Category Archives: 研究不正

STAP細胞ネイチャー論文撤回

報道によると英科学誌ネイチャー(NATURE)に掲載されていた小保方晴子氏らによるSTAP細胞論文2報は、7月3日号で撤回されるとのことです。

参考

  1. STAP細胞:ネイチャーが論文撤回へ 研究成果白紙に (毎日新聞 2014年06月30日):STAP細胞の論文不正問題で、英科学誌ネイチャーが7月3日号で関連論文2本を撤回する見通しであることが、複数の関係者への取材で分かった。…
  2. STAP「白紙」に…論文撤回へ、小保方氏同意 (YOMIURI ONLINE 2014年06月30日 13時26分): … 論文の筆頭著者である理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーを始め、14人の著者全員が撤回に同意しているといい、ネイチャーにその経緯や理由などを説明した文書が掲載される。…

STAP問題の闇

STAP細胞捏造事件は、立場の異なるさまざまな人々の思惑が交錯して生じたものであり、真実の姿がなかなか見えてきません。

なぜすぐにばれるような幼稚なデータ捏造をしたのか?

なぜそれが周りの誰にも気付かれずに、NATURE論文2報掲載に至ったのか?

なぜ研究実績ゼロ(どころか博士論文ですでに捏造)の人を日本のサイエンスの最高峰に位置する理化学研究所がほとんど「無試験」で研究リーダー(=大学准教授相当の役職)として迎え入れたのか?

誰がどこまで研究不正に加担したのか?

共同研究者らはいつからデータ捏造に気付いていたのか?

研究不正の事実がこれほど明らかなのに、なぜ理化学研究所はまともな調査をしないのか?(調査で明らかになってしまっては困ることは何なのか?)

なぜ理研CDBは捏造を確定させたにも関わらず規程に則って解雇するどころか、雇用の延長を保証し「助言」まで仰ぐのか?(理研CDBは、小保方氏に暴露されては困るような弱みを何か握られているのか?)

なぜ竹市理研CDBセンター長、野依理研理事長、下村博文文部科学大臣らは、捏造データの上に成り立っていて科学的根拠が皆無のSTAP現象を小保方氏に「再現」をしてもらいたがるのか?

なぜ理研の科学者は何の科学的根拠もない仮説を魅力的だとして、それを検証をしようとするのか?

なぜこのような国民の税金をドブに捨て続ける行為が今の日本で許されるのか?

なぜ理研内部の研究者から、事を正そうとする声がもっと出てこないのか?

なぜ誰も責任を取らないのか?

誰が理研をコントロールしているのか?

 

 

SAP細胞捏造は科学研究の世界の3大不正として教科書に載ると言われましたが、教科書に掲載する事例とするなら、事件の全体像が明らかになっていなければなりません。

STAP細胞で大儲けした人間を許してはいけない」というインターネットの記事は、これまでの報道では全く見えてこない部分に光を当て、”米国ではとっくに時代遅れになりつつある「特許」「科学研究」「インサイダー」三位一体の経済犯罪が、法規制の進んでいない日本に持ち込まれ、あざとく利ざやが抜かれた可能性”を指摘しています。

参考

  1. STAP細胞で大儲けした人間を許してはいけない(JBPRESS 2014.06.23):”STAP問題の闇は深い”
  2. 小保方発表で暴騰したセルシード株(http://sonarmc.com 2014年3月18日):”…つまり「何かうまい話」がセルシードの経営者から伝えられなければ「継続性に疑義の生じた会社」(会計監査でつぶれる可能性を指摘された会社)の ファイナンスに応じることは通常はない。それも半端でない総発行株数の30%近い大量の株式が新たに発行されるわけだから、「何か」がなければ株価は大幅 に下がるのである。ところが同社株は1月30日に小保方発表で40%も暴騰し、UBSは新株予約権を1月30日と31日の2日間で全部行使して市場で即座に売却し、数億円のサヤぬきに見事に成功している。以上記述したことは全部公表事実で誰でもネットで確認できる。…”
  3. 小保方研究に関与する企業の株価が急上昇――STAP細胞騒動に株価操作疑惑 (週刊金曜日ニュース 2014 年 4 月 30 日)”…STAP細胞の真偽をめぐる騒動で、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーの共同執筆者である大和雅之・東京女子医科大学教授の上司が取締役を務めるベンチャー企業の株価が、英科学誌『ネイチャー』電子版がその存在をトップ記事で載せたあと、急上昇していたことがわかった。…”
  4. ヤフーファイナンス (株)セルシード

小保方氏 年間研究費2千万円 笹井氏6億円

理化学研究所は研究費使途の全面開示を~小保方晴子氏(年間2千万円)と笹井芳樹氏(年間6億円)は研究費を何に使ったのか?

理化学研究所は小保方晴子氏が研究データを捏造したという判断を下しましたが、小保方晴子氏はそれを否定しています。小保方晴子氏の年間予算は2千万円、共同研究者である笹井芳樹氏の年間予算は6億円。STAP細胞研究不正の過程を明らかにするためには、小保方晴子氏や笹井芳樹氏ら他の共同研究者が研究費で何を購入していたのか、何に使っていたのか、その詳細を明らかにすることが絶対必要です。研究費の出所は国民が払っている税金なのですから、国民には真相を知る権利があり、理化学研究所には説明責任があります。

週刊誌で報道された理化学研究所の開示内容によれば、小保方晴子氏と笹井芳樹氏の11ヶ月間の出張回数は計55回で旅費総額が496万円にも上るそうです。情報開示の要請に対して詳細を「黒塗り」にしているようでは、公表すると問題が生ずるようなやましい使い方であったと疑われても仕方がないでしょう。「黒塗り」開示は、データ捏造にとどまらず研究費の不正使用まで疑わせるものであり、理研CDBの組織ぐるみの不正が危惧されます。その疑いを払拭するためには、理研CDBは全てを明らかにすべきです。そうでなければ、自浄作用のない理研CDBは一度解体すべきという意見への反論も全く説得力を持ちません。

【週刊文春】告発スクープ 小保方晴子さん笹井教授 年間6億円の研究費の使い道

「理研CDB解体」提言に理研CDB研究者が反論

理研CDBのグループディレクターの一人として理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)の運営に関わる林茂生氏が神戸新聞の取材に答え、理研CDB解体論に反対する意見を述べました。

6月12日に公表された「研究不正再発防止のための提言書」では、STAP細胞論文捏造事件が起きた原因は理研CDBの構造的な問題であると断定されています。

STAP問題の背景には、研究不正行為を誘発する、あるいは研究不正行為を抑止できない、CDBの組織としての構造的な欠陥があった

(1)このようにSTAP問題の背景には複合的な原因があるが、以上に見たとおり、これらの原因はCDBが許容し、その組織体制に由来するものでもあった。すなわち、小保方氏のRULへの採用過程においては、竹市センター長、西川副センター長(当時)、相澤副センター長(当時)を始めとする人事委員会メンバーはSTAP細胞の研究成果獲得を第一義とするあまり、客観的資料を基に本人の資質と研究内容を精査する通常の採用プロセスの手順を、悉く省略した。小保方氏がPIとして率いる研究ユニットは、国立大学法人大学院においては准教授クラスが運営する研究部門(講座)に匹敵するのであり、そのようなハイレベルの研究ユニットを運営するPIとしてのスタンダード域に達していない研究者を職権により杜撰なプロセスを以て採用した、竹市センター長をはじめとする理研CDBのトップ層の責任は極めて重いと言わざるをえない。またCDBの運営にあたるGD会議は、STAP研究の秘密保持を最優先とする方針を容認し、結果としてSTAP研究について多くの研究者による研究内容の評価の機会が失われた。さらに、CDBにおいてはデータの記録・管理の実行は研究者任せであり、CDBの組織全体としての取り組みはほとんどなかった。これらSTAP問題の背景にある原因は、いずれもCDBが許容し、その組織体制に由来するものでもあった。言い換えれば、研究不正行為を誘発する、あるいは研究不正行為を抑止できない、CDBの組織としての構造的な欠陥があり、これを背景にSTAP問題が生じた、と言わなければならない。

(2)このCDBのガバナンスについて、CDB報告書は次のとおり指摘している。
「CDBは2000年4月発足以来、竹市センター長の下、2013年3月末に2名の副センター長(GD)が退任するまで、2005年に1名のGDが交代した以外、同じGDメンバーで運営されてきた。・・・一方、この10年余の間に、運営主体を構成するメンバーは、それぞれが担当するマネージメント領域を牽引する立場となり、このことがCDBの運営における専門化、分業化をもたらし、同時に醸成された相互信頼意識が、「彼が言うことなら間違いない」、「彼に任せておけば安心」との無意識のお任せ、寄り掛かりをもたらし、又はその結果としての独善を拡大させてきた可能性がある」(CDB報告書16頁)。ほとんど同一のメンバーによる長期のガバナンスは、相互信頼意識を醸成するが、同時に馴れ合いを生む土壌となる。研究不正行為を誘発する、あるいは研究不正行為を抑止できない、CDBの構造的な欠陥の背景には、このようなCDBトップ層の馴れ合い関係によるガバナンスの問題があると指摘せねばならない。

研究不正再発防止のための提言書より一部転載)

