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科研費を獲得した研究者への報奨金の授与

研究者が科研費を獲得すると、その金額(「直接経費」)の30%に相当する金額が間接経費として大学に入ります。つまり、大学が抱える研究者が科研費を獲得すればするほど大学は潤うのです。多額の研究費を獲得してもそれは研究にのみ使えるお金であって、研究者個人の懐には通常お金は入ってきません。

そこで、研究者の科研費獲得へのモチベーションを高める工夫として、報奨金制度を導入する大学が出てきています。報奨金の対象となる研究費の金額や、報奨金の金額は大学ごとにまちまちですが、公的研究費の一部がささやかながら研究者個人に還元される仕組みです。

東工大報奨金授与式を実施
平成26 年2 月13 日(木)に東工大蔵前会館ロイアルブルーホールにおいて東工大報奨金の授与式が行われました。この報奨金は、大学に多大な貢献等をした職員の勤労等に報い 励ますとともに、他の職員の勤労意欲の向上及び志気高揚を図り、大学を一層発展させることを目的として制定されたもので、今回で6 回目となりました。授与式では、平成24 年10 月から平成25 年9 月の間に外部資金、寄附金等により、合計1,500 万円以上の多額な間接経費を獲得し、大学の運営等に多大な貢献をされた次の22名の方々のうち7名の出席者に対して、三島学長から直接、目録が授与される とともに、本学を一層発展させるため、今後も尽力願いたい旨の言葉がかけられました。(東工大クロニクルNo.496 2014年3月 PDFファイル

名古屋大学 平成24年度 事業報告書 (PDFファイル) ”外部研究資金獲得に関して、間接経費獲得者に対する報奨金制度を構築した。”

科研費獲得金額の増加を目指す大学が考えることはニンジン作戦だけではありません。アメとムチでいえば、ムチを振るうことで科研費申請を促す大学もあります。科研費申請を行わない研究者には大学は研究費を減額、あるいは支給しないという厳しいものです。

科研費の申請の義務化について
7 月29 日に、科研費申請の義務化にかんする団体交渉をおこないました。
教員の話となりますが、科研費の申請をおこなわないことを2 年続けると、研究費がゼロに
なるというペナルティー付きです。しかも「研究代表者」としての申請が義務付けられていま
す。私たち教職員組合は、このような、ペナルティー付きの科研費申請義務化が教員にとって
も(申請業務にたずさわる)、事務系職員にとっても労働強化になる、という理由で反対の申
し入れをおこないました。(高知大学教職員組合中央執行委員会機関紙 こぶし 第 2 号 2014 年9 月4 日 PDFファイル

中でも科学研究費補助金の獲得増に当たっては、申請・採択増の方針によって、原則1人1研究課題以上の申請が義務づけられており、研究者各位の積極的な応募が不可欠であります。

法人化後、本学の研究推進会議がこうした「方針」実現のために「1人1課題以上の申請」を「義務」化し、それを果たさなかった教員には翌年度の研究経費の10%をカットするという、いわば“ペナルティ”を課してきたことは、周知の通りです。(熊本大学教職員組合 赤煉瓦 2009.10.7 PDFファイル

2014年のノーベル医学生理学賞は英ロンドン大学のジョン・オキーフ(John O’Keefe)教授(74)、ノルウェー科学技術大のマイブリット・モーセル(May-Britt Moser)教授(51)、エドバルト・モーセル(Edvard Moser)教授(52)(夫妻!)の3氏に

2014年のノーベル医学生理学賞はジョン・オキーフ(John O’Keefe)教授(74)、ノルウェー科学技術大のマイブリット・モーセル(May-Britt Moser)教授(51)、エドバルト・モーセル(Edvard Moser)教授(52)(夫妻)の3氏に
参考

  1. The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2014 John O’Keefe, May-Britt Moser and Edvard I. Moser ”for their discoveries of cells that constitute a positioning system in the brain (nobelprize.org)
  2. ノーベル医学生理学賞、オキーフ教授ら3氏に 脳のGPS発見 (MSNニュース)
  3. John O’Keefe is known for his discovery of place cells in the hippocampus and his discovery that they show temporal coding in the form of theta phase precession. (Wikipedia)
  4. Place cells were first discovered in the brain, and specifically in the hippocampus, by O’Keefe and Dostrovsky (1971).(Wikipedia)

小惑星探査機「はやぶさ」の成果として2006年にサイエンス誌に発表された論文の一つをJAXAが撤回

小惑星探査機「はやぶさ」は2003年5月9日に打ち上げられ、2005年9月12日に小惑星イトカワに到着、イトカワを周回して観測した後、2005年11月にイトカワへ着陸してサンプルを採取、その後、燃料漏れやエンジン停止、音信不通などさまざまなトラブルを克服し、2010年6月13日に地球に帰還しました。小惑星イトカワ到着時の観測結果が2006年に、さらに、その後地球に持ち帰られたサンプルの分析の結果が2011年に、どちらもサイエンス誌上で発表されています。

サイエンス 2006年6月2日第312巻5778号 (目次
Fujiwara et al., The Rubble-Pile Asteroid Itokawa as Observed by Hayabusa. Science 2 June 2006: 1330-1334.
Abe et al., Near-Infrared Spectral Results of Asteroid Itokawa from the Hayabusa Spacecraft. Science 2 June 2006: 1334-1338.
Okada et al., X-ray Fluorescence Spectrometry of Asteroid Itokawa by Hayabusa. Science 2 June 2006: 1338-1341.
Saito et al., Detailed Images of Asteroid 25143 Itokawa from Hayabusa. Science 2 June 2006: 1341-1344.
Abe et al., Mass and Local Topography Measurements of Itokawa by Hayabusa. Science 2 June 2006: 1344-1347.
Demura et al., Pole and Global Shape of 25143 Itokawa. Science 2 June 2006: 1347-1349.
Yano et al., Touchdown of the Hayabusa Spacecraft at the Muses Sea on Itokawa. Science 2 June 2006: 1350-1353.

ところが、はやぶさが取得した蛍光X線データに基づいて小惑星「イトカワ」の元素組成を解析した論文(Okada et al., 2006)に誤りがあったとして、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、掲載誌サイエンスに論文撤回を申し入れました。

「はやぶさ」のデータ 処理に誤り 論文撤回
論文を執筆したJAXAの岡田達明准教授は「データの処理に問題があることに気付くべ­きだったが思い込みがあり、事前の予想に引きずられてしまった。共著者間の情報共有も­足りなかった」と話しています。

論文を書いた宇宙航空研究開発機構の岡田達明准教授らが29日記者会見し、「地上の分析を参考に解析手法を構築したが、観測条件が悪くそのままでは問題があった。こうした点に注意を払わず、解析を進めたのは反省点だ」と述べた。” (時事ドットコム 2014/08/29

データ解析にどのような不備があったのか、論文撤回に至るまでの経過等の詳細については、JAXAが公開した資料に述べられています。

「蛍光X線分光器(XRS)について」(名誉教授 加藤學)
「データ解析方法について」 (准教授 岡田達明)
「本論文の位置付け及び論文撤回に至る経緯」(研究主幹 藤本正樹)

今回の解析の問題点
(A)エネルギー較正
•蛍光X線ピークの抽出にあたり,エネルギー較正にはゲイン変動があることを仮定したが,その後の調査によりオフセットの変動で説明できることがわかった.
•Mgのピークと同定したチャンネル番号が装置由来のピークと一致しており,それと誤認した. (B)統計的有意性
•ピーク位置抽出後は,元のX線スペクトルに対して解析を行う必要があるが,誤って平滑処理後のX線スペクトルを使用していたことがわかった.
•そのため,見かけ上は統計的有意になったが,実際はランダムなノイズでも同様の結果を示す可能性が排除できない.

データ解析手順のまとめ
本論文で用いたデータ解析方法は地上の分析装置で使用されている方法を参考にした.ノイズに対する信号の相対強度(S/N)が良好なことが前提である.本論文では観測時に太陽X線が弱く,S/Nの悪い条件であったにも関わらず,そのことに十分な注意を払わずにこの解析方法で進めたことに問題があった. 結果として、「事前予想」に大きく引きずられる形で解析作業を進めることになってしまった 太陽X線強度が弱かった等の悪条件があったとしても、S/Nの悪い条件を想定してのデータ解析手法の整備を、観測をする前から進めておかなかったことが、最も反省すべきことであり今後に生かすべき教訓だと考える

はやぶさXRSに係る論文撤回の申し入れに関する記者説明会 資料PDF1.2MB  JAXA 平成26年8月29日 より)

2006年にこの著者らが蛍光X線分光データ分析により検証しようとした仮説は、後に探査機「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルを実際に分析することにより検証され、その結果は2011年にサイエンス誌に発表された6本の論文の一つ(Nakamura et al., 2011)で報告されました。

サイエンス 2011年8月26日 第333巻6046号 (目次(成果を解説するポッドキャスト
Nakamura et al., Itokawa Dust Particles: A Direct Link Between S-Type Asteroids and Ordinary Chondrites. Science 26 August 2011: 1113-1116.
Yurimoto et al., Oxygen Isotopic Compositions of Asteroidal Materials Returned from Itokawa by the Hayabusa Mission. Science 26 August 2011: 1116-1119.
Ebihara et al., Neutron Activation Analysis of a Particle Returned from Asteroid Itokawa. Science 26 August 2011: 1119-1121.
Noguchi et al., Incipient Space Weathering Observed on the Surface of Itokawa Dust Particles. Science 26 August 2011: 1121-1125.
Tsuchiyama et al., Three-Dimensional Structure of Hayabusa Samples: Origin and Evolution of Itokawa Regolith. Science 26 August 2011: 1125-1128.
Nagao et al., Irradiation History of Itokawa Regolith Material Deduced from Noble Gases in the Hayabusa Samples. Science 26 August 2011: 1128-1131.

