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一般相対論の予言から100年 重力波をついに検出

一般相対性理論を完成させたアインシュタインはその理論に基づき、1916年に重力波の存在を予言しました。この予言から100年後の今、アメリカのLIGO(レーザー干渉計重力波天文台)の研究グループが重力波を直接観測することに世界で初めて成功しました。下の動画はこの研究成果を発表する記者会見の模様です。

LIGO detects gravitational waves (National Science Foundation)

0:00- France Cordova氏(アメリカ科学財団ディレクター) の挨拶
2:25 – 重力波の説明ビデオ放映
4:00 – 12:43 David Reitze氏が重力波観測の成功を報告 “We did it! “ 。2つのブラックホール連星が合体し重力波が発生すること、地球に届いた重力波をどうやって検出したかの説明。
12:54 - 21:13 Gabrieal Gonzalez氏が今回の観測結果をわかりやすく説明しています。
14:08- LIGOの説明
14:48- 観測された重力波データの説明
21:43 – 31:02 Rainer Weiss氏が重力波研究の歴史と測定装置について解説
31:25 - 39:45 Kip Thorne氏
40:00 – 44:25 France Cordova氏
44:25 – 質疑応答

、この輝かしい研究成果はフィジカル・レビュー・レターズ誌に報告されました。

GravitationalWaveAbstract-1 (LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration) Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger. Phys. Rev. Lett. 116, 061102 – Published 11 February 2016. DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

地球に到達した重力波は2015年の9月14日に、米国ルイジアナ州リビングストンとワシントン州ハンフォードに設置された2つの検出器で記録されていました。

2016AbbottFig1(DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

今回観察された重力波の発生源となったのは、2つのブラックホールの衝突と考えられています。今回衝突した2つのブラックホールの大きさは、太陽の質量のそれぞれ36倍と29倍で、この2つが衝突後に太陽の質量の62倍の大きさブラックホールを形成し、太陽の質量3つ分が重力波として放出されたと考えられます。

2016AbbottFig2(DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

今回重力波を記録することに成功した2つの検出器は、リビングストンとハンフォードに設置されており、2つの距離は3000km離れています。

2016AbbottFig3(DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

今回の研究は、重力波を世界で初めて直接検出したと同時に、ブラックホール連星の2つブラックホールが合体する瞬間を捉えたということに関しても世界初となります。

CONCLUSION
The LIGO detectors have observed gravitational waves from the merger of two stellar-mass black holes. The detected waveform matches the predictions of general relativity for the inspiral and merger of a pair of black holes and the ringdown of the resulting single black hole. These observations demonstrate the existence of binary stellar-mass black hole systems. This is the first direct detection of gravitational waves and the first observation of a binary black hole merger. (DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102)

参考

  1. B. P. Abbott et al. (LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration). Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger. Phys. Rev. Lett. 116, 061102 – Published 11 February 2016. DOI:http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.061102
  2. LIGO Caltech News
  3. 重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語 ノーベル賞級発見の手法と意義、天文学の新たな広がりを詳しく解説 (ナショナルジオグラフィック日本版 2016.02.12)
  4. 重力波の直接観測に成功! 13億年前のブラックホール衝突の余波検出、正式発表 (GIZMODO.JP 2016.02.12)
  5. ついに重力波の観測に成功、光による宇宙観測を補完することで宇宙研究が大きく広がる可能性 (GIGAZINE 2016年02月12日)
  6. Gravitational Waves Discovered Proving Einstein’s Theory (Sequence Media Group)
  7. Search for Gravitational Waves by LIGO Scientific Collaboration, Particle Physics at the Year of 250th Anniversary of Moscow University (page 152) :””In the last few years a number of long-baseline, laser interferometric gravitational wave detectors have begun operation. These include the Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory (LIGO) detectors located in Hanford, Washington and 3000 km away, in Livingston, Louisiana. It is the joint Caltech-MIT project supported by the USA National Science Foundation.””
  8. LIGO Physicist Kip Thorne speaks to RT on gravitational waves discovery (RT)
  9. 重力波とは(KAGRA 大型低温重力波望遠鏡):”アインシュタインの一般相対性理論によれば、質量をもった物体が存在すると、それだけで時空にゆがみができます。さらにその物体が(軸対称ではない)運動をすると、 この時空のゆがみが光速で伝わっていきます。これが重力波です。重力波はすべてを貫通し、減衰しないと考えられています。”
  10. What is the difference between a stellar mass black hole and a super massive black hole? (Institute of Astronomy, University of Cambridge):” stellar mass black holes are around 3-10 times the mass of the Sun, whilst supermassive black holes are 10^5-10^10 times the mass of Sun”
  11. Stellar mass black holes (http://jila.colorado.edu)
  12. Baumgarte and Shapiro. Binary black hole mergers. Physics Today. Oct. 2011
  13. 重力波ってなんだろう (THE HUFFINGTON POST/東京大学大学院理学系研究科 特任研究員 秋本祐希 2016年02月13日)
  14. 重力波、装置改造2日後に観測 明確なデータに驚きの声(朝日新聞DIGITAL 2016年2月13日):”アインシュタインの「最後の宿題」とされた重力波を初めて観測したと米研究チームが報告した。…”
  15. 「重力波を初観測」米中心の国際研究チーム 発表(NHK NEWS WEB 2月12日):”アメリカを中心とした国際研究チームは、11日、宇宙空間にできた「ゆがみ」が波となって伝わる現象、いわゆる「重力波」を初めて直接観測することに成功したと発表しました。重力波の観測は、ノーベル賞に値する成果とも言われ、日本の専門家も「天文学の飛躍的な発展につながる」と述べて高く評価しています。…”
  16. 重力波の間接的な存在証明(重力波研究の歴史 KAGRA 大型低音重力波望遠鏡):”… ハルス先生とテーラー先生は、連星中性子星という、極めて強い重力場を持つ中性子星同士が互いに近接して連星系をなす、極めて稀な天体(PSR1913+16)を1974年に発見しました。そして、もし、その連星運動から強い重力波が発生していたら、連星系の回転の勢いが奪われ、連星の公転周期が短くなるはずだと予測しました。何年にもわたって、PSR1913+16という中性子星連星系の公転周期の変化を観測したところ、1979年、ついに、その公転周期の短縮変化が重力波が原因であると仮定して得られる理論的な予想と、誤差1%程度で一致する結果を得て、結果、これが重力波の間接的な存在検証となりました。この成果により、二人の先生は1993年にノーベル賞を受賞されました。”
  17. The Nobel Prize in Physics 1993 (nobelprize.org) :”The Nobel Prize in Physics 1993 was awarded jointly to Russell A. Hulse and Joseph H. Taylor Jr. “for the discovery of a new type of pulsar, a discovery that has opened up new possibilities for the study of gravitation””