参考

  1. 研究不正再発防止のための提言書 (研究不正再発防止のための改革委員会委員長 岸輝雄 平成26年6月12日)(理研ウェブサイト上のPDFリンク)
  2. 「解体提言は不当」理研再生研幹部研究員・林氏に聞く (神戸新聞2014/6/18 08:00):”…林氏は「組織運営への批判は率直に認めるが、組織全体が否定されるのは心外。誠実に科学に向き合う研究員や日本の将来のためにならない」と訴えた。…”
  3. 小保方氏の採用経緯、通常と違った 理研・林氏一問一答 (神戸新聞 2014/6/18 08:00):”…過去に不正があったかどうかや、積み上げてきた研究成果などの認識なしに、(再生研が)『不正を生む構造的欠陥があった』『解体すべき』と断言するのはさすがに不当ではないか。誠実に研究している研究者が大勢いる」…”

STAP細胞NATUREレター論文のメインデータも捏造か

小保方晴子理化学研究所研究ユニットリーダーが筆頭著者になっている2報のSTAP細胞NATURE論文のうちアーティクルの方の論文ではデータ捏造・改竄の研究不正が理研調査委員会により認定されていましたしかし、もう一つのレターの論文でも実は不正の事実があることを示す報告書を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの検証チームがまとめていました。

それによるとSTAP細胞を利用して作製したマウス胎児の写真と、胚性幹細胞(ES細胞)を利用して作製したマウス胎児の写真が、実は同一個体の別カットの写真だったそうです。

STAP 不正認定以外にも複数の疑義 2014年5月21日

NHKの取材に答えて日本分子生物学会の副理事長の九州大学中山敬一教授は、

再発防止のためには、今後、速やかに調査を行い、すべてを 公表することが欠かせない。理化学研究所が、こうした疑義を把握していながら公表せず、正式な調査も行わなかったのだとすると大きな問題だ。

とコメントしています。

参考

  1. STAP 不正認定以外にも複数の疑義(NHK NEWSWEB 5月21日 20時05分):NHKが取材したところ調査委員会が認定した2つの不正以外にも論文の複数の画像やグラフに疑義があるとする調査内容の文書を小保方リーダーが所属する神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの検証チームがまとめていたことが分かりました。それによりますと、STAP細胞が万能性を持つ証拠として2種類の異なる細胞から作ったとしていた2枚の光るマウスの写真が実際には、2枚とも同じ種類の細胞を使って出来たマウスの写真だったとしています。また、STAP細胞の万能性を示すものとして異なる種類のマウスで撮影していたという2枚の写真が実際には、1匹のマウスの写真だったとしています。
  2. STAP問題:不正認定以外の画像2件に疑義(毎日新聞 2014年05月21日):それぞれの画像の元データなどを調べたところ、胚性幹細胞(ES細胞)を使った実験結果として掲載された画像は、実際はSTAP細胞を使ったとされる実験の画像だった。
  3. STAP細胞の論文に新たな画像の誤り(ニッカンスポーツ2014年5月21日22時21分):理化学研究所は21日、STAP細胞の論文に新たな画像の誤りが見つかったことを明らかにした。別の実験結果を示す2匹のマウスとした写真が、同じマウスの別カット写真だったとしている。

小保方氏らがNATURE誌に発表した酸処理による方法ではSTAP細胞作製は再現されず~香港の研究者が論文発表

小保方氏らによりNATURE誌に発表されたSTAP細胞作製ですが、その再現に取り組んできた香港中文大学の李嘉豪(Kenneth Ka Ho Lee)教授は、小保方氏らが発表した方法ではSTAP細胞は作れなかったという論文を発表しました。

Mei Kuen Tang, Lok Man Lo, Wen Ting Shi, Yao Yao, Henry Siu Sum Lee, Kenneth Ka Ho Lee. Transient acid treatment cannot induce neonatal somatic cells to become pluripotent stem cells. F1000Research 2014, 3:102 (doi: 10.12688/f1000research.4382)

 

STAP論文問題をずっと取り上げててきたカリフォルニア大学医学部デービス校の幹細胞研究者ポール・ノフラー博士は、この論文はNATURE編集部が撤回するのが当然だという意見を自身のブログで表明しています。

I believe it is really only a question of when, not if, Nature will editorially retract them.(http://www.ipscell.com/2014/05/perspectives-on-lee-lab-f1000-paper-that-stap-cell-method-does-not-work/

NATURE誌もネイチャーブログやネイチャーニュースで理研の対応などSTAP問題の状況を逐次伝えてきており、編集部がこの問題を深刻に受け止めていることが窺えます。

2014年5月8日 Misconduct verdict stands for Japanese stem-cell researcher
2014年4月25日 Investigator of controversial stem-cell study resigns
2014年4月9日 Acid-bath stem-cell scientist apologizes and appeals
2014年4月1日 Stem-cell scientist found guilty of misconduct
2014年3月10日 Call for acid-bath stem-cell paper to be retracted

参考

  1. STAP細胞論文、Nature編集部が“強制撤回”も 「結論近い」 (1/2)(ITMEDIA 2014年05月12日):STAP細胞の論文を掲載した英科学誌ネイチャーは9日、理化学研究所が不正と確定させた調査結果に関して「独自に評価を進めており、結論に達しつつある。何らかの対応をしたい」と表明し、編集部の判断で論文を撤回することも含め、近く対応を決める可能性を示唆した。

小保方氏側が要求した再調査をしない 理化学研究所が決定

STAP論文捏造疑惑に関して小保方晴子氏の研究不正を理化学研究所の調査委員会が認定したことに対して、小保方氏の弁護団は再調査を求める申し立てを行なっていました。弁護士らは追加資料を4日付で提出したことを明らかにしていましたが、理化学研究所は再調査をしないという決定を下しました。

【STAP細胞】6再調査せず 調査委員会による記者会見 前半【2014/5/8】

【STAP細胞】7再調査せず 理化学研究所による記者会見 後半【2014/5/8】

理研の審査結果を説明する文書では、小保方氏らの申し立てに対して項目ごとに丁寧に反証を示しています。

STAP細胞論文のデータは不可解なことだらけですが、その中でもデータ捏造を決定的なものにしたのは、テラトーマ作製の図が博士論文の異なる実験結果からの流用だったという事実の発覚でした。これに関して小保方氏は画像を取り違えてしまっただけで正しい画像がある(調査書中の「画像B」)と主張していました。そこで、画像Bが真正なものかどうかが争点になるわけですが、この理研調査委員会の審査結果を読むと実験条件に関する記載が実験ノート中に全くないため、正しい実験をしたという小保方氏の主張には何の根拠もないことがわかります。

ウ 画像B の存在について
(ア)画像B について、不服申立て者は、補充書(1)において、実験ノートの75 ページ
の記述をもとに、正しいと主張する画像B の元となるテラトーマが2012 年1 月24 日に取
り出されたなどとする。
(イ)しかしながら、75 ページには日付がなく、近傍のページで日付があるのは、73 ペー
ジ(「6/28」)、76 ページ(「2/29」もしくは「2/19」(いずれか判読不能))、81 ページ(「10
月」)のみである(いずれも年の記載なし)。このように、75 ページに記載されている実験
が2012 年1 月24 日に行われたことを確認できない。また、75 ページには、このテラトー
マがどのような細胞と方法を用いて作製されたかについては記載されていない。
(ウ)不服申立て者は、実験ノートの117 ページの記述をもとに、正しいと主張する画像B
が2012 年6 月9 日に撮影された、としている(補充書(1)「第3、3」及び同「第3、
4」等)。しかし117 ページには日付がなく、「染色(Differentiation assay)(ES コロニー)」
と記載されているだけで、これがどのようなサンプルを、どのような抗体を用いて染色さ
れたのかについては記載されていない。(http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140508_1/

参考

  1. 研究論文の疑義に関する調査委員会による調査結果に対する不服申立ての審査結果について (独立行政法人理化学研究所 2014年5月8日)
  2. STAP論文 調査委と理研の会見一問一答 (読売新聞 YOMIURI ONLINE 2014年05月09日 03時41分):理化学研究所の調査委員会と理研が8日、東京都内で開いた記者会見の主なやりとりは以下の通り。…理研が現在行っている検証実験で、STAP細胞の存在が確認された場合には、今回の判断は変わるのか。 「調査委の判断は、STAP細胞の有無とは関係ない。ネイチャーに投稿した論文に改ざんと捏造(ねつぞう)があったということだ」…
  3. STAP論文、再調査せず 小保方氏の不正確定へ (東京新聞2014年5月7日 19時46分):新たな万能細胞とされたSTAP細胞の論文問題で、理化学研究所の調査委員会が小保方晴子氏側の不服申し立てを退け、再調査しないとの結論をまとめたことが7日、分かった。
  4. STAP論文:理研委、再調査せず 不正確定へ (毎日新聞 2014年05月07日 20時01分、最終更新 05月07日 20時50分);新たな万能細胞とされる「STAP細胞」の論文不正問題を巡り、理化学研究所の調査委員会(委員長・渡部惇弁護士)は7日、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が求めていた再調査をしない方針を決めた。
  5. 小保方氏の異議退ける…理研調査委、再調査せず (読売新聞 YOMIURI ONLINE 2014年05月07日 14時30分):STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所の調査委員会は6日の会合で、研究不正があったとの認定は不当とする小保方晴子ユニットリーダーの不服申し立てを退け、再調査しないとの結論をまとめた。
  6. STAP問題 理研調査委 再調査せずと結論 (NHK NEWSWEB 5月7日 14時16分):STAP細胞を巡る問題で理化学研究所の調査委員会は、ねつ造などの不正はなかったとする小保方晴子研究ユニットリーダーの不服申し立てを退け、再調査は行わないとする結論をまとめました。

