Category Archives: 科学研究助成

科研費の採否はここで決まる!研究計画調書(申請書)の書き方~項目別実践的攻略ポイント~

[広告] 今からでも個人的に頼める科研費申請書添削サービス

巷には、多数の「科研費申請書の書き方ノウハウ」があげられています。知らなきゃ損、見なきゃ損、実践しなきゃ損です。

【2023年度研究会】研究費獲得のための申請書の書き方~あなたも獲れる100万円(研究費)~【東京栄養疫学勉強会】 東京栄養疫学勉強会 東京栄養疫学勉強会 チャンネル登録者数 2060人

科研費申請書の書き方のノウハウが巷に溢れているのに、不採択に悩んでいる人ほど、こういうのに疎い。見てもそれを自分の申請書に落とし込めない。必要なのは国語力。だが自分の国語力に自信が持てず、AIの言いなりになって、文章の中身と表現とが乖離していることに気付けない。小学国語からが早道。

国語力に自信がない方へ

科研費計画調書は日本語で書くので、日本語に自信がないというのは致命的です。とくに、接続語の使い方が怪しい人、具体的に書けない人、逆に、抽象化した記述が苦手な人、論理的に書けない人、メリハリのある日本語の文章が書けない人、言語化がとにかく苦手な人、そういう人たちは小学校からやり直したほうがいいです。小学校の国語から勉強しなおすのに最適な参考書がコレ。

親必読!難関中学への合格者続出! 「本当の国語力」が驚くほど伸びる本: 偏差値20アップは当たり前! 2009/7/18 福嶋 隆史(アマゾン)

いい歳した大人が小学校の国語の勉強からやりなすなんて、プライドが許さない?そんな大人の人向けに、内容は基本的に同じですが大人が読んでいて恥ずかしくないように装いを新たにしたバージョンもあります。

言葉を自在に操るための論理思考トレーニング 考えていることが正しく伝わる、シンプルで確実な方法 「ビジネスマンの国語力」が身につく本 2010/12/11 福嶋隆史 (アマゾン)

上の本は文字数は少なくて1時間弱で読めますので、科研費申請書が書けず煮詰まったときに読むと、劇的な効果があります。なぜ自分が書いた申請書が読みにくかったのかがハッキリと説明できるレベルで理解できるようになるでしょう。

 

書く態度について

申請書を書く以前の話として、伝えようとする態度の問題があります。「伝わるだろう」ではなく、「伝わらないかもしれない」と謙虚になって、自分の態度を振り返るところから始めるのがいい。

同じ専門分野同士でもわかってもらえていないことのほうが圧倒的に多い。

内容がすばらしいかどうかの前に、読んでわかるかどうかが採択される大きな条件

実は自分がわかりにくい文章を書いていることに気づかずに「これでいい」と思っている研究者は多い

「科研費が採択されない人」が陥りがちなNG思考 2022.02.02 分析計測ジャーナル

 

科研費申請書の書き方には、厳然とした守るべき「作法」が存在すると同時に、審査委員を納得させることができるのならどう書いてもOKという「自由さ」とがあります。科研費になかなか採択されずにいる研究者は、とりあえず作法を守るために「型」にはまった書き方をマスターするのがいいと思います。

2025年度科研費の様式は、基盤研究(C)は(6)国際性が追加され、(3)にあった「着想に至った経緯」が(1)に移動するなど、少なからぬ変更がありました。そのため、何をどう書けばいいのか戸惑っている人も多いようです。

生成AIによる査読の勧め

時代が変わりいまや生成AIになんでも頼めるようになりました。科研費の申請書も一人で悩まずに、チャットGPTやクロード(Claude)やジェミニ(Google Gemini)に査読させてみましょう。プロンプトを適切なものにすれば、かなり有用な助言が得られます。

 

生成AIに頼らず自分でチェック・改訂することの勧め

生成AIはまだ(2025年現在)、万能ではありません。へたに生成AIに文面を作らせると、AI臭い文章になって、審査委員の心証を悪くする恐れもありますので、過度の依存はやめましょう。

2026年現在、AIはだいぶ進化していますが、それでも、まだまだです。壁打ちには良くても、自分で考えることを放棄して鵜呑みにしてしまったら大変なことになりかねません。

 

他人の申請書を見せてもらうことの勧め

最近は多くの大学で、その大学で採択された課題の実験計画調書を学内で閲覧できたりするようです。そういう恵まれた大学にいない人は、知り合いのつてと頼ったり、ネット上でおおらかにも申請書の例を出してくれている人のものを参考にしたりできます。

注意:以下は、自分(本ウェブサイト管理人)個人の考えであり、自分の過去の科研費採択経験(生物系の基礎研究、少額の研究種目、研究代表者としての生涯獲得総額は数千万円)、同僚や先輩、その他の人たちの採択調書から学んだこと、さまざまな書籍の内容、ウェブ上の情報、大学で開催された科研費セミナーで聞いた内容、科研費の審査をしたことがあるという先生から聞いた話などを自分なりに総合的にまとめた結果です。書籍やセミナーの内容が自分の考えとは多少ズレると思ったこともありますので、ここにまとめたことが絶対正しいわけでも、全ての科研費応募者に当てはまるわけでもありません。書き方のヒントになれば幸いです。研究内容や書きかた次第で、それぞれのセクションの分量の割合は大きく変わってきます。全体としての整合性、一貫性があることが大事です。

 

1 研究目的、研究方法など

科研費研究計画調書の様式はちょっとずつ変更されてきました。今年度(2025年度科研費)は、また少し変更がありました。基盤研究(C)の場合、「1 研究目的、研究方法など」を4ページにわたって書くことになりますが、書くべき内容が指示されており、

本文には、
(1)本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」、
(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性、
(3)関連分野の研究動向と本研究の位置づけ、
(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか、
(5)本研究の目的を達成するための準備状況、
(6)本研究がどのような国際性(将来的に世界の研究をけん引する、協同を通じて世界の研究の発展に貢献する、我が国独自の研究としての高い価値を創出する等)を有するか
について具体的かつ明確に記述すること。

との指示が様式の上部にあります。新たに(6)国際性についての記述を求めているのが目を引きます。また、いままで(3)の中にあった「本研究の着想に至った経緯」が、(1)の中に移行しているのも要注意です。

(1)本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯、研究課題の核心をなす学術的「問い」

さてこのセクションには何を書けばいいのでしょうか?「学術的背景」として何を書くかを考える際の手がかりがあります。それが、もう少し具体的な指示として、様式の真ん中の「留意事項①」に書いてある、

学術の潮流や新たな展開などどのような「学術的背景」の下でどのような「学術的『問い』」を設定したか、

という文言。これを解釈するに、学術的な問いが生まれた妥当性を書けばよいでしょう。審査の観点として、

学術的な意義や独自性、創造性など学術的重要性を評価する

と留意事項①に明確に説明されています。つまり、学術的問いの重要性の説明が求められているわけです。問うに値する面白い問いなのかどうか?ということです。そもそも学術的問いとは何なのか?研究目的とどう違うのかという点に関して、自分の研究テーマに沿って自分の考えをまとめておく必要があります。

申請書を具体的にどう書けばいいのかというと、通常の論文のイントロダクションの書き方が参考になります。まず「何」についての研究なのかを述べて、それに関して何がすでに「わかっていること」なのか、そして何がまだ「わかっていないこと」(=学術的な問い)なのか、なぜそのわかっていないことを知ることが重要なのかを書きます。そして、その「わかっていることとわかっていないことの間のギャップ」を「どうやって」自分が埋めるのか(=研究目的)、そのようなアプローチをどのように発想したのか(=着想に至った経緯)を書きます。

論文を書くときのノウハウで申請書の文章を書こうとしたときに、ここで少しやっかいな問題があることに気づきます。学術的な問いというのはその研究領域における大きめのクエスチョンであったほうがよいわけですが、自分のアプローチまで書いてしまうとそれはもうすこし具体的な「研究目的」になってしまい、研究目的を書くセクションはその次の「(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性」になるという点です。話を具体的に絞り込んでからまた広げなおすと話が戻ってしまったことになり、流れが悪くなります。文章の流れとしては一方向に流れていてほしいわけです。前年度までは、「本研究の着想に至った経緯」は(3)のセクションにあったので、まだ書きやすかったように思いますが、「着想」、特に、研究アプローチ(方法論)に関する着想を(1)の中で書くとなると「研究目的」まで(1)で言及したほうが自然な流れが作りやすいかもしれません。

科研費は人文科学から理学、医学、工学など全く異なる研究領域を対象にするため、研究のスタイルは非常に多様です。しかし科研費の様式はすべての研究領域に対応して1つしか用意されていないので、応募者が自分の研究領域に合わせて、あるい程度柔軟に対応することは許容されると思います。ただし審査の観点は公開されているのでそれを外した書き方は不利になります。何をどう書いているのか意図が明確であれば自由に書いてよいのだと思いますが、例えば、

研究テーマのトピックの提示→わかっていること、わかってきたこと、最近の進展やブレークスルー→それでもまだわかっていないこと→それをわかる必要性、喫緊性→学術的問い→問いに答えるための自分なりのアプローチ(研究目的)の着想(=着想に至った経緯)

という順に書いていくのが一法でしょう。「本研究の着想に至った経緯」が(3)から(1)に移動したというのは実はかなり大きな変更点であり、「何の着想」なのかまで変わってしまった可能性があります。「研究目的を設定するに至った着想」なのか、「学術的な問いを設定するに至った着想」なのか、というあいまいさ、多義性があります。「本研究の着想に至った経緯」を書けという指示を、学術的な問いを設定するに至った経緯と解するのであれば、

研究テーマのトピックの提示→わかっていること、わかってきたこと、最近の進展やブレークスルー→それでもまだわかっていないこと→それをわかる必要性、喫緊性(=着想に至った経緯)→学術的問い

となります。学術的な問いと研究目的との関係をどうするかで書き方が変わってくるでしょう。抽象度ー具体性 という観点で、問い>>目的 とするか、問い>目的 とするか、 問い~目的 とするかは、研究内容によるでしょう。問い=仮説とするか、目的=仮説(の検証)とするかも、研究領域や研究内容によって自由度があるのではないかと思います。

研究者によって各セクションにどれくらい詳しくどれくらいの量を書くかは、異なるでしょう。異なっていてよいのだと思います。ただし大事なことは、書く意図を明確にすることです。応募者がどういう意図で申請書を構成したのかにまぎれがなければ、スタイルが多少違っても審査委員によっては読みやすいものになるはずです。

重要なことは、このセクションを書く目的は何かを意識することです。すべての文章にはその文章を書く目的があります。背景の文章を書く目的は、応募者が学術的問い(もしくは研究目的)を設定した理由を審査委員に納得させることです。

ここで大事なのは「客観性」であり、客観的であることとはすなわち、すべての主張に根拠(文献もしくは予備実験の実際のデータ)を示すことです。引用文献が多くなりすぎると文章が読みにくくなるということもあるので、適度なバランス感覚が要求されます。文献は他人の文献と自分の文献を適度に織り交ぜて書くのが理想です。自分の文献だけだと独りよがりな印象を与えますし、他人の文献だけだと業績が無い人かと思われます。何をどう書くかに関しては、昔の申請書の様式の指示も手掛かりになります。

① 研究の学術的背景(本研究に関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ、応募者のこれまでの研究成果を踏まえ着想に至った経緯、これまでの研究成果を発展させる場合にはその内容等) (平成29年度科研費の基盤研究(C)の様式より 太字・下線強調は当サイト)

これを読むと明らかなのですが、科研費の基盤研究というものは、基本的には、応募者がこれまで行ってきた研究の積み重ねの上に、さらに発展的なテーマを設定することが当然のこととされています。現在の様式の指示からはこれらの文言が抜け落ちていますが、この考え方は基本的には生きています。だとすると、新規テーマで応募したい場合どうなるんだ?という声が聞こえてきそうですが、新規テーマだと採択されにくい恐れはあるが、絶対ダメというわけではもちろんないので、様式の自由度が上がるように改善されたのだと思います。