参考

  1. Tatsuaki Okada, Kei Shirai, Yukio Yamamoto, Takehiko Arai, Kazunori Ogawa, Kozue Hosono, Manabu Kato. X-ray Fluorescence Spectrometry of Asteroid Itokawa by Hayabusa.  Science 2 June 2006:Vol. 312 no. 5778 pp. 1338-1341 DOI: 10.1126/science.1125731
  2. はやぶさXRSに係る論文撤回の申し入れに関する記者説明会 資料PDF1.2MB (JAXA 平成26年8月29日)
  3. はやぶさXRSに係る論文撤回の申し入れについて:” 当機構 宇宙科学研究所に所属する研究者が主著者となって投稿し、平成18年6月2日のサイエンス誌に掲載された論文「X-ray Fluorescence Spectrometry of Asteroid Itokawa by Hayabusa」について、本日、主著者らがサイエンス誌編集部に論文の撤回を申し入れましたのでお知らせいたします。なお、当該論文は、「はやぶさ」 に関連して発表された査読付き論文129件(うちサイエンス誌には14件掲載)の内の1件です。..” (JAXA 宇宙高校研究開発機構 平成26年8 月29日)
  4. JAXA、蛍光X線分光器によるイトカワの元素組成の解析に関する論文を撤回(日経テクノロジーオンライン 2014年8月30日)
  5. 小惑星イトカワの真の姿を明らかに~「はやぶさ」サンプルの初期分析結果~(JAXA 宇宙航空研究開発機構 2011年12月27日)
  6. 小惑星イトカワの素顔に迫る―「はやぶさ」科学的観測の成果― (JAXA 宇宙航空研究開発機構)
  7. はやぶさとは(JAXA 宇宙教育センター)
  8. 日本の宇宙開発の父 糸川英夫 生誕100年記念サイト (JAXA)

ハローキティは猫にはあらず サンリオが指摘

ハローキティの生誕40周年を記念するイベント「「ハロー!キティーのスーパーキュートな世界への体験」」が全米日系人博物館で開催されますが、その紹介文の原稿を書いていたハワイ大学の文化人類学者クリスティン・ヤノ氏がハローキティを猫だとする記述をしたところ、ハローキティ生みの親のサンリオから「ハローキティは猫ではない」という指摘を受けるという「事件」がありました。

ハローキティが実は猫ではなかったというニュースが、世界中を混乱に陥れています。

Hello Kitty is not a cat; UH professor explains the revelation (khon2)

BREAKING NEWZ! HELLO KITTY NOT A CAT! DUN! DUN! DUN!

Many shocked to find out Hello Kitty is not a cat

Hello Kitty Rep Explains Why She’s Not A Cat

ハローキティの研究をしていたヤノ氏ですらハローキティが猫だと信じて疑っていなかったくらいですから、世間一般で「ハローキティ=猫」が自明のこととされていたのも当然でしょう。

“Hello Kitty, the white cat with a pink bow on her ear, is the ultimate embodiment of Japan’s cute culture: She has no background and no mouth.” (From Anne Frank to Hello Kitty.(Norihiro Kato, The New York Times March 12, 2014. )

FOOD STUFF; For Fanciers Of the Cat Called Hello Kitty, A Breakfast To Purr Over” (By Florence Fabricant Published: September 4, 2002 The New York Times)

The Small White Cat That Conquered Japan” (By David Tracey Published: May 29, 1999. The New York Times)

Purr Me a Hello Kitty! Cartoon Cat Sells Beer in Asia” (By Sophie Brown Sept. 13, 2013. Times.com)

The celebrity cat adorns everything from diamond-studded jewellery, Fender guitars and digital cameras to lunch boxes, T-shirts and stationery.” (AL Jazeera 08 Aug 2007)

それだけに、今回のニュースは世界中で衝撃を持って伝えられました。

Apparently Hello Kitty is a Human Girl, Not a Cat (TIME Aug. 27, 2014)

Hello Kitty is not a cat, plus more reveals before her L.A. tour (ロサンジェルスタイムズ August 26,2014)

Hello Kitty: when is a cat not a cat?  (ガーディアン Thursday 28 August 2014)

Révélation: Hello Kitty n’est pas une chatte mais une petite fille (liberation.fr 29 août 2014)

Mais si Hello Kitty est un chat (lexpress.fr 28/08/2014)

El secreto mejor guardado de Hello Kitty: nunca ha sido una gata (abc.es 28/08/2014)

¿Qué es Hello Kitty si no es un Gato? (EL MUNDO 29/08/2014)

参考

  1. ハローキティーの公式プロフィール“Hello Kitty is a cheerful and happy little girl with a heart of gold. She lives in London with her mama (Mary White), papa (George White), and her twin sister Mimmy. Hello Kitty loves to bake and she can make really delicious cookies. She learned her baking talents from her mama, who makes scrumptious apple pies that are enjoyed by the whole family.”
  2. Cat-astrophic revelation purr-turbs Hello Kitty fans (CNN August 28, 2014)
  3. Pink Globalization: Hello Kitty’s Trek across the Pacific: “In Pink Globalization, Christine R. Yano examines the creation and rise of Hello Kitty as a part of Japanese Cute-Cool culture. Yano argues that the international popularity of Hello Kitty is one aspect of what she calls pink globalization—the spread of goods and images labeled cute (kawaii) from Japan to other parts of the industrial world.” (アマゾン)
  4. Christine Yano, PhD. Professor Department of Anthropology, University of Hawaii at Manoa
  5. サンリオ公式ウェブサイト
  6. 「ハロー!キティーのスーパーキュートな世界への体験」 (Hello! Exploring the Supercute World of Hello Kitty) October 11, 2014 – April 26, 2015 (全米日系人博物館 Japanese American National Museum)
  7. ハローキティ:猫じゃない? サンリオ見解が波紋 (毎日新聞 2014年08月29日)
  8. 『いいとも』出演記念! 汗と涙のキティちゃん誕生秘話 (リアルライブ 2010年08月21日)”.. デザイン部門はあらゆる調査データを作成し、子供に人気の動物がイヌ、ネコ、クマの3種類である事を発見。さっそく当時デザイナーのひとりだった清水侑子がデータを元に「座ったネコ」のデザインを描きあげる。サンリオはその後、オリジナルキャラクターを入れたビニール製のプチパースを発売。「座ったネコ」を含む6種類のキャラクターがデザインを飾ったが、その際に社内の評価がイマイチだった「座ったネコ」のプチケースがダントツの売り上げを見せたという。その後「座ったネコ」はその後「ハローキティ」と命名され日本を代表する人気キャラクターとなった..”

エボラ出血熱の治療に効果が期待される抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」を日本が提供する用意

 

参考

  1.  エボラ未承認薬「提供の用意」 政府方針 WHOなどに(日本経済新聞 2014/8/25):”..富士フイルムによると、エボラ熱に効果が期待されるインフルエンザ薬「アビガン」2万人分の在庫を保有する。今後も連続的に生産・供給する体制が整っているという。..
  2. 日本のインフル治療薬「アビガン」に脚光 マウス実験で効果(産経ニュース 2014.8.14)”..アビガンは富士フイルム傘下の富山化学工業(東京都新宿区)が開発し、今年3月、既存の治療薬の効果が出ない新型インフルエンザなどに限って製造販売が承認された。..”
  3.  Ebola kills Liberia doctor despite ZMapp treatment (BBC 25 August 2014):”..It is not clear whether T-705 (or Avigan) will actually work against Ebola, and no monkey or human trials of the drug have been done, the BBC’s Rupert Wingfield-Hayes in Tokyo reports. ..”
  4. Family of British Ebola sufferer says he is in ‘best possible place’ (RTE News Monday 25 August 2014):”Tokyo stands ready to offer an experimental drug developed by a Japanese company to help stem the global tide of the deadly Ebola virus, the top government spokesman has said…”
  5. Japan prepared to offer West Africa Fujifilm’s new anti-ebola trial drug called Aviga (Nigerian Watch Monday, 25 August 2014): “JAPAN has offered to help Nigeria and her West African neighbours get rid of the deadly ebola virus currently ravaging the sub-region by offering the new experimental Avigan drug which it believes is a cure. ..”
  6. Oestereich L, Lüdtke A, Wurr S, Rieger T, Muñoz-Fontela C, Günther S. Successful treatment of advanced Ebola virus infection with T-705 (favipiravir) in a small animal model. Antiviral Res. 2014 May;105:17-21. doi: 10.1016/j.antiviral.2014.02.014. Epub 2014 Feb 26.
  7. Smither et al.,  Post-exposure efficacy of oral T-705 (Favipiravir) against inhalational Ebola virus infection in a mouse model. Antiviral Res. 2014 Apr;104:153-5. doi: 10.1016/j.antiviral.2014.01.012. Epub 2014 Jan 24.
  8. Furuta et al., T-705 (favipiravir) and related compounds: Novel broad-spectrum inhibitors of RNA viral infections. Antiviral Research Volume 82, Issue 3, June 2009, Pages 95–102
  9. Ebola treatments and vaccines in preclinical development (http://blogs.nature.com/tradesecrets/files/2014/08/Ebola-treatments.pdf)
  10. 抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠200mg」の日本国内での製造販売承認取得のお知らせ (富山化学工業株式会社 ニュースリリース 2014年3月24日): “富士フイルムグループの富山化学工業株式会社(本社:東京都新宿区、社長:菅田益司、以下、富山化学)は、このたび、錠剤タイプの新しい抗インフルエンザ ウイルス薬「アビガン®錠200mg」(一般名:ファビピラビル、開発品コード:T-705、以下「アビガン」)の製造販売承認を取得いたしましたのでお 知らせします。..”
  11. エボラ感染拡大で急浮上 富士フイルムのインフル薬 (週刊ダイヤモンド編集部【第168回】 2014年8月25日) http://diamond.jp/articles/-/58074
  12. 条件付き承認で普及に足かせ 富山化学インフル薬の“無念” (週刊ダイヤモンド編集部【第975回】 2014年2月25日):”「商業的には明らかな失敗作」。富士フイルムグループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」を、大手製薬幹部はこう断じる。..”