STAP論文調査委員らにもデータ切り貼り疑惑

小保方STAP論文理研調査委員会の他の委員らの論文にもデータ切り貼り疑惑

小保方晴子氏がSTAP細胞作製を報告したNATURE論文の中でデータの捏造、改竄があったことを認定した理化学研究所の調査委員会の委員長を務めた石井俊輔委員長の研究室から出た過去の論文にデータの写真の切り貼りが指摘されたのに続いて、さらに、他の委員らの論文にも研究不正の疑惑が持ち上がるという異常な事態が生じています。これらの指摘を受けて理研は理研所属の2名の審査委員に関しては不正があったかを確認するための予備調査を開始しました。

調査委員委員の一人である田賀哲也教授が所属する東京医科歯科大学でも同様の指摘を受けて予備調査を行い、「不正があったと立証できるものはない」という結果を発表しました。

しかし、どの論文のどの図に関してどのような不正の疑いがあったのか全く報道されておらず、東京医科歯科大学の「不正なし」という判断の根拠も示されていないため、第三者には何がどうなっているのか全くわからない状態です。

論文捏造&研究不正 ‏@JuuichiJigen
細胞画像の縮小版と拡大版を一つのFigure内に掲載しただけなのに、「画像捏造(流用)」ではないか?との言いがかり(見当違い)の告発をされたSTAP論文調査委員の田賀哲也氏が所属する東京医科歯科大学は、既に予備調査を終えて、不正の証拠はなしとして本調査には進まないと発表した模様。4:48 – 2014年5月2日(https://twitter.com/JuuichiJigen/status/462196825127387136)

小保方氏代理人が苦言「STAP論文許されず、委員の論文は許される」(産経新聞 5月3日(土)14時49分配信)
三木氏はコメントの中で「STAP論文は許されず、田賀論文は許されるとすれば、画像の切り張りや引き伸ばしについて許される場合と許されない場合があることになる」と指摘。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140503-00000540-san-soci)

インターネット上では真っ向から対立した議論があり、情報が錯綜しています。

東京医科歯科大学も、山中伸弥教授石井俊輔氏のように実験ノートや生データの有無を明らかにし、論文の図の作製においてどのような操作が行なわれたのかをもっと詳細に説明したほうが良いのではないでしょうか?STAP論文捏造疑惑の小保方晴子氏の弁護団の一人、三木弁護士からは何が研究不正にあたるのかを説明してもらいたいという要望が出ており、論文作製における図の取り扱いは現在の日本の科学研究にとって非常に重要な争点になっています。

疑惑が指摘されたが問題はなかったという説明だけでは、論文不正の指摘が「言いがかり」だったのか、それとも不正行為を「もみ消し」たのか、第三者には全くわかりません。不正疑惑を払拭するのに十分な実験ノートや生データとはどのようなものなのか、研究者の常識を知らしめる良い機会です。是非、研究者でない一般の人にも理解できるような、わかりやすい説明をして欲しいものです。

 

理研調査委3人に論文不正疑惑 予備調査を開始(14/05/02)

【追記】

インターネット上の情報によれば問題視された田賀氏の2004年の論文は、

Takao Setoguchi, Kinichi Nakashima, Takumi Takizawa, Makoto Yanagisawa, Wataru Ochiai, Masaru Okabe,Kazunori Yone, Setsuro Komiya, Tetsuya Taga. Treatment of spinal cord injury by transplantation of fetal neural precursor cells engineered to express BMP inhibitor. Experimental Neurology Volume 189, Issue 1, September 2004, Pages 33–44

であり、疑問を持たれた点の一つは、図2Cが図2Fの一部を拡大したものになっているという指摘でした(http://4.bp.blogspot.com/-R5habHlRKsA/U2OtIn9ypjI/AAAAAAAABVY/f0mNUCtjeZQ/s1600/1.png)。図2の説明文を読むと(http://1.bp.blogspot.com/-fBBP97q90KI/U2O0AD5GCWI/AAAAAAAABVo/xcV1rONjK5s/s1600/2.jpg)、図2Fはこの実験においてMAP2抗体染色(赤色)とGFAP抗体染色(緑色)を行なったことを説明するためのものであり、この実験の中でGFAP陽性アストロサイトが観察されたことが図2Cで示されています。つまり同一の実験結果なので、図2Fの一部(緑色に染色された細胞集団)を図2Cとして用いたことにはなんら問題はありません。疑義を呈した人はおそらくこの論文の図の説明を読まずに勘違いしてしまったのではないかと思われます。

参考

  1. 3委員の論文にも疑い 理研調査委「画像切り貼り」など (東京新聞 2014年5月2日 朝刊):新たに指摘があった調査委員は、理研の古関明彦グループディレクターと真貝洋一主任研究員、東京医科歯科大の田賀哲也教授。
  2. 小保方さん論文調査委、新たに3人加工疑惑 研究者5人中4人が調べられる側に (スポーツ報知 2014年5月2日6時0分):同様の論文加工で委員長を辞任した石井俊輔上席研究員(62)を含めると、当初の調査委員の研究者5人のうち4人の論文に疑いが浮上する異常事態となった。
  3. 止まらない論文狩り STAP調査委メンバーにまた新疑惑 (日刊ゲンダイ 2014年5月1日 掲載):STAP問題以降、日本では「1億総論文狩り」状態だ。
  4. 委員の論文不正「立証できるものはない」 (日刊スポーツ 2014年5月2日20時8分):医科歯科大は5月1日に予備調査を実施。05年の論文への指摘は、実験ノートに残ったデータから問題ないことを確認した。04年の論文についてはノートは残っていなかったが、同じチームの研究者に聞き取った結果、説明は合理的で問題ないと結論づけた。
  5. 東京医科歯科大・田賀教授の論文に不正なし(スポーツ報知 2014年5月2日20時14分):田賀教授に関しては、熊本大に在籍中の2004~05年に責任著者として発表した2本の論文に、画像の切り貼りや使い回しをした疑いがあるのではないかと、4月30日に医科歯科大に通報があった。
  6. 東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞制御分野 (田賀 哲也 教授)ウェブサイト
  7. 小保方氏 理研に質問書「ねつ造の解釈説明を」 (NHK NEWSWEB 4月30日 12時47分):三木弁護士は「調査委員会の前の委員長は、小保方リーダーと同じようなことをしながら『不正ではない』としている。どのような行為が不正に当たるのか、規程の解釈を明らかにしてほしい」と話しています。

 

笹井芳樹 理研CDB副センター長が記者会見

STAP細胞NATURE論文捏造事件においてNATURE論文の執筆で主要な役割を果たした理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が2014年4月16日記者会見を行い、NATURE論文投稿に至るまでの経緯を説明しました。

笹井芳樹氏会見質疑応答全収録;STAP細胞問題16日午後、都内

まずNATURE論文作製に笹井氏がどのように関わったのかという点に関して。

  • 実験の大部分(論文中の80パネルのうち75パネル)は、小保方氏が若山研究室の客員研究員だった2011年春より2年間の間に小保方氏によって行われた。
  • 実験データの解析と図表の作成も若山研究室で小保方氏がほとんどの部分を行なった。
  • NATURE誌への投稿論文は小保方氏と若山氏により一度書かれ、2012年春にネイチャー誌に一度投稿されたが却下された。
  • 2012年12月中旬に小保方氏がユニットリーダーとして登用される際の人事選考委員会において、小保方、若山両氏らがまとめた論文原稿の完成度が、研究の内容や発見の重要さに見合うだけのものになっておらず論文採択は難しいだろうという意見が出された。このため、竹市センター長より、論文作成を手伝うことを依頼され、2012年12月下旬より、論文原稿の書き直しの協力を開始。
  • 2013年3月に小保方氏がユニットリーダーとして採用され、その直後の3月10日にネイチャーに論文を投稿。
  • 投稿前の2月前後に、STAP現象の試験管内の評価に関する実験技術の指導も行なっている。
  • 論文のリバイスの段階における追加実験や技術指導も行なった。
  • 新しく追加された実験であるライブ・セル・イメージングなどの生データについては一緒に解析を行った。

笹井氏が論文著者として名を連ねるに至った経緯に関しては、バカンティ教授より強い要請を受けたためと説明しています。また、レター論文で責任著者になっていることに関しては、2013年9月の改訂論文の投稿時に若山氏から強く頼まれて3人目の責任著者になったのだそうです。

笹井芳樹氏を小保方晴子氏の上司と位置付けての報道もなされていましたが、笹井氏に小保方氏の実験に関して監督責任があったのでしょうか?その点に関しても笹井氏は説明をしています。

  • 研究不正とみなされた2つの実験データも含め、多くの実験データはすでに図表になっていたため、生データやノートを見る機会はなかった。
  • 自分の大学院生を指導する ときは『ノートを持ってきて見せなさい』と言えるが、小保方研究ユニットリーダーはあくまで独立した研究室のリーダーであり自分の研究室の部下ではないため、実験ノートや生データを見せなさい、とはならなかった。

捏造論文が世に出てしまった経緯に関して。

  • 今回の研究は複数のシニア研究者が複雑に関与した特殊な共同研究のケース。論文を書き上げたのが自分で、前段階である実験を指導したのが若山さんで別の人間であるという例外的な事情。
  • 現実的、過去の実験データにさかのぼって一つ一つの 生データをすべて確認することは難しい。

笹井氏はSTAP現象があることを前提としなければ容易に説明できないデータがあると述べてきましたが、捏造や改竄データが認定された論文の他のデータを正しいと信じろというのは無理なことです。笹井氏はなぜそれでもSTAP現象があると考えているのでしょうか?そのような質問に対しても回答がありました。

