Category Archives: 研究助成

2020年9月25日(金)学振(学術振興会特別研究員)の採択が通知される

大学院生やポスドクにとって、生活するために自分の給料を確保できるかどうかは、研究が続けられるかどうかにかかわる切実な問題です。そんな大学院生やポスドクの生活を支えるための国の制度として学術振興会特別研究員(通称、学振)というものがあります。

ツイッターの賑わいで知りましたが、2020年9月25日(金)に学振の採択が通知されたようです。学振は競争的な助成制度なので、本人のこれまでの業績を含めた申請書の内容で勝敗が分かれます。

学振とは?

将来の学術研究を担う優れた若手研究者を養成・確保するため、本会は、学術審議会答申「学術研究体制の改善のための基本的施策について」(昭和59年2月6日)に基づき、昭和60年度に特別研究員制度を創設しました。

「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、研究奨励金を支給する制度です。(引用元:制度の概要(PD・DC2・DC1 日本学術振興会ウェブサイト)

 

教授、准教授、講師又は助教 10人程度、ただいま令和2年度「東京大学卓越研究員」公募中!

研究者はパーマネントの職を獲るまでは、任期付きの職を転々とすることが多いですが、その間、経済的にも精神的にも非常に不安定な状態にさらされるため、必ずしも研究に集中できる時期とは言えません。任期が切れる前に次の職を確保するためには短期的に結果が得られることに注力せざるを得ず、大きな成果を得にくいため、結局パーマネント職を得るのが難しくなるという悪循環にも陥りがちです。

本当に研究に専念できるようにするためには、職が安定していることが必要なのではないかと思います。研究成果が出ていれば必ず次の職につながるという安心感すら、今の研究の世界にはありません。「多少の成果」では、限られたポジションを勝ち取るには不十分なのです。

 

東京大学卓越研究員

日本学術振興会のものと同じ「卓越研究員」という呼称を用いているため自分は最初、日本学術振興会の卓越研究員と混同していましたが、東京大学の独自の制度として「東京大学卓越研究員」なるものがあります。文字通り卓越した研究成果を挙げた研究者が対象のようです。募集要項等を見ると、学内からの推薦と、公募との2通りの募集形態があります。

 

令和2年度東京大学卓越研究員

令和2年度東京大学卓越研究員公募(募集要項)

  • 職名及び人数:教授、准教授、講師又は助教  10人程度
  • 勤務形態 常勤(任期なし)
  • 雇用形態:無期雇用
  • 試用期間:有り(採用日から6月間)
  • 2020年07月21日 必着

(参考:JREC-IN)

令和元年度東京大学卓越研究員

 

平成30年度東京大学卓越研究員

  • 平成28年度にはその一環として「東京大学卓越研究員」制度(注1)を創設しております。
  • 分野を問わず国内外から広く准教授、講師、助教を新たに10人程度「東京大学卓越研究員」として公募
  • 採用された者は、東京大学の研究科、研究所、センター等のうちいずれかの部局に所属
  • 注1「東京大学卓越研究員」制度:本学に着任して3年以内の卓越した若手研究者を「東京大学卓越研究員」として、毎年20人程度を選定し、自らの研究テーマを追究し自立して研究に取り組む環境を整えるためのスタートアップを支援するもの。
  • 雇用形態:任期10年又は無期雇用(任期中に再任評価を実施することがあります。)

引用元:平成30年度東京大学卓越研究員(准教授、講師、助教)の公募を開始(東京大学)

  1. 東京大学卓越研究員(パンフレットPDF 東京大学) 2018年度東京大学卓越研究員のテーマ、略歴など
  2. 「平成30年度東京大学卓越研究員(公募型)」9名を決定(東京大学)今年度初めて、分野を問わず国内外に広く公募を行い、応募のあった153名について選考し、「平成30年度東京大学卓越研究員(公募型)」9名を決定いたしました。
  3. 「平成30年度東京大学卓越研究員」22名決定(東京大学)学内の研究科及び研究所等から推薦のあった47名に対して推薦書・研究業績等に基づき審査を行い、「平成30年度東京大学卓越研究員」22名を決定いたしました。

 

UTEC-UTokyo FSI Research Grant Program

  • 株式会社東京大学エッジキャピタル/株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)は、東京大学をはじめとする大学・研究機関等の優れた知的財産や人材を活用するベンチャー企業に対して投資を行うベンチャー・キャピタル・ファーム
  • 2004年よりこれまでに、4本のベンチャー・キャピタル・ファンド(2019年9月現在で総額約550億円)の設立・運営
  • UTECから東京大学基金への寄附により設立された「UTEC東京大学未来社会協創基金」の事業として、今後の科学研究の礎となる基礎研究への助成プログラム「UTEC-UTokyo FSI Research Grant Program」を新たに創設
  • 申請者資格 / Eligibility(1) 令和2年度 若手研究者自立支援制度「東京大学卓越研究員(推薦型)」 被推薦者。* (2) 令和2年度 若手研究者育成支援制度「東京大学卓越研究員(公募型)」 申請者。

(引用元:UTEC-UTokyo FSI Research Grant Program 東京大学)

2020年度科研費 採択件数 国立大学ランキング

令和2年度(2020年度)科学研究費助成事業(科研費)新規採択件数 国立大学ランキング

通算の全大学ランキングを見たい人はこちら ⇒ 科研費ランキング 日本の大学全792校 私学トップ10は慶應大、早稲田大、日大、東海大、立命館大、理科大、順天堂大、北里大、近畿大、昭和大

令和3年度の全大学ランキングを知りたい人はこちら

⇒ 令和3年度(2021年度)の新規科研費採択件数大学ランキング

 

2020年4月1日に科研費交付内定発表された研究種目の採択件数を国立大学に関して調べました。トップ10の大学は、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、九州大学、名古屋大学、北海道大学、筑波大学、広島大学、神戸大学です。

基盤研究は、「一人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究」で、助成金額の上限は、

  • 基盤研究(A)3~5年間 2,000万円以上 5,000万円以下
  • 基盤研究(B)3~5年間  500万円以上 2,000万円以下
  • 基盤研究(C)3~5年間  500万円以下

となっています。東京大学の基盤研究(A)の採択件数が100件に対して、2位の京都大学は62件にすぎません。東京大学がいかに研究助成において恵まれている大学かがわかります。

だから、エラーバーを手で押し込んだりしちゃダメ!(不正疑惑論文を画像編集ソフトで確認

新規採択件数総合ランキング

下の表は、新規採択件数の合計に基づいて大学を順に並べたものです。

新規採択件数合計 基盤研究(A) 基盤研究(B) 基盤研究(C)  若手研究 新学術領域研究(研究領域提案型)   奨励研究
1 東京大学  1189 100 270 314 398 91 16
2 京都大学  840 62 205 267 246 53 7
3 大阪大学  796 42 137 293 264 58 2
4 東北大学  714 41 152 241 222 48 10
5 九州大学  585 35 112 231 171 34 2
6 名古屋大学  530 26 118 191 138 52 5
7 北海道大学  488 20 97 223 105 37 6
8 筑波大学  402 13 80 177 92 23 17
9 広島大学  386 9 53 183 123 8 10
10 神戸大学  342 6 60 149 106 7 14
11 千葉大学  310 4 46 151 100 6 3
12 金沢大学  305 3 34 145 96 16 11
13 岡山大学  291 9 32 163 71 11 5
14 東京工業大学  231 14 71 62 59 24 1
15 新潟大学  224 2 27 123 67 4 1
16 東京医科歯科大学  221 5 29 81 99 5 2
17 熊本大学  212 3 37 104 58 3 7
18 長崎大学  190 1 14 118 48 2 7
19 信州大学  188 2 22 114 41 3 6
20 鹿児島大学  176 0 14 116 41 2 3
21 徳島大学  168 2 12 102 45 1 6
22 愛媛大学  164 5 20 87 45 4 3
23 山口大学  159 2 24 87 40 5 1
24 群馬大学  154 2 17 75 52 4 4
25 岐阜大学  128 4 21 65 35 1 2
26 富山大学  126 0 17 78 29 2 0
27 弘前大学  122 1 10 69 38 4 0
28 山形大学  119 1 10 72 28 4 4
29 山梨大学  117 0 11 66 37 2 1
30 三重大学  114 0 11 65 34 1 3
31 静岡大学  108 4 22 61 12 7 2
32 秋田大学  104 0 7 57 28 1 11
33 浜松医科大学  100 1 6 48 32 0 13
34 福井大学  99 1 10 62 24 2 0
35 大分大学  98 0 5 55 26 1 11
36 鳥取大学  96 1 10 58 22 2 3
37 琉球大学  91 0 7 52 30 1 1
38 高知大学  86 0 11 47 24 1 3
39 島根大学  86 1 7 53 19 2 4
40 東京農工大学  86 3 26 34 21 2 0
41 香川大学  82 0 6 50 25 0 1
42 宮崎大学  81 0 11 46 20 0 4
43 佐賀大学  80 0 7 59 14 0 0
44 横浜国立大学  79 6 24 36 10 3 0
45 埼玉大学  76 0 10 50 15 1 0
46 滋賀医科大学  63 0 2 31 26 1 3
47 茨城大学  63 1 11 38 9 4 0
48 名古屋工業大学  62 3 13 29 12 5 0
49 お茶の水女子大学  61 1 4 32 17 1 6
50 奈良先端科学技術大学院大学  58 3 18 9 22 6 0
51 九州工業大学  53 1 8 33 7 2 2
52 一橋大学  52 3 11 29 9 0 0
53 電気通信大学  51 2 20 21 7 1 0
54 岩手大学  50 0 4 34 6 2 4
55 大阪教育大学  47 0 0 30 9 0 8
56 旭川医科大学  47 0 2 25 16 1 3
57 京都工芸繊維大学  47 2 6 28 8 3 0
58 豊橋技術科学大学  45 2 10 20 9 2 2
59 宇都宮大学  44 1 5 28 5 1 4
60 東京学芸大学  41 0 3 30 4 0 4
61 福島大学  39 0 6 25 8 0 0
62 東京外国語大学  39 5 12 14 8 0 0
63 北陸先端科学技術大学院大学  35 2 9 11 10 3 0
64 奈良女子大学  34 0 5 18 7 1 3
65 滋賀大学  31 0 2 22 6 0 1
66 長岡技術科学大学  31 2 11 10 5 3 0
67 東京海洋大学  29 2 5 14 6 2 0
68 和歌山大学  26 0 3 19 3 0 1
69 北海道教育大学  25 0 1 15 9 0 0
70 室蘭工業大学  23 0 1 21 1 0 0
71 愛知教育大学  23 0 1 16 3 0 3
72 兵庫教育大学  21 0 1 11 9 0 0
73 北見工業大学  17 0 4 10 2 1 0
74 京都教育大学  14 0 1 12 0 0 1
75 上越教育大学  14 1 3 9 1 0 0
76 帯広畜産大学  13 0 3 7 3 0 0
77 福岡教育大学  13 0 2 10 1 0 0
78 小樽商科大学  12 0 0 7 5 0 0
79 政策研究大学院大学  11 2 0 8 1 0 0
80 宮城教育大学  10 0 1 7 0 1 1
81 奈良教育大学  9 0 1 5 3 0 0
82 筑波技術大学  9 0 2 6 1 0 0
83 鹿屋体育大学  8 0 0 6 2 0 0
84 鳴門教育大学  8 0 0 7 1 0 0
85 総合研究大学院大学  7 0 1 4 2 0 0

 

人数当たりでノーマライズしたランキング

単純な件数の比較だと、教員数や研究者数が多い大学が上位に来るのは当然です。ですから、申請者数で割った「採択率」や在籍する研究者数で割った数値で比較するのがフェアというものでしょう。すると、違った景色が見えてくるようです。

 

基盤研究(A)新規採択ランキングトップ10

助成金額が大きい基盤研究(A)の新規採択件数で順位を見てみると、日本の主要な研究大学が並びます。

採択数合計 基盤研究(A) 基盤研究(B) 基盤研究(C)  若手研究 新学術領域研究(研究領域提案型)  奨励研究
1 東京大学  1189 100 270 314 398 91 16
2 京都大学  840 62 205 267 246 53 7
3 大阪大学  796 42 137 293 264 58 2
4 東北大学  714 41 152 241 222 48 10
5 九州大学  585 35 112 231 171 34 2
6 名古屋大学  530 26 118 191 138 52 5
7 北海道大学  488 20 97 223 105 37 6
8 東京工業大学  231 14 71 62 59 24 1
9 筑波大学  402 13 80 177 92 23 17
10 広島大学  386 9 53 183 123 8 10
11 岡山大学  291 9 32 163 71 11 5