文献の引用の仕方として、(Daresore et al., 2000)と書くか、(Daresore et al.,, 2000, Journa Name)とするか、(Daresore et al.,, 2000, J Nam 1(2):345)などどこまで細かくするかは好みもあるでしょう。(Daresore et al., 2000; Hokano et al., 2001)など論文の区切りに使う記号は表記の中でユニークなものにするなどの細かな配慮も大事です。番号で引用してあとからリストを添えたり、自分の業績の場合には(業績1)などと書くのもありでしょう。ただ、リストの番号で引用した場合にいちいちそれを他のページに見に行って確認する読み手もあまりいないのではないかと思いますので、読む動作・視線の動きを妨げないのが一番だと自分は思います。その考え方にのっとれば、引用文献の位置は句読点の直前がベストです(Daresore et al., 2024)。

背景に書くべきことは、そのトピックに関する一般的な説明ではなく、あくまで設定する問いの妥当性を納得させるための材料に絞ります。背景の書き始めから「問い」までが読んでいて一直線で無駄がないという印象を与えることが大事で、話題がそれたり、戻ったりするのは、学術的意義の重要性を理解されにくくするので要注意です。論文を書くときにIntroductionを書く理由は、hypothesisを導くためですが、それと同様に考えればいいと思います。

「背景」と「関連する研究動向」との書き分けという問題にもなりますが、背景には関連はしていても問いを導き出すことに直接関連しないことは言及する必要はありません。そういったことは関連する研究動向のセクションに書けばよいでしょう。研究動向には、他の研究者がどんなアプローチで自分と同じゴールを目指しているのか、そんな中で自分のアプローチはどんな点で優位なのかを書けばいいのです。こう考えれば、背景と動向の書き分けに悩むことはなくなるはず。

背景もしくは研究目的のセクションには、仮説を示した模式図を置くのが良いでしょう。良いでしょうというよりも、置くべきと言いたいところです。「仮説を示した模式図」というのは、相当頭の中が整理されていないと描けませので、模式図を描きなおしているうちに頭の中が整理されてきますし、模式図が完成するとあとは模式図を説明する形で本文をスムーズに書き進むことができます。

  1. 仮説を書かない科研費申請書なんて…

さて、新たに場所が移動してきた「着想に至った経緯」はどう書けばいいの?という問題があります。なぜこれが(3)から(1)に移動されてきたのかを考える必要があるでしょう。自分が思うに、背景から問いを導く過程がすなわち着想なので、着想に至った経緯は本来、背景→問いの思考そのものであって、不可分です。別物として書く必要はないのではないかと思います。しかしそうはいってももともと(3)にあったものなので、以前の不採択調書の「着想に至った経緯」の部分をコピペして、(1)の背景と問いの間に入れ込んでいる人も多いことでしょう。実際、「背景」として客観的な内容を書き、次に「着想」として自分の業績やアイデアを中心に書き、両者から導きだされる「問い」を書くというスタイルも、おさまりがよいのでお勧めできます。とくに、このセクションの文章量が多くなるとどこに何が書いてあるのか読み手にもわかりにくくなりますし、読む労力も増えてストレスです。「背景」「着想」「問い」と3つのセクションに分ければ、読み手に優しい申請書になるでしょう。

【このセクションでよくある失敗例】、

  • トピックに関する教科書的説明(無駄な情報)をしている
  • 文章に、学術的問いへ向かう方向性がない。
  • 文章の流れとは無関係な”関連する”話題が、流れの途中に挿入されている。←ありがち
  • 自分の業績を引用していない(なければ仕方ないですが)
  • 自分の業績しか引用していない(問いの客観性が担保されない)
  • 学術的な問いが書いていない。書いてあったとしても、どの部分がそうなのかが読み手にわからない。

(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性

このセクションをどう書くかも、自由度が高く人それぞれですが、どこに何をどう書いたのかという応募者の意図が明確に読み取れることが大事です。また、(1)のセクションから話がつながっていることも必要です。

研究目的

「目的」というのは日常語としては、将来の夢や願望、目標という意味もありますが、研究助成への応募書類における「研究目的」は、研究期間内で研究計画において「実際にやること・明らかにすること」を意味します。つまりやらないこと(将来的な願望)を含めてはいけません。時間があればやるとか、研究がうまくいけばもう少し先までやるなどと、あいまいなことを書いてもいけません。

研究目的は、学術的問いに答えるものになっているべきで、きちんとした対応関係がそこにないと不自然です。問いに答えるための実験系や方法論まで含めて具体性を増したものにします。

研究目的の中身は、学術的な問いに答えるためのアプローチを含みます。問いにどんなアプローチで取り組んで答えを出すのか、そのアプローチにはどんな独自性や創造性があるのかを書くことになります。

【研究目的を書くにあたってのよくある失敗事例は】

  1. 研究目的がそもそも書いていない
  2. 研究目的が学術的な問いに答えるものとして書かれていない
  3. 学術的な問いと研究目的の「抽象度ー具体度」の関係が逆になっている
  4. 研究目的(やること)に願望(できれば~したい)を書いている
  5. 「研究目的、研究の意義」を一文にまとめて書いているため目的が伝わりにくい。(例. ~することは、~の意義が大きい)

独自性

独自性 originalityは、他人にはないその人だけのものという意味です。科研費が不採択になる人の多くが、「~(研究目的)の研究は報告がないので独自性が高い。」と書いてしまいますが、この書き方は賢明ではありません。科研費は相対評価ですので他人の申請書と比べられて採否が判断されます。「~(研究目的)の研究は報告がないので独自性が高い。」という文は、他の申請書でもそのまま使える文言です。つまり審査委員に対して審査に有用な情報をなんら与えていません。情報量ゼロの文です。なぜ今まで論文報告がなかったのか?重要な課題だとみな思っていたのに適切なアプローチが見つからなかったから?技術的に不可能だったから?重要なのにその重要性が見落とされていたから?なにかしら理由があるはずで、その理由を書く必要があります。

独自性のアピール方法として、他人にはできないということをアピールすることも可能です。自分にしかない技術を使って初めて実現可能になるアプローチだからといった具合です。また、誰よりも早く自分がその重要性に気づいてこの分野を開拓してきたからと、過去の論文業績と絡めて独自性をアピールすることも可能でしょう。

【独自性を書くにあたってのよくある失敗事例】

  1. ~(研究目的)に関する論文報告はなく、本研究は独自性が高い と書いてしまう。論文報告がないことだけ言っても、なぜそれが独自性になるのか読み手には全くわかりません。

創造性

創造性に何を書けばいいのかは、多くの応募者が頭を悩ませるところです。通常の日本語の意味だと、創造性はcreativityのことであり、creativeといえばゼロから何かを作り出すという意味になります。しかし科研費の申請書においては「創造性」として書くべきことは、多少日常語とはズレているように自分は感じています。

  1. 科研費研究計画調書 創造性 何を書くべき?日本語の解釈

審査のポイントとして、

A.研究計画の内容に関する評定要素
(1)研究課題の学術的重要性
・学術的に見て、推進すべき重要な研究課題であるか。
・研究課題の核心をなす学術的「問い」は明確であり、学術的独自性や創造性が認められるか。
・研究計画の着想に至る経緯や、関連する国内外の研究動向と研究の位置づけは明確であるか。
・本研究課題の遂行によって、より広い学術、科学技術あるいは社会などへの波及効果が期待できるか。
https://www.jsps.go.jp/file/storage/kaken_01_03_shinsahyoutei_2024-1/r6hyoutei03_ja_bc.pdf

ということが言われていますので、「本研究課題の遂行によって、より広い学術、科学技術あるいは社会などへの波及効果が期待できる」ことを申請書のどこかでアピールする必要があることがわかります。しかし明示的なセクションはないため、書くとすれば、「創造性」を書く場所に書くことになろうかと思います。そこで、創造性の欄に、新たな価値を生み出すことができるという内容の説明をする人が多いようです。科研費の書き方を指南した書籍もそのような説明に終始しています。

【創造性に関する失敗事例】

  1. 創造性についての言及がない

(3)関連分野の研究動向と本研究の位置づけ

細かい話ですが、2025年度科研費から、様式の指示は、「関連する国内外の研究動向」が、「関連分野の研究動向」に変更されています。これは(6)国際性 の項目を新たに作ったことに伴う措置だと文科省の資料では説明されています。ただ(6)でアピールすることはすこし内容がずれるので、従来通り書けばよいでしょう。「背景」と「研究動向」をどう書き分ければいいのかというのも悩みのタネです。ほとんど同じことを繰り返してしまうのは印象を下げます。

実際のところ、「背景」と「研究動向」で書く内容がある程度重複するのはむしろ自然なことだと思います。内容は重複してもアピールしたいことが異なるので、文は当然異なったものになります。

何を書くべきかで考える必要があるのは、「関連分野の研究動向」という指示において、何に関連する研究の動向かという点です。「何に」というのは普通に考えれば、「学術的な問い」や「研究目的」に関連する研究動向ということになるはずです。「学術的な問い」と「研究目的」のどちらに寄せて書くかというのは、「学術的な問い」と「研究目的」をどう設定したかにもよるので、ケースバイケースでしょう。「研究目的」を非常に狭くとらえてそれに関する研究動向を書いてしまうと、研究の意義が理解されない恐れが強まります。なので、「学術的な問い」に関する研究動向を書いて、国内外の他の研究者がその問いにさまざまな方法でアプローチしているなかで、応募者はどのような独自性・優位性のあるアプローチをしているのかが明確になるように書けばいいと思います。

【研究動向と位置付けを書くにあたってのよくある失敗事例】

  1. 研究動向=論文であるべきなのに、論文の引用が全くない
  2. 他人の研究紹介は書いているが、本研究の位置づけに関する言及がない
  3. そもそも「何」に関係する研究動向なのかがあやふや。書くべきは、「学術的問いや研究目的」に関係する研究動向であるにもかかわらず、そうなっていなくてズレたトピックに関する研究動向を書いている。

(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか

このセクションは長ったらしいタイトルでわかりにくいかもしれませんが、以前の「計画・方法」という欄に対応した部分です。まだ科研費の様式に「研究業績」というページがあってそこは単に論文業績を羅列するだけだった当時(平成29年度の例)の様式がどうだったかというと、基盤研究(C)の場合は最初の2ページが「研究目的」で、

研究目的
本欄には、研究の全体構想及びその中での本研究の具体的な目的について、冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述した上で、適宜文献を引用しつつ記述し、特に次の点については、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述してください(記述に当たっては、「科学研究費助成事業における審査及び評価に関する規程」(公募要領81頁参照)を参考にしてください。)。
① 研究の学術的背景(本研究に関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ、応募者のこれまでの研究成果を踏まえ着想に至った経緯、これまでの研究成果を発展させる場合にはその内容等)
② 研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか
③ 当該分野における本研究の学術的な特色・独創的な点及び予想される結果と意義

つぎの2ページが「研究計画・方法」で、

研究計画・方法
本欄には、研究目的を達成するための具体的な研究計画・方法について、冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述した上で、平成29年度の計画と平成30年度以降の計画に分けて、適宜文献を引用しつつ、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述してください。ここでは、研究が当初計画どおりに進まない時の対応など、多方面からの検討状況について述べるとともに、研究計画を遂行するための研究体制について、研究分担者とともに行う研究計画である場合は、研究代表者、研究分担者の具体的な役割(図表を用いる等)、学術的観点からの研究組織の必要性・妥当性及び研究目的との関連性についても述べてください。
また、研究体制の全体像を明らかにするため、連携研究者及び研究協力者(海外共同研究者、科研費への応募資格を有しない企業の研究者、その他技術者や知財専門家等の研究支援を行う者、大学院生等(氏名、員数を記入することも可))の役割についても記述してください。
なお、研究期間の途中で異動や退職等により研究環境が大きく変わる場合は、研究実施場所の確保や研究実施方法等についても記述してください。

となっていました。「研究目的」(2ページ)と「研究計画・方法」(2ページ)が「研究目的、研究方法など」(4ページ)の一つに合わせられたわけです。この経緯を見れば、「(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」が、「研究計画・方法」に対応することは明らかでしょう。