  • 配布資料に使った写真では、小保方氏が一人で解析できた実験結果は極力排除してある。
  • 実験の途中から投入することのできない細胞もあるし、撮影した画像などは、1コマ1コマ日付も入っており、これらをいじればすぐにわかってしまう。
  • 科学論理の立て方の問題になってしまうのだが、遺伝子解析をしたときに、STAP細胞が今まで知られている細胞でないことは事実。

博士論文をコピペしていたり、以前の論文でもDNAのゲルの写真を反転して図を捏造した疑いがインターネット上で指摘されていますが、研究者としての資質が問われるような人間を理研のユニットリーダーとして採用した理研の人事における責任は非常に重大です。採用の経緯に関しても説明がありました。

  • 「2012年12月中旬、小保方さんの研究リーダー採用の審査は、他の研究リーダーの選考と同様に人事委員会において、本人の研究プロジェクトの計画と現 在の研究のプレゼンテーションをお聞きし、さらに、委員が詳細な議論を行い、研究の独創性、挑戦性、研究の準備状況を中心に評価しました。これまでの小保 方さんの指導者からの評価も参考にしました。通常の手続きと同様で一切偏りがなかったと考えています。私を始め多くの人事委員は、本人と会い、話をしたの は採用面接が初めてです」
  • (研究者としての小保方氏をどう見るか)「非常に豊かな発想力があると感じています。それは採用時の人事委員会の皆の一致するところであります。ただ、トレーニングが足りなかったところ。未熟と いう言葉を使いたくないのですが、科学者として身につけるべきだったのに身についてなかった部分は、今回の発表後に明らかになりました。データ管理におけ る取り違えを生み出したりするなど、ある種のずさんさがあったと思います。その両極端が一人の人間の中にあるのかなと。シニアの研究者として私が後悔する のは、Natureの論文を2回も出すということはなかなかできることではない。しかし彼女の弱い部分を、もっとしっかりと認識して、背伸びをするだけで なく足下をきちんと固めることができなかったことを、非常につらく思っております」

今回の記者会見は、NATURE論文掲載に至るまでの経緯がようやく詳細に説明されたという点で意義がありました。

捏造論文発表の責任を笹井氏がどの程度負うべきかという点に関しては、さまざまな意見があります。記者会見の中で笹井氏は、自分は論文執筆を頼まれて手伝っただけであり、今回のSTAP細胞の研究発表ではあまり重要な役回りではなかったと言いたげでした。しかし過去の読売新聞の報道が正しければ、

STAP論文、掲載1週間前に最終稿…若山教授———­–読売新聞 3月23日(日)8時49分配信
STAP(スタップ)細胞の論文の主要な著者の一人である若山照彦・山梨大教授(46)は、読売新聞の取材に対し、論文の最終稿が理化学研究所のチームから届いたのは、掲載の約1週間前だったことを明らかにした。…若山教授によると、最終稿が理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長(52)らから届いたのは、英科学誌「ネイチャー」で掲載が決まってから1か月後の今年1月。すでに大幅な修正ができない時期で、若山教授は自分の研究部分以外はチェックしなかった。論文は1月30日付で同誌に掲載された。

ある時点からは若山氏を蚊帳の外に置いて笹井氏が論文投稿の主導権を握っていたのではないかと推測されます。論文の最終原稿を共同研究者に見せずに投稿し、受理されて世に発表される直前になってからようやく原稿を渡すというのは相手を非常に軽んじる行為だからです。このような行為と記者会見での笹井氏の説明とは矛盾しないのでしょうか?

また会見では、iPS細胞の山中伸弥氏への対抗心があったのではないかと質問されて、完全に否定しました。しかし、多くの報道にあったとおり、

 理研、STAP細胞報道資料の一部撤回 iPS細胞との比較分(日本経済新聞 2014/3/18 19:47 )
… iPS細胞との性能を比較した説明資料で、STAP細胞の作製効率は30%と、iPS細胞の0.1%より優位性があるとしていた。資料はSTAP細胞の論文の共著者である理研の笹井芳樹副センター長を中心に作成した。山中伸弥・京都大教授は2月10日の記者会見で反論。0.1%というiPS細胞の作製効率は2006年当時のもので、現状では20%以上とした。(http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1805T_Y4A310C1000000/

自分の専門分野の最新状況を知らないわけがないにも関わらず、わざわざiPS細胞の古い資料を引き合いに出してSTAP細胞の優位性を強調する行為は、対抗心の表れと言えないのでしょうか?

今回の記者会見の内容は言葉だけ聞けば整合性があるようにも思えますが、言葉と行動が合致しているのかどうかが問題です。

参考

  1. 科学研究面に関する説明資料 理化学研究所 笹井芳樹 (理研ウェブサイトPDFファイル)
  2. 【STAPキーマン 笹井氏会見詳報】(1)山中氏のライバル謝罪「共著者として心痛の極み」(産経ニュース2014.4.16 15:54)
  3. 理研笹井氏「依頼を受け参加」/一問一答(ニッカンスポーツ 2014年4月16日22時23分)
  4. 小保方晴子さんも理研も批判せず 笹井芳樹さんの会見はマスコミの追及を巧みに回避【STAP細胞】(HUFFPOST 2014年04月16日)
  5. 笹井氏STAP説明に、同僚「理解できない」 (読売新聞 2014年04月17日 10時04分):(理研発生・再生科学総合研究センターでの同僚の)研究者の一人は「会見で示されたデータに、ネイチャー論文以上のものはなかった。論文の信頼性が失われている以上、そのデータをもって合理性が高いと言われても正直、理解できない」と指摘。
  6. 【STAP細胞】笹井氏「有力な仮説」強調も新事実なく 争点には「分からない」 (産経ニュース 2014.4.17 10:24):STAP細胞がさまざまな細胞に分化できる重要な証拠となる画像が、小保方氏の博士論文の関連画像から流用された問題については「小保方氏から、真正画像があったが取り違えたと聞いている」と説明。ただ、小保方氏の不服申立書によると、「真正画像」の撮影は平成24年6月で、論文がネイチャー誌に投稿された同年4月より後。この矛盾を指摘されると笹井氏は「私が論文に関与する以前の話なので、どこでどう撮影されたのか分からない」と釈明した。
  7. STAP細胞 笹井氏の記者会見を受けて (HUFFPOST 東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門 特任教授 上昌広 投稿日: 2014年04月17日 16時48分):筆者は、この記者会見を聞いて違和感を抱いた。それは、「最後の段階で論文仕上げに協力しただけ」で、「実際に指導したのは若山照彦教授である」との主張を繰り返したからだ。この発言に納得する人は少ないだろう。笹井氏は、理研の再生科学総合研究センターのナンバー2だ。一般企業に例えれば、理研本部はホールディング・カンパニー、再生科学総合研究センター は事業会社に相当する。笹井氏は、一つの事業会社の副社長で、今春に社長昇格が予想されていた実力者である。センターの経営に大きくかかわってきたと考え るのが普通だ。通常、経営者は、経営判断に関して責任を負う。現に、記者会見では、小保方晴子氏のユニット・リーダーへの抜擢人事には関係したと明言している。今回の不祥事について、任命責任を負うのが当たり前だ。ところが、彼の発言からは、そのような気配は感じられなかった。まるで、自分のことを理研のリーダーと思っていないように見えた。
  8. 笹井氏の会見。「自分はギフトオーサーであるから、責任を取るつもりはない」と言っているようにしか聞こえない。これは、研究者社会を成り立たせているルールを、根本から否定しているのではないだろうか?(近藤滋 ‏@turingpattern)
  9. STAP細胞を前提にしないと説明できない?(大隅典子の仙台通信2014年 04月 16日):「STAP現象」ではなくても説明できるのではないか、という私見を記します。
  10. 「共著者としてあり得ない」=理研改革委の岸委員長-笹井氏「ノート見てない」で (時事ドットコム 2014/04/18-16:07):岸委員長は笹井氏について「実験ノートとかを知らなかったというのは、あまり強調すべきことではない」と述べ、重要な発見を世に問う論文の共著者としては不適切との考えを示した。

 

 

2014年4月9日に行われた小保方晴子氏の記者会見に関する補充説明

小保方晴子氏が2014年4月9日にSTAP細胞NATURE論文疑惑に関する記者会見を行いましたが、反響があったポイントなどに関する補足説明が小保方晴子氏の弁護団より公表されました。

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4月9日の記者会見に関する補充説明

 4月9日の記者会見における小保方晴子氏の発言に関して、いろいろな意見が出ていることを鑑みて、補充説明として小保方氏から聞き取りました点をご紹介いたします。

小保方晴子 弁護団

1 STAP細胞の存在について

(1)200回以上成功したと述べた点について 私は、STAP細胞の実験を毎日のように行い、しかも1日に複数回行うこともありました。STAP細胞の作成手順は、①マウスから細胞を取り出して、②いろいろなストレスを与え(酸や物理的刺激など)、③1週間程度培養します。この作業のうち、1と2の作業は、それ自体にそれほどの時間はかからず、毎日のように行って、並行して培養をしていました。培養後に、多能性マーカーが陽性であることを確認して、STAP細胞が作成できたことを確認していました。このようにして作成されたSTAP細胞の幹細胞性については、培養系での分化実験、テラトーマ実験やキメラマウスへの寄与の実験などにより、複数回、再現性を確認しています。 STAP細胞の研究が開始されたのは5年ほど前のことですが、2011年4月には、論文に中心となる方法として記載した酸を用いてSTAP細胞ができることを確認していました。その後、2011年6月から9月頃には、リンパ球のみならず、皮膚や筋肉や肺や脳や脂肪など、いろいろな細胞について、酸性溶液を含む様々なストレス条件を用いてSTAP細胞の作成を試みました。この間だけで100回以上は作成していました。 そして、2011年9月以降は、脾臓由来のリンパ球細胞(CD45+)を酸性溶液で刺激を与えて、STAP細胞を作成する実験を繰り返していました。このSTAP細胞を用いて、遺伝子の解析や分化実験やテラトーマの実験などを行うので、たくさんのSTAP細胞が必要になります。この方法で作ったものだけでも100回以上はSTAP細胞を作成しています。また、今回発表した論文には合わせて80種類以上の図表が掲載されており、それぞれに複数回の予備実験が必要であったことから、STAP細胞は日々培養され解析されていました。このことから、会見の場で200回と述べました。

