国立大学に対する国からの補助金である運営費交付金は、”成果を中心とする実績状況”を示す各指標に基づいて配分されるのだそうです。
これがあるから国立大学を辞める若手が多いのです。
40過ぎたら使い捨てられると言っていた通りのことが起きている。40過ぎの大学教員が企業へ転職するのは大変ですよ。 https://t.co/vsxVDOLUCa— ポスドク問題 (@UNIONTELLING) January 13, 2024
- 令和5年度成果を中心とする実績状況に基づく配分について(PDF)(文部科学省)
- 令和4年度成果を中心とする実績状況に基づく配分について(PDF)(文部科学省)
- 令和3年度国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果について
- 令和3年度成果を中心とする実績状況に基づく配分の仕組みについて(PDF)(文部科学省)
- 令和2年度国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果について
- 令和元年度国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果について
- 国立大学 法人運営費交付金「成果を中心とする実績状況に基づく配分」 2022 03-01 群馬大学 二宮祐研究室 Hatena Blog
- 国立大の運営費交付金、東工大など7校が最高評価 リセマム 文部科学省は2019年8月9日、2019年度国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果を公表した。 ‥ 2019年度からは、この重点支援評価に基づく配分に加えて、新たに客観的指標による成果を中心とした実績状況に基づく配分の仕組みを創設。運営費交付金対象事業費のうち、約700億円を評価対象経費として、改革に取り組む大学などのインセンティブを後押しする。
目次
実績に基づく運営費交付金配分の余波
国立大学の運営費交付金に成果配分が取り入れられて、総額は変わらずに大学同士の相対評価で増減
「常勤教員数あたり」の評価項目があるのでポストを増やせない。前にいたところ、配分が減ってテニュアが遠のいたとPI准教授が泣いてた https://t.co/UhNDkoGrkj— たゆtayu (@tayutau19) July 5, 2021
国立大学の運営費交付金が減らされたことの影響
大学の教員ポストが少ないのがかなり根本的な問題なんだけど、その理由は少なくとも国立大学に感じでは運営費交付金が削減されたせいです。これは日本の文部科学行政の問題なんだけど、実はそれを主導してるのは財務省なんだよ。そこはきちんと理解しておくべき。様々な問題の元凶はそこ
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) June 11, 2023
国立大学の運営費交付金の大部分は人件費ですからね。毎年1%減らされてるってことは人件費を毎年減らさざるをえない。定年などで空いたポストが補充されないのはそういうこと。東京藝大なんかは芸術の総合大学なんだから教員数は非常に多いんだろうと推察される。
— yayataro (@orhdydjrhdjsgs1) April 19, 2023
ちなみに減ってるのは人件費とかになる大学への運営交付金。https://t.co/aU2vQRuFFU
「常勤の特に若い人のつく助教、准教授のポストを毎年のように減らしている(…)将来を担う若手研究者が付く常勤の教員ポストの絶対数がどんどん少なくなっている。」
国連も同じ道を辿っていると思う。 https://t.co/HLBq1X4W5v— N. (@Kiwialafrique) August 30, 2022
「地方国立大学は、運営費交付金削減の影響をもろに被って、教員の新規採用凍結(定年などで退職した教員のポストの不補充)……を余儀なくされた。教員は減っても、授業は既存の教員が受け持たなければならないので、教育負担は増えて研究時間は減った。 」https://t.co/SAoPgA6ZRp
— Yosuke OKADA (@ellhgj) June 14, 2022
RT @enodon: 博士課程修了者の就職難「人件費削減の影響」宮本議員に政府答弁書 http://ow.ly/22WyW 答弁書は、35歳以下の大学教員の割合の減少など、若手研究者ポストの減少は、国立大学の運営費交付金の削減と行革推進法の人件費削減の義務付けの影響によるもの
— Yumiko Yamaguchi (@clione) June 24, 2010
