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コンピューター将棋ソフトPonanzaの実力

2015年4月4日(土)の電王戦FINAL第4局において村山慈明 七段と対戦するコンピューター将棋ソフトは「Ponanza(ポナンザ)」。 Ponanzaは2013年に行われた第2回電王戦に出場し、佐藤慎一四段と対戦して勝利しました。これにより、現役プロ棋士を破った初めてのコンピュータ将棋ソフトとして、歴史にその名を刻んでいます。 棋譜: プロが負けた歴史的な1局 電王戦 棋譜 [第2回電王戦] 第2局 佐藤慎一 四段 vs ponanza / 電王戦 – ニコニコ静画 (マンガ)(ニコニコ静止画の棋譜。視聴にはアカウントが必要) 2013年第2回電王戦の結果(日本将棋連盟) 局数 プロ棋士 コンピュータ/開発者 第1局 ○ 阿部光瑠四段 習甦/竹内章 ● 第2局 ● 佐藤慎一四段 ponanza/山本一成 ○ 第3局 ● 船江恒平五段 ツツカナ/一丸貴則 ○ 第4局 持 塚田泰明九段 Puella …

将棋電王戦を戦う棋士たちへ、米長 邦雄 永世棋聖からの応援メッセージ(2012年)

2012年1月に第1回電王戦を戦った米長邦雄 永世棋聖(1943-2012)がコンピュータとの対戦に関してどのような考え方を持っていたのかがわかる非常に興味深いインタビューです。 【ニコニコ動画】米長邦雄永世棋聖インタビュー 第2回将棋電王戦 電王戦に出たいきさつ 00:09 僕が棋士の中じゃ一番コンピュータというものをいろいろ研究していたので、僕が出るよりないと思って出たんですけどね。まさか、負けるとは思わなかった。 コンピュータに敗れた理由 00:34 当日の対局でやり損なったことが悔やまれます。コンピュータ相手には、気合とか、一手違いの読み比べとか、そういうものを出したときは人間がだいたい負けるんですね。コンピュータ相手に戦っているということを最初から最後まで意識してやらないとダメなんです。すごく根気が要るんです。自分を殺しながらずーっと一手一手やっていきますのでね。そのまま続ければよかったんですけど、やっぱり、暴発というんですかね、やっぱり人間らしい手を指しちゃったというところが。まあ、人間同士だったら魅力ある手だったんですけど、コンピュータにはそれは通用しなかったということですね。 1:46 僕の作戦はコンピュータの弱点を突いていくということで、途中まではうまく行ったんですけどね。やっぱりイライラしてくるもんでね。「やっちまえ!」というのが裏目に出たということです。 電王戦の企画について 02:00 (電王戦の企画について)ドワンゴの川上会長が1対1で毎年やっていくよりも、いっぺんに五局でやろうと言っていただいたので、それじゃやりましょうということで。やっぱりファンが喜んでもらえるかどうかとうことが一番大きいですね。 コンピュータに勝つための戦略 03:18 コンピュータの素晴らしさは素晴らしさで、これは人間がかなわないんだということを人間のほうが悟って、その上で、コンピュータには人間に及ばない欠陥があると、その欠陥は何であろうかということを、プロ棋士が真剣に考えて対応すれば、人間が負けることはない。