エボラ出血熱に対する未承認治療薬ZMappが二人のアメリカ人感染者の治療において劇的な効果

WATCH: US Doctor contracted with Ebola Released from Atlanta Hospital

ZMappという治療薬の実体は、エボラウイルスの蛋白質に対する3種類の抗体です。これらの抗体がエボラウイルスに結合し、エボラウイルスがヒトの細胞に侵入することを阻害します。まだサルを用いた実験で効果が確認されていた段階でしたが、今回のエボラ出血熱の感染拡大という緊急事態を受けて、世界保健機関(WHO)はこの試験段階の未承認薬の使用が倫理的に認められるという見解を発表していました。

Is Californian company close to an Ebola cure?

The Structural Basis of Ebola Viral Pathogenesis

(Erica Ollmann Saphire, Ph.D., Professor, Department of Immunology and Microbial Science, The Scripps Research Institute)

参考

  1. エボラ感染への治療に光明:投与された「実験的治療薬」 (WIRED 2014.8.6 WED):”.. 必要な抗体(抗体医薬品)を得る手段として、研究チームはモノクローナル抗体(抗原抗体反応を利用して特定の分子の機能を阻害する免疫グロブリン製剤)の作製という、すでに確立された技術を採用した。..”
  2. Mapp Biopharmaceutical:Zmappを開発した企業のウェブサイト
  3. Therapeutic Intervention of Ebola Virus Infection in Rhesus Macaques with the MB-003 Monoclonal Antibody Cocktail. Pettitt et al., Sci Transl Med. 2013 Aug 21;5(199):199ra113.:サルを用いた実験で、抗体カクテルがエボラ出血熱の治療における有効性を示したという論文
  4. Ethical considerations for use of unregistered interventions for Ebola virus disease
    Report of an advisory panel to WHO :世界保健機関(WHO)が実験段階の未承認治療薬の使用を認める見解を発表した報告書”Conclusion   In the particular context of the current Ebola outbreak in West Africa, it is ethically acceptable to offer unproven interventions that have shown promising results in the laboratory and in animal models but have not yet been evaluated for safety and efficacy in humans as potential treatment or prevention. … “
  5. Experimental Ebola Treatment Protects Some Primates Even After Disease Symptoms Appear (United Staes Army Medical Research Institute of Infectious Diseases (USAMRIID) News Release Aug 21, 2013)
  6. Ebola therapy hopes shift to small California biotech (Reuters Tue Aug 5, 2014 GMT):”Hopes of finding a treatment for the deadly Ebola virus shifted on Monday to a small California-based biotech company whose experimental drug has been used to treat two American missionary workers. …”
  7. Five things to know about the ZMapp Ebola drug (Fortune.com August 5, 2014, 10:45 AM EDT): “In the wake of an Ebola outbreak in West Africa that has resulted in nearly 900 deaths, a tiny pharmaceutical maker has allowed an experimental treatment to be used for two Americans infected with the deadly virus. ..”
  8. Experimental Ebola drug ZMapp sent to Liberia (Al Ja Zeera August 12, 2014 ET):
  9. 奇跡的…エボラ熱感染の米国人、試験前の治療薬が効果か (サンスポ 2014.8.5 08:45):”..治療薬は米カリフォルニア州の製薬会社が開発する「ZMapp」。マウスを使った抗体を含み、免疫機能の働きを助けてウイルスによる細胞への感染を防ぐ。感染後1~2日のサルに投与すると死亡を防ぐ効果が示されたが、人での安全性や効果は未知数だった。..”
  10. What Is Mapp Biopharmaceutical, Developer Of Experimental Ebola Treatment ZMapp? (International Business Times August 12 2014 1:31 PM)
  11. Ebola drug ZMapp tested in Europe, on Spanish priest infected in Liberia (The Washington Times – Sunday, August 10, 2014): “The 75-year-old Spanish priest who became the first patient evacuated to Europe with the deadly Ebola virus now will become the first European to be treated with the experimental drug ZMapp. ..”

アイス・バケツ・チャレンジに山中伸弥氏も参加

難病の一つであるALS(筋委縮性側策硬化症)に対する世間の認知度を高め、この病気の原因の解明と治療法の開発に対する資金援助を募るための「氷水バケツチャレンジ」が世界を席捲しています。

8月20日現在、3150万ドル(約32億5千万円)もの寄付がアメリカのALS協会(The ALS Association, Washington, DC)に集まっているそうです。

Shinya Yamanaka’s ALS Ice Bucket Challenge

Yuri and Julia Milner ALS Ice Bucket Challenge #icebucketchallenge

Bill Gates ALS Ice Bucket Challenge

参考

  1.  筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは(難病情報センター)
  2. ALS筋萎縮性側索硬化症の疾患・治療に関する情報プログラム(Sponsored by サノフィ株式会社)
  3. 一般社団法人 日本ALS協会
  4. Ice Bucket Challenge Still Going Strong: $31.5 Million in Donations to The ALS Association (alsa.org August 20, 2014)
  5. Here’s How the ALS Ice Bucket Challenge Actually Started (time.com Aug. 18, 2014)

シロイルカ(ベルーガ)の人の言葉をまねる能力

人の言葉を真似する白イルカ!|ベルーガの鳴き声

鴨川シーワールド しゃべるベルーガ

シロイルカ(ベルーガ)が人の言葉をまねることができることを、村山司東海大教授らと鴨川シーワールドの研究グループが論文で報告しました。下のオーディオの再生ボタンを押すと、人間が話した言葉とイルカがそれを真似た音声が聴けます。


(Murayama et al., 2014 http://escholarship.org/uc/item/51v1z12bより)

わかりづらいものもありますが、実験で用いられた言葉は以下の通り。

「ハハハハハ!」
「ほう?」
「あわわわ」
「デューク」
「おはよう」
「つかさ」
「ピヨピヨ」
「ホケキョ」
「おお!」

人の言葉を覚えるシロイルカ(ベルーガ)の能力を示す例は過去にもあります。サンディエゴの水族館で、人の声のように聞こえる不思議な鳴き方を自然に覚えた白イルカの例が報告されています。
NOC Mimicking Human Speech

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0960982212010093

参考

  1. Murayama, Tsukasa; Iijima, So; Katsumata, Hiroshi; & Arai, Kazutoshi. (2014). Vocal Imitation of Human Speech, Synthetic Sounds and Beluga Sounds, by a Beluga (Delphinapterus leucas). International Journal of Comparative Psychology, 27(3).
  2. 鴨川シーワールド:イルカ「しゃべった」 8種類をまねる(毎日新聞 2014年08月18日):”イルカが言葉をしゃべった−−。村山司(つかさ)・東海大教授(54)らの研究チームは、イルカが人の言葉をまねられることを世界で初めて証明し今月、国際心理学誌電子版に発表した。..”
  3. 鴨川シーワールド
  4. Ridgway et al., Spontaneous human speech mimicry by a cetacean. Current Biology Volume 22, Issue 20, 23 October 2012, Pages R860–R861
  5.  Beluga Whale Named Noc Mimics Human Noises With Spot-On Imitation (AUDIO) Huffpost 10/23/2012):”..In 1984, scientists at the National Marine Mammal Foundation in San Diego began noticing unusual noises emanating from where they kept the whales and dolphins. These resembled two people conversing in the distance, just beyond the range of the understanding of listeners…”

IBMが脳型コンピュータを開発 Science誌

IBMが神経細胞のネットワークを模した、低電力で駆動する新たなコンピュータチップを開発しました。100万個の「神経細胞」と、神経細胞同士の結合部分である「シナプス」を2億5千6百万個備えたものです。

サイエンス論文の筆頭著者の二人が、新しいコンピュータチップ開発の動機を解説している動画。
SyNAPSE: IBM Cognitive Computing Project – Hardware

A Cognitive Information Superhighway

”IBM’s brain-inspired architecture consists of a network of neurosynaptic cores. Cores are distributed and operate in parallel. Cores operate—without a clock—in an event-driven fashion. Cores integrate memory, computation, and communication. Individual cores can fail and yet, like the brain, the architecture can still function. Cores on the same chip communicate with one another via an on-chip event-driven network. Chips communicate via an inter-chip interface leading to seamless scalability like the cortex, enabling creation of scalable neuromorphic systems.”(http://www.research.ibm.com/cognitive-computing/neurosynaptic-chips.shtml#fbid=15Zz4zjXf0H