参考(追加)

  1. 「メディアによる大袈裟な『重力波騒動』:あれは本当に重力波の波形なのか?」
  2. ノーベル賞がいくつあっても足りない重力波の観測 その感動を伝えられない大手メディアに価値なし(伊東 乾 2016.2.15 JBPRESS)
  3. 「重力波観測」の特報に胸が高鳴る6つの理由 揺らぐシャープに「重力波スマホ」開発の気概は?(山根 一眞 2016年2月15日 日経ビジネス)
  4. 重力波の直接観測に成功! 13億年前のブラックホール衝突の余波検出、正式発表 (GIZMODO.JP 原文は英文サイトのMaddie Stone氏の記事)
  5. 重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語 ノーベル賞級発見の手法と意義、天文学の新たな広がりを詳しく解説 (NATIONAL GEOGRAPHIC日本版 原文は英文サイトのNadia Drake氏の記事)
  6. ついに重力波の観測に成功、光による宇宙観測を補完することで宇宙研究が大きく広がる可能性 (Gigazine)

メンデレーエフの周期表と元素の歌

ロシアの化学者メンデレーエフ(1834年1月27日(グレゴリオ暦2月8日) -1907年1月20日(グレゴリオ暦2月2日))は元素の周期律表を作成し、性質を同じくした元素が周期的に現れることを示しました(ウィキペディア)。

トム・レーラーが「元素の歌」(The Elements)を歌っています。
Tom Lehrer’s “The Elements” animated

トム・レーラーの弾き語りの映像。
Tom Lehrer – The Elements – LIVE FILM From Copenhagen in 1967

周期表の順に沿った、新しい元素の歌。
The NEW Periodic Table Song Lyrics (In Order)

ちなみに原子番号113の元素は、日本の理研が合成に成功し、初めて日本が命名権を獲得した元素となりました。
原子番号113が合成される様子/An isotope of 113th element is formed by fusion reaction

参考

  1. 水兵リーベ僕の船、七曲がりシップス クラークか(元素記号の覚え方一覧)

特定国立研究開発法人法案の概要

特定国立研究開発法人の新たな設置は、理研のSTAP細胞論文捏造事件のために見送られていました。
その後、理研の運営体制の見直しや不正再発防止策が進んだとして、政府は本国会で特定国立研究開発法人設置のための法案を提出する方針を決めました。

過去の報道では、優秀な研究者の報酬・給与を特別待遇にするという部分が強調されてきました。しかし今回公表された概要には、目標の策定、変更、成果の評価、長の解任を行う権限が主務大臣に与えられるという規定が盛り込まれており、特定国立研究開発法人を新たに設置する狙いが明確になっています。

政府は理化学研究所などが研究者に高額な報酬を支払えるようにする法案の概要を固め、成果が上がる見込みのない場合、法人の長を解任できるようにすることなど、担当大臣の権限を強化する規定を盛り込みました。…政府は法案を今の国会に提出し、成立を目指すことにしています。 (研究者への高額報酬可能に 法案の概要固まる NHK NEWS WEB2月3日 7時39分)

特定国立研究開発法人法案の概要

○特定国立研究開発法人は、産学官の人材・知・資金を結集し、イノベーションシステムを強力に駆動する中核機関
○総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の意見を法人運営に反映する等の仕組みにより、国家戦略との連動性を高め、我が国の科学技術水準の著しい向上を図り、国際的な産業競争力の強化を実現

基本方針の策定:CSTIの意見を反映した基本方針の策定
基本方針に基づく中長期目標の策定:CSTIの意見を反映し、主務大臣が中長期目標を策定・変更
業務運営の改善:中長期計画に基づき業務運営を改善
情勢変化に迅速な対応:主務大臣が科学技術に関する著しい情勢変化への迅速な対応を要求
報酬・給与の特例:世界最高水準の専門知識・経験を有する国際的に卓越した人材への報酬・給与の支給基準を柔軟化
研究開発等の特性への配慮:政府は研究開発等の特性(注)に配慮 (注)「長期性」「不確実性」「予見不可能性」「専門性」など
評価:CSTIの意見を反映した主務大臣による成果の評価
長の解任:研究開発成果の創出が見込まれない場合は主務大臣が長を解任可能
制度の見直し:政府は適当な時期に制度の在り方を検討
(内閣府 平成28年2月4日 資料 研-2)

特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案の概要

我が国のイノベーションシステムを改革することで、経済社会情勢の変化に
対応して、産業の国際競争力を強化するとともに、世界最高水準の研究開発
成果を創出するため、新たに特定国立研究開発法人制度を創設する。

法律案の概要
(1)総合科学技術・イノベーション会議による関与の強化
○内閣総理大臣は、総合科学技術・イノベーション会議の意見を聴いて、特
定国立研究開発法人による研究開発等を促進するための基本方針の案を
作成し、閣議の決定を求めなければならない。
○主務大臣は、基本方針に基づき中長期目標を策定・変更するとともに、中
長期目標の策定・変更、中長期目標期間終了時の見直し等に際しては、総
合科学技術・イノベーション会議の意見を聴かなければならない。

(2)独法通則法の特例等による国際競争力の強化
○世界最高水準の高度の専門的な知識及び経験を特に必要とする業務に従
事するものについて、報酬・給与の支給基準の考慮事項として、国際的に
卓越した能力を有する人材を確保する必要性の観点を加える。
○主務大臣は、科学技術に関する内外の情勢に著しい変化が生じた場合に
おいて、対応を迅速に行うことが必要であると認めるときは、法人に対して、
必要な措置をとることを求めることができる。
○主務大臣は、世界最高水準の研究開発成果の創出が見込まれない場合
であって、その法人の長に引き続き当該業務を行わせることが適切ではな
いと認めるときは、その法人の長を解任することができる。

(3)研究開発等の特性への配慮
○政府は、通則法及び個別法の運用に当たっては、特定国立研究開発法人
による研究開発等の特性(注)に常に配慮しなければならない。
(注)「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月閣議決定)において、研究開発業務の特性として「長期性」「不確実性」「予見不可能性」「専門性」が挙げられている。

対象法人
物質・材料研究機構、理化学研究所、産業技術総合研究所

その他
○施行期日:平成28年10月1日
○法施行後、適当な時期に対象法人の範囲も含め制度の在り方を検討
(内閣府 平成28年2月4日 資料 研-1)

 

総合科学技術・イノベーション会議の構成員

総合科学技術・イノベーション会議は、内閣総理大臣を議長として、14人の議員をもって構成することとしています。有識者議員の任期は3年としており、必要に応じて再任できることとなっています。また、3年ごとに全て改選するのではなく、ほぼ半数ごとに改選期が到来するよう任命時期を調整し、議論の継続性を担保しています。有識者議員については、国の科学技術政策をリードする役割の重要性にかんがみ、任命に当たって、事前に国会の同意を得ることが必要となっています。