コンピュータの研究成果は一部に特化していると思うんですね。人間同士で戦うということでなくて、コンピュータというものがどういうものかということを知って対局に臨めば、プロ側が勝つのだろう。5人ともプロ棋士相手に指すつもりで練習している場合は、五戦全敗だと思う。コンピュータと戦っているんだと切り替えさえすれば、プロがいけると思っている。 コンピュータに勝つために必要な態度 04:45 今年の1月14日に指した将棋で2手目に6二玉と指したんですけど、人間には非常に評判悪かった。人間同士の戦いの中ではあれは悪手(あくしゅ)なんですね。しかしコンピュータの弱点を知って指した手としては、あの時点では最善だったと思うんですね。しかし、コンピュータのほうも研究を積み重ねて、その6二玉はもう古い手だと、プログラムをいろいろ変えてやってくると思う。だけど、どこまで変えていってもコンピュータにはコンピュータの限界があるのであって。人間はあまりにもコンピュータを知らなさ過ぎる。人間相手ではなくてコンピュータと戦うということに切り替えられるかどうか、そこが見所ですね。 コンピュータ対プロ棋士の対局内容の未来 06:59 つまらん将棋だなと思ってもらえればプロが勝つという、不思議な内容になると思う。プロが自分を殺して、コンピュータの長所、弱点を知り尽くした上で指せるかどうかっていうことで。格好いいとこ見せようとか、こういうふうにやろうとプロが考えたときには、プロが負けるときだと思うんですね。 07:54 コンピュータがあまりにも強すぎる。人間同士の戦いにいきなり持ち込んでると、コンピュータにひどい目に会いますので。意外な弱点をプロが的確に突けるかどうか。 電王戦出場棋士の人選 9:18 来年、再来年どういうふうになっていくかということですけれども、この形態を続けていくとすれば、コンピュータが強くなって人間を引き離すというよりも、コンピュータを研究するプロ棋士が頑張って、逆に人間のほうが有利になってくるんだろうという気がしますね。四段でも、羽生でも渡辺でも、プロ側の人選をどうしたから、タイトルを持っているから強いとか、四段だからダメとか、引退したから弱いとか、そういうレベルでなくてですね。コンピュータをどこまで研究しているかどうかにかかっているのであって。強い棋士が出たからプロが勝つというとうことではないのだろうと思うんですね。 電王戦の意義とは? 10:28 一番大事なことは共存共栄でね。コンピュータ将棋に我々プロの棋士がどれだけ貢献できたかということが一つ。それと、人間と違う異次元のものが出てきたということでプロも頑張ると。ファンが喜ぶかどうかということが大きいと思うんですね。 11:28 おい、みんな頑張れよ! 参考 第2回電王戦(ニコニコ大百科):第2回電王戦とは、2013年に5人のプロ棋士と5組のコンピュータ将棋プログラムによって行われた将棋棋戦である。当初の予定では、第1回から1年に1戦ずつ5年間で計5回戦行われる予定だった。しかし、2012年1月14日に行われた第1回戦米長邦雄永世棋聖 VS ボンクラーズ終了後の記者会見で、急遽その話は白紙となり、2013年はプロ棋士5人VSコンピュータ5ソフトの一斉対局が行われることになった。  