 

若手研究の新規採択件数ランキングトップ10

基盤研究(A)はその研究分野で名の知られた人しかそうそう採択されない非常に競争の厳しい研究種目です。それに対して、若手研究は博士取得後8年未満であれば応募できて、どこの誰であっても十分なチャンスがあります。若手研究者が大いに頑張っている大学はどこなのか?若手研究の採択件数の順位で見てみます。若手研究採択数が相対的に多い大学として、広島大学、神戸大学、千葉大学の健闘が目立ちます。

採択数合計 基盤研究(A) 基盤研究(B) 基盤研究(C)  若手研究 新学術領域研究(研究領域提案型)  奨励研究
1 東京大学  1189 100 270 314 398 91 16
2 大阪大学  796 42 137 293 264 58 2
3 京都大学  840 62 205 267 246 53 7
4 東北大学  714 41 152 241 222 48 10
5 九州大学  585 35 112 231 171 34 2
6 名古屋大学  530 26 118 191 138 52 5
7 広島大学  386 9 53 183 123 8 10
8 神戸大学  342 6 60 149 106 7 14
9 北海道大学  488 20 97 223 105 37 6
10 千葉大学  310 4 46 151 100 6 3

 

若手研究の採択率は、申請書の出来次第。業績があればもちろんそれに越したことはないですが、まだ「若手」なので業績が少なくても申請書の質を上げることで勝負できます。

関連記事 ⇒ 科研費に採択されるための教科書と副読本、厳選4冊

 

方法

KAKENのデータベースで、開始年度: 2020ー2020、役割: 研究代表者、 研究機関:東京大学などの大学名を入力して検索。

注意

1)5月の時点では、まだ基盤研究(S)や挑戦的研究(開拓・萌芽)などの交付内定は通知されていませんので、KAKENデータベース上にも反映されていません。これらが発表されると、この順位は多少変動することになると思います。

2)上の表の大学名はKAKEデータベース上に登録されている所属機関名です。異なる名称でデータベースに登録されている研究機関は反映されません。例えば、総合研究大学院大学は、実際には18の研究機関(国立民族学博物館、国際日本文化研究センター、国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、加速器研究施設・共通基盤研究施設、物質構造科学研究所、素粒子原子核研究所、総研大葉山キャンパス、分子科学研究所、国立天文台、核融合科学研究所、宇宙科学研究所、統計数理研究所、国立極地研究所、国立情報学研究所、国立遺伝学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所)から成る組織ですが、KAKEN上ではこれらは個別に独自の名称で登録されているようです(加速器研究施設・共通基盤研究施設は、KAKEN上では大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構)。したがって、表の中の総合研究大学院大学は、実際には総研大葉山キャンパスを所在地とする先導科学研究科の分だけのようです。

参考

  1. 科研費データベースKAKEN(kaken.nii.ac.jp)
  2. 国立大学(文部科学省)
  3. 科学研究費助成事業(日本学術振興会)

科研費が不採択だったら、開示された審査結果を分析して改善点を探そう

科研費で採択された場合、どれくらい余裕でボーダーを超えていたのかがわかりませんが、不採択だった人には、審査結果が開示されます(2月末の採択通知になってからは、4月の上旬くらいの時期だったと思う)。それを見れば、落ちた人の中でのおおざっぱな位置づけがわかります。

おおよその順位は「A」でした。なら、審査区分における採択されなかった研究課題全体の中で、上位20%に位置していた、ということです。とても惜しいですね。

おおよその順位は「B」でした。なら、審査区分における採択されなかった研究課題全体の中で、上位21%~50%に位置していた、ということです。改善の余地が大いにあります。

おおよその順位は「C」でした。なら、審査区分における採択されなかった研究課題全体の中で、上位50%に至らなかった、ということです。採択されるためには、劇的に改善させる必要があります。

採否が決まるのは「総合評点」によりますが、参考として、評定要素ごとの点数がつけられその情報も開示されます。評定要素は、①研究課題の学術的重要性、②研究方法の妥当性、③研究遂行能力及び研究環境の適切性 の3つです。総合評点は相対評価ですが、評定要素ごとの評点は絶対評価でつけられます。一人の審査委員が4点満点(1点~4点)で評点をつけ、若手研究や基盤研究(C)だと4人審査委員がいるので、合計点を4で割って算出した平均点が開示されます。採択課題の平均点は3点を少し超えるくらいです。3.25点だとすると3.25×4=13点、つまり4人の評点が(3、3、3、4)なら平均的な採択者になれます。平均点なので、もっと悪くても採択されている人はいるのでしょう。

自分の点数から、一番ありそうな審査委員4人の評点分布を予想してみる:

  • 3.25点 ⇒ 3点、3点、3点、4点
  • 3.00点 ⇒ 3点、3点、3点、3点
  • 2.75点 ⇒ 3点、3点、3点、2点
  • 2.50点 ⇒ 3点、3点、2点、2点
  • 2.25点 ⇒ 3点、2点、2点、2点
  • 2.00点 ⇒ 2点、2点、2点、2点

採択者の平均レベルに達するためには、3(良好である)は最低確保すべきで、一人くらいが4(優れている)をつけてくれればよいということになります。

平均点が2.25点だとかなり低いと感じますが、それでもみんなが2点をつける中で、3点をつけて評価してくれた人が一人はいたのだということがわかり、励みになります。

また、1や2をつけた審査委員は、さらに細かく何が悪かったのか、その項目に*印をつけて教えてくれます。

(2)【審査の際「2(やや不十分である)」又は「1(不十分である)」と判断した項
目(所見)】

評点「2(やや不十分である)」又は「1(不十分である)」が付された評定要素に
ついては、そのように評価した審査委員の数を項目ごとに「*」で示しています。(最
大4個)

評定要素 項目    審査委員の数

①研究課題の学術的重要性   

  • 学術的に見て、推進すべき重要な研究課題であるか   **
  • 研究課題の核心をなす学術的「問い」は明確であり、学術的独自性や創造性が認められるか
  • 研究計画の着想に至る経緯や、関連する国内外の研究動向と研究の位置づけは明確であるか
  • 本研究課題の遂行によって、より広い学術、科学技術あるいは社会などへの波及効果が期待できるか

②研究方法の妥当性     

  • 研究目的を達成するため、研究方法等は具体的かつ適切であるか。また、研究経費は研究計画と整合性がとれたものとなっているか   * *
  • 研究目的を達成するための準備状況は適切であるか

③研究遂行能力及び研究環境の適切性   

  • これまでの研究活動等から見て、研究計画に対する十分な遂行能力を有しているか   *
  • 研究計画の遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等、研究環境は整っているか

3.その他の評価項目の評定結果
研究経費の妥当性について
「研究経費の内容に問題がある」と評定した審査委員はいませんでした。

4.留意事項
人権の保護及び法令等の遵守を必要とする研究課題の適切性につい
「法令遵守等の手続き・対策等に不十分な点が見受けられる」と指摘した審査委員はいませんでした。

 

「研究目的を達成するため、研究方法等は具体的かつ適切であるか。また、研究経費は研究計画と整合性がとれたものとなっているか」というのは2つの異なる観点を含んでいるため、ここに*印が付いていた場合、前半と後半のどちらが該当するのかがわかりません。これはJSPSに改善してもらいたいものです。

上述した情報を踏まえて、あらためて不採択になった計画調書を読み返せば、計画調書のどの部分がこれらの低評価と対応するのかが、見えてきます。もし自分で見当がつかないのであれば、同僚などに頼んで読んでもらいましょう。

次こそは採択されたいというあなたへお勧めの記事

採択される科研費計画調書の書き方と申請書作成の戦略22のポイント

採択される科研費申請書を書くためのノウハウ集です。ネット上の有益なアドバイスを総まとめにしました。

 

落ちる科研費の申請書の典型例

問題設定がない

「論文報告がないので、本研究を行う」という論調で科研費申請書を書く人が非常に多いのですが、なぜその研究をやるの?という読み手の疑問に答えないままいくら実験の詳細を書いても、研究の価値を認めてもらえません。分野外の人が読んでもわかるような易しい言葉遣いで、当該領域の問題が何なのか、なせその問題設定をする必要があるのかをしっかり述べるべきです。問題提起をして初めてそれに対する解決策としての実験目的・実験計画が意味を為すのです。問題提起を丁寧に説明している申請書は、たとえ専門外の審査委員が読んだとしても、この領域は自分はよくわからないけれども、重要な研究みたいだということは伝わります。

独自性が独りよがり

「本研究に関しては他に論文報告がないので独自性がある」と申請書に書いてしまう人がとても多いみたいですが、それだけ書いても全く説得力がありません。これは採択されない申請書の典型的な書き方と言えます。

関連記事 ⇒ 採択される科研費申請書の書き方22のヒント

 

まずこれを読みましょう

多くの研究者が科研費の申請書の書き方に関する教科書を読んでおり、申請書のレベルは一昔前よりもあがっています。今どき、これらの本を読んでいなければ差は広がる一方なのではないでしょうか。

とくにシニアレベルの研究者で最近科研費が取れなくなっている場合は、古臭い書き方を続けているのが不採択の原因かもしれません。なぜなら科研費は、他の(若くて勢いのある研究者らの)申請書と比較されて採否が決まるからです。当然、見栄えも大事になってきます。ぱっと見で見劣りしたら負けます。

  1. 科研費 採択される3要素 第2版: アイデア・業績・見栄え 2017郡 健二郎

「科研費 獲得の方法とコツ」が定番中の定番ですが、今年2022年8月20日、あらたな科研費バイブルが登場しました。狙って獲りにいく科研費 です。審査委員がどうやって審査しているのかを徹底解説しており、落とされにくい科研費申請書とはどのようなものかを解説しています。科研費本も増えてきましたが、自分の感覚に一番近いのは、この、狙って獲りにいく科研費 かもしれません。

  1. 狙って獲りにいく!科研費 採択される申請書のまとめ方 2022 中嶋 亮太

それと、実は「科研費改革と研究計画書の深化」というマイナーな本が自分は好みです。絶版なのかアマゾンでの中古の価格が高騰してしまっていますが、研究支援部署の大学職員の方が、長年の添削経験に基づいて書いており、非常に納得させられる内容です。読者ターゲットは研究者というより研究支援者なのかもしれませんが、当然のことながら研究者が読んで役に立つ内容です。

論理的とは?

申請書を論理的に書かない人は、論理的じゃない人。論理的じゃない人は研究できない人。研究できない人には研究費をあげられない、と思われると思います。

  1. マンガでやさしくわかる小学生からはじめる論理的思考力 苅野 進

 

日本語からやり直そう

話すのと書くのは大違い。学会発表ができるから文章も書ける、ということは決してありません。日本語の文法や語法を守っていない人は論外ですが、理解できない、伝わらない文章を審査委員に読ませておきながらお金をくれというのはいかがなものかと思います。

  1. こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド 林 健一 (amazon.co.jp)

最近思うのですが、やはり文豪が書いた文章や何百年も前にかかれていまだに読み継がれている本などは、非常にうまく書かれています。そういういい文章に日頃から親しんでおくことは、科研費の文章を書くときに役立ちます。最初から始めて、最後で終わるまでによどみなく、ぎくしゃくせずに一貫した流れをつくるイメージをもつことが大事。それってつまりはいい小説と同じなんじゃないかなと思ってます。直接的ではないですが、何かしらプラスになるんじゃないでしょうか。

 

何が悪かったの?