古い様式も今見返してみると申請書を書く上で示唆に富むことに気づきます。

指示がなくなった=書かなくてよくなったと考えるより、自由度を増やすために指示を減らしたと理解したほうがいいでしょう。つまり指示がなくなったことであっても、意識しておいたほうが良いのです。

さて、計画・方法は以前はまるまる2ページ書くようになっていたのですが、今は他との分量のバランスからそこまで多くの紙面を割かなくてもいいようになったと思います。採択された人の研究計画調書を見せてもらったことがありあすが、多くの場合1ページ程度(他の部分に何をどう書いたかとの兼ね合いにより、半ページ~2ページ弱の幅がある)で書いているようです。

抽象>具体 ということで言えば、

学術的問い>研究目的>研究計画・方法 という図式になります。

当たり前のことですが、「研究計画・方法」で書く内容は、「研究目的」と完全に対応している必要があります。研究目的を達成するうえで過不足がある計画を書いてしまうとまず採択されないでしょう。計画に書く課題が少なくてさみしいので余計な課題を付け足して整合性を失い不採択になるというのは典型的な失敗パターンです。

【研究計画・方法のセクションにありがちな失敗例】

  1. ~を解析する ~を比較する ~を分析する など一言でまとめていて、具体的にどうやって解析するのか、どうやって比較するのか(統計学的手法)、どうやって分析するのかが書かれていない。
  2. 研究目的との対応が不明
  3. 計画された課題が実施されても研究目的が達成されない(不足)
  4. 研究目的を達成するうえでやる必要がない課題を計画している(過分)
  5. ひと続きの文章で1ページ以上書かれていて、読む気がしない 課題ごとに項目をつくって、「読ませる」というより「見ればわかる」ようにしましょう。どこまで細かく読むかを読み手に任せるようなレイアウトに。
  6. 研究分担者の役割が書いていない

(5)本研究の目的を達成するための準備状況

このセクション「準備状況」とあとにでてくる「研究環境」とをどう書き分けるかで悩む人も多いようです。環境は必要な研究機器などであり、準備状況はそれらの研究機器がすでに稼働して予備データが出始めているといったことなんだろうと思います。予備実験データをここに書くのもありでしょう。ただし、予備実験データは研究計画欄のほうに書くというのも効果的です。

実際のところ、予備実験データは背景のところから出してもよくて、好みによると思います。できるだけ早くインパクトを示して読み手(審査委員)の興味をひきたければ、早い段階で出すことです。4ページめの最後など、そもそも審査委員はまともに読んでいないかもしれません(特に最初の部分が稚拙にしか書けていない申請書の場合)。

【準備状況で良くある失敗事例】

  1. 研究環境を書いている
  2. 素晴らしい予備実験データを、審査委員の頭の中で採否が決まった今ごろになって載せている(きちんと書かれた申請書ならここまで読んでもらえるでしょうが、最初のほうのページが稚拙だと準備状況まできちんと読んでもらえる保証はない)

(6)本研究がどのような国際性を有するか

このセクションは2025年度科研費からあらたに加わったもので、何を書けば正解なのかは誰も確かには知らないことだと思います(まだ採択された申請書というものが存在していないので)。そのため、日本学術振興会は親切にも様式の指示の中で具体例を挙げて示してくれています。

  • 将来的に世界の研究をけん引する
  • 協同を通じて世界の研究の発展に貢献する
  • 我が国独自の研究としての高い価値を創出する

などを書けばいいのだそうです。「将来的に世界の研究をけん引する」というのは、得られる研究成果を見た他の研究者がこぞって参入してくるので、その結果として、新しい学問の潮流がつくりだせて、自分がその最先端にいて世界の研究を牽引することになるのだと思います。

「協同を通じて世界の研究の発展に貢献する」というのは、得られる研究成果を見た他の研究者がこぞって共同研究を是非やりませんか?と声をかけてくるので、その結果として、協同して研究領域を発展させることになるのでしょう。

「我が国独自の研究としての高い価値を創出する」ということでもOKというのはなかなか興味深いと思いました。つまり、なんでもええんかい!と思ったのですが、これは日本人の起源とか、日本文学の研究、日本の戦後政治など、日本固有の問題に取り組む研究者を想定してのことなのかなと想像しています。

もっと詳しく知りたい人は、文科省のサイトに公開されている国際性の記述が導入された経緯の説明した資料お読みください。この「経緯」を読めば、(6)国際性をどう書けばよいかが自ずと明らかに浮かび上がってきます。つまり、「基盤研究」に統合される「国際共同研究加速基金」と「海外連携研究」の趣旨を、基盤研究の様式の中で受け継いだのが(6)国際性 の部分というわけです。このことを認識しているかどうかで、ピントの合った内容が書けるかどうかの勝敗が決まります。

第 1 2 期 研究費部会 における科研費 の 改 善 ・充実及び 今後の 議論の方向性について( 中間まとめ ) 令和6年 6 月 2 4 日 科学技術・学術審議会 学術分科会研究費部会

①国際的に波及効果が高い学術研究の推進
(科研費(基盤研究)における研究の国際化等)
コロナ禍後の国際研究交流の回復傾向や、「基盤研究種目群」における基金化の拡大状況等により、今後は、「国際共同研究加速基金」以外の研究種目においても、更なる研究活動の国際化が期待される。
既に基盤研究等の枠組みでも国際競争力のある研究は数多く行われているところ、上記の環境の変化を踏まえ、「国際共同研究加速基金」として別枠で助成する仕組みではなく、審査によりそうした研究を見出し、助成する仕組みが必要である。
また、我が国の研究力の相対的・長期的な低下が懸念される中、現在の物価高や為替安等の厳しい社会情勢も踏まえ、研究者が国際競争力のある研究に十分取り組めるよう、応募額を尊重した研究費配分が望まれる。
このため、本部会及び振興会の学術システム研究センターにおける議論を踏まえ、「国際共同研究加速基金」について、その機能を勘案しつつ可能なものは段階的に「基盤研究種目群」等に統合していくこととする。その際、「基盤研究(B)」との間で実質的な差異がなくなった「海外連携研究」については、令和7年度助成から公募を停止し、速やかに「基盤研究種目群」等に統合することとする。
また、令和7年度助成に係る公募から、「基盤研究(A)・(B)・(C)」において「研究課題の国際性」を新たに評定要素に加え、高く評価された研究課題については、研究費配分額の充実により国際競争力のある研究に挑戦できる環境を実現することとする。更に、若手研究者の参画を要件としていた「海外連携研究」の「基盤研究種目群」等への統合後においても、国際共同研究の助成を通じた若手研究者の育成に資するよう、「基盤研究(B)・(C)」において、「研究課題の国際性」の評定要素で高く評価された研究課題であって若手研究者を研究代表者とするものを優先的に採択する枠組み(「国際・若手支援強化枠」)を設けることで、高い国際競争力を有する研究の量的拡大をも目指すこととする。https://www.mext.go.jp/content/20240624-mxt_gakjokik-000036755_1.pdf

上の資料を読んでいてちょっと驚いたのですが、国際性のアピールのセクションは実ははかなり大事みたいです。若手研究者で高い点数がついたものは優先的に採択すると言っています。若手、若手、と若手優遇政策が目につきますが、ついにここまで来たかの感があります。老兵去るのみですね。

しかし、国際性がない科学ってあるのか?と思いますので、今回の様式の変更は、改悪のような気がしています。自分と同じことを考えている人もきっと多いはず。

  1. 2025年度科研費申請書新様式(6)どのような国際性を有するか をどのように書けばいいのか?について

以上、各セクションの書き方をざっと見てきましたが、大事なことは指示を守るということです。つまり、このセクションにはこれを書けという指示がある以上、その指示を守る必要があります。学術的な問いが書いていない、もしくは、どの部分が問いか不明瞭というのは論外です。指示=評価ポイントなので、指示を守らない=得点が得られない=不採択にする格好の理由を審査委員に与える、ということです。また、一貫性があることも大事です。研究課題名と学術的問いと研究目的と研究計画・方法との間に一貫性がなくて、論点がブレていては採択はおぼつきません。

概要

さて4ページを書いたあとで、その内容を概要としてまとめて冒頭部分に書きます。概要から書き始める人がいるようですが、そうすると本文の要約になっていない代物ができあがってしまっていることに気づけない恐れがあります。本文に書いていない情報がなぜか概要に書いてあるというのは、典型的な失敗例です。

概要で第一印象が決まります。人間が初対面の人を判断するときにおそらくぱっと見の数秒でその人がどんな人かの判断を下すと思います。概要は「ぱっと見の数秒」で、ここで悪い印象を持たれると挽回するのは難しいでしょう。特に、日本語が変だったり、何が言いたいのかわからなかったり、論理的な流れが無かったりすると、審査委員の人は本文を真面目に読む気が失せるんじゃないでしょうか。

【概要でよくある失敗事例】

  1. 概要に本文よりも詳しい情報が書かれている(本文の要約になっていない)
  2. 概要を本文の一部として書いている
  3. 概要の1文1文につながりがない。
  4. 問題提起をせずに問題解決(=研究目的)を述べている
  5. 文章の流れに論理性がない
  6. 誤字脱字、日本語の文法的な間違いが存在する

 

2 応募者の研究遂行能力及び研究環境

さて、応募者の研究遂行能力及び研究環境を2ページにわたって書くわけですが、「及び」とあるからといって能力と「環境を1ページずつ書くものではありません。審査委員が特に知りたいのは能力のほうなので、能力に関して1.5ページ以上使って書いたほうがよいでしょう。まずは様式の指示を良く読みましょう。

応募者(研究代表者、研究分担者)の研究計画の実行可能性を示すため、(1)これまでの研究活動(主要な研究業績を含む)、(2)研究環境(研究遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等を含む)について2頁以内で記述すること。
「(1)これまでの研究活動」の記述には、研究計画に関連した国際的な取組(国際共同研究の実施歴や海外機関での研究歴等)がある場合には必要に応じてその内容を含めること。また、研究活動を中断していた期間がある場合にはその説明などを含めてもよい。

研究分担者についても書く必要があります。特に異分野の研究者と組んで研究体制を構築しているのであれば、研究分担者の業績は重要です。同じラボの人を分担者に置いている場合には、研究代表者の業績のほうが重視されると思います。でなければ分担者が自分で代表者として応募しろよということになるからです。

昔はここは論文のリストを見せるだけだったのですが今は真っ白な2ページが与えられているだけで、何をどう書いても構いません。採択された人がどう書いているのかを見せてもらったことがありますが、典型的な書き方は、文章でこれまでの研究内容を説明し(自分の業績を引用しながら)、そのあとで業績リストを示すというパターンです。やはり業績リストはその人の業績が一目瞭然ですので、審査委員にとって審査しやすいはずです。文章しかないと、この人はファーストで書いた論文はいくつあるんだ?どんなジャーナルに出してるんだ?といちいち細かく読み解く必要があり、そんな面倒なことはやってられません。かといって業績リストだけだと、たとえ論文数が多くてもそれらが今回のこの研究提案とどう関連してるんだ?という疑問が解消できません。やはり文章+業績リストがベストでしょう。

業績が無いからといって余白が半ページもあったりすると、ああ本当に業績がないんだ、そして、応募の熱意もないんだと思われます。業績が少ないのなら少ない業績を丁寧に文章や図で説明したり、原著論文だけでなく学会発表その他なんでも書くようにして、絶対に余白を作らないようにしましょう。原著論文の積み上げがしっかりある人は、学会発表などを書く必要はないでしょう。

余白があるのに、学会発表も書いていないと、学会発表すらしていない人と思われます。余白があるのに、共著論文が書いていないと、共著論文すらない人と思われます。つまり、あることを書いていない=その業績がない と判断されるので、あることは書けるだけ書いて余白をなくすようにしておかないと、損な見られ方をします。

