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科学研究を飛躍させた可視化技術 GCaMP

バイオテクノロジーの進歩は、一昔前なら夢物語でしかなかったことを現実にしてくれます。動物の脳の活動をリアルタイムで見せてくれるGCaMPも、そんなテクノロジーのうちのひとつ。GCaMPという名前を聞くのは初めてという人でもGFP (Green Fluorescent Protein)ならどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?GFPは、下村脩博士がオワンクラゲから見つけたもので、タンパク質なのに緑色の蛍光を発するという画期的な性質を持つものです。この研究で下村博士は2008年にノーベル化学賞を受賞しており、GFPは高校の生物の教科書にも紹介されています。このGFPを改造して、カルシウムイオンが結合するとより明るく光るような工夫を施して人工的に作り出したタンパク質がGCaMPです。つまりGCaMP蛍光強度の変化が、カルシウムイオン濃度の変化に対応するわけです。 GCaMPって誰がいつ発明したの? 2001年に中井淳一博士らのグループにより発明されました(Nakai et al., Nat Biotechnology 2001)。 我々が開発したG-CaMPはGFP1分子とカルモジュリンとミオシン軽鎖キナーゼのM13断片からなる一波長励起一波長測光タイプの蛍光カルシウムプローブである。GFPと同様のスペクトル特性を持っているので標準的な蛍光顕微鏡やレーザー顕微鏡で容易に観察することができる。G-CaMPの最大の特徴はG-CaMPが蛋白質であるためG-CaMPをコードする遺伝子をプロモーターの制御下に発現させることで,簡単に細胞特異的なプローブの導入ができる点である。(GFPを用いた蛍光カルシウムプローブG-CaMPの開発 中井淳一・大倉正道 比較生理生化学Vol.19,No.2(2002)) GCaMPはカルシウムセンサーとして機能し、カルシウムイオン濃度が高いほど明るい蛍光を発してくれますので、神経細胞に限らず、どんな種類の細胞であれ、細胞内にG-CaMPを導入してやるとその細胞のカルシウムイオン濃度の変化を、G-CaMPの蛍光強度変化として捉えることができます。   GCaMPって何の略? 2001年の原著論文では、green fluorescent protein (GFP)-based Ca2+ probesとしか書いていませんが、 (GCaMPタンパク質の立体構造。左側は横から見た図で、右側は縦方向から見た図。Akerboom et al., 2013 Fig.3を改変) カルモジュリン(Calmodulin)はCaMと表記されますので、GはGFPのG,CaMはカルモジュリンのCaM、PはProteinのPでしょうか。 Green fluorescent protein – calmodulin protein – (GCaMP)-type GECI are based …

まだ制限酵素サイトで悩んでるの?

一昔前までは、DNAコンストラクションと言えば、同じ制限酵素で切断したDNA断片(あるいは異なる制限酵素であっても切り口が同一の断片)を、DNAリガーゼで結合させるというのが一般的でした。そのため、DNAコンストラクションを考えるときには、どんな制限酵素が使えるかというのは大問題だったわけです。しかし、テクノロジーの進歩により時代はすっかり様変わりしました。ギブソンアセンブリー(Gibson Assembly (Gibson et al., 2009 Nat Methods))、NEBuilder、 In-Fusion, GeneArtなど、短いホモロジーをもつDNA断片をひとつにする方法が相次いで開発され、手軽に使えるキットが市場に出回った結果、DNAのコンストラクトを作成するときに制限酵素サイトが不要になったからです。 今となっては、DNAコンストラクションを行うための適当な制限酵素サイトで知恵を絞るのは、自分が昔学んだやり方にこだわり続ける、一部の高齢の研究者だけなのでしょうか。 最先端の研究を行うためには新しいテクノロジーをいち早く自分の研究に取り入れる必要があるわけですが、その一方で、研究者というのは、ある部分非常に保守的で、自分が過去にうまくいったやり方に固執してしまうものです。たとえそれがすっかり時代遅れなものになっていたとしても。   ギブソンアセンブリー 各メーカーからいくつかのキットが発売されており、一般的に使われていますが、制限酵素サイトで悩む必要がないということをわかりやすく伝える動画(2010年)をまずは見てみましょう。ギブソンアセンブリー(Gibson Assembly) の原理が歌に乗せて説明されています。 The Gibson Assembly Song Gibson Assembly システム (ギブソン・アッセンブリー・システム) 末端に15塩基の相同配列があるDNA断片とGibson Assemblyマスターミックスを混合し、15-60分間インキュベーションするだけ 複数断片を一括してクローニングすることが可能 10kbのインサートでも94%の高いクローニング効率 (引用元:NEB https://www.nebj.jp/f/541) We describe an isothermal, single-reaction method for assembling multiple overlapping …