「 ライフサイエンステクノロジー 」 一覧

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フローサイトメトリー(Flow Cytometry), FACS (Fluorescence assisted cell sorting)の原理と実際

フローサイトメトリーをやったことがない人(自分)でも、原理をわかった気になって、実験をやった(やれる)気になれそうなネット上の資料、動画を纏めました。 フローサイトメトリーとは フローサイトメーター装置を用いて、流動する液体に懸濁した細胞やその他の粒子が一列になってレーザー光放射位置を通過し、光との相互作用が光散乱と蛍光強度として電気検出装置により測定されます。もし蛍光標識または蛍光色素が特異的かつ化学量論的に細胞構成物と結合していれば、蛍光強度は特定細胞構成物の量を表すことができます。(フローサイトメトリー入門講座 コスモ・バイオ) フローサイトメトリーとは何かを非常に簡単に説明した動画。固定した細胞を蛍光標識した抗体で染色する様子が示されています。 Flow Cytometry Animation Cell Signaling Technology, Inc. 2016/02/04   フローサイトメトリーの原理 フローサイトメトリーとは何かを知るには、下の動画(12:09)が適度な詳しさで良いです。 Flow Cytometry  Shomu’s Biology 2012/11/13 shomusbiology.com 前方散乱光と側方散乱光 Flow Cytometry Animation   アイソタイプ・コントロールとは アイソタイプ・コントロール(Isotype control)抗体は特定の抗原とは反応しない抗体で、フローサイトメトリーや免疫組織染色で得られた結果を正しく評価するための、ネガティブ・コントロールとして使用します。(アイソタイプ・コントロールを選ぶポイント abcam.co.jp) フローサイトメトリーにおいて、アイソタイプコントロールを使用するかどうかは、論争の的であり、研究者を二分しています(Herzenberg Lら、Maecker HTおよびTrotter J)。(アイソタイプコントロール (Isotype controls) bio-rad.co.jp)   サンプルローディングとデータ取得 Running a …

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マイクロアレイ解析の原理、受託費用

マイクロアレイとは:マイクロアレイの原理 Introduction to Microarray Analysis Affymetrix GeneChip technology Katerina Taˇskova 11 March 2016 アジレントのマイクロアレイ   マイクロアレイデータ解析 Chapter 11 An Introduction to Microarray Data Analysis. M. Madan Babu   マイクロアレイ受託サービス選びのポイント マイクロアレイの受託解析を利用する際に知っておきたいポイント サーモフィッシャーサイエンティフィック 2017年4月10日   マイクロアレイ受託サービスにかかる費用の例 フィルジェン 全転写産物発現解析 Gene ST Array Human Gene 2.0 ST Array …

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全反射照明蛍光顕微鏡(TIRF) 細胞表面や1分子イメージングなどへの応用

全反射照明蛍光顕微鏡とは 全反射照明蛍光顕微鏡 (Total Internal Reflection Fluorescence Microscope ;TIRFMまたはTIRF) は、通常の落射蛍光顕微鏡のようにサンプル全体に真正面から励起光を当てることをせず、観察対象となるサンプルが載っているガラス表面に対して、角度をつけて斜め方向から励起光を照射します。この角度が大きい場合には、励起光はガラスの境界面で屈折して通り抜けずに全反射します。しかし、全反射が起きるときにガラスのごくごく近傍(100nm程度)までは光が「滲みだす」ため(エバネッセント光)、ガラス表面に近い100nm程度までのサンプルの部分のみが極めて局所的に励起光で照らされることになります。このような照明方法が全反射照明(TIRF)と呼ばれます。 界面近傍のみを高感度に観察できる「全反射照明蛍光顕微鏡 (TIRF)」(NIKON) Total Internal Reflection Fluorescence (TIRF) Microscopy An Introduction (Leica MIcrosystems March 12, 2012 Tutorial) Learn & Share: TIRF Microscopy (LEICA) TIRFM(実験医学オンライン キーワード)   全反射照明蛍光顕微鏡の利点 蛍光観察において、観察したい対象以外からの蛍光シグナルは全てノイズ、もしくは望まないバックグラウンドであり、視たいシグナルを埋もれさせてしまいます。しかし、全反射照明を用いるとサンプルを置いているガラス表面近傍以外には励起光が照射されていないので余計な蛍光も発生しません。もしスライドガラス近傍100nm程度の部分だけを観察したいのであれば、極めて低バックグラウンドで蛍光シグナルを観察することができるため、蛍光色素で標識されたたった1分子のタンパク質を可視化することすら可能になります。   全反射照明蛍光顕微鏡の欠点 TIRFMの欠点は利点の裏返しです。すなわち、観察できる対象がガラスの近傍100nm程度に存在するものに限られます。それよりも離れた場所は励起できないので観察できません。生体の内部で生じる現象は観察できないということになります。ガラス上の細胞を観察する場合でも、細胞のガラスに接している局所のみが観察可能で、細胞の内部深いところは観察できません。   全反射照明蛍光顕微鏡(TIRF)の解説動画 Microscopy: Total Internal Reflection …