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将棋電王戦FINAL第三局:稲葉 陽 七段、やねうら王に敗れる

2015年3月28日(土)に函館の五稜郭で行われた将棋電王戦FINAL第三局は、稲葉 陽 七段が「やねうら王」に敗れました。これで、人類2勝コンピュータ1勝になり、人類悲願の勝ち越しは来週行われる第四局の村山慈明 七段に託されることになりました。 棋譜再生 ⇒ 電王戦FINAL 第3局 ▲稲葉陽七段 – △やねうら王(ロックショウギ) 開始日時:2015/03/28 10:00 終了日時:2015/03/28 20:02:06 棋戦:電王戦FINAL第3局 先手:稲葉陽 七段 後手:やねうら王 ▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △8五歩 ▲2五歩 △3四歩 ▲7八金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金 ▲3四飛 △3三桂 ▲3六飛 △4二銀 ▲9六歩 △4四歩 ▲5八玉 △6二玉 ▲3八金 △1四歩 …

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研究不正が認定された加藤茂明研究室6人の博士号取得者のうち不正の度合いが大きい3人の学位を東京大学が取り消し

東京大学は2015年(平成27年)3月27日に記者会見を行い、研究不正を認定した学位取得者6人のうち、不正行為が学位研究の結論に重大な影響を及ぼす3人に関して学位を取り消すと発表しました。 参考 「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する学位請求論文の調査報告」(平成27年3月27日 東京大学):学位授与取消しの措置の概要(PDFリンク) 東大、3人の博士号取り消し 論文の捏造や改ざん認定(朝日新聞DIGITAL 2015年3月27日):” 取り消されたのは、加藤元教授の研究室で2005~07年に博士号を取得した元大学院生の金美善、藤木亮次の両氏と、企業研究者の古谷崇氏。…博士論文に不正が認定された元大学院生らはほかに3人いたが、不正の程度や分量、論旨への影響などを踏まえ、取り消し基準に該当しないと判断した。。” 東大不正論文:3人の博士号を取り消し(毎日新聞 2015年03月27日):”東大によると、大学から博士号を取り消されたのは、当時大学院生だった藤木亮次元助教ら3人で、「捏造や改ざんをしたと認定された図が博士論文の結論に重要な影響を与える」と判断し、取り消しを決めた。…残り3人は「不正の程度が軽く、論文の結論に影響しない」などとして取り消さないという。” 3人の博士号取り消し=東大の論文不正で(アメーバニュース/時事通信  2015年03月27日):”東大は、3人は自ら改ざんを行っており、論文で画像が果たした役割も大きかったと認定し、学位を取り消した。他の3人については不正の程度が軽いなどと判断した。”

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ついに人類がコンピューターに勝ち越すのか? 電王戦FINAL 第3局 稲葉陽 七段 vs 「やねうら王」 3月28日(土)午前10時開始

  2015/03/23    Uncategorized

電王戦FINALは2回の対局を終えた時点で、予想外の人類2勝コンピュータ0勝。今週末3月28日(土) の第3局で稲葉陽 七段が 「やねうら王」 に勝てば、なんと人類が勝ち越しという快挙になります。何しろこれまでの人類の成績は、 2012年 第1回将棋電王戦 米長邦雄 永世棋聖がボンクラーズに敗れる 2013年 第2回将棋電王戦 プロ棋士の1勝3敗1引き分け 2014年 第3回将棋電王戦 プロ棋士の1勝4敗 と勝率で見る限り惨敗しています。近年はコンピュータ将棋ソフトが強くなりすぎて、もはや人間はコンピュータに勝てないのではという悲壮な空気が漂っていました。今年の電王戦での人類の二連勝は誰にも予想できなかったのではないでしょうか? 電王戦という舞台で繰り広げられるのは、人間対コンピューターの戦いだけではありません。価値観もプライドの持ち方も全く異なっていて、本来ならば相まみえることが決してなかったであろう棋士とプログラマーの異文化が激しく衝突する場でもあります。 第3局はコンピュータ将棋ソフト開発者の中でももっとも過激な発言で知られるやねうらお(磯崎元洋)氏。 【ニコニコ動画】将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽 七段 vs やねうら王 第3局 稲葉陽 七段 vs 「やねうら王」 3月28日(土) 午前9時半よりニコニコ動画にて生中継 ⇒ 将棋電王戦FINAL公式ウェブサイト 参考 電王戦3局用のPVの撮影終わりました【中編】(やねうら王 2015年3月14日):”— おもてなし定跡を入れた理由というのは? 私「Ponanzaなんかはプロ棋士の定跡を早い段階で抜けるんですよね。中盤が長いほうが勝負どころが増えるので、棋力差がある場合、勝率が上が るからですね。しかし対局するプロ棋士の先生からすると『Ponanzaとやっていると(普段指さない戦型なので、普段のプロ棋戦で指す将棋での大局観 が)おかしくなりそう』という声があります。そこで、プロの棋譜にある指し手からだけの定跡を作成したのがおもてなし定跡です。」 — それは対局するプロ棋士側からすると舐められてると感じるのでは? 私「私にはその感覚はわかりませんね。」” 電王戦3局用のPVの撮影終わりました【後編その1】(やねうら王 2015年3月18日):”私「まあ、棋士に敬意を払うのであれば、もう少し開発者のほうにも敬意を払うべきだとは思いますね。」 — でも将棋ソフトの開発ってそんな年月かかってないじゃないですか。あちらは子供のころから将棋一筋ですよ? 私「いやいや。私とか、プログラミング歴37年ですよ?彼ら(今回の電王戦の出場棋士たち)が生まれる前からプログラムしているわけですよ?どっちが長いと思ってるんですか?」” 電王戦3局用のPVの撮影終わりました【後編その2】(やねうら王 2015年3月21日):”— いまのソフトでも研究すれば穴は見つかるものですか? 私「見つかりますね。私がこの八百長ルール(事前貸出ルール)で研究していいなら、100%ソフトに勝てますね。私にプロ並の棋力があればの話ですが。」”