(2)第三者によって成功している点について 迷惑がかかってはいけないので、私の判断だけで、名前を公表することはできません。 成功した人の存在は、理研も認識しておられるはずです。

2 STAP細胞作製レシピの公表について

STAP 細胞を作る各ステップに細かな技術的な注意事項があるので、一言でコツのようなものを表現することは難しいのですが、再現実験を試みて下さっている方が、 失敗しているステップについて、具体的にポイントをお教えすることについては、私の体調が回復し環境さえ整えば、積極的に協力したいと考えております。状況が許されるならば、他の方がどのステップで問題が生じているかの情報を整理して、現在発表されているプロトコールに具体的なポイントを順次加筆していくことにも積極的に取り組んでいきたいと考えております。 また、現在開発中の効率の良いSTAP細胞作製の酸処理溶液のレシピや実験手順につきましては、所属機関の知的財産であることや特許等の事情もあり、現時点では私個人からすべてを公表できないことをご理解いただきたく存じます。 今の私の置かれている立場では難しい状況ですが、状況が許されるならば実験を早く再開して、言葉では伝えにくいコツ等がわかりやすいように、映像や画像等を盛り込んだプロトコールとして出来るだけ近い将来に公開していくことに努力していきたいと考えております。

3 4月12日朝刊での新聞記事について

同日、一部新聞の朝刊において「STAP論文新疑惑」と題する記事が掲載されましたが、事実確認を怠った誤った記事であり、大きな誤解を招くものであって、許容できるものではありません。この説明は同日中に代理人を通じて同新聞社にお伝えしています。 (1)メスのSTAP幹細胞が作成されており、現在、理研に保存されております。したがって、オスの幹細胞しかないというのは、事実と異なります。 (2)STAP幹細胞は、少なくとも10株は現存しています。それらはすでに理研に提出しており、理研で保管されています。そのうち、若山先生がオスかメスかを確かめたのは8株だけです。それらは、すべてオスでした。若山先生が調べなかったSTAP幹細胞について、第三者機関に解析を依頼し染色体を調べたところ、そこにはメスのSTAP幹細胞の株も含まれていました。記事に書かれている実験は、このメスのSTAP幹細胞を使って行われたものです。

4 STAP幹細胞のマウス系統の記事について

2013年3月までは、私は、神戸理研の若山研究室に所属していました。ですから、マウスの受け渡しというのも、隔地者間でやりとりをしたのではなく、一つの研究室内での話です。この点、誤解のないようお願いします。 STAP幹細胞は、STAP細胞を長期培養した後に得られるものです。 長期培養を行ったのも保存を行ったのも若山先生ですので、その間に何が起こったのかは、私にはわかりません。現在あるSTAP幹細胞は、すべて若山先生が樹立されたものです。若山先生のご理解と異なる結果を得たことの原因が、どうしてか、私の作為的な行為によるもののように報道されていることは残念でなりません。

追記

4月9日の会見は「不服申し立て」に関する記者会見であり、準備期間も不十分で、しかも公開で時間も限られた場であったことから、STAP細胞の存在や科学的な意義についての説明を十分にすることができませんでした。しかしこのような事情をご理解頂けず、説明がなかったとして批判をされる方がおられることを悲しく思っております。理 研や調査委員会のご指示や進行具合にもよりますし、私の体調の問題もあるので、確かなお約束はできませんが、真摯な姿勢で詳しく聞いて理解してくださる方 がいらっしゃるなら、体調が戻り次第、できるだけ具体的なサンプルや写真などを提示しながらの科学的な説明や質問にじっくりお答えする機会があれば、あり がたく存じます。(会見形式では到底無理ですので、たぶん数名限定での説明になると思いますが・・・。)

以上

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若山氏との間で行なわれたサンプルのやり取りで129系統マウスがなぜかB6系統やF1系統に化けていた件に関しては、全て若山氏側の問題だと主張するものであり、対決姿勢が鮮明になりました。若山氏と小保方氏各々が当時の実験ノートを持ち寄って照合すれば、どちらサイドで何が起きたのか明らかになることでしょう。

小保方氏はSTAP細胞を200回以上作製したそうですが、そのような実験結果を本当に得ていたという主張を研究者に認めさせたければ、実験ノート、サンプルなどの物的証拠を示すべきであって、言葉で何を言ってもサイエンスの世界では通用しません。研究者世界の常識として、実験ノートにその200回分のSTAP細胞作製記録がなければならないのです。

この補充説明の文書で、「現在開発中の効率の良い」STAP細胞作製の酸処理溶液のレシピや実験手順は公表できないという不思議な表現が唐突に出てきました。もちろん、「現在開発中の効率の良いSTAP細胞作製方法」を今公表する必要はありません。しかし、小保方氏は「NATURE論文で用いたSTAP細胞作製方法」の 具体的なコツを(本当に実験結果を得ていたのなら)直ちに公表し、これ以上世界中の研究室で無駄な研究費や労力が使われないようにすべきです。

行動を伴わない言葉は全く無意味です。論文発表した以上、他の研究者が再現でき るように尽力するのは論文著者の義務であって、それが研究者社会のルールです。研究者としてのルールを守らない人間は、研究者の世界に存在すべきではありません。

データ捏造、データ改竄としか考えられない、あり得ない「ミス」を犯してしまって己の未熟さを反省していますという言葉が出てくる一方で、このような生物学を愚弄するかのような言動がダラダラと続いていることは、研究者には許容し難いことです。

実験ノートをきちんとつけること、発表に際して実験データを改変しないことなどは研究者の常識であり研究者に当然備わっているはずの倫理観です。研究能力以前の問題です。それらを全く持たない人をユニットリーダーに登用した理化学研究所の責任は重大です。

理研調査委員会は2014年4月1日の記者会見で小保方晴子氏のデータ捏造、改竄を認定しましたが、それはこの捏造論文事件の一部に過ぎず、なぜこのような事件が生じたのかその全体像を示すような説明が全く理研側からなされていません。

参考

  1. 小保方氏が発表の文書 全文(NHK NEWS WEB 4月14日 13時20分)
  2. 4月9日の記者会見に関する補充説明(毎日新聞ウェブサイト http://www.mainichi.co.jp/pdf/20140414science.pdf)
  3. 小保方氏、会見の「補充説明」弁護士通じ発表 STAP細胞作製の第三者を「理研も認識」(J-CASTニュース 2014/4/14 16:03):これに対し、理研側は同日、「細胞の多能性マーカーが陽性になる段階までは確認した研究者がいることは認識している。しかし、これはSTAP細胞があったかどうかを結論付けるものではなく、STAP細胞があると言えるものではない」とコメントした。

不正行為対応ガイドライン

以下の文章は、文部科学省及び独立行政法人日本学術振興会が公表している科研費の使用等に関するガイドラインですが、税金を使って研究を行なっている日本の研究者の間で共有されているべき事項です。

科研費が国民の貴重な税金で賄われていることを十分認識し、科研費を公正かつ効率的に使用するとともに、研究において不正行為を行わないよう留意してください。

研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、研究者コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けることである。

不正行為は、科学そのものに対する背信行為であり、研究費の多寡や出所の如何を問わず絶対に許されない。これらのことを個々の研究者はもとより、研究者コミュニティや大学・研究機関、研究費の配分機関は理解して、不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない

公表した研究成果に誤りや不正行為が関わっていたことに気づいたら、直ちに研究者コミュニティに公表し、取り下げることが必要である。

「競争的資金に係る研究活動における不正行為対応ガイドライン」(平成18年8月:科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会)では以下の行為を不正行為としている。

(1) 捏 造:存在しないデータ、研究結果等を作成すること。

(2) 改ざん:研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。

(3) 盗 用:他の研究者のアイデア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること。

 

論文等において不正が認定された場合や研究費の不正使用が認定された場合は、競争的資金等の返還に加えて、認定された年度の翌年度から最長10年間、競争的資金等への申請が制限される。

捏造、改ざん、盗用の不正が認定されたときの措置の対象者は以下の者が該当する。

(1) 不正行為に関与したと認定された者(2~10年)

(2) 不正行為に関与したとまでは認定されないものの、不正行為があったと認定された研究に係る論文等の内容について責任を負う者として認定された著者(1~3年)

(日本学術振興会のウェブサイト http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/15_hand/data/h26/kakenhi_checklist.pdf より一部を抜粋、一部赤文字で強調)

理研が小保方ユニットリーダーの契約を更新

STAP細胞論文の筆頭著者である小保方晴子氏の雇用契約を理研が更新したというニュースを聞いて絶句した研究関係者も多いのではないでしょうか?