NECの生体認証システム Bio-IDiom

NECの生体認証システム Bio-IDiomのTV CM 生体認証 Bio-IDiom「Same Face Girls」篇 [NEC公式] 生体認証(バイオメトリクス)とは 生体認証(バイオメトリクス)とは、人間の身体的または行動的特徴を用いて個人認証する仕組みです。NECは1970年代からいち早く生体認証の研究に取り組み、世界をリードし続けてきました。現在、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響の6つの生体認証技術を有しており、いずれも世界トップクラスもしくはNEC独自の技術です。NECでは、これらの生体認証を「Bio-IDiom(バイオイディオム)」と称し、さまざまなニーズやシーンに応じて使い分け、ときには組み合わせることで、最適なソリューションを提案します。(NEC)   虹彩認証とは 「虹彩認証」時代、始まる!! 意外と知らない虹彩認証のスゴさとは? TIME&SPACE 太田 穣2017/05/23 指紋認証とは 99.999%の識別力!!「指紋認証」ってどんな仕組み? TIME&SPACE 太田 穣 2016/06/01 指紋認証のしくみ (NEC) 声認証とは 認証方式には特定のフレーズの音声データを登録し認証する方式と、フレーズに依存せず非定型の自然な会話の音声データを登録し認証する方式があります。(NEC) 耳認証とは NECは、長岡技術科学大学の協力により、人間の耳穴の形状によって決まる音の反射を利用したバイオメトリクス個人認証技術「耳音響認証」を開発しました。(NEC) 顔認証の実用例 コンサートで顔パス!!顔認証でスピーディに入場 [NEC公式]   メイキングオブSame Face Girls 【メイキング映像】NECの生体認証 Bio-IDiom「Same Face Girls」篇 [NEC公式]    

オプトジェネティクス(Optogenetics 光遺伝学)研究の歴史 

オプトジェネティクス(光遺伝学)は、光照射によってイオン透過性が制御されるチャネルやポンプの遺伝子を神経細胞に発現させて、光によって神経活動を亢進させたり抑制させたりする技術です。特定の神経細胞だけを特定のタイミングで活動させたり抑制することができるため、脳の働く仕組みを理解するのに役立ちます。また、非侵襲的な刺激方法がどの程度可能なのかがはっきりしませんが、精神疾患の治療に役立てたいという期待も存在します。   ピーター・ヘーゲマン(Peter Hegemann)博士 オプトジェネティクスで使われるツールを最初に開発したのは、ピーター・ヘーゲマン(Peter Hegemann)博士の研究室でした。 Peter Hegemann | 2016 Massry Prize Lecture Harz & Hegemann 1991 Nature Nagel et al., 2002 Nagel et al., 2003 Kato et al., 2012 Wieteck et al., 2014 Science with M. Elstner Wietek et …

ゲノム編集技術CRISPR/Cas9の原理とその発見から応用までの歴史

ゲノム編集技術の革命的なツールであるCRISPR/Cas9(くりすぱー きゃすないん)ですが、もとはといえば、自然界においてバクテリアがウイルスから身を守るために備えているシステムです。2012年にこれがゲノム編集のツールとして利用できることが示され、わずか数年の間に、この技術を使わないラボがあるのか?というくらいにまで、研究の世界の隅々にまで浸透しました。 CRISPR技術の説明 適度な詳しさで、CRISPRをわかりやすく簡潔に説明した動画。 What is CRISPR? 総説 ゲノムから見た最近の進化ーCRISPによる生存戦略ー 中川一路 Dental Medicine Research 33(3):236-241. (2013). PDFリンク 図1(A)CRISPRによる外来性因子の取り込みの機構。(2)CRISPRによる外来性因子の認識と排除 CRISPRの発見と応用技術の進展のタイムライン CRISPR/Casが働く仕組みの解明には多くの研究者が関与しており、メジャーな発見だけでも論文が多数になるため、時系列にまとめたサイトを紹介しておきます。 CRISPR TIMELINE (BROAD INSTITUTE) CRISPR Timeline (CRIPR Update)   CRISPRの発見 大阪大学微生物病研究所の研究グループが奇妙な繰り返し配列を大腸菌のゲノムで見つけ、石野 良純(いしの よしずみ)博士らが1987年に論文報告をしたのが、CRISPRが見出された最初の例です。この配列は、後の研究者によって、CRISPR、Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeatsと名付けられることになります。 Ishino Y, Shinagawa H, Makino K, Amemura …

