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ハゲタカジャーナル論文掲載 不名誉な大学ランキング【悲報】東大、阪大などの研究者も投稿していたことが発覚  (≧▽≦ )

査読システムが機能していない(事実上存在しない)ので、お金を払えば誰でも論文が出せるジャーナルがあります。英語論文を出したい著者の心理に付け込んでお金を巻き上げるイメージなので、研究者を食い物にするハゲタカジャーナル(捕食ジャーナル)と呼ばれています。英語はpredatory journalsなので、「捕食ジャーナル」のほうが英語に忠実な訳語ですが、言葉のインパクトの強さのせいか「ハゲタカジャーナル」という呼称が優勢です。 どの学術誌がハゲタカジャーナルとみなされているかについては、ジェフリー・ビール(Jefferey Beall)さんがいかがわしい雑誌社・雑誌リストをつくって公表したBeall’s listが有名です。しかしながら、Beallさんは訴訟問題を避けるために公開するのをやめたようで、今では誰かがそれを転載したものがネット上に存在するだけです。グーグルで検索すれば極めて容易にリストのコピーにたどりつけるので、ここでも面倒をさけるためにリンクは張らないことにします。   Beall’s Listとは ビオール氏は、「ハゲタカ(悪徳)オープンアクセス出版」に対抗する活動で有名です。これは同氏が2010年に考え出した造語です。同年、彼は最初の悪徳学術誌リストを出版しました。そこに含まれていたのは20誌未満でしたが、その後このリストは増え続け、今では包括的な「ビオールのハゲタカ出版社リスト」(Beall’s List of Predatory Publishers)として知られています。(「『ハゲタカ出版社』は、あらゆる手を使ってまともな出版社のふりをします」Editage Insights 2015年7月24日 )   よい子は関わってはいけないハゲタカジャーナル こういう悪徳な雑誌社は、「論文をうちに出しませんか?」というメールをしょっちゅう送りつけてきます。完全に分野違いであっても「エディトリアルボードに加わりませんか」というお誘いもスパム的に送りつけてきます。シツコイなあと思ってBeall’s listをチェックすると、大抵の場合そこに名前があるので、無視したほうが無難です。関わってしまうと、研究者としての自分の信用を失うことになります。 事実上査読がないわけですから、はげたかジャーナルに論文を出して「査読つき論文業績」と称するのは、ある意味研究不正と大差がなく、研究者としては終わっていると思います。   ハゲタカジャーナル論文掲載大学ランキング 毎日新聞の報道によれば、Predatory Journalsに最も多く投稿している大学の上位は、以下の通りです。 九州大学 147報  東京大学 132報 大阪大学 107報 新潟大学 102報  名古屋大学 99報 日本大学 87報 東北大学 82報 北海道大学 74報 広島大学 73報 京都大学 66報 神戸大学 63報 筑波大学 60報 慶應義塾大学 56報 千葉大学 55報 金沢大学 54報 …

間違った医学論文で取得した博士号を徳島大学が取り消し

  2018/07/28    論文データ捏造, 研究倫理

学位取り消し 徳島大学では,元大学院学生(徳島大学大学院医科学教育部医学専攻博士課程(平成29年3月23日修了))の学位論文「A significant causal association between C-reactive protein levels and schizophrenia」(甲医第 1318 号・博士(医学))に関して,下記のとおり「学位を授与された者が,その名誉を汚辱する行為をしたとき」と判断し,学位授与の取り消しを決定し,学位記の返還を命じた。(徳島大学 平成30年7月6日)   論文の間違いが発覚した経緯 学位授与の根拠となった論文に関連し,外国人研究者が同じ公開データを使用した同じテーマの論文が,結果が逆の内容で別学術雑誌に掲載された。今回対象の論文を掲載している学術雑誌の編集者から,研究内容を確認して回答するよう要請があった。著者らは,要請を受けて再確認し,計算自体に間違いがなかったが,当初の公開データの取り間違いがあったことに気づき,論文の根幹に係る主張の間違いだと言うことで,論文撤回(H30.2.21)という結果になった。(徳島大学 平成30年7月6日)   研究不正の有無 特に公開データの場合は,誰もが同じことを直ぐにでも試みることができるので,データを故意に間違えて計算するという蓋然性は低く,この論文撤回に関して不正はなかったと判断した。(徳島大学 平成30年7月6日)   学位を取り消す根拠 学位授与の前提となる論文が事実上なくなった 研究者として当然持っているべき基本的な慎重さが欠け,主張が間違った論文を学位論文として申請した (徳島大学 平成30年7月6日)   徳島大学学長のコメント このたびの事態によって損なわれた徳島大学の学位に対する社会的信頼を回復するため、大学院生に対する研究者倫理教育の醸成を図ることはもちろんのこと、論文の作成段階及び学位の申請段階において、教育・研究の達成を見る上でも、実験内容を適切に記録していることを確認させるとともに、論文審査体制を一層厳格化することにより、学位審査体制の充実、透明性、客観性の確保を図り、学位の質保証に結びつけてまいります。(学長 野地澄晴)(学位授与の取消しについて 徳島大学 2018年7月6日)   参考 学位授与の取消しについて(概要) 平成30年7月6日 徳島大学 Retraction: A significant causal association between C-reactive protein levels and …

