将棋ソフト使用疑惑の三浦九段が無実を訴える

      2018/04/28




対局中にコンピュータ将棋ソフトを使用した疑惑で将棋連盟から処分を受けた三浦弘行九段が無実を訴える声明を発表

追記 2017年1月31日 羽生善治氏の奥様、羽生理恵さんがツイッターでこれまで誤解を解くための説明をしていたので、紹介します。私も、羽生善治氏が三浦九段の将棋ソフト疑惑に関して「グレー」と言ったのは、疑わしいという意味の、つまり黒を匂わせる意味でのグレーという言葉だと週刊誌報道などから理解していました。しかし、羽生理恵さんのツイッターでの説明によれば、実は、まったく正反対でした。将棋連盟が「黒だよね」という振り方をしてきたのに対して、証拠無しに黒と断定することはできない、という意味で「グレー」という言葉を使ったようです。文脈を削って、意味が正反対になるようにした作為的な週刊誌報道を鵜呑みにしてしまったことを反省いたしました。

当時、三浦九段は完全にクロという報道一色でしたが、結局、完全にシロという結論で落ち着いたようです。東洋経済にわかりやすい解説記事がありました。

*疑惑をかけられた三浦弘行九段と家族のスマートフォンやパソコンからは、不正の証拠は何一つ出てこなかった。

*対局料(挑戦が決まっていた竜王戦でタイトルを奪取すれば4320万円、奪取しなくても1590万円)をフイにした三浦九段

*「疑惑の発端となった『30分の離席』はそもそも存在しない」という驚愕のものだった。久保九段との対局では計2時間40分の離席があったが、重要な局面での離席は6分、3分、3分といずれも短かった。

*「一致率」について、第三者委員会は「同一ソフト・同一局面・同一棋譜でも指し手の一致率には約20%の違いがある」

*「三浦九段よりも一致率が高い棋士も存在するが何ら問題視されていない」

*「検証の対象とした4局で、対局相手やトップ棋士に聞き取り調査をしたが、三浦九段の指し手に不自然さはない」

将棋界が直面する未曾有の危機とは何か? 将棋ソフトに右往左往、三浦九段は完全シロ 東洋経済 2017年01月04日 山田 雄一

追記 2016年12月29日 日本将棋連盟の最終的な判断が出たので一部を転載します。

連盟が設置した第三者調査委員会が調査したところ、夕食休憩後に30分ほど離席したという指摘には根拠がなかったという。「三浦九段の指し手が、将棋ソフトの指し手と一致している」という指摘も、計測ごとにばらつく指標だったため、証拠価値はないとしている。さらに、三浦九段が提出したスマートフォン、PCなどを外部企業が解析しても、不正行為の痕跡は見当たらず、十分な証拠がないと判断したという。(三浦九段の将棋ソフト“不正使用疑惑”は「証拠なし」 ただし出場停止処分は「妥当」 ITmedia ニュース 2016年12月26日 19時47分 更新)

 

第三者委員会調査結果を受けて 日本将棋連盟 更新:2016年12月27日 18:55

12月26日(月)、日本将棋連盟は第三者調査委員会の調査結果に関する答申を受けました。
本日それを踏まえ、記者会見を東京・将棋会館で行いました。
以下に谷川浩司会長の会見要旨を記載いたします。
谷川浩司会長 会見要旨

昨日午前、第三者調査委員会より報告書を頂きました。
委員長の但木先生をはじめ、永井先生、奈良先生には、二ヶ月近くに及ぶ綿密な調査をして頂き、本当に有難うございました。
また、昨日午後に会見を開いていただきました事も重ねて御礼申し上げます。

今回の報告書では、三浦九段は不正を行っていないこと、常務会が出場停止処分を取ったのは妥当であること、この二つの結論を頂きました。
常務会の判断が妥当だったとは言え、結果的に三浦九段につらい思いをさせてしまいましたことは本当に申し訳なく思っております。

…  (http://www.shogi.or.jp/news/2016/12/post_1492.html?mi=cu_news

 

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三浦九段の2回目の反論文書全文(毎日新聞 2016年10月21日 より