過去の科研費採択歴を書くべきかどうかで悩む人もいるかと思います。十分な実績のある研究者であれば、いちいち過去の科研費採択歴を書く必要は全くありません。そうでない場合は、「科研費採択→論文化」のサイクルがきちんと達成できている人なら、それをアピールするのは効果的です。前回の科研費の結果の論文化が間に合っていないのなら、科研費採択歴を書くと論文のアウトプットがないことを馬鹿正直に申告してマイナスの印象を与えるだけなので、書かないほうが無難でしょう。

【よくある失敗事例】

  1. 余白が大きすぎる
  2. 書けるネタがあるのに(学会発表など)書かずに余白を残している
  3. 研究計画と業績との関連性を説明していない

 

経費(ウェブ入力)

経費をどれくらい具体的に細かく書くかは人それぞれです。国内 学会発表 と書いても採択される人はされますし、第XX会日本〇〇学会年会(福岡)参加 など具体的に書けばベターだと思います。海外も同様です。学会の開催地がどの国のどの都市あkで航空運賃もかなり変わってきますので、おおざっぱに何十万円と書くだけだといい加減な印象を与えかねません。

経費の必要性を作文する部分も丁寧に書きましょう。大型の機器がすでに研究室や大学に備わっている場合には、これこれはすでに設置されていて、消耗品のみ必要なので経費に計上したといった記述をするのも良いことだと思います。研究計画の内容が具体的にリアルに想像できる書き方が好ましいでしょう。当たり前のことですが、研究計画の欄で必要になりそうな経費が計上されていなかったり、計画欄で全く言及のなかったものが経費として計上されているのは不自然ですので、全体として矛盾がないか再度確認しましょう。

科研費申請書の各セクションの書き方は、別に文科省や日本学術振興会が細かく教えてくれるわけではありません。様式の指示や留意事項を「読み解く」ことは応募者の責任です。実際には審査委員が審査するので、審査委員がどう思ってどう評価するかが全てです。しかし審査委員の考え方も多様ですので、どんな人が読んでも評価される書き方をしておく必要があります。

 

審査区分選び

各セクションの書き方のヒントになりそうなことをつらつらと書いてきましたが、実は申請書を書くまえに「審査区分」を選んでおく必要があります。というのも、専門家向けに書いて申請書を完成させてしまうと、もうより分野融合的な審査区分に変更できなくなるからです。自分のこれまで経験からすると、専門分野の審査区分の中にも採択されやすいユルイところと激戦区なところとがあります。そういう競争の激しい激戦区となっている専門分野の審査区分と比較すると、分野融合的な審査区分あるいはより一般的な学問領域の審査区分のほうが、容易に採択されやすい傾向があるような気がします(肌感覚)。そういう審査区分は、応募者のバックグラウンドもバラバラで審査委員のバックグラウンドもバラバラですので、かなり一般読者向けの言葉遣いで申請書を書く必要があるわけです。オーラルのプレゼンを準備するときにまず聴衆がどんな人たちなのかを知ることが大事といわれるのと全く同じで、申請書の準備をするときには審査委員がどんな人たちなのかを知ることが大事です。多くの人が軽視して不採択をくらっていることですが、読み手が定まらないうちに書き始めてはならないのです。

  1. 科研費に採択される人と不採択になる人の違い

【よくある失敗事例】

  1. 自分の所属分野(プライド)にこだわって審査区分を選んでおり、テーマとのマッチングで選んでいない
  2. もっと容易に採択される可能性がある審査区分があることに気づいていない(KAKENデータベースを研究内容のキーワードで検索すれば、複数見つかることがあります)

書く順番

多くの人は概要から書き始めたり、様式の順番通りに背景から書いているのではないでしょうか。様式の6ページの空白を最初から埋めていく書き方が、一番お勧めできない方法です。申請書で重要なのは一貫性や整合性なので、まず最初に書くべきは、申請書全体の骨子、アウトラインだと思います。

  1. 本研究で知りたいこと、すなわち学術的な問いを1文、1~2行で書きだす。
  2. 学術的な問いに答えるための本研究のアプローチ、すなわち研究目的を1~2文、2~3行で書く。
  3. 研究目的を達成するのに必要な小実験課題の項目名を3つ程度書きだす(研究計画の骨子)。

以上が、申請書の背骨に相当する部分です。それができたら、手足か肋骨かわかりませんが、周辺部分に関係するところの骨格を書きだします。

  1. 背景から問いに至る論理的な粗筋をいくつかの文で簡単に書きだす。
  2. 学術的な問いに関連する研究動向を示すような、複数の論文を列挙し、それらのアプローチの限界点を書きだす。それらに対して、自分のアプローチの利点を書きだす。
  3. 自分のアプローチの独自性、創造性をそれぞれ1行ずつで書きだす。
  4. 研究がうまくいった場合の発展性や意義を1行で書きだす。
  5. 仮説を示す模式図を作る。図の中で、既知のこと未知のこと(本研究で知りたいこと)、検証したい部分に対応する小実験課題を決める。

このように本文を肉付けする前に、骨格となる部分を簡潔な文で書いてみることをお勧めします。ここまでしてから本文を書けば、申請書全体の骨格がブレる心配がなくなります。

 

大事なこと

科研費申請書の様式は、すべての学問分野に共通です。人文科学からコンピュータサイエンス、臨床研究、素粒子論、遺伝学、なんでもです。学問分野によっていろいろしきたりや作法が違うので、本来は一つの様式で事足りるとは思えないのですが、個別に様式をつくるわけにもいかないので一つで済ませているわけです。ですから、様式の指示の解釈は複数通りありえます。同じ研究領域でも、何をどのセクションにどれくらいの分量で書くかは、研究者の常識と良識に任されている部分があります。ですから、明確な意図をもって、ここにこれを書いたということが審査委員に伝われば、様式の解釈の正しさに必要以上にこだわる必要はないのではないかと思います。実際、何冊も出版されている科研費の教科書を読み比べても、どのセクションに何を書くべきかは必ずしも一致していません。科研費セミナーを聞いていても、セミナー講師が自分が解釈したことを話しているだけで、それに万人が賛成しているわけでもありません。JSPSや文科省の科研費担当部署に訊いても、何も教えてくれません。つまり、様式の指示は、「研究者の常識」に基づいて解釈して書けばよいのだと思います。

 

その他の注意事項

科研費の様式の指示や留意事項は、審査の評点と対応しています。日本学術振興会のウェブサイトには、審査における評定基準等 や 審査の手引 が公開されていますので、これらを読んでおけば、様式の指示を守ることの重要性がより一層感じられるはずです。

第三者に読んでもらうことの重要性(必須!)

かなり丁寧に科研費の書き方の説明をしたつもりですが、こういったノウハウを自分の申請書に日本語の文章として落とし込めない人が実際にはほとんどでしょう。そういう場合は、第三者に読んでもらうことを強く、強くお勧めいたします。大学内にそういう支援をしてくれる人がいない場合は、商用サービスを利用するのも手だと思います。

  1. ココナラ(科研費に特化した添削サービスを提供している個人)

研究内容を知りすぎているラボの同僚よりも、研究のことは何もわからない素人だが日本語力(論理的思考能力)だけはある配偶者やラボの秘書などのほうが的確な指摘をしてくれる可能性もあります。

科研費申請書の書き方、定番の教科書

  1. 狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方  2022/8/20 中嶋 亮太 著(アマゾンへ飛びます)
  2. 科研費獲得の方法とコツ 改訂第9版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略 *第9版が2025年7月に発売されました! 児島将康(アマゾンへとびます)

 

科研費を書く際の態度や考え方に関する話を知りたい人は、以下の記事も参考に。

  1. 採択される科研費申請書の書き方22のヒント

 

 

 

自分でチェックするときの観点

ただ読み返しても不備に気づけません。下のツイート先のスライドシェアに、ポイントがまとまっていました。これらが守られているか、一つ一つ自分の申請書をチェックしてみてはどうでしょうか。

科研費申請書執筆に役立つ書籍

申請書が書けなくて煮詰まっているのなら、書き方の指南書を通読するのに2時間くらい費やしてから自分の申請書に戻ったほうが、やるべきことが明確になりますので、むしろ効率よく書けます。急がば回れ。メリハリのある文章を書く秘訣を知りたければ、国語力アップのための本がお勧め。

(アマゾンへのリンクです)

 

今からでも個人的に頼める科研費申請書添削サービス

令和5年度 学術変革領域研究(A)(公募研究)を募集する領域一覧

2022年8月1日に令和5年度(2023年度)科研費のうち、若手研究、基盤研究(C)その他の研究種目の公募が開始となりました。科研費の季節が到来し、応募書類作成に取り掛かっている人が多いことと思います。基盤研究等はいわゆるボトムアップ型の研究助成で、研究者個人の自由な発想に委ねられていますが、それに対して、テーマがある程度絞られたトップダウン型助成もあります。科研費の場合は、学術変革領域研究(旧、新学術領域研究)がまさにトップダウンの助成になります。

さて、その学術変革領域研究(A)(公募研究)も公募が始まっています。

  1. 令和5(2023)年度 科学研究費助成事業 公募要領 学術変革領域研究(A)(公募研究)、新学術領域研究(終了研究領域)令和4(2022)年8月1日文部科学省(総ページ数178ページのPDF)

どんな研究領域で公募があるのでしょうか、公募要領を覗いてみたいと思います。

学術変革領域研究の公募スケジュール

学術変革領域研究(A)(公募研究)の公募期間は、令和4年8月1日~令和4年10月5日です。この締切日は大学が文科省に送信する送信期限なので、大学内の締切りはそれより何日も早いはずです。審査結果通知時期は、令和5年2月下旬。(参照PDF page 4)

学術変革領域研究(A)(公募研究)の対象となる領域

令和2(2020)年度及び令和4(2022)年度に開始された33研究領域の公募研究が、応募できる対象になります。(参照 PDF page 23)

学術変革領域研究(A)のうち「公募研究」を募集する研究領域一覧(33研究領域)

  1. 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 生涯学 https://www.lifelong-sci.jinkan.kyoto-u.ac.jp/ 
  2. 土器を掘る:22世紀型考古資料学の構築と社会実装をめざした技術開発型研究 土器を掘る http://www.fhss.kumamoto-u.ac.jp/archaeology/earthenware/
  3. 中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ 中国文明起源 http://www.chugokubunmei.jp/
  4. イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 イスラーム信頼学 https://connectivity.aa-ken.jp/
  5. 貧困学の確立:分断を超えて 子どもの貧困学 https://poverty-research.jp/
  6. 動的エキシトンの学理構築と機能開拓 動的エキシトン https://dynamic-exciton.jp
  7. 次世代アストロケミストリー:素過程理解に基づく学理の再構築 次世代星間化学 https://www.next-astrochem.com/
  8. ダークマターの正体は何か?- 広大なディスカバリースペースの網羅的研究 ダークマター https://member.ipmu.jp/DarkMatter/
  9. 高密度共役の科学:電子共役概念の変革と電子物性をつなぐ 高密度共役 https://x-con.jp/
  10. マテリアルシンバイオシスための生命物理化学 物質共生 https://material-symbiosis.jp
  11. 超秩序構造が創造する物性科学 超秩序構造科学 http:// www.hyperordered.org
  12. 散乱・揺らぎ場の包括的理解と透視の科学 散乱透視学 https://www.org.kobe-u.ac.jp/scattering_clairvoyance/
  13. データ記述科学の創出と諸分野への横断的展開 データ記述科学 https://data-descriptive-science.org/
  14. 「学習物理学」の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革 学習物理 https://mlphys.scphys.kyoto-u.ac.jp/
  15. 3 生体反応の集積・予知・創出を基盤としたシステム生物合成科学 予知生合成科学 https://bio-4cast.skr.jp/
  16. 光の螺旋性が拓くキラル物質科学の変革 キラル光物質科学 http://light-chiral-materials-science.jp/
  17. 超セラミックス:分子が拓く無機材料のフロンティア 超セラミックス https://supraceramics.jp/
  18. CO環境の生命惑星化学 CO world https://co-world.jp/
  19. グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 グリアデコード https://gliadecode.com/
  20. 2 不均一環境変動に対する植物のレジリエンスを支える多層的情報統御の分子機構 不均一環境と植物 https://plant-resilience.jp/
  21. 脳の若返りによる生涯可塑性誘導-iPlasticity-臨界期機構の解明と操作 臨界期生物学 http://iplasticity.umin.jp/
  22. マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界 多面的蛋白質世界 http://proteins.jp/
  23. DNAの物性から理解するゲノムモダリティ ゲノムモダリティ https://www.genome-modality.com/
  24. 素材によって変わる、『体』の建築工法 からだ工務店 https://www.architect-bio.info/
  25. 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学 行動変容生物学 https://braidyn-bc.jp/
  26. 力が制御する生体秩序の創発 生体秩序力学 https://multicellular-mechanics.org/
  27. 植物の挑戦的な繁殖適応戦略を駆動する両性花とその可塑性を支えるゲノム動態 挑戦的両性花原理 http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/flower/
  28. 生体防御における自己認識の「功」と「罪」 自己指向性免疫学 https://self-ref-imm-percept.biken.osaka-u.ac.jp/
  29. 実世界の奥深い質感情報の分析と生成 深奥質感 https://shitsukan.jp/deep/
  30. 社会変革の源泉となる革新的アルゴリズム基盤の創出と体系化 アルゴリズム基盤 https://afsa.jp/
  31. 分子サイバネティクス -化学の力によるミニマル人工脳の構築 分子サイバネ https://molcyber.org/
  32. 光の極限性能を生かすフォトニックコンピューティングの創成 極限光システム https://sites.google.com/view/photoniccomputing/
  33. マクロ沿岸海洋学:陸域から外洋におよぶ物質動態の統合的シミュレーション マクロ沿岸海洋学 https://macrocoast.jp/

