Category Archives: 研究助成

令和2年度(2020年度)科研費新規採択率が発表される

本日、科研費の審査結果が開示されました。研究者がe-radにログインすると、審査結果の開示を予め希望していた人は、その内容を見ることができます。同時に、応募件数、採択件数、採択率も公開されていました。

若手研究は去年に引き続き今年も40%という高い採択率です。日本の科学技術政策における若手優遇措置がはっきりと見てとれます。

ただいま「所属研究機関処理中」2020年度(令和2年度)4月1日午前10時00分、科研費交付内定が通知される

関連記事 ⇒ ただいま「所属研究機関処理中」2021年度(令和3年度)4月1日午前10時00分(?)、科研費交付内定が通知される?

追記

新型コロナウイルスの影響だと思いますが、本来6月に交付内定が通知されるはずの他の研究種目に関して、審査方法の変更や遅れが生じています。


 

 


 

4月1日と言えば、多くの研究者にとっては前年度秋に申請していた「科研費」が採択されたかどうかが通知される、1年で最も重要な日です。皆さんのツイートを引用させてもらいながら(適宜入れ替え等あり)、「研究者にとっての4月1日」をご紹介いたします。

関連記事 ⇒ 採択される科研費計画調書の書き方と申請書作成の戦略20のポイント

科研費が採択されたかどうかの判別方法

採択が通知されるといっても、「採択」という言葉はどこにもありません。どこを見ればいいのかも初心者にはわからず戸惑います。落ちても、不採択とは言ってもらえません(何も表示されないだけ)。

 

 

 

 

 

 

科研費電子申請システムで採択されたかどうかの確認ができますが、みるべき場所は「審査結果開示」ではありません。非常に多くの研究者がこれに惑わされています。そのさらに下にある、「交付内定時の手続き」の項目のボタンをクリックする必要があります。


 

 

非常にわかりづらいのですが、落ちたときは何も表示されません。不採択と言ってもらえるわけではなく、自分が申請した課題名の欄がそこにそもそも現れないのです。本当にわかりにくい。


 

 

科研費が採択されるということ


 

若手研究

 

科研費の採択率

奨励研究の採択率

「奨励研究」という研究種目は、研究者でない(=研究者番号を持たない)事務職員、技官、技術員、理学療法士、看護師などが、所属機関が応募資格を認めた場合に応募できる種目です。応募の上限が1年間で100万円で充足率はあまり高くなく、6割程度だと思います。計画調書の様式は頁数が基盤研究などに比べると圧倒的に少なくて、いかに書く内容を簡潔に絞ってわかりやすく伝えるかが重要になります。

  1. ヤフーリアルタイム検索「科研費」 

 

科研費採択のためのヒント:審査区分の選択

 

 

 

4月1日が近づくにつれて、心臓のドキドキが大きくなっていきます。

 

2020年4月1日 科研費発表まであと0日

 

 

2020年3月31日 科研費発表まであと1日

 

 

 

 

2020年3月30日 科研費発表まであと2日

 

 

2020年3月29日 科研費発表まであと3日

 

 

2020年3月28日 科研費発表まであと4日

 

 

2020年3月27日 科研費発表まであと5日

 

 

 

2020年3月26日

 

 

2020年3月25日

 

 

2020年3月22日

 

科研費が採択されるための非常に重要なポイントの一つが、どこの審査区分に出すかということ。自分の研究課題の意義を認めてくれる研究者が審査してくれる細目であれば、高い評価を得やすくなります。科研費の審査は各区分の中での相対評価なので、そのようなことが起きます。

 

2020年3月21日

研究が計画通りに進まなかったときの対処法を書けと、以前の様式では明確な指示がありました。この指示が現在ではなくなったわけですが、だからと言って「書かなくてもよくなった」というわけではありません。指示がないので、「書かなくてはいけない」とも言えないのですが、審査委員が計画調書に何が書かれていることを期待しているのか?と考えれば、採択可能性を上げるためにどうしたほうがよいのかは明らかです。

 

2020年3月20日

科研費制度の変更点

 

研究機関への紙媒体での通知はなくなり 、電子システム利用になるようです。

令和2(2020)年4月以降は、書面による通知に代えて、所属研究機関担当者向けに、全ての内容を科研費電子申請システムにより通知します。(令和2(2020)年度の科学研究費助成事業(科研費)の変更点等について 日本学術振興会) 

研究者はみな自分で電子システムに入って確認すると思うので、研究者にとっては、この変更による影響は特にないでしょう。

 

2020年3月19日

 

 

2020年3月18日

 

 

2020年3月17日

 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

参考

  1. 100日後に死ぬワニ(2020年03月20日 20時00分 ねとらぼ)

日本が2050年までに実現させるムーンショットな研究テーマ6個

1000億円を使って実現させる夢のある(?)実現が無理そうな(?)研究を助成するムーンショット制度のテーマが発表されていました。これは研究者の自主性やユニークなアイデアが尊重される科研費のようなボトムアップ型の助成とはことなり、国策として選定された研究領域を重点的に支援するトップダウン型の研究助成です。

研究領域の設定を間違うと、やる価値のない研究に莫大な研究費を投入してしまって、全てが無駄になります。また、研究領域を設定する段階ですでに採択されそうな研究者が決まっている場合には、研究費配分の公正さに疑問が付きます。

以前、公募された中から絞られたムーンショット研究課題の候補を紹介しましたが(記事)、最終的にはどのような研究テーマが設定されたのでしょうか?

世の中の反響(ツイート)とともに紹介します。

ムーンショット目標1:2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現

「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」

人がカラダから解放されるというのは、脳を直接ロボットにでもつなぐのかなと思いました。しかし、脳からも解放するというので、だとしたら人間から「意識」を吸い出してそれを、人工知能にコピーするのかな。そうすれば、クラウド上に自分の意識が存在して空間や時間の制約からも解放されたことになりそう。しかし、電気代がかかるので、エネルギーの制約からは逃れられない。

あるいは、人間死んだらカラダからも脳からも空間からも時間からも解放されるってことか。2050年までに人類が滅んで、死んだあと霊魂になっていれば、霊魂の集まりとしての社会は存続できそう。

SFなのかオカルトなのかわからない、全く見通しのない研究テーマに思えます。

 

 

ムーンショット目標2:2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現

「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」

がんのリスクとなる遺伝はすでに多数同定されていることを考えれば、超早期に疾患の予測を行うことは、かなり現実的。予防にまでつなげるのはチャレンジですが、この研究テーマが一番内容がわかりやすく、かつ、実現が可能そう。

 

ムーンショット目標3:2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現

「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」

自ら学習し行動するロボットに何をさせましょうか。自分の代わりに職場に出かけていって仕事をするロボットとか。自分の代わりに東大を受験して合格してくれるロボットとか?(関連記事

 

ムーンショット目標4:2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現

資源ごみはリサイクルしましょうという運動の徹底か。

 

ムーンショット目標5:2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出

未利用の生物機能ってなんでしょう?遺伝子組み換え作物をもっと市場に流通させることとか。

 

確かに目標1を達成すれば、他の目標に取り組む必要が無さそう。こういう場合には、目標1を全力で達成させることが肝要かと。

 

ムーンショット目標6:2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現したところで、経済、産業安全保障を発展させるのは所詮、人間の役割であって、別にコンピュータが何かしてくれるわけではないでしょう。コンピュータを使う人間の精神が発展していなければ、どうしようもありません。


 

 

 

1000億円を月に向かって放り投げるのではなく、1000億円を使って、研究の種を地面にまけばよいのに、と個人的には思います。地に足の着いた研究でない限り、発展は見込めません。

 

ムーンショット説明会日程

何しろ1000億円ですから、多数の研究者からの応募が殺到することが予想されます。

 

とはいえ、ムーンショットで何を実現したいのか全く意味不明のテーマが多くて、いったいどんな研究課題なら採択されるのかが、わかりにくいです。

 

トップダウン型の研究助成ですので、まずその趣旨を理解することが採択のカギを握ります。ムーンショット研究の趣旨説明のための説明会が全国で開催されますので、お出かけしてみてはいかがでしょうか?

 <大阪会場>  map
2月26日(水)10:00~15:15
新大阪丸ビル別館 10F 10-1号室 (大阪府大阪市東淀川区東中島1-18-22)
▶構想ディレクター(PD)登壇予定: ムーンショット目標1,2,3,6
 <東京会場 ①> map
2月28日(金)10:00~15:15
科学技術振興機構 東京本部別館1階ホール(東京都千代田区五番町7 K’s五番町)
▶構想ディレクター(PD)登壇予定:  ムーンショット目標1,2,3,6
<仙台会場>  map
3月4日(水)10:00~14:35
TKPガーデンシティ PREMIUM仙台東口10階 ホール10A(宮城県仙台市宮城野区榴岡3-4-1)
▷録画映像放映 【注1】構想ディレクター(PD)の登壇はありません。
<福岡会場>  map
3月9日(月)10:00~14:35
TKP博多駅前シティセンター8階 ホールA(福岡県福岡市博多区博多駅前3-2-1)
▷録画映像放映 【注1】構想ディレクター(PD)の登壇はありません。
<東京会場 ②> map
4月1日(水)10:00~15:15
科学技術振興機構 東京本部別館1階ホール(東京都千代田区五番町7 K’s五番町)
▶構想ディレクター(PD)登壇予定:  ムーンショット目標1,6 【注2】 ▷録画映像放映

要申し込みです。

→ 参加申し込みフォームのウェブページ(JST)

 

参考

  1. MOONSHOT ムーンショット型研究開発事業(JST) :JSTが管轄するムーンショット研究に関するウェブサイト

科研費は基盤Aか、手堅くBか、審査区分は?

審査区分導入の余波

2018年度(平成30年度)科研費(2017年秋の申請)から、審査のための領域の分け方が変更されました。それまでお馴染みだった「細目」がなくなり、「小区分」という呼び名に代わり、分け方や大きさも変わりました。

平成 30 年度助成(平成 29 年9月公募予定)からの審査は、「小区分・中区分・大区分」で構成される新しい審査区分で行う。それに伴い、現行の「系・分野・分科・細目表」は廃止し、新しく「審査区分表」を設定する。科研費審査システム改革2018

基盤(C)は小区分の中での相対評価となり、小区分の数は細目数の7割程度なので、やや分野が広がった程度といえます。それに対して、基盤(A)は中区分、基盤(S)にいたっては大区分という、かなり大雑把なわけ方の中での審査となります。

審査区分表(大区分、中区分、小区分)(JSPSのサイト)

このため、狭い研究分野でしっかりとした足場を築いてきた研究者の場合、これまではコンスタントに基盤研究で大型予算が獲得できていたのに、科研費審査システム改革以降は、自分の足場がどこ(の審査区分)にあるのかを見失ってしまい、思うように大型予算がとれなくなってしまったということもあるようです。場合によっては、基盤(A)をあきらめて基盤(B)を狙いにいこうかと悩むこともあるでしょう。

 

基盤(S)、基盤(A)と基盤(B)の審査のされ方の違いを理解する

基盤S,A,Bのどこに出すかを悩む前に、まずはそれらがどのように審査されるのかという審査の仕組みを理解する必要があります。

基盤研究(S)      審査区分:大区分 審査方式:総合審査(書面審査及び合議審査) ヒアリン グ審査を実施 
基盤研究(A)( 一般) 審査区分 :中区分 審査方式:総合審査(書面審査及び合議審査) 審査委員の人数:6人~8人
基盤研究(B)( 一般) 審査区分 :小区分 審査方式:2段階書面審査 審査委員の人数:6人
基盤研究(C)( 一般) 審査区分 :小区分 審査方式:2段階書面審査 審査委員の人数:4人

もう少し詳しい説明は、以下の通り。

「基盤研究(S)」は、研究計画調書及び専門分野が近い研究者が作成する審査意見書(国内の研究機関に所属する審査意見書作成者、3名程度が作成)等に基づき、大区分ごとに、6人の審査委員が全ての応募研究課題について、書面審査。その後、 書面審査と同一の審査委員が合議審査の場で各応募研究課題について幅広い視点から議論により審査を行い、ヒアリング対象課題を選定し、ヒアリング審査を行います。(総合審査)
「基盤研究(A)」(応募区分「一般」) 中区分ごとに、6人~8人の審査委員が、全ての応募研究課題について、書面審査を行った上で、同一の審査委員が合議審査審査。(「総合審査」)
「基盤研究(B・C)」(応募区分「一般」)及び「若手研究」は、小区分ごとに、「基盤研究(B)」は6人、「基盤研究(C)」「若手研究」は4人の審査委員が2段階にわたり書面審査

(参考:平成31年度 科学研究費助成事業 公募要項 PDF

こうしてみると、基盤Aと基盤Bは単に金額の大きさが異なるだけでなく、審査のされ方が大きく異なります。基盤Bと基盤Cの方が、審査のされ方という点では近いのです。

 

その審査区分におけるライバルの強さを把握する

例えば、科研費改革の前の細目の時代に分子生物学や遺伝学をやっていた人は、今はどこに出せばよいのでしょうか?大区分や中区分を選ぶ際に、その中の小区分の名称が一つの手がかりになります。

大区分G

中区分43分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野

小区分43010 分子生物学関連(染色体機能、クロマチン、エピジェネティクス、遺伝情報の維持、遺伝情報の継承、遺伝情報の再編、遺伝情報の発現、タンパク質の機能調節、分子遺伝、など)

小区分43050ゲノム生物学関連 (ゲノム構造、ゲノム機能、ゲノム多様性、ゲノム分子進化、ゲノム修復維持、トランスオミックス、エピゲノム、遺伝子資源、ゲノム動態、など)

中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野

小区分44010 細胞生物学関連(細胞骨格、タンパク質分解、オルガネラの動態、核の構造機能、細胞外マトリックス、シグナル伝達、細胞周期、細胞運動、細胞間相互作用、細胞遺伝、など)

小区分44020 発生生物学関連 (細胞分化、幹細胞、再生、胚葉形成、形態形成、器官形成、受精、生殖細胞、遺伝子発現調節、発生遺伝、進化発生、など分解、オルガネラの動態、核の構造機能、細胞外マトリックス、シグナル伝達、細胞周期、細胞運動、細胞間相互作用、細胞遺伝、など)

中区分 45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野

小区分45010 遺伝学関連 (遺伝機構、分子遺伝、細胞遺伝、集団遺伝、進化遺伝、発生遺伝、行動遺伝、遺伝的多様性、など)

ざっと見ただけでも、3つの中区分の中に遺伝学や分子生物学っぽい内容が含まれています。こうなると、どこにでも当てはまりそうという状態になりそうです。各々の小区分でどんな人が審査委員になっているのかがわかればよいのですが、審査委員氏名が公表されるのは2年後です。ただし、小区分名と以前の細目名との対応がつく場合は、その細目での過去の審査委員を調べることは可能でしょう。

 

ライバルチェックを実際にやってみよう

科研費の審査が区分ごとの相対評価である以上、ライバルが強い区分に出すのは避けたいものです。基盤Aなどはどんな先生方が獲得されているのでしょうか?KAKENデータベースを使えば直ちにわかります。例えば、中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野で2019年度に基盤(A)を採択されたものは、中区分名をキーワードに入れて検索すると、9件しかないことがわかります。

研究課題名 研究代表者
“記憶の局所フィードバック仮説”ーその中枢単一同定ニューロンでの検証 吉原 基二郎 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 総括研究員 (80222397)
プロテアソームの細胞生理学 田中 啓二 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 理事長 (10108871)
シグナルと力のゆらぎが上皮組織の可塑性を支配するしくみ 林 茂生 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (60183092)
抑制と抗抑制によるエピゲノム分化機構の解明と操作 角谷 徹仁 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (20332174)
細胞が材料を組み立てて体を「建築」する仕組みの解明 近藤 滋 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10252503)
細胞増殖因子情報伝達系の活性波による細胞集団移動制御機構 松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
合成生物学のアプローチを導入したプロトン駆動力ネットワークの解明 鹿内 利治 京都大学, 理学研究科, 教授 (70273852)
気孔の発生とパターン形成を制御する新奇メカニズムに合成化学で切込む 鳥居 啓子 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 客員教授 (60506103)
脊椎動物の季節適応機構の解明 吉村 崇 名古屋大学, 生命農学研究科(WPI), 教授 (40291413)

こうしてみると基盤(A)で採択されるのは、全国的に名の知れた研究者ばかりということがわかります。試しに2018年度の中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野での基盤(A)採択者も見てみると、

研究課題名 研究代表者
哺乳類の複雑脳形成プログラムの解明 松崎 文雄 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (10173824)
小胞体における活性酸素除去に関わる新たな分子機構の解明 永田 和宏 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (50127114)
植物の光受容体フィトクロムによる転写開始点制御の分子機構解明 松下 智直 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20464399)
幹細胞における細胞周期制御と代謝系との連関に関する基盤的研究 中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 主幹教授 (80291508)
上皮バリアの構築と機能を制御するタイトジャンクション・アピカル複合体の解析 月田 早智子 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00188517)
造血幹細胞を維持する微小環境(ニッチ)の形成と作用の分子機構の解明 長澤 丘司 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80281690)
細胞間情報を担う糖鎖AMORの発見に基づく植物糖鎖シグナリングの解明 東山 哲也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00313205)
植物の浸透圧ストレスに対する感知システムと初期応答の分子機構の解明 篠崎 和子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30221295)
浸透圧ストレスの受容・認識から応答に至る分子機構の解明 一條 秀憲 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00242206)
細胞競合と接触阻害を統合的に制御する分子メカニズムの解明 藤田 恭之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (50580974)

やはり、メジャーな大学に所属する著名な研究者ばかりでしかもたったの10件しか採択されていません。厳しい戦いですね。全然その分野のことを知らない自分のような人間が見ても、面白そうな採択課題名が並んでいます。審査委員の専門分野が多岐にわたることを考えれば、広く興味を引くように、研究課題名にも工夫を凝らす必要がありそうです。

 

さて、基盤研究(A)のレベルの高さがわかったので、基盤(B)がそれに比べてどうなのかも見てみたいと思います。基盤研究(B)でのライバルのレベルを知るには、自分が出してみようと思っている小区分名を入れて同様の検索を行ってみるとよいでしょう。例えば、この同じ中区分の中の一つの小区分44050 動物生理化学、生理学および行動学関連で検索をかけてみると、2018年度、2019年度の採択課題は、

研究課題名 研究期間 (年度) 研究代表者
昼行性生物と夜行性生物における概日光受容体メラノプシンの機能解析 2019-04-01 – 2022-03-31 羽鳥 恵 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90590472)
概日時計細胞間の接続様式とその役割 2019-04-01 – 2023-03-31 吉井 大志 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50611357)
嗅覚受容体クラス選択の遺伝学的操作による嗅覚行動の制御とその分子基盤の解明 2019-04-01 – 2023-03-31 廣田 順二 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 准教授 (60405339)
眠気の統合センシングシステムの理解 2019-04-01 – 2023-03-31 Liu Qinghua 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (90723792)
動物変態の進行を協調的に制御する神経伝達・ホルモン調節機構の解明 2019-04-01 – 2023-03-31 笹倉 靖徳 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10400649)
微小脳における習慣記憶形成とその神経基盤の解明 2019-04-01 – 2022-03-31 水波 誠 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30174030)
機能未知光受容タンパク質に着目した脊椎動物の脳内光受容とその多様性の解明 2018-04-01 – 2022-03-31 小柳 光正 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30379276)
ショウジョウバエの睡眠覚醒制御機構の総合的研究 2018-04-01 – 2021-03-31 粂 和彦 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (30251218)
昆虫概日時計の複眼依存性光同調の分子機構 2018-04-01 – 2021-03-31 富岡 憲治 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30136163)
メダカの顔認知の分子神経基盤の解明 2018-04-01 – 2021-03-31 竹内 秀明 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (00376534)
昆虫の光周性の分子・神経機構:概日時計と日長測定 2018-04-01 – 2021-03-31 沼田 英治 京都大学, 理学研究科, 教授 (70172749)
概日リズムの時刻情報変換に関わる神経回路動作原理の理解 2018-04-01 – 2021-03-31 小野 大輔 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (30634224)
ショウジョウバエにおける求愛定位行動解発の神経回路メカニズム 2018-04-01 – 2023-03-31 古波津 創 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (40571930)

となっています。基盤(B)採択者も業績のある研究者ばかりで、やはり熾烈な戦いのようです。採択件数も少ないですし、手堅く基盤(B)などとはとても言えない厳しさであることがわかりました。

