Category: テクノロジー

自動運転車で初の死亡事故 テスラSが前方のトレーラーを認識できずに突っ込み大破

アメリカの電気自動車メーカー、テスラ・モーターズの自動運転支援機能「オートパイロット」搭載車セダン「モデルS」の2015年モデルを運転していたジョシュア・ブラウン氏が、2016年5月7日にフロリダ州の高速道路でトレーラーと衝突事故を起こし亡くなるという事故がありました。事故時、オートパイロット(自動運転機能)を作動させていたことから、自動運転車による初めての死亡事故となりました。

自動運転機能を作動させて走行中のセダン車「モデルS」の前方に、横切るようにトレーラーが進入。テスラによると、強い日差しのため運転手も自動運転機能もトレーラーを認識できず、ブレーキが作動しないままトレーラーに潜り込む形で衝突。運転していた男性が死亡した。ヤフーニュース/毎日新聞 7月1日(金)11時10分配信

straitstimes.comで事故の状況が説明されています(下図 straitstimes.comより)。左折してきたトレーラーが前方を塞いでいるにも関わらず、直進していたテスラSの自動運転装置が認識できずにそのまま衝突。セダンはトレーラーの下を潜り込み、上部を大破させて向こう側へ突き抜けました。

straitstimes_teslaSAccident

ニューヨークタイムズ紙の説明によれば、トレーラーを潜り抜けたセダンはその後車道から飛び出し、フェンスを2箇所破ったあと電柱に激突してようやく止まりました(下図 nytimes.comより)。

NYTimesTeslaSAccident

この事故でセダンは大破し、運転手のジョシュア・ブラウン氏は亡くなりました。

事故はフロリダ州ウィリンストンにほど近い、中央分離帯のある幹線道路で発生しました。事故を起こした半自動運転モードのテスラ Model Sは、前方で車線変更したトレーラーを感知できずに接近を続け、トレーラーの側面からコンテナ部の下に巻き込まれる格好で衝突しました。そしてトレーラー に踏みつけられながら向きを変えた電気自動車はふたつのフェンスを突き破り、道路そばの民家の電柱に激突したのち停止しました。この事故によってModel Sはフロントガラスからルーフ、トランクリッドに至るまでをねじり切られるように大破し、搭乗していたジョシュア・ブラウン氏は死亡しています。(自動運転で死亡のテスラオーナー、DVD鑑賞中だった可能性。トラック運転手が証言。側面からの衝突検知も機能せず engadget日本版 BY Munenori Taniguchi 2016年07月02日 12時55分)

自動操縦装置がなぜトレーラを認識できなかったのか、謎が残ります。

「後方の空が明るく光っていて、白い色をしたトレーラーの側面をドライバーも自動運転機能も認識しなかった。そのため、ブレーキが作動しなかった」という。(テスラの自動運転車で初の死亡事故。何が問題だった? The Huffington Post  |  執筆者: Damon Beres 投稿日: 2016年07月01日 13時46分 JST)

モデルSは強い日差しを受けてトレーラーの白い車体を認識できず、減速せずにトレーラーに突っ込んでいったという。…テスラのニュースリリースによれば、「自動運転モードとドライバーのいずれも、明るい空を背景にしたトレーラーの白い車体を認識できなかった」という。 (テスラ自動運転車で初の死亡事故、メーカーに責任は? 「公道でのベータ版テスト」に批判も newsphere.jp 更新日:2016年7月4日)

今回の事故の状況だけれど、テスラの発表によれば「後方の空が明るい上、大型トレーラーのボディに光が反射しておりドライバーも自動運転機能も認識しな かった」。このコメントは全く納得出来ない。テスラの場合、前方の障害物は電波を使ったミリ波レーダーと、単眼カメラという二つのセンサーで認知してい る。ミリ波レーダーは電波のため、光に影響されない。というか、そこがミリ波レーダーの特徴だ。テスラ、自動運転中トラックの側面に衝突しドライバーは死亡 YAHOO!JAPANニュース 国沢光宏  | 自動車評論家 2016年7月1日 15時58分配信

今回の事故で亡くなったジョシュア・ブラウン(Joshua Brown)氏は、過去に、テスラSの自動操縦機能が、側方からきた作業トラックとの衝突を回避した場面をYOUTUBEにアップロードしていました。高速道路を降りようとして車線変更をしてきた作業トラックをテスラSが首尾よく回避した様子がわかります。

Autopilot Saves Model S (Joshua Brown)

 