永瀬拓矢六段 2七角成らず で見せた勝負師の真髄

2015年3月21日(土)電王戦FINAL第2局 永瀬拓矢 六段 vs 「Selene」が高知城で開催されました。 こちらの動画は対局前のPV. 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢 六段 vs Selene とりあえず当日の棋譜を今すぐ見たい方はこちらで見られるようです。 電王戦FINAL 第2局 ▲Selene – △永瀬拓矢六段 棋譜再生(ロックショウギ) 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene 電王戦 棋譜 (ニコニコ静画)(niconicoアカウントが必要) 電王戦 棋譜 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene / 電王戦 – ニコニコ静画 (マンガ)   解説が行われたニコファーレからの放送。司会進行役は本田小百合女流三段、ニコファーレ会場での解説は屋敷伸之九段と広瀬章人八段、もう1人の聞き手に井道千尋女流初段という顔ぶれです。 将棋電王戦FINAL …

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将棋電王戦FINAL第2局 永瀬拓矢 六段 vs Selene:衝撃の結末!

2015年3月21日(土)に将棋電王戦FINAL第2局が高知城で行われ、永瀬拓矢六段とコンピュータ将棋不ソフト「Selene」が対戦しました。 解説者の1人、佐々木勇気五段によれば、昔はコンピュータが人間に勝てたら凄いという状況だったのに、コンピュータ将棋が強くなりすぎたために、最近では人間がコンピュータに勝てたら凄いという状況に変わってしまったそうです。そのため、電王戦のような非常に大きな注目を集める舞台なら若手であれば誰でも出てみたいところですが、勝つことが容易ではないため、必ずしも誰もが出たいと思うわけではないとのこと。また、コンピュータとの対戦のための研究に時間を割くくらいなら、羽生善治棋士棋士など上位の棋士らとの対局に向けた研究に時間を使いたいという気持ちもあるそうです。電王戦FINAL出場というオファーを受けて立つということが棋士にとっていかに大変なことかがよくわかる率直な解説でした。 昨年度の電王戦に出場した屋敷伸之九段は今回はニコファーレの会場で解説者の立場で参加しており、とても楽しそうにリラックスして見えました。ちなみに、屋敷伸之九段の弟子である伊藤沙恵女流初段は今回、大盤解説会場高知城ホールで瀬川晶司五段の解説の聞き手を務めましたが、「聞き手」デビューだったそうで、カメラを向けられた状態でかなり緊張していた様子でした。 夕方、16時45分頃の形勢判断では、今回の立会人を務める三浦弘行九段によると、五分五分。トータルで永瀬六段にちょっと傾いているのは、「希望」なんだそうです。三浦九段が部屋に現れる前に時間があったため、山口恵梨子女流初段が瀬川晶司五段の評も聞いていましたが、瀬川五段も総合的には五分五分という判断でした。   17時に夕食に入る前の局面。この時点でのニコファーレの会場での解説は広瀬章人八段と井道千尋女流初段。   夕食休憩中の現地(高知)における検討。熊倉紫野女流初段、急遽助っ人として解説に参入した片上大輔六段と、瀬川晶司五段。 18時35分頃。ゲストに、来週「やねうら王」と対戦する稲葉陽七段が登場。形勢判断は、ややSELENE有利か。 永瀬六段がやや劣勢という重苦しい状況の中、解説者たちの検討で、実は次に1六角が良いのではないかということになり、少し光が差します。果たして永瀬六段は1六角と打つのかどうか?   次に、永瀬六段が指した手はまさにその1六角でした。視聴者は大いに盛り上がります。   ところが、視聴者の期待と予想をはるかに上回ることが次に起きました。   解説者も仰天した、2七角「成らず」。相手が人間であれば、相手を挑発するために成らずにしたのかとも思えますが、永瀬六段にはどうやら意図があったようです。 