 

 

審査委員の顔ぶれを知る

ライバルチェックと並んでもう一つ重要なことが、いったい誰が審査しているのかを知ることです。科研費はピアレビューのシステムですから、審査委員も自分の友達、知人、同業者です。JSPSのウェブサイトに、2年たったら審査委員の氏名が公開されますので、2年前の科研費であれば自分の計画調書を誰が読んで採択してくれたのか、あるいは不採択にしてくれたのかがわかるわけです。

審査委員名簿 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/14_kouho/meibo.html

 

応募件数を知る

もう一つ気になるのが、自分が出す研究種目、審査区分にどれくらいの応募件数があって、採択率はどれくらいなのかということです。このような個別のデータもJSPSのウェブサイトに公開されています。

https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/27_kdata/index.html 

審査区分別配分状況(平成31年2月14日更新) 平成30年度(2018年度) などが参考になります。

 

こういった、自分が戦う場所を知ることが、科研費を勝ち取るためには必要です。やみくもに計画調書を書いて出しても、実は土俵にすら上がれていなかったということになりかねません。

 

審査区分を選ぶときの考え方

どの審査区分に出すかの決断は難しいものです。研究テーマがマッチしており、なおかつ、その審査区分で採択されている人たちの業績などを調べて、自分が勝負を挑んだときに業績的に勝てる相手かどうかを見極めることが必要でしょう。その審査区分の中での相対評価で採択・不採択が決まるわけですから。自分の研究を高く評価してくれる審査委員がどの審査区分にいるのかを調べることもまた重要です。普段からいろいろな学会で発表していれば、自分の研究をどういう人たちが面白がってくれるかがわかります。自分の研究を面白いと言ってくれた研究者が審査委員をやっている審査区分を選んで出せば、採択される可能性は高まるでしょう。

 

基盤研究(B)か基盤研究(C)か

世の中には基盤(A)に出すか基盤(B)にするかで悩む研究者がいるのと同様に、基盤研究(B)と基盤研究(C)との間で悩んでいる研究者もいます。ここでも、考え方は同様です。しっかりと、自分が出そうとしている審査区分のライバルたちの業績を調べ上げましょう。勝てない人たちに喧嘩を売っても、勝てません。自分が買いたい測定装置が高価で、基盤(C)の金額を超えてしまうので基盤(B)に出そうなどとナイーブに考えたら、痛い目に合います。基盤(C)と基盤(B)との間のギャップは、単に申請できる金額の上限の差ではありません。採択される研究者の業績の差は、それよりもはるかに大きいのです。

そのへんの事情は、科研費の教科書を書かれている児島将康先生のウェブ記事(↓)が参考になります。

実際に審査した経験からいうと,基盤研究(B)と基盤研究(C)の間には,かなりのレベルの違いがある.両者の採択率はほとんど変わらないが,基盤研究(B)になると優れた業績(ということはインパクトファクターの高い雑誌に掲載された論文)をもっていて,これまでにも基盤研究(B)以上の研究費を獲得している研究者が多く,かなりハイレベルの競争になる.一方,基盤研究(C)になるとある程度の発表論文さえあれば十分に採択される.本来なら必要とする研究費の額に応じて基盤研究(A),基盤研究(B),基盤研究(C)のなかのどれに応募するか選択するのがよいのだろうが,実際には自分の研究レベルを考慮して選択するのがよい.(第1回 応募種目の選び方 科研費獲得のための応募戦略 Smart Lab Life 羊土社)*太字下線は当サイト

 

計画調書を人に読んでもらう

アドバイスをくれる人みんなが口を酸っぱくして言っていることなのに、それを聞いたみんながちっともやらないこと、それが「計画調書を人に読んでもらう」ということです。なぜ一人で書いてそのまま出してしうのでしょうか?「俺は今まで一人でやってきたんだ。だから一人でできる!」という自信でしょうか?「大型の科研費をとったこともないやつに何がわかる?!」というプライドでしょうか。「自分の計画調書を人に読まれるのはなんとなくいや。」という恥じらいでしょうか。サイコロジーはよくわかりませんが、書いたものを他人に見せられるだけのオープンマインドな人のほうが、採択される可能性が高いのは当たり前の話です。

 

科研費改革2018で審査のルール(区分)が変わりました。申請者はこの変化に対応する必要があります。基盤Aは、より広い分野の研究者が審査することになったため、今までと同じように書いても理解されない恐れがあります。ですから、書き上げた計画調書をできるだけいろいろな人に読んでもらい、研究の意義や目的が理解しやすいかどうかを聞いてみたほうがよいと思います。


 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

科学研究費助成事業公募要領等説明会(文部科学省・日本学術振興会主催)が開催される

令和元年度科学研究費助成事業説明会が今年は全国4か所で開催されました。ちなみに昨年は2か所での開催だったそうです。

開催場所と日時

  1. 東北会場令和元年9月4日(水曜日) 14時30分~16時30分 岩手大学(上田キャンパス) 教育学部北桐ホール(総合教育研究棟(教育系)) (岩手県盛岡市上田三丁目18番8号)
  2. 近畿会場令和元年9月6日(金曜日) 14時30分~16時30分 同志社大学(室町キャンパス) 寒梅館ハーディーホール (京都市上京区烏丸通上立売下ル御所八幡町103)
  3. 九州会場令和元年9月9日(月曜日) 14時30分~16時30分 九州大学 医学部百年講堂(福岡市東区馬出3丁目1番1号)
  4. 関東・甲信越会場令和元年9月11日(水曜日) (午前の部)10時00分~12時00分(午後の部)14時30分~16時30分 上智大学 10号館講堂(東京都千代田区紀尾井町7-1)

(参考:「令和元年度科学研究費助成事業説明会」の開催について(通知)日本学術振興会からのお知らせ

 

科研費の制度はここ数年でかなり変更があり、大きく改善された印象があります。どちらかというと、研究者のほうがそれについていけていないくらいではないでしょうか?(リサーチマップ何ソレ?業績欄が無くなったんだけど、どう書けば… 概要の長さはどれくらい?)

基金化による年度をまたいだ使用や合算使用ルールの緩和など、科研費の使い方に関してもだいぶ柔軟な制度になりました。それを知らない研究者が、不正にお金のやりくりをしてしまい、研究不正が認定されるという悲劇もあったりするそうです。

 

文科省・学術振興会の科学研究費助成事業公募要領等説明会の配布資料は内容が良くまとまっていて、手っ取り早く科研費制度や科研費改革の趣旨、全容を掴むことができます。

令和元年度科学研究費助成事業公募要領等説明会

当日の説明会の様子は動画が後日公開されるそうですが、当日資料はウェブ上で公開されていますので、紹介します。

科学研究費助成事業(科研費)について

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資料1 科学研究費助成事業(科研費)について

 

科研費の最近の動向及び令和2年度公募について

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資料2 科研費の最近の動向及び令和2年度公募について

 

科学研究費助成事業(科研費)の適正な管理等について

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資料3 科学研究費助成事業(科研費)の適正な管理等について

researchmapについて

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資料4 researchmapについて

 

平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会

平成31年度科研費と比べたときに令和元年度の科研費の変更点は、新学術新規立ち上げの廃止(発展的見直し)、若手の重複制限の緩和が目玉ですが、他の部分はほとんど変わっていないので、科研費制度の趣旨や科研費改革などについては平成31年度の説明会の内容も十分役に立ちます。以下、説明会の動画を紹介します。

 

科研費改革の概要等について 文部科学省研究振興局学術研究助成課長 梶山 正司

1.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(挨拶・科研費改革の概要等について)mextchannel Oct 2, 2018
 

資料1 科研費改革の概要等について  (PDF:2895KB)

 

2.平成31年度科学研究費助成事業-科研費-科研費審査システム改革、公募内容の変更点 日本学術振興会研究事業部研究助成第二課課長 與座 丈仁

2.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(平成31年度科学研究費助成事業-科研費-科研費審査システム改革、公募内容の変更点)mextchannel Oct 2, 2018 

 

資料2 平成31年度科学研究費助成事業-科研費-科研費審査システム改革、平成31年度公募内容の変更点

 

3.researchmapについて 科学技術振興機構知識基盤情報部人材情報グループ 係員 粕谷 直

3.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(researchmapについて)mextchannel Oct 2, 2018
 

資料3 researchmapについて

4.共同利用・共同研究システムの利用について 文部科学省研究振興局学術機関課課長補佐 高見沢 志郎

4.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(共同利用・共同研究システムの利用について) mextchannel Oct 2, 2018 

 

資料4 共同利用・共同研究システムの利用について

 

科研費で不採択になりたい人はコチラ ⇒不採択になる科研費計画調書を書くためのポイント7個

採択されたい人はコチラ ⇒採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

 

参考

  1. 科学研究費助成事業 お知らせ(更新情報)一覧(文部科学省)
  2. 【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~
  3. 第10期研究費部会(第3回) 配付資料 1.日時 令和元年6月25日 学術変革領域研究

 

不採択になる科研費計画調書を書くためのポイント10個

必ず採択される科研費申請書を作成するのは難しいと思います。やはりライバルが強い審査分野だと、完璧な申請書であっても論文業績で勝てなかったりして不採択になる可能性があります。しかし、こう書いたら必ず落とされるだろうという申請書があります。そんな、採択されない科研費計画調書の書き方を考えてみます。

 

1.計画調書のページが空白だらけで中身がスカスカ

法令の遵守に関するページは、実験方法によってはほとんど書くことがないかもしれませんが、研究目的や計画のページがスカスカで半ページ以上も空白があったりしたら、やる気がないものとみなされて即落とされると思います。そんな申請書を出す人がいるのか?と不思議に思うかもしれませんが、最初から通るつもりがないのに出すだけ出す人がいるそうです。大学に出すことを義務付けられていたり、出せばとりあえず大学からの評価が上がるような場合に、こういう馬鹿げたことが起きます。採択されたいという気持ちがない人は申請するのは止めましょう。審査委員の方には申し訳ないですし、大学の恥になるだけです。

 

2.指示に従わずに書く

いまどきの科研費の計画調書は、この欄にはこれこれを書きなさいとという指示が至れり尽くせりの細かさです。それは審査委員が評点をつけやすいようにという配慮があるのだと思います。ですから、その指示を無視して、書くべきことを書くべきセクションに書いていないと、評点をつけにくくなるので、結果として評価が下がるでしょう。

正直言って、現在の科研費計画調書のセクション分けが良いとも思えないのですが(内容のダブり、順序の点で)、審査の手引きなどを参照し、評点の付けられ方を意識しながらうまく書くしかありません。

 

3.論理が破綻している

論理の破綻は、計画調書の中でいろいろな形で現れます。例えば、学術的な問いに答えるための研究目的なのに、全然問いに答える目的が設定されていない。あるいは、研究目的を達成するための研究計画なのに、その研究計画に則って実験して仮に成果を得たとしても、研究目的を達成することにはならない、つまり目的と計画にズレがあるといった具合です。

「相関関係」と「因果関係」の区別が全くついていない人も即、不採択になることでしょう。因果関係を明らかにするのが研究目的だといいつつ、相関関係しかわからないような研究計画だと、採択のしようがありません。

 

4.日本語が破綻している

日本人だから正しい日本語が書けると思ったら大間違い。人間は思い込みの動物ですから、うっかりヘンな日本語を書いていても自分ではなかなか気づけないのです。「本研究の目的は~する。」といった文を平気で書いていると、研究能力を疑われます。「本研究の目的は、~することである。」などと、主語と述語はきちんと対応させないといけません。誤字脱字も論外です。自分が書いた文章を見直しもせずに、忙しい審査委員に読ませる気だとしたら、そうとう傲慢な態度ですからバッサリ切り捨てられても文句をいえないでしょう。

 

5.計画が単純すぎる

研究目的を達成するために何をするのか、を研究計画の欄に書くわけですが、実験のアイデアが一つしかないとそれがポシャったらお終いです。実験なんてほとんどが期待通りにいかないわけですから、アプローチが一つしか書かれていないと目的を達成するのは無理だろうと思われます。やはり、いろいろな実験的アプローチを用意して、どれかがダメでもどれかが上手くいって、結果として設定した研究目的は達成できるということを審査委員に納得させなければなりません。

 

6.不要なものが存在する

どんなに思い入れのある過去の研究成果だったとしても、今回の研究計画に無関係なのであれば紹介する必要はありません。無駄なものを書くと、きれいなストーリーにならないので、計画調書の説得力が落ちます。

図も要注意です。その図を載せることで何を伝えたいのか?この質問に答えられないのなら、その図は不要です。不要な図を載せていると、空白を埋めるための安易な行動だとみなされるか、論理的にモノを考えられない人だと思われるのがおちです。

 

7.予備実験データを見せない

科研費の審査では、研究計画の実現可能性があるかないかが問われます。いくら素晴らしい研究計画であってもその実現可能性を裏付けるような予備実験データがないことには、信じようがありません。世の中には口だけ達者な人がいくらでもいますから、根拠を示さないとダメでしょう

 

8.業績欄に業績を書かない

2018年度科研費までは「業績欄」というものがありました。ところが、2019年度から名前が変わり、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」となっています。このセクションの呼び方がぼんやりしてしまったので、2019年度以降の様式しか見たことがない研究者は、業績欄と言われてもピンとこないかもしれません。

研究計画の実現可能性を測るために、審査委員は研究業績(パブリケーション)が申請者にどれくらいあるかを非常に気にします。計画調書を頭から読まずに、真っ先に業績欄をチェックする審査委員も少なくありません。それほど重要な業績欄なのですが、科研費申請の初心者の人で、業績欄に業績を書いていない人がいます。ファーストオーサーの英文査読付き論文が一番重要ですが、共著でもいいし、学会発表でも、なんでも書きましょう。空白にしておくのが一番まずいです。何も研究をやっていない人とみなされます。もちろん、論文業績がたくさんある人は、学会発表を書くスペースがなくなるでしょうから書く必要はありません。

 

9.審査のポイントを知らずに書いている

審査員には「審査の手引き」があり、そこには、評点の付け方が示されています。申請書を書く側からすれば、これを利用しない手はありません。おのおののポイントを落とさないような書き方をすれば良いのです。

審査の手引(平成31(2019)年度)(JSPS)

基盤研究(B・C)(一般)、若手研究(PDF)

 

10.学術用語を正しく使えていない

人間は使う言葉で判断されます。研究者の世界では学術用語が正しく使えていない人は、研究者ではないと判断されるでしょう。

 

こちらの記事もどうぞ ⇒採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

令和2年度(2020年度)科研費公募要項が発表、計画調書のダウンロードも始まる

9月と言えば科研費公募開始の時期です。9月1日付けで公募要項が発表されました。

令和2(2020) 年度科学研究費助成事業-科研費-の公募について (JSPS)

計画調書のダウンロードは可能になりましたが、科研費電子申請システム上で記入できるようになるのは、9月13日(金)からの予定です(参考PDF)。

 

科研費の締切日

科研費の最後の最後の締め切りは11月7日16:30ですが、研究者が個人的に送信するのでなく、所属する大学の事務が送信を行いますので大学が設定した締め切りを厳守する必要があります。どこの大学でもこの最終締め切りよりも1週間くらい前が大学としての最終締め切りになっていることと思います。

応募書類の提出(送信)期限・提出先 特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究 令和元(2019) 年11月7日(木)午後4時30分(厳守) ※上記期限までに本会電子申請システムにより送信すること。https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/02_koubo/index.html

 

公募要領・研究計画調書等のダウンロード

令和2年度の科研費の公募要項と計画著書のダウンロードサイトはこちらです。

公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ(JSPS)

 

今年度の主な変更点

「応募者の研究遂行能力及び研究環境」というセクションは、かつての「業績欄」に相当しますが、昨年度はここの書き方で悩んだ人も多かったようです。そのため、今年はかなり具体的な指示が示されています。下の留意事項の2番目ですが、業績が同定できるように書きなさいという指示が加わりました。雑誌名やページ数を書くかどうかで研究者によってかなり記載方法がバラついていましたが、やはりページ数まで書いて同定可能にしたほうが良いようです。審査委員によっては、論文が本当に出ているかどうか、研究計画に本当に関連した内容の論文かどうかを厳しくチェックしますから、詳細情報がなくて調べがつかない場合には信憑性に問題が生じます。

※留意事項
1. 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、
本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記
載すること。
2. 研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。
例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、
著書の場合はその書誌情報、など。
3. 論文は、既に掲載されているもの又は掲載が確定しているものに限って記載すること。
4. 本留意事項(斜体の文書)は、研究計画調書の作成時には削除すること。

(引用元:https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/data/r02/zentai_kiban_c.pdf) 太字強調は当サイト

 

researchmapについて

業績欄が無くなったことに対応して、”リサーチマップを審査委員が参照してもよい”ということになりました。原則として計画調書で審査されることになってはいますが、審査委員がリサーチマップを参照したときにどのような心証を与えるかで、採択のボーダーラインを越えられるかどうかが変わってこないとも限りません。せっかくですから、業績欄を見やすくしたり、その人となり、研究の興味が分かりやすく伝わるようにしておきたいものです。登録方法や業績のインポート方法などについては、下のガイドをご覧ください。

researchmapについて(JSPS)

 

科研費計画調書の書き方に関する関連記事は、こちら:

令和2年度(2020年度) 採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項

厚生労働科学研究費補助金とは

厚生労働科学研究費補助金(以下「補助金」という。)は、「厚生労働科学研究の振興を促し、もって、国民の保健医療、福祉、生活衛生、労働安全衛生等に関し、行政施策の科学的な推進を確保し、技術水準の向上を図ること」を目的とし、独創的又は先駆的な研究や社会的要請の強い諸問題に関する研究について競争的な研究環境の形成を行い、厚生労働科学研究の振興を一層推進する観点から、毎年度厚生労働省ホームページ等を通じて、研究課題の募集を行っています。(引用元:2019年度厚生労働科学研究費補助金公募要項)*太字強調は当サイト

 

厚生労働科学研究費補助金の審査のされ方

事前評価委員会において「専門的・学術的観点」や「行政的観点」等からの総合的な評価を経たのちに採択研究課題が決定され、その結果に基づき補助金が交付されます。(引用元:2019年度厚生労働科学研究費補助金公募要項)*太字強調は当サイト

 

厚生労働科学研究費補助金に誰が採択されているのか

 

厚生労働科学研究費補助金(厚労科研)の見られ方

科研費と言えば文科省(JSPS)だと思っていたのですが、厚生労働省の科研費「厚労科研費」なるものもあるそうです。なんだかものすごく地味な印象ですが、その割に金額は大きいです。だったらなぜみんな応募しないのだろうと不思議に思って聞いてみると、「あれは最初から採択される人が決まっているから」(出しても無駄)という答えがよく返ってきます。実際のところどうなんでしょうか?