安倍 晋三     内閣総理大臣
菅 義偉     内閣官房長官
島尻 安伊子     科学技術政策担当大臣
高市 早苗      総務大臣
麻生 太郎     財務大臣
馳 浩      文部科学大臣
林 幹雄      経済産業大臣
久間 和生(常勤議員)         元三菱電機株式会社常任顧問
原山 優子(常勤議員)         元東北大学大学院工学研究科教授
内山田 竹志(非常勤議員)     トヨタ自動車株式会社取締役会長
小谷 元子(非常勤議員)     東北大学原子分子材料科学高等研究機構長兼大学院理学研究科数学専攻教授
中西 宏明(非常勤議員)     株式会社日立製作所代表執行役 執行役会長兼CEO
橋本 和仁(非常勤議員)     国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長
平野 俊夫(非常勤議員)     大阪大学名誉教授
大西 隆 (非常勤議員)    日本学術会議会長
(内閣府 総合科学技術・イノベーション会議の構成員)

参考

  1. 科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議有識者議員との会合 特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案について 平成28年2月4日
  2. 島尻安伊子 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が和光地区を視察(理化学研究所 2016年2月1日):”平成28年1月29日(金)、島尻安伊子 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が和光地区を視察されました。まず、松本洋一郎理事より冒頭挨拶と理研の概要について説明しました。次に、研究不正再発防止策の実施状況として、有信睦弘理事(研究コンプライアンス本部長兼務)が研究不正の防止に向けた多層的な取組みについて、岡本仁副センター長(脳科学総合研究センター)が研究倫理教育責任者としてセンターにおける取組みについて説明しました。…”
  3. 理研、産総研、物材研の3機関を選定 特定研究開発法人で政府方針 (マイナビニュース・Science Portal 2015/12/21):”特定国立研究開発法人は、政府が「国家戦略に基づき、国際競争の中で、科学技術イノベーションの基盤となる世界トップレベルの成果を生み出すことが期待される法人」として昨年の通常国会での法案提出を目指していた。…3研究機関は、優秀な研究者を集めるために高額給与を支払うことなど研究者の好待遇が認められる。”
  4. 国立研究開発法人(ウィキペディア):日本の独立行政法人のうち主に研究開発を行う法人で、個別法によって定められたもの。独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号)によるもので、2015年4月1日より施行された。独立行政法人はその業務の特性によって中期目標管理法人、国立研究開発法人、行政執行法人(従前の特定独立行政法人に対応)の3つに区分されることとなった。
  5. STAP細胞問題とブラック企業化する特定国立研究開発法人-裾野削り地盤沈下する日本の科学技術 (BLOGOS 2014年03月26日)

零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が復元され日本の空へ

1970年代にパプアニューギニアで見つかり、約10年かけて復元された零式艦上戦闘機「ゼロ戦」が、2016年1月27日についに実際に日本の空を飛びました。このゼロ戦の所有者は石塚政秀さんで、この機体はアメリカ人オーナーから購入しましました。このテスト飛行の操縦桿を握­ったのは、アメリカ人のスキップ・ホルム氏(72)。

零戦、日本の大空に再び=爆音響かせ天高く舞う雄姿-海自鹿屋基地

 

参考

  1. 【動画】復元ゼロ戦 空へ(KTS 鹿児島テレビ 2016年01月27日)
  2. 大空のサムライ 坂井三郎氏 零戦を語る
  3. 零戦 世界最強の伝説 (2004年)
  4. 零戦里帰プロジェクト(株式会社ゼロエンタープライズ・ジャパン)

学長権限強化が学問の自由を脅かす危険性

岡山大学不正告発教授解雇事件で曝け出された、学長権限強化が学問の自由を脅かす危険性

岡山大学で研究不正を告発した教授が学長から解雇処分を受けた事件は、告発した教授らが処分の不当性を訴えて裁判で係争中ですが、世間に大きな衝撃を与えています。大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)でもこのトピックが取り上げられました。このラジオ番組では事件の概要が説明され、さらにこの事件の背景が考察されています。

AM1134文化放送 大竹まことゴールデンラジオ!〜大竹紳士交友録。深澤真紀さんが語る大学の自治。2014年から「国立大学の学長の権限強化」。馳文科大臣が「学長選挙に反対」とコメント。教員人事は大学の管理が基本。

AM1134文化放送 大竹まことゴールデンラジオ!〜15時台、大竹紳士交友録はオープニングで発表したテーマを変更します。「岡山大学で何が起きているか。そして大学の自治」というテーマでお届けします。

【大竹まこと×深澤真紀×倉田真由美】 岡山大学の不正研究と2人の教授解雇! 政府が大学人事関与

30年間冷凍保存のクマムシが生き返る

国立極地研究所の研究者らは、1983年11月に南極昭和基地周辺で採取されたコケ試料を30年ぶりに解凍し、コケ試料中に含まれていたクマムシの個体を蘇生させ繁殖能力を確認することに成功しました。

餌のクロレラを与えて飼育すると、1匹はあまり食べずに死んだが、もう1匹は5回産卵し、14匹がかえった。また、コケの中から卵が見つかり、水につけると6日後にかえり、餌を与えると成長して産卵した。 (毎日新聞2016年1月15日)

Long-term survival has been one of the most studied of the extraordinary physiological characteristics of cryptobiosis in micrometazoans such as nematodes, tardigrades and rotifers. In the available studies of long-term survival of micrometazoans, instances of survival have been the primary observation, and recovery conditions of animals or subsequent reproduction are generally not reported. We therefore documented recovery conditions and reproduction immediately following revival of tardigrades retrieved from a frozen moss sample collected in Antarctica in 1983 and stored at −20 °C for 30.5 years. We recorded recovery of two individuals and development of a separate egg of the Antarctic tardigrade, Acutuncus antarcticus, providing the longest records of survival for tardigrades as animals or eggs. One of the two resuscitated individuals and the hatchling successfully reproduced repeatedly after their recovery from long-term cryptobiosis. This considerable extension of the known length of long-term survival of tardigrades recorded in our study is interpreted as being associated with the minimum oxidative damage likely to have resulted from storage under stable frozen conditions. The long recovery times of the revived tardigrades observed is suggestive of the requirement for repair of damage accrued over 30 years of cryptobiosis. Further more detailed studies will improve understanding of mechanisms and conditions underlying the long-term survival of cryptobiotic organisms. (Tsujimoto et al., Cryobiology doi:10.1016/j.cryobiol.2015.12.003)

クマムシは体長1ミリ弱程度の、比較的どこにでも生息している生き物です。

「たるに変身 クマムシ(Water Bear)の秘密」  (乾眠する様子 3:01-)

