「 月別アーカイブ:2014年02月 」 一覧

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小保方晴子理研研究ユニットリーダーのSTAP細胞NATURE論文を理研も調査へ

  2014/02/23    論文データ捏造

小保方晴子理研研究ユニットリーダーを筆頭著者とするNATURE論文に関して、論文データに不自然な点が多々あることが指摘されていますが、小保方博士の所属機関である理化学研究所も2月13日に研究に関わっていない内外の専門家数人による調査チームを立ち上げ、小保方ユニットリーダーおよび関係者への聞き取りを含む調査を行っているそうです。 論文データの不自然さは今回NATUREに発表された論文にとどまらず、小保方博士の過去の論文に関しても指摘されています(pubpeer.com)。 Obokata H, et al. Reproducible subcutaneous transplantation of cell sheets into recipient mice. Nat Protoc 6.1053-9 (2011) 図5a(B cell数の経時変化)と図5b(neutrophils数の経時変化)の棒グラフが酷似(pubpeer.com) Obokata H, et al. The potential of stem cells in adult tissues representative of the three germ layers. Tissue …

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ハーバード大バカンティ教授「論文編集の過程で起きたささいな誤り」

  2014/02/22    論文データ捏造

先日ネイチャー(NATURE)に掲載されたSTAP細胞の論文に対して疑念が生じていることに関して、共著者であるハーバード大学ヴァカンティ教授がコメントを発表しました。 「論文編集の過程で起きた、ささいな誤り(minor errors)によって生じたものだと考えている」 とのことです。 ⇒ 小保方晴子理研研究ユニットリーダーのSTAP細胞NATURE論文を理研も調査へ 参考記事 STAP細胞:米教授、画像の酷似は「ささいな誤り」(毎日新聞 2014年02月21日) Paper on STAP cells contains minor errors, co-author says (Mainichi Japan February 21, 2014)

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小保方・理研研究ユニットリーダー「こんなことで研究そのものまで疑われるのは悔しい」

  2014/02/20    論文データ捏造

元は週刊文春の記事だそうですが、 小保方さんの共同研究者・若山照彦教授(山梨大)によると、本人は画像の使い回しを認めているという。<「十四日に本人が泣きながら、『ご迷惑をおかけすることになるかもしれません』と電話をしてきました。ただ、『こんなことで研究そのものまで疑われるのは悔しい』とも話していた。 もちろん改ざんが事実ならよくないことです。ただし、指摘を受けた箇所は、研究の本質とは離れた些末な部分であり、研究そのものの成果には影 響しません。彼女も、ネイチャーから細かい指摘を受けて時間に追われていたのでしょう。既に彼女はネイチャーに修正版を提出し、認めてもらう方向で進んで います」> また、万能細胞が簡単にできるというのは誤解だといい、小保方さんも5年かかったのだから、どこかが再現してくれるまでの辛抱だと彼女を励ましているという。 この通りなら心配はないのかもしれないが、専門家の中には厳しい意見もあるようだ。<「どのような事情があろうと、論文のデータの画像の差し 替えなどあってはならないこと。事実ならば、なぜこのような大事な論文の中でしてしまったのか、理解に苦しみます。日本の科学技術そのものの信頼が損なわ れる可能性もあります」(東京大学医科学研究所・北村俊雄教授)> (http://www.j-cast.com/tv/2014/02/20197292.html?p=2) あの時あの場所で確かにそのような実験結果が得られたのだけれども、それ以降は再現されない。そんな実験結果を論文として世に出す意味があるのでしょうか?論文のMaterials and Methods (材料と方法)のセクションは他の研究者がその論文の実験結果を再現できる程度に詳細に記述することが求められています。再現性に必要な条件が記載されておらず、実際に論文著者を含めて誰にも再現できない結果であれば、そもそも科学論文として成り立ちません。後からデータを差し替えて”うっかりミス”を訂正しても、そのことは変わりません。結果を再現するためのクリティカルな実験条件が見つかってから論文を再投稿しても、遅くはないと思います。 また、小保方晴子博士が画像の使い回しを認めているという記事内容が真実なら、それが些末な部分かどうかはもはや論点ではありません。論文の一部でデータ捏造があったにもかかわらず、結論が変わらないので「訂正」を受け入れますというのなら、ネイチャーという雑誌に対する科学者からの信頼が揺らぎます。 ⇒ セル、ネイチャー、サイエンスには出しません 「データ捏造はいついかなる場合にも許されない」というのは本来ならわざわざ言葉にする必要もないくらい当然のことですが、研究者の倫理感に大きなばらつきがあります。そのため、言葉にして確認することも大切でしょう。そこで、早稲田大学による研究不正の定義を紹介しておきます(ウェブサイトの文章の一部を抜粋)。 研究活動に係る不正防止に関する規程 この規程において「研究活動に係る不正行為」とは、次に掲げる行為およびそれらに助力することをいう。 一 試資料等の捏造 研究者等が調査や実験等を行わなかった、または調査や実験を行ったが試資料等を取得できなかったにもかかわらず、試資料等を作成すること。 二 試資料等の改竄 研究者等が行った調査や実験などを通じて得た試資料等を、正当な理由なく修正または削除すること。 三 作為的な行為によって恣意的に取得した試資料等の利用 計測・実験機材を操作するなどにより、正当な作業では得られないデータを取得し、または調査方法を恣意的に決定して都合の良いデータを取得すること。 (早稲田大学研究倫理オフィス 研究活動に係る不正防止に関する規程 )    

