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データ捏造論文が生まれる瞬間 実況説明

  2017/06/25    論文データ捏造

以前も紹介しましたが、2008年12月 日本分子生物学会 若手教育シンポジウム 記録全文『今こそ示そう科学者の良心2008 -みんなで考える科学的不正問題-』(PDF)の中の、夏目徹氏による分析を再び紹介したいと思います。現場を知る研究者にしかわからない、データ捏造の心理メカニズムを理解する一助になります。 不正論文が告発され調査委員会が不正の有無を認定し報告書をまとめる際、単に個々のデータに関して不正の状況を明らかにしてお終い、では誰も納得しません。研究組織を改編したところで、中にいる人間の中身が変わらない限り同じことが起きます。ここに示されたような徹底的な心理分析を行ってその結果を公表しないと、真に効果的な再発防止策は生まれてこないでしょう。 (以下、本文部分は議事録中の夏目氏の発言の一部を転載したもの。見出しは当サイトによる)   データ捏造の心理メカニズム 捏造が生まれる瞬間、捏造の温床、それから、まさに捏造が発覚する瞬間というのをですね、まあ幸か不幸か、自慢にも何にもならないんですが、結構な数を見てしまいました。それを見てしまってですね、その後、何が見えてきたかということなんですけども、だいたい私の見るところによると、捏造というのは4つのパターンに分類されます。   捏造レベル1 基本的には、まずボトムアップ型というのが非常に基本的ですね。ボトムアップ出来心。あなたが実験をやったとします。「ここに、バンドが出ればなぁ…」、「この濃淡がひっくり返ってくれたらなぁ…」なんて思いながらですね、ついデータをいじってまった。これは全く遊びでやったんですけども、やってるうちに何か妙に熱中してくるんですね。「この濃淡、意外に自然じゃないか」とかですね。悪いことにですね、それをボスに見つかっちゃうんですよ。「お、A君、やったな、とってもいいじゃないか」、「いや、先生これは…」、「よくやったな。君はいつかやってくれると思ってたんだ」、なーんてやってるうちにデータが一人歩きしてですね、言い出せなくなってしまう。で、それがパブリッシュされる。それがたまたま某プレミアムジャーナルで、記者会見までしてしまって・・・。最悪のパターン。これはボトムアップ出来心型という、一番レベルの低い捏造です。   捏造レベル2 レベル2というのはですね、ボトムアップ確信犯型というやつですね。レビューアーから「確かめの実験をしなさい。ここの再現性をもう少し見なさい」、あるいは「このデータは数値が少し差が少ない。もう一回確認しなさい」。これはもう何回やったって同じだと。でもしょうがないからやろう。やろうと思ったんですが、それをやるにはですね、抗体が要るんですが、「あっ、抗体が切れてる。ストックが尽きた。しょうがない、ハイブリドーマを起こさなきゃいけないな」。そしたらですね、もう正月休みだったんですね。正月返上で、レビューアーが、「リバイズしなさい」。誰もいない正月の研究室で、ストックを開けてみたらですね、液体窒素が切れてるんですよ。(笑)ハイブリドーマ全滅。どうしようと途方に暮れてる時に除夜の鐘がボ~ンなんて鳴ってね。僕がやったんじゃないですよ。そこで、ですよ。ところが、それで仕方ないと途方に暮れてエクセルに向かってですね、カシャカシャ…。そこに立ち話をしにボスが来たっていうのも知らないのに、やってしまった。というのもあるんですね。これがボトムアップ確信犯型です。どうせバレない。これは非常にたち悪いです。最近ハイテク化したので、こういうのをほぼ生業としているプロの方もいらっしゃって、皆さん「えっ?!」と思うような、ものすごい手口があるんです。それはなかなか見破られません。   捏造レベル3 それから、次のレベル3は、もっとたち悪いですね。ボトムアップがあるということは、当然トップダウンもあるんですね。トップダウン恫喝型というのがありますけれども。これはですね、ボスが非常に思い込みの激しい情熱家だったりする場合が多いんですけども、このストーリーの実験でこういうデータが出るまで絶対許さない。データを出さない限りは家にも帰っちゃだめ。全くコントロールと差のないデータを先生に出しても、「心の目で見てみろ」とすごいことを言われて… 泣く泣く捏造に近いことを、なかば強制される。恫喝される。これをトップダウン恫喝型って言うんですね。で、これはレベル3です。   捏造レベル4 レベル4はどういうやつだと思いますか? トップダウン洗脳型というやつです。これはですね、これは私、見て本当に驚いたんですけども「捏造は悪ではない」。こんなのやったってやんなくても変わらないようなものはやる必要はない。それによってコストと人件費を大幅に節約できるのだと。「だからバレそうもない捏造は大いにやりなさい」というようなことを激励するような人を、私はたった1人ですが、見たことがあります。(笑)   研究不正を防ぐためにPI(研究室主宰者)ができること 実はボトムアップというのも、出来心っていうのもですね、これは、実はボスの責任ですね。PIの責任ですね。そんなうかつにいいデータが出たのを喜んじゃいけないんです。きちんとしたモラルがあれば、こういう捏造というのは未然に防がれるはずです。それからですね、先ほど非常にたち悪いと言いました確信犯型ですね。ボトムアップ確信犯型。もう全然最初からモラル、ある一種の精神異常者に近いと言われてますけど、犯罪が嬉しいんですよね。で、そういう人たちというのも、実はですね、ボスの目から、PIの目からは見えないんですけども、そういうことをやる人間ってやっぱり、何となく雰囲気がおかしいので、周りの人間には何となく伝わってるんです。ということは、ボスがですね、周りの人間によく話を聞いて、データが出た時、ビッグデータが出た時、それをいろんな人間に意見を聞いて検証すれば、これも実は未然に防げるんです。 私の意見としては、鉄則としてはですね、若手の方に「モラルを持って良心を示せ」というPRをもっとしっかりしなきゃいけない。それからですね、先ほども議論があったと思うんですけども、恫喝型の捏造をやむなくしなかった人というのは、ものすごい苦しかったと思うんですね。やっぱり告白する場所がないというのが非常に大変で、ましてや洗脳されなんかしたりすると、悪い宗教に引っかかっちゃったようなもので、抜け出すの大変ですよ。ということは、4つのタイプの捏造も、実際はそのミックスのタイプなんですけども、だいたいの原因、捏造を生む温床というものは、まあ我々自身、研究所のスタッフがつくっている。というふうに私は思ってですね、全然趣旨のない、関係のない話をしました、どうもすみませんでした。 引用元:http://www.mbsj.jp/admins/ethics_and_edu/doc/081209_wakate_sympo_all_final.pdf   同じカテゴリーの記事一覧