クマムシはありきたりな生き物であるにもかかわらず、極端な低温や高温、真空、高圧、放射能などに耐えて生き延びることができることから、地球最強の生物と目される非常にユニークな存在です。

クマムシさんのうた(科学未来館フルバージョン)

Water Bear Don’t Care – SciTunes #14

クマムシの英語名は、Tardigradesですが、熊のようにのそのそ歩くことからwater bearとも、また、苔が好物なことから、moss pigletsとも呼ばれます。

Tardigrades Are Weird, Gross & Beautiful (ケイティ・ウェイン(Catie Wayne)によるクマムシの紹介動画)

クマムシは、極端な乾燥条件では代謝活動を停止するクリプトビオシスと呼ばれる状態になります。水分が補給されると再び生命活動が始まります。

乾眠してから復活するヨコヅナクマムシ (クマムシ博士の動画)

Tardigrades and Cryptobiosis (クリプトビオシスの説明 2:49-)

参考

  1. Recovery and reproduction of an Antarctic tardigrade retrieved from a moss sample frozen for over 30 years.  (Cryobiology Available online 25 December 2015 doi:10.1016/j.cryobiol.2015.12.003 Megumu Tsujimoto, Satoshi Imura and Hiroshi Kanda)
  2. 南極のクマムシ、30年を超える凍結保存から目覚め、繁殖に成功 (国立極地研究所 プレスリリース 2016年1月14日):”国立極地研究所(所長:白石和行)の辻本 惠 特任研究員を中心とする研究グループは、南極昭和基地周辺で1983年11月に採取され、30年と半年の間凍結保存されていたコケ試料からクマムシを取り出し、その蘇生直後の回復と繁殖(注1)の様子を記録することに成功しました。クリプトビオシス(注2)能力を持ち、「最強動物」とも呼ばれるクマムシの、これまでの最長生存記録は乾眠(注3)状態の室温保存で9年でしたが、今回の研究ではその記録を大幅に更新しました。”
  3. クマムシが30年ぶりに覚醒 (むしブロ クマムシ博士のドライ日記 2016-01-12)
  4. クマムシ30年冷凍、蘇生 南極で採取、産卵・繁殖も (毎日新聞2016年1月15日)
  5. 30年以上前に南極で採取されたクマムシが蘇生して繁殖! – 極地研 (マイナビニュース 2016/01/15)
  6. 高知大学キャンパス内のクマムシ

京大らがブラックホール連星を可視光観察

京大らがブラックホール連星の放射エネルギー変動を可視光領域で観察

はくちょう座V404は、ブラックホールと恒星とが近接した連星で、X線新星として知られています。X線新星はアウトバーストと呼ばれる急激な増光現象を不定期に生じますが、1989年のアウトバースト以来26年ぶりのアウトバーストが2015年6月に起こり、京都大学らの国際的な共同研究チームが観測を行いました。アウトバースト時のブラックホール近傍からの放射エネルギーの振動現象はこれまでこれまでX線領域でしか観測されていませんでしたが、今回の観測によりアウトバースト時の可視光の変動が初めて捉えられ、2016年1月7日付けのNature誌で報告されました。

Repetitive patterns in rapid optical variations in the nearby black-hole binary V404 Cygni (Nature 529,54–58 (07 January 2016)doi:10.1038/nature16452 Received 25 July 2015  Accepted 13 November 2015 Published online 06 January 2016 )

Repetitive patterns in rapid optical variations in the nearby black hole binary V404 Cygni (*再生に際してBGMの音量に注意)

著者:木邑真理子, 磯貝桂介, 加藤太一, 上田佳宏 (京都大学), 中平聡志 (JAXA), 志達めぐみ (理研), 榎戸輝揚, 堀貴郁, 野上大作 (京都大学), Colin Littlefield (Wesleyan University、アメリカ), 石岡涼子, Ying-Tung Chen, Sun-Kun King, Chih-Yi Wen, Shiang-Yu Wang, Matthew J. Lehner, Megan E. Schwamb, Jen-Hung Wang, Zhi-Wei Zhang (Institute of Astronomy and Astrophysics, Academia Sinica、台湾), Charles Alcock (Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics、アメリカ), Tim Axelrod (University of Arizona、アメリカ), Federica B. Bianco (New York University、アメリカ), Yong-Ik Byun (Yonsei University、韓国), Wen-Ping Chen (National Central University、台湾), Kem H. Cook (Institute of Astronomy and Astrophysics, Academia Sinica、台湾), Dae-Won Kim (Max Planck Institute、ドイツ), Typhoon Lee (Institute of Astronomy and Astrophysics, Academia Sinica、台湾), Stuart L. Marshall (Kavli Institute for Particle Astrophysics and Cosmology (KIPAC), Stanford University、アメリカ), Elena P. Pavlenko, Oksana I. Antonyuk, Kirill A. Antonyuk, Nikolai V. Pit, Aleksei A. Sosnovskij, Julia V. Babina, Aleksei V. Baklanov (Crimean Astrophysical Observatory、クリミア), Alexei S. Pozanenko, Elena D. Mazaeva (Space Research Institute of the Russian Academy of Sciences、ロシア), Sergei E. Schmalz (Leibniz Institute for Astrophysics、ドイツ), Inna V. Reva (Fesenkov Astrophysical Institute、カザフスタン), Sergei P. Belan (Crimean Astrophysical Observatory、クリミア), Raguli Ya. Inasaridze (Ilia State University、アメリカ), Namkhai Tungalag (Mongolian Academy of Sciences、モンゴル), Alina A. Volnova, Igor E. Molotov (Space Research Institute of the Russian Academy of Sciences、ロシア), Enrique de Miguel (Universidad de Huelva、スペイン), 笠井潔 (スイス), William L. Stein (アメリカ), Pavol A. Dubovsky (Vihorlat Observatory、スロバキア), 清田誠一郎 (千葉), Ian Miller (イギリス), Michael Richmond (Rochester Institute of Technology、アメリカ), William Goff (ギリシャ), Maksim V. Andreev (Russian Academy of Sciences、ロシア), 高橋弘允 (広島大学), 小路口直冬, 杉浦裕紀, 竹田奈央, 山田英史, 松本桂 (大阪教育大学), Nick James (イギリス), Roger D. Pickard (The British Astronomical Association, Variable Star Section (BAA VSS)、イギリス), Tam?s Tordai (Hungarian Astronomical Association、ハンガリー), 前田豊 (長崎), Javier Ruiz (Observatorio de Cantabria、スペイン), 宮下敦 (成蹊気象観測所、東京), Lewis M. Cook (Center for Backyard Astrophysics、アメリカ), 今田明 (京都大学) & 植村誠 (広島大学)(プレスリリース 平成28年1月7日 京大、JAXA、RIKEN、広島大学)