勝負の結末は突然訪れました。角の「成らず」に対応していなかったSeleneが「投了」してしまいコンピュータはそこで停止してしまったのです。Selene開発者の西海枝昌彦氏が事情を説明。 あまりの予想外のことに、どう対応すべきなのかを決めるため立会人たちは緊急の協議に入りました。何が起きたのか分からない人が多かったようです。 19時50分ころ、将棋連盟理事の片上大輔六段から説明がありました。永瀬六段が指した2七角「成らず」(王手)をSelenega認識できず、王手されたのにそれを放置して2二銀の手を指してしまったことにより終了したようです。後の記者会見で説明がありましたが、記録としては「王手放置による先手の反側負け」だそうです。 対局後に永瀬六段が心情と読み筋を自ら解説しました。後で行われた記者インタビューのときにも説明していましたが、Selenetono練習対局でこのソフトの「バグ」は把握していたそうです。ただし本番のソフトでそれが修正されている可能性まで考え、成っても成らなくても損得が変わらない局面になったら使おうと考えていたとのこと。また、相手に長考させて持ち時間を削る効果があればそれだけでも使う意味があると考えていたそうです。自分の中では勝ちを確信した局面での2七角「成らず」。立会人を務めた三浦弘行九段も、永瀬六段が勝った局面だったことを確認しました。つまり相手のバグを利用しようがしまいが永瀬六段が勝っていたということで、実に見事な勝ち方でした。 勝敗が確定したところで、両者が挨拶。電王手さんもお辞儀できます。 最後のSeleneの「2二銀」という指し手をなぜ電王手さんが実際に指さなかったかに関しては、西海枝昌彦氏が記者会見で説明していました。Seleneが直接電王手さんを動かしているのではなく、間に将棋エンジンが入っていて、Seleneがあり得ない手を将棋エンジンに渡した場合には将棋エンジンが「負け」を返すという仕組みがあるためだそうです。 Seleneは非常に強いソフトで永瀬六段は練習対局ではあまり勝てていなかったそうです。特に持ち時間が少ない設定の場合にはSeleneが圧勝だったそうで、5時間くらいでやると勝てるかなという程度の勝算だったとのこと。序盤からいやな展開になって永瀬六段はかなり辛抱を強いられましたが、最終的には劣勢を引っくり返して、勝ちに持ち込みました。解説者は永瀬六段のことを、99%勝ちの状況を100%にするためにあえて相手の「バグ」を利用する手まで使ったおそるべき勝負師だと評していましたが、本番で非常に強い力を発揮した永瀬六段に多くの人が感銘を受けた一戦でした。インタビューの席で西海枝昌彦氏はこの「バグ」に関しては申し訳なかったと恐縮していましたが、このことは勝負の決着をドラマチックなものにはしましたが、実際の対局内容には影響しなかったのも幸いでした。 参考 将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢六段 vs Selene (ニコニコ生放送) 対局会場・現地大盤解説会場(ニコニコインフォ)【第2局:高知・高知城】3月21日(土) 永瀬拓矢 六段 vs Selene 現地大盤解説会場:高知城ホール 解説:瀬川晶司五段、佐々木勇気五段 聞き手:熊倉紫野女流初段、伊藤沙恵女流初段 「将棋電王戦FINAL」開催概要(日本将棋連盟):第2局 3月21日(土)10:00対局開始 △永瀬拓矢六段 vs ▲Selene 対局会場:高知城 <高知県高知市丸ノ内1-2-1>、大盤解説会場:高知城ホール(解説:瀬川晶司五段、佐々木勇気五段/聞き手:熊倉紫野女流初段、伊藤沙恵女流初段)、ニコファーレ(解説:屋敷伸之九段、広瀬章人八段/聞き手:本田小百合女流三段、井道千尋女流初段) 【将棋】えりりんと勝又清和六段の現地リポート(YOUTUBE動画):観戦リポーターを務める山口恵梨子女流初段と勝又清和六段 サークルKサンクス様の渋皮和栗のモンブラン。もう一個頂きました。局面は中盤ですね。75歩から一気に開戦しそうな雰囲気です。 …