東大分生研渡邊教授が論文不正疑惑を説明

NHKニュースなどによれば、東京大学分子細胞生物学研究所の渡邊嘉典教授はOrdinary_researchersによって告発された論文に関して、コメントを発表しました。また、告発で指摘された図表に関して説明した文書、および、雑誌編集者とのやり取りなど論文の訂正に関する対応状況を説明した文書を、関連分野の研究者らに対して開示しました。   写真:NHKニュースサイト(既にリンク切れ)の画面のキャプチャー     Corrections in our papers コミュニティーの皆様へ                           2017.6.17 このたび東京大学に対する匿名の論文不正の告発があり、私どもの研究室から出された7報の 論文について全てのデータに渡る詳細な調査を受けることになり、研究室を上げて全面的に調 査に協力してきました。8ヶ月に及ぶ調査の結果、5報の論文において、いくつかのデータの表示 において不適切な操作およびミスがあったことが調査委員会により指摘されました。私は今回の 調査結果を真摯に受け止め、これらの論文の責任著者として、論文に正確さに欠ける図表が 載ってしまったことに大きな責任を感じております。指摘を受けたいずれの記載も、当該論文自体 の科学的な結論に影響を与えるものではないと考えておりますが、論文の訂正あるいは取り下 げに関しましては、掲載誌と相談した上で最も適切な処置を速やかにとらせて頂く所存です。私 どもの論文疑惑が関連分野の研究者の皆様をいたずらに惑わすことのないように、委員会より 不適切の指摘を受けた記載についての詳細な情報と、それに対する生データに基づいた修正を、 以下に開示いたします。このたびの私どもの軽率な行いにより、研究者コミュニティーの皆様には 大変なご迷惑をおかけしましたことを心より陳謝いたします。 東京大学分子細胞生物学研究所 染色体動態研究分野 渡邊嘉典   追記(20170622):Science誌のニュース欄で、渡邊氏が開示した文書Corrections in our papers全文のリンク(link on a personal website)を含む記事が報道されています。 Watanabe goes through the 23 allegations one-by-one in …