Bringing Computing to the Data

”A video camera on Hoover Tower at Stanford University is looking down at the plaza, below. A simulated network of IBM TrueNorth chips takes in the video data and locates interesting objects. Objects might look interesting to the system because they are moving or have a different color or texture than the background. The system then further processes those portions of the interesting video to determine what the objects are. It is trained in several specific categories, such as buses, cars, people, and cyclists. In a monitoring application, the camera would only need to communicate when it found an interesting object, rather than continually streaming video to a central location.”(http://www.research.ibm.com/cognitive-computing/neurosynaptic-chips.shtml#fbid=15Zz4zjXf0H

参考

  1. Paul A. Merolla, John V. Arthur, Rodrigo Alvarez-Icaza, Andrew S. Cassidy, Jun Sawada, Filipp Akopyan, Bryan L. Jackson, et al. A million spiking-neuron integrated circuit with a scalable communication network and interface. Science 8 August 2014.
    Vol. 345 no. 6197 pp. 668-673. DOI: 10.1126/science.1254642
  2. New IBM SyNAPSE Chip Could Open Era of Vast Neural Networks (IBM News release San Jose, CA. – 07 Aug 2014)
  3. 新しいIBM SyNAPSEチップを発表 (日本IBMプレスリリース2014年8月8日)
  4. IBM社が世界最大規模の脳型半導体チップを開発、100万個のニューロンと2.56億個のシナプスを実装(日経テクノロジーオンライン 2014年8月8日)
  5. 米IBM、人間の脳のように動くチップ「SyNAPSE」を開発 (マイナナビニュース 2014/08/08)”..「SyNAPSE」は、2011年に開発された初期プロトタイプの第2世代目となり、サムスン電子製の54億個のトランジスタを土台に、100万個のプログラム可能なニューロンと2億5,600万個のプログラム可能なシナプスで構成される。..”
  6. DARPA SyNAPSE Program (artificialbrains.com Jan 11, 2013):” SyNAPSE is a DARPA-funded program to develop electronic neuromorphic machine technology that scales to biological levels. More simply stated, it is an attempt to build a new kind of computer with similar form and function to the mammalian brain. Such artificial brains would be used to build robots whose intelligence matches that of mice and cats. SyNAPSE is a backronym standing for Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics. It started in 2008 and as of January 2013 has received $102.6 million in funding. It is scheduled to run until around 2016. The project is primarily contracted to IBM and HRL who in turn subcontract parts of the research to various US universities. ..”
  7. Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics (SyNAPSE) (darpa.mil): “The vision for the Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics (SyNAPSE) program is to develop low-power electronic neuromorphic computers that scale to biological levels. ..”
  8. SyNAPSE (en.wikipedia.org)

STAP 細胞事案に関する理化学研究所への要望

STAP問題「科学研究に負のイメージが」日本学術会議(14/07/25)

“…現在、研究不正に最も深く関わったとされる小保方氏が参加する STAP 現象の再現実験が始められ、関係者の懲戒については結論が先送りされると伝えられています。しかし、この再現実験の帰趨にかかわらず、理研は保存されている関係試料を速やかに調査し、取り下げられた2つの論文にどれだけの不正が含まれていたかを明らかにするべきです。また、そこで認定された研究不正に応じて、関係者に対する処分を下すことは、この事案における関係者の責任を曖昧にしないという意味で重要です。関係試料の速やかな調査による不正の解明と、関係者の責任を明確にすることを要望します。,..”

(日本学術会議 幹事会声明 平成26年7月25日 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf//kohyo-22-kanji-1.pdf)

早稲田大学 先進理工学研究科有志教員が「小保方氏博士論文の調査報告書に対する所見」を公開

早稲田大学が先日公表した小保方氏の博士論文の調査報告書に関して、科学者や捏造問題の専門家らがコメントを発表しています。

“今回の早稲田大学の調査委員会の結論は、学位論文審査云々以前のこととして、非常識であり犯罪の容認と同等だと思います。… ” (日本分子生物学会ウェブサイト STAP細胞問題等についての、理事、元役員経験者からの自主的なコメント 上村 匡 理事 2014年7月18日

“…「これ、そもそもイントロ全体が剽窃なんだから、問答無用で、学位取り下げ以外の選択枝なし」のはずじゃないのか。…” (佐々真一 京都大学理学研究科 教授 ブログ 「日々の研究 2014-07-18 金曜日」)

“…日本の「博士号」という資格が世界でどのようにみなされるかという質保証の問題です。” (大隅典子の仙台通信 2014年07月17日 「学位論文」

“…もはや早稲田大が授与する博士学位の価値は世界最低になったと言っても過言ではない。したがって早稲田大に在籍する学者志望の学生は今すぐ退学し、できれば東京大学や京都大学などに入り直したほうがいい。今や早稲田の博士号は就職の邪魔になりかねない不良学位なのだから。…(森口尚史 元 東京大学特任教授 「探偵ファイル」 更新日07/19

早稲大学の教員からも疑問の声が上がっています。以下、https://www.facebook.com/iwasaki.hideo.5/posts/793592170693337からの転載です。

「小保方晴子氏の博士学位論文に対する調査報告書」に対する
早稲田大学大学院 先進理工学研究科 教員有志の所見

2014年7月24日

早稲田大学における博士学位論文の不正に関する問題は,本学個別の問題というだけにとどまらず,科学研究や大学における教育,さらに博士の学位の信用にも 大きな影響をおよぼす問題です。私たちは,先進理工学研究科の構成員として,また自然科学の研究・教育に携わる学徒としてこの問題に対する大きな危機感を 共有しており,本問題の解決に向け、科学的規範と良心にしたがって誠実に行動していきたいと考えております。
 さて,2014年7月17日に「早稲田大学大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」(小林英明委員長)による調査報告書が早稲 田大学に提出されました。当日小林委員長による記者会見と概要書の配布が行われ,さらに7月19日に修正処理を施された報告書全文が早稲田大学のウェブサ イトより公開されました。
 調査報告書では,小保方氏によって提出され,国会図書館に収められている博士論文が極めて杜撰な内容であること,その作成過程および審査過程に重大な過 誤が認められること,さらに早稲田大学ならびに先進理工学研究科の指導体制・審査体制に欠陥があることなどが厳しく指摘されました。その一方で,私たちが 学位論文の中で重大な問題点とみなしてきたものが,この調査報告書の中では軽微に扱われている場合が散見されました。自身の責任問題を含めて厳正に臨まな ければならないと考えていた私たちにとって,後者の部分には強い違和感と困惑を覚えざるを得ませんでした。
 今後,大学ではこの調査報告書の検討を通じて,この問題に対する見解や処分を公表することとなっております。私たちは,その過程で,様々な論点について透明性を確保しながら,学内外を問わずできるだけ多くの議論が活発に行われるべきだと考えています。
 そこで,数人の有志の見解ではありますが,今回の調査報告書で特に問題と感じた点を,別紙に6項目掲げました。大学の担当部署に提出させていただくとと もに,学外の方々にも意見の一つとして公表させていただくことにいたします。ここでは,主として当該博士論文に対して厳正な判断を求める内容となっており ますが,一方で,十分な指導が行われなかったこと,このような論文に学位を授与してしまった責任は極めて重大で,研究科の構成員として重く受け止めており ます。
 この問題は小保方氏一人の問題に限らず,研究・教育に関する構造的な問題が背後にあります。その一翼を担っているものとして,今一度痛切に猛省しなけれ ばいけないと考えています。科学研究・大学教育の原点に立ち戻って,この問題の背景や責任を明らかにしようとすること,また,再発の防止や,より厳格かつ 健全な研究・教育・学位審査プロセスの立て直しのために全力で臨むことを誓います。

早稲田大学大学院 先進理工学研究科 有志一同を代表して
岩崎秀雄(電気・情報生命専攻 教授)
小出隆規(化学・生命化学専攻 教授)
寺田泰比古(化学・生命化学専攻 教授)
勝藤拓郎(物理学及応用物理学専攻 教授)

調査報告書に対する所見

1. Tissue Engineering誌論文におけるデータの改竄疑惑への言及が存在しない点

科学研究論文において,データの信頼性を損なう改竄・捏造が致命傷であることは,改めて言うまでもありません。
 しかし,博士論文のもととなっているTissue Engineering誌の論文には,明白と言ってよい画像の改竄(報告書における「実験結果欺罔行為」)が認められています。具体的には,Tissue Engineering誌論文の図2、図3、図4に電気泳動写真が掲載されていますが,まったく異なる遺伝子群の発現パターンに関して,同じゲルの写真を 上下反転したり,一部切り抜いて流用したりするといった改竄・捏造が既にネット上でも指摘されています。このうち,図3は,博士論文においても図16とし て採録されています。
 Tissue Engineering誌の図3は,ネット上での指摘を受け,責任著者のVacanti教授によって,改竄が指摘された4つの遺伝子群のデータを削除する 形で修正(correction)されています。その理由は,「類似した見かけのデータを,複数の著者が編集したために起きた過失」とされています。
 しかしながら,同様の図の改竄は,多くの場合Correctionで済むものではなく,様々な科学論文誌においてRetraction(論文撤回)の対 象となってきました。実際の写真を検討すると,「過失」というレベルではないことは明らかで,学位取り消しの条件である「不正の方法」に相当するのではな いかとの疑義があります。
 にもかかわらず,調査報告書では,「そもそも博士学位論文の条件として査読付き欧文論文が前提となっており,このTissue Engineering誌論文には修正がなされていること」を理由にデータの意図的な改竄(調査報告書に言う実験結果欺罔行為)には該当しないと結論付け ています。しかしながら,Tissue Engineering誌において,Vacanti教授は強い影響力を持つと推測されるFounding Editorであり,軽微な「過失による修正」にとどめている編集方針には疑義があります。したがって,この論点については改めて独自の調査がなされてし かるべきと考えます。

