論文疑義を受け石井俊輔氏が実験ノートを公開

小保方晴子氏らのSTAP細胞NATURE論文の疑義に関して調査を行なってきた理化学研究所調査委員会では石井俊輔・理研上席研究員が委員長を務めていましたが、その石井氏の研究室から出た過去の論文にデータ操作の疑義が生じ、石井俊輔氏は調査委員会委員長を辞任しました。石井氏の後任として、調査委員会委員で弁護士の渡部惇氏が4月26日付で新委員長に就任しました。

この件に関しては、石井俊輔氏が実験ノート、生データを公開し、行なわれた訂正に関して詳細に説明をしています。

リンク:「インターネット上で指摘されている当研究室からの論文に関する疑義について。」(理化学研究所分子遺伝学研究室ホームページ 石井俊輔 4/24;  4/28  6~9ページ追記, 4/30 10~11ページ追記)

参考

  1. 石井俊輔氏が責任著者となっている論文に関する疑義を頂きました(warblerの日記 2014-04-24) 石井俊輔氏が責任著者である論文についての疑義(PDFリンク)
  2. Toshio Maekawa, Y Sano, T Shinagawa, Z Rahman, T Sakuma, S Nomura, JD Licht, and Shunsuke Ishii. ATF-2 controls transcription of Maspin and GADD45α genes independently from p53 to suppress mammary tumors. Oncogene 27, 1045-1054, 2008
  3. Chie Kanei-Ishii, Teruaki Nomura, Jun Tanikawa, Emi Ichikawa-Iwata and  Shunsuke Ishii. Differential Sensitivity of v-Myb and c-Myb to Wnt-1-induced Protein Degradation.  Journal of Biological Chemistry 279, 44582-44589, 2004
  4. 調査委員会委員長辞任のお知らせ(理研ウェブサイト上のPDFファイルへのリンク)(理化学研究所 石井分子遺伝学研究室ホームページ 上席研究員 石井俊輔 2014年4月25日):昨夕、インターネット上で私どもの研究室から発表された2つの論文についての疑義が公開されました。これらの疑義については即日、実験ノートのコピー、オリジナルデータを示しながら、研究不正ではないことを、研究室のホームページに掲載しました。しかしこのような状況で、STAP細胞論文についての調査委員会の委員長の任務を継続することは、調査委員会および理研に迷惑をおかけすることになります。そこで委員長の職を辞し、調査委員会から身を引くことが賢明と判断し、委員長の職を辞することを申し出、研究所に承認して頂きました。このような事態に至ったことは不徳の致す所であり、皆様に色々なご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます。
  5. 理研調査委員長 みずからも画像切り貼りの指摘受け辞任の意向(NHK NEWSWEB 4月25日 12時39分):石井委員長らが7年前に発表した乳がんの論文で、遺伝子の実験結果の画像を注釈を付けないまま切り貼りしたりしていたなどとする指摘があり、石井委員長は、委員長を辞任する意向を理化学研究所に対し伝えたということです。
  6. 理研のSTAP調査委員長辞任へ 自身の論文に疑義(日本経済新聞 2014/4/25 12:22):石井氏は自らの研究室のホームページで、論文の説明の順番に合わせて画像を入れ替えていたことを明らかにしたうえで「疑念を抱かせてしまったこと、迷惑をかけたことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。「オリジナルデータはすべて保存しており、いつでも開示できる」とも説明し、実験ノートを写した画像も公開した。すでに訂正の手続きを取っており、学術誌側も了承しているという。
  7. STAP理研調査委員長が辞任 自身の論文で画像加工(朝日新聞デジタル2014年4月25日12時05分):「切り張りではないか」と不正の疑いがインターネット上で指摘され、石井氏は24日、訂正の手続きをとったとする文書を自身の研究室のサイトで公表した。
  8. STAP細胞:石井・理研調査委員長が辞任(毎日新聞 2014年04月25日 12時13分 最終更新04月25日 14時05分):理研は石井氏の論文不正疑惑の指摘について予備調査を始めた。不正の疑いがあると判断すれば、STAP細胞論文と同様に調査委を発足させる。
  9. STAP論文:理研、信頼失墜に拍車 調査委員長が辞任 (毎日新聞 2014年04月26日 07時45分):STAP細胞論文の小保方(おぼかた)晴子・理研研究ユニットリーダーの画像切り張りを調査委は改ざんと認定したのに対し、石井氏は「自分(の論文)は1枚の画像の中の順番を入れ替えただけ」と違いを強調した。ある国立大教授は「不正に変わりはない。だが、実験ノートも示しており、データを開示していないSTAP細胞論文とは、問題の重みに違いがある」と分析する。
  10. 指弾された小保方氏と同じことをしていた! 理研・石井調査委員長が「画像切り貼り」で辞任 (JCASTニュース2014/4/25 15:33):「真正な画像データが存在していることは中間報告書でも認められています」という小保方氏の反論については、「これは非常に話が簡単でし て…」と、わざわざ前置きしたうえで「差し替え用の真正と思われる画像があるということと、論文投稿時に、非常に不確実なデータを、意図的にあるいは非意 図的に使ったということは全く別問題。不正の認定は後者の『論文投稿時にどういう行為が行われたか』なので、それは関係ない」と一蹴していた。
  11. STAP細胞騒動~理研の石井氏と丹羽氏の論文疑惑~(探偵ファイル 森口尚史 元 東京大学特任教授):石井氏と小保方さんでは不正のレベルが段違いである。前者は論文の結論には影響しないし、開示された生データのお陰で石井氏への疑義は晴れる。一方、後者 は論文全域にわたる不正であって結論に甚大な影響を及ぼすものであり、小保方さんは自らの疑義を晴らせるに十分な生データを開示していない。

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