Monthly Archives: October 2016

大隅東工大栄誉教授、太田遺伝研名誉教授らに文化勲章

2016年10月28日に政府により、2016年度の文化勲章受章者と文化功労者が発表されました。

文化勲章受章者

大隅良典氏(71) 細胞生物学
太田朋子(83) 集団遺伝学
草間弥生(87) 絵画・彫刻
中野三敏(80) 日本近世文学
平岩弓枝(84) 小説
船村徹(84) 作曲

文化功労者

福山秀敏(74) 物性物理学
古井貞煕(71) 音声工学
篠崎一雄(67) 植物分子生物学
西尾章治郎(65)情報科学・学術振興
岩井克人(69) 経済学
岡井隆(88)  短歌
小野喬(85)  スポーツ
小松和彦(69) 民俗学
小山やす子(92)書(仮名)
尾崎邑鵬(92) 書(漢字)
白石隆(66)  地域研究・国際交流
田中信昭(88) 指揮
辻惟雄(84)  美術評論・文化振興
杉良太郎(72) 俳優・歌手・国際交流
津村節子(88) 小説

参考

  1. 大隅氏らに文化勲章、文化功労者に杉良太郎氏ら(読売新聞 YOMIURI ONLINE 2016年10月28日 11時31分):”政府は28日、2016年度の文化勲章受章者6人と文化功労者15人を発表した。”
  2. 太田朋子氏文化勲章 三島・遺伝研名誉教授、自然科学で女性初(静岡新聞 2016/10/28 12:32):”太田氏は自然科学分野で女性として初めての受章となる。”

アップル社のノートパソコン マックブックプロが一新

2016年10月27日(現地時間)にアップル社は新しいマックブックプロを発表しました。

キーボード最上部にあったファンクションキーは廃止され、タッチバー(Touch Bar)に置き換えられました。これは、使うアプリケーションなど状況に応じて機能が割り当てられる優れもの。

New Apple MacBook Pro first look

サイズも従来のものよりも小さく、軽くなりました。また、トラックパッドが従来の2倍の大きさで、ずいぶん広くなっています。指紋センサー「Touch ID」も搭載されました。外部インターフェイスはThunderbolt 3(USB-C)。

Apple Macbook Pro with Touch Bar -Hands On  (Digital Trends)

Touch BarとTouch IDが搭載されない低価格な13インチバージョンも用意されています。RAMのサイズは最上位機種でも16GBどまりで、使用目的によってはちょっと物足りない感じで、がっかりした人も多かったようです。アップル社マーケティング・チーフのフィル・シラー氏は、16GB以上のRAMだと電力を消費しすぎるためとその理由を説明しています。

Many customers have been wondering why Apple didn’t bump up the maximum RAM to 32GB, including MacRumors reader David, who emailed Apple to ask and got an explanation from marketing chief Phil Schiller.

Question from David: The lack of a 32GB BTO option for the new MBPs raised some eyebrows and caused some concerns (me included). Does ~3GBps bandwidth to the SSD make this a moot issue? I.e. memory paging on a 16GB system is so fast that 32GB is not a significant improvement?

Schiller’s answer: Thank you for the email. It is a good question. To put more than 16GB of fast RAM into a notebook design at this time would require a memory system that consumes much more power and wouldn’t be efficient enough for a notebook. I hope you check out this new generation MacBook Pro, it really is an incredible system.(MacRumors)

参考

  1. Apple(日本) マックブックプロ商品説明ウェブページ
  2. 13インチモデルはMacBook Airよりも薄い アップルが新型「MacBook Pro」を発表、新しい操作スタイル「Touch Bar」と指紋センサー「Touch ID」を搭載(価格.com マガジン 2016.10.28 三浦善弘)
  3.  Appleが新「MacBook Pro」を発表、タッチディスプレイ「Touch Bar」搭載(IT  PRO 鈴木 英子=ニューズフロント  2016/10/28)
  4. Apple Special Event October 2016 (HD) | Macbook Pro 2016 (Streamed live on Oct 27, 2016) (動画:1時間19分52秒 新しいマックブックプロの紹介は、28分47秒から)
  5. アップルの噂話はどこが信頼できるか(マイナビニュース 海老原昭 2015/08/21)

東日本大震災津波訴訟 大川小児童の遺族が勝訴

20180427 追記(高裁の判断)

報道

  1. 児童の遺族「未来の命を救える判決」 大川小・津波訴訟 (山本逸生、窪小谷菜月 岡本進 朝日新聞DIGITAL 2018年4月27日03時35分) 84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の津波訴訟で、仙台高裁は校長や市教育委員会による防災体制の不備を厳しく指摘し、組織的な過失を認めた。
  2. 大川小津波訴訟 遺族、2審も勝訴「事前防災に不備」(毎日新聞2018年4月26日 14時10分 最終更新 4月27日 02時48分) 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校を巡り、児童23人の遺族が市と県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は26日、1審・仙台地裁判決より一部の原告の慰謝料を見直すなどして損害額を約1000万円増額し、14億3617万円の賠償を市と県に命じた。

参考

  1. 「山へ逃げよう」の大川小児童証言は“精査中”!? 教員の会話は「検証委とりまとめ案」に盛り込まれず (池上正樹:ジャーナリスト DIAMOND online 2013.10.23) 最も問題なのは、その後の<移動においては地域のお年寄りが先頭を歩き、そのあとに児童が続いていたため、かなりゆっくりとした速度で移動をしていたようである>という描写だ。 先頭集団にいた生存児童は、「校庭にいたときから女性教諭がずっと先導していた。先生以外に、大人の姿はなかった」と証言している。
  2. 唯一生存した男性教諭の報告に大きな矛盾!? 大津波後の大川小生存者を見た夫妻の証言 (加藤順子 DIAMOND online 2012.9.5) 「A先生の報告書は、最初から全部嘘なんです。だいたい9割方は嘘だから。なんで嘘ついたんだかは、わかんないですけども」 私たちが訪れた目的を説明すると、工場の社長は、市教委が作成した生存教諭の聞き取り書について、いきなり、そう切り出した。「A先生は、何も濡れていないから和室にそのまま通した。Bくんの靴は、濡れていたね。靴下を脱がせて、そのまま履いているわけにはいかないということで履き替えさせた。濡れた場所はわからないですよ。おそらく歩いてくるのに、この辺も全部泥だらけだったから。Bくんは、濡れて汚かったね」
  3. 中妻じょうた 板橋区議会議員‏ @nakatsuma 7〜8mの津波が来ていることはラジオでわかっており、子どもを引き取りに来た親が必死にそれを訴えたのに動かなかったのはなぜか。なぜ教頭は川の様子を見ることを指示せず自分で見に行ってしまったのか。教頭や校長への昇進基準は何か。トップとして何をすべきか理解してトップについているのか。21:23 – 2012年7月19日
  4. 中妻じょうた 板橋区議会議員@nakatsuma 山を登ろうと言わなかったのは、校長不在時の責任者であった教頭と一番古株の教師。教頭はなぜか自分で川の様子を見に行ったりしてしまい、統率の動きをしていなかった。一番古株の教師が「校庭が安全だからここに留まれ」と主張し、暖をとるたき火をやるためにドラム缶2つを校庭に持ち出していた。10:49 – 2012年7月19日
  5. 破棄されたメモの中に“大川小児童の重大証言”も? 大きく揺らぐ石巻市教委が作成した公文書の信憑性 (池上正樹:ジャーナリスト DIAMOND online 2012.7.18) 「子どもたちの証言として、聞き取り調査で『山に逃げた方がいい』とか『ここ(校庭)にいたら死んでしまう』とか、言っている(ものがある)。ただ、5月の聞き取り調査記録の中には、(その証言が)一切ないんですよ。(市教委は)メモを廃棄したから、今となっては証拠がないっていう結果だと思うんです。聞き取り調査の中になければ、教育委員会としては、私たちに説明できませんよね?」
  6. 大川小学校児童津波被害国賠訴訟を支援する会

 


2011年3月11日の東日本大震災で起きた津波により宮城県石巻市立大川小学校の多数の児童と教職員が亡くなりました。地震発生後、45分間も児童を校庭にとどめ、走れば1分の距離の学校の裏山に避難させなかったのは学校側の安全配慮義務違反だとして遺族が訴えていた裁判で、仙台地裁は学校側の過失を認め、市と県は計約14億2600万円を原告に支払うよう命じる判決を2016年10月26日に言い渡しました。

  • 午後2時46分 地震発生 大川小の教職員は約45分間、児童に校庭で待機するよう指示
  • 午後3時半ごろまでには、石巻市の広報車が津波が松林を越えてきていることを告げながら避難を呼びかけ。
  • 午後3時37分ごろ 高さ8メートルを超す津波にのまれ児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明。助かったのは男性教務主任1人と児童4人。

児童は津波により死に至ったのではない。学校にいたから死ななければならなかった。もし、先生がいなかったら、児童は死ぬことはなかった。本件は、明らかに人災である。大川小遺族が「明らかに人災」と提訴 総額23億円の損害賠償請求 DIAMOND ONLINE 大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ真実~【第38回】 2014年3月10日

R_20141128-2201-f-NHKスペシャル 東日本大震災「大川小学校・遺族たちの3年8か月」[字]-hl-NHK総合1・東京

市側の主張

  • 学校は海岸まで約4キロあり、津波浸水被害の想定域外だったため津波到達を予測できなかった
  • 裏山は崩落や倒木などの危険があった
  • 同小校庭より約6メートル高い北上川の橋のたもとを避難先に選んだことは合理的

 

遺族の主張

  • 地震発生後に大津波警報の防災無線が流され、保護者が津波警報発令を教員に伝えたことから、津波は予測できた
  • 児童を校庭で約45分間待機させた
  • 校庭から小走りで1分程度の裏山に児童を退避させるべきだった
  • 予想された津波の高さは6~10メートルだったのに、標高7メートル余りしかない北上川の堤防付近の交差点に避難しようとした

 

参考

  • 大川小学校事故検証報告書(石巻市)
  • 大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~(DIAMOND ONLINE)
  • 大川小学校児童津波被害国倍訴訟を支援する会:”あの日大川小の子どもたちを救うためには何が足りなかったのか、有識者会議の議事録や最終報告をいくら読んでも答えが書いてありません。市教委も国や県に実に表面的な報告しかしていません。”
  • 生存者14歳少年が証言する3・11大川小の過ち(女性自身 2014年03月15日):”「おい(俺)は、てっきり山に行くと思っていたけど、もう進んでいたので、『まっ、いいか』って。公民館の前あたりに来たとき教頭先生が戻ってきて、『津波が来たので、早く移動してください』と言われて、小走りで山沿いの道を、民家の間を抜けて県道へ出ようとした。そのとき、波がこぼれてくるのが見えて。家が爆発したと思って、砂煙がパーッと上って、なんだかわかんないけど、『逃げなきゃ』と思って、逆戻りしていた」”

 

書籍

  1. 『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』 池上正樹, 加藤順子 2012年10月24日 青志社

 

報道

  1. 大川小学校の津波訴訟 石巻市などに14億円余の賠償命令(NHK NEWS WEB 10月26日 18時08分):”東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判で、仙台地方裁判所は「市の広報車が避難を呼びかけたのを教員らが聞いた時点で、津波が到達する危険を予測できた」と指摘して、石巻市などに対し原告全員に14億円余りの賠償を支払うよう命じました。”
  2. <大川小訴訟>石巻市と県に14億円賠償命令(河北新報 10月26日(水)15時16分配信):”東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、学校の責任を認め、計約14億2660万円を支払うよう市と県に命じた。”
  3. 大川小訴訟、14億円賠償命令 津波襲来「予見できた」(朝日新聞DIGITAL 船崎桜 2016年10月26日15時44分):”東日本大震災の津波で74人の児童と10人の教職員が死亡・行方不明となった宮城県の石巻市立大川小学校をめぐり、児童23人の遺族が石巻市と宮城県に計23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、市と県に約14億円の賠償を命じる判決を言い渡した。”
  4. 学校側に過失、14億円賠償命令=管理下の児童、津波で犠牲-大川小訴訟・仙台地裁(時事ドットコムニュース 2016/10/26-19:27):”東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童74人のうち、23人の遺族が、市と県に計23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、仙台地裁であった。”

ノーベル物理学賞 小柴博士の科学財団が解散へ

2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊 東京大特別栄誉教授(90)がノーベル賞賞金を含む4,000万円、それに加えて、浜松ホトニクス社長の晝馬輝夫氏個人からの6,000万円、合わせて1億円を基本財産として2003年に財団法人平成基礎科学財団(2011年4月より公益財団法人)が設立されました。

小柴 昌俊博士が理事長となり、日本の基礎科学の振興を目的として設立された財団ですが、来年3月末に財団が解散することになりました。財政難と理事の高齢化が解散の理由として挙げられています。

賛助会員になってもらった地方公共団体に人口一人当たり1円に相当する金額を寄付してもらう「一人一円運動というアイデア」などにより財政を賄ってきましたが、地方自治体の財政が逼迫している状況で賛助会員収入が減り、将来の運営の見通しがつかなくなったそうです。

これは、わが国の基礎科学・芸術等の非営利の文化事業が、その財源を主として国からの財政支援に依存しており、欧米諸国と異なり文化的事業に寄付する慣行が社会的に未だ定着していないこと、このような慣行を確立するための法整備が遅れていることに根本的な原因があると存じます。(平成基礎科学財団解散のお知らせ より)

sanjo_suii(「平成基礎科学財団解散のお知らせ」のデータをグラフ化)

ちなみに2016年度の地方自治体の会員数は、岩手県、富山県、鳥取県、飛騨市、豊橋市、横須賀市、杉並区の7団体にまで減っていました。

公益財団法人平成基礎科学財団の解散は、2016年3月の理事会において小柴昌俊理事長により提案され、理事会および評議員会による検討の末、決定しました。2016年度の事業は平常通り行われ、2017年3月末をもって財団の一切の事業が停止することになります。

財団がこれまで行ってきた事業の内容は、
1.幼児、小・中・高校生の自然科学への興味と関心を高め、科学的な能力の育成を図ることを目的とした小柴昌俊教育賞の授与、
2.素粒子物理学分野の実験または理論研究で優れた業績をあげた研究者の顕彰を行なう戸塚洋二賞・折戸周治賞の授与、
3.高校生・大学生を対象とし全国各地で開催した 「楽しむ科学教室」 、
4.「楽しむ科学教室」実録DVD教材の作製と配布
などです。