2. 公表されてきた学位論文を草稿とみなし,「真の学位論文」なるものが存在し,それをもとに学位取得の妥当性を議論していることに関する疑義

調査報告書では,国会図書館に保管された正本(と通常は受け取れる論文:調査報告書における「本件博士論文」)が,実は草稿に過ぎず,「本来提出すべきであった博士論文」が実在するとの小保方氏の弁明が最終的に支持されています。
 しかし,「本件博士論文」は,3年間にわたって修正されることなく正本として保管・開示されてきたものです。これに対して,調査開始後,委員会に要請さ れてからかなりの期間を経て提出され,しかも提出一時間前に修正された形跡もある文書を「真の学位論文」と認定する根拠は薄弱に感じられます。
 たとえば,学位審査の公聴会の際に副査が指摘した不備が修正されていないことをもって,「本件博士論文」が公聴会前の論文であるとの弁明を支持していま す。しかし,最近明らかにされた経緯によると,その後の小保方氏らのNature論文における不備は,Cell誌,Science誌の査読過程で指摘され ていたにも関わらず修正されていません。この対応を見ると「学位論文に関しては副査の指摘に素直に従い,これを修正した」との前提が自明であるとは必ずし も思えません(むろん,それを指導する責任が指導教員にあったはずであることは,調査報告書の指摘通り)。また,公聴会時に回覧されたはずの論文(報告書 中における「公聴会時論文」)については,現存が確認されておらず,プレゼンテーション資料が確認されているのみです。プレゼン資料とそれに基づく公聴会 時の副査とのやりとりをもとに,「本件博士論文」が草稿であり,それとは別に修正を踏まえた「真の博士論文が存在する」との推論を導いていますが,プレゼ ン資料が「真の博士論文」とされる論文の内容をそのまま示しているとの前提は,必ずしも自明とは思えません。
 この判断に基づいて草稿と認定された「本件博士論文」の重大な問題点が,調査報告書では最終的に軽微に取り扱われ,事実上免責されていることに大きな違和感を覚えます。代表的なものとして,以下のようなものがあります。

 i) 「本件博士論文」の図10に示されている,三胚葉分化の二つの図は,企業のカタログからの無断転載が認定されています。この図は,学位論文全体の中で最も 重要な図であるはずなのですが,常識的に本文に照らして読めば自分が出したデータのようにも読める記載となっており,実験の実在性が問われる部分でもあり ます。したがって,調査報告書にも述べられているように,著作権侵害行為,創作者誤認惹起行為に加え,科学における重大な不正行為である「捏造」(調査報 告書に言う実験結果欺罔行為)に該当する可能性が高いと考えられます。しかしながら,上記の「小保方氏が真に提出しようとしていた最終的な完成版の博士論 文」とされるものには図10は存在しないことから,この疑義が否定されています。
 ii) 「本件博士論文」には第2-5章に亘ってまったく実態を持たない(引用されていない)引用文献リストが各章末に付記されています。しかし,「小保方氏が真 に提出しようとしていた最終的な完成版の博士論文」とされるものには5章にのみ引用文献がまとめられており,修正されたことが認められています。

「本来提出するつもりであった」と小保方氏が主張する論文については,現時点で公開されておらず,私たちとしては判断材料を持っていません。いっぽう,調 査報告書によれば,5月末に紙面で提出された原稿に加え,6月末には電子媒体での原稿を調査委員会は受け取っています。注目すべきことに,電子媒体は提出 の一時間前に修正保存された形跡があったと調査委員会は報告しました。このことは当該原稿が「真の博士論文」であることの信憑性を著しく損なっています。 まずは5月末に提出された原稿と,電子媒体で提出された原稿を公開していただき,その間の修正個所を明らかにすることも重要なステップと考えます。

3. 大量の無断引用部分について

「本件博士論文」の序章には,20ページの長きに亘って米国NIHの文書が無断転用(コピペ)されています。報告書によれば,事後提出の「真の博士論文」 とされるものにも,この部分は残っているとあります。これが著作権の侵害および,調査報告書のいう「創作者誤認惹起行為」に該当することは言うまでもなく 明白です。学位取り消し条件の「不正の方法」に該当すると報告書にも明記されています。
 しかし報告書では,この序章部分に見られる「不正の方法」によって,「学位授与に一定程度の影響を与えたとはいえるが,重大な影響を与えたとまではいえず,問題箇所①(注釈:当該箇所)と学位授与との間に因果関係があったとはいえない」と論じています。
 しかしながら,自らの学位論文の背景や立ち位置を論述する序章部分を自らの文章としてまとめることは,学位論文の最も重要な要件の一つであり,それを事 実上放棄した行為は,執筆者の学問的な誠実さと能力の欠如を強くうかがわせるものです。こうした論文に対して本来学位授与がなされることはあり得ません。
 このような無断転用を,入学時より早稲田大学理工学部(当時)では厳に戒めてきました。たとえば,小保方氏が初年時に受講した年度の必修の実習科目であ る「理工学基礎実験IA」の資料(2002年度)では,実験ノートの記録の重要性や具体例が詳述され,さらに「引用とコピー」という項目において「引用な しで,他人の成果を自分の文書に書くことはいわゆる“盗用”である。字からわかるように犯罪に準ずる行為として扱われる」と太字で明記されており,学生は レポート提出時に繰り返し指導されています。
 なお,「時間があれば修正できたはずなのに,事後提出論文に修正されないまま残っていること」もまた,調査報告書において「本件博士論文」が草稿である ことの傍証の一つとされています。指摘されてから序章部分を書き直す余裕がなかった傍証とみる推論も同様に可能であるにも関わらず,調査報告書では採用さ れていない点も指摘しておきたいと思います。

4. 実験ノートの確認方法に関しての記載,および科学的正確性に関する評価が不十分である点

調査報告書では,当該論文を裏付ける実験の実態があったと述べてあります。しかしながら,その根拠となるノートの写しや明確な資料が公開されておらず,第 三者としてその論旨を詳しく確認することができません。理化学研究所の調査の過程で明らかになった小保方氏の実験ノートの杜撰さから考えて,大学院在学時 のノートや記録が十全であったと考えることには疑義があります(仮に,もし博士論文に関わる実験ノートの内容が十全であるなら,理化学研究所に移籍して以 降の実験ノートの不備の責任は,早稲田大学にはないことになりますが,とてもそうは思えません)。その印象を覆すための記述・資料が,本報告書の公開資料 には見当たりません。
 より重要な問題として,調査報告書にも明記されているように,検討されたことは論文に書かれている(一部の)実験作業の有無についてのみであり,実際の データの分析の合理性や科学的正確性について踏み込んで検討されていません。上述のように,この部分においては,たとえばTissue Engineering誌の査読判断に事実上一任しており,通常の学位審査で規範とされる,主査・副査による科学的合理性・正確性の検証を独自に行ってい ません。これは,科学論文の検証作業としては不十分なのではないかと思われます。

5. 審査体制の不備に関する指摘について

一方で,調査報告書が指摘しているように,先進理工学研究科の審査体制にきわめて多くの問題点があること,小保方氏の審査に関して重大な過誤があったことは明らかです。
 調査報告書では,常田主査,武岡副査の責任について詳述していますが,副査を務めたVacanti教授や大和教授などの学外研究者の調査やその役割につ いての判断を保留しています。しかしながら,Vacanti氏は公聴会には出席しておらず,Vacanti氏,大和氏ともに事前に博士論文原稿を閲覧して いない可能性が指摘されています。もし事実とすれば,審査報告書になぜ名前を連ねることができたのか不可解です。「学外者で責任を問えないため」と小林委 員長は7月17日の会見上で説明しましたが,副査は大学院が正式に依頼し,きちんと当該論文を審査していただくために委託する役回りであり,学外在籍副査 の審査状況を明らかにし,その責任を明確化することは本調査の要の一つであるはずだったと考えられます。

6. 調査委員会のメンバーの氏名が開示されていない点

調査委員会のメンバーは,小林弁護士以外には公開されていません。このため,理研における調査委員会とは異なり,どの程度の解釈の振れ幅があったのか,小林弁護士以外の委員の見解を正す機会がありません。これは透明性・信頼性を欠く要因であると考えます。

以上

参考

  1. 早稲田大学 先進理工学研究科有志教員による小保方氏博士論文の調査報告書に対する所見を公開します(長文) 岩崎 秀雄 フェイスブック
  2. 【小保方氏の博士論文】早稲田大学の調査に研究者から強い批判の声 The Huffington Post 2014年07月18日

早稲田大学が小保方氏の博士論文調査書を公開

早稲田大学が、小保方晴子氏の博士論文に関する調査書を公開しました。小保方氏の学位論文における不正行為は認めつつも、「博士論文における不正行為と博士号取得との間に因果関係は存在しない」ので学位は取り消さないという結論です。

どういうことかというと、小保方氏の場合は既に海外の学術誌に論文が一報出ていたので、それによりすでに博士号の取得条件が満たされており、大学に提出する博士論文は(不正があろうがなかろうが)学位取得の審査に大きな影響を与えるものではなかったという論理です。