35歳未満の大学教員の割合が15年前の19%から13%に減少しているように、若手研究者ポストは減少している。これは運営費交付金が自公政権下の五年間で720億円も削減され、また行政改革推進法による「2006年度以降5年間で5%以上の人件費削減」が義務付けられたからでは?(一部改変)
— ヨートゥーン (@jotun82) May 30, 2011
大学教員数が増えているのは定年が延長されたから。
運営費交付金が減る中で、高齢の教員(給与の高い教員)が増えているのだから、大学の運営はカツカツ。若手には任期付きで明日をも知れないポストしか与えられない。— ぽこぺん (@coffee_break015) November 10, 2016
(承前)少ないのではないでしょうか。また、(2)については、運営費交付金が減らされ、専任教員人事が凍結され、といった中で、ポストが大型資金に依存し、また大学の運営そのものが大型資金の間接経費に依存する、というようなことが起こっているわけです。そういった中で、大学の研究者の構成(続)
— KASUGA, Sho (@skasuga) March 24, 2019
大学院重点化の功罪
この点朝日はしっかり書いていて「90年代に国が進めた「大学院重点化」大学院生は増加したが大学の財政難で教員のポストは増えず競争倍率は91年の4・1倍から07年は7・7倍に。しかも国立大の運営費交付金は04年度以降に減らされ続け、非正規の教員や非常勤講師が増えた。」のだ。
— k o h 0 5 1 6 (@koh0516) April 21, 2019
問題の核心。
”90年代に国が進めた「大学院重点化」で、大学院生は急増した。ただ、財政難に苦しむ大学で、教員のポストは増えなかった。”
”大学に自立を促す国の政策のもと、国立大の基盤を支える「運営費交付金」が04年度以降に減り続け、(中略)非常勤講師が増えた。”https://t.co/YW9H0135ZA— 小池 英雄 (@rongo_to_sonshi) April 18, 2019
大学院博士課程進学者が減少した理由
先細る日本の「ノーベル賞人材」 30年代に受賞者急減も https://t.co/LA9rFAc0px 国立大学法人化で運営費交付金を毎年1%減額、若手研究者の待遇や研究環境も悪化、大学正規教員で25〜39歳の割合は90年代に比べ3割強も減少、安定したポストが少なく将来不安から博士課程への進学が敬遠されている。
— Tatsuhiko Fujimoto (@Tatsu_Fujimoto) March 4, 2023
とした制度設計のみなおしを求めてはいる
国立大学は、人件費などに充てられる運営費交付金が2004年の法人化以降1600億円以上減、研究者ポストの縮小と非正規化が進行
若手教員の約7割が不安定な任期付き雇用
苦労して博士号を取得しても安定した研究職に就けないことが
〝博士離れ〟の最大の原因— 淳平 (@JunkoTjunpey) October 6, 2023
若手研究者が使い捨てられる日本の科学業界の構造
大学の運営費交付金を少なくとも法人化前の額まで戻すべきだし、できればもっと増やすべき。
それをやらない限り、パーマネントの教員ポストは増やせず、若手の使い捨てが続く— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) September 22, 2023
1. 運営費交付金の削減で教員ポストを減らさざるを得ない
2. 若手教員比率を上げることを求められている今大学に課されているこのふたつの条件から導かれる結論はただひとつで、若手教員の使い捨てです。
2は1と両立しない。若手比率を上げたければ、教員ポストを増やすべき
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) June 12, 2022
研究業界で起きていることの真実を見極めるべきことについて
女性限定公募を出す大学は、アカデミアを目指す大学院生たちの良い道標になると思う。
・運営がお上のいいなり
→教職員の意向なく、数値目標だけで考えもなしに動く
→組織運営次第で給与もポストも削られる
・運営費交付金が厳しく個人研究費が少ない
→助成金目当て— ポスドク問題 (@UNIONTELLING) October 4, 2022
日本の科学研究を破壊した科学技術政策の責任の所在について
日本の大学で若手教員のパーマネントなポストが減っているのは運営費交付金を毎年(少し例外はあるにせよ)削減し続けるという財務省主導による狂気の政策によるもので、解決法は運営費交付金を大規模に増やすしかないし、それだけで解決する問題はかなり多いでしょう。がんばってください
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) March 8, 2023