基礎科学の研究・教育の振興のために高校生と大学生を対象に主催された「楽しむ科学教室」講演会の記録

  • 第101回 2016年12月11日(日) 「宇宙線がつくるニュートリノを調べる」~ニュートリノの質量の発見~ 梶田 隆章先生  東京大学特別栄誉教授、東京大学宇宙線研究所 所長
  • 第100回  2016年11月20日(日) 「脳はいかにして数学を生み出すのか」 ~脳の数理・言語機能を考える~ 武田 暁先生  平成基礎科学財団理事、東京大学・東北大学名誉教授
  • 第99回 2016年10月30日(土) 「タイムマシンで宇宙の誕生を見に行こう」 藤本 順平先生 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 講師
  • 第98回 2016年8月6日(土)  「アインシュタインの相対性理論とビッグバン宇宙」 佐藤 勝彦先生 日本学術振興会 学術システム研究センター長
  • 第97回 2016年5月22日(日) 「ビッグバン以前の宇宙を探る」 ~宇宙背景放射観測の挑戦~  羽澄 昌史先生 高エネルギー加速器研究機構教授、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授、総合研究大学院大学教授
  • 第96回 2016年3月12日(土) 「ちからと宇宙」 ~きれいな形や運動は、何から生まれるのか~ 海部 宣男先生 国立天文台名誉教授
  • 第95回  2015年12月5日(土)  「光について知り、考えよう」~基礎的性質から最先端レーザー技術まで~  酒井 広文先生 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 准教授
  • 第94回  2015年10月24日(土) 「量子の正体」 ~さまざまに形を変える量子~ 小坂 英男先生 横浜国立大学 大学院工学研究院 教授
  • 第93回  2015年9月13日(日)  「真空」の内部を素粒子と宇宙で見る」 ~観測方法と結果の謎~ 荒船  次郎先生 東京大学名誉教授、大学評価学位授与機構名誉教授
  • 第92回  2015年8月1日(土)  「振動と文脈から探る脳」 ~脳と心の働きを理解する~  虫明  元先生  東北大学医学部生体システム生理分野 教授
  • 第91回  2015年5月24日(日)  「宇宙線がつくるニュートリノを調べる」 ~ニュートリノの質量の発見~ 梶田 隆章先生 東京大学宇宙線研究所 所長・ 教授
  • 第90回  2015年3月14日(土)  「誕生直後の宇宙を探る」~最先端加速器で再現、観測する~  山田 作衛先生 東京大学名誉教授・高エネルギー加速器研究機構名誉教授・
  • 第89回  2014年12月13日(土)  「細胞たちの「自分探し」 ~臓器ができる仕組みを探る~  瀬原 淳子先生 京都大学再生医科学研究所 再生統御学研究部門 教授
  • 第88回  2014年11月29日(土)  「我々はどこから来たのか」  伏見  譲先生 埼玉大学名誉教授、総合研究大学院大学 教授
  • 第87回  2014年10月19日(日)  「素粒子の世界」 ~発生・観察・探索~  蓑輪 眞先生 東京大学大学院理学系研究科物理学教室 教授
  • 第86回  2014年9月28日(日)  「再生医療ってなんだろう?」 ~モノ・細胞の先にみえるもの~  八代 嘉美先生 京都大学iPS細胞研究所 上廣倫理研究部門 特定准教授
  • 第85回  2014年7月26日(土)  「体を組み立てる」 ~自律的な細胞の世界 ~  竹市 雅俊先生 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター センター長
  • 第84回  2014年5月25日(日)  「ニュートリノの正体を探る」  ~素粒子核分光器による研究の最前線~  江尻 宏泰先生  大阪大学名誉教授、チェコ工科大学客員教授
  • 第83回  2014年3月8日(土)  「生まれたての宇宙を再現」~素粒子で宇宙の神秘に挑む国際研究の最前線~  山下 了先生
  • 第82回  2013年12月8日(日)  「生まれたての宇宙を再現」~素粒子で宇宙の神秘に挑む国際研究の最前線~  山下 了先生
  • 第81回  2013年11月23日(土)  「脳の情報処理回路を探る」~脳は作れるか~  深井 朋樹先生 独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター
  • 第80回  2013年9月29日(日)  「重力とは何か」~アインシュタインから超弦理論へ~  大栗 博司先生 カリフォルニア工科大学 フレッド・カブリ冠教授
  • 第79回  2013年7月27日(土)  「宇宙の成立ちと宇宙の歴史」  福來 正孝先生 東京大学Kavli数物連携宇宙研究機構 教授
  • 第78回  2013年5月19日(日)  「言語の科学」 ~なぜ人間だけに言語があるのか~  酒井 邦嘉先生 東京大学大学院総合文化研究科 教授
  • 第77回  2013年3月9日(土)  「ヒッグス粒子に迫る」 ~最先端加速器LHCで探る宇宙創成の謎~  浅井 祥仁先生 東京大学大学院 理学系研究科 准教授
  • 第76回  2012年12月8日(土)  「再生医療ってなんだろう?」 ~モノ・細胞の先にみえるもの~  八代 嘉美先生 慶應義塾大学医学部 総合医科学研究センター 特任准教授
  • 第75回  2012年11月18日(日)  「誕生直後の宇宙を眺める」 ~巨大加速器でさぐる宇宙のはじまり~  花垣 和則先生 大阪大学大学院理学研究科 准教授
  • 第74回  2012年11月11日(日)  「素粒子と宇宙」 ~極微の世界と壮大な宇宙を結ぶ加速器~  駒宮 幸男先生
  • 第73回  2012年9月30日(日)  「宇宙誕生から1秒も狂わない時計を作る」 ~時空の歪みをみる時計~  香取 秀俊先生
  • 第72回  2012年7月21日(土)  「進化とは何だろうか?」 ~生物の進化、ヒトの進化~  長谷川 眞理子先生
  • 第71回  2012年5月13日(日)  「ケイ素の化学」 ~シリコンとシリコーン~  荻野 博先生 放送大学名誉教授
  • 第70回  2012年3月3日(土)  「細胞たちの「自分探し」」 ~臓器ができる仕組みを探る~  瀬原 淳子先生 京都大学再生医科学研究所 再生統御学研究部門 教授
  • 第69回  2011年12月3日(土)  「誕生直後の宇宙を眺める」 ~巨大加速器でさぐる宇宙のはじまり~  花垣 和則先生 大阪大学大学院理学研究科 准教授
  • 第68回  2011年11月26日(土)  「素粒子の真空とはどんなものか」 ~質量の生まれるしくみにせまる~  橋本 省二先生 高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・教授
  • 第67回  2011年11月5日(土)  「言葉の物理学」 ~人はどうして自由に言葉を操れるのか~  武田 暁先生  平成基礎科学財団理事、東京大学・東北大学名誉教授
  • 第66回  2011年10月22日(土)  「シリコンとシリコーン」 ~現代の生活を劇的に変えた物質~  荻野 博先生 放送大学名誉教授・東北大学客員研究員
  • 第65回  2011年10月15日(土)  「宇宙の地図を描く」 ~測れないものを測る数学の知恵~  小谷 元子先生
  • 第64回  2011年7月9日(土)  「脳をめぐる7つの謎」 ~脳は機械か、「わたし」か~  坂井 克之先生 東京大学大学院医学系研究科 認知・言語神経科学分野 准教授
  • 第63回  2011年5月14日(土)  「地下から探る素粒子と宇宙」 ~宇宙・素粒子研究の最前線~  中畑 雅行先生 東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設 教授
  • 第62回  2010年12月18日(土)  「網膜再生への挑戦」 ~iPS細胞と医療~  髙橋 政代先生 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
  • 第61回  2010年12月4日(土)  「Think Outside the Cell」 ~身体を支える細胞外基質タンパク質~  百田 龍輔先生  岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 人体構成学 助教
  • 第60回  2010年11月27日(土)  「不確定性原理をめぐって」 ~観測による擾乱に下限はあるか?~  江沢 洋先生
  • 第59回  2010年11月21日(日)  「素粒子で宇宙・物質を覗く」 ~素粒子加速器:顕微鏡と望遠鏡の働き~  鈴木 厚人先生 高エネルギー加速器研究機構長
  • 第58回  2010年11月13日(土)  「時間って何だろう?」 ~ナマコを眺めながら考えたこと~  本川 達雄先生  東京工業大学生命理工学部教授
  • 第57回  2010年10月9日(土)  「宇宙から超極微小ナノの世界へ 」~ ナノカーボンの科学 ~  篠原 久典先生
  • 第56回  2010年7月10日(土)  「モノを見る脳の仕組み」 ~物体像の脳内表現~  谷藤 学先生
  • 第55回  2010年5月15日(土)  「加速器が明らかにする素粒子の不思議な世界」  髙﨑 史彦先生
  • 第54回  2009年12月20日(日)  「すばる望遠鏡で見る宇宙」 ~最初の銀河、補償光学、次世代望遠鏡~  家 正則先生  国立天文台光赤外部教授
  • 第53回  2009年11月28日(土)  「物理学における対称性」 ~自然の謎を解く鍵~  小林 誠先生
  • 第52回  2009年11月14日(土)  「宇宙のはじまり」 ~現代宇宙論の基礎と飛躍~  田中 貴浩 先生 京都大学基礎物理学研究所教授
  • 第51回  2009年11月1日(日)  「新型インフルエンザの脅威と現代医学」  押谷 仁先生 東北大学大学院医学研究科微生物学分野 教授
  • 第50回  2009年10月3日(土)  「細胞たちの「自分探し」 」~臓器ができる仕組みを探る~  瀬原 淳子先生 京都大学再生医科学研究所 再生統御学研究部門教授
  • 第49回  2009年6月27日(土)  「ことばの起源と進化」~動物の鳴き声研究から~  岡ノ谷 一夫先生
  • 第48回  2009年4月25日(土)  「暗黒に支配される宇宙」  杉山 直先生 名古屋大学大学院理学研究科教授
  • 第47回  2008年12月13日(土)  「ミツバチのダンスとコオロギの学習」 ~昆虫の脳の不思議を探る~  水波 誠先生 東北大学大学院生命科学研究科准教授
  • 第46回  2008年11月29日(土)  「ナノ空間の電子」 ~その魅力と威力~  榊 裕之 先生 豊田工業大学教授(副学長兼任)・東京大学名誉教授
  • 第45回  2008年11月1日(土)  「海の物理」 ~海の波から気候変動まで~  鳥羽 良明先生
  • 第44回  2008年10月11日(土)  「脳の中にある細胞たち」  ~いくつになっても神経細胞はつくられる~  大隅 典子先生
  • 第43回  2008年9月27日(土)  「不斉合成」 ~右手形と左手形分子のつくり分け~  野依 良治先生 独立行政法人理化学研究所理事長・名古屋大学特別教授 ★この「楽しむ科学教室」は10月20日(前篇)&11月10日(後篇)にNHK地上デジタル教育テレビ(023)で放送されました。
  • 第42回  2008年9月20日(土)  「生命観を問い直す」 ~機械論から動的平衡へ~  福岡 伸一先生 青山学院大学理工学部 化学・生命科学科教授
  • 第41回  2008年7月21日(月)  「ゆらぐ脳、あいまいな脳」  池谷 裕二先生 東京大学大学院薬学系研究科・准教授
  • 第40回  2008年6月22日(日)  「仮想世界と現実世界の融合を目指して」  坂村 健先生 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 副学環長、教授
  • 第39回  2008年4月26日(土)  「アインシュタインの相対性理論とビッグバン宇宙」 ~宇宙の誕生と進化を探る~  佐藤 勝彦先生 東京大学大学院理学系研究科教授、平成基礎科学財団理事
  • 第38回  2007年12月8日(金)  「細胞たちの「自分探し」 」~臓器ができる仕組みを探る~  瀬原 淳子先生 京都大学再生医科学研究所 再生統御学研究部門 教授
  • 第37回  2007年12月2日(日)  「素粒子で宇宙・物質を覗く」 ~素粒子加速器:顕微鏡と望遠鏡の働き~  鈴木 厚人先生 高エネルギー加速器研究機構長
  • 第36回 2007年11月23日(金) 「ニュートリノ、ニュートリノ、そしてニュートリノ」 ~ニュートリノって一体何だろう?~ 小柴 昌俊先生
  • 第35回 2007年11月4日(日) 「光と物質の新たなる出会い」 ~光科学の最前線への招待~ 五神 真先生
  • 第34回 2007年10月21日(日) 「記憶」~脳内メカニズム~ (1時限目:「免疫」、2時限目) 利根川 進先生 マサチューセッツ工科大学(MIT) 生物・脳科学Picower Professor
  • 第33回 2007年9月9日(日) 「多角形、多面体の多角的、多面的考察」~謎解きの実況中継~ 秋山 仁先生  東海大学教育開発研究所所長
  • 第32回 2007年7月21日(日) 「暗黒に支配される宇宙」 杉山 直先生  名古屋大学大学院理学研究科教授
  • 第31回 2007年6月3日(日) 「脳の回路」~どのようにできていて、どのようにはたらくのか~ 伊藤 正男先生 理化学研究所  脳科学総合研究センター特別顧問
  • 第30回 2007年5月13日(日) 「細胞たちの「自分探し」」~臓器ができる仕組みを探る~ 瀬原 淳子先生 京都大学再生医科学研究所 再生統御学研究部門 教授
  • 第29回 2007年3月17日(土) 「ことばの科学」~脳はどのようにことばを生みだすか~ 酒井 邦嘉先生 東京大学大学院総合文化研究科 助教授
  • 第28回 2007年1月27日(土) 「小さな、小さな世界が大きな、大きな世界を支配したお話」 吉村 太彦先生 岡山大学理学部教授
  • 第27回 2007年1月13日(土) 「前頭前野は何をしているか?」~私が明らかにしたこと~ 久保田 競先生 日本福祉大学大学院 情報・経営開発研究科 招聘教授
  • 第26回 2006年12月16日(土) 「小鳥の歌からヒトの言葉へ」~鳴き声生物学入門~ 岡ノ谷 一夫先生
  • 第25回 2006年11月18日(土) 「ニュートリノ、ニュートリノ、そしてニュートリノ」~ニュートリノって一体何だろう?~ 小柴 昌俊先生
  • 第24回 2006年10月28日(土) 「無の粒子、無の状態」 ~質量と真空の謎~ 長島 順清先生 大阪大学名誉教授
  • 第23回 2006年9月30日(土) 「科学する心の働き」 ~学習する脳の不思議な働き~ 武田 暁先生 平成基礎科学財団理事、東京大学・東北大学名誉教授
  • 第22回 2006年7月22日(土) 「日本の財政を科学する」 ~私たちにもわかる~ 長岡 實先生 財団法人資本市場研究会 理事長
  • 第21回 2006年6月3日(土) 「ちからと宇宙」 ~形や運動はなにから生まれるのか~  海部 宣男先生 国立天文台名誉教授
  • 第20回  2006年4月8日(土)  「原子はどこまで詰められるか」~ボーズアインシュタイン凝縮~  上田 正仁先生 東京工業大学大学院理工学研究科 教授
  • 第19回  2006年3月11日(土)  「動物に学ぶ」 ~動物たちの行動の不思議;その意味と仕組を探る~  森 裕司先生
  • 第18回  2006年1月22日(日)  「雲はなぜ落ちてこないのか?」 ~星の形成から暗黒物質まで~  佐藤 文隆先生 甲南大学教授、京都大学名誉教授
  • 第17回  2005年11月26日(土)  「学習する脳の不思議」~「脳をつくる」ことで脳を理解する~  銅谷 賢治先生  沖縄大学院大学先行的研究事業  神経計算ユニット代表研究者
  • 第16回  2005年10月22日(土)  「ナノチューブの科学」~ナノテクノロジーはシリコンから炭素へ~  齋藤 理一郎先生 東北大学・大学院理学研究科・教授
  • 第15回  2005年10月1日(土)  「光と物質の新たなる出会い」 ~光科学の最前線への招待~  五神 真先生
  • 第14回  2005年9月17日(土)  「インフレーション宇宙 」 ~宇宙誕生の直後に何が起こったか?~  川﨑 雅裕先生 東京大学宇宙線研究所教授
  • 第13回  2005年9月3日(土)  「生命のパズル」~自己組織化の謎に迫る~  吉川 研一先生 京都大学大学院理学研究科 教授
  • 第12回  2005年7月23日(土)  「ニュートリノを見る地下の目」 ~ニュートリノで地球・太陽を診断する~  井上 邦雄先生 東北大学大学院理学研究科ニュートリノ科学研究センター 教授
  • 第11回  2005年5月7日(土)  「生命とは何か」~物理からのアプローチ~  金子 邦彦先生 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻教授
  • 第10回  2005年5月7日(土)  「宇宙の謎」 ~暗黒物質、暗黒エネルギー、反物質~  村山 斉先生 カリフォルニア大学バークレイ校物理教室教授
  • 第9回  2005年3月19日(土)  「素粒子の謎に迫る」 ~物質の統一理論を求めて~   野村 泰紀先生 カリフォルニア大学バークレー校 助教授
  • 第8回  2005年3月16日(水)  「心と脳の不思議な関係」~心を生み出す脳のシステム~  茂木 健一郎先生  ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー
  • 第7回  2005年1月8日(土)  「動物に学ぶ」 ~動物たちの行動の不思議;その意味と仕組を探る~  森 裕司先生  東京大学・大学院農学生命科学研究科・獣医動物行動学研究室・教授
  • 第6回  2004年12月18日(土)  「宇宙創世期の交響楽」 ~膨張宇宙の姿とその始まり、ビッグバン~  杉山 直先生  自然科学研究機構 国立天文台 理論研究部 教授
  • 第5回  2004年9月18日(土)  「生命のパズル」~自己組織化の謎に迫る~  吉川 研一先生  京都大学大学院理学研究科 教授
  • 「楽しむ科学教室」NHK EDUCATIONAL収録
    2004年8月12日 (木)  宇宙はこんな形だった -第3回「宇宙創世期の交響楽」より-  杉山 直先生
    2004年8月2日 (月)  言葉を科学する -第4回「ことばの科学」より-  酒井 邦嘉先生
    2004年7月30日 (金)  目で見えた!量子の世界 -第2回「原子はどこまで詰められるか?」より-  上田 正仁先生
    2004年7月27日 (火)  クオリアで脳に迫る  -第1回「心と脳の不思議な関係」より-  茂木 健一郎先生
  • 第4回  2004年5月23日(日)  「ことばの科学」 ~脳はどのようにことばを生みだすか~  酒井 邦嘉先生 東京大学大学院総合文化研究科 助教授
  • 第3回  2004年5月16日(日)  「宇宙創世期の交響楽」 ~膨張宇宙の姿とその始まり、ビッグバン~  杉山 直先生  自然科学研究機構 国立天文台 理論研究部 教授
  • 第2回  2004年3月14日(日)  「原子はどこまで詰められるか」~ボーズ・アインシュタイン凝縮~  上田 正仁先生  東京工業大学大学院理工学研究科 教授
  • 第1回  2004年2月22日(日)  「心と脳の不思議な関係」~心を生み出す脳のシステム~  茂木 健一郎先生  ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー

参考

  1. 平成基礎科学財団
  2. 平成基礎科学財団解散のお知らせ
  3. 折戸周治賞・戸塚洋二賞 歴代受賞者リスト(第1回2009年~第7回2015年)

報道

  1. 小柴さんの財団3月解散へ 役員高齢化など理由に(日本経済新聞 2016/10/24 21:04 ):”2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授(90)が設立し、理事長を務める平成基礎科学財団(東京)は24日までに、来年3月末に解散することを決めた。「財政上の問題と役員の高齢化が理由」としている。”
  2. 小柴さんの科学財団解散へ=財政難や高齢化で(時事ドットコムニュース2016/10/24-16:28 ):”ノーベル物理学賞を2002年に受賞した小柴昌俊東京大特別栄誉教授(90)が理事長を務める公益財団法人「平成基礎科学財団」(東京都千代田区)は24日までに、来年3月末で解散することを明らかにした。”

ネットの反応

  1. 【平成基礎科学財団 解散】ノーベル賞・小柴氏設立の財団解散へ 財政・人事苦しく(ヤフコメコム 2016-10-24 10:57:00)
  2. 【社会】ノーベル物理学賞・小柴氏設立の財団解散へ 財政・人事苦しく (daily.2ch.net)

第2期叡王戦 羽生九段が稲葉八段を下す

2016年10月21日に第2期叡王戦本戦トーナメントの羽生三冠vs稲葉八段の対局が行われ、羽生 善治 九段(先手)が稲葉 陽 八段を破り準決勝進出を決めました。

羽生 善治 九段(先手) 対 稲葉 陽 八段(後手) の棋譜 113☗3 六金打まで先手の勝ち(下の写真をクリックすると、叡王戦のウェブサイトに移動し、棋譜の再生やダウンロードができます)
20161021_habu_inaba_kifu

第2期叡王戦の優勝者は、第4回将棋電王トーナメントの優勝ソフトと戦うことになります。羽生善治九段と人工知能との対局を見たいという人は多く、夢の対局へ一歩近づきました。

20161022eiousentournament

参考

  1. 第2期叡王戦本戦トーナメント 2016年10月21日 羽生三冠vs稲葉八段の対局 棋譜
  2. 【将棋】第二期叡王戦 羽生九段 vs 稲葉八段 終盤ハイライト(将棋総合チャンネル)
  3. 藤井銀河が初手から解説!!『羽生善治九段 vs 稲葉陽八段』

報道

  1. 羽生、叡王戦4強入り ソフトとの対戦者決める棋戦(スポニチ Sponichi Annex 2016年10月21日 21:56):”将棋のプロ棋士とコンピューターソフトが戦う第2期電王戦(来春開催)への出場者を決める第2期叡王戦本戦準々決勝は21日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、羽生善治3冠(46)が稲葉陽八段(28)を破り、ベスト4に進出した。”

ネットの反応(http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-4647.html より一部を紹介)

  1. 2016/10/22 (土) 13:35:33 藤井がポナンザの59角見てこんな手は人間には読めない、ソフト使わないと無理からの感想戦で羽生が59角までしっかり読んでて羽生ソフト指し疑惑がヤバイ 当然調査チームを立ちあげて調査するんだよな
  2. 2016/10/21 (金) 21:46:33 羽生さん脳内にアヒル将棋ソフト埋め込み疑惑
  3. 2016/10/21 (金) 21:53:12 脳内にハブンザを搭載してるなんてズルすぎるぞ!
  4. 2016/10/21 (金) 22:08:10 羽生九段のアンテナ立ってる時の勝率と  指が震えた時からの勝率が異常過ぎて怪しい。 アンテナと指の震えは明らかに不自然な行為。  チダショー分析はよ
  5. 2016/10/21 (金) 21:52:22 羽生さんは将棋星人から電波を受信する不正をしていると思うんだ  終盤になるとたまに公然とアンテナを立てたりしてるし
  6. 2016/10/21 (金) 22:15:34 あっ!!羽生先生の寝癖は将棋星との交信の為のアンテナだったんですね
  7. 2016/10/21 (金) 22:39:24 ナベ千田「ソフト一致率を検証した結果、三浦の棋譜はソフト指し濃厚です!人間には指せません!」  羽生「どれどれ・・・」  羽生「・・・普通の手じゃね?」
  8. 2016/10/21 (金) 22:40:58 解析:技巧0606 1手20秒 4core8thread i7-6700K(10手目△9四歩より)  結果  先手:52%(28/53)  後手:58%(31/52)  スクショ:imgur.com/a/wWg0B  早々に前例を離れる力戦系では、最高峰の人間が快勝しても、 人間である以上一致率は高くならないという良き見本としてポストしておく  個人的には、一桁手で前例を離れるレベルの力戦系で一致率が90%を超えたら1局であってもソフト指しだと確信できる (もちろんそれを証明できるかどうかはまったく別の話)
  9. 2016/10/21 (金) 23:19:23 羽生‐Ponanzaの世紀の一戦に一歩ずつ着実に近づいている 羽生には期待してしまう
  10. 2016/10/22 (土) 00:36:55 羽生がポナに勝ってもそれは人類の勝利ではない気がしてきた。あれはただの神だ。

関連記事

  1. 対局中にコンピュータ将棋ソフトを使用した疑惑で将棋連盟から処分を受けた三浦弘行九段が無実を訴える声明を発表

アフリカツメガエルのゲノムが解読される

発生生物学の実験材料としてよく用いられるモデル動物アフリカツメガエル(Xenopus laevis)ゲノムの塩基配列が解読され、今週のNature誌に論文が発表されました。

Adam M. Session,    Yoshinobu Uno,    Taejoon Kwon,    Jarrod A. Chapman,    Atsushi Toyoda,    Shuji Takahashi,    Akimasa Fukui,    Akira Hikosaka,    Atsushi Suzuki,    Mariko Kondo,    Simon J. van Heeringen,    Ian Quigley,    Sven Heinz,    Hajime Ogino,    Haruki Ochi,    Uffe Hellsten,    Jessica B. Lyons,    Oleg Simakov,    Nicholas Putnam,    Jonathan Stites,    Yoko Kuroki,    Toshiaki Tanaka,    Tatsuo Michiue,    Minoru Watanabe,    Ozren Bogdanovic,    Ryan Lister,    Georgios Georgiou,    Sarita S. Paranjpe,    Ila van Kruijsbergen,    Shengquiang Shu,    Joseph Carlson,    Tsutomu Kinoshita,    Yuko Ohta,    Shuuji Mawaribuchi,    Jerry Jenkins,    Jane Grimwood,    Jeremy Schmutz,    Therese Mitros,    Sahar V. Mozaffari,    Yutaka Suzuki,    Yoshikazu Haramoto,    Takamasa S. Yamamoto,    Chiyo Takagi,    Rebecca Heald,    Kelly Miller,    Christian Haudenschild,    Jacob Kitzman,    Takuya Nakayama,    Yumi Izutsu,    Jacques Robert,    Joshua Fortriede,    Kevin Burns,    Vaneet Lotay,    Kamran Karimi,    Yuuri Yasuoka,    Darwin S. Dichmann,    Martin F. Flajnik,    Douglas W. Houston,    Jay Shendure,    Louis DuPasquier,    Peter D. Vize,    Aaron M. Zorn,    Michihiko Ito,    Edward M. Marcotte,    John B. Wallingford,    Yuzuru Ito,    Makoto Asashima,    Naoto Ueno,    Yoichi Matsuda,    Gert Jan C. Veenstra,    Asao Fujiyama,    Richard M. Harland,    Masanori Taira    & Daniel S. Rokhsar.  Genome evolution in the allotetraploid frog Xenopus laevis. Nature 538,336–343(20 October 2016)doi:10.1038/nature19840
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東京大学の平良眞規博士、カリフォルニア大学・ダニエル・ロクサー博士とリチャード・ハーランド博士らを中心とする国際コンソーシアムが共同して行った成果です。日本の多数の大学、研究機関がこのコンソーシアムに参加しています。プレスリリースによると本研究論文の日本人の著者は、東京大学(平良眞規、近藤真理子、道上達男、鈴木穣)、国立遺伝学研究所(藤山秋佐夫、豊田敦)、名古屋大学(松田洋一、宇野好宣)、広島大学(高橋秀治、彦坂暁、鈴木厚)、基礎生物学研究所(上野直人、山本隆正、高木知世)、産業技術総合研究所(浅島誠、原本悦和、伊藤弓弦)、北海道大学(福井彰雅)、長浜バイオ大学(荻野肇)、山形大学(越智陽城)、国立成育医療研究センター(黒木陽子)、東京工業大学(田中利明)、徳島大学(渡部稔)、立教大学(木下勉)、メリーランド大学(太田裕子)、北里大学(回渕修治、伊藤道彦)、バージニア大学(中山卓哉)、新潟大学(井筒ゆみ)、沖縄科学技術大学院大学(安岡有理)ら(敬称略)。%e2%96%a0web_%e3%83%ad%e3%82%b4

ちなみに、世界で初めてゲノムが解読されたカエルは、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)ではなくその近縁種である熱帯ツメガエル(Xenopus tropicalis)で、2010年のサイエンス誌に発表されました。

utokyopressrelease20161020%e5%9b%b32a(図は東京大学プレスリリースより)

アフリカツメガエルのゲノムは、進化の過程で比較的最近、近縁異種が交配しゲノムが倍化した「異質4倍体」と考えられています(下図)。ゲノムサイズが大きく複雑になったためにゲノム解読が困難となり、生物学で用いられるモデル動物の中では一番ゲノム解読が遅れていました。

%e5%9b%b31(進化の過程で遺伝子重複が生じた時期(ピンクの星印)。図は東京大学プレスリリースより)

%e5%9b%b33(交雑後にゲノム重複し不稔を免れた仕組み。図は東京大学プレスリリースより)

hdy201365f1(Xenopus laevisの18本の染色体が近縁2種由来であること示すペア Uno et al., 2013 Heredity Fig.1より)

参考

  1. Genome evolution in the allotetraploid frog Xenopus laevis. Nature 538,336–343(20 October 2016)doi:10.1038/nature19840
  2. Lab frog Xenopus laevis genome sequence shows what happens when genomes collide — African clawed frog got double the normal number of genes thanks to hybridization millions of years ago (EurekAlert! / University of California – Berkeley Public Release: 20-Oct-2016)
  3. アフリカツメガエルの複雑なゲノムを解読:脊椎動物への進化の原動力「全ゲノム重複」の謎に迫る(東京大学プレスリリース 2016/10/20)
  4. 東京大学 平良眞規研究室
  5. XenBase

報道

  1. 東大など、アフリカツメガエルのゲノムを解読 – 「全ゲノム重複」解明の鍵(マイナビニュース 周藤瞳美 2016/10/20):”東京大学(東大)などは10月20日、2種類の祖先種が異種交配して「全ゲノム重複」したとされるアフリカツメガエルのゲノムの全構造を明らかにしたと発表した。”
  2. アフリカツメガエルのゲノム解読=脊椎動物の謎解明に期待-東大など(時事ドットコムニュース):”東京大と米カリフォルニア大などの国際研究チームは、アフリカツメガエルの全遺伝情報(ゲノム)を解読したと発表した。アフリカツメガエルは近縁種の異種交配で生まれたため2種類のゲノムを受け継いでおり、研究によく使われるモデル生物の中ではゲノム解読が遅れていた。論文は20日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。”
  3. アフリカツメガエル、ゲノム解読に成功 進化の謎に迫る(朝日新聞デジタル 瀬川茂子 2016年10月20日02時01分):”通常の2倍の染色体を持つ生物(4倍体)として知られるアフリカツメガエルのゲノム解読に日米の国際共同チームが成功した。”

将棋ソフト使用疑惑の三浦九段が無実を訴える

対局中にコンピュータ将棋ソフトを使用した疑惑で将棋連盟から処分を受けた三浦弘行九段が無実を訴える声明を発表

追記 2017年1月31日 羽生善治氏の奥様、羽生理恵さんがツイッターでこれまで誤解を解くための説明をしていたので、紹介します。私も、羽生善治氏が三浦九段の将棋ソフト疑惑に関して「グレー」と言ったのは、疑わしいという意味の、つまり黒を匂わせる意味でのグレーという言葉だと週刊誌報道などから理解していました。しかし、羽生理恵さんのツイッターでの説明によれば、実は、まったく正反対でした。将棋連盟が「黒だよね」という振り方をしてきたのに対して、証拠無しに黒と断定することはできない、という意味で「グレー」という言葉を使ったようです。文脈を削って、意味が正反対になるようにした作為的な週刊誌報道を鵜呑みにしてしまったことを反省いたしました。