小保方晴子氏の博士取得までの経緯は報告書にまとめられています。

平成20年4月1日    早稲田大学理工学術院先進理工学研究科生命医科学専攻博士課程進学     
平成20年9月1日    ハーバード大学で研究開始          
平成21年8月末    日本に帰国    
平成22年6月30日    Tissue Engineering誌へ論文投稿       
平成22年9月30日    Tissue Engineering誌が論文受理                 
平成23年3月15日    早稲田大学が小保方氏に対して博士学位授与       
平成23年4月    理研CDB客員研究員
報告書 8ページの内容を簡略化して記載)

学位取り消しをしないという判断において考慮されたもう一つの点は、学位取得者はすでにそれに基づいて社会的な地位を得ていて影響が大きすぎる、というもの。

“… 大学から博士の学位を授与された者は、それを前提として就職する等、生活の基盤及び社会的関係を築いており、それに伴い、多くの人がその前提のもと、その 者との社会的関係を築いていくのが通常であるところ、学位を取り消すことは、学位授与を前提として形成された、これらの生活及び社会的関係の多くを基礎か ら破壊することになり、学位を授与された者及びその者と関わり合いをもった多くの者に対し、不利益を中心とする多大な影響を与えることになる。…” (報告書47-48ページ)

研究者としての能力がないにもかかわらず不正行為により業績を挙げ、研究者として生き残り、教育者としての能力もないのに大学でポジションを得ている人たちが存在する一方で、真面目に研究をして実績もあるのに職を得られず研究の世界から去っていく人が多いという不条理な現実があります。早稲田大学の今回の決定は、サイエンスに蔓延するこの著しい不公平感をさらに助長するものです。

“…本件博士論文には、著作権侵害行為、創作者誤認惹起行為、意味不明な記載、論旨が不明瞭な記載、Tissue誌論文との記載内容と整合性がない記載、及び論文の形式上の不備と多くの問題箇所が認められた。そして、本来であれば、これらの問題箇所を含む本件博士論文が博士論文審査において合格に値しないこと、本件博士論文の作成者である小保方氏が博士学位を授与されるべき人物に値しないことも、本報告書で検討したとおりである。
しかし、本件においては、本研究科の博士論文審査において本件博士論文が合格とされ、本件博士論文の作成者である小保方氏に対して博士学位が授与されてしまった。
このことは、博士学位を授与した早稲田大学、及び早稲田大学において過去に博士学位を取得した多くの人々の社会的信用、並びに早稲田大学における博士学位の価値を大きく毀損するものであった。…(報告書78ページ)

早稲田大学がいくら報告書の中で小保方氏らを厳しい、批判的な言葉で糾弾したとしても、行動が伴わなければ説得力を持ちません。「早稲田大学から授与された博士号には全く価値がな い」というメッセージを早稲田大学自らが日本中に発信しているだけのことです。

困ったことに、この問題は早稲田大学だけにとどまりません。日本で研究レベルがトップク ラスという私立大学の現状がこれでは、日本人の研究者が世界に出て行ったときに、「日本の大学から授与された博士号には全く価値がない」とみなされる恐れがあります。

また、報告書では提出論文が「下書き」だったのかどうかを論点の一つにしています。自分の大学院生活の集大成である博士論文を製本するときに、「下書き」と「本物」とを取り違える大学院生などいません。本来なら荒唐無稽すぎて論点にすらなり得ないのに、驚くべきことに、早稲田大学調査委員会は小保方氏の「うっかり下書き製本」説を真実だと認め、小保方氏の主張に寄り添う理由を挙げています。

“本調査において、小保方氏は、「本件博士論文は、最終的な完成版の博士論文ではなく、作成初期段階の博士論文を誤って製本してしまったものである。」等と供述する。また、小保方氏からは、かかる主張の根拠として、最終的な完成版の博士論文であると主張する論文(以下「小保方氏主張論文」という。)が平成26年5月28日に本委員会に対して提供され、小保方氏は、「小保方氏主張論文は、主査及び副査の本件公聴会における指導を受けて、公聴会時点の論文を修正して作成したものである。」等と供述する。…”(報告書34ページ)

“…本調査において、小保方氏から本取り違えの主張が初めてなされたのは、(a)平成26年4月30日であったが、小保方氏が本委員会に対して小保方氏主張論文を送付したのは、同年5月27日であり、主張が初めてなされた時点から小保方氏主張論文の送付がなされるまでに1か月程度の期間が経過しており、このことは、本取り違えの主張の真実性を否定する可能性がある。…”(報告書39ページ)

“…小保方氏主張論文が、本件博士論文の問題点を指摘され、最近作成したも(d)のだとすれば、「問題がある」等として報道等において厳しく批判がなされた序章の修正もなされているのが通常であるが、小保方氏主張論文の序章においては、この点が修正等されず残されている。また、ウェブサイトにおいて「問題がある」等として取り上げられているFig. 6の画像、Fig. 12のIの画像、Fig. 17等の修正がなされているのが通常であるが、やはり、小保方氏主張論文においては修正等されず残されている。…”(報告書38ページ)

こちらが本物でしたといって3年以上も遅れて提出された博士論文中には、まだ、下書きのときの不正行為の痕跡が修正されずにそのままたくさん残っていたので、最近作成されたものではないという証拠になるという、なんとも好意的な解釈です。

 

Tissue Engineering誌論文の内容を下敷きにしたという博士論文に数多くの不正行為が見つかったのですから、逆に、この不正まみれの博士論文と同じ研究内容のTissue Engineering誌論文にはそもそも不正行為がなかったのかどうかが非常に気になります。ここを追及しないのもおかしいのですが、調査書ではほとんど問題視していません。

“…第2章から第4章までは、Tissue誌論文で論述されている実験と同一、又は、その一連のものとして行われた実験をもとに記載されている。
Tissue誌は、いわゆる査読付欧文学術雑誌であり、その分野の高度の専門的知識をもち、かつ独立、公平性の高い査読者が論文内容のオリジナリティ、教育的価値及び有効性を考慮に入れた上で、内容を評価、検証し、その結果、内容の明確性、正確性、論理性等が掲載に値するとされた場合のみ、掲載を許される。そのため、Tissue誌がその掲載を受理したことは、査読者が上記一連の実験の実在性に疑問をもたなかったことを示している。
この事実に加えて、本調査においては、以下の事情が認められた。
(a) 小保方氏は、「これらの実験は主にハーバード大学で実施した。」、「それを裏付けるデータ等(ラボスタッフ共通の実験ノート等)は同大学に存在する。」等と供述する。
(b) S氏は、小保方氏と同様の供述をした上、さらに具体的に、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●等と供述する。
(c) 平成21年から平成22年の日付が入った小保方氏のノートの抜粋(写し)及び顕微鏡写真等の電子データが存在している。
これらの事情等に照らすと、本件博士論文第2章から第4章のもととなった実験の実在性を推認できる。..”

Tissue誌は査読付英文誌ですが、実は小保方氏が留学した先のハーバード大学チャールズ・バカンティ教授が作った雑誌です。論文受理の判断において、差読者による査読結果だでけでなく編集者の意向が大きく反映されることを考えれば、自分がFounding Editorである雑誌に自分の論文を掲載させることがいかに容易なことかは想像に難くありません。しかも、小保方氏の論文に関してはインターネット上でDNA電気泳動の写真データに関して疑義が持ち上がり、バカンティ教授が後から「修正」をしています。このようないきさつと、今回の問題の重大性を考えれば、ハーバード大学に存在するはず実験ノートの内容をチェックするくらいのことは当然すべきだったはずです。バカンティ教授に対してコンタクトをとらずに、まともな調査ができたのか甚だ疑問です。

参考

  1. 「先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」調査報告について(早稲田大学 2014/07/19):”2014年3月31日に設置した「大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」による調査報告書が7月17日、早稲田大学総長 鎌田薫に提出されましたので、以下の通り公表いたします。…”
  2. 先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会調査報告書 全文(7月19日掲載)(PDFファイル
  3. 先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会調査報告書概要(7月17日掲載)(PDFファイル)
  4. 先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会調査報告書 別紙(7月19日掲載)(PDFファイル
  5. 早稲田大学大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会の設置について (早稲田大学 2014/03/28):”早稲田大学は、3月17日付で先進理工学研究科から調査委員会設置の要請を受け、小保方晴子氏(2011年 先進理工学研究科博士後期課程修了、同 博士(工学)取得)の博士学位論文に関する調査委員会を3月31日付で立ち上げることといたしました。…”
  6. Haruko Obokata, Koji Kojima, Karen Westerman, Masayuki Yamato, Teruo Okano, Satoshi Tsuneda, and Charles A. Vacanti. Tissue Engineering Part A. March 2011, 17(5-6): 607-615. doi:10.1089/ten.tea.2010.0385.
  7. 文部科学省の研究大学強化促進事業の支援対象大学に選定 「国際研究大学」の地位確立を目指した研究環境の整備・改革を加速 (早稲田大学 ニュース 2013/08/06):このたび、本学が文部科学省の「研究大学強化促進事業」における支援対象大学に選定されました。本事業は、世界水準の優れた研究活動を行う大学群を増強し、我が国全体の研究力の強化を図るため、大学等による、研究マネジメント人材群の確保や集中的な研究環境改革等の研究力強化の取組を支援するものです。
  8. Tissue Engineering, Parts A, B, & C Founding Editor Charles A. Vacanti, MD Brigham and Women’s Hospital