財務省は国立大学の研究力を削ぐことに全力をあげていて、文科省はその言いなりです。
大学の研究力を上げるには、運営費交付金を倍増させて、自由に使える研究費を増やすとともに、パーマネントの教員ポストを増やすことが絶対に必要です。
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) October 5, 2022
競争的研究費を増やすことが問題の解決にならないことに関して
大学の運営交付金を毎年1%ずつ減らし、そのぶん競争的資金(科研費など)を増やした。しかし競争的資金では任期なし常勤教員は雇えない。任期付き研究職のみ。結果、大学教員のポストが減り、研究者の雇用環境が悪化した。伴って教員数も不足し、教育環境も劣化している。大学改革は明らかな失敗。
— ばく (@kapibaku) March 29, 2023
競争的資金をいくら増やしても任期つき教員ポストが作れるだけで、任期なしポストは増やせません。任期なしにするには恒常的な財源の裏付けが必要です。
国立大学の場合、恒常的な財源は国からの運営費交付金しかありません。運営費交付金が少ないと、設備のメンテも教育環境の整備もできません
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) July 10, 2023
日本の大学には教員ポストが少なすぎます。若い研究者をきちんと任期なしポストで雇いたいわけですよ、僕たちは。しかし、そのためには運営費交付金が必要です。競争的資金をいくら増やしても、任期なしポストは作れない。
財務省主導で運営費交付金を減らしてきたのが問題です。運営費交付金の倍増を
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) June 12, 2023
何度も書くけど、若手研究者の雇用問題の根本にあるのは国立大学の運営費交付金が減らされて無期雇用の教員ポストが増えないことにあるんですよ。
競争的資金をいくら増やしても任期付きのポスドクが増えるだけです。
運営費交付金を増やして無期雇用ポストを増やさないと解決しない https://t.co/7s5lL4p4kE
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) May 18, 2022
競争的研究費を増やすことが問題を悪化させていることに関して
ちなみに、運営費交付金を競争的資金埋戻した結果、任期付き雇用の大学教員が激増して任期なしの教員ポストが激減してしまうという不可逆な変形が生じてしまったので、元通りに戻すには3000億円以上はかかるはずです。だから財務省はあほ。
— Yoshi-aki Shimada (@yoshi_and_aki) June 28, 2023
競争的資金によるポスドクを増やして、その一方で運営費交付金削減によってパーマネントの教員ポストを減らすという政策がうまくいくはずはないわけで、とにかく大学の運営費交付金を増やして無期雇用教員ポストを増やすのは急務。特にこれからの時代は地方大の運営費交付金を増やすべきです
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) May 18, 2022
若手研究者が直面する現実を実感として理解できないシニア研究者
若手研究者には比較的短い任期の不安定なポジションが多いことをシニアの研究者はきちんと理解するべきだよ。
財務省が大学の運営費交付金を削り続ける限り、大学の教員ポストは減る一方で、そこにさらに「若手研究者比率を高めるべし」とかいうお達しがきたら、何が起きるかは明らか
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) June 8, 2022
東北大学副学長「優秀な若手男性がポストに恵まれないことは周囲を見ていて無いと思います。」(東北大学の女性限定教授公募の波紋「教授って合コンサークルか何かなのか?」)
日本の研究力を再び上げるために必要なこと
これは何度でも書くけど、競争的研究資金をいくら増やしたって、それだけでは日本の「研究力」は上がらないです。
大学の運営費交付金を倍増させて、パーマネントの教員ポストを増やす以外に解決策はありませんよ。
運営費交付金を毎年削るというあまりに愚かな政策が続く限り無理
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) September 10, 2022
参考
- 「国立大学法人化は失敗だった」 有馬朗人元東大総長・文相の悔恨 2020.5.21 中山 玲子 日経ビジネス記者 日経ビジネス