 

 

 

 

厚労科研費のコスパ

 

43800000000/16000=2737500なので、論文1本書くのに研究費を平均274万円使っているという計算になります。

 

厚生労働科学研究とAMEDとの棲み分けについて

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)が平 成 27 年4月1日に設立され、平成 27 年度以降、厚生労働省、文部科学省及び 経済産業省が執行する健康・医療分野の研究開発予算は、AMEDに集約さ れ、AMEDから研究者に配分されるようになりました。 このため、健康・医療分野の「研究開発」に係るものについては、AMED が公 募を行っています。 一方、食品衛生、労働安全衛生、化学物質対策、危機管理等の国民の安全確保のために必要な研究や、厚生労働省の施策の科学的知見に基づく推進のため 必要な研究については、引き続き厚生労働省が公募等を実施しています。(引用元:「令和2年度厚生労働科学研究」に対する意見募集について 令 和 元 年 8 月 16 日 厚生労働省大臣官房厚生科学課 PDF)*太字強調は当サイト

平成31年度研究開発関連予算案の概要

平成31年度研究開発関連予算案の概要(カッコ内は平成30年度の数値)

厚生労働科学・調査研究費 日本医療研究開発機構関連経費
Ⅰ.行政政策研究分野

行政政策研究事業 約7.8億円(約8.8億円)
厚生労働科学特別研究事業 約3.1億円(約3.2億円)

Ⅱ.疾病・障害対策研究分野
成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 約2.9億円(約1.9億円)
がん対策推進総合研究事業 約5.5億円(約4.0億円)
生活習慣病・難治性疾患克服総合研究事業 約26億円(約22億円)
長寿・障害総合研究事業 約7.4億円(約6.1億円)
感染症対策総合研究事業 約15億円(約14億円)

Ⅲ.健康安全確保総合研究分野
地域医療基盤開発推進研究事業 約3.1億円(約2.9億円)
労働安全衛生総合研究事業 約1.0億円(約1.0億円)
食品医薬品等リスク分析研究事業 約14億円(約13億円)
健康安全・危機管理対策総合研究事業 約3.2億円(約2.8億円)

1.オールジャパンでの医薬品創出プロジェクト 約103億円(約101億円)
2.オールジャパンでの医療機器開発プロジェクト(一部再掲) 約 30億円(約 29億円)
3.革新的医療技術創出拠点プロジェクト 約 39億円(約 33億円)
4.再生医療実現プロジェクト(一部再掲) 約 34億円(約 34億円)
5.疾病 克服に向け た ゲ ノ ム医療 実現プ ロ ジ ェ ク ト (一 部再掲)約 46億円(約 52億円)
6.ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト(一部再掲)約 92億円(約 90億円)
7.脳とこころの健康大国実現プロジェクト(一部再掲)約 18億円(約 11億円)
8.新興・再興感染症制御プロジェクト(一部再掲)約 26億円(約 22億円)
9.難病克服プロジェクト(一部再掲)約115億円(約114億円)
10.統合プロジェクト以外の健康・医療戦略の推進に必要となる研究開発事業(厚生労働科学に係る医療分野の研究開発) 約 70億円(約 69億円)
計 約89億円(約80億円) 計 約474億円(約470億円)

 

 

 

 

 

 

 

 

引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000511707.pdf

参考

  1. 競争的資金制度について(内閣府)
  2. 第 5 章 各府省が行う研究費助成制度
  3. 平成30年度競争的資金制度一覧
  4. 厚労省、AMED対象経費に475億円厚労科研費には82億円 2018年度予算の閣議決定受け (久保田文 2017.12.25 08:00 日経バイオテック 有料記事) 
  5. 科研費100億円超増額(2018/12/14 11:56 日本経済新聞)19年度の予算案は18年度当初予算から86億円増えて2372億円となる。

 

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(3次)

公募期間

2019年8月2日(金)から2019年9月2日(月)午後5時30分

三次公募の対象研究事業

  1. EA がん政策研究事業
  2. FA 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
  3. FC 難治性疾患政策研究事業
  4. HA 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
  5. JA 労働安全衛生総合研究事業

参考

  1. 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(3次)(厚生労働省)
  2. 2019年度第三次公募要項(52頁PDF)

 

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(2次)

公募期間

2019年3月29日(金)から2019年5月10日(金)午後5時30分

二次公募の対象研究事業

  1. AC 臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業
  2. EA がん政策研究事業
  3. FA 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
  4. FD 腎疾患政策研究事業
  5. FE 免疫アレルギー疾患政策研究事業
  6. FG 慢性の痛み政策研究事業
  7. GB 認知症政策研究事業
  8. GC 障害者政策総合研究事業
  9. HB エイズ対策政策研究事業
  10. JA 労働安全衛生総合研究事業
  11. KC 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
  12. LA 健康安全・危機管理対策総合研究事業

参考

  1. 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(2次)(厚生労働省)
  2. 2019年度第二次公募要項(98頁PDF)

 

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(1次)

公募期間

平成30年12月21日(金)から平成31年1月29日(火)午後5時30分

公募対象

  • AA 政策科学推進研究事業
  • AB 統計情報総合研究事業
  • BA 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究事業
  • DA 健やか次世代育成総合研究事業
  • EA がん政策研究事業
  • FA 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
  • FB 女性の健康の包括的支援政策研究事業
  • FC 難治性疾患政策研究事業
  • FF 移植医療基盤整備研究事業
  • GA 長寿科学政策研究事業
  • GB 認知症政策研究事業
  • GC 障害者政策総合研究事業
  • HA 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
  • HB エイズ対策政策研究事業
  • HC 肝炎等克服政策研究事業
  • IA 地域医療基盤開発推進研究事業
  • JA 労働安全衛生総合研究事業
  • KA 食品の安全確保推進研究事業
  • KC 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
  • KD 化学物質リスク研究事業
  • LA 健康安全・危機管理対策総合研究事業

 

参考

  1. 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(1次)(厚生労働省)
  2. 2019年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(平成30年12月21日厚生労働省大臣官房厚生科学課 238頁PDF)

 

参考

  1. 2020 年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた 意見伺いについて 第 110 回 科学技術部会 令和元年5月 24 日 資料3-3
  2. 「令和2年度厚生労働科学研究」に対する意見募集について 令 和 元 年 8 月 16 日 厚生労働省大臣官房厚生科学課 ○ 厚生労働科学研究の交付対象となる研究課題を設定するに当たっては、厚 生科学審議会科学技術部会(以下「科学技術部会」という。)において、「取 り組むべき課題について、パブリック・コメントを実施し、広く意見を聴取 する」こととされています。 ○ このため、令和2年度厚生労働科学研究の各研究事業について、広く皆様 からの御意見を募集します。
  3. パブリックコメント:意見募集中案件詳細 厚生 /その他 「令和2年度厚生労働科学研究」に対する意見募集について 案件番号 495190165 e-gov.go.jp
  4. 平 成 30 年 度 予 算 概 算 要 求 の 概 要 厚生労働省
  5. 平 成 29 年 度 予 算 案 の 概 要 厚生労働省
  6. 科学研究費助成事業 新たな知の創造 世 界 をリード す る 知 的 資 産 の 形 成 と継 承 の た め に ―2018年、科研費は創設100周年を迎えます― Grants-in-Aid for Scientific Research 2018 (平成30年)文部科学省(PDF)
  7. 科研費改革の動向 (文部科学省 研究振興局学術研究助成課)

 

令和2(2020)年度科研費公募の変更点のお知らせがJSPSウェブサイトに掲載される

令和2(2020)年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る制度改善等について」という文書が、2019年8月9日にJSPSウェブサイトに掲載されました。これを読むと、2020年度科研費(2019年9月1日公募開始)の変更点がわかります。

業績欄には業績を書く

平成31(2019)年度公募では、「研究業績」欄が「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更されたため、どう書けばいいの?と多くの研究者に戸惑いを与えました。それを受けて、研究計画調書における研究業績の記載方法に関する、より具体的な指示が今回付け加えられました。もともと「業績欄」だった「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄には、研究業績を書いていいという、当たり前のことの確認です。

1. 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記載すること。

2.研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、著書の場合はその書誌情報、など。

(太字強調は当サイト)

計画調書において引用文献を示すときに(だれそれ、XXXX年)のような曖昧な書き方をすると、どの論文を指すのかが同定できません。雑誌名まで書いても、同姓の人がいるのでやはり曖昧です。今回、頁数まで書くなどして「同定するに十分な情報を記載すること」という指示が加わったのは、どれくらい詳しく文献を書けばよいのか?というみんなの疑問を解消する、良い指示だと思います。

 

新学術領域の廃止とそれに代わる制度の創設

「新学術領域研究(研究領域提案型)」の新規の研究領域については、令和2(2020)年度は公募が行われないことになりました。新規の立ち上げはなくなりますが、継続の研究領域(平成29(2017)年度及び令和元(2019)年度採択領域)の公募は、今年も行われます。

新学術の廃止は大きな変化ですが、後継の制度として、「学術変革領域研究」が創設されます。これは、以前、すでに公表されていました。「学術変革領域研究」の公募開始時期は、令和2(2020)年1月以降を予定とのこと。

創設されるのは、助成金額や研究期間等に応じて、「学術変革領域研究(A)」と「学術変革領域研究(B)」の2つ。「学術変革領域研究(A)」は、新学術領域研究(研究領域提案型)の後継です。新たに設けられる「学術変革領域研究(B)」は、より挑戦的かつ萌芽的な研究に小規模・少人数で短期的に取り組み、将来の「学術変革領域研究(A)」への展開が期待されるものとされています。

「学術変革領域研究」の重複制限

○「学術変革領域研究(A)」の重複制限は、従来の「新学術領域研究(研究領域提案型)」における重複制限と同様。
○「学術変革領域研究(B)」の重複制限は、従来の「新学術領域研究(研究領域提案型)」における重複制限を基本としつつ、研究種目の趣旨等を踏まえ、区分(A)と比較して次のとおり重複制限を緩和。

【重複応募・受給を認めるもの】
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者と「基盤研究(S)」の研究代表者
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者及び計画研究代表者と「挑戦的研究(開拓)」の研究代表者
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者と「特別推進研究」の研究分担者

 

さらなる若手研究者優遇政策

若手優遇の傾向が、今回の制度変更にも見られます。若手研究者の挑戦機会の拡大のために重複制限の緩和が行われるとのこと。

「若手研究(2回目)(※)」と「基盤研究(S・A・B)」との重複応募制限の緩和

(※)令和2(2020)年度公募においては、「若手研究(1回目)」を受給中で本年度が研究計画の最終年度の者、又は過去(平成30(2018)年度以前)に1度「若手研究」を受給し終わった者のうち、「若手研究」の応募資格を満たす者が応募する「若手研究」。なお、「若手研究」には、「若手研究(S・A・B)」を含む。

(注)「若手研究(2回目)」と「基盤研究(S・A・B)」との重複受給はできません(両方採択された場合は「基盤研究(S・A・B)」を優先。)。

 

研究活動スタート支援の重複受給制限緩和

・令和元(2019)年度以前に「研究活動スタート支援」に採択され、令和2(2020)年度も当該研究課題が継続する者が、令和2(2020)年度公募において基盤研究等に応募し採択された場合、重複して受給が可能です。

 

重複制限の緩和

他にも、一部の重複制限が緩められました。

・従来、「基盤研究(B)」と「挑戦的研究」との重複応募については、「挑戦的研究(萌芽)」のみが認められていたところ、令和2(2020)年度公募からは「挑戦的研究(開拓)」との重複応募、重複受給も可能です。
・あわせて、「挑戦的研究(開拓)」については、令和2(2020)年度から基金化することを予定しています。

 

参考

 

 

 

予算1000億円のムーンショット・テーマ25候補が発表される

1000億円の予算がつぎ込まれるムーンショット制度のテーマ25候補が発表されました。この25個の候補からさらにテーマが絞り込まれるそうです。

ムーンショット・テーマ25候補

  1. 50年までにサイボーグ化技術の実現(人間拡張技術)
  2. 40年までに移動の完全ユビキタス化を実現
  3. 40年までにほぼ全ての人のほぼ全ての行為と体験をアバター経由で実現
  4. 35年までに高齢者のQoLを劇的改善
  5. 40年までに予防措置・ウエルネスが主流となる生活の実現
  6. 40年までに「どこでも医療アクセス」実現
  7. 40年までに農林水産業の完全自動化を実現
  8. 40年までに建設工事の完全無人化を実現
  9. 50年までに現在の1/100の資源ロスで現在の生活水準が維持可能な工業生産・利用の実現
  10. 40年までに、単位計算量当たりエネルギー消費を1/1000に
  11. 60年までに持続可能なエネルギー独立の達成
  12. 50年までに完全資源・物質循環の達成
  13. 50年までにフード・ロスをなくし、全ての人々に必要な食料を効率的に届ける
  14. 50年までに地球上からの「ゴミ」の廃絶
  15. 50年までに環境中立で最高水準の生活を可能とする大都市の実現
  16. 50年までに生物多様性を増大させる農業を地球規模で実現
  17. 50年までにテラ・フォーミング技術を確立
  18. 50年までにノーベル賞級の発見を自律的に行うAI&ロボットシステムの開発
  19. 50年までに生命現象をデジタルモデル化し、その制御を実現
  20. 50年までに人工冬眠技術を確立
  21. 50年までに全神経回路網とその関連組織を完全デジタルコピー/モデル化
  22. 50年までに汎用型量子コンピューターネットワークを実現
  23. 50年までに海洋・地下を網羅的・高精度に測定し可視化・監視
  24. 50年までに太陽系内全天体等の定常的観測網とサンプルリターン体制の構築による宇宙状況監視の実現
  25. 35年までに宇宙空間で稼働する高機能・多自由度ロボット・人工衛星群の開発

(参考:https://news.goo.ne.jp/article/newswitch/business/newswitch-18659.html 太字強調は当サイト)

 

ムーンショット制度に関する国の議論

ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議

ウェブサイト https://www.kantei.go.jp/jp/singi/moonshot/index.html

ムーンショットに関わる人々

ビジョナリー会議構成員

  1. 北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長、所長
  2. 落合陽一 メディアアーティスト筑波大学准教授
  3. 尾崎マリサ優美 アーティスト(スプツニ子!) 東京大学特任准教授
  4. 小林喜光 (株)三菱ケミカルホールディングス取締役会長
  5. 西口尚宏 (一社)Japan InnovationNetwork 専務理事
  6. 藤井太洋 SF作家
  7. 江田麻季子 世界経済フォーラム日本代表

(参考 https://www8.cao.go.jp/cstp/kaisaiannai/2019/20190716beshi_.pdf)

 

個人的な感想

個人的には壮大な無駄遣いにしか思えないムーンショット制度。論文業績がある研究者が定職に就けずに放浪し、東大や京大の学生が大学院進学を躊躇し、日本の研究力の低下が論文数の低下となって露わになっているこの状況の改善策を打ち出すことのほうが先ではないでしょうか?ムーンショット制度は、同様の趣旨のIMPACTプロジェクトの後継のようですが、IMPACTが成果を収めたというニュースもあまり聞いていないのに、さらにそれを拡大するというのはあまりにも無責任な施策に思えます。国民の税金1000億円の正しい使い方だとは到底思えません。公表された25テーマを見ても、今後の日本人の幸せを増やしてくれそうな予感が全くしない。

平成31年度(2019年度)科研費申請書の変更点まとめ

研究計画調書変更の衝撃

平成31年度(2019年度)の科研費(2018年の秋に申請、2019年春に採択通知、交付)では、研究計画調書の様式が劇的に変わりました。一番大きな変化は、「論文業績欄」のための欄が消えて、「研究者の遂行能力」を示す欄にとって代わられたことです。論文業績といえば、審査の際に最重要視される部分ですから、このセクションが突然変更されたっために一体何をどう書くのが正解なのかと思い悩んだ人が数多かったようです。また、概要を10行程度で書けという指示もなくなったため、何行くらいで書けばよいのか?と悩んだ人もいたはずです。

 

研究計画調書変更はいつ知らされるのか?

科研費の公募は通常9月の始めなので、2019年9月になってから申請書の様式を見て驚いた人が多いと思いますが、このような大きな変更はいつ周知されたのでしょうか?ネットで見ると実は8月の上旬にお知らせがなされていたことがわかります。

事務連絡

平成30年8月9日

科学研究費助成事業研究機関担当者殿

文部科学省研究振興局学術研究助成課

独立行政法人日本学術振興会研究事業部

平成31年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る変更等について

(今回予定している研究計画調書の変更)
○ 研究計画調書における「研究代表者および研究分担者の研究業績」欄について、評定要素に合わせ、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更する。

(引用元:2018年08月09日平成31年度科学研究費助成事業の研究計画調書について

その年にどんな変更があるかは8月上旬に日本学術振興会(JSPS)のホームページのお知らせ欄チェックしておくのが大事なようです。自分でチェックしなくても研究機関の事務担当者宛にこのお知らせは送付されているので、事務の科研費担当者から学内に周知されたはずですが。

 

研究計画調書変更はどう伝わるのか?

世の中には前年度の様式をうっかり使ってしまう研究者もいるくらい、研究者は様式など事務的なことに弱いようです。そんな研究者に大事なことはどう伝わっていくものなのでしょうか?今時、ツイッターは情報拡散ツールとして大きな社会的役割を果たしていると思います。

 

後はやはり研究者間での口コミでしょう。研究者同士の雑談は情報伝達の重要な手段です。

書籍の出版は、科研費制度の変更になかな追いつかないのですが、科研費関連書籍のウェブサイトでは最新情報が逐次アップデートされるので、頼りになります。

科研費獲得の方法とコツ 速報科研費獲得応援ページ 羊土社

 

平成31年度科研費研究計画調書の変更点などのまとめ

  1. 研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄が、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更
  2. 研究分担者の承諾書面での承諾から、科研費電子申請システム上で承諾を行うことに変更
  3. 審査の際には、必要に応じて審査委員が、researchmap 及び科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を参照することに

(参考:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/__icsFiles/afieldfile/2018/08/31/1408714_01.pdf

 

令和2年度(2020年度)の科研費

さて、令和2年の科研費ではどんな変更があるのでしょうか?新学術に関して劇的に制度が変更されることは、すでに公表されています

⇒ 【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

 

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表される

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表されました。

研究期間 (年度) は、2019-06-28 – 2024-03-31です。

研究課題名 研究代表者
超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 高谷 直樹 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授
人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域代表者 石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 岡田 康志 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授
「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究 津本 浩平 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 太田 順 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授
高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用 岩田 想 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 教授
多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授
全能性プログラム:デコーディングからデザインへ 小倉 淳郎 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他
マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 小松 雅明 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学 入山 恭寿 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学 田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 教授
地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 井上 邦雄 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授
水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 加藤 隆史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
機能コアの材料科学 松永 克志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot 野中 正見 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, その他
量子液晶の物性科学 芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授
出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 松本 直子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授

(出典:KAKEN)

平成24年度(2012年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

研究期間が平成24年度~平成28年度の新学術領域(研究提案型)のまとめです。中間報告書作成&中間審査が平成26年度、最終報告書作成&最終審査結果が平成29年度に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-などとつけられるようです。

「平成29年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベースの「報告書」欄にありました。

新学術領域のウェブサイトはすでに閉鎖されてしまっているところもあり、学術的にも広報的にも価値が高いのに、非常にもったいないと思います。永続的に閲覧可能にしてほしいものです。

 

 【人文・社会系委員会審査分】

領域番号 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
1401 現代文明の基層としての古代西アジア文明―文明の衝突論を克服するために― 常木 晃 筑波大学・人文社会科学研究科(系)・教授   KAKEN

 【理工系委員会審査分】

領域番号 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
2401 元素ブロック高分子材料の創出(文部科学省 中條 善樹 京都大学・工学(系)研究科(研究院)・教授   KAKEN
2402 重力波天体の多様な観測による宇宙物理学の新展開 中村 卓史 京都大学・理学(系)研究科(研究院)・教授   KAKEN
2403 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 萩谷 昌己 東京大学・情報理工学(系)研究科・教授   KAKEN
2404 実験と観測で解き明かす中性子星の核物質 田村 裕和 東北大学・理学(系)研究科(研究院)・教授   KAKEN
2405 多面的アプローチの統合による計算限界の解明 渡辺 治 東京工業大学・情報理工学(系)研究科・教授   KAKEN
2406 人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換:実用化に向けての異分野融合 井上 晴夫 首都大学東京・都市環境科学研究科・教授   KAKEN
2407 プラズマ医療科学の創成 堀 勝 名古屋大学・工学(系)研究科(研究院)・教授   KAKEN
2408 感応性化学種が拓く新物質科学 山本 陽介 広島大学・理学(系)研究科(研究院)・教授   KAKEN
2409 福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究 恩田 裕一 筑波大学・生命環境科学研究科(系)・教授   KAKEN

 【生物系委員会審査分】

 領域番号  研究領域名 領域代表者  所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
 3401  免疫四次元空間ダイナミクス 高濱 洋介  徳島大学・疾患ゲノム研究センター・教授   KAKEN
 3402 ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム (archive.is)  岩井 一宏  京都大学・医学(系)研究科(研究院)・教授   PDF

KAKEN

 3403 シリア・中心体系による生体情報フローの制御(文部科学省 濱田 博司  大阪大学・生命機能研究科・教授   PDF

KAKEN

 3404 植物細胞壁の情報処理システム 西谷 和彦  東北大学・生命科学研究科・教授   KAKEN
 3405 ウイルス感染現象における宿主細胞コンピテンシーの分子基盤 永田 恭介  筑波大学・医学医療系・教授 リンク KAKEN
 3406 マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出 喜田 聡  東京農業大学・応用生物科学部・教授 リンク PDFPDF KAKEN
 3407 運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性動画 宮田 真人  大阪市立大学・理学(系)研究科(研究院)・教授   KAKEN
 3408 高精細アプローチで迫る転写サイクル機構の統一的理解 山口 雄輝  東京工業大学・生命理工学研究科・准教授   KAKEN