当時、三浦九段は完全にクロという報道一色でしたが、結局、完全にシロという結論で落ち着いたようです。東洋経済にわかりやすい解説記事がありました。

*疑惑をかけられた三浦弘行九段と家族のスマートフォンやパソコンからは、不正の証拠は何一つ出てこなかった。

*対局料(挑戦が決まっていた竜王戦でタイトルを奪取すれば4320万円、奪取しなくても1590万円)をフイにした三浦九段

*「疑惑の発端となった『30分の離席』はそもそも存在しない」という驚愕のものだった。久保九段との対局では計2時間40分の離席があったが、重要な局面での離席は6分、3分、3分といずれも短かった。

*「一致率」について、第三者委員会は「同一ソフト・同一局面・同一棋譜でも指し手の一致率には約20%の違いがある」

*「三浦九段よりも一致率が高い棋士も存在するが何ら問題視されていない」

*「検証の対象とした4局で、対局相手やトップ棋士に聞き取り調査をしたが、三浦九段の指し手に不自然さはない」

将棋界が直面する未曾有の危機とは何か? 将棋ソフトに右往左往、三浦九段は完全シロ 東洋経済 2017年01月04日 山田 雄一

追記 2016年12月29日 日本将棋連盟の最終的な判断が出たので一部を転載します。

連盟が設置した第三者調査委員会が調査したところ、夕食休憩後に30分ほど離席したという指摘には根拠がなかったという。「三浦九段の指し手が、将棋ソフトの指し手と一致している」という指摘も、計測ごとにばらつく指標だったため、証拠価値はないとしている。さらに、三浦九段が提出したスマートフォン、PCなどを外部企業が解析しても、不正行為の痕跡は見当たらず、十分な証拠がないと判断したという。(三浦九段の将棋ソフト“不正使用疑惑”は「証拠なし」 ただし出場停止処分は「妥当」 ITmedia ニュース 2016年12月26日 19時47分 更新)

 

第三者委員会調査結果を受けて 日本将棋連盟 更新:2016年12月27日 18:55

12月26日(月)、日本将棋連盟は第三者調査委員会の調査結果に関する答申を受けました。
本日それを踏まえ、記者会見を東京・将棋会館で行いました。
以下に谷川浩司会長の会見要旨を記載いたします。
谷川浩司会長 会見要旨

昨日午前、第三者調査委員会より報告書を頂きました。
委員長の但木先生をはじめ、永井先生、奈良先生には、二ヶ月近くに及ぶ綿密な調査をして頂き、本当に有難うございました。
また、昨日午後に会見を開いていただきました事も重ねて御礼申し上げます。

今回の報告書では、三浦九段は不正を行っていないこと、常務会が出場停止処分を取ったのは妥当であること、この二つの結論を頂きました。
常務会の判断が妥当だったとは言え、結果的に三浦九段につらい思いをさせてしまいましたことは本当に申し訳なく思っております。

…  (http://www.shogi.or.jp/news/2016/12/post_1492.html?mi=cu_news

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

三浦九段の2回目の反論文書全文(毎日新聞 2016年10月21日 より

対局中の将棋ソフト使用疑惑について(2)

一部マスコミにて事実と異なる内容が報道されているため、重要な点についてのみ誤りを指摘しておきたいと思います。

まず、平成28年10月10日、連盟理事からソフト使用疑惑があるという理由により、翌日に理事などが集まるので将棋会館に来るよう伝えられました。私は、「渡辺さん(明・竜王)はこれから戦う相手なので呼ばないでください」と伝えました。数日後に竜王戦が控えていたため、私が疑われ、身の潔白を証明する場に渡辺さんが同席していると、対局に差し障りがあると考えたからです。しかし、私の要望に反して翌日の会議の場に渡辺さんは出席していました。

次に、平成28年8月頃、三枚堂さん(達也・四段)と将棋の研究を行っていた際に、三枚堂さんがスマートフォンを用いて自宅のパソコンを操作しているのを目にしました。私は、そんなことができるのかと驚き「どうやっているの」と聞きました。彼は、私がパソコンに疎いことを知っていたため、詳しい説明はしませんでした。もちろん、私のスマートフォンに遠隔操作アプリをインストールしたことはありません。

また、対局中に控え室などでスマートフォンの操作をしたことなどはありません。

ちなみに、私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではありません。そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいませんでした。スマートフォンは、私が日常使用しますし、私の保有するパソコンを調べてもらえば、遠隔操作ソフトなどが導入されていないことは分かってもらえると思っていました。

もっとも、現段階に至っては、自らの潔白を証明するため、私のスマートフォンと4台のパソコンを信頼のおける調査会社等に提出し、過去にインストール及びアンインストールされたソフトの内容や、電源のオンオフの日時などの解析を行ってもらおうと考えています。調査会社等の選定については、連盟が協議に応じてくれるのであれば、連盟と共に選定したいと思います。また、私は上記スマートフォンとパソコンしか持っていませんが、家族などのスマートフォンやパソコンなども調査対象に加えて欲しいと連盟が望むのであれば、進んでそれらも調査対象に加えたいと思います。後から別のパソコンなどが怪しいと言われても困るからです。そのうえで、解析結果を私や連盟が入手する前に、調査会社等から直接世間に発表してもらおうと考えています。

本来これらの作業は、疑いをかけた連盟が実施すべきだと思います。なぜ、私が自らこのようなことを行わざるを得ないのかと思うと悲しくなります。私は単に今までどおり将棋を指したいだけなのです。

一日でも早く連盟が不当な処分を撤回してくれるよう願ってやみません。

平成28年10月21日

三浦弘行

 

将棋「スマホ不正」問題を渡辺明竜王が独占告白 (週刊文春WEB 2016.10.19 16:02)の要点

  • 「将棋ソフトでのカンニング疑惑」対局4局のうちの1局は10月3日に行われたA級順位戦の「三浦九段対渡辺竜王」。この対局を一部の棋士がネット中継をもとにリアルタイムでソフトで検証していたところ驚くほど三浦九段の指し手がソフトと一致。
  • 渡辺竜王は過去の三浦九段の対局も含めて調べ、指し手の一致、離席のタイミング、感想戦での読み筋などから「間違いなく“クロ”だ」と確信。
  • 10月7日、渡辺竜王が日本将棋連盟理事の島朗九段(53)に事情説明。
  • 10月10日に羽生善治三冠(46)、佐藤天彦名人(28)、将棋連盟会長の谷川浩司九段(54)らトップ棋士7人が集まり“極秘会合”。出席者たちからは「99.9%やってますね」という意見も。“シロ”を主張する棋士はなし。

週刊文春(2016.10.27)の記事の中の二人の棋士の証言によれば、三浦九段の不正行為には直接的な証拠はなく、状況およびプロ棋士による感覚的なものだと言います。

7月26日竜王戦挑戦者を決めるトーナメント準決勝 久保利明九段(41)対 三浦九段(三浦九段の勝利) 「三浦さんとは何十局も指していますが、従来とは違って、離席の回数が非常に多かったんです。証拠は何もないんです。でも指していて”やられたな”という感覚がありました。」

10月3日A級順位戦三浦九段 対 渡辺明竜王  「ソフトとの指し手の一致率が90%だとカンニングしているとか、そういうことではありません。…一致率や離席のタイミングなどを見ればプロなら分かるんです。」

 

気になる棋譜を見ようその847(三浦九段 対 渡辺竜王)
2016年10月3日  第75期順位戦A級4回戦 三浦弘行 九段 対 渡辺明 竜王

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三浦九段疑惑の離席

連盟によりますと、この中で三浦九段が、挑戦者として出場が決まっていた竜王戦について、「疑念を持たれた状況では対局できない」と辞退を申し出たとして、休場届の提出を求めましたが、期日までに提出されなかったため年内の公式戦の出場停止処分を決めました。(将棋 三浦九段「不正していない」 NHKが単独インタビュー 10月18日 19時13分

以下、毎日新聞の記事「三浦九段がソフト使用疑惑否定 反論文書全文」の写真からの書き起こしです。

対局中の将棋ソフト使用疑惑について
公益社団法人日本将棋連盟が発表しているとおり、私三浦弘行は、第29期竜王戦七番勝負に出場で
きないことになり、平成28年10月12日付で出場停止処分となりました。
このことは、私が対局中の離席が多く、私の指し手がコンピュータと一致する確率が高いことなどか
ら、私が対局中に将棋ソフトを使用していたのではないかという疑惑を持たれたことに由来しています。
しかしながら、私がこれまで対局中に将棋ソフトを使用していたことは一切ありません。連盟が私に求
めた、第29期竜王戦七番勝負に出場できないこと及び休場届の提出は、全くの濡れ衣である将棋ソフ
ト使用疑惑によるものであり、適正な手続による処分とは到底言い難いものです。
私は、連盟から上記疑惑を持たれたので、平成28年10月11日及び12日において、連盟からの
要望がなかったにもかかわらず、自ら保有するノートパソコン2台、デスクトップパソコン2台、スマ
ートフォンの全アプリを撮影した画像を提出しています。これらの資料を精査してもらえれば、私の身
の潔白が晴れることだと信じていましたが、連盟はこれらの資料を精査することなく、一方的に私に出
場停止処分を下しました。本当に残念でなりません。
また、私は連盟に対し、離席が多いことやコンピュータとの一致率が高いことを示す証拠を書面によ
り提出して欲しいことを求めています。これらの資料を分析すれば、離席と私の指し手との関連性がな
いことなどを示すことができると考えています。しかし、連盟からはこれらの資料の開示はなされてい
ません。これでは、私としましては、私のどの指し手がどのコンピュータと一致しているのか、満足に
知ることすらできません。
私が離席していた際に行っていたことは、将棋会館内の休憩室である「桂の間」などで横になるなど
して体を休めつつ次の指し手を考えていたり、会館内のトイレに赴いていただけです。対局中の食事に
ついても、ほとんどが出前を注文しており、疑惑を持たれている対局では、対局中に会館の外に出るこ
とはありませんでした。
また、現在多くのプロ棋士が対局前の研究において、将棋ソフトを用いていることは周知の事実だと
思われます。私も将棋ソフトを用いて対極前に研究を行っていました。将棋の序盤中盤は、盤面の状況
をある程度想定できるため、コンピュータと一致率が高くなることは当然のことだと思います。また、
終盤については、最善手を指せばコンピュータと一致することは不思議なことではありません。そのた
め、私の指し手がコンピュータと一致率が高い部分があったとしても、何も不思議なことではないと考
えています。おそらく、他のプロ棋士の指し手とコンピュータの一致率も、一直線の変化では特に高く
なるのではないかと思われます。
私は、今後も連盟の調査に最大限協力するつもりです。そのことにより、私にかかった疑惑が晴れる
と信じています。
なお、本来記者会見などを開催すべきなのかもしれませんが、書面による方が、私の意見を表明しや
すいという事情から、このような形によって私の意見をのべさせていただく次第です。
平成28年10月18日
三浦 弘行

同連盟広報課は処分について「(三浦九段に)不自然な点が多く、合理的な説明はなかった」としている。
三浦九段、不正を否定 将棋ソフト利用疑惑で声明 日本経済新聞 2016/10/18 20:44

 

「決して不正はしていないので、処分を受けるいわれはない。対局中に絶対にソフトを使っていませんし、そもそもスマートフォンに分析ができる将棋ソフトが入っていません」
「竜王戦は将棋界最高峰の棋戦で挑戦するだけで大変な名誉だ。辞退するわけがない」
「私はもともと離席は多いほうだと思う」
(7月26日の対局について)「体調がすぐれなかったので、休んでいた時間が長かった」
将棋 三浦九段「不正していない」 NHKが単独インタビュー 10月18日 19時13分 【動画あり】

 

スマホでコンピューターで調べるなんてありえないと、思うけどなぁ。三浦くんって、もともと強いんだから誰かが嫌がらせで言いふらしたんじゃないかしらん。対局中に、なんども行ってたらしいですからーーと、コメンテーターの方いってたけど自分の持ち時間があったら何回、トイレに行こうがジュースを買いに行こうが構わないんですよっ。だいたいコンピューターに手伝ってもらって勝っても面白くもなんともないじゃない。勝負師ってそんなもんですよねぇーー(将棋でスマホ 林葉直子オフィシャルブログ「最後の食卓」2016-10-15 23:00:55

参考

  1. 【将棋ソフト不正疑惑】将棋連盟、来週中に調査委発足 強く対応求めていた渡辺竜王「タイトル剥奪されても構わない」(産経ニュース 2016.10.21 20:39更新):”日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)は21日、来週中に顧問弁護士を中心とした調査委員会を発足させ、本格的な調査に乗り出す方針を発表した。…これに先立ち、同日午前、東京と大阪の将棋会館で棋士への臨時説明会が開かれ、羽生善治棋聖(46)や佐藤天彦名人(28)ら約140人の棋士が参加。約2時間におよんだ非公開の説明会で島朗常務理事(53)は、7月末の対局で三浦九段に不自然な離席があるとの指摘が発端だったことを報告。さらに今月3日の対局でたびたびの離席と不自然な指し手に疑惑を抱いた渡辺明竜王(32)が、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない」と、連盟幹部に強く対応を求めていたことを明らかにした。”
  2. 三浦九段がソフト使用疑惑否定 反論文書全文
  3. 「対局中ソフト使用、一切ない」三浦九段が反論文書(毎日新聞2016年10月18日 17時42分(最終更新 10月18日 18時28分)):”将棋棋士の三浦弘行九段(42)が対局中に将棋ソフトを使用した疑惑が浮上し、日本将棋連盟が出場停止処分とした問題で、三浦九段は18日、自らの潔白を主張する文章を、弁護士を通じて報道各社に公表した。”
  4. 追加調査せず 三浦九段不正疑い(毎日新聞2016年10月13日 19時53分(最終更新 10月13日 19時53分)):”将棋棋士の三浦弘行九段(42)が対局中に将棋ソフトを使用した疑惑が浮上し、出場停止処分になった問題で、日本将棋連盟は13日、三浦九段に対する追加調査の考えはないことを明らかにした。 ”
  5. 三浦九段の不正調査…対局中ソフト利用か(毎日新聞2016年10月12日 20時07分(最終更新 10月13日 10時07分)):”日本将棋連盟は12日、三浦弘行九段(42)を年内の公式戦出場停止処分にしたと発表した。直接の処分理由は、提出を求めた休場届が期限までに届かなかったため。三浦九段は対局中に不自然な形で離席することが多いと対戦した棋士から指摘があり、将棋ソフトを不正利用しているという疑惑が浮上。連盟側は三浦九段から聞き取り調査を始めていた。”
  6. スマホだめ、外出ダメ…対局中「べからず」二つ追加(毎日新聞2016年10月5日 19時13分(最終更新 10月5日 19時45分)):”コンピューターの将棋ソフトがトップ棋士と変わらぬ実力を持つようになった現状を受け、日本将棋連盟(会長・谷川浩司九段)は5日、対局中の棋士がソフトで“カンニング”などの不正行為に及ぶのを防ぐため、規則を追加すると発表した。”