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研究不正の責任は研究機関にも

  2014/02/19    研究費の不正使用

文部科学省が研究不正防止徹底のためにガイドラインを改正し平成26年2月18日に公表しました。 研究不正が取り沙汰されてから何年間も沈黙を続ける大学や、研究費の不正使用が明らかになった研究者の氏名を公表しない大学など、納税者に対する説明責任を果たしていない大学や研究機関が数多く見受けられることから、不正を働いた研究者の所属する研究機関への罰則を盛り込んだ今回のガイドライン改正は歓迎すべきものと思われます。 (大阪大学の公的研究費の不正使用防止への取り組み) 研究費の着服と論文データ捏造は研究不正としては種類が異なりますが、納税者の視点からすればどちらも言葉はきついですが「税金泥棒」以外の何者でもありません。 See also, ⇒ 論文を捏造してもクビにならない不思議な国立大学 ⇒ 京都大学大学院薬学研究科元教授に対して懲役2年の実刑判決 参考記事  「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」の改正について(文部科学省):研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)(平成26年2月18日改正)  (PDF:894KB) 研究不正防止へ文科省指針改正 大学などの責任問う (日本経済新聞2014/2/18 13:38):研究者本人への罰則を強化するだけでなく、所属先の管理責任を問うことにした。 研究費不正使用:文科省、ガイドライン改正(毎日新聞 2014年02月18日):文部科学省は18日、研究費の不正使用があった研究機関に対し、不正をした研究者の氏名を含めた調査結果を原則210日以内に同省に報告するよう義務づけると発表した。

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小保方博士らのSTAP細胞論文をネイチャー(NATURE)誌も調査へ