AIDS研究者ら多数が搭乗していたマレーシア航空MH17便がミサイルにより撃墜され乗客乗員全員が死亡

ウクライナ東部でミサイルにより撃墜された旅客機(マレーシア航空MH17便)にはオーストラリアのメルボルンで開催される第20回国際エイズ会議(International AIDS Conference, 7/20-24)に出席する予定の研究者や活動家が多数搭乗していました。
Hundred renowned experts on board MH17

100-Plus HIV/AIDS Researchers On MH17: ‘Devastating Impact’

参考

  1.  The 20th International AIDS Conference (AIDS 2014)
  2. 旅客機撃墜「なぜこんなことに」 各国で憤りや自粛モード(日本経済新聞 2014/7/19 1:47):”…同機にはメルボルンで20日から開かれる「第20回国際エイズ会議」に参加する研究者らも搭乗していた。会議の会場では搭乗者の約3分の1に当たる100人前後が会議参加者との情報が流れ、動揺が広がった。…”
  3. 豪で国際エイズ会議開会 マレー機乗客も参加予定 (朝日新聞DIGITAL 2014年7月20日):”ウクライナ東部上空で撃墜されたとみられるマレーシア航空機の乗客の一部が参加予定だった「第20回国際エイズ会議」が20日、豪南東部メルボルンで始まった。豪メディアは当初、約100人の乗客が会議に参加予定と報じていたが、実際は6人だったという。参加者の一人で、国際機関「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」で戦略・投資・効果局長を務める国井修さん(51)=ジュネーブ在住=は朝日新聞の電話取材に対し、「マレーシア航空は料金も安く搭乗を検討していたが、私は帰りの日程が合わず別の航空会社にした。素晴らしい仕事をしていた方々が犠牲になり、怒りが止まらない」と語った。…”
  4. AIDS researcher Joep Lange confirmed among dead in Malaysia jet shoot-down (The Washington Post,  July 17 at 11:51 PM)

早稲田大学博士論文不正認定も学位は取消さず

STAP細胞論文捏造事件に絡んで小保方晴子氏の出身大学である早稲田大学における博士論文不正が問題になりました。早稲田大学は調査委員会を立ち上げて不正の解明に当たってきましたが、ついにその調査結果が公表され、ニコニコ生放送で中継されました。

博士論文の実験結果の図が、コスモバイオなどのウェブサイトから写真を転用していたことが明らかになったことが不正を裏付ける決定的証拠とみなされたにもかかわらず、「あれは下書きでした。」と言ってのけた小保方晴子氏のあの発言はあまりにも衝撃的でした。あの時、誰もが妄言と受け止めたはずです。

ところが、今日、あの日よりもさらに大きな衝撃が走りました。早稲田大学は、小保方氏の「下書き」という妄言を認め、あとから提出された博士論文を受け入れたのです。実験ノートはほとんど確認できなかったと認める一方で、該当する実験は行なわれたものと認定。早稲田大学の学位授与の過程はでたらめすぎて、もう言葉を失います。

副査に名を連ねていたハーバード大学のバカンティ教授は、小保方氏の博士論文を読むように頼まれたことはないと発言していたにもかかわらず、その点に関しては記者会見でも回答は言葉を濁されていました。記者会見の受け答えを聞く限り、早稲田大学はバカンティ教授に対して正式なコンタクトを取らなかったようです。これでは、まともな調査だったとは到底考えられません。

小保方 学位取り消さない早稲田調査委に「納得いかない」記者が続出7/17【全】

【会場のご案内】2014/07/17(木) 開場:16:50 開演:17:00

理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、2011年に
早稲田大学大学院先進理工学研究科で博士号を取得した論文に
文章や画像の流用が指摘された問題で、同大学が2014年3月31日に設置した
「大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」
による調査報告書が、7月17日中に鎌田薫 早稲田大学総長に提出される予定です。
大学側は小保方氏に授与した博士号の取り扱いを検討する方針です。

ニコニコ生放送では、小林英明 調査委員会 委員長による記者会見の模様を
生中継でお届けいたします。

小保方氏の博士論文は、1月にSTAP細胞論文を発表した後、ネットで
問題点が指摘されました。英語で書かれた約100ページの論文のうち、
冒頭の約20ページの文章が米国立衛生研究所のサイトとほぼ同じ記述だったほか、
実験結果の画像としてバイオ系企業のサイトに掲載された写真を
切り取って使ったのではないかと疑われています。

【出席者】
小林英明 調査委員会 委員長(長島・大野・常松法律事務所 弁護士)

http://live.nicovideo.jp/watch/lv186404938

参考

  1. 早稲田大学 常田聡 研究室の博士論文のコピペ疑惑 他者著作物との類似性が見られた博士論文  (計23報)
  2. 小保方氏の博士論文、盗用疑惑の調査公表へ 早大 (産経ニュース2014.7.16 21:18):理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの博士論文に文章や写真の盗用が疑われた問題で、早稲田大は16日、調査委員会の結果を17日に公表すると明らかにした。
  3. 博士学位取り消しについて 早稲田大学 2013/10/21 早稲田大学は、下記のとおり、不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明しましたので、当該学位について、授与の取り消しを決定しました。現在、本人に学位記の返還を求めています。(注:後日学位記の返還があった。2013年12月26日追記)

STAP細胞=ES細胞混入説は査読者が指摘済み

ネイチャー誌に掲載され、ようやく取り下げられたSTAP細胞論文ですが、最終的にネイチャーに掲載される前にも、2012年にネイチャー、セル、サイエンスに投稿されていました。ネイチャー掲載後に噴出した疑問の多くは、査読段階ですでに指摘されていたという事実を毎日新聞が伝えています。

参考

  1. STAP論文:12年サイエンス審査時 ES細胞混入指摘 (毎日新聞 2014年07月05日):”STAP細胞の論文不正問題で、小保方(おぼかた)晴子・理化学研究所研究ユニットリーダー(当時は客員研究員)らが、2012年7月にほぼ同じ内容の論文を米科学誌サイエンスに投稿した際、審査した査読者からES細胞(胚性幹細胞)が混入した可能性を指摘されていたことが、毎日新聞が入手した資料で明らかになった。…”
  2. STAP論文:ネイチャー検証不足露呈 編集者判断強く (毎日新聞 2014年07月05日):”…取材で判明した英科学誌ネイチャーなど3誌の査読者たちの指摘は、ES細胞の混入以外にも、専門家の間で現在議論されているSTAP細胞を巡る科学的な疑問点をほぼ網羅していた。…”

インターネット上の研究不正疑義も匿名の告発に準じて取り扱う「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案 のパブリックコメント募集中~8月1日まで

インターネット上の研究不正疑義も匿名の告発に準じて取り扱うという内容を盛り込んだ「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案に関するパブリックコメントの募集が現在行なわれています。

本節で対象とする不正行為(特定不正行為)は、投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん及び盗用である。ただし、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った場合を除き、故意によるものではないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当たらない。(第3節 研究活動における不正行為への対応 1-(3))

特定不正行為の疑いがインターネット上に掲載されていることを、当該特定不正行為を指摘された者が所属する機関が確認した場合、当該機関に匿名の告発があった場合に準じて取り扱うものとする。(3-4 告発の受付によらないものの取扱い③)

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(案)について

ガイドライン案、パブリックコメント提出フォームなどへのリンク:

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案のパブリックコメント(意見公募手続)の実施について 意見・情報受付開始日 2014年07月03日 意見・情報受付締切日 2014年08月01日 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000698&Mode=0

参考

  1. パブリックコメント:意見募集中案件詳細 産業一般 /科学技術振興 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案のパブリックコメント(意見公募手続)の実施について (電子政府の総合窓口 イーガヴ) 意見・情報受付締切日    2014年08月01日
  2. 不正調査、ネットでの指摘も対象に 文科省の新指針案 (朝日新聞デジタル 2014年7月3日01時21分):”…STAP論文ではネット上の指摘が不正発覚のきっかけになったことから、指摘を把握した段階で調査を始めるよう大学や研究機関に求める。…”
  3. 研究不正、ネットの指摘で調査も 文科省が新指針 (日本経済新聞 2014/7/3 0:00): “…インターネットで疑問点が指摘された場合でも、科学的根拠など必要な情報を含んでいれば、告発と同様に扱うとした。…”
  4. 研究不正新指針:組織の責任明確化 罰則も規定 (毎日新聞 2014年07月03日 00時58分(最終更新 07月03日 01時12分):”…インターネット上で指摘された疑義も告発と同様に扱うことも盛り込んだ。…”
  5. 「研究者の基本」欠落も不正=定義見直し、指針改定へ-文科省 (時事ドットコム 2014/07/03-00:05) :”…STAP細胞問題を受け、改定案は研究不正の定義に「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を怠った」場合を加え、故意でなくても不正行為に当たるとした。…”

2014年7月2日のヴァカンティ氏の声明

Statement for news media

In science, the integrity of data is the foundation for credible findings. I am deeply saddened by all that has transpired, and after thoughtful consideration of the errors presented in the RIKEN report and other concerns that have been raised, I have agreed to retract the papers.  Although there has been no information that cast doubt on the existence of the stimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP) cell phenomenon itself, I am concerned that the multiple errors that have been identified impair the credibility of the manuscript as a whole.  I am encouraged by recent news which suggests that Minister Hakubun Shimomura and RIKEN President Ryoji Noyori will allow sufficient time to replicate the core STAP cell concept that my brother Martin and I originally hypothesized, and trust that it will be verified by the RIKEN as well as independently by others.