福井大准教授不倫赤とんぼ研究者による教え子の大学院生殺害は嘱託殺人(刑事)、民事では嘱託とはみなさい判断

 

民事裁判の結果

赤とんぼ研究者による教え子不倫殺人事件に関して、民事裁判では刑事裁判の判断とは異なり、「嘱託殺人」ではないという判断になりました。

福井県で2015年、東邦大大学院生の菅原みわさん=当時(25)=が殺害された事件で、嘱託殺人罪で有罪が確定した元福井大大学院特命准教授の男性(48)に遺族が約1億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(高取真理子裁判長)は13日、殺害依頼は真意ではなかったとして計約8500万円の支払いを命じた。(院生殺害、8500万円賠償命令 民事は「嘱託」認めず―千葉地裁 2021年01月13日20時47分 時事ドットコムニュース

本当に痛ましい事件ですが、大学教員は学生と恋愛関係になるべきではありません。学部学生にせよ、大学院生にせよ、学生からみると教員というのは憧れの存在、無条件に尊敬する存在です。ですから、教員がよっぽど気を付けない限り恋愛感情を抱く学生が出てくることは避けられないと思います。ですから、大学がしっかりと組織として教員と学生との恋愛を許容しないという姿勢を制度的に確立することが必要だと思います。

  1. 「みわは生きたがっていた」 受刑者側、争う姿勢 遺族損賠訴訟初弁論 東邦大院生絞殺 (2017年5月11日 10:19 千葉日報)2015年3月、赤トンボ研究の教え子だった東邦大(船橋市三山)の大学院生、菅原みわさん=当時(25)=が絞殺された事件で、殺害した元福井大大学院特命准教授、前園泰徳受刑者(44)を相手取り、遺族が総額約1億2223万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、千葉地裁(小浜浩庸裁判長)で開かれ、前園受刑者側は「嘱託殺人と刑事裁判でも認められた。請求棄却を求める。責任があったとしても割合については争う」などと、全面的に争う姿勢を示した。

 

刑事裁判の結果

赤とんぼの研究者であった福井大学教職大学院特命准教授の男性(44)が、教え子の東邦大学大学院生の女性(25)を殺害した事件の裁判で、2016年9月29日に福井地裁は嘱託(しょくたく)殺人罪を適用し、懲役3年6月(求刑懲役13年)の判決を言い渡しました。これに対して福井地検は「判決内容および証拠関係を精査し上級庁とも協議した結果、控訴しないこととした」と高等裁判所への控訴を断念しました。被告はこの判決を受け入れており、また、10月13日が控訴期限だったため、10月14日をもって福井地裁の判決が確定しました。

殺人罪は、死刑または無期、もしくは5年以上の懲役にあたる犯罪です。しかし、嘱託殺人罪は、被害者が自分の命を放棄しているという点で、通常の殺人罪よりも被害者の生命の保護の必要性が低いことから、軽い法定刑(6ヶ月以上7年以下の懲役または禁錮)が定められています。(弁護士ドットコム 10月4日

報道によれば、妻子のある赤とんぼ研究者の男性と女子大学院生は、2011年7月に野外調査で知り合い、一ヵ月後には不倫関係になりました。

前園容疑者が2009年から12年にかけて東邦大で非常勤講師をしていたときに、菅原さんと知り合ったとみられる。特に11年8月のある出来事をきっかけに菅原さんは赤とんぼにのめりこんでいく。11年7月31日から8月4日にかけて、菅原さんら16人の東邦大学生が同市内で野外実習を行った。実習の担当者は前園容疑者だった。8月1日に同市内の法恩寺山山頂で菅原さんが羽にマークのついた1匹の赤とんぼを発見した。このマークは以前、平地の水田で羽化したばかりの赤とんぼに前園容疑者がつけたものだった。これが平地から山地に移動する赤とんぼを確認した国内初のケースという大発見で、のちに菅原さんは地元紙の取材に「赤とんぼ1匹で人生が変わった」と振り返っている。… 前園容疑者が書いた13年3月7日付ブログでは「菅原さんが大学院進学を決め、合格しました」と報告し「しっかりしたバックボーンのある『環境教育のプロ』を育てていきたい」と“恩師”として表明。同年11月28日付には同じく前園容疑者が「(菅原さんは)大御所の先生方にもしっかり顔を覚えられており『前園くんの秘書業がすっかり板についてきた』とからかわれたほどです」とつづった。秘書業が板につくほど、2人はいつも一緒だった。…前園容疑者と菅原さんは家族ぐるみの付き合いで、頻繁に同容疑者宅を訪れていたのが目撃されている。(【教え子殺害】赤とんぼ先生 不倫の末か 東スポWeb 2015年03月17日)

女性は事件前に、LINEで〈死ぬのを許されないなら泰徳さん一家を殺す〉〈妻子が消えるなら犯罪者になっても厭わない〉〈(関係を)マスコミにばらす〉というメッセージを送信していました。

被告は、2015年3月、福井県勝山市の路上に止めた車の中で、「殺してくれ」と頼まれたため首を絞めて殺害したと説明しています。

検察側は、菅原さんのこのLINEについて、「自殺するとは考えず、不倫関係の前園被告の気を引くために送信しただけ」と説明し、「家族を失ったり危害を加えられるのを危惧、特命准教授の地位を失いたくないので、犯行に及んだ」と被告を断罪。

判決は、女性が精神的に不安定だったと指摘して、「自殺の意思を有していた可能性は否定できない」「嘱託がなかったと認定するには合理的な疑いが残る」として、殺人罪ではなく嘱託殺人罪が適用されると結論づけました(弁護士ドットコム 10月4日)。

遺族は弁護士を通じてコメントを発表し、「今回の判決の内容は到底承服できるものではありませんでしたので、検察庁は、必ず、控訴するものと信じていました。従って控訴しないという結論は信じられませんし、全く納得できません。このままでは終わらせたくありません。みわがかわいそうです」(NHK NEWS WEB 福井県のニュース2016年10月15日)と述べています。

参考

事件および裁判の経過に関する報道

  1. 元准教授、嘱託殺人の判決確定へ 懲役3年6月、福井地検控訴せず(福井新聞 2016年10月13日午後5時20分):”福井地検は13日、赤トンボ研究の教え子で東邦大(千葉県)の大学院生菅原みわさん=当時(25)=を絞殺したとして、殺人の罪に問われ、福井地裁の裁判員裁判の判決で嘱託殺人罪を適用して懲役3年6月(求刑懲役13年)を言い渡された、元福井大大学院特命准教授・前園泰徳被告(44)=福井県勝山市=の判決について、控訴しないと発表した。”
  2. 教え子殺害 “嘱託殺人罪”の判決確定へ (日本テレビ系(NNN) 10月13日(木)22時35分配信):”この裁判は、福井大学大学院の元特命准教授・前園泰徳被告(44)が去年3月、福井県勝山市の路上に止めた車の中で、教え子の大学院生・菅原みわさん(当時25)の首を絞めて殺害したとして殺人の罪に問われていたもの”
  3. 教え子殺害に嘱託殺人罪を適用 元准教授に懲役3年6月判決(福井新聞 2016年9月29日午後4時10分):”入子光臣裁判長は嘱託殺人罪を適用した上で懲役3年6月(求刑懲役13年)を言い渡した。公判では、菅原さんによる殺害嘱託(依頼)の有無が争点になっていた。”
  4.  院生遺族怒りあらわ「娘返して」 元准教授被告の裁判で意見陳述(福井新聞 2016年9月21日午前9時15分):”菅原さんの父親、母親、2人の妹が意見陳述した。妹2人は一緒に法廷に立ち「(弁護側の主張で)姉に関し障害という言葉が出て、第三者におかしい人という風に誤解されないか心配だ」と述べた。菅原さんは同被告と出会ってから雰囲気が変わったとし、菅原さんの携帯電話を破棄するなど証拠隠滅を図った同被告に「もう真実を知ることができない。不信感しかない」と怒りを込めた。”
  5. 院生殺害、被告が語った当日状況 弁護側質問で供述「3度首絞めた」(福井新聞 2016年9月17日午前7時00分):”車に乗り込み、菅原さんを落ち着かせようと車を走らせながら説得を試みたが、車内で菅原さんは「殺してくれないなら(被告を含む家族を)殺します。もう無理です」と繰り返したとした。菅原さんの首を絞めた際、最初の2回はともに菅原さんが失神し、車を動かすと振動で目覚めたとした。2度目の失神から目覚めた後、さらに強く殺害を求められたため、両腕で首を絞めたとし「殺すんじゃなく、楽にしたいという思いだった」と供述した。殺害後、妻に110番通報させ、菅原さんの車にあったドライブレコーダーの記録カードや携帯電話の破棄については「事故死というストーリーにしたいと思っていた」とした。”
  6. 殺害元准教授と教え子は不倫関係 検察側が指摘、福井地裁初公判(福井新聞 2016年9月12日午前10時56分):”弁護側は不倫関係などは認めた上で、被害者は「常に愛情に飢え、ゼロか100かの極端な考え方に陥ってしまう『境界性人格障害』だった」と主張。「(被告は)何度も自殺を止めてきた。何とか生きてもらおうとしたが、『もう無理です。殺してください』と何度も言われ、被害者の望みを受け入れた」として「依頼に基づく嘱託殺人」と訴えた。”
  7. 前園容疑者は赤トンボの生態研究で知られ、2009~12年に東邦大(千葉県)で非常勤講師を務めた際に、同大の学生だった菅原さんと知り合った。その後13年から福井大大学院の特命准教授として勤務、勝山市で子供たちに環境教育を行う活動をしていた。周囲から菅原さんは、前園容疑者の助手のような立場と認識されていた。
  8. 魔王が嘱託殺人を言い出した「赤とんぼ研究」殺人事件(週刊新潮 週刊新潮2015年4月16日号):”「菅原さんから“殺してください。もう無理です”と頼まれた」前園がそう述べたのは3月31日。福井簡裁で開かれた勾留理由開示の法廷でのことだった。…前園は殺害までの経緯を次のように供述している。〈菅原さんは普段から、医師に処方された睡眠薬を服用していた。(事件のあった)3月12日、菅原さんは多量の睡眠薬を飲んで苦しみ、“殺してください。もう無理です”と言った。だから彼女の首を絞めた〉…「被害者が実際に“殺してほしい”と頼んでいた可能性があるとするなら、裁判では、彼女の“真意”がどうであったかということが争点になります」と、筑波大学名誉教授の土本武司氏(元最高検検事)。「例えば激しい口論の中で女性が“もう殺してよ!”と口にしてもそれは彼女の真意ではない。どのような状況で発言が出たのかを見極める必要があるのです」”
  9. 赤とんぼ准教授は“魔王様” 菅原さんが「フェイスブック」に記述(SANSPO.COM 2015.3.18):”自身のインターネット交流サイト「フェイスブック」には、前園容疑者との関係を頻繁に投稿。大学院への進学前後には前園容疑者のことを“魔王様”とし「魔王様のおつかいで谷津干潟へ」(13年1月)「いきなり魔王様から『明日までに環境教育学会の口頭発表の申し込みしろ。書類チェックするからさっさと送れ』とご連絡をいただいた」(同4月)などと記述していた。…菅原さんのフェイスブックには“魔王様”とする記述以外にも、2011年夏に赤トンボの生態調査実習に参加した以降「前園先生素敵すぎる…」(11年8月)「厳しくて有名な前園先生に褒められるって、めちゃくちゃ嬉しい!」(12年7月)などと、前園容疑者に傾倒していく様子をつづっている。また、長いつららを持った写真とともに「誰も刺す気はありませんが、この時は私があるお方に刺されそうになりました」(14年3月)という書き込みもしていた。”

判決や事件に関する分析

  1. 教え子の女性を殺害した「赤とんぼ先生」、なぜ「嘱託殺人罪」が適用されたのか?(弁護士ドットコム 10月4日):”検察官は、「嘱託がなかったこと」の証明をしなければなりません。「なかったこと」の証明は通常困難ですが、被告人自身に殺害の動機があったことなどに加え、被害者の生活状況、精神状況、人間関係、経済状況など様々な視点から、『この被害者が自分を殺してほしいなどと依頼するはずがない」という間接事実を証明していくことになるのでしょう。他方、弁護人としては、被告人や関係者の証言などから、被害者に自殺願望があったことや、被告人に対して「自分を殺してほしい」と言っていた可能性を指摘していくことになります。”
  2. 「これから死ぬ、今すぐ来て」:赤とんぼ先生教え子殺害事件から(碓井真史  | 新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)/スクールカウンセラー 2016年9月29日)

教員と学生の恋愛に関する規定

  1. ハーバード大学、教授と学生の性的関係を「禁止」(AFP BB NEWS 2015年02月06日):”米国の一流大学の一つ、ハーバード大学(Harvard University)は先ごろ、学内のセクハラに関する方針の見直しを実施し、教授に対し、学生と性的な関係を持ってはならないと通知した。見直しを行った同大学の委員会によると教授らは、担当の教員や指導教員であるかどうかにかかわらず、学生と「恋愛関係または性的関係」を持つことが禁じられる。学部生にも大学院生にも禁止は適用されるという。”

2016年ノーベル賞 大隅良典氏のキャリアパス

毛利秀雄名誉教授が書かれた隣のおじさん-大隅良典君(ノーベル生理学・医学賞の受賞を祝して)の前半部分では、2016年ノーベル医学生理学賞の大隅良典氏の初期のキャリアについて触れられています。今でこそ巨額の研究費が投入されているオートファジー研究ですが、その源流は、ラボの構成員が自分自身だけという小さなラボでの仕事でした(1992年 Journal of Cell Biology 119, 301-311)。後に豊かな実りをもたらすことになる、研究の種をまいた仕事も、この小さな研究室で生まれました(1993年 FEBS Letters 333, 169-174)。

以下、研究者のキャリアパスという観点でこの文章の一部を紹介します。

学部生時代

私が東京大学教養学部の助教授になりたての頃、同じフロアーで生化学の権威であった今堀和友先生の研究室に入ったばかりの卒研生が、バランスのとり方が悪くて生物学教室の冷却遠心機のローターを飛ばしました。それが大器晩成の人、ノーベル賞受賞者・大隅良典君との最初の出会いです。彼は教養学部の理科系のシニア学科として、数学から地学まで幅広いバックグラウンドをもった人物を育てることを目的とした基礎科学科の第二期生で、同学科の神代時代の秀才の一人です。

大学院時代・ポスドク時代

大学院時代、ポスドク時代は離れていたのでよく知りません。ロックフェラー大学で抗体の構造でノーベル賞をとったエーデルマンのところに行ったようです。理学博士にはなっていますが、突出した仕事はやっていなかったように思います。

アカデミック・ポストへの就職

大腸菌の膜輸送の研究で有名な安楽泰広先生に拾われて助手、講師となり、酵母に手を出すようになります。彼はその頃から論文を書かないので有名でした。

独立ポストへの就職

十年ほどして教養学部の生物学教室で助教授のポストが空き、彼が迎えられます。基礎科学科出身ということもあったかもしれません。

独立後の仕事

初めてもった自分の研究室には顕微鏡と培養器だけといった有様です。でもここで後の研究につながる、酵母の液胞でのオートファジーを光学顕微鏡で見るという快挙が1988年になされるのです。43 歳の時でした。論文が出るのにはさらに4年ばかりかかかりました。