データの図に問題があることが指摘されている小保方博士らのSTAP細胞論文ですが、掲載したネイチャー(NATURE)誌も調査を行うことをウェブサイト上で言明しました。 ネイチャーはこの記事で、問題となっているSTAP細胞論文の筆頭著者、小保方晴子博士の勤務先である理化学研究所(神戸)がこの論文に関する調査を開始したことを伝えています。 小保方博士が筆頭著者でハーバード大学医学部の麻酔科医チャールズ・ヴァカンティ博士が責任著者になっている2011年の論文Obokata, H. et al. Tissue Eng. Part A 17, 607–15 (2011)に関しては、幹細胞マーカーの存在を示すDNAのバンドの画像が上下反転されて、図の別の箇所でも使用されていることが指摘されています。これに関してヴァカンティ博士はネイチャーのインタビューに答え、“It certainly appears to have been an honest mistake [that] did not affect any of the data, the conclusions or any other component of the paper,”(「確かにうっかりミスがあったようだが、データも論文の結論も他のいかなる部分にも全く影響を及ぼさない。」)とコメントしています。 ネイチャーの論文に関しては、共著者の若山照彦教授(山梨大学)は画像の類似性を認め、ほとんどの胎盤の写真を自分が撮影しており小保方博士に100枚以上もの写真を送ったので図の作成にあたって写真の取り違えがあった可能性があると述べています。 STAP細胞作製に関して、多くの研究者がその再現性を確かめようと実験しています。しかしまだ誰も成功できていません。若山教授ですら、理研在籍時には小保方博士の指導のもとで実験を再現できたが、山梨大学に移籍後はうまくいっていないそうです。 …

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物品納入業者から賄賂を受け取った京都大学大学院薬学研究科元教授に対して懲役2年の実刑判決

物品納入業者から賄賂を受け取った罪に問われた裁判で、辻本豪三(元)京都大学大学院薬学研究科教授(61)に対する判決が17日に東京地方裁判所で言い渡されました。辻本豪三元教授は、医療機器販売会社「メド城取(しろとり)」から渡されたクレジットカードを使って自分の遊興費や家族との飲食代、子への援助などの支出に使っており、これらの合計約940万円分の利益が賄賂と認定されたものです。 億単位の研究費を動かす立場の大学教授が業者から賄賂を受け取り、納入業者の選定で便宜を図るという行為は悪質な行為ですが、今回の事件は実はそれだけにとどまらないようです。 「これで良いのか,京都大学の公益通報」という法律事務所のインターネット記事によると、辻本豪三(元)京都大学教授の行っていたことは業者から賄賂を受け取っていたことにとどまらないようです。しかも、辻本豪三教授の研究室内で行われていた研究費の不正に関して過去に内部通報があったにもかかわらず、京都大学は「調査の結果、通報対象事実は認められませんでした」としか回答せず、事実上不正を黙認していたのいうのですから驚きます。これではせっかく勇気を持って内部告発した人間がまったく報われません。辻本豪三教授が行っていたことは、なかなか巧妙です。 教授は,自らNPO法人をつくり,知人を理事長に据え,教室員らを理事にした。もちろんNPO法人を実質的に動か していたのは教授である。そのやり方の概略は,たとえば公的資金を原資とする研究および調査教授業務の一部を当該NPO法人に請け負わせることにして,見積もりを出させる。その見積もりはNPO法人に所属する教室員などに作成させ,最終的には教授がチェックする。調査自体も教室員にアルバイトとしてやらせて,アルバイト料を支払っていた。教室員らはこれがNPO法人の仕事などと思わず,むしろ教授の指示によるので研究活動の一端かと思って手伝っていたよう である。しかし最も大きな問題は、NPO法人への委託費と作業をした教室員に対するアルバイト料の間に大きな差があることで、このマージンがどのように使われたかは不明である。 本来なら,外部委託研究費の使途明細はすべて京大事務局において管理する仕 組みになっているのだが,NPO法人を間に通すと,その部分は別人格法人の会計処理になるので大学当局の管理も監査も及ばない。NPO法人の監督は京都府が行うが,京都府は金の使い途の当・不当までは干渉しない。それ故,NPO法 人における請負金額の使途明細はすべていわば水面下に沈められて,誰も問題にしようがなくなってしまうのである。このように間にNPO法人を通すことによ って,教授は個人秘書ともいうべき理事長を指図して,管理・監査の及ばない金を自由に使う ことが出来るというわけである。(「これで良いのか,京都大学の公益通報」より引用 http://kawanaka-law.jp) 参考ウェブサイト 京大元教授に懲役2年の判決 物品納入めぐる汚職事件(朝日新聞デジタル 2014年2月17日15時27分):吉村裁判長の言葉「提供された利益を自分の遊興や家族との飲食、子への援助などに見さかいなく使ってお り、公的立場にいることを踏まえた分別が感じられない。同種事案のなかでも違法性の高い悪質な事案で、実刑が相当」 京大の元教授に懲役2年の実刑判決(NHK NEWS WEB 2月17日 16時32分) :東京地方裁判所の吉村典晃裁判長は「研究の第一人者として多額の予算を獲得できる立場を悪用した悪質な犯行だ。辻本元教授はゲノム創薬科学分野の第一人者として多額の予算を獲得できる立場を悪用した。賄賂は自分の遊興費などに見境なく使っていて分別が感じられない。国立大学の機器調達の適正さを大きく損ねる悪質な犯行だ」と指摘。 これで良いのか,京都大学の公益通報(川中法律事務所 Posted on 2月 10th)

