2017年10月25日の東洋経済ONLINEに、大学教員公募に関する記事 年収300万円「非常勤講師」が苦しむ常勤の壁 がありました。同記事はヤフージャパンでも読めますが、両ウェブサイトのコメント欄には、あわせると400以上ものコメントが書き込まれました。その中から、アカデミア就活に役立ちそうなコメントをいくつか紹介します(随時入れ替えあり)。
目次
- 1 不採用になる理由
- 2 職には呼ばれるもの
- 3 大学教員公募選考過程の実際
- 4 採用する側は応募者のどこを見るのか
- 5 研究だけではない大学教員の仕事を理解すること
- 6 各大学のニーズにマッチさせること
- 7 コネ採用の現実
- 8 コネの概念を正しく理解すること
- 9 コネ採用をする大学側の心理
- 10 自分の価値を決めるのは他人
- 11 採用する大学の側に立って考えること
- 12 アカデミアのキャリアパスと年齢について
- 13 人生の区切りを決めておくこと、自分の態度を決めること
- 14 義理を欠かさないこと
- 15 原因と結果の法則
- 16 大人の考え方に切り替えること
- 17 結果論
- 18 雇われるのでなく雇うという選択
- 19 参考
- 20 同じカテゴリーの記事一覧
不採用になる理由
- 大学がほしいと思う人材ではないということ
- 採用先が採用したい人をとるただそれだけ
職には呼ばれるもの
- 本当に実力があれば、面接なんかせんでも声がかかるよ
- 実力がある人へは向こうからオファーが殺到する
大学教員公募選考過程の実際
- 大学の採用が出来レースなのは周知の事実。… 大抵は教え子か、コネのある人が空いたポストを埋める。表向き公平性を保つために外部に求人を公開しているだけ
- 確かに出来レースのコネ採用あります。公募でコネ採用とは実に迷惑な話です。ただすべてがそうではありません。… また大学の教員は高校教員とは違い、研究分野を非常に絞って採用を掛けます。分野違いではいくら研究業績が素晴らしくても採用には至らないでしょう。また、面接での態度や人間関係、大学の求める人物像なども加わります。
- 採用する側に居たこともありますが、外部の優秀な人材より、自分の手下として使える人間を選ぶ行為が平然と行われていました
- 優秀って言う人程扱いづらくて、結局優秀ではなかったりするから、教授の気に入った人しか採用はされない
採用する側は応募者のどこを見るのか
- 研究業績がダントツでも人格的に問題があれば採用されない
- 研究業績の数が優先されるのは、東大京大など一部の研究大学のみです。それ以外の大学では、最低限の業績や経験に加えて、最優先で「人柄」を見ます。学生及び同僚や事務員さんなどと、波風立てず気持ちよく仕事ができる人かどうか、が最も重要
研究だけではない大学教員の仕事を理解すること
- 旧帝大などを除いた一般的な大学では、大学教員の仕事は、・研究・教育・大学(学部)運営の三本柱から成つのが普通です。研究業績だけで採用が決まるわけではありません
- 多くの大学教員は自分の好きな研究だけをしているわけではなく、学生に講義をして、人によっては入試や学務など事務的な仕事も大量に処理をするなど、担当する業務は一般に思われているよりもはるかに多面的です。そのために、研究業績は採用時に重要な意味を持つものの、いわゆる研究大学であっても、研究業績だけで評価する訳ではありません。… 組織として機能するために、研究業績以外の側面も勘案して、直面する状況に合わせて適切に人員を配置することが、求められます
各大学のニーズにマッチさせること
- 研究実績よりも教育実績の方が大切な可能性もあり
- 業績で選ばれたければ、業績を必要としている大学に応募すること
- ご自身の考えと大学の求めているニーズが一致しない点を再度考え直して
- 学生に今までの経験ご還元でき、学生の満足度を高める授業をできないなら申し訳ないが採用は厳しい
コネ採用の現実
- 世の中コネですよ
- いいも悪いも世の中コネだらけ
- 以前、国立大に非常勤で勤務していたけど、採用はコネでしかないんだよね。
コネの概念を正しく理解すること
- コネも実力
- 実力とは何か?厳しく言えば、コネが多いことだよ
- 本当に実力があるならコネと人脈は後から付いて来る