世間一般の人には理解されにくいことですが、年収300万円程度、1年契約という経済的にも精神的にも非常に不安定な状況に置かれながらも真面目に研究に勤しんで結果を出し続けている誠実な研究者が多いのが、日本の研究者社会の現状です。

そして博士号取得後にそのような努力を数年間続けても結局研究職では定職が得られずに科学者としてのキャリアをあきらめざるを得なくなり、この4月から別の職種に就いた人も多いの実情なのです。

職を得ることに関してはそんな過酷な競争を強いられる研究の世界で、研究者の想像を絶するような「不適切なデータの取り扱い」により論文を出した人が、4月からも引き続き理研でPI(PRINCIPAL INVESTIGATOR, 研究室の主宰者)のポジションに残れてしまうというのは衝撃的です。

 

研究者を雇う立場の研究者や研究所には、健全で公正な研究者間の競争を保証する責務があります。研究不正に対する厳正な対処がなされなければ、それは著しい不公平感を生み出し、真面目な研究者のやる気を失わせ、日本の科学研究を停滞させるでしょう。

参考

  1. 理研、小保方氏の契約更新…調査結果確定せず (読売新聞YOMIURI ONLINE 2014年04月10日 08時49分):小保方氏が所属する理研発生・再生科学総合研究センターによると、理研の調査委員会がSTAP細胞の論文に不正があったと認定したものの、調査結果は確定しておらず、処分も決まっていないことから、契約を更新した。
  2. 論文騒動の裏に“理研の利権争い”? (東スポWeb 2014年03月16日 16時00分):小保方さんクラスなら年収約800万円ほどで、75%の家賃補助も出る。
  3. 理研が落ちた「わな」:再生医療の覇権争い iPS先行で (毎 日新聞 2014年03月19日 16時16分 最終更新 03月19日 16時19分):研究不正の疑いがもたれている小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーは5年契約で、給与と は別に総額1億円の研究予算が与えられている。
  4. あまりにも異常な日本の論文数のカーブ(ある医療系大学長のつぼやき 2012年06月27日):この図をみると、少し太めの赤線で示されている日本の論文数が、多くの国々の中で唯一異常とも感じられるカーブを描いて減少していますね。
  5. 研究力シンポの報告(1)”あまりにも異常な日本の論文数のカーブ”revisited(ある医療系大学長のつぼやき 2013年11月17日 ):今回の分析では、このトムソン・ロイター社の論文数のデータにおいても、先進国の中で日本だけが減少していることは明白です。

小保方晴子氏の不服申立書が公開

明日2014年4月9日の記者会見を前にして、 小保方晴子氏の不服申立書が新聞などを通じて公開されました。申し立て書の内容は、小保方氏の行為は理研の規程によって定義される研究不正には当たらないという論理展開になっています。

すなわち、(1―2)については、もともと、「研究活動によって得ら れた結果等を真正でないものに加工する」という行為態様がなく、「改ざん」が疑われる事案ではなく、論文への掲載方法が適切か否かの問題にすぎないのに、 これらを混同して研究不正の認定を行っている点で妥当でない。

また、(1―5)についても、「存在しないデータや研究結果 を作り上げ」るという行為態様がなく、「捏造」が疑われる事案ではなく、論文に掲載する時点で、誤った画像を掲載してしまったという問題にすぎないのに、 これらを混同して研究不正の認定を行っている点で妥当でない。(http://www.yomiuri.co.jp/science/20140408-OYT1T50192.html?from=ycont_navr_os)

室谷弁護士は「研究不正とは、成果がなかったのに、あったかのように偽装することだ」と説明。その上で、小保方氏が細胞のDNAを分離する解析「電 気泳動」の画像データを切り貼りし、改ざんをしたと認定されたことについて「画像を見やすいようにしただけ」。「発表の仕方が不適切だからといって、研究 活動で得られた結果が虚偽になるわけではない」と語気を強めた。

さらに、論文とは実験条件の違う画像を他から転用し、「捏造に当たる」と指摘されたことについても、本来掲載すべきだった画像が存在する点を強調し、「動機がない」と不正を否定した。(www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201404/0006848140.shtml)

本来掲載すべきだった画像が存在するという主張を正当化するためには、当然その画像データを得たときの実験ノートをもとに画像データが得られた過程を説明できなければなりません。先に行なわれた理研の調査委員会では実験ノートに基づいて記録を追跡することが不可能だったというのですから、差し替え用の画像の存在は、不正の疑いを晴らす根拠にならないでしょう。

4月9日の記者会見で小保方氏がどのような説明を行なうのかが注目されます。

ニコニコ生放送(番組ID:lv175328217)
小保方晴子氏 記者会見 生中継<STAP細胞・最終報告書に対する不服申し立て>

2014/04/09(水) 開場:12:50 開演:13:00
【説明者】小保方晴子 理化学研究所・細胞リプログラミング研究ユニットリーダー、三木秀夫 弁護士、室谷和彦 弁護士

参考

  1. 不服申立書の全文・上(読売オンライン2014年04月08日 23時08分)
  2. 不服申立書の全文・下(読売オンライン2014年04月08日 23時08分)
  3. 小保方さんが理研に要望「不服審査の委員の半数以上は法律家にすべき」(弁護士ドットコム 2014年04月08日 20時46分)
  4. 小保方氏の代理人弁護士、理研に不満あらわ (ニッカンスポーツ 2014年4月8日23時2分):代理人の室谷和彦弁護士は約1時間、大阪弁護士会館(大阪市北区)の会議室に集まった数十人の報道陣を前に、提出直前まで手を加えた約20ページの申立書に沿って熱弁を振るった。…質疑応答では、画像を取り違えた経緯に質問が集中。室谷弁護士が腕組みし「資料がなく、分析もできないので分からない」と考え込む場面も。
  5. STAP論文「調査に疑問点多数」 小保方氏代理人が会見(神戸新聞 2014/4/8 22:57):

「実験ノートがない=研究不正」

小保方氏は3年間の研究生活で実験ノートがたったの2冊しかなく、しかも日付が書いていなかったり実験条件が明記されていなかったりして、理研のSTAP細胞論文調査委員会が実験事実の有無を確認するために実験ノートの記述を追跡調査することが不可能だったそうです。

追記:小保方氏はノートの冊数に関しては4~5冊あると後に反論しています(2014年4月9日小保方晴子氏、記者会見で反論【全編動画2時間36分12秒】)。

国会に参考人として意見を求められた京都大学の山中伸弥教授は、「実験ノートがない=不正行為」とみなすと発言しました。実験科学の研究者の中で、この山中教授の意見に対して異論を持つ人はいないでしょう。

国会で山中教授「ノートのチェック徹底を」(14/04/04)

「研究不正を予防する一つの重要な方法は、日ごろの研究記録をきちっと残すことだと思います。そのためには、ノートの記録が非常 に単純なことでありますが、大切です。ノートのチェックを徹底させる。本当に私たちもチェックしています。僕たちは(ノートを)出さない人は、『不正をし ていると見なします』と言明しています」(京都大学・山中伸弥教授:)(http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000024478.html

参考

  1. ラボノート(理化学研究所): “ラボノート”ってご存知でしたか? 実験ノートとも呼ばれ、研究者等が実験データやアイデアを記録し、第三者が確認をとる仕様となっていて、研究の過程を証明するためのノートです。
  2. 理研最終報告 小保方氏「承服できぬ」 不正指摘に激しく反発(YAHOOニュース/産経新聞 4月1日(火)15時35分配信):小保方氏は1日に発表したコメントで、調査結果を「驚きと憤りの気持ちでいっぱい」「改竄、捏造と決めつけられたことは、とても承服できません」と激しい言葉で非難し、近く、理化学研究所に不服申し立てをする考えを示した。
  3. スッピン反論に“理研のドン”怒った!小保方氏「懲戒解雇」も(東京スポーツ2014年04月04日 09時00分):「問題が発覚した段階でも相当怒ってましたが、今回の彼女の態度で、怒りはピークに達しています。理研の看板に傷をつけておいて、反省しないどころか、不 服申し立てですからね。野依さんは『徹底的にやる!』と豪語しており『理研に著しい損害を与えた』という理由で、懲戒解雇処分も視野に入れているそうで す」
  4. 小保方氏側が理研調査は不十分と主張へ(ニッカンスポーツ2014年4月5日12時32分):STAP細胞の論文不正問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが理研への不服申し立てで「理研の調査は不十分で(捏造(ねつぞう)と認定 した)最終報告は推測にすぎない」と主張する方針であることが5日、分かった。代理人を務める三木秀夫弁護士が明らかにした。
  5. 利権闘争、セクハラ… 小保方晴子氏が隠し持つ「爆弾」とは(Yahooニュース/NEWS ポストセブン 4月4日(金)16時6分配信):例えば、ユニットリーダーに対して給与とは別に支給される研究費が、理研内部ではどのように使用されているか。年間30億円という巨額の税金で運営される理研で、その予算獲得のために、いかにいびつな権力闘争があるか…などなど。もっと突っ込めば、彼女には、実は長年悩んでいるセクハラやパワハラ問題などもあるし、それこそ今メディアで囁かれている上層部との“関係”についての真相も暴露しかねない。そうなったら、内部は大混乱に陥りますよ