GCaMP:細胞の活動を可視化するためのカルシウムセンサー

バイオテクノロジーの進歩は、一昔前なら夢物語でしかなかったことを現実にしてくれます。動物の脳の活動をリアルタイムで見せてくれるGCaMPも、そんなテクノロジーのうちのひとつ。GCaMPという名前を聞くのは初めてという人でもGFP (Green Fluorescent Protein)ならどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?GFPは、下村脩博士がオワンクラゲから見つけたもので、タンパク質なのに緑色の蛍光を発するという画期的な性質を持つものです。この研究で下村博士は2008年にノーベル化学賞を受賞しており、GFPは高校の生物の教科書にも紹介されています。このGFPを改造して、カルシウムイオンが結合するとより明るく光るような工夫を施して人工的に作り出したタンパク質がGCaMPです。つまりGCaMP蛍光強度の変化が、カルシウムイオン濃度の変化に対応するわけです。 GCaMPって誰がいつ発明したの? 2001年に中井淳一博士らのグループにより発明されました(Nakai et al., Nat Biotechnology 2001)。 我々が開発したG-CaMPはGFP1分子とカルモジュリンとミオシン軽鎖キナーゼのM13断片からなる一波長励起一波長測光タイプの蛍光カルシウムプローブである。GFPと同様のスペクトル特性を持っているので標準的な蛍光顕微鏡やレーザー顕微鏡で容易に観察することができる。G-CaMPの最大の特徴はG-CaMPが蛋白質であるためG-CaMPをコードする遺伝子をプロモーターの制御下に発現させることで,簡単に細胞特異的なプローブの導入ができる点である。(GFPを用いた蛍光カルシウムプローブG-CaMPの開発 中井淳一・大倉正道 比較生理生化学Vol.19,No.2(2002)) GCaMPはカルシウムセンサーとして機能し、カルシウムイオン濃度が高いほど明るい蛍光を発してくれますので、神経細胞に限らず、どんな種類の細胞であれ、細胞内にG-CaMPを導入してやるとその細胞のカルシウムイオン濃度の変化を、G-CaMPの蛍光強度変化として捉えることができます。   GCaMPって何の略? 2001年の原著論文では、green fluorescent protein (GFP)-based Ca2+ probesとしか書いていませんが、 (GCaMPタンパク質の立体構造。左側は横から見た図で、右側は縦方向から見た図。Akerboom et al., 2013 Fig.3を改変) カルモジュリン(Calmodulin)はCaMと表記されますので、GはGFPのG,CaMはカルモジュリンのCaM、PはProteinのPでしょうか。 Green fluorescent protein – calmodulin protein – (GCaMP)-type GECI are based …

まだ制限酵素サイトで悩んでるの?

一昔前までは、DNAコンストラクションと言えば、同じ制限酵素で切断したDNA断片(あるいは異なる制限酵素であっても切り口が同一の断片)を、DNAリガーゼで結合させるというのが一般的でした。そのため、DNAコンストラクションを考えるときには、どんな制限酵素が使えるかというのは大問題だったわけです。しかし、テクノロジーの進歩により時代はすっかり様変わりしました。ギブソンアセンブリー(Gibson Assembly (Gibson et al., 2009 Nat Methods))、NEBuilder、 In-Fusion, GeneArtなど、短いホモロジーをもつDNA断片をひとつにする方法が相次いで開発され、手軽に使えるキットが市場に出回った結果、DNAのコンストラクトを作成するときに制限酵素サイトが不要になったからです。 今となっては、DNAコンストラクションを行うための適当な制限酵素サイトで知恵を絞るのは、自分が昔学んだやり方にこだわり続ける、一部の高齢の研究者だけなのでしょうか。 最先端の研究を行うためには新しいテクノロジーをいち早く自分の研究に取り入れる必要があるわけですが、その一方で、研究者というのは、ある部分非常に保守的で、自分が過去にうまくいったやり方に固執してしまうものです。たとえそれがすっかり時代遅れなものになっていたとしても。   ギブソンアセンブリー 各メーカーからいくつかのキットが発売されており、一般的に使われていますが、制限酵素サイトで悩む必要がないということをわかりやすく伝える動画(2010年)をまずは見てみましょう。ギブソンアセンブリー(Gibson Assembly) の原理が歌に乗せて説明されています。 The Gibson Assembly Song Gibson Assembly システム (ギブソン・アッセンブリー・システム) 末端に15塩基の相同配列があるDNA断片とGibson Assemblyマスターミックスを混合し、15-60分間インキュベーションするだけ 複数断片を一括してクローニングすることが可能 10kbのインサートでも94%の高いクローニング効率 (引用元:NEB https://www.nebj.jp/f/541) We describe an isothermal, single-reaction method for assembling multiple overlapping …