Astronomers Say Black Holes Can Be Spotted Using Home-Use Telescope

参考

  1. Repetitive patterns in rapid optical variations in the nearby black-hole binary V404 Cygni. Nature 529,54–58 (07 January 2016)doi:10.1038/nature16452
  2. ブラックホール近傍から出る規則的なパターンを持つ光の変動を可視光で初めて捉えることに成功-ブラックホールの「またたき」を直接目で観測できる機会に期待-(jaxa.jp プレスリリース 京都大学、宇宙航空研究開発機構、理化学研究所、広島大学 平成28年1月7日):”「アウトバースト」…天体が突然明るく光る現象。X線新星の場合、光度がたった数日で100倍以上も明るくなり、その後数十日から数百日かけてゆっくりと元の明るさに戻る”
  3. ブラックホール近傍から出る規則的なパターンを持つ光の変動を可視光で初めて捉えることに成功 -ブラックホールの「またたき」を直接目で観測できる機会に期待-(京都大学 研究成果 2016年01月07日)
  4. ブラックホール周辺の瞬き、初観測…京大など(読売新聞YOMIURI ONLINE 2016年01月07日):”ブラックホールの周辺で、星が明滅する瞬きのような光が出ているのを世界各地の望遠鏡を使って初めて観測したと、京都大や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの国際研究チームが発表した。”
  5. ブラックホール「瞬き」見えた!=「アウトバースト」の光初観測—京大(WSJ/時事通信 2016年1月7日):”昨年6月、26年ぶりにアウトバーストが起き、世界15カ国の専門家らに呼び掛け、35台の望遠鏡で18日間、可視光を撮影した。”
  6. 京大、ブラックホールの「またたき」を可視光で観測することに成功 (マイナビニュース 2016/01/07):”京都大学(京大)は1月7日、今までX線でしか観測できないと考えられていたブラックホール近傍からの放射エネルギーの振動現象を可視光で捉えることに成功したと発表した。”
  7. Federica Bianco su V404 Cygni, il buco nero che si vede
  8. ブラックホール連星はくちょう座V404星がアウトバースト(AstroArts/VSOLJニュース 2015年6月29日)
  9. 連星(れんせい)(ウィキペディア):2つの恒星が両者の重心の周りを軌道運動している天体
  10. 新星(しんせい)(ウィキペディア):恒星(白色矮星)の表面に一時的に強い爆発が起こり、それまでの光度の数百倍から数百万倍も増光する現象
  11. 降着円盤(こうちゃくえんばん、accretion disk):ブラックホールや中性子星や白色矮星のようなコンパクト星に落ち込むガスや塵が、高密度天体の周りに形成する円盤。可視光線やX線などのさまざまな電磁波を放射する。
  12. V404 Cygni (Wikipedia)
  13. X線天文学の誕生とその発展(小田稔):1960年代,1970年代には,X線星からX線を放射させているのは,連星を形成している高密度の星に恒星から流れ込むプラズマが解放する重力エネルギーだということがはっきりしてきた.

113番目の元素の発見で理研が命名権を獲得

113番目の元素の発見者は日本の理研と認定される見込みで、命名権の獲得により「初めての日本発の元素」が誕生します。

原子番号113の元素にはウンウントリウム (ununtrium) という仮の名称が与えられています。理化学研究所の森田浩介博士らのグループは線形加速器を用いて亜鉛(原子番号30)をビスマス(原子番号83)に衝突させる実験を行い、1個のウンウントリウムの合成に初めて成功し2004年9月28日に発表しました。その後も研究を続け、2005年、2012年とこれまでに合計3個のウンウントリウム検出に成功していました。2012年の成果によって日本初の新元素発見が確定したと思われたにも関わらず、ロシア=アメリカ共同研究グループとの先取権獲得競争もあり、国際的な認定が今の今まで見送られてきました。

産経新聞の報道によれば、理研による113番元素の発見がようやく国際的に認定される運びとなり、日本(理研)がこの新しい元素に対する命名権を獲得することが確実になりました。

審査は新元素を認定する国際純正・応用化学連合(IUPAC)と、国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)の合同作業部会が実施。関係者によると、作業部会は理研を113番元素の発見者として承認する報告書を化学連合側に提出した。物理学連合側の同意を踏まえて正式決定する。(日本初の新元素、国際認定へ 理研に113番の命名権、「ジャポニウム」有力 産経新聞 2015.12.26)

Japanese discovery of element 113 – Periodic Table of Videos

元素の周期表には百十数個の名前が並んでいますが、これまでに日本で命名された元素は一つもありません。

The NEW Periodic Table Song (Updated)

原子番号113番の元素ウンウントリウム (ununtrium) (仮称)に対して、ついに、日本にゆかりのある名前が与えられることになります。

理研の仁科芳雄博士は昭和15年、93番が存在する可能性を加速器実験で示したが検出できず、直後に米国が発見。その加速器は戦後、原爆製造用と誤認した連合国軍総司令部(GHQ)によって破壊されてしまった。113番は仁科博士の研究を受け継ぐチームが発見したもので、雪辱を果たした形だ。(日本初の新元素 悲願100年、米露独の独占崩す 産経新聞 12月26日)