東大教養学部における去就

私が東大を去った後、彼にふさわしい教授ポストが空いていたかどうか定かではありません。しかしともかく論文が無いことが問題のようで、心配して訊いたこともありましたが、「大丈夫です」と落ち着いていました。

教授就任

私は1995 年に基礎生物学研究所の所長として岡崎に赴任します。当時多くの教授ポストが空席のままで、私はそれらを埋めることに努力を注ぎました。そのうちの一人が大隅君です。すでに51歳になっていました。上述のように彼とは以前からいささか関係があったものの、この人事に私は一切関わっていません。実は彼の仕事は論文になる前から海外で評判になっており、人事選考委員の先生方の先見の明によって彼の採用が決まったのです。

 

参考

  1. 隣のおじさん-大隅良典君(ノーベル生理学・医学賞の受賞を祝して)(元基礎生物学研究所長・元岡崎国立共同研究機構長 毛利秀雄名誉教授の寄稿)
  2. 時に沿って 十八年振りの駒場で 大隅 良典(生物学)教養学部報第337号(1989年1月20日):”当時設立された基礎科学科の理念は魅力的に思えて進学したが、そこで様々のタイプの友人に恵まれた。その頃から次第に分子生物学に興味を持つようになり、大学院は今堀和友先生の研究室を選んだ。六〇年代は分子生物学の最盛期であり、大腸菌を用いて遺伝暗号が次々と解明される様を、当事者のような気分で論文を読んだことを鮮明に記憶している。教授が農学部に転任したのを期に博士課程の最後の二年間は京大のこれも設立されたばかりの生物物理教室で過ごした。東大とは違った雰囲気と、意欲的な仲間に出合えたのは幸いだったと思う。その後東大農芸化学の研究生をした後にニューヨークのロックフェラー大学・エーデルマン(IgGの構造解析でノーベル賞を受賞)研に留学した。成果の挙がらない三年間であったが、細胞生物学のメッカであるこの小さな大学での経験はその後の自分の研究に大きな影響を与えた。その後東大理学部植物学教室に十年余りお世話になった。自由でかつ開放的な学科であり、そこで酵母の細胞生物学的な研究を続けることが出来た。そしてこの四月から大学院生の沢山いる大きな研究室を離れ、生物教室に最小単位の研究室を持つことになった。”
  3. 大隅氏「東大なら、研究広がらなかった」(日本経済新聞 電子版 2016/10/4 2:00 有料会員限定記事):”大隅良典氏は3日夜、日本経済新聞社の単独インタビューに応じ「東京大学に残っていたら、ここまで研究は広がらなかった」と話した。大隅氏は1996年に東大助教授から岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所(当時)に移籍した。「東大が悪かったわけではないが、本当に全てのことをひとりでやらないといけなかった」と苦労を語った。”
  4. オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで(Multidisciplinary research on autophagy: from molecular mechanisms to disease states) 文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成25年度~平成29年度
  5. Takeshige, K., Baba, M., Tsuboi, S., Noda, T. and Ohsumi, Y. (1992). Autophagy in yeast demonstrated with proteinase-deficient mutants and conditions for its induction.Journal of Cell Biology 119, 301-311
  6. Tsukada, M. and Ohsumi, Y. (1993). Isolation and characterization of autophagy-defective mutants of Saccharomyces cervisiae.FEBS Letters 333, 169-174
  7. Mizushima, N., Noda, T., Yoshimori, T., Tanaka, Y., Ishii, T., George, M.D., Klionsky, D.J., Ohsumi, M. and Ohsumi, Y. (1998). A protein conjugation system essential for autophagy.Nature 395, 395-398
  8. 大隅良典博士略歴(参考:東京工業大学 東工大ニュース
    1967(昭和42)年3月東京大学教養学部基礎科学科 卒業
    1974(昭和49)年11月東京大学大学院理学系研究科 理学博士号取得
    1974(昭和49)年12月米国ロックフェラー大学 研究員
    1977(昭和52)年12月東京大学理学部 助手
    1986(昭和61)年7月同 講師
    1988(昭和63)年4月東京大学教養学部 助教授
    1996(平成8)年4月岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 教授
    2009(平成21)年4月東京工業大学 特任教授
  9. Nobel lecture: Yoshinori Ohsumi, Nobel Laureate in Physiology or Medicine 2016

関連記事

  1. 2016年ノーベル医学生理学賞はオートファジー(自食作用)の分子メカニズム解明に貢献した大隅良典氏が単独受賞

この社会、国の財政状況はおおらかではない

朝日新聞の報道によれば、鶴保庸介・科学技術担当相が、「社会に役立つか役立たないかわからないものであっても、どんどん好きにやってくださいと言えるほど、この社会、国の財政状況はおおらかではない」という発言をしたそうです。どのような文脈でこのような発言が飛び出したのかは、この記事構成からはわかりませんが。

… 大隅さんの受賞決定を受け、松野博一・文部科学相は4日の閣議後会見で、運営費交付金の充実を検討したうえで、「競争的資金をどの程度伸ばすか、予算確保に向けて努力をしたい」と話した。だが、競争的資金は年限があり、息の長い研究には向いていない。
大隅さんは「この研究をしたら役に立つというお金の出し方ではなく、長い視点で科学を支えていく社会の余裕が大事」と話す。
海外との差もある。研究開発費に占める基礎研究の割合はフランスでは8割をゆうに超えるが、日本の大学では半分強にとどまる。
鶴保庸介・科学技術担当相は4日、「社会に役立つか役立たないかわからないものであっても、どんどん好きにやってくださいと言えるほど、この社会、国の財政状況はおおらかではない」と述べた。
また、ドイツなどの欧州では研究費が広く薄く行き渡るように分配されているとされるが、日本では競争的資金が有力な研究者に集中しがちだ。…
(大隅氏、基礎研究の危機訴え ノーベル賞金、若手支援に活用 朝日新聞 DIGITAL 2016年10月5日05時00分)

日本の科学行政のトップのこの発言が、大きな波紋を広げています。

大隅君はインタビューで、基礎研究の重要性を訴え、現状を憂い、そして一億に近い賞金をあげて若手を育てるために役立てたいとコメントしています。それに対してマスコミや首相は応用面のことにしか触れず、文科相は競争的資金の増額というような見当はずれの弁、科学技術担当相に至っては社会に役立つかどうかわからないものにまで金を出す余裕はないという始末です。なげかわしい。これでは科学・技術立国など成り立つはずがありません。隣のおじさん-大隅良典君(ノーベル生理学・医学賞の受賞を祝して) 元基礎生物学研究所長・元岡崎国立共同研究機構長 毛利秀雄 2016年10月07日

以下、出典を示していないものはツイッター上の意見。

日本の科学行政のお粗末さを嘆く声

  1. うわああ 何この発言
  2. 日本終了のお知らせですか?
  3. これが科技相の発言。ちょっと信じられない。
  4. そりゃあそうなんだが、じゃあ科学立国とかゆうなよ
  5. わかってはいたつもりだけど、これが日本の科学技術行政やね。
  6. これが科学技術担当大臣の発言な時点でこの国の未来が思いやられる。
  7. って、この機会に基礎研究の重要性を社会に訴えるどころかこの言い様……
  8. いやあ、そういうこっちゃないんですよ、マジ、この本を読んでみてよ。ということで紹介するのは、三宅泰雄『空気の発見』。大隅良典さんが影響を受けた三冊のうちの一冊だ。(ノーベル賞大隅良典「『役に立つ』という言葉が社会を駄目にしている」が伝わらない悲劇 エキサイトレビュー 2016年10月5日 18時00分 ライター情報:米光一成

大臣の資質を疑う声

  1. それでももぎ取ってくるのがお前の仕事じゃねぇのか。
  2. 自分の仕事をわかってない人間を大臣なんてやらせてていいの?
  3. ドアホ。将来そうする為の投資だろ。その為の予算も取れないならバッジ捨てろ
  4. あははははもう笑うしかねぇ。科学振興の匙投げるならそのポスト要らねえだろ辞めちまえよ

政府が判断することに対する不信感

  1. 「役立つかどうか」を判断できるほど政府は有能ではない。
  2. お前に役に立つかどうかの判断が出来るのか?と聞きたい
  3. それ以前の話。 「社会に役立つか役立たないか」役人や政治家に判断は出来ない。

予算配分のバランスの悪さに対する不満

  1. 散々無駄遣いをしている政権のいうべきことではないだろう。
  2. といって、「役立つ」と声高に主張する「役立たない」ところにばかりお金が行っていないかな?
  3. というなら,他の使途はどうなのさ.一般会計96兆円のうち基礎研究に使ってるのは何パーセントさ?
  4. ならば,科研費十数年分の3兆円も食う五輪なんてやめちまえ
  5. じゃあ3600億円で中古オスプレイ17機も買っている場合か
  6. そんなこと言うなら年間約2千億円の「思いやり予算」もカットしてよ
  7. え、高速増殖炉は??? さんざん迷惑かけて、どんどん好きにやっている
  8. ならばまず社会に何の役にも立っていない日本のアニメをクールジャパンで推進する予算をゼロにするべき

参考

  1. 鶴保内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)(内閣府)
  2. 鶴保庸介(ウィキペディア)

2016年ノーベル化学賞は分子マシンの合成に

2016年10月5日に、2016年度のノーベル化学賞受賞者が発表されました。受賞したのは分子マシンを設計・合成したジャン=ピエール・ソヴァージュ(Jean-Pierre Sauvage)氏、ジェームス・フレーザー・ストッダート(Sir J. Fraser Stoddart)氏、バーナード・フェリンガ(Bernard L. Feringa)氏の3人です。

1983年にソヴァージュ氏がリングがチェーンのようにつながった分子カテナン(catenane)の合成に成功。

ソヴァージュ氏のインタビュー。

1991年にストッダート氏が、リングが車軸の上を動くような分子「rotaxane 」の合成に成功。これをもとに分子リフト、分子マッスル、分子コンピュータチップなどを合成。

ストッダート氏のレクチャー。

1999年にはフェリンガ氏が分子モーターを合成しました。また、分子で「自動車」も作製しています。下の動画は、Supplementary information from the paper “Electrically driven directional motion of a four-wheeled molecule on a metal surface,” authored by Tibor Kudernac, Nopporn Ruangsupapichat, Manfred Parschau, Beatriz Maciá, Nathalie Katsonis, Syuzanna R. Harutyunyan, Karl-Heinz Ernst & Ben L. Feringa, published in Nature 479: 208–211, 10 November 2011. http://dx.doi.org/10.1038/nature10587

 

フェリンガ氏のレクチャー。

参考

  1. The Nobel Prize in Chemistry 2016
  2. ノーベル化学賞は欧米研究者3人 分子マシン開発など (NHK NEWS WEB 10月5日 18時51分):”ことしのノーベル化学賞に、「知恵の輪」のように結びついた2つの分子などに刺激を与えると形が変わり、あたかもスイッチやモーターのように機能する「分子マシン」と呼ばれる分子の合成などに成功したフランスとアメリカ、それにオランダの3人の研究者が選ばれました。”
  3. ストッダート研究室ウェブサイト(米ノースウェスタン大学)論文リスト
  4. フェリンガ教授(蘭フローニンゲン大学) 論文リスト
  5. ソヴァージュ博士(仏ストラスブール大学)論文リスト(researchgate.net)
  6. 分子の知恵の輪(有機化学美術館):”2つの環がまるで鎖か知恵の輪のように絡み合った「カテナン」と呼ばれる分子があります(catenaはギリシャ語で「鎖」)。”
  7. フラフープ分子・ロタキサン(有機化学美術館):”ロタキサンは「2つの分子が、直接つながってはいないが外れもしない」という点でカテナンと共通しています。カテナンは2つの輪がからみ合っていましたが、ロタキサンは輪の中にひも状の分子が通っており、その両端に輪より大きな「ストッパー」がついているためにひもが輪から抜けないという構造です。 ”
  8. ナノカー2号発進!(今週の分子 Molecule of the Week (58) 有機化学美術館):”ナノプシャン、ナノカーなど興味深いナノテク世界を切り開いているTour教授の研究室から、また新作が発表されました。今回のニューモデルは、なんと光のエネルギーを受けて自走する「モーター付きナノカー」です。今回組み込まれたモーターは、オランダのFeringaらによって開発されたもので、回転軸となるのは中心にある二重結合部分です。以前述べた通り二重結合はふつう回転できないのですが、光を当てると結合の1本が切れ、自由に回転できるようになります。普通の分子ではどちら向きにでも回ることができ、回転方向を制御することができませんが、Feringaの設計したこの分子ではメチル基の引っかかりにより一方向にのみにしか回転できないようになっています(実際の理屈はもう少し複雑ですが、興味のある方はNature 437, 1337 (2005)あたりをご覧下さい)。”

2016年ノーベル物理学賞はサウレス、ハルデン、コステリッツの3氏に

2016年10月4日に2016年度のノーベル物理学賞授賞者が発表されました。授与されるのは、物性理論の研究者デビッド・J・サウレス (David J. Thouless)氏、F・ダンカン・M・ハルデン(F. Duncan M. Haldane)氏、J・マイケル・コステリッツ(J. Michael Kosterlitz)氏の3名です。

参考

  1. Press Release: The Nobel Prize in Physics 2016 (nobbelprize.org 4 October 2016) The Royal Swedish Academy of Sciences has decided to award the Nobel Prize in Physics 2016 with one half to David J. Thouless (University of Washington, Seattle, WA, USA) and the other half to F. Duncan M. Haldane (Princeton University, NJ, USA) and J. Michael Kosterlitz (Brown University, Providence, RI, USA) for theoretical discoveries of topological phase transitions and topological phases of matter.