参考

  1. A Tragic Loss (The Tesla Team June 30, 2016):”We learned yesterday evening that NHTSA is opening a preliminary evaluation into the performance of Autopilot during a recent fatal crash that occurred in a Model S. This is the first known fatality in just over 130 million miles where Autopilot was activated. Among all vehicles in the US, there is a fatality every 94 million miles. Worldwide, there is a fatality approximately every 60 million miles. It is important to emphasize that the NHTSA action is simply a preliminary evaluation to determine whether the system worked according to expectations.”
  2. National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA)
  3. teslamotors.com
  4. テスラ車死亡事故、自動運転中にDVD鑑賞の可能性 (Yahoo!JAPANニュース/ロイター 7月4日(月)7時48分配信):”事故に巻き込まれたトラックの運転手の弁護士はロイターに対し、目撃者の話として、事故後にDVDプレーヤーから映画「ハリーポッター」が流れていたことを明らかにした。”
  5. テスラ車の死亡事故で、自動運転の規制強化につながるか そもそも向かってくる車の横方向ターンは緊急自動ブレーキの対象外だった (ニュースイッチ 日刊工業新聞 2016年07月03日):”米テスラ・モーターズの主力車種「モデルS」が半自動運転のオートパイロット機能での走行中に衝突事故を起こし、運転手が死 亡していた問題で、あらためて現段階での自動運転機能が完成の域にほど遠いことが浮き彫りになった。”
  6. テスラ、自動運転中トラックの側面に衝突しドライバーは死亡 (YAHOO!JAPANニュース 国沢光宏|自動車評論家 2016年7月1日 15時58分配信):”「やはり」というか「ある意味当然」と言うか難しいところながら、テスラで自動運転中、前方を左折中のトラックを全く認識せずノーブレーキで突っ込み、ドライバーが亡くなるという事故が発生した。テスラはハンドルを全く操作しないでもよいという高速道路なら”ほぼ”自動運転のプログラムを昨年10月に採用したばかり。何度か「テスラの自動運転は信頼面で疑問」と書いてきたが、危惧した通りになった。”
  7. テスラの自動運転モードで初の死者、死の1カ月前にモデルS絶賛の動画 (GIZMODO.JP 2016.07.01 14:50):”テスラ「モデルS」をオートパイロットモードで走行中の動画を大量にアップロードしていたフロリダ州の男性が5月、前方を左折する大型トレーラーに追突して死亡していたことがわかりました。”
  8. テスラ製自動運転車輌で初の死亡事故。死亡者は元・米海軍特殊部隊 SEAL 隊員 (MILITARY BLOG 2016年07月04日 13:43 ):”米運輸省の国家道路交通安全局 (NHTSA: National Highway Traffic and Safety Administration) は 6 月 30 日、「オートパイロット」搭載車で初の死亡事故が発生したことを発表した。米英のタブロイド紙などによると、死亡した男性は元・米海軍特殊部隊 SEAL 隊員であったと報じている。”
  9. 日本の公道でも自動運転機能解禁!テスラ・モデルSのオートパイロット機能を試す! (1/2) (クルマ選びの総合支援ポータル オートックワン 2016年1月21日):”ついに日本でも手放し運転を可能としたクルマが出てきた。.. (今回テスラ・モデルSに組み込まれたソフトでは5分以内にステアリングを触らないとカットされる)。もちろん法的な問題なし。…道交法ではアクセルもブレーキもハンドルも、適切に操作できる状況(装置)を確保出来ていれば、常時ドライバーが操作することを求めていない。”
  10. テスラ「モデルS」の自動運転機能による追突事故 悪いのはオーナー? それともクルマ? (jp.autoblog.com By  Autoblog Japan Staff 2016年05月18日 11時00分):”米国ユタ州でテスラ「モデルS」が勝手に動き出し、止まっていたトレーラーに追突するという事故が起きた。そのテスラのオーナーはクルマに欠陥があったと主張。これに対し、テスラは事故のログデータを集め、徹底的に調査した。そして先日、テスラがオーナーに宛てた手紙を米国のテクノロジー情報サイト『The Verge』が入手し、その率直な回答が明らかになった。テスラによると、クルマにはいくつもの警告が表示されていたが、それらすべての警告をオーナーが即座に無視していたのだという。 ”
  11. テスラで手放し運転の誘惑に駆られる 最新の自動運転機能はここまで来た (日経ビジネス 鶴原 吉郎 2016年2月2日):”.. 自動運転機能が追加された米テスラ・モーターズの電気自動車(EV)「モデルS」に試乗する機会があり、そのセリフを思い出したからだ。…このクルマ は、2016年1月のソフトウエアアップデートによって、日本の公道を走れるクルマとしては初めて「手放し運転」を可能とする機能を備えるようになっ た。…今回モデルSに搭載された自動運転機能は、2016年1月15日から国内で配信が始まったソフトウエア「バージョン7.0」に含まれるものだ。 このバージョン7.0は、すでに米国では2015年の10月から配信が始まっている。”
  12. テスラモーターズの高速道路でのすごさは、実は「眠くならない」ことだった (bylines.news.yahoo.co.jpいしたにまさき  | ブロガー/ライター/アドバイザー 2015年10月22日 7時0分配信):”テスラモーターズ。世界でも数少ない電気自動車専業メーカーとして、その名前を知っている人も増えていると思います。しかも、ここにきて、テスラモーターズ(以下、テスラ)初のSUVである「モデルX」が米国では納車開始。さらに、現在の主力車である「モデルS」になんとアップデートで、限定的ではあるものの、自動運転機能を追加するという、これまでの自動車メーカーでは、想像もできないことをやってきています。 “
  13. テスラ(autoblog.com):”テスラ(正式名称はテスラモーターズ)は、カリフォルニア州パロアルトにある電気自動車メーカー。社名は著名な発明家ニコラ・テスラにちなむ。2003年、同州サンカルロスでマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングによって設立され、EVセダン「モデルS」で大きな話題を集める。現在代表を務めるのは、ペイパルやスペースXを立ち上げた起業家イーロン・マスク氏。”