新聞 2018/3/9 11:33)内閣府の生命倫理専門調査会は9日、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術でヒトの受精卵を操作する基礎研究について、総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)への報告書案をまとめた。生殖補助医療を目的とする基礎研究の指針を国が作ることを求めた。現時点では医療応用は容認できないとした。早ければ2018年度内にも受精卵ゲノム編集の基礎研究が解禁される見通しだ。
  7. 遺伝子組み換えを超えた技術「ゲノム編集」でヒトはどう変わる?医療応用から遺伝子ドーピングまで、現状と問題点を探る (imidas 2018/01/05 石井哲也 北海道大学安全衛生本部教授)出産を目的とした受精卵の遺伝子改変に関しては40年ほど前から論争があり、臨床的、倫理社会的問題から法律で厳格に禁止している国が多い。
  8. (素案)提言 我が国における医学・医療領域におけるゲノム編集技術のあり方 平成29年(2017年)○月○日 日 本 学 術 会 議 医学・医療領域におけるゲノム編集技術のあり方検討委員会 51-page PDF
  9. 受精卵をゲノム編集、基礎研究に限り容認 専門家会議朝日新聞DIGITAL 杉本崇2017年12月20日16時53分)狙った遺伝子を改変できるゲノム編集でヒト受精卵を操作する研究について、政府の生命倫理専門調査会の専門家会議は20日、基礎研究に限り条件付きで認める方針を盛り込んだ報告書を取りまとめた。… 報告書は、不妊治療で余った受精卵に限りゲノム編集を認め、不妊治療の成功率の向上などにつながる基礎研究に道を開く内容だ。… 改変した受精卵を子宮に戻すことについては、子孫に与える影響などが分かっておらず、安全性や倫理面から「容認できない」とした。
  10. ヒト受精卵 ゲノム編集、生殖医療研究を指針で規制へ (毎日新聞2017年11月21日 21時49分 最終更新 11月21日 21時54分 千葉紀和) ヒトの受精卵の遺伝子をゲノム編集技術などを使って改変する研究を巡り、内閣府生命倫理専門調査会の作業部会は21日、生殖補助医療を目的とする研究を指針で規制するなどとした素案を策定した。… 素案では、指針の対象となる技術としてゲノム編集や、細胞の機能を補うためのミトコンドリアの移植など5項目を挙げ、研究目的でも改変した受精卵をヒトや動物の胎内に移植することは容認できないとした。… 研究に利用できるのは不妊治療で余った受精卵に限り、新たに作ることは禁止する。 ゲノム編集を使った受精卵改変研究を巡っては、調査会が昨春に中間報告をまとめ、基礎研究に限り容認していた。
  11. ゲノム編集でヒト受精卵を修復、米初、将来性は?NATIONAL GEOGRAPHIC 2017.08.04) このほど、米国の研究チームが初めてヒト受精卵の遺伝子編集を行った。8月2日に科学誌「ネイチャー」に発表された論文によると、研究チームは「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)」という「遺伝子のはさみ」を使って、58個中42個の受精卵から、肥大型心筋症という遺伝性の心臓病の原因となる遺伝子変異を除去することに成功した。
  12. ヒト受精卵へのゲノム編集による遺伝子改変にアメリカの研究チームが成功、一体何を実現できるのか?Gigazine 2017年08月03日 15時12分 )アメリカのオレゴン保健科学大学のShoukhrat Mitalipov博士たちの研究グループがヒトの受精卵を用いた遺伝子改変実験を行ったことを、2017年7月26日にMIT Technology Reviewが報じました。… 2017年8月2日に科学誌NatureでMitalipov博士らの本研究が発表されました。アメリカ・韓国・中国の共同研究グループは、肥大型心筋症の原因遺伝子を持つ精子と遺伝的問題のない健康な卵子を体外受精させるときに、精子にのみ存在する肥大型心筋症を誘発する遺伝子変異を持つDNAをCRISPR/Cas9で切り落として、切り落とした部分の遺伝子を卵子から補うことを試みました。
  13. ヒト受精卵の遺伝子変え 生まれる前に難病治療 (College Cafe by NIKKEI 2017.03.13)難病のもとになる遺伝子の異常を受精卵のうちに治し、健康な子どもが生まれるようにする。こんな予防・治療法を、厳しい条件付きながら容認する報告書を、世界の科学政策に影響力をもつ米科学アカデミー(NAS)がまとめた。
  14. 「受精卵ゲノム編集と生命倫理」(視点・論点)NHK解説委員室 2016年04月28日 (木) 北海道大学教授 石井 哲也)昨年、中国から論文報告された受精卵ゲノム編集は、遺伝子疾患「βサラセミア」の原因である遺伝子変異の修復を目的とした基礎研究で、出生後の疾患予防を最終目的としました。研究グループは生殖補助医療を受けた夫婦から譲り受けた86個の異常受精卵を実験に使いました。その理由は、研究のために新たに受精卵を作るのは倫理的問題が大きく、異常受精のため処分される受精卵で実験した方がよいだろうというものです。しかし、実験の結果、目的の遺伝子改変ができたのは4個のみでした(4.7%)。また、標的外の場所でのDNA切断もありました。… そして、今年の4月、中国の別のグループが、二つ目となる受精卵ゲノム編集の論文を発表しました。今回も異常受精卵を使用し、標的遺伝子の改変効率を評価することを主目的とした基礎研究でした。しかし、異常受精卵にせよ、技術評価目的で213個ものヒト受精卵が実験に使われました。
  15. ヒトの生殖系列のゲノムを編集すべきでない (Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 6 2015年6月号 原文:Nature 2015-03-12)ゲノム編集ツールを使ってヒト胚のDNAを改変する研究がもうじき報告されると考えられている1〔訳注:2015年4月18日、中山大学(中国・広東省広州市)の研究者らがCRISPR/Cas9系を使ったゲノム編集をヒト受精卵に用いて遺伝子改変を試みたという研究論文が、Protein & Cellにオンライン掲載された〕。… 2009年になって、ラットで生殖系列の遺伝的改変が技術的に実現可能であることが確認された9。その10年前の時点で一部の国々は、上記のような懸念と重大な倫理的理由から、この種の研究を指針により規制もしくは法律で禁止していた(そうした対応をとる国は、現在では約40カ国に上る)。だが、多くの国は、ヒトの遺伝子操作に関して明確に許可もしくは禁止する法律を整えていない。そうした研究は実験的なものであって治療用ではないと見なしているためである。それに対し、世代を超えて継承され得る遺伝的改変に関して指針のある国々では、生殖系列の改変が法律によって、もしくは法的拘束力のある手段で禁止されている。こうした見解が最もよく見られるのは西欧である。この地域では、22カ国のうち15カ国がヒト生殖系列の遺伝的改変を禁止している4。一方、米国は、生殖系列の遺伝的改変を公式には禁止していない。

The First Ever CRISPR-Edited Human Embryo – Dr. Shoukhrat Mitalipov