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光山勝慶研究室の論文10報を不正と認定 熊本大学と大阪市立大学

2015年12月27日追記: 熊本大は25日、平成10~24年に発表した論文9本に画像の流用などの不正が見つかった研究グループを主宰する同大大学院生命科学研究部の光山勝慶教授(58)を、停職1カ月の懲戒処分にした。(研究不正で教授停職1カ月 熊本大、論文の画像流用 産経WEST 2015年12月25日) * * * 光山勝慶研究室から出た9報の論文(熊本大学において執筆された論文2報、大阪市立学において執筆された論文 7報)に関して不正の申し立てがなされていたのを受け、熊本大学と大阪市立大学が合同で調査を行った結果、これらのうち8本の論文において光山教授らによるデータ捏造・改竄などがあったとして研究不正と認定しました。光山教授が責任著者にはなっていない1報に関しては、光山教授らの関与は認められないが捏造の疑義があることを認めています。 さらに、光山教授の他の論文272報(熊本大学において執筆された論文 126 報、大阪市立学において執筆された論文146報)も念のため調べた結果、1報の不正を認定しました。これらをあわせて、10報での研究不正が認定されたとする報告を2015年3月20日、熊本大学のウェブサイト上で公表しました。 この論文不正の疑義申し立ては一昨年、平成25年5月23日付けの文書により行われていました。その申し立てに基づいて調査が行われた結果、2年近くかかりましたがようやく今回の発表となったものです。 この報告書では、筆頭著者7名と光山教授が直接不正に関与したと断定しています。不正行為の判定においては、故意性の評価が分かれ目になりますが、 ”生データが存在しない、又は生データが存在するにも関わらず、他の画像を流用したことについて合理的な説明が無いなど、過失であると主張するには十分な反証がなされなかった。” という判断が下されました。7名の筆頭著者と教授本人が直接不正に関与したということですから、研究室ぐるみの組織的な捏造体制ができていたのでしょうか。 光山教授は、”再実験を行い研究の正当性を立証した”そうですが、仮に再現実験が成功したところで、研究不正の事実が消えるわけではありません。不正行為があったかどうかという議論と、実験結果が正しかったかどうかという議論とを、まぜこぜにすべきではありません。 熊本大学・大阪市立大学がデータ捏造・改竄などの研究不正を認定した光山勝慶教授の論文リスト Yamamoto E, Kataoka K, Dong YF, Koibuchi N, Toyama K, Sueta D, Katayama T, Yasuda O, Ogawa H, Kim-Mitsuyama S. Calcium channel blockers, more than diuretics, …

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「地下鉄サリン事件」から20年 1995年3月20日のオウム真理教による東京での無差別テロ

