多発性硬化症(Multiple Sclerosis, MS)とは

   




多発性硬化症とは

多発性硬化症は脳(中枢神経系)の病気で、神経細胞の軸索を覆うミエリン鞘(髄鞘)が障害されます(脱髄)。脳のあちこちで(”多発性”)固くなっている(”硬化”)部分が見つかったところからこの病名がついたそうです。

炎症をともなう病巣が中枢神経に多発し、悪化と回復を繰り返しながら病巣が硬くなり、回復しにくくなる ことからこの病名がついています。(特集2 知っていますか? 多発性硬化症 早期の治療開始が効果的 2009年5月1日 全日本民医連

  1. 多発性硬化症.jp (ノバルティスファーマ) 一般向け解説
  2. 多発性硬化症 ~multiple sclerosis~ 神経系における免疫異常(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 免疫研究部)
  3. 多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13) (難病指定センター)
  4. Multiple sclerosis (Mayo Clinic) Multiple sclerosis (MS) is a potentially disabling disease of the brain and spinal cord (central nervous system). In MS, the immune system attacks the protective sheath (myelin) that covers nerve fibers and causes communication problems between your brain and the rest of your body. 
  5. Multiple sclerosis (medscape.com) Multiple sclerosis (MS) is an immune-mediated inflammatory disease that attacks myelinated axons in the central nervous system, destroying the myelin and the axon in variable degrees and producing significant physical disability within 20–25 years in more than 30% of patients.
  6. Multiple sclerosis (EyeWiki) Multiple sclerosis (MS) is a neurodegenerative disease of the central nervous system (CNS) that results from the immune-mediated inflammation and demyelination of axons.
  7. Multiple Sclerosis (Moavia Ehsan; Kathryn L. Xixis. Last Update: March 6, 2019.) Multiple sclerosis (MS) is an autoimmune disease of the central nervous system (CNS) characterized by chronic inflammation, demyelination, gliosis, and neuronal loss.
  8. Multiple Sclerosis (MS)(MSD MANUAL Professional Version By Michael C. Levin , MD, College of Medicine, University of Saskatchewan) Multiple sclerosis (MS) is characterized by disseminated patches of demyelination in the brain and spinal cord. Common symptoms include visual and oculomotor abnormalities, paresthesias, weakness, spasticity, urinary dysfunction, and mild cognitive symptoms.

 

多発性硬化症の原因

多発性硬化症がなぜ生じるのか、その原因ははっきりしていませんが、自己免疫疾患の病気と考えられています。また、遺伝学的要因、環境要因、感染などが関係すると言われています。

  1. 4 Possible Causes of Multiple Sclerosis (MS)(healthline.com Medically reviewed by Seunggu Han, MD on February 22, 2019 — Written by Laura A. Magnifico and Cathie Ericson) Cause 1: Immune system Cause 2: Genetics Cause 3: Environment Cause 4: Infection
  2. Suspected Causes Of Multiple Sclerosis (Multiple sclerosis PATHOLOGY WRITTEN BY: The Editors of Encyclopaedia Britannica LAST UPDATED: Apr 16, 2019 See Article History) The cause of MS remains unclear, but in many cases there is evidence of a genetic component.
  3. Review of Two Popular Eating Plans within the Multiple Sclerosis Community: Low Saturated Fat and Modified Paleolithic (Nutrients 2019, 11(2), 352; https://doi.org/10.3390/nu11020352) The precise etiology of multiple sclerosis (MS) is unknown but epidemiologic evidence suggests this immune-mediated, neurodegenerative condition is the result of a complex interaction between genes and lifetime environmental exposures.
  4. 多発性硬化症・視神経脊髄炎 (NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター)世界中で主要な疾患の遺伝的素因を調査した研究により多発性硬化症に関しては自己免疫疾患に関する遺伝子の関与が複数指摘されていますが、それぞれの遺伝子が関与する割合はわずかでそれらが複数合わさってもせいぜい30%未満であり、むしろ残り70%程度をなす環境要因の方が大きいとされています。
  5. 多発性硬化症における宿主因子に関する遺伝学的研究(九州大学大学院医学研究院神経内科学教室)これまでに一卵性双生児において、一方が多発性硬化症である場合、もう一方が多発性硬化症を発症する割合は25-30%と、二卵性双生児の場合の3-5%と比べて有意に高いとする報告や、両親が共に多発性硬化症である子供の多発性硬化症の発症リスクは約30%で、片親のみが多発性硬化症の子供のリスクが約3%であるのに比べて有意に高いとの報告があります。これら欧米の研究報告から、多発性硬化症は単一遺伝子疾患ではありませんが何らかの遺伝的要因の関与が示唆されており、遺伝的要因の検討は国際的にも注目される重要な研究課題となっています。
  6. 多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)たはつせいこうかしょう/ししんけいせきずいえん(難病情報センター)MSの頻度は人種によって違います。MSは欧米の白人に多く、北ヨーロッパでは人口10万人あたり100人以上の患者がいる地域もあります。高緯度地方ほど患者さんの割合が多いことが知られています。わが国では比較的まれな疾患で、有病率(患者数)は10万人あたり1~5人程度とされていましたが、最近の各地での疫学調査や2004年全国臨床疫学調査などによれば、わが国全体で約12,000人、人口10万人あたり8~9人程度と推定されています。アフリカの原住民にはもっと稀な病気です。このことは遺伝子の違いがその頻度に大きく影響していることを示しています。しかし、日本人やアフリカの原住民でも、アメリカなど高頻度の地域に移住した場合、その発病頻度が高くなることが知られており、環境因子の関与が考えられます。環境因子としてはEBウイルスなどの感染因子、緯度や日照時間、ビタミンD、喫煙などが知られています。