- 人の社会で生きてるんだから、人脈使っていきることを否定したら終わりやろうなあ
- 本当の実力社会とはコネです。なぜなら、自己申告はいくらでも誤魔化せますが、他人の評価は誤魔化せないから
コネ採用をする大学側の心理
- 大学とか狭い世界では民間企業以上にコネが重要
- 仕事はできるけど性格に問題があるとか。面接ではなかなかわからないから、知り合い、知っている人からの推薦が優先されるのは仕方がない
- コネというと人聞きが悪いけど、全く知らない人を採用するのはギャンブルに近い。業績も大事だけど、この仕事は人柄も非常に大事なので何らかの知り合いがいないと採用には踏み切れません。
- 大学もいったん採用すればそう簡単には首にできないので、業績のみならず、研究能力、教育能力、管理運営能力など見極めなければなりません。そのために推薦する人の意見を聞くことは、コネとはやや違う
- 「この候補者は人格的に大丈夫か?」という重要な情報について、「この人は本当にいい人で、仕事もきちんとこなすから大丈夫」という確認がしたい、ということで「コネ」がある
- 面接だけで判断できる人なんてないんだから信頼できる人に紹介してもらうのは悪い事ではない。面接だけで判断するって事は上っ面や顔で判断する事と同じだと思う。それの方が問題ではないのか?
自分の価値を決めるのは他人
- 実力を判定するのはあくまでも他人
- 自分より劣っている人間が採用されている云々と申しますが、「劣っているか」どうかを決定するのは採用側です
採用する大学の側に立って考えること
- 自分がやりたいこと、ではなく、相手がやって欲しいと望むことをやらなければ
アカデミアのキャリアパスと年齢について
- 日本は年齢が全て
- 現政府の文科省の国公立大学への圧力(人事凍結・文学部の削減)からすれば、この年齢の人を正規雇用でとることはほとんどない。私大を含め、もしとるなら既に専任教員だった人を取る
- 35歳までにうまく波に乗れずに非常勤トラックにまきこまれると、もう、ほとんど非常勤からはあがれなくなる。そうなると、業績なんていくらあげても、ぜんぜんだめだ。大学の授業の半分ぐらいは、アルバイト並みの給料で雇うあぶれものの非常勤講師でまかなわれているから、非常勤講師は重宝な存在
人生の区切りを決めておくこと、自分の態度を決めること
- コネでもなんでも使って家族のために収入を優先するか、理想とする姿を曲げずに研究のため今のスタイルを貫くか
- 結婚も子供もあきらめて理想に殉じるか、あるいはあらかじめ「35まで非常勤ならあきらめて就職する」とか決めておかないと
- 家庭がある場合は希望職とか言わずにどこでも働くべきだと思います。家族を幸せにすることが稼ぎ手の責任です
義理を欠かさないこと
- お世話になった人に対して”気を遣えない”人をアカデミックポストも含めて社会が受け入れますか
原因と結果の法則
- 自分が原因と考えず、運が悪かったというところが今の現実がある
大人の考え方に切り替えること
- 世の中に公平や平等など有ると思って生きている思考が幼稚
結果論
- 実力ある人が出世するかって言うとそうでもないし、結局出世した人が実力があった人ってこと
- 世の中は正しいか?間違えか?で動いていません 最終的に結果を出したものが正義になる
雇われるのでなく雇うという選択
- 俺も大学講師をしているが大学講師以外にも幾つも仕事を掛け持ちしている。更に研究もしているし著作物も出版している。また俺自らが代表取締役となり講師及び研究者育成、派遣、講座主催、研究受託、コンサルタント、バイザー、カウンセリング、情報配信事業と幅広く行っている。年収は1000万円を軽く超える。この記事の人に足りないのは能動的に仕事を開拓して運営する力
参考
現在大学教育に立派に貢献している人に対して、こんな厳しいコメントが300件以上も。個人の問題はそれとして、一番の問題は大学教員の雇用の構造だと思う。年収300万円「非常勤講師」が苦しむ常勤の壁(東洋経済オンライン) – Yahoo! https://t.co/ZSPSq5UH5V
— 日本の科学と技術 (@scitechjp) 2017年10月25日
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