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小保方博士のSTAP細胞ネイチャー論文に疑義

  2014/02/17    論文データ捏造

日本人若手女性研究者による快挙として日本だけでなく世界中を沸かせたSTAP細胞の発見ですが、驚いたことに、STAP細胞作製を報告した小保方博士らのネイチャー論文のデータの信頼性に関して疑義が生ずるという非常に残念な状況になっています。 Obokata et al., Nature 505;676–680 図1b Obokata et al., Nature 505;676–680 図2g 異なる個体のマウスを用いた実験データのはずなのに、上図1bと図2gで胎盤(緑色の蛍光写真の中の、周辺部が茶色の円形の組織)の形態が、向きや縦横比は異なりますが酷似しており、同一個体の写真としか思えないという指摘がなされています。 またObokata et al., Nature 505,641–647の論文の図1iでは下に示すように明らかに3番のレーンを切り貼りした形跡が窺えます。       左側は論文の原図。右側はコントラストを変えて背景の明るさを強調したもの。3番目のレーンだけ背景が黒くいため、切り貼りされたものとわかります。 また、同じ筆頭著者が2011年に出した論文に関してもゲル上のDNAのバンドを反転させて別の図に流用した可能性が指摘されています。 理化学研究所は「研究成果自体は揺るがないと考えている」そうですが、たとえ論文の一部であったとしてもデータの”不適切な取り扱い”があれば、論文そのものの信憑性が著しく低下することは否めません。 データの”不適切な取り扱い”は単純ミスなのか意図的なのか? 意図的だとしたら動機は?単純なミスなら原因は? ”不適切さ”が指摘された以外のデータに関しては、どこまで信用していいのか? ネイチャー誌はこの問題にどう対処するのか(「訂正」を受け入れるのかそれとも「論文取り下げ」にするのか)? 理化学研究所は小保方博士および他の著者らをどう処遇するのか? そもそも本当にSTAP細胞はできていたのか?他の研究室でこの論文の実験結果の再現性は確認できているのか? 疑問が尽きません。 ちなみに、2013年日本分子生物学会年会のウェブサイト内の文書に、このような場合にネイチャー(Nature)編集部はどういう対処をするかに関して編集者の人の見解があります。 基本は-Principle of Scientific Publication is “Trust”。論文の中身に疑義が有った場合、Allegation(告発)はすべて基本受け付けている(匿名であろうが)。 中身としては図の問題が多い。Image duplication, Image manipulation …