【複合領域委員会審査分】

 領域番号  研究領域名 領域代表者  所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
 4401 構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解- 國吉 康夫  東京大学・情報理工学(系)研究科・教授   KAKEN
 4402  生物多様性を規範とする革新的材料技術(文部科学省 下村 政嗣  東北大学・原子分子材料科学高等研究機構・教授   KAKEN
 4403 新海洋像:その機能と持続的利用 古谷 研  東京大学・農学生命科学研究科・教授   KAKEN

 

 

 

 

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2019年度の科研費新規採択率が発表される~若手40.0%、基盤(B)29.2%の記録的高さ~

2019年度の科研費採択率が発表されています。若手研究は以前はAとBがありましたが、今はAがなくなり、Bに相当するものが「若手研究」として残っています。若手研究の採択率が今年度40.0%(前年度は30.7%)という高さなのが目を引きます。これは「若手研究」に予算が増額された措置によるものだそうです。また、基盤研究(B)も前年度の25.6%から今年度29.2%と大幅にアップしています。これも同様の措置がが取られたということのようです。

 

2019年度の科研費新規採択率

科研費審査結果一覧(令和元年度 新規採択分 速報値 5月現在)

()内は、前年度2018年度の数値です。

研究種目 応募件数 採択件数 採択率(%)
特別推進研究 106 (105) 12 (12) 11.3(11.4)
新学術 3522 (4422) 809 (857) 23.0 (19.4)
基盤研究(A) 2412 (2454) 605 (605) 25.1 (24.7)
基盤研究(B) 11396 (11577) 3327 (2965) 29.2 (25.6)
基盤研究(C) 45758 (43587) 12918 (12175) 28.2 (27.9)
若手研究 19590 (20369) 7831 (6256) 40.0 (30.7)

(出典:2019年5月22日 研究費部会 配布資料2-1)

 

科研費採択率に関するツイッター上の声

科研費採択率はどれくらいが適切なのかは論議の的になっています。


 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

参考

  1. 第10期研究費部会(文部科学省)

 

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【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

現在、文科省の研究費部会では科研費「新学術領域研究」を見直すための議論が行われています。2019年(令和元年)5月22日に文部科学省において第10期研究費部会(第2回)が開催され、現時点での構想が明らかにされました。新学術はだいぶ制度が変わるようです。

仮称ですが、「学術変革領域研究」と変更され、助成金額や研究機関などの規模の違いで(A)と(B)の2つに分かれます。(A)はこれまでの新学術領域研究に近い内容ですが、(B)は若手向けに新設されたもので、「公募研究」は無く、研究グループ数も3~4つ、応募金額上限が5000万円という規模で、研究成果をあげて(A)へステップアップすることが期待されています。

学術変革領域研究(A)は従来の新学術領域研究を踏襲しているように思えますが、審査区分から「複合領域」が廃止されました。また”真に必要な場合”には、従来の応募金額の上限を超えるものも認めるとしています。最も大きな変更点は、年齢制限を加えたことでしょう。若手研究者を支援するためという意図をかなり全面に押し出した制度変更のようです。

 

新学術領域研究の主な変更

  これまでの新学術領域研究 学術変革領域研究(A) 学術変革領域研究(B)
規模     3~4研究グループ。将来(A)への展開が期待される研究
応募金額 1000万円~3億円程度 現行の新学術領域研究を踏まえて措置 5000万円まで
公募研究 有り 有り 無し
審査区分 4系(人文・社会系、理工系、生物系、複合領域) 3系(人文・社会系、理工系、生物系) 3系(人文・社会系、理工系、生物系)
計画研究の年齢の条件   若手から中堅の研究者(45 歳以下の研究者を想定)を研究代表者とする計画研究が、少なくとも複数含まれる領域構成とする 若手から中堅の研究者(45 歳以下の研究者を想定)
公募研究の年齢の条件   総採択件数の半数程度が若手研究者(博士の学位を取得後8年未満又は39 歳以下の博士の学位を未取得の研究者を想定)  

(配布資料3 「新学術領域研究(研究領域提案型)の見直しについて(作業部会における検討状況の経過報告」(PDF)を参考にして一部の情報のみ抜粋して表を再構成)

 

学術変革領域研究の狙いは何?

新制度の名称に「変革」という言葉が入り、実際に、「目的」にもそれが明記されています。目的の部分を比較してみると、新しい制度で何を変えたいのかがわかります。新学術では走っているプロジェクトを見てみると、新学術が新しい学問分野の創造を意図していることが明らかだと思いますが、「学術変革領域研究」では、それが明示的に示されました。また、若手育成ということも全面に出ています。

多様な研究者の共創と融合により提案された研究領域において、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを先導するとともに、我が国の学術水準の向上・強化や若手研究者の育成につながる研究領域の創成を目指し、共同研究や設備の共用化等の取組を通じて提案研究領域を発展させる研究。(学術領域変革研究A 目的)

多様な研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成、設備の共用化等の取組を通じて発展させる。(新学術領域研究(研究領域提案型)目的)

(太字強調は当サイト)

 

ツイッターでみる世間の反応

新学術に手が加えられる、特に、若手重視の方針が打ちされたことに衝撃を受けた研究者がかなりいたようです。どこのラボでも話題になった模様。ツイッター上の声をいくつか拾って紹介します。

 

 

参考

  1. 第10期研究費部会(文部科学省)当日配布資料

 

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私立大学研究ブランディング事業選定校と事業名(研究テーマ)、成果、論文業績

私立大学研究ブランディング事業は、各大学の取り組みを特設ウェブサイト上で見ることができます。ウェブサイトを眺めていると、各大学の特徴が出ていおり、大学研究としても大変面白いです。志望大学を選べずに迷っている高校生にも、アピールするのではないでしょうか?そんな私立大学研究ブランディング事業ですが、オトナの事情で期間短縮や制度廃止などになってしまったのがとても残念です。

関連記事 ⇒ 文科省の汚職事件の余波 私立大学研究ブランディング事業の制度廃止・現行事業の期間短縮

2016年度から始まった。16年度(予算額72・5億円)に40校、17年度(同79億円)に60校、18年度(同56億円)にも20校を採択。(私大への支援事業、計画途中で打ち切りへ 大学側は反発 2019/04/09 05:00 朝日新聞DIGITAL

  1. 平成28年度私立大学研究ブランディング事業選定校一覧  (PDF 文科省)
  2. 平成29年度私立大学研究ブランディング事業選定校一覧  (PDF 文科省)
  3. 平成30年度私立大学研究ブランディング事業選定校一覧  (PDF 文科省)

 

平成28年度(2016年)私立大学研究ブランディング事業選定40校

以下、大学名は、私立大学研究ブランディング事業学内特設サイトまたは事業を担う学内センターへのリンク

  1. 東北学院大学 東北における神学・人文学の研究拠点の整備事業
  2. 石巻専修大学 震災復興から地域資源の新結合による産業創出へ -草葉起源による内水面養殖業の創出-
  3. 千葉科学大学 「フィッシュ・ファクトリー」システムの開発及び「大学発ブランド水産種」の生産
  4. 工学院大学 巨大都市・複合災害に対する建築・情報学融合によるエリア防災活動支援技
    術の開発と社会実装
  5. 女子美術大学 染織文化資源研究拠点の形成 染織文化資源研究所
  6. 金沢工業大学 ICT・IoT・AIの先端技術を活用した地方創生
  7. 金沢医科大学 北陸における細胞治療イノベーションの戦略的展開 論文発表等
  8. 北陸大学 北陸地方の生薬研究と食文化を基盤とした健康と創薬イノベーション
  9. 福井工業大学 『宇宙』事業推進のために地域と協働する“ふくいPHOENIXプロジェクト”
  10. 愛知文教女子短期大学 「食物アレルギーの子どもを守る」大学へ―保育所における職種間連携を含む食物アレルギー教育推進事業―
  11. 関西看護医療大学 セラピーアイランド淡路島の構築を基盤とした地域活性化と看護教育カリキュラム開発に向けた研究拠点の創設
  12. 高野山大学高野山アーカイブ」の構築と世界遺産高野山の生成・発展・継承に関する密教学的研究
  13. 安田女子大学 小学校での英語教育を実質化する教員養成・研修システムの研究開発と展開
  14. 広島文化学園大学 地域共生のための対人援助システムの構築と効果に関する検証
  15. 西九州大学 認知症予防推進プログラム~サクセスフル・エイジング プロジェクト in さが(SAPS)~
  16. 別府大学 九州における文化遺産保護研究の拠点形成のための基盤整備事業
  17. 沖縄大学 沖縄型福祉社会の共創-ユイマールを社会的包摂へ
  18. 青山学院大学 次世代ウェルビーイング~個別適合をめざした統合的人間計測・モデル化技術の構築~
  19. 学習院大学 超高齢社会への新たなチャレンジ-文理連携型<生命社会学>によるアプローチ 外部評価報告書
  20. 慶應義塾大学 地球社会の持続性を高める研究大学としてのブランド確立
  21. 國學院大學 「古事記学」の推進拠点形成―世界と次世代に語り継ぐ『古事記』の先端的研究・教育・発信―
  22. 駒澤大学 『禅と心』研究の学際的国際的拠点づくりとブランド化事業
  23. 順天堂大学 脳の機能と構造を視る:多次元イメージングセンター 研究ブランディング事業成果報告(業績)(PDF)
  24. 昭和大学 医系総合大学の実績を基盤とした生体内レドックス制御機構解明と臨床応用:健康長寿に貢献する大学創成 H29年度研究業績一覧 H28年度研究業績一覧
  25. 上智大学 持続可能な地域社会の発展を目指した「河川域」をモデルとした学融合型国際共同研究 進捗状況報告書
  26. 成城大学 持続可能な相互包摂型社会の実現に向けた世界的グローカル研究拠点の確立と推進
  27. 中央大学 アジア太平洋地域における法秩序多様性の把握と法の支配確立へ向けたコンバージェンスの研究
  28. 東京工芸大学 「色」で明日を創る・未来を学ぶ・世界を繋ぐ KOUGEI カラーサイエンス&アート
  29. 東京理科大学 材料表面・界面における水の学際研究拠点の形成
  30. 東邦大学 上皮バリア機構の不全により生じる疾患の克服を目指したブランディング事業 業績一覧
  31. 明治大学 Math Everywhere:数理科学する明治大学-モデリングによる現象の解明−
  32. 立教大学 インクルーシブ・アカデミクス―生き物とこころの「健やかさと多様性」に関する包摂的研究
  33. 東海大学 災害・環境変動監視を目的としたグローカル・モニタリング・システムの構築による安全・安心な社会への貢献
  34. 麻布大学 動物共生科学の創生による,ヒト健康社会の実現
  35. 名城大学 青色LEDを起点とした新規光デバイス開発による名城大ブランド構築プログラム
  36. 立命館大学 立命館ライフサポート科学で切り拓く高齢化日本の持続的発展モデルの構築
  37. 龍谷大学 新時代の犯罪学創生プロジェクト~犯罪をめぐる「知」の融合とその体系化~
  38. 関西大学 「人に届く」関大メディカルポリマーによる未来医療の創出 メンバー
  39. 近畿大学 世界のエネルギー資源の礎となる近大バイオコークスのネットワークを活かしたブランディング
  40. 岡山理科大学 恐竜研究の国際的な拠点形成―モンゴル科学アカデミーとの協定に基づくブランディング―

 

平成29年度(2017年度)私立大学研究ブランディング事業選定60校

  1. 北海道科学大学 北国生活環境科学拠点~積雪寒冷地域における医社工連携をとおした超高齢社会対応のための技術展開と普及~
  2. 八戸工業大学 北東北の人口減少社会における自律的課題解決に向けたハブ機能構築と社会的資本の維持開発研究事業
  3. 岩手医科大学 医歯薬連携による全身疾患としての血管病の地域還元型学際的研究拠点
  4. 東北公益文科大学 日本遺産を誇る山形県庄内地方を基盤とした地域文化とIT技術の融合による伝承環境研究の展開
  5. 東京慈恵会医科大学 働く人の疲労とストレスに対するレジリエンスを強化するEvidence-based Methodsの開発
  6. 多摩大学 大都市郊外型高齢化へ立ち向かう実践的研究 -アクティブ・シニア活用への経営情報学的手法の適用-
  7. 新潟薬科大学 健康を支援する地域産物のブランド化のコアとなる大学
  8. 新潟工科大学 高度シミュレーション技術による地域の「風」の課題解決と人材育成
  9. 新潟医療福祉大学 リハビリテーション科学とスポーツ科学の融合による先端的研究拠点Sports & Health for all in Niigata-
  10. 金沢工業大学 これからの科学技術者倫理研究 ~社会が必要とする課題への取り組み~
  11. 松本大学 健康づくりを核に自治体・企業・医療機関と連携して進める元気な地域づくり
  12. 佐久大学 健康長寿〈佐久〉を牽引する「足育(あしいく)」研究プロジェクト
  13. 岐阜女子大学 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備事業
  14. 名古屋商科大学 地域経済の持続発展を担うアントレプレナーに関する研究拠点整備事業
  15. 岡崎女子短期大学 「子ども好適空間」研究拠点整備事業
  16. 長浜バイオ大学 フレキシブル植物工場システムと先端バイオ技術を基盤とした新たなグリーンイノベーション
  17. 京都造形芸術大学 京都における伝統文化のイノベーションサイクルを高度化させる拠点の形成
  18. 大阪医科大学 オミックス医療に向けた口腔内細菌叢研究とライフコース疫学研究融合による少子高齢中核市活性化モデル創出
  19. 大阪工業大学 モノづくり大阪に躍動感を-地域産業支援プラットフォーム(大阪工業大学)の挑戦
  20. 神戸常盤大学 地域子育てプラットホームの構築を通したAll-Winプラン
  21. 帝塚山大学 「帝塚山プラットフォーム」の構築による学際的「奈良学」研究の推進
  22. 岡山商科大学 『寄り添い型研究』による地域価値の向上
  23. 吉備国際大学 エコ農業ブランディングによる発展的地域創成モデルの形成
  24. 福山大学 瀬戸内海 しまなみ沿岸生態系に眠る多面的機能の解明と産業支援・教育
  25. 徳山大学 「健幸(ウェルネス)都市しゅうなん」構築に向けた研究・活動拠点の創設
  26. 四国大学 「阿波藍」の新たな価値創造を目指した文化的・科学的研究及びその魅力発信・人材育成拠点の構築
  27. 徳島文理大学 藻類成長因子を用いた海藻栽培技術イノベーション
  28. 久留米大学 すこやかな「次代」と「人」を創る研究拠点大学へ ~先端がん治療・研究による挑戦~
  29. 福岡歯科大学 高齢者ヘルスプロモーションと地域包括ケアへの口腔医学の展開~要介護化阻止と誤嚥性肺炎ゼロを目指して~
  30. 福岡医療短期大学 口腔機能向上でイキイキ長寿社会の実現-話そう・食べよう・いつまでも
  31. 西九州大学短期大学部 発達障害児の二次障害予防の支援研究~二次障害を予防し関係者の負担軽減を目指すために~
  32. 佐賀女子短期大学 短期大学におけるダブルディグリープログラムを推進する韓日語併記学習教材の開発と韓国文化研究拠点の構築
  33. 鹿児島女子短期大学 鹿児島の食文化の継承と発展のための拠点形成~「鹿女短 食育ステーション」構築事業~
  34. 自治医科大学 実践的抗加齢医学の開発と普及:健康寿命の延長を目指して
  35. 日本工業大学 次世代動力源としての全固体電池技術の開発と応用
  36. 北里大学 農医連携研究拠点の創出:食を介した腸内環境制御による健康社会構築
  37. 東京都市大学 都市研究の都市大:魅力ある未来都市創生に貢献するエイジングシティ研究および実用化の国際フロンティア
  38. 順天堂大学 スポーツ科学による「Health Creation」:代謝科学研究を基軸に世界展開するブランディング事業
  39. 上智大学 「人間の安全保障」実現に取り組む国際的研究拠点大学としてのブランド形成
  40. 成蹊大学 学融合的アプローチによる地域共生社会の実装スキームの確立と社会実践
  41. 創価大学 途上国における持続可能な循環型社会の構築に向けた適正技術の研究開発と新たな地域産業基盤の形成
  42. 中央大学 超スマート社会の実現に向けた沿岸都市における防災プラットフォームの開発
  43. 帝京大学 グローバルな視点からの危機管理3カテゴリー(事故、災害、テロ)の学際的エビデンス構築
  44. 東京医科大学 先制医療による健康長寿社会の実現を目指した低侵襲医療の世界的拠点形成
  45. 東京歯科大学 顎骨疾患の集学的研究拠点形成:包括的な顎口腔機能回復によるサステナブルな健康長寿社会の実現
  46. 東京電機大学 グローバルIoT時代におけるセキュアかつ高度な生体医工学拠点の形成
  47. 東京理科大学 スペース・コロニー研究拠点の形成 ~宇宙滞在技術の高度化と社会実装の促進~
  48. 東京薬科大学 健康社会の実現に向けた創薬化学の展開と人財育成
  49. 東洋大学 多階層的研究によるアスリートサポートから高齢者ヘルスサポート技術への展開
  50. 日本大学 スポーツ日大によるアンチ・ドーピング教育研究拠点確立とポストオリンピックへの展開
  51. 法政大学 江戸東京研究の先端的・学際的拠点形成
  52. 立正大学 立正大学ウズベキスタン学術交流プロジェクト
  53. 早稲田大学 多様な全世代が参画する社会へのデザイン−医理工社連携による新知と実践—
  54. 関東学院大学 命を守り希望を繋ぐ-新しい「防災・減災・復興学」の構築と研究拠点形成-
  55. 藤田保健衛生大学 高ストレス社会を克服する「精神神経疾患の最先端研究開発拠点大学」としてのブランド確立
  56. 名城大学 新規ナノ材料の開拓と創製による名城大ブランド構築プログラム
  57. 京都産業大学 “生命活動の根幹”をなすタンパク質研究の世界的拠点の形成と推進
  58. 大谷大学 仏教を基軸とする国際的研究拠点の形成と〈人間学〉の推進
  59. 関西大学 オープン・プラットフォームが開く関大の東アジア文化研究
  60. 福岡大学 ライフタイムにおける活力形成による健康な時間の創造~福奏プロジェクト~

 

平成30年度(2018年度)私立大学研究ブランディング事業選定20」校

  1. 北海道情報大学 食の保健機能研究を基盤にした健康情報科学と情報通信技術の融合による健康長寿社会の創生
  2. 仙台大学 プロ球団とのアカデミックパートナーシップに基づく地域創生型スポーツ社会モデル形成事業
  3. 宮城学院女子大学 東日本大震災を契機とする〈地域子ども学〉の構築~子どもの視点に立ったコミュニティ研究の拠点形成~
  4. 流通経済大学 高度なロジスティクス実現に向けての研究拠点形成と人材育成-ロジスティクス・イノベーション・PJ
  5. 実践女子大学 源氏物語研究の学際的・国際的拠点形成
  6. 芝浦工業大学 アーバン・エコ・モビリティ研究拠点の形成~都市の交流・物流・環境をエンジニアリング技術で支える~
  7. 大東文化大学 漢学・書道の学際的研究拠点の形成による「東洋人の”道”」 研究教育の推進
  8. 津田塾大学 「変革を担う女性」の持続的育成を目指した「インクルーシブ・リーダーシップ研究」拠点の形成
  9. 神奈川工科大学 神奈川県の先進工科教育研究拠点:全国のモデルとなる先進高齢者支援システムの開発と地域社会への展開
  10. 仁愛女子短期大学 保育者育成のためのキャリア・ルーブリックの開発~シームレスな高校・短大・保育現場の繋がりを目指して~
  11. 愛知大学 「越境地域マネジメント研究」を通じて縮減する社会に持続性を生み出す大学
  12. 名古屋学院大学 ストック・シェアリングを通じた地域価値の編集による新世代型コミュニティの実現に向けた多層的研究
  13. 愛知医科大学 健康維持・増進を支える次世代先制地域医療:炎症評価コホート研究
  14. 京都薬科大学 受容体特異的画像化技術を基盤とするがん放射線内用療法(radio-theranostics)研究拠点の形成
  15. 同志社大学 宇宙生体医工学を利用した健康寿命の延伸を目指す統合的研究基盤と国際的連携拠点の形成
  16. 立命館アジア太平洋大学 インクルーシブ・リーダーシップの研究・育成・実践拠点としてのグローバルブランド確立
  17. 京都精華大学 持続可能な社会に向けた伝統文化の「表現」研究
  18. 関西医科大学 難治性免疫・アレルギー疾患の最先端研究拠点大学としてのブランド形成
  19. 天理大学 「天理大学スポーツブランドを活かした地域のスポーツ・健康づくり研究拠点の形成」
  20. 久留米工業大学 先進モビリティ技術で多様な人々が能力を発揮できる、Society 5.0に基づく「いきいき地域づくり」

