「 医学 」 一覧

no image

臨床研究 英語論文 最速最短 実践対談編【内容紹介&書籍レビュー】

  2019/11/13    Uncategorized, 再生医学

原 正彦 日本臨床研究学会代表理事 著『すべての臨床医そして指導医いも捧ぐ超現場型の臨床研究体験書 実線対談編 臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意』(金芳堂2018年)がなかなか面白いです。臨床医が頑張って論文のアクセプトに漕ぎ着けるまでの苦労話が9話あります。『臨床研究 英語論文 最速最短』の続編として書かれたもので、この続編では先輩方の”疑似体験”ができるようにという狙いだそうです。 研究テーマの選び方:FINERを満たすか? これらの本で何度も出てくる、研究の教えがFINERというもので、Feasible(実行可能)、Interesting(興味深い)、New(新規性)、Ethical(倫理性)、Relevant(社会的な意義)の頭文字をとったものです。Relevantというのは日本語にしにくい英語らしい英語だと思いますが、Clinical Implication(臨床的な意義の高さ)と考えるとよいのだそう。 データのとり方が大事 データのとり方として、どういう解析をするために必要なデータなのかをわかったうえでデータを取らないと、使えないデータを無駄に集めてしまう恐れがあると警告しています。 論文投稿はまだ折り返し地点 また、論文を出すまでの労力を考えたときに、Revisionはまだ「折り返し地点」に過ぎないと言います。論文を書き上げて投稿すると終わった気になりがちなのですが、実は投稿してエディターの返事をもらうのはゴール間近かところか長いコースの折り返し地点にすぎないという感覚は大事です。そうでないと、リジェクトを食らったときに心が折れて、力尽きてしまいます。リジェクトされても戦うだけのエネルギーが絶対に必要なのです。 論文で大事なのはイントロダクション この本では、論文で一番大切なところはイントロダクションだと言います。エビデンスのパズルの中で抜けているピースが何かを読者に意識させて、そのクリニカルクエスチョンの重要性をアピールするための場所だからです。よく、サクセスフルなグラントプロポーザルの書き方でも、何が既知で何が未知なのかという知識のギャップを示して、それを埋める形で書けと言いますが、それと同じだと思いました。 レビューアーの心理を読み解く 査読者の心理を読む解くところも面白いと思いました。注文が10個書いてあっても、絶対譲れないのが1つあって、もっといえば、その譲れないポイントが10個のコメントにちりばめられているということです。そういう査読者の気持ちを汲み取れないと頓珍漢なレスポンスをしてしまうでしょう。 自分の論文がイメージできるか? インタビュー形式で面白いと思った回答が、論文を出すという経験をしてみて、思っていたことと違っていたことが何かあれば?と聞かれた論文著者が、現実に論文が完成したことがそうですと答えていたところ。確かに、初めての論文を作成しているときは、それが出版されて印刷物になるということを想像しにくいかもしれません(オンラインジャーナルだと紙にはなりませんが)。実験で苦労した量と、それが論文の図になっている部分の大きさとはたいてい比例していなくて、出来上がった論文を見ると不思議な気持ちになることが自分は多いです。苦労して得たデータが妙にあっさりと小さな図にしかならない一方で、論文のために最後につくった実験を示す模式図がやたら大きかったりして。 査読コメントへの対応の仕方 本書ではリバイス(Revision)のときの査読者への返答の仕方に関してもアドバイスがあり、とにかく査読者の要求に従って修正をする一方で、どうしても譲れないポイントは丁寧に説明しましょうと述べています。 再現性を保証するデータ管理の重要性 この著書では統計ソフトとしてRを勧めています。スクリプトで記述するので、データを読み込むところから結果を吐き出すまでが、誰がやっても同じになるので確かにお勧めです。