自分が書いた文章の欠点は、書いた本人はなかなか気付けないものです。誰かに読んでもらうのが一番。同僚、先輩、先生、部下、URA、研究支援部署の事務職員、国語力のある配偶者や親兄弟に頼めればいいのですが、適任が見当たらなければ、商業的な添削サービスを利用してみてはいかがでしょうか。

提供されるサービス内容や新規依頼受付の有無等に関してはそれぞれのウェブサイトをご参照ください。科研費応募時期には依頼が殺到して受付けてもらえない恐れもあると思います。説明文はサイトからの引用です。

  1. coconala 個人のスキル・経験を、必要とする人に結びつけるプラットフォーム。←「科研費チェック」、「科研費」などのキーワードで検索すると、科研費の添削サービスを個人で提供している人が見つかります。
  2. 科研費の添削.com 科研費の申請のプロであるURAによる添削サービス 添削支援の流れ
  3. 科研費.COM 申請書の添削サービス お申し込みの流れ
  4. ジーラント株式会社 科研費申請書の添削サービス(個人向け)科研費申請書のプロフェッショナル添削サービスです。 ← 『科研費獲得の方法とコツ』の著者 児島将康氏が立ち上げた会社。
  5. ROBUST JAPAN 科研費申請支援サービス 個別に申請書内容のレビューを実施 お早めにお問い合わせください
  6. クリムゾン・ジャパン 科研費申請支援申請書作成のノウハウを解説するコンサルティングや講演を実施するほか、個別に申請書内容のレビューを実施
  7. アスナル 研究申請調書の第3者的視点からのレビューや様式点検、若手研究者等についてはテーマ探索や研究計画立案上の基本事項に係るアドバイスなど
  8. educe 支援業務 概要一覧 申請書類のブラッシュアップを目的とした、個別のレビュー・添削を行います。
  9. 株式会社 早稲田大学アカデミックソリューション

 

論文があれば

科研費は相対評価、競争なので、他の人よりも論文業績で劣っていたら、いくら申請書の質を上げても限界があります。

  1. できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか ポール.J・シルヴィア (amazon.co.jp)

令和2年度(2020年度)科研費新規採択率が発表される

本日、科研費の審査結果が開示されました。研究者がe-radにログインすると、審査結果の開示を予め希望していた人は、その内容を見ることができます。同時に、応募件数、採択件数、採択率も公開されていました。

若手研究は去年に引き続き今年も40%という高い採択率です。日本の科学技術政策における若手優遇措置がはっきりと見てとれます。

ただいま「所属研究機関処理中」2020年度(令和2年度)4月1日午前10時00分、科研費交付内定が通知される

関連記事 ⇒ ただいま「所属研究機関処理中」2021年度(令和3年度)4月1日午前10時00分(?)、科研費交付内定が通知される?

追記

新型コロナウイルスの影響だと思いますが、本来6月に交付内定が通知されるはずの他の研究種目に関して、審査方法の変更や遅れが生じています。


 

 


 

4月1日と言えば、多くの研究者にとっては前年度秋に申請していた「科研費」が採択されたかどうかが通知される、1年で最も重要な日です。皆さんのツイートを引用させてもらいながら(適宜入れ替え等あり)、「研究者にとっての4月1日」をご紹介いたします。

関連記事 ⇒ 採択される科研費計画調書の書き方と申請書作成の戦略20のポイント

科研費が採択されたかどうかの判別方法

採択が通知されるといっても、「採択」という言葉はどこにもありません。どこを見ればいいのかも初心者にはわからず戸惑います。落ちても、不採択とは言ってもらえません(何も表示されないだけ)。

 

 

 

 

 

 

科研費電子申請システムで採択されたかどうかの確認ができますが、みるべき場所は「審査結果開示」ではありません。非常に多くの研究者がこれに惑わされています。そのさらに下にある、「交付内定時の手続き」の項目のボタンをクリックする必要があります。


 

 

非常にわかりづらいのですが、落ちたときは何も表示されません。不採択と言ってもらえるわけではなく、自分が申請した課題名の欄がそこにそもそも現れないのです。本当にわかりにくい。


 

 

科研費が採択されるということ


 

若手研究

 

科研費の採択率

奨励研究の採択率

「奨励研究」という研究種目は、研究者でない(=研究者番号を持たない)事務職員、技官、技術員、理学療法士、看護師などが、所属機関が応募資格を認めた場合に応募できる種目です。応募の上限が1年間で100万円で充足率はあまり高くなく、6割程度だと思います。計画調書の様式は頁数が基盤研究などに比べると圧倒的に少なくて、いかに書く内容を簡潔に絞ってわかりやすく伝えるかが重要になります。

  1. ヤフーリアルタイム検索「科研費」 

 

科研費採択のためのヒント:審査区分の選択

 

 

 

4月1日が近づくにつれて、心臓のドキドキが大きくなっていきます。

 

2020年4月1日 科研費発表まであと0日

 

 

2020年3月31日 科研費発表まであと1日

 

 

 

 

2020年3月30日 科研費発表まであと2日

 

 

2020年3月29日 科研費発表まであと3日

 

 

2020年3月28日 科研費発表まであと4日

 

 

2020年3月27日 科研費発表まであと5日

 

 

 

2020年3月26日

 

 

2020年3月25日

 

 

2020年3月22日

 

科研費が採択されるための非常に重要なポイントの一つが、どこの審査区分に出すかということ。自分の研究課題の意義を認めてくれる研究者が審査してくれる細目であれば、高い評価を得やすくなります。科研費の審査は各区分の中での相対評価なので、そのようなことが起きます。

 

2020年3月21日

研究が計画通りに進まなかったときの対処法を書けと、以前の様式では明確な指示がありました。この指示が現在ではなくなったわけですが、だからと言って「書かなくてもよくなった」というわけではありません。指示がないので、「書かなくてはいけない」とも言えないのですが、審査委員が計画調書に何が書かれていることを期待しているのか?と考えれば、採択可能性を上げるためにどうしたほうがよいのかは明らかです。

 

2020年3月20日

科研費制度の変更点

 

研究機関への紙媒体での通知はなくなり 、電子システム利用になるようです。

令和2(2020)年4月以降は、書面による通知に代えて、所属研究機関担当者向けに、全ての内容を科研費電子申請システムにより通知します。(令和2(2020)年度の科学研究費助成事業(科研費)の変更点等について 日本学術振興会) 

研究者はみな自分で電子システムに入って確認すると思うので、研究者にとっては、この変更による影響は特にないでしょう。

 

2020年3月19日

 

 

2020年3月18日

 

 

2020年3月17日

 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

参考

  1. 100日後に死ぬワニ(2020年03月20日 20時00分 ねとらぼ)

日本が2050年までに実現させるムーンショットな研究テーマ6個

1000億円を使って実現させる夢のある(?)実現が無理そうな(?)研究を助成するムーンショット制度のテーマが発表されていました。これは研究者の自主性やユニークなアイデアが尊重される科研費のようなボトムアップ型の助成とはことなり、国策として選定された研究領域を重点的に支援するトップダウン型の研究助成です。

研究領域の設定を間違うと、やる価値のない研究に莫大な研究費を投入してしまって、全てが無駄になります。また、研究領域を設定する段階ですでに採択されそうな研究者が決まっている場合には、研究費配分の公正さに疑問が付きます。

以前、公募された中から絞られたムーンショット研究課題の候補を紹介しましたが(記事)、最終的にはどのような研究テーマが設定されたのでしょうか?

世の中の反響(ツイート)とともに紹介します。

ムーンショット目標1:2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現

「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」

人がカラダから解放されるというのは、脳を直接ロボットにでもつなぐのかなと思いました。しかし、脳からも解放するというので、だとしたら人間から「意識」を吸い出してそれを、人工知能にコピーするのかな。そうすれば、クラウド上に自分の意識が存在して空間や時間の制約からも解放されたことになりそう。しかし、電気代がかかるので、エネルギーの制約からは逃れられない。

あるいは、人間死んだらカラダからも脳からも空間からも時間からも解放されるってことか。2050年までに人類が滅んで、死んだあと霊魂になっていれば、霊魂の集まりとしての社会は存続できそう。

SFなのかオカルトなのかわからない、全く見通しのない研究テーマに思えます。

 

 

ムーンショット目標2:2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現

「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」

がんのリスクとなる遺伝はすでに多数同定されていることを考えれば、超早期に疾患の予測を行うことは、かなり現実的。予防にまでつなげるのはチャレンジですが、この研究テーマが一番内容がわかりやすく、かつ、実現が可能そう。

 

ムーンショット目標3:2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現

「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」

自ら学習し行動するロボットに何をさせましょうか。自分の代わりに職場に出かけていって仕事をするロボットとか。自分の代わりに東大を受験して合格してくれるロボットとか?(関連記事

 

ムーンショット目標4:2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現

資源ごみはリサイクルしましょうという運動の徹底か。

 

ムーンショット目標5:2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出

未利用の生物機能ってなんでしょう?遺伝子組み換え作物をもっと市場に流通させることとか。

 

確かに目標1を達成すれば、他の目標に取り組む必要が無さそう。こういう場合には、目標1を全力で達成させることが肝要かと。

 

ムーンショット目標6:2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現したところで、経済、産業安全保障を発展させるのは所詮、人間の役割であって、別にコンピュータが何かしてくれるわけではないでしょう。コンピュータを使う人間の精神が発展していなければ、どうしようもありません。


 

 

 

1000億円を月に向かって放り投げるのではなく、1000億円を使って、研究の種を地面にまけばよいのに、と個人的には思います。地に足の着いた研究でない限り、発展は見込めません。

 

ムーンショット説明会日程

何しろ1000億円ですから、多数の研究者からの応募が殺到することが予想されます。

 

とはいえ、ムーンショットで何を実現したいのか全く意味不明のテーマが多くて、いったいどんな研究課題なら採択されるのかが、わかりにくいです。

 

トップダウン型の研究助成ですので、まずその趣旨を理解することが採択のカギを握ります。ムーンショット研究の趣旨説明のための説明会が全国で開催されますので、お出かけしてみてはいかがでしょうか?

 <大阪会場>  map
2月26日(水)10:00~15:15
新大阪丸ビル別館 10F 10-1号室 (大阪府大阪市東淀川区東中島1-18-22)
▶構想ディレクター(PD)登壇予定: ムーンショット目標1,2,3,6
 <東京会場 ①> map
2月28日(金)10:00~15:15
科学技術振興機構 東京本部別館1階ホール(東京都千代田区五番町7 K’s五番町)
▶構想ディレクター(PD)登壇予定:  ムーンショット目標1,2,3,6
<仙台会場>  map
3月4日(水)10:00~14:35
TKPガーデンシティ PREMIUM仙台東口10階 ホール10A(宮城県仙台市宮城野区榴岡3-4-1)
▷録画映像放映 【注1】構想ディレクター(PD)の登壇はありません。
<福岡会場>  map
3月9日(月)10:00~14:35
TKP博多駅前シティセンター8階 ホールA(福岡県福岡市博多区博多駅前3-2-1)
▷録画映像放映 【注1】構想ディレクター(PD)の登壇はありません。
<東京会場 ②> map
4月1日(水)10:00~15:15
科学技術振興機構 東京本部別館1階ホール(東京都千代田区五番町7 K’s五番町)
▶構想ディレクター(PD)登壇予定:  ムーンショット目標1,6 【注2】 ▷録画映像放映

要申し込みです。

→ 参加申し込みフォームのウェブページ(JST)

 

参考

  1. MOONSHOT ムーンショット型研究開発事業(JST) :JSTが管轄するムーンショット研究に関するウェブサイト

科研費は基盤Aか、手堅くBか、審査区分は?

審査区分導入の余波

2018年度(平成30年度)科研費(2017年秋の申請)から、審査のための領域の分け方が変更されました。それまでお馴染みだった「細目」がなくなり、「小区分」という呼び名に代わり、分け方や大きさも変わりました。

平成 30 年度助成(平成 29 年9月公募予定)からの審査は、「小区分・中区分・大区分」で構成される新しい審査区分で行う。それに伴い、現行の「系・分野・分科・細目表」は廃止し、新しく「審査区分表」を設定する。科研費審査システム改革2018

基盤(C)は小区分の中での相対評価となり、小区分の数は細目数の7割程度なので、やや分野が広がった程度といえます。それに対して、基盤(A)は中区分、基盤(S)にいたっては大区分という、かなり大雑把なわけ方の中での審査となります。

審査区分表(大区分、中区分、小区分)(JSPSのサイト)

このため、狭い研究分野でしっかりとした足場を築いてきた研究者の場合、これまではコンスタントに基盤研究で大型予算が獲得できていたのに、科研費審査システム改革以降は、自分の足場がどこ(の審査区分)にあるのかを見失ってしまい、思うように大型予算がとれなくなってしまったということもあるようです。場合によっては、基盤(A)をあきらめて基盤(B)を狙いにいこうかと悩むこともあるでしょう。

 

基盤(S)、基盤(A)と基盤(B)の審査のされ方の違いを理解する

基盤S,A,Bのどこに出すかを悩む前に、まずはそれらがどのように審査されるのかという審査の仕組みを理解する必要があります。

基盤研究(S)      審査区分:大区分 審査方式:総合審査(書面審査及び合議審査) ヒアリン グ審査を実施 
基盤研究(A)( 一般) 審査区分 :中区分 審査方式:総合審査(書面審査及び合議審査) 審査委員の人数:6人~8人
基盤研究(B)( 一般) 審査区分 :小区分 審査方式:2段階書面審査 審査委員の人数:6人
基盤研究(C)( 一般) 審査区分 :小区分 審査方式:2段階書面審査 審査委員の人数:4人