不正疑惑渦中の東大医学部論文 および東大分生研論文の告発内容を 画像編集フリーソフトで確認する方法

DIY: Exposing hidden error bars in Nature papers ネットには真偽不明な情報が氾濫しています。正反対の主張を目にしたとき、どちらを信じればよいのでしょうか? Ordinary_researchersの主張 東京大学は、この夏に2回にわたって届いた研究不正の告発書を受けて、規程に従って予備調査を行い、正式に調査に入ると9月20日に発表した。医学部を中心とした6つの研究室から出ている合計22本の論文で、不自然な点があるという。6つの研究室の主宰者は、いずれもその分野では名前の知れた大物教授ばかりだ。国から受けている研究費の額も大きい。 (ヤフーニュース 2016/10/15) 告発された東大教授らの一人の反論 “This is a totally groundless and false accusation by a faceless complainant,” Kadowaki told ScienceInsider in an email. “We have absolute confidence in all of our data,” …

不正がなかった場合 結果は公表しない 東大

東大新聞オンラインによれば、生命医科学論文22報に関する不正告発を受けて東京大学が行っていた本調査は、5月31日に終了したそうです。 不正があった場合は調査結果を公表するが、不正がなかった場合は原則結果は公表しないという。(東大新聞オンライン2017年6月10日)   また、東京大学は調査結果をまだ発表していませんが(2017年6月15日現在)、多数の人にツイートされている医薬経済社(RISFAX)の記事見出しによれば、「分子細胞生物学研究所の渡邊嘉典教授の論文について、学内の調査委員会が不正を認定」したそうです。 東大 分生研・渡邊教授の論文で不正 | 医薬経済社 https://t.co/vfKr2bCoKZ 「分子細胞生物学研究所の渡邊嘉典教授の論文について、学内の調査委員会が不正を認定」 — 山形方人(nihonGO) (@yamagatm3) 2017年6月13日   東大医学部の論文に関する告発内容を見ると、誰もがきっと驚愕するはずです。なんと、エラーバーを棒グラフの裏に隠して短く見せている図が多数あることが判明したのです。これがデータ捏造・改竄でない可能性を考えることは、第三者にはおそらく不可能でしょう。東京大学は、実験ノートやこれらの図表作成に用いられた全てのデータポイント(数値)を公表して、本当に正しく実験が行なわれていたのかどうか、何のソフトウェアでどんな処理をすればこのように不可解極まりない図表が作成できるのか、研究者コミュニティや国民に対して説明する責任があります。 (告発文3.pdfより。ネイチャーのウェブサイトの発表論文の原図 Figure 1 a,b と比べてみてください)   告発文の一部を紹介します( .. は中略を示す)。是非、リンク先のPDFで全文をお読みください。 いうまでもなく,科学論文においてはデータが真正であることが絶対必要条件となる.科学は過去から蓄積されたデータをもとに新たな知見を積み上げていく営みであり,データは未来へと受け渡していくべきものである.データの捏造・改竄は先人たちや将来の仲間たちへの裏切り行為といえよう.特に生命科学分野は,患者をはじめとする社会からの期待が大きく,その影響は基礎科学の範囲に留まらず,事態は深刻である... 昨今,不正論文の大量訂正を行う研究者,それを許容する雑誌が一流誌にも見られる.しかし,多くの研究者はそのように訂正された論文が信用するに価し得ないものであることを知っている. .. 我々が今回これらの論文を対象にしたのは,研究者のあいだでは以前から再現性の無さが指摘されていたからである. .. 東京大学は日本最高峰の大学であり,海外から見れば日本を代表する大学である.その東京大学の医学部に良からぬ噂があるのは,我が国すべての生命科学研究者にとっても恥ずべきことである.  我々が今回指摘した疑義は,論文の根幹にかかわる深刻なものであるが,いずれも生データと照合すればすぐに検証可能なものでもある. .. あらぬ疑いをかけられている研究室の潔白を証明する良い機会になるか,それとも膿を出すことになるか,どちらにしても東京大学にとってのみならず,日本の生命科学研究にとって良い方向へと進むきっかけになるはずである. .. きわめて遺憾なことに,東京大学がかかる告発を有耶無耶にするように扱ったり,隠蔽しようとしたりする,あるいは告発者に何らかの圧力をかけようとするなどといった話も耳にする... こうした風聞がただのくだらない噂であることを示してもらいたい... 論文として公表されたものは,性善説に基づいて真正なものと認識され,優れた研究であれば予算もつく.データが捏造や改竄であれば,再現を試みる研究者の時間と資金と労力を無駄に消費するだけでなく,研究予算が投じられることで,本来はその予算が回るはずだった他の研究から資金を奪うことになる.何より忘れてはならないのは,ここであげた論文のように疾患をテーマにした研究の場合は,治療や新薬の開発を待ちわびる患者がいると言うことだ... 若者は公正さ,清廉さに対しては特に敏感である.職業倫理が低下し,正直者が馬鹿を見るような職にだれが就きたいと思うだろうか...  (2016年8月14日 Ordinary_researchers 告発文1 5cvq.pdf より)   …