小保方さんの成功の秘密

  2014/02/08    科学行政

⇒ 小保方博士のSTAP細胞ネイチャー論文に疑義 小保方さんの成功を受けて、若い女性研究者の中から第2の小保方さんが出てくるように研究環境を整備しようという政府の動きがあります。小保方さんの活躍に刺激を受けた若い人も多いかもしれません。しかし今回の小保方さんの大発見は誰もが真似できるようなことではなく、研究者の生き方としてはあまり一般的ではない成功例と言えそうです。共同研究者として小保方博士のSTAP細胞発見に寄与した山梨大生命環境学部の若山照彦教授(46)が、小保方博士の成功の秘密を解説しています。 「小保方さんは今回、酸性溶液に浸すことで多能性の細胞を作ったが、酸性溶液という条件を発見する前、いろいろな刺激方法を模索していた。私は、小保方さんが作った細胞が多能性を持っているかどうか、マウスを使って判定する実験を2010年7月頃から手伝った。 小保方さんが博士課程の3年生で米ハーバード大に留学している時、共通の知人から『多能性の判定を手伝ってほしい』とメールが届いた。刺激だけで多能性を 獲得するのは動物ではあり得ないというのが当時の常識。だから、ハーバード大では誰に頼んでも判定の仕事を手伝ってくれる人が見つからず、若山に頼めば何 とかなると頼んできたようだ。最初は『できるはずがない』と思ったが、あり得ないことを試すのは自分も好きだったので手伝った。 判定の手法は、緑色に光るマウスが生まれてくれば多能性がある、光らなければない、というもの。当然、最初は全く光らなかった。同様の共同研究を私に持ち かけてくる人は多いが、一度失敗を伝えると、たいていの研究者は引き下がる。でも小保方さんは違った。だめだったと伝えると、更に膨大な量の実験をして失 敗の原因と次の作戦を考え、『次は絶対いけるのでお願いします』と別の方法で作った細胞をすぐ持ってきた。普通とは違う熱意を感じた。 (『できっこない』が『もしかすれば』に変わった瞬間は)なかった。情熱はあってもおそらく無理だと思っていた。彼女はまだ若いし、若い頃の失敗は後々のためには良いと思っていた。今回の発見は、それ ぐらい常識を覆す研究成果だ。2011年末頃、緑色に光るマウスの1匹目が生まれた時は、小保方さんは世紀の大発見だとすごく喜んでいたが、私はそれでも 信じられず、『どこかで自分が実験をミスしたせいでぬか喜びさせてしまったかも』と心配だった」 (小保方さんに続く若手研究者が今後出るのは)彼女は次元が違い、難しいかもしれない。小保方さんのように世紀の大発見をするには誰もがあり得ないと思うことにチャレンジすることが必要だ。でもそれは、若い研究者が長期間、成果を出せなくなる可能性があり、その後の研究者人生を考えればとても危険なこと。トライするのは並大抵の人ではできない。 (小保方さん、熱意違った…共同研究の若山教授 (2014年2月3日08時03分  読売新聞)) 参考記事 小保方さんの理研、新法人に指定へ 文科相 (朝日新聞デジタル 2014年2月1日10時07分):新しい万能細胞を作製した小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの所属する理化学研究所について、下村博文・文部科学相は31日の閣議後会見で、世界最高水準の研究開発を担う新制度の「特定国立研究開発法人」に指定する考えを明らかにした。再生医学の研究を加速させる。新法人は、優秀な研究者を高給で優遇するなど、資金を自由に使える。政府はこの制度を盛り込んだ独立行政法人改革の基本方針を昨年12月に閣議決定した。欧米では研究機関のトップに5千万円程度の年俸を出すケースがあるが、新法人の指定によって日本でも同水準の年俸の研究者が出る可能性がある。  

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ハーバード大学ヴァカンティ教授らがヒトSTAP細胞の作製に成功か!?

⇒ 小保方博士のSTAP細胞ネイチャー論文に疑義 先日マウスを用いてSTAP細胞の作製を発表した小保方晴子博士の留学先であり共同研究者であるハーバード大学ヴァカンティ教授らのグループはヒトの細胞を用いてSTAP細胞を作製することに成功した可能性があるということでSTAP細胞の写真を公開しました。 (Image from newscientist.com: Charles Vacanti and Koji Kojima, Harvard Medical School)

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厚生労働省が研究不正もみ消しを手助け!?