参考

  1. Ununtrium (Wikipedia)
  2. 日本初の新元素、国際認定へ 理研に113番の命名権、「ジャポニウム」有力 (産経新聞 2015年12月26日)
  3. 日本初の新元素 悲願100年、米露独の独占崩す (産経新聞 2015年12月26日 長内洋介)
  4. 【祝!のはずでした…】113番目の元素 命名権を日本の理化学研究所が獲得!?(日本科学未来館 科学コミュニケーターブログ 2015年08月17日 雨宮崇):”つい先日の2015年8月12日、日本の科学史に残るビックニュースが発表されました!…いえ、【されるはずでした】。。。どんなビックニュースを期待していたかというと、「113番目の元素の命名権を、理化学研究所の研究グループが獲得!」というニュースです。もし現実になったら日本の科学史に残る快挙だったこのニュース。先日まで韓国で開かれていた国際学会で、「命名権がどの研究グループに与えられるか」が決まるはずだったのですが、どうやら今回は決まらず、次回以降の会議に持ち越されるようです。”
  5. 【祝・新元素発見】理研が113番元素の合成に成功!(文部科学省):”理研・仁科加速器研究センターの森田浩介准主任研究員らのグループが長年取り組んできた新元素合成の実験で、新たな成果が生まれました!2004年、2005年に続き、今年8月に3度目の合成とその新たな崩壊経路を確認することに成功しました。これは、新元素の発見の「確定」につながる成果であります。今回の合成は、実に7年ぶりの成功であり、実験開始からこれまで、元素合成のために原子を衝突させた回数は100兆回を超えます。”
  6. 新元素113命名権獲得へ近づく (日本化学会 2012年9月27日):”理化学研究所(野依良治理事長)は26日、新たに3個目の113番元素同位体の合成に成功した、と発表した。理化学研究所の仁科加速器研究センターの森田浩介准主任研究員らのグループが合成、崩壊経路を確認、27日の日本物理学会英文誌「Journal of Physical Society of Japan」オンラインに掲載される。野依理事長は「理研ではこれまでにも2個の113元素の同位体を合成しているが、今回の成果は従来の2個とは異なる崩壊経路を辿り、既知核に到達したことを確認した。これは新元素発見の証拠を一段と盤石とする成果で、元素命名権の獲得に大きく近づいた。周期表には多くの元素が載っているが、これまでに日本が命名した元素はない。命名権を取得し、周期表に日本発の元素をぜひ載せたい」と述べている。”
  7. Element 113 Uncovered by Japanese Scientists: “Ununtrium”
  8. Element 113: Ununtrium Reportedly Synthesized In Japan (Huff Post 09/26/2012)
  9. Search for element 113 concluded at last (RIKEN Press Release, September 27, 2012)
  10. Science mini-story (2) ~日本発・113番元素登場~ (有機化学美術館):”ちなみに今回の113番元素はすでに2004年2月にロシアチームが発見を報告していますが、これは証拠不十分で確定的とはいえないデータです。今回の理研の場合は1原子だけの結果とはいえ信憑性の高いデータであり、今後再現性が確認できれば日本チームに命名権が与えられる可能性は十分あると思われます。”
  11. 新元素113番 (理化学研究所 仁科加速器研究センター):”RILACによって加速された亜鉛イオンをビスマスに衝突させました。80日間にもおよぶ連続照射実験を続け、1個の113番元素が合成されました。新元素の発見は、目的とする原子核のできる確率が極端に小さいためとても困難です。世界中でその発見を競っています。113番元素の場合、原子核同士を100兆回も衝突させる必要がありました。”
  12. 新発見の113番元素 (理化学研究所 2004年9月28日):”今回、合成された原子核は1個です。この原子核は合成されるや否や、連続した4回のアルファ崩壊とそれに引き続く自発核分裂によって崩壊しました。この一連の崩壊の寿命および崩壊エネルギーなどから、原子番号113 (質量数278の278113)の原子核が初めて合成されたと結論付けられました。 今後、複数合成して再現性を確かめるなどして、今回のデータを補強すれば、将来、113番元素の命名権があたえられる可能性があります。その場合、周期表に歴史的な成果として、明確に足跡を残すことになります。… 113番元素については、今年2月にロシアの研究所が、「115番新元素の原子核(質量数、288と287)の初合成に成功し、その崩壊連鎖上の原子核として原子番号113、質量数284と283の原子核も発見した」と発表していますが、崩壊連鎖が既知の原子核まで到達していないため、現在はこれら115番、113番元素の命名権を獲得するに至っていません。ロシアのフレロフ核反応研究所のグループでは、実験データを積み重ね、より確かなものにしようとする努力が払われています。ただすべての崩壊の連鎖が未知の自発核分裂で終わっており、純粋実験的に原子番号Zと質量数Aを決めることができないのが現状です。元素に命名権を与える、国際純粋応用物理学連合(IUPAP; International Union of Pure and Applied Physics)と国際純正応用化学連合(IUPAC;International Union of Pure and Applied Chemistry)の合同ワーキンググループの報告によれば実験結果はかなり確実であるとしながらも既知核への連結がないことをもって、いまだ命名権を与えるに至っていないと報告しています。”
  13. Ununtrium – Video Learning – WizScience.com (https://www.youtube.com/watch?v=BtbHCb0WB8g): “The first report of ununtrium was in August 2003, when it was identified as an alpha decay product of element 115, ununpentium. These results were published on February 1, 2004, by a team composed of Russian scientists at Dubna , and American scientists at the Lawrence Livermore National Laboratory”

東芝 過去最大5500億円の赤字、7800人リストラへ

東芝の来年3月期の1年間のグループ全体の決算は、最終損失が5500億円の 赤字になる見通しだそうです。これはリーマンショック後の平成21年3月期に計上した3900億円余りの赤字を大きく上回ており過去最大の赤字です。 6800人の早期退職や配置転換に加えて、新たに本社部門でも1000人のリストラが行われるとのこと。

東芝の赤字5000億円規模 リストラ費用膨らむ見通し(15/12/21)

参考

  1. 東芝 7800人リストラ 過去最大の赤字見通し(NHKNEWSWEB 12月21日)
  2. 東芝歴代3社長の刑事告発検討 証券監視委、消極姿勢から一転 (産経ニュース 2015.12.4):”東芝の利益水増し問題で、田中久雄前社長ら歴代3社長がパソコン事業の不正取引を認識しながら虚偽の利益を計上させた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑での刑事告発を視野に調査していることが3日、市場関係者への取材で分かった。”
  3. 東芝「粉飾決算」問題 メディアが報じない金融庁の「不正見逃し」疑惑と処分の行方〜なぜ、誰もが消極的なのか (現代ビジネス ニュースの深層 高橋 洋一 2015年10月05日 )
  4. 東芝不正会計、「甘すぎる」処分の真相 すべて予め決められたシナリオ (BUSINESS JOURNAL 小笠原泰「生き残るためには急速に変わらざるを得ない企業」2015.10.04):”この初春に始まり、西田厚聰相談役、佐々木則夫副会長、田中久雄社 長の歴代3社長辞任、さらには第三者委員会の調査報告書公表でも収集がつかず、世間を騒がせた東芝の不正会計・粉飾決算問題。”
  5. 東芝3社長、辞任後も車&部屋付きの厚遇 上司に「おかしい」といえぬ社風変わらず… (産経ニュース2015.9.21):”8月下旬、複数の経済誌や週刊誌が東芝の利益水増し問題で引責辞任したはずの西田厚聡氏や佐々木則夫氏、田中久雄氏の歴代3社長が社用車で浜松町の本社に出勤していると報じた。”
  6. 東芝の不正会計、半導体で行われていたこと 工業会計のプロが図表入りで徹底解説  (東洋経済ONLINE 本間 峰一 2015年09月19日):”東芝の不正会計事件では、当初に発覚した工事進行基準の手口ばかりが注目を集めているが、それをしのぐ金額の不正会計 が行われたにもかかわらず、パソコン事業と半導体事業ではどんなカラクリで不正が行われたのかが正確に伝わっていない。”
  7. 東芝不正会計の温床は、「選択と集中」にあり(PRESIDENT 大前研一の日本のカラクリ 2015年9月1日):”インフラ事業に端を発する東芝の不正会計問題は、パソコン、テレビ、半導体などの主要事業でも利益の 水増しが判明して、社長以下の組織的関与が明るみに出た。第三者委員会の調査報告書によれば、2008年4月から14年12月までの約7年間に行われた利 益の過大計上の総額は1518億円。”
  8. 東芝、不正1千億超でも“甘い”処分?ライブドアは“たった”53億粉飾で経営陣逮捕 (Business Journal 関田真也 2015.07.29):”東芝の不正会計をめぐる問題が、ライブドア事件と比較されるかたちで話題になっている。東芝が行った利益の過大計上は、現段階で総額1562億円に上り、さらに2000億円近くに達するのではないかといわれている。”