学術変革領域研究(A)公募研究の研究期間

公募研究の研究期間は2年間です。

 

JST「次世代研究者挑戦的研究プログラム~博士後期課程学生支援プロジェクト~」採択大学と人数

次世代研究者挑戦的研究プログラムとは

事業統括の役割

次世代研究者挑戦的研究プログラムの公募

 

次世代研究者挑戦的研究プログラムへの期待

 

次世代研究者挑戦的研究プログラムの懐疑点

次世代研究者挑戦的研究プログラムに採択された40の大学

大学名、事業統括の氏名 プロジェクト名 予定人数 です。

東京大学 大越 慎一 グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成 600
京都大学 江上 雅彦 京都大学大学院教育支援機構プログラム 515
東北大学 山口 昌弘 東北大学高等大学院博士後期課程学生挑
戦的研究支援プロジェクト
511
北海道大学 石森 浩一郎 Society 5.0を牽引するDX博
士人材育成のための研究支援プロジェク
ト
467
大阪大学 森井 英一 学際融合を推進し社会実装を担う次世代挑戦的研究者育成プロジェクト 420
筑波大学 加藤 光保 学問分野の壁を超えて多様な人材と共創できるトランスボーダー型価値創造人材
育成プロジェクト
351
九州大学  君塚 信夫 未来を拓く博士人材育成のためのオープ
ンプラットフォーム型教育システムの構
築
349
名古屋大学/
岐阜大学
藤巻 朗/
植松 美彦
東海国立大学機構融合フロンティア次世
代研究事業
320
慶應義塾大学 武林 亨 未来社会のグランドデザインを描く博士人材の育成 263
広島大学 安倍 学 広島大学創発的次世代研究者育成・支援プログラム 199
東京工業大学 神田 学 殻を破るぞ!越境型理工系博士人材育成―総合知の創造と社会変革に貢献する― 187
早稲田大学  笠原 博徳 早稲田オープン・イノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム 180
千葉大学 中山 俊憲 全方位イノベーション創発博士人材養成プロジェクト 150
金沢大学 中村 慎一  突破力をもって分野の壁を破壊し、新たな価値を創造する次世代精鋭人材創発プロジェクト 120
東京医科歯科
大学
 礒村 宜和 TMDU卓越大学院生の挑戦的研究支援プロジェクト 120
東京農工大学 五味 高志 FLOuRISHフェローシップ事業 120
大阪市立大学
/大阪府立大
学
重松 孝昌/
河北 哲郎
 リゾーム型研究人材育成プログラム 70
熊本大学 高島 和希 Well-Being 社会を先導する異分野横断型博士人材育成プログラム 60
新潟大学 本田 明治 未来のライフ・イノベーションを創出するフロントランナー育成プロジェクト 50
立命館大学 徳田 昭雄 立命館先進研究アカデミー(RARA:Ritsumeikan AdvancedResearch Academy)次世代研究者育成プログラム 45
山口大学 堤 宏守  “シン・文殊グループ”を核とする異分野
融合研究実践型博士後期課程学生育成プ
ロジェクト
36
岡山大学  那須 保友  岡山大学次世代研究者挑戦的研究事業(O
U フェローシップ タイプ B)
30
同志社大学 塚越 一彦  同志社大学大学院博士後期課程次世代研
究者挑戦的研究プロジェクト
30
北陸先端科学技術大学院大学 山口 政之 未来創造イノベーション研究者支援プロ
グラム
30
電気通信大学 米田 仁紀 独自ネットワーク形成を行う、開発主導型
博士学生研究・教育支援プログラム
24
徳島大学 安友 康二  研究クラスターを核とした学際的イノベ
ーション人材の育成 -徳島大学うずしお
プロジェクト-
24
名古屋市立大学 澤本 和延 グローバル未来都市共創に資する次世代
研究者エンパワメントプログラム
20
京都工芸繊維
大学
吉本 昌広 京都産学共創 異分野融合人材育成フェロ
ーシッププログラム
18
東京薬科大学 林 良雄 未来医療創造人育成プロジェクト 『BU
TTOBEぶっとべ』~Beef Up Toyaku Talents to go
BEyond the border
18
三重大学 金子 聡  環境循環型社会に資する地域と連携した
若手研究者育成支援
16
青山学院大学 黄 晋二 AGUフューチャーイーグルプロジェクト(AGU Future Eagle Project) 15
東京農業大学 志和地 弘信 グローバルで食料生産向上に挑戦する高度人材養成包括的プロジェクト 15
奈良女子大学 遊佐 陽一 奈良女子大学博士後期課程学生支援 SGC+(Shattering the glass ceiling and beyond)プロジェクト 14
名古屋工業大学 井門 康司 複数指導教員体制による新しい研究分野を開拓する次世代研究者育成プロジェクト 12
山梨大学 西田 継 VUCA時代対応型博士人材育成プロジェクト 11
総合研究大学
院大学
青野 重利 「SOKENDAI 特別研究員(挑戦型)」制度による次世代研究者の支援・育
成の推進
10
東京都市大学 田口 亮 アジア大洋州地域の発展をリードする次世代のグローバル研究者育成プログラム 10
甲南大学 村嶋 貴之 地域連携プラットフォームを活用する産学・官学連携インターンシップによるトランスレーショナル人材の育成 5
奈良先端科学
技術大学院大
学
飯田 元 「先端科学技術融合分野におけるイノベーティブ博士人材支援プロジェクト (NAIST Touch Stone)」 5
(合計) 5450

参照元:https://www.jst.go.jp/pr/info/info1519/pdf/info1519.pdf

 

次世代研究者挑戦的研究プログラムが生み出す大学院格差

東京大学600人

北海道大学467人

 

大阪大学420人

筑波大学351人

  1. 次世代研究者挑戦的研究プログラム ~博士後期課程学生支援プロジェクト~ について 筑波大学

九州大学349人

千葉大学150人

  1. 千葉大学は「次世代研究者挑戦的研究プログラム」に採択されました。 ‥ 千葉大学では学長を事業統括とした「全方位イノベーション創発博士人材養成プロジェクト」を開始し、博士後期課程の全専攻(4年制大学院を含む)を対象に優秀な学生150名を選抜して、1人あたり年額204万円の生活費相当額と年額50~150万円の研究費を支給するとともに、様々なキャリアパス支援に向けた取り組みを行っていきます。 これにより、我が国の超高齢少子化や大規模災害等の課題、新規感染症等の人類共通の課題に迅速に対応し、様々な研究分野やセクターでイノベーションを創発する博士人材の養成を目指します。(千葉大学)

東京医科歯科大学120人

金沢大学120人

 

電通大21人

名古屋市立大学

 

青山学院大学

山口大学

同志社大学

東京都市大学

総合研究大学院大学(SOKENDAI)

 

山梨大学

岐阜大学

  1. 岐阜大学はJST「次世代研究者挑戦的研究プログラム」に採択されました岐阜大学は,名古屋大学と共同で申請した国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」に採択されました。これにより,「東海国立大学機構融合フロンティア次世代リサーチャー事業」として,博士課程に在籍する優秀な学生に経済的支援を行い,また,企業等で求められるスキルを身につけるコースを用意することで就職等への不安を払拭し,研究に専念できる環境を用意するプログラムを実施します。本年度(10月から支援)の公募は,令和3年9月9日(木)から9月24日(金)13時まで行います。この期間内に,申請書等をご提出ください。(岐阜大学)

科研費の研究種目選び 基盤研究(C)か基盤研究(B)かを選ぶ5つのポイント

今年の科研費の締切日は大型予算は2か月、基盤研究(C)や(B)は1か月前倒しになります。今まで科研費のシーズンと言えば10月と体に沁み込んでいる人は、体内時計(季節時計)を修正する必要があります。

令和4(2022)年度の科学研究費助成事業の公募、内定時期の前倒し等について(JSPS)

さて、これまでコンスタントに基盤研究(C)をとれている研究者の中には、そろそろ基盤研究(B)にチャレンジしてみたいという人がいるかと思います。しかし、今の科研費の制度のもとでは基盤研究に採択されれば満額の場合2000万円、ところが、どんなに素晴らしい研究をしていても、どんなに素晴らしい研究提案を書いたとしても、激しい競争の末、不採択ということになると得られる研究費はゼロ円です。

2000万円かゼロ円か、という恐ろしい賭けに身を投じないといけないわけで、研究の継続性という観点からはこの制度は非常に宜しくないと思います。手堅く基盤研究(C)かチャレンジして基盤研究(B)に出すかは、非常に悩ましい選択でしょう。どのような考えでCかBかを選べばよいのでしょうか。

一人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究
基盤研究(A)3~5年間 2,000万円以上 5,000万円以下
基盤研究(B)3~5年間  500万円以上 2,000万円以下
基盤研究(C)3~5年間  500万円以下

(基盤研究(A・B・C) 日本学術振興会)

非常にナイーブに考えれば、自分の研究計画を実施するのにかかる経費が500万円を超えるのであれば、基盤研究(C)の次に金額が大きい基盤研究(B)に出そうということになります。しかしながら、このような選び方は全く現実的ではありません。なぜなら、基盤研究(C)の「500万円以下」と基盤研究(B)の「500万円以上」は、数直線のように連続的につながってはいないからです。

自分の業績で決める

基盤研究(C)に採択されることと基盤研究(B)に採択されることとの差は、計上する経費の総額の差ではなく、申請者の業績の差を反映します。ひとつの審査種目の中で業績がある程度ある研究者同士の競争になるわけですから、科研費の申請書が良く書けているのは当たり前で、実現可能性を見る際には研究者の過去の業績がかなり重視されるはずです。

実際に審査した経験からいうと,基盤研究(B)と基盤研究(C)の間には,かなりのレベルの違いがある.両者の採択率はほとんど変わらないが,基盤研究(B)になると優れた業績(ということはインパクトファクターの高い雑誌に掲載された論文)をもっていて,これまでにも基盤研究(B)以上の研究費を獲得している研究者が多く,かなりハイレベルの競争になる.