多額の国家予算が投じられるプロジェクトで不当なデータ改ざんが見つかったので厚生労働省にそれを告発するメールを送ったのに、厚生労働省は調査を始めるどころか、告発された側にそのメールを転送し、不正を隠蔽工作する機会を与えるという大失態を演じていました。 田村憲久厚労相による釈明は「告発として受け止めると厚労省も調査に入らなければいけなくなる」ので内部告発として受理せず、不正が疑われている代表研究者の所属研究機関である東京大学に調査を依頼しました。「第三者的な公平な調査を強く依頼している。中立的な調査でなければ、研究機関として信頼性を失う話。強い思いで調査していただけると思う」と苦しい言い訳をしていますが、研究チーム責任者が所属する機関に公正な調査を期待するのは無理というものです。実際のところ、東京大学は2月3日現在の時点で調査委員会を設立してすらいないようです。 告発者である杉下守弘・元東大教授は「J―ADNI関係者から完全に独立した第三者」による調査と結果の全面公開を要請しており、「多額の国家予算が投じられるプロジェクトということで不当なデータ改ざんの問題に目をつぶれば、J―ADNIの科学的価値は失われ、アルツ ハイマー病患者をはじめ国民に多大な損失をもたらす」と指摘しています。 参考記事 発表が嘘だらけ「J-ADNI」臨床データ改竄問題が泥沼化 (huffingtonpost.jp 2014年01月17日 10時26分):「改ざんではない。この分野の大規模共同研究は日本では初めてのため、データ処理技術など、研究班に未熟な点があった」と、朝田隆・筑波大教授は説明したのだという。…「この分野の大規模共同研究は日本では初めて」なので未熟というが、これまでに同一分野の多施設臨床研究としてJ-COSMIC、SEAD-Jという国内多施設臨床研究があり、それぞれに成果を挙げている。 告発の元教授、国に調査要請 アルツハイマー研究改ざん(アピタル 2014年2月 4日):アルツハイマー病研究の国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」の主要メンバーで研究データの改ざんを内部告発していた杉下守弘・元東大教授が3日、 実名で記者会見した。データを扱ってきた事務局員が疑惑報道後に証拠資料を持ち出したと指摘。全資料を第三者の管理下にただちに移し、国が主体的に調査す るよう求める要請書を研究に予算を出す厚生労働、経済産業、文部科学の3省に送った。 要請書などによると、杉下氏はデータチェックの責任者の一人。作業中に「データ改ざんというべき極めて不適切な問題」を発見し、昨年11月18日に厚労省に告発メールを送った。ところが厚労省は無断で告発対象の研究チームの責任者に転送し、調査しなかった。 さらに朝日新聞が1月10日に改ざん疑惑を報道した後、製薬会社から出向している事務局員が研究責任者の指示で杉下氏が保管していた証拠資料を持ち出した と指摘。この職員は不適切なデータ処理に関与した疑いがあり、疑惑がもみ消される恐れがあると判断して実名での告発に踏み切ったという。 内部告発メール転送、厚労相が謝罪 データ改ざん問題(朝日新聞デジタル 2014年1月21日22時50分):田村憲久厚労相は21日の記者会見で、「許可を得ずにご本人の名前をだして確認行動を行った。大変申し訳ない対応だった。おわび申し上げる」と述べた。告発した本人には20日に職員が謝罪したという。…告発メールは昨年11月18日に厚労省に届いた。同省の担当専門官は翌日、実名入りの告発メールを無断で転送。告発者の名が業界内で知られてしまい、告発 者は「私が悪者で研究の信頼性を損なわせたという評価が研究者の間に広まった。名誉毀損(きそん)だ。厚労省は疑惑をもみ消そうとしているのでは」と反発 していた。