もう少し詳しい説明は、以下の通り。

「基盤研究(S)」は、研究計画調書及び専門分野が近い研究者が作成する審査意見書(国内の研究機関に所属する審査意見書作成者、3名程度が作成)等に基づき、大区分ごとに、6人の審査委員が全ての応募研究課題について、書面審査。その後、 書面審査と同一の審査委員が合議審査の場で各応募研究課題について幅広い視点から議論により審査を行い、ヒアリング対象課題を選定し、ヒアリング審査を行います。(総合審査)
「基盤研究(A)」(応募区分「一般」) 中区分ごとに、6人~8人の審査委員が、全ての応募研究課題について、書面審査を行った上で、同一の審査委員が合議審査審査。(「総合審査」)
「基盤研究(B・C)」(応募区分「一般」)及び「若手研究」は、小区分ごとに、「基盤研究(B)」は6人、「基盤研究(C)」「若手研究」は4人の審査委員が2段階にわたり書面審査

(参考:平成31年度 科学研究費助成事業 公募要項 PDF

こうしてみると、基盤Aと基盤Bは単に金額の大きさが異なるだけでなく、審査のされ方が大きく異なります。基盤Bと基盤Cの方が、審査のされ方という点では近いのです。

 

その審査区分におけるライバルの強さを把握する

例えば、科研費改革の前の細目の時代に分子生物学や遺伝学をやっていた人は、今はどこに出せばよいのでしょうか?大区分や中区分を選ぶ際に、その中の小区分の名称が一つの手がかりになります。

大区分G

中区分43分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野

小区分43010 分子生物学関連(染色体機能、クロマチン、エピジェネティクス、遺伝情報の維持、遺伝情報の継承、遺伝情報の再編、遺伝情報の発現、タンパク質の機能調節、分子遺伝、など)

小区分43050ゲノム生物学関連 (ゲノム構造、ゲノム機能、ゲノム多様性、ゲノム分子進化、ゲノム修復維持、トランスオミックス、エピゲノム、遺伝子資源、ゲノム動態、など)

中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野

小区分44010 細胞生物学関連(細胞骨格、タンパク質分解、オルガネラの動態、核の構造機能、細胞外マトリックス、シグナル伝達、細胞周期、細胞運動、細胞間相互作用、細胞遺伝、など)

小区分44020 発生生物学関連 (細胞分化、幹細胞、再生、胚葉形成、形態形成、器官形成、受精、生殖細胞、遺伝子発現調節、発生遺伝、進化発生、など分解、オルガネラの動態、核の構造機能、細胞外マトリックス、シグナル伝達、細胞周期、細胞運動、細胞間相互作用、細胞遺伝、など)

中区分 45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野

小区分45010 遺伝学関連 (遺伝機構、分子遺伝、細胞遺伝、集団遺伝、進化遺伝、発生遺伝、行動遺伝、遺伝的多様性、など)

ざっと見ただけでも、3つの中区分の中に遺伝学や分子生物学っぽい内容が含まれています。こうなると、どこにでも当てはまりそうという状態になりそうです。各々の小区分でどんな人が審査委員になっているのかがわかればよいのですが、審査委員氏名が公表されるのは2年後です。ただし、小区分名と以前の細目名との対応がつく場合は、その細目での過去の審査委員を調べることは可能でしょう。

 

ライバルチェックを実際にやってみよう

科研費の審査が区分ごとの相対評価である以上、ライバルが強い区分に出すのは避けたいものです。基盤Aなどはどんな先生方が獲得されているのでしょうか?KAKENデータベースを使えば直ちにわかります。例えば、中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野で2019年度に基盤(A)を採択されたものは、中区分名をキーワードに入れて検索すると、9件しかないことがわかります。

研究課題名 研究代表者
“記憶の局所フィードバック仮説”ーその中枢単一同定ニューロンでの検証 吉原 基二郎 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 総括研究員 (80222397)
プロテアソームの細胞生理学 田中 啓二 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 理事長 (10108871)
シグナルと力のゆらぎが上皮組織の可塑性を支配するしくみ 林 茂生 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (60183092)
抑制と抗抑制によるエピゲノム分化機構の解明と操作 角谷 徹仁 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (20332174)
細胞が材料を組み立てて体を「建築」する仕組みの解明 近藤 滋 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10252503)
細胞増殖因子情報伝達系の活性波による細胞集団移動制御機構 松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
合成生物学のアプローチを導入したプロトン駆動力ネットワークの解明 鹿内 利治 京都大学, 理学研究科, 教授 (70273852)
気孔の発生とパターン形成を制御する新奇メカニズムに合成化学で切込む 鳥居 啓子 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 客員教授 (60506103)
脊椎動物の季節適応機構の解明 吉村 崇 名古屋大学, 生命農学研究科(WPI), 教授 (40291413)

こうしてみると基盤(A)で採択されるのは、全国的に名の知れた研究者ばかりということがわかります。試しに2018年度の中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野での基盤(A)採択者も見てみると、

研究課題名 研究代表者
哺乳類の複雑脳形成プログラムの解明 松崎 文雄 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (10173824)
小胞体における活性酸素除去に関わる新たな分子機構の解明 永田 和宏 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (50127114)
植物の光受容体フィトクロムによる転写開始点制御の分子機構解明 松下 智直 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20464399)
幹細胞における細胞周期制御と代謝系との連関に関する基盤的研究 中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 主幹教授 (80291508)
上皮バリアの構築と機能を制御するタイトジャンクション・アピカル複合体の解析 月田 早智子 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00188517)
造血幹細胞を維持する微小環境(ニッチ)の形成と作用の分子機構の解明 長澤 丘司 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80281690)
細胞間情報を担う糖鎖AMORの発見に基づく植物糖鎖シグナリングの解明 東山 哲也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00313205)
植物の浸透圧ストレスに対する感知システムと初期応答の分子機構の解明 篠崎 和子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30221295)
浸透圧ストレスの受容・認識から応答に至る分子機構の解明 一條 秀憲 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00242206)
細胞競合と接触阻害を統合的に制御する分子メカニズムの解明 藤田 恭之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (50580974)

やはり、メジャーな大学に所属する著名な研究者ばかりでしかもたったの10件しか採択されていません。厳しい戦いですね。全然その分野のことを知らない自分のような人間が見ても、面白そうな採択課題名が並んでいます。審査委員の専門分野が多岐にわたることを考えれば、広く興味を引くように、研究課題名にも工夫を凝らす必要がありそうです。

 

さて、基盤研究(A)のレベルの高さがわかったので、基盤(B)がそれに比べてどうなのかも見てみたいと思います。基盤研究(B)でのライバルのレベルを知るには、自分が出してみようと思っている小区分名を入れて同様の検索を行ってみるとよいでしょう。例えば、この同じ中区分の中の一つの小区分44050 動物生理化学、生理学および行動学関連で検索をかけてみると、2018年度、2019年度の採択課題は、

研究課題名 研究期間 (年度) 研究代表者
昼行性生物と夜行性生物における概日光受容体メラノプシンの機能解析 2019-04-01 – 2022-03-31 羽鳥 恵 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90590472)
概日時計細胞間の接続様式とその役割 2019-04-01 – 2023-03-31 吉井 大志 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50611357)
嗅覚受容体クラス選択の遺伝学的操作による嗅覚行動の制御とその分子基盤の解明 2019-04-01 – 2023-03-31 廣田 順二 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 准教授 (60405339)
眠気の統合センシングシステムの理解 2019-04-01 – 2023-03-31 Liu Qinghua 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (90723792)
動物変態の進行を協調的に制御する神経伝達・ホルモン調節機構の解明 2019-04-01 – 2023-03-31 笹倉 靖徳 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10400649)
微小脳における習慣記憶形成とその神経基盤の解明 2019-04-01 – 2022-03-31 水波 誠 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30174030)
機能未知光受容タンパク質に着目した脊椎動物の脳内光受容とその多様性の解明 2018-04-01 – 2022-03-31 小柳 光正 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30379276)
ショウジョウバエの睡眠覚醒制御機構の総合的研究 2018-04-01 – 2021-03-31 粂 和彦 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (30251218)
昆虫概日時計の複眼依存性光同調の分子機構 2018-04-01 – 2021-03-31 富岡 憲治 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30136163)
メダカの顔認知の分子神経基盤の解明 2018-04-01 – 2021-03-31 竹内 秀明 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (00376534)
昆虫の光周性の分子・神経機構:概日時計と日長測定 2018-04-01 – 2021-03-31 沼田 英治 京都大学, 理学研究科, 教授 (70172749)
概日リズムの時刻情報変換に関わる神経回路動作原理の理解 2018-04-01 – 2021-03-31 小野 大輔 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (30634224)
ショウジョウバエにおける求愛定位行動解発の神経回路メカニズム 2018-04-01 – 2023-03-31 古波津 創 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (40571930)

となっています。基盤(B)採択者も業績のある研究者ばかりで、やはり熾烈な戦いのようです。採択件数も少ないですし、手堅く基盤(B)などとはとても言えない厳しさであることがわかりました。

 

 

審査委員の顔ぶれを知る

ライバルチェックと並んでもう一つ重要なことが、いったい誰が審査しているのかを知ることです。科研費はピアレビューのシステムですから、審査委員も自分の友達、知人、同業者です。JSPSのウェブサイトに、2年たったら審査委員の氏名が公開されますので、2年前の科研費であれば自分の計画調書を誰が読んで採択してくれたのか、あるいは不採択にしてくれたのかがわかるわけです。

審査委員名簿 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/14_kouho/meibo.html

 

応募件数を知る

もう一つ気になるのが、自分が出す研究種目、審査区分にどれくらいの応募件数があって、採択率はどれくらいなのかということです。このような個別のデータもJSPSのウェブサイトに公開されています。

https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/27_kdata/index.html 

審査区分別配分状況(平成31年2月14日更新) 平成30年度(2018年度) などが参考になります。

 

こういった、自分が戦う場所を知ることが、科研費を勝ち取るためには必要です。やみくもに計画調書を書いて出しても、実は土俵にすら上がれていなかったということになりかねません。

 

審査区分を選ぶときの考え方

どの審査区分に出すかの決断は難しいものです。研究テーマがマッチしており、なおかつ、その審査区分で採択されている人たちの業績などを調べて、自分が勝負を挑んだときに業績的に勝てる相手かどうかを見極めることが必要でしょう。その審査区分の中での相対評価で採択・不採択が決まるわけですから。自分の研究を高く評価してくれる審査委員がどの審査区分にいるのかを調べることもまた重要です。普段からいろいろな学会で発表していれば、自分の研究をどういう人たちが面白がってくれるかがわかります。自分の研究を面白いと言ってくれた研究者が審査委員をやっている審査区分を選んで出せば、採択される可能性は高まるでしょう。

 

基盤研究(B)か基盤研究(C)か

世の中には基盤(A)に出すか基盤(B)にするかで悩む研究者がいるのと同様に、基盤研究(B)と基盤研究(C)との間で悩んでいる研究者もいます。ここでも、考え方は同様です。しっかりと、自分が出そうとしている審査区分のライバルたちの業績を調べ上げましょう。勝てない人たちに喧嘩を売っても、勝てません。自分が買いたい測定装置が高価で、基盤(C)の金額を超えてしまうので基盤(B)に出そうなどとナイーブに考えたら、痛い目に合います。基盤(C)と基盤(B)との間のギャップは、単に申請できる金額の上限の差ではありません。採択される研究者の業績の差は、それよりもはるかに大きいのです。

そのへんの事情は、科研費の教科書を書かれている児島将康先生のウェブ記事(↓)が参考になります。

実際に審査した経験からいうと,基盤研究(B)と基盤研究(C)の間には,かなりのレベルの違いがある.両者の採択率はほとんど変わらないが,基盤研究(B)になると優れた業績(ということはインパクトファクターの高い雑誌に掲載された論文)をもっていて,これまでにも基盤研究(B)以上の研究費を獲得している研究者が多く,かなりハイレベルの競争になる.一方,基盤研究(C)になるとある程度の発表論文さえあれば十分に採択される.本来なら必要とする研究費の額に応じて基盤研究(A),基盤研究(B),基盤研究(C)のなかのどれに応募するか選択するのがよいのだろうが,実際には自分の研究レベルを考慮して選択するのがよい.(第1回 応募種目の選び方 科研費獲得のための応募戦略 Smart Lab Life 羊土社)*太字下線は当サイト

 

計画調書を人に読んでもらう

アドバイスをくれる人みんなが口を酸っぱくして言っていることなのに、それを聞いたみんながちっともやらないこと、それが「計画調書を人に読んでもらう」ということです。なぜ一人で書いてそのまま出してしうのでしょうか?「俺は今まで一人でやってきたんだ。だから一人でできる!」という自信でしょうか?「大型の科研費をとったこともないやつに何がわかる?!」というプライドでしょうか。「自分の計画調書を人に読まれるのはなんとなくいや。」という恥じらいでしょうか。サイコロジーはよくわかりませんが、書いたものを他人に見せられるだけのオープンマインドな人のほうが、採択される可能性が高いのは当たり前の話です。