NHKスペシャル『追跡 東大研究不正』

2017年12月10日(日)午後9時00分~9時49分に、NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~ が放送されました。NHKの番組説明を読むと、研究不正問題の背景となる日本の科学政策の問題点に関して批判的なメッセージを伝えることが一番の狙いのようです。 激化する国際競争の中で変容してきた科学研究費の配分を巡って、翻弄される科学者の姿。そして、科学技術立国を掲げ、研究成果を国の発展につなげようという施策が、皮肉にも、科学を停滞させかねないという現実。(NHKスペシャル 追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~)   視聴者は、この番組をどのように見て、メッセージをどのように受け取ったのでしょうか?番組に関するツイートをいくつか紹介します。 激化する研究費獲得競争が研究不正の要因なのか? 流し見での感想だけど、 1.民間では競争は余りにも普通で、大きな受注を逃して待遇が悪化したり、無能力等を理由とした解雇もあり得るのに、何故、研究者は競争をしない方が良い結果が得られると確信しているのか? nhk 追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~ https://t.co/oH9DG0Lrpd — a.o.kitty 🐾 (@anger_of_kitty) 2017年12月10日 研究費獲得が競争的になったから研究不正が起こったというNHKスペシャルの内容だけど、それまで競争が少なくて国からお金もらえたというのがおかしくて、競争があって当然でしょう。世間では知られてないだけで、教授は資金集めが最も重要な仕事。 — 肥和野 佳子 (@lalahearttwit) 2017年12月11日 研究費がなくても不正をしない研究者は大勢いる。というか、それが大多数。ここで不正を報じられたり、これまでに不正をしたと世間で知られた研究者は殆どが数億単位の研究費を持っていた極めて特殊な研究者です。研究費獲得競争の激化にだけ不正の原因を求めるのはどうにも得心しない。#東大研究不正 — Koichi Kawakami (@koichi_kawakami) 2017年12月10日 研究費獲得のために不正するなら、他の多くのラボでも不正が見つかるだろ?でもそうじゃないってことは、仮定が間違ってるんだよ。不正するやつはするし、しないやつはしない — takanzai (@takanzai) 2017年12月10日 昨夜のNHKスペシャルを見て、指導教員が常々言っていた「不正をするやつは辞めろ」を思い出した(実際はもっと過激なワードですが)。私は綺麗事をそのまま受け入れていられる修士の段階で止めておいて幸せだったのかもしれない。(悠)#東大研究不正 — …

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研究活動の公正性の確保及び適正な研究費の使用について確認・誓約すべき事項