早石修 (1920年1月8日-2015年12月17日)

目の前にあるのに見えていない…でもそれが何かの拍子に見える。一回見え出すと、どんどん見えてくる。そういうもんなんですね。研究というものは。いろんな事が発見される時、それまで誰もが見てたんですが、見とって見えていない…ボヤっと見ているからね。事実はそこにチャントあるんですが、ボヤっと 見とると解らない。だけど、ちゃんと焦点を当ててみると初めて見えてくるし、それが如何に大事なものかが解って、それにまつわるいろんな事が見えてくる。見えてたけれど認識できてなかった。それに気がつくということが研究ですから、実際「鈍」じゃないとアカンのです。あんまり賢いと…何でも自分で解った気になってしまうからね。教科書読んで納得してしまったら、それで終いでしょ。何ら新しい発見に繋がらない。(研究の本質 早石修)

参考

  1. われら六稜人【第26回】科学を志す人のために 早石 修 INDEX 第1研究室:    恩師に学んだ教育の姿勢 第2研究室:    大学の選び方… 第3研究室:    握り飯より柿の種? 第4研究室:    焼跡で始めた生涯の研究 第5研究室:    WHATではなくてHOW 第6研究室:    ランチセミナールの効用 第7研究室:    研究は探偵小説?! 第8研究室:    睡眠に賭けた第二の人生 第9研究室:    研究の本質 第10研究室:    研究者の向き/不向き
  2. Osamu Hayaishi: Pioneer First of the Oxygenases, then the Molecular Basis of Sleep and Throughout a Great Statesman of Science (Arthur Kornberg IUBMB Life, 58(5-6):253, May-June 2006)
  3. Osamu Hayaishi—from the discovery of oxygenases in soil microorganisms to unraveling the enigma of sleep in mammals (Michael Lazarusa, Zhi-Li Huangb & Yoshihiro Uradea. Temperature Volume 2, Issue 3, 2015  DOI:10.1080/23328940.2015.1072658)
  4. Pioneering the Field of Oxygenases through the Study of Tryptophan Metabolism: the Work of Osamu Hayaishi. Studies on Oxygenases. Enzymatic Formation of Kynurenine from Tryptophan (Hayaishi, O., Rothberg, S., Mehler, A. H., and Saito, Y. (1957) J. Biol. Chem.229,889–896)
  5. 睡眠の謎に挑む 早石修先生インタビュー 2012年
  6. 京大名誉教授の早石修さん死去 「酸素添加酵素」を発見 (朝日新聞DIGITAL 2015年12月19日):”体の中で重要な働きをしている「酸素添加酵素」の発見などで世界的に知られる京都大名誉教授で、文化勲章受章者の早石修(はやいし・おさむ)さんが17日、死去した。95歳だった。”
  7. 早石教授時代[昭和33(1958)年3月22日~昭和 58(1983)年4月1日]:”昭和33(1958)年3月に,早石 修は9年余の滞米研究生活ののちに,酸素添加酵素の発見という輝かしい研究業績を携えて,京都大学医学部医化学講座の教授として帰国した。”

Nature Communicationsが差読内容公開

通常、投稿論文の査読内容が公開されることはありません。しかし、査読システムの透明性を高めるために、学術誌によっては差読者のコメントおよび論文執筆者と編集者とのやりとりなどを公開する動きがごく一部ながらあります。ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)誌は2016年1月から、論文著者が了解すれば査読内容等を公開することになりました。

as a trial, we will be publishing all reviewer comments to authors and author rebuttal letters for published papers submitted from January 2016, unless the authors ask us not to. (doi:10.1038/ncomms10277)

このような試みはNature Communicationsが初めてではありません。数年前からEMBO journalでは、例えばPeer Review Process File -EMBO-2015-92116(PDF)といった形でレフェリーのコメントやそれ対する論文著者らのレスポンスを公開しています。

参考

  1. Transparent peer review at Nature Communications (Nature Communications 14 December 2015 doi:10.1038/ncomms10277)
  2. EMBO journal introduces transparent peer-review (blogs.nature.com 05 Jan 2009):”Beginning with manuscripts submitted in 2009, a supplementary process file will be included with the online publication of papers. “
  3. What is open peer review? (F1000Research 21 May 2014)

武田薬品が10年間で200億円を京大CiRAに提供

傷害誘導筋細胞由来幹細胞様細胞iMuSCs

Injury induced population of muscle-derived stem cell-like cells (iMuSCs)

かつてSTAP細胞の論文を掲載し取り下げたネイチャー誌を発行するネイチャー・パブリッシング・グループのオープン・アクセス・ジャーナル「サイエンティフィック・リポーツ」に“Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells“(doi:10.1038/srep17355)と題する論文が2015年11月27日に発表されました。筋肉を傷付けたあとで取り出して培養すると、筋肉に分化していた細胞が脱分化して多能性を獲得した細胞(iMuSCs)ができたという内容です。

IMuSCsFig1a

“changes in microenvironmental factors, such as skeletal muscle with injuries, can partially reprogram terminally differentiated myogenic cells into a pluripotent-like state”(doi:10.1038/srep17355)

“the most remarkable discovery of this study was that iMuSCs fulfilled several in vitro and in vivo criteria for pluripotency; however, we could not obtain iMuSCs with germline transmission after blastocyst microinjection.” (doi:10.1038/srep17355)

参考

  1. 米研究者が「STAP細胞」の再現に成功!?対象も方法も結果もまったく異なる研究。1万歩譲っても「研究不正」は揺るがない(Medエッジ 2015年12月13日 粥川準二 寄稿)
  2. 繰り返し言う~研究不正と「STAP現象」ありなしは別次元の問題榎木英介  | 病理専門医かつ科学・技術政策ウォッチャー 2015年12月13日

新型出生前診断をめぐりダウン症生活実情調査

厚生労働省研究班が新型出生前診断ダウン症がある人の生活の実情を把握する大規模調査を開始

2013年に臨床研究として導入された新出生前診断をめぐり、厚生労働省研究班は8日までに、検査対象疾患の一つとなっている、ダウン症がある人の生活の実情を把握する大規模調査を始めた。本人や親らを対象に、就学や就労の状況、どんなことに幸せを感じているかなどの質問に回答してもらう。(ダウン症ある生活、大規模調査 新出生前診断で厚労省 共同通信 2015年12月8日)