Ordinary_researchersの告発2通め11論文

東大の論文不正を告発する文書が2016年8月に2回に分けて東大などの関係各所へ送付されました。1つめの告発文書の論文は以前紹介しましたので(記事)、2016年8月29日の2つめの告発文書に記載された論文を紹介します。 小室一成氏の研究室より出された論文 Nature Communications 7, Article number: 11635 (2016) doi:10.1038/ncomms11635 Published online:18 May 2016. HIF-1α-PDK1 axis-induced active glycolysis plays an essential role in macrophage migratory capacity. Hiroaki Semba, Norihiko Takeda, Takayuki Isagawa, Yuki Sugiura, Kurara Honda, Masaki Wake, Hidenobu Miyazawa, …

岡山大不正告発解雇無効仮処分を高裁が取消し

研究不正の告発をした教授を岡山大学学長が解雇した事件で、岡山地裁の解雇無効仮処分決定を広島高裁岡山支部が取り消しました。   本学に関する裁判の結果について 本学が普通解雇した大学院医歯薬学総合研究科の元教授2名が、本学に対して労働契約上の仮地位の確認及び賃金相当額の仮払いを求める仮処分申立てを行い、岡山地方裁判所が賃金の仮払いを認める仮処分決定を行ったことに関する保全抗告決定が平成29年3月30日にあり、広島高等裁判所岡山支部は上記仮処分決定を取り消し、仮処分申立てを却下する旨の決定を行いました。 この保全抗告は、平成28年6月6日、岡山地方裁判所が元教授2名への賃金仮払いを認める仮処分決定を行い、同年10月18日に同裁判所が同仮処分決定を認可する旨の保全異議決定を行ったことに対して、本学が保全異議決定を不服として、申し立てていたものです。この保全抗告では、元教授2名について解雇事由が認められると判断され、仮処分決定を取り消す旨の決定がなされました。 この決定に対する学長からのコメントは以下のとおりです。 本学の主張の正当性が認められ、安堵しております。係属中の訴訟等においても、引き続き、本学の正当性を主張していく所存です。 【本件問い合わせ先】 総務・企画部法務・コンプライアンス対策室 TEL:086-251-7146 (17.03.30)(引用元:岡山大学ウェブサイト) 【岡山大の件】本日、岡山高裁で解雇無効仮処分決定が取り消されました。 解雇件濫用ではないとされた理由の1つ 「不正と確定されていない論文を不正論文として外部に公表することが,岡大の最高学府としての権威はもとより,研究への信用性等についてもその根幹から大きく揺るがせるに足りるもの」 — 片瀬久美子 (@kumikokatase) 2017年3月30日 報道 高裁は岡大の解雇権乱用は認めず (NHK NEWS WEB 岡山 NEWS WEB 03月31日 19時41分):”岡山大学薬学部の元教授2人が医学部の論文に不正があるとして告発したことなどを理由に大学から解雇されたことについて広島高等裁判所岡山支部は解雇権の乱用だとして大学側に給与の支払いを命じた地裁の仮処分の決定を取り消しました。 … これについて広島高等裁判所岡山支部は30日、「不正と確定されていない論文を外部に公表し岡大の権威や研究への信用性を大きく揺るがしたことなどを踏まえると解雇の理由は認められる」として地裁の出した仮処分の決定を取り消しました。森山元教授は「最高裁判所に抗告するかは弁護士と相談して決めたい」と話していました。”   関連記事