 

科研費改革2018で審査のルール(区分)が変わりました。申請者はこの変化に対応する必要があります。基盤Aは、より広い分野の研究者が審査することになったため、今までと同じように書いても理解されない恐れがあります。ですから、書き上げた計画調書をできるだけいろいろな人に読んでもらい、研究の意義や目的が理解しやすいかどうかを聞いてみたほうがよいと思います。


 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

科学研究費助成事業公募要領等説明会(文部科学省・日本学術振興会主催)が開催される

令和元年度科学研究費助成事業説明会が今年は全国4か所で開催されました。ちなみに昨年は2か所での開催だったそうです。

開催場所と日時

  1. 東北会場令和元年9月4日(水曜日) 14時30分~16時30分 岩手大学(上田キャンパス) 教育学部北桐ホール(総合教育研究棟(教育系)) (岩手県盛岡市上田三丁目18番8号)
  2. 近畿会場令和元年9月6日(金曜日) 14時30分~16時30分 同志社大学(室町キャンパス) 寒梅館ハーディーホール (京都市上京区烏丸通上立売下ル御所八幡町103)
  3. 九州会場令和元年9月9日(月曜日) 14時30分~16時30分 九州大学 医学部百年講堂(福岡市東区馬出3丁目1番1号)
  4. 関東・甲信越会場令和元年9月11日(水曜日) (午前の部)10時00分~12時00分(午後の部)14時30分~16時30分 上智大学 10号館講堂(東京都千代田区紀尾井町7-1)

(参考:「令和元年度科学研究費助成事業説明会」の開催について(通知)日本学術振興会からのお知らせ

 

科研費の制度はここ数年でかなり変更があり、大きく改善された印象があります。どちらかというと、研究者のほうがそれについていけていないくらいではないでしょうか?(リサーチマップ何ソレ?業績欄が無くなったんだけど、どう書けば… 概要の長さはどれくらい?)

基金化による年度をまたいだ使用や合算使用ルールの緩和など、科研費の使い方に関してもだいぶ柔軟な制度になりました。それを知らない研究者が、不正にお金のやりくりをしてしまい、研究不正が認定されるという悲劇もあったりするそうです。

 

文科省・学術振興会の科学研究費助成事業公募要領等説明会の配布資料は内容が良くまとまっていて、手っ取り早く科研費制度や科研費改革の趣旨、全容を掴むことができます。

令和元年度科学研究費助成事業公募要領等説明会

当日の説明会の様子は動画が後日公開されるそうですが、当日資料はウェブ上で公開されていますので、紹介します。

科学研究費助成事業(科研費)について

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資料1 科学研究費助成事業(科研費)について

 

科研費の最近の動向及び令和2年度公募について

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資料2 科研費の最近の動向及び令和2年度公募について

 

科学研究費助成事業(科研費)の適正な管理等について

[pdf-embedder url=”http://scienceandtechnology.jp/wp-content/uploads/siryou3-Kaken-R2.pdf” title=”siryou3 Kaken R2″]

資料3 科学研究費助成事業(科研費)の適正な管理等について

researchmapについて

[pdf-embedder url=”http://scienceandtechnology.jp/wp-content/uploads/siryou4-Kaken-R2.pdf” title=”siryou4 Kaken R2″]

資料4 researchmapについて

 

平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会

平成31年度科研費と比べたときに令和元年度の科研費の変更点は、新学術新規立ち上げの廃止(発展的見直し)、若手の重複制限の緩和が目玉ですが、他の部分はほとんど変わっていないので、科研費制度の趣旨や科研費改革などについては平成31年度の説明会の内容も十分役に立ちます。以下、説明会の動画を紹介します。

 

科研費改革の概要等について 文部科学省研究振興局学術研究助成課長 梶山 正司

1.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(挨拶・科研費改革の概要等について)mextchannel Oct 2, 2018
 

資料1 科研費改革の概要等について  (PDF:2895KB)

 

2.平成31年度科学研究費助成事業-科研費-科研費審査システム改革、公募内容の変更点 日本学術振興会研究事業部研究助成第二課課長 與座 丈仁

2.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(平成31年度科学研究費助成事業-科研費-科研費審査システム改革、公募内容の変更点)mextchannel Oct 2, 2018 

 

資料2 平成31年度科学研究費助成事業-科研費-科研費審査システム改革、平成31年度公募内容の変更点

 

3.researchmapについて 科学技術振興機構知識基盤情報部人材情報グループ 係員 粕谷 直

3.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(researchmapについて)mextchannel Oct 2, 2018
 

資料3 researchmapについて

4.共同利用・共同研究システムの利用について 文部科学省研究振興局学術機関課課長補佐 高見沢 志郎

4.平成31年度科学研究費助成事業公募要領等説明会(共同利用・共同研究システムの利用について) mextchannel Oct 2, 2018 

 

資料4 共同利用・共同研究システムの利用について

 

科研費で不採択になりたい人はコチラ ⇒不採択になる科研費計画調書を書くためのポイント7個

採択されたい人はコチラ ⇒採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

 

参考

  1. 科学研究費助成事業 お知らせ(更新情報)一覧(文部科学省)
  2. 【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~
  3. 第10期研究費部会(第3回) 配付資料 1.日時 令和元年6月25日 学術変革領域研究

 

不採択になる科研費計画調書を書くためのポイント10個

必ず採択される科研費申請書を作成するのは難しいと思います。やはりライバルが強い審査分野だと、完璧な申請書であっても論文業績で勝てなかったりして不採択になる可能性があります。しかし、こう書いたら必ず落とされるだろうという申請書があります。そんな、採択されない科研費計画調書の書き方を考えてみます。

 

1.計画調書のページが空白だらけで中身がスカスカ

法令の遵守に関するページは、実験方法によってはほとんど書くことがないかもしれませんが、研究目的や計画のページがスカスカで半ページ以上も空白があったりしたら、やる気がないものとみなされて即落とされると思います。そんな申請書を出す人がいるのか?と不思議に思うかもしれませんが、最初から通るつもりがないのに出すだけ出す人がいるそうです。大学に出すことを義務付けられていたり、出せばとりあえず大学からの評価が上がるような場合に、こういう馬鹿げたことが起きます。採択されたいという気持ちがない人は申請するのは止めましょう。審査委員の方には申し訳ないですし、大学の恥になるだけです。

 

2.指示に従わずに書く

いまどきの科研費の計画調書は、この欄にはこれこれを書きなさいとという指示が至れり尽くせりの細かさです。それは審査委員が評点をつけやすいようにという配慮があるのだと思います。ですから、その指示を無視して、書くべきことを書くべきセクションに書いていないと、評点をつけにくくなるので、結果として評価が下がるでしょう。

正直言って、現在の科研費計画調書のセクション分けが良いとも思えないのですが(内容のダブり、順序の点で)、審査の手引きなどを参照し、評点の付けられ方を意識しながらうまく書くしかありません。

 

3.論理が破綻している

論理の破綻は、計画調書の中でいろいろな形で現れます。例えば、学術的な問いに答えるための研究目的なのに、全然問いに答える目的が設定されていない。あるいは、研究目的を達成するための研究計画なのに、その研究計画に則って実験して仮に成果を得たとしても、研究目的を達成することにはならない、つまり目的と計画にズレがあるといった具合です。

「相関関係」と「因果関係」の区別が全くついていない人も即、不採択になることでしょう。因果関係を明らかにするのが研究目的だといいつつ、相関関係しかわからないような研究計画だと、採択のしようがありません。

 

4.日本語が破綻している

日本人だから正しい日本語が書けると思ったら大間違い。人間は思い込みの動物ですから、うっかりヘンな日本語を書いていても自分ではなかなか気づけないのです。「本研究の目的は~する。」といった文を平気で書いていると、研究能力を疑われます。「本研究の目的は、~することである。」などと、主語と述語はきちんと対応させないといけません。誤字脱字も論外です。自分が書いた文章を見直しもせずに、忙しい審査委員に読ませる気だとしたら、そうとう傲慢な態度ですからバッサリ切り捨てられても文句をいえないでしょう。

 

5.計画が単純すぎる

研究目的を達成するために何をするのか、を研究計画の欄に書くわけですが、実験のアイデアが一つしかないとそれがポシャったらお終いです。実験なんてほとんどが期待通りにいかないわけですから、アプローチが一つしか書かれていないと目的を達成するのは無理だろうと思われます。やはり、いろいろな実験的アプローチを用意して、どれかがダメでもどれかが上手くいって、結果として設定した研究目的は達成できるということを審査委員に納得させなければなりません。

 

6.不要なものが存在する

どんなに思い入れのある過去の研究成果だったとしても、今回の研究計画に無関係なのであれば紹介する必要はありません。無駄なものを書くと、きれいなストーリーにならないので、計画調書の説得力が落ちます。

図も要注意です。その図を載せることで何を伝えたいのか?この質問に答えられないのなら、その図は不要です。不要な図を載せていると、空白を埋めるための安易な行動だとみなされるか、論理的にモノを考えられない人だと思われるのがおちです。

 

7.予備実験データを見せない

科研費の審査では、研究計画の実現可能性があるかないかが問われます。いくら素晴らしい研究計画であってもその実現可能性を裏付けるような予備実験データがないことには、信じようがありません。世の中には口だけ達者な人がいくらでもいますから、根拠を示さないとダメでしょう

 

8.業績欄に業績を書かない

2018年度科研費までは「業績欄」というものがありました。ところが、2019年度から名前が変わり、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」となっています。このセクションの呼び方がぼんやりしてしまったので、2019年度以降の様式しか見たことがない研究者は、業績欄と言われてもピンとこないかもしれません。

研究計画の実現可能性を測るために、審査委員は研究業績(パブリケーション)が申請者にどれくらいあるかを非常に気にします。計画調書を頭から読まずに、真っ先に業績欄をチェックする審査委員も少なくありません。それほど重要な業績欄なのですが、科研費申請の初心者の人で、業績欄に業績を書いていない人がいます。ファーストオーサーの英文査読付き論文が一番重要ですが、共著でもいいし、学会発表でも、なんでも書きましょう。空白にしておくのが一番まずいです。何も研究をやっていない人とみなされます。もちろん、論文業績がたくさんある人は、学会発表を書くスペースがなくなるでしょうから書く必要はありません。

 

9.審査のポイントを知らずに書いている

審査員には「審査の手引き」があり、そこには、評点の付け方が示されています。申請書を書く側からすれば、これを利用しない手はありません。おのおののポイントを落とさないような書き方をすれば良いのです。

審査の手引(平成31(2019)年度)(JSPS)

基盤研究(B・C)(一般)、若手研究(PDF)

 

10.学術用語を正しく使えていない

人間は使う言葉で判断されます。研究者の世界では学術用語が正しく使えていない人は、研究者ではないと判断されるでしょう。

 

こちらの記事もどうぞ ⇒採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

令和2年度(2020年度)科研費公募要項が発表、計画調書のダウンロードも始まる

9月と言えば科研費公募開始の時期です。9月1日付けで公募要項が発表されました。

令和2(2020) 年度科学研究費助成事業-科研費-の公募について (JSPS)

計画調書のダウンロードは可能になりましたが、科研費電子申請システム上で記入できるようになるのは、9月13日(金)からの予定です(参考PDF)。

 

科研費の締切日

科研費の最後の最後の締め切りは11月7日16:30ですが、研究者が個人的に送信するのでなく、所属する大学の事務が送信を行いますので大学が設定した締め切りを厳守する必要があります。どこの大学でもこの最終締め切りよりも1週間くらい前が大学としての最終締め切りになっていることと思います。

応募書類の提出(送信)期限・提出先 特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究 令和元(2019) 年11月7日(木)午後4時30分(厳守) ※上記期限までに本会電子申請システムにより送信すること。https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/02_koubo/index.html

 

公募要領・研究計画調書等のダウンロード

令和2年度の科研費の公募要項と計画著書のダウンロードサイトはこちらです。

公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ(JSPS)

 

今年度の主な変更点

「応募者の研究遂行能力及び研究環境」というセクションは、かつての「業績欄」に相当しますが、昨年度はここの書き方で悩んだ人も多かったようです。そのため、今年はかなり具体的な指示が示されています。下の留意事項の2番目ですが、業績が同定できるように書きなさいという指示が加わりました。雑誌名やページ数を書くかどうかで研究者によってかなり記載方法がバラついていましたが、やはりページ数まで書いて同定可能にしたほうが良いようです。審査委員によっては、論文が本当に出ているかどうか、研究計画に本当に関連した内容の論文かどうかを厳しくチェックしますから、詳細情報がなくて調べがつかない場合には信憑性に問題が生じます。