生データから論文の図に至るまでの再現性が問題になることがありますが、Rですべての処理をしていればそういった問題も回避できるはず。 多施設研究においては、データマネジメントの重要性を説いています。解析にかけるためのデータのクリーニングが必要なのだそうで、誰がやっても同じ結果になるようにクリーニング作業の過程は一つ一つ作業記録を残すことが重要だとのこと。そうしないとデータから論文の図に至るまでの再現性が保証されなくなります。この作業記録がないと、最悪の場合研究不正を疑われて、その疑義が晴らせないという事態になります。 この書籍の最後は論文デビューしたばかりの人ではなく、NEJMなどのトップジャーナルに論文を出している研究者へのインタビューになっていて非常に読み応えがありました。 消防庁が2005年からウツタイン研究で院外心停止のデータを毎年10万件収集しており、2008年には30万件のデータが集まっていたが、有効利用されていなかった。データクリーニングもされていなかった。論文化の発想がそもそも誰にもなかった。それを論文化してNEJMに掲載されたそうです。この場合は、国家規模のレジストリ-を用いた論文としてNEJMに掲載させることが最初から要請されていたとのこと。 学術誌の嗜好に合わせて投稿先を選ぶ 雑誌によって掲載する論文の好みがあるという話も興味深かったです。NEJMやJournal of the American Medical Association (JAMA)は学会誌。LancetはNatureと同じく商業誌なので面白い論文、つまり購読者が増えるような、雑誌が売れるテーマを好む傾向が恐らくあるのだそう。JAMAはアメリカ人にとって利益があるかを考えている印象。それに対して、NEJMは普遍的な価値と社会的なHealth Policyに影響するかを最も重要視している印象があるとのこと。こういった好みが論文の採否にどう影響してくるかというと、例えば、日本では胃がんが多いが胃がんの疫学研究をJAMANに載せるのは難しい。アメリカ人には胃がんが少ないので。乳癌や肺癌のほうが多い。論文を書くときは相手(ジャーナル)が何を求めているかを見極めてそれを提供するというマインドが必要で、それが論文を書くためのセンスなのではないかというお話。 臨床研究に新規性は必要か? 研究テーマの選び方の話もまた斬新でした。新規性は全く重要視しない。アメリカで研究でたから日本でもという後追いもやる。最終的に自分の論文がメタアナリシスやシステマティックレビューに使ってもらえればよいという考え。 論文のイントロダクションの重要性:知識のギャップを埋める イントロの重要性も説明されていました。イントロの書き方として、過去のデータを並べつつも、ここの部分の「この時代」や「この集団」におけるエビデンスはまだ報告されていないといったもっていきかたがよいのだそうです。ガイドラインにエビデンスがないと書いてあるところを埋めるという発想だそうです。Introductionでは「こういうエビデンスがなく、ここがKonwledge Gapです」と主張するのが効果的。 論文を出す労力 論文を出す労力は、インパクトファクターの大小は関係ないそうです。インパクトファクターが1点でも、NEJMのReviseをするときと労力はなにもかわらず、同じエネルギーを割くとのこと。 時代の潮流に合わせることの重要性 トレンドを追うことも重要だと述べています。日ごろから、NEJMやLANCET、JAMAの論文タイトルだけでもみておく。m3でもいいし、メディカルトリビューンもトレンドを見るには役立つそうです。そうして、今のトレンドとKnowledge Gapを把握する。自分が持っているデータからそのGapを埋めることができる、トレンドになっているテーマの解析を行うことができる、そんなテーマがみつかればすぐに論文を書くというスタイルなのだそう。 この辺りは、基礎研究と臨床研究で異なるかもしれません。基礎系の研究者はトレンドを気にせず自分の興味のあることにこだわる人のほうが多いのではないかと思います。 査読者への対応もまた興味深い内容でした。査読コメントへの答えはクドく書くそう。徹底的に相手に応える姿勢が大事なのでしょう。 …