1995年3月20日の地下鉄サリン事件から20年が経ちました。オウム真理教の教団内でなぜ化学兵器が開発できたのでしょうか?オウム真理教では、東大、京大、阪大、東工大、早大、慶應大、筑波大などの出身者で大学院まで修めたような非常に高学歴な人間も入信しており、教団の幹部になっていました。また、遺伝子工学や有機合成の経験者がテロのための化学兵器、生物兵器の開発を行っていました。 村井秀夫:1958年生まれ。1981年大阪大学物理学科卒業。宇宙物理学分野で卒業研究を行い、天体のX線放射を研究。大阪大学大学院理学研究科修士課程修了、理学修士。1987年、出家僧としてオウムに入信。麻原につぐNo.2の地位にいた。1995年4月23日に東京都港区南青山の教団東京総本部前で刺殺された。 上祐史浩:1962年生まれ。早稲田大学電子通信学科卒業。早稲田大学大学院で電気通信学を専攻。1986年夏、オウムのセミナーに参加。1987年修士号を取得、宇宙開発事業団に就職するが、1ヶ月後に退職しオウムの出家僧に。1992年以降はロシア支部にいたことなどから一連のオウム真理教テロ事件への関与で起訴されることなく、別件で懲役3年の実刑判決を受けた。 早川紀代秀:1949年生まれ。神戸大学卒業、大阪府立大学大学院で農芸工学 (緑地計画) 専攻。1986年、オウムに入信。2009年7月17日、死刑判決が確定。 遠藤誠一:1961年生まれ。帯広畜産大学卒業、京都大学大学院医学研究科大学院生となり、ウイルス研究センターでAIDS関連遺伝子研究に取り組む。1987年オウム入信、1988年には出家僧となる。オウムでは生物兵器開発を担当。2011年11月21日、死刑判決が確定。 中川智正:1962年生まれ。1988年京都府立医科大学卒。1988年オウムに入信。大学卒業後、研修医となったが、1989年に出家し、麻原の主治医となった。2011年11月18日、死刑判決が確定。 土谷正実:1965年生まれ。1989年、オウム真理教の道場 (瞑想の場) に参加。筑波大学では化学 (物理化学と有機化学) 専攻で修士号を取得。1991年に出家。サリン製造で中心的な役割を果たした。2011年2月15日、死刑判決が確定。 なぜ高等教育を受けて科学を学んだ人たちが、麻原 彰晃(本名:松本 智津夫)の教義を信じて、無差別殺人の命令に従い実行したのでしょうか?Center for a New American Securityの報告書を読むと、教団における生物・化学兵器開発研究がどのように行われ、テロに使われたのかをうかがい知ることが出来ます。 オウム真理教内では遠藤誠一がまずボツリヌス菌を用いて生物兵器を作ろうとしましたが、結果的に失敗しています。 1990年2月の選挙敗北と、破滅論アプローチへの回帰の後、麻原は早川、新実、遠藤、村井に対し、ボツリヌス毒素を産生する細菌であるボツリヌス菌(Clostridium botulinum 、C. botulinum)を入手するよう命じた。…遠藤は1990年春、北海道の石狩川流域に行き土壌から細菌を採取した。…この生成物は大量であったけれども意図した効力はなかったことが、さまざまなことからわかる。教団信者たちは、攻撃により誰も死亡しなかったことを知った。実際、ある信者が発酵槽タンクに滑って落ち、おぼれかけたが、発病の徴候は見られなかった。中川は、生成物質の科学的な評価を試みた。2000~3000匹のマウスを購入し、生成物質に曝露させ、およびボツリヌス毒素のマウス検定を用いて、その結果を評価したのである。この試験によりマウスには毒性影響はないことが明らかになったが、一部のマウスは死んだため、ある程度のあいまいさが残ったと中川は考えた。(Center for a New American Security 2012年12月) 遠藤誠一はさらに、炭疽菌で生物兵器を作ろうと試みましたが、やはり、失敗に終わりました。 1992年、遠藤をリーダーとして生物プログラムが再開した。このときは遠藤は炭疽菌 (Bacillus anthracis、B. anthracis) に取り組んだ。…関係者全員が、これがワクチン菌株であることを認識していたのは明らかであった。…Sterne菌株は、2つのプラスミド(pXO1、pXO2) のうちpXO1を有しているがpXO2を欠いている。効果的な毒性を有する炭疽菌を生み出すには、これらが2つとも必要となる。遠藤は、第2の (Pasteur) ワクチン菌株が逆に、第2のプラスミドを保持し第1のプラスミドを取り除かれていることで、致死性を避けながら免疫を提供していることに気がついたのかもしれない。1989年のロシアの科学者による論文で、遠藤は、この2つの良性菌株を両方とも入手すれば、これらを合わせて、両方のプラスミドを含む効力の強い菌株を生成できることを知っていた可能性がある。.. …