対局中の将棋ソフト使用疑惑について(2)

一部マスコミにて事実と異なる内容が報道されているため、重要な点についてのみ誤りを指摘しておきたいと思います。

まず、平成28年10月10日、連盟理事からソフト使用疑惑があるという理由により、翌日に理事などが集まるので将棋会館に来るよう伝えられました。私は、「渡辺さん(明・竜王)はこれから戦う相手なので呼ばないでください」と伝えました。数日後に竜王戦が控えていたため、私が疑われ、身の潔白を証明する場に渡辺さんが同席していると、対局に差し障りがあると考えたからです。しかし、私の要望に反して翌日の会議の場に渡辺さんは出席していました。

次に、平成28年8月頃、三枚堂さん(達也・四段)と将棋の研究を行っていた際に、三枚堂さんがスマートフォンを用いて自宅のパソコンを操作しているのを目にしました。私は、そんなことができるのかと驚き「どうやっているの」と聞きました。彼は、私がパソコンに疎いことを知っていたため、詳しい説明はしませんでした。もちろん、私のスマートフォンに遠隔操作アプリをインストールしたことはありません。

また、対局中に控え室などでスマートフォンの操作をしたことなどはありません。

ちなみに、私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではありません。そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいませんでした。スマートフォンは、私が日常使用しますし、私の保有するパソコンを調べてもらえば、遠隔操作ソフトなどが導入されていないことは分かってもらえると思っていました。

もっとも、現段階に至っては、自らの潔白を証明するため、私のスマートフォンと4台のパソコンを信頼のおける調査会社等に提出し、過去にインストール及びアンインストールされたソフトの内容や、電源のオンオフの日時などの解析を行ってもらおうと考えています。調査会社等の選定については、連盟が協議に応じてくれるのであれば、連盟と共に選定したいと思います。また、私は上記スマートフォンとパソコンしか持っていませんが、家族などのスマートフォンやパソコンなども調査対象に加えて欲しいと連盟が望むのであれば、進んでそれらも調査対象に加えたいと思います。後から別のパソコンなどが怪しいと言われても困るからです。そのうえで、解析結果を私や連盟が入手する前に、調査会社等から直接世間に発表してもらおうと考えています。

本来これらの作業は、疑いをかけた連盟が実施すべきだと思います。なぜ、私が自らこのようなことを行わざるを得ないのかと思うと悲しくなります。私は単に今までどおり将棋を指したいだけなのです。

一日でも早く連盟が不当な処分を撤回してくれるよう願ってやみません。

平成28年10月21日

三浦弘行

 

将棋「スマホ不正」問題を渡辺明竜王が独占告白 (週刊文春WEB 2016.10.19 16:02)の要点

  • 「将棋ソフトでのカンニング疑惑」対局4局のうちの1局は10月3日に行われたA級順位戦の「三浦九段対渡辺竜王」。この対局を一部の棋士がネット中継をもとにリアルタイムでソフトで検証していたところ驚くほど三浦九段の指し手がソフトと一致。
  • 渡辺竜王は過去の三浦九段の対局も含めて調べ、指し手の一致、離席のタイミング、感想戦での読み筋などから「間違いなく“クロ”だ」と確信。
  • 10月7日、渡辺竜王が日本将棋連盟理事の島朗九段(53)に事情説明。
  • 10月10日に羽生善治三冠(46)、佐藤天彦名人(28)、将棋連盟会長の谷川浩司九段(54)らトップ棋士7人が集まり“極秘会合”。出席者たちからは「99.9%やってますね」という意見も。“シロ”を主張する棋士はなし。

週刊文春(2016.10.27)の記事の中の二人の棋士の証言によれば、三浦九段の不正行為には直接的な証拠はなく、状況およびプロ棋士による感覚的なものだと言います。

7月26日竜王戦挑戦者を決めるトーナメント準決勝 久保利明九段(41)対 三浦九段(三浦九段の勝利) 「三浦さんとは何十局も指していますが、従来とは違って、離席の回数が非常に多かったんです。証拠は何もないんです。でも指していて”やられたな”という感覚がありました。」