※留意事項
1. 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、
本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記
載すること。
2. 研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。
例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、
著書の場合はその書誌情報、など。
3. 論文は、既に掲載されているもの又は掲載が確定しているものに限って記載すること。
4. 本留意事項(斜体の文書)は、研究計画調書の作成時には削除すること。

(引用元:https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/data/r02/zentai_kiban_c.pdf) 太字強調は当サイト

 

researchmapについて

業績欄が無くなったことに対応して、”リサーチマップを審査委員が参照してもよい”ということになりました。原則として計画調書で審査されることになってはいますが、審査委員がリサーチマップを参照したときにどのような心証を与えるかで、採択のボーダーラインを越えられるかどうかが変わってこないとも限りません。せっかくですから、業績欄を見やすくしたり、その人となり、研究の興味が分かりやすく伝わるようにしておきたいものです。登録方法や業績のインポート方法などについては、下のガイドをご覧ください。

researchmapについて(JSPS)

 

科研費計画調書の書き方に関する関連記事は、こちら:

令和2年度(2020年度) 採択される科研費申請書の書き方と計画調書作成戦略20のポイント

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項

厚生労働科学研究費補助金とは

厚生労働科学研究費補助金(以下「補助金」という。)は、「厚生労働科学研究の振興を促し、もって、国民の保健医療、福祉、生活衛生、労働安全衛生等に関し、行政施策の科学的な推進を確保し、技術水準の向上を図ること」を目的とし、独創的又は先駆的な研究や社会的要請の強い諸問題に関する研究について競争的な研究環境の形成を行い、厚生労働科学研究の振興を一層推進する観点から、毎年度厚生労働省ホームページ等を通じて、研究課題の募集を行っています。(引用元:2019年度厚生労働科学研究費補助金公募要項)*太字強調は当サイト

 

厚生労働科学研究費補助金の審査のされ方

事前評価委員会において「専門的・学術的観点」や「行政的観点」等からの総合的な評価を経たのちに採択研究課題が決定され、その結果に基づき補助金が交付されます。(引用元:2019年度厚生労働科学研究費補助金公募要項)*太字強調は当サイト

 

厚生労働科学研究費補助金に誰が採択されているのか

 

厚生労働科学研究費補助金(厚労科研)の見られ方

科研費と言えば文科省(JSPS)だと思っていたのですが、厚生労働省の科研費「厚労科研費」なるものもあるそうです。なんだかものすごく地味な印象ですが、その割に金額は大きいです。だったらなぜみんな応募しないのだろうと不思議に思って聞いてみると、「あれは最初から採択される人が決まっているから」(出しても無駄)という答えがよく返ってきます。実際のところどうなんでしょうか?

 

 

 

 

厚労科研費のコスパ

 

43800000000/16000=2737500なので、論文1本書くのに研究費を平均274万円使っているという計算になります。

 

厚生労働科学研究とAMEDとの棲み分けについて

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)が平 成 27 年4月1日に設立され、平成 27 年度以降、厚生労働省、文部科学省及び 経済産業省が執行する健康・医療分野の研究開発予算は、AMEDに集約さ れ、AMEDから研究者に配分されるようになりました。 このため、健康・医療分野の「研究開発」に係るものについては、AMED が公 募を行っています。 一方、食品衛生、労働安全衛生、化学物質対策、危機管理等の国民の安全確保のために必要な研究や、厚生労働省の施策の科学的知見に基づく推進のため 必要な研究については、引き続き厚生労働省が公募等を実施しています。(引用元:「令和2年度厚生労働科学研究」に対する意見募集について 令 和 元 年 8 月 16 日 厚生労働省大臣官房厚生科学課 PDF)*太字強調は当サイト

平成31年度研究開発関連予算案の概要

平成31年度研究開発関連予算案の概要(カッコ内は平成30年度の数値)

厚生労働科学・調査研究費 日本医療研究開発機構関連経費
Ⅰ.行政政策研究分野

行政政策研究事業 約7.8億円(約8.8億円)
厚生労働科学特別研究事業 約3.1億円(約3.2億円)

Ⅱ.疾病・障害対策研究分野
成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 約2.9億円(約1.9億円)
がん対策推進総合研究事業 約5.5億円(約4.0億円)
生活習慣病・難治性疾患克服総合研究事業 約26億円(約22億円)
長寿・障害総合研究事業 約7.4億円(約6.1億円)
感染症対策総合研究事業 約15億円(約14億円)

Ⅲ.健康安全確保総合研究分野
地域医療基盤開発推進研究事業 約3.1億円(約2.9億円)
労働安全衛生総合研究事業 約1.0億円(約1.0億円)
食品医薬品等リスク分析研究事業 約14億円(約13億円)
健康安全・危機管理対策総合研究事業 約3.2億円(約2.8億円)

1.オールジャパンでの医薬品創出プロジェクト 約103億円(約101億円)
2.オールジャパンでの医療機器開発プロジェクト(一部再掲) 約 30億円(約 29億円)
3.革新的医療技術創出拠点プロジェクト 約 39億円(約 33億円)
4.再生医療実現プロジェクト(一部再掲) 約 34億円(約 34億円)
5.疾病 克服に向け た ゲ ノ ム医療 実現プ ロ ジ ェ ク ト (一 部再掲)約 46億円(約 52億円)
6.ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト(一部再掲)約 92億円(約 90億円)
7.脳とこころの健康大国実現プロジェクト(一部再掲)約 18億円(約 11億円)
8.新興・再興感染症制御プロジェクト(一部再掲)約 26億円(約 22億円)
9.難病克服プロジェクト(一部再掲)約115億円(約114億円)
10.統合プロジェクト以外の健康・医療戦略の推進に必要となる研究開発事業(厚生労働科学に係る医療分野の研究開発) 約 70億円(約 69億円)
計 約89億円(約80億円) 計 約474億円(約470億円)

 

 

 

 

 

 

 

 

引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000511707.pdf

参考

  1. 競争的資金制度について(内閣府)
  2. 第 5 章 各府省が行う研究費助成制度
  3. 平成30年度競争的資金制度一覧
  4. 厚労省、AMED対象経費に475億円厚労科研費には82億円 2018年度予算の閣議決定受け (久保田文 2017.12.25 08:00 日経バイオテック 有料記事) 
  5. 科研費100億円超増額(2018/12/14 11:56 日本経済新聞)19年度の予算案は18年度当初予算から86億円増えて2372億円となる。

 

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(3次)

公募期間

2019年8月2日(金)から2019年9月2日(月)午後5時30分

三次公募の対象研究事業

  1. EA がん政策研究事業
  2. FA 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
  3. FC 難治性疾患政策研究事業
  4. HA 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
  5. JA 労働安全衛生総合研究事業

参考

  1. 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(3次)(厚生労働省)
  2. 2019年度第三次公募要項(52頁PDF)

 

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(2次)

公募期間

2019年3月29日(金)から2019年5月10日(金)午後5時30分

二次公募の対象研究事業

  1. AC 臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業
  2. EA がん政策研究事業
  3. FA 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
  4. FD 腎疾患政策研究事業
  5. FE 免疫アレルギー疾患政策研究事業
  6. FG 慢性の痛み政策研究事業
  7. GB 認知症政策研究事業
  8. GC 障害者政策総合研究事業
  9. HB エイズ対策政策研究事業
  10. JA 労働安全衛生総合研究事業
  11. KC 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
  12. LA 健康安全・危機管理対策総合研究事業

参考

  1. 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(2次)(厚生労働省)
  2. 2019年度第二次公募要項(98頁PDF)

 

2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(1次)

公募期間

平成30年12月21日(金)から平成31年1月29日(火)午後5時30分

公募対象

  • AA 政策科学推進研究事業
  • AB 統計情報総合研究事業
  • BA 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究事業
  • DA 健やか次世代育成総合研究事業
  • EA がん政策研究事業
  • FA 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
  • FB 女性の健康の包括的支援政策研究事業
  • FC 難治性疾患政策研究事業
  • FF 移植医療基盤整備研究事業
  • GA 長寿科学政策研究事業
  • GB 認知症政策研究事業
  • GC 障害者政策総合研究事業
  • HA 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
  • HB エイズ対策政策研究事業
  • HC 肝炎等克服政策研究事業
  • IA 地域医療基盤開発推進研究事業
  • JA 労働安全衛生総合研究事業
  • KA 食品の安全確保推進研究事業
  • KC 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
  • KD 化学物質リスク研究事業
  • LA 健康安全・危機管理対策総合研究事業

 

参考

  1. 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(1次)(厚生労働省)
  2. 2019年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(平成30年12月21日厚生労働省大臣官房厚生科学課 238頁PDF)

 

参考

  1. 2020 年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた 意見伺いについて 第 110 回 科学技術部会 令和元年5月 24 日 資料3-3
  2. 「令和2年度厚生労働科学研究」に対する意見募集について 令 和 元 年 8 月 16 日 厚生労働省大臣官房厚生科学課 ○ 厚生労働科学研究の交付対象となる研究課題を設定するに当たっては、厚 生科学審議会科学技術部会(以下「科学技術部会」という。)において、「取 り組むべき課題について、パブリック・コメントを実施し、広く意見を聴取 する」こととされています。 ○ このため、令和2年度厚生労働科学研究の各研究事業について、広く皆様 からの御意見を募集します。
  3. パブリックコメント:意見募集中案件詳細 厚生 /その他 「令和2年度厚生労働科学研究」に対する意見募集について 案件番号 495190165 e-gov.go.jp
  4. 平 成 30 年 度 予 算 概 算 要 求 の 概 要 厚生労働省
  5. 平 成 29 年 度 予 算 案 の 概 要 厚生労働省
  6. 科学研究費助成事業 新たな知の創造 世 界 をリード す る 知 的 資 産 の 形 成 と継 承 の た め に ―2018年、科研費は創設100周年を迎えます― Grants-in-Aid for Scientific Research 2018 (平成30年)文部科学省(PDF)
  7. 科研費改革の動向 (文部科学省 研究振興局学術研究助成課)

 

令和2(2020)年度科研費公募の変更点のお知らせがJSPSウェブサイトに掲載される

令和2(2020)年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る制度改善等について」という文書が、2019年8月9日にJSPSウェブサイトに掲載されました。これを読むと、2020年度科研費(2019年9月1日公募開始)の変更点がわかります。

業績欄には業績を書く

平成31(2019)年度公募では、「研究業績」欄が「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更されたため、どう書けばいいの?と多くの研究者に戸惑いを与えました。それを受けて、研究計画調書における研究業績の記載方法に関する、より具体的な指示が今回付け加えられました。もともと「業績欄」だった「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄には、研究業績を書いていいという、当たり前のことの確認です。

1. 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記載すること。

2.研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、著書の場合はその書誌情報、など。

(太字強調は当サイト)

計画調書において引用文献を示すときに(だれそれ、XXXX年)のような曖昧な書き方をすると、どの論文を指すのかが同定できません。雑誌名まで書いても、同姓の人がいるのでやはり曖昧です。今回、頁数まで書くなどして「同定するに十分な情報を記載すること」という指示が加わったのは、どれくらい詳しく文献を書けばよいのか?というみんなの疑問を解消する、良い指示だと思います。

 

新学術領域の廃止とそれに代わる制度の創設

「新学術領域研究(研究領域提案型)」の新規の研究領域については、令和2(2020)年度は公募が行われないことになりました。新規の立ち上げはなくなりますが、継続の研究領域(平成29(2017)年度及び令和元(2019)年度採択領域)の公募は、今年も行われます。

新学術の廃止は大きな変化ですが、後継の制度として、「学術変革領域研究」が創設されます。これは、以前、すでに公表されていました。「学術変革領域研究」の公募開始時期は、令和2(2020)年1月以降を予定とのこと。

創設されるのは、助成金額や研究期間等に応じて、「学術変革領域研究(A)」と「学術変革領域研究(B)」の2つ。「学術変革領域研究(A)」は、新学術領域研究(研究領域提案型)の後継です。新たに設けられる「学術変革領域研究(B)」は、より挑戦的かつ萌芽的な研究に小規模・少人数で短期的に取り組み、将来の「学術変革領域研究(A)」への展開が期待されるものとされています。