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分生研加藤研 研究不正 教員らは懲戒処分相当

2017年(平成29年)3月3日に東京大学が発表したところによれば、東京大学分子細胞生物学研究所(旧)加藤茂明研究室で起きた論文不正に関与した教員らは懲戒処分に相当するという判断が下されました。当時の教授、准教授、助教授、特任講師の4人は懲戒解雇相当、助教が論旨解雇相当という判断です。   参考 懲戒処分(相当)の公表について 平成29年3月3日 東京大学 東京大学は、「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(第一次)」(平成26年8月1日公表)および「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(最終)」(平成26年12月26日公表)の裁定に関連し、当該関係者が本学在職中に行った不正行為について、仮に在職者であったとする場合に懲戒事由に該当する不正行為であったのかを調査した結果、東京大学教職員就業規則(平成16年4月1日東大規則第11号)第39条に規定する懲戒処分に相当するものと判断し、2月17日付けで、下記の通り懲戒処分相当を決定し通知した。元教授 加藤 茂明 懲戒解雇相当 元助教授 栁澤 純 懲戒解雇相当 元准教授 武山 健一 懲戒解雇相当 元特任講師 北川 浩史 懲戒解雇相当 元助教 高田 伊知郎 諭旨解雇相当 Forty-Three University of Tokyo Papers Are Tainted, Says Japanese News Report (By Dennis Normile Science News Jul. 25, 2013 , …

Nスペ「STAP細胞不正の深層」で名誉毀損

小保方晴子元理研CDBユニットリーダーの申し立てを放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会が認める NHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」番組内で名誉毀損 平成26年7月27日に放送されたNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」は、小保方晴子元理研CDBグループリーダーがES細胞を盗んだ犯人だと視聴者に思わせるような恣意的な番組構成になっていたとして、小保方氏が人権侵害だとして放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てを行っていましたが、BPOは名誉毀損を認める判断を下しました。 調査報告 STAP細胞 不正の深層 4−1 (YOUTUBE動画削除) 調査報告 STAP細胞 不正の深層 4−2 (YOUTUBE動画削除) 調査報告 STAP細胞 不正の深層 4−3 (YOUTUBE動画削除) 調査報告 STAP細胞 不正の深層 4−4 (YOUTUBE動画削除)   (http://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/brc/determination/2016/62/dec/k_nhk_62.pdf) 参考 放送人権委員会 委員会決定 2016年度 第62号 「STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定 2017年2月10日 放送局:日本放送協会(NHK) 勧告:人権侵害(補足意見、少数意見付記) NHKは2014年7月27日、大型企画番組『NHKスペシャル』で、英科学誌ネイチャーに掲載された小保方晴子氏らによるSTAP細胞に関する論文を検証した特集「調査報告 STAP細胞 不正の深層」を放送した。この放送について小保方氏は、「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと訴え、委員会に申立書を提出した。これに対しNHKは、「『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」などと反論した。委員会は2017年2月10日に「委員会決定」を通知・公表し、「勧告」として名誉毀損の人権侵害が認められると判断した。なお、本決定には補足意見と、2つの少数意見が付記された。 NHK 小保方氏の「人権侵害ない」主張変えず…BPO勧告に (デイリースポーツ 2017.2.10):”NHKは10日、2014年7月27日に放送したNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が小保方晴子・元理化学研究所研究員の名誉を毀損(きそん)する人権侵害を認め、再発防止に努めるよう勧告したのを受け、会見を開いた。” 小保方さん「人生に及ぼした影響は一生消えない」「正当な認定に感謝」とコメント…法的措置は検討せず BPO、NHKに勧告 (産経 WEST 2017.2.10 20:56更新):”STAP(スタップ)細胞の論文不正問題を特集したNHKのドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」に関する「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の放送人権委員会の認定を受けて、理化学研究所の元研究員の小保方晴子さんは10日、代理人弁護士を通じ「名誉毀損(きそん)の人権侵害や放送倫理上の問題点を正当に認定していただき、BPOに感謝している」とのコメントを出した。” STAP細胞 NHK番組にBPOが再発防止を勧告 (NHK NEWS WEB 2月10日 19時19分):”NHKが3年前に放送したSTAP細胞の問題を検証した報道番組で、理化学研究所元研究員の小保方晴子氏が人権を侵害されたと申し立てたことについて、BPO=放送倫理・番組向上機構の委員会は「名誉毀損の人権侵害が認められる」として、NHKに対し、再発防止に努めるよう勧告しました。” NHKスペシャル「小保方氏への人権侵害」 BPO勧告 (朝日新聞 DIGITAL 2017年2月10日14時24分):” 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は10日、STAP細胞論文の研究不正問題を検証したNHKスペシャルについて、「名誉毀損(きそん)の人権侵害が認められる」とする勧告を出した。”