大学院受験者から100万円 東大教授が解雇

諭旨解雇

東京大学は、大学院教授(男性、50歳代)に対し、概要以下のような事実を認定し、3月28日付けで、諭旨解雇の懲戒処分を行った。

(1) 教授は、平成22年夏頃、甲(仮名)から、教授就任の祝儀の名目で現金100万円を受領した。また、その後、甲が本学大学院の入学試験の受験を希望していることなどを知ったにもかかわらず、当該金員を返還しなかった。
(2) 教授は、平成22年の大学院入試の受験を希望していた甲に対し、当該入試への出願を見送って平成23年の大学院入試を受験するように働きかけた。 教授は甲に対し、平成23年の大学院入試について、何らかの優遇を受けられるかのように思わせる態度をとっていたが、平成23年の大学院入試の出願時期に なると、それまでの態度を翻し、大学院学生として受け入れることは難しいことを告げるなどして甲を翻弄した。
(3) 教授は、甲が平成23年の大学院入試を受験した際、口述試験の試験委員として質問を行い、採点に関与するなど、大学院入試の公正性、厳格性に疑念を生じさせる行為を行った。

教授の行為は、就業規則第38条第5号に定める「大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた場合」及び同条第8号に定める「この規則及び大学法人の諸規則によって遵守すべき事項に違反し」た場合に該当し、同規則第39条第5号に定める諭旨解雇の懲戒処分を行ったものである。

http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_260331_j.html

香港のリー博士が「酸処理なし・機械刺激のみ」の条件でSTAP細胞作製再現に成功??【否定】

【注意】当初ポジティブに報道された李博士のこのSTAP細胞に関する実験結果ですが、李博士自身否定的な見解に落ち着いたようです。

 

香港中文大学(The Chinese University of Hong Kong)のケニース・リー(Kenneth Ka-Ho Lee)博士が、ヴァカンティ教授が発表したプロトコールの一部を変更した方法によりSTAP細胞作製に成功したかもしれないという実験結果をリサーチゲート(researchgate.net)に投稿しました。

多能性獲得の分子マーカーOCT4などの遺伝子発現が、機械刺激後培養3日目で検出されたという実験結果です。

KennethLee_qPCR_20140401

LEE博士の実験結果によれば、酸処理はむしろ逆効果で、破砕処理(TRITURATON)の機械的刺激のみのほうが条件として良いといえます。

LEE博士は、現段階での実験結果にはいろいろな解釈があり得るので、STAP細胞ができたとは言わない、と慎重なコメントを出しています。

“Potentially, expression of these pluripotent markers could be the bi-product of un-regulated gene expression by the dying or stressed cells. I agree 100% with Paul Knoepfler’s comments.

I am not claiming that “STAP” cells exsist  – only presenting the results of our research as it is – which is open to interpretation.  Please, don’t Hype up this data!” (Kenneth Ka-Ho Lee

またStem Cell Blogを運営するノフラー博士はリー博士のこの実験結果に対して懐疑的な態度を示しています。

Let’s see how this develops, but I remain skeptical that this is a specific induced pluripotency-related event related to trituration and that what you are seeing here is STAP cells. I hope I’m wrong and it is something real on the STAP front, but I doubt it. Thanks again, Ken, for all the hard work that your lab is doing! Paul (Paul Knoepfler · University of California, Davis)

JCASTニュースによれば、

3日放送のテレビ朝日系「モーニングバード」とフジテレビ系「とくダネ!」はリー教授に直接電話で話を聞いた。リー教授は、STAP細胞の生成に成功したとか存在しているとか言ったことはない、と完全否定し、

「実験結果を報告しただけで、それがSTAP細胞だと勘違いされてしまった。STAP細胞に関しては、実験を始めて3日後に細胞は死んでしまい失敗してしまいました。できた細胞はSTAP細胞の特質すらありませんでした」

と語っていた。

とのこと。

さらに新しい朝日新聞の報道によると、李博士は

李教授は「本当にSTAP細胞ならマーカーの値は数百倍程度に上がるはず。誤解を与える伝え方をして反省している」と話した。

とのことです。結局、李博士はSTAP細胞の再現実験の試みは止めるそうです。

参考

  1. ResearchGate.net Review of article: Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency.Haruko Obokata, Teruhiko Wakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato, Charles A
  2. 香港中文大学、STAP細胞作製の再現に成功か(WIRED.JP 2014.4.2 WED 修正版4.3):李氏は、自分の実験結果(現在公開されている手法ではSTAP細胞は作製されないとするもの)を『Nature』に提出し、3月24日に同誌から掲載を拒否されていたが、同氏はその後、ヴァカンティ氏の手法の応用に取りかかった。李氏は自らのすべての実験プロセスを、オープンソース・プラットフォーム「ResearchGate」において、リアルタイムで公開…「わたしはSTAP細胞が存在していると主張しているわけではない。わたしがResearchGateに掲載した実験結果は、非常に初期のものだからだ。わたしはヴァカンティ氏のプロトコルを追試した。それは、小保方氏のプロトコルとは大きく異なるものだ」「わたしが提供した情報は、酸に浸す処理というよりは物理的な研和処理が幹細胞を誘発するかどうかについて、ほかの研究所が追試するときに助けになると確信している」
  3. Prof LEE Ka Ho Kenneth 李嘉豪(香港中文大学 生物医学学院 The Chinese University of Hong Kong, School of Biomedical Scinces)
  4. Blogger Reports STAP Success(The Scientist April 1, 2014):Lee now claims he has succeeded at reproducing STAP using Vacanti’s protocol—well, sort of.
  5. 関由行 ‏@yoshiyuki_seki 12時間 @TJO_datasci @yulimekko 8倍程度ですからねー。ESだと数百倍は発現しているので、8倍程度では発現しているとはみなせないと思いますよ。
  6. 香港の大学でSTAP細胞の作成に成功?? ネットで「理研は小保方に謝れ!」騒ぎになったが誤報だった (JCASTニュース 2014/4/ 3 17:43)
  7. 「STAP細胞が存在する証拠ない。エイプリルフールのジョークというべきだった」香港の李教授が自ら否定 (The Huffington Post 2014年04月03日 10時14分 JST):STAP細胞生成の再現に香港中文大学の李嘉豪教授が成功したと報道された件について、李教授は4月2日、自らのTwitterでこれを否定した。…「小保方さんの実験方法ではSTAP細胞は再現できませんでした。他の人がやっても時間の無駄です。STAP細胞は存在しないと思います」…
  8. STAP細胞再現、一転訂正 香港の研究者(朝日新聞デジタル 2014年4月3日22時00分):STAP細胞とみられる多能性幹細胞の培養に成功した可能性がある、と公表していた香港中文大の李嘉豪教授が3日、朝日新聞の取材に、できたのはSTAP細胞ではない可能性が高いことを明らかにした。再現実験もやめるという。

理化学研究所調査委員会がSTAP細胞論文捏造事件に関する最終報告【ニコニコ生放送】

産経ニュースの報道によると、理化学研究所が設置したSTAP細胞研究論文に関する調査委員会の最終報告は4月1日の午前中に発表されるとのことです。3月14日に行われた中間報告では重大な項目に関して不正の認定を先送りにして不評を買いました。

中間報告ではうやむやにされていましたが、問題になっている論文の図に対応する実験ノートの記載は結局のところあったのかなかったのか?

調査委員会が公表していた中間報告書が3月31日付けで突然何の説明もなしに「修正」されました。データ捏造の証拠になる重要な実験データを削除したのではないかという疑いでネット上が騒然としていますが、この「修正」の真意がきちんと説明されるのか?

悪意が立証できない意図的な捏造・改竄を不正と認めるのか?

今回の最終報告でどのような裁定が下るのか、非常に注目されます。

STAP細胞の懐疑点 PART198

10 :名無しゲノムのクローンさん:2014/03/31(月) 22:51:38.58
悲報、理化学研究所がstap細胞論文の中間報告書を無言で差し(すり?)替えか
1 :Ψ:2014/03/31(月) 20:52:18.11 ID:r81D0YWx0
TJO ?@TJO_datasciもう気付いた人も多いみたいだけど、いつの間にか理研は3/14の会見で見せていた中間報告書を3/31付で差し替えている。
現在の版
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20130314_1/document-5.pdf
以前の版
http://web.archive.org/web/20140314222554/http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20130314_1/document-5.pdf以前の版に出ていた電気泳動バンド画像の中に、見られては困るものでもあったのかな
https://twitter.com/TJO_datasci/status/450577511185793024cuttingedge ?@cuttingedgevvv
@TJO_datasci 以前の版10 ページにあるGe2では、右端3つのレーンでキメラのTCR遺伝子再構成が写っているのですが、それがバッサリ削除されてる。
https://twitter.com/cuttingedgevvv/status/450578629735358464

37 :名無しゲノムのクローンさん:2014/03/31(月) 23:07:42.66
923 :名無しゲノムのクローンさん:2014/03/31(月) 22:35:44.39
誰か明日の会見で
前の中間報告書のゲル電気泳動全体像の図の2枚目の一番右の方3つに2Nキメラマウス(STAP)のレーンがあり
そこではTCR再構成を示すバンドが複数でているんだけど、報告書を差し替えてそこを”なかったことにした”のはなぜですか?と聞いてみろ
ついでに、あなたたちのストーリーだとすべての問題は悪意がないということになっているけど
もしTCR再構成のおこったSTAP細胞からマウスを作れたという事実が最初からないなら、当然、2Nマウスのレーンにそれが見えてしまうことはありえないんだけど
どうして見えてしまったんでしょうか?ってことをきいてみてw
68 :名無しゲノムのクローンさん:2014/03/31(月) 23:17:12.19
3月31日付の中間報告訂正で消された2NキメラのTcrbは、今回の実験に捏造があった何よりの証拠。
これを理研が消したってことは、捏造はなかったと言うことで最終報告を終わらせようとするやる気満々の姿勢。以前に出した詳細なプロトコルでSTAP幹細胞にTcrなしと報告したこととも矛盾する。
91 :名無しゲノムのクローンさん:2014/03/31(月) 23:24:53.87
問題は、修正点と修正理由が一切書かれていないことだ