– Charles A. Vacanti, MD

July 2, 2014

(https://research.bwhanesthesia.org/research-groups/cterm/statement)

Retraction: Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency

Retraction: Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency

Haruko Obokata,
Teruhiko Wakayama,
Yoshiki Sasai,
Koji Kojima,
Martin P. Vacanti,
Hitoshi Niwa,
Masayuki Yamato
& Charles A. Vacanti

Nature
511,
112
(03 July 2014)
doi:10.1038/nature13598

Published online
02 July 2014

Several critical errors have been found in our Article and Letter (http://dx.doi.org/10.1038/nature12969), which led to an in-depth investigation by the RIKEN Institute. The RIKEN investigation committee has categorized some of the errors as misconduct (see Supplementary Data 1 and Supplementary Data 2). Additional errors identified by the authors that are not discussed in RIKEN’s report are listed below.

(1) Figure 1a and b in the Letter both show embryos generated from STAP cells, not a comparison of ES- and STAP-derived chimaeric embryos, as indicated in the legend.

(2) Extended Data Fig. 7d in the Article and Extended Data Fig. 1a in the Letter are different images of the same embryo and not, as indicated in the legends, a diploid chimaera embryo and tetraploid chimaera embryo.

(3) There is an erroneous description in Fig. 1a in the Letter. The right panel of Fig. 1a is not a ‘long exposure’ image at the camera level but a digitally enhanced one.

(4) In Fig. 4b of the Letter, STAP cell and ES cell are wrongly labelled in a reverse manner.

(5) In the Article, one group of STAP stem cells (STAP-SCs) was reported as being derived from STAP cells induced from spleens of F1 hybrids from the cross of mouse lines carrying identical cag-gfp insertions in chromosome 18 in the background of 129/Sv and B6, respectively, and that they were maintained in the Wakayama laboratory. However, further analysis of the eight STAP-SC lines indicates that, while sharing the same 129×B6 F1 genetic background, they have a different GFP insertion site. Furthermore, while the mice used for STAP cell induction are homozygous for the GFP transgene, the STAP-SCs are heterozygous. The GFP transgene insertion site matches that of the mice and ES cells kept in the Wakayama laboratory. Thus, there are inexplicable discrepancies in genetic background and transgene insertion sites between the donor mice and the reported STAP-SCs.

We apologize for the mistakes included in the Article and Letter. These multiple errors impair the credibility of the study as a whole and we are unable to say without doubt whether the STAP-SC phenomenon is real. Ongoing studies are investigating this phenomenon afresh, but given the extensive nature of the errors currently found, we consider it appropriate to retract both papers.

http://www.nature.com/nature/journal/v511/n7507/full/nature13598.html

相澤慎一氏がSTAP現象検証計画を説明

【STAP現象】11検証計画 小保方晴子氏の参画や計画の詳細に関する会見【2014/7/2】

小保方氏の実験参画についてや今後の検証実験の詳しい進め方について説明となります。15分19秒のところで、動画が数分飛んでいます。
【出席者】
●相澤慎一 実験総括責任者(理研 発生・再生科学総合研究センター 特別顧問)
●齋藤茂和 理研 神戸事業所 所長

小保方氏の現在の状態について

24:28 (記者)小保方さんに今日お会いになった方(音声不明瞭)でいいんですけど、今日の様子どうだったのかということと、皆さんに、検証実験に参加する上での挨拶ですとか意気込みを語るようなことはあったんでしょうか?
(相沢氏)小保方さんは、まだそのへん、使い物になるような状態じゃ、あっ、すいません。星野監督が松井に言うように、使い物にならないなんて、30を越した女性のユニットリーダーに使う言葉としては全く不適当な言葉なんで、取り消させて下さい。要するにまだそんなに、彼女に納得がいくような条件よりもはるかに遠く、物事はできないような状態なんです、精神状態が。少しそれが落ち着いて彼女なりに実験ができるという状態にいつなってくれるのかという、生活環境も含めたですね、配慮が、当面私としては最大のテーマで、今の時点で彼女にすぐ実験をやってどこまで行くのよ?とか、そういうことは、正直言ってとてもできる状態ではありません。というのは、なぜそういうことを申し上げられるのかと言うと、一ヶ月前ほどから主治医の許可のあるとき時々こちらに来られるようになって、その時助言を求めるというふうな時間があったときの彼女とのコンタクトの中での私の判断はそういうことで、少し生活的にある程度きちっとした生活が送れるようにすることが今まず第一という状態です。

小保方氏が検証実験中にも不正を行いかねないという危惧について

23:11 (記者)そもそもなぜモニタリングをするということなんでしょうか?
(相沢氏)なぜモニタリングをするかというのはですね、そのようにしなさいという改革推進本部からの指示なので、それは推測をするしかできないんですけれども。推測をすると、「多く世の中には、そこまでやらないと彼女は何か魔術を使って不正を持ち込むのではなかろうかという危惧があるためにそれを求めてる」と、これは私の推測です。

23:56(記者)小保方氏と丹羽氏との実験を分ける理由は何でしょうか?
(相沢氏)それも基本的に改革推進本部から、2つに分けて基本的に行いなさいということで、「同じところでやっていると、丹羽さんの、(丹羽)責任者の行なう実験の中に、彼女がこそっと細胞とか何とかを混ぜてしまうかもしれない」とか、そういうことを危惧されてのことであろうと、これも私の推測です。

検証実験の意義について

34:14 (記者)そもそもこの検証実験の目的というか意義は何なのでしょうか?論文が撤回されて、科学的根拠がないということだと、あるかどうかを示すんだったらもう一回論文を出し直せばいいと大多数の人は考えると思うんですけど。これをやる意味っていうのは何なんでしょうかね?

34:29 (相沢氏)そういうご意見のあることは重々承っています。もう無いものなんだから検証実験をわざわざ国民の税金を使ってまでやる必要はないんではなかろうかというご意見を承っております。そういうご意見の強いことも重々承知しておりますが、しかし、科学的に見たときに全て、一点の曇りも無く(STAP細胞が)無いよというわけではなくて、やっぱり最終的な決着は本人が参加して、「しかし、やっぱり、どうしても再現できませんでしたね。」というのがですね、STAP現象・細胞は無いよということには、できるならばそこまでやることが、最善の、科学研究をやるものとしては、そこまでなんとかやらせていただきたいと、そういうふうに思っています。

実験の練習の必要性について

54:00 日経サイエンスの古田です。準備段階と、その後の実際の実験に入る段階というところの違いを教えていただきたいんですが。…
55:30(古田氏)準備って何ですか?マウスを渡して練習するってことですか?
(相沢氏)そうですね。
(古田氏)実験手技の練習をする?
(相沢氏)はい。酸浴の練習もすることになると思いますね。そういうふうにして再現できたとしても、それは再現できたとは認めない。あくまで再現は管理された新たな実験室で第三者の立会いのもとでやった実験だけを再現されたとみなす。…

 

小保方晴子研究ユニットリーダーらによるSTAP細胞の検証実験7月1日~11月30日

理化学研究所はSTAP細胞の存在を調べるための検証実験に小保方晴子研究ユニットリーダーを参加させると発表しました。検証実験の期間は7月1日~11月30日の5ヶ月間。

生物学の研究者の本音が飛び交うインターネット匿名掲示板(STAP細胞の懐疑点 PART488 http://wc2014.2ch.net/test/read.cgi/life/1404116917/)での反応の一部を紹介します(字句の一部を●●に変更)。

133 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 19:52:22.36
スゴいね理研って
山ほど残っている論文疑惑については消極的なのに
捏造容疑者に再現実験させるとか狂気の沙汰

336 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 20:44:26.34
理研ぐるみで捏造するんだろw

337 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 20:44:34.25
理研が再現実験しても
だれも信用しないから
やっても マジ意味無い。

347 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 20:45:55.73
論文の取り下げ決定したんだろ
再現するための根拠からして消滅、全ては白紙ってことじゃないか
実験自体全くの無意味なのに何をやろうというんだ
再現実験=これから1から論文作りなおすということ?
理研が何をしようとしてるのか全く理解できない

398 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 20:55:56.48
再現実験したければ小保方が引き受けてくれるところを自力で探すべきなのだが

467 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 21:12:09.22
再現実験では捏造そのものを断定することは出来ないんだよ。
失敗しても
「もしかしたら、まだ把握できていない繊細な条件があり、再現できなくなったのかも」
とか言われたら、「科学的な検証」を重視する竹市センター長は否定できないものw
だから、サンプル調査や論文疑惑調査の方に注力すべきなんだよ。
こんな当たり前のことすら理研のお●●さん達は理解できないのですね。

472 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 21:13:30.88
本人がやりたければ来てもいいよ
ではなく
小保方様、どうかきてくださいませ
理研終わり過ぎ

521 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 21:28:25.73
捏造の張本人が検証実験!!
腹痛いわ 理研の誰が決めてんのよ

952 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 23:13:06.85
オボコメントを堂々とホームページに載せる理研
恥知らずにも程がある

984 :名無しゲノムのクローンさん:2014/06/30(月) 23:21:04.65
日本の科学は狂っている

参考

  1. 小保方氏がSTAP検証に参加 懲戒委の審査、一時停止 (日本経済新聞2014/6/30 19:10):理化学研究所は30日、STAP細胞が存在するかどうかの検証実験に、小保方晴子研究ユニットリーダー(30)を参加させると発表した。期間は7月1日~11月30日の5カ月間を予定し、実験をビデオで記録するなど透明性を確保するとしている。…