黄博士 崩れたところにレンガを改めて積む心情

黄禹錫(ファン・ウソク)博士は、体細胞由来のヒトクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作製することに成功したとして、2004年と2005年にサイエンス誌に論文を出しました。 Woo Suk Hwang et al., Evidence of a Pluripotent Human Embryonic Stem Cell Line Derived from a Cloned Blastocyst. Science  12 Mar 2004:Vol. 303, Issue 5664, pp. 1669-1674 DOI: 10.1126/science.1094515 Woo Suk Hwang et al., Patient-Specific Embryonic Stem Cells …

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東北大学元総長らに「研究不正は無かった」

このたび、本調査委員会における研究不正の有無に関する調査結果を踏まえ「研究不正は無かった」と判断しましたので、調査結果を公表します。 (研究不正疑義の告発に関する調査結果について 東北大学  ニュース 2016年12月16日 14:00) 報道 東北大・井上前総長に対する研究不正疑惑の調査報告書が発表される(exciteニュース / スラド 2016年12月19日 18時46分 (2016年12月21日 22時00分 更新)) 日本の科学研究における倫理問題を考える上で極めて重大な事案であるにもかかわらず、今回の東北大学の調査結果を報道した新聞、テレビは(インターネット上で検索した限り)皆無でした。(2016年12月28日 記)。 参考 研究不正疑義の告発に関する調査結果について 東北大学  ニュース 2016年12月16日 14:00 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報No.22 ちきゅう座 2016年 12月 11日:”当初、井上明久前東北大学総長の共同原告であった横山嘉彦東北大学金属材料研究所准教授(当時)が、大村泉フォーラム世話人の質問に答える形で、署名押印して仙台高等裁判所に提出した面談記録(乙第173号証)が公表されており、この記録はまさに例外的にPI主導のトップダウン型研究不正の経緯を具体的かつ詳細に明らかにした第一級の資料に相当する。原田氏は、この面談記録(乙第173号証)に詳しく立ち入り、井上氏が自身の疑惑論文(96年論文)を横山氏の疑惑論文(07年論文)によって隠蔽するように仕向けたこと、井上氏がハラスメント行為を繰り返し横山氏にこの隠蔽を強いたこと、さらに当時の東北大学法務課長(現法務部長)が、マスコミの取材攻勢を避けるために、名誉毀損裁判を提訴する必要があるとして、井上氏自身ではなく横山氏を伴って検察庁に向かい、日野氏ら本フォーラム代表らを刑事告訴しようとしたこと、等々を活写する。” 吸引鋳造法によるバルク金属ガラス作製論文の不正疑惑を再現性と実験データで検証 金属Vol.86(2016)No.10 論説 青木 清 (PDF):”研究不正疑惑に関する本件名誉毀損裁判は,直径 30mm の Zr 基バルク金属ガラスが作製できたか否かが焦点であった.再現性と試料のどの位置でガラスであることを確かめるかが問われた.吸引鋳造法(96年論文)とキャップ鋳造法(07 年論文)の鋳造原理は異なるが,それらが同一であるかのように東北大学の追加報告書の説明図面が改ざんされていた.また,試料サイズ,原料金属の純度,論文の撤回申請などより,96 年論文の再現性は 07 年論文によって確認されていないことが明白になった.バルク金属ガラスが作製できたと言えるのは,試料全体がガラスの場合である.しかし,96 年論文は試料の一部を調べただけで,つまりガラス化が困難なインゴットの上部がガラスであることを示すことなく,バルク金属ガラスが作製できたと報告した.ガラスであることを確かめないでそのように結論するのは虚偽であり,同論文の捏造改ざんの疑いは払拭されないままである…. 本誌の 8,9 月号および本号で,本件名誉毀損裁判に関わる 96 年論文と 07 年論文の研究不正疑惑を検証した.裁判では告発者が研究不正であることを立証しないと名誉毀損が成り立つ,つまり科学者コミュニティーと司法では研究不正に対する立証責任が真逆であることに注意が必要である….取り違えを著者自身が証明できなければ,取り違えとは言えない.根拠なしの,‘取り違え’を認めないことが,研究不正防止策の第一歩であると記して本稿を終わりとしたい.” 東北大は東北大学井上前総長の研究不正を許すのか ――同時代の一金属技術者の体験から ちきゅう座 2016年 4月 …