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電王戦FINALを戦う5つのコンピュータ将棋ソフトウェア: Apery、Selene、やねうら王、ponanza、AWAKE

  2015/03/16    Uncategorized

電王戦FINALを戦う5つのソフトウェアとその開発者を紹介します。これらの5個のソフトは、2014年11月1日~3日に行われた「第2回将棋電王トーナメント」で5位以上となり今回の電王戦FINALの出場権を獲得したツワモノたちです。 Aperyは昨年2014年に行われた第24回世界コンピュータ将棋選手権の優勝ソフトウェア。開発者の平岡拓也氏(@HiraokaTakuya)はAperyの実行ファイルやソースコードをブログで公開しています。 電王戦出場が決まる5位決定戦で、AperyはN4Sと対戦した。N4Sが振り飛車から強攻を仕掛けてきたのに対して、Aperyも強く応戦する。結果はAperyの勝ち。悲願の電王戦出場を決めた。 (cakes ドキュメント コンピュータ将棋 2015年3月13日 【 第6回】最強のドリームマッチ) Seleneは西海枝昌彦氏が開発。 やねうら王は磯崎元洋氏が開発。2013年の将棋電王トーナメント初出場でいきなり4位に入賞し2014年の電王戦に出場しています。当時の開発のいきさつを語ったインタビュー記事。 ベースとなる部分は3年前に作ったものなんですけど,そこにやね裏定跡とやね裏学習メソッドを追加するだけだから2~3日あれば出来るかと思ってたんで す。ところが,いざ電王トーナメントのエントリーが完了して3年前に書いたソースコードを引っ張りだしてきたら,当時,大改造しようと決意してソースコー ドを一から書きなおしている最中の状態でした。 エントリーした時点では,すでに建ってる家をリフォームするだけくらいの感覚で考えていたんですけど,実 際に取り組んでみたら,家は完全に解体された状態で「瓦礫だけしかないやん。いまから家を建てるところからやるのか!」と。このせいで,開発ではエライ目 に遭いましたけども。(ドワンゴ・川上量生氏 x プログラマーのやねうらお氏 対談 「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」  4gamers.net 2013/12/24  ) やねうら王の将棋ソフト作成の指針は非常に興味深いものがあります。 特徴1. やねうら未来定跡 やねうら王は人間が考えだしたいかなる定跡も搭載しない。 コンピューター自らが序盤で長時間考えることにより、生み出した独自の定跡(やねうら未来定跡)を使用。 特徴2. やねうら未来学習メソッド やねうら王は人間が生み出したいかなる棋譜も参考にしない。 棋譜からの学習(評価関数のパラメーターの学習)のために人間の対局棋譜を用いていない。自己対局棋譜からのみ評価関数のパラメーターを学習する。 特徴3. やねうら未来探索メソッド やねうら王は従来のいかなる将棋ソフトの流れも汲まない。 具体的にはBonanzaの評価関数における3駒関係、1手詰めルーチン・3手詰めルーチン、劣等局面の検出や、GPS将棋の詰将棋ルーチン、ボナンザメソッドなど、従来の将棋ソフトに見られるコンピューター将棋特有のあらゆるテクニックを一切用いない。 (2014年開催の電王トーナメントでのPR文より) ponanzaを開発したのは山本 一成氏と下山 晃 氏。Ponanzaは「第2回 将棋電王戦」で「初めて現役のプロ棋士に勝利した将棋ソフト」となり注目を浴びました。さらに、「第1回 将棋電王トーナメント」で優勝して、初代「電王」の称号を獲得した強豪ソフトです。 …