DEAR FUTURE MOM | March 21 – World Down Syndrome Day | #DearFutureMom

参考

  1. 厚生労働省研究班が新型出生前診断をめぐりダウン症がある人の生活の実情を把握する大規模調査を開始 (公益財団法人 日本ダウン症協会 2015/12/08)

梶田 東大宇宙線研究所長がノーベル賞受賞講演

2015年ノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東大宇宙線研究所長(56)は、12月8日にストックホルム大で受賞記念講演を行いました。

2015 Nobel Lectures in Physics (14:20-開始、19:24-二人の受賞者の紹介、22:25-梶田隆章教授の講演、53:51-Arthur B McDonald教授の講演)

参考

  1. “Takaaki Kajita – Facts”. Nobelprize.org. Nobel Media AB 2014. Web. 8 Dec 2015.
  2. 梶田隆章さんの記念講演要旨 ノーベル物理学賞受賞 (西日本新聞 2015年12月08日)
  3. 梶田さん「宇宙解明手掛かりに」 – ノーベル賞記念講演 (マイナビニュース・共同通信 2015/12/08)

シリア考古学会議でハレド・アサド氏を追悼

2015年12月3日~6日、レバノンの首都ベイルートでシリア考古学会議(the International Syrian Congress on Archaeology and Cultural Heritage)が開催されました。世界各国から考古学者が集まったこの会議では、今年8月18日にイスラム国(ISIS)に殺害されたハレド・アル・アサド氏に対して黙祷が捧げられました。パルミラ博物館長だったハレド・アル・アサド氏は、工芸品などの貴重な文化財をイスラム国の手から守るために安全な場所に移動させており、尋問されてもその場所を明かさなかったために殺害されました。

ハレド・アサド氏は身に迫る危険を知りつつもパルミラに残ることを選びました。
ISIS beheads scholar archaeologist Khaled al-As’ad in Palmyra

古代ペルシャの町を紹介したドキュメンタリー番組(41:07- Palmyra)。
ANCIENT CIVILIZATIONS Ancient Persia and Arabian Peninsula

参考

  1. Profile: Khaled al-Asaad, Syria’s ‘Mr Palmyra’ (BBC NEWS 19 August 2015):Khaled al-Asaad, the archaeologist who has reportedly been killed by Islamic State militants, had a lifelong connection to the town, having been born into a prominent family in the area in 1934.
  2. 考古学者82歳、IS(イスラム国)に斬首される パルミラ遺跡を守り続け (ハフィントン・ポスト 2015年08月24日)
  3. Beheaded Syrian scholar refused to lead Isis to hidden Palmyra antiquities (The Guardian 19 August 2015):Khaled al-Asaad, 82, was interrogated by militants for a month before he was murdered in the ancient city
  4. パルミラ守った志、継ぐ ISが殺害、学者アサド氏 日本にゆかり、研究者ら悼む (朝日新聞DIGITAL 2015年12月7日)(記事閲覧は要登録)
  5. 日本西アジア考古学会 お知らせ International Syrian Congress on Archaeology and Cultural Heritageプログラム

 

再利用可能なロケットの着陸に成功

通常はロケットは打ち上げのときに一度きり使われてきましたが、2015年11月23日に、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスが設立した企業ブルーオリジンが、再利用可能なロケットの着陸に成功しました。これによりロケット打ち上げのコストが劇的に削減される可能性があります。
‘There and back again’ – Amazon founder has success with reusable rocket

参考

  1. Blue Origin

誰でもわかる 今年のノーベル賞~生理学・医学 物理学 化学賞~【日本科学未来館×Newton×ニコ生】

誰でもわかる 今年のノーベル賞~生理学・医学 物理学 化学賞~【日本科学未来館×Newton×ニコ生】

黒田有彩(司会、NHK Eテレ『高校講座 物理基礎』MC)
髙橋麻美(日本科学未来館 科学コミュニケーター 生理学・医学賞チームリーダー)
谷明洋 (日本科学未来館 科学コミュニケーター 物理学賞チームリーダー)
松浦麻子(日本科学未来館 科学コミュニケーター 化学賞チームリーダー)
詫摩雅子(日本科学未来館)
髙嶋秀行(Newton本誌・ムック 編集部長)
※本番組は2015年10月25日にニコニコ生放送で放送されました

厚労省 ロボ­ットスーツHALを医療機器に認定

厚生労働省は2015年11月25日に体に装着して歩行能力を高めるロボ­ットスーツ「HAL」を医療機器として承認しました。ALS(amyotrophic lateral sclerosis;筋萎縮性側索硬化症)など8つの難病を対象としています。装着型のロボットが保険が適用される医療機器として承認されたのは日本で初めてだそうです。

HAL医療用下肢タイプを承認しました
11 月10日開催の薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会での審議を経て、本日11月25日付けで下記のHAL医療用下肢タイプを承認しましたのでお知らせします。
[ 販売名 ] HAL 医療用下肢タイプ
[ 申請者 ] CYBERDYNE株式会社
[ 申請日 ] 平成27年3月25日
[ 使用目的 ] 本品は緩徐進行性の神経・筋疾患患者を対象として、本品を間欠的に装着し、生体電位信号に基づき下肢の動きを助けつつ歩行運動を繰り返すことで、歩行機能を改善することを目的として使用する。
対象となる緩徐進行性の神経・筋疾患は、以下の8疾患である。
【1】脊髄性筋萎縮症(SMA)
【2】球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
【3】筋萎縮性側索硬化症(ALS)
【4】シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)
【5】遠位型ミオパチー
【6】封入体筋炎(IBM)
【7】先天性ミオパチー
【8】筋ジストロフィー
(厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000105014.html)

ロボットHALを医療機器で初承認 保険もききます(15/11/25) (YOUTUBE Published on Nov 25, 2015)

歩行訓練ロボットスーツHAL 製造販売承認することに (YOUTUBE Published on Nov 10, 2015)

ロボットスーツHALを試験的に利用したリハビリ訓練 (YOUTUBE Published on May 28, 2014)

ロボット・スーツHALが文科省で動き出す! (YOUTUBE Published on Oct 23, 2012)

TEDxTokyo – Dr. Yoshiyuki Sankai – 05/10/15 – English (YOUTUBE Uploaded on May 19, 2010)

HAL(Hybrid Assistive Limb) from Cyberdine (YOUTUBE Uploaded on Mar 2, 2007)

参考

  1. CYBERDYNE株式会社(サイバーダイン株式会社)
  2. 筑波大学サイバニクス・グループ 山海嘉之研究室