 

多発性硬化症に罹患した著名人

著名な人が多発性硬化症になった例としてイギリスのチェロ奏者ジャクリーヌ・デュプレ(Jacqueline du Pré、1945-1987)が自分は思い浮かびます。

  1. Jacqueline du Pré: previously unpublished intimate interview(YOUTUBE 14:56)
  2. Remembering Jacqueline du Pré | by AllegroFilms(YOUTUBE 56:01)

また最近のニュースで、ピアニストのアリス紗良・オットさんが多発性硬化症にかかっているということを公表したことを知りました。

  1. Münchner Pianistin Alice Sara Ott: “Ich habe MS” (18.02.2019, 23:49 Uhr br.de)
  2. ピアニスト、多発性硬化症と公表 アリス紗良・オットさん (2019/2/16(土) 4:58配信 共同通信/YAHOO!JAPAN) ドイツ人の父、日本人の母を持ち、ドイツを拠点に活動する人気ピアニストのアリス紗良・オットさん(30)が15日、神経の難病、多発性硬化症(MS)と診断されたと公式サイトで発表した。
  3. Alice Sara Ott@AliceSaraOtt

 

多発性硬化症は進行性の病気のため、できるだけ早く病気に気付いて進行を遅らせる治療を開始することが重要だそうです。

 

多発性硬化症(MS)のMRI画像による診断

MSの病巣がMRIでどのように見えるかを解説した動画。

Multiple Sclerosis: Understanding Your MRI

 

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MSの診断に関して

  1. MSの診断 京都多発性硬化症(MS)ラボ  2014-10-27 23:35 ”MS の診断基準はMRI が発達しないころに作られたその基準をずっとひきずっているように思います。”

 

多発性硬化症に関する情報サイト

  1. 全国 多発性硬化症 友の会ホームページ
  2. MS CABIN ”多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)と視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorders; NMOSD)の情報を提供しています。独立性を強く守るため製薬企業からは寄附をいただいていません。”
  3. MSゲートウェイ(バイエル)

 

多発性硬化症に関する記事・報道など

  1. バイオジェンが多発性硬化症(MS)患者さんをサポートする アプリ「Cleo(クレオ)」の提供を開始(バイオジェン・ジャパン株式会社 2019年04月01日  Digital PR Platform) また、患者さんの服薬スケジュールや日常の体調変化を記録し、医師との診察の際の効率的な情報伝達を支援するダイアリー機能、医師監修による運動プログラムなど、一連の情報を提供するアプリです。

 

参考

  1. 厚生労働科学研究成果データベース

 - 医学, 免疫学