10月3日A級順位戦三浦九段 対 渡辺明竜王  「ソフトとの指し手の一致率が90%だとカンニングしているとか、そういうことではありません。…一致率や離席のタイミングなどを見ればプロなら分かるんです。」

 

気になる棋譜を見ようその847(三浦九段 対 渡辺竜王)
2016年10月3日  第75期順位戦A級4回戦 三浦弘行 九段 対 渡辺明 竜王

* * *

三浦九段疑惑の離席

連盟によりますと、この中で三浦九段が、挑戦者として出場が決まっていた竜王戦について、「疑念を持たれた状況では対局できない」と辞退を申し出たとして、休場届の提出を求めましたが、期日までに提出されなかったため年内の公式戦の出場停止処分を決めました。(将棋 三浦九段「不正していない」 NHKが単独インタビュー 10月18日 19時13分

以下、毎日新聞の記事「三浦九段がソフト使用疑惑否定 反論文書全文」の写真からの書き起こしです。

対局中の将棋ソフト使用疑惑について
公益社団法人日本将棋連盟が発表しているとおり、私三浦弘行は、第29期竜王戦七番勝負に出場で
きないことになり、平成28年10月12日付で出場停止処分となりました。
このことは、私が対局中の離席が多く、私の指し手がコンピュータと一致する確率が高いことなどか
ら、私が対局中に将棋ソフトを使用していたのではないかという疑惑を持たれたことに由来しています。
しかしながら、私がこれまで対局中に将棋ソフトを使用していたことは一切ありません。連盟が私に求
めた、第29期竜王戦七番勝負に出場できないこと及び休場届の提出は、全くの濡れ衣である将棋ソフ
ト使用疑惑によるものであり、適正な手続による処分とは到底言い難いものです。
私は、連盟から上記疑惑を持たれたので、平成28年10月11日及び12日において、連盟からの
要望がなかったにもかかわらず、自ら保有するノートパソコン2台、デスクトップパソコン2台、スマ
ートフォンの全アプリを撮影した画像を提出しています。これらの資料を精査してもらえれば、私の身
の潔白が晴れることだと信じていましたが、連盟はこれらの資料を精査することなく、一方的に私に出
場停止処分を下しました。本当に残念でなりません。
また、私は連盟に対し、離席が多いことやコンピュータとの一致率が高いことを示す証拠を書面によ
り提出して欲しいことを求めています。これらの資料を分析すれば、離席と私の指し手との関連性がな
いことなどを示すことができると考えています。しかし、連盟からはこれらの資料の開示はなされてい
ません。これでは、私としましては、私のどの指し手がどのコンピュータと一致しているのか、満足に
知ることすらできません。
私が離席していた際に行っていたことは、将棋会館内の休憩室である「桂の間」などで横になるなど
して体を休めつつ次の指し手を考えていたり、会館内のトイレに赴いていただけです。対局中の食事に
ついても、ほとんどが出前を注文しており、疑惑を持たれている対局では、対局中に会館の外に出るこ
とはありませんでした。
また、現在多くのプロ棋士が対局前の研究において、将棋ソフトを用いていることは周知の事実だと
思われます。私も将棋ソフトを用いて対極前に研究を行っていました。将棋の序盤中盤は、盤面の状況
をある程度想定できるため、コンピュータと一致率が高くなることは当然のことだと思います。また、
終盤については、最善手を指せばコンピュータと一致することは不思議なことではありません。そのた
め、私の指し手がコンピュータと一致率が高い部分があったとしても、何も不思議なことではないと考
えています。おそらく、他のプロ棋士の指し手とコンピュータの一致率も、一直線の変化では特に高く
なるのではないかと思われます。
私は、今後も連盟の調査に最大限協力するつもりです。そのことにより、私にかかった疑惑が晴れる
と信じています。
なお、本来記者会見などを開催すべきなのかもしれませんが、書面による方が、私の意見を表明しや
すいという事情から、このような形によって私の意見をのべさせていただく次第です。
平成28年10月18日
三浦 弘行

同連盟広報課は処分について「(三浦九段に)不自然な点が多く、合理的な説明はなかった」としている。
三浦九段、不正を否定 将棋ソフト利用疑惑で声明 日本経済新聞 2016/10/18 20:44