2019年4月1日科研費の採択が通知される

2019年4月1日、科研費の採択が通知されました。科研費採択・不採択に纏わる悲喜こもごものツイートをいくつか紹介します。

科研費採択・不採択の見分け方

科研費に採択されるということ

児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社

科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

初めての科研費

科研費をとりつづけるということ

 

科研費申請に必要な気概について

科研費で気を病む人々

 

科研費の生存者バイアスについて

 

科研費:若手研究に採択されるということ

科研費が取れたことのおめでたさについて

 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

科研費:基盤(C)に採択されるということ

科研費:基盤(B)に通るということ

科研費はみずもの

科研費に落ちるということについて


科研費の申請は秋でその結果がわかるのは翌年4月です。採択されるかされないかで、その年度で何が研究できるのかが大きく変わってしまうので、4月1日を迎えるまでは研究者はそわそわする季節と言えます。

さて、2019年4月1日にはどんなドラマがあるのでしょうか?ツイッターで科研費に纏わるツイートをいくつか拾って紹介したいと思います。

2019年の科学研究費の予算

基礎研究の重要性について

現政権の考え方は、どうも応用思考のようですが、応用というのは基礎があってこそという当たり前のことが現政権や官僚にはあまり理解されていないようです。サイエンスの本質を理解できている人間が政治の中枢にはあまりいないということなのでしょうか?イノベーションを生み出すものは応用研究だとしても、応用研究というのは基礎研究の成果が前提として必要なわけで、基礎研究を軽視する現在の日本の科学行政の風潮は本当にお先真っ暗としかいいようがありません。

「目の前の100人を治療する医師も重要だが、将来の100万人の治療に役立つ基礎研究も重要である。」 (京都大学ウイルス研究所 増殖制御学分野 影山研究室影山教授からのメッセージ)

関連記事⇒ 沼研の伝説的なエピソード (沼正作1929-92)

“量子コンピューター”開発成功のイムパクト

ImPACT(内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム)のプレスリリースおよび報道によると、初めての国産量子コンピューターの開発に成功したとのことです。

内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の山本 喜久 プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として、日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 鵜浦 博夫 以下、NTT)NTT物性科学基礎研究所 量子光制御研究グループの武居 弘樹 上席特別研究員、本庄 利守 主任研究員らのグループ、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(東京都千代田区、所長 喜連川 優 以下、NII)情報学プリンシプル研究系の河原林 健一 教授、加古 敏 特任准教授らのグループ、および東京大学(東京都文京区、総長 五神 真)生産技術研究所 合原 一幸 教授、神山 恭平 特任助教らのグループは、光の量子的な性質を用いた新しい計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」をクラウド上で体験できるシステムを開発し、2017年11月27日より公開いたします。

 

量子コンピュータを実現するハードウェアとしては、ゲート型、アニール型、ニューラルネットワーク型の異なる3つのアプローチがあります。インターネットを介して実機を体験できるクラウドウェブサイトとしては、IBMがゲート型15ビットマシンを、D-WAVEがアニール型2000ビット、12000結合マシンを今年に入って次々と公開しています。また、Googleも来年春にはゲート型49ビットマシンを公開する予定です。今回、日本から公開されるニューラルネットワーク型2000ビット、400万結合マシンは、世界最大規模の量子コンピュータであり、これまでの限界を30倍以上拡大した2000ビットまでの組み合わせ最適化問題が解けます。(山本 喜久 ImPACTプログラム・マネージャーのコメント 量子ニューラルネットワークをクラウドで体験 ~量子を用いた新しい計算機が使えます~JST 平成29年11月20日

スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される次世代のコンピューター、「量子コンピューター」の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表しました。(初の国産量子コンピューター 無料公開 NHK NEWS WEB 11月20日 19時14分

 

しかしながら今回の成果を「量子コンピューター」と呼ぶことに関して、インターネット上で異論が湧き起こっています。

研究者としては「量子コンピュータ」とは呼べないものを研究者が「世界最大規模の量子コンピュータを開発した」と言って大大的に広報したということ。報道が勝手に書いたとかなら、またマスゴミが、で済むんですが、研究領域が大切にしている言葉の定義を研究者自身が広報のために歪めて使うというのは、研究倫理の問題にもなるんじゃないかと思います。‥(中略)‥

ビッグデータ、人工知能、IoT・・・。量子コンピュータもそのうちのひとつのバブリワードなわけで、バブリワードを使ってプレスしたほうがPR効果が大きいという判断なんでしょうね。‥(中略)‥

なんだかアホらしい話ですが、最近の大学や研究機関のプレスリリースは研究者としての誠実さよりも、バズること、世の中にウケることが最優先になっています。(内閣府ImPACTの誇大広告広報と量子コンピュータの話 人間とテクノロジー 2017-11-21)

 

追記20171010

ついに、この研究成果の共同研究者もこれは量子コンピュータではないと認めていることが、毎日新聞により報道されました。

チームのメンバーの西森秀稔・東京工業大教授は毎日新聞の取材に「計算の一番本質のところで量子効果を使っていない」と話す。
共同研究者に名を連ねる井上恭・大阪大教授も「『これは量子コンピューターと違う』と言う人がいたら反論できない」と話した。
(「スパコン超え」国産コンピューター 「量子」命名に異論 集積回路、従来のまま (毎日新聞 2017年12月10日 東京朝刊))

2018年10月12日(金)学振採用者発表 審査結果が通知される

 

最新関連記事 ⇒ 2021年9月27日(火)学振採用者発表 審査結果が通知される

 

2018年10月12日(金)学振の審査結果が通知される

学振採用通知日に思うこと

しかし学振の特にDC、あれだけ手間かけて申請して審査して得られる待遇が生活保護レベルなのは正気の沙汰ではない。院生向けベーシックインカム制度とミックスして初めて意義がある制度だと思う。 0:22 – 2018年10月12日

学振DCの年俸240万円っていうのは,年間所定労働日数を255日として一日8時間労働で計算すると時給1176円. 東京都の最低賃金985円を下回るとかそんなことは流石にないのだけれど,学振は副業禁止・有給なし・社会保険料自腹(・大学によっては学費免除なし)となるので……. 0:53 – 2018年10月12日

学振10連敗は悔しいし、その3年があればどれだけ研究進められただろうかとか思うけど、学振採択されて任期中に立派な業績詰んだ優秀な若手研究者たちも未だにテニュアトラックでさえない任期付きをウロウロして渡り歩いてるのが現状だから退くも地獄進むも地獄って感じで救いがないよな。 5:06 – 2018年10月12日

学振落ちた人は世の中へ出るといいよ。世の中には君たちにお金を払ってくれる人がいっぱい居るから。そしてお金を貰ったら高級な焼肉か高級な寿司を食べるといい。色々とバカらしくなってくるから。  1:17 – 2018年10月12日

学振受かっても受からなくても、やることは変わらない。1:20 – 2018年10月12日

2018年10月12日付けで学術振興会特別研究員(学振)の採用の通知がありました。

平成31年度採用分特別研究員(PD,DC2,DC1)の第一次選考(書類選考)結果について(2018年10月12日)

  • 第一次選考(書類選考)の結果を平成30年10月12日付で、電子申請システム上にて開示しました。申請者は、自身の電子申請システムログイン用ID・パスワードで電子申請システムにアクセスし、選考結果を確認してください。
    ※申請者の電子申請システムログイン用ID・パスワードは本会では再発行できません。申請機関へお問い合わせください。
    電子申請システム:http://www-shinsei.jsps.go.jp/index2.html
  • 募集要項に記載のとおり、結果について郵送による通知は行っておりません。<面接候補の方>
    平成30年10月19日(金曜日)15時までに、電子申請システムにて面接の出欠についてご回答ください。(欠席する場合も必ずご回答ください。)
    なお、上記日時までに回答がない場合には、選考辞退として取り扱います。

(引用元:日本学術振興会

学振で今年から変わったこと

学振の審査結果発表を間近に控えた心境

学術振興会特別研究員(学振)採用者決定の通知が毎年10月中旬にありますが、待つ身にはつらいようです。

  1. 今年の学振DC/PDの結果発表はおそらく2018/10/15(月)。 ちなみに昨年は2017/10/16(月)、一昨年は2016/10/14(金)でした。 ?  19:19 – 2018年10月6日
  2. そろそろ学振の結果発表ですね。うちのボス曰く、「半年かけてつくった申請書とやっつけでつくった申請書はすぐわかる」。 7:59 – 2018年10月11日

2017年10月16日学振の結果が通知される

学術振興会特別研究員(学振)の審査結果が今日発表されました。面接試験免除での合格、不合格、面接試験へ進む、の3つに分かれたようです。

日本の研究の「今」を垣間見ることができるツイッターをいくつか紹介します(随時追加削除入れ替える可能性あり)。

本日発表

  1. そうか、今日は学振の発表か。 From: ZoZomiK0222 at: 2017/10/16 18:36:24 JST Re 公式RT
  2. 今日は学振発表デーだったのね。From: SSeiya60260 at: 2017/10/16 14:32:58 JST Re 公式RT
  3. うああ..学振の日だったのね ううううう From: yokonozo at: 2017/10/16 15:14:47 JST Re 公式RT
  4. 学振の結果が出たらしくて重い空気が広がってる From: suzutomo1020 at: 2017/10/16 15:38:26 JST Re 公式RT

結果を知ることに対する恐れについて

  1. 学振結果発表でメール来てるけど怖くて開けられない From: rarudosiori at: 2017/10/16 14:32:35 JST Re 公式RT
  2. 学振の結果出てるのか (確認するの怖い) From: usage_based at: 2017/10/16 16:08:42 JST Re 公式RT
  3. RT @m43net: 学振の 結果開示を 見たくない From: Holyithylene at: 2017/10/16 16:18:11 JST Re 公式RT
  4. 学振の結果発表メール来てて学振(ガクブル)してる From: raru_psychology at: 2017/10/16 14:53:08 JST Re 公式RT

学振のキーワードがトレンドランキング上位に

ヤフーリアルタイム検索では、一時、「学振」がランキング3位にまで上昇しました。

  1. RT @yusuke_kaimori: 学振がリアルタイム検索にランクインしててつらい。 pic.twitter.com/g852xgDYba From: TTAGGGn at: 2017/10/16 14:16:38 JST Re 公式RT

 

喜び・安堵

  1. 学振通った…よかった… From: migidoh_honten at: 2017/10/16 15:56:17 JST Re 公式RT
  2. 一年越しで学振に通ったやったー!!!!! From: ponytailkicker at: 2017/10/16 15:53:17 JST Re 公式RT
  3. 学振通ったああああああああああ pic.twitter.com/rzdDWfyqYk From: Se3pEpp1 at: 2017/10/16 15:29:49 JST Re 公式RT
  4. おかげさまで学振通りました。もろもろお世話になった方、ありがとうございます。 From: leo_metoro at: 2017/10/16 15:18:23 JST Re 公式RT
  5. 学振通りました~! From: ChiffonHimeyuri at: 2017/10/16 14:44:12 JST Re 公式RT
  6. 学振PD採用内定きたぁああああああ!!!!!! やったーーーーーーー!!!!! From: ONODA_in_Onodac at: 2017/10/16 14:29:51 JST Re 公式RT
  7. 学振受かったぁぁぁあーーーー!!! 死ぬほど嬉しい!!! From: wednesday0814 at: 2017/10/16 14:16:47 JST Re 公式RT

学振に通るということ

  1. ラボで学振通った人いてすげーってなってる!😃 From: 1catcherNo at: 2017/10/16 19:33:01 JST Re 公式RT
  2. 可愛い子におめでとうって言ってもらえたから、 学振通って良かったと思います。
  3. 彼女さんがうちよりも学振採択喜んでくれていて幸せなう 
  4. ♥️先輩♥️、学振通ってた♥️ From: 4Ag_O2 at: 2017/10/18 12:20:01 JST Re 公式RT

落胆・口惜しさ・辛さ

  1. はーーーーー 学振落ちたーーー From: eggnist at: 2017/10/16 16:16:18 JST Re 公式RT
  2. 学振落ちた!!!!!涙 From: fuguindy at: 2017/10/16 15:01:55 JST Re 公式RT
  3. 学振落ちた。ぐやじい From: PenguinPotato at: 2017/10/16 14:32:37 JST Re 公式RT
  4. 学振ダメだったンゴ From: Mentyu at: 2017/10/16 14:23:11 JST Re 公式RT
  5. 学振ダメでした From: maru9_tkb at: 2017/10/16 14:16:24 JST Re 公式RT
  6. はー…学振…(まだ凹んでる) とりあえずご飯食べようそうしよう From: mymh8389 at: 2017/10/16 23:07:44 JST  Re 公式RT

気持ちの切り替え・これから

  1. 学振を落としたのでない。私が飛翔したのだ。 From: tdualdir at: 2017/10/16 18:13:45 JST Re 公式RT
  2. RT @tdualdir: 学振が取れなかったのではない。学振が俺を捕まえきれなかったのだ。 From: stenoritama at: 2017/10/16 19:54:48 JST Re 公式RT
  3. 今年も学振おちたりもしたけれど、私はげんきです。 From: pocute_physics at: 2017/10/16 16:13:39 JST Re 公式RT
  4. RT @Mentyu: われわれはもはや蹉跌と敗北の学振申請書を閉じねばならない。戸外では秋はすでに深まり、院生室には修論執筆の焦燥が訪れて来たのである。 From: Dr_Raugust at: 2017/10/16 15:10:35 JST Re 公式RT
  5. 学振厳しいなー。来年までに成果出して、DC2でやり返さねば。ある意味、研究意欲が湧かされたね笑 From: aki_hiro1003 at: 2017/10/16 15:07:58 JST Re 公式RT
  6. 学振は今年もダメでした、がDC1申請時より評価はあがったので日本語力は多少あがったのかなと。しょうもない比較だがまずはポジティブに考えることにする。 From: KalynKwmt at: 2017/10/16 14:26:10 JST Re 公式RT
  7. アカデミック志向だからといって学振に通るとはもちろん限らないわけだが、それで落ちて腹立たしければ、そのエネルギーで死ぬほど研究がんばるしかないんだろうなと。 From: tkmpkm1 at: 2017/10/16 19:33:45 JST Re 公式RT

指導者の喜び

  1. うおーがくせーが学振通った! From: tatary at: 2017/10/16 14:20:05 JST Re 公式RT
  2. 学生くん無事に学振DC2採択、良かった! From: maplesyrup100 at: 2017/10/16 14:32:19 JST Re 公式RT
  3. うちのラボで学部から指導させてもらっている大学院生の一期生が,学振DC1に採択していただいたとの連絡.色々感慨深くて涙出た. From: neuromusiker at: 2017/10/16 14:21:37 JST Re 公式RT
  4. ラボのメンバーが学振通った。嬉しい! From: koichi_kawakami at: 2017/10/16 14:34:22 JST Re 公式RT

学振の面接

今日の通知では、面接試験免除で学振採用が確定した人と、次に面接試験に進むことが決まった人とに分かれました。

  1. 学振の面接5分で何を言うんや… From: GrClown at: 2017/10/16 17:49:36 JST Re 公式RT
  2. ちなみに学振は面接候補でした。4分間の発表と6分の質疑応答。あまり情報がないのですが、やれるだけやってみます。私の領域では約570の応募者、採択101名、面接候補28名なのですが、割合的に面接候補の方がレアじゃないですか?採択者より選ばれてる感出てません?? From: ayas2ayaaaa at: 2017/10/16 15:51:11 JST Re 公式RT
  3. 学振の結果出ました。 「面接候補」 戦いは続く。 From: ryuta_ut at: 2017/10/16 15:38:36 JST Re 公式RT
  4. 振DC2、面接回った。 理解されないかもと思ったが、尖った内容だったから拾われたのかなぁ。 もう少し頑張ります。 From: _yavailable_ at: 2017/10/16 15:00:22 JST Re 公式RT
  5. 学振の面接いやぁ….. From: MrBoilingFrog at: 2017/10/16 14:33:57 JST Re 公式RT
  6. 学振面接候補かあ、、、、、、 From: watanabeckeiich at: 2017/10/16 14:24:27 JST Re 公式RT
  7. RT @TechPcho: おお、学振TLですね。 喜びと悲しみな間に揺れるTLの中、わずかながら、ひっそりと面接試験となった人たちもいると思います。 秒速4万円以上の価値がある面接となると思います、万全を期して頑張ってください! From: takeshi8931 at: 2017/10/16 14:21:20 JST Re 公式RT

学振の制度の意義について

  1. 情報系では学振なんていらないだろうけど、理学・文学系には死活問題なんやで From: termoshtt at: 2017/10/16 15:41:37 JST Re 公式RT
  2. 生きる上で学振には大変お世話になりました(人╹ω╹ ) From: e_ekami at: 2017/10/16 14:32:36 JST Re 公式RT
  3. 学振が仕分け対象にされたときの評価書がこれか… なかなか香ばしい zoology.or.jp/news/img/f_use… 「博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策」 「実社会から逃避して、大学に留まる人をいたずらに増やしてしまう」 「博士取得者のセーフティネット事業」From: tackson5 at: 2017/10/17 16:29:31 JST  Re 公式RT
  4. このような厳しい審査を勝ち抜いた学振PDは、とある政党では生活保護みたいなシステムで働いてる人たちって言われてしまうらしい。はぁ、、 twitter.com/tonets/status/…

●博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策。博士養成に関する見直しが必要。テニュア・トラック制については存続。
●過去の政策のつけであるから少しずつ減らしていくしかない。毎年5%ずつカット。
●目的が重複しており、施策の整理統合が必要。その上で効果の明らかな事業に絞り込んでいくべき。
●教員免許をポスドクに付与する政策を検討すべき。実社会から逃避して、大学に留まる人をいたずらに増やしてしまう側面も否定できない。大学そのものが過剰であり、この適切な統廃合も必要。
●大学の教員制度の見直し必要。
●ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸。(本来なら別の道があったはず)。
●若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を若手にこだわらず再構築。
●若手研究者の問題は政治の問題でもあるので、十分な見直しが必要。
●競争的資金と合わせて再考すべき。省をまたがった&シンプルな研究者支援を先端技術研究と合わせて考えるべき。
●研究費ベースの事業をますます複雑化している。研究費配分として整理すべき。PD対策は、キャリア支援、TA/RAとしての採用枠など学術振興会枠はシンプルに。
●博士取得者のセーフティネット事業と理解しているが、民間企業を出口にする政策が不可欠である。民間企業から国費の不足分を補う政策を期待する。
●雇用対策のようなものになっているのではないか。その為の統合的な対応が必要でないか。将来的な雇用対策につなげることが必要ではないか。
●大学→大学院→キャリアのプランがないことは問題だが、むしろキャリア計画教育の問題。高等教育全体にキャリア教育が不足している点と関係がある。

(出典:行政刷新会議「事業仕分け」第3WG 評価コメント 評価者のコメント(評価シートに記載されたコメント)事業番号3-21 競争的資金(若手研究育成)①科学技術振興調整費(若手研究者養成システム改革)②科学研究費補助金(若手研究(S)(A)(B)、特別研究員奨励費)③特別研究員事業)

学振採用通知のタイミングについて

  1. RT @msmt9: 学振の採用内定予定は貰えたけど博士進学内定は決まってないんだなこれが(マクロ再再履修マン) From: Voca_Espoir at: 2017/10/16 14:25:09 JST Re 公式RT
  2. 学振、お金がもらえるかどうか決まるのが博士課程の入試後とかいうのシステムの欠陥すぎると思う From: Bluepost125 at: 2017/10/16 15:23:59 JST Re 公式RT
  3. “”実験核物理の””学振DC1 通りました。残念ながら学振提出直後に進路を情報科学に変えたので、手続き次第では辞退します twitter.com/mikskw/status/…
  4. 学振PD採用内定もらいました。 がテンモンダイが受入じゃないので、、これは話し合いをしないと。。。 From: 730kou_haya at: 2017/10/16 15:00:41 JST Re 公式RT