「学術変革領域研究」の重複制限

○「学術変革領域研究(A)」の重複制限は、従来の「新学術領域研究(研究領域提案型)」における重複制限と同様。
○「学術変革領域研究(B)」の重複制限は、従来の「新学術領域研究(研究領域提案型)」における重複制限を基本としつつ、研究種目の趣旨等を踏まえ、区分(A)と比較して次のとおり重複制限を緩和。

【重複応募・受給を認めるもの】
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者と「基盤研究(S)」の研究代表者
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者及び計画研究代表者と「挑戦的研究(開拓)」の研究代表者
・「学術変革領域研究(B)」の領域代表者と「特別推進研究」の研究分担者

 

さらなる若手研究者優遇政策

若手優遇の傾向が、今回の制度変更にも見られます。若手研究者の挑戦機会の拡大のために重複制限の緩和が行われるとのこと。

「若手研究(2回目)(※)」と「基盤研究(S・A・B)」との重複応募制限の緩和

(※)令和2(2020)年度公募においては、「若手研究(1回目)」を受給中で本年度が研究計画の最終年度の者、又は過去(平成30(2018)年度以前)に1度「若手研究」を受給し終わった者のうち、「若手研究」の応募資格を満たす者が応募する「若手研究」。なお、「若手研究」には、「若手研究(S・A・B)」を含む。

(注)「若手研究(2回目)」と「基盤研究(S・A・B)」との重複受給はできません(両方採択された場合は「基盤研究(S・A・B)」を優先。)。

 

研究活動スタート支援の重複受給制限緩和

・令和元(2019)年度以前に「研究活動スタート支援」に採択され、令和2(2020)年度も当該研究課題が継続する者が、令和2(2020)年度公募において基盤研究等に応募し採択された場合、重複して受給が可能です。

 

重複制限の緩和

他にも、一部の重複制限が緩められました。

・従来、「基盤研究(B)」と「挑戦的研究」との重複応募については、「挑戦的研究(萌芽)」のみが認められていたところ、令和2(2020)年度公募からは「挑戦的研究(開拓)」との重複応募、重複受給も可能です。
・あわせて、「挑戦的研究(開拓)」については、令和2(2020)年度から基金化することを予定しています。

 

参考

 

 

 

予算1000億円のムーンショット・テーマ25候補が発表される

1000億円の予算がつぎ込まれるムーンショット制度のテーマ25候補が発表されました。この25個の候補からさらにテーマが絞り込まれるそうです。

ムーンショット・テーマ25候補

  1. 50年までにサイボーグ化技術の実現(人間拡張技術)
  2. 40年までに移動の完全ユビキタス化を実現
  3. 40年までにほぼ全ての人のほぼ全ての行為と体験をアバター経由で実現
  4. 35年までに高齢者のQoLを劇的改善
  5. 40年までに予防措置・ウエルネスが主流となる生活の実現
  6. 40年までに「どこでも医療アクセス」実現
  7. 40年までに農林水産業の完全自動化を実現
  8. 40年までに建設工事の完全無人化を実現
  9. 50年までに現在の1/100の資源ロスで現在の生活水準が維持可能な工業生産・利用の実現
  10. 40年までに、単位計算量当たりエネルギー消費を1/1000に
  11. 60年までに持続可能なエネルギー独立の達成
  12. 50年までに完全資源・物質循環の達成
  13. 50年までにフード・ロスをなくし、全ての人々に必要な食料を効率的に届ける
  14. 50年までに地球上からの「ゴミ」の廃絶
  15. 50年までに環境中立で最高水準の生活を可能とする大都市の実現
  16. 50年までに生物多様性を増大させる農業を地球規模で実現
  17. 50年までにテラ・フォーミング技術を確立
  18. 50年までにノーベル賞級の発見を自律的に行うAI&ロボットシステムの開発
  19. 50年までに生命現象をデジタルモデル化し、その制御を実現
  20. 50年までに人工冬眠技術を確立
  21. 50年までに全神経回路網とその関連組織を完全デジタルコピー/モデル化
  22. 50年までに汎用型量子コンピューターネットワークを実現
  23. 50年までに海洋・地下を網羅的・高精度に測定し可視化・監視
  24. 50年までに太陽系内全天体等の定常的観測網とサンプルリターン体制の構築による宇宙状況監視の実現
  25. 35年までに宇宙空間で稼働する高機能・多自由度ロボット・人工衛星群の開発

(参考:https://news.goo.ne.jp/article/newswitch/business/newswitch-18659.html 太字強調は当サイト)

 

ムーンショット制度に関する国の議論

ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議

ウェブサイト https://www.kantei.go.jp/jp/singi/moonshot/index.html

ムーンショットに関わる人々

ビジョナリー会議構成員

  1. 北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長、所長
  2. 落合陽一 メディアアーティスト筑波大学准教授
  3. 尾崎マリサ優美 アーティスト(スプツニ子!) 東京大学特任准教授
  4. 小林喜光 (株)三菱ケミカルホールディングス取締役会長
  5. 西口尚宏 (一社)Japan InnovationNetwork 専務理事
  6. 藤井太洋 SF作家
  7. 江田麻季子 世界経済フォーラム日本代表

(参考 https://www8.cao.go.jp/cstp/kaisaiannai/2019/20190716beshi_.pdf)

 

個人的な感想

個人的には壮大な無駄遣いにしか思えないムーンショット制度。論文業績がある研究者が定職に就けずに放浪し、東大や京大の学生が大学院進学を躊躇し、日本の研究力の低下が論文数の低下となって露わになっているこの状況の改善策を打ち出すことのほうが先ではないでしょうか?ムーンショット制度は、同様の趣旨のIMPACTプロジェクトの後継のようですが、IMPACTが成果を収めたというニュースもあまり聞いていないのに、さらにそれを拡大するというのはあまりにも無責任な施策に思えます。国民の税金1000億円の正しい使い方だとは到底思えません。公表された25テーマを見ても、今後の日本人の幸せを増やしてくれそうな予感が全くしない。

平成31年度(2019年度)科研費申請書の変更点まとめ

研究計画調書変更の衝撃

平成31年度(2019年度)の科研費(2018年の秋に申請、2019年春に採択通知、交付)では、研究計画調書の様式が劇的に変わりました。一番大きな変化は、「論文業績欄」のための欄が消えて、「研究者の遂行能力」を示す欄にとって代わられたことです。論文業績といえば、審査の際に最重要視される部分ですから、このセクションが突然変更されたっために一体何をどう書くのが正解なのかと思い悩んだ人が数多かったようです。また、概要を10行程度で書けという指示もなくなったため、何行くらいで書けばよいのか?と悩んだ人もいたはずです。

 

研究計画調書変更はいつ知らされるのか?

科研費の公募は通常9月の始めなので、2019年9月になってから申請書の様式を見て驚いた人が多いと思いますが、このような大きな変更はいつ周知されたのでしょうか?ネットで見ると実は8月の上旬にお知らせがなされていたことがわかります。

事務連絡

平成30年8月9日

科学研究費助成事業研究機関担当者殿

文部科学省研究振興局学術研究助成課

独立行政法人日本学術振興会研究事業部

平成31年度科学研究費助成事業(科研費)の公募に係る変更等について

(今回予定している研究計画調書の変更)
○ 研究計画調書における「研究代表者および研究分担者の研究業績」欄について、評定要素に合わせ、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更する。

(引用元:2018年08月09日平成31年度科学研究費助成事業の研究計画調書について

その年にどんな変更があるかは8月上旬に日本学術振興会(JSPS)のホームページのお知らせ欄チェックしておくのが大事なようです。自分でチェックしなくても研究機関の事務担当者宛にこのお知らせは送付されているので、事務の科研費担当者から学内に周知されたはずですが。

 

研究計画調書変更はどう伝わるのか?

世の中には前年度の様式をうっかり使ってしまう研究者もいるくらい、研究者は様式など事務的なことに弱いようです。そんな研究者に大事なことはどう伝わっていくものなのでしょうか?今時、ツイッターは情報拡散ツールとして大きな社会的役割を果たしていると思います。

 

後はやはり研究者間での口コミでしょう。研究者同士の雑談は情報伝達の重要な手段です。

書籍の出版は、科研費制度の変更になかな追いつかないのですが、科研費関連書籍のウェブサイトでは最新情報が逐次アップデートされるので、頼りになります。

科研費獲得の方法とコツ 速報科研費獲得応援ページ 羊土社

 

平成31年度科研費研究計画調書の変更点などのまとめ

  1. 研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄が、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更
  2. 研究分担者の承諾書面での承諾から、科研費電子申請システム上で承諾を行うことに変更
  3. 審査の際には、必要に応じて審査委員が、researchmap 及び科学研究費助成事業データベース(KAKEN)の掲載情報を参照することに

(参考:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/__icsFiles/afieldfile/2018/08/31/1408714_01.pdf

 

令和2年度(2020年度)の科研費

さて、令和2年の科研費ではどんな変更があるのでしょうか?新学術に関して劇的に制度が変更されることは、すでに公表されています

⇒ 【変わる科研費】新学術領域研究を見直しへ~制度の主な変更点~

 

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表される

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表されました。

研究期間 (年度) は、2019-06-28 – 2024-03-31です。

研究課題名 研究代表者
超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 高谷 直樹 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授
人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域代表者 石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 岡田 康志 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授
「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究 津本 浩平 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 太田 順 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授
高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用 岩田 想 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 教授
多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授
全能性プログラム:デコーディングからデザインへ 小倉 淳郎 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他
マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 小松 雅明 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学 入山 恭寿 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学 田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 教授
地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 井上 邦雄 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授
水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 加藤 隆史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
機能コアの材料科学 松永 克志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot 野中 正見 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, その他
量子液晶の物性科学 芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授
出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 松本 直子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授

(出典:KAKEN)

平成22年度(2010年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

研究期間が平成22年度(2010年度)~平成26年度(2014年度)年度の新学術領域(研究提案型)のまとめ。中間報告書作成&中間審査が平成24年度(2012年度)、最終報告書作成&最終審査が平成27年度(2015年度)に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-など。

平成22年度科学研究費補助金「新学術領域研究(研究領域提案型)」新規採択研究領域一覧(36領域)

*とりあえず生命科学系だけPDFリンクを。他はKAKENデータベース参照のこと。

審査希望区分 研究領域名 領域代表者 研究機関・所属・職 領域番号 研究期間 ニュースレター 中間評価報告書 事後評価報告書
人文・社会系 ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 赤澤 威 高知工科大学・総合研究所・教授

1201

22~26年度

 

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理工系 バルクナノメタル -常識を覆す新しい構造材料の科学 辻 伸泰 京都大学・大学院工学研究科・教授

2201

22~26年度

 

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対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象 前野 悦輝 京都大学・大学院理学研究科・教授

2202

22~26年度

 

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コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス 押山 淳 東京大学・大学院工学系研究科・教授

2203

22~26年度

 

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直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発 茶谷 直人 大阪大学・大学院工学研究科・教授

2204

22~26年度

 

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気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 中村 尚 東京大学・大学院理学系研究科・准教授

2205

22~26年度

 

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融合マテリアル:分子制御による材料創成と機能開拓 加藤 隆史 東京大学・大学院工学系研究科・教授

2206

22~26年度

 

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生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 及川 英秋 北海道大学・大学院理学研究院・教授

2207

22~26年度

 

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電磁メタマテリアル 萩行 正憲 大阪大学・レーザーエネルギー学研究センター・教授

2208

22~26年度

 

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生物系 シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成 (KAKEN) 岡澤 均 東京医科歯科大学・難治疾患研究所・教授

3201

22~26年度

 

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成 (KAKEN) 宮田 卓樹 名古屋大学・大学院医学系研究科・教授

3202

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がん微小環境ネットワークの統合的研究 (KAKEN) 宮園 浩平 東京大学・大学院医学系研究科・教授

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細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング (KAKEN) 松田 道行 京都大学・大学院生命科学研究科・教授

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感染・炎症が加速する発がんスパイラルとその遮断に向けた制がんベクトル変換 (KAKEN) 畠山 昌則 東京大学・大学院医学系研究科・教授

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メゾスコピック神経回路から探る脳の情報処理基盤 (KAKEN) 能瀬 聡直 東京大学・大学院新領域創成科学研究科・教授

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生命応答を制御する脂質マシナリー (KAKEN) 横溝 岳彦 九州大学・大学院医学研究院・教授

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翻訳後修飾によるシグナル伝達制御の分子基盤と疾患発症におけるその破綻 (KAKEN) 井上 純一郎 東京大学・医科学研究所・教授

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多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明 (KAKEN) 北村 俊雄 東京大学・医科学研究所・教授

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大地環境変動に対する植物の生存・成長突破力の分子的統合解析 (KAKEN) 馬 建鋒 岡山大学・資源植物科学研究所・教授

