目の前にあるのに見えていない…でもそれが何かの拍子に見える。一回見え出すと、どんどん見えてくる。そういうもんなんですね。研究というものは。いろんな事が発見される時、それまで誰もが見てたんですが、見とって見えていない…ボヤっと見ているからね。事実はそこにチャントあるんですが、ボヤっと 見とると解らない。だけど、ちゃんと焦点を当ててみると初めて見えてくるし、それが如何に大事なものかが解って、それにまつわるいろんな事が見えてくる。見えてたけれど認識できてなかった。それに気がつくということが研究ですから、実際「鈍」じゃないとアカンのです。あんまり賢いと…何でも自分で解った気になってしまうからね。教科書読んで納得してしまったら、それで終いでしょ。何ら新しい発見に繋がらない。(研究の本質 早石修)
参考
- われら六稜人【第26回】科学を志す人のために 早石 修 INDEX 第1研究室: 恩師に学んだ教育の姿勢 第2研究室: 大学の選び方… 第3研究室: 握り飯より柿の種? 第4研究室: 焼跡で始めた生涯の研究 第5研究室: WHATではなくてHOW 第6研究室: ランチセミナールの効用 第7研究室: 研究は探偵小説?! 第8研究室: 睡眠に賭けた第二の人生 第9研究室: 研究の本質 第10研究室: 研究者の向き/不向き
- Osamu Hayaishi: Pioneer First of the Oxygenases, then the Molecular Basis of Sleep and Throughout a Great Statesman of Science (Arthur Kornberg IUBMB Life, 58(5-6):253, May-June 2006)
- Osamu Hayaishi—from the discovery of oxygenases in soil microorganisms to unraveling the enigma of sleep in mammals (Michael Lazarusa, Zhi-Li Huangb & Yoshihiro Uradea. Temperature Volume 2, Issue 3, 2015 DOI:10.1080/23328940.2015.1072658)
- Pioneering the Field of Oxygenases through the Study of Tryptophan Metabolism: the Work of Osamu Hayaishi. Studies on Oxygenases. Enzymatic Formation of Kynurenine from Tryptophan (Hayaishi, O., Rothberg, S., Mehler, A. H., and Saito, Y. (1957) J. Biol. Chem.229,889–896)
- 睡眠の謎に挑む 早石修先生インタビュー 2012年
- 京大名誉教授の早石修さん死去 「酸素添加酵素」を発見 (朝日新聞DIGITAL 2015年12月19日):”体の中で重要な働きをしている「酸素添加酵素」の発見などで世界的に知られる京都大名誉教授で、文化勲章受章者の早石修(はやいし・おさむ)さんが17日、死去した。95歳だった。”
- 早石教授時代[昭和33(1958)年3月22日~昭和 58(1983)年4月1日]:”昭和33(1958)年3月に,早石 修は9年余の滞米研究生活ののちに,酸素添加酵素の発見という輝かしい研究業績を携えて,京都大学医学部医化学講座の教授として帰国した。”