  2017/04/04    研究倫理

ウェブ上で科研費の交付申請書を作成するにあたり、研究倫理規定を確認し誓約することが義務化されています。クリックだけして先へ進まず、しっかりと読んでいただきたい、非常に良く書かれた文章です。   研究活動の公正性の確保及び適正な研究費の使用について確認・誓約すべき事項 科研費で研究活動を行うに当たっては、科研費が国民の貴重な税金で賄われていることを十分認識し、科研費を適正かつ効率的に使用するとともに、研究において不正行為を行わないことが求められています。 ついては、下記の内容を十分に確認し、遵守する場合には確認した事項にチェックを入れてください。全ての事項にチェックを入れなければ、交付申請書・交付請求書(支払請求書)の作成画面に進むことができません。 また、本内容は日本学術振興会ホームページ(URL:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/15_hand/index.html)にも掲載されています。研究代表者の責務として、本内容を研究分担者、連携研究者等にも必ず周知し、研究活動の公正性の確保や適正な研究費の使用について理解してもらうよう努めてください。 科学研究における不正行為は、科学を冒涜し、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであって、本来あってはならないものである。また、未来への先行投資として、国費による研究費支援が増加する中、国費の効果的活用の意味でも研究の公正性の確保がより一層求められる。 研究活動とは、先人達が行った研究の諸業績を踏まえた上で、観察や実験等による事実、データを素材としつつ、自分自身の省察・発想・アイディア等に基づく新たな知見を創造し、知の体系を構築していく行為である。研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、研究者コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けることである。不正行為とは、研究者倫理に背馳し、研究活動や研究成果の発表の本質ないし本来の趣旨を歪め、研究者コミュニティの正常な科学的コミュニケーションを妨げる行為に他ならない。 不正行為は、科学そのものに対する背信行為であり、研究費の多寡や出所の如何を問わず絶対に許されない。これらのことを個々の研究者はもとより、研究者コミュニティや大学・研究機関、研究費の配分機関は理解して、不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない。また、不正行為の問題は、知の生産活動である研究活動における「知の品質管理」の問題として捉えることができる。公表した研究成果に不正行為が関わっていたことに気づいたら、直ちに研究者コミュニティに公表し、取り下げることが必要である。 不正行為に対する対応は、その防止とあわせ、まずは研究者自らの規律、ならびに研究者コミュニティ、大学・研究機関の自律に基づく自浄作用としてなされなければならず、あらゆるレベルにおいて重要な課題として認識されなければならない。その際、若い研究者を育てる指導者自身が、自律・自己規律ということを理解し、若手研究者や学生にきちんと教育していくことが重要である。 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日:文部科学大臣決定)では以下の行為を特定不正行為としている。 (1) 捏 造: 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。 (2) 改ざん: 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。 (3) 盗 用: 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること。 競争的資金等には研究機関に交付されるものと個々の研究者の研究遂行のためのものがあるが、個人への補助の性格を有するものであっても、その原資が国民の税金である以上、国民の信頼に応えるため、競争的資金等の管理は大学・研究機関の責任において行われている。 競争的資金等の管理を委ねられた機関の責任者は、研究費の不正な使用が行われる可能性が常にあるという前提の下で、不正を誘発する要因を除去し、抑止機能のあるような環境・体制の構築を図ることが求められている。 研究費の使用に当たっては、その管理が委ねられている大学・研究機関のルールに従って適正に執行する必要がある。 研究費の不正使用とは、故意若しくは重大な過失による研究費の他の用途への使用または交付の決定の内容若しくはこれに付した条件に違反した使用をいう。 研究費の不正使用の事例は、虚偽の請求によって資金を引き出して、他の目的に流用したり、プールするなどであり、物品購入費、謝金・給与、旅費に関するものに大別される。その際、私的流用はもとより、目的外の使用や書類の捏造による支出は、研究資金として使用された場合でも不正使用となる。 (1) 物品購入費に係る不正使用の例   業者と物品購入に係る架空の取引により、納品書や請求書等を捏造、改ざんすることなどによって、大学・研究機関から支払われた代金を業者に「預け金」として管理させ、適宜異なる研究用物品の納品を受けていた。 (2) 謝金・給与に係る不正使用の例   出勤表等を捏造、改ざんすることなどによって、謝金の水増しや架空の雇用者の給与の請求を行い、大学・研究機関から支払われた謝金、給与を研究者に還流させ、研究室等でプールし、適宜研究のための消耗品等の購入や大学院生等の学会等への旅費に使用するなどしていた。 (3) 旅費に係る不正使用の例   旅費の支払いに係る書類を捏造、改ざんすることによって日程の水増しや架空の出張に係る旅費の請求を行い、大学・研究機関から支払われた旅費を研究者に還流させ、研究室等でプールし、適宜研究のための消耗品等の購入や大学院生等の学会等への旅費に使用していた。 論文等において不正行為が行われたと認定された場合や研究費の不正使用が認定された場合は、競争的資金等の返還に加えて、認定された年度の翌年度から最長10年間、競争的資金等への申請が制限される。 (注)研究費の不正使用が認定された場合の措置の見直しがなされました。(平成25年度4月より) 捏造、改ざん、盗用の特定不正が認定されたときの措置の対象者は以下の者が該当する。 …