3210

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植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで (KAKEN) 長谷 あきら 京都大学・大学院理学研究科・教授

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細胞シグナリング複合体によるシグナル検知・伝達・応答の構造的基礎 (KAKEN) 箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学研究科・教授

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血管-神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構 (KAKEN) 高橋 淑子 奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス科・教授

3213

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神経細胞の多様性と大脳新皮質の構築 (KAKEN) 山森 哲雄 基礎生物学研究所・脳生物学研究部門・教授

3214

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3次元構造を再構築する再生原理の解明 (KAKEN) 阿形 清和 京都大学・理学研究科・教授

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ゲノムアダプテーションのシステム的理解 (KAKEN) 篠原 彰 大阪大学・蛋白質研究所・教授

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食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明 (KAKEN) 寒川 賢治 国立循環器病研究センター・研究所・研究所長

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ミクロからマクロへ階層を超える秩序形成のロジック (KAKEN) 武田 洋幸 東京大学・大学院理学系研究科・教授

3218

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複合適応形質進化の遺伝子基盤解明 (KAKEN) 長谷部 光泰 自然科学研究機構・基礎生物学研究所・教授

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22~26年度

 

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パーソナルゲノム情報に基づく脳疾患メカニズムの解明 (KAKEN) 辻 省次 東京大学・医学部附属病院・教授

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癌幹細胞を標的とする腫瘍根絶技術の新構築 (KAKEN) 赤司 浩一 九州大学・医学研究院・教授

3221

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ゲノム複製・修復・転写のカップリングと普遍的なクロマチン構造変換機構 (KAKEN) 花岡 文雄 学習院大学・理学部・教授

3222

22~26年度

 

 

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性差構築の分子基盤 (KAKEN) 諸橋 憲一郎 九州大学・大学院医学研究院・教授

3223

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先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究 (KAKEN) 笹月 健彦 九州大学・高等研究院・特別主幹教授

3224

22~26年度

 

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複合領域 システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発 (KAKEN) 宮野 悟 東京大学・医科学研究所・教授

4201

22~26年度

 

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質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 (KAKEN) 小松 英彦 自然科学研究機構・生理学研究所・教授

4202

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統合的多階層生体機能学領域の確立とその応用 (KAKEN) 倉智 嘉久 大阪大学・大学院医学系研究科・教授

4203

22~26年度

 

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参考

  1. 平成27年度「新学術領域研究(研究領域提案型)」に係る審査概況とその検証結果

 

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平成23年度(2011年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

研究期間が平成23年度(2011年度)~平成27年度(2015年度)年度の新学術領域(研究提案型)のまとめ。中間報告書作成&中間審査が平成25年度(2013年度)、最終報告書作成&最終審査が平成28年度(2016年度)に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-など。

「平成28年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベース上の「報告書」欄に掲載されています。

審査希望区分 研究領域名 領域代表者 所属機関・所属・職 領域番号 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
人文・社会系 法と人間科学 仲 真紀子 北海道大学・文学研究科・教授

1301

 

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理工系 天然物ケミカルバイオロジー:分子標的と活性制御 上田 実 東北大学・大学院理学研究科・教授

2301

 

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太陽系外惑星の新機軸:地球型惑星へ 林 正彦 東京大学・大学院理学系研究科・教授

2302

 

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先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学~真空と時空への新たな挑戦 浅井 祥仁 東京大学・大学院理学系研究科・准教授

2303

 

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有機分子触媒による未来型分子変換 寺田 眞浩 東北大学・大学院理学研究科・教授

2304

 

KAKENデータベース検索

超高速バイオアセンブラ 新井 健生 大阪大学・基礎工学研究科・教授

2305

 

KAKENデータベース検索

ナノメディシン分子科学 石原 一彦 東京大学・大学院工学系研究科・教授

2306

 

KAKENデータベース検索

超低速ミュオン顕微鏡が拓く物質・生命・素粒子科学のフロンティア 鳥養 映子 山梨大学・医学工学総合研究部・教授

2307

 

KAKENデータベース検索

シンクロ型LPSO構造の材料科学ー次世代軽量構造材料への革新的展開ー 河村 能人 熊本大学・自然科学研究科・教授

2308

 

KAKENデータベース検索

生物系 統合的神経機能の制御を標的とした糖鎖の作動原理解明 門松 健治 名古屋大学・大学院医学系研究科・教授

3301

 

KAKENデータベース検索

脳内環境:恒常性維持機構とその破綻 高橋 良輔 京都大学・医学研究科・教授

3302

 

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KAKENデータベース検索

上皮管腔組織の形成・維持と破綻における極性シグナル制御の分子基盤の確立 菊池 章 大阪大学・大学院医学系研究科・教授

3303

 

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KAKENデータベース検索

ゲノム・遺伝子相関:新しい遺伝学分野の創成 高山 誠司 奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス研究科・教授

3304

 

KAKENデータベース検索

ゲノムを支える非コードDNA領域の機能 小林 武彦 国立遺伝学研究所・細胞遺伝研究系・教授

3305

 

KAKENデータベース検索

少数性生物学ー個と多数の狭間が織りなす生命現象の探求ー 永井 健治 北海道大学・電子科学研究所・教授

3306

 

KAKENデータベース検索

生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御 深水 昭吉 筑波大学・生命環境科学研究科・教授

3307

 

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マトリョーシカ型進化原理 野崎 智義 国立感染症研究所・寄生動物部・部長

3308

 

KAKENデータベース検索

複合領域 精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学 笠井 清登 東京大学・医学部附属病院・教授

4301

 

KAKENデータベース検索

動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 岡本 正宏 九州大学・農学研究院・教授

4302

 

KAKENデータベース検索

予測と意思決定の脳内計算機構の解明による人間理解と応用 (KAKEN) 銅谷 賢治 独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構・神経計算ユニット・代表研究者

4303

 

 

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平成25年度(2013年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

研究期間が平成25年度(2013年度)~平成29年度(2017年度)年度の新学術領域(研究提案型)のまとめ。中間報告書作成&中間審査が平成27年度(2015年度)、最終報告書作成&最終審査結果が平成30年度(2018年度)に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-など。

「平成30年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベース上の「報告書」欄に掲載されています。

領域番号 審査希望区分 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
 1501  人文・社会系 新興国の政治と経済発展の相互作用パターンの解明  園部 哲史  政策研究大学院大学・政策研究科・教授   KAKEN 
 2501  理工系 生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現  加藤 晃一  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)・岡崎統合バイオサイエンスセンター・教授 HTML KAKEN 
 2502  理工系 ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立成果報告書PDF一覧 佐野 雅己  東京大学・大学院理学系研究科・教授 HTML KAKEN
 2503  理工系 理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学 田原 太平  独立行政法人理化学研究所・田原分子分光研究室・主任研究員 HTML KAKEN
2504  理工系 ニュートリノフロンティアの融合と進化  中家 剛  京都大学・大学院理学研究科・教授   35頁PDF33頁PDF

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 2505  理工系 ナノ構造情報のフロンティア開拓-材料科学の新展開  田中 功  京都大学・大学院工学研究科・教授   KAKEN
 2506  理工系 原子層科学 齋藤 理一郎  東北大学・大学院理学研究科・教授 HTML 37頁PDF

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 2507  理工系 宇宙における分子進化:星間雲から原始惑星系へ  香内 晃  北海道大学・低温科学研究所・教授   KAKEN
 2508  理工系 3次元半導体検出器で切り拓く新たな量子イメージングの展開  新井 康夫  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・教授   KAKEN
 2509  理工系 分子アーキテクトニクス:単一分子の組織化と新機能創成  夛田 博一  大阪大学・大学院基礎工学研究科・教授 HTML KAKEN
 3501  生物系 オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで  水島 昇  東京大学・大学院医学系研究科・教授   KAKEN
 3502  生物系 生殖細胞のエピゲノムダイナミクスとその制御  篠原 隆司  京都大学・大学院医学研究科・教授   KAKEN
 3503  生物系 植物発生ロジックの多元的開拓  塚谷 裕一  東京大学・大学院理学系研究科・教授   KAKEN
 3504  生物系 動物における配偶子産生システムの制御  小林 悟  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)・岡崎統合バイオサイエンスセンター・教授   KAKEN
 3505  生物系 多様性から明らかにする記憶ダイナミズムの共通原理  齊藤 実  公益財団法人東京都医学総合研究所・運動・感覚システム研究分野・参事研究員 HTML KAKEN
 3506  生物系 動的クロマチン構造と機能  胡桃坂 仁志  早稲田大学・理工学術院・教授   KAKEN
 3507  生物系 グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態  池中 一裕  生理学研究所・分子生理研究系・教授   KAKEN
 4501  複合領域 共感性の進化・神経基盤  長谷川 壽一  東京大学・大学院総合文化研究科・教授   KAKEN
 4502  複合領域 こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて―  北澤 茂  大阪大学・大学院生命機能研究科・教授   KAKEN
 4503  複合領域 スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成  岡田 真人  東京大学・大学院新領域創成科学研究科・教授 HTML KAKEN

 

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平成24年度(2012年度)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書(最終報告書)

研究期間が平成24年度~平成28年度の新学術領域(研究提案型)のまとめです。中間報告書作成&中間審査が平成26年度、最終報告書作成&最終審査結果が平成29年度に行われています。中間評価結果や事後評価結果はA,A+,A-などとつけられるようです。

「平成29年度 新学術領域研究(研究提案型)に係る事後評価報告書」のPDFはKAKENデータベースの「報告書」欄にありました。

新学術領域のウェブサイトはすでに閉鎖されてしまっているところもあり、学術的にも広報的にも価値が高いのに、非常にもったいないと思います。永続的に閲覧可能にしてほしいものです。

 

 【人文・社会系委員会審査分】

領域番号 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
1401 現代文明の基層としての古代西アジア文明―文明の衝突論を克服するために― 常木 晃 筑波大学・人文社会科学研究科(系)・教授 KAKEN

 【理工系委員会審査分】

領域番号 研究領域ウェブサイト 領域代表者 所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
2401 元素ブロック高分子材料の創出(文部科学省 中條 善樹 京都大学・工学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
2402 重力波天体の多様な観測による宇宙物理学の新展開 中村 卓史 京都大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
2403 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 萩谷 昌己 東京大学・情報理工学(系)研究科・教授 KAKEN
2404 実験と観測で解き明かす中性子星の核物質 田村 裕和 東北大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
2405 多面的アプローチの統合による計算限界の解明 渡辺 治 東京工業大学・情報理工学(系)研究科・教授 KAKEN
2406 人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換:実用化に向けての異分野融合 井上 晴夫 首都大学東京・都市環境科学研究科・教授 KAKEN
2407 プラズマ医療科学の創成 堀 勝 名古屋大学・工学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
2408 感応性化学種が拓く新物質科学 山本 陽介 広島大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
2409 福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究 恩田 裕一 筑波大学・生命環境科学研究科(系)・教授 KAKEN

 【生物系委員会審査分】

 領域番号  研究領域名 領域代表者  所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
 3401  免疫四次元空間ダイナミクス 高濱 洋介  徳島大学・疾患ゲノム研究センター・教授 KAKEN
 3402 ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム (archive.is) 岩井 一宏  京都大学・医学(系)研究科(研究院)・教授 PDF

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 3403 シリア・中心体系による生体情報フローの制御(文部科学省 濱田 博司  大阪大学・生命機能研究科・教授 PDF

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 3404 植物細胞壁の情報処理システム 西谷 和彦  東北大学・生命科学研究科・教授 KAKEN
 3405 ウイルス感染現象における宿主細胞コンピテンシーの分子基盤 永田 恭介  筑波大学・医学医療系・教授 リンク KAKEN
 3406 マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出 喜田 聡  東京農業大学・応用生物科学部・教授 リンク PDFPDF KAKEN
 3407 運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性動画 宮田 真人  大阪市立大学・理学(系)研究科(研究院)・教授 KAKEN
 3408 高精細アプローチで迫る転写サイクル機構の統一的理解 山口 雄輝  東京工業大学・生命理工学研究科・准教授 KAKEN

【複合領域委員会審査分】

 領域番号  研究領域名 領域代表者  所属機関・所属・職 ニュースレター 中間評価報告書・事後評価報告書
 4401 構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解- 國吉 康夫  東京大学・情報理工学(系)研究科・教授 KAKEN
 4402  生物多様性を規範とする革新的材料技術(文部科学省 下村 政嗣  東北大学・原子分子材料科学高等研究機構・教授 KAKEN
 4403 新海洋像:その機能と持続的利用 古谷 研  東京大学・農学生命科学研究科・教授 KAKEN

 

 

 

 

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