(引用元:第1回 応募種目の選び方 児島将康 先生 羊土社)

 

ライバルを見て選ぶ

科研費は、自分が選んだ土俵でのライバルとの競争で採否が決まりますので、自分が出そうとしている審査区分(小区分)でどんな研究者が採択されているか、ライバルチェックしてみる必要があります。KAKENデータベース上で小区分の名称で検索をかけると、採択課題の情報が一覧されます。研究者名をクリックして、さらにその人のリサーチマップ情報に飛べば、極めて簡単にその人の論文業績を調べることが可能です。例えば、

基盤研究(B) 免疫学関連 2021年

で検索してみると、この審査種目(小区分)では基盤研究(B)はたかだか10件しか採択されていません。どの種目もそうですが、この10人程度の中に自分が食い込めるかどうかを考えてみるのが良いと思います。

審査委員を見て選ぶ

採択を決めるのは審査委員です。基盤研究(B)だと6人の審査委員がいますが、審査委員の任期を終えた人の氏名や所属は公開されますので、だいたいどんな研究分野の人がその審査種目を審査しているのかの「幅」がわかります。自分の仕事はそのような顔ぶれの人たちに知られているのか、高い評価をしてもらえそうかを見極めるのも大事です。

審査委員名簿 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会

第1段審査(書面審査)委員 平成29年度 基盤研究(B)

基礎医学(免疫学関連 など)

必要性に応じて選ぶ

そもそも自分はなぜ基盤研究(B)を獲りに行きたいのかを考えてみることも大事でしょう。基盤研究(C)でも研究を進められそうならなぜBが欲しいのでしょうか。ラボを回すためにBは必要?技術員(ラボテクニシャン)を雇用したいから基盤Bが必要?次に独立ポジションを狙いたいから、ラボの立ち上げには基盤Cでは足りない?

今、絶対に基盤研究(B)が必要というわけでもないのなら、リスクを冒す必要はあるのでしょうか。

 

リスクを考えて選ぶ

不採択のリスクを最小にできるのであれば、思い切って一つ大きい予算の研究種目に応募してみるのも良いでしょう。例えば、4年間の研究期間の基盤研究(C)を持っていて、前年度申請を利用するとか、研究がもうすこしかかりそうなので研究期間を延長する予定だから最悪、基盤Bがとれなくてもなんとかなるとか。AMEDやその他、民間財団からの研究助成があるので、仮に基盤Bを今回落としたとしても研究が滞る恐れがないというのであれば、チャレンジするのもありかもしれません。

 

どの研究種目に応募するかは、人に言われて決めるようなことではありませんので、全くもって余計なお世話の記事となりましたが、個人的な考えとしては、基盤Bを考えるのであれば、やはり自分の研究分野のトップジャーナルに論文を出すのが先決なのではないかと思います。

科研費に採択されるための教科書と副読本、厳選5冊

科研費の申請をしてあたり前のように採択される研究者がいる一方で、なかなか採択されずにいる研究者もいます。不採択になる原因はいくつかありますが、書き方のコツがわかっていない場合がほとんどです。残念ながら、実際的なコツというものは、公募要領にも計画調書の注意書きにも書かれていません。

そういったコツはどこで知ることができるかというと、科研費に採択されるための教科書として執筆された書籍の中にあります。ですから、これらの本を読んでから申請書作成に取り掛かることをお勧めいたします。でなければ、既に科研費を獲っている先輩や先生にお願いして、自分が書いた申請書を読んでもらったり、採択された申請書を見せてもらったりしましょう。コツを知らずにひとりよがりで書いている限り、何年チャレンジを続けても不採択にしかなりません。

科研費獲得の方法とコツ

児島 将康 著『科研費獲得の方法とコツ 改訂改訂第8版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略』2022/7/14 羊土社

これはもう定番中の定番ですね。科研費の制度に変更があるたびに、タイムリーに改訂版が出ていて、一番みなに頼られているのがこの本。この本を読んでいない人はいないのでは?と思えるくらいに普及しています。だから、買ったけど読んでいないなどと呑気なことを言っていると、差がつきます。しっかり読み込んで、自分の申請書作成に活かしましょう。

  1. 科研費獲得の方法とコツ 改訂第9版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略 *第9版が2025年7月に発売されました! 児島将康(アマゾンへとびます)

 

狙って獲りにいく!

中嶋 亮太『狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方』 2022/8/20  すばる舎

ベストセラーをいといろ出しているすばる舎がついに科研費本にまで進出してきたかと、ちょっと驚きました。自分も早速買って読みましたが、実は自分が普段科研費の申請書に関して思っていることと一番近いことが書いてあるのがこの本でした。なので、自分は周りの研究者にはこの本を勧めまくっています。

児島 将康氏の本はオーソドックスな教科書で、初心者からベテランまで万人向けだと思います。この中嶋 亮太氏の本は、もっとメリハリの効いた書き方をしていて、科研費の申請書をある程度書きなれているけど、なかなか採択されない人にピッタリはまるのではないかと思います。

『狙って獲りにいく! 科研費 採択される申請書のまとめ方』 中嶋 亮太 2022/8/20  すばる舎(アマゾン)

審査委員の生の声は、若い研究者はなかなか聞く機会がないと思いますが、この本の著者はそのあたりもきっちり取材していて、審査委員の生々しい審査の実態が紹介されています。全ての審査委員が同じように審査しているわけではないので、あくまで、こういう審査をする審査委員もいるという受け止め方をしたほうがいいとは思います。

 

科研費 採択される3要素: アイデア・業績・見栄え

郡 健二郎 著『科研費 採択される3要素 第2版: アイデア・業績・見栄え』2017/7/3 医学書院

この本が刊行されたあとで計画調書の書式に大きな変更があったため、若干内容に古いところも出てきてしまっているのが惜しい。例えば、要旨のスペースは以前は厳格だったが、今では行数の指定が取れたためこの本で強調されているほどの緻密さは必要なくなったかもしれない。しかし、医学部の先生による本なので、医学部の先生にはこっちの本のほうがしっくりくるかもしれない。本質的なところを読み取れる読者なら、どっちの本でも良いと思います。書籍タイトルで重要ポイントを言いつくしていますが、その意味するところを本当にわかって書かないと採択されません。例えば、業績があるということと、業績を申請書の中でしっかりアピールできているということとは、全く別の話です。業績があるからと言って、業績リストをただ載せただけでは、いまどき、他の申請書と比べられたときに見劣りします。きちんと、研究目的や研究計画のセクションの中で業績の関連性のアピールしておくことは必須。

科研費 採択される3要素 第2版: アイデア・業績・見栄え 2017/7/3 郡 健二郎 (アマゾン)

 

科研費の書き方のノウハウがわかっても、肝心の日本度運用能力が低いと審査委員を説得できません。以下に紹介する本は、読み易く伝わる日本語の書き方を教えてくれます。

100ページの文章術

酒井 聡樹『100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに』2011/3/10 共立出版

研究者のタマゴ向けの著作もある著者による、日本語の文章の書き方の本。科研費は日本語で書くので、日本語を書く能力を上げることが、採択への早道となります。採択されない先生の書いた文章の特徴は、非専門家が読んだときに理解できない文を書いてしまっているところ。科研費の審査委員は、同じ研究領域の専門家に当たるとは限りません。若手研究や基盤研究(C)の場合は4人の審査員がいるので、4人とも申請者と同じ専門ということはありえません。4人のうち一人でも、「わかりにくい!」と思って悪い点を付けると、残り3人がそこそこ良い点を付けてくれたとしても挽回できません。非専門家が読んでもわかるように書けるかどうかは、採択されるための最低条件です。

『100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに』2011/3/10 酒井 聡樹 共立出版(アマゾン)

 

わかりやすい文章の書き方ガイド

林 健一『こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド』2014/10/8 ライフサイエンス出版

どちらかといえば学生向けであった100ページの文章術で飽き足らない人に薦めたいのが、この本。シニアレベルの研究者でも、徹底的に鍛えられます。内容は医学系なので、科研費申請書の執筆に必要な日本語力にちょうど照準があっています。「演習」を面倒くさがらずにやってみてください。結構ハードで時間も取られますが、それだけのご利益があります。

サッカーの三笘選手は、なぜ自分のドリブルは相手を抜けるのか?で筑波大学の卒業論文を書いたそうですが、この『わかりやすい文章の書き方ガイド』を読んで書き方を一度ものにすれば、なぜ自分の文章はわかりやすいのかを自分で理解したうえで書けるので、適当に書いて失敗する危険を減らすことができます。

こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド   2014/10/8 林 健一 (アマゾン)

 

学振申請書の書き方とコツ

科研費ではなく学振ですが、ついでに紹介しておきます。本質的なことは変わりありません。

学振申請書の書き方とコツ 改訂第2版 DC/PD獲得を目指す若者へ 2021/3/22 大上 雅史 (アマゾン)

 

科研費が不採択だったら、開示された審査結果を分析して改善点を探そう

科研費で採択された場合、どれくらい余裕でボーダーを超えていたのかがわかりませんが、不採択だった人には、審査結果が開示されます(2月末の採択通知になってからは、4月の上旬くらいの時期だったと思う)。それを見れば、落ちた人の中でのおおざっぱな位置づけがわかります。

おおよその順位は「A」でした。なら、審査区分における採択されなかった研究課題全体の中で、上位20%に位置していた、ということです。とても惜しいですね。

おおよその順位は「B」でした。なら、審査区分における採択されなかった研究課題全体の中で、上位21%~50%に位置していた、ということです。改善の余地が大いにあります。

おおよその順位は「C」でした。なら、審査区分における採択されなかった研究課題全体の中で、上位50%に至らなかった、ということです。採択されるためには、劇的に改善させる必要があります。

採否が決まるのは「総合評点」によりますが、参考として、評定要素ごとの点数がつけられその情報も開示されます。評定要素は、①研究課題の学術的重要性、②研究方法の妥当性、③研究遂行能力及び研究環境の適切性 の3つです。総合評点は相対評価ですが、評定要素ごとの評点は絶対評価でつけられます。一人の審査委員が4点満点(1点~4点)で評点をつけ、若手研究や基盤研究(C)だと4人審査委員がいるので、合計点を4で割って算出した平均点が開示されます。採択課題の平均点は3点を少し超えるくらいです。3.25点だとすると3.25×4=13点、つまり4人の評点が(3、3、3、4)なら平均的な採択者になれます。平均点なので、もっと悪くても採択されている人はいるのでしょう。

自分の点数から、一番ありそうな審査委員4人の評点分布を予想してみる:

  • 3.25点 ⇒ 3点、3点、3点、4点
  • 3.00点 ⇒ 3点、3点、3点、3点
  • 2.75点 ⇒ 3点、3点、3点、2点
  • 2.50点 ⇒ 3点、3点、2点、2点
  • 2.25点 ⇒ 3点、2点、2点、2点
  • 2.00点 ⇒ 2点、2点、2点、2点

採択者の平均レベルに達するためには、3(良好である)は最低確保すべきで、一人くらいが4(優れている)をつけてくれればよいということになります。

平均点が2.25点だとかなり低いと感じますが、それでもみんなが2点をつける中で、3点をつけて評価してくれた人が一人はいたのだということがわかり、励みになります。

また、1や2をつけた審査委員は、さらに細かく何が悪かったのか、その項目に*印をつけて教えてくれます。

(2)【審査の際「2(やや不十分である)」又は「1(不十分である)」と判断した項
目(所見)】

評点「2(やや不十分である)」又は「1(不十分である)」が付された評定要素に
ついては、そのように評価した審査委員の数を項目ごとに「*」で示しています。(最
大4個)

評定要素 項目    審査委員の数

①研究課題の学術的重要性   

  • 学術的に見て、推進すべき重要な研究課題であるか   **
  • 研究課題の核心をなす学術的「問い」は明確であり、学術的独自性や創造性が認められるか
  • 研究計画の着想に至る経緯や、関連する国内外の研究動向と研究の位置づけは明確であるか
  • 本研究課題の遂行によって、より広い学術、科学技術あるいは社会などへの波及効果が期待できるか

②研究方法の妥当性     

  • 研究目的を達成するため、研究方法等は具体的かつ適切であるか。また、研究経費は研究計画と整合性がとれたものとなっているか   * *
  • 研究目的を達成するための準備状況は適切であるか