no image

リキッドバイオプシー研究の最前線

リキッドバイオプシーとは? As an alternative target to surgically resected tissue specimens, liquid biopsy has gained much attention over the past decade. (Lim et al.. Liquid biopsy: one cell at a time. npj Preision Onology 02 October 2019 ) Blood contains two …

no image

肝腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法(Radiofrequency ablation; RFA)

  2019/11/04    医学, がん, 肝臓がん

経皮的ラジオ波凝固療法の実際 Radiofrequency ablation of liver tumors • Oncolex 2013/09/13 Institute for Cancer Genetics and Informatics   Radiofrequency ablation (RFA)の原理 実際に右の腎臓のところにできた腫瘍をRFAで焼き殺して治療している例。 Radiofrequency Ablation 2013/06/22 Doctor Klioze

no image

ロンベルグ試験 (Romberg test)の実際的な方法

  2019/11/04    医学, 小脳

ロンベルグ試験の方法 Neurology – Topic 3 – Sensory aspects of gait including Rombergs test 2012/12/20 UCD Medicine ロンベルグ徴候が陽性の例 Positive Romberg B12 deficient 2016/09/08 neurosigns.org   ロンベルグ試験 その他の動画 下の例では、ロンベルグ陽性ではない被験者なので良いのですが、実際にテストするときは、被験者が倒れそうになった時にすぐに支えられるような位置をテストする人が確保する必要があります。 Romberg Test for CNS Lesion 2014/06/09 Dr Timothy Conwell

no image

小脳の解剖学と機能

  2019/11/04    小脳

小脳の解剖学、機能、疾患 The Cerebellum: Neuroanatomy Video Lab – Brain Dissections 2015/09/09 Eccles Health Sciences Library Digital Publishing  

no image

腫瘍マーカーPSA, AFP, CEA

  2019/11/04    医学, がん

Clinical Chemistry – Tumour Markers as Diagnostic Tests for Cancer 2018/12/06 LaboTube Channel

no image

肝臓がんについて

  2019/11/04    医学, がん, 肝臓がん

肝臓がんの概観 Liver Cancer | Advancements in Treatment Options 2017/06/05 Johns Hopkins Medicine 治療方法について 肝臓がんの治療方法は多様であり、がんの状態に合わせて選択されるそうです。下の動画では、UCLAの放射線医が、インターベンショナルラジオロジー(Interventional Radiology; IVR)による治療として、Thermal ablation(Radiofrequencey Ablation (RFA)経皮的ラジオ波焼灼療法), Microwave Ablation (MWA))、 Transarterial chemoembolization (TACE)、 Transarterial Y90 Radioembolizationの3つの方法を紹介しています。 Minimally Invasive Treatment for Liver Cancer – Sid Padia, MD | UCLAMDCHAT …

がん免疫療法 免疫チェックポイント阻害薬(ICI) Ipilimumabの効果 ~抗CTLA-4抗体~

  2019/11/03    医学, がん, 免疫学, 腫瘍学

2018年に本庶佑博士とともにノーベル医学生理学賞を受賞したジェームス・アリソン博士が、最初の臨床試験のことを語るインタビュー動画。 2015 Lasker DeBakey Clinical Medical Research Award 2015/09/07 Albert and Mary Lasker Foundation Talks@12: Immunotherapy: An Answer to Cancer? 2017/11/07 Harvard Medical School   抗CTLA-4抗体(免疫チェックポイント阻害薬)の最初の臨床試験で効果があった患者さんのストーリー Sharon Belvinさんのストーリー 上の動画でも登場したSharon Belvinさんのストーリー。 She’s the Answer to Cancer…and So Are You 2016/05/06 Cancer …

no image

脳震盪とは concussion / a mild traumatic brain injury (mTBI)

  2019/10/29    医学, スポーツ医学

脳震盪とは “Concussion Management” by Michael O’Brien for OPENPediatrics 2018/08/10 OPENPediatrics スポーツ脳震盪 (MSDメルクマニュアルプロフェッショナル版) Concussions: Heading for Change – an NET Sports Feature 2014/11/12 NETNebraska   スポーツ脳震盪のアセスメント SCAT5 – Sport Concussion Assessment Toolの実際。 SCAT5 – Sport Concussion Assessment Tool 2018/07/18 Aspetar  

no image

マクロライド系抗生物質の作用機序

  2019/10/27    医学

マクロライド系抗生物質の作用機序 Macrolides: Mechanisms of Action and Resistance 2011/03/30 Mechanisms in Medicine