学振制度の問題点

  1. RT @YOSIX_: @N_Y_Big_Apple 学振取れたら副業禁止なのに、副業がなければ生活が底辺というおぞましさ。しかも期限付き。日本が大事とか言ってるわりに、日本の科学者資源はないがしろにする。最後はこの国、科学に泣くと思う。 From: YuzukaMinaduki at: 2017/10/16 20:36:54 JST Re 公式RT
  2. 学振、研究に専念しなくちゃならないというのがなあ。もっと額増やして欲しいとみんな思っているんだろうけど昨今の学問に関する予算感を見ると希望もなさそうです。 From: salut_copain at: 2017/10/16 14:46:47 JST Re 公式RT
  3. 学振通ったら学費半額免除、落ちたら学費全額免除のジレンマ From: exotilium at: 2017/10/16 15:35:29 JST Re 公式RT
  4. RT @kida_yusuke: 学振、取ってしまうとアルバイトやめなきゃいけないので、採用期間終了後が大変。私の場合、学振DC2終わったあとは専業非常勤で食いつないだけど、あの2年間は本当にカツカツでした。
  5. 前回の学会で海外の先生に誘ってもらってて、学振に通ったのでお金の心配なくいけると連絡し日程等を相談してたんですけど、金額(月20万,副業不可)を伝えたら、これビザとるのにギリギリな額で、かなり厳しい生活になるっぽいし、為替相場によっては僕留学いけないっぽい(ウケる(ウケない)) 
  6. タイムラインに学振の結果発表がでてるけど、自分が知ってる限り額がこの20年は額が変わってないぽい。。デフレのせいといえばそうだけど、流石に最近のインフレ分ぐらいは反映してもよいのではないだろうか… From: hamayou at: 2017/10/16 23:06:32 JST  Re 公式RT
  7. いずれにしても、うちの大学の事務は「海外出張禁止」にこだわっているので、ぼくは今年は応募できない。大学側が知らないふりして応募しても学振側は特に気にしない、ということが過去に何度もあったというのに(自分が聞いただけでも数件あるので、実際はその数十倍の数では?)。From: goeland_argente at: 2017/10/18 20:20:46 JST Re 公式RT
  8. 科研費も学振も、採用者も不採用者も点数だけでなくコメントを見せてほしい。関係者に要望したら、検討しているとは聞きましたが。 From: esumii at: 2017/10/18 10:56:16 JST Re 公式RT

日本の大学院生・ポスドク支援制度の問題点

  1. RT @ronbunwokaku: 学振に通ったのだけど、日本での博士課程学生の扱いがどんなものなのかを採用率から分からされて、めでたい気持ちにならない。 From: bananataisi at: 2017/10/16 18:16:54 JST Re 公式RT
  2. 学振や科研費、大学の予算配分の問題を考える時いつも思うのは当事者である研究者や院生やポスドクはそういうアドボカシーに割く余力が無いんだよね。 ブラック企業と同じで、それに立ち向かう力を潜在的に最も持つのは当事者なんだけど、それが出来る状態ではなかったり視野の外にある。 From: salut_copain at: 2017/10/16 18:07:02 JST Re 公式RT
  3. RT @yoh2: 学振なんて縁がなかったから(出してはいたけど)博士んときは深夜バイト(23-5時)で食いつないでた。丈夫で健康なわがままボディに感謝したい。 From: saiteejin at: 2017/10/16 20:23:04 JST Re 公式RT
  4. RT @Uncopolymer: 学振の当落を高みから観察するパーマネント勢 From: tjmlab at: 2017/10/16 20:22:49 JST Re 公式RT
  5. バイト先は院に入るときに(大学の)先輩から受け継ぎ、学振を取ってまた後輩に受け継ぐというのをもう20年近くやっており、今年も1人学振に通り、辞める事になった。 自分がここに勤めてから3人目だ。 From: yudai_TNB at: 2017/10/16 20:28:39 JST Re 公式RT
  6. 「学振というのは院生間に格差と妬みを生じさせる非常に不公平な制度なので、全ての博士課程の学生を対象にした給付型奨学金の拡充を図るべきである」(半分冗談半分本気) 

学振を取ったことにより生ずる変化

  1. 学振受かった。これで本屋で三時間迷ったあげく、震える手で本を書棚に戻し、絶望感に浸りながら帰路に着くことがなくなる。 54分前
  2. 学振を担保に結婚する人多いよな 
  3. 学振もらった後の大学内待遇はいくつかあって,某大学では学振取ったら学費免除+学内表彰で報奨金出すことにより,学振富豪が誕生することもある. From: m_morise at: 2017/10/16 18:01:53 JST Re 公式RT
  4. RT @tkmpkm1: そういえばかなりの地方の人たちが「学振通ると、学振太りする人が出てくる」とか言ってたが、そうなのか・・。 From: Ag_smith at: 2017/10/16 18:35:19 JST Re 公式RT
  5. 学振がいかに少なくて悲惨かという話をする人が多数なんだけど、学振富豪なり学振太りなりいろんな方もいるようです。すべてはどこに住んでいるかに依存。 From: tkmpkm1 at: 2017/10/16 18:12:19 JST Re 公式RT

博士課程教育リーディングプログラムやその他の制度と学振の制度について

  1. RT @namicha_1: 東大工学系研究科の場合、学振と金銭的に同等の奨学金やらRAやらの募集が毎週のようにあるのが進学してから分かってとても驚いた。しかもほとんどが学振持ちの人は応募できないから競争率も低そうだし、単純に金銭的な問題でいえば学振に落ちてもそんなに困らなそう… From: kyama0321 at: 2017/10/16 18:00:28 JST Re 公式RT
  2. @takanzai 噂ではリーディングだけならうちの学費全額免除が通るけれど、学振に通ると半額免除までしかいかない、とか、後リーディングはバイト可能かどうかとか……。 From: Ag_smith at: 2017/10/16 17:44:03 JST Re 公式RT
  3. 学振+リーディング大学院で月40万にならないと言っていましたがどういう計算になるのですか? — 多分リーディング大学院のお金は停止されて、学振の月20だけになるんだと思います。 l.ask.fm/igoto/45DKECN7…
  4. RT @tomatoha831: 学振DC1(月20万)+リーディング大学院(月20万)≠(月40万)が成立しないアカデミックの闇 From: ray_yut at: 2017/10/16 15:09:34 JST Re 公式RT
  5. リーディングの人が学振とっても、どちらかの枠や支給金がふえるでもないし、結局金を宙に浮かせているだけなのでは、という反省を誰かして、どうぞ。 From: N_Soma_ at: 2017/10/16 14:53:55 JST Re 公式RT

学振制度とポスドクの雇用

  1. 学振PD、この時期に決まるんですね。受け入れラボになってて申請した人が落ちちゃったとしたらみんなどうしてるんですかね?普通にポスドクで雇えるラボはそんなに多くないですよね…。 From: kuzukz801 at: 2017/10/16 14:32:50 JST Re 公式RT

学振の競争率について

  1. 学振、狭き門だなあ From: kdxu at: 2017/10/16 14:29:22 JST Re 公式RT
  2. むしろ同期で学振通った人誰なんだ From: PhiEle at: 2017/10/16 14:48:51 JST Re 公式RT
  3. RT @__1GO__: 学振採択率30%くらいなんだから、博士課程進学者を今の30%にして全員学振研究員にして、ポスドク問題も解決 From: sasa_tsuki_ at: 2017/10/16 18:46:39 JST Re 公式RT
  4. RT @autotaker1984: 学振PDの採択率が40/230位らしいと聞いてやはり狭い門だなあというのと、全国で230人くらいしか申請しないのかという驚き。 From: wanimaru47 at: 2017/10/16 14:28:17 JST Re 公式RT
  5. 学振PD、今年の申請者数は2223人でした。jsps.go.jp/j-pd/pd_sinsei… 実際に申請した人は分野内の採用/面接/分野全人数が分かりますが、それによれば今年の1次採用は15〜16%、面接候補は10〜11%のようです… twitter.com/i/web/status/9…

学振の通りやすさについて

  1. やっぱうちは学振強いな From: yves_twit at: 2017/10/16 14:27:33 JST Re 公式RT
  2. T研初の学振落ちマンにならずに済んだ From: _TomoyoSakagami at: 2017/10/16 15:46:54 JST Re 公式RT
  3. 学振なんて取れなくて普通とかいいますけど、知り合いのD進勢は取っている方が多いような気さえするのですが、、、 From: PAM1934 at: 2017/10/18 02:15:34 JST Re 公式RT
  4. 私も出身ラボの先輩後輩に学振マンいない。 From: MarunouchiPanda at: 2017/10/17 23:59:19 JST Re 公式RT
  5. @salut_copain それはある程度存在するかと。やはり学振合格者の多い研究室だと合格率は高いと感じます。 From: ilya_une_trace at: 2017/10/16 17:47:12 JST Re 公式RT
  6. これ、やっぱりでかいと思うRT 学振のノウハウは強い研究室に蓄積されていって、過去とった人が一人もいない研究室と年々差がついていく
  7. うちの大学でも死に物狂いで頑張れば、学振のDC1とPDにストレートで採択されるってことを証明できたぞ! ただ、本当の意味で何回か死にかけるぞ! #学振 #学術振興会 #特別研究員
  8. 学振についてこんなに微妙な気持ちなの私だけだろうな。でも、・研究分野が修士博士で異なっても採用され得る・主語に「私」を使っても大丈夫。が証明された。From: givemesalary at: 2017/10/16 14:15:51 JST Re 公式RT

学振の審査基準について

  1. 学振落ちた。業績点が低かったので、まず論文通るように頑張る。他の項目は思ったより点数が高かった。そこはボスと同期による絶大なる添削のおかげだと思う。 From: keipon33 at: 2017/10/16 19:25:47 JST Re 公式RT
  2. 開示結果によると研究計画が足を引っ張っていた様子。他は半数の審査員が4以上を点けていたようだ。もう学振pdには出せないはずだけど、次からは他の書類にこの反省を生かそう。。 From: Milchspeise at: 2017/10/16 18:45:35 JST Re 公式RT
  3. 論文1本くらいじゃもはや学振は無理ゲーじゃのう… From: drk0311 at: 2017/10/16 15:17:13 JST Re 公式RT
  4. 「成果が全て」というのをつよく思い知らされた1週間だったと言えそうです。 得点としては 能力、将来性 3.83 実績 2.83 計画 4.00 総合 3.17 で不採用Bでした。 実績がなければ、授業料免除も通らないし学振も通らないな、と。正直、きついです。 From: ATS31tuat at: 2017/10/16 14:59:23 JST Re 公式RT
  5. 知り合いらの学振結果全然predictできなかった。 From: takeuchi_fr at: 2017/10/16 14:58:30 JST Re 公式RT
  6. 学振DC1で論文がないと厳しいとか…、意味が分からんけど現実なのよね。 確かに私の時代じゃ学会発表があれば十分戦えたね。 twitter.com/kuzukz801/stat… From: kuzukz801 at: 2017/10/16 14:47:41 JST Re 公式RT
  7. 学振については「不思議の採択なし、不思議の不採択あり」なので、まあどっちにころんでもがんばれ。 From: kosukesa at: 2017/10/16 14:45:03 JST Re 公式RT
  8. 周りの人見てると優秀っぽい人でも学振落ちてたりするのである一定ライン超えたらガチャっぽいな From: kdxu at: 2017/10/16 14:36:17 JST Re 公式RT
  9. 学振の落選ハガキ5回くらいはもらってる。応募できる学年の時には必ず応募した。でも審査員やってる先生にどんなに面白い研究でも論文が少ないと通らないよと教えてもらって、PDになったら論文を書く/添削する能力が足りなくて、研究者は無理だなと思った。方針転換して会社員になってよかった。 From: kotokotora at: 2017/10/18 10:17:04 JST Re 公式RT

学振総合スレ Part74 http://ai.2ch.sc/test/read.cgi/rikei/1507873146/

結果:(面接/面接免除/不採用A~C)
資格:(DC1/DC2/PD/SPD/その他)
系別:
分科と細目:
業績:
学位の有無(PD以上):(満退/博士見込み/博士)
出身大学:
受入先:(出身研究室/他研究室/他大学・機関)
指導教員の知名度(出身):
指導教員の知名度(受入):
出願回数:
コメント:

学振制度との距離感

  1. 学振、存在すら知らずに博士進学してた。 From: Reseaercherwat1 at: 2017/10/16 15:23:25 JST Re 公式RT
  2. 論文出ないだろうからDC2も無理だろうなーって思うと、来年また学振書くモチベが皆無 From: Ryokuhu at: 2017/10/16 15:17:02 JST Re 公式RT
  3. 学振PDに至っては出してすらない(業績的にまず無理) From: nayutime at: 2017/10/16 14:57:58 JST Re 公式RT
  4. 学振に落ちたものはまだ幸いである。修士・博士課程の中で学振の話を一切聞かなかったものに比べれば。 From: ponilong at: 2017/10/16 14:42:35 JST Re 公式RT
  5. Fラン私大から出てきた私は当然学振なんて言葉知らなかったなぁ。 twitter.com/KazuSamejima/s…
  6. なんなら学振という制度をM2のときに知った。さらに研究者は学会に出て論文を書く義務(?)があることもM2のときに知った。偏差値の低い大学にいたから、そういう文化も知らずにギャップに苦しんだ。本当に浅学だった。GPAさえあればいいと思ってた。
  7. 学振の存在すら明らかにしてくれない地方無名私大です。掲示板にでてもいません。来年…応募しても落ちるけどやってみるか…。私を置いて指導教員は一年海外に行ってしまいますが。生きる術をください From: mo00onmoon at: 2017/10/17 11:48:02 JST Re 公式RT

学振が全てではないことについて

  1. 私は学振通ってないが、なんとかなっている。 From: borylation at: 2017/10/16 19:32:24 JST Re 公式RT
  2. ちなみに僕は学振応募したものすべて落ちて今がありますから(笑) From: mohzeki222 at: 2017/10/16 14:55:01 JST Re 公式RT
  3. D3のとき学振PDに落ちたので、台湾でポスドクをさせてもらい、そのまま落ち着いてしまった。もし採用されていたら、台湾に来ていなかったかもしれない。 From: TheorEcoLab at: 2017/10/16 15:47:32 JST Re 公式RT
  4. 学振に通らなかったからアメリカに行かざるを得なかったし、それで良かった。で、その結果今に繋がってる。何が幸いするか、災いするか分からない。 twitter.com/borylation/sta… From: TakaraLab at: 2017/10/16 21:46:28 JST Re 公式RT
  5. 今日は学振の結果発表の日なのか。自分は学振は全て不採択だったので心の深いところが痛む日だ。でもなんとか研究者として生き残っている。不採択だった人は今日は残念会ということでまた明日から頑張ろう。それにしても研究アピール能力ばっかりが重視される時代になったな。そして論文数は減少傾向だ From: silver_plasmon1 at: 2017/10/16 14:28:07 JST Re 公式RT
  6. 甲子園で活躍できないからってプロ野球で通用しないってことじゃないんだから 学振落ちたからって才能ないかも…とかで研究辞めるってことないといいな From: statistic_fox at: 2017/10/16 14:17:07 JST Re 公式RT
  7. 私の周辺では学振なし、アルバイトでコースを乗り切った博士が何人もいるが、すべてアカポス(テニュア)か企業の主研についている。精神的強靭さが職場でも役に立っていると思う。 twitter.com/ibarakistan/st…
  8. 「学振に落ちてもオレ生きてる」系の励ましツイートを見て、学振に全く縁がなかった身としてそれはそうだと感じつつ、学振の結果とかどうでもいいから論文をたくさん書かないとよっぽど後悔するということはぜひ伝えたい。しばしば後悔しているから。

「学振に落ちたからもう自分はダメ」

「学振に受かったから自分は研究者に適性がある」

本当にそうでしょうか?これまでの過去の風潮、業界の風習に縛られてはいませんか?

 

個人的には、科研費や学振でのパイの奪い合いをやるよりも、自分で稼ぐ力を付けて 他の研究者や学生で学振が必要な人が取ればいいやという考えになっています。

(学振に落ちた君へ 異端者からのメッセージ ちらのネットビジネスラボラトリー 更新日:2017年10月17日)

学振経験者のキャリアパス

  1. そういえば今気が付いたが、俺の先輩後輩で学振DC1/2の受給者のうち、少なくとも半分は、博士卒で民間か、それともポスドクの後民間に行ってる。まさしく時代を反映しているようだ。

研究者という人生

  1. 日本のアカデミアを目指すってことは,学振相当の門を毎年数回は叩く生活になるんで,そういうことでメンタルが消耗する人には向いていないような気がします(研究者以外でも同じような世界な気はするけど,ストレスの多寡は比較できません). From: m_morise at: 2017/10/16 18:39:26 JST Re 公式RT
  2. RT @StockAndScience: 要するに、学振受かったら、純粋におめでとう。 一方で、学振落ちたとしても、落ちたことをエネルギーにできない人間はアカデミアはもちろん、どこにいっても通用しないから、エネルギーと思って頑張れということ。 From: SSeiya60260 at: 2017/10/16 14:31:10 JST Re 公式RT

研究者の過酷な状況

  1. 学振通るほど有能な大学院生に月20万しか出せない(保険・年金は自腹、雇用保険も無し)っての見ると力抜けてくな From: km1n_st3 at: 2017/10/18 00:01:33 JST Re 公式RT
  2. 日本の博士課程は学振とって月20万(副業は基本禁止)ー学費55万・税金やぞ From: sterblichmaiden at: 2017/10/17 08:24:09 JST Re 公式RT
  3. あーあー学振受かったら歯を直そうと思ったのに。 From: hpo11043 at: 2017/10/18 04:47:41 JST Re 公式RT
  4. 学振通ったのでバイトできません!すいません!ってバイト辞めたかった…来年また頑張る From: mgk0 at: 2017/10/16 14:28:51 JST Re 公式RT
  5. RT @Hori_alpaca: 親に博士行くなら学振取らないとなと圧をかけられつつもなんとかDCをとって交わしたと思いきや,研究で生きて行くなら早くパーマネントを取らないとなとまた圧をかけられる人生だった. From: Life_Gackt at: 2017/10/16 17:52:22 JST Re 公式RT
  6. 学振とかいうやみ From: ossangairu at: 2017/10/16 15:28:41 JST Re 公式RT
  7. RT @toritorix: 考えてみると,学振とれない方が生活は安定している気がするし,学振とれた方が将来活躍できるという定量的評価を見たことがない. From: kida_yusuke at: 2017/10/16 14:54:41 JST Re 公式RT
  8. 学振採用おめでとうなんてとても言えね… From: FaLiP_lvsg at: 2017/10/16 14:40:03 JST Re 公式RT
  9. 学振より安心が欲しい。 学振あっても仕事がないんじゃね… From: _yavailable_ at: 2017/10/17 23:39:55 JST Re 公式RT

学振の想い出

  1. 学振の結果が入った私宛の封筒が師匠のメールボックスに来たとき、師匠は待ちきれず「開けても良いか」と電話がかかってきたのは良い思い出です。あの頃はキラキラしていたけど、今は何だかなぁ..From: h_oyakata at: 2017/10/18 16:42:16 JST Re 公式RT
  2. 学振の発表あったのかー思い出がいっぱいで胃が痛い From: azitukemoyashi at: 2017/10/16 18:14:05 JST Re 公式RT
  3. RT @kosukesa: 学振といえば、面接のために上京してせっかくだからと翌日のゼミをサボって都内にしかない珍しいパチンコ台打って帰ったんだけど、面接官が師匠の知人で「面接日程を伝え聞いたけど早々に終わってたらしいじゃない、なにしてたの」と詰められたって話があってですね From: riet911 at: 2017/10/16 17:50:36 JST Re 公式RT
  4. ここだけの話をしますが学振はDC1, DC2ともに応募すらしたことありません。無理だと思っていたし言われてもいたしで。なのでそれに応募して採用されなかった人がこの世の終わり的なリアクションをしたり全否定されたかのような反応をしたりするのは自分には異世界の話のよう From: uger_san at: 2017/10/16 14:58:58 JST Re 公式RT
  5. そういえば、今の学振の発表ってWebで行われるんでしたっけ?私の頃は、郵送されてきたんですよ..葉書だと不採用、厚い封筒だと面接(面接の詳細が付いてくる)、薄い封筒だと面接せずに採用だったので、封筒を見るまでもなく結果が分かりました。 From: h_oyakata at: 2017/10/18 16:35:53 JST Re 公式RT