インターネットメディアによる報道・解説記事

  1. 2016年ノーベル物理学賞!「トポロジーのメガネ」で見えた物体の新しい世界 (日本科学未来館 科学コミュニケーターブログ 2016年10月04日雨宮崇)

テレビ、新聞の報道

  1. ノーベル物理学賞は米の3人に 日本人の受賞ならず (NHK NEWS WEB 10月4日 22時19分):”スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の午後7時前に記者会見し、ことしのノーベル物理学賞を、いずれもイギリス出身で、アメリカのワシントン大学のデイビッド・サウレス氏、プリンストン大学のダンカン・ホールデン氏、それに、ブラウン大学のマイケル・コスタリッツ氏の3人に贈ると発表しました。3人は1970年代、超電導や超流動など、物質に見られる特殊な物理現象がなぜ起きるのか明らかでなかったときに、数学の「トポロジー」という概念を利用して説明する理論的な基礎を築きました。”
  2. ノーベル物理学賞に米の研究者3人 超伝導など原理解明 (朝日新聞DIGITAL 2016年10月4日19時32分):”スウェーデン王立科学アカデミーは4日、今年のノーベル物理学賞を米国の大学の研究者3人に贈ると発表した。3人は、米ワシントン大学のデビッド・サウレス氏(82)、米プリンストン大学のダンカン・ホールデン氏(65)、米ブラウン大学のマイケル・コステリッツ氏(73)。3人は電気抵抗がゼロになる超伝導など、物質の特異な状態がなぜ起きるのかをトポロジー(位相幾何学)という概念を使ってときあかした。”
  3. 【ノーベル賞】物理学賞にサイレス氏ら英国出身の3人の米国の学者 (産経ニュース 2016.10.4 19:33更新):”3人は、凝縮系物理学の研究に貢献し、原子、電子や核子からなる拡張系の理解に多くの理論的貢献を果たし、個体物質が完全に予期せぬ行動を行うことを解明し、これらの数奇な特性を幾何学など数理的な構造で明らかにした。”
  4. ノーベル物理学賞、英国の3氏2組に エキゾチック物質研究で (AFP BB NEWS 2016年10月04日 19:48):”選考委員会は声明で「今年の物理学賞は、物質が奇妙な性質を持ち得る未知の世界への扉を開いた。受賞者らは、超電導体や超流体、磁性薄膜といった、通常から逸脱した物質の位相、あるいは性質を研究するために先進的な数学的手法を用いた。彼らの先駆的な仕事により、この探求は今、新たに物質のエキゾチックな位相を追究している」と述べた。”
  5. ノーベル物理学賞、サウレス、ホールデン、コステリッツの3氏に授与 (Niklas Magnusson, bloombergco.jp2016年10月4日 20:02 JST):”同アカデミーの発表によれば、物質の特異な状態を高度の数学を活用して理論的に説明したことが評価された。”
  6. 3 Who Studied Unusual States of Matter Win Nobel Prize in Physics (By DENNIS OVERBYE and SEWELL CHAN. The New York Times, OCT. 4, 2016)

その他

  1. F Duncan M Haldane, Princeton University. Tuesday, February 5, 2013 19:37 – 20:50 The marriage of topology with geometry in the fractional quantum Hall effect: ‘Hall viscosity’ and the origin of incompressibility (ハルデン氏のレクチャー動画)

2016年ノーベル医学生理学賞は大隅良典氏

2016年ノーベル医学生理学賞はオートファジー(自食作用)の分子メカニズム解明に貢献した大隅良典氏が単独受賞

2016年10月3日11:30(スウェーデン現地時間)(日本時間は同日18:30)に、2016年のノーベル医学生理学賞がオートファジーの分子メカニズム解明に貢献した大隅良典氏に授与されることが発表されました。

細胞が自分で自分のタンパク質を分解してしまう「オートファジー」と呼ばれる現象がどのような仕組みで生じるのかは長年の謎でしたが、大隅良典氏はまずオートファジーという現象が酵母においても存在することを示し、次に酵母を用いた遺伝学を駆使することでオートファジーに関与する多数の遺伝子を一気に同定し、その後はそれらの遺伝子産物がどのように協同してオートファジーを生じるのか、その分子メカニズムを明らかにしてきました。

ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏が東工大で会見(2016年10月3日) THE PAGE

(大隅氏の言葉 3:25~)
… ノーベル賞、わたしは少年時代にはまさしく夢だったように記憶しておりますが、実際に研究生活に入ってからは、ノーベル賞は全くわたしの意識の外にありました。わたしは自分の私的な興味に基いて、生命の基本単位である細胞がいかに動的な存在であるかということに興味を持って、酵母という小さい細胞に長年、いくつかの問いをしてまいりました。

わたしは人がやらないことをやろうという思いから、酵母の液胞の研究を始めました。1988年、今から27年半ほど前に、液胞が実際に細胞の中での分解に果たす役割というものに興味を持ちまして、そういう研究を東大の教養学部の私自身たった一人の研究室に移ったときに始める機会になり、それ以降28年にわたってオートファジーという研究に携わってまいりました。

オートファジーという言葉は耳慣れない言葉かと思いますが、酵母が実際に飢餓に陥ると自分自身のタンパク質を分解を始めます。その現象を私は光学顕微鏡で捉えることができたということが、私の研究の出発点になりました。

馬場美鈴さんと電子顕微鏡でその過程を解析することで実はそれがそれまで動物細胞で知られていたオートファジーという現象と全く同一の過程だということがわかりました。

酵母は遺伝学的な解析というのにとっても優れた生物なので早速私たちはオートファジーに必須の遺伝子を探すことを始めました。幸い、これも大学院生としてJOINした塚田美樹さんという人の努力で、割りに短時間の間でたくさんのオートファジーに必須の遺伝子をとることができました。それらの遺伝子は実はオートファジーの膜現象の基本的な分子装置であるということがその後のわたしたちの解析でわかることになりました。

幸いこれらの遺伝子は酵母のみならず人とか植物細胞にも広く保存されているということがわかりました。こうしてオートファジーの遺伝子が同定されたということで、これまでのオートファジーの研究は、質が大きく転換をすることになりました。その後はさまざまな細胞で、オートファジーがどのような機能をしているかということが世界じゅうのたくさんの研究者で解析をされて今日に至っております。

私はずっと酵母という材料でオートファジーの研究をしてまいりました。酵母の研究がですね、そのような基礎的な研究が、今日のオートファジーの大きなきっかけになったということであれば、私は基礎生物学者としてこの上もない幸せなことだと思っております。

もちろん現代生物学は一人でやりおおせるものではありません。わたしもこの間、27年間わたしの研究室で研究にたゆまぬ努力をしてくれた大学院生、ポスドク、それからスタッフの方々の努力の賜物だと思っております。

それから、酵母から動物細胞のオートファジーへと展開してくれました、水島昇、吉森保、両氏がいま現在動物細胞におけるオートファジーの、世界を牽引している二人とも、私は今日の栄誉を分かち合いたいと思っております。

今後、オートファジーって言う、タンパク質の分解っていうのは細胞の持っているものすごく基本的な性質なので、今後益々いろいろな現象に関わってくるということが明らかになってくれるということを、私も期待をしております。

ひとつだけ強調しておきたいことは、私がこの研究を始めたときに、オートファジーが必ずがんにつながるとか、人間の寿命の問題につながるということを確信して始めたわけではありません。基礎的な研究っていうのがそういう風に展開してくもんだっていうことを是非理解をしていただければと思います。基礎科学の重要性をもう一度強調しておきたいと思います。

これまで私の研究の場を与えていただきました東京大学教養学部、理学部、基礎生物学研究所、それから東京工業大学には厚く御礼申し上げます。(-10:09)

東京大学教養学部生物学教室(現 生物部会)で初めて独立してラボを持った頃の2つの論文が、その後の全ての研究の流れを作り出しています。まず、遺伝学的手法が使える酵母においてもオートファジー現象が存在することを見出したのが原点です。

当時、液胞の内部で、何をどのように分解しているのかについては全くの謎だった。大隅は、まずは液胞内で起こっていることを何とか顕微鏡で観察できないかと考えた。そして、あるとき、1つのアイデアが浮かんだ。酵母は栄養がなくなり飢餓状態に陥ると、細胞内部を作り変えて胞子を形成し、飢餓を乗り切る。仮に液胞が分解機能を持つとすれば、その機能が最も活発に働くのは、胞子を形成する飢餓状態のときなのではないだろうか。その状態で液胞内での分解機能を止めることができれば、何が分解されようとしているのかがわかるはずだ―。そこで、さっそく液胞内の分解酵素が欠損している酵母の変異体を取り寄せ、飢餓状態の液胞内で何が起こるかを電子顕微鏡で観察し始めた。…「数時間飢餓状態にした酵母を観察したところ、液胞内にたくさんの小さな粒々が蓄積して、それらが激しく動き回っているのが確認されました。その粒々は液胞の周囲の細胞質の成分の一部を膜構造が包み込み、それが液胞内に取り込まれて、ブラウン運動をしている様子だったのです。酵母にはタンパク質がほとんどなく粘性が低いため、ブラウン運動が起っていたのです。大変感動し、何時間もその様子を見続けましたね」と語る大隅。液胞のオートファジー機能の過程を世界で初めて肉眼で捉えた瞬間だった。(顕微鏡観察がすべての出発点  顔 東工大の研究者たち Vol.1 大隅良典

そして、オートファジー研究の大きな潮流の源となったのは、大隅博士が修士課程の学生と二人で行った研究です。まさに宝の山を掘り起こした仕事でした。

大隅博士らは、まだ他にもオートファジーに必要な遺伝子があると考えた。しかし、五〇〇〇個の変異体を検査してオートファジーに異常があったのはわずかにapg1変異体だけである。そのまま続けていては途方もない仕事になる。ここで大隅博士らは巧妙な作戦を立てた。オートファジーができないと死にやすくなるという性質に注目したのである。いきなり顕微鏡で検査をするのではなく、まず飢餓で死にやすい細胞を選ぶことにした。…その結果、最終的にapg1を含めて十四種類のオートファジー不能変異体が同定された。この膨大で精緻な研究のほとんどは、大隅博士と当時修士大学院生であった塚田美鈴氏のわずか二名によって行われた。この記念すべき研究成果は一九九三年に「FEBS Letters」という雑誌に小さな論文として発表された。…しかし、この十四種類の変異体とそれにもとづく遺伝子の発見こそが、オートファジー研究の歴史を大きく変える事件だったのである。今ではこの論文はオートファジー研究史上最も価値ある論文のひとつとして世界中が認めている。細胞が自分を食べるオートファジーの謎 水島昇 著 PHP研究所

Key publications (Yoshinori Ohsumi The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2016)

  1. Takeshige, K., Baba, M., Tsuboi, S., Noda, T. and Ohsumi, Y. (1992). Autophagy in yeast demonstrated with proteinase-deficient mutants and conditions for its induction.Journal of Cell Biology 119, 301-311
  2. Tsukada, M. and Ohsumi, Y. (1993). Isolation and characterization of autophagy-defective mutants of Saccharomyces cervisiae.FEBS Letters 333, 169-174
  3. Mizushima, N., Noda, T., Yoshimori, T., Tanaka, Y., Ishii, T., George, M.D., Klionsky, D.J., Ohsumi, M. and Ohsumi, Y. (1998). A protein conjugation system essential for autophagy.Nature 395, 395-398
  4. Ichimura, Y., Kirisako T., Takao, T., Satomi, Y., Shimonishi, Y., Ishihara, N., Mizushima, N., Tanida, I., Kominami, E., Ohsumi, M., Noda, T. and Ohsumi, Y. (2000). A ubiquitin-like system mediates protein lipidation.Nature, 408, 488-492

参考

研究内容

  1. Yoshinori Ohsumi The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2016  (Nobelprize.org Press Release 2016-10-03):”The Nobel Assembly at Karolinska Institute has today decided to award the 2016 Nobel Prize in Physiology or Medicine to Yoshinori Ohsumi for his discoveries of mechanisms for autophagy.”
  2. 顕微鏡観察がすべての出発点(顔 東工大の研究者たち Vol.1 大隅良典)
  3. オートファジーを長き眠りからめざめさせた酵母 (2012年9月19日 荒木保弘・大隅良典 東京工業大学フロンティア研究機構):”オートファジーは,タンパク質など細胞質成分のみならずオルガネラのような巨大な構造体を丸ごと分解する,真核生物に広く保存されたバルク分解系である.オートファジーの概念は最初に哺乳動物の系から提唱されたが,その分子実体が明らかになるのに40年もの年月を要した.このブレイクスルーは,もっともシンプルな真核生物のモデル系である出芽酵母によるものであった.ここでは,出芽酵母がどのようにオートファジー研究に飛躍をもたらしたかを,これまで筆者らが得たオートファジーの分子機構に関する知見を中心に解説する.”
  4. 酵母のオートファジー (馬場 美鈴, 大隅 良典 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 顕微鏡 Vol. 41 (2006) No. 2 P 73-76)
  5. 東京工業大学 大隅良典研究室ウェブサイト
  6. Yoshinori Ohsum. Historical landmarks of autophagy research. Cell Research (2014) 24:9–23. doi:10.1038/cr.2013.169; published online 24 December 2013
  7. Dr.Yoshinori Ohsumi speaks at Canada Gairdner Awardees Lecture
  8. THE 2012 KYOTO PRIZE COMMEMORATIVE LECTURE –Yoshinori Ohsumi
  9. 科研費について思うこと (大隅 良典 東京工業大学 フロンティア研究機構 特任教授  私と科研費 No.78(平成27年7月発行)):”私は、研究者は自分の研究が、いつも役に立つことを強く意識しなければいけない訳でもないと考えている。「人類の知的財産が増すことは、人類の未来の可能性を増す」と言う認識が広がることが大切だと思う。役に立つことをいつも性急に求められていると思うことで、若者がほとんど就職試験での模範回答のごとく、考えもなく“役に立つ研究をしたい”という言葉を口にする。直ぐに企業化できることが役に立つと同義語の様に扱われる風潮があるが、何が将来本当に人類の役に立つかは長い歴史によって初めて検証されるものだという認識が、研究者の側にも求められていると思う。”

報道

  1. Yoshinori Ohsumi of Japan Wins Nobel Prize for Study of ‘Self-Eating’ Cells (The New York Times OCT. 3, 2016, By GINA KOLATA and SEWELL CHAN):”… But his Ph.D. thesis was unimpressive, and he could not find a job. His adviser suggested a postdoctoral position at Rockefeller University in New York, where he was to study in vitro fertilization in mice.“I grew very frustrated,” he told the Journal of Cell Biology in 2012. He switched to studying the duplication of DNA in yeast. That work led him to a junior professor position at the University of Tokyo where he picked up a microscope and started peering at sacks in yeast where cell components are degraded — work that eventually brought him, at age 43, to the discoveries that the Nobel Assembly recognized on Monday….”
  2. <ノーベル賞受賞大隅教授>自他共に認める「へそ曲がり」 原点は故郷・福岡 (西日本新聞 10月3日(月)19時32分配信):”「競争するのは好きじゃないし、勝つ自信もない」。今年のノーベル医学生理学賞に決まった東京工業大栄誉教授、大隅良典さん(71)はそう語る。研究者らしからぬ発言だが、その真意は「人と違うことをやる」ということだ。…「たくさんの人がやっている領域は『俺が1番』と早さを競うしかない。でもそこに興味がない。誰も見たことがない現象を見るのが楽しいんです」。助手もいない中、独り顕微鏡と向き合った。それがオートファジー(自食作用)の発見につながった。”
  3. ノーベル医学生理学賞に大隅良典・東京工業大栄誉教授(朝日新聞DIGITAL 2016年10月3日21時38分):”大隅さんは1988年、単細胞の微生物である酵母の細胞で老廃物をため込む「液胞」という器官に注目し、世界で初めてオートファジーを光学顕微鏡で観察した。特殊な酵母を飢餓状態にすると、分解しようと細胞内のたんぱく質などが液胞に次々に運ばれていた。詳しい過程を電子顕微鏡でも記録し、92年に発表した。大隅さんはオートファジーに欠かせない遺伝子も15個発見した。これらの発見をきっかけに、世界中でオートファジー研究が広がり、ヒトやマウスなどの哺乳類、植物、昆虫などあらゆる生物に共通の生命現象であることがわかった。”
  4. ノーベル医学・生理学賞 東工大 大隅良典栄誉教授 (NHK NEWS WEB 10月3日 18時35分:”大隅さんは、酵母の細胞を使って、「オートファジー」の仕組みの解明に取り組み、平成5年にこの仕組みを制御している遺伝子を世界で初めて発見しました。その後も同様の遺伝子を次々と発見してそれぞれが果たしている機能を分析するなど、「オートファジー」の仕組みの全体像を解き明かしてきました。”
  5. ノーベル賞 医学生理学賞に大隅良典・東工大栄誉教授(毎日新聞2016年10月3日 18時35分(最終更新 10月3日 20時19分)):”大隅氏は生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる現象を分子レベルで解明。この働きに不可欠な遺伝子を酵母で特定し、生命活動を支える最も基本的な仕組みを明らかにした。近年、オートファジーがヒトのがんや老化の抑制にも関係していることが判明しており、疾患の原因解明や治療などの医学的な研究につなげた功績が高く評価された。 ”
  6. 【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】受賞に妻「想像できないくらい驚いた」(産経ニュース2016.10.3 20:41更新):”萬里子さんは「(良典さんは)典型的な研究者で、研究が始まると、われを忘れてしまう。これから忙しくなると思うと、夫の体が心配」と気遣いを見せながらも、「皆さんのおかげで受賞できたので、いろんな人に感謝の気持ちでいっぱい」と語った。”
  7. 2016年ノーベル医学生理学賞、大隅良典氏-基礎科学の典型(1)金善栄(キム・ソンヨン)ソウル大生命科学部教授 中央日報日本語版 2016年10月06日09時30分):”1945年生まれの大隅氏は、東京大で大腸菌を素材にたんぱく質の分解に関する過程を研究して博士を取得し、「職場を得るのが難しい」ため1974年末に米ロックフェラー大学のジェラルド・エーデルマン教授の研究室に行った。エーデルマン博士は抗体構造に関する研究で1972年にノーベル賞を受賞している。大隅氏が受けた最初のプロジェクトはマウスで体外受精を研究するというものだった。しかしこの研究に適応できなかった大隅氏は、1年半後に酵母のDNA複製を分析する課題に変更した。酵母はパンやビールを作る時に使われる単細胞真核生物だ。ここでも大隅氏は大きな成果を出せなかったが、一世一代の観察をすることになった。酵母の核を分離する過程で液胞を容易に集められることを知ったのだ。…1988年に43歳の年齢で助教授になり、大隅氏は初めて独立的に研究室を運営することになった。