③研究遂行能力及び研究環境の適切性   

  • これまでの研究活動等から見て、研究計画に対する十分な遂行能力を有しているか   *
  • 研究計画の遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等、研究環境は整っているか

3.その他の評価項目の評定結果
研究経費の妥当性について
「研究経費の内容に問題がある」と評定した審査委員はいませんでした。

4.留意事項
人権の保護及び法令等の遵守を必要とする研究課題の適切性について
「法令遵守等の手続き・対策等に不十分な点が見受けられる」と指摘した審査委員はいませんでした。

 

「研究目的を達成するため、研究方法等は具体的かつ適切であるか。また、研究経費は研究計画と整合性がとれたものとなっているか」というのは2つの異なる観点を含んでいるため、ここに*印が付いていた場合、前半と後半のどちらが該当するのかがわかりません。これはJSPSに改善してもらいたいものです。

上述した情報を踏まえて、あらためて不採択になった計画調書を読み返せば、計画調書のどの部分がこれらの低評価と対応するのかが、見えてきます。もし自分で見当がつかないのであれば、同僚などに頼んで読んでもらいましょう。

次こそは採択されたいというあなたへお勧めの記事

⇒ 採択される科研費計画調書の書き方と申請書作成の戦略22のポイント

採択される科研費申請書を書くためのノウハウ集です。ネット上の有益なアドバイスを総まとめにしました。

 

落ちる科研費の申請書の典型例

問題設定がない

「論文報告がないので、本研究を行う」という論調で科研費申請書を書く人が非常に多いのですが、なぜその研究を今やるの?という読み手の疑問に答えないままいくら実験の詳細を書いても、研究の価値を認めてもらえません。分野外の人が読んでもわかるような易しい言葉遣いで、当該領域の問題が何なのか、なせその問題設定をする必要があるのかをしっかり述べるべきです。問題提起をして初めてそれに対する解決策としての実験目的・実験計画が意味を為すのです。問題提起を丁寧に説明している申請書は、たとえ専門外の審査委員が読んだとしても、この領域は自分はよくわからないけれども、重要な研究みたいだということは伝わります。

独自性が独りよがり

「本研究に関しては他に論文報告がないので独自性がある」と申請書に書いてしまう人がとても多いみたいですが、それだけ書いても全く説得力がありません。これは採択されない申請書の典型的な書き方と言えます。

関連記事 ⇒ 採択される科研費申請書の書き方22のヒント

 

まずこれを読みましょう

多くの研究者が科研費の申請書の書き方に関する教科書を読んでおり、申請書のレベルは一昔前よりもあがっています。今どき、これらの本を読んでいなければ差は広がる一方なのではないでしょうか。

とくにシニアレベルの研究者で最近科研費が取れなくなっている場合は、古臭い書き方を続けているのが不採択の原因かもしれません。なぜなら科研費は、他の(若くて勢いのある研究者らの)申請書と比較されて採否が決まるからです。当然、見栄えも大事になってきます。ぱっと見で見劣りしたら負けます。

  1. 科研費 採択される3要素 第2版: アイデア・業績・見栄え 2017郡 健二郎

「科研費 獲得の方法とコツ」が定番中の定番ですが、今年2022年8月20日、あらたな科研費バイブルが登場しました。狙って獲りにいく科研費 です。審査委員がどうやって審査しているのかを徹底解説しており、落とされにくい科研費申請書とはどのようなものかを解説しています。科研費本も増えてきましたが、自分の感覚に一番近いのは、この、狙って獲りにいく科研費 かもしれません。

  1. 狙って獲りにいく!科研費 採択される申請書のまとめ方 2022 中嶋 亮太

それと、実は「科研費改革と研究計画書の深化」というマイナーな本が自分は好みです。絶版なのかアマゾンでの中古の価格が高騰してしまっていますが、研究支援部署の大学職員の方が、長年の添削経験に基づいて書いており、非常に納得させられる内容です。読者ターゲットは研究者というより研究支援者なのかもしれませんが、当然のことながら研究者が読んで役に立つ内容です。

論理的とは?

申請書を論理的に書かない人は、論理的じゃない人。論理的じゃない人は研究できない人。研究できない人には研究費をあげられない、と思われると思います。

  1. マンガでやさしくわかる小学生からはじめる論理的思考力 苅野 進

 

日本語からやり直そう

話すのと書くのは大違い。学会発表ができるから文章も書ける、ということは決してありません。日本語の文法や語法を守っていない人は論外ですが、理解できない、伝わらない文章を審査委員に読ませておきながらお金をくれというのはいかがなものかと思います。

  1. こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド 林 健一 (amazon.co.jp)

最近思うのですが、やはり文豪が書いた文章や何百年も前にかかれていまだに読み継がれている本などは、非常にうまく書かれています。そういういい文章に日頃から親しんでおくことは、科研費の文章を書くときに役立ちます。最初から始めて、最後で終わるまでによどみなく、ぎくしゃくせずに一貫した流れをつくるイメージをもつことが大事。それってつまりはいい小説と同じなんじゃないかなと思ってます。直接的ではないですが、何かしらプラスになるんじゃないでしょうか。

 

何が悪かったの?

自分が書いた文章の欠点は、書いた本人はなかなか気付けないものです。誰かに読んでもらうのが一番。同僚、先輩、先生、部下、URA、研究支援部署の事務職員、国語力のある配偶者や親兄弟に頼めればいいのですが、適任が見当たらなければ、商業的な添削サービスを利用してみてはいかがでしょうか。

提供されるサービス内容や新規依頼受付の有無等に関してはそれぞれのウェブサイトをご参照ください。科研費応募時期には依頼が殺到して受付けてもらえない恐れもあると思います。説明文はサイトからの引用です。

  1. coconala 個人のスキル・経験を、必要とする人に結びつけるプラットフォーム。←「科研費チェック」、「科研費」などのキーワードで検索すると、科研費の添削サービスを個人で提供している人が見つかります。
  2. 科研費の添削.com 科研費の申請のプロであるURAによる添削サービス 添削支援の流れ
  3. 科研費.COM 申請書の添削サービス お申し込みの流れ
  4. ジーラント株式会社 科研費申請書の添削サービス(個人向け)科研費申請書のプロフェッショナル添削サービスです。 ← 『科研費獲得の方法とコツ』の著者 児島将康氏が立ち上げた会社。
  5. ROBUST JAPAN 科研費申請支援サービス 個別に申請書内容のレビューを実施 お早めにお問い合わせください
  6. クリムゾン・ジャパン 科研費申請支援申請書作成のノウハウを解説するコンサルティングや講演を実施するほか、個別に申請書内容のレビューを実施
  7. アスナル 研究申請調書の第3者的視点からのレビューや様式点検、若手研究者等についてはテーマ探索や研究計画立案上の基本事項に係るアドバイスなど
  8. educe 支援業務 概要一覧 申請書類のブラッシュアップを目的とした、個別のレビュー・添削を行います。
  9. 株式会社 早稲田大学アカデミックソリューション

 

論文があれば

科研費は相対評価、競争なので、他の人よりも論文業績で劣っていたら、いくら申請書の質を上げても限界があります。

  1. できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか ポール.J・シルヴィア (amazon.co.jp)

 

2025年4月記

科研費が不採択だったら、申請書PDFをChatGPTに投げて、査読してもらおう!というべきだったかもしれません。自分は有料版(月20ドル)を使っていますが、研究費じゃなくて自腹切って払っても惜しくないくらいに自分の優秀な助手として働いてくれます。どんだけこき使っても文句を言いません。同じようなことを繰り返しさえても切れません。科研費申請書のPDFをアップロードしてやると、1秒くらいで査読結果を返してきます。できるだけ厳しく、辛口の審査委員の立場でお願いすればそうしてくれます。傷つきたくなければ、好意的な査読をお願いすることもできます(不採択者には無意味ですが)。

個人情報をアップロードするのであれば、情報流出防止のため、ChatGPTのアカウントで、設定→データコントロール→全ての人のためモデルを改善する をオフにしておきましょう。これで自分の個人情報などがAIに学習されて他人の検索でうっかり使われる恐れがなくなります。

  1. サムスン、ChatGPTの社内使用禁止 機密コードの流出受け 2023.05.03 08:45

 

こちらの記事もどうぞ!

科研費が不採択だったら、申請書PDFをChatGPTに投げて、査読してもらおう!

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表される

新学術領域研究2019年度新規採択課題・領域代表が発表されました。

研究期間 (年度) は、2019-06-28 – 2024-03-31です。

研究課題名 研究代表者
超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 高谷 直樹 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授
人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域代表者 石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 岡田 康志 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授
「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究 津本 浩平 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 太田 順 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授
高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用 岩田 想 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 教授
多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授
全能性プログラム:デコーディングからデザインへ 小倉 淳郎 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他
マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 小松 雅明 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学 入山 恭寿 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学 田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 教授
地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 井上 邦雄 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授
水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 加藤 隆史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
機能コアの材料科学 松永 克志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授
変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot 野中 正見 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, その他
量子液晶の物性科学 芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授
出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 松本 直子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授

(出典:KAKEN)

採択?不採択? 2018年度科研費交付内定が通知される

 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

関連記事 ⇒ 2020年度(令和2年度)科研費交付内定が通知

関連記事 ⇒ 2019年4月1日科研費の採択が通知される

 

毎年4月の初日は科研費当落の通知があるため(種目によっては6月)、研究者はハラハラドキドキさせられたあげく、歓喜、または、残念さのどちらかを味わうことになります。科研費に纏わるツイートをいくつか紹介します。

科研費が採択されたかどうかの判別法

科研費が通ったかどうか、いつもわかりにくいです。特に、落ちている場合。

基盤Aの話題

 

基盤Cの話題

若手A廃止の話題

 基盤S通知の時期

科研費全般の話題


 

科研費獲得の方法とコツ 改訂第5版
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

 

追記


 

20170704追記 関連記事 2017年に新しく採択された20件の新学術領域研究(研究領域提案型) のテーマと領域代表者氏名

 

20170702追記
日本学術振興会のウェブサイトによれば、挑戦的研究(萌芽)、挑戦的研究(開拓)および新学術領域研究(研究領域提案型)の新規研究領域の交付内定が2017年6月30日にありました。

従来の「挑戦的萌芽研究」にかわって、「挑戦的研究(萌芽)」および「挑戦的研究(開拓)」が新設されたことに伴い、”挑戦的研究”が基盤研究等とは全く異なる性格の研究助成であることが、制度導入の際にしきりに強調されていました。審査においても同様で、単に優れた研究であるだけでなく、”これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画”かどうかは、採択、不採択を分ける一つの重要なポイントになったようです。

 

659Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:09:44.18
今回はほんとに充足率100%なんだな
661Nanashi_et_al.2017/06/30(金) 17:50:01.44
俺も500万で申請して満額認められたわ
712Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 00:41:59.34
萌芽もう結果出てるんだ
ダメだったんだな
713Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 06:18:49.63
これで海外の研究会には行かれなくなった。
論文の投稿先も変えることになった。
残念。
729Nanashi_et_al.2017/07/02(日) 23:02:18.69
基盤通らず萌芽しか通らない万年助教です。
見たら絶望的萌芽通ってた。充足率すげー。

 

児島 将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第7版』 2020.8.20 羊土社
科研費 採択される3要素 第2版
いかにして研究費を獲得するか