学振不採用の結果、岐路に立たされることについて

  1. 改めて、学振落ちました。 来年からどうするかはこれから考えます。 From: nyann_kichi at: 2017/10/16 17:40:10 JST Re 公式RT
  2. 学振。妥当な結果だったけど、「落ちたんで仕事ください」って言ったら、「すぐ履歴書送って」って返事がきたから、なんか食ってける気がする\(^o^)/ From: Spr0utlings at: 2017/10/16 16:14:38 JST Re 公式RT
  3. 学振落ちたけど、さてどうしたものかな From: Lbfuvab at: 2017/10/16 15:10:52 JST Re 公式RT
  4. 学振落ちてスタートアップに貢献してオキュウリョウもらって圧倒的成長するのもありと思いませんか From: CeleuC at: 2017/10/16 14:44:12 JST Re 公式RT
  5. 学振通ったら内定蹴ります勢は今もしかしたら絶賛内定辞退電話中なのかも知れない From: roger_titech at: 2017/10/16 14:43:50 JST Re 公式RT
  6. 学振落ちて就活する勢 From: wxy40 at: 2017/10/16 14:26:37 JST Re 公式RT

大学院生・ポスドクが経済的に困難な状況に置かれていることに対する揶揄

  1. 朝からずっとどうして学振落ちると航空会社に行く流れができているんだろうと思ったけど調べてみたらそうじゃなかった。。。 From: marineozz at: 2017/10/16 20:01:13 JST Re 公式RT
  2. 「学振落ちたら体を売ろう(意訳)」ってあまりにも激ヤバすぎでは From: __Nyaka at: 2017/10/16 14:43:15 JST Re 公式RT
  3. 学振落ちたら風俗落ちの世界ヤバすぎでは? From: ma_ttsu_n at: 2017/10/16 14:16:23 JST Re 公式RT
  4. RT @m43net: 学振に 落ちたらVanillaで 高収入 From: lhipelal at: 2017/10/16 14:16:09 JST Re 公式RT
  5. RT @Uncopolymer: バーニラ!バニラ!バーニラ!学振♡♡ バーニラ!バニラ!収入~⤴︎⤴︎ From: al_qrantz at: 2017/10/16 14:16:08 JST Re 公式RT

学振焼肉について

  1. RT @groebner_basis: 「学振が採れた」と君が言ったから 10日16日は焼肉記念日 From: j_u_pd at: 2017/10/16 17:45:10 JST Re 公式RT
  2. 学振焼肉ってツイッタランドでしか見聞きしたことがない From: airslave_of_cat at: 2017/10/16 16:09:47 JST Re 公式RT
  3. まさか勘違いしている人がいるとは思わなけど、念のために言っておくと、学振焼肉とは「学振受かった人、学振に挑戦したけどダメだった人に、何はともあれおつかれ」という気持ちを込めて周りの人が焼肉を奢ることですよ? From: m_ishihata at: 2017/10/16 14:39:43 JST Re 公式RT
  4. 私の周辺にはそういう神話はなかったようで、先輩後輩が学振DCPDとったときも、私自身がDCとったときも、焼肉をごちそうされたりしたりはしませんでした。が、全員アカポスについているので反例を4つ提出しておきますね。 From: keigomi29 at: 2017/10/16 14:33:11 JST Re 公式RT
  5. RT @Schwarzeon: 学振を全額焼肉をおごるのに使った博士学生は今や一流大学のエースとして教授職に就いているし、学振で焼肉をおごるとアカデミック職が手に入るかもしれないですよ From: Yatu_Walker at: 2017/10/16 14:28:11 JST Re 公式RT
  6. RT @qqyyyaaa: 学振PD、面接免除で採用されました!(:D でも焼肉はきらい…。 From: SendaiHisCafe at: 2017/10/16 14:26:58 JST Re 公式RT
  7. 学振通ったらおごるという伝統はあるらしい・・・・ twitter.com/gin_chaku/stat…
  8. RT @Fm7: (学振を取った皆さん…今皆さんの頭の中に直接語りかけています… 焼肉です…焼肉を周囲に振舞うのです… 学振に採用されたにも関わらず論文が出せず消えていった先人は焼肉を振舞うことを怠ったのです… そのような目に逢いたくなければお世話になった人全員に焼肉を振舞… From: tamio0524 at: 2017/10/16 14:15:41 JST Re 公式RT

祝福

  1. 後輩「おめでとうございます!!!ところで学振って何すか??」
  2. 学振通った人おめでと〜〜 From: tjmlab at: 2017/10/16 18:59:11 JST Re 公式RT
  3. 学振に通った方々,おめでとうございます。 From: FUJIKIDaisuke at: 2017/10/16 15:16:14 JST Re 公式RT
  4. ともあれ、学振に通った学生諸君はおめでとう。 From: tkmpkm1 at: 2017/10/16 14:37:24 JST Re 公式RT

 

参考

  1. twitter ツイッター検索 (t-proj.org) “学振”
  2. 「学振」のYahoo!検索(リアルタイム)
  3. 学振焼肉2015 (togetter)
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平成29年度CREST 新規採択課題が発表される

平成29年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)の新規研究課題がJST CRESTのウェブサイトにて発表されました。

研究領域

閲覧の便宜を図るため、PDFをHTML化して、以下に転載します。

戦略目標:「実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発手法の構築」 研究領域:「実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新」
研究総括:細野 秀雄(東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)

       氏名

所属機関

役職

課題名

宇佐美 徳隆

名古屋大学 大学院工学研究科

教授

多結晶材料情報学による一般粒界物性理論の 確立とスマートシリコンインゴットの創製

大場 史康

東京工業大学 科学技術創成研究院

教授

データ駆動型材料探索に立脚した新規半導 体・誘電体の加速的開拓

清水 研一

北海道大学 触媒科学研究所

教授

触媒インフォマティクスの創成のための実 験・理論・データ科学研究

中嶋 健

東京工業大学 物質理工学院

教授

熱可塑性エラストマーにおける動的ネットワ ークのトポロジー制御

水上 成美

東北大学 材料科学高等研究所

教授

計算科学を用いた磁気抵抗スイッチ素子基盤 材料の創出

<総評> 研究総括:細野 秀雄(東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)
日本の強い製造業を支えてきた材料研究の強さが失われつつあります。また、米国で始まったMaterials Genomeに代表される新しい研究手法が欧米や中国で急速に進展しています。本研究領域では、 これらを背景に強い実験とデータ科学や物性理論や数学などを横串として駆使した、日本らしい新しい材料研 究の手法の確立を図るのが目標です。具体的には、世界に勝てる新しい材料研究のやり方を、重要性の高い材 料の開発に挑戦することで、ケーススタディとして社会に提示することを目指しています。

本研究領域は今年度の発足で、公募情報公開から締切までの準備期間が限られていたにもかかわらず、幅広 い材料・物質分野から60件の応募を頂きました。
選考にあたっては、公募要領や説明会で示した次の5つの観点に注目し、提案の評価を行いました。
1.これまでに無い新しい材料開発手法の提案となっているか
2.研究のアウトプットである、重要な「材料」が具体的に明記されているか
3.物性理論の裏付けのある革新的な計算科学的手法やデータ科学的手法を用いた提案となっているか
4.チーム体制の独自性と強みについて(特に実験研究者)、明記されているか
5.研究代表者が次世代の材料開発を担う人材として適切であるか

選考は12名の領域アドバイザーの協力を得ながら、厳正かつ公平に進め、12件を面接選考の対象とし、 その中から革新的な材料開発手法の構築が期待される5件の提案を採択しました。今回の選考では、分野別に 件数を決めずにより優れた提案を採択するという方針を採りました。その結果、採択されたテーマはスピント ロニクス、半導体・誘電体、触媒、結晶成長、高分子に分類されます。

選考を終えた印象としては、第一に気鋭の研究者からの従来の材料研究とは大いに異なるチーム編成での提 案が多数に及んだことです。採択に至らなかった提案の中にも、これまでの材料開発研究では殆どみられなか ったチーム編成での興味深い研究提案が数多くあり、今年度提示された戦略目標の重要性をあらためて認識し ました。一方で、学術的には重要で興味深いものの、基礎的なレベルの物質研究にとどまっている提案は、本 研究領域の趣旨に合致しないので、残念ながら不採択としました。第二に、初年度であったためかデータ科学 や物性理論などとの連携が形式的で、有機的に連携しブレークスルーを狙うという具体的な提案が少なかった ことです。すなわち、データ科学などで分析した結果を実験にフィードバックし、独自のアプローチを行うこ とで材料研究者の本来の腕を試したい、という強い意欲が伝わってくる提案がもっと欲しかったということです。 本研究領域は平成30年度、31年度も公募を予定しているので、リスキーであっても成功すれば、世界をリードできる材料創製をターゲットとした意欲的な提案を期待します。

戦略目標:「材料研究をはじめとする最先端研究における計測技術と高度情報処理の融合 研究領域:「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」 研究総括:雨宮 慶幸(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
副研究総括:北川 源四郎(明治大学 先端数理科学インスティチュート 所員)

       氏名

所属機関

役職

課題名

岡田 真人

東京大学 大学院新領域創成科学研究科

教授

ベイズ推論とスパースモデリングによる計測 と情報の融合

高田 彰二

京都大学 大学院理学研究科

教授

高速原子間力顕微鏡 1 分子計測のデータ同化に よる生体分子 4 次元構造解析法の開発

平田 直

東京大学 地震研究所

教授

次世代地震計測と最先端ベイズ統計学との融 合によるインテリジェント地震波動解析

向川 康博

奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科

教授

多元光情報の符号化計測と高次元化処理の協 調設計

矢代 航

東北大学 多元物質科学研究所

准教授

超圧縮センシングによるミリ秒 X 線トモグラフ ィ法の開発

<総評> 研究総括:雨宮 慶幸(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
本研究領域は、計測・解析技術の深化による新たな科学の開拓や社会的課題の解決のために、多様な計測・ 解析技術に最先端の情報科学・統計数理の研究を高度に融合させることによって、インテリジェント計測・解 析手法の開発とその応用を目指します。

本研究領域は平成28年度に発足し、今回は第2回目となる募集でした。応募説明会 では、「これまでの計測 技術の高度化・高分解能化だけでは超えることが困難な計測限界(課題)を、高度情報処理(情報科学・統計 数理)との融合により突破(問題の解決)して、新たな物理量・物理状態・潜在要因を検出することを可能に し、物質・材料をはじめ、生命・医療・創薬、資源・エネルギー、地球・宇宙の広い分野にわたる出口で、イ ンパクトのある研究成果に繋がるテーマを期待している」ことを説明しました。本研究領域の情報は下記のU RLに掲載しています。
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah28-3.html

書類選考および面接選考では、下記の観点で評価を実施しました。
① 新たに捉えようとする計測対象が具体的であり、具体的にどのような計測限界を突破しようとしている のか。また、それにより、どのようなインパクトのある研究成果が生まれるのか。
② 計測技術と情報科学の研究者が、各々高いレベルで緊密な協力関係を築いて融合研究を進める状況が整 っているか。

そして、総計67件の応募について、14名の領域アドバイザーと4名の外部評価委員の協力を得ながら厳 正かつ公平に書類選考を行い15件の面接課題を選び、その中から意欲的な提案を5件(融合アプローチ3件、 情報アプローチ2件)採択することができました。採択課題は昨年の6件と併せて11件になります。その分 野は材料、生命、医療、地球物理など広範であり、これだけ幅の広い課題の採択は学際的な本研究領域ならで はであり、計測と情報の融合を中心軸において、更には、さきがけの研究課題との情報交換もより密にして、 本複合領域全体の研究を推進して行きたいと思います。

書類選考や面接選考に至らなかった研究提案の中にも、研究レベルが高く、挑戦的な提案が数多くありま した。研究のビジョン(具体的な計測限界の突破)や融合の度合いを深化させて、再挑戦されることを期待し ています。

戦略目標:「量子状態の高度制御による新たな物性・情報科学フロンティアの開拓」 研究領域:「量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出」
研究総括:荒川 泰彦 (東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長)

        氏名

所属機関

役職

課題名

青木 隆朗

早稲田大学 理工学術院

教授

スケーラブルな光学的量子計算に向けた超 低損失ナノファイバー共振器 QED 系の開発

神成 文彦

慶應義塾大学 理工学部

教授

波長分割多重プログラマブル大規模量子シ ミュレータの研究

小坂 英男

横浜国立大学 大学院工学研究科

教授

ダイヤモンド量子セキュリティ

齊藤 志郎

日本電信電話(株)

NTT 物性科学基礎研究所

主幹研究員・特 別研究員

超伝導量子ビットを用いた極限量子センシ

ング

仙場 浩一

情報通信研究機構

未来 ICT 研究所

上席研究員

超伝導量子メタマテリアルの創成と制御

田中 歌子

大阪大学 大学院基礎工学研究科

講師

オンチップ・イオントラップによる量子シ ステム集積化

田中 雅明

東京大学 大学院工学系研究科

教授

強磁性量子ヘテロ構造による物性機能の創 出と不揮発・低消費電力スピンデバイスへ の応用

<総評> 研究総括:荒川 泰彦(東京大学 生産技術研究所 教授・光電子融合研究センター長) 本領域は、量子状態制御の物理と機能の探究、新たな量子情報処理、ならびに従来性能を凌駕する量子素子・
システム機能の実現を目指し、このたび2年目の研究課題の募集と採択を実施しました。募集は、昨年同様、 本領域の2本柱である“量子状態制御の物理の探究とその新しい源流の創出を計る「新しい源流の創出」”と、 “将来の社会・産業イノベーションを牽引する量子技術の実装に向けた「革新的システム機能の創成」”を基本 的な枠組として行いました。特に、本年度は、これまでの研究分野(量子計算、量子通信、量子計測)に加え、 それらの枠を超えた量子技術の開拓とその応用展開を目指す「新量子技術」の提案も期待しました。

本年度の募集では、光子、原子・分子、半導体、磁性体、超伝導体、生体分子など、実に様々な系の量子状 態制御・システムに関する提案が29件ありました。10人の領域アドバイザーの先生方と厳正なる書類なら びに面接選考を実施し、計7件の提案を採択しました。採択にあたっては、提案内容の学術的価値のみならず、 研究の独創性と提案者の熱意、ならびに提案が量子技術として将来的に社会的に実装できるかどうかについて も評価しました。結果として、量子計算、量子通信、量子計測、新量子技術の各分野の課題をバランス良く採 択することができました。研究対象となる量子系も、イオン、NV センター、超伝導体、光量子、磁性体など多 様であり、昨年度採択した課題と合わせて、領域全体として分野バランスと物理的多様性を兼ね備えた研究ポ ートフォリオを構築することができました。今回採択した課題が量子状態の制御の科学に新風を吹き込み、本 領域を学術的に豊かで技術的革新性にも富み、社会的に意義深いものとすることを期待します。

今回採択に至らなかった提案にも優れたものが数多くありました。量子状態制御の科学は新しい分野であり、その研究はこれまでに採択された課題の分野・内容に限定されるものではありません。今年度ご応募頂いて残 念ながら採択されなかった方々、そして今年度応募いただかなかった方々も来年度はふるって優れた研究提案 を本領域にいただければ幸いです。

量子状態制御の科学は日々進展する分野であり、今後科学技術・社会に大きなインパクトを与える可能性を 秘めています。量子状態制御の新しい物理の探求と量子技術の実装に向けた革新的システム機能の創成を通じ て、科学技術と社会の発展に貢献できるよう本研究領域を運営して行く所存です。

戦略目標:「新たな光機能や光物性の発現・利活用による次世代フォトニクスの開拓」 研究領域:「新たな光機能や光物性の発現・利活用を基軸とする次世代フォトニクスの基盤技術」
研究総括:北山 研一 (光産業創成大学院大学 特任教授)

          氏名

所属機関

役職

課題名

石田 康博

理化学研究所 創発物性科学研究センター

チームリ ーダー

殆どが水よりなる動的フォトニック結晶の開発 と応用

成瀬 誠

情報通信研究機構 経営企画部

プランニ ングマネ ージャー

ナノ光学と光カオスを用いた超高速意思決定メ カニズムの創成

野田 進

京都大学 大学院工学研究科

教授

変調フォトニック結晶レーザーによる 2 次元ビ ーム走査技術の開発

福田 大治

産業技術総合研究所 計量標準総合センター

研究グル ープ長

単一光子スペクトル計測によるイメージング技 術開発と細胞機能ヴィジュアライザの創成

藤 貴夫

自然科学研究機構 分子科学研究所

准教授

超短赤外光パルス光源を用いた顕微イメージン グ装置の開発と生命科学への応用

<総評> 研究総括:北山 研一 (光産業創成大学院大学 特任教授)
本研究領域では、応募される提案は次世代フォトニクスに関わる基礎的な学理の創造だけではなく、成果が 将来の社会・産業ニーズに応える「破壊的イノベーション」の創造に貢献できるものでなければならないこと を強調し、募集説明会において説明して参りました。また本研究領域が、ナノスケール領域における微細光加 工・計測技術開発、有機物や未知の半導体等の新物質・機能創成、バイオフォトニクス分野のセンシング・イ メージング手法の高度化、プラズモンなどの電子状態の観察手法やそのデバイス応用、アト秒領域の時空間計 測・制御技術、レーザ冷却、コヒーレント光通信におけるシャノン限界の実現など多岐にわたることを示し、 領域の趣旨に合致する提案を募りました。

さて最終回(3回目)となるH29年度の公募では、昨年度よりも多い57件の応募をいただきました。11名の領域アドバイザーとともに公平かつ厳正に書類選考し、13件の面接課題に絞り込み、最終的に単一光 子分光素子開発、赤外超短パルス光源開発、レーザー光の高速ビームステアリング技術開発、新たなフォトニ ック結晶材料、超高速意思決定に関する5件を採択しました。結果として競争率は3年連続して10倍(H27年度は16倍超)を越える難関となりました。選考に当たっては新規性や独創性、チーム編成、成果が近い 将来もたらす社会的インパクトを勘案し、さらには基礎研究と実用化の間に横たわる「死の谷」を越える道筋 と覚悟が示されている提案を厳選しました。

採択されなかった提案の中にも、目標が達成されれば環境問題、バイオ・医療などの身近な問題の解決につ ながる実用上重要な提案もありました。しかしながら、既存技術に対する優位性が明確ではない、期待される 社会へのインパクトが描き切れていないなどの理由により採択には至りませんでした。 今年度採択した5課題を含む16件の研究課題により、他の研究領域との連携を推進すると共に、世界の第一 線の研究グループとの交流を通じ、世界をリードする国際的共同研究体制の構築を目指します。これらの活動 は順次ホームページ等で報告していきますので、引き続き関心を持っていただければ幸いです。

戦略目標:「多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製」 研究領域:「多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術」
研究総括:上田 渉(神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授)

        氏名

所属機関

役職

課題名

片田 直伸

鳥取大学 大学院工学研究科

教授

メタンによる直接メチル化触媒技術の創出

高橋 啓介

物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門

研究員

実験・計算・データ科学の統合によるメタン変 換触媒の探索・発見と反応機構の解明・制御

松村 晶

九州大学 大学院工学研究院

教授

原子分解能その場観察解析に基づく触媒機能 の原理解明と革新的触媒創製

山下 誠

名古屋大学 大学院工学研究科

教授

超臨界メタンを基質兼媒質とした均一系・不均 一系触媒プロセスの開発

<総評> 研究総括:上田 渉(神奈川大学 工学部物質生命化学科 教授)
本研究領域は、多様な天然炭素資源をバランスよく活用できる将来の産業基盤の確立を目標に、その根幹をなすメタンをはじめとするアルカンガス資源を従来にない形で有用な化成品・エネルギーに変換するための革 新的触媒の創出を目的にしています。この目的のもと、2チームによる酵素系触媒研究、1チームによる錯体 系触媒研究、そして4チームによる固体系触媒研究、1チームによる計算化学の視点から本研究領域とさきが け領域にまたがり、各研究チームを支援する研究がすでに進行しており、革新的な触媒創出をめざした研究が 活発になされ、組織展開を期した体制を敷いています。