 

「決して不正はしていないので、処分を受けるいわれはない。対局中に絶対にソフトを使っていませんし、そもそもスマートフォンに分析ができる将棋ソフトが入っていません」
「竜王戦は将棋界最高峰の棋戦で挑戦するだけで大変な名誉だ。辞退するわけがない」
「私はもともと離席は多いほうだと思う」
(7月26日の対局について)「体調がすぐれなかったので、休んでいた時間が長かった」
将棋 三浦九段「不正していない」 NHKが単独インタビュー 10月18日 19時13分 【動画あり】

 

スマホでコンピューターで調べるなんてありえないと、思うけどなぁ。三浦くんって、もともと強いんだから誰かが嫌がらせで言いふらしたんじゃないかしらん。対局中に、なんども行ってたらしいですからーーと、コメンテーターの方いってたけど自分の持ち時間があったら何回、トイレに行こうがジュースを買いに行こうが構わないんですよっ。だいたいコンピューターに手伝ってもらって勝っても面白くもなんともないじゃない。勝負師ってそんなもんですよねぇーー(将棋でスマホ 林葉直子オフィシャルブログ「最後の食卓」2016-10-15 23:00:55

参考

  1. 【将棋ソフト不正疑惑】将棋連盟、来週中に調査委発足 強く対応求めていた渡辺竜王「タイトル剥奪されても構わない」(産経ニュース 2016.10.21 20:39更新):”日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)は21日、来週中に顧問弁護士を中心とした調査委員会を発足させ、本格的な調査に乗り出す方針を発表した。…これに先立ち、同日午前、東京と大阪の将棋会館で棋士への臨時説明会が開かれ、羽生善治棋聖(46)や佐藤天彦名人(28)ら約140人の棋士が参加。約2時間におよんだ非公開の説明会で島朗常務理事(53)は、7月末の対局で三浦九段に不自然な離席があるとの指摘が発端だったことを報告。さらに今月3日の対局でたびたびの離席と不自然な指し手に疑惑を抱いた渡辺明竜王(32)が、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない」と、連盟幹部に強く対応を求めていたことを明らかにした。”
  2. 三浦九段がソフト使用疑惑否定 反論文書全文
  3. 「対局中ソフト使用、一切ない」三浦九段が反論文書(毎日新聞2016年10月18日 17時42分(最終更新 10月18日 18時28分)):”将棋棋士の三浦弘行九段(42)が対局中に将棋ソフトを使用した疑惑が浮上し、日本将棋連盟が出場停止処分とした問題で、三浦九段は18日、自らの潔白を主張する文章を、弁護士を通じて報道各社に公表した。”
  4. 追加調査せず 三浦九段不正疑い(毎日新聞2016年10月13日 19時53分(最終更新 10月13日 19時53分)):”将棋棋士の三浦弘行九段(42)が対局中に将棋ソフトを使用した疑惑が浮上し、出場停止処分になった問題で、日本将棋連盟は13日、三浦九段に対する追加調査の考えはないことを明らかにした。 ”
  5. 三浦九段の不正調査…対局中ソフト利用か(毎日新聞2016年10月12日 20時07分(最終更新 10月13日 10時07分)):”日本将棋連盟は12日、三浦弘行九段(42)を年内の公式戦出場停止処分にしたと発表した。直接の処分理由は、提出を求めた休場届が期限までに届かなかったため。三浦九段は対局中に不自然な形で離席することが多いと対戦した棋士から指摘があり、将棋ソフトを不正利用しているという疑惑が浮上。連盟側は三浦九段から聞き取り調査を始めていた。”
  6. スマホだめ、外出ダメ…対局中「べからず」二つ追加(毎日新聞2016年10月5日 19時13分(最終更新 10月5日 19時45分)):”コンピューターの将棋ソフトがトップ棋士と変わらぬ実力を持つようになった現状を受け、日本将棋連盟(会長・谷川浩司九段)は5日、対局中の棋士がソフトで“カンニング”などの不正行為に及ぶのを防ぐため、規則を追加すると発表した。”

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