134 :名無しゲノムのクローンさん:2014/03/31(月) 23:34:16.88

>>57これが、中間報告のオリジナルのスライド資料。
P9, P10 にPCRの電気泳動の生データ(14レーン+15レーン)がある。なぜ、これを削除して、中間報告のスライド資料を改変したのか!
これは、是非明日質問すべきだと思う。信じられないことする。改変前(3月14日の発表時)
http://fast-uploader.com/start/6951831088893/改変後
調査委員会調査中間報告書(スライド資料)(2014年3月31日修正)
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20130314_1/document-5.pdf

ニコニコ生放送予定

2014/04/01(火) 開場:10:00 開演:10:30
STAP細胞 研究論文の疑義に関する最終報告 調査委員会会見 (番組ID:lv174525186)

調査委員会による調査報告に関する会見
【出席者】
石井 俊輔 研究論文の疑義に関する調査委員会 委員長
川合 眞紀 理事(研究担当・調査委員会委員)
米倉 実  理事(コンプライアンス担当・調査委員会委員)

2014/04/01(火) 開場:12:30 開演:13:00
 STAP細胞 研究論文の疑義に関する最終報告 理研による会見 (番組ID:lv174525904) 

理化学研究所会見
【出席者】
野依 良治 理事長
川合 眞紀 理事(研究担当)
米倉 実  理事(コンプライアンス担当)
竹市 雅俊 発生・再生科学総合研究センター センター長
石井 俊輔 研究論文の疑義に関する調査委員会 委員長

文部科学省のウェブサイトには研究不正を疑われた研究者には説明責任があると記されています。調査委員会が「悪意」を証明する必要など全くないのです。

〔不正行為の疑惑への説明責任〕
○ 調査において、被告発者が疑惑を晴らそうとする場合、自己の責任において科学的根拠を示して説明しなければならない。
○ 被告発者が生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在など、本来存在するべき基本的な要素の不足により証拠を示せない場合は不正行為とみ なされる。ただし、その責によらない理由により、上記の基本的な要素を示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められた場合を除く。(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/houkoku/attach/1334652.htm

参考

  1. 4月1日に最終報告書公表=理研、STAP細胞論文問題で(時事ドットコム2014/03/31-13:16):理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが英科学誌ネイチャーに発表した新万能細胞「STAP(スタップ)細胞」論文に疑義がある問題で、理研は31日、調査委員会(委員長・石井俊輔理研上席研究員)による最終調査報告書について、東京都墨田区内で4月1日午前10時半から記者会見を開くと発表した。
  2. 論文疑惑、1日に最終報告 不正の有無が争点 (産経ニュース 2014.3.31 22:29):理化学研究所は31日、小保方晴子・研究ユニットリーダーらが発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文を巡る疑惑で4月1日午前に東京都内で記者会見を開き、調査委員会の最終報告書を公表すると発表した。
  3. “STAP細胞” 理研が最終報告へ (NHK NEWS WEB 3月31日 15時19分):理化学研究所などのグループが発表した「STAP細胞」について、論文の画像やデータに不自然な点が相次いで指摘されている問題で、理化学研究所は4月1日、記者会見を開き、調査の最終的な報告を公表すると発表しました。

Vacanti教授らが疑惑論文Obokata et al., 2011を訂正

小保方晴子氏がハーバード大学バカンティ研究室に留学中に行った仕事が2011年に専門誌「ティッシュ・エンジニアリング・パートA」に論文発表されていましたが、この論文中でデータの不適切さが指摘されていた箇所(http://stapcell.blogspot.jp)が「訂正」されました。「訂正」の要旨によれば、酷似したPCRのバンドが図3内で、また、図2と図3の間で、間違って配置されたり重複して使われていたということです。インターネット上で指摘されていた「画像の使いまわし」の内容を著者らが完全に認めています。

写真全体が重複していれば、同じ写真を間違って使ってしまったという釈明がありえるかもしれません。しかし、この論文ではゲルの一部のバンドを反転させて流用するなど、通常の図の作製過程では起こり得ないことが生じています。

「画像の使いまわし」=「データ捏造」にもかかわらず、この雑誌「ティッシュ・エンジニアリング・パートA」の編集部も論文著者らもこの研究不正論文を「取り下げ」にせずに「訂正」で済ませるのは、倫理感が欠如しており非常に由々しき問題です。

VacantiErratum

Erratum: The Potential of Stem Cells in Adult Tissues Representative of the Three Germ Layers

ABSTRACT

In our paper entitled; “The Potential of Stem Cells in Adult Tissues Representative of the Three Germ Layers”, published in the journal, Part A Volume 17, Numbers 5 and 6, 2011, some errors have been identified in the figures published. Some very similar appearing PCR bands displayed in Figure 3, are incorrectly placed or redundantly used, either within Figure 3 or between Figures 2 and 3.

Dr. Charles A Vacanti, M.D. BWH, Anesthesiology, Boston, Massachusetts, United States; cvacanti@partners.orgDr. Haruko Obokata Harvard Medical School, Brigham and Women’s Hospital, Anesthesiology, 75 francis st. , Boston, Massachusetts, United States, 02446, +81-80-1137-2905; obokata@toki.waseda.jp

Dr. Koji Kojima 75 Francis Street, Boston, Massachusetts, United States, 02115, 16177325863, 16177302801; kojima@zeus.bwh.harvard.edu

Dr. Karen Westerman Harvard Medical School, Brigham and Women’s Hospital, Anesthesiology, Laboratory for Tissue Engineering and Regenerative Medicine, Boston, Massachusetts, United States; kwest@zeus.bwh.harvard.edu

Dr. Masayuki Yamato, Ph.D Tokyo Women’s Medical University, Institute of Advanced Biomedical Engineering and Science, 8-1 Kawada-cho, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan, 162-8666, +81-3-3353-8111, +81-3-3359-6046; myamato@abmes.twmu.ac.jp

Prof. Teruo Okano Tokyo Women’s Medical University, Institute of Advanced Biomedical Engineering and Science, 8-1 Kawada-cho, Shinjuku-ku, Tokyo JAPAN, Tokyo, Japan, 1628666, +81-3-5367-9945, +81-3-3359-6046; tokano@twmu.ac.jp

Prof. Satoshi Tsuneda Waseda University, Department of Life Science and Medical Bioscience, Shinjuku, Tokyo, Japan; stsuneda@waseda.jp

Accepted: 02 23 2014
Received: 02 23 2014
参考
  1. Erratum: The Potential of Stem Cells in Adult Tissues Representative of the Three Germ Layers(Dr. Charles A Vacanti, M.D.,Dr. Haruko Obokata,Dr. Koji Kojima,Dr. Karen Westerman,Dr. Masayuki Yamato, Ph.D,Prof. Teruo Okano,Prof. Satoshi Tsuneda Online Ahead of Editing: March 13, 2014):Some very similar appearing PCR bands displayed in Figure 3, are incorrectly placed or redundantly used, either within Figure 3 or between Figures 2 and 3.
  2. Haruko Obokata, Koji Kojima, Karen Westerman, Masayuki Yamato, Teruo Okano, Satoshi Tsuneda, and Charles A. Vacanti. Tissue Engineering Part A. March 2011, 17(5-6): 607-615. doi:10.1089/ten.tea.2010.0385.
  3. 小保方氏の留学中の論文、画像使い回しか 共著者が訂正(アピタル 朝日新聞の医療サイト2014年3月19日):この専門誌「ティッシュ・エンジニアリング・パートA」はバカンティ教授らが1995年に創刊した。

STAP細胞検証について日本学術会議が提言

STAP細胞捏造論文に関する理化学研究所の中間報告の記者会見が2014年3月14日に行われましたが、これを受けて日本学術会議はこの調査委員会の中立性に疑問を呈し、調査委員会のメンバーを明らかにすること、調査委員長は外部の人間にすること、また、STAP細胞作製の真偽にまで踏み込んだ調査を行うことなどを提言しました。

日本学術会議会長談話 STAP 細胞をめぐる調査・検証の在り方について 平成26 年3 月19 日
日本学術会議会長 大西 隆 (PDFリンク

この談話の中で、「調査委員会の構成が明らかにされておらず、委員長も内部の方が務めるなど、その的確性や透明性において必ずしも十分とは言い難い」と理研の対応を厳しく批判しています。そして

(1) 今後の調査スケジュールを示すこと、
(2) 調査メンバーを明らかにし、委員長は外部の人にすること、
(3) STAP細胞作製という主張の科学的妥当性を検証すること、
(4)研究実施及び論文作成・発表の過程における理化学研究所の組織ガバナンスの問題を検証すること、
の4点を要望しています。
参考
  1. 日本学術会議とは:日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。
  2. 科学者の社会的責任と科学の発展(2014年1月 第22期日本学術会議会長大西隆):研究論文のねつ造、改ざん、盗用をはじめとする不正行為や研究費の不正使用等は、科学者や科学が社会にもたらす損失であり、科学の信頼を失墜させます。日本学術会議は、高度に発達した科学の内包する危険を自覚し、その回避のために叡智を結集するとともに、不正行為や不正使用の撲滅のために、大学、研究機関、学協会等とともに具体的な取組を進めることにしました。