単独受賞に関して

  1. Medicine Nobel for research on how cells ‘eat themselves’ (nature.com Nature News 03 October 2016 Corrected:07 October 2016by Richard Van Noorden & Heidi Ledford):”Others have made key contributions to the field, and were considered to be contenders for a share of a Nobel. Biochemist Michael Thumm of the University Medical Center Göttingen in Germany, for example, also discovered autophagy genes, as did cell biologist Daniel Klionsky of the University of Michigan in Ann Arbor.“If they’re going to give it to just one, Ohsumi’s the one,” says Hall. “But it also would have been good to include other people.””
  2. Nobel honors discoveries on how cells eat themselves (Science News Oct. 3, 2016 , 6:00 AM By Science News Staff):””I think Ohsumi is the right person” to win the Nobel, says David Rubinsztein, who studies the role of autophagy in neurodegenerative diseases at the University of Cambridge Institute for Medical Research in the United Kingdom. “While there are many other people who have made important contributions to the field, he is justifiably considered the father of the field,” he says. “His lab was the first to identify yeast genes that regulate autophagy. Those discoveries have allowed us to then understand how autophagy is important in mammalian systems, because the yeast genes are very well conserved.” “Of course, this kind of research is not something only one person can do,” Ohsumi said today, thanking the graduate students, postdocs, and staff who “strove mightily” in his lab for 27 years. (Ohsumi is “a very modest man,” Haucke said at the Berlin meeting.) Some of the follow-up work on mammalian autophagy was done by people who trained in Ohsumi’s lab, such as Tamotsu Yoshimori at Osaka University in Japan and Noboru Mizushima at the University of Tokyo. Both have “really been influential,” Rubinsztein says.”

科学行政・研究環境に関する分析的な記事

  1. ぶっちぎりで単独受賞した大隅良典先生のノーベル賞受賞 (潮流 (No.79) 馬場錬成 2016.10.06 発明通信社)
  2. 2016年ノーベル生理学医学賞大隅良典栄誉教授の論文・特許および資金調達に係る予備的分析を実施しました (GRIPS 科学技術イノベーション政策研究センター (SciREX センター) 2016年10月05日)
  3. 韓経:「韓国の科学者、論文への執着を捨ててこそノーベル賞見える」(中央日報日本語版 2016年10月06日13時03分):”シェクマン教授は審査委員として活動したサムスン未来技術育成財団の基礎科学支援事業で、韓国の科学者の研究提案書を見て驚いたという。財団側はいかなる基準も提示していないにもかかわらず、多くの科学者が影響力の大きい主要学術誌に数件の論文を出すという内容を書いていたからだ。…シェクマン教授は成果主義文化の背後にサイエンスやセル、ネイチャーなど有名学術誌があると指摘した。シェクマン教授は「これら学術誌はほとんど興行のために論文を選択し、ジャーナルの影響力拡大に集中する」とし「今年ノーベル賞を受賞した大隅良典東京工業大教授が書いた論文さえもサイエンスやネイチャーに掲載されていない」と述べた。 “
  4. 再び日本がノーベル賞、「中国人は頭を冷やす必要がある」=中国報道 (ライブドアニュース/サーチナ 2016年10月5日 10時43分):”中国の国内総生産(GDP)は日本を上回ったが、中国はノーベル賞を受賞できるだけの研究や科学分野におけるイノベーションの点で日本に圧倒的に遅れを取っているのが現実であり、GDPで日本を超えたことでのぼせ上がっている中国人は頭を冷やす必要があると指摘した。さらに記事は、日本が多くのノーベル賞受賞者を輩出できる理由として、「日本の大学教授は評価のためだけに論文を書き、研究を行うわけではない」と指摘。中国のように功名心や野心が動機ではなく、あくまでも興味と好奇心が根底にあると指摘したほか、研究に打ち込むことのできる環境づくりも要因の1つだと指摘。”
  5. 紙幣を見て納得した! 日本がノーベル賞受賞者を輩出できる理由=中国メディア (Searchina 2016-10-10 08:39):”中国メディアの一点資訊は8日、大隅氏は自然科学分野でノーベル賞を受賞した22人目の日本人となったと伝え、この数字は英国やドイツ、ロシアを上回っていると紹介。さらに、日本がこれだけ多くのノーベル賞受賞者を輩出できた理由は「日本の紙幣」を見ればよく分かると伝えている。記事は、紙幣という「小さい」存在から、日本が「ノーベル賞大国」である理由が見て取れると伝え、日本の紙幣には他国のように国王や政治家などの肖像は描かれていないと指摘。確かに中国は1元札から100元札まですべての紙幣が毛沢東だが、日本の場合は「思想家や科学者、作家、教育家が紙幣に採用されている」と紹介した。”
  6. <ノーベル賞>日本人の女性研究者が出ない理由(毎日新聞 10月9日(日)9時30分配信):”毎年、ノーベル賞の発表の時期、夫にはノーベル賞、妻には受賞者の妻の地位という栄誉がもたらされます。晴れの舞台である記者会見で喜びをわかちあう夫婦の姿は、感動的です。しかし、その背後には、妻の長年にわたる葛藤や、キャリアへの未練、そして「家族の神話」があったのではないでしょうか。”

インターネット上の声

お祝いの言葉

  1. 大隅良典先生のノーベル生理学医学賞2016受賞に寄せて (2016/10/5 中野明彦 東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻 ニュースアーカイブ ):”… 大隅さんは,1977年,3年間のロックフェラー大学留学を終えて帰国し,本生物科学専攻の前身の一つである植物学教室の生体制御研究室,安楽泰宏教授の研究室の助手に着任しました。…理学部2号館で酵母の液胞の研究を10年あまり続け,かつては細胞内のゴミ溜めとさえ呼ばれていたこのオルガネラが,活発な膜輸送を通じて細胞質の恒常性維持に重要な役割を果たしていることを示した大隅さんは,駒場で独立したのを契機に,また新しいことを始めようと考えました。その一つが,液胞が細胞内の分解を担っていることを示し,その分子機構に迫ろう,ということでした。大隅さんは,液胞のタンパク質分解酵素をほぼ完全に欠損した多重変異体を手に入れ,飢餓状態で何が起こるか,顕微鏡で観察しているうちに,液胞内に小さな顆粒がどんどん蓄積し,激しく動き回っていることを発見したのです。これが,歴史に刻まれるべき酵母オートファジーの発見です。大隅さんが興奮気味に2号館にやってきて,どう思う?って写真を見せてくれました。「何ですか!これは? すごくおもしろいじゃないですか!」と私もわくわくしたのを覚えています。
    その後,馬場さんの美しい電顕写真の助けを得て,この仕事の第1報をJ. Cell Biol.に発表したこと(1992)。塚田さんという大学院生が,ただひたすら顕微鏡を覗き続けてこの現象が起こらない突然変異株apg1の単離に成功し,続いて続々と変異株が取れるようになって分子機構の解明の端緒になったこと。一方,クローニングしてもクローニングしても,取れてくるのは何ともホモロジーが見つからない全く未知の遺伝子ばかりで,ぼくほど運の悪い男はいない(大隅),とずっと愚痴っていた時代。基生研の教授になって,助教授に吉森君に来てもらって動物細胞のオートファジーの仕事も始めようと思うけど,どう思う?と相談されたこと(もちろん全面的に賛成)。どんどんメンバーが増え,活気が増していった中で,水島さんがAtg12を中心とするユビキチン様結合システムを発見して,また一気に国際的な注目を得たこと。等々… いずれも,身近なこととしてリアルタイムにその興奮を感じることができた私も幸せ者だったのだと思います。…”
  2. 隣のおじさん-大隅良典君(ノーベル生理学・医学賞の受賞を祝して)(元基礎生物学研究所長・元岡崎国立共同研究機構長 毛利秀雄):”… こうして関西医大から吉森保君がやってきます。また東大の教養学部からついてきた野田健司君、それに東京医科歯科大からきた水島昇君が加わって、大隅研の態勢ができあがりました。…”
  3. 大隅良典先生のノーベル生理学・医学賞受賞を祝して(所長メッセージ) (自然科学研究機構 基礎生物学研究所 所長 山本 正幸 2016年10月03日):”… しかし当初、基礎研究にありがちなことですが、周囲はお仕事に大きな関心を示さず、また現象に関係する遺伝子を捕まえてきても、それらの遺伝子がどんな働きをしているのか皆目分からないという時期が続きました。先生はこうした状況に屈することなく、ひたすらオートファジーの全体像の解明に立ち向かわれました。1996年に基礎生物学研究所に教授として着任され、お仕事が深まり、さらに広がりが増していきました。13年間の研究所在職中に、先例がないために配列だけを見ても働きが分からなかったオートファジーに関わる遺伝子の役割を次々と解明され、また酵母で見つかったものと同様のシステムが動物細胞でも働いていることを明らかにされました。オートファジーは細胞が正しく機能するために不可欠な仕組みとして今日多くの研究者が研究するところとなり、オートファジーの異常と様々な疾患との関係も見えてきました。先生の一貫した研究に対するご熱意とご努力にいくらかでもお応えできるよう研究環境を整え、有能な若手研究者たちとともに研究を大きく発展させるお手伝いができたことを、基礎生物学研究所は大きな誇りに思います。…”
  4. 大隅良典先生(本学および基礎生物学研究所の名誉教授)のノーベル生理学・医学賞受賞をお祝い申し上げます(学長メッセージ)(2016.10.04  総合研究大学院大学長 岡田 泰伸):”… 大隅先生は、1996年に基礎生物学研究所に教授として着任されると同時に、同年総合研究大学院大学の教授ともなられ、オートファジーのメカニズムに関するすばらしい研究展開をされると共に、13年近く大学院生の教育・指導にもあたってこられました。今回の受賞のKey Publicationの4論文のうちの1つは、総研大生2名が第一および第二著書となったものであり、総研大としても大きな誇りと感じております。 …”
  5. 良典先生が2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞されることになりました 2016/10/03 東京大学大学院理学系研究科長・理学部長 福田裕穂:”大隅先生は、東京大学の教養学部を卒業後、理学系研究科相関理化学専門課程に進まれ、1974年に理学博士の学位を取得しました。その後、アメリカ合衆国ロックフェラー大学で研究を行い、1977年より1988年まで東京大学理学部生物学科の安楽泰宏先生の研究室で助手、講師を務められました。”
  6. 祝 ノーベル生理学・医学賞受賞 大隅良典先生 2016.10.04  東京大学大学院総合文化研究科長・教養学部長 小川 桂一郎:”大隅先生は、本学大学院を修了されたのち、米国ロックフェラー大学に留学され、帰国後は理学部の安楽泰宏教授研究室で講師として酵母の「液胞」をご研究されました。昭和63年(1988年)、教養学部の助教授として独立した研究室をスタートされ、駒場の大学院生とともにオートファジーの研究を始められました。ノーベル賞受賞理由として引用されている4報の重要論文のうちの2報は、本学教養学部生物学教室(現在は生物部会)での研究業績です。”
  7. 祝 ノーベル医学・生理学賞受賞 大隅良典先生 (東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 生命環境科学系・広域システム科学系・相関基礎科学系 2016年10月 6日 14:20):”本専攻の前身である相関理化学専攻にて博士号を取得され、また 1988年~1996年に教養学部生物学教室(現在は生物部会)で助教授として研究室を主宰されておりました大隅良典先生(現・東工大栄誉教授)がノーベル賞を受賞されました。今回の受賞対象の「オートファジー」の研究は、東大駒場キャンパス大隅研の時代に開始・発見されたものです。心より、お祝いを申し上げます。”
  8. 大隅良典先生のノーベル生理学・医学賞受賞にあたっての総長メッセージ [受賞/表彰] (広報室) 東京大学総長 五神 真 2016年10月03日:”… 大隅先生は、東京大学教養学部を卒業した後、理学系研究科に進学、博士取得後、理学部にて助手、講師、教養学部にて助教授として研究・教育に従事されました。…”

大隅良典博士略歴((東京工業大学 東工大ニュース 大隅良典栄誉教授 ノーベル生理学・医学賞受賞決定 より)
1967(昭和42)年3月東京大学教養学部基礎科学科 卒業
1974(昭和49)年11月東京大学大学院理学系研究科 理学博士号取得
1974(昭和49)年12月米国ロックフェラー大学 研究員
1977(昭和52)年12月東京大学理学部 助手
1986(昭和61)年7月東京大学理学部 講師
1988(昭和63)年4月東京大学教養学部 助教授
1996(平成8)年4月岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 教授
2004(平成16)年4月大学共同利用機関法人自然研究機構基礎生物学研究所 教授
2009(平成21)年4月東京工業大学統合研究院 特任教授
2010(平成22)年4月東京工業大学フロンティア研究機構 特任教授
2014(平成26)年5月~東京工業大学 栄誉教授
2016(平成28)年4月~東京工業大学 科学技術創成研究院 特任教授

大隅良典博士受賞歴((東京工業大学 東工大ニュース 大隅良典栄誉教授 ノーベル生理学・医学賞受賞決定 より)
2005(平成17)年藤原賞
2006(平成18)年日本学士院賞
2007(平成19)年日本植物学会学術賞
2008(平成20)年朝日賞
2012(平成24)年京都賞
2013(平成25)年トムソン・ロイター引用栄誉賞
2015(平成27)年ガードナー国際賞
2015(平成27)年国際生物学賞
2015(平成27)年慶應医学賞
2015(平成27)年文化功労者 顕彰
2016(平成28)年ローゼンスティール賞
2016(平成28)年ワイリー賞
2016(平成28)年国際ポール・ヤンセン生物医学研究賞

更新:2016/10/09 リンク等追加