 参考

  1. 日本学術振興会 NEWS 2017年6月30日
  2. 科研費総合スレ Part 3 (https://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/rikei/1493614598/)
  3. 新学術 南極の海と氷床 南大洋・南極氷床から地球の未来を探る 熱-水-物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床
  4. 新学術領域研究(研究領域提案型)リンク集(各領域において運営されているホームページ)(日本学術振興会)
  5. 平成29年度 新学術領域研究(研究領域提案型) 領域計画書 応募情報(Web 入力項目)作成・入力要領 (PDF) (MEXT)
  6. 挑戦的研究(開拓・萌芽)の応募に当たっての留意事項(1)(PDF) 挑戦的な研究課題を支援する観点から、応募額を最大限尊重した配分(特に(萌芽)については、応募額の100%を基本とした配分)を行う予定です。
  7. <平成29年度における主な変更点等>(PDF)① 挑戦的萌芽研究を見直し、新たな種目「挑戦的研究(開拓・萌芽)」を設けました。(挑戦的萌芽研究の公募は行いません。)
  8. 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について 平成28年12月20日 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について 概要  (PDF:812KB) PDF
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(本文)  (PDF:840KB) PDF :”挑戦的な研究が減退しているという傾向が今後も継続するとすれば、我が国の学術研究がその本来的な役割を果たすことができなくなることが危惧される。(page 2) ..  ・現行の科研費は「基盤研究」種目群を基幹として、全ての学術研究を通じて「挑戦性」を求めてきているが、学術の昨今の動向に即してより一層挑戦的な研究への支援を強化するに当たり、次のとおり、それぞれの種目群の役割・関係性を見直し、明確にする必要がある。◆「基盤研究」種目群:「基盤研究(S・A・B・C)」 ・これまでの蓄積に基づいた学問分野の深化・発展を目指す研究を支援し、学術研究の足場を固めていく種目群。 ◆「学術変革研究」種目群:「新学術領域研究」「挑戦的研究(開拓・萌芽)」(後述) ・斬新な発想に基づく研究を支援し、学術の体系や方向の変革・転換、新領域の開拓を先導する潜在性を有する種目群。 ◆「若手研究」種目群:「若手研究」「研究活動スタート支援」 ・若手研究者に独立して研究する機会を与え、研究者としての成長を支援し、「基盤研究」種目群等へ円滑にステップアップするための種目群。 ◆「特別推進研究」 ・新しい学術を切りひらく真に優れた独自性のある研究を支援する種目。「基盤研究」種目群、「学術変革研究」種目群双方の性質を併せ持つ。(pages 5-6) .. (2)「挑戦的萌芽研究」の見直し ①「挑戦的萌芽研究」の現状・課題、発展的見直しの必要性 ・現行の科研費において挑戦的な研究を促している「挑戦的萌芽研究」は、平成2年度に導入された「一般研究(C)」等における萌芽的研究への支援を端緒とし、平成8年度に「萌芽的研究」、平成14 年度に「萌芽研究」として見直された後、平成21 年度に現行の形となった。その最大の特徴は、論文などの実績を一切求めず、研究課題における斬新なアイディアやチャレンジ性を特に評価することにより、小規模(500 万円以下)の助成を行うことにある。平成28 年度助成においては、継続課題を含め、8,821 件に対して約100 億円(直接経費)の助成を行っている。その受給者は、若手からベテランまで幅広い年齢層に分布している。(page 8) .. ・「挑戦的研究」においては、NSF におけるTFR の考え方を踏まえ、例えば、「新しい原理や学理の発見・追求」、「学術の概念や体系の見直し」、「研究のブレークスルーをもたらすような、大きな発想の転換や斬新な方法論の導入」など、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究計画を支援するものとする。 .. こうした「挑戦性」の扱いをめぐる「基盤研究」種目群との違いについて応募者・審査委員に対して明確に示し、共通の理解を得る必要がある。・「挑戦的研究」においては、より大規模の挑戦的な研究への支援の必要性と、現行の「挑戦的萌芽研究」が果たしてきた役割を踏まえ、「基盤研究(B)」相当の「挑戦的研究(開拓)」(英名:Challenging Research(Pioneering))、「基盤研究(C)」相当の「挑戦的研究(萌芽)」(英名:Challenging Research(Exploratory))の2つの区分を設ける。.. 「挑戦的研究」においては、種目の趣旨を踏まえた真に挑戦的な研究課題を支援する観点から、採択率の考え方等審査の進め方に関して「基盤研究」種目群と明確に異なる取扱いを行う。具体的には、制度の趣旨に沿った質の高い研究課題を選び抜くため、科研費の全体目標である採択率30%の目標にとらわれず、採択件数を一定数に絞る。(page 10)” (太字強調は当サイト)
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(参考資料)  (PDF:1007KB) PDF
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(関連データ集)(その1)  (PDF:2204KB) PDF
    • 科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について(関連データ集)(その2)  (PDF:1874KB) PDF

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本学術振興会ウェブサイトによると、平成29年度の科学研究費補助金(科研費)の交付内定の通知が2017年4月1日に行われました。内定通知があった研究種目は、特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援です。ちなみに、挑戦的研究(開拓)と挑戦的研究(萌芽)の交付内定の時期は、7月です(参考:公募から交付決定までのスケジュール)。

 

参考

  1. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援)の交付内定について
  2. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究(C)、若手研究(B))の交付内定について
  3. 2017年4月1日 平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究(B)及び若手研究(A))(平成24年度から平成26年度採択の研究課題)の交付内定について
  4. 平成29年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、若手研究、研究活動スタート支援)の交付内定について 別紙1:平成29年度科学研究費助成事業の交付内定・交付決定の日程(予定)(PDF)
  5. L-Rad(エルラド)は、未活用の研究申請書をキーとした、研究者と企業とのマッチングサービス。 科研費などの公的資金、民間助成金につぐ、第三の研究者資金獲得手法として、各方面から注目されているサービスです。
  6. 科研費不採択研究にフロンティアあり 不採択申請書のDB「L-RAD」への登録研究者が500人を突破 (日経バイオテク 2016.09.07 00:00 小崎丈太郎):”科研費(科学研究助成金/学術研究助成基金助成金)に申請しても採択されなかった不採択申請書をデータベース(DB)に登録、一定のルールに従って企業が閲覧し、産学連携を推進するシステムL-RAD(https://l-rad.net/)に参加した研究者の数が、9月1日までに502人(200大学・研究機関)に達した。”

 

科研費に纏わるつぶやき(TWEETS)

 

CREST・さきがけ 応募締め切り迫る!

科学研究費補助金(科研費)がボトムアップ型なのに対して、「CREST」や「さきがけ」は日本が国の政策として研究の方向性を予め決めて行う、いわゆるトップダウン型の研究助成です。

「CREST」は、科学技術イノベーションに大きく寄与する卓越した成果を創出するネットワーク型研究(チーム型)で、研究期間は5年半以内、研 究 費は総額1.5 ~ 5 億円/ チーム。平成27年度第1期CREST研究提案募集に対する応募の締め切りが5/19( 火) 正午。

「さきがけ」は科学技術イノベーションの源泉となる成果を世界に先駆けて創出するネットワーク型研究(個人型)で、研究期間は3年半以内、研 究 費が総額3 ~ 4 千万円。平成27年度第1期さきがけ研究提案募集応募締め切りが5/12( 火) 正午。

CRESTやさきがけに応募するにあたっては、トップダウン型という特質を理解したうえで申請書を書く必要があります。

JSTグラントの申請書のポイント
•戦略目標にそって研究総括が定めた「領域のねらい」、「募集に当たって」などが公表されます。
•いくら基礎的にすぐれた研究でも、「領域のねらい」に合致しないと採用されません。
•研究論文ではありません。あくまで研究課題の提案を書いて下さい。専門外の方も審査に加わります。わかりやすく、図をまじえて書いて下さい。
•これまでの研究成果もすべて書くのではなく、当課題の提案の根拠になるものにとどめて下さい。

申請書の審査ポイント
•オリジナリティがあるか。
•個人(CRESTの場合研究代表者のチーム)の貢献がどの程度あるか。
•期間内にどこまでしようとしているのか。
•計画は申請金額に見合っているか。
•基礎となる予備研究があるか。
•パブリケーションの能力があるか。
(引用元:JST CREST,さきがけの特徴と申請のポイント http://home.sato-gallery.com/research/Grant-Proposal-JSTkobe2014.pdf)

CREST

研究領域

(研究領域ウェブサイトへのリンク)

研究総括 戦略目標 発足年度
現代の数理科学と連携するモデリング手法の構築 坪井 俊
(東京大学 大学院数理科学研究科 教授)
平成27年4月6日 坪井 俊 研究総括による研究領域趣旨説明
社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築 平成
26年度
人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築 萩田 紀博
(国際電気通信基礎技術研究所取締役/社会メディア総合研究所所長)
平成27年4月6日萩田紀博研究総括による研究領域趣旨説明
人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発
統合1細胞解析のための革新的技術基盤 菅野 純夫
(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出
二次元機能性原子・分子薄膜の創製と利用に資する基盤技術の創出 黒部 篤
(株式会社東芝 研究開発センター 理事)
二次元機能性原子・分子薄膜による革新的部素材・デバイスの創製と応用展開
再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出 江口 浩一
(京都大学 大学院工学研究科 教授)
再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出 平成
25年度
素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成 桜井 貴康
(東京大学 生産技術研究所 教授)
横山 直樹(副研究総括)
(株式会社富士通研究所 フェロー)

平成27年4月7日 桜井貴康研究総括より説明
情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成
超空間制御に基づく高度な特性を有する革新的機能素材等の創製 瀬戸山 亨
(三菱化学株式会社 フェロー・執行役員/株式会社三菱化学科学技術研究センター 瀬戸山研究室長)
平成25年4月26日 H25年度公­募説明会 瀬戸山 亨 研究総括
選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙構造制御技術による新機能材料の創製
科学的発見・社会的課題解決に向けた各分野のビッグデータ利活用推進のための次世代アプリケーション技術の創出・高度化 田中 譲
(北海道大学 大学院情報科学研究科 特任教授)

平成27年4月6日 田中 譲 研究総括による研究領域趣旨説明
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化
ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化 喜連川 優
(国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授)

平成27年4月6日 喜連川 優 研究総括による研究領域趣旨説明
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化

さきがけ

研究領域(研究領域ウェブサイトへのリンク) 研究総括 戦略目標 発足年度
社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働 國府 寛司
(京都大学 大学院理学研究科 教授)
H26年度さきがけ「数学協働」領域(研究総括:國府寛司)募集説明会
社会における支配原理・法則が明確でない諸現象を数学的に記述・解明するモデルの構築/分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化 平成
26年度
社会と調和した情報基盤技術の構築 安浦 寛人
(九州大学 理事・副学長)
2015年4月2日さきがけ「社会情報基盤」領域(研究総括:安浦 寛人)募集説明会)
人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発/分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化
統合1細胞解析のための革新的技術基盤 浜地 格
(京都大学 大学院工学研究科 教授)
生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出
再生可能エネルギーからのエネルギーキャリアの製造とその利用のための革新的基盤技術の創出 江口 浩一
(京都大学 大学院工学研究科 教授)
再生可能エネルギーの輸送・貯蔵・利用に向けた革新的エネルギーキャリア利用基盤技術の創出 平成
25年度
素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成 桜井 貴康
(東京大学 生産技術研究所 教授)
横山 直樹(副研究総括)
(株式会社富士通研究所 フェロー)
平成27年度募集さきが­け選考方針 横山直樹副研究総括
情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成
疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく革新的医療基盤技術の創出 小田 吉哉
(エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ バイオマーカー&パーソナライズド・メディスン機能ユニット プレジデント)
H25年度 CREST及びさきがけ募集説明会 「疾患代謝産物」領域(2) さきがけ研究領域「疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく 革新的医療基盤技術の創出」(小田吉哉研究総括)
疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出
超空間制御と革新的機能創成 黒田 一幸
(早稲田大学 理工学術院 教授)
H25年度 さきがけ公募説明会「超空間制御」領域 黒田研究総括
選択的物質貯蔵・輸送・分離・変換等を実現する物質中の微細な空間空隙構造制御技術による新機能材料の創製
ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化 喜連川 優
(国立情報学研究所 所長/東京大学生産技術研究所 教授)
平成27年4月6日 喜連川 優 研究総括による研究領域趣旨説明
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化

(引用元:JST 科学技術振興機構 研究提案を募集する研究領域(第1期)、およびYOUTUBEより関連動画をピックアップ)

参考

  1. 研究提案を募集する研究領域(第1期)(JST 科学技術振興機構)
  2. 平成27年度 第1期 CREST・さきがけ 研究提案募集リーフレット(PDF)(JST 科学技術振興機構)