ハゲタカ学会からのこんな座長依頼・参加勧誘メールに引っ掛かっちゃダメ!

      2019/01/28




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国際ハゲタカ学会という言葉が新聞記事タイトルにあって、一瞬、ハゲタカという動物に関する学会かと思いました。ハゲタカジャーナルから、ハゲタカ学会までくるとちょっとハゲタカに申し訳ない気がします。と思って、ウィキペディアをみたら、ハゲワシという動物はいますがハゲタカという生物種は存在しないようなので(=ハゲタカは俗称)、ホッとしました。

 

ハゲタカ学会の特徴

ハゲタカ学会に詳しい研究者によると、無関係の複数分野にまたがる学会を合同で開く▽参加を勧誘するメールを不特定多数に送る▽ホームページに運営者情報が明記されていない▽発表概要の審査が異常に速い――などの特徴がある。(「国際ハゲタカ学会」横行 料金払えば審査なく参加 「業績」ではく付け 2019年1月19日 毎日新聞

 

ハゲタカ学会の勧誘メールの文例

不特定多数に参加を勧誘しているメールの文例を紹介します。個人名と学会名と日程、セッション番号は、XXXX、YYYY, ZZZZ、OOOOと伏字にしておきます。分野違いの研究者にメールを送りつけて、学会のセッションの座長に勝手に勧誘し、あなたの研究分野でなければ別の人に回せという、チェーンメールまがいのことまで要求しています。

Dear Dr. XXXX YYYY,

I’m writing to follow-up my last invitation as below, would you please give me a tentative reply? Thank you very much. I apologize for the inconvenience if the letter disturbed you more than once.

It is our great pleasure and privilege to welcome you to join the 8th World ZZZZ Convention-2017, which will take place in Macao, China during November OO-OO, 2017 We would like to welcome you to be the chair/speaker in Theme OOO: Stem Cell and Regeneration while presenting about XXXX YYYY….

If the suggested thematic session is not your current focused core, you may look through the whole sessions and transfer another one that fit your interest (more info about the program is available at (以下、割愛)

 

新聞報道によれば、ハゲタカジャーナルを刊行する雑誌社が「ハゲタカ学会」を主催するケースが多いそうです。自分のメールボックスから過去に来た怪しいメールをチェックすると、こんなものもありました。transdisciplinaryとか、integrativeと言われると、全ての研究領域が含まれるので、分野違いだから怪しいという判断がしにくくなりますが、学会の権威をアピールするためにいきなりノーベル賞受賞者が招待講演者だと強調するあたりに、うさんくささを感じます。(名前はすべて伏字にしました)

Dear Dr.XXXXXX, Yyyyyy,

Greetings from Integrative Biology 2018!!

Hope this email finds you in best of health & spirit

We take the privilege to invite you to attend as a speaker at the “International Conference on Integrative Biology” during February 26-28, 2018 at Bangkok, Thailand. Integrative Biology 2018 will focus especially on collaborations among biologists and to share transdisciplinary integrative thinking to unravel the core principal mechanisms and process in biology and medicine related to health and disease.

For more details visit the event website: http://www.integrativebiologyconference.org/

Invited Guest Speakers @ Integrative Biology 2018 Conference

1. Prof. AAAA, Nobel Prize Laureate in Chemistry (2009)

2. Prof. BBBB, Twice Nominee for Nobel Prize

3. Dr. CCCC, Associate Professor, Texas Woman’s University, USA

4. Dr. DDDD, Professor of Biology and History, York University, Canada

5. Dr. EEEE, University of Almeria, Spain

If you are interested you can submit your abstract and proposals to integrativebiology@cenetriconferences.com

驚いたことに、今チェックしてみたらこの学会は開催された形跡がありません。http://www.integrativebiologyconference.org/のリンク先を見ると、

Hi,

Due to unforeseen circumstances, this event has been Postponed.

という簡単なメッセージが表示されただけでした。学会参加勧誘メールをランダムに送ったあげく、勝手に学会を”延期”して何の説明もなしなんて、まともな団体がやることではありません。学会名International conference on Integrative Biology で検索すると、2019年の案内ページがありました。しかしこのURLを見ると、http://integrativebiologyconference.blogspot.com/2014/05/conference-on-integrative-biology.html となっています。学会が無料ブログサイトを使う感覚ってどうなんでしょう?このURLの中の数字をみると投稿(ページ作成)が2014年5月のように見えるのも怪しさを増しています。この学会年会ウェブサイトのContact Usをクリックしたらとんだ先が、OMICS Internationalでした。やはりというか、ハゲタカジャーナルの嫌疑がかかっている雑誌社とつながりました。

  • ハゲタカ出版社疑惑のOMICSがカナダの著名出版社を買収(ジャヤシュリー・ラジャゴパラン | 2017年2月28日 EDITAGE INSIGHTS) 論理的根拠に乏しいいわゆる「ジャンクサイエンス」(疑似科学/ニセ科学)を流布しているとの非難を浴び、ハゲタカ出版社の疑惑がかけられている学術出版社、OMICS International(インド)が、カナダの定評ある著名出版社、Andrew John PublishingとPulsus Groupを買収しました。

毎日新聞の記事によれば、ハゲタカジャーナルで儲けている雑誌社がハゲタカ学会を開催してさらに研究者からお金を巻き上げるビジネスモデルがあるのだそうです。上のケースはそれに相当するのでしょうか?判断は読者に委ねます。

 

参考(ハゲタカ学会)

  1. 「国際ハゲタカ学会」横行 料金払えば審査なく参加 「業績」ではく付け(2019年1月19日 毎日新聞
  2. 「50分野同時開催」「1週間で参加決定」 手軽に“研究の跡” ハゲタカ学会体験者が証言 (2019年1月19日 毎日新聞)

 

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