本年度にあたっては、本領域課題であるメタン利用触媒研究の拡充をさらに図りつつも、触媒機能あるいは 触媒物質自体の創出方法論の開発を指向した研究、特異なメタン反応場を与える新規な反応システム研究、ま たマテリアルズインフォマティクスを展開するなどして触媒インフォマティクスを構築し、新規触媒物質を創 出する研究、さらに環境 TEM や放射光などを用いたその場観察計測をベースにして、実触媒に近い環境下での 触媒機能のダイナミズムを理解、高度解析・予測することを主題にした革新的触媒を連携研究的に創出する研 究などを推進する方針のもと、研究提案を募集しました。このような中、本年度は28件の応募があり、いず れもメタン利用触媒技術開発への研究提案者の強い熱意と情熱を基盤にし、様々な角度からの飛躍的発想と挑 戦的創造を示したすばらしい研究提案がありました。応募された皆様に感謝いたします。

触媒分野を中心とした領域アドバイザー12名の協力を得て、これらの応募課題の選考を厳正かつ公正に進 め、4件の研究提案を採択しました。1つは固体系触媒研究で、ゼオライト物質に革新をもたらす物質研究と メタン活性化研究を実施するもので、メタン利用の化学を考える中で欠くことのできないゼオライト物質の新 展開を期すものです。物質研究のターゲットを限定した上記提案とは対極に、ハイスループット式触媒反応の ビッグデータ収集からなる触媒インフォマティクス構築により新規メタン選択酸化触媒を生み出す取り組み も採択しました。さらに、メタン超臨界というメタンが反応基質でもあり溶媒でもある特殊場を利用した反応 システムの応用基盤を構築する課題、および実触媒反応環境下での固体触媒の作用現場をみるオペランド分析 システムを構築・実施する課題を採択しました。特に後半2件はこれまで採択した課題すべてと連携し、研究 の新展開を図ることができるものと期待しています。

本研究領域の募集は今年度で終了となりますが、触媒革新への着実な道筋として必要な物質科学、生体化学、 物質情報科学、高度計算分析化学の参画が成立し、メタン反応のための触媒化学の学術と技術に革新をもたらす本格的な研究・連携体制ができたと考えています。これよりメタン利用革新的触媒創出を導く戦略的かつ挑 戦的な研究が本格スタートしますので、社会基盤の発展に貢献していけるようこの研究領域を運営していく所 存です。

戦略目標:「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」 研究領域:「細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出」 研究総括:馬場 嘉信(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)

        氏名

所属機関

役職

課題名

秋田 英万

千葉大学 大学院薬学研究院

教授

リンパシステム内ナノ粒子動態・コミュニケー ションの包括的制御と創薬基盤開発

秋吉 一成

京都大学 大学院工学研究科

教授

糖鎖を基軸とするエクソソームの多様性解析と 生体応答・制御のための基盤研究

澤田 誠

名古屋大学 環境医学研究所

教授

シグナルペプチド:細胞外微粒子機能の新規マ ーカー

福田 光則

東北大学 大学院生命科学研究科

教授

細胞外小胞の形成・分泌とその異質性を生み出 す分子機構の解明 ~人工細胞外小胞への展開

山下 潤

京都大学 iPS 細胞研究所

教授

分化再生と生体恒常性を制御するエクソソーム の新しい細胞同調機能の解明とナノ粒子による 生体機能制御への応用

吉森 保

大阪大学 大学院生命機能研究科

教授

オートファジーによる細胞外微粒子応答と形成

<総評> 研究総括:馬場 嘉信(名古屋大学 大学院工学研究科 教授) 本研究領域は、細胞外微粒子を対象として、それに起因する生命現象の解明及びその制御に向けた基盤技術の創出を目指し本年度より発足しました。細胞外微粒子は、環境中から生体内に取り込まれる外因性微粒子と 生体内由来の内因性微粒子に大別されますが、本研究領域は双方の微粒子研究のコミュニティの融合を特色の 一つとして掲げています。これは、お互いの知見の持ち寄りや課題を共有することで両者のシナジー効果を高めるとともに、これまでにない分野融合的・集学的な研究領域に発展させることで、新たな生命現象の解明や 革新的な技術開発の創出につなげていくことを狙いとするものです。具体的には、本研究領域の柱として、
「(1)細胞外微粒子の生体・細胞への取り込み、体内動態の理解に基づく生体応答機序解明」、「(2)細胞外 微粒子の検出・分離・計測・解析に係る基盤技術の創出及び高度化」、「(3)細胞外微粒子の体内動態制御に 向けた基盤技術創出への展開」の3つを据えて研究開発を推進します。

本年度は、上記3つの柱のうち少なくとも2つは取り込んだチーム構成での提案募集を行い、総計79件の 応募がありました。今回のCRESTで募集を行った研究領域の中では最多の応募数であり、本研究領域への 注目度の高さが伺えました。選考では、「内因性と外因性の融合との親和性や本研究領域への波及効果の面か ら戦略目標の達成にどのように貢献できるか」、「新たな『微粒子研究』の突破口となるポテンシャルを有して いるか(従来の研究の延長に留まっていないか)」、「チャレンジングなテーマについては、予備データの提示 等その実現可能性についても考慮する」といった観点を重視しました。そして、12名の領域アドバイザーの 協力を得て、厳正かつ公平に選考を進めた結果、12件の研究提案に対して面接選考を行い、多くの優れた提 案の中から外因性微粒子研究と内因性微粒子研究の融合に大きく貢献するブレークスルーをもたらすと期待 される意欲的な研究提案を6件採択いたしました。

一方で、厳しい競争下での選考において、残念ながら不採択となった提案の中には、社会的にも意義のある重要なテーマに取り組んでおり、ポテンシャルの感じられる意欲的な研究提案も多くありました。このうち、 外因性微粒子を対象とした提案には、優れた基盤技術を有するものの、生体応答解析の観点で踏み込みが今一 歩不足しているといった提案もありましたので、研究提案内容やチーム編成も含めて今一度ご検討いただき、 是非、来年度の再提案を期待しています。また、来年度は、外因性微粒子・内因性微粒子の研究を融合したチ ーム構成による研究提案を歓迎いたします。細胞外微粒子の研究領域は、非常に幅広い分野の研究者の方々が 関わっており大変競争の厳しい分野ではありますが、今年度残念ながら採択されたかった方々、さらに今年度 応募いただかなかった方々も来年度ふるって本研究領域に応募いただければ幸いです。

戦略目標:「生命科学分野における光操作技術の開発とそれを用いた生命機能メカニズムの解明」 研究領域:「光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用」
研究総括:影山 龍一郎(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授)

        氏名

所属機関

役職

課題名

礒村 宜和

玉川大学 脳科学研究所

教授

シナプス光遺伝学を用いた脳領域間シグナル伝 播機構の解明

小澤 岳昌

東京大学 大学院理学系研究科

教授

定量的光操作と計測技術を基軸とする生体深部 の細胞応答ダイナミクスの解析

神取 秀樹

名古屋工業大学 大学院工学研究科

教授

細胞内二次メッセンジャーの光操作開発と応用

野田 昌晴

自然科学研究機構 基礎生物学研究所

教授

オプトバイオロジーの開発による体液恒常性と 血圧調節を司る脳内機構の解明

和氣 弘明

神戸大学 大学院医学研究科

教授

ホログラム光刺激による神経回路再編の人為的

創出

渡邉 大

京都大学 大学院医学研究科

教授

自由行動下での神経情報操作・解読技術の開発 と意思決定の神経基盤解明への応用

<総評> 研究総括:影山 龍一郎(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授) 本研究領域は、光操作技術の開発および応用による生命機能の高度理解と制御を目的として昨年度に発足しました。光操作技術の開発を推進することで、生体に対する侵襲性および操作と観察範囲の局所性といった課題を克服し、これらの技術開発をもとに複雑な生体システムの理解と制御を目指します。 研究提案募集の2年目となる今回は28件の応募があり、いずれもレベルの高い内容であったことから、研究課題を選考するにあたって非常に苦労いたしました。提案内容の多くは、新規技術開発から光操作技術と観 察技術との連携構想、複雑で巧妙な生命原理の理解と制御など、領域の目標に合致するものでした。

これら28件の応募に対し、生命科学、イメージング、光操作などを専門とする11名の領域アドバイザー の協力を得て選考を進めました。各研究提案に比較的近い分野を専門とする領域アドバイザー5名が提案書類 の査読をし、それらの書面評価に基づいた討議を通じて、12 件の面接選考対象課題を選定しました。面接 選考では、領域アドバイザーの意見を踏まえ、最終的に6件の研究提案を採択しました。選考の全過程を通し て、JSTの規則に基づき、利害関係にある評価者の関与を避けた厳正な評価を行いました。

選考にあたっては昨年同様、領域の趣旨に合致している提案の中で、選考方針である以下の視点を取り込ん だ提案を特に重視しました。
・提案した観察技術あるいは光操作技術でしか解明できない生命機能を含むこと。
・既存技術ではなく新しい技術を開発し活用していること。
・最適な研究実施体制であり、研究構想の実現に必要な手掛かりが得られていること。 採択に至らなかった提案の中にも、重要な生命現象を取り上げたもの、独自性の高いアイデアに基づくもの
など、優れた提案が多くありました。しかしながら、そのような提案であっても、新規技術開発の要素が不十分と思われるもの、予備データ等が不足し実現可能性が不明確なもの、あるいは生命機能の解明に焦点が合っていないものは不採択としました。残念ながら不採択となった研究提案者におかれましては、今回の不採択理由を踏まえて研究提案を再考され、是非来年度に再応募していただきたいと思います。

今年度は、光操作技術があまり浸透していない生命現象へ応用する提案もありました。最終回となる来年度の募集では、引き続き既存技術では解析できなかった生命現象の理解と制御につながるような革新的な提案を期待しています。特に、様々な分野に応用できる汎用性の高い技術を含み、領域内外の研究との連携に意欲的 な提案を期待します。

戦略目標:「気候変動時代の食料安定確保を実現する環境適応型植物設計システムの構築」 研究領域:「環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出」
研究総括:田畑 哲之((公財)かずさDNA研究所 所長・副理事長)

        氏名

所属機関

役職

課題名

宇賀 優作

農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター

上級研究員

ROOTomics を利用した環境レジリエント作物 の創出

杉山 暁史

京都大学 生存圏研究所

准教授

根圏ケミカルワールドの解明と作物頑健性制 御への応用

中川 博視

農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター

ユニット長

ハイブリッドモデリングによる環境変動適応 型品種設計法の開発

<総評> 研究総括:田畑 哲之((公財)かずさDNA研究所 所長・副理事長)
本研究領域は、フィールドにおける植物の環境応答機構を包括的に理解し、これに基づいて実用植物を分子 レベルから設計する技術の確立に資する研究を推進することを目的として平成27年度に発足しました。主と して実用植物を対象として、環境変動にロバストに応答する植物の特性を定量的に把握し、生長や機能の人為 的な制御を可能とする新技術の確立を目指しています。本領域では、各種Omics解析を含むゲノム生物学、 植物分子遺伝学、統計学、情報学、農学、工学など幅広い学問分野が対象となりますが、これらが有機的に連 携・融合することによって、単なる従来分野の発展や既存技術の改良に留まらない新たな展開が生まれること を期待しています。

募集にあたっては、①植物の環境応答機構に関する高精度定量解析に関する研究、②植物の環境応答機構に 関するモデルの構築、③遺伝子群の人為的再構築によって生じる植物の形質評価、の3本の柱を立てて、本領域の目標を達成するための道筋を明示しました。さらに、先端性に優れた高精度オミクス解析法、高精度形質 評価法や高精度オミクスデータと高精度表現型データの連関解析技術の独自性が高い改良や新規開発、新規性が高いモデル化技術の開発、また、ナス科、アブラナ科、マメ科やイネ科等の実用植物に重点を置いた提案や、 幅広い植物種に適用可能な汎用性が高いモデル構築や技術開発を含むチャレンジングな提案を求めているこ とを周知しました。その結果、本年度は39件の応募がありました。

選考においては、「新規植物創出のための基盤技術の開発」を強く意識していることに加えて、斬新な発想 に基づく先端性が高い研究開発、世界に誇れるような革新的な技術開発や異分野融合による新たな研究領域な ど、チャレンジ性が高い提案に特に着目しました。
選考は、本領域に関連するさまざまな研究分野からの9名の領域アドバイザーと12名の外部専門家による 審査の結果8件を面接対象とし、最終的に3件を採択しました。

今年度に採択の3課題は、根の高解像度フェノタイピング等に基づく環境変動頑健性に優れた作物の創出、 根圏環境のミネラルや代謝物の高精度計測等による頑健性バイオマーカーの同定、作物生育モデルと環境応答モデルを融合した新たな生育モデルの開発に関するもので、環境変動に対する頑健性を有する実用植物の設計 に資する新規技術の開発に向けて、今後の成果が期待されます。

今回の選考の結果、本研究領域の12課題が確定しました。全体として当初に設定した3本の柱を広くカバ ーしており、充実したポートフォリオを構築することができました。今後の領域運営にあたっては、各課題で 実施されている研究開発の競争力を高めること、各課題の進捗度評価をもとに重点化を図り領域全体としての先進性、革新性を確保すること、課題間の情報共有や連携を強化しシナジー効果を創出することに注力し、領 域目標の達成に努めるとともに、戦略目標の達成にもつなげていきたいと思います。

戦 略 目 標:「ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化」 研 究 領 域:「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」
研 究 総 括:間瀬 健二(名古屋大学 大学院情報学研究科 教授)

        氏名

所属機関

役職

課題名

五十嵐 健夫

東京大学 大学院情報理工学系研究科

教授

データ駆動型知的情報システムの理解・制 御のためのインタラクション

神田 崇行

(株)国際電気通信基礎技術研

究所 知能ロボティクス研究所

室長

街角環境で共生するロボットのインタラ クション基盤技術

小池 英樹

東京工業大学 情報理工学院

教授

技能獲得メカニズムの原理解明および獲 得支援システムへの展開

津田 一郎

中部大学 創発学術院

教授

脳領域/個体/集団間のインタラクショ ン創発原理の解明と適用

中澤 篤志

京都大学 大学院情報学研究科

准教授

「優しい介護」インタラクションの計算 的・脳科学的解明

<総評> 研究総括:間瀬 健二(名古屋大学 大学院情報学研究科 教授)
本研究領域は、人間・機械・情報環境からなる共生社会におけるインタラクションに関する理解を深め、人 間同士から環境全体まで多様な形態でのインタラクションを高度に支援する情報基盤技術の創出と展開を目 指して、平成29年度に発足し、今回が初回の募集でした。

本募集に対して、ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)、機械学習、ロボティックス、認知 科学、脳科学、データ科学、エージェント工学など様々な分野の技術を基礎にして、医療・介護・健康、教育・ 学習、スポーツ、発想支援、コミュニケーション支援、芸術、流通、社会システム、ゲーム・エンタテイメン トなど多岐にわたる共生インタラクションの実現を目指す研究提案の応募が73件ありました。

選考に当たっては、情報科学、ロボティックス、HCI、インタラクションデザイン、コンピュータグラフ ィクス、機械学習、人工知能、セキュリティ等に関わる研究者や産業界の有識者を中心に、法律の専門家も加 えた9名の領域アドバイザーの協力を得て、公平かつ厳正に実施し、書類選考での評価が優れていた12件の 研究提案を面接選考し、特に優れた提案5件を採択しました。

書類選考、面接選考では、以下の観点を重視して評価を実施しました。
・ 成果が活用される分野
・ 研究課題の社会ニーズ、成果の社会インパクト
・ コア技術または概念の独創性と新規性
・ 挑戦的で国際的に通用するテーマ
・ 分野のベストメンバーのチーム
・ ELSI 課題の将来解決へのアイデア 今回採択されなかった提案の中にも、教育・学習におけるインタラクションなど重要な社会課題に取り組もうとする意欲的な提案や学術的意義の高いものが多くありました。しかしながら、戦略目標である「ネットワ ークにつながれた環境全体とのインタラクションの高度化」や、研究領域の趣旨である「革新的な情報基盤技術と共生インタラクション技術の研究開発」などに合致しないものや、前述の評価の観点において不十分な要 素があるもの、提案内容が十分練られていないものなどについては不採択としました。また、社会実装を意識 するあまり、研究開発要素が弱い提案も見受けられました。戦略的な基礎研究を推進するCRESTの趣旨を 勘案し、研究成果の社会的インパクト等を意識しつつも、コア技術の独創性や新規性について十分アピールし た多彩な提案が集まることを期待しています。今回採択とならなかった提案につきましても、不採択理由を踏 まえて研究提案を再検討され、是非来年度に再応募していただきたいと思います。

戦 略 目 標:「急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする 統合化技術の創出」
研 究 領 域:「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」
研 究 総 括:栄藤 稔(大阪大学 先導的学際研究機構 教授)

        氏名

所属機関

役職

課題名

落合 陽一

筑波大学 図書館情報メディア系

助教

計算機によって多様性を実現する社会に 向けた超 AI 基盤に基づく空間視聴触覚技 術の社会実装

角田 篤泰

中央大学 研究開発機構

機構教授

AI 技術を用いた法的文書作成支援

関谷 勇司

東京大学 情報基盤センター

准教授

サイバー脅威ビッグデータの解析による リアルタイム攻撃検知と予測

田中 聡久

東京農工大学 大学院工学研究院

准教授

脳波の機械判読によるてんかん診断・治療

支援 AI の構築

松谷 宏紀

慶應義塾大学 理工学部

准教授

リアルタイム性と全データ性を両立する エッジ学習基盤

諸岡 健一

九州大学 大学院システム情報 科学研究院

准教授

3D 画像認識 AI による革新的癌診断支援シ ステムの構築

<総評> 研究総括:栄藤 稔(大阪大学 先導的学際研究機構 教授)
本研究領域は、実社会の膨大なデータを知的・統合的かつセキュアに収集・処理・学習・制御するための人 工知能基盤技術と、その成果を組み合わせることにより社会問題の解決と産業の自動化・最適化に貢献するイ ノベーション創発に資する技術の確立を目指して平成 28 年度に発足し、今回が 2 回目の募集でした。

本募集に対して、産業応用に資する汎用的機能の実現を目指す基盤研究実証型の提案が 11 件、医療・農業・ インフラ・観光等の多岐にわたる社会課題を取り上げたイノベーション創出型の提案が 21 件、合計 32 件の応 募がありました。社会実装を見据えて企業等との連携体制を構築した研究提案も多く見られました。

選考は、機械学習、画像処理、ロボティクス、データベース、セキュリティなどの研究者に、産業界で社会 イノベーション創出や新規事業立ち上げに携わる有識者も加えた 10 名の領域アドバイザーと、医学分野の 1 名の外部評価委員の協力を得て公平かつ厳正に実施しました。書類選考での評価が優れていた 13 件の研究提 案を対象に面接選考を行い、特に優れた提案 6 件を採択しました。

選考にあたっては、以下の点を考慮して評価を実施しました。
・イノベーションに向けたシナリオが明確か。2 年 6 ヶ月後/5 年 6 ヶ月後に得られる成果が想像できるか。 その成果に向けた熱意が感じられるか。
・チーム内の役割分担が明確で、必要不可欠な研究体制になっているか。
・機械学習をベースとした提案の場合、データが準備されているか。あるいはデータが準備される具体的な予定があるか。
・社会実装を目指す提案の場合、システムを実装運用することが考慮された研究体制になっているか。
・適切な規模および範囲で、解決すれば有用な問題設定を行い、焦点の定まった研究提案となっているか。
– 複数の社会問題の一部分のみを切り出して集めたテーマ設定ではなく、小さくても役に立つ、ある社会問題を的確に捉えたテーマ設定となっているか。
・研究には、その技術課題が達成できないかもしれないというリスクがある。それが明確に意識されている か。スモールフェーズ採択チームのうち 1/2~1/3 が加速フェーズに進むという本領域の枠組みを鑑みて、 挑戦的な目標が設定されている提案を歓迎する。

今回採択されなかった提案の中にも、重要な社会課題に取り組もうとするもの、学術的意義の高いものが多くありました。しかしながら、上記の観点において不十分な要素のあるものや、提案内容の新規性・独自性について説明が不足しているもの、また、「人工知能基盤技術の創出と統合化」という領域の趣旨に合致しない ものなどについては不採択としました。今回採択とならなかった提案につきましても、不採択理由を踏まえて 研究提案を再検討され、是非来年度に再応募していただきたいと思います。

 

参考

  1. 平成29年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)の新規研究課題及び評価者について(JST)